JP4375170B2 - ブロック共重合体及びその用途 - Google Patents
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Description
例えば、スルホン酸基が実質的に導入されていないセグメントおよびスルホン酸基が導入されたセグメントを有するブロック共重合体であって、前者のセグメントがポリエーテルスルホンからなり、後者のセグメントがジフェニルスルホンとスルホン酸基を有するビフェノールとのエーテル結合体を繰返し単位とするブロック共重合体が提案されている(特許文献1)。
(式中、mは10以上の整数を表し、Ar1、Ar2、Ar3は互いに独立に2価の芳香族基を表し、ここでこれらの2価の芳香族基は、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルコキシ基、炭素数6〜10のアリール基又は炭素数6〜10のアリールオキシ基で置換されていても良い。Ar1、Ar2のいずれか少なくとも一つは酸基を有し、Ar3は酸基を有していても有していなくても良い。Yは、−CO−または−SO2−を表すが、複数あるYは互いに異なっていても良い。)
で表され、
酸基が実質的に導入されていないセグメントが下記一般式(2)
(式中、nは10以上の整数を表し、Ar4、Ar5は互いに独立に2価の芳香族基を表し、ここでこれらの2価の芳香族基は、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルコキシ基、炭素数6〜10のアリール基、炭素数6〜10のアリールオキシ基又はフルオロ基で置換されていても良い。Zは、−CO−または−SO2−を表すが、複数あるZは互いに異なっていても良い。)
で表される繰返し構造を含むことを特徴とするブロック共重合体を提供するものである。
[4]酸基が実質的に導入されていないセグメントが、下記一般式(3)
(式中、n、及び、Zは前記の意味を表す。)
で表されることを特徴とする上記[1]乃至[3]いずれかのブロック共重合体、
[5]酸基が導入されたセグメントが、下記一般式(4)
(式中、m及びYは前記と同じ意味を表す。r、sはそれぞれ独立に0または1を表すが、r+sは1または2である。uは1または2を、tは0、1または2を表す。)
で表されることを特徴とする[4]に記載のブロック共重合体。
[6]イオン交換容量が、0.8meq/g〜2.4meq/gであることを特徴とする上記[1]乃至[5]いずれかの共重合体、
[7]上記[1]乃至[6]いずれかの共重合体を有効成分とする高分子電解質、
[8]上記[7]の高分子電解質を用いてなることを特徴とする高分子電解質膜、
[9]上記[7]の高分子電解質と多孔質基材とを用いてなることを特徴とする高分子電解質複合膜、
[10]上記[7]の高分子電解質を用いてなることを特徴とする触媒組成物、
[11]上記[8]の高分子電解質膜、[9]の高分子電解質複合膜、上記[10]の触媒組成物から選ばれる少なくとも1種を用いてなることを特徴とする高分子電解質型燃料電池等を提供するものである。
そのうえ燃料電池のプロトン伝導膜として用いた場合、高い発電特性を示すので、本発明のブロック共重合体は高分子電解質として工業的に有利である。
本発明のブロック共重合体は、酸基が導入されたセグメントと、酸基が実質的に導入されていないセグメントとをそれぞれ一つ以上を有するブロック共重合体であって、酸基が導入されたセグメントが、式(1)で表される繰返し構造で構成されることすなわちAr1、Ar2のいずれか少なくとも一つは酸基を有することを特徴とする。Ar3は酸基を有していても有していなくても良い。
