JP2002294088A - スルホン化ポリマー組成物、その製造方法、およびプロトン伝導材料 - Google Patents

スルホン化ポリマー組成物、その製造方法、およびプロトン伝導材料

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JP2002294088A
JP2002294088A JP2001099524A JP2001099524A JP2002294088A JP 2002294088 A JP2002294088 A JP 2002294088A JP 2001099524 A JP2001099524 A JP 2001099524A JP 2001099524 A JP2001099524 A JP 2001099524A JP 2002294088 A JP2002294088 A JP 2002294088A
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JP2001099524A
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Kohei Goto
幸平 後藤
Koichi Onoe
浩一 尾上
Fusazumi Masaka
房澄 真坂
Yuji Naito
雄二 内藤
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JSR Corp
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
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  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 プロトン伝導性を損なうことなく、スルホン
化芳香族ポリマーのみからなる膜に比べて引張強度、破
断伸び、弾性率などの機械的性質や化学耐性を改善した
フィルム(プロトン伝導材料)を提供する。 【解決手段】 (A)スルホン化芳香族ポリマー100
重量部に対し、(B)共役ジエン−芳香族ビニル共重合
体水添物のスルホン化物3〜40重量部、および(C)
必要量の有機溶媒を主成分とするスルホン化ポリマー組
成物、ならびに、この組成物を流延・乾燥して得られる
フィルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、スルホン化ポリマ
ー組成物、さらに詳細には、一次電池用電解質、二次電
池用電解質、燃料電池用高分子固体電解質、表示素子、
各種センサー、信号伝達媒体、固体コンデンサー、イオ
ン交換膜などに利用可能なプロトン伝導膜に有用なスル
ホン化ポリマー組成物、その製造方法、およびこの組成
物を用いたプロトン伝導材料に関する。
【0002】
【従来の技術】電解質は、通常、(水)溶液で用いられ
ることが多い。しかし、近年、これを固体系に置き替え
ていく傾向が高まってきている。その第1の理由として
は、例えば、上記の電気・電子材料に応用する場合のプ
ロセッシングの容易さであり、第2の理由としては、軽
薄短小・高電力化への移行である。従来、プロトン伝導
性材料としては、無機物からなるもの、有機物からなる
ものの両方が知られている。無機物の例としては、例え
ば水和化合物であるリン酸ウラニルが挙げられるが、こ
れら無機化合物は界面での接触が充分でなく、伝導層を
基板あるいは電極上に形成するには問題が多い。
【0003】一方、有機化合物の例としては、いわゆる
陽イオン交換樹脂に属するポリマー、例えばポリスチレ
ンスルホン酸などのビニル系ポリマーのスルホン化物、
ナフィオン(デュポン社製)を代表とするパーフルオロ
アルキルスルホン酸ポリマー、パーフルオロアルキルカ
ルボン酸ポリマーや、ポリベンズイミダゾール、ポリエ
ーテルエーテルケトンなどの耐熱性高分子にスルホン酸
基やリン酸基を導入したポリマー〔Polymer P
reprints,Japan,Vol.42,No.
7,p.2490〜2492(1993)、Polym
er Preprints,Japan,Vol.4
3,No.3,p.735〜736(1994)、Po
lymer Preprints,Japan,Vo
l.42,No.3,p730(1993)〕などの有
機系ポリマーが挙げられる。
【0004】これら有機系ポリマーは、通常、フィルム
状で用いられるが、溶媒に可溶性であること、または熱
可塑性であることを利用し、電極上に伝導膜を接合加工
できる。しかしながら、これら有機系ポリマーの多く
は、プロトン伝導性がまだ充分でないことに加え、耐久
性や高温(100℃以上)でプロトン伝導性が低下して
しまうことや、湿度条件下の依存性が大きいこと、ある
いは電極との密着性が充分満足のいくものとはいえなか
ったり、含水ポリマー構造に起因する稼働中の過度の膨
潤による強度の低下や形状の崩壊に至るという問題があ
る。したがって、これらの有機ポリマーは、上記の電気
・電子材料などに応用するには種々問題がある。
【0005】さらに、米国特許第5,403,675号
明細書では、スルホン化された剛直ポリフェニレンから
なる固体高分子電解質が提案されている。このポリマー
は、芳香族化合物を重合して得られるフェニレン連鎖か
らなるポリマー(同明細書カラム9記載の構造)を主成
分とし、これをスルホン化剤と反応させてスルホン酸基
を導入している。しかしながら、スルホン酸基の導入量
の増加によって、プロトン伝導度も向上するものの、得
られるスルホン化ポリマーの機械的性質を著しく損なう
結果となる。そのため、優れた機械的性質を維持し、か
つプロトン伝導性を発現する適正なスルホン化濃度を調
整する必要がある。実際、このポリマーでは、スルホン
化が進行しすぎて、適正なスルホン酸基の導入量を制御
するのは非常に困難である。
【0006】一方、ポリエーテル系のスルホン化物とし
て、主鎖の芳香環にスルホン酸基を導入したスルホン化
ポリエーテルケトンとその高分子電解質の応用が既に知
られている(特開平6−49202号公報、特表平11
−502245号公報、特表平11−502249号公
報)。しかしながら、これらのスルホン化を調製する方
法では、 (1)主鎖の芳香環の反応性は低いために濃硫酸ではス
ルホン化が進行せず、そのためスルホン化の反応系にお
いては濃硫酸にさらに無水硫酸を加えた条件の厳しい反
応方法を選択する必要があること。 (2)主鎖にスルホン酸基を導入するため、導入スルホ
ン酸基量に制限があり、プロトン伝導膜の高性能化に限
界があること。 (3)主鎖にスルホン酸基を多く導入出来る化学構造と
しても、スルホン酸基の導入によって、主鎖の分子運動
が抑制されるため、その結果、スルホン酸基濃度の高い
スルホン化重合体からなる伝導膜は脆性的な材料とな
り、加工性に制限が生じる可能性がある。
【0007】さらに、伝導性付与のために、ポリアリー
レンなどの剛直な(脆性的な)芳香族系ポリマーにスル
ホン酸基を導入すると、得られるスルホン化ポリマーも
脆性的なフィルムになる。脆性的なフィルムは、加工性
に問題があり、加工条件が限定されるので、燃料電池の
組み込みの歩留まりが低いことに繋がる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、得られるフ
ィルムなどのプロトン伝導材料のプロトン伝導性を損な
うことなく、引張強度、破断伸び、弾性率などの機械的
性質や化学耐性が改良されたスルホン化ポリマー組成物
を提供することをその目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は(A)スルホン
化芳香族ポリマー[ただし、下記(B)成分を除く]、
(B)共役ジエン−芳香族ビニル化合物共重合体水添物
のスルホン化物、および(C)有機溶剤を含有すること
を特徴とするスルホン化ポリマー組成物に関する。上記
(A)スルホン化芳香族ポリマーとしては、ポリアリーレ
ンエーテルのスルホン化物およびポリアリーレンのスル
ホン化物もしくはいずれか一方が挙げられる。また、
(B)成分において、共役ジエン−芳香族ビニル化合物
共重合体は、ブロック共重合体であることが好ましい。
本発明のスルホン化ポリマー組成物は、 (A)スルホ
ン化芳香族ポリマー[ただし、下記(B)成分を除く]
と(C)有機溶剤との溶液と、(B)共役ジエン−芳香
族ビニル化合物共重合体水添物のスルホン化物とを混合
することによって得られる。次に、本発明は、上記スル
ホン化ポリマー組成物を基材に塗布し、乾燥してなるフ
ィルムに関する。次に、本発明は、上記のフィルムから
なるプロトン伝導材料に関する。
【0010】
【発明の実施の形態】スルホン化ポリマー組成物 本発明のスルホン化ポリマー組成物は、(A)スルホン
化芳香族ポリマー[ただし、下記(B)成分を除く]、
(B)共役ジエン−芳香族ビニル共重合体水添物のスル
ホン化物、および(C)有機溶剤を主成分としている。
このため、(B)共役ジエン−芳香族ビニル共重合体水
添物のスルホン化物が(A)スルホン化芳香族ポリマー
と均質に混和でき、組成物中に、(B)成分がミクロ相
分離しているので、(B)成分が凝集することなく、マ
トリックスを連続相に維持しながら、延性化を図ること
ができる。従って、プロトン伝導性を損なうことなく、
(A)スルホン化芳香族ポリマーからなる膜の強度・靱
性、化学耐性を改善した複合膜が得られる。また、本発
明の組成物は、(C)有機溶剤を含有しているため、基
材へのコーティングが可能であり、容易にフィルム化す
ることができる。
【0011】(A)スルホン化芳香族ポリマー 本発明のスルホン化ポリマー組成物に用いられる(A)
スルホン化芳香族ポリマーとしては、ポリアリーレンエ
ーテルのスルホン化物や、ポリアリーレンのスルホン化
物が挙げられる。以下、本発明に用いられるポリアリー
レンエーテルとそのスルホン化物、ポリアリーレンとそ
のスルホン化物について述べる。
【0012】ポリアリーレンエーテルのスルホン化物 本発明に用いられるポリアリーレンエーテルとしては、
下記式(I)または下記式(II)で表される繰り返し構
造単位を有し、かつ重量平均分子量が1万〜100万で
あるものが好ましい。
【0013】
【化1】
【0014】〔式(I)中、Xは電子吸引性の2価の
基、R1およびR2は水素原子または1価の炭化水素基、
aおよびbは4以下の整数、cは0または1、Yは下記
式(1)〜(3)の群から選ばれた少なくとも1種の基
を示す。〕
【0015】
【化2】
【0016】〔式(II)中、R3,R4,R5およびR6はそれ
ぞれ同一または異なり、水素原子、ハロゲン原子または
シアノ基を表し、R3,R4,R5およびR6の少なくとも1つ
はハロゲン原子またはシアノ基であり、dは1または2
であり、Yは下記式(1)〜(3)の群から選ばれた少なく
とも1種の基を示す。〕
【0017】
【化3】
【0018】〔式(1)中、Aは2価の有機基、もしくは
直接結合、Ar1は1価の芳香族基、R7は水素原子も
しくは1価の有機基であって、lは3以下の整数を示す
が、R7が水素原子以外の有機基の場合、2以下の整数
を表す。〕
【0019】
【化4】
【0020】〔式(2)中、Bは−O−、−S−、−C
1011−、アルキレン基、アリーレン基、アルキリデ
ン基、またはシクロアルキリデン基を示し、ここで、R
10およびR11は同一または異なり、水素原子、アルキル
基、またはアリーレン基を示し、R8およびR9は水素原子
または1価の有機基、eおよびfは4以下の整数を示
し、R8,R9,R10およびR11の少なくとも1つは芳香族基で
ある。〕
【0021】
【化5】
【0022】[式(3)中、R12,R13,R14およびR15は同一
または異なり、水素原子または1価の有機基であり、
g,h,i,jは4以下の整数を示す。] ここで、上記電子吸引性基としては、−CO−、−CO
NH−、−(CF2)p−(ここで、pは1〜10の整
数である)、−C(CF32−、−COO−、−SO−
および−SO2−の群から選ばれた少なくとも1種の2
価の基が好ましい。本発明のポリアリーレンエーテルの
スルホン化物は、スルホン化していない上記ポリアリー
レンエーテルをスルホン化剤によってスルホン酸基を導
入したもの(以下「スルホン化物」ともいう)である。
上記スルホン化物は、重合体1gあたり、1.5〜3.
