JP2003327674A - 新規な含リン芳香族ジハロゲン化合物、ポリアリーレン重合体、スルホン化ポリアリーレン重合体およびこれら重合体の製造方法、ならびにプロトン伝導膜 - Google Patents

新規な含リン芳香族ジハロゲン化合物、ポリアリーレン重合体、スルホン化ポリアリーレン重合体およびこれら重合体の製造方法、ならびにプロトン伝導膜

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JP2003327674A
JP2003327674A JP2002135930A JP2002135930A JP2003327674A JP 2003327674 A JP2003327674 A JP 2003327674A JP 2002135930 A JP2002135930 A JP 2002135930A JP 2002135930 A JP2002135930 A JP 2002135930A JP 2003327674 A JP2003327674 A JP 2003327674A
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    • Y02P70/50Manufacturing or production processes characterised by the final manufactured product

Abstract

(57)【要約】 【課題】新規な含リン芳香族ジハロゲン化合物、ポリア
リーレン重合体、耐酸化性能に優れたスルホン化ポリア
リーレン重合体およびこれら重合体の製造方法を提供す
ること、耐酸化性能に優れたプロトン伝導膜を提供する
こと。 【解決手段】含リン芳香族ジハロゲン化合物は、下記一
般式(1)で表される; 【化1】 (式中、Xはフッ素を除くハロゲン原子、Aは式 −(C
12)a−(CR34)b−(CR56)c−(CR78)
d−、R1〜R 8は水素原子、アルキル基およびフェニル
基から選ばれる基、a、b、cおよびdは0または1、
a+b+c+dは2以上)ポリアリーレン重合体は、前
記含リン芳香族ジハロゲン化合物から導かれる構成単位
を少なくとも含み、スルホン化ポリアリーレン重合体
は、前記ポリアリーレン重合体が、スルホン化されてな
る。プロトン伝導膜は、前記スルホン化ポリアリーレン
重合体からなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規な含リン芳香
族ジハロゲン化合物、該化合物から導かれる構成単位を
含むポリアリーレン重合体、該重合体をスルホン化して
なるスルホン化ポリアリーレン重合体およびこれら重合
体の製造方法、ならびに前記スルホン化ポリアリーレン
重合体からなるプロトン伝導膜に関する。
【0002】
【従来の技術】Nafion(登録商標)で代表されるパーフ
ルオロハイドロカーボンスルホン酸系重合体は酸化耐性
で表される耐久性能に優れるものの、耐熱性に問題があ
り、使用温度の上限がある。一方、ハイドロカーボン系
スルホン酸系重合体は、酸化耐性はパーフルオロ系に劣
るものの耐熱性に特長のあるポリマーが多い。
【0003】ハイドロカーボン系スルホン酸系重合体の
酸化耐性を向上させる方法としては、従来、酸化防止剤
を添加する方法や酸化劣化を促進する触媒となる重金属
を封鎖する手法が提案されていた(特開2001−22
3015号公報)。しかしながら、これらの方法では使
用経過に伴い、酸化防止剤が溶出されたりして、長期の
安定効果に欠けるといった課題がある。
【0004】本発明者は、このような従来技術に鑑み研
究を重ねた結果、2,5-ジクロロベンゾフェノン誘導体で
ある側鎖に環状ホスホン酸エステル基を有する含リン芳
香族ジハロゲン化合物を見出し、この含リン芳香族ジハ
ロゲン化合物を含む芳香族ジハロゲン化合物から得られ
るポリアリーレン重合体をスルホン化してなるスルホン
化ポリアリーレン重合体は、フェントン試薬耐性試験で
評価される耐酸化性能に優れることを見出して本発明を
完成するに至った。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、新規な含リ
ン芳香族ジハロゲン化合物を提供することを目的として
いる。本発明は、耐酸化性能に優れたスルホン化ポリア
リーレン重合体が得られるようなポリアリーレン重合
体、耐酸化性能に優れたスルホン化ポリアリーレン重合
体およびこれら重合体の製造方法を提供することを目的
としている。
【0006】本発明は、耐酸化性能に優れたプロトン伝
導膜を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、下記の
新規な含リン芳香族ジハロゲン化合物、ポリアリーレン
重合体、スルホン化ポリアリーレン重合体およびこれら
重合体の製造方法、ならびにプロトン伝導膜が提供され
て、本発明の上記目的が達成される。 (1)下記一般式(1)で表されることを特徴とする含
リン芳香族ジハロゲン化合物;
【0008】
【化3】
【0009】(式中、Xは互いに同一でも異なっていて
もよくフッ素を除くハロゲン原子を示し、Aは式 −(C
12)a−(CR34)b−(CR56)c−(CR78)d
で表される2価の基を示し、R1〜R8は互いに同一でも
異なっていてもよく、水素原子、アルキル基およびフェ
ニル基から選ばれる基を示し、a、b、cおよびdは互
いに同一でも異なっていてもよく、0または1であり、
a+b+c+dは2以上である。)。 (2)芳香族化合物から導かれる構成単位からなり、下
記一般式(1')で表される構成単位を少なくとも含む
ことを特徴とするポリアリーレン重合体;
【0010】
【化4】
【0011】(式中、Aは式 −(CR12)a−(CR3
4)b−(CR56)c−(CR78)d− で表される2価の基
を示し、R1〜R8は互いに同一でも異なっていてもよ
く、水素原子、アルキル基およびフェニル基から選ばれ
る基を示し、a、b、cおよびdは互いに同一でも異な
っていてもよく、0または1であり、a+b+c+dは
2以上である。)。 (3)前記一般式(1')で表される構成単位と、2,5
−ジクロロベンゾフェノン誘導体から導かれ側鎖にスル
ホン酸基を導入可能な構造を有する構成単位とからなる
ことを特徴とするポリアリーレン重合体。 (4)前記2,5−ジクロロベンゾフェノン誘導体から
導かれ側鎖にスルホン酸基を導入可能な構造を有する構
成単位が、2,5−ジクロロ−4−フェノキシベンゾフ
ェノンまたは2,5−ジクロロ−4'−(4−フェノキシ
フェノキシ)ベンゾフェノンから導かれる構成単位であ
ることを特徴とする(3)に記載のポリアリーレン重合
体。 (5)(3)または(4)に記載のポリアリーレン重合
体が、スルホン化されてなることを特徴とするスルホン
化ポリアリーレン重合体。 (6)前記一般式(1)で表される含リン芳香族ジハロ
ゲン化合物を少なくとも含む芳香族ジハロゲン化合物を
