JP2003031232A - 固体高分子型燃料電池用高分子電解質及び燃料電池 - Google Patents
固体高分子型燃料電池用高分子電解質及び燃料電池Info
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Abstract
対する湿度及び温度の影響の少ないスルホン化芳香族ポ
リエーテルスルホン系固体高分子型燃料電池用高分子電
解質、及び、該高分子電解質を用いた固体高分子型燃料
電池用高分子電解質膜、並びに該高分子電解質及び高分
子電解質膜を用いた固体高分子型燃料電池を提供するこ
と。 【解決手段】 スルホン酸基を含有する親水性セグメン
トとスルホン酸基を含有しない疎水性セグメントとから
なり、疎水性セグメントの重量分率W1と親水性セグメ
ントの重量分率W2との比が、0.6<W2/W1<
2.0の範囲にある芳香族ポリエーテルスルホンブロッ
ク共重合体からなることを特徴とする固体高分子型燃料
電池用高分子電解質。
Description
対する湿度および温度の影響の小さな、燃料電池用に適
した高分子電解質、及び該高分子電解質を用いた高分子
電解質膜、並びに該高分子電解質及び高分子電解質膜を
用いた固体高分子型燃料電池に関するものである。
池への期待が大きく高まり、特にプロトン伝導性の高分
子電解質膜を用いた高分子型燃料電池は、低温で作動す
ることが可能であり、また、小型軽量化の可能性がある
ことから期待されている。高分子型燃料電池用の高分子
電解質としては、例えばナフィオン(Nafion、デ
ュポン社の登録商標。以下同様)に代表される超強酸基
含有フッ素系高分子が知られている。しかし、超強酸基
含有フッ素系高分子は、フッ素系のポリマーであるため
非常に高価であり、また合成時及び廃棄時に環境への配
慮が必要となる。
問題に対し、より安価な非フッ素系ポリマーをベースと
した高分子電解質膜についても、既にいくつか提案され
ている。特に、高分子電解質膜のコスト及び耐久性の点
から芳香族ポリエーテルスルホン系のポリマーが知られ
ている。
族ポリエーテルスルホン及び芳香族ポリアリールエーテ
ルスルホン系の高分子電解質の燃料電池への利用として
は、ホモポリマーのスルホン化膜、架橋膜、ポリマーブ
レンド膜、無機酸ブレンド膜などが、Nolte R. et al,
J. Membr. Sci., vol.83, 211 (1993)、Nolte R. etal,
BHR Group Conf. Ser. Publ., vol.3, 381 (1993) 、
特表平8−509571号公報(対応US573367
8、EP698300)、特開平10−21943号公
報、特開平11−116679号公報、Kerres J. et a
l, J. Membr. Sci., vol.139, 211 (1998)、Yen S-P "
E" et al, Proc. Power Sources Conf.,38th, 469 (199
8)、 Walker M. et al, J. Appl. Polym. Sci., vol.7
4, 67 (1999) 、Baradie B. et al, Macromol. Symp.,
vol.138, 85 (1999) 、Kerres J.et al, J. New Mater.
ElectroChem. Systems, vol.3, 229 (2000)、Kerres
J.A., J. Membr. Sci., vol.185, 3 (2001), Genova-Di
mitrova P. et al, J. Membr. Sci., vol.185, 59 (200
1),Stoler E. J. et al, Proceedings of 36th Interso
ciety Energy Conversion Engineering Conf., 975 (20
01) 、Kim Y. S. etal, Polymeric Mater: Sci. Eng.,
vol.85, 520 (2001) 、Wang F. et al, J.Membr. Sci.,
vol.197, 231 (2002)などに開示されている。
どには、スルホン化芳香族ポリエーテルスルホン系高分
子電解質膜を用いた膜/電極接合体が開示されている。
特に、特開平11−116679号公報には、還元粘度
が0.6〜1.5dL/gである前駆体ポリマーをスル
ホン化した高分子電解質が開示されている。また、特開
平10−45913号公報(対応US6087031)
には、イオン交換基当量重量が800〜5000g/m
olのスルホン化芳香族ポリエーテルスルホンの高分子
電解質が開示されている。また、特開平11−6722
4号公報には、スルホン化芳香族ポリアリールエーテル
スルホンの電解質が開示されている。また、特開平10
−21943公報(対応US5985477、EP93
2213)には、イオン交換基当量重量が500〜25
00g/molのスルホン化芳香族ポリエーテルスルホ
ン共重合体の高分子電解質が開示されている。しかし、
これらの公報では、具体的にはランダム共重合体やホモ
ポリマーのブレンド物しか記載されておらず、スルホン
酸基を有する親水性セグメントとスルホン酸基を有さな
い疎水性セグメントからなる芳香族ポリエーテルスルホ
ンブロック共重合体については記載されてなく、また、
プロトン伝導度の湿度依存性についても言及されていな
い。
常は水素)を加湿して水分を高分子電解質膜に供給し、
高分子電解質膜が吸水した状態で使用される。従って、
燃料の加湿状態の変化によって、プロトン伝導性が変化
しない高分子電解質膜が好ましいが、すでに提案されて
いるスルホン化ポリスルホン、スルホン化芳香族ポリエ
ーテルスルホン及びスルホン化芳香族ポリアリールエー
テルスルホン系の高分子電解質膜は、供給される燃料中
の水分量(湿度)あるいは温度によってそのイオン伝導
度が大きく変化するという問題を有していた。
化芳香族ポリエーテルスルホンブロック共重合体を用い
た複層イオン交換膜が開示されている。しかし、湿度あ
るいは温度の変化とプロトン伝導性の関係に関する記載
はされていない。
(対応US20010021764)には、スルホン化