5ミリ当量のスルホン酸基を有するものが好ましい。上
記スルホン化物は、上記ポリアリーレンエーテルをスル
ホン化することによって製造することができる。
【0023】本発明に用いられるポリアリーレンエーテ
ルは、上記式(I)または下記式(II)で表される繰り
返し構造単位を有する。すなわち、本発明に用いられる
ポリアリーレンエーテル体は、芳香族活性ジハライド化
合物(以下「芳香族活性ジハライド化合物」ともいう)
と、2価のフェノール化合物(以下「2価のフェノール
化合物」ともいう)を反応させることによって得られ
る。本発明のポリアリーレンエーテルに用いることので
きる2価のフェノール化合物としては、上記式(1)〜
(3)の2価の芳香族基に対応する、下記の式(1)'〜
(3)'で表される少なくとも1種の化合物が挙げられ
る。
【0024】
【化6】
【0025】上記式(1)'で示される化合物中、Aは
−O−、−S−、−SO2−、−CO−、アルキレン基
などの芳香族環を有さない2価の有機基、もしくは直接
結合、Ar1は1価の芳香族基、R7は水素原子もしく
は1価の有機基であって、lは3以下の整数を示すが、
7が水素原子以外の有機基の場合、2以下の整数を表
す。上記式(1)で記述できる2価のフェノール化合物
として、フェノール性−OH基の結合位置は、m−位
(1,3−)、またはp-位(1,4−)の置換位置で、
具体的には、2,4−ジヒドロキシビフェニル、2,5
−ジヒドロキシビフェニル、2,4−ジヒドロキシ−メ
チルビフェニル、2,5−ジヒドロキシ−メチルビフェ
ニル、2,4−ジヒドロキシ−エチルビフェニル、2,
5−ジヒドロキシ−エチルビフェニル、2,4−ジヒド
ロキシ−プロピルビフェニル、2,5−ジヒドロキシ−
プロルビフェニル、2,4−ジヒドロキシ−ブチルビフ
ェニル、2,5−ジヒドロキシ−ブチルビフェニル、
2,4−ジヒドロキシ−ペンチルビフェニル、2,5−
ジヒドロキシ−ペンチルビフェニル、2,4−ジヒドロ
キシ−ヘキシルビフェニル、2,5−ジヒドロキシ−ヘ
キシルビフェニル、2,4−ジヒドロキシ−ジメチルビ
フェニル、2,5−ジヒドロキシ−ジメチルビフェニ
ル、2,4−ジヒドロキシ−ジエチルビフェニル、2,
5−ジヒドロキシ−ジエチルビフェニル、2,4−ジヒ
ドロキシ−ジプロピルビフェニル、2,5−ジヒドロキ
シ−ジプロルビフェニル、4−ジヒドロキシ−ジブチル
ビフェニル、2,5−ジヒドロキシ−ジブチルビフェニ
ル、フェノキシハイドロキノン、フェノキシレゾルシノ
ール、メチルフェノキシハイドロキノン、メチルフェノ
キシレゾルシノール、エチルフェノキシハイドロキノ
ン、エチルフェノキシレゾルシノール、プロピルフェノ
キシハイドロキノン、プロピルフェノキシレゾルシノー
ル、ブチルフェノキシハイドロキノン、ブチルフェノキ
シレゾルシノール、ペンチルフェノキシハイドロキノ
ン、ペンチルフェノキシレゾルシノール、ヘキシルフェ
ノキシハイドロキノン、ヘキシルルフェノキシレゾルシ
ノール、ジメチルフェノキシハイドロキノン、ジメチル
フェノキシレゾルシノール、ジエチルフェノキシハイド
ロキノン、ジエチルフェノキシレゾルシノール、ジプロ
ピルフェノキシハイドロキノン、ジプロピルフェノキシ
レゾルシノール、ジブチルフェノキシハイドロキノン、
ジブチルフェノキシレゾルシノール、2,4−ジヒドロ
キシベンゾフェノン、2,5−ジヒドロキシベンゾフェ
ノン、2,4−ジヒドロキシメチルベンゾフェノン、
2,5−ジヒドロキシメチルベンゾフェノン、2,4−
ジヒドロキシエチルベンゾフェノン、2,5−ジヒドロ
キシエチルベンゾフェノン、2,4−ジヒドロキシプロ
ピルベンゾフェノン、2,5−ジヒドロキシプロピルベ
ンゾフェノン、2,4−ジヒドロキシブチルベンゾフェ
ノン、2,5−ジヒドロキシブチルベンゾフェノン、
2,4−ジヒドロキシペンチルベンゾフェノン、2,5
−ジヒドロキシペンチルベンゾフェノン、2,4−ジヒ
ドロキシヘキシルベンゾフェノン、2,5−ジヒドロキ
シヘキシルチルベンゾフェノン、2,4−ジヒドロキシ
ジメチルベンゾフェノン、2,5−ジヒドロキシジメチ
ルベンゾフェノン、2,4−ジヒドロキシジエチルベン
ゾフェノン、2,5−ジヒドロキシジエチルベンゾフェ
ノン、2,4−ジヒドロキシジプロピルベンゾフェノ
ン、2,5−ジヒドロキシジプロピルベンゾフェノン、
2,4−ジヒドロキシジブチルベンゾフェノン、フェニ
ルチオハイドロキノン、フェニルチオレゾルシノール、
メチルフェニルチオハイドロキノン、メチルフェニルチ
オレゾルシノール、エチルフェニルチオハイドロキノ
ン、エチルフェニルチオレゾルシノール、プロピルフェ
ニルチオハイドロキノン、プロピルフェニルチオレゾル
シノール、ブチルフェニルチオハイドロキノン、ブチル
フェニルチオレゾルシノール、ペンチルフェニルチオハ
イドロキノン、ペンチルフェニルチオレゾルシノール、
ペキシルフェニルチオハイドロキノン、ヘキシルフェニ
ルチオレゾルシノール、ジメチルフェニルチオハイドロ
キノン、ジメチルフェニルチオレゾルシノール、ジエチ
ルフェニルチオハイドロキノン、ジエチルフェニルチオ
レゾルシノール、ジプロピルフェニルチオハイドロキノ
ン、ジプロピルフェニルチオレゾルシノール、ジブチル
フェニルチオハイドロキノン、ジブチルフェニルチオレ
ゾルシノール、4−ジヒドロキシフェニルフェニルスル
ホン、2,5−ジヒドロキシフェニルフェニルスルホ
ン、2,4−ジヒドロキシフェニルメチルフェニルスル
ホン、2,5−ジヒドロキシフェニルメチルフェニルス
ルホン、2,4−ジヒドロキシフェニルエチルフェニル
スルホン、2,5−ジヒドロキシフェニルエチルフェニ
ルスルホン、2,4−ジヒドロキシフェニルプロピルフ
ェニルスルホン、2,5−ジヒドロキシフェニルプロピ
ルフェニルスルホン、2,4−ジヒドロキシフェニルブ
チルフェニルスルホン、2,5−ジヒドロキシフェニル
ブチルフェニルスルホン、2,4−ジヒドロキシフェニ
ルペンチルフェニルスルホン、2,5−ジヒドロキシフ
ェニルペンチルフェニルスルホン、2,4−ジヒドロキ
シフェニルヘキシルフェニルスルホン、2,5−ジヒド
ロキシフェニルヘキシルフェニルスルホン、2,4−ジ
ヒドロキシフェニルジメチルフェニルスルホン、2,5
−ジヒドロキシフェニルジメチルフェニルスルホン、
2,4−ジヒドロキシフェニルジエチルフェニルスルホ
ン、2,5−ジヒドロキシフェニルジエチルフェニルス
ルホン、4−ジヒドロキシ−4'−フェノキシベンゾフ
ェノン、2,5−ジヒドロキシ−4'−フェノキシベン
ゾフェノン、2,4−ジヒドロキシ−4'−メチルフェ
ノキシベンゾフェノン、2,5−ジヒドロキシ−4'−
メチルフェノキシベンゾフェノン、2,4−ジヒドロキ
シ−4'−エチルフェノキシベンゾフェノン、2,5−
ジヒドロキシ−4'−エチルフェノキシベンゾフェノ
ン、2,4−ジヒドロキシ−4'−プロピルフェノキシ
ベンゾフェノン、2,5−ジヒドロキシ−4'−プロピ
ルフェノキシベンゾフェノン、2,4−ジヒドロキシ−
4'−ブチルフェノキシベンゾフェノン、2,5−ジヒ
ドロキシ−4'−ブチルフェノキシベンゾフェノン、4
−フェニルメチル−1,3−ベンゼンジオール、2−フ
ェニルメチル−1,4−ベンゼンジオール、4−(1−
メチル−フェニルエチル)−1,3−ベンゼンジオー
ル、3−(1−メチル−フェニルエチル)−1,4−ベ
ンゼンジオールなどを挙げることができる。
【0026】
【化7】
【0027】上記式(2)'で表される2価のフェノー
ル化合物のBは−O−、−S−、−CR1011−、アル
キレン基、アリーレン基、アルキリデン基、またはシク
ロアルキリデン基を示し、ここで、R10およびR11は同
一または異なり、水素原子、アルキル基、またはアリー
レン基を示し、R8およびR9は水素原子または1価の有機
基、eおよびfは4以下の整数を示し、R8,R9,R10およ
びR11の少なくとも1つは芳香族基である。上記式
(2)'で記述できる2価のフェノール化合物の具体例
としては、5,5'−(1−メチルエチリデン)ビス
[1,1'−(ビフェニル)−2−オール]、5、5'−
(1、1−シクロペンチリデン)ビス[1,1'−(ビ
フェニル)−2−オール]、5、5'−(1、1−シク
ロヘキシリデン)ビス[1,1'−(ビフェニル)−2
−オール]、5'−(1−フェニルエチリデン)ビス
[1,1'−(ビフェニル)−2−オール]、5,5'−
(1−フェニルプロピリデン)ビス[1,1'−(ビフ
ェニル)−2−オール]、5,5'−(1−フェニルブ
チリデン)ビス[1,1'−(ビフェニル)−2−オー
ル]、2、2'−メチレンビス[1,1'−ビフェニル−
4−オール]、2,2'−エチレンビス[1,1'−ビフ
ェニル−4−オール]、4,4'−(1−フェニルエチ
リデン)ビスフェノール、4,4'−(1−フェニルエ
チリデン)−(2−メチルフェノール)、4,4'−
(1−フェニルエチリデン)−(3−メチルフェノー
ル)、4,4'−(1−フェニルエチリデン)−(2−
フェニルフェノール)、4,4'−(4−メチルフェニ
ルメチレン)ビス(2−メチルフェノール)、4,4'
−(4−メチルフェニルメチレン)ビス(2,3−ジメ
チルフェノール)、4,4'―(ジフェニルメチレン)
ビスフェノール、4,4'―(ジフェニルメチレン)ビ
ス(2−メチルフェノール)、4,4'―(ジフェニル
メチレン)ビス(2−フルオロフェノール)、4,4'
−(ジフェニルメチレン)ビス(2,6−ジフルオロフ
ェノル)、4,4'−[4−(1,1'−ビフェニル)メ
チレン]ビスフェノール、4,4'−[4−(1,1'−
ビフェニル)メチレン](2−メチルフェノール)、
4,4'−(1−フェニルメチリデン)ビスフェノー
ル、4,4'−(1−フェニルメチリデン)ビス(2−
メチルフェノール)、4,4'−(1−フェニルメチリ
デン)ビス(2−シクロヘキシルフェノール)、4,
4'−(4−メチル−フェニルメチレン)ビス(5−メ
チルフェノール)、4,4'−(4−メチル−フェニル
メチレン)ビス(2−シクロヘキシルフェノール)4,
4'−(4−メチル−フェニルメチレン)ビス(2−シ
クロヘキシル−5−メチルフェノール)、5,5−[4
−(1,1'−ビフェニル)メチレン]ビス[(1,1'
−ビフェニル)−2−オール]、4、4'−[4−
(1,1'−ビフェニル)メチレン]ビス(2−シクロ
ヘキシルフェノール)、4,4'−[4−(1,1'−ビ
フェニル)メチレン]ビス(2−シクロヘキシル−5−
メチルフェノール)、4,4'−[(4−フルロフェニ
ル)メチレン]ビスフェノール、4,4−(フェニルメ
チレン)ビス(2−フルオロフェノール)、5,5'−
(1−フェニルエチリデン)ビス[(1,1'−ビフェ
ニル)−2オール]、4,4'−(1−フェニルエチリ
デン)ビス(2−シクロヘキシルフェノール)などが挙
げられる。
【0028】
【化8】
【0029】上記式(3)'で表される2価のフェノー
ル化合物のR12,R13,R14およびR15は同一または異なり、
水素原子または1価の有機基であり、g,h,i,jは
4以下の整数を示す。ここで、1価の有機基としては、
アルキル基、アリール基、アルキルアリル基、シクロア
ルキル基、アリールアルキル基、ハロゲ化アルキル基、
アルキルアリール基、ハロゲン化アリール基などが挙げ
られる。上記式(3)'で記述できる具体的な2価のフ
ェノール化合物として、4,4'−(9H−フルオレン
−9−イリデン)ビスフェノール、4,4'−(9H−
フルオレン−9−イリデン)ビス[2−メチルフェノー
ル]、4,4'−(9H−フルオレン−9−イリデン)
ビス[4−メチルフェノール]、4,4'−(9H−フ
ルオレン−9−イリデン)ビス[2,5−ジメチルフェ
ノール]、4,4'−(9H−フルオレン−9−イリデ
ン)ビス[2,6−ジメチルフェノール]、4,4'−
(9H−フルオレン−9−イリデン)ビス[2−シクロ
ヘキシルフェノール]、4,4'−(9H−フルオレン
−9−イリデン)ビス[2−シクロヘキシル−5−メチ
ルフェノール]、4,4'−(9H−フルオレン−9−
イリデン)ビス[2−フルオロフェノール]、4,4'
−(9H−フルオレン−9−イリデン)ビス[4−フル
オロフェノール]、4,4'−(9H−フルオレン−9
−イリデン)ビス[2−フェニルフェノール]、4,
4'−(9H−フルオレン−9−イリデン)ビス[4−
フェニルフェノール]などを挙げることができる。
【0030】なお、導入するスルホン酸量の制御のた
め、上記式(1)'〜(3)'で表される化合物以外の2
価のフェノール化合物を併用して用いることができる。
具体的には、ハイドロキノン、レゾルシノール、4,
4'−ビフェノール、3,3'−ジフルオロ[(1,1'
−ビフェニル)4,4'−ジオール]、3,3',5,
5'−テトラフルオロ[(1,1'−ビフェニル)4,
4'−ジオール]、3,3'−ジメチル[(1,1'−ビ
フェニル)−4,4'−ジオール]、5,5'−ジメチル
[(1,1'−ビフェニル)−2,2'−ジオール]、
2,2'−メチレンビスフェノール、2,2'−メチレン
ビス[3,6−ジメチルフェノール]、2,2'−メチ
レンビス[3,6−ジメチルフェノール]、4,4'−
メチレンビス[4−(1−メチルエチル)フェノー
ル]、4,4'−メチレンビス[2−メチルフェノー
ル]、2,4'−メチレンビスフェノール、4,4'―
(1,2−エタンジイル)ビスフェノール、4,4'−
(1−メチルエチリデン)ビスフェノール、4,4'−
(1−メチルエチリデン)ビス[2−メチルフェノー
ル]、4,4'−(1−メチルエチリデン)ビス[2−
シクロヘキシルフェノール]、2−[1−(4−ヒドロ
キシフェニル)−1−メチルエチルフェノール]、3−
[1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル
フェノール]、4,4'−(2−メチルプロピリデン)
ビスフェノール、4,4'−(2−メチルプロピリデ
ン)[2−メチルフェノール]、4,4'−シクロペン
チリデンビスフェノール、4,4'−シクロペンチリデ