カップリング重合することを特徴とするポリアリーレン
重合体の製造方法。 (7)前記一般式(1)で表される含リン芳香族ジハロ
ゲン化合物と、重合後側鎖となる部位にスルホン酸基を
導入可能な構造を有する2,5−ジクロロベンゾフェノ
ン誘導体とをカップリング重合することを特徴とするポ
リアリーレン重合体の製造方法。 (8)前記重合後側鎖となる部位にスルホン酸基を導入
可能な構造を有する2,5−ジクロロベンゾフェノン誘
導体が、2,5−ジクロロ−4−フェノキシベンゾフェ
ノンまたは2,5−ジクロロ−4'−(4−フェノキシ
フェノキシ)ベンゾフェノンであることを特徴とする
(7)に記載のポリアリーレン重合体の製造方法。 (9)(7)または(8)に記載の方法で得られたポリ
アリーレン重合体をさらにスルホン化することを特徴と
するスルホン化ポリアリーレン重合体の製造方法。 (10)(5)に記載のスルホン化ポリアリーレン重合
体からなることを特徴とするプロトン伝導膜。 (11)(9)に記載の方法で得られたスルホン化ポリ
アリーレン重合体からなることを特徴とするプロトン伝
導膜。
【0012】
【発明の具体的説明】以下、本発明に係る新規な含リン
芳香族ジハロゲン化合物、ポリアリーレン重合体、スル
ホン化ポリアリーレン重合体およびこれら重合体の製造
方法、ならびにプロトン伝導膜について具体的に説明す
る。含リン芳香族ジハロゲン化合物 本発明に係るは、下記一般式(1)で表される。
【0013】
【化5】
【0014】式中、Xは互いに同一でも異なっていても
よく、フッ素を除くハロゲン原子、すなわち塩素、臭
素、ヨウ素を示す。Aは式 −(CR12)a−(CR34)
b−(CR56)c−(CR78)d− で表される2価の基を
示す。ここで、R1〜R8は互いに同一でも異なっていて
もよく、水素原子、アルキル基およびフェニル基から選
ばれる基を示す。
【0015】R1〜R8が示すアルキル基としては、メチ
ル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、アミル基、ヘ
キシル基が挙げられ、好ましくはメチル基またはエチル
基である。a、b、cおよびdは互いに同一でも異なっ
ていてもよく、0または1であり、a+b+c+dは2
以上であり、好ましくは2〜6、より好ましくは3であ
る。
【0016】Aとしては、a、bおよびcが1であり、
dが0であり、R1、R2、R5およびR6が水素であり、
3およびR4が水素原子、アルキル基およびフェニル基
から選ばれる基、特にアルキル基であるものが好まし
い。本発明に係る含リン芳香族ジハロゲン化合物として
は、以下のような化合物が挙げられる。なお、下記式中
Xは、ハロゲン原子を示し、互いに同一でも異なってい
てもよい。
【0017】
【化6】
【0018】このような本発明に係る含リン芳香族ジハ
ロゲン化合物は、例えば2−オキソ(2H)−1,3,2−ジ
オキサフォスフォリナン誘導体などの含リンユニット
と、4−ブロモ−2',5'−ジクロロベンゾフェノン誘
導体とを反応させることにより製造することができる。
含リンユニットは、例えば亜リン酸エステルとジオール
とのエステル交換反応で合成することができる。
【0019】亜リン酸エステルとして、具体的にはジメ
チルホスファイト、ジエチルホスファイト、ジプロピル
ホスファイト、ジブチルホスファイト、ジペンチルホス
ファイト、ジヘキシルホスファイト、ジフェニルホスフ
ァイト、ジベンジルホスファイトなどのアルコール残基
の炭素原子数が1〜10の亜リン酸エステルが挙げられ
る。
【0020】ジオールとしては、エチレングリコール、
1,2−ジフェニルエタンジオール、1−フェニルエタ
ンジオール、1,3−プロピレングリコール、2-メチル
プロパンジオール、2,2−ジメチル−プロパンジオー
ル、2−メチル−2−エチルプロパンジオール、2−メ
チルプロパン−1,3−ジオール、2−エチルプロパン
−1,3−ジオール、2,2−ジエチルプロパンジオー
ル、1,3−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、
1,4−ブタンジオール、2−メチルペンタン−2,4−
ジオールが挙げられる。
【0021】4−ブロモ−2',5'−ジクロロベンゾフ
ェノン誘導体としては、4−ブロモフェノキシ−2',
5'−ジクロロベンゾフェノン、4−ブロモフェノキシ-
(4"−フェノキシ)−2',5'−ジクロロベンゾフェノ
ンなどが挙げられる。ポリアリーレン重合体を合成する
際に用いられる含リン芳香族化合物としては上記(1)
式で示されるような環状の亜リン酸エステル構造を有す
るものが好ましい。鎖状の非環状亜リン酸エステル構造
を有する含リン芳香族化合物から導かれる構成単位は、
酸性条件下での耐加水分解性に劣り、この構成単位を含
む重合体をプロトン伝導膜材料として使用した場合、長
期の発電中に加水分解して、亜リン酸エステル構造が脱
離してしまい安定性効果の持続性に問題を生じる。
【0022】ポリアリーレン重合体 本発明に係るポリアリーレン重合体は、芳香族化合物か
ら導かれる構成単位からなり、下記式(1’)で表され
る構成単位(以下「構成単位(1’)」ともいう。)を
少なくとも含んでいる。すなわち、本発明に係るポリア
リーレン重合体は、構成単位(1’)のみから形成され
ていてもよく、構成単位(1’)と、該構成単位
(1’)以外の、他の芳香族化合物から導かれる構成単
位(以下「他の芳香族化合物単位」ともいう。)とから
形成されていてもよい。
【0023】
【化7】
【0024】式中、Aは式 −(CR12)a−(CR34)
b−(CR56)c−(CR78)d− で表される2価の基を
示し、R1〜R8、a、b、cおよびdは、上記一般式
(1)中のR1〜R8、a、b、cおよびdと同じであ
る。Aとしては、a、bおよびcが1であり、dが0で
あり、R1、R2、R5およびR6が水素であり、R3およ
びR4が水素原子、アルキル基およびフェニル基から選
ばれる基であるものが好ましい。
【0025】他の芳香族化合物単位としては、下記一般
式(A')で表される芳香族化合物から導かれる構成単
位(以下「構成単位(A')」ともいう。)、芳香族化
合物から導かれ側鎖にスルホン酸基を導入可能な構造を
有する構成単位、例えば下記一般式(B−1')〜(B
−4')から選ばれる芳香族化合物から導かれる構成単
位(以下「構成単位(B')」ともいう。)などが挙げ
られ、芳香族ジハロゲン化合物から導かれ側鎖にスルホ
ン酸基を導入可能な構造を有する構成単位であることが
好ましく、2,5−ジクロロベンゾフェノン誘導体から
導かれ側鎖にスルホン酸基を導入可能な構造を有する構
成単位であることがより好ましいなお、構成単位
(1')は、スルホン酸基を導入可能な構造を有してい
ない。
【0026】次に構成単位(A')について説明する。
【0027】
【化8】
【0028】式(A')中、R1〜R8は互いに同一でも
