[実施の形態1]
図1は、この発明の実施の形態1に従う不揮発性半導体記憶装置の要部の構成を概略的に示す図である。図1において、不揮発性半導体記憶装置は、メモリセルMCが行列状に配列されるメモリセルアレイ1を含む。メモリセルアレイ1においては、メモリセルMCの各行に対応してワード線WLが配置され、メモリセル列に対応してビット線BLが配置される。ビット線BLと平行に各ビット線に対応してソース線SLが配設される。このソース線SLは、メモリセルアレイ1の第1の辺に沿ってビット線BLおよびソース線SLと直交する方向に延在して配置されるグローバルソース線GSLに結合される。グローバルソース線GSLは、接地ノード(接地パッド;基準電位源)に結合される。メモリセルMCは、その構成は後に説明するが、相変化材料素子を記憶素子として含み、書込電流に応じてその相変化材料素子が結晶化状態(結晶状態または多結晶状態)または非晶質状態に設定される。結晶化状態が低抵抗状態に対応し、非晶質状態が高抵抗状態に対応する。
不揮発性半導体記憶装置は、さらに、図示しないアドレス入力回路からのアドレス信号に従ってメモリセルアレイ1の選択行に対応するワード線WLを選択状態へ駆動する行選択回路2と、図示しないアドレス入力回路からの列アドレス信号に従ってメモリセルアレイ1の選択列に対応するビット線BLを選択する列選択回路3と、列選択回路3外部に、ワード線WLの延在方向と同方向に延在して配置される内部データ線IDLと、内部データ線IDLに書込/読出電流を供給する書込/読出回路4を含む。
メモリセルMCの選択時、書込/読出回路4から書込または読出電流Iが供給され、列選択回路3により選択されたビット線BLからメモリセルMCおよびソース線SLを介してグローバルソース線GSLに電流が流れる。
ソース線SLは、ワード線WLと交差しており、その交差部に対応するメモリセルMCが選択される。従って、1つのソース線SLに対しては1つのメモリセルMCのみが選択されて、書込/読出電流が流れるだけであり、データ書込/読出時におけるソース線電位の選択メモリセル間の相互干渉を防止することができる。
ビット線BLおよびソース線SLは、単位長当りの抵抗値が等しくされる。また、内部データ線IDLおよびグローバルソース線GSLの単位長当りの抵抗値もそれぞれ等しくされる。したがって、メモリセルMCの抵抗値を除けば、メモリセルMCを介して書込/読出回路4から接地ノードへ流れる電流経路における総抵抗値は、メモリセルMCのメモリセルアレイ1内の位置にかかわらず一定とすることができ、書込/読出電流のメモリセルのアレイ内位置依存性を抑制することができ、正確な書込/読出を実現することができる。
図2は、図1に示す不揮発性半導体記憶装置のデータ書込に関連する部分の構成の一例を示す図である。図2においては、メモリセルアレイ1内において、ビット線BL1およびソース線SL1の間に配設されるメモリセルMC1およびMCを代表的に示す。メモリセルMC1およびMC2は、それぞれ、ワード線WL1およびWL2に結合される。メモリセルMC1およびMC2は、同一構成を有し、図2においては、メモリセルMC2の構成要素に対して参照符号を付す。このメモリセルMC2は、GST膜などのカルコゲナイド材料で構成される相変化材料素子PCEと、この相変化材料素子PCEの書込時加熱するヒータ層HTと、ワード線WL2の選択時ヒータ層HTをソース線SL1に電気的に結合するアクセストランジスタATを含む。これらの相変化材料素子PCE、ヒータ層HTおよびアクセストランジスタATは、ビット線BL1とソース線SL1の間に直列に接続される。アクセストランジスタATは、一例として、NチャネルMOSトランジスタ(絶縁ゲート型電界効果トランジスタ)で構成される。
相変化材料素子PCEは、GST膜であってもよく、また、(Ag)−In−Sb−Te系材料素子が用いられてもよい。また、ヒータ用の抵抗素子(ヒータ層HT)としては、一般に、タングステン等の高融点の耐火性金属が用いられる。
書込/読出回路4は、データ書込時書込電流を供給する可変電流源4Wを含む。可変電流源4Wは、書込データに応じて選択的に生成される書込制御信号φ0およびφ1を受けるNORゲートNGと、NORゲートNGの出力信号を反転するインバータIVと、電源ノードと内部データ線IDLの間に接続されかつそのゲートが内部ノードND0に接続されるPチャネルMOSトランジスタ(絶縁ゲート型電界効果トランジスタ)PT1と、電源ノードと内部ノードND0の間に接続されかつそのゲートが内部ノードND0に接続されるPチャネルMOSトランジスタPT2と、インバータIVの出力信号がLレベルのときに内部ノードND0を電源ノードに結合するPチャネルMOSトランジスタPT3と、書込制御信号φ0に従って内部ノードND0から接地ノードへ電流を駆動するNチャネルMOSトランジスタNT1と、書込制御信号φ1に従って内部ノードND0から接地ノードへ電流を駆動するNチャネルMOSトランジスタNT2を含む。
MOSトランジスタNT1のチャネル幅W1は、MOSトランジスタNT1のチャネル幅W2よりも小さく、MOSトランジスタNT1の電流駆動力は、MOSトランジスタNT1の電流駆動力よりも大きくされる。書込制御信号φ0およびφ1は、それぞれ、データ“0”および“1”を書き込むときに活性化される。
内部データ線IDLは、列選択信号CSLに応答して選択的に導通する列選択ゲートCSGを介してビット線BL1に結合される。
図3は、図2に示すデータ書込系の動作を示す信号波形図である。以下、図3を参照して、図2に示すデータ書込系の動作について説明する。
データ書込前においては、書込制御信号φ0およびφ1はともにLレベルであり、インバータIVの出力信号はLレベルであり、内部ノードND0はMOSトランジスタPT3により電源電圧レベルに維持される。MOSトランジスタPT1およびPT2はともにオフ状態にある。また、書込制御信号φ0およびφ1がLレベルであるため、MOSトランジスタNT1およびNT2もオフ状態にある。
データ書込時、選択行に対応するワード線WLが選択状態へ駆動される。今、ワード線WL2が選択された状態を考える。応じて、メモリセルMC2においてアクセストランジスタATがオン状態となり、ビット線BL1からメモリセルMC2を介してソース線SL1へ電流が流れる経路が形成される。ソース線SL1はグローバルソース線GSLに接続されており、このグローバルソース線GSLを介して接地ノード(接地パッド)に結合される。
次いで、列選択信号CSLが選択状態へ駆動され、列選択ゲートCSGがオン状態となり、内部データ線IDLがビット線BL1に結合される。データ“0”書込時においては、書込制御信号φ0が駆動される。書込制御信号φ0がHレベルに立上がると、NORゲートNGの出力信号がLレベルとなり、応じてインバータIVの出力信号がHレベルとなり、MOSトランジスタPT3がオフ状態となる。一方、MOSトランジスタNT1がオン状態となり、内部ノードND0は、接地ノードへ電流を放電する。MOSトランジスタNT1の駆動電流は、MOSトランジスタPT2から供給される。MOSトランジスタPT2およびPT1が、MOSトランジスタPT2をマスタとするカレントミラー回路を構成しており、MOSトランジスタNT1が駆動する電流に応じた電流が、図2において太線で示すように、内部データ線IDLからビット線BL1に供給され、メモリセルMC2を流れる。この書込電流は、ヒータ層HTにより熱を発生させ、相変化材料素子PCEに相変化を生じさせる。しかしながら、このデータ“0”書込時における書込電流は、そのパルス幅が長くまた電流量も小さく、ヒータ層HTの発熱により非晶質状態の相変化材料素子が結晶化状態へ変化した場合、その後の徐冷により、結晶化状態に維持される。結晶化状態のメモリセルは、書込電流に従って結晶化状態を維持する。
一方、データ“1”書込時の書込制御信号φ1の場合には、MOSトランジスタNT2がオン状態となり、大きな書込電流が供給され、また、そのパルス幅もデータ“0”書込時よりも短いため、ヒータ層HTによる相変化材料素子の急速加熱および急速冷却が行なわれ、この相変化材料素子PCEは、結晶化状態から急速加熱により非晶質状態となる。非晶質状態のメモリセルは、同様急速加熱および冷却により非晶質状態を維持する。非晶質状態は、高抵抗状態であり、また結晶化状態は低抵抗状態であり、それぞれ、書込制御信号φ0およびφ1により、データ“0”および“1”を、相変化材料素子PCEの抵抗値情報として記憶することができる。
高抵抗状態は、通常、抵抗値が85KΩから100KΩ程度であり、低抵抗状態は、0.1KΩから2.0KΩ程度の抵抗値を有する。この場合、メモリセル電流Icell(書込電流)は、データ“0”書込時、0.3mA程度であり、データ“1”書込時においては、0.75mA程度から1.0mA程度である。
図4は、この書込電流が流れる経路を概略的に示す図である。図4において、可変電流源4Wからの書込電流Iwは、内部データ線IDLを介して選択列に位置するビット線BLに供給される。ビット線BLに供給された書込電流は、メモリセルMCを介して対応のソース線SLへ流れる。さらに、このソース線SL上の電流が、グローバルソース線GSLを介して接地ノード(接地パッド)GNDへ流れる。内部データ線IDLおよびグローバルソース線GSLが互いに平行に配置され、また、ビット線BLおよびソース線SLが、互いに平行に配置される。ソース線SLおよびビット線BLの単位長さ当りの抵抗値が等しく、また、内部データ線IDLおよびグローバルソース線GSLの単位長当りの抵抗値も等しくされる。
今、メモリセルMCについて、内部データ線IDLからビット線までの配線抵抗をRD、ビット線BLのメモリセルMCまでの抵抗をRB、ソース線SLからグローバルソース線GSLの抵抗をRS、ソース線SLから接地ノードまでのグローバルソース線GSLの抵抗値をRGとする。この場合、書込電流Iwが流れる電流経路のメモリセルMCの抵抗値を除く総抵抗値Rallは、次式で表わされる:
Rall=RD+RB+RS+RG
ビット線BLおよびSLが、互いに平行に配列されており、選択行の位置にかかわらず、ビット線BLおよびソース線SLの抵抗の合計RB+RSは、常に一定となる。同様、内部データ線IDLおよびグローバルソース線GSLの抵抗の合計RD+RGも、選択列位置にかかわらず、一定となる。したがって、選択メモリセルのメモリセルアレイ内の位置にかかわらず、総抵抗値Rallは、常に一定となる。
たとえば、可変電流源4Wに最も近いメモリセルMCaが選択された場合、抵抗RD+RBが最小値となる。この場合、ソース線SLおよびグローバルソース線GSLの抵抗の合計RS+RGが最大値となる。また、内部データ線IDLの終端でかつビット線BLの終端に配置されるメモリセルMCbが選択された場合、ビット線抵抗RBと内部データ線の配線抵抗RDの合計が最大となる。この場合、ソース線SLとグローバルソース線GSLの合計抵抗RS+RGが最小値となる。
したがって、このメモリセルアレイ1において、書込電流が流れる経路のメモリセルの抵抗値を除く総抵抗値を常に一定とすることができ、同じ大きさの書込電流Iwを供給することができる。また、可変電流源4Wは、選択メモリセルの位置に応じて書込電流量を調節することは要求されず、書込電流としては、単に、書込データに応じて所定の大きさの書込電流を供給することが要求されるだけであり、書込電流供給の制御が容易となる。
また、ソース線SLとビット線BLを平行に配列することにより、複数ビットのデータ書込時において複数のビット線が並行して選択されても、1つのソース線SLには1つのメモリセルを介して書込電流が流れるだけであり、選択メモリセル間の書込電流の相互干渉を防止することができる。
今、図5に示すように、ソース線SLがビット線BLと直交する方向に、すなわちワード線WLと平行に配列される状態を考える。メモリセルMC1およびMC2のアクセストランジスタは、ゲートが共通にワード線WLに接続されかつソースがソース線SLに接続される。メモリセルMC1およびMC2の可変抵抗素子は、それぞれビット線BL1およびBL2に接続される。ここで、可変抵抗素子は、相変化材料素子およびヒータ層を含む。ビット線BL1が列選択ゲートCSG1を介して内部データ線IDLに接続され、ビット線BL2が、列選択ゲートCSG2を介して内部データ線IDLに接続される。ビット線BL2には、寄生容量Cbが存在する。また、内部データ線IDLは、その一端に可変電流源4Wが設けられる。
今、メモリセルMC1に書込電流Iwを供給する状態を考える。この場合、可変電流源4Wから列選択ゲートCSG1を介してメモリセルMC1に書込電流Iwが供給される。この書込電流Iwが、メモリセルMC1を介してさらにソース線SLを流れる。メモリセルMC2においては、ワード線WLの電位に従ってアクセストランジスタがオン状態であり、ソース線SLの電流が、さらにビット線BL2を流れてその寄生容量Cbを充電する。
したがって、ソース線SLに、同一のワード線により選択されるメモリセルMC1およびMC2が共通に接続される場合、メモリセルMC1へのデータ書込時、非選択メモリセルMC2において、書込電流が流れ、その結晶の相(結晶化状態または非晶質状態)が変化するライトディスターブが起こる場合が生じる。特に、メモリセルMC2が非晶質状態である場合、メモリセルMC1からソース線SLに流れる電流が小さい場合でも、徐冷によりメモリセルMC2の非晶質状態が結晶化状態に変化する可能性が高い。したがって、このようなソース線SLをビット線BL(BL1,BL2)と直交する方向に配設する場合のライトディスターブの問題を、ビット線BLおよびソース線SLを平行に配置することにより解消することができる。すなわち、ソース線SLには選択メモリセルが1つ接続され、ソース線に対する電流経路が選択メモリセルにおいてのみ形成されるため、このようなライトディスターブの問題を解消することができる。
図6は、この発明の実施の形態1における不揮発性半導体記憶装置の要部のレイアウトを概略的に示す図である。図6において、内部データ線IDLが、第2メタルで形成され、その一端が書込/読出回路4に結合される。第2メタルは、多層メタル配線における第2番目のメタル配線層である。ビット線BLも、内部データ線IDLと同様、第2メタルで形成される。このビット線BLと平行に、第1メタル(第1層目のメタル配線)で形成されるソース線SLが配設される。
ビット線BLおよびソース線SLと交差する方向に、これらの第1および第2メタル配線層下部に、ポリシリコンで形成されるワード線WLが配置される。ワード線WLは、メモリセルMCのアクセストランジスタのゲートを構成する。
ワード線WLとビット線BLおよびソース線SLとの交差部に、メモリセルMCが配置される。メモリセルMCの領域は、隣接メモリセル間分離領域を隣接メモリセルと共有するため、活性領域ARよりも大きくなる。活性領域AR内に、アクセストランジスタ(図示せず)が形成される。このアクセストランジスタは、コンタクトCNTbを介してソース線SLに電気的に接続される。一方、ビット線BLと平行に、相変化材料素子PCEが形成され、図示しない上部電極が、コンタクトCNTaを介してビット線BLに電気的に接続される。
ソース線SLは、メモリセルアレイ1の外部にワード線WLと同一方向に延在して配置されるグローバルソース線GSLに接続される。グローバルソース線GSLは、ソース線SLと同様、第1メタルで形成される。
内部データ線IDLとビット線BLは、列選択ゲートCSGを介して電気的に接続される。書込/読出回路4からメモリセルMCまでの書込電流経路の総抵抗RD+RBは、500Ω以下の値に設定される。同様、メモリセルMCのソース線SLからグローバルソース線GSLを介して接地ノードまでの書込電流経路の総抵抗RS+RGは、500Ω以内に設定される。これらの選択メモリセルMCに対する抵抗RD+RBおよびRG+RSを、それぞれ500Ω以内に設定することにより、以下の効果が得られる。
今、図7に示すように、可変電流源4WからメモリセルMCまでの合計抵抗RD+RBが0.5KΩであり、メモリセルMCが低抵抗状態のRcl=2KΩであり、メモリセルMCから接地ノードまでの合計抵抗RS+RGが0.5KΩの状態を考える。書込用の可変電流源4Wの電源電圧は3Vである。メモリセルMCは、高抵抗状態の書込時には1mA以上の電流を供給する必要がある。この場合、可変電流源4Wから1mAの電流が供給された場合、抵抗RL+RBの経路には、0.5Vの電圧降下が生じ、メモリセルMCにおいて2Vの電圧降下が生じる。抵抗RS+RGの経路には、0.5Vの電圧降下が生じる。ビット線およびソース線の抵抗が大きくなった場合、書込電流をメモリセルMCに供給するためには、可変電流源4Wにおいて3Vよりもさらに高い電圧を発生する必要があり、そのトランジスタサイズが大きくなり、また、低電源電圧下で動作する事が困難となる。
したがって、この図7に示すように、メモリセルMCと可変電流源4Wとの間の抵抗値およびメモリセルMCと接地ノードの間の抵抗値はそれぞれ500Ω(0.5KΩ)以下に設定することにより、3Vの電源電圧を用いて、十分にメモリセルMCに必要な書込電流を供給することができ、可変電流源4Wの規模を増大させることなく正確に、メモリセルMCに対して書込電流を供給することができる。
後に説明するように、メモリセルMCに読出電流が供給される場合、メモリセルMCを流れる電流は、せいぜい10μA程度であり、十分にその電流値は書込時の電流値に比べて小さく、読出電流により選択メモリセルの相変化材料素子の相が非晶質状態から結晶化状態へ変化するリードディスターブの問題が生じるのは、防止することができる。
[変更例1]
図8は、この発明の実施の形態1の変更例の不揮発性半導体記憶装置の要部の構成を概略的に示す図である。この図8に示す不揮発性半導体記憶装置においては、内部データ線IDLに、書込電流を供給する可変電流源4Wと並列に、センスアンプ4Sが接続される。この図8に示す不揮発性半導体記憶装置の他の構成は、図1および図2に示す不揮発性半導体記憶装置の構成と同じであり、対応する部分には同一参照番号を付し、その詳細説明は省略する。
センスアンプ4Sは、電圧センス方式のセンスアンプであってもよく、また、電流センス方式のセンスアンプであってもよい。電圧センス方式の場合、内部データ線の電圧を参照電圧と比較して内部読出データを生成する。また、電流センス方式の場合、内部データ線を流れるメモリセル電流を参照電流と比較して、内部読出データを生成してもよく、電流増幅によりメモリセル電流を増幅して内部読出データを生成してもよく、また、メモリセル電流を内部で電圧に変換して内部読出データを生成してもよい。メモリセルにデータ読出時電流を供給する構成であれば、いずれの構成がセンスアンプ4Sに対して用いられてもよい。
メモリセルMCは、記憶データに応じて高抵抗状態(非晶質状態)または低抵抗状態(多結晶状態)のいずれかに設定される。センスアンプ4Sは、データ読出時、列選択回路3を介して選択列上のビット線BLに読出電流を供給する。したがって、このセンスアンプ4Sから供給される読出電流がメモリセルMCの抵抗値に応じてソース線SLへ選択的に放電され、この内部データ線IDLの電圧レベルがメモリセルMCの記憶データに応じて変化する。センスアンプ4Sが、電圧センス方式の場合、これらの参照電圧を比較して、内部読出データDOを生成する。
図9は、図8に示す不揮発性半導体記憶装置のデータ読出時の動作を示す信号波形図である。以下、図9を参照して、この図8に示す不揮発性半導体記憶装置のデータ読出時の動作について簡単に説明する。
データ読出前においては、内部読出データ線IDLは、所定の電圧(電源電圧レベル)にプリチャージされる。ビット線BLおよびソース線SLは、接地電圧レベルにプリチャージされている。
メモリアクセスが始まると、行選択回路2により、ワード線WLが選択状態へ駆動され、また、これと並行して、図示しない列デコーダ回路(列選択回路3に含まれる)からの列選択信号CSLが選択状態へ駆動され、列選択回路3において、対応の列選択ゲート(CSG)が導通し、対応のビット線BLが内部読出データ線IDLに電気的に接続される。センスアンプ4Sは、データ読出時、読出電流Iを供給する。メモリセルMCの記憶データ(抵抗値)に応じて、読出電流Iがソース線SLを介して接地ノードへ放電される速度が異なる。内部読出データ線IDLの電位がメモリセルMCが低抵抗状態のときには低下し、一方、メモリセルMCが高抵抗状態の場合には、内部読出データ線IDLの電位の降下はわずかである。
センスアンプ4Sが電圧センス方式の場合、所定時間が経過し、内部データ線IDLの電位が十分に変化すると、センスアンプ4Sが、内部データ線IDL上の電位を基準電圧Vrefと比較し、比較結果に基づいて内部読出データDOを生成する。
この図8に示すように、データ読出時においても、センスアンプ4Sからの読出電流Iが、ビット線BL、メモリセルMC、ソース線SLおよびグローバルソース線GSLを介して接地ノードへ伝達される。ビット線BLおよびソース線SLを並列に配列し、内部データ線IDLおよびグローバルソース線GSLをワード線WLと平行な方向に配設する。ビット線BLおよびソース線SLの単位長あたりの抵抗値を等しくし、また、グローバルソース線GSLおよび内部データ線IDLの単位長当りの抵抗値を等しくする。これにより、メモリセルMCのメモリセルアレイ1内における位置にかかわらず、この読出電流Iが流れる経路をメモリセルの抵抗を除いて合計抵抗値を等しくすることができ、メモリセルアレイ1における選択メモリセル位置にかかわらず、読出電流経路に一定の大きさの読出電流を供給することができる。
また、この場合、図7に示すように、メモリセルMCとセンスアンプ4Sの間の抵抗RD+RBとメモリセルMCと接地ノードGNDの間の抵抗RS+RGを、それぞれ0.5KΩとすることにより、メモリセルMCが低抵抗状態(2KΩ)の場合でも、十分な大きさの読出電流(10μA程度)を、低い電源電圧下においても生じさせることができ、正確なデータ読出を行なうことができる。
[変更例2]
図10は、この発明の実施の形態1に従うメモリセルのレイアウトの変更例を示す図である。図10において、ビット線BLおよびソース線SLが、それぞれ第2メタル配線および第1メタル配線で構成され、互いに平行に配設される。第1メタル配線および第2メタル配線は、多層配線構造において、それぞれ、第1層目のメタル配線および第2層目のメタル配線を示す。
ビット線BLと交差する方向に、ワード線WL1−WL4が所定の間隔をおいて配置される。ビット線BLと平行に、ワード線WL1およびWL3それぞれに近接して、相変化材料素子PCE1およびPCE2が形成される。これらの相変化材料素子PCE1およびPCE2は、それぞれコンタクトCNT11およびCNT12を介してビット線BLに接続される。
