JP2006176666A - 新規スルホン酸基含有セグメント化ブロック共重合ポリマーおよびその用途 - Google Patents

新規スルホン酸基含有セグメント化ブロック共重合ポリマーおよびその用途 Download PDF

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Abstract

【課題】 既存のポリマーよりも優れたプロトン伝導性を示すだけでなく、高温、高湿度下における安定性にも優れているスルホン酸基含有セグメント化ブロック共重合ポリマー、組成物、成形物、燃料電池用プロトン交換膜および燃料電池を提供する。
【解決手段】 分子中にそれぞれ一つ以上の第1のセグメントと第2のセグメントを有するブロック共重合ポリマーであって、 第1のセグメントが下記化学式1;
Figure 2006176666

(式中、XはHまたは1価の陽イオンを、Yはスルホニル基またはカルボニル基を、Arは2価の芳香族基を、nは3〜50の整数を、それぞれ表す。)で表される構造で主に構成され、 かつ第2のセグメントが下記化学式2
Figure 2006176666

(式中、Arは電子吸引性基を有する2価の芳香族基を、mは3〜50の整数を、それぞれ表す。)で表される構造で主に構成されることを特徴とするスルホン酸基含有セグメント化ブロック共重合ポリマー。
【選択図】なし

Description

本発明は、新規構造のスルホン酸基含有セグメント化ブロック共重合ポリマー及びその用途に関する。さらには、該ポリマーを構成成分とする組成物、成形物、燃料電池用プロトン交換膜、燃料電池に関する。
高分子膜をプロトン交換膜に用いた固体高分子形燃料電池(PEFC)や直接メタノール型燃料電池(DMFC)は、可搬性があり、小型化が可能であることから、自動車、家庭用分散発電システム、携帯機器用電源への応用が進められている。現在、プロトン交換膜としては、米国デュポン社製ナフィオン(登録商標)に代表されるようなパーフルオロカーボンスルホン酸ポリマー膜が広く用いられている。
しかしながらこれらの膜は100℃以上で軟化するため、運転温度が80℃以下に制限されていた。運転温度をさらに上げると、エネルギー効率、装置の小型化、触媒活性の向上など、さまざまな利点があるため、より耐熱性の高いプロトン交換膜が求められている。
耐熱性プロトン交換膜として、ポリスルホンやポリエーテルケトンなどの耐熱性ポリマーを発煙硫酸などのスルホン化剤で処理して得られるスルホン化ポリマーはよく知られている(たとえば非特許文献1を参照)。しかしながら、一般的にスルホン化剤によるスルホン化反応の制御は困難である。そのため、スルホン化度が多すぎたり少なかったりしたりすることや、ポリマーの分解、不均一なスルホン化などが起こりやすいという問題があった。
そのため、スルホン酸基などの酸性基を有するモノマーから重合したポリマーをプロトン交換膜として用いることが検討されている(たとえば特許文献1を参照)。特許文献1にはプロトン伝導性ポリマーとして、4,4’−ジクロロジフェニルスルホン−3,3’−ジスルホン酸ソーダ、および4,4’−ジクロロジフェニルスルホンと4,4’−ビフェノールの反応で得られる共重合ポリマーが示されている。このポリマーを構成成分とするプロトン交換膜は、上記スルホン化剤を用いた場合のようなスルホン酸基の不均一性が少なく、スルホン酸基導入量及びポリマー分子量の制御が容易であった。しかしながら、燃料電池として実用化のためにはプロトン伝導性など様々な特性の改良が望まれている。
特性向上のための試みとして、スルホン酸基を有するセグメント化ブロック共重合ポリマーの検討が行われている。セグメント化ブロック共重合ポリマーには、親水性セグメントが相分離によって親水性ドメインを形成することでプロトン伝導性が向上することが期待されている。たとえば特許文献2では、スルホン化したポリエーテルスルホンセグメント化ブロック共重合ポリマーが記載されている。このポリマーを得る方法の一つは、スルホン化されやすいセグメントとされにくいセグメントとから構成されたブロックコポリマーのスルホン化である。しかしながらこの方法では各セグメント中のベンゼン環の電子密度の差によってスルホン化反応を局所的に行わせており、各セグメントのポリマー構造が制限されてしまうという欠点があった。また、エーテル基の酸素原子や、アルキル基などの電子供与性基が結合したベンゼン環は容易にスルホン化されるが、熱や加水分解などによる逆反応も起こりやすい。そのため、上記のポリマーではポリマー中のスルホン酸基の安定性が低いという問題もあった。また、このポリマーの用途として分離膜が挙げられているが、燃料電池用プロトン交換膜としての用途に関しては記載されていなかった。
また特許文献3には、特定の繰り返し単位を有するセグメント化ブロック共重合ポリマーをスルホン化して得られるポリマーを燃料電池のプロトン交換膜として用いることが記載されている。しかしながらこのポリマーも特許文献2のポリマーと同様にスルホン化に対する反応性の差を利用しているため、疎水性セグメントの構造は制限されてしまっていた。
他のスルホン化されたセグメント化ブロック共重合ポリマーの例としては特許文献4に記載されたポリマーを挙げることができる。特許文献4のポリマーはブロック移行部での主鎖の配列がブロック内部と同じであることが特徴であるが、それ故にポリマー構造も制限されてしまっていた。
さらに特許文献5においてもスルホン化ポリエーテルスルホンセグメント化ブロック共重合ポリマーを用いた燃料電池用プロトン交換膜が記載されている。
しかしながら、これらのスルホン化ブロック共重合ポリマーを燃料電池のプロトン交換膜として用いる場合、高温や高湿度下での安定性がいまだ十分でないという欠点を有していた。上述したようにスルホン化でポリマーに導入したスルホン酸基は安定性に乏しいので、燃料電池の使用条件である高温、高湿度の環境下で脱離しやすいという欠点がある。さらに、高温、高湿度下で親水性ドメインが大きく膨潤し、強度低下が著しいという欠点があった。これらの欠点はポリマー中の各セグメントの構造に由来するものであるが、従来のセグメント化ブロック共重合ポリマーでは、構造が限定されており、燃料電池用プロトン交換膜の材料としては最適化できていなかった。
米国特許出願公開第2002/0091225号明細書 特開昭63―258930号公報 特開2001−250567号公報 特開2001−278978号公報 特開2003−31232号公報 エフ ルフラノ(F. Lufrano)他3名著、「スルホネイテッド ポリスルホン アズ プロマイジング メンブランズ フォー ポリマー エレクトロライト フュエル セルズ」(Sulfonated Polysulfone as Promising Membranes for Polymer Electrolyte Fuel Cells)、ジャーナル オブ アプライド ポリマー サイエンス(Journal of AppLied Polymer Science)、(米国)、ジョン ワイリー アンド サンズ インク(John Wiley & Sons, Inc.)、2000年、77号、p.1250-1257
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、その目的とするところは、既存のポリマーよりも優れたプロトン伝導性を示すだけでなく、高温、高湿度下における安定性にも優れているスルホン酸基含有セグメント化ブロック共重合ポリマー、組成物、成形物、燃料電池用プロトン交換膜および燃料電池を提供することである。
本発明のスルホン酸基含有セグメント化ブロック共重合ポリマーは、分子中にそれぞれ一つ以上の第1のセグメントと第2のセグメントを有するブロック共重合ポリマーであって、第1のセグメントが下記化学式1;
Figure 2006176666
(式中、XはHまたは1価の陽イオンを、Yはスルホニル基またはカルボニル基を、Arは2価の芳香族基を、nは3〜50の整数を、それぞれ表す。)
で表される構造で主に構成され、かつ第2のセグメントが下記化学式2
Figure 2006176666
(式中、Arは電子吸引性基を有する2価の芳香族基を、mは3〜50の整数を、それぞれ表す。)
で表される構造で主に構成されることを特徴とする。
ここにおいて、Arは、下記化学式3〜6;