異なっていてもよく、水素原子、フッ素原子、アルキル
基、フッ素置換アルキル基、アリル基およびアリール基
からなる群より選ばれた少なくとも1種の原子または基
を示す。アルキル基としては、メチル基、エチル基、プ
ロピル基、ブチル基、アミル基、ヘキシル基などが挙げ
られ、メチル基、エチル基などが好ましい。
【0029】フッ素置換アルキル基としては、トリフル
オロメチル基、パーフルオロエチル基、パーフルオロプ
ロピル基、パーフルオロブチル基、パーフルオロペンチ
ル基、パーフルオロヘキシル基などが挙げられ、トリフ
ルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基などが好まし
い。アリル基としては、プロペニル基などが挙げられ、
アリール基としては、フェニル基、ペンタフルオロフェ
ニル基などが挙げられる。
【0030】Zは2価の電子吸引性基を示し、電子吸引
性基としては、例えば−CO−、−CONH−、−(C
2p−(ここで、pは1〜10の整数である)、−C
(CF32−、−COO−、−SO−、−SO2−など
が挙げられる。なお、電子吸引性基とは、ハメット(Ha
mmett)置換基常数がフェニル基のm位の場合、0.0
6以上、p位の場合、0.01以上の値となる基をい
う。
【0031】Yは2価の電子供与性基を示し、電子供与
性基としては、例えば−O−、−S−、−CH=CH
−、−C≡C−および下記式
【0032】
【化9】
【0033】で表される基などが挙げられる。nは0ま
たは正の整数であり、上限は通常100、好ましくは8
0である。次に、下記(B−1')〜(B−4')で表さ
れる構成単位(B')について説明する。
【0034】
【化10】
【0035】式中、R9〜R15は互いに同一でも異なっ
ていてもよく、水素原子、フッ素原子およびアルキル基
からなる群より選ばれた少なくとも1種の原子または基
を示す。R9〜R15が示すアルキル基としては、上記一
般式(A')中のR1〜R8が示すアルキル基と同様のも
のが挙げられる。
【0036】mは0、1または2を示す。Zは上記一般
式(A')でZとして示したものと同様の群から選ばれ
た2価の電子吸引性基を示し、好ましくは−CO−であ
る。Yは上記一般式(A')でYとして示したものと同
様の群から選ばれた2価の電子供与性基を示す。
【0037】Wはフェニル基、ナフチル基および下記式
(C−1)〜(C−3)で表される基からなる群より選
ばれる少なくとも1種の基を示す。
【0038】
【化11】
【0039】式中、Aは電子供与性基または単結合を示
す。電子供与性基としては、上記一般式(A')でYと
して示したものと同様の群から選ばれた2価の電子供与
性基が挙げられる。R16およびR17は水素原子、アルキ
ル基およびアリール基からなる群より選ばれる原子また
は基を示す。R16およびR17が示すアルキル基として
は、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、アミ
ル基、ヘキシル基などが挙げられ、メチル基、エチル基
などが好ましい。アリール基としては、フェニル基、ペ
ンタフルオロフェニル基などが挙げられる。
【0040】R18〜R26は互いに同一でも異なっていて
もよく、水素原子、フッ素原子およびアルキル基からな
る群より選ばれる少なくとも1種の原子または基を示
す。qは0または1を示す。
【0041】
【化12】
【0042】式(B−2')〜(B−4')中、R27〜R
34は互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、フ
ッ素原子、アルキル基、フッ素置換アルキル基、アリー
ル基または下記一般式(D)で表される基を示し、アリ
ール基または下記一般式(D)で表される基であること
が好ましい。
【0043】
【化13】
【0044】式(D)中、R35〜R43は互いに同一でも
異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、アルキ
ル基、フッ素置換アルキル基を示す。R27〜R34、R35
〜R43が示すアルキル基、フッ素置換アルキル基として
は、上記一般式(A')中のR1〜R8が示すアルキル
基、フッ素置換アルキル基と同様の基が挙げられる。ま
たR27〜R34が示すアリール基としては、上記一般式
(A')中のR1〜R8が示すアリール基と同様の基が挙
げられる。
【0045】Zは上記一般式(A')でZとして示した
ものと同様の群から選ばれた2価の電子吸引性基を示
し、好ましくは−CO−である。Yは上記一般式
(A')でYとして示したものと同様の群から選ばれた
2価の電子供与性基を示す。本発明に係るポリアリーレ
ン重合体は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー
で測定したポリスチレン換算の重量平均分子量が、好ま
しくは1万〜100万、より好ましくは2万〜80万で
ある。
【0046】該重合体が含リン芳香族ジハロゲン化合物
単位と、他の芳香族ジハロゲン化合物単位と有する場合
には、含リン芳香族ジハロゲン化合物単位の含有量は通
常0.5〜30モル%、好ましくは1〜25モル%であ
る。含リン芳香族ジハロゲン化合物単位の含有量が0.
1モル%より少ないと得られる重合体の耐久性向上に充
分な効果が得られず、30モル%より多いと得られる重
合体に導入できるスルホン酸量が充分ではなくなる。
【0047】本発明に係るポリアリーレン重合体は、例
えば下記のような方法で製造することができる。ポリアリーレン重合体の製造方法 本発明に係るポリアリーレン重合体の製造方法は、前記
一般式(1)で表される含リン芳香族ジハロゲン化合物
(以下「含リン芳香族ジハロゲン化合物」ともいう。)
を少なくとも含む芳香族化合物をカップリング重合す
る。
【0048】すなわち、本発明のポリアリーレン重合体
の製造方法は、含リン芳香族ジハロゲン化合物を単独重
合してもよく、含リン芳香族ジハロゲン化合物と、該含
リン芳香族ジハロゲン化合物以外の他の芳香族化合物
(以下「他の芳香族化合物」ともいう。)とを共重合し
てもよい。他の芳香族化合物としては、下記一般式
(A)で表される芳香族化合物、重合後側鎖となる部位
にスルホン酸基を導入可能な構造を有する芳香族化合
物、例えば下記一般式(B−1)〜(B−4)から選ば
れる少なくとも1種の芳香族化合物などが挙げられる。
他の芳香族化合物としては、重合後側鎖となる部位にス
ルホン酸基を導入可能な構造を有する芳香族ジハロゲン
化合物が好ましく、重合後側鎖となる部位にスルホン酸
基を導入可能な構造を有する2,5−ジクロロベンゾフ
ェノン誘導体がより好ましい次に、下記一般式(A)で
表される芳香族化合物について説明する。
【0049】
【化14】
【0050】式(A)中、RおよびR'は互いに同一で
も異なっていてもよく、フッ素原子を除くハロゲン原子
または−OSO2T(ここで、Tはアルキル基、フッ素