置換基を有することもある炭素数1〜10のアルコキシ基としては、例えばメトキシ、エトキシ、n−プロピルオキシ、イソプロピルオキシ、n−ブチルオキシ、sec−ブチルオキシ、tert−ブチルオキシ、イソブチルオキシ、n−ペンチルオキシ、2,2−ジメチルプロピルオキシ、シクロペンチルオキシ、n−ヘキシルオキシ、シクロヘキシルオキシ、2−メチルペンチルオキシ、2−エチルヘキシルオキシ等の炭素数1〜10のアルコキシ基、及びこれらの基にフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子、ヒドロキシル基、ニトリル基、アミノ基、メトキシ基、エトキシ基、イソプロピルオキシ、フェニル、ナフチル、フェノキシ、ナフチルオキシなどが置換したアルコキシ基等が挙げられる。
置換基を有することもある炭素数6〜10のアリールオキシ基としては、例えばフェノキシ、ナフチルオキシ等の炭素数6〜10のアリールオキシ基、及びこれらの基にフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子、ヒドロキシル基、ニトリル基、アミノ基、メトキシ基、エトキシ基、イソプロピルオキシ、フェニル、ナフチル、フェノキシ、ナフチルオキシなどが置換したアリールオキシ基等が挙げられる。
式(1)におけるAr1、Ar2、Ar3は、上記のような置換基を有することもある2価の芳香族基を表すが、なかでもAr1、Ar2としてはフェニレンがより好ましく、Ar3としてはフェニレン、ビフェニリレン等がより好ましい。
ここで、酸基としては、例えば、カルボン酸、ホスホン酸等の弱酸基、スルホン酸等の強酸基、パーフルオロアルキレンスルホン酸、パーフルオロフェニレンスルホン酸、パフルオロアルキレンスルホニルイミド等の超強酸基などが挙げられる。中でも強酸の基、超強酸の基が好ましく、例えば、スルホン酸、パーフルオロアルキレンスルホン酸、パーフルオロフェニレンスルホン酸などが好適に用いられる。
かかる酸基は、該繰返し単位を構成する式(1)の芳香環1個当り平均0.5個以上導入されている場合が好ましく、とりわけ実質的に全ての芳香環に1個ずつ以上導入されている場合が好ましい。
また、式(1)におけるYは、−CO−または−SO2−を表す。複数あるYは、互いに異なっていても良いが、同一であることが好ましい。
(式中、m及びYは前記と同じ意味を表す。r、sはそれぞれ独立に0または1を表すが、r+sは1または2である。uは1または2を、tは0、1または2を表す。)
ここで酸基が実質的に導入されていないセグメントとしては、セグメントを構成する繰返し単位当りの酸基の導入量が平均0.1個以下であるものが挙げられる。
また式(2)におけるAr4、Ar5は、互いに独立に2価の芳香族基を表し、その代表例としては、例えば、1,3−フェニレン、1,4−フェニレン等の2価の単環性芳香族基、1,3−ナフタレンジイル、1,4−ナフタレンジイル、1,5−ナフタレンジイル、1,6−ナフタレンジイル、1,7−ナフタレンジイル、2,6−ナフタレンジイル、2,7−ナフタレンジイル等の2価の縮環系芳香族基、3,3’−ビフェニリレン、3,4’−ビフェニリレン、4,4’−ビフェニリレン等の2価のビフェニリレン基などが挙げられる。
これらの2価の芳香族基は、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルコキシ基、炭素数6〜10のアリール基、炭素数6〜10のアリールオキシ基又はフルオロ基で置換されていても良く、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルコキシ基、炭素数6〜10のアリール基又は炭素数6〜10のアリールオキシ基の具体例としては、上記Ar1、Ar2、Ar3におけるものと同様のものが挙げられる。
また、式(2)におけるZは、−CO−または−SO2−を表す。複数あるZは、互いに異なっていても良いが、同一であることが好ましい。
(式中、n、及び、Zは前記の意味を表す。)