ン[2−メチルフェノール]、4,4'−シクロペンチ
リデン[2−シクロヘキシルフェノール]、4,4'−
シクロペキシリデンビスフェノール、4,4'−シクロ
ヘキシリデン[2−メチルフェノール]、4,4'−シ
クロヘキシリデン[2−シクロヘキシルフェノール]、
4,4'−(4−メチルシクロヘキシリデンビスフェノ
ール)、4,4'−(4−メチルシクロヘキシリデン
[2−シクロヘキシルフェノール])、4−[1−[4
−(4−ヒドロキシフェニル)−4−メチル−シクロヘ
キシル]−1−メチルエチル]フェノール、4−[1−
[4−(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)−4−
メチル−シクロヘキシル]−1−メチルエチル]−2−
メチルフェノール、ジシクロペンタジエニルビス[4−
メチルフェノール]、ビス(4−ヒドロキシフェニル)
メタノン、4,4'−オキシビスフェノール、4,4'−
(ジメチルシリレン)ビスフェノール、4,4'−
[2、2、2−トリフルオロ−1−(トリフルオロメチ
ル)エチリデン]ビスフェノール、4,4'−メチレン
ビス[2−フルオロフェノール]、2,2'−メチレン
ビス[4−フルオロフェノール]、4,4'−イソプロ
ピリデンビス[2−フルオロフェノール]などを挙げる
ことができる。上記(1)'〜(3)'で表される化合物以
外の2価のフェノール化合物の使用量は、2価のフェノ
ール化合物全体中に、通常、70モル%以下、好ましく
は60モル%以下程度である。
【0031】ポリアリーレンエーテルのエーテル結合を
生成させる、上記の2価のフェノール化合物と反応させ
る芳香族活性ジハライド化合物としては、ハロゲンが結
合している芳香環が電子吸引性基に結合し、活性化して
いる化合物で、例えば、下記式(4)〜(6)で表され
る化合物が挙げられる。
【0032】
【化9】
【0033】〔式中、Qは塩素原子、フッ素原子、臭素
原子などのハロゲン原子、R3〜R6は上記に同じであ
る。〕 具体的には、4,4'−ジクロロベンゾフェノン、4,
4'−ジフルオロベンゾフェノン、ビス(4−クロロフ
ェニル)スルホン、ビス(4−フルオロフェニル)スル
ホン、ヘキサフルオロベンゼン、オクタフルオロビフェ
ニル、1,3−ジシアノテトラフルオロベンゼン、2,
6−ジフルオロベンゾニトリル、2,6−ジフルオロベ
ンゾフェノン、2,6−ジクロロベンゾニトリル、4,
4'−ビス(4−フルオロベンゾイル)ジフェニルエー
テル、4,4'−ビス(4−クロロベンゾイル)ジフェ
ニルエーテル、4,4'−ビス(4−フルオロフェニル
スルホン)ジフェニルエーテル、4,4'−ビス(4−
クロロフェニルスルホン)ジフェニルエーテル、4,4'
−ビス〔フェノキシ−4−(4−クロロベンゾイル)〕
ジフェニルスルホン、4,4'−ビス〔フェノキシ−4−
(4−フルオロベンゾイル)〕ジフェニルスルホンなど
が挙げられる。
【0034】本発明のポリアリーレンエーテルの合成方
法として、例えば、上記2価のフェノール化合物と芳香
族活性ジハロゲン化合物とをアルカリ金属化合物の存在
下で、溶剤中で加熱することにより得られる。
【0035】上記2価のフェノール化合物と芳香族活性
ジハロゲン化合物の使用割合は、2価のフェノール化合
物が45〜55モル%、好ましくは48〜52モル%、
芳香族活性ジハロゲン化合物が55〜45モル%、好ま
しくは52〜48モル%である。2価のフェノール化合
物の使用割合が45モル%未満の場合や55モル%を超
えると、重合体の分子量が上昇しにくく、塗膜の塗布性
が劣る場合がある。
【0036】この際使用するアルカリ金属化合物として
は、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸
化リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸リチ
ウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水
素リチウム、水素化ナトリウム、水素化カリウム、水素
化リチウム、金属ナトリウム、金属カリウム、金属リチ
ウムなどを挙げることができる。これらは、1種または
2種以上を同時に使用しても良い。
【0037】アルカリ金属化合物の使用量は、2価のフ
ェノール化合物に対して、通常、100〜400モル
%、好ましくは100〜250モル%である。
【0038】反応に使用する溶剤としては、例えば、ベ
ンゾフェノン、ジフェニルエーテル、ジアルコキシベン
ゼン(アルコキシル基の炭素数は1〜4)、トリアルコ
キシベンゼン(アルコキシル基の炭素数は1〜4)、ジ
フェニルスルホン、ジメチルスルホキシド、ジメチルス
ルホン、ジエチルスルホキシド、ジエチルスルホン、ジ
イソプロピルスルホン、スルホラン、N−メチル−2−
ピロリドン、N−エチル−2−ピロリドン、ジメチルイ
ミダゾリジノン、γ−ブチロラクトン、ジメチルホルム
アミド、ジメチルアセトアミドなどを使用することがで
きる。これらは、1種または2種以上を同時に使用して
も良い。
【0039】本発明のポリアリーレンエーテルを合成す
る際の溶媒中のモノマー濃度としては、モノマーの重量
を基準として、2〜50重量%、反応温度としては、5
0〜250℃である。また、重合体合成時に生じる金属
塩や未反応モノマーを除去するため、反応溶液をろ過す
ることや反応溶液を重合体に対して貧溶剤である溶媒に
より再沈殿や酸性、アルカリ性水溶液により洗浄するこ
とが好ましい。
【0040】このようにして得られる本発明のポリアリ
ーレンエーテルのGPC法による重量平均分子量は、1
万〜100万、好ましくは5万〜50万である。1万未
満では、成形フィルムにクラックが発生するなど、塗膜
性が不充分であり、また強度的性質にも問題がある。一
方、100万を超えると、溶解性が不充分となり、また
溶液粘度が高く、加工性が不良になるなどの問題があ
る。
【0041】本発明のポリアリーレンエーテルの構造
は、例えば、赤外線吸収スペクトルによって、1,23
0〜1,250cm-1のC−O−C吸収、1,640〜
1,660cm-1のC=O吸収などにより確認でき、ま
た、核磁気共鳴スペクトル(H−NMR)により、
6.8〜8.0ppmの芳香族プロトンのピークから、
その構造を確認することができる。
【0042】次に、本発明に用いられる、ポリアリーレ
ンエーテルのスルホン化物は、スルホン酸基を有しない
上記ポリアリーレンエーテルに、スルホン化剤を用い、
常法によりスルホン酸基を導入することにより得ること
ができる。スルホン酸基を導入する方法としては、例え
ば、上記スルホン酸基を有しないポリアリーレンエーテ
ルを、無水硫酸、発煙硫酸、クロルスルホン酸、硫酸、
亜硫酸水素ナトリウムなどの公知のスルホン化剤を用い
て、公知の条件でスルホン化することができる〔Pol
ymer Preprints,Japan,Vol.
42,No.3,p.730(1993);Polym
er Preprints,Japan,Vol.4
2,No.3,p.736(1994);Polyme
r Preprints,Japan,Vol.42,
No.7,p.2490〜2492(1993)〕。
【0043】すなわち、このスルホン化の反応条件とし
ては、上記スルホン酸基を有しないポリアリーレンエー
テルを、無溶剤下、あるいは溶剤存在下で、上記スルホ
ン化剤と反応させる。溶剤としては、例えばn−ヘキサ
ンなどの炭化水素溶剤、テトラヒドロフラン、ジオキサ
ンなどのエーテル系溶剤、N,N−ジメチルアセトアミ
ド、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−
ピロリドン、ジメチルスルホキシドのような非プロトン
系極性溶剤のほか、テトラクロロエタン、ジクロロエタ
ン、クロロホルム、塩化メチレンなどのハロゲン化炭化
水素などが挙げられる。反応温度は特に制限はないが、
通常、−50〜200℃、好ましくは−10〜100℃
である。また、反応時間は、通常、0.5〜1,000
時間、好ましくは1〜200時間である。
【0044】このようにして得られる、ポリアリーレン
エーテルのスルホン化物中のスルホン酸基量は、重合体
1gあたり、1.5〜3.5ミリ当量、好ましくは1.
6〜3.0ミリ当量である。1.5ミリ当量未満では、
プロトン伝導性が上がらず、一方、3.5ミリ当量を超
えると、親水性が向上し、水溶性ポリマーとなってしま
うか、また水溶性に至らずとも耐久性が低下する。な
お、ポリアリーレンエーテルのスルホン化物としては、
2価のフェノール化合物として、2,5−ジヒドロキシ
ビフェニル、2,5−ジヒドロキシ−4'−メチルビフェ
ニル、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオ
レンから選ばれる1種以上、芳香族活性ジハライド化合
物として、4,4'−ジフルオロベンゾフェノン、4,4'
−ジクロロジフェニルスルホンから選ばれる1種以上、
上記式(1)'〜(3)'で表される化合物以外の2価の
フェノール化合物として、ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)スルホン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,
1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、4,4'
−ジヒドロキシベンゾフェノンから選ばれる1種以上、
を用いて得られるポリアリーレンエーテルのスルホン化
物が好ましい。
【0045】なお、本発明に用いられるポリアリーレン
エーテルのスルホン化物の構造は、赤外線吸収スペクト
ルによって、1,030〜1,045cm-1、1,16
0〜1,190cm-1のS=O吸収、1,130〜1,
250cm-1のC−O−C吸収、1,640〜1,66
0cm-1のC=O吸収などにより確認でき、これらの組
成比は、スルホン酸の中和滴定や、元素分析により知る
ことができる。また、核磁気共鳴スペクトル(H−N
MR)により、6.8〜8.0ppmの芳香族プロトン
のピークから、その構造を確認することができる。
【0046】ポリアリーレンのスルホン化物 本発明の組成物に用いられるポリアリーレンのスルホン
化物は、好ましくは下記式(7)で表されるポリアリー
レンをスルホン化したスルホン化物である。ここで、ポ
リアリーレンは、下記式(7)で表される繰り返し構造
単位を有する。以下、式(7)において、sで括られた
構造単位を「構造単位s」、tで括られた構造単位を
「構造単位t」、uで括られた構造単位を「構造単位
u」、vで括られた構造単位を「構造単位v」ともい
う。
【0047】
【化10】
【0048】〔一般式(7)中、Wは−CR5253
(ここで、R52,R53は同一または異なり、ハロゲン化
アルキル基、アルキル基、水素原子、ハロゲン原子また
はアリール基を示す)で表される基およびフルオレニレ
ン基の群から選ばれる基であり、R16〜R51は同一また
は異なり、水素原子、ハロゲン原子または1価の有機基
を示し、Zは−O−,−CO−,−COO−,−CON
H−および−SO2−基の群から選ばれる基であり、s
は0〜100モル%、tは0〜100モル%、uは0〜
100モル%、vは0〜100モル%(ただし、s+t
+u+v=100モル%)、kは0か1である。〕
【0049】ここで、R52,R53のうち、ハロゲン化ア
ルキル基としては、トリフルオロメチル基、ペンタフル
オロエチレン基などが、またアリール基としては、フェ
ニル基、ビフェニル基、トリル基、ペンタフルオロフェ
ニル基などが挙げられる。上記式(7)中、R16〜R51
は、同一または異なり、水素原子、アルキル基、ハロゲ
ン原子、1価の有機基(例えば、ハロゲン化アルキル
基、またはポリアリーレン生成の重合反応を阻害しない
官能基を含む1価の有機基)を示す。R16〜R51中、ア
ルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、
ブチル基、アミル基、ヘキシル基などが挙げられる。ま
た、ハロゲン原子としては、フッ素が挙げられる。ハロ
ゲン化アルキル基としては、トリフルオロメチル基、パ
ーフルオロエチル基、パーフルオロプロピル基、パーフ
ルオロブチル基、パーフルオロペンチル基、パーフルオ
ロヘキシル基などが挙げられる。さらに、ポリアリーレ
ン生成の重合反応を阻害しない官能基を含む1価の有機
基としては、例えばアリールオキシ、アリールオキソ、
アリールチオカルボニル、アリールオキシカルボニル、
アリールチオ、アリールスルホンなどが挙げられる。こ
れらは、また、2つ以上の官能基を含む1価の有機基、
例えばアリールオキシアリールオキソ、アリールオキシ
アリールスルホン、アリールチオアリールオキソなどが
挙げられる。さらに、これらは、アリール基の代わり
に、アルキル基、アルキルアリール基、アリールアルキ
ル基に代えて用いてもよい。さらに、上記式(7)中、
Zは−O−,−CO−,−COO−,−CONH−,お
よび−SO2−基の群から選ばれた少なくとも1種であ
り、sは0〜100モル%、tは0〜100モル%、u
は0〜100モル%、vは0〜100モル%(ただし、
s+t+u+v=100モル%)、kは0か1であ
る。〕
【0050】式(7)において、構造単位sを構成する
モノマー(以下「モノマーs」ともいう)としては、
2,2−ビス(4−メチルスルフォニロキシフェニル)
ヘキサフルオロプロパン、ビス(4−メチルスルフォニ
ロキシフェニル)メタン、ビス(4−メチルスルフォニ
ロキシフェニル)ジフェニルメタン、2,2−ビス(4
−メチルスルフォニロキシ−3−メチルフェニル)ヘキ
サフルオロプロパン、2,2−ビス(4−メチルスルフ
ォニロキシ−3−プロペニルフェニル)ヘキサフルオロ
プロパン、2,2−ビス(4−メチルスルフォニロキシ
−3,5−ジメチルフェニル)ヘキサフルオロプロパ
ン、2,2−ビス(4−メチルスルフォニロキシフェニ
