JP5071609B2 - 固体高分子型燃料電池用高分子電解質膜 - Google Patents
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Description
からなる構造単位に置換基としてスルホン酸基が導入された構造を有する芳香族ポリエーテルスルホンブロック共重合体からなることを特徴とする固体高分子型燃料電池用高分子電解質膜に関する。
で求められる親水性セグメントの重量分率Faが、0.2〜0.8の範囲である芳香族ポリエーテルスルホンブロック共重合体からなることを特徴とする上記の固体高分子型燃料電池用高分子電解質膜に関する。
(1) 未スルホン化ブロック共重合体を得たのち、親水性セグメントのみをスルホン化する方法。
(2) 疎水性セグメントプレポリマーとスルホン化された親水性セグメントプレポリマーを、おのおの予め合成し、両者を反応させブロック共重合体とする方法。
により合成することができる。導入されるスルホン基の位置や数については、何ら制限はない。
本発明において、前述の疎水性セグメントのプレポリマーの合成に用いられる二価フェノールとしては、例えば、ハイドロキノン、レゾルシノール、1,5−ジヒドロキシナフタレン、1,6−ジヒドロキシナフタレン、1,7−ジヒドロキシナフタレン、2,7−ジヒドロキシナフタレン、4,4’−ビフェノール、2,2’−ビフェノール、ビス(4−ヒドロキシフェニル)エーテル、ビス(2−ヒドロキシフェニル)エーテル、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルフィド、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ケトン、2,2−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレンなどを挙げることができ、単独あるいは2種以上を組み合わせて用いても良い。
で求められる親水性セグメントの重量分率Faが、0.2〜0.8の範囲であることが好ましく、0.3〜0.7の範囲であることがより好ましい。この範囲が0.2より小さいとプロトン伝導度が低くなり、一方、0.8より大きくなるとブロック共重合体が水溶性となり好ましくない。
30℃で0.8×10-6(cm2/秒)以下であり、60℃で1.5×10-6(cm2/秒)以下であることが好ましく、さらに、30℃で0.7×10-6(cm2/秒)以下であり、60℃で1.2×10-6(cm2/秒)以下であることが好ましい。
N−メチル−2−ピロリドンを溶媒として、0.5g/dLの濃度で、ウベローデ粘度計を用い、25℃の温度で測定し、次式(1)を用いて計算した。
恒温恒湿機中で、幅1.9mm、長さ10mmのスリットを有し、スリットを挟んで白金線が装着してる(間隔:2mm)テフロン(登録商標)板とテフロン(登録商標)平板の間に、膜(幅5mm×長さ20mm)を、長手方向が白金線と90度の方向で挟み、50℃、相対湿度90%で、日置電機(株)製3532 LCRハイテスタを用いて、複素インピーダンス測定によりプロトン伝導度を求めた。
試料を含有量の明確な水酸化ナトリウム水溶液中で16時間、室温で撹拌後、ろ別した。ろ液を、0.01Nの塩酸水溶液で滴定することによって、消費された水酸化ナトリウム量を求め、イオン交換容量を算出した。
外部保温ジャケット付きの膜透過実験用ガラスセルに高分子電解質膜を挟みこみ(有効面積5cm2)、片側に10重量%メタノール水溶液50mlを、反対側に水50mlを入れ、30℃で、水側へ透過したメタノール量の経時変化を、ガスクロマトグラフィーにより測定した。メタノール透過係数Pは、式
膜を厚み方向に切った薄片を作成し、日本電子(株)JEM−200CXを用いて、90000倍で観察を行った。
6)H-NMR
日本電子製EX-400WBを用いて、d−DMSOを溶媒として測定した。
ビス(4−クロロフェニル)スルホン21.3g、2,7−ジヒドロキシナフタレン12gおよび炭酸カリウム14gを仕込み、ジメチルスルホキシド120mLとトルエン50mLを添加して窒素気流下、加熱、撹拌した。発生した水をトルエンと共に除去しながら175℃まで昇温し、その温度で16時間撹拌してポリマー溶液Aを調整した。別に、スミカエクセル7600P(住友化学)43.3gを、ジメチルスルホキシド170mLに溶解した溶液を調整した。この溶液をポリマー溶液Aに添加し、170℃で、1.5時間撹拌した。溶液を多量の水に投入し、白色固体を析出させ、ろ別した。得られた固体を熱水中で2回、メタノール中で1回洗浄しブロックポリマーPNを得た。得られたポリマーの溶液粘度ηsp/cは、0.68であった。
