JP4876392B2 - 高分子電解質およびその用途 - Google Patents

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Description

本発明は、高分子電解質に関し、詳しくは高分子主鎖に、酸素元素及び/又は硫黄元素と芳香族炭素環とを有し、イオン交換性基が、側鎖を含めた高分子電解質全体における芳香族炭素環の一部又は全部に直接結合している高分子電解質に関するものである。
一次電池、二次電池、あるいは固体高分子形燃料電池等の電気化学デバイスの隔膜として、プロトン伝導性を有する高分子すなわち高分子電解質が用いられている。例えば、側鎖に超強酸としてのパーフルオロアルキルスルホン酸を有し、主鎖がパーフルオロアルカンである脂肪族系高分子を有効成分とする高分子電解質が、燃料電池用材料としての特性に優れることから従来主に使用されてきている。しかしながらこの材料は非常に高価であること、耐熱性が低いこと、膜強度が低く何らかの補強をしないと実用的でないなどの問題が指摘されている。また、この材料は直接メタノール形燃料電池に代表される液体燃料形燃料電池のプロトン伝導膜材料として用いた場合、液体燃料であるメタノール等の遮断性が悪くすなわちメタノールバリア性が低く、カソードにおける過電圧が大きくなってしまうという問題点等も指摘されている。
こうした状況において、上記高分子電解質に替わり得る安価な高分子電解質の開発が近年活発化してきている。なかでも耐熱性に優れフィルム強度の高い芳香族ポリエーテルにスルホン酸基を導入した高分子すなわち高分子主鎖に、酸素元素及び/又は硫黄元素と芳香族炭素環とを有し、イオン交換性基が、主鎖の一部又は全部に直接結合している高分子電解質であって、側鎖を含めた高分子電解質全体における芳香族炭素環が芳香族単環性炭素環のみからなる芳香族系高分子が知られており、例えば、スルホン化ポリエーテルケトン系(特許文献1)、スルホン化ポリエーテルエーテルケトン系(特許文献2)、スルホン化ポリエーテルエーテルスルホン系(非特許文献1)、スルホン化ポリエーテルスルホン系(特許文献3)等の芳香族系高分子電解質が提案されている。
これらの高分子電解質の中では、スルホン化ポリエーテルスルホン系の芳香族系高分子電解質が、直接メタノール形燃料電池用プロトン伝導性高分子電解質として有用であることも知られている(特許文献3)。
また高分子主鎖に、酸素元素及び/又は硫黄元素と芳香族炭素環とを有し、イオン交換性基が、主鎖の一部又は全部にアルキレン基を介して結合している高分子電解質であって、側鎖を含めた高分子電解質全体における芳香族炭素環が、芳香族単環性炭素環と芳香族縮合多環性炭素環からなるスルホン化ポリエーテルエーテルスルホン系の芳香族系高分子電解質も提案されている(特許文献4)。
特表平11−502249号公報 特表2002−524631号公報 特開2003−323904号公報 特開2003−100317号公報 Journal of Membrane Science, 83,211 (1993)
しかしながら、前記のような芳香族系高分子電解質を固体高分子形燃料電池用に用いた場合、耐水性の点で十分満足できるレベルではなく、特に直接メタノール形燃料電池用に用いた場合、メタノール等の遮断性が満足できるレベルではないという問題があった。
本発明者らは、固体高分子形燃料電池用の高分子電解質として、特に直接メタノール形燃料電池に代表される液体燃料形燃料電池用の高分子電解質として、より優れた性能を示す芳香族系高分子電解質を見出すべく鋭意検討を重ねた結果、芳香族炭素環として、芳香族単環性炭素環のみならず芳香族縮合多環性炭素環を有する高分子電解質であって、総芳香族炭素環の数(芳香族単環性炭素環の数と芳香族縮合多環性炭素環の数との和)に対する芳香族縮合多環性炭素環の数の比Rが、0.15以上1未満の範囲であるという特定の芳香族系高分子電解質が、固体高分子形燃料電池用、特に直接メタノール形燃料電池用に用いた場合、メタノール等の遮断性に優れるのみならず、耐水性などにも優れることを見出すとともに、更に種々の検討を加え、本発明を完成した。
すなわち本発明は、[1]高分子主鎖が、酸素元素及び/又は硫黄元素と芳香族炭素環とを有し、イオン交換性基が、側鎖を含めた高分子電解質全体における芳香族炭素環の一部又は全部に直接結合している高分子電解質であって、側鎖を含めた高分子電解質全体における総芳香族炭素環の数(芳香族単環性炭素環の数と芳香族縮合多環性炭素環の数との和)に対する芳香族縮合多環性炭素環の数の比Rが下式を満たすことを特徴とする高分子電解質を提供するものである。
1>R≧0.15
また本発明は、[2] 高分子電解質が下記一般式(1a)〜(4a)
Figure 0004876392
(式中、Ar1〜Ar9は、互いに独立に側鎖としての置換基を有していても良い2価の芳香族炭素環を表し、直接および/または側鎖としての置換基中の芳香族炭素環にイオン交換性基を有する。Z、Z’は互いに独立にCO、SO2の何れかを表し、X、X’、X''は互いに独立にO、Sの何れかを表す。Yは単なる結合若しくは置換基を有していても良いメチレン基を表す。pは0、1または2を表し、q、rは互いに独立に1、2または3を表す。)
から選ばれるイオン交換性基を有する繰り返し単位1種以上と下記一般式(1b)〜(4b)
Figure 0004876392
(式中、Ar11〜Ar19は、互いに独立に側鎖としての置換基を有していても良い2価の芳香族炭素環を表す。Z、Z’は互いに独立にCO、SO2の何れかを表し、X、X’、X''は互いに独立にO、Sの何れかを表す。Yは単なる結合若しくは置換基を有していても良いメチレン基を表す。p'は0、1または2を表し、q'、r'は互いに独立に1、2または3を表す。)
から選ばれるイオン交換性基を実質的に有さない繰り返し単位1種以上とを含むことを特徴とする上記[1]の高分子電解質を提供するものである。
また、本発明は、[3] 高分子電解質が下記一般式(5)
Figure 0004876392
(式中、Ar1〜Ar5は、互いに独立に側鎖としての置換基を有していても良い2価の芳香族炭素環を表し、Z、Z’は互いに独立にCO、SO2の何れかを表し、X、X’は互いに独立にO、Sの何れかを表す。Ar1〜Ar5のいずれも側鎖としての置換基中に芳香族炭素環を含まない場合はこれらの少なくともいずれか一つが、直接結合したイオン交換性基を有し、Ar1〜Ar5のいずれかが側鎖としての置換基中に芳香族炭素環をむ場合は、それらを含めた全体の芳香族炭素環の少なくともいずれか一つが、直接結合したイオン交換性基を有し、繰返し単位の数a、bはそれぞれ0以上の整数を表し、a+bは20以上である。)
で示されることを特徴とする上記[1]または[2]の高分子電解質を提供するものである。
さらに本発明は、[4] 芳香族縮合多環性炭素環が2環性乃至4環性の芳香族縮合多環性炭素環であることを特徴とする上記[1]乃至[3]何れかの高分子電解質、
[5]イオン交換性基がスルホン酸基、スルホンイミド基、ホスホン酸基、カルボン酸基の何れかの酸基であることを特徴とする上記[1]乃至[4]の何れかの高分子電解質、
[6]イオン交換容量が、0.1〜4meq/gであることを特徴とする上記[1]乃至[5]の何れかの高分子電解質、
[7]イオン交換性基を有するブロック及びイオン交換性基を実質的に有さないブロックをそれぞれ一つ以上有することを特徴とする上記[1]乃至[6]の何れかの高分子電解質、
[8]イオン交換性基を実質的に有さないブロックが芳香族縮合多環性炭素環を有することを特徴とする上記[7]の高分子電解質、
[9]上記[1]乃至[8]の何れかに記載の高分子電解質を有効成分とする高分子電解質組成物。
[10]上記[1]乃至[8]の何れかに記載の高分子電解質または[9]に記載の高分子電解質組成物を用いてなる高分子電解質膜。
[11]上記[1]乃至[8]の何れかに記載の高分子電解質または[9]に記載の高分子電解質組成物を用いてなる直接メタノール形燃料電池用高分子電解質膜。
[12]上記[1]乃至[8]の何れかに記載の高分子電解質、上記[9]に記載の高分子電解質組成物、または、上記[10]に記載の高分子電解質膜を用いてなる固体高分子形燃料電池。
[13]上記[1]乃至[8]の何れかに記載の高分子電解質、上記[9]に記載の高分子電解質組成物、または、[11]に記載の高分子電解質膜を用いてなる直接メタノール形燃料電池等を提供するものである。