芳香族ポリエーテルスルホンブロックと非スルホン化芳
香族ポリエーテルスルホンブロックとからなるブロック
共重合体が開示されている。しかし、燃料電池用電解質
膜としての適用は記載されておらず、従って、プロトン
伝導度の湿度及び温度依存性についても、なんら言及さ
れていない。
(対応US20010041279、EP111351
7)には、燃料電池用高分子電解質膜として、スルホン
酸基含有ブロックとスルホン酸基を含有していないブロ
ックとからなるブロック共重合体が開示されており、ラ
ンダムにスルホン酸基が導入された高分子電解質と比較
してイオン伝導度は同等以上で、また、吸水量が少なく
抑えられることから、耐水性に優れていることが記載さ
れている。しかし、プロトン伝導度の湿度依存性に関す
る記載はなく、前述の問題に対する解決策を類推するこ
とは困難である。また、特開2001−250567号
公報には、該公報に記載のブロック共重合体は、共重合
体全体に対してスルホン酸基を含有していないブロック
が60重量%以上が好ましく、60重量%より少ない場
合は、耐水性が低下すると記載されている。しかし、同
じ構造を有する高分子電解質ならば、一般的に、スルホ
ン酸基の導入されたブロックが多い方がプロトン伝導度
が高くなり好ましい。さらに、スルホン酸基含有ブロッ
クとして、ポリスルホン、ポリエーテルエーテルスルホ
ンなどが記載されているが、好ましい構造としては記載
されておらず、スルホン酸基含有ブロックとして芳香族
ポリアリールエーテルスルホンを用いた場合については
記載されていない。具体例の多くは、エポキシ樹脂から
なるブロックが用いられており、これらのブロックは主
鎖が脂肪族であるため、耐熱性が低下する問題がある。
は、安価で耐久性があり、且つプロトン伝導性に対する
湿度及び温度の影響の少ないスルホン化芳香族ポリエー
テルスルホン系固体高分子型燃料電池用高分子電解質、
及び、該高分子電解質を用いた固体高分子型燃料電池用
高分子電解質膜、並びに該高分子電解質及び高分子電解
質膜を用いた固体高分子型燃料電池を提供することにあ
る。
検討を重ねた結果、スルホン酸基の導入された親水性セ
グメントと導入されていない疎水性セグメントとからな
るスルホン化芳香族ポリエーテルスルホン系ブロック共
重合体を用いることによって、プロトン伝導性に対する
湿度及び温度の影響の少ない高分子電解質が得られるこ
とを見出し、本発明に到達した。
親水性セグメントとスルホン酸基を含有しない疎水性セ
グメントとからなり、疎水性セグメントの重量分率W1
と親水性セグメントの重量分率W2との比が、0.6<
W2/W1<2.0の範囲にある芳香族ポリエーテルス
ルホンブロック共重合体からなることを特徴とする固体
高分子型燃料電池用高分子電解質を提供するものであ
る。
セグメントの重量分率W1と親水性セグメントの重量分
率W2との比が、0.7<W2/W1<2.0の範囲に
あることが好ましい。
上記のスルホン酸基を含有する親水性セグメントが、水
溶性であることが好ましい。
上記の疎水性セグメントが、下記化学式(1)で示され
る構造単位からなることが好ましい。
上記の親水性セグメントが、下記化学式(2)で示され
る構造単位がスルホン化されているセグメントからなる
ことが好ましい。
rは二価の芳香族残基を示し、mは3〜1500の整数
を示す。)
上記の化学式(2)において、Arが下記化学式(3)
で示される芳香族ポリアリールエーテルスルホンである
ことが好ましい。
上記の疎水性セグメントが、下記化学式(4)で示され
る繰り返し単位を有する芳香族ポリエーテルスルホンブ
ロックからなり、上記の親水性セグメントが、下記化学
式(5)で示され且つ下記化学式(6)で示される部分
がスルホン化されている繰り返し単位を有するスルホン
化芳香族アリールエーテルスルホンブロックからなる、
芳香族ポリエーテルスルホンブロック共重合体であるこ
とが好ましい。
イオン交換容量が0.8〜2.5mmol/gであるこ
とが好ましい。
解質を用いることを特徴とする固体高分子型燃料電池用
高分子電解質膜を提供するものである。
型電子顕微鏡による観察を9万倍で行ったとき、ドメイ
ンが観察されるミクロ相分離構造を有することが好まし
い。
は、隣り合うドメインの重心間の平均距離又は平均ラメ
ラ間距離が5〜900nmであるミクロ相分離構造が観
察されることが好ましい。
は、50℃で相対湿度90%の時のプロトン伝導度C90
と相対湿度40%の時のプロトン伝導度C40との関係
が、Log(C40)/Log(C90)≦2.2であるこ
とが好ましい。
は、相対湿度90%で50℃の時のプロトン伝導度Ct
50と90℃の時のプロトン伝導度Ct90との関係が、L
og(Ct50)/Log(Ct90)≦1.35であるこ
とが好ましい。
解質及び/又は上記の本発明の高分子電解質膜を用いる
ことを特徴とする固体高分子型燃料電池を提供するもの
である。
電池用高分子電解質、固体高分子型燃料電池用高分子電
解質膜、及び固体高分子型燃料電池について詳述する。
リエーテルスルホン系ブロック共重合体は、(A)スル
ホン酸基を含有する親水性セグメントと、(B)スルホ
ン酸基を含有しない疎水性セグメントとからなるブロッ
ク共重合体である。
メントは、下記化学式(2)で示される構造単位がスル
ホン化されているセグメントからなることが好ましい。
rは二価の芳香族残基を示し、mは3〜1500の整数
を示す。) 上記化学式(2)において、R1はS(=O)2 である
ことが好ましく、mは5〜500の整数であることが好
ましい。即ち、上記化学式(2)は、下式であることが
好ましい。
の芳香族残基としては、下記のものが挙げられる。
も、R2が単結合である下記化学式(3)で示されるも
のが好ましい。
とが好ましい。具体的な(A)スルホン酸基を含有する
親水性セグメントの構造単位として、下記化学式(7)
が特に好ましい。
なることはなく、mは3〜1500の整数を示す。)
水性セグメントとしては、下記化学式(1)で示される
構造からなることが好ましい。
ルホンであることが好ましい。
0の整数を示す。)
リエーテルスルホンブロック共重合体としては、特に、
(A)スルホン酸基を含有する親水性セグメントが、下
記化学式(7)の構造のスルホン化芳香族ポリアリール