例えば、a.両末端にヒドロキシ基を有するポリマーと両末端にハロゲン原子を有するポリマーとを塩基の作用下に求核置換的に縮合させる方法、b.両末端にヒドロキシ基とハロゲン原子を一つずつ有するポリマーと両末端にヒドロキシ基とハロゲン原子を一つずつ有する別のポリマーとを塩基の作用下に求核置換的に縮合させる方法、c.両末端にヒドロキシ基を有するポリマーと両末端にヒドロキシ基を有する別のポリマーとをデカフルオロビフェニル、ヘキサフルオロベンゼン、4,4’−ジフルオロベンゾフェノン、4,4’−ジフルオロジフェニルスルホンなど連結基として働く化合物を用いて結合させる方法、d.両末端にハロゲン原子を有するポリマーと両末端にハロゲン原子を有する別のポリマーとを4、4’−ジヒドロキシビフェニル、ビスフェノールA、4,4’−ジヒドロキシベンゾフェノン、4、4’−ジヒドロキシジフェニルスルホンなど連結基として働く化合物を用いるか、脱ハロゲン縮合反応により結合させる方法などが例示される。また、上記反応と同様の素反応が起こりうる反応性基を有するポリマーおよびモノマーを重合反応させる方法によってブロック共重合体を製造し得る。
この時、式(1)の未スルホ化セグメントを有するポリマーと式(2)のセグメントを有するポリマーの仕込み組成を変えることによって、直鎖構造のブロック共重合体と分岐構造を有するブロック共重合体とを作り分けることもできる。
また、酸基が導入されたセグメントと、酸基が実質的に導入されていないセグメントの重量組成比は特に制限はないが、通常3:97〜70:30であり、5:95〜40:6が好ましく、10:90〜33:67がさらに好ましく、15:85〜30:70が特に好ましい。酸基が導入されたセグメントが少な過ぎるとプロトン伝導性が低くなり燃料電池用の高分子電解質としての機能が不十分になることがあり、一方、酸基が導入されたセグメントが多過ぎると耐水性が不良となることがあるので好ましくない。
これらブロック共重合体全体としての酸基導入量は、酸基が導入されたセグメントの酸基導入数および/またはブロック組成および/または各ブロックの数平均分子量を変えることにより任意に制御できる。
酸基が導入されたセグメントの平均分子量としては、ポリスチレン換算の数平均分子量で表して2000〜100000が好ましく、中でも4000〜50000のものが特に好ましい。また、酸基が実質的に導入されていないセグメントの平均分子量としては、ポリスチレン換算の数平均分子量で表して5000〜200000が好ましく、中でも10000〜100000のものが特に好ましい。
また本発明のブロック共重合体は、酸基が導入されたセグメント、及び酸基が実質的に導入されていないセグメントをそれぞれ一つ以上有するが、少なくともどちらか一方を二つ以上有する場合や、さらには両セグメントをそれぞれ二つ以上有する場合のような所謂マルチブロックになっている場合が特に好ましい。
この場合は、本発明のブロック共重合体は、通常フィルムの形態で使用されるが、フィルムへ転化する方法に特に制限はなく、例えば溶液状態より製膜する方法(溶液キャスト法)が好ましく使用される。
具体的には、共重合体を適当な溶媒に溶解し、その溶液をガラス板上に流延塗布し、溶媒を除去することにより製膜される。製膜に用いる溶媒は、共重合体を溶解可能であり、その後に除去し得るものであるならば特に制限はなく、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、ジメチルスルホキシド(DMSO)等の非プロトン性極性溶媒、あるいはジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン等の塩素系溶媒、メタノール、エタノール、プロパノール等のアルコール類、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等のアルキレングリコールモノアルキルエーテルが好適に用いられる。これらは単独で用いることもできるが、必要に応じて2種以上の溶媒を混合して用いることもできる。中でも、ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等がポリマーの溶解性が高く好ましい。
燃料電池用途では他に水管理を容易にするために、無機あるいは有機の微粒子を保水剤として添加する事も知られている。これらの公知の方法はいずれも本発明の目的に反しない限り使用できる。また、フィルムの機械的強度の向上などを目的として、電子線・放射線などを照射して架橋することもできる。