本発明の高分子電解質は、芳香族炭素環として、芳香族縮合多環性炭素環を総芳香族炭素環に対して特定の比率有することにより、固体高分子形燃料電池用、特に直接メタノール形燃料電池用に用いた場合、メタノール等の遮断性に優れるのみならず、耐酸化性や耐ラジカル性や耐加水分解性などの化学的安定性、膜の機械的強度、耐水性、及び、プロトン伝導度や発電特性などの諸特性、さらには膜−電極接合体作製工程の加工性などにも優れるので、工業的に有利である。なかでも耐水性に優れる点は、燃料電池作動時と停止時の吸湿・乾燥に伴う寸法変化の抑制すなわち燃料電池の安定的な作動につながり特に有利である。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の高分子電解質は、高分子主鎖が、酸素元素及び/又は硫黄元素と芳香族炭素環とを有し、イオン交換性基が、側鎖を含めた高分子電解質全体における芳香族炭素環の一部又は全部に直接結合している高分子電解質であって、側鎖を含めた高分子電解質全体における総芳香族炭素環の数(芳香族単環性炭素環の数と芳香族縮合多環性炭素環の数との和)に対する芳香族縮合多環性炭素環の数の比Rが前記の式を満たすことを特徴とするものである。Rは、0.2以上であることが好ましい。
ここで、高分子主鎖は、上記のように酸素元素又は硫黄元素の他に炭化水素基としての芳香族炭素環を必須とする。主鎖は、さらに脂肪族基を有することもできるが、実質的に芳香族炭素環と酸素元素及び/又は硫黄元素とからなることが好ましい。
かかる主鎖を有する高分子の代表例としては、例えばポリ(オキシアリーレン)類、ポリ(チオアリーレン)類、ポリ(スルフィニルアリーレン)類、ポリ(スルホニルアリーレン)類、ポリ(オキシアリーレンスルホニルアリーレン)類、ポリ(オキシアリーレンオキシアリーレンスルホニルアリーレン)類、ポリ(オキシアリーレンカルボニルアリーレン)類、ポリ(オキシアリーレンオキシアリーレンカルボニルアリーレン)類、これらの群から選ばれる2種以上の共重合体、それらとポリアリーレン類、ポリ(アルキレンアリーレン)類、ポリ(カルボニルアリーレン)類の群から選ばれる少なくとも1種との共重合体などが挙げられる。
主鎖が共重合体である場合、その結合様式は、交互共重合体、ランダム共重合体、ブロック共重合体いずれであっても良い。また複数あるアリーレン基は同一であっても異なっていても良い。アルキレン基を有する場合、これらは同一であっても異なっていても良い。
また、本発明の高分子電解質は、上記のような主鎖としての高分子に、それら高分子の何れかをグラフトしたグラフト共重合体であっても良い。
またイオン交換性基としては、酸基が通常使用される。かかる酸基としては、弱酸、強酸、超強酸の何れであっても良く、例えばスルホン酸基、スルホンイミド基、ホスホン酸基、カルボン酸基が好ましく使用される。中でも、スルホン酸基、スルホンイミド基が、より好ましい。
これらのイオン交換性基は、部分的にあるいは全てが金属イオンなどで交換されて塩を形成していても良いが、燃料電池用高分子電解質膜などとして使用する際には、実質的に全てが遊離酸の状態であることが好ましい。
本発明の高分子電解質は、上記のような高分子主鎖とイオン交換性基を有し、側鎖を含めた高分子電解質全体における芳香族炭素環の一部又は全部に、イオン交換性基が、直接結合しているものであって、側鎖を含めた高分子電解質全体における総芳香族炭素環の数に対する芳香族縮合多環性炭素環の数の比Rが前記の式を満たすことを特徴とするもので
あるが、高分子電解質は、下記一般式(1a)〜(4a)
Figure 0004876392
(式中、Ar1〜Ar9は、互いに独立に側鎖としての置換基を有していても良い2価の芳香族炭素環を表し、直接および/または側鎖としての置換基中の芳香族炭素環にイオン交換性基を有する。Z、Z’は互いに独立にCO、SO2の何れかを表し、X、X’、X''は互いに独立にO、Sの何れかを表す。Yは単なる結合若しくは置換基を有していても良いメチレン基を表す。pは0、1または2を表し、q、rは互いに独立に1、2または3を表す。)
から選ばれるイオン交換性基を有する繰り返し単位1種以上と下記一般式(1b)〜(4b)
Figure 0004876392
(式中、Ar11〜Ar19は、互いに独立に側鎖としての置換基を有していても良い2価の芳香族炭素環を表す。Z、Z’は互いに独立にCO、SO2の何れかを表し、X、X’、X''は互いに独立にO、Sの何れかを表す。Yは単なる結合若しくは置換基を有していても良いメチレン基を表す。p'は0、1または2を表し、q'、r'は互いに独立に1、2または3を表す。)
から選ばれるイオン交換性基を実質的に有さない繰り返し単位1種以上とを含むものが好ましい。ここで、選ばれた繰り返し単位の少なくとも1種は、芳香族縮合多環性炭化水素環を有する。これらの繰り返し単位はブロックとして存在することがより好ましい。
本発明の高分子電解質は、上記のような繰り返し単位を含むことが好ましい。もちろん上記以外の繰り返し単位を有することもできるが、その量は、高分子電解質分子中に総計で通常50重量%未満である。
ここで上記各式における芳香族炭素環としては、ベンゼン環等で代表される芳香族単環性炭素環とナフタレン環、アズレン環などの2環性、アントラセン環、フェナントレン環などの3環性、ピレン環などの4環性等で代表される芳香族縮合多環性炭素環が挙げられる。芳香族縮合多環性炭素環の中ではナフタレン環が好ましい。
また2価の芳香族炭素環としては、例えばベンゼン環を有する1,4−フェニレン、1,3−フェニレン、1,2−フェニレン等が、ナフタレン環を有する1,4−ナフチレン、1,5−ナフチレン、2,6−ナフチレン、2,7−ナフチレン、アズレン環を有するアズレン−1,5−ジイル、アントラセン環を有するアントラセン−9,10−ジイル、アントラセン−2,6−ジイル、アントラセン−2,7−ジイル、フェナントレン環を有するフェナントレン−9,10−ジイル、ピレン環を有するピレン−1,6−ジイル、ピレン−4,9−ジイル等があげられる。
置換基を有している2価の芳香族炭素環としては、例えばフルオロ,クロロ等のハロゲノで置換されていても良い炭素数1〜10のアルキル基:フルオロ,クロロ等のハロゲノで置換されていても良い炭素数1〜10のアルコキシ基:フェニル基:フェノキシ基:ベンゾイル基:ナフチル基:ナフチルオキシ基:ナフチルカルボニル基:フルオロ,クロロ等のハロゲノ基:ヒドロキシル基:シアノ基:アミノ基等の置換基を少なくとも1つ有する前記例示の2価の芳香族炭素環が挙げられる。
イオン交換性基としては、酸基が好ましく、中でもスルホン酸基、スルホンイミド基、ホスホン酸基、カルボン酸基の群の何れかの酸基が好ましい。とりわけ、スルホン酸基とスルホンイミド基が好ましい。
またZ、Z’は互いに独立にCO、SO2の何れかを表すが、SO2であることが好ましく、X、X’、X''は互いに独立にO、Sの何れかを表すがOであることが好ましい。Yは単なる結合若しくは置換基を有していても良いメチレン基を表すが、単なる結合であることが好ましい。p、p'は独立に0、1または2を表すが、0または1であることが好ましく、q、r、q’、r’は互いに独立に1、2または3を表すが、1または2であることが好ましい。
繰り返し単位として、上記の一般式(1a)、(2a)、(3a)、(4a)の何れか1種以上と、上記の一般式(1b)、(2b)、(3b)、(4b)の何れか1種以上とを含む高分子電解質の重合の形式としてはブロック共重合体、交互共重合体、及びランダム共重合体のいずれであってもよい。
ここで、ブロック共重合体は、イオン交換性基を実質的に有さないブロックと、イオン交換性基を有するブロックとをそれぞれ一つ以上有する高分子であることが好ましい。この場合、それらブロック同士は直接結合していても、連結基を介して結合していてもよい。イオン交換性基を実質的に有さないブロック、および、イオン交換性基を有するブロックは、それぞれのブロックが数平均分子量で2000以上、あるいは繰返し単位が概ね5個以上繰り返されたブロックであることが好ましく、さらには、それぞれのブロックが数平均分子量で3000以上、あるいは繰返し単位が概ね8個以上繰り返されたブロックであることが好ましい。
交互共重合体は、イオン交換性基を実質的に有さないモノマー単位とイオン交換性基が導入されたモノマー単位とが交互に存在し繰り返し単位を形成している高分子であることが好ましい。
