JP2003327674A - 新規な含リン芳香族ジハロゲン化合物、ポリアリーレン重合体、スルホン化ポリアリーレン重合体およびこれら重合体の製造方法、ならびにプロトン伝導膜 - Google Patents
新規な含リン芳香族ジハロゲン化合物、ポリアリーレン重合体、スルホン化ポリアリーレン重合体およびこれら重合体の製造方法、ならびにプロトン伝導膜Info
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Abstract
リーレン重合体、耐酸化性能に優れたスルホン化ポリア
リーレン重合体およびこれら重合体の製造方法を提供す
ること、耐酸化性能に優れたプロトン伝導膜を提供する
こと。 【解決手段】含リン芳香族ジハロゲン化合物は、下記一
般式(1)で表される; 【化1】 (式中、Xはフッ素を除くハロゲン原子、Aは式 −(C
R1R2)a−(CR3R4)b−(CR5R6)c−(CR7R8)
d−、R1〜R 8は水素原子、アルキル基およびフェニル
基から選ばれる基、a、b、cおよびdは0または1、
a+b+c+dは2以上)ポリアリーレン重合体は、前
記含リン芳香族ジハロゲン化合物から導かれる構成単位
を少なくとも含み、スルホン化ポリアリーレン重合体
は、前記ポリアリーレン重合体が、スルホン化されてな
る。プロトン伝導膜は、前記スルホン化ポリアリーレン
重合体からなる。
Description
族ジハロゲン化合物、該化合物から導かれる構成単位を
含むポリアリーレン重合体、該重合体をスルホン化して
なるスルホン化ポリアリーレン重合体およびこれら重合
体の製造方法、ならびに前記スルホン化ポリアリーレン
重合体からなるプロトン伝導膜に関する。
ルオロハイドロカーボンスルホン酸系重合体は酸化耐性
で表される耐久性能に優れるものの、耐熱性に問題があ
り、使用温度の上限がある。一方、ハイドロカーボン系
スルホン酸系重合体は、酸化耐性はパーフルオロ系に劣
るものの耐熱性に特長のあるポリマーが多い。
酸化耐性を向上させる方法としては、従来、酸化防止剤
を添加する方法や酸化劣化を促進する触媒となる重金属
を封鎖する手法が提案されていた(特開2001−22
3015号公報)。しかしながら、これらの方法では使
用経過に伴い、酸化防止剤が溶出されたりして、長期の
安定効果に欠けるといった課題がある。
究を重ねた結果、2,5-ジクロロベンゾフェノン誘導体で
ある側鎖に環状ホスホン酸エステル基を有する含リン芳
香族ジハロゲン化合物を見出し、この含リン芳香族ジハ
ロゲン化合物を含む芳香族ジハロゲン化合物から得られ
るポリアリーレン重合体をスルホン化してなるスルホン
化ポリアリーレン重合体は、フェントン試薬耐性試験で
評価される耐酸化性能に優れることを見出して本発明を
完成するに至った。
ン芳香族ジハロゲン化合物を提供することを目的として
いる。本発明は、耐酸化性能に優れたスルホン化ポリア
リーレン重合体が得られるようなポリアリーレン重合
体、耐酸化性能に優れたスルホン化ポリアリーレン重合
体およびこれら重合体の製造方法を提供することを目的
としている。
導膜を提供することを目的としている。
新規な含リン芳香族ジハロゲン化合物、ポリアリーレン
重合体、スルホン化ポリアリーレン重合体およびこれら
重合体の製造方法、ならびにプロトン伝導膜が提供され
て、本発明の上記目的が達成される。 (1)下記一般式(1)で表されることを特徴とする含
リン芳香族ジハロゲン化合物;
もよくフッ素を除くハロゲン原子を示し、Aは式 −(C
R1R2)a−(CR3R4)b−(CR5R6)c−(CR7R8)d−
で表される2価の基を示し、R1〜R8は互いに同一でも
異なっていてもよく、水素原子、アルキル基およびフェ
ニル基から選ばれる基を示し、a、b、cおよびdは互
いに同一でも異なっていてもよく、0または1であり、
a+b+c+dは2以上である。)。 (2)芳香族化合物から導かれる構成単位からなり、下