エーテルスルホンであり、(B)スルホン酸基を含有し
ない疎水性セグメントが、下記化学式(8)の構造の芳
香族ポリエーテルスルホンであるブロック共重合体が好
ましい。
なることはなく、mは3〜1500の整数を示す。)
0の整数を示す。)
リエーテルスルホンブロック共重合体は、(A)スルホ
ン酸基を含有する親水性セグメントと、(B)スルホン
酸基を含有しない疎水性セグメントとの割合が、疎水性
セグメントの重量分率W1と親水性セグメントの重量分
率W2との比として、0.6<W2/W1<2.0、好
ましくは0.7<W2/W1<2.0、特に好ましくは
0.7<W2/W1<1.8 である。但し、重量分率
Wは、W=(各セグメントの重量)/(ブロック共重合
体の重量)という式で定義される。該重量分率の比が、
上記の範囲より小さいと得られる高分子電解質のプロト
ン伝導度が低くなり、一方、上記の範囲より大きくなる
とブロック共重合体が水溶性となり好ましくない。
リエーテルスルホンブロック共重合体全体〔(A)+
(B)〕に対する重量割合は、(B)/〔(A)+
(B)〕で表わせば、好ましくは0.33<(B)/
〔(A)+(B)〕<0.63、特に好ましくは0.3
6<(B)/〔(A)+(B)〕<0.59である。該
重量割合が上記の範囲より小さいとブロック共重合体が
水溶性となり好ましくない。一方、上記の範囲より大き
いと得られる高分子電解質のプロトン伝導度が低くなり
好ましくない。
香族ポリエーテルスルホンブロック共重合体のスルホン
酸基は、イオン交換容量として、0.8〜2.5mmo
l/g(イオン交換当量重量としては400〜1250
g/mol)が好ましく、特に0.9〜2.3mmol
/g(イオン交換当量重量としては435〜1110g
/mol)であることが好ましい。
リエーテルスルホンブロック共重合体の合成方法に特に
制限は無く、例えば、(1)未スルホン化ブロック共重
合体を得たのち、親水性セグメントのみをスルホン化す
る方法、又は(2)疎水性セグメントプレポリマーとス
ルホン化された親水性セグメントプレポリマーを、各々
予め合成し、両者を反応させブロック共重合体とする方
法などにより合成することができる。導入されるスルホ
ン基の位置や数については、何ら制限はない。
ブロック共重合体は、疎水性セグメントプレポリマー
と、スルホン化されていない親水性セグメントプレポリ
マーを反応させて得ることができる。疎水性セグメント
プレポリマーは、芳香族ポリエーテルスルホンを用いる
ことができる。例えば、R.N.Johnson 他,
J.Polym.Sci.,A−1,Vol.5,23
75(1967)や特公昭46−21458号公報に開
示されているように、二価フェノールのジアルカリ金属
塩と芳香族ジハライド類との反応によって合成すること
ができる。
ば、ビス(4−クロロフェニル)スルホン、ビス(4−
フルオロフェニル)スルホン、ビス(4−ブロモフェニ
ル)スルホン、ビス(4−ヨードフェニル)スルホン、
ビス(2−クロロフェニル)スルホン、ビス(2−フル
オロフェニル)スルホン、ビス(2−メチル−4−クロ
ロフェニル)スルホン、ビス(2−メチル−4−フルオ
ロフェニル)スルホン、ビス(3,5−ジメチル−4−
クロロフェニル)スルホン、ビス(3,5−ジメチル−
4−フルオロフェニル)スルホンなどを挙げることがで
き、単独あるいは2種以上を組み合わせて用いても良
い。これらのなかで、好ましくは、ビス(4−クロロフ
ェニル)スルホン、ビス(4−フルオロフェニル)スル
ホンを挙げることができる。
ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(4−
ヒドロキシフェニル)ケトンを挙げることができ、中で
も、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホンが好まし
い。
記の二価フェノールと、炭酸カリウム、水酸化カリウ
ム、炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウムなどのアルカリ
金属の化合物との反応によって得ることができる。二価
フェノールのジアルカリ金属塩と芳香族ジハライド類の
組み合わせは、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホ
ンのナトリウムあるいはカリウム金属塩とビス(4−ク
ロロフェニル)スルホン又はビス(4−フルオロフェニ
ル)スルホンとの組み合わせが好ましい。
族ジハライド類の反応は、溶媒として、ジメチルスルホ
キシド,スルホラン,N-メチル-2- ピロリドン,1,3-ジ
メチル-2- イミダゾリジノン,N,N-ジメチルホルムアミ
ド,N,N-ジメチルアセトアミド,ジフェニルスルホンな
どの極性溶媒を用いることができる。反応温度は、14
0℃〜320℃が好ましく、反応時間は、0.5時間〜
100時間が好ましい。
どちらか一方を過剰に用いることにより、プレポリマー
の分子量の調整及びブロック共重合体の合成に利用され
る末端基を形成することができる。あるいは、二価フェ
ノール又は芳香族ジハライド類を等モル用い、例えば、
フェノール、クレゾール、4−フェニルフェノール、3
−フェニルフェノールなどの一価フェノールあるいは、
4−クロロフェニルフェニルスルホン、1−クロロ−4
−ニトロベンゼン、1−クロロ−2−ニトロベンゼン、
1−クロロ−3−ニトロベンゼン、4−フルオロベンゾ
フェノン、1−フルオロ−4−ニトロベンゼン、1−フ
ルオロ−2−ニトロベンゼン、1−フルオロ−3−ニト
ロベンゼンなどの芳香族ハライドのどちらか一方を添加
しても良い。
範囲であり、より好ましくは5〜500の範囲である。
重合度が3より小さいとプレポリマーを用いて合成され
るブロック共重合体の特性が発現し難くなり、一方、1
500を超えると後のブロック共重合体の合成が困難と
なる。
ホン化されにくいので、疎水性セグメントのプレポリマ
ーにおいては、C(=O)、S(=O)2 などの電子吸
引性基と芳香環が結合していることが好ましい。好まし
い疎水性セグメントのプレポリマーは、下記化学式
(1)の構造を有するものである。
ントの未スルホン化プレポリマーは、芳香族ジハライド