なお、「イオン交換性基を実質的に有さない」とは繰り返し単位あたり有しているイオン交換性基が平均0.1個以下であることを意味し、「イオン交換性基を有する」とは繰り返し単位あたり有しているイオン交換性基が平均1個以上であることを意味する。
本発明において、好ましいブロック共重合体としては、上記一般式(1a)、(2a)、(3a)、(4a)から選ばれるイオン交換性基を有する繰り返し単位からなるブロック1種以上と、上記一般式(1b)、(2b)、(3b)、(4b)から選ばれるイオン交換性基を実質的に有さない繰り返し単位からなるブロック1種以上とを有するものが挙げられるが、より好ましくは、下記のブロックを有する共重合体が挙げられる。
<ア>.(1a)の繰り返し単位からなるブロックと、(1b)の繰り返し単位からなるブロック、
<イ>.(1a)の繰り返し単位からなるブロックと、(2b)の繰り返し単位からなるブロック、
<ウ>.(2a)の繰り返し単位からなるブロックと、(1b)の繰り返し単位からなるブロック、
<エ>.(2a)の繰り返し単位からなるブロックと、(2b)の繰り返し単位からなるブロック、
<オ>.(3a)の繰り返し単位からなるブロックと、(1b)の繰り返し単位からなるブロック、
<カ>.(3a)の繰り返し単位からなるブロックと、(2b)の繰り返し単位からなるブロック、
<キ>.(4a)の繰り返し単位からなるブロックと、(1b)の繰り返し単位からなるブロック、
<ク>.(4a)の繰り返し単位からなるブロックと、(2b)の繰り返し単位からなるブロックなど
最も好ましくは、上記の<イ>、<ウ>、<エ>などを有するものである。
なお、ブロック共重合体である場合、前記の芳香族縮合多環性炭素環は、イオン交換性基を実質的に有さないブロック、イオン交換性基を有するブロックのいずれかにのみ含有されていても、両方に含有されていても良い。
メタノール透過性の抑制、耐水性向上の点からは、芳香族縮合多環性炭素環は少なくともイオン交換性基を実質的に有さないブロックに含有されていることが好ましく、例えば、イオン交換性基を実質的に有さないブロックが、(1b)又は(2b)の少なくとも1種の繰返し構造からなり、少なくとも該(1b)又は(2b)が芳香族縮合多環性炭素環を有する場合が挙げられる。とりわけ、イオン交換性基を実質的に有さないブロックが、(2b)の繰返し構造からなり、該(2b)が芳香族縮合多環性炭素環を有する場合が好ましい。
また、本発明において、好ましいランダム共重合体としては、一般式(1a)、(2a)、(3a)、(4a)から選ばれる一種以上のイオン交換性基を有する繰り返し単位と、一般式(1b)、(2b)、(3b)、(4b)から選ばれる一種以上のイオン交換性基を実質的に有さない繰り返し単位を有するものが挙げられるが、より好ましくは下記繰り返し単位を有するランダム共重合体が挙げられる。
<サ>.(1a)の繰り返し単位と、(1b)の繰り返し単位、
<シ>.(1a)の繰り返し単位と、(2b)の繰り返し単位、
<ス>.(1a)の繰り返し単位と、(3b)の繰り返し単位、
<セ>.(2a)の繰り返し単位と、(1b)の繰り返し単位、
<ソ>.(2a)の繰り返し単位と、(2b)の繰り返し単位、
<タ>.(2a)の繰り返し単位と、(3b)の繰り返し単位、
<チ>.(3a)の繰り返し単位と、(1b)の繰り返し単位、
<ツ>.(3a)の繰り返し単位と、(2b)の繰り返し単位、
<テ>.(4a)の繰り返し単位と、(1b)の繰り返し単位、
<ト>.(4a)の繰り返し単位と、(2b)の繰り返し単位など。
最も好ましくは、上記の<サ>、<シ>、<セ>、<ソ>などが挙げられる。
本発明の高分子電解質は、上記のようなイオン交換性基を有する繰り返し単位と上記のようなイオン交換性基を実質的に有さない繰り返し単位を含むことがこのましいが、より好ましくは、下記一般式(5)
Figure 0004876392
(式中、Ar1〜Ar5は、互いに独立に側鎖としての置換基を有していても良い2価の芳香族炭素環を表し、Z、Z’は互いに独立にCO、SO2の何れかを表し、X、X’は互いに独立にO、Sの何れかを表す。Ar1、Ar2、Ar3、Ar4、Ar5のいずれも側鎖としての置換基中に芳香族炭素環を含まない場合はこれらの少なくともいずれか一つが、直接結合したイオン交換性基を有し、Ar1〜Ar5のいずれかが側鎖としての置換基中に芳香族炭素環を含む場合は、それらを含めた全体の芳香族炭素環の少なくともいずれか一つが、直接結合したイオン交換性基を有し、繰返し単位の数a、bはそれぞれ0以上の整数を表し、a+bは20以上である。)
で示され、側鎖を含めた高分子電解質全体における総芳香族炭素環の数に対する芳香族縮合多環性炭素環の数の比Rが前記の式を満たす高分子電解質が示される。
ここで芳香族炭素環、2価の芳香族炭素環、置換基を有している2価の芳香族炭素環としては、前記と同様のものが挙げられる。またZ、Z’、X、X’も前記と同様である。 a、bはそれぞれ0以上の整数を表しa+bは20以上であるが、ZがSO2、XがO、bが0である場合、Z’がSO2、X’がO、aが0である場合、ZがSO2、XがO、Z’がSO2、X’がOである場合、ZがCO、XがO、Z’がSO2、X’がOである場合、ZがSO2、XがO、Z’がCO、X’がOである場合などが好ましい。
また一般式(5)で表される高分子電解質の重合の形式としてはブロック共重合体、交互共重合体、及びランダム共重合体のいずれであってもよい。
ブロック共重合体である場合は、繰り返し単位−Ar1−Z−Ar2−X−、及び、−Ar3−Z’−Ar4−X’−Ar5−X’−、から選ばれる少なくとも1種のイオン交換性基を有するブロックと、繰り返し単位−Ar1−Z−Ar2−X−、及び、−Ar3−Z’−Ar4−X’−Ar5−X’−、から選ばれる少なくとも1種のイオン交換性基を実質的に有さないブロックとから構成される場合が好ましい、また繰返し単位の数a、bは、該当する繰返し単位で構成されるブロックの繰返し数の総和であり、それぞれ5以上が好ましく、8以上がさらに好ましい。
交互共重合体である場合は、繰り返し単位−Ar1−Z−Ar2−X−、及び、−Ar3−Z’−Ar4−X’−Ar5−X’−、から選ばれる少なくとも1種からなる交互共重合体であって、Ar1〜Ar5のいずれかに直接及び/または置換基にイオン交換性基が導入された高分子電解質が好ましい。例えば、a=0で、Ar5に直接イオン交換性基が導入された高分子電解質が例示される。
またランダム共重合体である場合は、−Ar1−Z−Ar2−X−、及び、−Ar3−Z’−Ar4−X’−Ar5−X’−、から選ばれる少なくとも1種のイオン交換性基を有する繰り返し単位と、−Ar1−Z−Ar2−X−、及び、−Ar3−Z’−Ar4−X’−Ar5−X’−、から選ばれる少なくとも1種のイオン交換性基を実質的に有さない繰り返し単位からなるランダム共重合体が好ましい。
本願発明における高分子電解質の具体代表例としては、例えば下記の高分子電解質等が挙げられる。
Figure 0004876392
Figure 0004876392
また好ましい高分子電解質としては、例えば上記の(11)、(12)、(16)、(17)、(19)、(21)〜(25)等が挙げられ、より好ましい高分子電解質としては、例えば上記の(11)、(17)、(22)、(23)等が挙げられる。
本発明においては、高分子電解質が、側鎖を含めた高分子電解質全体における総芳香族炭素環の数(芳香族単環性炭素環の数と芳香族縮合多環性炭素環の数との和)に対する芳香族縮合多環性炭素環の数の比Rが下記の式を満たすことが必要である。
1>R≧0.15
Rは、その下限が好ましくは0.2以上、より好ましくは0.25以上、より一層好ましくは0.33以上であり、その上限が好ましくは0.9以下、より好ましくは0.8以下である。Rが過少であると、メタノール透過性が十分に抑制されなかったり、耐水性が十分ではないといった問題が生じる場合があり、Rが過大であると、高分子電解質の溶解性が下がる等の加工性が悪化するという問題が生じる場合があり、いずれの場合も好ましくない。
かかるRとしては、高分解能NMRを用い、単環性炭素環上のプロトンに由来するピークと、縮合多環性炭素環上のプロトンに由来するピークとを同定し、それらのプロトンピークの面積比較から芳香族単環性炭素環の数と芳香族縮合多環性炭素環の数の相対値を求めて、式:R=芳香族縮合多環性炭素環の数の相対値/(芳香族単環性炭素環の数の相対値+芳香族縮合多環性炭素環の数の相対値)から算出した値、採用される。