Figure 2006176666
で表される群より選ばれる1種以上の構造を有することが好ましい。
また本発明のスルホン酸基含有セグメント化ブロック共重合ポリマーは、Arが下記化学式7;
Figure 2006176666
、または、下記化学式8;
Figure 2006176666
で表される構造を有することが、好ましい。
また本発明のスルホン酸基含有セグメント化ブロック共重合ポリマーにおいて、n、mは25以下であることが好ましい。中でも、mは20以下であることがより好ましい。
本発明におけるポリマー中のスルホン酸基濃度は、0.7〜2.0meq/gの範囲であることが好ましい。
また本発明のスルホン酸基含有セグメント化ブロック共重合ポリマーにおいて、下記数式1で表されるブロック性指数<B>が0.7以下であることが、好ましい。
Figure 2006176666
(式中、nは第1のセグメントの平均連鎖長を、mは第2のセグメントの平均連鎖長を、それぞれ示す。)
また本発明は、上述した本発明のスルホン酸基含有セグメント化ブロック共重合ポリマーを含む組成物、成形物および燃料電池用プロトン交換膜も提供する。ここで本発明の燃料電池用プロトン交換膜は、80℃の水に浸漬した状態でX線小角散乱測定を行ったときに、散乱角2θが0.2°〜0.6°の領域に散乱ピークを有することが好ましい。
さらに本発明は、上述した本発明の燃料電池用プロトン交換膜を用いた燃料電池も提供する。
本発明のスルホン酸基含有セグメント化ブロック共重合ポリマーは、従来のスルホン化ブロック共重合ポリマーと比較すると、ポリマーの耐熱性と吸湿時の形態安定性、プロトン伝導性のいずれにおいても優れている。従来のスルホン化ブロック共重合ポリマーはいずれもこれらの特性が部分的に優れているがいずれもが優れているものはなかった。
また、本発明のスルホン酸基含有セグメント化ブロック共重合ポリマーは組成の同じランダム共重合ポリマーとは明らかに異なる構造を有することが、NMRスペクトルから容易に分かる。また、本発明のスルホン酸基含有セグメント化ブロック共重合ポリマーはブロック性の指数がランダム共重合ポリマーよりも小さいことで区別される。また、本発明のスルホン酸基含有セグメント化ブロック共重合ポリマーから得られるプロトン交換膜はランダム共重合ポリマーに比べて高いプロトン伝導性を有するため優れている。イオン交換容量が2以上では両者のプロトン伝導性はほとんど同じであるが、イオン交換容量の大きいランダム共重合ポリマーは吸湿時の形態安定性が不良であるのに対して、本発明のスルホン酸基含有セグメント化ブロック共重合ポリマーから得られるプロトン交換膜は優れた安定性を示した。
なお、本発明のスルホン酸基含有セグメント化ブロック共重合ポリマーから得られるプロトン交換膜は、小角X線散乱測定において明確な散乱ピークを示す。ランダム共重合ポリマーから得られたプロトン交換膜ではこのような散乱ピークは見られない。このことからも、本発明のスルホン酸基含有セグメント化ブロック共重合ポリマーから得られるプロトン交換膜はランダム共重合ポリマーから得られたプロトン交換膜とは明らかに異なる高次構造を有し、その構造によって優れた特性を示していると考えられる。
また、現在燃料電池のプロトン交換膜として広く用いられているナフィオン(登録商標)112は100℃以上で軟化してしまうのに対して、本発明におけるスルホン酸基含有セグメント化ブロック共重合ポリマーから得られるプロトン交換膜は、250℃まで軟化することがなく、優れた耐熱性を有することは動的粘弾性測定の結果より明らかである。さらに、本発明におけるスルホン酸基含有セグメント化ブロック共重合ポリマーから得られるプロトン交換膜は、ナフィオン(登録商標)112よりも高いプロトン伝導性を示すにもかかわらず、メタノール透過性はナフィオン(登録商標)112よりも抑制されており、ダイレクトメタノール型燃料電池に適したプロトン交換膜であることを示している。
本発明は、特定のセグメント構造を有するスルホン酸基含有セグメント化ブロック共重合ポリマー及びその用途に関する。本発明のスルホン酸基含有セグメント化ブロック共重合ポリマーは、スルホン酸基を有する第1のセグメントとスルホン酸基を有さない第2のセグメントを有する基本構造を備える。ここで、第1のセグメントは、スルホン酸基を有することにより全体としては親水性を示し、プロトン伝導性を発現するセグメントである。また第2のセグメントは、スルホン酸基を有しないことにより全体としては疎水性を示し、プロトン交換膜などの成形体が、吸水して膨潤した場合でも、強度や弾性率などの物理特性の低下を抑制し、ハンドリング性を向上させるセグメントである。
本発明におけるスルホン酸基含有セグメント化ブロック共重合ポリマーにおける第1のセグメントは、下記化学式1で表される構造から主として構成される。ここで、「主として構成される」とは、第1のセグメントにおいて本発明の効果を阻害しない範囲で下記化学式1で表される構造以外の構造を含んでいてもよいことを示す。本発明の優れた効果を発揮し得る観点からは、第1のセグメントは、下記化学式1で表される構造のみで構成されるのが好ましい。
Figure 2006176666
(式中、XはHまたは1価の陽イオンを、Yはスルホニル基またはカルボニル基を、Arは2価の芳香族基を、nは3〜50の整数を、それぞれ表す。)
プロトン交換膜として用いる場合には、上記化学式1中のXがHであるとプロトン伝導性が高くなるため好ましい。ポリマーを加工、成形する際には、XはNa、K、Liなど1価の金属イオンであると、ポリマーの安定性が高まり好ましい。またXはモノアミンなどの有機カチオンであってもよい。また上記化学式1中、Yがスルホニル基であると、ポリマーの溶媒への溶解性が高まる傾向にあり好ましい。
Ar1は、主として芳香族性の基から構成される公知の任意の2価の芳香族基であればよい。なお、本発明における「芳香族基」は、複素環基も包含するものとする。Ar1の好ましい例として、下記化学式8A〜8Nで表される群より選ばれる2価の芳香族基を挙げることができる。
Figure 2006176666
(式中、Rはメチル基を、pは0〜2の整数を、それぞれ表す。)
上記化学式8A〜8N中、pが1または2であるポリマーは高分子量のポリマーを得ることが困難な場合があるので、pは0が好ましい。これらの芳香族基の中でも化学式8A、8C、8G、8H、8I、8Mで表される構造がより好ましく、以下に示す化学式8A’または8B’で表される構造がさらに好ましく、化学式8A’で表される構造が最も好ましい。
Figure 2006176666
上記化学式1において、nは3〜50の整数である。nが3よりも小さいと、ランダム共重合ポリマーと同等の特性しか示さなくなる。またnが大きくなるとプロトン伝導性が向上するが、50よりも大きいとポリマーが水で膨潤しやすくなってしまったり、第2のセグメントとの反応性が低下したりしてしまう。また、より高分子量のブロック共重合ポリマーを得るためには、nは25以下であることが好ましい。なお、nの値は、後述する本発明の組成物、成形物、燃料電池用プロトン交換膜より、たとえば13C−NMRや1H−NMRを用いて、セグメントの末端部分に由来するシグナル積分値とセグメントの繰り返し部分に由来するシグナルの積分値の比から算出することで、確認することができる。
化学式1において、Yがスルホニル基またはカルボニル基といった電子吸引性の基であることにより、Yが結合したフェニル基の電子密度を小さくするので、スルホン酸基の脱離反応を抑制し、ポリマーの安定性を高めている。通常、ポリマーをスルホン化する場合には、電子密度が高い部分が優先的にスルホン化されるため、スルホン酸基を有さないブロックをスルホン化して化学式1の第1のセグメントを得ることは困難である。本発明の第1のセグメントは下記化学式9で表されるスルホン化モノマーを各種ビスチオフェノール類と反応させて合成することができる。
Figure 2006176666
化学式9において、XはHまたは1価の陽イオンを、Yはスルホニル基又はカルボニル基を、Qはハロゲン元素をそれぞれ表す。XはNaまたはKであることが、QはFまたはClであることがそれぞれ好ましい。