記一般式(1')で表される構成単位を少なくとも含む
ことを特徴とするポリアリーレン重合体;
4)b−(CR5R6)c−(CR7R8)d− で表される2価の基
を示し、R1〜R8は互いに同一でも異なっていてもよ
く、水素原子、アルキル基およびフェニル基から選ばれ
る基を示し、a、b、cおよびdは互いに同一でも異な
っていてもよく、0または1であり、a+b+c+dは
2以上である。)。 (3)前記一般式(1')で表される構成単位と、2,5
−ジクロロベンゾフェノン誘導体から導かれ側鎖にスル
ホン酸基を導入可能な構造を有する構成単位とからなる
ことを特徴とするポリアリーレン重合体。 (4)前記2,5−ジクロロベンゾフェノン誘導体から
導かれ側鎖にスルホン酸基を導入可能な構造を有する構
成単位が、2,5−ジクロロ−4−フェノキシベンゾフ
ェノンまたは2,5−ジクロロ−4'−(4−フェノキシ
フェノキシ)ベンゾフェノンから導かれる構成単位であ
ることを特徴とする(3)に記載のポリアリーレン重合
体。 (5)(3)または(4)に記載のポリアリーレン重合
体が、スルホン化されてなることを特徴とするスルホン
化ポリアリーレン重合体。 (6)前記一般式(1)で表される含リン芳香族ジハロ
ゲン化合物を少なくとも含む芳香族ジハロゲン化合物を
カップリング重合することを特徴とするポリアリーレン
重合体の製造方法。 (7)前記一般式(1)で表される含リン芳香族ジハロ
ゲン化合物と、重合後側鎖となる部位にスルホン酸基を
導入可能な構造を有する2,5−ジクロロベンゾフェノ
ン誘導体とをカップリング重合することを特徴とするポ
リアリーレン重合体の製造方法。 (8)前記重合後側鎖となる部位にスルホン酸基を導入
可能な構造を有する2,5−ジクロロベンゾフェノン誘
導体が、2,5−ジクロロ−4−フェノキシベンゾフェ
ノンまたは2,5−ジクロロ−4'−(4−フェノキシ
フェノキシ)ベンゾフェノンであることを特徴とする
(7)に記載のポリアリーレン重合体の製造方法。 (9)(7)または(8)に記載の方法で得られたポリ
アリーレン重合体をさらにスルホン化することを特徴と
するスルホン化ポリアリーレン重合体の製造方法。 (10)(5)に記載のスルホン化ポリアリーレン重合
体からなることを特徴とするプロトン伝導膜。 (11)(9)に記載の方法で得られたスルホン化ポリ
アリーレン重合体からなることを特徴とするプロトン伝
導膜。
芳香族ジハロゲン化合物、ポリアリーレン重合体、スル
ホン化ポリアリーレン重合体およびこれら重合体の製造
方法、ならびにプロトン伝導膜について具体的に説明す
る。含リン芳香族ジハロゲン化合物 本発明に係るは、下記一般式(1)で表される。
よく、フッ素を除くハロゲン原子、すなわち塩素、臭
素、ヨウ素を示す。Aは式 −(CR1R2)a−(CR3R4)
b−(CR5R6)c−(CR7R8)d− で表される2価の基を
示す。ここで、R1〜R8は互いに同一でも異なっていて
もよく、水素原子、アルキル基およびフェニル基から選
ばれる基を示す。
ル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、アミル基、ヘ
キシル基が挙げられ、好ましくはメチル基またはエチル
基である。a、b、cおよびdは互いに同一でも異なっ
ていてもよく、0または1であり、a+b+c+dは2
以上であり、好ましくは2〜6、より好ましくは3であ
る。
dが0であり、R1、R2、R5およびR6が水素であり、
R3およびR4が水素原子、アルキル基およびフェニル基
から選ばれる基、特にアルキル基であるものが好まし
い。本発明に係る含リン芳香族ジハロゲン化合物として
は、以下のような化合物が挙げられる。なお、下記式中
Xは、ハロゲン原子を示し、互いに同一でも異なってい
てもよい。
ロゲン化合物は、例えば2−オキソ(2H)−1,3,2−ジ