と、芳香環が電子吸引性基と結合していない二価フェノ
ールとから合成されていることが好ましい。芳香環が電
子吸引性基と結合していない二価フェノールとしては、
ハイドロキノン、レゾルシノール、1,5−ジヒドロキ
シナフタレン、1,6−ジヒドロキシナフタレン、1,
7−ジヒドロキシナフタレン、2,7−ジヒドロキシナ
フタレン、4,4' −ビフェノール、2,2'−ビフェ
ノール、ビス(4−ヒドロキシフェニル)エーテル、ビ
ス(2−ヒドロキシフェニル)エーテル、2,2−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス
(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、
2,2−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェ
ニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタ
ン、2,2−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシ
フェニル)ヘキサフルオロプロパン、9,9−ビス(4
−ヒドロキシフェニル)フルオレンなどが挙げることが
でき、中でもハイドロキノン、レゾルシノール、1,5
−ジヒドロキシナフタレン、1,6−ジヒドロキシナフ
タレン、1,7−ジヒドロキシナフタレン、2,7−ジ
ヒドロキシナフタレン、4,4' −ビフェノール、2,
2' −ビフェノール、ビス(4−ヒドロキシフェニル)
エーテル、ビス(2−ヒドロキシフェニル)エーテル、
9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレンが
好ましい。
セグメントプレポリマーの合成で用いたスルホン基を有
する芳香族ジハライド以外に、4,4' −ジフルオロベ
ンゾフェノン、2,4' −ジフルオロベンゾフェノンな
どのケトン基を有する芳香族ジハライドを挙げることが
できる。もっとも好ましい親水性セグメントの未スルホ
ン化プレポリマーは、下記化学式(2)の構造を有する
ものである。
Arは二価の芳香族残基を示し、mは3〜1500の整
数を示す。)
の芳香族残基は、下式の群から選ばれ、R2は単結合又
はOを示す。
未スルホン化親水性セグメントプレポリマーは、該当す
る構造を有する市販ポリマーを必要ならば分子量及び末
端基を調節して用いてもよい。例えば、下記式(9)の
構造を有する芳香族ポリエーテルスルホンである住友化
学工業社製(商標スミカエクセル)、下記式(10)の
の構造を有する芳香族ポリアリールエーテルスルホンで
あるSolvay社製(商標レーデルR )などを挙げることが
できる。
は、前述の二価フェノールアルカリ金属塩や前述の一価
フェノールと、R.N.Johnson 他,J.Po
lym.Sci.,A−1,Vol.5,2375(1
967)や特公昭46−21458号公報に記載の芳香
族ポリエーテルスルホン合成と同じ条件でエーテル交換
反応させることにより行うことができる。
疎水性セグメントプレポリマーと、親水性セグメント未
スルホン化プレポリマーとを反応させることにより合成
される。疎水性セグメントプレポリマーは、ハロゲン末
端基又はフェノールアルキル金属塩末端基を有すること
が好ましい。親水性セグメント未スルホン化プレポリマ
ーは、対応するハロゲン末端基又はフェノールアルカリ
金属塩末端基を有することが好ましい。反応は、前述の
溶媒を用いて、反応温度140℃〜320℃、反応時間
0.5時間〜100時間の条件で行うことができる。こ
の反応は、例えば、Z.Wu他,Angew.Makr
omol.Chem.,Vol.173,163(19
89)、Z.Wang他,Polym.Int.,vol.
50,249(2001)などに記載されている。
末端基のセグメントプレポリマーを、連結剤を用いて、
同様な方法で反応しても合成することができる。このよ
うな連結剤としては、例えば、前述の芳香族ジハライド
を挙げることができる。ビス(2−フルオロフェニル)
スルホン、ビス(4−フルオロフェニル)スルホンなど
のフッ素の芳香族ジハライドが反応性が高く、好まし
い。
合体をスルホン化する方法としては、90〜98%濃硫
酸などのスルホン化剤を用いて、室温で1〜100時間
撹拌するなどの条件で行うことができる。電子吸引性基
と芳香環が結合している疎水性セグメントは、スルホン
化されにくいため、親水性セグメントのみをスルホン化
することができる。
81号公報、特公平1−54323号公報、特公平2−
17571号公報などに記載されている。
香族ポリエーテルスルホンブロック共重合体は、上記の
(1)の方法、以外に(2)疎水性セグメントプレポリ
マーとスルホン化された親水性セグメントプレポリマー
を、各々予め合成し、両者を反応させブロック共重合体
とする方法で製造することができる。この場合、スルホ
ン化された親水性セグメントプレポリマーは、前述の未
スルホン化親水性セグメントプレポリマーをスルホン化
して得ることができる。また、親水性セグメントプレポ
リマーは、電子吸引性基と結合していない芳香環のみな
らず、結合している芳香環がスルホン化されてよい。
lym.Sci.:Part A:Polym.Che
m.,Vol.31,853(1993)などに記載の
ナトリウム5,5' −スルホニルビス(2−クロロベン
ゼンスルホネート)やF.wang他,Macromo
l.Chem.Phys.,Vol.199,1421
(1998)に記載のナトリウム5,5' −カルボニル
ビス(2−フルオロベンゼンスルホネート)のようなす
でにスルホン化された芳香族ジハライドを用いて合成さ
れたスルホン化親水性セグメントプレポリマーを、例え
ば、特開2001−278978号公報に記載されてい
るように用いることもできる。この場合、疎水性セグメ
ントプレポリマーは、前述の疎水性セグメントプレポリ
マーだけでなく、電子吸引基が結合していない芳香環を
有するものでもよく、例えば、前述の親水性セグメント
未スルホン化プレポリマーも用いることができる。
リエーテルスルホンブロック共重合体からなる本発明の