コンタクトCNT11およびCNT12とワード線WL1およびWL3それぞれに関して点対称な位置に、コンタクトCNT21およびCNT22が形成される。これらのコンタクトCNT21およびCNT22は、活性領域ARに形成された不純物領域とソース線SLを電気的に接続する。また、ワード線WL4に関してコンタクトCNT12と対向してかつソース線SLに対応してコンタクトCNT23が形成される。
活性領域ARにおいては、ワード線WL1−WL4の下部において不純物領域は形成されず、基板領域(明確には示さず)表面が、露出する(しきい値電圧調整用の不純物注入は行なわれる)。
相変化材料素子PCE1およびPCE2とワード線WL2およびWL4の間には、間隔が設けられるように示される。しかしながら、これらのワード線WL2およびWL4は、相変化素子PCE1およびPCE2それぞれと平面図的に見て重なり合うように形成されてもよい。
この図10に示す構成においては、メモリセルMCは、相変化材料素子PCE1およびワード線WL1およびコンタクトCNT21およびソース線SLで形成される。コンタクトCNT22は、ワード線WL3の選択時、隣接メモリセルの相変化材料素子PCE2のソース線SLに対する電流経路を形成する。
ワード線WL2の選択時、ビット線BLから相変化素子PCE1および活性領域ARを介してコンタクトCNT22へ電流が流れ、さらにソース線SLに電流が流れる。この偶数ワード線WL2およびWL4の選択時には、ソース線SLには、グローバルソース線から遠ざかる方向に電流が一旦流れる。従って、この図10に示す構造においては、活性領域ARが列方向に連続的に帯状に形成される構成として、偶数ワード線WL2およびWL4を素子分離用のフィールドプレート線として利用し、活性領域ARを介して列方向に連続的に複数メモリセルに渡って電流が流れるのを防止する構成が用いられてもよい。
図10に示す構成の場合、奇数ワード線の選択時、ビット線BLから、破線で示す書込電流が、常に、グローバルソース線に向かって右方向に流れる。たとえば、相変化材料素子PCE2の選択時、ワード線WL3が選択され、ビット線BLから相変化材料素子PCE2、アクティブ領域AR、コンタクトCNT22およびソース線SLを介して電流が流れる。ワード線WL2が非選択状態であり、ワード線WL2下部にはチャネルは形成されず、電流経路は遮断される。
ワード線WL1が選択された場合においても、相変化材料素子PCE1からコンタクトCNT21を介してソース線SLへ電流が流れる。したがって、1本のワード線を選択状態とする構成において、常に、電流が流れる経路において、ビット線抵抗の寄与部分とソース線抵抗の寄与部分とが重なり合う部分を無くすことができ、正確に、ビット線BLおよびソース線SLの総抵抗値を、選択メモリセル位置にかかわらず一定とすることができる。
図11は、図10に示すメモリセルレイアウトに対応する断面構造を概略的に示す図である。この図11に示す断面構造においては、図10に示すレイアウトに示される構成において、前述のように、2本のワード線を同時に選択状態に駆動して、2つのアクセストランジスタを利用して書込/読出電流を流す。
すなわち、基板領域SUB表面に間をおいて不純物領域IMP11−IMP15が形成される。不純物領域IMP11は、ソース線SLにコンタクトCNT21を介して接続される。不純物領域IMP12は、低抵抗性電極およびヒータ層HTを介して相変化材料素子PCE1に結合される。この相変化材料素子PCE1は、図示しない上部電極およびコンタクトCNT11を介してビット線BLに接続される。不純物領域IMP13はコンタクトCNT22を介してソース線SLに結合される。不純物領域IMP14は、低抵抗性電極およびヒータ層HTを介して相変化材料素子PCE2に接続される。相変化材料素子PCE2は、コンタクトCNT12を介してビット線BLに接続される。
不純物領域IMP15は、コンタクトCNT23を介してソース線SLに接続される。不純物領域IMP11およびIMP12の間にはワード線WL1が、自己整合的に形成される。不純物領域IMP12およびIMP13においては、ワード線WL2が、同様、自己整合的に形成される。ワード線WL3は、不純物領域IMP13およびIMP14と自己整合的に形成される。ワード線WL4に対して自己整合的に不純物領域IMP14およびIMP15が形成される。
ワード線WL2の選択時においては、基板領域SUB表面にチャネルが形成され、このチャネルが、不純物領域IMP12およびIMP13と接続され、ビット線BLからコンタクトCNT22を介してソース線SLに電流が流れる。同様、ワード線WL4の選択時においても、チャネルが形成されて不純物領域IMP14およびIMP15は互いに電気的に接続される。すなわち、相変化材料素子PCEが隣接する2本のワード線により共有され、セル選択時においては、相変化材料素子PCEを間に挟むワード線の組が同時に選択される。したがって、アクセストランジスタのサイズ(チャネル幅)が小さくされても、相変化材料素子PCE1に対しては、ワード線WL1およびWL2を同時に選択することにより電流経路を広くすることができる。これにより、ビット線BLからの書込電流を流す経路において、十分な大きさの書き込み電流をソース線SLに対して放出する経路を確保することができ、正確に、相変化材料素子PCE1を記憶情報に応じた抵抗状態に設定することができる。
また、データ読出時においても、ビット線からの読出電流を十分に記憶データに応じてソース線SLに放電することができ、正確に記憶データに応じたデータの読出しを行うことができる。同様、ワード線WL3およびWL4選択時においても、不純物領域IMP14およびIMP15を介してのソース線SLへの電流経路および不純物領域IMP14およびIMP13を介してのソース線SLに対する電流経路を並行して形成することができる。従って、相変化材料素子PCE2に対して、ワード線WL3およびWL4同時に選択することにより、トランジスタサイズ(チャネル幅)が低減される場合においても、十分な大きさの書込/読出電流を不純物領域IMP13およびIMP15を介してソース線SLへ駆動することができる。
図11に示すメモリセルのレイアウトを利用して2本の隣接ワード線を並行して選択することにより、常に、素子の微細化においても、十分な大きさの電流駆動力を有する電流経路をソース線に対して形成することができる。また、図10および図11に示す構成を利用することにより、ビット線およびソース線SLを流れる電流の方向をほぼ同一とすることができ、確実に各メモリセルにおいて、書込電流経路の電気的な長さ(抵抗値)を一定とすることができる。
なお、図10に示すレイアウトの構成において、奇数ワード線をメモリセル行選択に利用し、偶数ワード線をフィールドプレート線として利用する場合、より確実な電流経路の遮断のために、ワード線WL2と不純物領域IMP12およびIMP13両者との間ギャップ領域を形成し、またワード線WL4と不純物領域IMP14およびIMP15との間にギャップ領域を形成してもよい。また、これに代えて、ワード線WL2およびWL4に対して、相変化材料素子PCE1およびPCE2がそれぞれ電気的に接続される不純物領域IMP12およびIMP14に対するチャネルカット領域のみが形成されてもよい。また、さらに、これに代えて、不純物領域IMP12およびIMP13の一方に対してのみワード線WL2がギャップ領域を形成してもよく、また、ワード線WL4は、不純物領域IMP14およびIMP15の一方との間にのみギャップ領域が形成されてもよい。
ワード線WL2およびWL4においてギャップ領域を形成する方法は、単に、ワード線のサイドウォール(側壁絶縁膜)をワード線WL2およびWL4に対して形成して、自己整合的に不純物注入を行なって不純物領域を形成することにより、サイドウォールをマスクとしてギャップ領域を形成することができる。ワード線WL1−WL4全てにサイドウォールが形成される場合には、ワード線WL2およびWL4のサイドウォールを厚くする。
以上のように、この発明の実施の形態1に従えば、ソース線およびビット線を平行に配列し、かつグローバルソース線および内部データ線をこれらのビット線およびソース線と直交する方向に配列しており、メモリセルアレイ内における選択メモリセルの位置にかかわらず、書込電流および読出電流の経路におけるメモリセルを除く抵抗値を等しくすることができ、書込データおよび読出電流のメモリセルアレイ内の選択メモリセル位置の依存性を低減することができる。
また、メモリセルMCと書込/読出回路の間の抵抗値およびメモリセルMCと接地ノードの間の抵抗値をそれぞれ0.5KΩ以下に設定することにより、低電源電圧下で、十分な大きさの書込および読出電流を供給することができる。
[実施の形態2]
図12は、この発明の実施の形態2に従う不揮発性半導体記憶装置のアレイ部の構成を示す図である。図12において、ビット線BL1−BL4が配置され、ビット線BL1およびBL2の間に対応してソース線SL1が並行に配設され、ビット線BL3およびBL4に対応してソース線SL2が並行にこれらの間に配設される。ビット線BL1−BL4は、それぞれ列選択ゲートCSG1−CSG4を介して内部書込データ線WDB(内部データ線IDLに含まれる)に結合される。
ソース線SL1およびSL2は共通にグローバルソース線GSLに接続される。ビット線BL1にはメモリセルMC11、MC12、…が接続され、ビット線BL2にはメモリセルMC21、MC22、…が接続され、ビット線BL3には、メモリセルMC31、MC32、…が接続され、ビット線BL4には、メモリセルMC41、MC42、…が接続される。
ソース線SL1が、ビット線BL1およびBL2に接続されるメモリセルにより共有される。すなわち、ビット線BL1およびBL2に接続されるメモリセルのアクセストランジスタATが共通に、ソース線SL1に接続される。同様、ビット線BL3およびBL4に接続されるメモリセルのアクセストランジスタATが共通に、ソース線SL2に接続される。
実施の形態1と同様、ビット線BL1−BL4およびソース線SL1−SL2の単位長当りの抵抗値は等しく、また、内部書込データ線WDBおよびグローバルソース線GSLの単位長さ当りの抵抗値も等しい。
内部書込データ線WDBには可変電流源4Wが接続される。可変電流源4Wとグローバルソース線GSLの接地ノードとの位置関係は、実施の形態1の場合と同様である。
したがって、この図12に示す構成においても、書込電流が流れる経路における総抵抗値は、実施の形態1と同様、すべてのメモリセルについて、メモリセル自身の抵抗を除いて同一とすることができる。
また、ソース線SL1およびSL2は、それぞれ、2つの隣接ビット線に対して共通に設けられており、行方向(ワード線延在方向)において隣接するメモリセルのアクセストランジスタATが、共通のコンタクトを介してソース線に接続することができ、メモリセルMC(MC11、MC12、…MC41,MC42、…)のレイアウト面積を低減することができる。
また、ソース線SL1およびSL2は、各々、2列のメモリセルに対して1つ配置することが要求されるだけであり、ソース線のピッチ条件を緩和することができ、余裕を持ってソース線およびメモリセルを配置することができる。これにより、マスク位置合わせずれなどのマージンを大きくすることができ、歩留りを改善することができる。
図13は、図12に示すメモリセルアレイの平面レイアウトを概略的に示す図である。図13においては、4ビットのメモリセルの平面レイアウトを示す。
図13において、ビット線BLaおよびBLb(BL1、BL2またはBL3、BL4)と平行に、たとえばGCT膜で形成される矩形形状の相変化材料素子PCEが各々2ビットのメモリセルに共通に設けられる。ビット線BLaと相変化材料素子PCEはコンタクトCNT1を介して接続され、またビット線BLbも、対応の相変化材料素子PCEとコンタクトCNT1を介して電気的に接続される。これらの4ビットのメモリセルに共通に横Hの字型の活性領域ARが形成される。メモリセルアレイにおいては、この活性領域ARが行方向および列方向に繰返し配置される。
この活性領域ARは、ビット線BLaおよびBLbと平行な領域と、ビット線BLaおよびBLbの間の領域を連通する領域とを含む。活性領域ARは、ビット線BLaおよびBLbと平行に配設されるソース線SLと、コンタクトCNT2を介して電気的に接続される。このコンタクトCNT2の外側にかつ相変化材料素子PCE内部に、ワード線WLaおよびWLbが、ビット線BLaおよびBLbとソース線SLと交差する方向に配設される。
図13に示すレイアウトにおいては、4ビットのメモリセルを共通のソース線SLに接続するコンタクトCNT2が1個設けられるだけであり、メモリセルの占有面積を、個々のメモリセルにソース線コンタクトを設ける場合に比べて低減することができる。
また、ビット線BLaからソース線SLに電流を流すとき、このソース線電流が分流してビット線BLbの寄生容量を充電する場合があるものの、ビット線寄生容量は十分に小さく(例えば、1つのビット線に接続するメモリセルの数を1本のワード線に接続されるメモリセル(相変化素子)の数より少なくしてビット線寄生容量を低減する)、寄生容量の充電によるビット線BLbの電位変化はほとんど生じず、隣接ビット線BLbにおいてディスターブはほとんど発生しない。
図14は、図13に示す4ビットメモリセルのうちの2ビットのメモリセルの断面構造を概略的に示す図である。図14において、ビット線BL(BLaまたはBLb)が、コンタクトCNT1を介して相変化材料素子PCEに結合される。相変化材料素子PCE下部には、コンタクトCNT1に対応してヒータ層HTが設けられる。このヒータ層HTは、低抵抗性の電極層(プラグ)RELを介して、基板領域SUB表面に形成された不純物領域IMP1およびIMP3それぞれに接続される。不純物領域IMP1およびIMP3の間の基板領域表面に、不純物領域IMP2が形成される。不純物領域IMP2は、コンタクトCNT2を介してソース線SLに接続される。
ソース線SLは、ビット線BLと平行に配設されており、ヒータ層HTおよび低抵抗性電極層RELと衝突しないように別の位置に配設されて列方向に延在する。不純物領域IMP1およびIMP2の間の基板領域表面上に、ワード線WLbが配設され、不純物領域IMP2およびIMP3の間の基板領域表面上に、ワード線WLaが配設される。
この図14に示す構成において、一例として、ビット線BLが第2メタル配線で形成され、ソース線SLが第1メタル配線で形成され、ワード線WLaおよびWLbが、ポリシリコンで構成される。
図14に示すように、2ビットのメモリセルが相変化材料素子PCEを共有する場合、相変化材料素子PCEが2ビットのメモリセルに対して連続的に形成されても、ヒータ層HTにより、その近接部分のみにおいて相変化が記憶データに応じて生じ、その熱は、隣接ビットへは伝達しない。従って、個々のメモリセルは正確に、書込電流に応じて記憶データに応じた結晶相(抵抗状態)を形成する。また、相変化材料素子PCEは、非晶質状態であれば抵抗値が高く、書込/読出電流が隣接メモリセルの相変化素子部へ分流するのは防止される。
図12に示すようにソース線が隣接列のメモリセルで共有される場合、1つのワード線WL(WL1,0WL2,…)が選択された場合、例えば、ソース線を共有するメモリセルに対して設けられる2つのビット線(BL1,BL2またはBL3,BL4)の一方のみが選択される(多ビットデータ書込の場合)。これにより、データの衝突を生じさせることなく、多ビットデータの並列書込を実現することができる。すなわち、一例として、列選択信号CSL1およびCSL2の一方を選択状態へ駆動し、列選択信号CSL3およびCSL4の一方を選択状態へ駆動することにより、2ビットデータを書込むことができる(書込データ線WDBが2ビット幅)。
また、これに代えて、ソース線SLにおいて書込/読出電流が2ビットのメモリセルを介して供給されても、その上昇が充分に抑制される場合には、ソース線を共有するビット線が異なるデータ線に接続される構成の場合には、各ビット線に記憶データに応じた書込電流が供給され、また、データ読出時に読出電流が供給されてもよい。
なお、この図12に示す構成において、センスアンプが、同様、列選択ゲート(CSG1−CSG4)を介して、それぞれビット線に結合される。内部データ線IDLが、可変電流源4Wとセンスアンプに共有に設けられてもよい。また、書込データ線WDBとセンスアンプの読出電流を伝達する内部読出データ線とが別々に設けられてもよい。
[変更例1]
図15は、この発明の実施の形態2のメモリセルの配置の変更例1の平面レイアウトを概略的に示す図である。先の図13に示すメモリセルの配置においては、横H字型の活性領域ARが行および列方向に繰返し配列される。したがって、4ビットのメモリセルに対し、活性領域ARが個々に配置され、行および列方向において、4ビットのメモリセル単位で活性領域ARが分離される。一方、図15に示す変更例1に従うメモリセルの配置においては、活性領域ARAの構成においては、行方向(ワード線延在方向)に沿ってソース不純物領域が連続的に延在して形成される。列方向(ビット線延在方向)においては、活性領域ARAは2ビットのメモリセルに対し連続的に形成されだけであり、2ビットのメモリセル単位で分離される。すなわち、この図15に示すメモリセルの配置においては、図13に示す横Hの字型の活性領域が、さらに、行方向に沿って連続的にそのソース不純物領域が接続される。相変化素子PCEが、コンタクトCNT1を介して対応の活性領域ARAに結合される。
ソース線コンタクトCNT1とソース不純物領域SDLの間に、ワード線が配置される。図15においては、ワード線WLa−WLdを示す。ソース線が、2つのビット線に対して1つの割合で設けられる。図15に示すレイアウトにおいては、ビット線BLaおよびBLbの間にソース線SLaが配設され、ビット線BLcおよびBLdの間に、ソース線SLbが配置される。ソース線SLaおよびSLbは、各々ソース不純物領域SDLとコンタクトCNT2を介して結合される。
したがって、この図15に示すメモリセルの配置においては、連続的に行方向に延在するソース不純物領域SDLが、コンタクトCNT2を介してソース線SL(SLa,SLb)に接続される。ソース不純物領域SDLが、行方向に連続的に延在しているため、ソース不純物領域SDLは、このソース線SL(SLa,SLb)により、裏打ちされた構造となり、ソース不純物領域SDLの抵抗のばらつきがほぼ抑制され、また、メモリセルに対するソース線抵抗も低減される。
図16は、この図15に示すメモリセルの配置におけるメモリセルアレイの電気的等価回路を示す図である。図16に示すメモリセルアレイの構成は、図12に示すメモリセルアレイの構成と、以下の点が異なる。すなわち、ソース不純物領域(拡散ソース線)SDLが、ワード線と平行に配設され、各ソース線との交差部においてソース線SL(SL1,SL2)と接続される。この図16に示すメモリセルアレイの他の構成は、図12に示すメモリセルアレイの構成と同じであり、対応する部分には同一参照番号を付し、その詳細説明は省略する。
なお、以下の説明において、基本的に、ソース不純物領域SDLの用語をメモリセルの構造について説明する際に用い、拡散ソース線SDLの用語を電気的等価回路の説明において用いる。
データ書込時、ビット線BLaの選択時には、図15に示すように、ビット線BLaから相変化素子PCEを介してソース線SLaに電流が流れる。このソース線SLa上を流れる電流は、図16に示すグローバルソース線GSLへ流れ込む。このとき、また、ソース不純物領域(拡散ソース線)SDLを介して、行方向に電流が流れる(図15において破線で示す)。このときには、ビット線BLb、BLc、BLdへと、リーク電流が分流する。また、加えて、ソース不純物領域(拡散ソース線)SDLを介して流れる電流は、隣接ソース線SLb等の他のソース線を介しても分流するため、各非選択ビット線へ流れるリーク電流をより確実に、抑制することができる。応じて、ビット線BLb、BLc、BLdへ流れるリーク電流は小さくなり、ディスターブの発生をより確実に防止することができる。
また、以下に詳細に説明するように、拡散ソース線およびソース線の抵抗ネットワークが形成され、ソース線電位の変化を抑制することができ、メモリセルのソース電位のアレイ内位置による変動を抑制することができる。また、書込時および読出時においてメモリセルのソース抵抗をほぼ無視することができ、書込電流および読出電流を低電源電圧下においても供給することができ、低電源電圧下で安定に動作する相変化記憶装置を実現することができる。
図17は、この発明の実施の形態2の変更例1におけるビット線、ソース線および書込データ線上の抵抗分布を概略的に示す図である。図17において、ビット線BL1、およびBL2に対しソース線SL1が平行に設けられ、また、ビット線BLn−1およびBLnに対しソース線SLk(k=n/2)が設けられる。ソース線SL1、SLi、およびSLkは、共通に、行方向に延在するグローバルソース線GSLに結合される。
ビット線BL1、BL2、…BLn−1およびBLnは、それぞれ列選択ゲートCSG1、CSG2、CSGn−1およびCSGnを介して書込データ線WDBに結合される。ビット線とソース線の交差部に対応してメモリセルMCが配置される。このソース線SL1、SLi、およびSLkは、それぞれ行方向において、拡散ソース線SDL1、SDLjおよび…SDLnにより、相互結合される。
書込電流源(可変電流源)4Wとグローバルソース線GSLの接地ノードの位置関係は、先の実施の形態1の場合と同様である。
ビット線BLにおいては、単位配線抵抗Rblによる抵抗分布が存在し、また、ソース線SL(SL1、SLi、…SLk)においても、単位配線抵抗Rslによる抵抗分布が存在する。さらに、拡散ソース線SDL(SDL1、SDLj、…SDLn)においても、それぞれ、単位拡散抵抗Rsiによる抵抗分布が存在する。同様、グローバルソース線GSLにおいても、単位配線抵抗Rgsによる抵抗分布が存在する。さらに、書込データ線WDBにおいても、単位配線抵抗Rdbによる抵抗分布が存在する。図17においては、書込データ線WDBにおいて、列選択ゲートCSG2およびCSGn−1の間に、配線抵抗k・Rdbがあると仮定する。
この図17に示す抵抗分布に見られるように、メモリセルMCのソースに対しては、抵抗ネットワークが形成され、メモリセルMCのソース抵抗(接地ノードにいたるまでの経路の抵抗)は、ほぼ同一となり、メモリセルMCのソース電位は、このメモリセルアレイ内においてほぼ同一とすることができる。