ル)プロパン、2,2−ビス(4−メチルスルフォニロ
キシ−3−メチルフェニル)プロパン、2,2−ビス
(4−メチルスルフォニロキシ−3−プロペニルフェニ
ル)プロパン、2,2−ビス(4−メチルスルフォニロ
キシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン、2,2−
ビス(4−メチルスルフォニロキシ−3−フルオロフェ
ニル)プロパン、2,2−ビス(4−メチルスルフォニ
ロキシ−3,5−ジフルオロフェニル)プロパン、2,
2−ビス(4−トリフルオロメチルスルフォニロキシフ
ェニル)プロパン、2,2−ビス(4−トリフルオロメ
チルスルフォニロキシ−3−プロペニルフェニル)プロ
パン、2,2−ビス(4−フェニルスルフォニロキシフ
ェニル)プロパン、2,2−ビス(4−フェニルスルフ
ォニロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、2,2−
ビス(4−フェニルスルフォニロキシ−3−プロペニル
フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−フェニルスル
フォニロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン、
2,2−ビス(4−フェニルスルフォニロキシ−3−フ
ルオロフェニル)ジフェニルメタン、2,2−ビス(p
−トリルスルフォニロキシフェニル)プロパン、2,2
−ビス(p−トリルスルフォニロキシ−3−メチルフェ
ニル)プロパン、2,2−ビス(p−トリルスルフォニ
ロキシ−3−プロペニルフェニル)プロパン、2,2−
ビス(p−トリルスルフォニロキシ−3,5−ジメチル
フェニル)プロパン、2,2−ビス(p−トリルスルフ
ォニロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、2,2−
ビス(p−トリルスルフォニロキシ−3,5−ジメチル
フェニル)プロパン、2,2−ビス(p−トリルスルフ
ォニロキシ−3−プロペニルフェニル)プロパン、ビス
(p−トリルスルフォニロキシ−3−フルオロフェニ
ル)プロパン、ビス(p−トリルスルフォニロキシ−
3,5−ジフルオロフェニル)プロパン、9,9−ビス
(4−メチルスルフォニロキシフェニル)フルオレン、
9,9−ビス(4−メチルスルフォニロキシ−3−メチ
ルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−メチルス
ルフォニロキシ−3,5−ジメチルフェニル)フルオレ
ン、9,9−ビス(4−メチルスルフォニロキシ−3−
プロペニルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−
メチルスルフォニロキシ−3−フェニルフェニル)フル
オレン、ビス(4−メチルスルフォニロキシ−3−メチ
ルフェニル)ジフェニルメタン、ビス(4−メチルスル
フォニロキシ−3,5−ジメチルフェニル)ジフェニル
メタン、ビス(4−メチルスルフォニロキシ−3−プロ
ペニルフェニル)ジフェニルメタン、ビス(4−メチル
スルフォニロキシ−3−フルオロフェニル)ジフェニル
メタン、ビス(4−メチルスルフォニロキシ−3,5−
ジフルオロフェニル)ジフェニルメタン、9,9−ビス
(4−メチルスルフォニロキシ−3−フルオロフェニ
ル)フルオレン、9,9−ビス(4−メチルスルフォニ
ロキシ−3,5−ジフルオロフェニル)フルオレン、ビ
ス(4−メチルスルフォニロキシフェニル)メタン、ビ
ス(4−メチルスルフォニロキシ−3−メチルフェニ
ル)メタン、ビス(4−メチルスルフォニロキシ−3,
5−ジメチルフェニル)メタン、ビス(4−メチルスル
フォニロキシ−3−プロペニルフェニル)メタン、ビス
(4−メチルスルフォニロキシフェニル)トリフルオロ
メチルフェニルメタン、ビス(4−メチルスルフォニロ
キシフェニル)フェニルメタン、2,2−ビス(4−ト
リフルオロメチルスルフォニロキシフェニル)ヘキサフ
ルオロプロパン、ビス(4−トリフルオロメチルスルフ
ォニロキシフェニル)メタン、ビス(4−トリフルオロ
メチルスルフォニロキシフェニル)ジフェニルメタン、
2,2−ビス(4−トリフルオロメチルスルフォニロキ
シ−3−メチルフェニル)ヘキサフルオロプロパン、
2,2−ビス(4−トリフルオロメチルスルフォニロキ
シ−3−プロペニルフェニル)ヘキサフルオロプロパ
ン、2,2−ビス(4−トリフルオロメチルスルフォニ
ロキシ−3,5−ジメチルフェニル)ヘキサフルオロプ
ロパン、9,9−ビス(4−トリフルオロメチルスルフ
ォニロキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−
トリフルオロメチルスルフォニロキシ−3−メチルフェ
ニル)フルオレン、9,9−ビス(4−トリフルオロメ
チルスルフォニロキシ−3,5−ジメチルフェニル)フ
ルオレン、9,9−ビス(4−トリフルオロメチルスル
フォニロキシ−3−プロペニルフェニル)フルオレン、
9,9−ビス(4−トリフルオロメチルスルフォニロキ
シ−3−フェニルフェニル)フルオレン、ビス(4−ト
リフルオロメチルスルフォニロキシ−3−メチルフェニ
ル)ジフェニルメタン、ビス(4−トリフルオロメチル
スルフォニロキシ−3,5−ジメチルフェニル)ジフェ
ニルメタン、ビス(4−トリフルオロメチルスルフォニ
ロキシ−3−プロペニルフェニル)ジフェニルメタン、
ビス(4−トリフルオロメチルスルフォニロキシ−3−
フルオロフェニル)ジフェニルメタン、ビス(4−トリ
フルオロメチルスルフォニロキシ−3,5−ジフルオロ
フェニル)ジフェニルメタン、9,9−ビス(4−トリ
フルオロメチルスルフォニロキシ−3−フルオロフェニ
ル)フルオレン、9,9−ビス(4−トリフルオロメチ
ルスルフォニロキシ−3,5−ジフルオロフェニル)フ
ルオレン、ビス(4−トリフルオロメチルスルフォニロ
キシフェニル)メタン、ビス(4−トリフルオロメチル
スルフォニロキシ−3−メチルフェニル)メタン、ビス
(4−トリフルオロメチルスルフォニロキシ−3,5−
ジメチルフェニル)メタン、ビス(4−トリフルオロメ
チルスルフォニロキシ−3−プロペニルフェニル)メタ
ン、ビス(4−トリフルオロメチルスルフォニロキシフ
ェニル)トリフルオロメチルフェニルメタン、ビス(4
−トリフルオロメチルスルフォニロキシフェニル)、
2,2−ビス(4−フェニルスルフォニロキシフェニ
ル)ヘキサフルオロプロパン、ビス(4−フェニルスル
フォニロキシフェニル)メタン、ビス(4−フェニルス
ルフォニロキシフェニル)ジフェニルメタン、2,2−
ビス(4−フェニルスルフォニロキシ−3−メチルフェ
ニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(4−フ
ェニルスルフォニロキシ−3−プロペニルフェニル)ヘ
キサフルオロプロパン、2,2−ビス(4−フェニルス
ルフォニロキシ−3,5−ジメチルフェニル)ヘキサフ
ルオロプロパン、9,9−ビス(4−フェニルスルフォ
ニロキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−フ
ェニルスルフォニロキシ−3−メチルフェニル)フルオ
レン、9,9−ビス(4−フェニルスルフォニロキシ−
3,5−ジメチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス
(4−フェニルスルフォニロキシ−3−プロペニルフェ
ニル)フルオレン、9,9−ビス(4−フェニルスルフ
ォニロキシ−3−フェニルフェニル)フルオレン、ビス
(4−フェニルスルフォニロキシ−3−メチルフェニ
ル)ジフェニルメタン、ビス(4−フェニルスルフォニ
ロキシ−3,5−ジメチルフェニル)ジフェニルメタ
ン、ビス(4−フェニルスルフォニロキシ−3−プロペ
ニルフェニル)ジフェニルメタン、ビス(4−フェニル
スルフォニロキシ−3−フルオロフェニル)ジフェニル
メタン、ビス(4−フェニルスルフォニロキシ−3,5
−ジフルオロフェニル)ジフェニルメタン、9,9−ビ
ス(4−フェニルスルフォニロキシ−3−フルオロフェ
ニル)フルオレン、9,9−ビス(4−フェニルスルフ
ォニロキシ−3,5−ジフルオロフェニル)フルオレ
ン、ビス(4−フェニルスルフォニロキシフェニル)メ
タン、ビス(4−フェニルスルフォニロキシ−3−メチ
ルフェニル)メタン、ビス(4−フェニルスルフォニロ
キシ−3,5−ジメチルフェニル)メタン、ビス(4−
フェニルスルフォニロキシ−3−プロペニルフェニル)
メタン、ビス(4−フェニルスルフォニロキシフェニ
ル)トリフルオロメチルフェニルメタン、ビス(4−フ
ェニルスルフォニロキシフェニル)フェニルメタン、
2,2−ビス(p−トリルスルフォニロキシフェニル)
ヘキサフルオロプロパン、ビス(p−トリルスルフォニ
ロキシフェニル)メタン、ビス(p−トリルスルフォニ
ロキシフェニル)ジフェニルメタン、2,2−ビス(p
−トリルスルフォニロキシ−3−メチルフェニル)ヘキ
サフルオロプロパン、2,2−ビス(p−トリルスルフ
ォニロキシ−3−プロペニルフェニル)ヘキサフルオロ
プロパン、2,2−ビス(p−トリルスルフォニロキシ
−3,5−ジメチルフェニル)ヘキサフルオロプロパ
ン、9,9−ビス(p−トリルスルフォニロキシフェニ
ル)フルオレン、9,9−ビス(p−トリルスルフォニ
ロキシ−3−メチルフェニル)フルオレン、9,9−ビ
ス(p−トリルスルフォニロキシ−3,5−ジメチルフ
ェニル)フルオレン、9,9−ビス(p−トリルスルフ
ォニロキシ−3−プロペニルフェニル)フルオレン、
9,9−ビス(p−トリルスルフォニロキシ−3−フェ
ニルフェニル)フルオレン、ビス(p−トリルスルフォ
ニロキシ−3−メチルフェニル)ジフェニルメタン、ビ
ス(p−トリルスルフォニロキシ−3,5−ジメチルフ
ェニル)ジフェニルメタン、ビス(p−トリルスルフォ
ニロキシ−3−プロペニルフェニル)ジフェニルメタ
ン、ビス(p−トリルスルフォニロキシ−3−フルオロ
フェニル)ジフェニルメタン、ビス(p−トリルスルフ
ォニロキシ−3,5−ジフルオロフェニル)ジフェニル
メタン、9,9−ビス(p−トリルスルフォニロキシ−
3−フルオロフェニル)フルオレン、9,9−ビス(p
−トリルスルフォニロキシ−3,5−ジフルオロフェニ
ル)フルオレン、ビス(p−トリルスルフォニロキシフ
ェニル)メタン、ビス(p−トリルスルフォニロキシ−
3−メチルフェニル)メタン、ビス(p−トリルスルフ
ォニロキシ−3,5−ジメチルフェニル)メタン、ビス
(p−トリルスルフォニロキシ−3−プロペニルフェニ
ル)メタン、ビス(p−トリルスルフォニロキシフェニ
ル)トリフルオロメチルフェニルメタン、ビス(p−ト
リルスルフォニロキシフェニル)フェニルメタンなどを
挙げることができる。上記モノマーsは、1種単独であ
るいは2種以上を併用することができる。
【0051】また、式(7)において、構造単位tを構
成するモノマー(以下「モノマーt」ともいう)として
は、例えば、4,4′−ジメチルスルフォニロキシビフ
ェニル、4,4′−ジメチルスルフォニロキシ−3,
3′−ジプロペニルビフェニル、4,4′−ジブロモビ
フェニル、4,4′−ジヨードビフェニル、4,4′−
ジメチルスルフォニロキシ−3,3′−ジメチルビフェ
ニル、4,4′−ジメチルスルフォニロキシ−3,3′
−ジフルオロビフェニル、4,4′−ジメチルスルフォ
ニロキシ−3,3′,5,5′−テトラフルオロビフェ
ニル、4,4′−ジブロモオクタフルオロビフェニル、
4,4−メチルスルフォニロキシオクタフルオロビフェ
ニル、3,3′−ジアリル−4,4′−ビス(4−フル
オロベンゼンスルフォニロキシ)ビフェニル、4,4′
−ジクロロ−2,2′−トリフルオロメチルビフェニ
ル、4,4′−ジブロモ−2,2′−トリフルオロメチ
ルビフェニル、4,4′−ジヨード−2,2′−トリフ
ルオロメチルビフェニル、ビス(4−クロロフェニル)
スルフォン、4,4′−ジクロロベンゾフェノン、2,
4−ジクロロベンゾフェノンなどを挙げることができ
る。上記モノマーtは、1種単独であるいは2種以上を
併用することができる。
【0052】さらに、式(7)において、構造単位uを
構成するモノマー(以下「モノマーu」ともいう)とし
ては、例えば、p−ジクロロベンゼン、p−ジブロモベ
ンゼン、p−ジヨードベンゼン、p−ジメチルスルフォ
ニロキシベンゼン、2,5−ジクロロトルエン、2,5
−ジブロモトルエン、2,5−ジヨードトルエン、2,
5−ジメチルスルフォニロキシベンゼン、2,5−ジク
ロロ−p−キシレン、2,5−ジブロモ−p−キシレ
ン、2,5−ジヨード−p−キシレン、2,5−ジクロ
ロベンゾトリフルオライド、2,5−ジブロモベンゾト
リフルオライド、2,5−ジヨードベンゾトリフルオラ
イド、1,4−ジクロロ−2,3,5,6−テトラフル
オロベンゼン、1,4−ジブロモ−2,3,5,6−テ
トラフルオロベンゼン、1,4−ジヨード−2,3,
5,6−テトラフルオロベンゼン、2,5−ジクロロ安
息香酸、2,5−ジブロモ安息香酸、2,5−ジクロロ
安息香酸メチル、2,5−ジブロモ安息香酸メチル、
2,5−ジクロロ安息香酸−t−ブチル、2,5−ジブ
ロモ安息香酸−t−ブチル、3,6−ジクロロフタル酸
無水物などを挙げることができ、好ましくはp−ジクロ
ロベンゼン、p−ジメチルスルフォニロキシベンゼン、
2,5−ジクロロトルエン、2,5−ジクロロベンゾト
リフルオライド、2,5−ジクロロベンゾフェノン、
2,5−ジクロロフェノキシベンゼンなどである。
【0053】また、上記モノマーuとしては、例えば、
m−ジクロロベンゼン、m−ジブロモベンゼン、m−ジ
ヨードベンゼン、m−ジメチルスルフォニロキシベンゼ
ン、2,4−ジクロロトルエン、2,4−ジブロモトル
エン、2,4−ジヨードトルエン、3,5−ジクロロト
ルエン、3,5−ジブロモトルエン、3,5−ジヨード
トルエン、2,6−ジクロロトルエン、2,6−ジブロ
