JP2005251409A - 固体高分子電解質、それを用いた膜、電解質/触媒電極接合体、膜/電極接合体及び燃料電池 - Google Patents

固体高分子電解質、それを用いた膜、電解質/触媒電極接合体、膜/電極接合体及び燃料電池 Download PDF

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Abstract

【課題】 高価なふっ素系固体高分子電解質膜の代替品として用いられているスルホン化された芳香族高分子化合物の耐酸化性に劣るという欠点を解消し、ふっ素系固体高分子電解質膜に比して安価でかつ実用上十分な高耐久特性を有し、しかも製造容易な固体高分子電解質、該固体高分子電解質からなる固体高分子電解質膜、さらには該個体高分子電解質からなる電解質/触媒電極接合体、該電解質/触媒電極接合体を用いた膜/電極接合体と該膜/電極接合体を用いた燃料電池を提供する。
【解決手段】 主鎖に下記式(1)で表される構造を有する繰り返し単位として含み、RもしくはRの少なくとも一方が2価の芳香族炭化水素を含む炭化水素系高分子の側鎖にプロトン伝導性置換基を導入することによって固体高分子電解質を得る。
【化1】
Figure 2005251409

【選択図】 なし

Description

本発明は、燃料電池等に用いられる電解質膜に好適な耐酸化性等に優れた低コスト高耐久性固体高分子電解質、それを用いた固体高分子電解質膜、電解質/触媒電極接合体及び該固体高分子電解質を用いた燃料電池に関する。
固体高分子電解質は高分子鎖中にスルホン酸基、アミノ基等の電解質基を有する固体高分子材料であり、特定のイオンと強固に結合して、陽イオン又は陰イオンを選択的に透過する性質を有していることから、粒子、繊維、あるいは膜状に成形し、電気透析、拡散透析、電池隔膜等、各種の用途に利用されている。
燃料電池はプロトン伝導性置換基を持つ固体高分子電解質膜の両面に一対の電極を設け、水素ガスやメタノールなどを燃料として一方の電極(燃料極)へ供給し、酸素ガスあるいは空気を酸化剤として他方の電極(空気極)へ供給し、起電力を得るものである。
ナフィオン(登録商標、デュポン社製)、アシプレックス(登録商標、旭化成株式会社製)、フレミオン(登録商標、旭硝子株式会社製)の商品名で知られる高いプロトン伝導性を有するふっ素系固体高分子電解質膜は化学的安定性に優れていることから燃料電池等の固体高分子電解質膜として、広く使用されている。
ところで、パーフルオロスルホン酸膜に代表されるふっ素系電解質は、C−F結合を有しているために化学的安定性が非常に大きく、上述した燃料電池用固体高分子電解質として非常に適している。
しかしながら、ふっ素系固体高分子電解質は製造が困難で、非常に高価であるという欠点がある。そのため、ふっ素系固体高分子電解質膜は、宇宙用あるいは軍用の固体高分子型燃料電池等、限られた用途に用いられ、自動車用の低公害動力源としての固体高分子型燃料電池等、民生用への応用を困難なものとしていた。
そこで、安価な固体高分子電解質膜として、エンジニアリングプラスチックに代表される芳香族炭化水素系高分子をスルホン化した固体高分子電解質膜が提案された。これらは製造が容易で低コストであるという利点がある。(例えば、特許文献1参照)。エンジニアリングプラスチックをスルホン化した芳香族炭化水素系固体高分子電解質膜をナフィオンに代表されるふっ素系固体高分子電解質膜と比較すると、製造が容易で低コストという利点がある。しかし、耐酸化性という面で非常に弱いという欠点も有している。
非特許文献1によると、例えばスルホン化ポリエーテルエーテルケトンやポリエーテルスルホンはスルホン酸に隣接したエーテル部位から劣化すると報告している。このことから、スルホン酸の近傍に電子供与性基が存在すると、そこから酸化劣化が開始すると考えられる。
特開平6−93114号公報1頁 高分子論文集 Vol.59、No.8、460〜473頁