書込データ線WDBには、データ書込時、可変電流源4Wから電流が供給される。したがって、可変電流源4Wから選択メモリセルMCまでの経路の抵抗値は、ビット線および書込データ線WDBの抵抗分布により、抵抗値が異なるものの、この可変電流源4Wが低電圧源の場合、選択メモリセルのビット線およびソース線の間には、一定電圧を供給することができ、書込特性の選択メモリセルの位置による特性変化は抑制することができる。また、ソース線抵抗も低減され、ソース線での電圧降下をほぼ無視することができ、実施の形態1の電流経路の配線抵抗条件はソース線については満たすことができ、安定に低電源電圧下においてデータの書込および読出を行うことができる。
また、非選択メモリセルに対するリーク電流も、ソース線SLおよび拡散ソース線SDLの抵抗ネットワークにより分散され、十分に抑制でき、非選択ビット線のメモリセルのディスターブを書込時および読出時いずれにおいても抑制することができる。
[変更例2]
図18は、この発明の実施の形態2の変更例2のメモリセルのレイアウトを概略的に示す図である。この図18に示すメモリセルのレイアウトにおいて、4つのビット線BLa、BLb、BLcおよびBLdに対し、1つのソース線SLが設けられる。このソース線SLは、コンタクトCNT2を介して、活性領域ARAに設けられるソース不純物領域SDLに接続される。このソース不純物領域SDLは、先の実施の形態2の変高齢1と同様、行方向に連続的に延在する。この図18に示すメモリセルのレイアウトの他の配置は、図15に示すメモリセルのレイアウトと同じであり、対応する部分には同一参照番号を付し、その詳細説明は省略する。
図19は、図18に示すメモリセルのレイアウトを有するメモリセルアレイの電気的等価回路を示す図である。図19において、ビット線BL1、BL2、BL3およびBL4に対し、ソース線SL1が、ビット線と平行に列方向に連続的に延在するように配設される。ソース線SL1は、その一端においてグローバルソース線GSLに結合される。ソース線SL1は、また、行方向に延在する拡散ソース線(ソース不純物領域)SDL1に結合される。この拡散ソース線SDL1は、2行に配設されるメモリセル(MC11、MC12、MC21、MC22、MC31、MC32、MC41およびMC42)に共通に設けられる。この図19に示す回路構成は、図16に示す電気的等価回路と、他の構成は同様であり、対応する部分には同一参照番号を付し、その詳細説明は省略する。
図18および図19に示すように、4本のビット線BL当り1つのソース線SL(SL1)を設けるだけであり、ソース線SLのピッチ条件をさらに緩和することができ、余裕を持ってソース線を配置することができる。
また、ソース線SLが、拡散ソース線SDL(SDL1)と電気的にコンタクトが取られており、ソース線の抵抗ネットワークを変更例1の場合と同様、形成することができ、変更例1と同様の効果を得ることができる。
なお、図18に示すメモリセルのレイアウトにおいては、ソース不純物領域SDLが、行方向に連続的に延在している。しかしながら、この活性領域ARAは、4本のビット線(BLa−BLd)を単位として、行方向に繰返し互いに分離して配置されてもよい。この場合、メモリセルのソース電位が、ビット線およびソース線の配線抵抗により異なるものの、可変電流源からグローバルソース線の接地ノードに至る経路の抵抗値は各メモリセルに対してほぼ等しくすることができ、実施の形態1と同様、データの書込/読出を確実に行なうことができる。
[変更例3]
図20は、この発明の実施の形態2の変更例3のメモリセルのレイアウトを概略的に示す図である。この図20に示すレイアウトにおいては、4本のビット線BLa−BLdに対し、1つのソース線SLが配置される。このソース線SLは、ビット線BLcおよびBLdの間に配置される。ビット線BLaおよびBLbの間に、列選択線CSLが配置される。列選択線CSLおよびソース線SLは同一の配線層の配線で形成される。
図20に示すレイアウトの他の配置は、図18に示すメモリセルのレイアウトと同じであり、対応する部分には同一参照番号を付し、その詳細説明は省略する。
図21は、この図20に示すレイアウトを有するメモリセルアレイの電気的等価回路を示す図である。図21においては、ビット線BL1−BL4に対し、ソース線SL1および列選択線CSL1がビット線と平行に配設される。ビット線BL1およびBL2の間に列選択線CSL1が配設され、ビット線BL3およびBL4の間にソース線SL1が配設される。ソース線SL1は、その一端がグローバルソース線GSLに電気的に結合される。一方、列選択線CSL1は、ビット線BL1−BL4それぞれに対応して設けられる列選択ゲートCSG1−CSG4に共通に列選択信号を伝達する。列選択ゲートCSG1−CSG4は、4ビット幅の書込データバス(内部データ線)WDBに結合され、可変電流源4WAは、4ビットのデータに応じて、各データバス線に、書込電流(または読出電流)を供給する。4ビット単位でのデータの書込および読出が行われる。
この図20および図21に示す配置の場合、列選択線とソース線を同一配線層に形成することができ、配線層の数を低減することができ、製造工程を簡略化することができる。また、別の配線層を列選択線以外の用途に利用することができ、配線のレイアウトの自由度が改善される。さらに、ソース線SLおよび拡散ソース線SDLにより、先の実施の形態2の変更例2の場合と同様の効果を得ることができる。
図22は、この発明の実施の形態2の変更例3のメモリセル配置を有する記憶装置の要部の構成を概略的に示す図である。図22において、この不揮発性半導体記憶装置は、各々が行列状に配列される複数のメモリセルを有するメモリアレイブロックMB1−MBnと、メモリアレイブロックMB1−MBnそれぞれに対応して設けられるロウデコーダXD1−XDnと、メモリアレイブロックMB1−MBnとそれぞれローカルデータバスLDB1−LDBnを介して結合されるローカル可変電流源LVC1−LVCnと、メモリアレイブロックMB1−MBnに共通に設けられるコラムデコーダYDを含む。
ローカル化変電流源LVC1−LVCnがそれぞれ、図21に示す可変電流源4WAに対応する。ローカルデータバスLDB1−LDBnが、図21に示すデータバスWDBAに対応する。図22においては、図21に示す列選択ゲートは示していない。
メモリアレイブロックMB1−MBnは、各々、図20および図21に示すセル配置および回路構成を有する。コラムデコーダYDからメモリアレイブロックMB1−MBnに共通に列選択線CSLが延在し、列選択線CSLが、コラムデコーダYDにより生成される列選択信号を伝達する。
ローカル可変電流源LVC1−LVCnは、それぞれ4ビットのデータの書込を行なう機能を有し、ブロック選択信号BSに従って選択されたメモリアレイブロックに対するローカル可変電流源が活性化されてデータの書込が行なわれる。
ロウデコーダXD1−XDnも、同様、ブロック選択信号BSに従って選択的に活性化され、図示しないアドレス信号を、活性化時、デコードして対応のメモリアレイブロックにおいて選択行のワード線を選択状態へ駆動する。
ローカル可変電流源LVC1−LVCnは、共通にメインデータバスMDBを介して入出力回路IOKに結合される。この入出力回路IOKは、データ書込時には、外部データDQに従って内部データを生成してメインデータバスMDB上に伝達する。
この図22に示すように、複数のメモリアレイブロックMB1−MBnに共通に列選択線CSLが設けられる場合、ソース線と同一配線層の配線を利用することにより、余分の配線層を用いることなく、容易に、各メモリアレイブロックMB1−MBnに共通に列選択線を配設することができる。
なお、上述の説明においては、列選択線CSLが4ビットのメモリセルを同時に選択するとして説明している。しかしながら、列選択信号がメイン列選択線およびサブ列選択線の階層構造を有し、列選択線CSLにより、4ビットのメモリセルが選択され、この4ビットのメモリセルのうちさらに1つのメモリセル(1つのビット線)が、サブ列選択線により選択される構成が用いられてもよい。この場合、1ビットデータの書込および読出が行なわれる。
なお、この変更例3においても、拡散ソース線SDLは、行方向において4本のビット線ごとに分離されていてもよい。この場合、選択メモリセルのアレイ内の位置にかかわらず、可変電流源から接地ノードまでの抵抗値をほぼ一定とすることができ、各メモリセルに対する書込電流を等しくすることができる。
[変更例4]
図23は、この発明の実施の形態2の変更例4のメモリセルのレイアウトを概略的に示す図である。図23において、ビット線BL(BL1−BL4)それぞれに平行に、列方向に連続的に延在するように活性領域ARBが形成される。この活性領域ARBに平行に、相変化材料で構成される相変化層PCLが形成される。図23において、この相変化層PCLは、ビット線BLと同様、列方向に連続的に延在するように配置されるように示す。しかしながら、この相変化層PCLは、列方向において所定数のメモリセルごとに分離されてもよい。相変化層PCLは、コンタクトCNT4を介して対応のビット線BL(BL1−BL4)に結合される。
2つのビット線に対してソース線SLが配置される。図23においては、ビット線BL1およびBL2に対して、これらのビット線と平行にソース線SL1が配設され、ビット線BL3およびBL4に対応して、ソース線SL2が列方向に連続的に延在して配置される。
ソース線SLを共有するビット線に接続するメモリセルに対して、ローカルソース接続線LSCが設けられる。このローカルソース接続線LSGは、対応の活性領域のソース不純物領域を対応のソース線SLに接続する。このローカルソース接続線LSCは、コンタクトCNT3を介して対応の活性領域に電気的に接続される。ソース線SLおよびローカルソース接続線LSCは、同一層の配線であってもよくまた異なる配線層の配線であってもよい。図23においては、ソース線SLおよびローカルソース接続線LSCが同層の配線で形成される場合を一例として示す。
コンタクトCNT3およびCNT4の間に、行方向に連続的に延在して、ワード線を構成するゲート配線(ゲート線)が配置される。このコンタクトCNT4の列方向についての両側に配置されるゲート配線が、並行して選択状態/非選択状態へ駆動され、同じワード線を構成する。図23においては、ワード線WL1、WL2およびWL3の組を示す。これらのワード線WL1、WL2およびWL3は、それぞれワード線ドライバWDV1、WDV2およびWDV3によりそれぞれ選択状態へ駆動される。
活性領域ARBが、ビット線BLと同様列方向に連続的に延在して形成されるため、この活性領域間においては、行方向においてのみ各列ごとに分離絶縁膜を配置する必要があるだけである。従って、活性領域ARBのパターニングが容易となり、また、列方向においては、メモリセル分離用の領域が不要となり、高密度にメモリセルを配置することができる。
図24は、図23に示す線24A−24Aに沿った断面構造を概略的に示す図である。図24において、半導体基板領域SUB表面に、同じ活性領域に含まれる不純物領域INP11、INP12、INP13、INP14およびINP15が、間をおいて形成される。不純物領域INP11、INP13およびINP15は、それぞれ対応のソースコンタクトCNT3を介してローカルソース接続線LSCに結合される。不純物領域INP12およびINP14は、それぞれ低抵抗電極層(プラグ層)RELを介してヒータ層HTに結合される。このヒータ層HTが、相変化層PCLに結合される。相変化層PCLは、高抵抗であり、このヒータ層HTの近傍領域のみが相変化を生じさせるため、相変化層PCLが連続的に複数のメモリセルに共通に配設されても、メモリ動作(データの書込、読出および記憶)に対して何ら悪影響を生じない。ヒータ層HT近傍において相変化材料素子PCEが配置される構成と等価となる。
この相変化層PCLは、ヒータ層HT上部に設けられるビット線コンタクトCNT4を介して対応のビット線BLに結合される。
不純物領域INP11およびINP12の間のゲート配線および不純物領域INP12およびINP13の間のゲート配線がワード線WL1を構成し、不純物領域INP13およびINP14の間のゲート配線および不純物領域INP14およびINP15の間に配設されるゲート配線がワード線WL2を構成する。
したがって、図24に示す構造において、ビット線BLから電流を流す場合、たとえばワード線WL1が選択された場合、相変化素子PCEから不純物領域INP12に電流が流れ、さらに、不純物領域INP11およびINP13に電流が流れる。したがって、1つの相変化材料素子に対してアクセストランジスタが、2つ並列に接続された構成と等価となり、アクセストランジスタのチャネル幅が等価的に広くなり、大きな電流を供給して、高速書込および読出を行なうことができる。
図25は、図23に示す線25A−25Aに沿った断面構造を示す図である。図25において、半導体基板領域SUB表面に、不純物領域INPaおよびINPbが配置される。これらの不純物領域INPaおよびINPbは、互いに隣接するビット線に対応して配置される活性領域ARB内の領域である。これらの不純物領域INPaおよびINPbは、コンタクトCNT3を介してローカルソース接続線LSCに結合される。このローカルソース接続線LSCは、行方向に延在して、列方向に連続的に延在するソース線SLと結合される。不純物領域IMPaおよびIMPbにほぼ整列して、ソース線SCLおよびローカルソース接続線LSC上層に相変化層PCLが配設される。
ローカルソース接続線LSCおよびソース線SLを同一配線層の配線を用いて形成することにより、活性領域ARBが列方向に帯状に形成される場合においても、複数列のメモリセルに対しソース線を共通に余分の配線層を用いることなく配線することができる。
しかしながら、このローカルソース接続線LSCとソース線SLは、前述のように、異なる配線層の配線であってもよい。
図26は、この図23に示すメモリセルの配置を有するメモリセルアレイの電気的等価回路を示す図である。図26においては、ビット線BLaおよびBLbとワード線WLaの交差部に対応して配置されるメモリセルMCaおよびMCbを代表的に示す。メモリセルMCaは、ビット線BLaに結合される相変化材料素子PCEと、この相変化材料素子PCEに対して並列に設けられるアクセストランジスタATaおよびATbを含む。これらのアクセストランジスタATaおよびATbの一方導通ノード(ソースノード)は、ローカルソース接続線LSCを介してソース線SLに結合される。1つのローカルソース接続線LSCは、異なる列のメモリセルのアクセストランジスタのソースノードを対応のソース線SLに接続する。
アクセストランジスタATaおよびATbは、それぞれ、離れて配設されるゲート線WLaaおよびWLabにそのコントロールゲートが接続される。これらのゲート線WLaaおよびWLabは、ロウデコーダXDに含まれるワード線ドライバWDVaにより共通に駆動され、ワード線WLaとして機能する。
メモリセルMCbも同様の構成を有し、1つの相変化材料素子と2つの並列アクセストランジスタを含む。
ビット線BLaおよびBLbは、それぞれ列選択ゲートCSGaおよびCSGbを介して書込データ線WDBに結合される。また書込データ線WDBは可変電流源4Wに結合され、また、ソース線SLは、グローバルソース線GSLに結合される。
したがって、図26に示す電気的等価回路において明らかに示されるように、ソース線SLは2本のビット線に対して1つ設けられ、ソース線の数を低減することができる。また、可変電流源4Wからグローバルソース線の接地ノードまでの距離は、選択メモリセルのアレイ内の位置にかかわらずほぼ同じとすることができる。
また、アクセストランジスタATaおよびATbが、並行してオン状態となるため、これらのアクセストランジスタATaおよびATbのチャネル幅Wが並列に加算され、チャネル幅が2・Wのアクセストランジスタが1つ接続される構成と等価となり、可変電流源4Wから大きな電流を流すことが可能となり、高速書込/読出が実現される。
[変更例5]
図27は、この発明の実施の形態2の変更例に従うメモリセルのレイアウトを概略的に示す図である。この図27においては、先の変更例4と同様、ビット線BL(BL1−B4)と平行に活性領域ARBが帯状に連続的に形成される。ビット線BLと平行して、相変化層PCLが形成され、2つのゲート配線(同一ワード線)ごとに、コンタクトCNT4を介して対応のビット線に接続される。この相変化層PCLは、また、コンタクトCNT4の形成領域において下層の活性領域ARBに電気的に接続される。
ビット線BLに平行にソース線SL(SL1,SL2)が配設される。活性領域ARBは、2つのゲート線毎にソース不純物領域に対して形成される連結活性領域CARにより2列のメモリセルに対する活性領域(ソース不純物領域)が相互結合される。この連結活性領域CARに対して、ソース線SL(SL1,SL2)がコンタクトCNT5を介して電気的に接続される。この図27に示すメモリセルのレイアウトの他の配置は、図23に示すメモリセルのレイアウトと同じであり、対応する部分には同一参照符号を付し、その詳細説明は省略する。
この変更例5に従うメモリセルのレイアウトにおいては、メタル配線で構成されるローカルソース接続線LSCに代えて、連結活性領域CARが設けられ、この連結活性領域により、2列のメモリセルが共通のソース線に接続される。
図28は、図27に示す線28A−28Aに沿った断面構造を概略的に示す図である。図28において、半導体基板領域SUB表面に、共通の活性領域ARBに形成される不純物領域IMP11−IMP15が、互いに間をおいて配置され、これらの不純物領域IMP11−IMP15の間の基板領域表面上に、ワード線を構成するゲート配線が配設される。不純物領域IMP12およびIMP14が、低抵抗電極層RELおよびヒータ層HTを介して相変化層PCLに結合される。このヒータ層HTに対応してコンタクトCNT4が設けられ、相変化材料素子PCEが対応のビット線BL(BL1)に接続される。低抵抗電極層RELの両側のゲート配線が同一のワード線を構成し、図28において、ワード線WL1およびWL2が、各々2つのゲート配線により配置される。不純物領域IMP11およびIMP13は、ビット線BLに沿った方向においては、連結活性領域は形成されていないため、離れて配置される。
例えば、図28に示すように、ワード線WL1を選択すると、ビット線BLからコンタクトCNT4を介して不純物領域IMP12に電流が流れ、さらに、図示しないチャネル領域を介して不純物領域IMP11およびIMP13に電流が流れる。
図29は、図27に示す線29A−29Aに沿った断面構造を概略的に示す図である。図29において、半導体基板領域SUB上に、不純物領域INPaおよびINPbが形成される。これらの不純物領域INPaおよびINPbは、異なるビット線に接続されるメモリセルに対して設けられる活性領域(ARB)に含まれる。連結活性領域CARが、これらの不純物領域INPaおよびINPbの間に形成され、不純物領域INPaおよびINPbを電気的に結合する。この連結活性領域CARにおいて、コンタクトCNT5が形成され、ソース線SLが連結活性領域CARを介して不純物領域INPaおよびINPbに結合される。
相変化層PCLが、それぞれ各列に対応して、ソース線SLよりも上層に配置される。
したがって、この変更例5の構成は、変更例4の構成と、ローカルソース接続線(LSC)に代えて、連結活性領域CARが設けられる点が異なるだけであり、同じ効果を奏することができる。また、メモリセルの電気的等価回路は、図26に示す構成と同じとなる。この連結領域CARは、ソース/ドレイン不純物領域(不純物領域INPa,INPb)の不純物注入工程時、並行してワード線に対し自己整合的に形成されればよい。
[変更例6]
図30は、この発明の実施の形態2の変更例6のメモリセルアレイの平面レイアウトを概略的に示す図である。この図30に示すレイアウトにおいても、ビット線BL(BL1−BL3)に平行に活性領域ARBが帯状に形成される。分割相変化層PCLSが、列方向に延在するように形成されるが、所定数(図30においては4本)のゲート配線ごとに分離される。この分割相変化層PCLSは、同一ワード線を構成するゲート配線の間においてコンタクトCNT4を介して対応の活性領域ARBに電気的に結合される。
同一ワード線を構成するゲート配線外部の領域において、連結活性領域CARが形成され、各活性領域ARB(ソース不純物領域)が電気的に結合される。図30においては、4つのビット線BL1−BL4に対して設けられる活性化領域(ソース不純物領域)が、連結活性領域CARにより、相互接続される。
これらの4つのビット線BL1−BL4に対し1つのソース線SLが設けられる。このソース線SLは、ビット線と平行に配置され、各行において、コンタクトCNT5を介して連結領域CARに電気的に結合される。図30においては、ソース線SLは、ビット線BL2およびBL3の間に配置される。
この図30に示す平面レイアウトの構成の他の構成は、図27に示す平面レイアウトの構成と同じであり、対応する部分には同一参照番号を付し、その詳細説明は省略する。
図31は、図30に示す線31A−31Aに沿った断面構造を概略的に示す図である。この図31において、半導体基板領域SUB表面に、同じ活性領域に含まれる不純物領域IMP11−IMP15が互いに間をおいて形成され、これらの不純物領域IMP11−IMP15の間に、ワード線WLを構成するゲート配線WL1a、WL1b、WL2aおよびWL2bが配設される。ゲート配線WL1aおよびWL1bがワード線WL1として機能し、ゲート配線WL2aおよびWL2bがワード線WL2として機能する。
不純物領域IMP12およびIMP14が、それぞれ、低抵抗電極層RELを介してヒータ層HTに結合される。このヒータ層HTが、分割相変化層PCLSに結合され、この分割相変化層PCLSが、ビット線BLにコンタクトCNP4を介して結合される。ヒータ層HT近傍の分離相変化層PCLSが、相変化材料素子PCEを構成する。
この図31に示すメモリセルの断面構造は、図28に示すメモリセルの断面構造と、相変化層PCL(PCLS)が、列方向にビット線BLと平行に連続的に延在するのではなく、所定数のメモリセル(2ビットのメモリセル)ごとに分離されている点を除いて同じ構成である。この相変化層を所定数のゲート配線毎に分離することにより、相変化層とビット線とが重なり合う面積を低減することができ、配線間寄生容量を低減し、応じてビット線寄生容量を低減する。