また本発明の高分子電解質は、そのイオン交換容量が、通常0.1〜4meq/gであり、その下限が好ましくは0.5meq/g以上、より好ましく、0.8meq/g以上であり、その上限が好ましくは3.0meq/g以下、より好ましくは2.5meq/g以下である。
イオン交換容量が、過少であるとプロトン伝導性が低くなり燃料電池用の高分子電解質としての機能が不十分になることがあり、一方過大であると耐水性が不良となることがあるので好ましくない。
なお、イオン交換容量は、高分子電解質における酸基の数を制御すること、即ち高分子電解質における芳香族環の構成(種類、組成比)、スルホ化剤の選択、温度や時間や濃度などのスルホ化条件を調整すること等により任意に制御できる。
本発明の高分子電解質は、その分子量が、GPC法で測定したポリスチレン換算の数平均分子量で表して5000〜1000000が好ましく、15000以上である場合、及び300000以下である場合が、より好ましい。
分子量が過少であると、成膜性や膜強度が不十分であったり、耐久性が不十分であったりするなどの問題が生じやすくなり、また過大であると、高分子電解質の溶解性が下がるなどして加工性が悪くなったりするという問題が生じやすくなり、いずれの場合も好ましくない。
次に本発明の高分子電解質の製造方法について記述する。
本発明の高分子電解質は、公知の方法に準じて製造できる。即ち、ハロゲノ基、ニトロ基、メルカプト基、ヒドロキシ基、アルキルスルホニルオキシ基、などの反応性置換基を有してる芳香族化合物を、縮合重合、酸化重合などの重合方法を用いて重合し、重合前または重合後、または重合前後に、例えばスルホン化剤等を作用させることによりスルホン酸基等のイオン交換基を導入するなどして製造できる。
本発明の高分子電解質を製造するための酸基、例えばスルホン酸基等の導入方法としては、重合後にこれを行う場合で説明すると、酸基が導入されていない、あるいは部分的に導入された高分子を濃硫酸に溶解あるいはサスペンドすることにより、あるいは有機溶媒に少なくとも部分的に溶解させた後、濃硫酸、クロロ硫酸、発煙硫酸、三酸化硫黄などを作用させることにより、スルホン酸基を導入する方法。あるいは予め導入しておいたメルカプト基、メチル基、ヒドロキシ基、ブロモ基などを、酸化、置換反応、縮合反応などにより、スルホン酸基、スルホニルイミド基、カルボン酸基、ホスホン酸基などに変換する方法等が挙げられる。 より具体的には、例えば、ジヒドロキシナフタレンとジフルオロジフェニルスルホンの混合溶液を塩基存在下に加熱して縮合重合させることで、ポリ(オキシナフチレンオキシフェニレンスルホニルフェニレン)を製造し、続いて公知の方法に準じて濃硫酸を作用させてスルホ化することで本発明の高分子電解質を製造できる。
ここで、ランダム共重合体である場合の製造法としては、例えば以下の方法が挙げられる。
I.酸基を有するジヒドロキシ芳香族化合物もしくはジハロゲノ芳香族化合物であるかまたは酸基を有するモノヒドロキシモノハロゲノ芳香族化合物と、酸基を有さないジヒドロキシ芳香族化合物もしくはジハロゲノ芳香族化合物であるかまたは酸基を有さないモノヒドロキシモノハロゲノ芳香族化合物とを組み合わせて反応させることによる方法。
II.酸基を有さないジヒドロキシ芳香族化合物もしくはジハロゲノ芳香族化合物であるかまたは酸基を有さないモノヒドロキシモノハロゲノ芳香族化合物と、酸基を有さないジヒドロキシ芳香族化合物もしくはジハロゲノ芳香族化合物であるかまたは酸基を有さないモノヒドロキシモノハロゲノ芳香族化合物とを組み合わせて反応させることにより得られるポリマーを公知の方法でスルホ化する方法等。
また交互共重合体である場合の製造法としては、例えば以下の方法が挙げられる。
I.酸基を有するジヒドロキシ芳香族化合物もしくはジハロゲノ芳香族化合物と酸基を有さないジヒドロキシ芳香族化合物もしくはジハロゲノ芳香族化合物を各等モル量用いて反応させる方法。
II.酸基を有さないジヒドロキシ芳香族化合物もしくはジハロゲノ芳香族化合物と酸基を有さないジヒドロキシ芳香族化合物もしくはジハロゲノ芳香族化合物を各等モル量用いて反応させることにより得られるポリマーを公知の方法でスルホ化する方法等。
ブロック共重合体である場合の好ましい製造法としては、例えば以下の方法が挙げられる。
I.繰り返し単位の異なった2種類のブロックからなるブロック共重合体を製造した後、1種類のブロックにのみ選択的に酸基を導入する方法。
II.酸基が導入されたブロックの前駆体であるポリマーあるいはオリゴマーを製造した後、酸基を実質的に有さないブロックの前駆体であるポリマーあるいはオリゴマーと結合させてブロック共重合体を得る方法。
III.上記のIとIIを組み合わせる方法など。
なお、ブロック共重合体を製造する際、製造方法Iにおいては、両末端がヒドロキシ基もしくはハロゲノ基であるかまたは末端の一方がヒドロキシ基もう一方がハロゲノ基である前駆体ポリマーあるいはオリゴマーと、両末端がヒドロキシ基もしくはハロゲノ基であるかまたは末端の一方がヒドロキシ基もう一方がハロゲノ基であるポリマーあるいはオリゴマーとを組み合わせて反応させることにより製造し得る。
例えば、a.両末端にヒドロキシ基を有するポリマーと両末端にハロゲノ基を有するポリマーとを塩基の作用下に求核置換的に縮合させる方法、b.両末端にヒドロキシ基とハロゲノ基を一つずつ有するポリマーと両末端にヒドロキシ基とハロゲノ基を一つずつ有する別のポリマーとを塩基の作用下に求核置換的に縮合させる方法、c.両末端にヒドロキシ基を有するポリマーと両末端にヒドロキシ基を有する別のポリマーとを例えば4,4’−ジフルオロベンゾフェノン、デカフルオロビフェニル、ヘキサフルオロベンゼン、4,4’−ジフルオロジフェニルスルホンなど連結基として働く化合物を用いて結合させる方法、d.両末端にハロゲノ基を有するポリマーと両末端にハロゲノ基を有する別のポリマーとを例えば4、4’−ジヒドロキシビフェニル、ビスフェノールA、4,4’−ジヒドロキシベンゾフェノン、4、4’−ジヒドロキシジフェニルスルホンなど連結基として働く化合物を用いるか、脱ハロゲン縮合反応により結合させる方法などが例示される。また、上記反応と同様の素反応が起こりうる反応性基を有するポリマーおよびモノマーを重合反応させる方法によってブロック共重合体を製造し得る。
ここで、上記cのように連結基を使用してブロック共重合体を製造する際、デカフルオロビフェニル、ヘキサフルオロベンゼン等の多官能性の連結基を用いた場合、反応条件を制御することで分岐構造を有するブロック共重合体を製造することもできる。 この時、酸基を有するブロックの前駆体であるポリマーあるいはオリゴマーと、酸機を実質的に有さないブロックの前駆体であるポリマーあるいはオリゴマーの仕込み組成及び反応条件を変えることによって、直鎖構造のブロック共重合体と分岐構造を有するブロック共重合体とを作り分けることもできる。
また2種類の酸基を実質的に有さないブロックから構成されるブロック共重合体の一方のブロックに、酸基を導入する方法としては、例えば、I−1.ブロック共重合体を濃硫酸あるいは発煙硫酸に溶解あるいはサスペンドすることにより、もしくはブロック共重合体を有機溶媒に少なくとも部分的に溶解させた後、濃硫酸、クロロ硫酸、発煙硫酸、三酸化硫黄などを作用させることにより、スルホン酸基を導入する方法が挙げられる。この手法により式(18)、(21)になどに例示される高分子電解質が製造可能である。
また、ブロック共重合体を製造する場合、前記IIの方法においては、例えば酸基を有するブロックの前駆体であるポリマーあるいはオリゴマーは、上記I−1の酸基導入方法に準拠して製造し得るし(II−1)、あらかじめ酸基を有するモノマーを重合することにより製造し得る(II−2)。またブロック共重合体は、例えばIの場合と同様な方法により製造し得る。IIの方法で製造したブロック共重合体にIの方法でさらに酸基を導入することもできる。
なお、酸基を有するブロックに一定量のスルホン酸基が厳密に制御して導入され、酸基を実質的に有さないブロックの芳香族炭素環がほとんどスルホ化されていないようなブロック共重合体を得るためには、Iの方法よりもIIの方法を用いる方が良好な結果を得やすい。またこれらのブロック共重合体における酸基を実質的に有さないブロックと酸基を有するブロックの延べ数は2以上であればよく、一般的には延べ数が大きくなるほどイオン交換容量の分布を小さくすることができる。
次に、本発明の高分子電解質を燃料電池等の電気化学デバイスの隔膜として使用する場合について説明する。
この場合は、本発明の高分子電解質は、通常フィルムの形態で使用されるが、フィルムへ転化する方法に特に制限はなく、例えば溶液状態より製膜する方法(溶液キャスト法)が好ましく使用される。