置換アルキル基またはアリール基を示す。)で表される
基を示す。Zが示すアルキル基としてはメチル基、エチ
ル基などが挙げられ、フッ素置換アルキル基としてはト
リフルオロメチル基などが挙げられ、アリール基として
はフェニル基、p−トリル基などが挙げられる。
【0051】R1〜R8は互いに同一でも異なっていても
よく、前記一般式(A')中のR1〜R8と同様の原子ま
たは基を示す。Zは上記一般式(A')でZとして示し
たものと同様の群から選ばれた2価の電子吸引性基を示
し、好ましくは−CO−である。Yは上記一般式
(A')でYとして示したものと同様の群から選ばれた
2価の電子供与性基を示す。
【0052】nは0または正の整数であり、上限は通常
100、好ましくは80である。上記一般式(A)で表
される芳香族化合物として具体的には、例えば4,4'−
ジクロロベンゾフェノン、4,4'−ジクロロベンズアニ
リド、ビス(クロロフェニル)ジフルオロメタン、2,
2−ビス(4−クロロフェニル)ヘキサフルオロプロパ
ン、4−クロロ安息香酸−4−クロロフェニル、ビス
(4−クロロフェニル)スルホキシド、ビス(4−クロ
ロフェニル)スルホン、これらの化合物において塩素原
子がホウ素原子またはヨウ素原子に置き換わった化合
物、さらにこれらの化合物において4位に置換したハロ
ゲン原子が3位に置換した化合物などが挙げられる。
【0053】また上記一般式(A)で表される芳香族化
合物として具体的には、例えば4,4'−ビス(4−クロ
ロベンゾイル)ジフェニルエーテル、4,4'−ビス(4
−クロロベンゾイルアミノ)ジフェニルエーテル、4,
4'−ビス(4−クロロフェニルスルホニル)ジフェニ
ルエーテル、4,4'−ビス(4−クロロフェニル)ジフ
ェニルエーテルジカルボキシレート、4,4'−ビス
〔(4−クロロフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキ
サフルオロプロピル〕ジフェニルエーテル、4,4'−ビ
ス〔(4−クロロフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘ
キサフルオロプロピル〕ジフェニルエーテル、4,4'−
ビス〔(4−クロロフェニル)テトラフルオロエチル〕
ジフェニルエーテル、これらの化合物において塩素原子
がホウ素原子またはヨウ素原子に置き換わった化合物、
さらにこれらの化合物において4位に置換したハロゲン
原子が3位に置換した化合物、さらにこれらの化合物に
おいてジフェニルエーテルの4位に置換した基の少なく
とも1つが3位に置換した化合物などが挙げられる。
【0054】さらに上記一般式(A)で表される芳香族
化合物としては、2,2−ビス[4−{4−(4−クロ
ロベンゾイル)フェノキシ}フェニル]−1,1,1,3,
3,3−ヘキサフルオロプロパン、ビス[4−{4−
(4−クロロベンゾイル)フェノキシ}フェニル]スル
ホン、および下記式で表される化合物が挙げられる。
【0055】
【化15】
【0056】上記一般式(A)で表される芳香族化合物
は、例えば以下に示す方法で合成することができる。ま
ず電子吸引性基で連結されたビスフェノールを対応する
ビスフェノールのアルカリ金属塩とするために、N−メ
チル−2−ピロリドン、N,N-ジメチルアセトアミド、
スルホラン、ジフェニルスルホン、ジメチルスルホキサ
イドなどの誘電率の高い極性溶媒中でリチウム、ナトリ
ウム、カリウムなどのアルカリ金属、水素化アルカリ金
属、水酸化アルカリ金属、アルカリ金属炭酸塩などを加
える。
【0057】通常、アルカリ金属はフェノールの水酸基
に対し、過剰気味で反応させ、通常、1.1〜2倍当量
を使用する。好ましくは、1.2〜1.5倍当量の使用
である。この際、ベンゼン、トルエン、キシレン、ヘキ
サン、シクロヘキサン、オクタン、クロロベンゼン、ジ
オキサン、テトラヒドロフラン、アニソール、フェネト
ールなどの水と共沸する溶媒を共存させて、電子吸引性
基で活性化されたフッ素、塩素等のハロゲン原子で置換
された芳香族ジハライド化合物、例えば、4,4'−ジフ
ルオロベンゾフェノン、4,4'−ジクロロベンゾフェノ
ン、4,4'−クロロフルオロベンゾフェノン、ビス(4
−クロロフェニル)スルホン、ビス(4−フルオロフェ
ニル)スルホン、4−フルオロフェニル−4'−クロロ
フェニルスルホン、ビス(3−ニトロ−4−クロロフェ
ニル)スルホン、2,6−ジクロロベンゾニトリル、2,
6−ジフルオロベンゾニトリル、ヘキサフルオロベンゼ
ン、デカフルオロビフェニル、2,5−ジフルオロベン
ゾフェノン、1,3−ビス(4−クロロベンゾイル)ベ
ンゼンなどを反応させる。反応性から言えば、フッ素化
合物が好ましいが、次の芳香族カップリング反応を考慮
した場合、末端が塩素原子となるように芳香族求核置換
反応を組み立てる必要がある。活性芳香族ジハライドは
ビスフェノールに対し、2〜4倍モル、好ましくは2.
2〜2.8倍モルの使用である。芳香族求核置換反応の
前に予め、ビスフェノールのアルカリ金属塩としていて
もよい。反応温度は60℃〜300℃で、好ましくは8
0℃〜250℃の範囲である。反応時間は15分〜10
0時間、好ましくは1時間〜24時間の範囲である。最
も好ましい方法としては、下記式
【0058】
【化16】
【0059】(式中、Yは一般式(A)に関して定義し
た通りである。)で示される活性芳香族ジハライドとし
て反応性の異なるハロゲン原子を一個づつ有するクロロ
フルオロ体を用いることであり、フッ素原子が優先して
フェノキシドと求核置換反応が起きるので、目的の活性
化された末端クロロ体を得るのに好都合である。
【0060】または特開平2−159号公報に記載のよ
うに求核置換反応と親電子置換反応を組み合わせ、目的
の電子吸引性基、電子供与性基からなる屈曲性化合物の
合成方法がある。具体的には電子吸引性基で活性化され
た芳香族ビスハライド、例えば、ビス(4−クロロフェ
ニル)スルホンをフェノールとで求核置換反応させてビ
スフェノキシ置換体とする。次いで、この置換体を例え
ば、4−クロロ安息香酸クロリドとのフリーデルクラフ
ト反応から目的の化合物を得る。ここで用いる電子吸引
性基で活性化された芳香族ビスハライドは上記で例示し
た化合物が適用できる。フェノール化合物は置換されて
いてもよいが、耐熱性や屈曲性の観点から、無置換化合
物が好ましい。なお、フェノールの置換反応にはアルカ
リ金属塩とするのが、好ましく、使用可能なアルカリ金
属化合物は上記に例示した化合物を使用できる。使用量
はフェノール1モルに対し、1.2〜2倍モルである。
反応に際し、上述した極性溶媒や水との共沸溶媒を用い
ることができる。ビスフェノキシ化合物を塩化アルミニ
ウム、3フッ化ホウ素、塩化亜鉛などのルイス酸のフリ
ーデルクラフト反応の活性化剤存在下に、アシル化剤と
して、クロロ安息香酸クロライドを反応させる。クロロ
安息香酸クロライドはビスフェノキシ化合物に対し、2
〜4倍モル、好ましくは2.2〜3倍モルの使用であ