図32は、図30に示す線32A−32Aに沿った断面構造を概略的に示す図である。図32において、それぞれが異なる活性領域に含まれる不純物領域IMPa−IMPdが、半導体基板領域SUB表面に間をおいて配置される。これらの不純物領域IMPa−IMPdの間に、連結活性領域CARが設けられ、不純物領域IMPa−IMPdが、電気的に結合される。
この不純物領域IMPbおよびIMPcの間の連結活性領域CARにおいて、コンタクトCNT5を介してソース線SLが結合される。このソース線SL上層には、不純物領域IMPa−IMPdそれぞれに対応して、分割相変化層PCLSが配置される。
図33は、この発明の実施の形態2の変更例6のレイアウトにおけるメモリセルの電気的等価回路を示す図である。図33において、行方向に整列する4ビットのメモリセルの電気的等価回路を示す。ビット線BLa、BLb、BLcおよびBLdそれぞれに、メモリセルMCa、MCb、MCcおよびMCdが接続される。メモリセルMCa−MCdの各々は、相変化素子PEと、ゲート配線WLaaおよびWLab上の信号に従って導通するアクセストランジスタATaおよびATbを含む。メモリセルMCa−MCdの各々のアクセストランジスタATaのソース領域は、連結活性領域に対応する拡散連結線CARLにより相互接続され、また、メモリセルMCa−MCd各々のアクセストランジスタATbのソース領域は、拡散連結線CARLにより相互接続される。これらの拡散連結配線CARLは、ソース線SLに結合され、列方向に整列する4ビットのメモリセルに対し共通にソース線SLが配置される。このゲート配線WLaaおよびWLbは、ともにワード線WLaとして機能し、図33において破線で示すように終端部において、同一のワード線ドライバ(または同じアドレス信号により選択される別々のワード線ドライバ)により駆動される。
この変更例6の構成に従えば、4本のビット線当り1つのソース線SLが設けられており、ソース線のピッチをより緩和することができる。また、この連結活性領域CAR(拡散連結線CARL)により、4ビットのメモリセルを相互接続する構成の場合、可変電流源からグローバルソース線の接地ノードでの電流経路の抵抗値をほぼ等しくすることができる。
なお、各メモリセルのソース電位のばらつきを防止するために、連結拡散領域CARが行方向において各ビット線対の間に設けられ、行方向に連続的に延在する拡散ソース線が形成されてもよい。
また、相変化層は、列方向に連続的に延在するように形成されても良い。
[変更例7]
図34は、この発明の実施の形態2の変更例7のメモリセルアレイ部の平面レイアウトを概略的に示す図である。この図34に示すレイアウトにおいては、連結活性領域は設けられず、それに代えて、ローカルソース接続線LSCLが設けられる。このローカルソース接続線LSCLは、行方向に4列の長さ延在し、この4列のメモリセルの活性領域ARBにコンタクトCNT6を介して結合される。このローカルソース線LSCLは、同じワード線を構成するゲート線の対の外側に配置され、したがって、コンタクトCNT6が、分割相変化層PCLSに対するコンタクトCNT4と列方向において交互に配置される。
この図34に示すメモリセルアレイの平面レイアウトの他の構成は、図30に示す平面レイアウトと同じであり、対応する部分には同一参照番号を付し、その詳細説明は省略する。
図35は、図34に示す線35A−35Aに沿った断面構造を概略的に示す図である。図35において、半導体基板領域表面に間をおいて不純物領域INP11−INP15が形成される。これらの不純物領域INP11−INP15は、同じ活性領域ARBに含まれる不純物領域である。不純物領域INP11、INP13およびINP15は、コンタクトCNT6を介してローカルソース接続線LSCLに結合される。不純物領域INP12およびINP14は、プラグRECを介してヒータ層HTに結合され、このヒータ層HTが、分割相変化層PCLSに結合される。分割相変化層PCLSは、ヒータ層HTに対応して設けられコンタクトCNT4を介してビット線BL(BL1)に結合される。
したがって、列方向においては、ローカルソース接続線LSCLと低抵抗電極層RECが交互に配設される。2つのゲート配線が同一のワード線を構成し、図35においてワード線WL1およびWL2を示す。
したがって、この変更例7の構成においても、メモリセルのアクセストランジスタが2つ並列に接続され、相変化材料素子とソース線との間の電流経路の幅を広くすることができ(アクセストランジスタのチャネル幅を広くすることができ)、セルサイズ微細化時においても、メモリセルにおいて大きな電流を流すことができる。
図36は、図34に示す線36A−36Aに沿った断面構造を概略的に示す図である。図36において、半導体基板領域SUB表面に、不純物領域INPa−INPdが間をおいて形成される。これらの不純物領域INPa−INPdは、異なる列の活性領域に含まれる。一例として、ローカルソース接続線LSCLが、ソース線SLと同層に形成される。行方向の4ビットのメモリセルに対して1つのローカルソース接続線LSCLが設けられる。このローカルソース接続線LSCLは、それぞれ不純物領域IMPa−IMPdとコンタクトCNT6を介して電気的に結合される。これらの不純物領域IMPa−IMPdそれぞれ整列して、ローカルソース接続線LSCLおよびソース線SL上層に、分割相変化層PCLSが配置される。
したがって、この変更例7の構成においても、ソース線SLが4列のメモリセルに対し1つ設けられるだけであり、ソース線の配線ピッチを低減することができる。また、可変電流源からグローバルソース線の接地ノードまでの電流経路の抵抗値を選択メモリセルの位置にかかわらず、メモリセルアレイ内にわたってほぼ一定とすることができ、正確な書込を行なうことができる。
なお、この変更例7においても、ローカルソース接続線LSCLは、行方向に連続的に延在し、すべての列の活性領域を相互接続し、メッシュ状にソース線が配設される構成が用いられてもよい。メモリセルのソース電位の浮上がりを抑制することができる。
また、メモリセルの電気的等価回路は図33に示す連結活性領域を用いた場合と同じであり、連結活性領域CARLに代えて、ローカルソース接続線LSCLにより4ビットのメモリセルのアクセストランジスタが相互接続される。
また、分割相変化層を利用して、ビット線の配線間寄生容量を低減することができるものの、この相変化層は、列方向に連続的に延在するように形成されてもよい。
[変更例8]
図37は、この発明の実施の形態2のメモリセルの配置の変更例8の構成を概略的に示す図である。図37においては、メモリセルMC51−MC55が行方向(ワード線の延在方向)に整列して配置される。これらのメモリセルMC51−MC55は、ビット線またはソース線を共有する。すなわち、メモリセルMC51およびMC52がソース線SL1を共有し、メモリセルMC52およびMC53がビット線BL2を共有する。メモリセルMC53およびMC54がソース線SL2を共有し、メモリセルMC54およびMC55がビット線BL3を共有する。
ビット線BL1−BL3は、それぞれ列選択信号CSL1−CSL3に応答して選択的に導通状態となる列選択ゲートCSG1−CSG3を介して書込データ線WDB(内部データ線IDL)に結合される。この書込データ線WDBには可変電流源4Wが接続される。ソース線SL1−SL3は共通にグローバルソース線GSLに接続される。
可変電流源4Wおよびグローバルソース線の接地ノードの位置関係およびビット線、ソース線、内部書込データ線およびグローバルソース線の抵抗値の関係は、図12に示す構成と同様である。
この図37に示すメモリセルレイアウトの場合、相変化材料素子がビット線を共有するため、よりメモリセルのサイズを低減することができる。ソース線とビット線とをそれぞれ隣接列のメモリセルで共有する構成とされるため、隣接列のメモリセルは、異なるワード線WL1およびWL2に接続される。すなわち、メモリセルMC51、MC53およびMC55がワード線WL1に接続され、メモリセルMC52およびMC54がワード線WL2に接続される。
この図37に示す構成においても、先の図12に示す構成と同様の効果を得ることができ、さらに、相変化材料素子のコンタクトを共有することができるため、より素子の占有面積を低減することができる。また、相変化材料素子を、隣接セルで共有することができるため、この相変化材料素子を、2ビットセル間にわたって延在して配置することができ、素子加工サイズに対する制限を緩和することができる。
図38は、図37に示すメモリセルアレイの平面レイアウトを概略的に示す図である。図38において、ビット線BL1−BL3が、それぞれ第2メタル配線で構成され、これらのビット線BL1−BL3の間にソース線SL1およびSL2がビット線と並行に配置される。これらのビット線BL1−BL3およびソース線SL1およびSL2と交差する方向にワード線WL1−WL4が配設される(ワード線WL1−WL4は、それぞれポリシリコンで構成される)。
鉤形形状の活性領域AR、すなわちソース線コンタクトCNTSに関して点対称に配置されかつそれぞれ異なるビット線に対応して配置される矩形部を有する活性領域ARが、2ビットのメモリセルに対応して行および列方向に繰返し配列される。この鉤形形状の活性領域ARの行方向に延在する部分において、活性領域が、ソース線コンタクトCNTSにより対応のソース線SL1またはSL2と接続される。活性領域ARのソースコンタクトに関して点対称な位置に、1ビットのメモリセルに対する相変化材料素子PCEが形成される。相変化材料素子PCEはビット線コンタクトCNTBを介して対応のビット線にそれぞれ接続される。ビット線を共有するメモリセルの相変化材料素子PCESは、2ビットの隣接メモリセルに対して共通に設けられる。2ビットのメモリセルに対する相変化材料素子PCESは、それぞれコンタクトCNTB1およびCNTB2を介してビット線BL2に接続される。この相変化材料素子PCESは、単に、1ビットのメモリセルに対する相変化材料素子PCEを行方向に拡張することにより、形成される。
図38においては、図面を簡略化するために、相変化材料素子PCEは、1ビットのメモリセルに対して配置されるように示すが、各相変化材料素子PCEは、拡張されて隣接列のメモリセルと共有される。
活性領域ARは、列方向(ビット線延在方向)において1本のワード線置きに配置され、かつ行方向において各列に配置される。従って、相変化材料素子PCEは、隣接ワード線により選択されるメモリセルと共有されるように拡張される。
ビット線BLは、ワード線延在方向において、2ビットのメモリセルに対する相変化材料素子の長さと同程度の幅を有する。一例として、ワード線WL2およびWL3の間においては、2ビットのメモリセルに共有される相変化材料素子が行方向に整列して配置される。各行において、2ビットのメモリセルにより共有される相変化材料素子が、配置される。
図38に示すレイアウトにおいて、具体的に、メモリセルM1およびM2がソース線コンタクトCNTSを共有してソース線SL1に接続される。メモリセルM1およびM2はそれぞれワード線WL1およびWL2により選択される。メモリセルM3およびM4が、同様、ソース線コンタクトCNTSを共有してソース線SL2に接続される。メモリセルM1は、ビット線コンタクトを介してビット線BL1にその相変化材料素子が接続される。メモリセルM2は、ビット線コンタクトCNTB1を介してその相変化材料素子がビット線BL2に接続される。メモリセルM3がビット線コンタクトを介して同様、ビット線BL2に接続される。メモリセルM4は、相変化材料素子が、ビット線コンタクトを介してビット線BL3に接続される。
メモリセルM5は、メモリセルM6とソース線コンタクトCNTSを共有して、ソース線SL1に接続され、それぞれビット線コンタクトCNTBを介してビット線BL1およびBL2に相変化材料素子PCEが接続される。メモリセルM7およびM8がソース線コンタクトを共有してソース線SL2に接続され、またそれぞれビット線コンタクトを介してビット線BL2およびBL3に接続される。
この図38に示すレイアウトの場合、単に、相変化材料素子を攻勢する相変化層は、行方向に延在して隣接列のメモリセルにより共有され、それぞれ異なる活性領域ARに別々のコンタクトCNTB1およびCNTB2を介して接続され、これらのコンタクト近傍領域において相変化材料素子が形成される。したがって、相変化材料素子が同一ビット線に接続される場合においても、各相変化材料素子に対応してビット線コンタクトを別々に設ける。しかしながら、ソース線コンタクトは、隣接メモリセル間で共有することができ、メモリセル面積を低減することができる。相変化材料素子PCESにおいて、上部電極が相変化材料素子に対して設けられ、この上部電極がビット線にコンタクトを介して接続される。したがって、この2ビットのメモリセルに対する相変化材料素子の上部電極に対するコンタクトを2ビットのセル間で共有してもよい。すなわち、コンタクトCNTB1およびCNTB2は、相変化材料素子PCESの行方向の中央領域部に1つ設ける構成が用いられてもよい。
以上のように、この発明の実施の形態2に従えば、隣接メモリセルで少なくともソース線を共有しており、ソース線コンタクトを隣接メモリセルで共有することができ、メモリセル面積を低減することができる。
なお、上述の構成は、データ書込経路(書込電流を流す経路)に適用可能だけでなく、読出電流を流す読出電流経路に対しても適用することができる。
[実施の形態3]
図39は、この発明の実施の形態3に従う不揮発性半導体記憶装置の要部の構成を概略的に示す図である。図39において、不揮発性半導体記憶装置は、実施の形態1と同様、メモリセルMCが行列状に配列されるメモリセルアレイ1と、アドレス信号に従ってメモリセルアレイ1の選択行に対応するワード線を選択状態へ駆動する行選択回路2と、アドレス信号(図示せず)に従ってメモリセルアレイ1の選択列に対する列選択信号を生成しかつ列選択信号に従って選択列を書込データ線WDBに接続する列選択回路3と、データ書込時、書込電流を書込データ線WDBに供給する可変電流源4Wを含む書込/読出回路4を含む。
メモリセルアレイ1においては、メモリセルMCの各列に対応してビット線BLが配置され、またメモリセルMCの各行に対応してワード線WLが配置される。この実施の形態3においては、ソース線SLがワード線WLと平行に、すなわちビット線BLと直交する方向に配置される。メモリセルMCは、相変化材料素子を含む可変抵抗素子と、ワード線WL上の信号に従ってビット線BLとソース線SLの間に電流経路を形成するアクセストランジスタを含む。
可変電流源4Wとグローバルソース線GSLaの接地ノードとの位置関係は、先の実施の形態1の場合と同様である。
この図39に示す不揮発性半導体記憶装置においては、ワード線WLが、書込データ線WDBと平行に配列され、また、ソース線SLも書込データ線WDBと平行に配列される。ビット線BLはグローバルソース線GSLaと平行に配列される。ソース線SLの単位長さ当たりの抵抗値は、書込データ線WDBの単位長さ当たりの抵抗値と等しく、また、ビット線BLの単位長さ当たりの抵抗値は、グローバルソース線GSLaの単位長さ当たりの抵抗値と等しくされる。この場合、先の実施の形態1と同様、メモリセルアレイ1内における選択メモリセルの位置にかかわらず、書込電流経路のメモリセルを除く総抵抗値を、同一とすることができる。
図40は、発明の実施の形態3における書込電流が流れる経路を概略的に示す図である。図40において、可変電流源4Wからの書込電流Iは、書込データ線WDBからビット線BLを介してメモリセルMCに流れ込む。メモリセルMCへ流れ込む書込電流Iは、ソース線SLからグローバルソース線GSLへ放電され、最終的に、接地ノード(接地パッド)へ放出される。ビット線BLおよびグローバルソース線GSLの単位長さ当たりの抵抗値は同じであり、また、ビット線BLおよびGSLは互いに平行に配列されている。したがって、メモリセルMCの選択行の位置にかかわらず、合計抵抗RB+RGは一定となる。同様、ソース線SLおよび書込データ線WDBの単位長さ当たりの抵抗値が同じであり、ソース線SLおよび書込データ線WDBは平行にビット線BLと直交する方向に配置される。したがって、書込データ線WDB上の抵抗RWとソース線SLのメモリセルMCからグローバルソース線GSLまでの抵抗RSとの合計抵抗RW+RSも、メモリセルMCの選択コラム位置にかかわらず一定となる。したがって、メモリセルMCのメモリセルアレイ1内の選択位置にかかわらず、総抵抗RW+RB+RS+RGは、一定値とすることができる。
先の実施の形態1と同様、合計抵抗RW+RBおよびRS+RGをそれぞれ0.5KΩ以下に設定することにより、3V程度の電源電圧でも、可変電流源4WからメモリセルMCに1mA程度の電流を供給して書込を行なうことができる。
図40に示す書込データ線WDB、ビット線BL、ソース線SLおよびグローバルソース線GSLの配線レイアウトとしては、図6に示す配線レイアウトを利用することができ、ソース線SLを、ビット線BLと直交する方向に配置し、また、グローバルソース線GSLをビット線BLと平行に配置する。さらに、図6に示すレイアウトにおいて、ソース線SLおよびグローバルソース線GSLのレイアウトを90°反時計方向に回転させる。さらに回転後において、ソース線SLおよびグローバルソース線GSLの長さを、メモリセルアレイ1の長さに応じて調整することにより、配線レイアウトは容易に実現される。
以上のように、この発明の実施の形態3に従えば、ビット線と平行にグローバルソース線を配置し、ソース線および書込データ線をビット線およびグローバルソース線と直交する方向に配置し、ビット線およびグローバルソース線の単位長さ当たりの抵抗値を等しくし、また書込データ線およびソース線の単位長さ当たりの抵抗値を等しくしており、メモリセルのアレイ内における選択位置にかかわらず、書込電流経路のメモリセルを除く抵抗値を一定とすることができ、書込電流の選択メモリセルのアレイ内位置に対する依存性を低減することができる。
また、書込電流源からメモリセルの経路までの合計抵抗およびメモリセルから接地ノードまでの合計抵抗をそれぞれ500Ω以下に設定することにより、可変電流源の電源電圧が低い状態でも、十分な大きさの書込電流をメモリセルに供給することができる。
[実施の形態4]
ソース線が、ビット線と平行に配置される場合およびビット線と直交して配置される場合いずれにおいても、相変化材料素子を隣接列のメモリセルで共有することができる(ビット線コンタクトを隣接メモリセルとの間で共有する)。以下、本実施の形態4においては、相変化材料素子を2ビットの隣接メモリセルで共有する場合のメモリセルの構成について説明する。
(共有構成1)
図41は、この発明の実施の形態4に従う相変化メモリセルの断面構造を概略的に示す図である。相変化材料素子PCEが、2ビットのメモリセルにより共有され、コンタクトを介してビット線BLに接続される。この相変化材料素子PCEは、相変化を記憶データに応じて生じさせるGST膜と、GST膜とコンタクトとの間の上部電極とを有する。ヒータ層は、図41においては明確には示していない。
基板領域20表面には、不純物領域22a−22dが、それぞれ間をおいて形成される。不純物領域22bおよび22cが、それぞれ別々のコンタクトを介して相変化材料素子PCEに結合される。不純物領域22aおよび22bが、それぞれ、別々のソース線SLjおよびSLkに接続される。ワード線WL1が、不純物領域22aおよび22b間の基板領域20表面上に図示しないゲート絶縁膜を介して形成され、ワード線WL2が、不純物領域22cおよび22bの間の基板領域20表面上に図示しないゲート絶縁膜を介して形成される。
この図41に示すメモリセル構造においては、ワード線WL1およびWL2のそれぞれの選択時に、相変化材料素子PCEにおいて、対応の抵抗性電極(ヒータ層を含む)近傍に、発熱により、相変化が生じる。この相変化は、局所的な相変化であり、相変化材料素子PCEが2ビットメモリセルで共有される場合においても、それぞれ個別に、各メモリセルにおいて記憶データに応じた抵抗値(結晶相)を実現することができる。
図41に示すように、相変化材料素子PCEを共有する場合、各メモリセルは、異なるソース線SLjおよびSLkに接続される。この場合、ソース線の配置方向に応じてアクセストランジスタの接続態様を考えることができる。
図42(A)は、ソース線とビット線が平行に配列する場合のメモリセルの配置における電気的等価回路である。図42(A)において、メモリセルMCcおよびMCdの相変化材料素子がビット線BL1に共通のコンタクトを介して結合される。メモリセルMCcおよびMCdそれぞれのアクセストランジスタは、ソース線SL1およびSL2に接続される。メモリセルMCcは、ワード線WL2にそのアクセストランジスタATが接続され、メモリセルMCdのアクセストランジスタATは、ワード線WL1に接続される。
ワード線WL1およびWL2の選択時において、異なるソース線に対して電流経路が形成され、相変化材料素子PCEにおいて、ビット線と対応のアクセストランジスタとの間の領域において記憶データに応じて相変化を選択的に生じさせる。
図42(B)は、ソース線とビット線が直交して配列される場合のメモリセルの配置における電気的等価回路を示す図である。メモリセルMCeおよびMCfの、相変化材料素子PCEがビット線BL1に共通に接続される。メモリセルMCeのアクセストランジスタATが、ワード線WL1により選択状態とされて、ソース線SL1に、対応の相変化材料素子PCEを接続する。メモリセルMCfは、ワード線WL2によりアクセストランジスタATが選択状態へ駆動され、対応の相変化材料素子PCEをソース線SL2に接続する。これにより、選択メモリセルにおける書込電流の競合を生じさせることなく、また、ライトディスターブを生じさせることなく、メモリセルMCeまたはMCfに書込電流を供給してデータの書込を行なうことができる。
図42(A)および図42(B)に示すように、ビット線BL(BL1)と相変化材料素子PCEとの間のコンタクトは1つであり、2ビットのメモリセルに対するビット線コンタクトを1つに低減することができ、また、ソースコンタクトも2ビットのメモリセルに対して1つであり、メモリセルサイズを低減することができる。
(共有構成2)
図43は、この発明の実施の形態4に従うメモリセルの第2の構成を概略的に示す図である。図43において、基板領域20表面に、間をおいて不純物領域22e−22hが形成される。不純物領域22eおよび22hは、それぞれビット線BLjおよびBLkに接続される。不純物領域22fおよび22gは、コンタクトおよび下部電極(抵抗性電極)を介して、相変化材料素子PCEに接続される。相変化材料素子PCEは、GST膜および上部電極を含み、共通のコンタクトを介してソース線SLに接続される。不純物領域22eおよび22fの間の基板領域20表面上にワード線WL1が形成され、不純物領域22gおよび22hの間の基板領域20表面上に、ワード線WL2が形成される。