具体的には、本発明の高分子電解質を適当な溶媒に溶解し、その溶液をガラス板上に流延塗布し、溶媒を除去することにより製膜される。製膜に用いる溶媒は、本発明の高分子電解質を溶解可能であり、その後に除去し得るものであるならば特に制限はなく、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルスルホキシド(DMSO)等の非プロトン性極性溶媒、あるいはジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン等の塩素系溶媒、メタノール、エタノール、プロパノール等のアルコール類、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等のアルキレングリコールモノアルキルエーテルが好適に用いられる。これらは単独で用いることもできるが、必要に応じて2種以上の溶媒を混合して用いることもできる。中でも、ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等が高分子電解質の溶解性が高く好ましい。
フィルムの厚みは、特に制限はないが10〜300μmが好ましい。10μmより薄いフィルムでは実用的な強度が十分でない場合があり、300μmより厚いフィルムでは膜抵抗が大きくなり電気化学デバイスの特性が低下する傾向にある。膜厚は溶液の濃度および基板上への塗布厚により制御できる。
またフィルムの各種物性改良を目的として、通常の高分子に使用される可塑剤、安定剤、離型剤等を本発明の高分子電解質に添加し高分子電解質組成物とすることができる。また、同一溶剤に混合共キャストするなどの方法により、他の高分子を本発明の高分子電解質と複合アロイ化することも可能である。
燃料電池用途では他に水管理を容易にするために、無機あるいは有機の微粒子を保水剤として添加し高分子電解質組成物とする事も知られている。これらの公知の方法はいずれも本発明の目的に反しない限り使用できる。
また、フィルムの機械的強度の向上などを目的として、電子線・放射線などを照射して架橋することもできる。さらには、多孔性のフィルムやシートに含浸複合化したり、ファイバーやパルプを混合してフィルムを補強する方法などが知られており、これらの公知の方法はいずれも本発明の目的に反しない限り使用できる。また本発明の高分子電解質は、燃料電池の触媒層の構成要素の一つである高分子イオン交換成分としても使用可能である。
次に本発明の燃料電池について説明する。
本発明の燃料電池は、高分子電解質フィルムの両面に、触媒および集電体としての導電性物質を接合することにより製造することができる。
ここで触媒としては、水素または酸素との酸化還元反応を活性化できるものであれば特に制限はなく、公知のものを用いることができるが、白金または白金系合金の微粒子を用いることが好ましい。白金または白金系合金の微粒子はしばしば活性炭や黒鉛などの粒子状または繊維状のカーボンに担持されて用いられ、好ましく用いられる。また、カーボンに担持された白金を、高分子電解質としてのパーフルオロアルキルスルホン酸樹脂のアルコール溶液と共に混合してペースト化したものを、ガス拡散層および/または高分子電解質膜および/または高分子電解質複合膜に塗布・乾燥することにより触媒層が得られる。具体的な方法としては例えば、J. Electrochem. Soc.: Electrochemical Science and Technology, 1988, 135(9), 2209 に記載されている方法等の公知の方法を用いることができる。
ここで、高分子電解質としてのパーフルオロアルキルスルホン酸樹脂の代わりに、本発明の高分子電解質を用い、触媒組成物として用いることもできる。
集電体としての導電性物質に関しても公知の材料を用いることができるが、多孔質性のカーボン織布、カーボン不織布またはカーボンペーパーが、原料ガスを触媒へ効率的に輸送するために好ましい。
このようにして製造された本発明の燃料電池は、燃料として水素ガス、改質水素ガス、メタノールを用いる各種の形式で使用可能である。
以下に実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら限定されるものではない。
分子量の測定:
ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により、下記条件でポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)を測定した。
GPC測定装置 TOSOH社製 HLC−8220
カラム Shodex社製 KD−80MとKD−803を直列に接続又はShodex社製 AT−80Mを2本直列に接続して用いた。
カラム温度 40℃
移動相溶媒 DMAc(LiBrを10mmol/dm3になるように添加)
溶媒流量 0.5mL/min
プロトン伝導度の測定:
温度80℃、相対湿度90%の条件で交流法で測定した。
イオン交換容量の測定:
滴定法により求めた。
吸水率の測定:
乾燥したフィルムを秤量し、100℃の脱イオン水に2時間浸漬した後のフィルム重量増加量から吸水量を算出し、乾燥フィルムに対する比率を求めた。
メタノール透過係数の測定:
セルAとセルBからなるH字型隔膜セルの中央に、測定する高分子電解質膜を挟持させ、セルAに10wt%濃度のメタノール水溶液を、セルBに純水を入れ、23℃において、一定時間後のセルA、B中のメタノール濃度を分析し、メタノール透過係数D(cm2/sec)を下式により求めた。
D={(V×l)/(A×t)}×ln{(C1−Cm)/(C2−Cn)}
ここで、
V:セルB中の液の容量(cm3)、
l:電解質膜の膜厚(cm)、
A:電解質膜の断面積(cm2)、
t:時間(sec)
1:t=1におけるセルB中の溶質濃度(mol/cm3)、
2:t=2におけるセルB中の溶質濃度(mol/cm3)、
m:t=1におけるセルA中の溶質濃度(mol/cm3)、
n:t=2におけるセルA中の溶質濃度(mol/cm3)、
なお、メタノール透過量は十分に小さいので、Vは初期の純水容量で一定値とし、また、Cm=Cnで初期濃度(10wt%)として求めた。
実施例1
Figure 0004876392
Ar雰囲気下、蒸留管を付けたフラスコに、2,7−ジヒドロキシナフタレン 3.2g(20mmol)、炭酸カリウム 2.9g(21mmol)、ジメチルスルホキシド 50mL、トルエン 25mLを加えて攪拌した。次いで、130℃まで昇温し同温度にて4時間保温することにより、系中の水分をトルエンとともに共沸除去した。放冷後、4,4’−ジフルオロジフェニルスルホン−3,3’−ジスルホン酸ジカリウム 2.45g(5mmol)、4,4’−ジフルオロジフェニルスルホン 3.81g(15mmol)、トルエン 10mLを加え、トルエンを留去しながら170℃まで昇温し、同温度で8時間反応させた。放冷後、大量の塩酸水に滴下し、生成した沈殿物を濾過回収した。次いで、洗液が中性になるまで水で洗浄濾過を繰返した後、減圧乾燥することにより7.82gの高分子電解質を得た。このものの高分解能NMR解析の結果、上記の構造を有することを確認した。尚、スルホン酸基の添え字は、スルホン酸基の平均置換数を示す。
またこのものの各種測定結果は、下記のとおりであった。メタノール透過係数は表1に示した。
数平均分子量: Mn=3.0×104
イオン交換容量: 1.0meq/g
プロトン伝導度: 1.2×10-2S/cm
膜厚: 34μm
吸水率: 23%
R=0.31
なお、Rは、1H-NMR(600MHz、DMSO−d6)解析により求めた。具体的には、19.6mgの高分子電解質を0.6mlのDMSO−d6に溶解して2次元NMRスペクトルを測定し、これを以下のようにして解析した。
まず、この高分子電解質が実質的に、ベンゼン環2種類((ア)スルホ化体と(イ)非スルホ化体)と、(ウ)非対称型ナフタレン環、(エ)対称型ナフタレン環の合計4種類の芳香族炭素環で構成されていることを確認した。ここでナフタレン環としては、隣接する2個のベンゼン環が両方とも非スルホ化体(イ)であるか、一方が非スルホ化体(イ)でもう一方がスルホ化体(ア)であるかの違いによって、非対称型ナフタレン環(ウ)と対称型ナフタレン環(エ)の2種類のナフタレン環が存在することになる。なお、スルホ化ベンゼン環(ア)は、非スルホ化ベンゼン環(イ)よりも組成比がかなり小さいので、ナフタレン環に隣接する2個のベンゼン環が両方ともスルホ化体(ア)である場合は、非常に少ないと見られる。
Figure 0004876392
解析同定結果を以下に示す。左から順に、各プロトンの化学シフト、同定されたプロトン種(上記(ア)〜(エ)の構造式を参照)、各プロトンピークの面積(積分)値である。
化学シフト プロトン 面積値
6.99 B3 112