る。フリーデルクラフト活性化剤は、アシル化剤のクロ
ロ安息香酸などの活性ハライド化合物1モルに対し、
1.1〜2倍当量使用する。反応時間は15分〜10時
間の範囲で、反応温度は−20℃から80℃の範囲であ
る。使用溶媒は、フリーデルクラフト反応に不活性な、
クロロベンゼンやニトロベンゼンなどを用いることがで
きる。
【0061】また、一般式(A)において、nが2以上
であるモノマー(A)は、例えば、一般式(A)におい
て電子供与性基Yであるエーテル性酸素の供給源となる
ビスフェノールと、電子吸引性基Xである、>C=O、
−SO2−、および/または>C(CF32とを組み合
わした、具体的には2,2−ビス(4−ヒドロキシフェ
ニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパ
ン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ケトン、
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホンなど
のビスフェノールのアルカリ金属塩と過剰の4,4−ジ
クロロベンゾフェノン、ビス(4−クロロフェニル)ス
ルホンなどの活性芳香族ハロゲン化合物との置換反応を
N−メチル−2−ピロリドン、N,N-ジメチルアセトア
ミド、スルホランなどの極性溶媒存在下で前記単量体の
合成手法に順次重合して得られる。
【0062】このようなモノマー(A)の例示として
は、下記式で表される化合物などを挙げることができ
る。
【0063】
【化17】
【0064】
【化18】
【0065】
【化19】
【0066】上記において、nは2以上、好ましくは2
〜100である。次に、下記一般式(B−1)〜(B−
4)で表される芳香族化合物について説明する。
【0067】
【化20】
【0068】式中、RおよびR'は互いに同一でも異な
っていてもよく、上記一般式(A)中のRおよびR'と
同様の原子または基を示し、好ましくはハロゲン原子で
あり、より好ましくは塩素原子である。R9〜R15は互
いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、フッ素原
子およびアルキル基からなる群より選ばれた少なくとも
1種の原子または基を示す。
【0069】R9〜R15が示すアルキル基としては、上
記一般式(A')中のR1〜R8が示すアルキル基と同様
のものが挙げられる。mは0、1または2を示す。Zは
上記一般式(A')でZとして示したものと同様の群か
ら選ばれた2価の電子吸引性基を示し、好ましくは−C
O−である。
【0070】Yは上記一般式(A')でYとして示した
ものと同様の群から選ばれた2価の電子供与性基を示
す。Wは上記一般式(A')でWとして示したものと同
様の群から選ばれた基を示す。上記一般式(B−1)で
表される芳香族化合物としては、下記式で表される化合
物が挙げられる。
【0071】
【化21】
【0072】より具体的には、一般式(B−1)で表さ
れる化合物としては、下記式で表される化合物が挙げら
れる。
【0073】
【化22】
【0074】
【化23】
【0075】また、上記のような化合物において、塩素
原子を臭素原子またはヨウ素原子に置き換えた化合物も
例示することができる。
【0076】
【化24】
【0077】式(B−2)〜(B−4)中、Rおよび
R'は互いに同一でも異なっていてもよく、上記一般式
(A)中のRおよびR'と同様の基を示し、好ましくは
ハロゲン原子であり、より好ましくは塩素原子である。
27〜R34は互いに同一でも異なっていてもよく、水素
原子、フッ素原子、アルキル基、フッ素置換アルキル
基、アリール基または下記一般式(D)で表される基を
示し、アリール基または下記一般式(D)で表される基
であることが好ましい。
【0078】
【化25】
【0079】式(D)中、R35〜R43は互いに同一でも
異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、アルキ
ル基、フッ素置換アルキル基を示す。R27〜R34、R35
〜R43が示すアルキル基、フッ素置換アルキル基として
は、R1〜R8が示すアルキル基、フッ素置換アルキル基
と同様の基が挙げられる。またR27〜R34が示すアリー
ル基としては、R1〜R8が示すアリール基と同様の基が
挙げられる。
【0080】Zは上記一般式(A')でZとして示した
ものと同様の群から選ばれた2価の電子吸引性基を示
し、好ましくは−CO−である。Yは上記一般式
(A')でYとして示したものと同様の群から選ばれた
2価の電子供与性基を示す。上記一般式(B−2)で表
される芳香族化合物として具体的には、例えばp−ジク
ロロベンゼン、p−ジメチルスルフォニロキシベンゼ
ン、2,5−ジクロロトルエン、2,5−ジメチルスルフ
ォニロキシベンゼン、2,5−ジクロロ−p−キシレ
ン、2,5−ジクロロベンゾトリフルオライド、1,4−
ジクロロ−2,3,5,6−テトラフルオロベンゼン、お
よびこれらの化合物において塩素原子を臭素原子または
ヨウ素原子に置き換えた化合物などが挙げられる。
【0081】上記一般式(B−3)で表される芳香族化
合物として具体的には、例えば4,4'−ジメチルスルフ
ォニロキシビフェニル、4,4'−ジメチルスルフォニロ
キシ−3,3'−ジプロペニルビフェニル、4,4'−ジブ
ロモビフェニル、4,4'−ジヨードビフェニル、4,4'
−ジメチルスルフォニロキシ−3,3'−ジメチルビフェ
ニル、4,4'−ジメチルスルフォニロキシ−3,3'−ジ
フルオロビフェニル、4,4'−ジメチルスルフォニロキ
シ−3,3',5,5'−テトラフルオロビフェニル、4,
4'−ジブロモオクタフルオロビフェニル、4,4'−ジ
メチルスルフォニロキシオクタフルオロビフェニルなど
が挙げられる。
【0082】上記一般式(B−4)で表される芳香族化
合物として具体的には、例えばm−ジクロロベンゼン、
m−ジメチルスルフォニロキシベンゼン、2,4−ジク
ロロトルエン、3,5−ジクロロトルエン、2,6−ジク
ロロトルエン、3,5−ジメチルスルフォニロキシトル
エン、2,6−ジメチルスルフォニロキシトルエン、2,
4−ジクロロベンゾトリフルオライド、3,5−ジクロ
ロベンゾトリフルオライド、1,3−ジブロモ−2,4,
5,6−テトラフルオロベンゼン、およびこれらの化合
物において塩素原子を臭素原子またはヨウ素原子に置き
換えた化合物などが挙げられる。
【0083】本発明のポリアリーレン重合体の製造方法
は、含リン芳香族ジハロゲン化合物と、必要に応じて他
の芳香族化合物(以下これらの化合物を「モノマー」と
もいう。)を重合する。重合する際に使用される触媒と
しては、例えば遷移金属化合物を含む触媒系が挙げら
れ、この触媒系としては、遷移金属塩および配位子と
なる化合物(以下、「配位子成分」ともいう。)、また
は配位子が配位された遷移金属錯体(銅塩を含む)、な