本発明のスルホン酸基含有セグメント化ブロック共重合ポリマーにおける第2のセグメントは、下記化学式2で表される構造から主として構成される。ここで、「主として構成される」とは、第2のセグメントにおいて本発明の効果を阻害しない範囲で下記化学式1で表される構造以外の構造を含んでいてもよいことを示す。本発明の優れた効果を発揮し得る観点からは、第2のセグメントは、下記化学式2で表される構造のみで構成されるのが好ましい。
Figure 2006176666
(式中、Ar2は電子吸引性基を有する2価の芳香族基を、mは3〜50の整数を、それぞれ表す。)
Ar2は、主として芳香族基からなり、Oが結合した芳香族基に電子吸引性基を有する2価の芳香族基を表す。電子吸引性基の例としてはスルホニル基、シアノ基、スルホキシド基、カルボニル基、ハロゲン、ニトロ基を挙げることができ、スルホニル基、カルボニル基またはシアノ基が好ましい。具体的な構造として、下記化学式10A〜10Gで表される構造を挙げることができる。
Figure 2006176666
これらの中でも化学式10A、10B、及び10Cで表される構造が好ましく、以下に示す化学式10A’、10A’’、10B’、10C’のいずれかで表される構造がより好ましく、10A’または10B’が最も好ましい。
Figure 2006176666
上記化学式2において、mは3〜50の整数である。mが3よりも小さいと、ランダム共重合ポリマーに対する改善効果が失われてしまう。またmが大きくなると膜形態の保持効果は大きくなるが、50よりも大きいと反応溶液の粘度が増大するので、第1のセグメントとの反応が困難になる。また、より高分子量のブロック共重合ポリマーを得るためには、mは25以下であるのが好ましく、mが20以下であるとセグメント間の反応性にも優れるためさらに好ましい。なお、mの値は、後述する本発明の組成物、成形物、燃料電池用プロトン交換膜より、たとえば13C−NMRや1H−NMRを用いて、セグメントの末端部分に由来するシグナル積分値とセグメントの繰り返し部分に由来するシグナルの積分値の比から算出することで、確認することができる。
化学式2において液晶性のビフェニレン基が形態の保持に大きく寄与している。化学式2で表される第2のセグメントは、4,4’−ビフェノールを、たとえば下記化学式11A〜11Dで表されるモノマーと反応させることで得ることができる。
Figure 2006176666
化学式11A〜11DにおいてQはハロゲン原子を表し、中でもFまたはClが好ましい。
本発明のセグメント化ブロック共重合ポリマーのイオン交換容量は、0.5〜2.5meq/gの範囲内であることが好ましい。イオン交換容量が0.5meq/g未満であると、プロトン伝導性が低くなりすぎる虞があるためであり、また2.5meq/gを超えると、吸水性が大きくなり過ぎて膨潤が大きくなりすぎる虞があるためである。イオン交換容量が0.7〜2.0meq/gの範囲内であると、プロトン伝導性や耐膨潤性などより好ましい特性を示すため、より好ましい。さらにイオン交換容量が0.7〜1.6meq/gの範囲内であると、メタノール透過性が小さいため、ダイレクトメタノール型燃料電池用プロトン交換膜に特に適する。なお、イオン交換容量は、たとえば、乾燥したサンプル100mgを、0.01NのNaOH水溶液50mLに浸漬し、25℃で一晩攪拌後、0.05NのHCl水溶液で中和滴定して得られた滴定量より、下記式にて算出することができる。
イオン交換容量[meq/g]=(10−滴定量[mL])/2
本発明のスルホン酸基含有セグメント化ブロック共重合ポリマーは、予め第1のセグメントと第2のセグメントとをそれぞれ合成しておき、その後両者を反応させて得ることもできるし、予め重合しておいた片方のセグメントを、もう片方のセグメントを重合した溶液に加えてさらに反応させて得ることもできる。その際、各セグメントの末端基同士を直接反応させてもよいし、各セグメントの末端基を同じにしておいて、鎖延長剤を用いて両者を反応させてもよい。
本発明のスルホン酸基含有セグメント化ブロック共重合ポリマー及び各セグメントを芳香族求核置換反応により重合する場合、芳香族ビスハライド化合物と、芳香族ビスフェノール類を塩基性化合物の存在下で反応させることで重合体を得ることができる。重合は、0〜350℃の温度範囲で行うことができるが、50〜250℃の温度であることが好ましい。0℃より低い場合には、十分に反応が進まない傾向にあり、350℃より高い場合には、ポリマーの分解も起こり始める傾向がある。
反応は、無溶媒下で行うこともできるが、溶媒中で行うことが好ましい。使用できる溶媒としては、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ジフェニルスルホン、スルホランなどを挙げることができるが、これらに限定されることはなく、芳香族求核置換反応において安定な溶媒として使用できるものであればよい。これらの有機溶媒は、単独でも2種以上の混合物として使用されても良い。
塩基性化合物としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等があげられるが、芳香族ジオール類を活性なフェノキシド構造になしうるものであれば、これらに限定されず使用することができる。副生物として生成する水は、トルエンなどの共沸溶媒と溜去して系外に除去したり、モレキュラーシーブなどの吸水材を使用したり、重合溶媒と共に溜去したりすることで除去することができる。
芳香族求核置換反応を溶媒中で行う場合、得られるポリマー濃度として5〜50重量%となるようにモノマーを仕込むことが好ましい。上記ポリマー濃度が5重量%よりも少ない場合には、重合度が上がりにくい傾向がある。一方、上記ポリマー濃度が50重量%よりも多い場合には、反応系の粘性が高くなりすぎ、反応物の後処理が困難になる傾向がある。重合反応終了後は、反応溶液より蒸発によって溶媒を除去し、必要に応じて残留物を除去することによって、所望のポリマーが得られる。また、反応溶液を、ポリマーの溶解度が低い溶媒(たとえば、水、アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン系溶媒、メタノール、エタノールなどのアルコール系溶媒など)中に加えることによって、ポリマーを固体として沈殿させ、沈殿物の濾取によりポリマーを得ることもできる。
各セグメントの連鎖長は重合に用いるモノマーのモル比によって調節することができる。また、各セグメントの末端基は重合で、どちらのモノマーを過剰にするかで決定することができる。セグメントの連鎖長は仕込み量からの計算値を用いることもできるが、NMRなどで定量することがより好ましい。セグメント同士を連結するには、各セグメントをマクロモノマーとして扱い、モノマーと同様にして反応することができる。
第1のセグメントは上記で示された範囲の構造であれば特に限定されないが、好ましい構造の例を化学式12A〜12Xに示す。
Figure 2006176666
第2のセグメントとして好ましい構造の例を化学式13A〜13Dに示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
Figure 2006176666
本発明のスルホン酸基含有セグメント化ブロック共重合ポリマー分子量を、0.5g/dLのN−メチル−2−ピロリドン溶液を30℃で測定したときの対数粘度で表すと、0.3以上であることが物理特性の面から好ましく、0.5以上であることがより好ましく、0.9以上であることがさらに好ましい。0.3未満であると物理特性が著しく低下するため好ましくない。対数粘度が3.0を超えるとポリマーを溶解した溶液の粘度が著しく高くなりすぎて取り扱いが困難になる恐れがある。
本発明のスルホン酸基含有セグメント化ブロック共重合ポリマーは、下記数式1で表されるブロック指数<B>が0.7以下であることが好ましい。
Figure 2006176666
(式中、nは第1のセグメントの平均連鎖長を、mは第2のセグメントの平均連鎖長を、それぞれ表す。)
ブロック指数<B>が0.7より大きいと、ランダム共重合ポリマーに対して、プロトン伝導性などの特性があまり改善されない虞がある。たとえば、全てのモノマーを一度に反応させて得られるランダム共重合ポリマーのブロック指数<B>は0.8〜1.0の範囲である。ブロック指数<B>が小さいほどプロトン伝導性などの特性が向上するが、ブロック指数<B>が余りに小さいものは合成が困難となることから、ブロック指数<B>は0.08以上であることが好ましい。