多孔質基材の膜厚が薄すぎると複合化後の強度補強の効果あるいは、柔軟性や耐久性を付与するといった補強効果が不十分となり、ガス漏れ(クロスリーク)が発生しやすくなる。また膜厚が厚すぎると電気抵抗が高くなり、得られた複合膜が固体高分子型燃料電池の隔膜として不十分なものとなる。孔径が小さすぎると高分子固体電解質の充填が困難となり、大きすぎると高分子固体電解質への補強効果が弱くなる。空隙率が小さすぎると固体電解質膜としての抵抗が大きくなり、大きすぎると一般に多孔質基材自体の強度が弱くなり補強効果が低減する。
耐熱性の観点や、物理的強度の補強効果を鑑みれば、脂肪族系、芳香族系高分子または、含フッ素高分子が好ましい。
本発明の燃料電池は本発明の共重合体を高分子電解質膜および/または高分子電解質複合膜として使用したものや、本発明の高分子電解質を触媒層中の高分子電解質として使用したものなどを挙げることができる。
分子量の測定:
ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により、下記条件でポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)を測定した。
GPC測定装置 TOSOH社製 HLC−8220
カラム Shodex社製 KD−80Mを2本直列に接続
カラム温度 40℃
移動相溶媒 DMAc(LiBrを10mmol/dm3になるように添加)
溶媒流量 0.5mL/min
プロトン伝導度の測定:
温度80℃、相対湿度90%の条件で交流法で測定した。
イオン交換容量の測定:
滴定法により求めた。
セルAとセルBからなるH字型隔膜セルの中央に、測定する高分子電解質膜を挟持させ、セルAに10wt%濃度のメタノール水溶液を、セルBに純水を入れ、23℃において、一定時間後のセルA、B中のメタノール濃度を分析し、メタノール透過係数D(cm2/sec)を下式により求めた。
D={(V×l)/(A×t)}×ln{(C1−Cm)/(C2−Cn)}
ここで、
V:セルB中の液の容量(cm3)、
l:電解質膜の膜厚(cm)、
A:電解質膜の断面積(cm2)、
t:時間(sec)
C1:t=1におけるセルB中の溶質濃度(mol/cm3)、
C2:t=2におけるセルB中の溶質濃度(mol/cm3)、
Cm:t=1におけるセルA中の溶質濃度(mol/cm3)、
Cn:t=2におけるセルA中の溶質濃度(mol/cm3)、
ここで、メタノール透過量は十分に小さいので、Vは初期の純水容量で一定値とし、また、Cm=Cnで初期濃度(10wt%)として求めた。
高分子電解質膜および/または高分子電解質複合膜の両面に、繊維状のカーボンに担持された白金触媒と集電体としての多孔質性のカーボン織布を接合した。該ユニットの一面に加湿酸素ガス、他面に加湿水素ガスを流し発電特性を測定した。
多孔質基材
特開2002−309024に準じて製造した下記のポリエチレン製多孔質膜を用いた。平均細孔直径は、バブルポイント法 ASTM F316−86で求めた値を示した。
ポリエチレン製多孔質膜A:平均細孔直径d=60nm
ポリエーテルスルホン(フッ素末端型)の製造
共沸蒸留装置を備えたフラスコに、窒素雰囲気下、スミカエクセルPES4003P(住友化学工業製、水酸基末端型のポリエーテルスルホン)を1000g、炭酸カリウム7.59g、DMAc2500ml、およびトルエン500mlを加え、160℃にて加熱撹拌して共沸脱水した。室温にて放冷後、デカフルオロビフェニル53.6gを加え80℃にて3.5時間加熱撹拌した。反応液を大量の水に滴下し、得られた沈殿物をろ過回収し、メタノール/アセトン混合溶媒で洗浄後、80℃にて乾燥してフッ素末端型の下記ポリマー(以下P1)を得た。Mn=3.2×104
ブロック共重合体aの製造