高分子電解質を用いて製膜されたものである。本発明の
高分子電解質膜は、透過型電子顕微鏡による観察を9万
倍で行ったとき、ドメインが観察されるミクロ相分離構
造を形成するものであり、好ましくは、隣り合うドメイ
ンの重心間の平均距離又は平均ラメラ間距離が6〜90
0nm、さらに好ましくは10〜800nmであるミク
ロ相分離構造が観察されるものである。
テルスルホンブロック共重合体を、本発明の固体高分子
型燃料電池用高分子電解質膜として製膜する方法に特に
制限はなく、例えば、芳香族ポリエーテルスルホンブロ
ック共重合体を、ジメチルスルホキシド、スルホラン、
N−メチル−2−ピロリドン、1、3−ジメチル−2−
イミダゾリジノン、N,N−ジメチルホルムアミド、
N,N−ジメチルアセトアミド、ジフェニルスルホンな
どの極性溶媒に溶解し、支持体上に流延後、極性溶媒を
蒸発除去することによって製膜される.この時の膜厚
は、5〜200μm、好ましくは10〜150μmであ
る。5μmより薄いと膜の取扱いが難しく、また、20
0μmより厚いと燃料電池にしたときの発電効率が低下
するため好ましくない。
本発明の特性を損なわない限り、スルホン酸基の一部が
金属塩となっていても良い。また、繊維、多孔膜などで
補強することができる。さらに、必要ならば、リン酸、
次亜リン酸、硫酸などの無機酸あるいはそれらの塩、炭
素数1〜14のパーフルオロアルキルスルホン酸あるい
はそれらの塩、炭素数1〜14のパーフルオロアルキル
カルボン酸あるいはそれらの塩、白金、シリカゲル、シ
リカ、ゼオライトなどの無機物、他の高分子をブレンド
することもできる。
度が湿度の影響の小さいことに特徴がある。即ち、50
℃で相対湿度90%の時のプロトン伝導度C90と相対湿
度40%の時のプロトン伝導度C40との関係が、好まし
くはLog(C40)/Log(C90)≦2.2である。
が小さく、低湿度でも低下しにくいため、燃料電池の起
動時など水分供給が不十分でも発電量が低下しにくく、
自動車用燃料電池に適用する場合、起動時間が短いなど
の効果を有している。さらに、このことは、水分や湿度
の管理が容易である効果も有している。
度90%で50℃の時のプロトン伝導度Ct50と90℃
の時のプロトン伝導度Ct90の関係が、好ましくは、L
og(Ct50)/Log(Ct90)≦1.35であり、
温度の影響の小さい特徴を有している。
ン伝導度の湿度依存性が小さくなるのは、上記のミクロ
相分離構造を形成している親水性セグメント相が、低湿
度時でも多くの水を含むことから、プロトンの有効な移
動「経路」となり、低湿度時のプロトン伝導度の低下が
抑えられるためであると推察される。それに対し、ホモ
ポリマーのスルホン化物やランダム共重合体では、湿度
が低くなると全体の吸水量が均等に低下するために、ま
た、スルホン化ポリマーと未スルホン化ポリマーのブレ
ンドでは、大きく相分離してプロトンの移動「経路」が
十分に形成されないために、ブロック共重合体と比較し
て、低湿度時のプロトンの移動の抵抗が大きくなり、プ
ロトン伝導度が大きく低下すると考えられる。
解質膜を用いた燃料電池の製造方法は、特に制限はな
く、公知の方法を用いて製造することができる。例え
ば、膜/電極接合体は、白金、白金−ルテニウム合金、
白金−すず合金あるいはその微粒子をカーボンなどの担
持体上に分散担持させたものを触媒とするガス拡散電極
を高分子電解質膜に直接形成する方法、ガス拡散電極と
高分子電解質膜をホットプレスする方法、あるいは、接
着液により接合する方法などの方法により製造できる。
的に説明する。尚、実施例及び比較例中に示した測定値
は以下の方法で測定した。
/c(還元粘度)の測定 N−メチル−2−ピロリドンを溶媒として、0.5g/
dLの濃度で、ウベローデ粘度計を用い、25℃の温度
で測定し、次式(1)を用いて計算した。
間、cは溶液濃度を示す。)
所定の温度、湿度の条件下で、日置電機(株)製353
2 LCRハイテスタを用いて、複素インピーダンス測
定によりプロトン伝導度を求めた。
おける相対湿度40%でのプロトン伝導度C40と90%
でのプロトン伝導度C90から、Log(C40)/Log
(C 90)により算出した。一方、温度とプロトン伝導度
の関係は、相対湿度90%における50℃でのプロトン
伝導度Ct50と90℃でのプロトン伝導度Ct90から、
Log(Ct50)/Log(Ct90)により算出した。
時間、室温で撹拌後、ろ別した。ろ液を、0.01Nの
塩酸水溶液で滴定することによって、消費された水酸化
ナトリウム量を求め、イオン交換容量を算出した。
EM−200CXを用いて、90000倍で観察を行っ
た。
口フラスコ中に、ビス(4−フルオロフェニル)スルホ
ン51.7g、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホ
ン50g及び炭酸カリウム36gを仕込み、N,N−ジ
メチルアセトアミド300mLとトルエン200mLを
添加して窒素気流下、加熱、撹拌した。発生した水をト
ルエンと共に除去しながら165℃まで昇温し、その温
度で3時間撹拌した。溶液を多量の水に投入し、白色固
体を析出させ、ろ別した。得られた固体を熱水中で2
回、メタノール中で1回洗浄しポリマーaを得た。得ら
れたポリマーの還元粘度ηsp/cは、0.42であった。
ーテルスルホンブロック共重合体)の重合 ビス(4−フルオロフェニル)スルホン25.3g、
4,4' −ビフェノール18.9g及び炭酸カリウム1
8gを仕込み、N,N−ジメチルアセトアミド150m
Lとトルエン100mLを添加して窒素気流下、加熱、
撹拌した。発生した水をトルエンと共に除去しながら1
65℃まで昇温し、その温度で3時間撹拌してポリマー
b溶液を調整した。別に、ポリマーa42.6gをN,
N−ジメチルアセトアミド150mLとトルエン100
mLに添加して窒素気流下、加熱、発生した水をトルエ
ンと共に除去しながら165℃まで昇温し、ポリマーa
溶液を調整した。ポリマーa溶液をポリマーb溶液に添
加し、160℃で、1時間撹拌した。溶液を多量の水に
投入し、白色固体を析出させ、ろ別した。得られた固体
を熱水中で2回、メタノール中で1回洗浄しブロックポ
リマーBP−1を得た。得られたポリマーの還元粘度η