モトルエン、2,6−ジヨードトルエン、3,5−ジメ
チルスルフォニロキシトルエン、2,6−ジメチルスル
フォニロキシトルエン、2,4−ジクロロベンゾトリフ
ルオライド、2,4−ジブロモベンゾトリフルオライ
ド、2,4−ジヨードベンゾトリフルオライド、3,5
−ジクロロベンゾトリフルオライド、3,5−ジブロモ
トリフルオライド、3,5−ジヨードベンゾトリフルオ
ライド、1,3−ジブロモ−2,4,5,6−テトラフ
ルオロベンゼン、2,4−ジクロロベンジルアルコー
ル、3,5−ジクロロベンジルアルコール、2,4−ジ
ブロモベンジルアルコール、3,5−ジブロモベンジル
アルコール、3,5−ジクロロフェノール、3,5−ジ
ブロモフェノール、3,5−ジクロロ−t−ブトキシカ
ルボニロキシフェニル、3,5−ジブロモ−t−ブトキ
シカルボニロキシフェニル、2,4−ジクロロ安息香
酸、3,5−ジクロロ安息香酸、2,4−ジブロモ安息
香酸、3,5−ジブロモ安息香酸、2,4−ジクロロ安
息香酸メチル、3,5−ジクロロ安息香酸メチル、3,
5−ジブロモ安息香酸メチル、2,4−ジブロモ安息香
酸メチル、2,4−ジクロロ安息香酸−t−ブチル、
3,5−ジクロロ安息香酸−t−ブチル、2,4−ジブ
ロモ安息香酸−t−ブチル、3,5−ジブロモ安息香酸
−t−ブチルなどを挙げることもでき、好ましくはm−
ジクロロベンゼン、2,4−ジクロロトルエン、3,5
−ジメチルスルフォニロキシトルエン、2,4−ジクロ
ロベンゾトリフルオライド、2,4−ジクロロベンゾフ
ェノン、2,4−ジクロロフェノキシベンゼンなどであ
る。
【0054】さらに、式(7)において、構造単位vを
構成するモノマー(以下「モノマーv」ともいう)とし
ては、例えば、4,4′−ビス(4−クロロベンゾイ
ル)ジフェニルエーテル、4,4′−ビス(3−クロロ
ベンゾイル)ジフェニルエーテル、4,4′−ビス(4
−ブロモベンゾイル)ジフェニルエーテル、4,4′−
ビス(3−ブロモベンゾイル)ジフェニルエーテル、
4,4′−ビス(4−ヨードベンゾイル)ジフェニルエ
ーテル、4,4′−ビス(3−ヨードベンゾイル)ジフ
ェニルエーテル、4,4′−ビス(4−トリフルオロメ
チルスルフォニロキシフェニル)ジフェニルエーテル、
4,4′−ビス(3−トリフルオロメチルスルフォニロ
キシフェニル)ジフェニルエーテル、4,4′−ビス
(4−メチルスルフォニロキシフェニル)ジフェニルエ
ーテル、4,4′−ビス(3−メチルスルフォニロキシ
フェニル)ジフェニルエーテルなどが挙げられる。
【0055】また、上記モノマーvとしては、例えば
4′−ビス(4−クロロベンゾイルアミノ)ジフェニル
エーテル、3,4′−ビス(4−クロロベンゾイルア
ミ)ジフェニルエーテル、4,4′−ビス(3−クロロ
ベンゾイルアミノ)ジフェニルエーテル、3,4′−ビ
ス(3−クロロベンゾイル)ジフェニルエーテル、4,
4′−ビス(4−ブロモベンゾイルアミノ)ジフェニル
エーテル、3,4′−ビス(4−ブロモベンゾイルアミ
ノ)ジフェニルエーテル、4,4′−ビス(3−ブロモ
ベンゾイルアミノ)ジフェニルエーテル、3,4′−ビ
ス(3−ブロモベンゾイルアミノ)ジフェニルエーテ
ル、4,4′−ビス(4−ヨードベンゾイルアミノ)ジ
フェニルエーテル、3,4′−ビス(4−ヨードベンゾ
イルアミノ)ジフェニルエーテル、4,4′−ビス(3
−ヨードベンゾイルアミノ)ジフェニルエーテル、3,
4′−ビス(3−ヨードベンゾイルアミノ)ジフェニル
エーテル、4,4′−ビス(4−トリフルオロメチルス
ルフォニロキシフェニル)ジフェニルエーテル、3,
4′−ビス(4−トリフルオロメチルスルフォニロキシ
フェニル)ジフェニルエーテル、4,4′−ビス(3−
トリフルオロメチルスルフォニロキシフェニル)ジフェ
ニルエーテル、3,4′−ビス(3−トリフルオロメチ
ルスルフォニロキシフェニル)ジフェニルエーテル、
4,4′−ビス(4−メチルスルフォニロキシフェニ
ル)ジフェニルエーテル、3,4′−ビス(4−メチル
スルフォニロキシフェニル)ジフェニルエーテル、4,
4′−ビス(3−メチルスルフォニロキシフェニル)ジ
フェニルエーテル、3,4′−ビス(3−メチルスルフ
ォニロキシフェニル)ジフェニルエーテルなどが挙げら
れる。
【0056】さらに、上記モノマーvとしては、例えば
4,4′−ビス(4−クロロフェニルスルホニル)ジフ
ェニルエーテル、4′−ビス(4−クロロフェニルスル
ホニル)ジフェニルエーテル、4,4′−ビス(3−ク
ロロフェニルスルホニル)ジフェニルエーテル、3,
4′−ビス(3−クロロフェニルスルホニル)ジフェニ
ルエーテル、4,4′−ビス(4−ブロモフェニルスル
ホニル)ジフェニルエーテル、4′−ビス(4−ブロモ
フェニルスルホニル)ジフェニルエーテル、4,4′−
ビス(3−ブロモフェニルスルホニル)ジフェニルエー
テル、3,4′−ビス(3−ブロモフェニルスルホニ
ル)ジフェニルエーテル、4,4′−ビス(4−ヨード
フェニルスルホニル)ジフェニルエーテル、4′−ビス
(4−ヨードフェニルスルホニル)ジフェニルエーテ
ル、4,4′−ビス(3−ヨードフェニルスルホニル)
ジフェニルエーテル、3,4′−ビス(3−ヨードフェ
ニルスルホニル)ジフェニルエーテル、4,4′−ビス
(4−トリフルオロメチルスルフォニロキシフェニスル
ホニル)ジフェニルエーテル、4′−ビス(4−トリフ
ルオロメチルスルフォニロキシフェニルスルホニル)ジ
フェニルエーテル、4,4′−ビス(3−トリフルオロ
メチルスルフォニロキシフェニスルホニル)ジフェニル
エーテル、3,4′−ビス(3−トリフルオロメチルス
ルフォニロキシフェニルスルホニル)ジフェニルエーテ
ル、4,4′−ビス(4−メチルスルフォニロキシフェ
ニスルホニル)ジフェニルエーテル、4′−ビス(4−
メチルスルフォニロキシフェニルスルホニル)ジフェニ
ルエーテル、4,4′−ビス(3−メチルスルフォニロ
キシフェニスルホニル)ジフェニルエーテル、3,4′
−ビス(3−メチルスルフォニロキシフェニルスルホニ
ル)ジフェニルエーテルなどが挙げられる。
【0057】さらに、上記モノマーvとしては、例えば
4,4′−ビス(4−クロロフェニル)ジフェニルエー
テルジカルボキシレート、3,4′−ビス(4−クロロ
フェニル)ジフェニルエーテルジカルボキシレート、
4,4′−ビス(3−クロロフェニル)ジフェニルエー
テルジカルボキシレート、3,4′−ビス(3−クロロ
フェニル)ジフェニルエーテルジカルボキシレート、
4,4′−ビス(4−ブロモフェニル)ジフェニルエー
テルジカルボキシレート、3,4′−ビス(4−ブロモ
フェニル)ジフェニルエーテルジカルボキシレート、
4,4′−ビス(3−ブロモフェニル)ジフェニルエー
テルジカルボキシレート、3,4′−ビス(3−ブロモ
フェニル)ジフェニルエーテルジカルボキシレート、
4′−ビス(4−ヨードフェニル)ジフェニルエーテル
ジカルボキシレート、3,4′−ビス(4−ヨードフェ
ニル)ジフェニルエーテルジカルボキシレート、4,
4′−ビス(3−ヨードフェニル)ジフェニルエーテル
ジカルボキシレート、3,4′−ビス(3−ヨードフェ
ニル)ジフェニルエーテルジカルボキシレート、4,
4′−ビス(4−トリフルオロメチルスルフォニロキシ
フェニル)ジフェニルエーテルジカルボキシレート、
3,4′−ビス(4−トリフルオロメチルスルフォニロ
キシフェニル)ジフェニルエーテルジカルボキシレー
ト、4,4′−ビス(3−トリフルオロメチルスルフォ
ニロキシフェニル)ジフェニルエーテルジカルボキシレ
ート、3,4′−ビス(3−トリフルオロメチルスルフ
ォニロキシフェニル)ジフェニルエーテルジカルボキシ
レート、4,4′−ビス(4−メチルスルフォニロキシ
フェニル)ジフェニルエーテルジカルボキシレート、
3,4′−ビス(4−メチルスルフォニロキシフェニ
ル)ジフェニルエーテルジカルボキシレート、4,4′
−ビス(3−メチルスルフォニロキシフェニル)ジフェ
ニルエーテルジカルボキシレート、3,4′−ビス(3
−メチルスルフォニロキシフェニル)ジフェニルエーテ
ルジカルボキシレートなどが挙げられる。
【0058】さらに、上記モノマーvとしては、例えば
4,4′−ビス〔(4−クロロフェニル)−1,1,
1,3,3,3―ヘキサフルオロプロピル〕ジフェニル
エーテル、3,4′−ビス〔(4−クロロフェニル)−
1,1,1,3,3,3―ヘキサフルオロプロピル〕ジ
フェニルエーテル、4,4′−ビス〔(3−クロロフェ
ニル)−1,1,1,3,3,3―ヘキサフルオロプロ
ピル〕ジフェニルエーテル、3,4′−ビス〔(3−ク
ロロフェニル)−1,1,1,3,3,3―ヘキサフル
オロプロピル〕ジフェニルエーテル、4,4′−ビス
[(4−ブロモフェニル)−1,1,1,3,3,3―
ヘキサフルオロプロピル〕ジフェニルエーテル、3,
4′−ビス〔(4−ブロモフェニル)−1,1,1,
3,3,3―ヘキサフルオロプロピル〕ジフェニルエー
テル、4,4′−ビス〔(3−ブロモフェニル)−1,
1,1,3,3,3―ヘキサフルオロプロピル〕ジフェ
ニルエーテル、3,4′−ビス〔(3−ブロモフェニ
ル)−1,1,1,3,3,3―ヘキサフルオロプロピ
ル〕ジフェニルエーテル、4,4′−ビス〔(4−ヨー
ドフェニル)−1,1,1,3,3,3―ヘキサフルオ
ロプロピル〕ジフェニルエーテル、3,4′−ビス
〔(4−ヨードフェニル)−1,1,1,3,3,3―
ヘキサフルオロプロピル〕ジフェニルエーテル、4′−
ビス〔(3−ヨードフェニル)−1,1,1,3,3,
3―ヘキサフルオロプロピル〕ジフェニルエーテル、
3,4′−ビス〔(3−ヨードフェニル)−1,1,
1,3,3,3―ヘキサフルオロプロピル〕ジフェニル
エーテル、4,4′−ビス〔(4−トリフルオロメチル
スルフォニロキシフェニル)−1,1,1,3,3,3
―ヘキサフルオロプロピル〕ジフェニルエーテル、3,
4′−ビス〔(4−トリフルオロメチルスルフォニロキ
シフェニル)−1,1,1,3,3,3―ヘキサフルオ
ロプロピル〕ジフェニルエーテル、4′−ビス〔(3−
トリフルオロメチルスルフォニロキシフェニル)−1,
1,1,3,3,3―ヘキサフルオロプロピル〕ジフェ
ニルエーテル、3,4′−ビス〔(3−トリフルオロメ
チルスルフォニロキシフェニル)−1,1,1,3,
3,3―ヘキサフルオロプロピル〕ジフェニルエーテ
ル、4,4′−ビス〔(4−メチルスルフォニロキシフ
ェニル)−1,1,1,3,3,3―ヘキサフルオロプ
ロピル〕ジフェニルエーテル、3,4′−ビス〔(4−
メチルスルフォニロキシフェニル)−1,1,1,3,
3,3―ヘキサフルオロプロピル〕ジフェニルエーテ
ル、4,4′−ビス〔(3−メチルスルフォニロキシフ
ェニル)−1,1,1,3,3,3―ヘキサフルオロプ
ロピル〕ジフェニルエーテル、3,4′−ビス〔(3−
メチルスルフォニロキシフェニル)−1,1,1,3,
3,3―ヘキサフルオロプロピル〕ジフェニルエーテル
などが挙げられる。
【0059】さらに、上記モノマーvとしては、例えば
4,4′−ビス〔(4−クロロフェニル)テトラフルオ
ロエチル〕ジフェニルエーテル、4,4′−ビス〔(3
−クロロフェニル)テトラフルオロエチル〕ジフェニル
エーテル、4,4′−ビス〔(4−クロロフェニル)ヘ
キサフルオロプロピル〕ジフェニルエーテル、4,4′
−ビス〔(3−クロロフェニル)ヘキサフルオロプロピ
ル〕ジフェニルエーテル、4,4′−ビス〔(4−クロ
ロフェニル)オクタフルオロブチル〕ジフェニルエーテ
ル、4,4′−ビス〔(3−クロロフェニル)オクタフ
ルオロブチル〕ジフェニルエーテル、4,4′−ビス
〔(4−クロロフェニル)デカフルオロペンチル〕ジフ
ェニルエーテル、4,4′−ビス〔(3−クロロフェニ
ル)デカフルオロペンチル〕ジフェニルエーテル、4,
4′−ビス〔(4−ブロモフェニル)テトラフルオロエ
チル〕ジフェニルエーテル、4,4′−ビス〔(3−ブ
ロモフェニル)テトラフルオロエチル〕ジフェニルエー
テル、4,4′−ビス〔(4−ブロモフェニル)ヘキサ
フルオロプロピル〕ジフェニルエーテル、4,4′−ビ
ス〔(3−ブロモフェニル)ヘキサフルオロプロピル〕
ジフェニルエーテル、4,4′−ビス〔(4−ブロモフ
ェニル)オクタフルオロブチル〕ジフェニルエーテル、
4,4′−ビス〔(3−ブロモフェニル)オクタフルオ
ロブチル〕ジフェニルエーテル、4,4′−ビス〔(4
−ブロモフェニル)デカフルオロペンチル〕ジフェニル
エーテル、4,4′−ビス〔(3−ブロモフェニル)デ
カフルオロペンチル〕ジフェニルエーテル、4,4′−
ビス〔(4−ヨードフェニル)テトラフルオロエチル〕
ジフェニルエーテル、4,4′−ビス〔(3−ヨードフ
ェニル)テトラフルオロエチル〕ジフェニルエーテル、
4,4′−ビス〔(4−ヨードフェニル)ヘキサフルオ
ロプロピル〕ジフェニルエーテル、4,4′−ビス
〔(3−ヨードフェニル)ヘキサフルオロプロピル〕ジ
フェニルエーテル、4,4′−ビス〔(4−ヨードフェ
ニル)オクタフルオロブチル〕ジフェニルエーテル、
4,4′−ビス〔(3−ヨードフェニル)オクタフルオ
ロブチル〕ジフェニルエーテル、4,4′−ビス〔(4
−ヨードフェニル)デカフルオロペンチル〕ジフェニル
エーテル、4,4′−ビス〔(3−ヨードフェニル)デ
カフルオロペンチル〕ジフェニルエーテル、4,4′−
ビス〔(4−トリフルオロメチルスルフォニロキシフェ
ニル)テトラフルオロエチル〕ジフェニルエーテル、
4,4′−ビス〔(3−トリフルオロメチルスルフォニ
ロキシフェニル)テトラフルオロエチル〕ジフェニルエ
ーテル、4,4′−ビス〔(4−トリフルオロメチルス
ルフォニロキシフェニル)ヘキサフルオロプロピル〕ジ
フェニルエーテル、4,4′−ビス〔(3−トリフルオ
ロメチルスルフォニロキシフェニル)ヘキサフルオロプ
ロピル〕ジフェニルエーテル、4,4′−ビス〔(4−
トリフルオロメチルスルフォニロキシフェニル)オクタ
フルオロブチル〕ジフェニルエーテル、4,4′−ビス
〔(3−トリフルオロメチルスルフォニロキシフェニ
ル)オクタフルオロブチル〕ジフェニルエーテル、4,