7.17 B5
7.22 N4
7.24 N3 1248(B5、N4、N3、N8の合計)
7.28 N8

7.51 N2
7.58 N7 479(N2、N7、N1の合計)
7.64 N1

7.83 B2 131
7.93 B4 796

7.99 N5
7.99 N6 456(N5、N6、N9の合計)
8.03 N9

8.34 B1 100(基準)
次に、各ベンゼン環、ナフタレン環の数の相対値を求め、これらの値からRを算出した。
(ア)スルホ化ベンゼン環の数の相対値
スルホ化ベンゼン環上に各1個ずつ存在する3種のプロトン(B1、B2、B3)の面積の平均値を求めた。
(100+131+112)/3=114
(イ)非スルホ化ベンゼン環の数の相対値
非スルホ化ベンゼン環上に2個存在するB4のプロトンの面積を2で割った。
796/2=398
(ウ、エ)ナフタレン環の数の相対値
ナフタレン環上に存在する3種のプロトン(N2、N7、N1)の面積合計と、同じくナフタレン環上に存在する3種のプロトン(N5、N6、N9)の面積合計の平均値を、2で割った。
(479+456)/2/2=234
R=234/(114+398+234)
=0.31
なお、Rは、原料仕込み比率からの予想値0.33と略一致した。
実施例2
Ar雰囲気下、蒸留管を付けたフラスコに、2,6−ジヒドロキシナフタレン5.61g(35mmol)、炭酸カリウム5.08g(36.8mmol)、ジメチルスルホキシド88mL、トルエン45mLを加えて攪拌した。次いで、130℃まで昇温し同温度にて3時間保温することにより、系中の水分をトルエンとともに共沸除去した。放冷後、4,4’−ジフルオロジフェニルスルホン 7.52g(29.6mmol)を加え、135℃まで昇温し、同温度で3時間反応させた。
Ar雰囲気下、蒸留管を付けたフラスコに、ヒドロキノンスルホン酸カリウム2.97g(13mmol)、炭酸カリウム1.81g(13.7mmol)、ジメチルスルホキシド40mL、トルエン20mLを加えて攪拌した。次いで、130℃まで昇温し同温度にて3時間保温することにより、系中の水分をトルエンとともに共沸除去した。放冷後、4,4’−ジフルオロジフェニルスルホン−3,3’−ジスルホン酸ジカリウム9.51g(19.4mmol)を加え、138℃まで昇温し、同温度で3時間反応させた。
上記の2つの反応マスをDMSO30mlで希釈しながら合わせ130℃で7時間、さらに140℃で7時間反応させた。放冷後、反応混合物を大量のメタノール中へ滴下し、生成した沈殿物を濾過回収した。次いで、大量の4規定塩酸水で洗浄した後、洗液が中性になるまで水で洗浄濾過を繰返した。次いで大過剰の熱水で2時間処理することを2回繰り返した後、減圧乾燥することにより16.3gの高分子電解質を得た
このものの高分解能NMR解析の結果、下記の構造を有することを確認した(ブロック共重合体の各繰返し単位の添え字、0.74、0.26はmol組成比を表す)。
Figure 0004876392
イオン交換容量、プロトン伝導度、吸水率は表1に、メタノール透過係数は表2に示した。
数平均分子量(GPC条件B): Mn=5.2×104
イオン交換容量: 1.86meq/g
プロトン伝導度: 1.4×10-1S/cm
膜厚: 21μm
吸水率: 119%
R=0.24
なお、Rは、1H-NMR(600MHz、DMSO−d6)解析により求めた。具体的には、20mgの高分子電解質を0.6mlのDMSO−d6に溶解して2次元NMRスペクトルを測定し、これを以下のようにして解析した。
まず、この高分子電解質が実質的に、ベンゼン環3種類[(カ)フェニルスルホン型スルホ化体と(キ)フェニルスルホン型非スルホ化体と(ク)ヒドロキノン型スルホ化体]と、(ケ)非対称型ナフタレン環、(コ)対称型ナフタレン環の合計5種類の芳香族炭素環で構成されていることを確認した。ここでナフタレン環としては、隣接する2個のベンゼン環が両方ともフェニルスルホン型非スルホ化体(キ)であるか、一方がフェニルスルホン型非スルホ化体(キ)でもう一方がフェニルスルホン型スルホ化体(カ)であるかの違いによって、非対称型ナフタレン環(ケ)と対称型ナフタレン環(コ)の2種類のナフタレン環が存在することになる。非対称型ナフタレン環(ケ)は酸基を実質的に有さないブロックと酸基を有するブロックが接合した部分に存在することになる。
Figure 0004876392
解析同定結果を以下に示す。左から順に、各プロトンの化学シフト、同定されたプロトン種(上記(カ)〜(コ)の構造式を参照)、各プロトンピークの面積(積分)値である。