sp/cは、0.63であった。
mLに溶解し、室温で24時間撹拌した。溶液を多量の
水に投入し、白色固体を析出させ、ろ別した。得られた
固体を熱水中で2回、メタノール中で1回洗浄し、ポリ
マーBPS−1を得た。得られたポリマーのイオン交換
容量は、1.78mmol/g(562g/mol)で
あった。H−NMRから、疎水性セグメントの重量分率
W1と親水性セグメントの重量分率W2の比、W2/W
1は、0.98でった。疎水性セグメントのブロック共
重合体全体に対する割合は、0.51であった。
察で、相分離構造が見られたことから、ブロック共重合
体であることを確認した。また、TEM写真で黒く観察
されるドメインの隣り合うドメイン重心間の平均距離
は、87nmであった(図2を参照)。
うにN,N−ジメチルアセトアミドに溶解し、ガラス板
上に流延、60℃で2時間、140℃で5時間減圧乾燥
し、膜厚50μmのBPS−1膜を得た。水洗を2回行
った後、50℃で相対湿度を変化させて測定したBPS
−1膜のプロトン伝導度を表1に示す。これをグラフで
表せば、図4のようになり、実施例1のブロック共重合
体は、比較例1のランダム重合体及び比較例2のブレン
ドポリマーと比較して、低湿度状態でのプロトン伝導度
の相対的に高いことがわかる。相対湿度90%で測定温
度を変化させて測定したBPS−1膜のプロトン伝導度
を表2に示す。BPS−1膜を、100℃、5時間、熱
水中で煮沸後、取り出した直後の吸水膜は、強度を十分
保持していた。また、煮沸後、乾燥した膜の重量は、煮
沸前の膜とほとんど同じであり、煮沸による膜の重量変
化もなかった。
ス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン25g、4,
4' −ビフェノール18.9g及び炭酸カリウム36g
を仕込み、N,N−ジメチルアセトアミド300mLと
トルエン200mLを添加して窒素気流下、加熱、撹拌
した。発生した水をトルエンと共に除去しながら165
℃まで昇温し、その温度で3時間撹拌した。溶液を多量
の水に投入し、白色固体を析出させ、ろ別した。得られ
た固体を熱水中で2回、メタノール中で1回洗浄し、減
圧乾燥してランダムコポリマーRP−1を得た。得られ
たポリマーの還元粘度ηsp/cは、0.55であった。
0mLに溶解し、室温で24時間撹拌した。溶液を多量
の水に投入し、白色固体を析出させ、ろ別した。得られ
た固体を熱水中で2回、メタノール中で1回洗浄し、ポ
リマーRPS−1を得た。得られたポリマーのイオン交
換容量は、1.73mmol/gであり、H−NMRか
ら、スルホン化された4,4' −ビフェノールとビス
(4−フルオロフェニル)スルホンから得られた単位構
造の重量分率は、0.95であった。また、後述の方法
で得られた膜のTEM観察で、相分離構造が観察されな
かったことからランダム共重合体であることを確認し
た。ポリマーRPS−1を実施例1と同様に製膜し、膜
厚50μmのRPS−1膜を得た。50℃で相対湿度を
変化させて測定したのプロトン伝導度を表1に示す.相
対湿度90%で測定温度を変化させて測定したRPS−
1膜のプロトン伝導度を表2に示す。
は、実施例1と同様にポリマーbを合成し、溶液を多量
の水に投入し、白色固体を析出させ、ろ別した。得られ
た固体を熱水中で2回、メタノール中で1回洗浄し、減
圧乾燥してポリマーbのホモポリマーBを得た。得られ
たホモポリマーBの還元粘度ηsp/cは、0.58であっ
た。
解し、室温で24時間撹拌した。溶液を多量の1N塩酸
に投入し、白色固体を析出させ、ろ別した。得られた固
体を0.5N塩酸中で2回洗浄し、80℃で減圧乾燥し
スルホン化されたホモポリマーBを得た。このポリマー
は、水溶性であった。得られたポリマーのイオン交換容
量は、3.5mmol/gであった。
膜の製膜 芳香族ジハライドと二価フェノールを等モルとした以外
は、実施例1と同様にポリマーaのホモポリマーAを合
成した。得られたホモポリマーAの還元粘度η sp/cは、
0.61であった。ホモポリマーA5gと参考例1で合
成したスルホン化されたホモポリマーB5gを20重量
%となるようにN,N−ジメチルアセトアミドに室温で
溶解し、実施例1と同様に製膜し、ホモポリマーAとス
ルホン化されたホモポリマーBのブレンド物からなる膜
厚50μmの膜を得た。このとき、ホモポリマーAとス
ルホン酸基を有するホモポリマーBとの重量分率は1.
0であり、イオン交換容量は1.75mmol/gであ
る。50℃で相対湿度を変化させて測定したのプロトン
伝導度を表1に示す。
ンブロック共重合体)の重合 ビス(4−クロロフェニル)スルホン18.2g、4,
4' −ビフェノール12g及び炭酸カリウム11.6g
を仕込み、N,N−ジメチルアセトアミド150mLと
トルエン100mLを添加して窒素気流下、加熱、撹拌
した。発生した水をトルエンと共に除去しながら165
℃まで昇温し、その温度で3時間撹拌してポリマーc溶
液を調整した。別に、実施例1で合成したポリマーa4
5.5gをN,N−ジメチルアセトアミド150mLと
トルエン100mLに添加して窒素気流下、加熱、発生
した水をトルエンと共に除去しながら165℃まで昇温
し、ポリマーaの溶液を調整した。ポリマーaの溶液を
ポリマーc 溶液に添加し、170℃で、2時間撹拌し
た。溶液を多量の水に投入し、白色固体を析出させ、ろ
別した。得られた固体を熱水中で2回、メタノール中で
1回洗浄しブロックポリマーBP−2を得た。得られた
ポリマーの還元粘度ηsp/cは、0.53であった。
mLに溶解し、室温で24時間撹拌した。溶液を多量の
水に投入し、白色固体を析出させ、ろ別した。得られた
固体を熱水中で2回、メタノール中で1回洗浄し、ポリ
マーBPS−2を得た。得られたポリマーのイオン交換
容量は、1.51mmol/g(662g/mol)で
あった。H−NMRから、疎水性セグメントの重量分率
W1と親水性セグメントの重量分率W2の比 W2/W
1は、0.75であった。疎水性セグメントのブロック
共重合体全体に対する割合は、0.57であった。ま
た、得られた膜のTEM観察で、相分離構造が見られた
ことから、ブロック共重合体であることを確認した。ポ
リマーBPS−2を20重量%となるようにN,N−ジ