本発明の目的は、高価なふっ素系固体高分子電解質膜の代替品として用いられているスルホン化された芳香族高分子化合物の有する耐酸化性に劣るという欠点を解消し、ふっ素系固体高分子電解質膜に比して安価な炭化水素系化合物を用いて実用上十分な高耐久特性を有し、しかも製造容易な固体高分子電解質、該固体高分子電解質からなる固体高分子電解質膜、さらには該固体高分子電解質からなる電解質/触媒電極接合体、該電解質/触媒電極接合体を用いた膜/電極接合体と該膜/電極接合体を用いた燃料電池を提供することにある。
上記課題を解決するために、主鎖に下記式(1)で表される構造を有する繰り返し単位として含む炭化水素系高分子の側鎖にプロトン伝導性置換基を導入することで可能になることが明らかになった。
Figure 2005251409
本発明の炭化水素系高分子は、炭化水素系高分子の主鎖に耐酸化性の高いスルホンイミド基を含み、かつ劣化を受けやすいエーテル結合などの電子供与性基を含まないため、炭化水素系高分子が酸化劣化しにくいことを要旨とするもので、実用上十分な耐久性を有し、しかも経済的な固体高分子電解質を得ることが可能となる。
さらに、該固体高分子電解質からなる固体高分子電解質膜又は、該固体高分子電解質と触媒電極とからなる電解質/触媒電極接合体、さらにはその電解質/触媒電極接合体と該固体高分子電解質膜を用いた膜/電極接合体であり、該膜/電極接合体を用いた燃料電池を提供することである。
本発明に係るポリスルホンイミド系固体高分子電解質はふっ素系固体高分子電解質膜に比べ、コストは非常に安価で、主鎖にスルホンイミド基を有することによって、耐久性特に耐酸化性に優れた固体高分子電解質が得られる。また本発明に係るポリスルホンイミド系固体高分子電解質を用いた膜、電解質/触媒電極接合体、膜/電極接合体、燃料電池は実用上十分な性能を示す。
本発明の固体高分子電解質は主鎖に主成分としてスルホンイミド基からなる炭化水素系高分子(これ以降ポリスルホンイミド系高分子と呼ぶ)を有し、側鎖にプロトン伝導性置換基を導入した固体高分子電解質であれば特に制限は無く、主鎖の一部に10%以下の共重合成分を含んでいても構わない。
主鎖の炭化水素部位には芳香族及びその誘導体を含んでいれば、その他の部位はアルキル基及びそれらの誘導体、少なくとも1つのふっ素原子を置換基として有するアルキル基及びそれらの誘導体、芳香族基及びそれらの誘導体からなる群から選ばれる少なくとも一種であれば良い。
ポリスルホンイミド系高分子を得る方法に特に制限はないが、具体的には塩基を用いてジスルホニルクロリド化合物とアミン化合物を反応させる方法、ジスルホニルクロリド化合物とジスルホンアミド化合物を反応させる方法、ジハロゲン化スルホンイミド化合物を金属触媒等を用いて重合する方法などがある。
固体高分子電解質のイオン伝導度が向上させるため、側鎖にプロトン伝導性置換基を導入する必要がある。プロトン伝導性置換基はプロトンを伝導することができればとくに制限は無く、具体的にはスルホン酸基、ホスホン酸基、カルボン酸基、スルホンアミド基、スルホンイミド基、アルキルスルホン酸基、アルキルホスホン酸基、アルキルカルボン酸基が挙げられる。また、これらプロトン伝導性置換基のカウンターイオンは必ずしもプロトンに限らず、少量のアンモニウムイオンや金属イオンを含んでいても構わない。
プロトン伝導性置換基をポリスルホンイミド系高分子に導入する方法に特に制限はないが、式(1)のXもしくはXをプロトン伝導性置換基にする方法としては、具体的にはジスルホニルクロリド化合物、ジアミン化合物やジハロゲン化スルホンアミド化合物にプロトン伝導性置換基を導入してからポリスルホンイミド系高分子を重合する方法や、ポリスルホンイミド系高分子と硫酸やリン酸等を反応させる方法などがある。
また、式(1)のXもしくはXをプロトン伝導性置換基にする方法としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水素化リチウムや水素化ナトリウム等の塩基を用いてポリスルホンイミド系高分子のスルホンアミド基のプロトンを脱離させ、スルトン等と反応させる方法などがある。