オキサフォスフォリナン誘導体などの含リンユニット
と、4−ブロモ−2',5'−ジクロロベンゾフェノン誘
導体とを反応させることにより製造することができる。
含リンユニットは、例えば亜リン酸エステルとジオール
とのエステル交換反応で合成することができる。
チルホスファイト、ジエチルホスファイト、ジプロピル
ホスファイト、ジブチルホスファイト、ジペンチルホス
ファイト、ジヘキシルホスファイト、ジフェニルホスフ
ァイト、ジベンジルホスファイトなどのアルコール残基
の炭素原子数が1〜10の亜リン酸エステルが挙げられ
る。
1,2−ジフェニルエタンジオール、1−フェニルエタ
ンジオール、1,3−プロピレングリコール、2-メチル
プロパンジオール、2,2−ジメチル−プロパンジオー
ル、2−メチル−2−エチルプロパンジオール、2−メ
チルプロパン−1,3−ジオール、2−エチルプロパン
−1,3−ジオール、2,2−ジエチルプロパンジオー
ル、1,3−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、
1,4−ブタンジオール、2−メチルペンタン−2,4−
ジオールが挙げられる。
ェノン誘導体としては、4−ブロモフェノキシ−2',
5'−ジクロロベンゾフェノン、4−ブロモフェノキシ-
(4"−フェノキシ)−2',5'−ジクロロベンゾフェノ
ンなどが挙げられる。ポリアリーレン重合体を合成する
際に用いられる含リン芳香族化合物としては上記(1)
式で示されるような環状の亜リン酸エステル構造を有す
るものが好ましい。鎖状の非環状亜リン酸エステル構造
を有する含リン芳香族化合物から導かれる構成単位は、
酸性条件下での耐加水分解性に劣り、この構成単位を含
む重合体をプロトン伝導膜材料として使用した場合、長
期の発電中に加水分解して、亜リン酸エステル構造が脱
離してしまい安定性効果の持続性に問題を生じる。
ら導かれる構成単位からなり、下記式(1’)で表され
る構成単位(以下「構成単位(1’)」ともいう。)を
少なくとも含んでいる。すなわち、本発明に係るポリア
リーレン重合体は、構成単位(1’)のみから形成され
ていてもよく、構成単位(1’)と、該構成単位
(1’)以外の、他の芳香族化合物から導かれる構成単
位(以下「他の芳香族化合物単位」ともいう。)とから
形成されていてもよい。
b−(CR5R6)c−(CR7R8)d− で表される2価の基を
示し、R1〜R8、a、b、cおよびdは、上記一般式
(1)中のR1〜R8、a、b、cおよびdと同じであ
る。Aとしては、a、bおよびcが1であり、dが0で
あり、R1、R2、R5およびR6が水素であり、R3およ
びR4が水素原子、アルキル基およびフェニル基から選
ばれる基であるものが好ましい。
式(A')で表される芳香族化合物から導かれる構成単
位(以下「構成単位(A')」ともいう。)、芳香族化
合物から導かれ側鎖にスルホン酸基を導入可能な構造を
有する構成単位、例えば下記一般式(B−1')〜(B
−4')から選ばれる芳香族化合物から導かれる構成単
位(以下「構成単位(B')」ともいう。)などが挙げ
られ、芳香族ジハロゲン化合物から導かれ側鎖にスルホ
ン酸基を導入可能な構造を有する構成単位であることが
好ましく、2,5−ジクロロベンゾフェノン誘導体から
導かれ側鎖にスルホン酸基を導入可能な構造を有する構
成単位であることがより好ましいなお、構成単位
(1')は、スルホン酸基を導入可能な構造を有してい
ない。
異なっていてもよく、水素原子、フッ素原子、アルキル
基、フッ素置換アルキル基、アリル基およびアリール基
からなる群より選ばれた少なくとも1種の原子または基
を示す。アルキル基としては、メチル基、エチル基、プ
ロピル基、ブチル基、アミル基、ヘキシル基などが挙げ
られ、メチル基、エチル基などが好ましい。
オロメチル基、パーフルオロエチル基、パーフルオロプ
ロピル基、パーフルオロブチル基、パーフルオロペンチ