4′−ビス〔(4−トリフルオロメチルスルフォニロキ
シフェニル)デカフルオロペンチル〕ジフェニルエーテ
ル、4,4′−ビス〔(3−トリフルオロメチルスルフ
ォニロキシ)デカフルオロペンチル〕ジフェニルエーテ
ル、4,4′−ビス〔(4−メチルスルフォニロキシフ
ェニル)テトラフルオロエチル〕ジフェニルエーテル、
4,4′−ビス〔(3−メチルスルフォニロキシフェニ
ル)テトラフルオロエチル〕ジフェニルエーテル、4,
4′−ビス〔(4−メチルスルフォニロキシフェニル)
ヘキサフルオロプロピル〕ジフェニルエーテル、4,
4′−ビス〔(3−メチルスルフォニロキシフェニル)
ヘキサフルオロプロピル〕ジフェニルエーテル、4,
4′−ビス〔(4−メチルスルフォニロキシフェニル)
オクタフルオロブチル〕ジフェニルエーテル、4,4′
−ビス〔(3−メチルスルフォニロキシフェニル)オク
タフルオロブチル〕ジフェニルエーテル、4,4′−ビ
ス〔(4−メチルスルフォニロキシフェニル)デカフル
オロペンチル〕ジフェニルエーテル、4,4′−ビス
〔(3−メチルスルフォニロキシ)デカフルオロペンチ
ル〕ジフェニルエーテルなどが挙げられる。
【0060】また、上記モノマーs〜v以外にも、例え
ば、o−ジクロロベンゼン、o−ジブロモベンゼン、o
−ジヨードベンゼン、o−ジメチルスルフォニロキシベ
ンゼン、2,3−ジクロロトルエン、2,3−ジブロモ
トルエン、2,3−ジヨードトルエン、3,4−ジクロ
ロトルエン、3,4−ジブロモトルエン、3,4−ジヨ
ードトルエン、2,3−ジメチルスルフォニロキシベン
ゼン、3,4−ジメチルスルフォニロキシベンゼン、
3,4−ジクロロベンゾトリフルオライド、3,4−ジ
ブロモベンゾトリフルオライド、3,4−ジヨードベン
ゾトリフルオライド、1,2−ジブロモ−3,4,5,
6−テトラフルオロベンゼン、4,5−ジクロロフタル
酸無水物などを共重合させることができる。
【0061】ポリアリーレン中の繰り返し構造単位の割
合は、上記式(7)において、sが0〜100モル%、
tが0〜100モル%、uが0〜100モル%、vが0
〜100モル%、好ましくは、sが50〜100モル
%、tが0〜50モル%、uが50〜100モル%、v
が0〜50モル%(ただし、s+t+u+v=100モ
ル%)である。
【0062】本発明に用いられるポリアリーレンを製造
する際に用いられる触媒は、遷移金属化合物を含む触媒
系が好ましく、この触媒系としては、遷移金属塩およ
び配位子、または配位子が配位された遷移金属(塩)、
ならびに還元剤を必須成分とし、さらに、重合速度を
上げるために、「塩」を添加してもよい。
【0063】ここで、遷移金属塩としては、塩化ニッケ
ル、臭化ニッケル、ヨウ化ニッケル、ニッケルアセチル
アセトナートなどのニッケル化合物、塩化パラジウム、
臭化パラジウム、ヨウ化パラジウムなどのパラジウム化
合物、塩化鉄、臭化鉄、ヨウ化鉄などの鉄化合物、塩化
コバルト、臭化コバルト、ヨウ化コバルトなどのコバル
ト化合物などを挙げることができる。これらのうち特
に、塩化ニッケル、臭化ニッケルなどが好ましい。
【0064】また、配位子としては、トリフェニルホス
フィン、2,2′−ビピリジン、1,5−シクロオクタ
ジエン、1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパ
ンなどを挙げることができるが、トリフェニルホスフィ
ン、2,2′−ビピリジンが好ましい。上記配位子は、
1種単独でまたは2種以上を組合わせて用いることがで
きる。
【0065】さらに、あらかじめ配位子が配位された遷
移金属(塩)としては、例えば、塩化ニッケルビス(ト
リフェニルホスフィン)、臭化ニッケルビス(トリフェ
ニルホスフィン)、ヨウ化ニッケルビス(トリフェニル
ホスフィン)、硝酸ニッケル2−トリフェニルホスフィ
ン、塩化ニッケル2,2′ビピリジン、臭化ニッケル
2,2′ビピリジン、ヨウ化ニッケル2,2′ビピリジ
ン、硝酸ニッケル2,2′ビピリジン、ビス(1,5−
シクロオクタジエン)ニッケル、テトラキス(トリフェ
ニルホスフィン)ニッケル、テトラキス(トリフェニル
ホスファイト)ニッケル、テトラキス(トリフェニルホ
スフィン)パラジウムなどを挙げることができるが、塩
化ニッケルビス(トリフェニルホスフィン)、塩化ニッ
ケル2,2′ビピリジンが好ましい。
【0066】このような触媒系において使用することが
できる上記還元剤としては、例えば、鉄、亜鉛、マンガ
ン、アルミニウム、マグネシウム、ナトリウム、カルシ
ウムなどを挙げることできるが、亜鉛、マンガンが好ま
しい。これらの還元剤は、酸や有機酸に接触させること
により、より活性化して用いることができる。
【0067】また、このような触媒系において使用する
ことのできる「塩」としては、フッ化ナトリウム、塩化
ナトリウム、臭化ナトリウム、ヨウ化ナトリウム、硫酸
ナトリウムなどのナトリウム化合物、フッ化カリウム、
塩化カリウム、臭化カリウム、ヨウ化カリウム、硫酸カ
リウムなどのカリウム化合物、フッ化テトラエチルアン
モニウム、塩化テトラエチルアンモニウム、臭化テトラ
エチルアンモニウム、ヨウ化テトラエチルアンモニウ
ム、硫酸テトラエチルアンモニウムなどのアンモニウム
化合物などを挙げることができるが、臭化ナトリウム、
ヨウ化ナトリウム、臭化カリウム、臭化テトラエチルア
ンモニウム、ヨウ化テトラエチルアンモニウムが好まし
い。
【0068】このような触媒系における各成分の使用割
合は、遷移金属塩または配位子が配位された遷移金属
(塩)が、上記モノマーs〜vの総量1モルに対し、通
常、0.0001〜10モル、好ましくは0.01〜
0.5モルである。0.0001モル未満であると、重
合反応が充分に進行せず、一方、10モルを超えると、
分子量が低下することがある。
【0069】このような触媒系において、遷移金属塩お
よび配位子を用いる場合、この配位子の使用割合は、遷
移金属塩1モルに対し、通常、0.1〜100モル、好
ましくは1〜10モルである。0.1モル未満では、触
媒活性が不充分となり、一方、100モルを超えると、
分子量が低下するという問題がある。
【0070】また、触媒系における還元剤の使用割合
は、モノマーs〜vの総量1モルに対し、通常、0.1
〜100モル、好ましくは1〜10モルである。0.1
モル未満であると、重合が充分進行せず、一方、100
モルを超えると、得られるポリアリーレンの精製が困難
になることがある。
【0071】さらに、触媒系に「塩」を使用する場合、
その使用割合は、上記モノマーs〜vの総量1モルに対
し、通常、0.001〜100モル、好ましくは0.0
1〜1モルである。0.001モル未満であると、重合
速度を上げる効果が不充分であり、一方、100モルを
超えると、得られるポリアリーレンの精製が困難となる
ことがある。
【0072】本発明で使用することのできる重合溶媒と
しては、例えば、テトラヒドロフラン、シクロヘキサノ
ン、ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルホルムア
ミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2
−ピロリドン、γ−ブチロラクトン、γ−ブチロラクタ
ムなどを挙げることができ、テトラヒドロフラン、N,
N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトア
ミド、N−メチル−2−ピロリドンが好ましい。これら
の重合溶媒は、充分に乾燥してから用いることが好まし
い。
【0073】重合溶媒中における上記モノマーs〜vの
総量の濃度は、通常、1〜100重量%、好ましくは5
〜40重量%である。
【0074】また、本発明のポリアリーレンを重合する
際の重合温度は、通常、0〜200℃、好ましくは50
〜80℃である。また、重合時間は、通常、0.5〜1
00時間、好ましくは1〜40時間である。なお、本発
明に用いられるポリアリーレンのポリスチレン換算の重
量平均分子量は、通常、1,000〜1,000,00
0である。
【0075】本発明に用いられるポリアリーレンのスル
ホン化物(スルホン化ポリアリーレン)は、スルホン酸
基を有しない上記ポリアリーレンに、スルホン化剤を用
い、常法によりスルホン酸基を導入することにより得る
ことができる。スルホン酸基を導入する方法としては、
例えば、上記ポリアリーレンを、無水硫酸、発煙硫酸、
クロルスルホン酸、硫酸、亜硫酸水素ナトリウムなどの
公知のスルホン化剤を用いて、公知の条件でスルホン化
することができる〔Polymer Preprint
s,Japan,Vol.42,No.3,p.730
(1993);Polymer Preprints,
Japan,Vol.42,No.3,p.736(1
994);Polymer Preprints,Ja
pan,Vol.42,No.7,p.2490〜24
92(1993)〕。
【0076】すなわち、このスルホン化の反応条件とし
ては、上記ポリアリーレンを、無溶剤下、あるいは溶剤
存在下で、上記スルホン化剤と反応させる。溶剤として
は、例えばn−ヘキサンなどの炭化水素溶剤、テトラヒ
ドロフラン、ジオキサンなどのエーテル系溶剤、N,N
−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミ
ド、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルスルホキシ
ドのような非プロトン系極性溶剤のほか、テトラクロロ
エタン、ジクロロエタン、クロロホルム、塩化メチレン
などのハロゲン化炭化水素などが挙げられる。反応温度
は、特に制限はないが、通常、−50〜200℃、好ま
しくは−10〜100℃である。また、反応時間は、通
常、0.5〜1,000時間、好ましくは1〜200時
間である。
【0077】このようにして得られる、上記ポリアリー
レンのスルホン化物(スルホン化ポリアリーレン)中
の、スルホン酸基量は、重合体1gあたり、1.5〜
3.5ミリ当量、好ましくは1.6〜3.0ミリ当量で
ある。1.5ミリ当量未満では、プロトン伝導性が上が
らず、一方、3.5ミリ当量を超えると、親水性が向上
し、水溶性ポリマーとなってしまうか、また水溶性に至
らずとも耐久性が低下する。
【0078】また、このようにして得られるポリアリー
レンのスルホン化物(スルホン化ポリアリーレン)は、
スルホン化前のベースポリマーの分子量が、ポリスチレ
ン換算重量平均分子量で、1,000〜1,000,0
00、好ましくは1,500〜300,000である。
1,000未満では、成形フィルムにクラックが発生す
るなど、塗膜性が不充分であり、また強度的性質にも問
題がある。一方、1,000,000を超えると、溶解
性が不充分となり、また溶液粘度が高く、加工性が不良
になるなどの問題がある。
【0079】(B)共役ジエン−芳香族ビニル共重合体
水添物のスルホン化物 燃料電池では、電極反応で生じる酸化性のラジカルに対
する安定性(化学耐性)[フェントン(fenton)試薬耐
性]が必要である。また、燃料電池に組み込むために
は、フィルムに靭性が要求される。靭性を付与するに
は、エラストマー性高分子を複合化させるアプローチが
あるが、通常のエラストマー性高分子の構成する化学結
合では、酸化性のラジカルと反応し劣化してしまう。本
発明の組成物において、この(B)スルホン化物を併用
することにより、意外にも、得られるプロトン伝導性材
料の燃料電池への組み立て加工性に必要な靭性と化学耐
性を確保することができ、かつマトリックスポリマーに
均質に分散することを見出した。
【0080】本発明に用いられる共役ジエン−芳香族ビ
ニル共重合体水添物のスルホン化物は、共役ジエン−芳
香族ビニル化合物からなる共重合体(以下「ベースポリ
マー前駆体」ともいう)を水素添加した誘導体(以下
「ベースポリマー」ともいう)をスルホン化することに
よって得られる。ベースポリマー、およびその前駆体に
使用される共役ジエンモノマーとしては、例えば、1,
3−ブタジエン(以下、ブタジエンという)、1,3−
ペンタジエン、イソプレン、1,3−ヘキサジエン、
2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、2−エチル−
1,3−ブタジエン、1,3−ヘプタジエン、3,5−
ヘプタジエン、シクロペンタジエン、1,3−シクロヘ
キサジエンなどのほか、分岐した炭素数4〜7の各種脂
肪族あるいは脂環族共役ジエン類が挙げられ、1種単独
でまたは2種以上を併用して用いることができる。好ま
しくは1,3−ブタジエン、イソプレン、1,3−ペン
タジエンである。
【0081】これら共役ジエンと共重合させるビニル芳
香族化合物としては、例えば、スチレン、α−メチルス
チレン、o−メチルスチレン、p−メチルスチレン、m
−メチルスチレン、ビニルナフタレンなどの芳香族モノ
マーが挙げることができる。これらのモノマーは、1種
単独でまたは2種以上併用して用いることができる。
【0082】ベースポリマー前駆体は、共役ジエンモノ
マーおよびビニル芳香族化合物モノマーを、過酸化水
素、ベンゾイルパーオキサイドなどの過酸化物、アゾビ
スイソブチロニトリルなどのアゾ化合物などで代表され
るラジカル重合開始剤で乳化重合、溶液重合で調製でき
る。あるいは、n−ブチルリチウム、ナトリウムナフタ
レン、金属ナトリウムなどのアニオン重合開始剤の存在
下、アニオン重合に適した公知の溶剤、重合反応条件を
適用して、通常、−100〜150℃、好ましくは0〜
130℃で、共重合を行うことにより得られる。また、
アニオン重合においては、ランダム重合の他、共役ジエ
ン、ビニル芳香族化合物ユニットのブロック共重合体な
ど連鎖を制御した共重合体をを公知の方法で調製するこ
ともできる。
【0083】さらに、これらのベースポリマー前駆体
は、ジエン系重合体に由来する残存二重結合を水添した
誘導体に転換し、ベースポリマーとする。この場合、公