ブロック指数<B>を計算するために必要である第1のセグメントおよび第2のセグメントの平均連鎖長の値は、公知の任意の方法によって求めることができる。測定によって求める方法としては、NMR測定や、元素分析などを挙げることができる。NMRを用いる場合、たとえば、各ブロックにおける繰り返し部分のシグナルの積分値とブロック間の連結部分のシグナルの積分値から平均連鎖長を求めることができる。また、合成に用いた各ブロックを単独で分析して平均連鎖長を求めてそれぞれ用いることもできるし、各ブロックの合成におけるモノマーの仕込み量から計算によって求めることもできる。
本発明のスルホン酸基含有セグメント化ブロック共重合ポリマーは他の化合物を混合して組成物として用いることもできる。本発明は、このような本発明のスルホン酸基含有セグメント化ブロック共重合ポリマーを含む組成物も提供するものである。本発明の組成物において、スルホン酸基含有セグメント化ブロック共重合ポリマーに混合する化合物の例としては、リンタングステン酸、リンモリブデン酸などのヘテロポリ酸や、低分子のスルホン酸やホスホン酸、リン酸誘導体などの酸性化合物、ケイ酸化合物、ジルコニウムリン酸などの無機物などを挙げることができる。組成物中の無機物の含有量は50質量%未満であることが好ましい。無機物の含有量が50質量%以上であると成形性の物理特性が損なわれる虞があるためである。
さらに本発明の組成物は、スルホン酸基含有セグメント化ブロック共重合ポリマーに他のポリマーを混合したものであってもよい。これらのポリマーとしては、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどのポリエステル類、ナイロン6、ナイロン6,6、ナイロン6,10、ナイロン12などのポリアミド類、ポリメチルメタクリレート、ポリメタクリル酸エステル類、ポリメチルアクリレート、ポリアクリル酸エステル類などのアクリレート系樹脂、ポリアクリル酸系樹脂、ポリメタクリル酸系樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレンやジエン系ポリマーを含む各種ポリオレフィン、ポリウレタン系樹脂、酢酸セルロース、エチルセルロースなどのセルロース系樹脂、ポリアリレート、アラミド、ポリカーボネート、ポリフェニレンスルフィド、ポリフェニレンオキシド、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルイミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリベンズイミダゾール、ポリベンズオキサゾール、ポリベンズチアゾールなどの芳香族系ポリマー、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ノボラック樹脂、ベンゾオキサジン樹脂などの熱硬化性樹脂などが挙げられるが、特に制限はない。ポリベンズイミダゾールやポリビニルピリジンなどの塩基性ポリマーとの組成物は、ポリマー寸法性の向上のために好ましい組み合わせと言える。これらの塩基性ポリマー中に、さらにスルホン酸基を導入しておくと、組成物の加工性がより好ましいものとなる。
本発明の組成物において、スルホン酸基含有セグメント化ブロック共重合ポリマーは、組成物全体の50質量%以上100質量%未満含まれていることが好ましい。より好ましくは70質量%以上100質量%未満である。本発明のスルホン酸基含有セグメント化ブロック共重合ポリマーの含有量が組成物全体の50質量%未満の場合には、この組成物を含むプロトン交換膜のスルホン酸基濃度が低くなり良好なプロトン伝導性が得られない傾向にあり、また、スルホン酸基を含有するユニットが非連続相となり伝導するイオンの移動度が低下する傾向にある。なお、本発明の組成物は、必要に応じて、例えば酸化防止剤、熱安定剤、滑剤、粘着付与剤、可塑剤、架橋剤、粘度調整剤、静電気防止剤、抗菌剤、消泡剤、分散剤、重合禁止剤、などの各種添加剤を含んでいても良い。
本発明の組成物は、スルホン酸基含有セグメント化ブロック共重合ポリマーは適当な溶媒に溶解した溶液の形態であってもよい。溶媒としては、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、スルホラン、ジフェニルスルホン、N−メチル−2−ピロリドン、ヘキサメチルホスホンアミドなどの非プロトン性極性溶媒や、メタノール、エタノールなどのアルコール類から適切なものを選ぶことができるが、これらに限定されるものではない。これらの中でも、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミドなどに溶解することが好ましい。これらの溶媒は、可能な範囲で複数を混合して使用してもよい。溶液中の化合物濃度は0.1〜50質量%の範囲であることが好ましい。溶液中の化合物濃度が0.1質量%未満であると良好な成形物を得るのが困難となる傾向にあり、50質量%を超えると加工性が悪化する傾向にある。溶液に、前記した化合物などをさらに混合して使用してもよい。また、水や、水とメタノール、エタノール、プロパノール、ブタノールなどのアルコール類の混合物などの非溶媒に分散してもよい。
これらの本発明のスルホン酸基含有セグメント化ブロック共重合ポリマー組成物中のポリマーのスルホン酸基は、酸でも陽イオンとの塩であってもよいが、スルホン酸基の安定性の面からは陽イオンとの塩であることが好ましい。塩である場合、成形後など必要に応じて酸処理することで、酸へ変換することができる。
本発明のスルホン酸基含有セグメント化ブロック共重合ポリマーおよびその組成物は、押し出し、紡糸、圧延またはキャストなど任意の方法で繊維やフィルムなどの成形体とすることができる。中でも適当な溶媒に溶解した溶液から成形することが好ましい。本発明は、このように本発明のスルホン酸基含有セグメント化ブロック共重合ポリマーおよびその組成物を用いた成形物も提供するものである。
溶液から成形体を得る方法は従来から公知の方法を用いて行うことができる。たとえば、加熱、減圧乾燥、化合物を溶解する溶媒と混和することができる化合物非溶媒への浸漬等によって、溶媒を除去し成形体を得ることができる。溶媒が、有機溶媒の場合には、加熱又は減圧乾燥によって溶媒を留去させることが好ましい。この際、必要に応じて他の化合物と複合された形で繊維状、フィルム状、ペレット状、プレート状、ロッド状、パイプ状、ボール状、ブロック状などの様々な形状に成形することもできる。溶解挙動が類似する化合物と組み合わせた場合には、良好な成形ができる点で好ましい。このようにして得られた成形体中のスルホン酸基は陽イオンとの塩の形のものを含んでいても良いが、必要に応じて酸処理することによりフリーのスルホン酸基に変換することもできる。
本発明のスルホン酸基含有セグメント化ブロック共重合ポリマーおよびその組成物からイオン伝導膜を作製することもできる。イオン伝導膜は、本発明のスルホン酸基含有セグメント化ブロック共重合ポリマーだけでなく、多孔質膜、不織布、フィブリル、紙などの支持体との複合膜であってもよい。得られたイオン伝導膜は、燃料電池用のプロトン交換膜として用いることができ、本発明はこのような燃料電池用プロトン交換膜も提供するものである。
イオン伝導膜を成形する手法として最も好ましいのは、溶液からのキャストであり、キャストした溶液から上記のように溶媒を除去してイオン伝導膜を得ることができる。溶媒の除去は、乾燥によることがイオン伝導膜の均一性からは好ましい。また、化合物や溶媒の分解や変質を避けるため、減圧下でできるだけ低い温度で乾燥することもできる。また、溶液の粘度が高い場合には、基板や溶液を加熱して高温でキャストすると溶液の粘度が低下して容易にキャストすることができる。キャストする際の溶液の厚みは特に制限されないが、10〜1000μmであることが好ましい。より好ましくは50〜500μmである。溶液の厚みが10μmよりも薄いとイオン伝導膜としての形態を保てなくなる傾向にあり、1000μmよりも厚いと不均一なイオン伝導膜ができやすくなる傾向にある。溶液のキャスト厚を制御する方法は公知の方法を用いることができる。例えば、アプリケーター、ドクターブレードなどを用いて一定の厚みにしたり、ガラスシャーレなどを用いてキャスト面積を一定にしたりするなどして、溶液の量や濃度で厚みを制御することができる。キャストした溶液は、溶媒の除去速度を調整することでより均一な膜を得ることができる。例えば、加熱する場合には最初の段階では低温にして蒸発速度を下げたりすることができる。また、水などの非溶媒に浸漬する場合には、溶液を空気中や不活性ガス中に適当な時間放置しておくなどして化合物の凝固速度を調整することができる。