ソース線SLに共通に2ビットのメモリセルの相変化材料素子PCEが接合される場合、ソース線SLへ可変電流源を介して書込電流が供給されてもよい。この場合、ビット線が接地電圧レベルに維持される。ソース線SLおよびビット線BLそれぞれに列選択ゲートを配置することにより、ソース線を介して可変電流源からの書込電流を選択メモリセルに供給することができる。しかしながら、先の実施の形態1および3と同様、ビット線を介して書込電流が供給され、また、ソース線SLがグローバルソース線に接続される構成が用いられてもよい。
図44(A)は、ソース線SLがビット線BLと平行に配列される場合の図43に示すメモリセルの電気的等価回路を示す図である。メモリセルMCgおよびMChのアクセストランジスタがビット線BL1およびBL2に接続され、メモリセルMCgおよびMChの相変化材料素子PCEが共通にソース線SL1に接続される。なお、図44(A)においては、メモリセルMCgおよびMChのそれぞれの相変化領域を具体的に示すために、各メモリセルは、別々の相変化材料素子で構成されるように示す。
メモリセルMCgおよびMChは、それぞれワード線WL2およびWL1の選択時、この相変化材料素子PCEをビット線BL1およびBL2にそれぞれ接続する。
図44(B)は、ビット線BLとソース線SLが直交する方向に配列される場合の図43に示すメモリセルの電気的等価回路を示す図である。メモリセルMCiおよびMCjの相変化材料素子PCEが共通にソース線SL1に接続される。メモリセルMCiおよびMCjはそれぞれワード線WL2およびWL1の選択時、対応の相変化材料素子をビット線BL1およびBL2にそれぞれ接続する。
この図44(A)および図44(B)のいずれの構成においても、相変化材料素子PCEが2ビットのメモリセルに対して1つのコンタクトを介して同じソース線SL(SL1)に接続されており、メモリセルのコンタクトの数を低減でき、応じてメモリセルサイズを低減することができる。
図44(A)および図44(B)に示す構成において、グローバルソース線に可変電流源が接続され、ビット線を列選択回路を介して書込データ線に接続し、この書込データ線を接地ノードに接続することにより、データの書込が行なわれてもよい。
(共有構成3)
図45は、この発明の実施の形態4に従う第3の共有構成のメモリセルの断面構造を概略的に示す図である。図45において、基板領域20表面に、間をおいて不純物領域22i、22jおよび22kが形成される。不純物領域22iおよび22jの間の基板領域20表面上にワード線WL1が配設され、不純物領域22jおよび22kの間の基板領域20表面上にワード線WL2が配設される。不純物領域22iおよび22kは、それぞれ別々に設けられるコンタクトを介して相変化材料素子PCEに結合される。この相変化材料膜PCEは、可変抵抗素子によって機能するGST膜およびコンタクト形成用の上部電極を含む。この相変化材料素子PCEは、ビット線BLに共通のコンタクトを介して接続される。不純物領域22jは、共通のソース線SLjに結合される。
図46(A)は、図45に示すメモリセル構造のビット線がソース線と並行に配置される場合の電気的等価回路を示す図である。図46(A)においては、4つのメモリセルMCk、MCl、MCmおよびMCnを示す。メモリセルMCkおよびMClは、相変化材料素子がビット線BL1に共通に結合され、アクセストランジスタがソース線SL1に共通に結合される。メモリセルMCkおよびMClは、それぞれ、ワード線WL1およびWL2にそれぞれ接続される。
同様、メモリセルMCmおよびMCnは、相変化材料素子がビット線BL2に共通に接続され、アクセストランジスタが共通にソース線SL2に接続される。メモリセルMCmおよびMCnは、それぞれワード線WL1およびWL2により選択される。ソース線SL1およびSL2は、ビット線BL1およびBL2と平行に配設される。
したがって、2ビットのメモリセルに対し、ビット線に対し1つのコンタクトおよびソース線に対し1つのコンタクトが形成されるだけであり、メモリセルの占有面積を低減することができる。
図46(A)において、メモリセルMCkおよびMClのレイアウトとメモリセルMCmおよびMCnのレイアウトをソース線に関して鏡映対象としてすることにより、メモリセルMCkおよびMClとメモリセルMCmおよびMCnは、ソース線を共有する構成とすることもできる(ビット線の同時選択は禁止する)。しかしながら、図46(A)に示すように、2ビットのメモリセルごとに、ソース線SL(SL1,SL2)を別々に設けることにより、各ソース線において、選択メモリセルが接続されるだけであり、ライトディスターブまたはリードディスターブの問題が生じるのを防止することができる。
図46(B)は、この図45に示すメモリセル構造の電気的等価回路の他の構成を示す図である。この図46(B)に示す構成においては、ソース線SL1がビット線BL1およびBL2と直交する方向に配設される。メモリセルMCk、MCl、MCmおよびMCnそれぞれのアクセストランジスタが共通にソース線SL1に接続される。メモリセルMCkおよびMClは、その相変化材料素子が共通のコンタクト孔を介してビット線BL1に接続され、メモリセルMCmおよびMCnが、共通のコンタクトを介して対応の相変化材料素子がビット線BL2に接続される。
図46(B)に示す構成においては、ソース線SL1が、ビット線BL1およびBL2と直交する方向に配設されており、複数の選択メモリセルが、同時に、ソース線SL1に接続される。しかしながら、メモリセルサイズは、ビット線コンタクトおよびソース線コンタクトがそれぞれ、2ビットセル当たり1個であり、メモリセルサイズを低減することができる。
(共有構成4)
図47は、この発明の実施の形態4に従うメモリセルの第4の断面構造を概略的に示す図である。この図47に示すメモリセルの断面構造においては、相変化材料素子PCEが共通のコンタクトを介してソース線SLに接続され、かつ基板領域20表面に形成される不純物領域22gがソース線に代えてビット線BLgに接続される点を除いて、図45に示すメモリセルの断面構造と同じである。したがって、図48に示す断面構造において、図45に示す構成と対応する部分には同一参照番号を付し、その詳細説明は省略する。
したがって、図48に示すメモリセルの断面構造に対応する電気的等価回路は、図46(A)および(B)に示す電気的等価回路においてビット線とソース線を入れ換えた構成となる。すなわち、図48(A)に示すように、ソース線とビット線が平行な場合、メモリセルMCkおよびMClの相変化材料素子がソース線SL1に共通のコンタクトを介して接続され、また、それらのアクセストランジスタが、ビット線BL1に共通のコンタクトを介して接続される。メモリセルMCmおよびMCnは、同様、相変化材料素子が共通のコンタクトを介してソース線SL2に接続され、それぞれのアクセストランジスタが、共通のコンタクトを介してビット線BL2に接続される。
一方、ソース線とビット線とが直交する配置の場合、図48(B)に示すように、メモリセルMCk、MCl、MCmおよびMCnのアクセストランジスタが共通にビット線BL1に接続される。メモリセルMCkおよびMClの相変化材料素子が共通にソース線SL1に接続され、メモリセルMCmおよびMCnの相変化材料素子が共通にソース線SL2に接続される。
したがって、この図47に示すような構成においても、2ビットメモリセルに対して、ソース線に対するコンタクトが1個、ビット線に対するコンタクトが1個であり、メモリセルサイズを低減することができる。
(共有構成5)
図49は、この発明の実施の形態4の第5の共有構成のメモリセルの平面レイアウトを概略的に示す図である。図49においては、ビット線BL1−BL3の間にかつこれらと平行にソース線SL1およびSL2が配置される。これらのビット線BL1−BL3およびソース線SL1、SL2と直交する方向にワード線WL1およびWL2が配設される。ワード線WL1およびWL2と交差するように、ソース線SL1およびSL2と平行な長軸を有する矩形形状に形成された相変化材料素子PCES1およびPCES2が、それぞれ配置される。相変化材料素子PCES1およびPCES2は、それぞれ、ソース線コンタクトCNTSを介して対応のソース線SL1およびSL2に接続される。
基板表面には、トランジスタを形成する活性領域AR1−AR3が形成される。これらの活性領域AR1−AR3は、各々、ビット線と平行でかつ各ワード線WL1およびWL2と交差する領域と、行方向に延在し別の列に設けられる相変化材料素子と結合される領域とを含む鉤形形状を有する。活性領域AR1は、コンタクトCNTAを介して相変化材料素子PCES1に電気的に接続され、また、ビット線コンタクトCNTBを介してビット線BL1に接続される。活性領域AR2は、その中央部に形成されるビット線コンタクトCNTBを介してビット線BL2に接続され、このビット線コンタクトCNTBに関して点対称の位置にあるコンタクトCNTAを介して、それぞれ相変化材料素子PCES1およびPCES2に接続される。
活性領域AR3は、ビット線コンタクトCNTBを介してビット線BL3に接続され、ワード線WL2の外部領域に形成されるコンタクトを介して相変化材料素子PCES2に電気的に接続される。この図27に示すレイアウトが、行および列方向に繰返し配列される。
コンタクトCNTAは、ワード線WL1およびWL2の外部に配設され、コンタクトCNTBおよびCNTSが、ワード線WL1およびWL2の間の領域に形成される。
活性領域AR2においては、ワード線WL1が選択された場合には、相変化材料素子PCES2により、ソース線SL2がビット線コンタクトCNTBを介してビット線BL2に接続される。ワード線WL2の選択時には、活性領域AR2において、相変化材料素子PCES1が、コンタクトCNTAおよびCNTBを介してビット線BL2に接続され、選択時、ソース線SL1とビット線BL2の間に電流が流れる経路が形成される。
図50は、図49に示すソース線SL(SL1またはSL2)に沿った断面構造を概略的に示す図である。相変化材料素子PCES(PCES1またはPCES2)は、コンタクトCNTSを介してソース線SLに接続され、また別々に設けられるコンタクトCNTBを介して基板領域20表面に形成される不純物領域22iおよび22kに電気的に接続される。これらのコンタクトCNTBの間の領域にワード線WL1およびWL2が配設される。ワード線WL1の選択時、不純物領域22iが、別の領域に設けられる不純物領域を介してビット線に接続され、ワード線WL2選択時には、不純物領域22kが、別のビット線に接続される。
図51は、これらの図49および図50に示すメモリセルの配置の電気的等価回路を示す図である。図51において、メモリセルMCp−MCsが行方向に整列して配置される。メモリセルMCpおよびMCqは、それぞれのアクセストランジスタが共通にビット線BL1に接続され、かつワード線WL1およびWL2により選択状態へ駆動される。メモリセルMCqおよびMCrは、それぞれの相変化材料素子PCESが共通にソース線SL2に接続される。メモリセルMCrおよびMCsは、それぞれのアクセストランジスタが、共通にビット線BL2に接続されかつワード線WL1およびWL2によりそれぞれ選択状態へ駆動される。
図51に示すように、行方向において、アクセストランジスタがビット線に共通のコンタクトを介して接続され、また相変化材料素子が共通のソース線に接続される。ソース線またはビット線を共有するメモリセルが、異なるワード線により選択状態へ駆動される。ビット線またはソース線を共有するメモリセルを同時に選択状態へ駆動するのを回避することにより、書込電流供給時における書込電流が非選択メモリセルへ流れてライトディスターブが発生するのを防止する。
(共有構成6)
図52は、第6の共有構成のメモリセル配置の電気的等価回路を示す図である。図52に示す構成においては、図51に示す電気的等価回路と、ビット線とソース線の位置が交換される。すなわち、ソース線Sl1およびSL2に、隣接列のメモリセルのアクセストランジスタが共通に接続され、ビット線BL2およびBL3に、隣接列のメモリセルの相変化材料素子が共通に接続される。この図52に示す電気的等価回路の構成の場合、図49および図50に示す平面レイアウトおよび断面構造において、ビット線とソース線の位置が交換される。したがって、この図52に示す構成においても、ビット線BL(BL1−BL3)とソース線SL(SL1,SL2)がワード線WL1およびWL2と平行に配設される場合において、ビット線またはソース線を共有するメモリセルは異なるワード線に接続されており、データ書込時のライトディスターブを防止しつつメモリセルのサイズを低減することができる。
また、ソース線SLが相変化材料素子電気的に接続される場合、ソース線SLに書込電流が供給され、ビット線は、内部書込データ線を介して接地ノードへ結合されてもよい。この場合、ソース線SLを選択するためのソース線スイッチを設け、書込電流供給源からソース線選択スイッチを介して選択列に対応するソース線へ書込電流を供給する。
以上のように、この発明の実施の形態4に従えば、隣接するメモリセルにおいて、相変化材料素子を共有し、共通のコンタクトを介してソース線またはビット線に接続しており、メモリセルのサイズをより低減することができる。
また、ソース線またはビット線に共有するメモリセルが同時に選択されないようにワード線を配置することにより、ソース線がビット線と並行に配置される場合、ソース線に接続される選択メモリセルは1つであり、ソース線電位の変動を抑制でき、正確なデータの書込/読出を行なうことができ、またライトディスターブの問題も確実に解消することができる。
なお、上述の説明においては、データ書込について説明しているものの、ビット線およびソース線はデータ読出時においても利用され、隣接セルを異なるワード線に接続するまたはソース線に1つの選択メモリセルのみが接続される構成を利用することにより、非選択メモリセルにおいて読出電流が流れるのを防止することができ、リードディスターブの問題が生じるのを防止することができる。
[実施の形態5]
図53は、この発明の実施の形態5に従う不揮発性半導体記憶装置のデータ読出に関連する部分の構成を概略的に示す図である。
図53を参照して、メモリセルアレイ1においては、相変化材料素子を記憶素子として含むメモリセルが行列状に配列される。メモリセルの相変化材料素子を含む記憶部を、図53においては可変抵抗素子として示す。
メモリセルMCの各列に対応してビット線BL(BL1,BL2…)が配置され、メモリセルの各行に対応してワード線WLが配設される。メモリセルアレイ1においては、ワード線WLと平行にソース線SLが配設され、ソース線SLに共通に設けられるメモリセルMCは、共通のワード線WLに接続される。ソース線SLは、グローバルソース線GSLに接続される。グローバルソース線GSLは、ワード線WLと平行な方向に配設される。このグローバルソース線GSLおよびソース線SLの配置は、実施の形態1において示すものと同様であってもよい。
メモリセルアレイ1の選択メモリセルが、列選択回路3を介して読出データバスRDB(または内部データバスIDB)に結合される。読出データバスRDBは、書込/読出回路4に含まれるセンスアンプ(S/A)4Sに結合される。
メモリセルアレイ1においては、複数ビットのメモリセルが列選択回路3により並行して選択されて、複数ビット幅の読出データバスRDB(内部データバスIDB)に接合される。センスアンプ4Sにおいては、読出データバスRDBのビット幅に対応して複数ビット幅のセンスアンプ回路S/A(S/A1、S/A2)が設けられる。このセンスアンプ回路S/Aは、データビットそれぞれに対応して電流制限を行なう機能を備える。
センスアンプ4Sは、参照電流発生回路40からの参照電流を読出データ線RDBを流れる電流と比較して内部読出データを生成する。参照電流発生回路40は、センスアンプ回路S/A1およびS/A2それぞれに対応して参照電流RDB(ref)を生成する参照電流源(Iref源)41aおよび41bを含む。参照電流源41aおよび41bがそれぞれ駆動する参照電流Irefは、高抵抗状態のメモリセルが駆動する電流と低抵抗状態のメモリセルが駆動する電流の中間値である。
センスアンプ4Sに各ビットごとに対する電流制限機能を設けることにより、以下の利点が得られる。すなわち、共有ソース線SLに接続されるメモリセルにおいて、抵抗値が小さなメモリセルを介して大きな読出電流が流れる場合、共有ソース線SLに接続される他のメモリセルの放電電流が影響を受け、データの読出を高速で行なうことができない、および読出マージンが低減されるなどの問題が生じる。センスアンプ4Sにおいて各ビットごとに電流制限機能を設けることにより、製造ばらつきなどのパラメータ変動に起因する抵抗値のばらつきによる規定値よりも小さな抵抗値を有する低抵抗値状態のメモリセルが存在する場合においても、そのメモリセルを介して流れる電流の上限値を設定することができ、過剰電流により、他のメモリセルの読出電流が影響を受けるのを防止することができ、読出マージンの改善および読出速度の高速化を実現することができる。
図54は、このセンスアンプ4Sに設けられる1つのセンスアンプ回路S/Aの構成を示す図である。図54において、センスアンプ回路S/Aは、電源ノードとノードND10の間に接続され、かつそのゲートにセンスアンプ活性化信号/SEを受けるPチャネルMOSトランジスタ(絶縁ゲート型電界効果トランジスタ)PT10と、ノードND10とノードND11の間に接続されかつそのゲートがノードND11に接続されるPチャネルMOSトランジスタPT11と、電源ノードとノードND10の間に接続されかつゲートがノードND11に接続されるPチャネルMOSトランジスタPT12と、電源ノードとノードND13の間に接続されかつそのゲートがノードND11に接続されるPチャネルMOSトランジスタPT13と、電源ノードとノードND14の間に接続されかつそのゲートがノードND16に接続されるPチャネルMOSトランジスタPT14と、電源ノードとノードND15の間に接続されかつそのゲートがノードND16に接続されるPチャネルMOSトランジスタPT15と、ノードND10とノードND16の間に接続されかつそのゲートがノードND16に接続されるPチャネルMOSトランジスタPT16を含む。
参照データ線RDB(ref)iは、対応の参照電流源41(Iref源41a、41b)に結合される。
センスアンプ回路S/Aの活性化時、MOSトランジスタPT11およびPT12が、MOSトランジスタPT11をマスタとするカレントミラー回路を構成し、また、MOSトランジスタPT15およびPT16が、MOSトランジスタPT16をマスタとするカレントミラー回路を構成する。従って、センスアンプ回路S/Aの活性化時、MOSトランジスタPT11およびPT16をそれぞれ流れる電流に対応する大きさの電流が、MOSトランジスタPT12およびPT15をそれぞれ流れる。
センスアンプ回路S/Aは、さらに、ノードND11と読出データ線RDBiの間に接続されかつそのゲートに基準電圧Vrefを受けるNチャネルMOSトランジスタNT10と、ノードND12とノードND17の間に接続されかつそのゲートがノードND12に接続されるNチャネルMOSトランジスタNT11と、ノードND14とノードND17の間に接続されかつそのゲートがノードND12に接続されるNチャネルMOSトランジスタNT12と、ノードND13とノードND17の間に接続されかつそのゲートがノードND15に接続されるNチャネルMOSトランジスタNT13と、ノードND15とノードND17の間に接続されかつそのゲートがノードND15に接続されるNチャネルMOSトランジスタNT14と、ノードND16と参照データ線RDB(ref)iの間に接続されかつそのゲートに基準電圧Vrefを受けるNチャネルMOSトランジスタNT15と、ノードND17と接地ノードとの間に接続されかつそのゲートにセンスアンプ活性信号SEを受けるNチャネルMOSトランジスタNT16を含む。
センスアンプ回路S/Aの活性化時、MOSトランジスタNT11およびNT12がカレントミラー回路を構成し、またMOSトランジスタNT13およびNT14がカレントミラー回路を構成する。したがって、これらのMOSトランジスタNT11−NT14が同一サイズの場合には、MOSトランジスタNT12およびNT13には、それぞれ、MOSトランジスタNT11およびNT14を介して流れる電流と同じ大きさの電流が流れる。
センスアンプ回路S/Aは、さらに、プリアンプ活性化信号PAEに応答して活性化され、活性化時、ノードND13およびND14からのセンス信号Soutおよび/Soutを差動増幅して内部読出データDOを生成する差動増幅回路(プリアンプ)AMPを含む。
この図54に示すセンスアンプ回路S/Aにおいては、データ線RDBiおよびRDB(ref)iにそれぞれ電流を供給するMOSトランジスタNT10およびNT15の駆動電流量は、基準電圧Vrefにより決定される。
参照データ線RDB(ref)iにおいて駆動される参照電流は、図53に示す参照電流源(Iref源)41(41a、41b)の駆動電流により決定される。
センスアンプ回路S/Aの非活性化時、MOSトランジスタPT10およびNT16はともにオフ状態であり、センス動作電流が流れる経路は遮断され、センスアンプ回路S/Aは非活性状態にある。
センスアンプ回路S/Aが活性化されるときには、センスアンプ活性化信号/SEおよびSEがそれぞれLレベルおよびHレベルに駆動され、MOSトランジスタPT10およびNT16がともにオン状態となる。応じて、ノードND10が電源電圧VCCとなり、ノードND17が接地電圧レベルに駆動される。メモリセルアレイにおいてはメモリセルの選択動作が行なわれており、読出データ線RDBiが、列選択回路に含まれる列選択ゲートを介して選択列のビット線に結合される。
センス動作時に、MOSトランジスタPT11およびNT10を介して読出データ線RDBiを介して選択列のビット線に読出電流が供給される。読出データ線RDBiへ供給される電流の上限値は、MOSトランジスタNT10の基準電圧Vrefにより制限される。同様に、参照データ線RDB(ref)iにおいても、MOSトランジスタPT16およびNT15により電流が供給され、参照電流が放電される。参照電流の上限値は、MOSトランジスタNT15により制限される。