知の水添触媒が使用可能で、例えば、特開平5−222
115号公報に記載されているような触媒、反応方法が
挙げられる。ベースポリマーから、後述する方法でスル
ホン化し、目的のスルホン化された共役ジエン−芳香族
ビニル共重合体水添物のスルホン化物が調製できる。
【0084】本発明に使用されるベースポリマー前駆体
は、ランダム型でもAB型あるいはABA型などのブロ
ック型の共重合体でも特に制限なく使用できるが、好ま
しくはブロック型の共重合体である。好ましいベースポ
リマー前駆体としては、例えば、イソプレン−スチレン
ランダム共重合体、イソプレン−スチレンブロック共重
合体、スチレン−イソプレン−スチレン三元ブロック共
重合体、ブタジエン−スチレンランダム共重合体、ブタ
ジエン−スチレンブロック共重合体、スチレン−ブタジ
エン−スチレンブロック共重合体などである。ベースポ
リマーとしては、これらの水素添加体であるが、ベース
ポリマー前駆体の残存2重結合に対する水素添加率は、
少なくとも70%、好ましくは80%、より好ましくは
85%の水素添加誘導体を用いるのが好ましい。水素添
加率が70%以下であると、酸化性ラジカルによる化学
耐性が著しく低下する。
【0085】ジエンモノマーを必須成分とするベースポ
リマーあるいはその水添物のポリスチレン換算の重量平
均分子量(以下「Mw」という)は、好ましくは3,0
00〜1,000,000、さらに好ましくは5,00
0〜500,000、特に好ましくは10,000〜4
00,000である。Mwが3,000未満であると、
充分な弾性に基づく靭性の付与や強度が得られず好まし
くなく、一方、1,000,000を超えると、有機溶
剤への充分な溶解性が得られず好ましくない。
【0086】本発明の共役ジエン−芳香族ビニル共重合
体水添物のスルホン化物は、上記ベースポリマーを公知
の方法、例えば日本化学会編、新実験講座(14巻 II
I、1773頁)でスルホン化することができる。
【0087】すなわち、上記ベースポリマーは、未水添
部分の二重結合部分、芳香族ビニル化合物系モノマーに
由来する芳香族ユニットをスルホン化剤を用いて、スル
ホン化される。このスルホン化の際、二重結合は付加反
応で単結合になるか、あるいは二重結合は残ったまま、
水素原子がスルホン酸と置換することになる。また、芳
香族は親電子置換反応で水素原子がスルホン酸と置換す
る。構造上、芳香族ユニットへの置換スルホン酸濃度
は、未水添に由来する二重結合に導入されるスルホン酸
よりも高くなっている。スルホン化剤としては、好まし
くは無水硫酸、無水硫酸と電子供与性化合物との錯体の
ほか、硫酸、アセチル硫酸、クロルスルホン酸、発煙硫
酸、亜硫酸水素塩(Na塩、K塩、Li塩など)などが
使用される。
【0088】ここで、電子供与性化合物としては、N,
N−ジメチルホルムアミド、ジオキサン、ジブチルエー
テル、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテルなどのエ
ーテル類;ピリジン、ピペラジン、トリメチルアミン、
トリエチルアミン、トリブチルアミンなどのアミン類;
ジメチルスルフィド、ジエチルスルフィドなどのスルフ
ィド類;アセトニトリル、エチルニトリル、プロピルニ
トリルなどのニトリル化合物、トリエチルリン酸などが
挙げられ、このうちでもN,N−ジメチルホルムアミ
ド、ジオキサン、トリエチルリン酸が好ましい。
【0089】このスルホン化の際には、無水硫酸などの
スルホン化剤に不活性な溶媒を使用することもでき、こ
の溶媒としては例えばクロロホルム、ジクロロエタン、
テトラクロロエタン、テトラクロロエチレン、ジクロロ
メタンなどのハロゲン化炭化水素;ニトロメタン、ニト
ロベンゼンなどのニトロ化合物;液体二酸化イオウ;プ
ロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン
などの脂肪族炭化水素が挙げられる。これらの溶媒は、
適宜、2種以上混合して使用することができる。
【0090】このスルホン化の反応温度は、通常、−7
0〜+200℃、好ましくは−30〜+100℃であ
り、−70℃未満ではスルホン化反応が遅くなり経済的
でなく、一方+200℃を超えると副反応を起こし、生
成物が黒色化し、不溶化する場合があり好ましくない。
【0091】以上のような(B)共役ジエン−ビニル芳
香族化合物共重合体水添物のスルホン化物の含有スルホ
ン酸含量は、0.1〜3.0mmol/g、好ましくは
0.2〜2.5mmol/gである。0.1mmol/
g未満では、マトリックスポリマーへの分散性が悪くな
り、一方、3.0mmol/gを超えると、スルホン化
物自体が脆くなってしまうため好ましくない。
【0092】(B)成分の使用量は、(A)成分100
重量部に対して、通常、3〜40重量部、好ましくは5
〜30重量部である。3重量部未満では、本発明の組成
物から得られるフィルムなどの成形品の脆性化を防ぐこ
とができず、一方、40重量部を超えると、高温時の弾
性率が低下し、またプロトン伝導度が低下するので、好
ましくない。上記範囲内であると、(A)成分と均質に
混和でき、かつ、もともとミクロ相分離している(B)
成分を凝集させることなく、マトリックスに微細に均質
に複合化させることにより、マトリックスを連続相に維
持しながら、延性化を図ることができる。
【0093】(C)有機溶媒;本発明に用いられる
(C)有機溶媒は、(A)〜(B)成分の共通溶媒であ
る。(C)有機溶媒としては、例えば、N−メチル−2
−ピロリドン、メタノール、テトラヒドロフラン、シク
ロヘキサノン、ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチ
ルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、γ−
ブチロラクトン、エチレングリコールモノメチルエーテ
ル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレング
リコールメチルエチルエーテル、エチレングリコールモ
ノエチルエーテル、メチルセロソルブアセテート、エチ
ルセロソルブアセテート、ジエチレングリコールモノメ
チルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテ
ル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレ
ングリコールエチルメチルエーテル、ジエチレングリコ
ールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブ
チルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテルア
セテート、プロピレングリコールエチルエーテルアセテ
ート、トルエン、キシレン、メチルアミルケトン、4−
ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン、2−ヒドロ
キシプロピオン酸エチル、2−ヒドロキシ−2−メチル
プロピオン酸メチル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロ
ピオン酸エチル、エトキシ酢酸エチル、ヒドロキシ酢酸
エチル、2−ヒドロキシ−2−メチルブタン酸メチル、
3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピ
オン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−
メトキシプロピオン酸エチル、乳酸メチル、乳酸エチ
ル、クロロホルム、塩化メチレンなどを挙げることがで
きる。好ましくは、N−メチル−2−ピロリドン、メタ
ノール、N,N−ジメチルホルムアミド、エチルカルビ
トール、メチルカルビトールである。
【0094】本発明の組成物は、上記(A)スルホン化
芳香族ポリマーと、(B)共役ジエン−芳香族ビニル共
重合体水添物のスルホン化物と、(C)必要量の有機溶
媒を含むが、組成物中における固形分濃度、すなわち、
(A)〜(B)成分の割合は、組成物中に、3〜40重
量%、好ましくは5〜35重量%である。3重量%未満
では、充分な厚さの塗膜が得られず、一方、40重量%
を超えると、充分に流延せず、均一な塗膜が得られない
ことがある。
【0095】なお、本発明の組成物は、上記(A)〜
(C)成分を主成分とするが、そのほか、必要に応じて
添加剤を添加することができる。この添加剤としては、
レベリング剤やシランカップリング剤などを挙げること
ができる。
【0096】本発明の組成物の調製 本発明のスルホン化ポリマー組成物は、(A)成分中に、
上記のようにして得られた共重合体(B)がミクロ相分
離して、凝集することなく、微細に均質に分散されてい
る。本発明の組成物を調製する方法としては、例えば、
(A)スルホン化ポリマーのラテックス、分散液または
溶液を(B)成分(溶液)とボールミルなどの機械的剪
断力下で強制攪拌する方法、(A)成分を水系で乳化ま
たは懸濁し、これと(B)成分のラテックス、分散液ま
たは溶液とを混合する方法などが挙げられる。なお、
(A)成分のラテックス、分散液または溶液から(A)
成分を凝固または脱溶媒により事前に分離した場合は、
再度、強制攪拌下にメチルエチルケトン、トルエン、ク
ロロホルム、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルス
ルホキシド、γ−ブチロラクトンなどの有機溶媒に溶解
または分散させ、これを(B)成分と混合することがで
きる。また、(A)成分を、通常の熱ロール、インター
ミキサー、押し出し機などを用いて(B)成分を分散さ
せることもできる。
【0097】ここで、本発明の組成物において、(B)
スルホン化物の(A)成分への分散時の粒径は、通常、
10〜500nm、好ましくは20〜500nm、特に
好ましくは50〜200nmである。この粒径が10n
m未満であると、得られる組成物の硬化物の耐衝撃性
(靭性)が低下しやすく、一方、500nmを超える
と、得られる組成物の耐衝撃性(靭性)の改善効果が小
さく、エラストマー粒子としての機能が低下し、同じ効
果を発現させるためには、複合化量を増やさなければな
らないという問題が生じやすい。
【0098】フィルム(プロトン伝導材料) 本発明の組成物を用い、例えば、プロトン伝導性に優れ
たフィルム(プロトン伝導材料)を製造するには、
(A)〜(B)成分を、(C)有機溶媒に溶解して、
(A)成分の溶液中に(B)成分が分散した組成物とし
たのち、基体上にキャスティングによりフィルム状に成
形するキャスティング法などにより、フィルムを製造す
る方法が挙げられる。
【0099】ここで、本発明に使用される基体として
は、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、
ポリブチレンテレフタレート(PBT)フィルム、ナイ
ロン6フィルム、ナイロン6,6フィルム、ポリプロピ
レンフィルム、ポリカーボネートフィルムなどのプラス
チックフィルムのほか、ガラス板などが挙げられ、好ま
しくはPETフィルム、ガラス板である。また、この基
体となるプラスチックフィルム(板)の厚みは、通常、
50〜250μm、好ましくは75〜200μmであ
る。また、ガラス板では、1〜5mmの厚みである。
【0100】上記キャスティング法による製膜後、室温
〜200℃、好ましくは50〜150℃で、5〜180
分、好ましくは5〜120分、加熱・乾燥することによ
り、本発明の複合膜(フィルム)が得られる。乾燥は、
常圧〜真空下の条件が適用できる。また、加熱は、逐次
昇温して処理してもよい。
【0101】なお、本発明のフィルム(プロトン伝導材
料)は、上記(A)スルホン化芳香族ポリマーを含む
が、これ以外に、硫酸、リン酸などの無機酸、カルボン
酸を含む有機酸、適量の水などを併用しても良い。
【0102】また、本発明のフィルム(プロトン伝導材
料)は、フィルムの形成工程中、あるいは得られた複合
膜に、電子線を照射し、硬化処理を行ない、耐久性能を
改良することも好ましい手段である。
【0103】本発明において、基体上に形成されたフィ
ルム、あるいは、得られたフィルムに電子線を照射する
方法としては特に制限はないが、例えば、下記の条件で
行うことが好ましい。 雰囲気:窒素、アルゴンまたは真空(中でも、窒素下
がさらに好ましい。) 温度:20〜300℃(室温から照射ポリマーのガラ
ス転移温度がさらに好ましい。) 電子線量:5〜200Mrad(10〜150Mra
dがさらに好ましい。)
【0104】窒素、アルゴンまたは真空の雰囲気下で、
電子線照射を行なうと、フィルムが酸化されず、充分な
耐熱性、耐久性を得ることができる。温度は、20〜4
50℃であれば、特に制限はないが、被照射ポリマーの
ガラス転移温度、もしくはこれより数10℃高い温度で
行なえば、より効率的に硬化できる。電子線量が5〜2
00Mradの範囲であると、ポリアリーレンのスルホ
ン化物の分解を生起することなく、硬化反応を進行させ
ることができる。5Mrad未満では、架橋に必要な照
射エネルギーが得られず、一方、200Mradを超え
ると、ポリマーの一部が分解してしまうので、好ましく
ない。
【0105】本発明の組成物より得られるフィルム(プ
ロトン伝導材料)の乾燥膜厚は、通常、10〜150μ
m、好ましくは20〜80μmである。
【0106】本発明の組成物より得られるフィルム(プ
ロトン伝導材料)は、樹脂状の(A)スルホン化芳香族
ポリマーと、エラストマー状の(B)成分とが、溶液均
質化を経て複合化されているので、プロトン伝導性を損
なうことなく、スルホン化芳香族ポリマーのみからなる
膜に比べて、引張強度、破断伸び、靭性、弾性率などの
機械的性質や化学耐性が改善される。したがって、本発
明のフィルム(プロトン伝導材料)は、例えば一次電池
用電解質、二次電池用電解質、燃料電池用高分子固体電
解質、表示素子、各種センサー、信号伝達媒体、固体コ