本発明のプロトン交換膜は目的に応じて任意の膜厚にすることができるが、プロトン伝導性の面からはできるだけ薄いことが好ましい。具体的には5〜200μmであることが好ましく、5〜100μmであることがさらに好ましく、20〜80μmであることが最も好ましい。プロトン交換膜の厚みが5μmより薄いとプロトン交換膜の取り扱いが困難となり燃料電池を作製した場合に短絡等が起こる傾向にあり、200μmよりも厚いとプロトン交換膜の電気抵抗値が高くなり燃料電池の発電性能が低下する傾向がある。
プロトン交換膜として使用する場合、膜中のスルホン酸基は金属塩になっているものを含んでいても良いが、適当な酸処理によりフリーのスルホン酸に変換することもできる。この場合、硫酸、塩酸、等の水溶液中に加熱下あるいは加熱せずに得られた膜を浸漬処理することで行うことも効果的である。また、プロトン交換膜のプロトン伝導率は1.0×10-3S/cm以上であることが好ましい。プロトン伝導率が1.0×10-3S/cm以上である場合には、そのプロトン交換膜を用いた燃料電池において良好な出力が得られる傾向にあるためである。なお、プロトン伝導率が1.0×10-3S/cm未満である場合には、燃料電池の出力低下が起こる傾向にある。
本発明の燃料電池用プロトン交換膜は、80℃の水に浸漬した状態でX線小角散乱測定を行ったときに、散乱角2θが0.2°〜0.6°の領域に散乱ピークを有することが好ましい。本発明のスルホン酸基含有セグメント化ブロック共重合ポリマーを適切な方法で製膜すると、第1のセグメントと第2のセグメントとが相分離した構造を形成するが、X線小角散乱での散乱角2θが0.2°〜0.6°の領域の散乱ピークはこの構造に由来するものである。通常のランダムポリマーでは含水状態でX線小角散乱測定を行っても、散乱ピークは観察できないか、観察できても極めて弱いものでしかない。これは、スルホン酸基がポリマー中にランダムに分布しているため、ドメインを形成していないか、もしくは形成していても大きさが均一でないためである。それに対して本発明のスルホン酸基含有セグメント化ブロック共重合ポリマーは第1のセグメントおよび第2のセグメントの大きさがそろっているので、容易に相分離構造を形成し、X線小角散乱において散乱ピークが観察される。
相分離構造を形成させるためには、通常、上記のような方法で製膜するだけでよいが、相分離を促進する目的で、水などの非溶媒をポリマー溶液中に加えて製膜することもできる。
また、上述した本発明のプロトン交換膜またはフィルム等を電極に設置することによって、本発明のプロトン交換膜またはフィルム等と電極との接合体を得ることができる。この接合体の作製方法としては、従来から公知の方法を用いて行うことができ、例えば、電極表面に接着剤を塗布しプロトン交換膜と電極とを接着する方法またはプロトン交換膜と電極とを加熱加圧する方法等がある。この中でもスルホン酸基含有ポリアリーレンエーテル系化合物およびその組成物を主成分とした接着剤を電極表面に塗布して接着する方法が好ましい。プロトン交換膜と電極との接着性が向上し、また、プロトン交換膜のプロトン伝導性を損なうことが少なくなると考えられるためである。
上述したプロトン交換膜またはフィルム等と電極との接合体を用いて、燃料電池を作製することもできる。本発明のプロトン交換膜またはフィルムなどの成形体は、耐熱性、加工性、プロトン伝導性に優れているため、高温での運転にも耐えることができ、作製が容易で、良好な出力を有する燃料電池を提供することができる。このような燃料電池も本発明の範囲に包含される。本発明のプロトン交換膜は、水素を燃料とする固体高分子形燃料電池(PEFC)の他にも、メタノール透過性が小さいため、メタノールを燃料とするメタノール直接型燃料電池(DMFC)にも適している。また、耐熱性やバリアー性に優れるため、メタノール、ガソリン、エーテルなどの炭化水素から改質器によって水素を取り出して用いるタイプの燃料電池にも適している。
<実施例>
以下本発明を、実施例を用いて具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されることはない。なお、各種測定は次のように行った。
<溶液粘度>
ポリマー粉末を0.5g/dLの濃度でN−メチル−2−ピロリドンに溶解し、30℃の恒温槽中でウベローデ型粘度計を用いて粘度測定を行い、対数粘度(ln[ta/tb])/cで評価した(taは試料溶液の落下秒数、tbは溶媒のみの落下秒数、cはポリマー濃度を表す)。
<イオン交換容量>
乾燥したサンプル100mgを、0.01NのNaOH水溶液50mLに浸漬し、25℃で一晩攪拌した。その後、0.05NのHCl水溶液で中和滴定した。中和滴定には、平沼産業(株)製、電位差滴定装置COMTITE−980を用いた。イオン交換当量は下記式で計算して求めた。
イオン交換容量[meq/g]=(10−滴定量[mL])/2
<プロトン伝導性>
自作測定用プローブ(ポリテトラフルオロエチレン製)上で短冊状膜試料の表面に白金線(直径:0.2mm)を押しあて、80℃95%RHの恒温・恒湿オーブン(株式会社ナガノ科学機械製作所、LH−20−01)中に試料を保持し、白金線間のインピーダンスをSOLARTRON社1250FREQUENCY RESPONSE ANALYSERにより測定した。極間距離を変化させて測定し、極間距離とC−Cプロットから見積もられる抵抗測定値をプロットした勾配から以下の式により膜と白金線間の接触抵抗をキャンセルした導電率を算出した。
導電率[S/cm]=1/膜幅[cm]×膜厚[cm]×抵抗極間勾配[Ω/cm]
<NMR測定>
サンプル40mgを溶媒に溶解し、VARIAN社製UNITY−500又はGEMINI−200を用いて40℃で測定を行った。溶媒には重ジメチルスルホキシドを用いた。
<耐熱性評価>
島津製作所製熱重量分析機TGA−50を用いて、約2mgのプロトン交換膜を、アルゴン雰囲気下100℃で10分間予備乾燥の後、10℃/分の速度で昇温して測定した。重量変化曲線の変曲点の温度を熱減量開始温度とした。プロトン交換膜はスルホン酸基が酸型のものを用いた。
<吸湿時の形態安定性>
プロトン交換膜を50℃の水中で一晩放置した後、取り出してハンドリング性を評価した。十分な強度を有しハンドリングの容易なものを○、膨潤は大きいが膜としての形態を保ち、何とかハンドリングできるものを△、膨潤が大きくハンドリングが困難なものを×で表した。
<X線小角散乱測定>
サンプルを5mm角に切り出し6枚重ねたものを十分な水とともに密閉セルに封入した。理学電気株式会社製Nano−Viewerを用い、80℃で80分間測定した。
<動的粘弾性の温度依存性測定>
UBM CO.,LTD製Rheogel−E4000を用い、昇温速度は2℃/分、周波数は10Hz、窒素雰囲気下40℃から250℃で、5mm幅の短冊状のサンプルを用い、10mmのチャック間距離で、0.1mmのひずみを与えて測定した。
<メタノール透過性>
25℃の室内において、二つのガラス水槽を、サンプルを隔膜として連結し、片方の水槽に5Mのメタノール水溶液、もう片方に蒸留水をそれぞれ入れ、蒸留水を入れた側のメタノール濃度を適当な時間ごとに定量した。メタノールの定量はガスクロマトグラフィー法で行い、あらかじめ所定の濃度のメタノール溶液を注入したときのピーク面積から作成した検量線を用いてメタノール濃度を算出した。得られたメタノール濃度を経過時間に対してプロットしたときの傾きから、以下の式によりメタノール透過係数を求めた。
メタノール透過速度(mmol・m-2・sec-1
=プロットの傾き(mmol・sec-1)÷膜面積(m2)×膜厚(m)
得られたポリマーからのプロトン交換膜の作製に関して以下に記す。
<プロトン交換膜の作製方法>
ポリマー(スルホン酸基が塩型のもの)2.0gをN−メチル−2−ピロリドン(略号:NMP)10mLに溶解し、アプリケーターを用いてガラス板上に250μmの厚みでキャストし、100℃で1時間、150℃で1時間加熱して乾燥した。その後、ガラス板を室温付近まで放冷し、膜ごと水につけて膜を剥離した。剥離した膜は純水に浸漬した後、1N硫酸に1時間浸漬して、スルホン酸基を酸型に変換し、純水で洗浄して遊離の硫酸を除き、風乾してプロトン交換膜を得た。