式(1)のXもしくはXがプロトン伝導性置換基である場合は、プロトン伝導性置換基は脱離しにくい。式(1)のXもしくはXがプロトン伝導性置換基である場合は、高いプロトン伝導度が得られるが式(1)のXもしくはXにプロトン伝導性置換基である場合よりもプロトン伝導性置換基が脱離しやすい。そのため、耐久性の観点から式(1)のXもしくはXがプロトン伝導性置換基である方が好ましい。
芳香族環を主鎖に導入すると主鎖の結晶性が向上し、膜の機械的強度が向上するためである。導入する芳香族環は2価の芳香族環であれば問題なく、下記式(2)で表されされるような構造をしているのが好ましい。更には、炭素数が6〜18であることが望ましい。また、芳香族環にニトロ基や、シアノ基、ふっ素化アルキル基などの電子吸引基を導入しても構わない。
Figure 2005251409
本発明の固体高分子電解質はこれらポリスルホンイミド系高分子を主成分とする。すなわち、通常の高分子に使用される可塑剤、安定剤、離型剤等の添加剤を本発明の目的に反しない範囲内で使用できる。また、該高分子電解質の機械的強度の向上のために、プロトン伝導性基を導入したポリスルホンイミド系高分子と他の炭化水素系高分子やふっ素系高分子を該ポリスルホンイミド系高分子のイオン伝導度を著しく損なわない程度、すなわち30%以下の分量を混合しても良い。
本発明で用いられる固体高分子電解質のイオン交換基当量重量は200〜3000g/molが好適である。更にイオン交換基当量重量は300〜2000g/molであることが好適であり、更に400〜1500g/molが好適である。イオン交換基当量重量が3000g/molを越えると該固体高分子電解質のイオン伝導度が低くなり出力性能が低下し、200g/molより低いと該固体高分子電解質の耐水性が低下し、それぞれ好ましくない。
なお、本発明でイオン交換基当量重量とは、導入されたプロトン伝導性基単位モルあたりのポリスルホンイミド系高分子の分子量に相当する重量を表し、値が小さいほどプロトン伝導性基が多く導入されていることを示す。イオン交換基当量重量は、1H―NMRスペクトロスコピー、元素分析、特表平1-52866号公報明細書に記載の酸塩基滴定、非水酸塩基滴定(規定液はカリウムメトキシドのベンゼン・メタノール溶液)等により測定が可能である。
ポリスルホンイミド系固体高分子電解質のイオン交換基当量重量を200〜3000g/molに制御する方法としては、スルホン化率、アルキルスルホン化率、スルホンアミド化率、スルホンイミド化率、ホスホン化率等を制御すればよい。
本発明で用いられる固体高分子電解質を燃料電池として使用する際には、通常膜の状態で使用される。ポリスルホンイミド系高分子を膜へ転化する方法に特に制限はないが、溶液状態より製膜する方法(溶液キャスト法)、溶融状態より製膜する方法(溶融プレス法もしくは溶融押し出し法)等が可能である。具体的に溶液キャスト法については、例えばポリマー溶液をガラス板上に流延塗布し、溶媒を除去することにより製膜する。製膜に用いる溶媒は、ポリスルホンイミド系化合物を溶解し、その後に除去し得るものであるならば特に制限はなく、N,N’-ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルスルホキシド、テトラヒドロフラン等の非プロトン性極性溶媒、あるいはエチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等のアルキレングリコールモノアルキルエーテル、ジクロロメタン、トリクロロエタン等のハロゲン系溶媒、メタノール、エタノール、i-プロピルアルコール、t-ブチルアルコール等のアルコールが好適に用いられる。
該固体高分子電解質膜の厚みは特に制限はないが10〜200μmが好ましい。特に30〜100μmが好ましい。実用に耐える膜の強度を得るには10μmより厚い方が好ましく、膜抵抗の低減つまり発電性能向上のためには200μmより薄い方が好ましい。ただし、膜厚が10μmより薄くても膜が実用に耐えうる強度を有していればこの限りではない。溶液キャスト法の場合、膜厚は溶液濃度あるいは基板上への塗布厚により制御できる。溶融状態より製膜する場合、膜厚は溶融プレス法あるいは溶融押し出し法等で得た所定厚さのフィルムを所定の倍率に延伸することで膜厚を制御できる。