らびに還元剤を必須成分とし、さらに、重合速度を上
げるために、「塩」を添加してもよい。
【0084】ここで、遷移金属塩としては、塩化ニッケ
ル、臭化ニッケル、ヨウ化ニッケル、ニッケルアセチル
アセトナートなどのニッケル化合物;塩化パラジウム、
臭化パラジウム、ヨウ化パラジウムなどのパラジウム化
合物;塩化鉄、臭化鉄、ヨウ化鉄などの鉄化合物;塩化
コバルト、臭化コバルト、ヨウ化コバルトなどのコバル
ト化合物などが挙げられる。これらのうち特に、塩化ニ
ッケル、臭化ニッケルなどが好ましい。
【0085】また、配位子成分としては、トリフェニル
ホスフィン、2,2'−ビピリジン、1,5−シクロオク
タジエン、1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロ
パンなどが挙げられる。これらのうち、トリフェニルホ
スフィン、2,2'−ビピリジンが好ましい。上記配位子
成分である化合物は、1種単独で、あるいは2種以上を
併用することができる。
【0086】さらに、配位子が配位された遷移金属錯体
としては、例えば、塩化ニッケルビス(トリフェニルホ
スフィン)、臭化ニッケルビス(トリフェニルホスフィ
ン)、ヨウ化ニッケルビス(トリフェニルホスフィ
ン)、硝酸ニッケルビス(トリフェニルホスフィン)、
塩化ニッケル(2,2'−ビピリジン)、臭化ニッケル
(2,2'−ビピリジン)、ヨウ化ニッケル(2,2'−ビ
ピリジン)、硝酸ニッケル(2,2'−ビピリジン)、ビ
ス(1,5−シクロオクタジエン)ニッケル、テトラキ
ス(トリフェニルホスフィン)ニッケル、テトラキス
(トリフェニルホスファイト)ニッケル、テトラキス
(トリフェニルホスフィン)パラジウムなどが挙げられ
る。これらのうち、塩化ニッケルビス(トリフェニルホ
スフィン)、塩化ニッケル(2,2'−ビピリジン)が好
ましい。
【0087】上記触媒系に使用することができる還元剤
としては、例えば、鉄、亜鉛、マンガン、アルミニウ
ム、マグネシウム、ナトリウム、カルシウムなどが挙げ
られる。これらのうち、亜鉛、マグネシウム、マンガン
が好ましい。これらの還元剤は、有機酸などの酸に接触
させることにより、より活性化して用いることができ
る。
【0088】また、上記触媒系において使用することの
できる「塩」としては、フッ化ナトリウム、塩化ナトリ
ウム、臭化ナトリウム、ヨウ化ナトリウム、硫酸ナトリ
ウムなどのナトリウム化合物、フッ化カリウム、塩化カ
リウム、臭化カリウム、ヨウ化カリウム、硫酸カリウム
などのカリウム化合物;フッ化テトラエチルアンモニウ
ム、塩化テトラエチルアンモニウム、臭化テトラエチル
アンモニウム、ヨウ化テトラエチルアンモニウム、硫酸
テトラエチルアンモニウムなどのアンモニウム化合物な
どが挙げられる。これらのうち、臭化ナトリウム、ヨウ
化ナトリウム、臭化カリウム、臭化テトラエチルアンモ
ニウム、ヨウ化テトラエチルアンモニウムが好ましい。
【0089】各成分の使用割合は、遷移金属塩または遷
移金属錯体が、モノマーの総計1モルに対し、通常、
0.0001〜10モル、好ましくは0.01〜0.5
モルである。0.0001モル未満では、重合反応が十
分に進行しないことがあり、一方、10モルを超える
と、分子量が低下することがある。触媒系において、遷
移金属塩および配位子成分を用いる場合、この配位子成
分の使用割合は、遷移金属塩1モルに対し、通常、0.
1〜100モル、好ましくは1〜10モルである。0.
1モル未満では、触媒活性が不十分となることがあり、
一方、100モルを超えると、分子量が低下することが
ある。
【0090】また、還元剤の使用割合は、モノマーの総
計1モルに対し、通常、0.1〜100モル、好ましく
は1〜10モルである。0.1モル未満では、重合が十
分進行しないことがあり、100モルを超えると、得ら
れる重合体の精製が困難になることがある。さらに、
「塩」を使用する場合、その使用割合は、モノマーの総
計1モルに対し、通常、0.001〜100モル、好ま
しくは0.01〜1モルである。0.001モル未満で
は、重合速度を上げる効果が不十分であることがあり、
100モルを超えると、得られる重合体の精製が困難と
なることがある。
【0091】使用することのできる重合溶媒としては、
例えばテトラヒドロフラン、シクロヘキサノン、ジメチ
ルスルホキシド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N
−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリド
ン、γ-ブチロラクトン、γ-ブチロラクタムなどが挙げ
られる。これらのうち、テトラヒドロフラン、N,N−
ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミ
ド、N−メチル−2−ピロリドンが好ましい。これらの
重合溶媒は、十分に乾燥してから用いることが好まし
い。
【0092】重合溶媒中におけるモノマーの総計の濃度
は、通常、1〜90重量%、好ましくは5〜40重量%
である。また、重合する際の重合温度は、通常、0〜2
00℃、好ましくは50〜120℃である。また、重合
時間は、通常、0.5〜100時間、好ましくは1〜4
0時間である。
【0093】このようにして含リン芳香族ジハロゲン化
合物と、必要に応じて他の芳香族化合物を重合させるこ
とにより、ポリアリーレン重合体を含む重合溶液が得ら
れる。なおポリアリーレン重合体の構造は、例えば、赤
外線吸収スペクトルによって、1,230〜1,250c
-1のC−O−C吸収、1,640〜1,660cm-1
C=O吸収などにより確認でき、また、核磁気共鳴スペ
クトル(1H-NMR)により、6.8〜8.0ppmの
芳香族プロトンのピークから、その構造を確認すること
ができる。
【0094】スルホン化ポリアリーレン重合体およびそ
の製造方法 本発明に係るスルホン化ポリアリーレン重合体は、構成
単位(1')と、必要に応じて他の芳香族化合物単位と
からなるスルホン酸基を有しないポリアリーレン重合
体、または含リン芳香族ジハロゲン化合物と、側鎖にス
ルホン酸基を導入可能な構造を有する芳香族化合物とか
ら得られるスルホン酸基を有しないポリアリーレン重合
体にスルホン酸基を導入することにより得られたもので
ある。
【0095】ポリアリーレン重合体にスルホン酸基を導
入する方法としては、例えば、上記スルホン酸基を有し
ないポリアリーレン重合体を、無水硫酸、発煙硫酸、ク
ロルスルホン酸、硫酸、亜硫酸水素ナトリウムなどの公
知のスルホン化剤を用いて、公知の条件でスルホン化す
ることができる〔Polymer Preprints,Japan,Vol.42,No.
3,p.730(1993);Polymer Preprints,Japan,Vol.42,No.
3,p.736(1994);Polymer Preprints,Japan,Vol.42,No.