選択メモリセルが低抵抗状態の場合には、読出データ線RDBiを流れる電流は、参照データ線RDB(ref)を流れる電流よりも大きくなり、MOSトランジスタPT11を介して流れる電流が、MOSトランジスタPT16を介して流れる電流よりも大きくなる。応じて、MOSトランジスタPT12を介して流れる電流が、MOSトランジスタPT15を介して流れる電流よりも大きくなる。ここで、以下の説明において、説明を簡単にするために、PチャネルMOSトランジスタPT11−PT16のサイズはチャネル幅Wとチャネル長Lの比(W/L)は同一とし、また、NチャネルMOSトランジスタNT11−NT14のサイズも同一とする。
MOSトランジスタPT12を介して流れる電流が、ノードND12を介してMOSトランジスタNT11へ供給される。ここで、MOSトランジスタPT15からの電流は、MOSトランジスタNT14へ供給される。MOSトランジスタNT12は、MOSトランジスタNT11の駆動電流と同じ大きさの電流を駆動することができる。MOSトランジスタNT13も、MOSトランジスタNT14を流れる電流と同じ大きさの電流を駆動することができる。MOSトランジスタPT12およびPT13は、そのゲートがノードND11に共通に結合されており、したがって、MOSトランジスタPT13は、MOSトランジスタPT11と同じ大きさの電流を駆動し、またMOSトランジスタPT14は、MOSトランジスタPT15およびPT16と同じ大きさの電流を駆動する。
今、選択メモリセルが低抵抗状態であるため、MOSトランジスタPT13を介して流れる電流は、MOSトランジスタPT14を介して流れる電流よりも大きい。一方、MOSトランジスタNT12はMOSトランジスタNT13よりも大きな電流を駆動することができ、したがって、ノードND14の電位レベルが高速で低下する。一方、ノードND13の電位は、MOSトランジスタPT13の駆動電流が、MOSトランジスタNT13の放電電流よりも大きいため、ほとんど低下しない。
ノードND13およびND14の相補信号Soutおよび/Soutの電位差が十分に拡大されると、プリアンプ活性化信号PAEを活性化して、差動増幅器AMPでこの相補信号Soutおよび/Soutを差動増幅することにより、内部読出データDOが生成される。
選択メモリセルが高抵抗状態の場合には、読出データ線RDBiを流れる電流が、参照データ線RDB(ref)iを流れる電流よりも小さくなる。従って、上述の動作と逆に、ノードND14の電位レベルがノードND13の電位レベルよりも低くなり、差動増幅器AMPからの内部読出データDOは、低抵抗状態のメモリセルデータ読出時と逆の論理値のデータとなる。
このセンスアンプ回路S/Aを利用することにより、読出電流(メモリセル電流)と参照電流の差を電圧差に高速で変換して内部読出データを生成することができる。また、MOSトランジスタNT10に基準電圧Vrefを与え、その電流駆動力を制限する。高抵抗状態のメモリセルのビット線電位が上昇すると、読出電流により、メモリセルに電流が流れ、相変化が生じ、高抵抗状態が低抵抗状態に変化することが考えられる。この読出電流に上限値を設けることにより、メモリセルが高抵抗状態であっても、対応のビット線電位が上昇するのを制限することができ、応じて、メモリセルの相変化材料素子の相変化が生じるのを防止することができる。これにより、読出電流によりメモリセルの抵抗状態が変化して記憶データが変更されるというリードディスターブの問題を回避することができる。また、以下の問題も解消することができる。
図54に示すセンスアンプ回路S/Aが各選択メモリセルに対して設けられ、複数ビットのデータが並列に読出が行なわれる場合、共有ソース線SLには、複数のメモリセルMCが並列に接続される。1つのメモリセルが製造パラメータのばらつきなどにより、その抵抗値が小さくなり、駆動電流が大きくなっても、その駆動電流の上限は、MOSトランジスタNT10により制限される。これにより、共有ソース線SLの電位が上昇するのを抑制でき、また、他の選択メモリセルの読出電流が制限されるなどの悪影響を防止することができ、読出マージンが損なわれるという問題を回避することができる。
以上のように、この発明の実施の形態5に従えば、複数ビットのデータが並列に読出され、かつ選択メモリセルが共通に同一のソース線に接続される場合においても、各ビットに対して設けられるセンスアンプ回路に電流制限機能を設けており、共有ソース線に大電流が流れ込むのを防止することができ、高速で正確な読出を実現することができる。
[実施の形態6]
図55は、この発明の実施の形態6に従う不揮発性半導体記憶装置の要部の構成を概略的に示す図である。図55に示す構成においても、メモリセルアレイ1において、メモリセルMCが行列状に配列される。各メモリセル行に対応してワード線WLが配設され、各メモリセル列に対応してビット線BL(BL1…BLn)が配設される。図55においては、ワード線WLとビット線BL1の交差部に対応して配置されるメモリセルMCを代表的に示す。このメモリセルMCが、アクセストランジスタがソース線SLに結合され、相変化材料素子を含む可変抵抗素子が、ビット線BL1に接続される。メモリセルアレイ1におけるソース線SLの配設方向およびメモリセルMCの構成としては、先の実施の形態1から4に示す構成のいずれをも適用することができる。
列選択回路3は、ビット線BL1−BLnそれぞれに対応して設けられ、書込列選択信号WCSL1−WCSLnに従って選択的に導通し、導通時、対応のビット線BL1−BLnを書込データ線WDBLに接続する書込列選択ゲートWG1−WGnと、読出列選択信号RCSL1−RCSLnそれぞれに応答して選択的に導通し、導通時、対応のビット線BL1−BLnを読出データ線RDBに接続する読出列選択ゲートRG1−RGnを含む。書込列選択ゲートWG1−WGnの各々のチャネル幅Wwは、読出列選択ゲートRG1−RGnのチャネル幅Wrよりも大きくされる。
書込データ線WDBLは、書込/読出回路4に含まれる可変電流源4Wに結合され、読出データ線RDBLは、書込/読出回路4に含まれるセンスアンプ回路S/Aに結合される。
図55に示すように、書込データ線WDBLおよび読出データ線RDBLを別々に設ける。読出データ線RDBLには可変電流源4Wが接続されず、また、書込列選択ゲートWG1−WGnも接続されない。従って、データ読出時これらの書込系の寄生容量の影響を受けることなく、読出データ線RDBLに読出電流を供給することができ、高速で、読出電流を変化させることができ、高速読出を実現することができる。
また、書込列選択ゲートWG1−WGnのチャネル幅Wwを十分大きくすることにより、可変電流源4Wからの大きな書込電流を十分余裕を持って流すことができ、高速でデータの書込を行うことができる。
また、読出列選択ゲートRG1−RGnのチャネル幅Wrが小さい場合には、読出電流が低抵抗状態のメモリセルが流れるときに、大きな読出電流が流れるのを抑制することができる。
なお、図55においては、1ビットデータの書込/読出を行なう構成を示している。しかしながら、複数ビットのデータが並列に書込/読出が行なわれる構成に対しても、この図55に示す構成が適用することができ、各ビットに対して、書込データ線WDBLおよび読出データ線RDBLをそれぞれ別々に設ける。
以上のように、この発明の実施の形態6に従えば、書込データ線および読出データ線を別々に設け、また書込列選択ゲートおよび読出列選択ゲートを別々に設けており、大きな書込電流を十分に高速で供給することができ、また、書込列選択ゲートの寄生容量の影響を受けることなく、読出電流を高速で変化させることができ、高速読出が実現される。
[実施の形態7]
図56は、この発明の実施の形態7に従う不揮発性半導体記憶装置の要部の構成を概略的に示す図である。図56において、メモリセルアレイは、2つのメモリサブアレイ1Uおよび1Lに分割される。メモリサブアレイ1Uおよび1Lそれぞれにおいて、ビット線BL1−BLnが配設される。メモリサブアレイ1Uに対し、読出データ線RDBL1およびRDBL2がビット線と交差する方向に設けられ、また、メモリサブアレイ1Lに対し、読出データ線RDBL3およびRDBL4が、ビット線BLと交差する方向に配設される。これらの読出データ線RDBL1−RDBL4それぞれに、センスアンプ回路S/A1−S/A4が設けられる。
一方、書込データ線WDBLが、メモリサブアレイ1Uおよび1Lに共通にビット線と交差する方向に設けられる。書込データ線WDBLは、その一端において可変電流源4Wに結合される。メモリサブアレイ1Uにおいて、ビット線BL1−BLnに対し、書込列選択信号UWCSL1−UWCSLnに応答して選択的に導通し、導通時、対応のビット線BL1−BLnを書込データ線WDBLに接続する書込列選択ゲートUWG1−UWGnと、データ読出時選択列のビット線を読出データ線RDBL1およびRDBL2に結合する読出列選択ゲートURG1−URGnが設けられる。
読出列選択ゲートURG1−URGnにおいては、隣接ビット線に対して共通の読出列選択信号URCSLが供給される。図34において、読出列選択ゲートURG1およびURG2に共通に読出列選択信号URCSL1が与えられ、ビット線BL1およびBL2が、選択時、それぞれ読出データ線RDBL1およびRDBL2に結合される。ビット線BLnに設けられる読出列選択ゲートURGnには、読出列選択信号URCSLkが与えられ、選択時、ビット線BLnが読出データ線RDBL2に結合される。ここで、n=2・kである。
メモリサブアレイ1Lにおいても、ビット線BL1−BLnそれぞれに対応して、書込列選択信号LWCSL1−LWCSLnに応答して導通し、導通時、対応のビット線BL1−BLnを書込データ線WDBLに結合する書込列選択ゲートLWG1−LWGnと、データ読出時選択列を読出データ線RDBL3およびRDBL4に結合する読出列選択ゲートLRG1−LRGnが設けられる。
読出列選択信号LRCSL−LRCSLkが、各々、隣接ビット線に対して設けられる読出列選択ゲートに共通に与えられて、選択されたビット線の対が、それぞれ、内部読出データ線RDBL3およびRDBL4に結合される。図56において、読出列選択ゲートLRG1およびLRG2に対し共通に、読出列選択信号LRCSL1が与えられ、選択時、ビット線BL1およびBL2が、読出データ線RDBL3およびRDBL4に結合される。また、読出列選択ゲートLRGnは、読出列選択信号LRCSLkに応答して選択的に導通し、導通時、ビット線BLnを、読出データ線RDBL4に結合する。
センスアンプ回路S/A1−S/A4から4ビット並列または2ビット並列に読出されるデータから、さらに図示しないデコード回路により、1ビットデータが選択されて読出データが生成される。
この図56に示すデータ線構成の場合、書込データに対する選択メモリセル数(1ビットデータに対して同時に選択されるメモリセルの数)と読出データに対する選択メモリセル数について、読出データの選択メモリセル数を多くすることにより、読出データ線RDBL1−RDBL4各々に接続される読出列選択ゲートの数を、書込列選択ゲートの場合に比べて低減することができ、読出データ線RDBL1−RDBL4の浮遊容量を低減でき、より高速にデータの読出を行なうことができる。
また、この読出データ線について、各メモリサブアレイ1Uおよび1Lに対応して分割構造とすることにより、配線長が低減され、さらに、これらの読出データ線の浮遊容量を低減でき、より高速のアクセスを実現することができる。
なお、この図56に示すメモリサブアレイ1Uおよび1Lにおいて、メモリセル構造およびソース線の配置は、先の実施の形態1から4のいずれの構成が用いられてもよい。
以上のように、この発明の実施の形態7に従えば、内部データ書込の経路(内部データ線および列選択ゲート)と内部データ読出の経路を別々に配置し、データ書込時に同時に選択されるビット線の数よりも、読出時に同時に選択されるビット線の数を多くし、また、各選択されるビット線を異なる内部読出データ線に接続することにより、読出データ線の浮遊容量を、書込データ線の浮遊容量に比べて低減することができ、高速読出が実現される。
また、メモリセルアレイを、サブアレイに分割し、各分割サブアレイに対応して、読出データ線を分割することにより、より、読出データ線の浮遊容量を低減でき、高速アクセスを実現することができる。
なお、データビットについてのウェイ構成(外部データ1ビットあたり同時に内部で選択されるビット線からさらに1ビットを選択する構成)については、単に、列アドレス信号ビットの所定数がウェイ数(外部データ1ビットあたり同時に内部で選択されるビット線の数)に応じたビット線の選択に用いられ、残りの列アドレス信号ビットが、同時に選択されたビットから1ビットデータを選択するために用いられればよい。
[実施の形態8]
図57は、この発明の実施の形態8に従う不揮発性半導体記憶装置の要部の構成を概略的に示す図である。図57において、メモリセルアレイは、2つのメモリアレイ1Aおよび1Bに分割される。メモリアレイ1Aおよび1Bには、それぞれメモリセルMCが行列状に配列されるが、図57においては、メモリセルアレイ1A1および1B1それぞれにおいて、データを記憶するメモリセル(正規メモリセル)が1行2列に配列される場合のメモリセルを代表的に示す。すなわち、メモリアレイ1Aにおいては、メモリセルMCA0およびMCA1がワード線WLAに共通に接続され、また、メモリセルMCA0およびMCA1の相変化材料素子を含む可変抵抗素子PTMが、サブビット線SBLA0およびSBLA1にそれぞれ接続される。メモリセルMCA0およびMCA1のアクセストランジスタATのソース線の配置としては、実施の形態1および4に示す構成のいずれが用いられてもよい。すなわち、ソース線は、ワード線と平行方向に配設されてもよく、また、ソース線がビット線と平行に配置されてもよい。
メモリアレイ1Aにおいて、メモリセルそれぞれに整列して、参照セルRMCA0およびRMCA1が設けられる。参照セルRMCA(RMCA0,RMCA1)は、行方向に整列して配置され、それぞれのアクセストランジスタATが、参照ワード線RWLが接続される。参照メモリセルRMCA0およびRMCA1においては、2個の低抵抗状態の可変抵抗素子PTM0が直列にアクセストランジスタATと対応のサブビット線SBLA0またはSBLA1の間に接続される。
サブビット線SBLA0およびSBLA1に対して、それぞれ、サブビット線プリチャージ指示信号PREに応答して、サブビット線SBLA0およびSBLA1を、接地電圧レベルにプリチャージするサブビット線プリチャージトランジスタBQA0およびBQA1が設けられる。メモリアレイ1Bにおいても、メモリアレイ1Aと同様、メモリセルMCB0およびMCB1が行方向に整列して配置され、ワード線WLBにそれぞれのアクセストランジスタATが接続され、また、それぞれの可変抵抗素子PTMが、対応のサブビット線SBLB0およびSBLB1に接続される。
これらのメモリセルMCB0およびMCB1に整列して、各列に参照セルRMCB0およびRMCB1が設けられる。参照セルRMCB0およびRMCB1においては、2個の低抵抗状態の可変抵抗素子(相変化材料素子を含む)PTM0が直列に接続され、参照ワード線RWLBが、これらの参照セルRMCB0およびRMCB1のアクセストランジスタATに共通に接続される。
また、サブビット線SBLB0およびSBLB1に対して、サブビット線プリチャージ指示信号PREに応答して対応のサブビット線を接地電圧レベルにプリチャージするサブビット線プリチャージトランジスタBQB0およびBQB1が設けられる。
これらのメモリアレイ1Aおよび1Bの間の領域に、書込/読出電流を伝達する内部データ線が配設される。すなわち、メモリアレイ1Aに対しては、読出データ線RLIOA0およびRLIOA1と書込データ線WLIOA0およびWLIOA1とが設けられ、メモリアレイ1Bに対しては、読出データ線RLIOB0およびRLIOB1と書込データ線WLIOB0およびWLIOB1とが設けられる。
メモリアレイ1Aおよび1Bそれぞれに、書込/読出データ線を別々に設けることにより、読出データ線の負荷を軽減する。書込データ線WLIOA0およびWLIOA1、WLIOB0およびWLIOB1には、ライトドライバWRPDRが結合される。このライトドライバWRTDRは、図2に示す可変電流源と同様の構成を含み、内部書込データDIN0およびDIN1に従って書込電流を生成して、選択メモリアレイに対して設けられた書込データ線に生成した書込電流を伝達する。
図57に示す構成においては、2ビットの並列書込および2ビットの並列読出が行なわれる。メモリアレイ1Aに対する列選択回路3Aにおいては、サブビット線SBLA0に対して読出列選択ゲートARG0および書込列選択ゲートAWG0が設けられ、サブビット線SBLA1に対して、読出列選択ゲートARG1および書込列選択ゲートAWG1が設けられる。読出列選択ゲートARG0、読出列選択信号RCSL0に従ってサブビット線SBLA0を、読出データ線RLIOA0に接続し、読出列選択ゲートARG1は、読出列選択信号RCSL1に従ったサブビット線SBLA1を、読出データ線RLIOA1に接続する。
書込列選択ゲートAWG0は、書込列選択信号WCSL0に従って、サブビット線SBLA0を書込データ線WLIOA0に接続し、書込列選択ゲートAWG1は、書込列選択信号WCSL1に従って、サブビット線SBLA1を書込データ線WLIOA1に接続する。
メモリアレイ1Bに対する列選択回路3Bにおいては、サブビット線SBLB0に対して読出列選択ゲートBRG0および書込列選択ゲートBWG0が設けられ、サブビット線SBLB1に対して、読出列選択ゲートBRG1および書込列選択ゲートBWG1が設けられる。読出列選択ゲートBRG0およびBRG1は、それぞれ、読出列選択信号RCSL0およびRCSL1に従ってサブビット線SBLB0およびSBLB1を、それぞれ、読出データ線RLIOB0およびRLIOB1に結合する。
書込列選択ゲートBWG0およびBWG1は、それぞれ、書込列選択信号WCSL0およびWCSL1に従って、サブビット線SBLB0おびSBLB1を、それぞれ、書込データ線WLIOB0およびWLIOB1に接続する。
列選択回路3Aおよび3Bには、共通に列選択信号が与えられ、対応する列のサブビット線が並行して選択される。メモリアレイ1Aおよび1Bの一方において(正規)メモリセルが選択されたとき、他方のメモリアレイにおいて参照セルが選択される。参照セルRMC(RMCA0,RMCA1,RMCB0,RMCB1)は、それぞれメモリセルMC(MCA0,MCA1,MCB0,MCB1)と同じ製造工程で同一構造/同一構成に形成され、同一の特性を有する。したがって、参照セルRMCは、温度特性がメモリセルMCとで同じであり、正確にメモリセル電流に対して等価的に温度補償を行った参照電流を生成する。
読出データ線RLIOA0およびRLIOA1が、それぞれローカルデータ線LIO0aおよびLIO1aに接続され、読出データ線LIOB0およびLIOB1が、それぞれ、ローカルデータ線LIO0bおよびLIO1bに接続される。このローカルデータ線LIO0aおよびLIO0bの対において、一方がメモリセル読出電流を伝達し、他方が参照セルを介して流れる参照電流を伝達する。同様、ローカルデータ線LIO1aおよびLIO1bにおいても、一方にメモリセル電流が流れ、他方に参照セル電流が流れる。これらのローカルデータ線LIO0aおよびLIO0bで構成されるローカルデータ線対LIOP0およびローカルデータ線LIO1aおよびLIO1bで構成されるローカルデータ線対LIOP1において参照電流を利用することにより、高速の読出を実現する。
データ読出系回路として、ローカルデータ線LIO0aおよびLIO0bをプリチャージ指示信号LIOPREに従って所定電位にプリチャージしかつイコライズするデータ線イコライズ回路EQ0と、アレイ選択信号BSA,BSBに従って、ローカルデータ線LIO0およびLIO0bとセンス入力線SIO0および/SIO0の接続経路を切換えるデータ線切換回路ADSW0と、センス入力線SIO1および/SIO0と信号活性化時差動増幅して内部読出データSAOAおよび/SAOAを生成するセンスアンプ回路(S/A)SA0が設けられる。
同様、ローカルデータ線LIO1aおよびLIO1bに対して、プリチャージ指示信号LIOPREに従って、ローカルデータ線LIO1aおよびLIO1bを所定電位にプリチャージしかつイコライズするデータ線イコライズ回路EQ1と、アレイ選択信号BSAおよびBSBに従ってローカルデータ線LIO1aおよびLIO1bとセンス入力線SIO1および/SIO1との接続経路を切換えるデータ線切換回路ADSW1と、活性化時、入力線SIO1および/SIO1上の信号を差動増幅して内部読出データSAOBおよび/SAOBを生成するセンスアンプ回路(S/A)SA1が設けられる。
センスアンプ回路SA0およびSA1については、正確かつ高速にデータの読出を行なうために、センス入力線SIO0およびSIO1に選択メモリセルMCが結合され、補のセンス入力線/SIO0および/SIO1に参照セルが結合される。メモリアレイ1Aおよび1Bのいずれが選択されるかに応じて、参照セルが接続するローカルデータ線が異なる。正確に、センスアンプ回路SA0およびSA1に対して、選択メモリセルをセンス入力線SIOおよびSIO1に結合するために、データ線切換回路SWO0およびSW1が設けられる。
センスアンプ回路SA0およびSA1は、先の図32に示すセンスアンプ回路(S/A)と同様の構成を備え、センスアンプ活性化信号SEおよび/SEの活性化時活性化され、センス動作を行なう。基準電圧VRefは、メモリセル電流を制限するための基準電圧であり、プリアンプ活性化信号PAEは、出力段の差動増幅器(AMP)を活性化するための出力制御信号である。
相変化素子で構成される可変抵抗素子PTMの抵抗変化量について、説明を簡単にするために、低抵抗状態で10KΩ、高抵抗状態で1000KΩ程度とする。参照セルRMCの参照抵抗値を中間抵抗値に設定する場合、500KΩ程度となる。この場合、参照セルを流れる電流は極めて小さく、高抵抗状態のメモリセルの記憶データを読出す場合には、メモリセル読出電流が小さく、参照セル電流とメモリセル読出電流の差が小さくなり、正確なセンスができなくなる。