ンデンサー、イオン交換膜などに利用可能なプロトン伝
導性の伝導膜に利用可能である。
【0107】
【実施例】以下、実施例を挙げ本発明をさらに具体的に
説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるもので
はない。なお、実施例中の各種の測定項目は、下記のよ
うにして求めた。
【0108】重量平均分子量、数平均分子量 スルホン化前のポリマーの重量平均分子量・数平均分子
量は、溶媒にテトラヒドロフラン(THF)を用い、ゲ
ルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によ
って、ポリスチレン換算の分子量を求めた。
【0109】スルホン酸当量 得られたポリマーの水洗水が中性になるまで洗浄し、フ
リーの残存している酸を除いて、充分に水洗し、乾燥
後、所定量を秤量し、THF/水の混合溶剤に溶解し、
フェノールフタレインを指示薬とし、NaOHの標準液
にて滴定し、中和点から、スルホン酸当量を求めた。
【0110】プロトン伝導度の測定 100%相対湿度下に置かれた直径13mmのフィルム
状試料を、白金電極に挟み、密閉セルに封入し、インピ
ーダンスアナライザー(HYP4192A)を用いて、
周波数5〜13MHz、印加電圧12mV、温度20
℃、50℃、100℃にてセルのインピーダンスの絶対
値と位相角を測定した。得られたデータは、コンピュー
タを用いて発振レベル12mVにて複素インピーダンス
測定を行い、プロトン伝導率を算出した。
【0111】引張強度、破断伸び 引張強度は、得られたフィルムの室温での引張試験によ
って測定した。
【0112】高温弾性率 調製したフィルムを動的粘弾性測定装置で、周波数11
Hzの条件で測定した際、150℃における動的貯蔵弾性
率が1GPa以上を示す系を○、それ未満の系を×とし
た。
【0113】ダンベル打ち抜き時のフィルムエッジ部の
外観 打ち抜き品外観: ○;クラック発生無し ×;条件によっては大きく成長する微小なクラックが発
生する。
【0114】Fenton試薬耐性 30重量%過酸化水素水30gに蒸留水270gで希釈
し、さらに硫酸第一鉄6水和物0.03gを溶解し、Fe
nton試薬水溶液を調製した。それぞれ調製したフィルム
を40℃に維持したFenton試薬水溶液に浸漬し、10時
間後の重量残存率から、化学耐性を評価した。
【0115】(参考合成例1) ブタジエン−スチレンブロック共重合体の水素添加誘導
体のスルホン化物(a)の調製 ガラス製反応容器に、1,2―ジクロロエタン(320
g)とシクロヘキサン(34g)を入れ、内温を40℃
に保ちながらベースポリマーとしてブタジエン−スチレ
ンブロック共重合体の水素添加誘導体[商品名:KG−
1652、シェル(株)製]を24g加えて1時間撹拌
し、溶解させた。溶解後、無水酢酸を59g加え、30
分撹拌した。次に、内温を40℃に保ちながら、反応器
内に硫酸20gを30分かけて徐々に滴下した。このま
まさらに2時間撹拌後、2Lの蒸留水の中に撹拌しなが
らポリマー溶液を注ぎ、凝固析出させた。析出した固形
分をろ集し、再度、蒸留水中で水洗する。ミキサーで得
られた誘導体を粉砕し、さらに洗浄水のpHが4〜5で
一定になるところまで水洗・ろ過を繰り返した。得られ
たスルホン化ポリマーを乾燥した。このようにして得ら
れたジエン系(共)重合体スルホン化物のスルホン酸基
含量は、0.7mmol/gであった。
【0116】(参考合成例2) ブタジエン−スチレンブロック共重合体の水素添加誘導
体のスルホン化物(b)の調製 使用する無水酢酸の量を98g、硫酸の量を33gとす
る以外は、参考合成例1と同様の方法で調製した。この
ようにして得られた共役ジエン−芳香族ビニル化合物か
らなるブロック共重合体の水素添加誘導体のスルホン酸
基含量は、1.1mmol/gであった。
【0117】(参考合成例3) ブタジエン−スチレンブロック共重合体の水素添加誘導
体のスルホン化物(c)の調製 ガラス製反応容器に1,2―ジクロロエタン(60g)
を入れ、内温を20℃に保ちながら撹拌し、無水硫酸6
gを徐々に加えて、スルホン化剤溶液(A)を調製し
た。別のガラス製反応容器に1、2―ジクロロエタン
(320g)とシクロヘキサン(34g)を入れ、内温
を40℃に保ちながらベースポリマーとしてブタジエン
−スチレンブロック共重合体の水素添加誘導体[商品
名:KG−1652、シェル(株)製]を24g加えて
1時間撹拌した。ベースポリマーが溶解したのちにリン
酸トリエチルを3g加え30分撹拌した。次に、内温を
20℃まで下げた後、反応系の温度を20℃に保ちなが
らスルホン化剤溶液(A)の全量を30分かけて滴下し
た。このまま1時間撹拌し、スルホン化反応を行った
後、2Lの蒸留水の中に反応溶液を徐々に注ぎ、凝固析
出させた。析出したスルホン化ポリマーをろ集し、再度
2Lの蒸留水中で水洗した。回収ポリマーをミキサーを
使い粉砕し、洗浄後の廃液がpH4−5で一定になるま
で水洗・ろ過を繰り返した後、得られた固形分を乾燥
し、目的のスルホン化ポリマーが25gを得た。スルホ
ン酸基含量は、1.7mmol/gであった。
【0118】(参考合成例4) スルホン化ポリアリーレンの調製 (1)2,5−ジクロロ−4'−フェノキシベンゾフェ
ノンと4,4′−ジクロロベンゾフェノンの共重合から
なるポリアリーレンの調製 2,5−ジクロロ−4'−フェノキシベンゾフェノン2
1. 6g(63mmol)と4,4′−ジクロロベンゾ
フェノン1.75g(7mmol)、4−クロロベンゾ
フェノン0.150g(0.7mmol)、ビス(トリ
フェニルホスフィン)ニッケルクロリド1.37g(1
2mmol)、よう化ナトリウム1.36g(52mm
ol)、トリフェニルホスフィン7.34g(160m
mol)、亜鉛11.0g(960mmol)をフラス
コにとり、乾燥窒素置換した。N−メチル−2−ピロリ
ドン(NMP)87.5mlを加え、70℃に加熱し、
20時間撹拌した。反応液をメタノール:濃塩酸(容積
比=9:1)の混合液に注ぎ、生成物を沈殿させた。沈
殿物をろ過、メタノールで洗浄後、乾燥し、収量18.
6g、収率97%で目的のポリ(4'−フェノキシベン
ゾフェノン−2,5−ジイル)-co-(ベンゾフェノン−
4、4’−ジイル)共重合体を得た。GPCで求めた重
合体の数平均分子量は47,900、重量平均分子量は
179,000であった。
【0119】(2)スルホン化ポリ(4'−フェノキシ
ベンゾフェノン−2,5−ジイル)-co-(ベンゾフェノ
ン−4,4'−ジイル)共重合体の調製 上記(1)で合成した共重合体15.0gを、濃硫酸1
50mlに加え、溶解し、室温で5時間攪拌した。反応
液を水に注ぎ、沈殿をろ過、洗浄し、ポリマーを粉砕
し、水で洗滌し、洗浄液のpHが変化がなくなるまで、
洗滌を繰り返し、ろ集後、乾燥して、18.7gのスル
ホン化ポリマーを得た。
【0120】実施例1 参考例合成例4(2)で得たスルホン化ポリアリーレン
ポリマーの10重量%の濃度でN−メチル−2−ピロリ
ドンに溶解させた溶液(以下「A液」と記す)と、参考
合成例1で得たブタジエン−スチレンブロック共重合体
の水素添加誘導体のスルホン化物(a)を10重量%の
濃度になるようN−メチル−2−ピロリドンに分散させ
た分散液(以下「B液」と記す)とを、A液/B液=9
0/10の重量比で混合した。この混合液100重量部
とアルミナボール(直径5mm)50重量部とをプラス
チック瓶に入れ、振とう機で1時間振とうしたのちアル
ミナボールを除き、均一な分散液を得た。この分散液を
ガラス板上にキャストし100℃で乾燥、最終的には真
空乾燥で溶媒を除去し、フィルムを作製した。得られた
フィルムの特性を(表1)に示した。
【0121】実施例2 A液/B液=80/20の重量比で混合した以外は、実
施例1と同様にしてフィルムを作製した。フィルムの特
性を(表1)に示した。
【0122】実施例3 実施例1で用いた参考合成例1で得られたスルホン化エ
ラストマー性水素添加共重合体を参考合成例2で得られ
たスルホン酸基含量の異なるスルホン化エラストマー性
水素添加共重合体(b)に代えた他は、実施例1と同様
に、複合化し、フィルムを作製した。得られたフィルム
の特性を(表1)に示した。
【0123】実施例4 実施例3で用いたスルホン化エラストマー性水素添加共
重合体の複合化組成を10重量%から20重量%に代え
た他は、実施例1と同様に、複合化し、フィルムを作製
した。得られたフィルムの特性を(表1)に示した。
【0124】実施例5 実施例3で用いたエラストマー性水素添加共重合体組成
を10重量%から30重量%に代えた他は、実施例1と
同様に、複合化し、フィルムを作製した。得られたフィ
ルムの特性を(表1)に示した。
【0125】実施例6 実施例1で用いた参考合成例1で得られたゴム粒子成分
を参考合成例3で得られたスルホン酸基含量の異なるブ
タジエン−スチレンブロック共重合体の水素添加誘導体
のスルホン化物(c)に代えた他は、実施例1と同様
に、複合化し、フィルムを作製した。得られたフィルム
の特性を(表1)に示した。
【0126】実施例7 実施例6で用いたゴム粒子成分の複合化ゴム粒子組成を
10重量%から20重量%に代えた他は、実施例1と同
様に、複合化し、フィルムを作製した。得られたフィル
ムの特性を(表1)に示した。
【0127】比較例1 実施例1で用いたA液をガラス板上にキャストし100
℃で乾燥、最終的には真空乾燥で溶媒を除去し、フィル
ムを作製した。得られたフィルムの特性を(表1)に示
した。
【0128】比較例2 実施例1で用いたA液/B液の組成を50/50の重量
比で混合した以外は、実施例1と同様にしてフィルムを
作製した。得られたフィルムの特性を(表1)に示し
た。
【0129】
【表1】
【0130】
【発明の効果】本発明のスルホン化ポリマー組成物は、
樹脂状の(A)スルホン化芳香族ポリマーと、エラスト
マー状の(B)成分とが、(C)有機溶媒により、
(A)成分の溶液中に(B)成分が分散状態で均質化さ
れているので、これより得られるフィルム(複合膜)
は、プロトン伝導性を損なうことなく、スルホン化芳香
族ポリマーのみからなる膜に比べて、引張強度、破断伸
び、弾性率などの機械的性質や化学耐性を改善すること
ができる。したがって、本発明の複合化されたフィルム
は、伝導膜として、広い温度範囲にわたって高いプロン
トン伝導性を有し、かつ基板、電極に対する密着性が優
れ、脆くなく強度において優れており、一次電池用電解
質、二次電池用電解質、燃料電池用高分子固体電解質、
表示素子、各種センサー、信号伝達媒体、固体コンデン
サー、イオン交換膜などの伝導膜として利用可能であ
り、この工業的意義は極めて大である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08K 5/00 C08K 5/00 5G301 C08L 53/02 C08L 53/02 5H026 65/00 65/00 71/00 71/00 Z H01B 1/06 H01B 1/06 A H01M 8/02 H01M 8/02 P (72)発明者 真坂 房澄 東京都中央区築地二丁目11番24号 ジェイ エスアール株式会社内 (72)発明者 内藤 雄二 東京都中央区築地二丁目11番24号 ジェイ エスアール株式会社内 Fターム(参考) 4F071 AA12 AA12X AA22 AA22X AA51 AA69 AA75 AA78 AC02 AC05 AC06 AC07 AC10 AC12 AF37 AH15 AH19 BA02 BB02 BC01 FA05 FB01 FC01 FC04 FD03 4J002 AA03W AC02X BL00X BP01X CE00W CH06W CH07W EA056 EC036 ED026 EE036 EH036 EH156 EL056 EP016 EU026 EV206 FD206 GP01 4J005 AA24 BB02 BD06 4J032 CA03 CA04 CA52 CA53 CA54 CB01 CB03 CD02 CF03 CG01 CG08 4J100 AB00Q AB02Q AB03Q AB04Q AR17P AS01P AS02P AS03P AS04P BA56H CA04 CA31 DA56 HG02 HG03 JA16 5G301 CA30 CD01 CE01 5H026 AA06 CX05 EE18

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)スルホン化芳香族ポリマー[ただ
    し、下記(B)成分を除く]、 (B)共役ジエン−芳香族ビニル化合物共重合体水添物
    のスルホン化物、および (C)有機溶剤を含有することを特徴とするスルホン化
    ポリマー組成物。
  2. 【請求項2】 (A)スルホン化芳香族ポリマーが、ポリ
    アリーレンエーテルのスルホン化物およびポリアリーレ
    ンのスルホン化物もしくはいずれか一方である請求項1
    記載のスルホン化ポリマー組成物。
  3. 【請求項3】 (B)成分において、共役ジエン−芳香
    族ビニル化合物共重合体が、ブロック共重合体である請
    求項1記載のスルホン化ポリマー組成物。
  4. 【請求項4】 (A)スルホン化芳香族ポリマー[ただ
    し、下記(B)成分を除く]と(C)有機溶剤との溶液
    と、(B)共役ジエン−芳香族ビニル化合物共重合体水
    添物のスルホン化物とを混合することを特徴とする、請
    求項1または2記載のスルホン化ポリマー組成物の製造
    方法。
  5. 【請求項5】 請求項1〜3いずれか1項記載のスルホ
    ン化ポリマー組成物を基材に塗布し、乾燥してなるフィ
    ルム。
  6. 【請求項6】 請求項5記載のフィルムからなるプロト
    ン伝導材料。
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