共沸蒸留装置を備えたフラスコに、Ar雰囲気下、4,4’−ジヒドロキシビフェニル1.52g(8.16mmol)、4,4’−ジフルオロジフェニルスルホン−3,3’−ジスルホン酸ジカリウム3.92g(7.99mmol)、炭酸カリウム1.24g(8.97mmol)を加え、DMSO100mLおよびトルエン30mLを添加した。その後バス温140℃でトルエンを加熱留去することで系内の水分を共沸脱水し、170℃にて5時間保温攪拌することで、親水性オリゴマーを得た。続いて、反応液を室温まで放冷した後、参考例1に準拠して合成したフッ素末端型ポリエーテルスルホン(P1)6.7gを加え、その後80℃にて10時間保温攪拌した。反応液を放冷した後、大量の塩酸水に滴下し、生成した沈殿物を濾過回収した。さらに洗液が中性になるまで水で洗浄濾過を繰返した後、60℃にて減圧乾燥して、9.43gの下記ブロック共重合体aを得た。
Mn 1.2×105
イオン交換容量 1.04 meq/g
プロトン伝導度 2.22×10-2 S/cm
イオン交換容量から、酸基が導入されたセグメントと、酸基が実質的に導入されていないセグメントの重量組成比は30:70と算出された。
ブロック共重合体bの製造
共沸蒸留装置を備えたフラスコに、Ar雰囲気下、4,4’−ジヒドロキシビフェニル1.9g(10.2mmol)、4,4’−ジフルオロジフェニルスルホン−3,3’−ジスルホン酸ジカリウム4.91g(10mmol)、炭酸カリウム1.48g(10.71mmol)を加え、DMSO90mLおよびトルエン30mLを添加した。その後バス温150℃でトルエンを加熱留去することで系内の水分を共沸脱水し、170℃にて5時間保温攪拌することで、親水性オリゴマーを得た。続いて、反応液を室温まで放冷した後、参考例1に準拠して合成したフッ素末端型ポリエーテルスルホン(P1)9gを加え、その後140℃にて3時間保温攪拌した。反応液を放冷した後、大量の塩酸水に滴下し、生成した沈殿物を濾過回収した。さらに洗液が中性になるまで水で洗浄濾過を繰返した後、60℃にて減圧乾燥して、12.42gの下記ブロック共重合体bを得た。Mn=9.9×104
上記ブロック共重合体b5.00gを濃硫酸100mLに溶解させ、室温にて48時間スルホ化を行い、常法で精製し、4.50gのブロック共重合体cを得た。このものの高分解能NMR解析の結果、下記の構造を有することを確認した。
Mn=1.1×105
イオン交換容量 1.51 meq/g
プロトン伝導度 1.11×10-1 S/cm
イオン交換容量から、酸基が導入されたセグメントと、酸基が実質的に導入されていないセグメントの重量組成比は27:73と算出された。
ブロック共重合体dの製造
共沸蒸留装置を備えたフラスコに、Ar雰囲気下、2,5−ジヒドロキシベンゼンスルホン酸カリウム4.63g(20.3mmol)、4,4’−ジフルオロジフェニルスルホン−3,3’−ジスルホン酸ジカリウム9.81g(20mmol)、炭酸カリウム3.09g(22.4mmol)を加え、DMSO140mLおよびトルエン50mLを添加した。その後バス温140℃でトルエンを加熱留去することで系内の水分を共沸脱水し、170℃にて5時間保温攪拌することで、親水性オリゴマーを得た。続いて、反応液を室温まで十分に放冷した後、参考例1に準拠して合成したフッ素末端型ポリエーテルスルホン(P1)13.00gを加え、その後80℃にて30時間保温攪拌した。反応液を放冷した後、大量の塩酸水に滴下し、生成した沈殿物を濾過回収した。さらに洗液が中性になるまで水で濾過洗浄を繰返した後、60℃にて減圧乾燥して、18.03gの下記ブロック共重合体dを得た。
Mn 1.0×105
イオン交換容量 1.76 meq/g
プロトン伝導度 1.72×10-1 S/cm
イオン交換容量から、酸基が導入されたセグメントと、酸基が実質的に導入されていないセグメントの重量組成比は33:67と算出された。
ブロック共重合体eの製造