第1のセグメントおよび第2のセグメントの合成に関して以下に示す。
<合成例1:第2のセグメントA>
4,4−ジクロロジフェニルスルホン(略号:DCDPS)60.46g(210.5mmol)、4,4’−ビフェノール(略号:BP)37.24g(200.0mmol)、炭酸カリウム31.79g(230.0mmol)、NMP300mL、トルエン200mLを、窒素導入管、攪拌翼、ディーンスタークトラップ、温度計を取り付けた1000mL枝付きフラスコに入れ、オイルバス中で攪拌しつつ窒素気流下で加熱した。トルエンとの共沸による脱水を140℃で行なった後、トルエンをすべて留去した。その後、200℃に昇温し、15時間加熱した。続いて、室温まで冷却した溶液を3000mLの純水に注ぎ再沈させ、濾別し減圧乾燥して第2のセグメントAを得た。1H−NMR測定によるMnは5610、繰り返し単位の連鎖数は13.3だった。
<合成例2〜6:第2のセグメントB〜F>
モノマーおよびモル比を変更した他は合成例1と同様にして第2のセグメントを重合した。結果を表1に示す。
Figure 2006176666
(表1中、略号「BP」は4,4’−ビスフェノールを示し、略号「DCDPS」は4,4’−ジクロロジフェニルスルホンを示し、DCBNは2,6−ジクロロベンゾニトリルを示す。)
第2のセグメントA、E、FのH−NMRスペクトルとその帰属を図1〜3にそれぞれ示す。
<合成例7:第1のセグメントA>
4,4’−ジクロロジフェニルスルホン−3,3’−ジスルホン酸ソーダ(略号:S−DCDPS)30.169g(61.41mmol)、4,4’−ビスフェノール(略号:BP)8.577g(46.06mmol)、炭酸カリウム7.003g(50.67mmol)、N−メチル−2−ピロリドン(略号:NMP)60mL、トルエン40mLを、窒素導入管、攪拌翼、ディーンスタークトラップ、温度計を取り付けた200mL枝付きフラスコに入れ、オイルバス中で攪拌しつつ窒素気流下で加熱した。トルエンとの共沸による脱水を140℃で行なった後、トルエンをすべて留去した。その後、200℃に昇温し、16時間加熱した。続いて、室温まで冷却した溶液を60mLのNMPで希釈し、17G2ガラスフィルターで吸引濾過して生成した塩を除いた。得られた溶液を1Lのアセトンで再沈させ、濾別して減圧乾燥し第1のセグメントAを得た。結果を表2に示す。
合成例7の第1のセグメントAの1H−NMRスペクトルとその帰属を図4に示す。
<合成例8:第1のセグメントB>
S−DCDPSとBPのモル比を変更した他は合成例7と同様にして、第1のセグメントBを得た。結果を表2に示す。
Figure 2006176666
(表2中、略号「BP」は4,4’−ビフェノールを示し、略号「S−DCDPS」は3,3’−ジスルホン酸ナトリウム−4,4’−ジクロロジフェニルスルホンを示す。)
<実施例1>
S−DCDPS1.743g(3.55mmol)、BP0.745g(4.00mmol)、炭酸カリウム0.636g(4.60mmol)、NMP8mL、トルエン6mLを、窒素導入管、攪拌翼、ディーンスタークトラップ、温度計を取り付けた50mL枝付きフラスコに入れ、オイルバス中で攪拌しつつ窒素気流下で加熱した。トルエンとの共沸による脱水を140℃で行なった後、トルエンを全て留去した。その後、200℃に昇温し、14時間加熱した。溶液を室温まで冷却した後、12mLのNMPに溶解した第2のセグメントA2.534g(0.48mmol)を加え、200℃に加熱し8時間反応させ、1000mLの純水に注ぎ再沈させ、濾別し減圧乾燥してポリマーを得た。得られたポリマーから上記の方法によってプロトン交換膜を得た。得られたポリマーの1H−NMRスペクトルを図5に示す。
<実施例2>
S−DCDPS1.768g(3.60mmol)、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−シクロヘキサン(略号:BPCH)1.073g(4.00mmol)、炭酸カリウム0.636g(4.60mmol)、NMP12mL、トルエン10mLを、窒素導入管、攪拌翼、ディーンスタークトラップ、温度計を取り付けた50mL枝付きフラスコに入れ、オイルバス中で攪拌しつつ窒素気流下で加熱した。トルエンとの共沸による脱水を140℃で行った後、トルエンを全て留去した。その後、200℃に昇温し、14時間加熱した。溶液を室温まで冷却した後、12mLのNMPに溶解した第2のセグメントA2.242g(0.42mmol)を加え、200℃に加熱し8時間反応させ、1000mLの純水に注ぎ再沈させ、濾別し減圧乾燥してポリマーを得た。得られたポリマーから上記の方法によってプロトン交換膜を得た。得られたポリマーの1H−NMRスペクトルを図6に示す。
<実施例3>
S−DCDPS4.053g(8.25mmol)、BP1.862g(10.00mmol)、炭酸カリウム1.589g(11.50mmol)、NMP36mL、トルエン30mLを、窒素導入管、攪拌翼、ディーンスタークトラップ、温度計を取り付けた200mL枝付きフラスコに入れ、オイルバス中で攪拌しつつ窒素気流下で加熱した。トルエンとの共沸による脱水を140℃で行った後、トルエンを全て留去した。その後、200℃に昇温し、8時間加熱した。溶液を室温まで冷却した後、第2のセグメントB4.340g(1.75mmol)を加え、200℃も加熱し10時間反応させ、1000mLの純水に注ぎ再沈させ、濾別し減圧乾燥してポリマーを得た。得られたポリマーから上記の方法によってプロトン交換膜を得た。
<実施例4>
S−DCDPS2.987g(6.08mmol)、BP1.304g(7.00mmol)、炭酸カリウム1.113g(8.05mmol)、NMP24mL、トルエン20mLを、窒素導入管、攪拌翼、ディーンスタークトラップ、温度計を取り付けた200mL枝付きフラスコに入れ。オイルバス中で攪拌しつつ窒素気流下で加熱した。トルエンとの共沸による脱水を140℃で行った後、トルエンを全て留去した。その後、200℃に昇温し、8時間加熱した。溶液を室温まで冷却した後、第2のセグメントB2.279g(0.92mmol)を加え、200℃に加熱し10時間反応させ、1000mLの純水に注ぎ再沈させ、濾別し減圧乾燥してポリマーを得た。得られたポリマーから上記の方法によってプロトン交換膜を得た。
<実施例5>
S−DCDPS4.809g(9.79mmol)、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン(略号:BPF)3.504g(10.00mmol)、炭酸カリウム1.589g(11.50mmol)、NMP40mL、トルエン35mLを、窒素導入管、攪拌翼、ディーンスタークトラップ、温度計を取り付けた200mL枝付きフラスコに入れ、オイルバス中で攪拌しつつ窒素気流下で加熱した。トルエンとの共沸による脱水を140℃で行った後、トルエンを全て留去した。その後、200℃に昇温し、8時間加熱した。溶液を室温まで冷却した後、第2のセグメントC3.664g(0.21mmol)を加え、200℃に加熱し12時間反応させ、1000mLの純水に注ぎ再沈させ、濾別し減圧乾燥してポリマーを得た。得られたポリマーの1H−NMRスペクトルを図7に示す。得られたポリマーについてNMRによってブロック性指数を求めた。サンプル40mgを0.7mLの重DMSOに溶解し、VARIAN社製UNITY−500を用いて13C−NMRを測定した。得られたポリマーの13C−NMRスペクトルを図8に示す。ブロック単体および二次元NMRにより各シグナルを帰属し、ビスフェノール由来の酸素原子が結合したC原子のシグナルについて、それぞれブロック内の繰り返し部分と、ブロック間の移行部分のシグナルが検出していることを確認し、積分値を求めた。結果を表3に示す。
Figure 2006176666
これより第1のセグメントおよび第2のセグメントの平均連鎖長はそれぞれ7.2、20.6と求められ、ブロック性指数<B>は0.19となった。