電流センス方式でデータを読出す場合の参照電流の最適点は、高抵抗状態および低抵抗状態のメモリセルを流れるメモリセル電流の中間値である。たとえば、データ読出時、サブビット線SBLの電圧が0.1Vに設定される(プリチャージされる)場合、低抵抗状態の抵抗素子を10KΩに設定した場合、その低抵抗状態のメモリセルを流れる電流は、10μA(マイクロアンペア)となる。一方、高抵抗状態を1000KΩとした場合には、この高抵抗状態のメモリセルを流れる電流は、0.1μAとなる。このとき、高抵抗状態のメモリセルの抵抗が無限大であると考え、流れる電流が実質的に0と考えると、中間電流は、5μAである。ビット線読出電圧が0.1Vであれば、この中間電流を生成するための抵抗値は、20KΩとなる。したがって、参照セルRMCにおいては、低抵抗状態の可変抵抗素子PTM0を直列に2個接続することにより、中間電流を生成する抵抗値を実現することができる。この低抵抗状態の相変化材料素子は、結晶化状態にあり、安定な状態であり、リードディスターブを受けにくい状態にある。従って、メモリセルの選択回数に比べて、参照セルRMCの選択回数が多い場合においても、抵抗値の変化はほぼ生じず、安定に参照電流を供給することができる。
図58は、図57に示す不揮発性半導体記憶装置の列読出時の動作を示す信号波形図である。以下、図58を参照して、この図57に示す不揮発性半導体記憶装置のデータ読出時の動作について説明する。なお、図58においては、1ビットのデータ読出に関連する部分の信号波形を示す。
時刻t1以前においては、不揮発性半導体記憶装置はスタンバイ状態にあり、サブビット線プリチャージ指示信号PREがHレベルであり、サブビット線イコライズトランジスタBQA0、BQA1、BQB0およびBQB1はすべてオン状態であり、サブビット線SBLA0、SBLA1、SBLB0およびSBLB1はすべて、接地電圧レベルにプリチャージされる。また、データ線イコライズ回路EQ0およびEQ1においても、プリチャージトランジスタが活性状態にあり、ローカルデータ線LIO0aおよびLIO0b、LIO1aおよびLIO1bはすべて接地電圧レベルに維持される。センスアンプ回路SA0およびSA1は非活性状態であり、データ線切換回路ADSW0およびADSW1は、アレイ選択信号BSAおよびBSBに従って、初期状態にその接続経路を設定している(ハイインピーダンス状態であってもよい)。
時刻t1において、アドレス信号が入力され、このアドレス信号の変化に従ってセンスアンプ回路SA0およびSA1に対するセンス活性化信号SEが活性化され、また、ビット線プリチャージ指示信号PREが非活性状態に駆動される。これにより、サブビット線およびローカルデータ線のプリチャージ動作が停止される。次いで、ローカルデータ線プリチャージ指示信号LIOPREが活性化され、イコライズ回路EQ0およびEQ1が活性化され、ローカルデータ線LIOP0およびLIOP1を介して読出データ線RLIOA0、RLIOB0、RLIOA1およびRLIOB1を所定電圧レベルにプリチャージする。このアドレス信号の入力に従って選択メモリセルを含む選択メモリアレイが設定され、アレイ選択信号BSAおよびBSBが生成される。
データ線切換回路ADSW(ADSW1、ADSW0)は、アレイ選択信号BSAおよびBSBに従ってデータ線の接続経路を設定する。メモリアレイ1Aが選択されている場合、ローカルデータ線LIO0aおよびLIO1aを、それぞれセンス入力線SIO0およびSIO1に結合する。メモリアレイ1Bが選択メモリセルを含む場合には、逆に、データ線切換回路ADSW0およびADSW1は、ローカルデータ線LIO0bおよびLIO1bをセンス入力線SIO0およびSIO1にそれぞれ結合する。
このプリチャージ動作開始後、アレイ選択信号BSAおよびBSBと行アドレス信号に従ってワード線および参照ワード線が選択状態へ駆動される。今、メモリアレイ1Aにおいて正規のメモリセルMCが選択され、メモリアレイ1Bにおいて参照メモリセルRMCBが選択される状態を考える。列アドレス信号に従って、読出列選択信号RCSL0およびRCSL1が選択状態へ駆動され、サブビット線SBLA0およびSBLA1が、それぞれ、読出データ線RLIOA0およびRLIOA1に接続され、また、サブトビット線SBLB0およびSBLB1が、それぞれ読出データ線RLIOB0およびRLIOB1に接続される。また、これと並行して、ワード線WLAが選択状態へ駆動され、かつ参照ワード線RWLBが選択状態へ駆動される。このサブビット線およびワード線および参照ワード線の選択に従って、サブビット線の電圧がイコライズ回路EQ0およびEQ1からのプリチャージ電流により所定電位レベルに上昇する。
センスアンプ回路SA0およびSA1において、内部の初段センス出力の読出信号Soutおよび/Soutは、それぞれ、図54に示すPチャネルMOSトランジスタPT13およびPT14により、電源電圧レベルに維持されている。
時刻t2において、データ線プリチャージ信号LIOPREが非活性化されると、メモリセルMCA0およびMCA1の記憶データに応じた電流がサブビット線SBL0およびSBL1を介してそれぞれ流れ、ローカルデータ線LIO0aおよびLIO1aにメモリセルの駆動電流に応じた電位変化が生じる。また、参照セルRMCB0およびRMCB1が、中間電流を駆動しており、ローカルデータ線LIO0bおよびLIO1bが、参照電流に応じてその電位レベルが低下する。
センスアンプ回路SA0およびSA1の初段センス出力Soutおよび/Soutにおいて、選択メモリセルの記憶データ(駆動電流)および参照セルの駆動電流に応じて電位差が生じる。選択メモリセルの抵抗値が高抵抗状態Rmaxの場合には、参照セルの抵抗値Refよりも高い抵抗状態であり、駆動電流が小さく、センスアンプ回路SA0およびSA1の内部信号Soutの電圧レベルが高くなる。一方、選択メモリセルが低抵抗状態Rminの状態のときには、メモリセルの駆動電流は、参照セルの駆動電流よりも大きいため、センスアンプ回路SA0およびSA1の内部信号Soutの電位レベルがさらに低下する。
参照セルの駆動電流と選択メモリセルの駆動電流に応じた電位差が十分に拡大されると、時刻t3においてプリアンプ活性化信号PAEが活性化され、センスアンプ回路SA0およびSA1の内部の差動増幅器が活性化され、このセンス初段出力の読出信号Sout/Soutに応じた読出データSAO(相補データSAO、/SAO)が生成される。
いわゆるオープンビット線方式でメモリセルを配置しており、参照電流を用いて正確なデータの読出を行なうことができる。
図59は、図57に示すデータ線切換回路ADSW0およびADSW1の構成の一例を示す図である。図37において、データ線切換回路ADSWi(i=0または1)は、ローカルデータ線LIOiaをセンス入力線SIOiに接続するNチャネルMOSトランジスタNT20と、アレイ選択信号BSBに従ってローカルデータ線LIOiaをセンス入力線/SIOiに接続するNチャネルMOSトランジスタNT21と、アレイ選択信号BSAに従ってローカルデータ線LIOibをセンス入力線/SIOiに接続するNチャネルMOSトランジスタNT22と、アレイ選択信号BSBに従ってローカルデータ線LIOibをセンス入力線SIOiに接続するNチャネルMOSトランジスタNT23を含む。
アレイ選択信号BSAおよびBSBは、たとえば、行アドレス信号の最上位ビット(または最下位ビット)を用いて生成され、メモリアレイ1Aが選択メモリセルを含む場合には、アレイ選択信号BSAがHレベルへ駆動され、メモリアレイ1Bが選択メモリセルを含む場合には、アレイ選択信号BSBがHレベルに駆動される。したがって、メモリアレイ1Aが選択される場合には、NチャネルMOSトランジスタNT20およびNT22がオン状態となり、ローカルデータ線LIOiaおよびLIObが、それぞれ、センス入力線SIOiおよび/SIOiに接続される。一方、メモリアレイ1bが選択される場合には、アレイ選択信号BSBがHレベルへ駆動され、ローカルデータ線LIOiaおよびLIObが、それぞれ、センス入力線/SIOiおよびSIOiに接続される。
このデータ線切換回路ADSWiを利用することにより、オープンビット線構成において、参照セルを利用する場合においても、正確にセンスアンプ回路SAiにおいて、センス入力線SIOiおよび/SIOiを選択メモリセルおよび参照セルにそれぞれ接続することができる。
図60は、図57に示すセンスアンプ回路SAi(i=0,1)の構成を示す図である。この図60に示すセンスアンプ回路SAiは、図54に示すセンスアンプ回路と以下の構成が異なるだけである。すなわち、データ読出時に読出電流および参照電流を供給するMOSトランジスタNT10およびNT15が、それぞれセンス入力線SIOiおよび/SIOiに接続され、また、プリアンプ活性化信号PAEに応答して活性化される差動増幅器(プリアンプ)AMPPが、差動増幅器増幅動作時に相補信号SAOiおよび/SAOiを生成する。この図60に示すセンスアンプ回路SAiの他の構成は、図54に示すセンスアンプ回路S/Aの構成と同じであり、対応する部分には同一参照番号を付し、その詳細説明は省略する。
図60に示すように、センスアンプ回路SAiの非活性化時、センス入力線SIOiおよび/SIOiが接地電圧レベルであるため、ノードND11およびND16の接地電圧レベルとなり、ノードND13およびND14が電源電圧VCCレベルにプリチャージされ、応じて、初段センス出力Soutおよび/Soutは、スタンバイ時、電源電圧VCCレベルである。
図61は、データ線イコライズ回路EQi(i=0または1)の構成の一例を示す図である。図61において、データ線イコライズ回路EQiは、データ線プリチャージ信号LIOPREに従ってローカルデータ線LIOiaおよびLIObにそれぞれプリチャージ電圧VIを伝達するNチャネルMOSトランジスタNT30およびNT31と、データ線プリチャージ信号LIOPREに従ってローカルデータ線LIOiaおよびLIOibを電気的に短絡するNチャネルMOSトランジスタNT32と、サブビット線プリチャージ指示信号PREの活性化に従ってローカルデータ線LIOiaおよびLIOibをそれぞれ接地ノードに結合するNチャネルMOSトランジスタNT33およびNT34を含む。
プリチャージ電圧VIは、たとえば基準電圧をゲートに受けてソースフォロアモードで動作するNチャネルMOSトランジスタにより生成される。ソースフォロアモードトランジスタの電流駆動力を大きくすることにより、基準電圧からソースフォロアモードトランジスタのしきい値電圧分低い電圧レベルにプリチャージ電圧VIを設定して、かつ大きな電流駆動力で、ローカルデータ線、データ読出線およびサブビット線を所定電位レベルにプリチャージすることができる。
図61に示すローカルデータ線イコライズ回路EQiの構成の場合、ローカルデータ線プリチャージ指示信号LIOPREがHレベルとなると、MOSトランジスタNT30およびNT32により、ローカルデータ線LIOiaおよびLIOibが電圧VIレベルにプリチャージされる。このときには、MOSトランジスタNT33およびNT34がオフ状態である。スタンバイ時には、サブビット線プリチャージ指示信号PREが活性化され、ローカルデータ線LIOiaおよびLIOibが接地電圧レベルにプリチャージされる。
図61に示すように、データ線イコライズ回路を利用することにより、サブビット線SBLと読出データ線RLIOAiおよびRLIOBiが分離された状態で、サブビット線のプリチャージが行なわれる場合においても、ローカルデータ線および読出データ線の接地電圧レベルへのプリチャージを確実に行なうことができる。
図62は、図57に示す参照セルの断面構造を概略的に示す図である。図62においては、1つの参照セルの断面構造を概略的に示す。
図62において、基板領域50表面に間をおいてn型不純物領域51および52が形成される。基板領域50の隣接参照セル位置に対応する領域には不純物領域は形成されない。不純物領域51および52は、それぞれ低抵抗のプラグPLG0およびPLG1に電気的に接続される。プラグPLG0およびPLG1の間の基板領域表面上に図示しないゲート絶縁膜を介して参照ワード線RWLが配設される。
ワード線上層にソース線SLが形成され、このソース線SLと同一製造工程で、中間ベース層53bおよび53aが形成される。ソース線SLはプラグPLG1に電気的に接続され、中間ベース層53bがプラグPLG0に接続される。
中間ベース層53aおよび53b上に、電極層ELL、ヒータ層HP、および相変化材料素子PCEが順次配置される。これらの相変化材料素子PCE、ヒータ層HTおよび電極層ELLが、相変化素子PTMを構成する。図40においては、相変化材料素子PCEのヒータ層HTに接触する部分において結晶相変化が生じている状態を示す。この結晶相変化が生じる領域の体積は、ヒータ層HTが発生する熱が到達する領域を調整することにより変更することができる。通常、相変化メモリにおいては、相変化材料素子の全体が相変化を起こすことは特に要求されず、その一部において相変化が生じても、十分に大きな抵抗値変化を生じさせることができる。
中間ベース層53aには、また、相変化素子PCEが接続される部分と異なる領域において導電体54が接続される。相変化材料素子PCE上部に、たとえば第2メタルで形成される低抵抗の導電線55aおよび55bが互いに分離して配置される。これらの導電線55aおよび55bは、サブビット線と同一製造工程で形成される。導電線55bが、導電体54に電気的に接続される。分割構造の導電線55aおよび55bにより、サブビット線SBLが構成される。
データの書込/読出時においては、導電線55aから電流Iが供給されて、相変化素子PTMから中間ベース層53a、導電体54および分割配線55bを介して電流が流れる。2個の相変化素子PTMを低抵抗状態に設定することにより、低抵抗状態の相変化素子を直列に接続する構成が実現される。
一例として、参照セルは、以下の工程で製造される。正規メモリセル形成工程において、1つの参照セルに対するアクセストランジスタを形成し、他方のセルに対しては、ソース線SL製造工程において中間ベース層53aを形成する。相変化素子PTM形成工程において導電体54を形成する。この導電体54は、相変化素子PTMの上部電極およびビット線コンタクトの形成時に並行して形成されてもよく、また、その一部が、電極配線ELLと同一工程で形成されてもよい。サブビット線形成工程において、導電線55aおよび55bの間の部分が分離されるように、マスクを形成して、分割構造のサブビット線を形成する。これらの一連の工程により、2つの相変化素子PTMを直列に接続することができる。何ら余分のプロセスを設けることなく、低抵抗状態の相変化素子を直列に接続することができる。
なお、図62に示す構成においては、ソース線SLがサブビット線SBLと直交する方向に配設されるように示す。しかしながら、ソース線SLはサブビット線SBLと平行に配設されてもよく、この場合、ソース線SLと行方向において異なる位置に中間ベース層53aおよび53bを形成することにより、ソース線SLと中間ベース層53aおよび53bとの衝突を防止して、低抵抗状態の相変化素子を2個直列に接続する構成を実現することができる。
以上のように、この発明の実施の形態8に従えば、メモリセルデータをオープンビット線方式で読出し、かつ参照電流を生成する参照セルを、低抵抗状態の相変化素子を2個直列に接続して形成しており、リードディスターブの影響を受けることなく確実にかつ安定に中間電流値レベルの参照電流を生成して高速でデータの読出を行なうことができ、データ読出の信頼性を改善することができる。
[実施の形態9]
図63は、この発明の実施の形態9に従う不揮発性半導体記憶装置の要部の構成を概略的に示す図である。この図63に示す構成においては、参照セルRMCA0およびRMCA1は、それぞれ、低抵抗状態の相変化素子PTM0および高抵抗状態の相変化素子PTM1を含み、同様、メモリアレイ1Bにおいても参照セルRMCB0およびRMCB1が、それぞれ、低抵抗状態の相変化素子PTM0および高抵抗状態の相変化素子PTM1を含む。
また、センスアンプ回路SA0およびSA1において、補のセンス入力線/SIO0およびSIO1が短絡配線58により相互接続される。この図63に示す不揮発性半導体記憶装置の他の構成は、図57に示す不揮発性半導体記憶装置の構成と同じであり、対応する部分には同一参照番号を付し、その詳細説明は省略する。
メモリセルMC(MCA、MCB)に含まれる相変化素子PTMの高抵抗状態の抵抗値は、製造パラメータのばらつきにより、20KΩから500KΩ程度にまでばらつく状態を考える。また、データ読出時、ビット線のプリチャージ電圧(VI)が0.1Vの場合を想定する。
センス動作時においては、センスアンプ回路SA0およびSA1から読出電流がローカルデータ線LIO0a、LIO0b、LIO1aおよびLIO1bに供給される。短絡配線58により、これらのセンスアンプ回路SA0およびSA1からローカルデータ線LIO0bおよびLIO1bに供給される電流が合成されて、これらの2つのセンスアンプ回路SA0およびSA1からの電流が、高抵抗状態の相変化素子PTM0およびPTM1に流れる。高抵抗状態の相変化素子PTM1の抵抗値が、たとえば20KΩ程度であり、その駆動電流が5μAであり、また、低抵抗状態の相変化素子PTM0の抵抗値が10KΩ程度であり、その駆動電流が10μAとする。この場合、15μAの合計駆動電流が、センスアンプ回路SA0およびSA1から供給されるため、各センスアンプ回路SA0およびSA1が供給する電流は、合計電流の平均値となり、7.75μAとなる。
メモリセルMC(MCAまたはMCB)の相変化素子PTMの高抵抗の抵抗値が、その参照セルの高抵抗状態の相変化素子PTM1の抵抗値(20KΩ)よりも高い状態のときには、選択メモリセルを流れる電流は、5μAよりもさらに小さくなり(たとえば100KΩのとき、1μA)となり、参照電流との差が大きくなり、高抵抗状態のメモリセルに対しても十分に正確な参照電流を供給して、メモリセルデータの読出を行なうことができる。
メモリセルMC(MCAまたはMCB)の相変化素子PTMが低抵抗状態のときは、10μA程度のメモリセル電流が駆動されるため、センスアンプ回路SA0およびSA1において十分に電流差が生じ、正確なセンス動作を行なうことができる(相変化素子の抵抗値は、非晶質状態の場合、その結晶状態が不安定であり、抵抗値が2桁程度ばらつく)。
また、参照セルの高抵抗状態の相変化素子PTM1の抵抗値が100KΩ程度であれば、そのときに流れる電流は、1μAとなり、参照電流は、5.5μAとなり、さらに正確な中間電流を生成することができ、読出の信頼性を改善することができる。
なお、正規メモリセルMC(MCA,MCB)の相変化素子PTMのデータ記憶時の高抵抗状態の抵抗値よりも低い抵抗値でありかつその低抵抗状態の抵抗値よりも十分高い抵抗値である中間の抵抗値に、参照セルの高抵抗状態の相変化素子PTM1の抵抗値を設定することにより、データ読出時、繰返し選択されて読出電流が流れる場合においても、結晶相は、比較的安定状態に近い状態であり、リードディスターブの影響は抑制できる。
以上のように、この発明の実施の形態9に従えば、参照セルとして、高抵抗状態の参照セルと低抵抗状態の参照セルを並列にセンスアンプ回路の参照ノードに結合しており、中間電流レベルの参照電流を安定に生成することができる。
[実施の形態10]
図64は、この発明の実施の形態10に従う不揮発性半導体記憶装置の要部の構成を概略的に示す図である。この図64に示す不揮発性半導体記憶装置の構成は、以下の点で、図63に示す不揮発性半導体記憶装置とその構成が異なる。すなわち、サブビット線SBLA1およびSBLB1に対しては、参照セルは接続されない。したがって、参照ワード線RWLAが選択されたときには、サブビット線SBLA1はオープン状態となり、また参照ワード線RWBLBが選択されたときには、サブビット線SBLB1がオープン状態となる。以下、このオープン状態のセルをダミーセルDM(DMA、DMB)と称す。サブビット線SBLA0およびSBLB0に接続される参照セルRMCA0およびRMCB0は、それぞれ、低抵抗状態の相変化素子PTM0を含む。
この図64に示す不揮発性半導体記憶装置の他の構成は、図63に示す不揮発性半導体記憶装置の構成と同じであり、対応する部分には同一参照番号を付し、その詳細説明は省略する。
低抵抗状態の参照セルRMCA0およびRMCB0の駆動電流が、10μAであり、高抵抗状態の参照セルRMCA1およびRMCB1の駆動電流が0.1μAの場合、参照電流は、5.05μAとなる。しかしながら、0.05μA程度の差は、センス動作に大きな影響を与えないため、参照電流として、5μAを生成する。すなわち、参照セルRMCA0へ、センスアンプ回路SA0およびSA1から参照電流が供給される場合、5μAの参照電流がセンスアンプ回路SA0およびSA1それぞれから供給される。この場合、正規メモリセルMC(MCA,MCB)において低抵抗状態のメモリセルの駆動電流が10μAであり、十分に、この低抵抗状態のメモリセルのデータを読出すことができる。一方、正規メモリセルMC(MCA,MCB)の高抵抗状態の抵抗値が約100KΩのとき、選択(正規)メモリセルの駆動電流は、1μAとなる。この場合でも、参照電流が5μAであり、十分な電流差が生じており、センスアンプ回路SA0およびSA1により確実にセンス動作を行なうことができる。
したがって、このような参照セルが、オープン状態のサブビット線(ダミーセル)と低抵抗状態の参照セル(基準セル)の組合せにより実現され、低抵抗状態の参照セル(基準セル)の駆動電流の算術平均値により参照電流が生成される場合、正規メモリセルの高抵抗状態の抵抗値がばらつく場合においても、十分に読出データに対して電流差のある参照電流を生成することができ、読出マージンを低下させることなく高速でデータ読出を行なうことができる。
また、高抵抗状態の相変化素子が、参照セルにおいて用いられていないため、リードディスターブの問題を確実に回避することができ、安定に所定の電流レベルの中間電流を参照電流として供給することができ、安定なデータ読出を行なうことができる。
[実施の形態11]
図65は、この発明の実施の形態11に従う不揮発性半導体記憶装置の要部の構成を概略的に示す図である。図65においては、メモリアレイ1Aが参照セルアレイとして用いられ、メモリアレイ1Bが選択セルを含む場合の読出経路の接続を概略的に示す。メモリアレイ1Aにおいて、3本の参照ワード線RWLA1−RWLA3がサブビット線SBLA0−SBLA3と交差する方向に配置される。サブビット線SBLA0と参照ワード線RWLA1−RWLA3の交差部に対応して、低抵抗状態の参照セル(基準セル)RMCAがそれぞれ配置される。この基準セルRMCAは、低抵抗状態の相変化素子PTM0とアクセストランジスタATを含む。
参照ワード線RWLA2およびRWLA3とサブビット線SBLA1の交差部に対応して、基準セルRMCAが配設され、参照ワード線RWLA1およびサブビット線SBLA1の交差部には高抵抗状態を仮想的に実現するオープン状態のサブビット線で構成されるダミーセルDMAが配設される。