共沸蒸留装置を備えたフラスコに、Ar雰囲気下、2,5−ジヒドロキシベンゼンスルホン酸カリウム3.95g(17.29mmol)、4,4’−ジフルオロジフェニルスルホン−3,3’−ジスルホン酸ジカリウム8g(16.31mmol)、炭酸カリウム2.48g(17.98mmol)を加え、DMSO50mLおよびトルエン30mLを添加した。その後バス温150℃でトルエンを加熱留去することで系内の水分を共沸脱水し、150℃にて7時間保温攪拌することで、親水性オリゴマーを得た。続いて、反応液を室温まで放冷した後、参考例2に準拠して合成したフッ素末端型ポリエーテルスルホン(P2)13.78gをDMSO60mLに溶解させた溶液を加え、その後140℃まで昇温させながら合計47時間保温攪拌した。反応液を放冷した後、大量の塩酸水に滴下し、生成した沈殿物を濾過回収した。さらに洗液が中性になるまで水で濾過洗浄を繰返した後、60℃にて減圧乾燥して、14.08gの下記ブロック共重合体eを得た。
Mn=7.2×104
イオン交換容量 1.60 meq/g
プロトン伝導度 1.13×10-1 S/cm
イオン交換容量から、酸基が導入されたセグメントと、酸基が実質的に導入されていないセグメントの重量組成比は30:70と算出された。
ブロック共重合体fの製造
共沸蒸留装置を備えたフラスコに、Ar雰囲気下、2,5−ジヒドロキシベンゼンスルホン酸カリウム0.81g(3.55mmol)、4,4’−ジフルオロジフェニルスルホン−3,3’−ジスルホン酸ジカリウム2.6g(5.3mmol)、炭酸カリウム2.48g(3.69mmol)を加え、DMSO30mLおよびトルエン20mLを添加した。その後バス温150℃でトルエンを加熱留去することで系内の水分を共沸脱水し、140℃にて7時間保温攪拌することで、親水性オリゴマー溶液を得た。また、共沸蒸留装置を備えたフラスコに、Ar雰囲気下、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン2.87g(11.47mmol)、4,4’−ジフルオロジフェニルスルホン2.46g(9.68mmol)、炭酸カリウム1.66g(12.01mmol)を加え、DMSO30mLおよびトルエン20mLを添加した。その後バス温150℃でトルエンを加熱留去することで系内の水分を共沸脱水し、140℃にて7時間保温攪拌することで、疎水性オリゴマー溶液を得た。続いて、反応液を室温まで放冷した後、得られた親水性オリゴマー溶液を疎水性オリゴマー溶液に加え、150℃まで昇温させながら合計13時間保温攪拌した。反応液を放冷した後、大量の塩酸水に滴下し、生成した沈殿物を濾過回収した。さらに洗液が中性になるまで水で濾過洗浄を繰返した後、60℃にて減圧乾燥して、7.06gの下記ブロック共重合体fを得た。
Mn=9.0×104
イオン交換容量 1.60 meq/g
プロトン伝導度 9.70×10-2 S/cm
イオン交換容量から、酸基が導入されたセグメントと、酸基が実質的に導入されていないセグメントの重量組成比は30:70と算出された。
ブロック共重合体gの製造
共沸蒸留装置を備えたフラスコに、Ar雰囲気下、2,5−ジヒドロキシベンゼンスルホン酸カリウム2.69g(11.77mmol)、4,4’−ジフルオロベンゾフェノン−3,3’−ジスルホン酸ジカリウム5.11g(11mmol)、炭酸カリウム1.69g(12.24mmol)を加え、DMSO50mLおよびトルエン30mLを添加した。その後バス温150℃でトルエンを加熱留去することで系内の水分を共沸脱水し、150℃にて7時間保温攪拌することで、親水性オリゴマーを得た。続いて、反応液を室温まで十分に放冷した後、参考例1に準拠して合成したフッ素末端型ポリエーテルスルホン(P1)10.25gをDMSO50mLに溶解させた溶液を加え、その後140℃まで昇温させながら合計34時間保温攪拌した。反応液を放冷した後、大量の塩酸水に滴下し、生成した沈殿物を濾過回収した。さらに洗液が中性になるまで水で濾過洗浄を繰返した後、60℃にて減圧乾燥して、14.63gの下記ブロック共重合体gを得た。
Mn=1.9×105
イオン交換容量 1.70 meq/g
プロトン伝導度 1.14×10-1 S/cm
イオン交換容量から、酸基が導入されたセグメントと、酸基が実質的に導入されていないセグメントの重量組成比は30:70と算出された。