ル基、パーフルオロヘキシル基などが挙げられ、トリフ
ルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基などが好まし
い。アリル基としては、プロペニル基などが挙げられ、
アリール基としては、フェニル基、ペンタフルオロフェ
ニル基などが挙げられる。
性基としては、例えば−CO−、−CONH−、−(C
F2)p−(ここで、pは1〜10の整数である)、−C
(CF3)2−、−COO−、−SO−、−SO2−など
が挙げられる。なお、電子吸引性基とは、ハメット(Ha
mmett)置換基常数がフェニル基のm位の場合、0.0
6以上、p位の場合、0.01以上の値となる基をい
う。
性基としては、例えば−O−、−S−、−CH=CH
−、−C≡C−および下記式
たは正の整数であり、上限は通常100、好ましくは8
0である。次に、下記(B−1')〜(B−4')で表さ
れる構成単位(B')について説明する。
ていてもよく、水素原子、フッ素原子およびアルキル基
からなる群より選ばれた少なくとも1種の原子または基
を示す。R9〜R15が示すアルキル基としては、上記一
般式(A')中のR1〜R8が示すアルキル基と同様のも
のが挙げられる。
式(A')でZとして示したものと同様の群から選ばれ
た2価の電子吸引性基を示し、好ましくは−CO−であ
る。Yは上記一般式(A')でYとして示したものと同
様の群から選ばれた2価の電子供与性基を示す。
(C−1)〜(C−3)で表される基からなる群より選
ばれる少なくとも1種の基を示す。
す。電子供与性基としては、上記一般式(A')でYと
して示したものと同様の群から選ばれた2価の電子供与
性基が挙げられる。R16およびR17は水素原子、アルキ
ル基およびアリール基からなる群より選ばれる原子また
は基を示す。R16およびR17が示すアルキル基として
は、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、アミ
ル基、ヘキシル基などが挙げられ、メチル基、エチル基
などが好ましい。アリール基としては、フェニル基、ペ
ンタフルオロフェニル基などが挙げられる。
もよく、水素原子、フッ素原子およびアルキル基からな
る群より選ばれる少なくとも1種の原子または基を示
す。qは0または1を示す。
34は互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、フ
ッ素原子、アルキル基、フッ素置換アルキル基、アリー
ル基または下記一般式(D)で表される基を示し、アリ
ール基または下記一般式(D)で表される基であること
が好ましい。
異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、アルキ
ル基、フッ素置換アルキル基を示す。R27〜R34、R35
〜R43が示すアルキル基、フッ素置換アルキル基として
は、上記一般式(A')中のR1〜R8が示すアルキル
基、フッ素置換アルキル基と同様の基が挙げられる。ま
たR27〜R34が示すアリール基としては、上記一般式
(A')中のR1〜R8が示すアリール基と同様の基が挙
げられる。
ものと同様の群から選ばれた2価の電子吸引性基を示
し、好ましくは−CO−である。Yは上記一般式
(A')でYとして示したものと同様の群から選ばれた
2価の電子供与性基を示す。本発明に係るポリアリーレ
ン重合体は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー
で測定したポリスチレン換算の重量平均分子量が、好ま
しくは1万〜100万、より好ましくは2万〜80万で
ある。
単位と、他の芳香族ジハロゲン化合物単位と有する場合
には、含リン芳香族ジハロゲン化合物単位の含有量は通
常0.5〜30モル%、好ましくは1〜25モル%であ
る。含リン芳香族ジハロゲン化合物単位の含有量が0.