ブロックポリマーPNを98%硫酸200mLに20g溶解し、室温で24時間撹拌した。溶液を多量の水に投入し、白色固体を析出させ、ろ別した。得られた固体を水中で5回洗浄し、ポリマーSPNを得た。得られたポリマーのイオン交換容量は、1.3 mmol/gであった。後述の方法で得られた膜のTEM観察で、相分離構造が見られたことから、ブロック共重合体であることを確認した。また、H-NMRから計算される親水性セグメントの重量分率は、0.46であった。
SPNを20重量%となるようにN,N−ジメチルアセトアミドに溶解し、ガラス板上に流延し、130℃で1時間、200℃で0.5時間熱風乾燥し、膜厚50μmの膜を得た。1N水酸化ナトリウム水溶液に室温で2時間浸漬後、水洗し、1N硫酸水溶液に4時間浸漬した。水洗を3回行い、洗浄水が中性であることを確認後、50℃で相対湿度90%で測定したSPN膜のプロトン伝導度は、3.3×10-2S/cmであった。また、SPN膜のメタノール透過係数は、30℃で0.2×10-6cm2/秒、60℃で0.7×10-6cm2/秒であった。図1に、メタノール透過係数の温度依存性を示す。
2,7−ジヒドロキシナフタレン12gの代りに、4,4−ビフェノール14g用いた以外は、実施例1と同様に、ポリエーテルスルホンブロック共重合体PBPを合成した。得られたポリマーPBPの溶液粘度ηsp/cは、0.71であった。
ブロックポリマーPBP20gを98%硫酸200mLに溶解し、室温で24時間撹拌した。溶液を多量の水に投入し、白色固体を析出させ、ろ別した。得られた固体を水中で5回洗浄し、ポリマーSPBPを得た。得られたポリマーのイオン交換容量は、1.38 mmol/gであった。後述の方法で得られた膜のTEM観察で、相分離構造が見られたことから、ブロック共重合体であることを確認した。
SPBPを実施例1と同様に製膜し、膜厚50μmの膜を得た。水洗を2回行った後、50℃で相対湿度90%で測定したSPBP膜のプロトン伝導度は、4.0×10-2S/cmであった。また、SPBP膜のメタノール透過係数は、30℃で0.6×10-6cm2/秒、60℃で1.7×10-6cm2/秒であった。
ナフィオン1135(米国Dupont社製)のメタノール透過係数を測定したところ、30℃で2.1×10-6cm2/秒、60℃で4.6×10-6cm2/秒であった。
DMFC燃料電池評価
[膜/電極接合体の作製]
1)電解質膜−電極接合体(MEA)の作製
メノウ乳鉢ですりつぶしたカ−ボンブラック(XC−72)0.37gにイソプロパノ−ル4.0gを加え、撹拌と超音波により十分分散させた。その後、市販のポリテトラフルオロエチレン(PTFE)分散液を0.14g加え、約1分間の撹拌を行い拡散層用のペ−ストを得た。この拡散層用のペ−ストをスクリ−ン印刷法により、カ−ボンペ−パ−(東レ社製)上に3回にわけて塗布し、自然乾燥させた後、350℃で2時間焼成して拡散層付きカ−ボンペ−パ−を得た。46.1質量%の白金が担持されたカ−ボンブラック(田中貴金属社製、TEC10E50E)と同量のイオン交換水を混合し、その後市販の5%ナフィオン溶液を加え、撹拌・超音波を10分間繰り返した。その後、適量のPTFE分散液を加え撹拌して触媒層形成用のペ−ストを得た。スクリ−ン印刷法により、前記の拡散層付きカ−ボンペ−パ−上にペ−ストを3回にわけて塗布し、自然乾燥することにより、ガス拡散電極を得た。
上記の拡散電極と実施例1で得られた電解質膜とをホットプレスを用いて130℃、2MPa、1分間接合してMEAを得た。
2)燃料電池発電
作製したMEAをエレクトロケム社(米国)製の電極面積5cm2 の燃料電池に組み込んだ。次いで、発電条件として、セル温度60℃で、アノードに3mol/lのメタノール水溶液を100mml/分、カソ−ドには、酸素(加湿温度50℃)で供給して発電した。その結果、電流密度300mA/cm2で、80mW/cm2の出力が得られた。
Claims (4)
- スルホン酸基を含有する親水性セグメントとスルホン酸基を含有しない疎水性セグメントからなり、親水性セグメントが、
の構造を有し、次式、
で求められる親水性セグメントの重量分率F a が、0.2〜0.46の範囲である芳香族ポリエーテルスルホンブロック共重合体からなる固体高分子型燃料電池用高分子電解質膜であって、隔膜としたとき、次式で求められる10重量%メタノール水溶液と水との間のメタノール透過係数Pが、
- 芳香族ポリエーテルスルホンブロック共重合体のイオン交換容量が、0.8ミリ当量/g〜2.0ミリ当量/gの範囲であることを特徴とする請求項1に記載の固体高分子型燃料電池用高分子電解質膜。
- 請求項1〜2のいずれかに記載の電解質膜を用いることを特徴とする固体高分子型燃料電池。
- 請求項1〜2のいずれかに記載の電解質膜を用いることを特徴とする直接アルコール型燃料電池。
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