メチルアセトアミドに溶解し、ガラス板上に流延、60
℃で2時間、140℃で5時間減圧乾燥し、膜厚50μ
mのBPS−2膜を得た。この膜を、1N−NaOH水
溶液に、2時間浸漬し、イオン交換水で2回水洗した。
さらに、1N−HClに、2時間、室温で浸漬後、イオ
ン交換水で水洗を3回行い、洗浄水が中性であることを
確認後、乾燥した。この膜のイオン交換容量は1.53
mmol/gであった。この処理後の膜のTEM観察で
も、相分離構造が見られた。50℃で相対湿度を変化さ
せて測定したBPS−2膜のプロトン伝導度を表1に示
す。これをグラフで表せば、図4のようになる。
実施例1及び実施例2のブロック共重合体は、比較例1
のランダム重合体及び比較例2のブレンドポリマーと比
較して、いずれの湿度及び温度条件でもプロトン伝導度
は高く、また、湿度が低下してもプロトン伝導度の低下
しくい(図4のグラフの傾きが小さい)ことがわかる。
ンブロック共重合体)の重合 ビス(4−クロロフェニル)スルホン18.2g、4,
4' −ビフェノール12g及び炭酸カリウム11.6g
を仕込み、N,N−ジメチルアセトアミド150mLと
トルエン100mLを添加して窒素気流下、加熱、撹拌
した。発生した水をトルエンと共に除去しながら165
℃まで昇温し、その温度で3時間撹拌してポリマーe溶
液を調整した。別に、実施例1と同様に合成したポリマ
ーa63.2gをN,N−ジメチルアセトアミド150
mLとトルエン100mLに添加して窒素気流下、加
熱、発生した水をトルエンと共に除去しながら165℃
まで昇温し、ポリマーaの溶液を調整した。ポリマーa
の溶液をポリマーe溶液に添加し、170℃で、2時間
撹拌した。溶液を多量の水に投入し、白色固体を析出さ
せ、ろ別した。得られた固体を熱水中で2回、メタノー
ル中で1回洗浄しブロックポリマーBP−3を得た。得
られたポリマーの還元粘度ηsp/cは、0.55であっ
た。
mLに溶解し、室温で24時間撹拌した。溶液を多量の
水に投入し、白色固体を析出させ、ろ別した。得られた
固体を熱水中で2回、メタノール中で1回洗浄し、ポリ
マーBPS−3を得た。得られたポリマーのイオン交換
容量は、1.21mmol/g(781g/mol)で
あった。H−NMRから、疎水性セグメントの重量分率
W1と親水性セグメントの重量分率W2の比 W2/W
1は、0.52であった。疎水性セグメントのブロック
共重合体全体に対する割合は、0.66であった。ま
た、得られた膜のTEM観察で、相分離構造が見られた
ことから、ブロック共重合体であることを確認した。ポ
リマーBPS−3を20重量%となるようにN,N−ジ
メチルアセトアミドに溶解し、ガラス板上に流延、60
℃で2時間、140℃で5時間減圧乾燥し、膜厚50μ
mのBPS−3膜を得た。この膜を、1N−NaOH水
溶液に、2時間浸漬し、イオン交換水で2回水洗した。
さらに、1N−HClに、2時間、室温で浸漬後、イオ
ン交換水で水洗を3回行い、洗浄水が中性であることを
確認後、乾燥した。この膜のイオン交換容量は1.22
mmol/gであった。50℃で相対湿度を変化させて
測定したBPS−3膜のプロトン伝導度を表1に示す。
これをグラフで表せば、図4のようになり、実施例1及
び2と比較して各湿度でのプロトン伝導度及びその湿度
依存性の何れも良くなかった。
ンブロック共重合体)の重合 ビス(4−クロロフェニル)スルホン30.3g、4,
4' −ビフェノール10g、ハイドロキノン5.91g
及び炭酸カリウム19.5gを仕込み、ジメチルスルホ
キシド150mLとトルエン100mLを添加して窒素
気流下、加熱、撹拌した。発生した水をトルエンと共に
除去しながら185℃まで昇温し、その温度で2時間撹
拌してポリマーf溶液を調整した。別に、実施例1で合
成したポリマーa52gをジメチルスルホキシド150
mLに溶解し、ポリマーaの溶液を調整した。ポリマー
aの溶液をポリマーf溶液に添加し、173℃で、2時
間撹拌した。溶液を多量の水に投入し、白色固体を析出
させ、ろ別した。得られた固体を熱水中で2回、メタノ
ール中で1回洗浄しブロックポリマーBP−4を得た。
得られたポリマーの還元粘度ηsp/cは、0.66であっ
た。
mLに溶解し、40℃で16時間撹拌した。溶液を多量
の水に投入し、白色固体を析出させ、ろ別した。得られ
た固体を熱水中で2回、メタノール中で1回洗浄し、ポ
リマーBPS−4を得た。得られたポリマーのイオン交
換容量は、1.43mmol/g(714g/mol)
であった。H−NMRから、疎水性セグメントの重量分
率W1と親水性セグメントの重量分率W2の比 W2/
W1は、0.95であった。疎水性セグメントのブロッ
ク共重合体全体に対する割合は、0.51であった。ま
た、得られた膜のTEM観察で、相分離構造が見られた
ことから、ブロック共重合体であることを確認した。ポ
リマーBPS−4を20重量%となるようにN,N−ジ
メチルアセトアミドに溶解し、ガラス板上に流延、13
0℃で30分、210℃で30分乾燥し、膜厚50μm
のBPS−4膜を得た。この膜を、1N−NaOH水溶
液に、2時間浸漬し、イオン交換水で2回水洗した。さ
らに、1N−HClに、2時間、室温で浸漬後、イオン
交換水で水洗を3回行い、洗浄水が中性であることを確
認後、乾燥した。この膜のイオン交換容量は1.43m
mol/gであった。50℃で相対湿度を変化させて測
定したBPS−4膜のプロトン伝導度は、表1に示すよ
うに、50℃で相対湿度90%の時のプロトン伝導度C
90と相対湿度40%の時のプロトン伝導度C40との関係
が、Log(C40)/Log(C90)=2.11であ
り、優れた特性を有していた。
ンブロック共重合体)の重合 実施例3と同様にしてポリマーfを調整した。別に、実
施例1と同様に合成したポリマーa89gをN,N−ジ
メチルアセトアミド350mLとトルエン100mLに
添加して窒素気流下、加熱、発生した水をトルエンと共
に除去しながら165℃まで昇温し、ポリマーaの溶液
を調整した。ポリマーaの溶液をポリマーf溶液に添加
し、170℃で、2時間撹拌した。溶液を多量の水に投
入し、白色固体を析出させ、ろ別した。得られた固体を
熱水中で2回、メタノール中で1回洗浄しブロックポリ