1モル%より少ないと得られる重合体の耐久性向上に充
分な効果が得られず、30モル%より多いと得られる重
合体に導入できるスルホン酸量が充分ではなくなる。
えば下記のような方法で製造することができる。ポリアリーレン重合体の製造方法 本発明に係るポリアリーレン重合体の製造方法は、前記
一般式(1)で表される含リン芳香族ジハロゲン化合物
(以下「含リン芳香族ジハロゲン化合物」ともいう。)
を少なくとも含む芳香族化合物をカップリング重合す
る。
の製造方法は、含リン芳香族ジハロゲン化合物を単独重
合してもよく、含リン芳香族ジハロゲン化合物と、該含
リン芳香族ジハロゲン化合物以外の他の芳香族化合物
(以下「他の芳香族化合物」ともいう。)とを共重合し
てもよい。他の芳香族化合物としては、下記一般式
(A)で表される芳香族化合物、重合後側鎖となる部位
にスルホン酸基を導入可能な構造を有する芳香族化合
物、例えば下記一般式(B−1)〜(B−4)から選ば
れる少なくとも1種の芳香族化合物などが挙げられる。
他の芳香族化合物としては、重合後側鎖となる部位にス
ルホン酸基を導入可能な構造を有する芳香族ジハロゲン
化合物が好ましく、重合後側鎖となる部位にスルホン酸
基を導入可能な構造を有する2,5−ジクロロベンゾフ
ェノン誘導体がより好ましい次に、下記一般式(A)で
表される芳香族化合物について説明する。
も異なっていてもよく、フッ素原子を除くハロゲン原子
または−OSO2T(ここで、Tはアルキル基、フッ素
置換アルキル基またはアリール基を示す。)で表される
基を示す。Zが示すアルキル基としてはメチル基、エチ
ル基などが挙げられ、フッ素置換アルキル基としてはト
リフルオロメチル基などが挙げられ、アリール基として
はフェニル基、p−トリル基などが挙げられる。
よく、前記一般式(A')中のR1〜R8と同様の原子ま
たは基を示す。Zは上記一般式(A')でZとして示し
たものと同様の群から選ばれた2価の電子吸引性基を示
し、好ましくは−CO−である。Yは上記一般式
(A')でYとして示したものと同様の群から選ばれた
2価の電子供与性基を示す。
100、好ましくは80である。上記一般式(A)で表
される芳香族化合物として具体的には、例えば4,4'−
ジクロロベンゾフェノン、4,4'−ジクロロベンズアニ
リド、ビス(クロロフェニル)ジフルオロメタン、2,
2−ビス(4−クロロフェニル)ヘキサフルオロプロパ
ン、4−クロロ安息香酸−4−クロロフェニル、ビス
(4−クロロフェニル)スルホキシド、ビス(4−クロ
ロフェニル)スルホン、これらの化合物において塩素原
子がホウ素原子またはヨウ素原子に置き換わった化合
物、さらにこれらの化合物において4位に置換したハロ
ゲン原子が3位に置換した化合物などが挙げられる。
合物として具体的には、例えば4,4'−ビス(4−クロ
ロベンゾイル)ジフェニルエーテル、4,4'−ビス(4
−クロロベンゾイルアミノ)ジフェニルエーテル、4,
4'−ビス(4−クロロフェニルスルホニル)ジフェニ
ルエーテル、4,4'−ビス(4−クロロフェニル)ジフ
ェニルエーテルジカルボキシレート、4,4'−ビス
〔(4−クロロフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキ
サフルオロプロピル〕ジフェニルエーテル、4,4'−ビ
ス〔(4−クロロフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘ
キサフルオロプロピル〕ジフェニルエーテル、4,4'−
ビス〔(4−クロロフェニル)テトラフルオロエチル〕
ジフェニルエーテル、これらの化合物において塩素原子
がホウ素原子またはヨウ素原子に置き換わった化合物、
さらにこれらの化合物において4位に置換したハロゲン
原子が3位に置換した化合物、さらにこれらの化合物に
おいてジフェニルエーテルの4位に置換した基の少なく
とも1つが3位に置換した化合物などが挙げられる。