電解質/触媒電極接合体は、ポリスルホンイミド系固体高分子電解質を固体高分子電解質膜作成に使用した溶媒に溶解させ、これを用いて触媒電極を接合することで作成する。
ここでの触媒電極は、触媒金属の微粒子を導電材に担持することで作成できる。触媒電極に使用される触媒金属としては、水素の酸化反応および酸素の還元反応を促進する金属であればいずれのものでもよく、例えば、白金、金、銀、パラジウム、イリジウム、ロジウム、ルテニウム、鉄、コバルト、ニッケル、クロム、タングステン、マンガン、バナジウム、あるいはそれらの合金が挙げられる。特に白金が多くの場合用いられる。触媒となる金属の粒径は、通常は10〜300オングストロームである。これらの触媒はカーボン等の担体に付着させた方が触媒の使用量が少なくコスト的に有利である。触媒の担持量は電極が成形された状態で0.01〜10mg/cm2 が好ましい。
導電材としては、電子伝導性物質であればいずれのものでも良く、例えば各種金属や炭素材料などが挙げられる。炭素材料としては、例えば、ファーネスブラック、チャンネルブラック、およびアセチレンブラック等のカーボンブラック、活性炭、黒鉛等が挙げられ、これらが単独あるいは混合して使用される。
これら導電材に触媒金属を担持させる方法としては、触媒金属を還元法により導電材(主に炭素材料の場合に使用)の表面に析出させる方法や、溶剤に触媒金属を懸濁させ、これを導電材表面に塗布する方法などがある。
膜/電極接合体は、ポリスルホンイミド系固体高分子電解質を固体高分子電解質膜作成に使用した溶媒に溶解させた溶液を電解質/触媒電極接合体に塗布し、固体高分子電解質膜と接合させることで作成する。ここで、用いる電解質/触媒電極接合体は必ずしもポリスルホンイミド系固体高分子電解質を用いた電解質/触媒電極接合体でなくとも構わない。しかし、固体高分子電解質は水に対して膨潤するため、異なる固体高分子電解質を接合させると固体高分子電解質と電解質/触媒電極接合体が離れる可能性があるため、固体高分子電解質膜に使用したポリスルホンイミド系固体高分子電解質を使用した電解質/触媒電極接合体と接合するのが好ましい。
燃料電池は、以上のように形成された膜/電極接合体の外側にセパレータと呼ばれる燃料流路もしくは酸化剤流路を形成する溝付きの集電体を配したものを単セルとし、この様な単セルを複数個、冷却板等を介して積層することにより構成される。燃料電池は高い温度で作動させる方が電極の触媒活性が上がり電極過電圧が減少するため望ましいが、電解質膜は水分がないと機能しないため、水分管理が可能な温度で作動させる必要がある。燃料電池の作動温度の好ましい範囲は室温〜100℃である。
以下実施例により本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、各物性の測定条件は次の通りである。
[イオン交換基当量重量測定]
イオン交換基当量重量測定しようとする本発明のポリスルホンイミド系高分子を密閉できるガラス容器中に精秤(a(グラム))し、そこに過剰量の塩化カルシウム水溶液を添加して一晩撹拌した。系内に発生した塩化水素を0.1Nの水酸化ナトリウム標準水溶液(力価f)にて、指示薬にフェノールフタレインを用いて滴定(b(ml))した。イオン交換基当量重量(g/mol)は下式より求めた。
イオン交換基当量重量=(1000×a)/(0.1×b×f)
[イオン伝導度測定]
本発明の固体高分子電解質膜を、電気化学インピーダンス測定装置(ソーラトロン製、SI1287)を用いて周波数0.1Hz〜65kHzの領域で2端子インピーダンス測定をし、イオン伝導度を測定した。なお、上記測定は水蒸気雰囲気下、75℃にて実施された。
[耐酸化性試験]