得られたポリマーから上記の方法によってプロトン交換膜を得た。得られたプロトン交換膜について、理学電気株式会社製Nano−Viewer X線回折装置を用いて小角X線散乱測定を行った。サンプルは密閉できるセルに十分な量の水と共に封入し、80℃で8時間測定を行ったところ、散乱角2θが0.36°の付近に散乱ピークが認められた。散乱曲線を図9に示す。
<実施例6>
第2のセグメントF2.067g(2.00mmol)、第1のセグメントB7.088g(2.00mmol)、炭酸カリウム0.318g(2.30mmol)、NMP10mL、トルエン8mLを、窒素導入管、攪拌翼、ディーンスタークトラップ、温度計を取り付けた50mL枝付きフラスコに入れ、オイルバス中で攪拌しつつ窒素気流中で加熱した。トルエンとの共沸による脱水を140℃で行った後、トルエンを全て留去した。その後、200℃に昇温し、15時間加熱した。溶液を室温まで冷却した後、1000mLの純水に注ぎ再沈させ、濾別し減圧乾燥してポリマーを得た。得られたポリマーから上記の方法によってプロトン交換膜を得た。得られたポリマーの1H−NMRスペクトルを図10に示す。
<実施例7>
第2のセグメントF2.584g(2.50mmol)、第1のセグメントA6.064g(2.50mmol)、炭酸カリウム0.380g(2.75mmol)、NMP10mL、トルエン8mLを、窒素導入管、攪拌翼、ディーンスタークトラップ、温度計を取り付けた100mL枝付きフラスコに入れ、オイルバス中で攪拌しつつ窒素気流下で加熱した。トルエンとの共沸による脱水を140℃で行った後、トルエンを全て留去した。その後、200℃に昇温し、16時間加熱した。溶液を室温まで冷却した後、1000mLの純水に注ぎ再沈させ、濾別し減圧乾燥してポリマーを得た。得られたポリマーから上記の方法によってプロトン交換膜を得た。
<比較合成例1:第2のセグメントG>
DCDPS5.743g(20.00mmol)、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン(略号:DHDPS)5.506g(22.00mmol)、炭酸カリウム3.18g(23.00mmol)、NMP30mL、トルエン20mLを、窒素導入管、攪拌翼、ディーンスタークトラップ、温度計を取り付けた200mL枝付きフラスコに入れ、オイルバス中で攪拌しつつ窒素気流下で加熱した。トルエンとの共沸による脱水を140℃で行なった後、トルエンをすべて留去した。その後、204℃に昇温し、24時間加熱した。続いて、室温まで冷却した溶液を1000mLの純水に注ぎ再沈させ、濾別し減圧乾燥して第2のセグメントGを得た。
<比較合成例2:第1のセグメントC>
DCDPS5.944g(20.70mmol)、ハイドロキノンスルホン酸カリウム塩4.565g(20.00mmol)、NMP30mL、トルエン20mLを、窒素導入管、攪拌翼、ディーンスタークトラップ、温度計を取り付けた200mL枝付きフラスコに入れ、オイルバス中で攪拌しつつ窒素気流下で加熱した。トルエンとの共沸による脱水を140℃で行なった後、トルエンをすべて留去した。その後、204℃に昇温し、24時間加熱した。続いて、室温まで冷却した溶液を20mLのNMPで希釈し、17G2ガラスフィルターで濾過して塩を除き、1000mLのアセトンで再沈させた。得られた沈殿を濾別し、減圧乾燥して、第1のセグメントCを得た。
比較合成例1及び2の結果を表4に示す。
Figure 2006176666
(表4中、略号「DCDPS」は4,4’−ジクロロジフェニルスルホンを示し、略号「DHDPS」は4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホンを示し、略号「SHQ」はハイドロキノンスルホン酸カリウム塩を示す。)
<比較例1>
第2のセグメントE3.060g(1.00mmol)、第2のセグメントH4.410g(1.00mmol)、炭酸カリウム0.159g(1.15mmol)、NMP10mL、トルエン8mLを、窒素導入管、攪拌翼、ディーンスタークトラップ、温度計を取り付けた100mL枝付きフラスコに入れ、オイルバス中で攪拌しつつ窒素気流下で加熱した。トルエンとの共沸による脱水を140℃で行なった後、トルエンをすべて留去した。その後、200℃に昇温し、16時間加熱した。溶液を室温まで冷却した後、1000mLの純水に注ぎ再沈させ、濾別し減圧乾燥してポリマーを得た。得られたポリマーを98%硫酸200mLに溶解し室温で24時間攪拌してスルホン化を行った。反応終了後、溶液を5Lの純水で再沈し、濾過、洗浄、減圧乾燥してスルホン化ポリマーを得た。得られたポリマーから上記の方法によってプロトン交換膜を得た。
<比較例2>
S−DCDPS4.913g(10.00mmol)、BP2.048g(11.00mmol)、炭酸カリウム1.590g(11.50mmol)、NMP40mL、トルエン35mLを、窒素導入管、攪拌翼、ディーンスタークトラップ、温度計を取り付けた200mL枝付きフラスコに入れ、オイルバス中で攪拌しつつ窒素気流下で加熱した。トルエンとの共沸による脱水を140℃で行なった後、トルエンをすべて留去した。その後、200℃に昇温し、13時間加熱した。溶液を室温まで冷却した後、第2のセグメントG4.410g(1.00mmol)を加え、200℃に加熱し13時間反応させ、1000mLの純水に注ぎ再沈させ、濾別し減圧乾燥してポリマーを得た。得られたポリマーから上記の方法によってプロトン交換膜を得た。
<比較例3>
第1のセグメントC12.40g(1.00mmol)、第2のセグメントE3.060g(1.00mmol)、炭酸カリウム0.159g(1.15mmol)、NMP10mL、トルエン8mLを、窒素導入管、攪拌翼、ディーンスタークトラップ、温度計を取り付けた100mL枝付きフラスコに入れ、オイルバス中で攪拌しつつ窒素気流下で加熱した。トルエンとの共沸による脱水を140℃で行なった後、トルエンをすべて留去した。その後、200℃に昇温し、16時間加熱した。溶液を室温まで冷却した後、1000mLの純水に注ぎ再沈させ、濾別し減圧乾燥してポリマーを得た。得られたポリマーから上記の方法によってプロトン交換膜を得た。
<比較例4>
S−DCDPS1.474g(3.00mmol)、DCDPS2.010g(7.00mmol)、BP1.862g(10.00mmol)、炭酸カリウム1.590g(11.50mmol)、NMP10mL、トルエン8mLを、窒素導入管、攪拌翼、ディーンスタークトラップ、温度計を取り付けた100mL枝付きフラスコに入れ、オイルバス中で攪拌しつつ窒素気流下で加熱した。トルエンとの共沸による脱水を140℃で行なった後、トルエンをすべて留去した。その後、200℃に昇温し、16時間加熱した。溶液を室温まで冷却した後、1000mLの純水に注ぎ再沈させ、濾別し減圧乾燥してポリマーを得た。得られたポリマーから上記の方法によってプロトン交換膜を得た。
<比較例5>
S−DCDPSの量を1.965g(4.00mmol)、DCDPSの量を1.723g(6.00mmol)に変更した他は、すべて比較例4と同様にして、ポリマーおよびプロトン交換膜を得た。13C−NMRによって第1のセグメントおよび第2のセグメントの平均連鎖長を求めたところ、それぞれ1.7、3.0となり、ブロック性指数<B>は0.92だった。また、得られたプロトン交換膜の小角X線散乱測定を行ったところ、散乱角2θが0.9°付近に弱いピークがあるだけで、0.2°〜0.6°の領域に明確な散乱ピークは認められなかった。ポリマーのH−NMRスペクトルを図11に、13C−NMRスペクトルを図12に、得られたプロトン交換膜の小角X線散乱測定の散乱曲線を図13に、それぞれ示す。
<比較例6>
S−DCDPSの量を2.456g(5.00mmol)、DCDPSの量を1.436g(5.00mmol)に変更した他は、すべて比較例4と同様にして、ポリマーおよびプロトン交換膜を得た。
<比較例7>
S−DCDPSの量を2.948g(6.00mmol)、DCDPSの量を1.149g(4.00mmol)に変更した他は、すべて比較例4と同様にして、ポリマーおよびプロトン交換膜を得た。
<比較例8>