化合物としては、2,2−ビス[4−{4−(4−クロ
ロベンゾイル)フェノキシ}フェニル]−1,1,1,3,
3,3−ヘキサフルオロプロパン、ビス[4−{4−
(4−クロロベンゾイル)フェノキシ}フェニル]スル
ホン、および下記式で表される化合物が挙げられる。
は、例えば以下に示す方法で合成することができる。ま
ず電子吸引性基で連結されたビスフェノールを対応する
ビスフェノールのアルカリ金属塩とするために、N−メ
チル−2−ピロリドン、N,N-ジメチルアセトアミド、
スルホラン、ジフェニルスルホン、ジメチルスルホキサ
イドなどの誘電率の高い極性溶媒中でリチウム、ナトリ
ウム、カリウムなどのアルカリ金属、水素化アルカリ金
属、水酸化アルカリ金属、アルカリ金属炭酸塩などを加
える。
に対し、過剰気味で反応させ、通常、1.1〜2倍当量
を使用する。好ましくは、1.2〜1.5倍当量の使用
である。この際、ベンゼン、トルエン、キシレン、ヘキ
サン、シクロヘキサン、オクタン、クロロベンゼン、ジ
オキサン、テトラヒドロフラン、アニソール、フェネト
ールなどの水と共沸する溶媒を共存させて、電子吸引性
基で活性化されたフッ素、塩素等のハロゲン原子で置換
された芳香族ジハライド化合物、例えば、4,4'−ジフ
ルオロベンゾフェノン、4,4'−ジクロロベンゾフェノ
ン、4,4'−クロロフルオロベンゾフェノン、ビス(4
−クロロフェニル)スルホン、ビス(4−フルオロフェ
ニル)スルホン、4−フルオロフェニル−4'−クロロ
フェニルスルホン、ビス(3−ニトロ−4−クロロフェ
ニル)スルホン、2,6−ジクロロベンゾニトリル、2,
6−ジフルオロベンゾニトリル、ヘキサフルオロベンゼ
ン、デカフルオロビフェニル、2,5−ジフルオロベン
ゾフェノン、1,3−ビス(4−クロロベンゾイル)ベ
ンゼンなどを反応させる。反応性から言えば、フッ素化
合物が好ましいが、次の芳香族カップリング反応を考慮
した場合、末端が塩素原子となるように芳香族求核置換
反応を組み立てる必要がある。活性芳香族ジハライドは
ビスフェノールに対し、2〜4倍モル、好ましくは2.
2〜2.8倍モルの使用である。芳香族求核置換反応の
前に予め、ビスフェノールのアルカリ金属塩としていて
もよい。反応温度は60℃〜300℃で、好ましくは8
0℃〜250℃の範囲である。反応時間は15分〜10
0時間、好ましくは1時間〜24時間の範囲である。最
も好ましい方法としては、下記式
た通りである。)で示される活性芳香族ジハライドとし
て反応性の異なるハロゲン原子を一個づつ有するクロロ
フルオロ体を用いることであり、フッ素原子が優先して
フェノキシドと求核置換反応が起きるので、目的の活性
化された末端クロロ体を得るのに好都合である。
うに求核置換反応と親電子置換反応を組み合わせ、目的
の電子吸引性基、電子供与性基からなる屈曲性化合物の
合成方法がある。具体的には電子吸引性基で活性化され
た芳香族ビスハライド、例えば、ビス(4−クロロフェ
ニル)スルホンをフェノールとで求核置換反応させてビ
スフェノキシ置換体とする。次いで、この置換体を例え
ば、4−クロロ安息香酸クロリドとのフリーデルクラフ
ト反応から目的の化合物を得る。ここで用いる電子吸引
性基で活性化された芳香族ビスハライドは上記で例示し
た化合物が適用できる。フェノール化合物は置換されて
いてもよいが、耐熱性や屈曲性の観点から、無置換化合
物が好ましい。なお、フェノールの置換反応にはアルカ
リ金属塩とするのが、好ましく、使用可能なアルカリ金
属化合物は上記に例示した化合物を使用できる。使用量
はフェノール1モルに対し、1.2〜2倍モルである。
反応に際し、上述した極性溶媒や水との共沸溶媒を用い
ることができる。ビスフェノキシ化合物を塩化アルミニ
ウム、3フッ化ホウ素、塩化亜鉛などのルイス酸のフリ
ーデルクラフト反応の活性化剤存在下に、アシル化剤と
して、クロロ安息香酸クロライドを反応させる。クロロ
安息香酸クロライドはビスフェノキシ化合物に対し、2