マーBP−5を得た。得られたポリマーの還元粘度η
sp/cは、0.61であった。
mLに溶解し、40℃で16時間撹拌した。溶液を多量
の水に投入し、白色固体を析出させ、ろ別した。得られ
た固体を熱水中で2回、メタノール中で1回洗浄し、ポ
リマーBPS−5を得た。得られたポリマーのイオン交
換容量は、1.04mmol/g(962g/mol)
であった。H−NMRから、疎水性セグメントの重量分
率W1と親水性セグメントの重量分率W2の比 W2/
W1は、0.57であった。疎水性セグメントのブロッ
ク共重合体全体に対する割合は、0.64であった。ま
た、得られた膜のTEM観察で、相分離構造が見られた
ことから、ブロック共重合体であることを確認した。ポ
リマーBPS−5を20重量%となるようにN,N−ジ
メチルアセトアミドに溶解し、実施例3と同様にして、
膜厚50μmのBPS−5膜を得た。この膜をのイオン
交換容量は1.01mmol/gであった。50℃で相
対湿度を変化させて測定したBPS−5膜のプロトン伝
導度は、表1に示すように、50℃で相対湿度90%の
時のプロトン伝導度C90と相対湿度40%の時のプロト
ン伝導度C40との関係が、Log(C40)/Log(C
90)=2.45であり、悪いものであった。
製ガス拡散電極(面積:25cm2 )に、ポリマーBP
S−1の5重量%N,N−ジメチルアセトアミド溶液を
ヘラで塗布、乾燥させた後、吸水させたものを、実施例
1で得たBPS−1膜を挟み込むように130℃、45
kg/cm2 にて150秒間ホットプレスし、膜/電極
接合体を得た。得られた接合体を、米国エレクトロケム
社製シングルセルEFC25-02SPの膜/電極接合体と入れ替
えてセットし、米国スクリブナ社製燃料電池評価システ
ム890B-100/50 、東陽テクニカ製燃料供給装置890-G1を
用いて、1 .5気圧、セル温度60℃、水素、酸素ガス
加湿温度60℃、酸素、水素ガス流量250mL/min の
条件で、発電試験を行った。その結果と、併せて、同じ
条件で測定した米国エレクトロケム社製シングルセルEF
C25-02SPそのものを用いた時の電池評価を図5に示す。
質を用いた高分子電解質膜は、安価で耐久性があり、且
つプロトン伝導性に対する湿度及び温度の影響が少な
く、燃料電池用に適したものである。
条件下で複素インピーダンス測定によりプロトン伝導度
を測定した膜測定用治具である。
(倍率9万倍)である。
(倍率9万倍)である。
得られた膜の50℃における相対湿度とプロトン伝導度
の関係を示すグラフである。
ラフである。
Claims (14)
- 【請求項1】 スルホン酸基を含有する親水性セグメン
トとスルホン酸基を含有しない疎水性セグメントとから
なり、疎水性セグメントの重量分率W1と親水性セグメ
ントの重量分率W2との比が、0.6<W2/W1<
2.0の範囲にある芳香族ポリエーテルスルホンブロッ
ク共重合体からなることを特徴とする固体高分子型燃料
電池用高分子電解質。 - 【請求項2】 疎水性セグメントの重量分率W1と親水
性セグメントの重量分率W2との比が、0.7<W2/
W1<2.0の範囲にある請求項1記載の固体高分子型
燃料電池用高分子電解質. - 【請求項3】 スルホン酸基を含有する親水性セグメン
トが、水溶性である請求項1又は2記載の固体高分子型
燃料電池用高分子電解質. - 【請求項4】 疎水性セグメントが、下記化学式(1)
で示される構造単位からなる請求項1〜3の何れかに記
載の固体高分子型燃料電池用高分子電解質。 【化1】 (式中、nは3〜1500の整数を示す。) - 【請求項5】 親水性セグメントが、下記化学式(2)
で示される構造単位がスルホン化されているセグメント
からなる請求項1〜4の何れかに記載の固体高分子型燃
料電池用高分子電解質。 【化2】 (式中、R1はC(=O)又はS(=O)2 を示し、A
rは二価の芳香族残基を示し、mは3〜1500の整数
を示す。) - 【請求項6】 化学式(2)において、Arが下記化学
式(3)で示されるものである請求項5記載の固体高分
子型燃料電池用高分子電解質。 【化3】 - 【請求項7】 疎水性セグメントが、下記化学式(4)
で示される繰り返し単位を有するブロックからなり、親
水性セグメントが、下記化学式(5)で示され且つ下記
化学式(6)で示される部分がスルホン化されている繰
り返し単位を有するブロックからなる、芳香族ポリエー
テルスルホンブロック共重合体である請求項1〜6の何
れかに記載の固体高分子型燃料電池用高分子電解質。 【化4】 【化5】 - 【請求項8】 イオン交換容量が0.8〜2.5mmo
l/gである請求項1〜7の何れかに記載の固体高分子
型燃料電池用高分子電解質。 - 【請求項9】 請求項1〜8の何れかに記載の固体高分
子型燃料電池用高分子電解質を用いることを特徴とする
固体高分子型燃料電池用高分子電解質膜。 - 【請求項10】 透過型電子顕微鏡による観察を9万倍
で行ったとき、ドメインが観察されるミクロ相分離構造
を有する請求項9記載の固体高分子型燃料電池用高分子
電解質膜。 - 【請求項11】 隣り合うドメインの重心間の平均距離
又は平均ラメラ間距離が5〜900nmであるミクロ相
分離構造が観察される請求項10記載の固体高分子型燃
料電池用高分子電解質膜。 - 【請求項12】 50℃で相対湿度90%の時のプロト
ン伝導度C90と相対湿度40%の時のプロトン伝導度C
40との関係が、Log(C40)/Log(C 90)≦2.
2である請求項9〜11の何れかに記載の固体高分子型
燃料電池用高分子電解質膜。 - 【請求項13】 相対湿度90%で50℃の時のプロト
ン伝導度Ct50と90℃の時のプロトン伝導度Ct90と
の関係が、Log(Ct50)/Log(Ct 90)≦1.
35である請求項9〜12の何れかに記載の固体高分子
型燃料電池用高分子電解質膜。 - 【請求項14】 請求項1〜8の何れかに記載の固体高
分子型燃料電池用高分子電解質及び/又は請求項9〜1
3の何れかに記載の固体高分子型燃料電池用高分子電解
質膜を用いることを特徴とする固体高分子型燃料電池。
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