S−DCDPS2.162g(4.40mmol)、2,6−ジクロロベンゾニトリル(略号:DCBN)0.929g(5.60mmol)、BP1.862g(10.00mmol)、炭酸カリウム1.590g(11.50mmol)、NMP10mL、トルエン8mLを、窒素導入管、攪拌翼、ディーンスタークトラップ、温度計を取り付けた100mL枝付きフラスコに入れ、オイルバス中で攪拌しつつ窒素気流下で加熱した。トルエンとの共沸による脱水を140℃で行なった後、トルエンをすべて留去した。その後、200℃に昇温し、8時間加熱した。溶液を室温まで冷却した後、1000mLの純水に注ぎ再沈させ、濾別し減圧乾燥してポリマーを得た。得られたポリマーから上記の方法によってプロトン交換膜を得た。得られたポリマーの1H−NMRスペクトルを図15に示す。
<比較例9>
BPの代わりに、BPF3.504g(10.00mmol)を用いた他は、すべて比較例6と同様にしてポリマー及びプロトン交換膜を得た。実施例5と同様にして13C−NMRによって第1のセグメントおよび第2のセグメントの平均連鎖長を求めたところ、それぞれ2.1、2.1となり、ブロック性指数<B>は0.95だった。また、得られたプロトン交換膜の小角X線散乱測定を行ったところ、散乱ピークは全く認められなかった。得られたポリマーの1H−NMRスペクトルを図16に、得られたプロトン交換膜の小角X線散乱測定の散乱曲線を図17にそれぞれ示す。
以上の実施例および比較例のポリマーおよびプロトン交換膜について各種評価を行った。結果を表5に示す。
Figure 2006176666
表5における第1のセグメントの化学構造式を化学式14−1〜5に、第2のセグメントの化学構造式を化学式15−1〜3に、比較例のランダムポリマーの化学構造式を化学式16−1〜3にそれぞれ示す。
Figure 2006176666
Figure 2006176666
Figure 2006176666
実施例5で得られたプロトン交換膜及び、公知のプロトン交換膜ナフィオン(登録商標)112について動的粘弾性の温度依存性を測定した。昇温速度は2℃/分、周波数は10Hz、窒素雰囲気下で40℃から250℃まで測定した。結果を図18および図19に示す。
実施例5で得られたプロトン交換膜および、公知のプロトン交換膜ナフィオン(登録商標)112についてメタノール透過係数を測定したところ、メタノール透過係数は、それぞれ0.32、0.41μmol・sec・m-2であった。
また図20には、本発明のスルホン酸基含有セグメント化ブロック共重合ポリマーおよび比較例のランダムポリマーから得られたプロトン交換膜のプロトン伝導性を示す。公知のプロトン交換膜ナフィオン(登録商標)112についてプロトン伝導性を測定したところ、導電率は0.18S/cmであった。
今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
合成例1で得られた第2のセグメントAの重クロロホルム中で測定した1H−NMRスペクトルを示す。 合成例5で得られた第2のセグメントEの重クロロホルム中で測定した1H−NMRスペクトルを示す。 合成例6で得られた第2のセグメントFの重N,N−ジメチルホルムアミド中で測定した1H−NMRスペクトルを示す。 合成例7で得られた第1のセグメントBの重ジメチルスルホキシド中で測定した1H−NMRスペクトルを示す。 実施例1で得られた本発明のスルホン酸基含有セグメント化ブロック共重合ポリマーのジメチルスルホキシド中で測定した1H−NMRスペクトルを示す。 実施例2で得られた本発明のスルホン酸基含有セグメント化ブロック共重合ポリマーのジメチルスルホキシド中で測定した1H−NMRスペクトルを示す。 実施例5で得られた本発明のスルホン酸基含有セグメント化ブロック共重合ポリマーのジメチルスルホキシド中で測定した1H−NMRスペクトルを示す。 実施例5で得られた本発明のスルホン酸基含有セグメント化ブロック共重合ポリマーのジメチルスルホキシド中で測定した13C−NMRスペクトルを示す。 実施例5で得られたプロトン交換膜の小角X線散乱測定の散乱曲線を示す。 実施例8で得られた本発明のスルホン酸基含有セグメント化ブロック共重合ポリマーのジメチルスルホキシド中で測定した1H−NMRスペクトルを示す。 比較例5で得られたポリマーのジメチルスルホキシド中で測定した1H−NMRスペクトルを示す。 比較例5で得られたポリマーのジメチルスルホキシド中で測定した13C−NMRスペクトルを示す。 比較例5で得られたプロトン交換膜の小角X線散乱測定の散乱曲線を示す。 比較例6で得られたポリマーのジメチルスルホキシド中で測定した13C−NMRスペクトルを示す。 比較例8で得られたポリマーのジメチルスルホキシド中で測定した1H−NMRスペクトルを示す。 比較例9で得られたポリマーのジメチルスルホキシド中で測定した1H−NMRスペクトルを示す。 比較例9で得られたプロトン交換膜の小角X線散乱測定の散乱曲線を示す。 本発明の実施例7で得られたプロトン交換膜の動的粘弾性の温度依存性を示す。 ナフィオン(登録商標)112の動的粘弾性の温度依存性を示す。 本発明のスルホン酸基含有セグメント化ブロック共重合ポリマーおよび比較例のランダムポリマーから得られたプロトン交換膜のプロトン伝導性を示す。

Claims (13)

  1. 分子中にそれぞれ一つ以上の第1のセグメントと第2のセグメントを有するブロック共重合ポリマーであって、
    第1のセグメントが下記化学式1;
    Figure 2006176666
    (式中、XはHまたは1価の陽イオンを、Yはスルホニル基またはカルボニル基を、Arは2価の芳香族基を、nは3〜50の整数を、それぞれ表す。)
    で表される構造で主に構成され、
    かつ第2のセグメントが下記化学式2
    Figure 2006176666
    (式中、Arは電子吸引性基を有する2価の芳香族基を、mは3〜50の整数を、それぞれ表す。)
    で表される構造で主に構成されることを特徴とするスルホン酸基含有セグメント化ブロック共重合ポリマー。
  2. Arが下記化学式3〜6;
    Figure 2006176666
    で表される群より選ばれる1種以上の構造を有することを特徴とする請求項1に記載のスルホン酸基含有セグメント化ブロック共重合ポリマー。
  3. Arが下記化学式7;
    Figure 2006176666
    で表される構造を有することを特徴とする請求項1または2に記載のスルホン酸基含有セグメント化ブロック共重合ポリマー。
  4. Arが下記化学式8;
    Figure 2006176666
    で表される構造を有することを特徴とする請求項1または2に記載のスルホン酸基含有セグメント化ブロック共重合ポリマー。
  5. n、mが25以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のスルホン酸基含有セグメント化ブロック共重合ポリマー。
  6. mが20以下であることを特徴とする請求項5に記載のスルホン酸基含有セグメント化ブロック共重合ポリマー。
  7. ポリマー中のスルホン酸基濃度が0.7〜2.0meq/gの範囲であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のスルホン酸基含有セグメント化ブロック共重合ポリマー。
  8. 下記数式1で表されるブロック性指数<B>が0.7以下であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のスルホン酸基含有セグメント化ブロック共重合ポリマー。
    Figure 2006176666
    (式中、nは第1のセグメントの平均連鎖長を、mは第2のセグメントの平均連鎖長を、それぞれ示す。)
  9. 請求項1〜8のいずれかに記載のスルホン酸基含有セグメント化ブロック共重合ポリマーを含む組成物。
  10. 請求項1〜8のいずれかに記載のスルホン酸基含有セグメント化ブロック共重合ポリマーを含む成形物。
  11. 請求項1〜8のいずれかに記載のスルホン酸基含有セグメント化ブロック共重合ポリマーを含む燃料電池用プロトン交換膜。
  12. 80℃の水に浸漬した状態でX線小角散乱測定を行ったときに、散乱角2θが0.2°〜0.6°の領域に散乱ピークを有することを特徴とする請求項11に記載の燃料電池用プロトン交換膜。
  13. 請求項11または12に記載の燃料電池用プロトン交換膜を用いた燃料電池。
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