本発明の固体高分子電解質膜を、10%過酸化水素水10mlに硫酸鉄7水和物0.63mgを加えることからなる60℃に加熱したフェントン試薬(鉄40ppmを含む)に浸漬させ、固体高分子電解質膜がフェントン試薬に溶解するに至る時間を求めた。
[燃料電池単セル性能評価]
膜/電極接合体を評価セルに組み込み、燃料電池出力性能を評価した。反応ガスには、水素/酸素を用い、共に1気圧の圧力にて、70℃の水バブラーを通して加湿した後、評価セルに供給した。ガス流量は水素60ml/min、酸素40ml/min、セル温度は75℃とした。電池出力性能は、H201B充放電装置(北斗電工製)により評価した。
[実施例1]
(1)スルホブチル化ポリスルホンイミドの合成
p−クロロベンゼンスルホニルクロリド21.1g、p−クロロベンゼンスルホンアミド19.3g、トリエチルアミン20.2gをTHF30mlに溶解させた。60℃で5時間の攪拌後、水20mlを加えたところ、白色の沈殿物が生じた。生じた沈殿物をミキサーによる脱イオン水洗浄と吸引濾過による回収操作を3回繰り返した後、120℃にて一晩減圧乾燥した。
前述のスルホンイミド30.2gをジメチルアセトアミド(脱水)50mlに溶解させ、塩化ニッケル(無水)50mg、ビピリジン70mg、トリフェニルホスフィン3.8g、亜鉛8.7gを加え、80℃で8時間攪拌した。ろ過をして金属塩を除去した後、得られたジメチルアセトアミド溶液を濃縮した後、エタノールで洗浄することで白色物質を得た。ミキサーによる脱イオン水洗浄と吸引濾過による回収操作を繰り返した後、120℃にて一晩減圧乾燥した。
前述のポリスルホンイミド29.5gを200mlの1N水酸化ナトリウム水溶液に溶解させた。これを攪拌しながら、1,4−ブタンスルトン6.7g、エタノール20mlからなるブタンスルトン溶液を滴下した。70℃で3時間の攪拌後、反応溶液を1N塩酸溶液を滴下することでスルホブチル化ポリスルホンイミドを析出させ、濾過回収した。生じた沈殿物をミキサーによる脱イオン水洗浄と吸引濾過による回収操作を、濾液が中性になるまで繰り返した。得られたスルホブチル化ポリスルホンイミドのイオン交換基当量重量は1250g/molであった。
(2)固体高分子電解質膜の作製
前記(1)で得られた生成物を10重量%の濃度になるようにジメチルスルホキシドに溶解した。この溶液をドクターナイフによりガラス上に展開し、乾燥することで、膜厚40μmの固体高分子電解質膜を作成した。
(3)触媒電極層、膜/電極接合体、燃料電池の作製
40重量%の白金担持カーボンに、前記(2)の10重量%濃度のジメチルスルホキシド溶液を、白金担持カーボンと高分子電解質との重量比が2:1となるように添加し、均一に分散させてペースト(電極触媒被覆用溶液)を調整した。この電極触媒被覆用溶液を前記(2)で得られた電解質膜の両側に塗布した後、乾燥して白金担持量0.25mg/cmの膜/電極接合体を作製した。これを用いて、燃料電池単セル性能評価をしたところ40mWの出力を示した。
[実施例2]
(1)ベンゼンスルホン酸化ポリスルホンイミドの合成
スルファニル酸17.3g、炭酸カリウム41.4gを水300mlに溶解し、ここにp−クロロベンゼンスルホニルクロリド42.2gを加えた。70℃で10時間の攪拌後、白色の沈殿物が生じた。生じた沈殿物をミキサーによる脱イオン水洗浄と吸引濾過による回収操作を3回繰り返した後、120℃にて一晩減圧乾燥した。
前述のスルホンイミド45.1gをジメチルアセトアミド(脱水)50mlに溶解させ、塩化ニッケル(無水)50mg、ビピリジン70mg、トリフェニルホスフィン3.8g、亜鉛8.7gを加え、80℃で8時間攪拌した。ろ過をして金属塩を除去した後、得られたジメチルアセトアミド溶液を濃縮した後、エタノールで洗浄することで白色物質を得た。ミキサーによる脱イオン水洗浄と吸引濾過による回収操作を繰り返した後、120℃にて一晩減圧乾燥した。
得られたベンゼンスルホン酸化ポリスルホンイミドのイオン交換基当量重量は450g/molであった。
(2)電解質膜の作製