化学シフト プロトン 面積値
7.02 B7 358(B7、B8の合計)
B8

7.07 B3 282
7.20 B5 1629

7.32 N3 899(N3、N4、N8の合計)
N4
N8

7.46 B6 142

7.57 N1 100(N1、N6の合計)
N6

7.65 N7 765
7.83 B1 424

7.94 B4 2454(B4、N2、N5、N9の合計)
N2
N5
N9

8.36 B2 334
次に、各ベンゼン環、ナフタレン環の数の相対値を求め、これらの値からRを算出した。
(カ)フェニルスルホン型スルホ化ベンゼン環の数の相対値
フェニルスルホン型スルホ化ベンゼン環上に各1個ずつ存在する3種のプロトン(B1、B2、B3)の面積の平均値を求めた。
(424+334+282)/3=347
(キ)フェニルスルホン型非スルホ化ベンゼン環の数の相対値
非スルホ化ベンゼン環上に2個存在するB5のプロトンの面積を2で割った。
1629/2=815
(ク)ヒドロキノン型スルホ化ベンゼン環の数の相対値
ヒドロキノン型スルホ化ベンゼン環上に存在するB6,B7、B8のプロトンの面積合計を3で割った。
(142+358)/3=167
(ケ、コ)ナフタレン環の数の相対値
ナフタレン環上に存在する3種のプロトン(N2、N5、N9)の面積合計[(B4、N2、N5、N9)の面積合計からB5の面積を引いたもの]と、同じくナフタレン環上に存在する3種のプロトン(N1、N6、N7)の面積合計の平均値を、2で割った。
(825+865)/2/2=423
R=423/(347+815+167+423)
=0.24
なお、Rは、イオン交換容量からの予想値0.25、原料仕込み比率からの予想値
0.24と略一致した。
比較例1
Figure 0004876392
上記ポリエーテルスルホン共重合体(特開平10−21943号公報の実施例3に記載の方法に準拠して製造した。Mn=5.5×104、ランダム共重合体の各繰返し単位の添え字、0.3、0.7はmol組成比を表す)5gを濃硫酸10gに溶解させ室温にて48時間スルホ化を行い、常法で精製し、5.15gの下記構造の共重合体を得た(スルホン酸基の添え字、0.9は、スルホン酸基の平均置換数を示す。尚、このものは、芳香族縮合多環性炭素環を有していない)。
Figure 0004876392
またこのものの各種測定結果は、下記のとおりであった。メタノール透過係数は表1に示した。
数平均分子量: Mn=4.6×104
イオン交換容量: 1.1meq/g
プロトン伝導度: 1.7×10-2S/cm
膜厚: 39μm
吸水率: 49%
比較例2
窒素雰囲気下、蒸留管を付けたフラスコに、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン2.60g(10.4mmol)、炭酸カリウム1.51g(10.9mmol)、ジメチルスルホキシド30mL、トルエン15mLを加えて攪拌した。次いで、135℃まで昇温し同温度にて3時間保温することにより、系中の水分をトルエンとともに共沸除去した。放冷後、4,4’−ジフルオロジフェニルスルホン2.24g(8.8mmol)を加え、135℃まで昇温し、同温度で7時間反応させた。
窒素雰囲気下、蒸留管を付けたフラスコに、ヒドロキノンスルホン酸カリウム1.06g(4.6mmol)、炭酸カリウム0.67g(4.9mmol)、ジメチルスルホキシド20mL、トルエン10mLを加えて攪拌した。次いで、130℃まで昇温し同温度にて3時間保温することにより、系中の水分をトルエンとともに共沸除去した。放冷後、4,4’−ジフルオロジフェニルスルホン−3,3’−ジスルホン酸ジカリウム3.21g(6.6mmol)を加え、135℃まで昇温し、同温度で7時間反応させた。
上記の2つの反応マスをDMSO20mlで希釈しながら合わせ130℃で1時間、140℃で8時間反応させた。
放冷後、反応混合物を大量のメタノール中へ滴下し、生成した沈殿物を濾過回収した。次いで、大量の4規定塩酸水で洗浄した後、洗液が中性になるまで水で洗浄濾過を繰返した。
大過剰の熱水で2時間処理することを2回繰り返した後、減圧乾燥することにより4.6gの高分子電解質を得た(ブロック共重合体の各繰返し単位の添え字、0.82、0.18はmol組成比を表す)。
Figure 0004876392
イオン交換容量、プロトン伝導度、吸水率は表1にも示した。
数平均分子量: Mn=5.8×104
イオン交換容量: 1.79meq/g
プロトン伝導度: 1.1×10-1S/cm
膜厚: 50μm
吸水率: 440%
実施例3
実施例2記載の高分子電解質をN−メチル−2−ピロリドンに溶解させ15wt%の濃度に調製した。この高分子電解質溶液をポリエチレン製多孔質膜(厚み:11μm、空隙率:55〜60%)の上下面に0.2mmクリアランスのバーコーターを用いて均一に塗り広げ、80℃で常圧乾燥した。その後1mol/Lの塩酸に浸漬し、さらにイオン交換水で洗浄することによって高分子電解質複合膜を得た。
各種測定結果は下記の通りであった。
イオン交換容量: 1.64meq/g
プロトン伝導度: 1.2×10-1S/cm
メタノール透過係数: 4.8×10-7cm2/sec
膜厚: 81μm
吸水率: 100%
比較例3
比較例2記載の高分子電解質を用いた以外は、実施例3と同様の方法で高分子電解質複合膜を調製した。
各種測定結果は下記の通りであった。
イオン交換容量: 1.53meq/g
プロトン伝導度: 9.7×10-2S/cm
メタノール透過係数: 5.8×10-7cm2/sec
膜厚: 78μm
吸水率: ポリエチレン層が剥がれたため測定不能
実施例4
Ar雰囲気下、蒸留管を付けたフラスコに、2,7−ジヒドロキシナフタレン1.60g(10.0mmol)、ビスフェノールA2.28g(10.0mmol)、炭酸カリウム2.90g(21.0mmol)、ジメチルスルホキシド50mL、トルエン50mLを加えて攪拌した。次いで、128℃まで昇温し同温度にて4時間保温することにより、系中の水分をトルエンとともに共沸除去した。放冷後、4,4’−ジフルオロジフェニルスルホン−3,3’−ジスルホン酸ジカリウム2.45g(5.0mmol)、4,4’−ジフルオロジフェニルスルホン3.81g(15.0mmol)を加え、トルエンを留去しながら150℃まで昇温し、同温度で9時間反応させた。放冷後、大量の塩酸水に滴下し、生成した沈殿物を濾過回収した。次いで、洗液が中性になるまで水で洗浄濾過を繰返した後、減圧乾燥することにより8.60gの高分子電解質を得た(ランダム共重合体の各繰返し単位の添え字、0.38、0.26、0.12、0.24はmol組成比を表す)。
Figure 0004876392
またこのものの各種測定結果は、下記のとおりであった。メタノール透過係数は表1に示した。
数平均分子量: Mn=9.5×104
イオン交換容量: 1.04meq/g
プロトン伝導度: 1.2×10-2S/cm
膜厚: 25μm
吸水率: 25%
R=0.15
比較例4
Ar雰囲気下、蒸留管を付けたフラスコに、2,7−ジヒドロキシナフタレン0.61g(3.8mmol)、ビスフェノールA3.69g(16.2mmol)、炭酸カリウム2.90g(21.0mmol)、ジメチルスルホキシド50mL、トルエン50mLを加えて攪拌した。次いで、125℃まで昇温し同温度にて3時間保温することにより、系中の水分をトルエンとともに共沸除去した。放冷後、4,4’−ジフルオロジフェニルスルホン−3,3’−ジスルホン酸ジカリウム2.69g(5.5mmol)、4,4’−ジフルオロジフェニルスルホン3.68g(14.5mmol)を加え、トルエンを留去しながら140℃まで昇温し同温度で3時間、150℃まで昇温し同温度で3時間反応させた。放冷後、大量の塩酸水に滴下し、生成した沈殿物を濾過回収した。次いで、洗液が中性になるまで水で洗浄濾過を繰返した後、減圧乾燥することにより8.6gの高分子電解質を得た(ランダム共重合体の各繰返し単位の添え字、0.36、0.10、0.14、0.40はmol組成比を表す)。
Figure 0004876392
またこのものの各種測定結果は、下記のとおりであった。メタノール透過係数は表1に示した。
数平均分子量: Mn=5.1×104
イオン交換容量: 1.13meq/g
プロトン伝導度: 3.6×10-2S/cm
膜厚: 54μm
吸水率: 42%
R=0.05
表1
R イオン交換容量(meq/g)プロトン伝導度(S/m) 吸水率(%)
実施例1 0.31 1.0 1.2×10-2 23
実施例4 0.15 1.0 1.2×10-2 25
比較例4 0.05 1.1 3.6×10-2 42
比較例1 0 1.1 1.7×10-2 49

実施例2 0.24 1.9 1.4×10-1 120
比較例2 0 1.8 1.1×10 -1 440
以上の結果より、本発明の高分子電解質はイオン交換容量及びプロトン伝導度がほぼ同じである多環性縮合環を有しない高分子電解質に比べて格段に吸水率が低く、固体高分子型燃料電池用の高分子電解質として優れていることが理解される。またR値としては0.15以上で特に吸水率が低くなっていることが理解される。
比較例5
Nafion115膜(市販品、主鎖は脂肪族炭素鎖であり、芳香族環を有さない。)を用いてメタノール透過係数を求め、結果を表2に示した。
イオン交換容量: 0.9meq/g
プロトン伝導度: 1.0×10-1S/cm
膜厚: 130μm
表2
R 透過係数(cm 2 /sec) 膜厚(μm)
実施例1 0.31 6.9×10-8 34
実施例4 0.15 8.5×10-8 26
比較例4 0.05 2.5×10-7 59
比較例1 0 1.5×10-7 39

実施例2 0.24 5.3×10-7 24
比較例2 0 1.3×10-6 62
比較例5 1.2×10 -6 130
以上の結果より、本発明の高分子電解質は、イオン交換容量、プロトン伝導度、吸水率などの特性がほぼ同じである公知の高分子電解質に比べて、格段にメタノール透過性が低く、固体高分子型燃料電池、とりわけ直接メタノール型燃料電池用の高分子電解質として優れていることが理解される。

Claims (9)