サブビット線SBLA2については、参照ワード線RWLA1およびRWLA2の交差部に対応して、ダミーセルDMAが配設され、参照ワード線RWLA3と交差部に対応して、基準セルRMCAが配設される。サブビット線SBLA3については、参照ワード線RWLA1−RWLA3の交差部に対応して、ダミーセルDMAが配置される。
メモリアレイ1Aにおいては、サブビット線SBLA0−SBLA3には、それぞれ、情報を記憶するメモリセルが接続されるが、図65においては、メモリアレイ1Aが参照電流を供給する参照アレイとして用いられる構成を強調するために示していない。
メモリセルは、4値データを記憶し、参照ワード線RWLA1−RWLA3が所定のシーケンスで順次選択状態へ駆動される。サービスビット線SBLA0−SBLA3が並列して選択されて参照電流が流れ、4ビットの4値メモリセルデータの読出が行なわれる。
メモリアレイ1Bにおいては、サブビット線SBLB0−SBLB3とワード線WLBの交差部に対応して、メモリセルMCB0−MCB3がそれぞれ配置される。これらのメモリセルMCB0−MCB3は、相変化素子PTMとアクセストランジスタATを含む。
サブビット線SBLA0−SBLA3が、それぞれ、補のセンス入力線/SIO0−/SI3を介してセンスアンプ回路(S/A)SA0−SA3に結合され、サブビット線SBLB0−SBLB3が、それぞれセンス入力線SIO0−SIO3を介してセンスアンプ回路(S/A)SA0−SA3に結合される。
メモリアレイ1Bにおいても、メモリアレイ1Aと同様、基準セルRMCAおよびダミーセルDMAと同様の接続配置で、参照セルが配置される。
センスアンプ回路(S/A)SA0−SA3の補のセンス入力線/SIO0−/SIO3は、短絡線60を介して相互接続される。
図66は、メモリセルの格納する4値データの駆動電流の分布を概略的に示す図である。縦軸に、読出時メモリセルを介して流れるセル電流I(または抵抗値)を示し、横軸にメモリセルの数を示す。データ“00”を記憶するメモリセルは、セル電流10μAを中心駆動電流として分布する。データ“01”を記憶するメモリセルは、セル電流6.25μAを中心セル電流として分布する。データ“10”の記憶するメモリセルは、セル電流3.75μAを中心セル電流として分布する。データ“11”を記憶するメモリセルは、セル電流0.1μAを中心セル電流として分布する。
上述のように、メモリセルは、結晶相の状態がばらつくため、記憶データに応じて10μA、6.25μA、3.75μAおよび0.1μAを中心値とするある幅を有する領域に分布する。これらの電流10μA、6.25μA、3.75μAおよび0.1μAは、それぞれ、抵抗値が100KΩ、160KΩ、267KΩ、および1000KΩに対応する。
メモリセルの記憶データを判定する場合、各データの境界領域に対してマージンを持って判定レベルを設定する。データ(レベル)判定用の参照電流としては、7.5μA、5.0μA、2.5μAが用いられる。参照電流2.5μAは、データ“11”および“10”を記憶するメモリセルのセル電流の中間の電流値である。参照電流5.0μAは、データ“10”および“01”を記憶するメモリセルのセル電流の中間電流である。参照電流7.5μAは、データ“01”および“00”を記憶するメモリセルのセル電流の中間値である。参照電流2.5μA、5.0μAおよび7.5μAは、それぞれ参照ワード線RWLA1、RWLA2、およびRWLA3に対応付けられる。
すなわち、図65に示すように、参照ワード線RWLA1を選択した場合、基準セルRMCAと3個のダミーセルDMAが並列にセンスアンプ回路SA0−SA3の補の入力ノード/SIO0−/SIO3に結合される。基準セルRMCAは低抵抗状態の相変化素子PTM0を有しており、データ“00”に対応する状態にある。したがって、この基準セルRMCAの駆動可能なセル電流は10μAであり、4つのセンスアンプ回路SA0−SA3からの供給電流が、1つの基準セルRMCAに流れるため、センスアンプ回路SA0−SA3それぞれは、10/4μAの電流を供給する。したがって、センスアンプ回路SA0−SA3各々において、参照電流として2.5μAが流れる。
参照ワード線RWLA2を選択した場合、基準セルRMCAが2個並行して選択され、また、ダミーセルDMAが2個並行して選択される。ダミーセルDMAは、オープン状態であり、電流は流さない。したがって、2個の基準セルRMCAをそれぞれ流れる10μAの電流が、4つのセンスアンプ回路から供給され、合計20μAの電流が、4つのセンスアンプ回路SA0−SA3により供給される。したがって、センスアンプ回路SA0−SA3各々においては、参照電流は20/4μA=5.0μAとなる。
参照ワード線RWLA3を選択した場合、3個の基準セルRMCAと1つのダミーセルDMAがが並行して選択される。この場合、4つのセンスアンプ回路SA0−SA3により、これらの基準セルRMCAを流れる電流の合計、3×10μAが供給されるため、センスアンプ回路SA0−SA3各々における参照電流は、30/4=7.5μAとなる。
データ読出時においては、参照ワード線RWLA1−RWLA3を所定のシーケンス、すなわち参照ワード線RWLA2、RWLA1、およびRWLA3の順序またはRWLA2、RWLA3およびRWLA1の順序で選択する。参照ワード線RWLA2を選択し、そのときのセンスアンプ回路の出力値に従って、2ビットで表現される4値データの上位ビットの“1”または“0”が判定される。参照ワード線RWLA1を選択した場合、上位ビットが1のメモリセルにおいて下位ビットが“1”であるか“0”であるかの判定が行なわれる。参照ワード線RWLA3を選択した場合には、上位ビットが“0”のメモリセルに対して、下位ビットが“1”であるか“0”であるかの判定が行なわれる。したがって、上位ビットの値に応じて参照ワード線RWLA1またはRWLA3選択時のセンスアンプ回路の出力信号を有効とすることにより、2ビットで表現される4値データを読出すことができる。4つのメモリセルが並行して選択されるため、4つの4値データを並行して内部で読出すことができる。
データ書込時においては、まず、全てのメモリセルを低抵抗状態に設定して、データ“00”を格納する状態に設定する。次いで、参照ワード線RWLA3を選択状態へ駆動し、センスアンプ回路で参照電流よりも大きな電流が流れるかを判定する。大きな電流が流れるメモリセルでデータ“00”が書込まれるメモリセルに対しては、以後のデータ書込は禁止される。
残りのメモリセルに対して、書込電流パルスが印加され、急速加熱/急速冷却が行なわれ、抵抗値が高くされる。次いで、参照ワード線RWLA2を立上げて、メモリセルに流れる電流が参照電流よりも大きいか否かの判定が行なわれる。参照電流よりも大きな電流が流れるメモリセルは、データ“01”を記憶するメモリセルかまたはデータ“00”を記憶するメモリセルである。この状態で、参照ワード線RWLA3を選択して下限電流を検出する。データ“00”以外のメモリセルで“01”を格納するメモリセルに対しては駆動電流が、電流分布範囲の上限および下限電流値の間であれば、データ書込が完了したと判定されて、以後の書込は行なわれない。
次いで、再び残りのメモリセルに対して書込パルスが印加され、急速加熱/急速冷却が行なわれて、その抵抗値が上昇される。この書込の後、参照ワード線RWLA1およびRWLA2を順次選択状態へ駆動する。参照ワード線RWLA1の選択時に参照電流よりも大きな電流を駆動する場合、メモリセルはデータ“10”、“01”および“00”のいずれかを記憶しているメモリセルである。参照ワード線RWLA2の選択時に参照電流よりも大きな電流を駆動するメモリセルは、データ“01”または“00”を格納するメモリセルである。したがって、このうち、データ“10”の書込対象のメモリセルが、参照ワード線RWLA1およびRWLA2選択時の参照電流の間の大きさの電流を流していると判定された場合、データ“10“が書込まれたと判定されて、以後の書込が停止される。
次いで、残りのメモリセルに対し再び書込パルスが印加されて、ベリファイ動作が行われる。データ“10”書込の検証時のための参照ワード線RWLA1選択時に、参照電流2.5μAよりも大きな駆動電流のメモリセルが、書込パルスを受けて、さらに、その抵抗値が大きくされる。従って、データ“11”書込の検証時には、対象のメモリセルが、参照ワード線RWLA1選択時に流れる参照電流よりも小さな電流を駆動している(流している)場合に、データ“11”の書込が完了したと判定される。
上述の書込シーケンスにより、4値データを確実に書込むことができ、また、図43に示す構成を利用することにより、各データに対する参照電流を正確に生成することができる。
図65に示す基準セルおよびダミーセルDMAを参照セルとして利用することにより、参照電流が、2.5μA、5.0μAおよび7.5μAとなり、その幅は、すべて2.5μAで一定である。低抵抗状態のメモリセルの駆動電流(データ“00”を格納するメモリセル)の駆動電流を1/4倍、2/4倍、および3/4倍とすることにより、正確に、参照電流を等間隔で生成することができる。また、参照電流が等間隔で生成されるため、メモリセルの抵抗値分布幅を正確に調整することができ、抵抗値分布を少ない幅内に高精度で制御することができる。
また、各抵抗値に対する参照電流とメモリセル駆動電流との差を均一にすることができ、各抵抗値に対する読出速度を均一化することができ、高速でデータの読出を行うことができる。また、基準セルは、低抵抗状態の相変化素子であり、リードディスターブの影響が小さく、安定に参照電流を生成することができ、信頼性の高いデータの書込および読出を実現することができる。
図67は、この発明の実施の形態11における不揮発性半導体記憶装置の全体の構成を概略的に示す図である。図67において、メモリアレイ1Aおよび1Bの間に、データバス71が配設される。データバス71は、メモリアレイ1Aおよび1Bに対する読出データ線RLIOおよび書込データ線WLIOと、ローカルデータ線LIOを含む。データバス71が、ライトドライバ73およびセンスアンプ74に結合される。センスアンプ74前段には、読出電流の経路を切換えるデータ線切換回路およびイコライズ回路等の周辺回路が設けられるが、図67においては、図面を簡略化するために、これらの構成要素は示していない。
メモリアレイ1Aおよび1Bそれぞれに対して、データの書込/読出およびメモリセル選択動作を制御するローカル制御回路72Aおよび72Bが設けられる。ローカル制御回路72Aおよび72Bは、主制御回路70の制御の下に動作し、選択メモリセルを含むメモリアレイでのワード線選択および他方のメモリアレイにおける参照ワード線の選択を、図示しないアドレス信号(アレイ指示アドレスビットを含む)に従って実行する。
主制御回路70は、また、ライトドライバ73およびセンスアンプ74における書込および読出動作を動作モード指示信号(図示せず)に基づいて制御する。
不揮発性半導体記憶装置は、さらに、書込データDINを順次ラッチするライトデータラッチ77と、データ書込時、センスアンプ74の出力データとデータラッチ77の出力データとの比較を行なうベリファイ回路76と、センスアンプ74の出力データを読出時ラッチして読出データDOを生成するリードデータラッチ75を含む。
ベリファイ回路76は、データ書込時、メモリセルへの書込パルス印加後、選択メモリセルデータをセンスアンプ74を介して読出し、データラッチ77に格納されるデータとセンスアンプ74の読出データとが一致する場合には、ライトデータラッチ77のラッチする書込データをリセットし、以後の書込動作を停止させる。
ベリファイ回路76は、このセンスアンプ74の出力データがライトデータラッチ77の格納データと不一致のときには、ライトデータラッチ77の書込データの対応のデータのリセットを行なわず、再度書込が実行される。
ライトデータラッチ77の書込データが、ライトドライバ73へ与えられ、ライトデータラッチ77が格納するデータビットが初期状態(データ“00”)以外のときには、ライトドライバ73は、対応のメモリセルへ書込パルスを供給する。
主制御回路70は、ライトデータラッチ77の格納するデータがすべて初期状態の“00”となるまで、この書込動作を繰返し実行する。
したがって、データ書込時、データ“00”が書込まれるメモリセルに対しては、ライトドライバ73は、書込パルスは要求しない(書込対象のメモリセルがすべてまず初期状態にリセットされる)。次いで、ライトドライバ73が書込パルスを要求し、データの書込を行なう。次いで、ベリファイ動作を行なうために、主制御回路70の制御の下に、ローカル制御回路72Aおよび72Bが、選択ワード線および対応の参照ワード線を選択状態へ駆動し、図65に示す参照ワード線RWLA2を選択状態へ駆動する。このとき、センスアンプ74の出力データがベリファイ回路76へ与えられる。ベリファイ回路76は、データ“01”を書込むメモリセルのデータが、このセンスアンプ74の出力データと一致しているかの判定を行なう。
データ“01”を書込むメモリセルについて、参照ワード線RWLA2の選択時に参照電流よりも大きな電流が流れ、次いで、参照ワード線RWLA3の選択時に参照電流よりも大きな電流が流れない状態のときに、データ“01”が書込まれたと判定し、ライトデータラッチ77の対応のデータを“00”のリセットする。この書込シーケンスに代えて、データ書込時、参照ワード線RWLA3を選択し、書込対象のメモリセルがデータ“00”以外の書込データが書込まれることが検証された後に、データの書込動作が行なわれてもよい。
以降、書込パルスを、書込電流量を増大させて順次発生してデータの書込を行い、その書込対象のメモリセルの駆動電流が、書込データの電流分布範囲の上限値および下限値の間にあるかの判定を行ない、書込が完了するとライトデータラッチ77のラッチデータを初期値(“00”)にリセットする。以後、データ“00”以外のデータがラッチされたメモリセルに対し、ライトドライバ73が書込電流を供給する。
図68は、図67に示すリードデータラッチ75の構成の一例を示す図である。図68においては、1つのセンスアンプ回路の出力信号SOを受けるリードデータラッチの構成を示す。図68において、リードデータラッチは、読出タイミング信号Rφ1−Rφ3に応答して選択的に導通し、対応のセンスアンプ回路の出力信号SOを通過させるトランスファーゲート80a−80cと、トランスファーゲート80a−80cを通過したデータをそれぞれラッチするラッチ回路82a−82cと、ラッチ回路82aのラッチデータを反転するインバータ83と、ラッチ回路82aの出力信号に従ってラッチ回路82bのラッチデータを伝達するトランスファーゲート84bと、インバータ83の出力信号に従ってラッチ回路82cのラッチデータを通過させるトランスファーゲート84cを含む。ラッチ回路82aから上位ビットUBが出力され、トランスファーゲート84bまたは84cから下位ビットLBが出力される。
読出タイミング信号Rφ1−Rφ3は、読出時の参照ワード線の選択シーケンスに対応し、制御信号Rφ1の活性化時、メモリアレイ1Aまたは1Bにおいては、参照ワード線RWL2が選択状態へ駆動される。制御信号Rφ2の活性化時、参照ワード線RWLA1が選択状態へ駆動され、読出タイミング制御信号Rφ3の活性化時、参照ワード線RWLA3が選択状態へ駆動される。また、データビットの“1”を、Hレベルの電圧に対応させる。
参照ワード線RWLA2の選択時、センスアンプ回路の出力信号SOは、4値データ(2ビットデータ)の上位ビットを示し、ラッチ回路82aに上位ビットUBが格納される。次いで、読出制御信号Rφ2の活性化時、参照ワード線RWLA1が選択される。この場合、センスアンプ回路出力SOに従って、上位ビットUBが“1”のメモリセルについて下位ビットが“1”であるか“0”であるかが決定される。したがって、ラッチ回路82aにおいて、データビット“1”が格納されている場合には、ラッチ回路82bの出力ビットが下位ビットLBとして選択される。
このとき、ラッチ回路82cに対しては、インバータ83の出力信号がLレベルであり、トランスファーゲート84cがオフ状態であり、転送されない。
次いで読出制御信号φ3が活性状態へ駆動される。このときには、参照ワード線RWLA3が選択状態へ駆動され、上位ビットUBが“0”のデータを記憶するメモリセルの下位ビットが“1”であるか“0”であるかの判定が行なわれる。このときには、したがってラッチ回路82aからの上位ビットUBが“0”のときに、トランスファーゲート84cが導通し、ラッチ回路82cにラッチされたデータが下位ビットLBとして出力される。
この図68に示すような構成のリードデータラッチ75を利用することにより、参照ワード線を順次選択する場合において、選択ワード線電位を通常の2値データ読出時と同様、一定の電圧レベルの読出電圧レベルに設定して、多値データの読出を正確に行なうことができる。
以上のように、この発明の実施の形態11に従えば、参照セルを基準セルとダミーセルの組合せが異なる種類で構成し、各種類の参照セルを異なる参照ワード線により選択しており、4値データを選択ワード線電位を一定の読出電圧レベルに維持して、正確に読出す参照電流源を形成することができる。また、各データに対する参照電流の間隔を一定とすることができ、メモリセルデータに対応するメモリセル電流と参照電流の差を均一化することができ、高速でデータ読出を行なうことができる。
また、参照電流を生成する場合においても、基準セルとダミーセルを用いており、低抵抗状態の相変化素子が用いられているだけであり、リードディスターブの影響を抑制することができ、信頼性の高い参照電流源を生成でき、信頼性の高いデータ読出を実現することができる。
[実施の形態12]
図69は、この発明の実施の形態12に従う参照セルの構成を示す図である。図69において、参照セルRMCは、サブビット線SBLとソース線SLの間に直列に接続されるアクセストランジスタATおよび参照トランジスタMTを含む。アクセストランジスタATのゲートが参照ワード線RWLに接続され、参照トランジスタMTは、所定電圧レベルの基準電圧を伝達する基準電圧線RVに結合される。参照トランジスタMTは、単層ゲートのMOSトランジスタ(絶縁ゲート型電界効果トランジスタ)であり、アクセストランジスタATおよび参照トランジスタMTが、好ましくは、同一のサイズで同一製造工程で形成される。
基準電圧線RVを伝達される基準電圧の電圧レベルを調整することにより、参照トランジスタMTのチャネル抵抗を、低抵抗状態の相変化素子の抵抗値の2倍程度の値に設定する。
図70は、図69に示す参照セルRMCの断面構造を概略的に示す図である。図70において、基板領域90表面に、n型不純物領域92a、92bおよび92cが形成される。不純物領域92aおよび92bの間の基板領域90表面上に、ゲート絶縁膜(図示せず)を介して参照ワード線RWLが形成され、また、不純物領域92bおよび92cの間の基板領域90表面上に、ゲート絶縁膜(図示せず)を介して基準電圧線RVが形成される。これらの参照ワード線RWLおよび基準電圧線RVが、正規メモリセルに対するワード線製造工程と同一製造工程で形成される。
不純物領域92aは、プラグ94a、中間ベース層96およびコンタクト層98を介してサブビット線SBLに結合される。不純物領域92cが、プラグ94bを介してソース線SLに結合される。
コンタクト層98は、相変化材料素子の上部電極とサブビット線の接続するコンタクトと同一製造工程で形成され、中間ベース層96は、ソース線SLと同一製造工程で形成される。これにより、参照セルRMCは、正規メモリセルと同一製造工程で形成することができる。
基準電圧線RVに供給される電圧を一定とすることにより、不純物領域92bおよび92cの間のチャネル領域の抵抗値を調整することができる。基準電圧線RV上には、常時一定の電圧レベルの基準電圧が供給されればよく、参照ワード線RWLの選択/非選択に応じてこの基準電圧線RVの電圧の充放電を行なう必要はない。参照セルRMCの非選択時、アクセストランジスタATが非導通状態であり、サブビット線SBLと参照トランジスタMTとは電気的に分離され、サブビット線SBLにおける正規メモリセルの駆動電流に対しては何ら悪影響は及ぼさない。
図69および図70に示すように、参照セルにおいて、参照抵抗値をMOSトランジスタを用いて実現することにより、読出電流により相状態(抵抗値)の変化が生じる問題は回避することができ、リードディスターブの問題を解消でき、信頼性の高いデータ読出を実現することができる。また、参照トランジスタのチャネル抵抗値を、相変化素子の低抵抗状態の抵抗値の2倍程度に設定することにより、低電源電圧下においても参照電流を大きくすることができ、高速のデータ読出を実現することができる。
また、参照セルRMCは、メモリセル(MC)が配置されるメモリアレイ内において、メモリセルと整列して配置されており、選択サブビット線に対する参照サブビット線の浮遊容量等を同じとすることができ、正確な参照電流を供給することができる。
なお、この図69に示す参照セルRMCは、オープン状態のダミーセルと組合せて、参照電流を生成する構成に適用されてもよい。
1 メモリセルアレイ、1U,1L メモリサブアレイ、1A,1B メモリアレイ、2 行選択回路、3 列選択回路、4 書込/読出回路、4S センスアンプ、4W 可変電流源、IDL 内部データ線、WDBL 書込データ線、RDBL 読出データ線、GSL グローバルソース線、BL ビット線、SL ソース線、AT アクセストランジスタ、PCE 相変化材料素子、MC メモリセル、NT10−NT16 NチャネルMOSトランジスタ、PT11−PT16 PチャネルMOSトランジスタ、S/A センスアンプ回路、WG 書込列選択ゲート、RG 読出列選択ゲート、RMCA,RMCB 参照セル、EQ データ線イコライズ回路、ADSW データ線切換回路、DMA,DMB ダミーセル、PTM0 低抵抗状態相変化素子、SA0−SA3 センスアンプ回路、MT 参照トランジスタ、CNT1−CNT6 コンタクト、SDL 拡散ソース線(ソース不純物領域)、ARA,ARB 活性領域、XD1−XDn ロウデコーダ、NB1−NBn メモリアレイブロック、YD コラムデコーダ、LVC1−LVCn ローカル可変電流源、MDB メインデータ線、LDB1−LDBn ローカルデータ線、IOK 入出力回路、PCL 相変化層、LSC ローカルソース接続線、SL1,SL2,SL ソース線、CAR 連結活性領域、CARL ローカル拡散連結線、PCLS 分割相変化層、LSCL ローカルソース接続線。