実施例1と同様にして、膜厚40μmの電解質膜を作成した。
(3)触媒電極層、膜/電極接合体、燃料電池の作製
実施例1と同様にして、白金担持量0.25mg/cmの膜/電極接合体を作製した。これを用いて、燃料電池単セル性能評価をしたところ40mWの出力を示した。
[比較例1]
(1)スルホン酸化ポリエーテルスルホンの合成
撹拌機、温度計、塩化カルシウム管を接続した還流冷却器をつけた500mlの四つ口丸底フラスコの内部を窒素置換した後、25gのポリエーテルスルホン(PES)(アモコエンジニアリングポリマー社製、レーデル)と濃硫酸125mlを入れた。窒素気流下、室温にて一晩撹拌して均一溶液とした。この溶液に、窒素気流下、撹拌しながら滴下漏斗より48mlのクロロ硫酸を滴下した。滴下開始後しばらくクロロ硫酸が濃硫酸中の水分と激しく反応して発泡するためゆっくりと滴下し、発泡が穏やかになった後は5分以内に滴下を終了させた。滴下終了後の反応溶液を25℃にて3.5時間撹拌してスルホン酸化した。次いで、反応溶液を15lの脱イオン水にゆっくりと滴下しでスルホン酸化ポリエーテルスルホンを析出させ、濾過回収した。析出した沈澱をミキサーによる脱イオン水洗浄と吸引濾過による回収操作を、濾液が中性になるまで繰り返した後、80℃にて一晩減圧乾燥した。
得られたスルホン酸化ポリエーテルスルホン電解質のイオン交換基当量重量は960g/molであった。
(2)電解質膜の作製
実施例1と同様にして、膜厚40μmの電解質膜を作成した。
以上の実施例1〜2、比較例1に関して、耐酸化性試験、イオン伝導度測定を行なった。この評価結果を表1に示す。
Figure 2005251409

Claims (8)

  1. 下記式(1)で表される構造を有する繰り返し単位を含む炭化水素系高分子を主鎖とし、側鎖にプロトン伝導性置換基を有する固体高分子電解質。
    Figure 2005251409
    (R、Rは芳香族及びその誘導体、アルキル基及びそれらの誘導体、少なくとも1つのふっ素原子を置換基として有するアルキル基及びそれらの誘導体からなる群から選ばれる基であって、R1、R2の少なくとも一方は芳香族及びその誘導体であり、またX、X2、X、Xは任意の基であって、X、X2、X、Xのいずれか1種はプロトン伝導性置換基である。)
  2. 該プロトン伝導性置換基が、スルホン酸基、ホスホン酸基、カルボン酸基、スルホンアミド基、スルホンイミド基、アルキルスルホン酸基、アルキルホスホン酸基、アルキルカルボン酸基からなる群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1に記載の固体高分子電解質。
  3. もしくはRが下記式(2)で表される芳香族基のいずれか1種類以上を含む基であることを特徴とする請求項1〜2に記載の固体高分子電解質。
    Figure 2005251409
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の固体高分子電解質からなる膜であることを特徴とする固体高分子電解質膜。
  5. 炭素材からなる導電材の表面に触媒金属の微粒子を担持させた触媒電極と、請求項1〜3のいずれか1項に記載の固体高分子電解質からなる電解質/触媒電極接合体。
  6. 請求項4に記載の固体高分子電解質膜と電解質/触媒電極接合体からなる膜/電極接合体。
  7. 請求項4に記載の固体高分子電解質膜と請求項5に記載の電解質/触媒電極接合体からなる膜/電極接合体。
  8. 請求項6または7に記載の膜/電極接合体を使用した燃料電池。
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JP2006342342A (ja) * 2005-05-13 2006-12-21 Toyota Central Res & Dev Lab Inc イオン伝導性ポリマ及びイミドモノマ
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