7,pp.2490〜2492(1993)〕。
【0096】すなわち、このスルホン化の反応条件とし
ては、上記スルホン酸基を有しないポリアリーレン重合
体を、無溶剤下、あるいは溶剤存在下で、上記スルホン
化剤と反応させる。溶剤としては、例えばn−ヘキサン
などの炭化水素溶剤、テトラヒドロフラン、ジオキサン
などのエーテル系溶剤、ジメチルアセトアミド、ジメチ
ルホルムアミド、ジメチルスルホキシドのような非プロ
トン系極性溶剤のほか、テトラクロロエタン、ジクロロ
エタン、クロロホルム、塩化メチレンなどのハロゲン化
炭化水素などが挙げられる。反応温度は特に制限はない
が、通常、−50〜200℃、好ましくは−10〜10
0℃である。また、反応時間は、通常、0.5〜1,0
00時間、好ましくは1〜200時間である。
【0097】このようにして得られる、スルホン化ポリ
アリーレン重合体中の、スルホン酸基量は、0.5〜3
ミリグラム当量/g、好ましくは0.8〜2.8ミリグ
ラム当量/gである。0.5ミリグラム当量/g未満で
は、プロトン伝導性が上がらず、一方3ミリグラム当量
/gを超えると、親水性が向上し、水溶性ポリマーとな
ってしまうか、また水溶性に至らずとも耐久性が低下す
る。
【0098】プロトン伝導膜 本発明のプロトン伝導膜は、上記スルホン化ポリアリー
レン重合体からなるが、スルホン化ポリアリーレン重合
体からプロトン伝導膜を調製する際には、上記スルホン
化ポリアリーレン重合体以外に、硫酸、リン酸などの無
機酸、カルボン酸を含む有機酸、適量の水などを併用し
てもよい。
【0099】本発明のプロトン伝導膜を製造するには、
例えば本発明のスルホン化ポリアリーレン重合体を溶剤
に溶解したのち、キャスティングによりフィルム状に成
形するキャスティング法や、溶融成形法などが挙げられ
る。ここで、キャスティング法における溶剤としては、
ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、N−メ
チル−2−ピロリドン、ジメチルスルホキシドなどの非
プロトン系極性溶剤などが挙げられる。これらの溶剤に
はさらにメタノールなどのアルコール系溶剤が混合され
ていてもよい。
【0100】本発明のプロトン伝導膜は、厚さ50μm
のフィルムを45℃のフェントン試薬(過酸化水素3
%、硫酸第二鉄20ppm水溶液)の浸漬試験で重量残
存率80%維持する時間が20時間以上である。本発明
のプロトン伝導膜は、例えば一次電池用電解質、二次電
池用電解質、燃料電池用高分子固体電解質、表示素子、
各種センサー、信号伝達媒体、固体コンデンサー、イオ
ン交換膜などに利用可能なプロトン伝導性の伝導膜に利
用可能である。
【0101】
【実施例】以下、実施例に基づいて本発明をさらに具体
的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるも
のではない。
【0102】
【実施例1】〔5,5-ジメチル-2-(4-(2,5-ジクロロベン
ゾイル)フェニル)-2-オキソ(2H)-1,3,2-ジオキサフォス
フォリナンの合成〕 (5,5-ジメチル-2-オキソ(2H)-1,3,2-ジオキサフォスフ
ォリナン(1)の合成)
【0103】
【化26】
【0104】ジエチルホスファイト(276.2g、
2.0mol)とネオペンチルグリコール 208.3
g(2.0mol)の混合物を145℃(オイルバス温
度)に加熱し、徐々に減圧度を上げながら(16kPa
から最終的には2.1kPa)縮合脱離成分のエタノー
ルを留去した。エタノールの留去が終了(168.9g
留去した。理論値の92%に相当)するまで、おおよそ
6時間要した。
【0105】得られた目的物(1)を分別蒸留(124
−128℃/〜0.4kPa)から単離精製した。精製
品は低温で容易に固化する(融点:124−128℃)
無色の液体であった。収量は277.2g(収率92
%)であった。 IR(neat):2973,2881,2408cm-1;1 H-NMR(500MHz,CDCl3): (s,3H),1.26(s,3H),3.97-4.08(m,4H),6.91(d,J=678Hz,1
H). (4-ブロモ-2',5'-ジクロロベンゾフェノン(2)の合
成)
【0106】
【化27】
【0107】2,5−ジクロロ安息香酸クロリド 3.3
g(350mmol)のブロモベンゼン170mL(約
1.6mol)の溶液に、無水塩化アルミニウム 56
g(420mmol)を窒素雰囲気で室温下、攪拌しな
がら、少量ずつ10分間かけて添加した。添加後、反応
系を70℃に維持し、さらに2時間反応させた。反応
後、反応混合溶液を氷/塩酸(300g/150mL)
に注いだ。有機層を分離し、5%の炭酸水素ナトリウム
水溶液100mLで2回、さらに水 150mLで2回
洗浄し、硫酸マグネシウムを加え乾燥した。乾燥後の溶
液から過剰のブロモベンゼンを減圧留去させると目的物
(2)の粗結晶が得られた。さらにヘキサン約400m
Lから再結晶を行い、無色の結晶を収量89.9g(収
率78%)で得た。
【0108】 融点:88−89.5℃、IR(KBr):1673,1585cm-1. (5,5-ジメチル-2-(4-(2,5-ジクロロベンゾイル)フェニ
ル)-2-オキソ(2H)-1,3,2-ジオキサフォスフォリナン
(3)の合成)
【0109】
【化28】
【0110】4-ブロモ-2',5'-ジクロロベンゾフェノン
(2)16.50g(50mmol)とテトラキス(ト
リフェニルフォスフィン)パラジウム(0)1.74g
(1.5mmol)とを含む乾燥トルエン130mL溶
液中に、トリエチルアミン7.7mL(5.66g、5
5mmol)を窒素雰囲気で添加し、さらに温度を60
℃上げ、反応させた。
【0111】反応系に5,5-ジメチル-2-オキソ(2H)-1,3,
2-ジオキサフォスフォリナン(1)8.26g(55m
mol)の乾燥トルエン溶液30mLを80分間かけて
滴下させた。滴下終了後、反応物のIRスペクトルか
ら、(1)に起因する2408cm-1の吸収は、完全に
消費されていることが観察された。不均一な反応系をト
ルエンで希釈し300mLとし、1N塩酸500mLで
2回、さらに飽和食塩水400mLで2回洗浄した。得
られた有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下で溶
媒を留去させた。放置すると固化する黄橙色の油状物が
得られた。粗生成物21.36g(mp:125−13
3℃)を乳鉢で粉砕し、酢酸エチル180mLを加え煮
沸した。不溶分(触媒、もしくはその分解残査物)を熱
濾過で分離除去した。濾過物を80mLまで濃縮し、冷
却放置すると目的物(3)が無色の結晶で得られた。収
率:17.77g(89%)。
【0112】融点:134−135.5℃ IRスペクトル(KBr):2978,2935,1673,1274,1052c
m-11H NMR(500MHz,CDCl3):1.13(s,3H),1.15(s,3H),3.