実施例4に準拠して製造したブロック共重合体(イオン交換容量1.43meq/g)をNMPに溶解させ25.5wt%の濃度の高分子電解質溶液を調製した。
次いで、ポリエチレン製多孔質膜Aをガラス板上に固定し、この上に上記の高分子電解質溶液を滴下した。ワイヤーコーターを用いて高分子電解質溶液を多孔質膜上に均一に塗り広げ、0.3mmクリアランスのバーコーターを用いて塗工厚みをコントロールし、80℃で常圧乾燥した。その後1mol/Lの塩酸に浸漬し、さらにイオン交換水で洗浄することによって高分子電解質複合膜を得た。
イオン交換容量 1.17 meq/g
プロトン伝導度 7.96×10-2 S/cm
燃料電池特性評価
電圧E(V) 0.8 0.6 0.4 0.2
電流値I(A/cm 2 ) 0.17 0.17 1.10 1.40
メタノール透過係数 1.86×10-7 cm2/sec
Claims (10)
- 酸基が導入されたセグメントと、酸基が実質的に導入されていないセグメントとをそれぞれ一つ以上を有するブロック共重合体であって、酸基が導入されたセグメントが、下記一般式(1)
(式中、mは10以上の整数を表し、Ar1、Ar2、Ar3は互いに独立にフェニレン、ナフチレン、ビフェニリレン、フルオレンジイル、ピリジンジイル、キノキサリンジイル、または、チオフェンジイルを表し、ここでこれらは、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルコキシ基、炭素数6〜10のアリール基又は炭素数6〜10のアリールオキシ基で置換されていても良い。Ar1、Ar2のいずれか少なくとも一つは酸基を有し、Ar3は酸基を有していても有していなくても良い。Yは、−CO−または−SO2−を表すが、複数あるYは互いに異なっていても良い。)
で表され、
酸基が実質的に導入されていないセグメントが下記一般式(2)
(式中、nは10以上の整数を表し、Ar4、Ar5は互いに独立に1,3−フェニレン、1,4−フェニレン、1,3−ナフタレンジイル、1,4−ナフタレンジイル、1,5−ナフタレンジイル、1,6−ナフタレンジイル、1,7−ナフタレンジイル、2,6−ナフタレンジイル、2,7−ナフタレンジイル、3,3’−ビフェニリレン、3,4’−ビフェニリレン、または、4,4’−ビフェニリレンを表し、ここでこれらは、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルコキシ基、炭素数6〜10のアリール基、炭素数6〜10のアリールオキシ基又はフルオロ基で置換されていても良い。Zは、−CO−または−SO2−を表すが、複数あるZは互いに異なっていても良い。)
で表される繰返し構造を含み、酸基が導入されたセグメントと、酸基が実質的に導入されていないセグメントの重量組成比が、10:90〜33:67であり、ポリスチレン換算の数平均分子量で表して5000〜1000000であることを特徴とするブロック共重合体。 - 酸基が、強酸基又は超強酸基であることを特徴とする請求項1に記載のブロック共重合体。
- イオン交換容量が、0.8meq/g〜2.4meq/gであることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の共重合体。
- 請求項1乃至5のいずれかに記載の共重合体を有効成分とする高分子電解質。
- 請求項6に記載の高分子電解質を用いてなることを特徴とする高分子電解質膜。
- 請求項6に記載の高分子電解質と多孔質基材とを用いてなることを特徴とする高分子電解質複合膜。
- 請求項6に記載の高分子電解質を用いてなることを特徴とする触媒組成物。
- 請求項7に記載の高分子電解質膜、請求項8に記載の高分子電解質複合膜、請求項9に記載の触媒組成物から選ばれる少なくとも1種を用いてなることを特徴とする高分子電解質型燃料電池。
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