  1. 下記一般式(1a)〜(4a)
    Figure 0004876392
    (式中、Ar 1 〜Ar 9 は、互いに独立に、ハロゲノで置換されていても良い炭素数1〜10のアルキル基、ハロゲノで置換されていても良い炭素数1〜10のアルコキシ基、フェニル基、フェノキシ基、ベンゾイル基、ナフチル基、ナフチルオキシ基、ナフチルカルボニル基、ハロゲノ基、ヒドロキシル基、シアノ基およびアミノ基から選ばれる1種以上の基を置換基として有していても良い2価の芳香族炭素環を表し、直接および/または前記置換基中の芳香族炭素環にイオン交換性基を有する。Z、Z’は互いに独立にCO、SO 2 の何れかを表し、X、X’、X''は互いに独立にO、Sの何れかを表す。Yは単なる結合若しくは置換基を有していても良いメチレン基を表す。pは0、1または2を表し、q、rは互いに独立に1、2または3を表す。)
    から選ばれるイオン交換性基を有する繰り返し単位1種以上と下記一般式(1b)〜(4b)
    Figure 0004876392
    (式中、Ar 11 〜Ar 19 は、互いに独立に、ハロゲノで置換されていても良い炭素数1〜10のアルキル基、ハロゲノで置換されていても良い炭素数1〜10のアルコキシ基、フェニル基、フェノキシ基、ベンゾイル基、ナフチル基、ナフチルオキシ基、ナフチルカルボニル基、ハロゲノ基、ヒドロキシル基、シアノ基およびアミノ基から選ばれる1種以上の基を置換基として有していても良い2価の芳香族炭素環を表す。Z、Z’は互いに独立にCO、SO 2 の何れかを表し、X、X’、X''は互いに独立にO、Sの何れかを表す。Yは単なる結合若しくは置換基を有していても良いメチレン基を表す。p'は0、1または2を表し、q'、r'は互いに独立に1、2または3を表す。)
    から選ばれるイオン交換性基を実質的に有さない繰り返し単位1種以上とを含む高分子電解質であって、側鎖を含めた高分子電解質全体における総芳香族炭素環の数(芳香族単環性炭素環の数と芳香族縮合多環性炭素環の数との和)に対する芳香族縮合多環性炭素環の数の比Rが下式を満たすことを特徴とする高分子電解質または該高分子電解質を有効成分とする高分子電解質組成物を用いてなる直接メタノール形燃料電池用高分子電解質膜
    1>R≧0.15
    (Rは、高分解能NMRを用い、単環性炭素環上のプロトンに由来するピークと、縮合多環性炭素環上のプロトンに由来するピークとを同定し、それらのプロトンピークの面積比較から芳香族単環性炭素環の数と芳香族縮合多環性炭素環の数の相対値を求めて、式:R=芳香族縮合多環性炭素環の数の相対値/(芳香族単環性炭素環の数の相対値+芳香族縮合多環性炭素環の数の相対値)から算出した値である。)
    (但し、一般式(1’)
    Figure 0004876392
    (式中、nは5以上、100以下の数値、X 2 はHまたは1価のカチオン種を、Ar 21 およびAr 22 は下記一般式(2’)
    Figure 0004876392
    から選ばれる1種以上の2価の芳香族基を示す。)
    で示されるポリマー構成成分を含むことを特徴とするスルホン酸基含有芳香族ポリエーテルケトン系化合物、
    一般式(3’)
    Figure 0004876392
    (式中、X 3 はHまたは1価の陽イオンを表わす。Y 1 はO原子またはS原子を表わす。Ar 23 は2価の芳香族基を表わす。)
    で表される結合ユニットを含む、スルホン化ポリマーおよび
    ゼロ価遷移金属錯体の共存下、下式(4’)、(5’)
    Figure 0004876392
    (式中、Ar 31 、Ar 32 は独立に
    1,4−フェニレン、1,3−フェニレン、1,2−フェニレン、2−フェニル−1,4−フェニレン、2−フェノキシ−1,4−フェニレン、1,4−ナフチレン、2,3−ナフチレン、1,5−ナフチレン、2,6−ナフチレン、2,7−ナフチレン、ビフェニル−4,4'−ジイル、ビフェニル−3,3'−ジイル、ビフェニル−3,4'−ジイル、3,3'−ジフェニルビフェニル−4,4'−ジイル、3,3'−ジフェノキシビフェニル−4,4'−ジイル、2,2−ジフェニルプロパン−4',4''−ジイル、ジフェニルエーテル−4,4'−ジイル、ジフェニルスルホン−4,4'−ジイル、ベンゾフェノン−4,4'−ジイル、次に示すエーテル結合を有する2価の基から選ばれる2価の基を表す。
    Figure 0004876392
    これらの芳香族の2価の基は、炭素数1〜6のアルキル、炭素数1〜6のアルコキシ、フェニル、フェノキシから選ばれる置換基を有していても良い。m、lは繰返し数を表し、m、lは独立に10以上の数値を表す。複数のAr 31 、Ar 32 、m、lはそれぞれ異なっていても良い。X 4 は、縮合反応時に脱離する基を表し、複数のX 4 は異なる種類であっても良い。)から選ばれる少なくとも1種の高分子を縮合反応により重合することによって得られる、
    イオン交換容量が0.1meq/g〜4.0meq/gであって、ポリスチレン換算の数平均分子量が100000〜400000の芳香族ポリエーテル系超高分子に酸基が導入された構造であって、該芳香族ポリエーテル系超高分子が下式(6’)、(7’)
    Figure 0004876392
    (式中、Ar 31 、Ar 32 、m、lは前記と同じ意味を表す。)
    から選ばれる少なくとも1種の構造単位を含有し、式(6’)の構造単位の数cと式(7’)の構造単位の数dの和は2以上であることを特徴とする芳香族ポリエーテル系イオン伝導性超高分子からなる群より選ばれる高分子電解質を用いてなるメタノール形燃料電池用高分子電解質膜を除く。)
  2. 下記一般式(5)
    Figure 0004876392
    (式中、Ar 1 〜Ar 5 は、互いにハロゲノで置換されていても良い炭素数1〜10のアルキル基、ハロゲノで置換されていても良い炭素数1〜10のアルコキシ基、フェニル基、フェノキシ基、ベンゾイル基、ナフチル基、ナフチルオキシ基、ナフチルカルボニル基、ハロゲノ基、ヒドロキシル基、シアノ基およびアミノ基から選ばれる1種以上の基を置換基として有していても良い2価の芳香族炭素環を表し、Z、Z’は互いに独立にCO、SO 2 の何れかを表し、X、X’は互いに独立にO、Sの何れかを表す。Ar 1 、Ar 2 、Ar 3 、Ar 4 、Ar 5 のいずれも側鎖としての置換基中に芳香族炭素環を含まない場合はこれらの少なくともいずれか一つが、直接結合したイオン交換性基を有し、Ar 1 〜Ar 5 のいずれかが前記置換基を有し、該置換基中に芳香族炭素環を含む場合は、それらを含めた全体の芳香族炭素環の少なくともいずれか一つが、直接結合したイオン交換性基を有し、繰返し単位の数a、bはそれぞれ0以上の整数を表し、a+bは20以上である。)で示される高分子電解質であって、側鎖を含めた高分子電解質全体における総芳香族炭素環の数(芳香族単環性炭素環の数と芳香族縮合多環性炭素環の数との和)に対する芳香族縮合多環性炭素環の数の比Rが下式を満たすことを特徴とする高分子電解質または該高分子電解質を有効成分とする高分子電解質組成物を用いてなる直接メタノール形燃料電池用高分子電解質膜
    1>R≧0.15
    (Rは、高分解能NMRを用い、単環性炭素環上のプロトンに由来するピークと、縮合多環性炭素環上のプロトンに由来するピークとを同定し、それらのプロトンピークの面積比較から芳香族単環性炭素環の数と芳香族縮合多環性炭素環の数の相対値を求めて、式:R=芳香族縮合多環性炭素環の数の相対値/(芳香族単環性炭素環の数の相対値+芳香族縮合多環性炭素環の数の相対値)から算出した値である。)
    (式中、一般式(3’)
    Figure 0004876392
    (式中、X 3 はHまたは1価の陽イオンを表わす。Y 1 はO原子またはS原子を表わす。Ar1は2価の芳香族基を表わす。)
    で表される結合ユニットを含む、スルホン化ポリマーからなる高分子電解質を用いてなるメタノール形燃料電池用高分子電解質膜を除く。)
  3. 芳香族縮合多環性炭素環が2環性乃至4環性の芳香族縮合多環性炭素環であることを特徴とする、請求項1または2記載の直接メタノール形燃料電池用高分子電解質
  4. イオン交換性基がスルホン酸基、スルホンイミド基、ホスホン酸基、カルボン酸基の何れかの酸基であることを特徴とする請求項1乃至の何れかに記載の直接メタノール形燃料電池用高分子電解質
  5. イオン交換容量が、0.1〜4meq/gであることを特徴とする請求項1乃至の何れかに記載の直接メタノール形燃料電池用高分子電解質
  6. イオン交換性基を有するブロック及びイオン交換性基を実質的に有さないブロックをそれぞれ一つ以上有することを特徴とする請求項1乃至の何れかに記載の直接メタノール形燃料電池用高分子電解質
  7. イオン交換性基を実質的に有さないブロックが芳香族縮合多環性炭素環を有することを特徴とする請求項記載の直接メタノール形燃料電池用高分子電解質
  8. 請求項1乃至何れかに記載の直接メタノール形燃料電池用高分子電解質を用いてなる固体高分子形燃料電池。
  9. 請求項1乃至何れかに記載の直接メタノール形燃料電池用高分子電解質を用いてなる直接メタノール形燃料電池。
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