88(d,J=11Hz,1H),3.91(d,J=11Hz,1H),4.31(d,J=10Hz,1
H),4.33(d,J=10Hz,1H),7.38-7.46(m,3H),7.89(dd,J1=9H
z,J2=4Hz,2H),7.96(dd,J1=9Hz,J2=13Hz,2H). 得られた5,5-ジメチル-2-(4-(2,5-ジクロロベンゾイル)
フェニル)-2-オキソ(2H)-1,3,2-ジオキサフォスフォリ
ナン(3)のIRスペクトルを図1に示した。
【0113】
【実施例2】〔5,5-ジメチル-2-(4-(2,5-ジクロロベン
ゾイル)フェニル)-2-オキソ(2H)-1,3,2-ジオキサフォス
フォリナン(3)を用いたポリアリーレン共重合体の合
成〕攪拌機、温度計、窒素導入口を取り付けた1Lの3
口フラスコに2,5-ジクロロ-4'-(4-フェノキシ)フェノキ
シベンゾフェノン 36.13g(83ミリモル)、5,5'
-ジメチル-2-(4-(2,5-ジクロロベンゾイル)フェニル)-2
-オキソ(2H)-1,3,2-ジオキサホスホリナン 4.99g
(12.5ミリモル)、BCPAFオリゴマー(Mn=
7,940)35.61g、(4.5ミリモル)、ビス
(トリフェニルホスフィンニッケル)(II)クロライド
1.96g(3ミリモル)、ヨウ化ナトリウム 1.9
5g(13ミリモル)、亜鉛末 16.4g(250ミ
リモル)を加えた。反応系を真空、窒素充填を繰り返
し、窒素置換した。次いで、乾燥N−メチルピロリドン
(NMP)180mLを加えた。反応系を激しく攪拌し
ながら油浴を加熱し、40分かけて反応系をおおよそ8
0℃まで上昇させ、その温度を維持した。1時間後、反
応系の粘度は上昇し、重合が進行していることを示して
いた。攪拌をさらに1時間続けて、反応を継続した。反
応後NMP 150mlを反応系に加え、系を希釈し、
塩酸/メタノール(200mL/2.5L)溶液に注ぎ
凝固した。濾過によって、繊維状のポリマーを回収し
た。得られたポリマーを1日風乾後、THF 800m
Lに溶解した。溶液を濾過助剤にセライトを使用して濾
過した。濾液をメタノール3L中に凝固析出させた。析
出したポリマーを濾集し、真空で乾燥させ、目的の白色
ポリマー57.55g(収率83%)を得た。得られた
ポリマーのIRスペクトルを図2に示した。GPCで測
定したポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)が6
4,600、重量平均分子量が(Mw)266,000で
あった。
【0114】
【実施例3】〔スルホン化ポリマーの調製〕実施例2で
得られたポリアリーレン重合体31.25gを濃硫酸5
00mLに攪拌溶解し、24時間、スルホン化反応を行
った。反応後、粘ちょうな反応溶液を脱イオン水5Lに
注ぎ、凝固回収した。回収スルホン化ポリマーは、粉
砕、水洗を繰り返し、洗液のpHが5になるまで行っ
た。70℃で熱風乾燥し、黄色のスルホン化ポリマー3
2.99g(収率88%)を得た。IRスペクトルを図
3に、NMRスペクトルを図4に示した。NMRスペク
トル(図4)からは、ホスホン酸エステルユニット含量
は1.7wt%であった。
【0115】
【実施例4】〔フィルムの調製〕NMP/メタノール
(1/1:容積比)溶媒に用い、13%のスルホン化ポ
リマー溶液からガラス板上への溶液キャスト、予備乾
燥、水洗、本乾燥で膜厚50μmのフィルムを調製し
た。また、得られたスルホン化ポリマーのスルホン酸当
量は1.94ミリ当量/gであった。
【0116】得られたフィルムについて以下のように物
性を測定した。 [フェントン試薬耐性]膜厚50μmのフィルムを45
℃のフェントン試薬(過酸化水素3%、硫酸第2鉄20
ppm水溶液)に浸漬し、重量変化を測定した。 15時間:94%、20時間:90%、26時間:86
%、36時間:82%の重量を維持していた。
【0117】[引っ張り試験]短冊試験片を用い測定し
た。弾性率は2.5GPa、引張強度は114MPa、
破断伸びは65%であった。 [熱水耐性試験]得られたフィルムを95℃120時
間、熱水浸漬後の重量保持率を測定したが、98%以上
の重量を維持していた。また、スルホン酸濃度も変化は
なかった。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で得られた5,5-ジメチル-2-オキソ(2
H)-1,3,2-ジオキサフォスフォリナンのIRスペクトル
である。
【図2】実施例2で得られたポリマーのIRスペクトル
である。
【図3】実施例3で得られたスルホン化ポリマーのIR
スペクトルである。
【図4】実施例3で得られたスルホン化ポリマーのNM
Rスペクトルである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F071 AA69C AA78C AF37C AG06 AH15 FB01 FC01 4H050 AA01 AB46 4J032 CA03 CA04 CB01 CB03 CB04 CC01 CD01 CE03 CF01 CG01 CG08

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(1)で表されることを特徴
    とする含リン芳香族ジハロゲン化合物; 【化1】 (式中、Xは互いに同一でも異なっていてもよくフッ素
    を除くハロゲン原子を示し、 Aは式 −(CR12)a−(CR34)b−(CR56)c
    (CR78)d− で表される2価の基を示し、R1〜R8
    互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、アルキ
    ル基およびフェニル基から選ばれる基を示し、a、b、
    cおよびdは互いに同一でも異なっていてもよく、0ま
    たは1であり、a+b+c+dは2以上である。)。
  2. 【請求項2】芳香族化合物から導かれる構成単位からな
    り、少なくとも下記一般式(1')で表される構成単位
    を含むことを特徴とするポリアリーレン重合体; 【化2】 (式中、Aは式 −(CR12)a−(CR34)b−(CR5
    6)c−(CR78)d− で表される2価の基を示し、R1
    〜R8は互いに同一でも異なっていてもよく、水素原
    子、アルキル基およびフェニル基から選ばれる基を示
    し、a、b、cおよびdは互いに同一でも異なっていて
    もよく、0または1であり、a+b+c+dは2以上で
    ある。)。
  3. 【請求項3】請求項2に記載の一般式(1')で表され
    る構成単位と、2,5−ジクロロベンゾフェノン誘導体
    から導かれ側鎖にスルホン酸基を導入可能な構造を有す
    る構成単位とからなることを特徴とするポリアリーレン
    重合体。
  4. 【請求項4】前記2,5−ジクロロベンゾフェノン誘導
    体から導かれ側鎖にスルホン酸基を導入可能な構造を有
    する構成単位が、2,5−ジクロロ−4−フェノキシベ
    ンゾフェノンまたは2,5−ジクロロ−4'−(4−フェ
    ノキシフェノキシ)ベンゾフェノンから導かれる構成単
    位であることを特徴とする請求項3に記載のポリアリー
    レン重合体。
  5. 【請求項5】請求項3または4に記載のポリアリーレン
    重合体が、スルホン化されてなることを特徴とするスル
    ホン化ポリアリーレン重合体。
  6. 【請求項6】請求項1に記載の一般式(1)で表される
    含リン芳香族ジハロゲン化合物を少なくとも含む芳香族
    化合物をカップリング重合することを特徴とするポリア
    リーレン重合体の製造方法。
  7. 【請求項7】請求項1に記載の一般式(1)で表される
    含リン芳香族ジハロゲン化合物と、重合後側鎖となる部
    位にスルホン酸基を導入可能な構造を有する2,5−ジ
    クロロベンゾフェノン誘導体とをカップリング重合する
    ことを特徴とするポリアリーレン重合体の製造方法。
  8. 【請求項8】前記重合後側鎖となる部位にスルホン酸基
    を導入可能な構造を有する2,5−ジクロロベンゾフェ
    ノン誘導体が、2,5−ジクロロ−4−フェノキシベン
    ゾフェノンまたは2,5−ジクロロ−4'−(4−フェ
    ノキシフェノキシ)ベンゾフェノンであることを特徴と
    する請求項7に記載のポリアリーレン重合体の製造方
    法。
  9. 【請求項9】請求項7または8に記載の方法で得られた
    ポリアリーレン重合体をさらにスルホン化することを特
    徴とするスルホン化ポリアリーレン重合体の製造方法。
  10. 【請求項10】請求項5に記載のスルホン化ポリアリー
    レン重合体からなることを特徴とするプロトン伝導膜。
  11. 【請求項11】請求項9に記載の方法で得られたスルホ
    ン化ポリアリーレン重合体からなることを特徴とするプ
    ロトン伝導膜。
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