〜4倍モル、好ましくは2.2〜3倍モルの使用であ
る。フリーデルクラフト活性化剤は、アシル化剤のクロ
ロ安息香酸などの活性ハライド化合物1モルに対し、
1.1〜2倍当量使用する。反応時間は15分〜10時
間の範囲で、反応温度は−20℃から80℃の範囲であ
る。使用溶媒は、フリーデルクラフト反応に不活性な、
クロロベンゼンやニトロベンゼンなどを用いることがで
きる。
であるモノマー(A)は、例えば、一般式(A)におい
て電子供与性基Yであるエーテル性酸素の供給源となる
ビスフェノールと、電子吸引性基Xである、>C=O、
−SO2−、および/または>C(CF3)2とを組み合
わした、具体的には2,2−ビス(4−ヒドロキシフェ
ニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパ
ン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ケトン、
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホンなど
のビスフェノールのアルカリ金属塩と過剰の4,4−ジ
クロロベンゾフェノン、ビス(4−クロロフェニル)ス
ルホンなどの活性芳香族ハロゲン化合物との置換反応を
N−メチル−2−ピロリドン、N,N-ジメチルアセトア
ミド、スルホランなどの極性溶媒存在下で前記単量体の
合成手法に順次重合して得られる。
は、下記式で表される化合物などを挙げることができ
る。
〜100である。次に、下記一般式(B−1)〜(B−
4)で表される芳香族化合物について説明する。
っていてもよく、上記一般式(A)中のRおよびR'と
同様の原子または基を示し、好ましくはハロゲン原子で
あり、より好ましくは塩素原子である。R9〜R15は互
いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、フッ素原
子およびアルキル基からなる群より選ばれた少なくとも
1種の原子または基を示す。
記一般式(A')中のR1〜R8が示すアルキル基と同様
のものが挙げられる。mは0、1または2を示す。Zは
上記一般式(A')でZとして示したものと同様の群か
ら選ばれた2価の電子吸引性基を示し、好ましくは−C
O−である。
ものと同様の群から選ばれた2価の電子供与性基を示
す。Wは上記一般式(A')でWとして示したものと同
様の群から選ばれた基を示す。上記一般式(B−1)で
表される芳香族化合物としては、下記式で表される化合
物が挙げられる。
れる化合物としては、下記式で表される化合物が挙げら
れる。
原子を臭素原子またはヨウ素原子に置き換えた化合物も
例示することができる。
R'は互いに同一でも異なっていてもよく、上記一般式
(A)中のRおよびR'と同様の基を示し、好ましくは
ハロゲン原子であり、より好ましくは塩素原子である。
R27〜R34は互いに同一でも異なっていてもよく、水素
原子、フッ素原子、アルキル基、フッ素置換アルキル
基、アリール基または下記一般式(D)で表される基を
示し、アリール基または下記一般式(D)で表される基
であることが好ましい。
異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、アルキ
ル基、フッ素置換アルキル基を示す。R27〜R34、R35
〜R43が示すアルキル基、フッ素置換アルキル基として
は、R1〜R8が示すアルキル基、フッ素置換アルキル基
と同様の基が挙げられる。またR27〜R34が示すアリー
ル基としては、R1〜R8が示すアリール基と同様の基が
挙げられる。
ものと同様の群から選ばれた2価の電子吸引性基を示
し、好ましくは−CO−である。Yは上記一般式
(A')でYとして示したものと同様の群から選ばれた
2価の電子供与性基を示す。上記一般式(B−2)で表
される芳香族化合物として具体的には、例えばp−ジク
ロロベンゼン、p−ジメチルスルフォニロキシベンゼ
ン、2,5−ジクロロトルエン、2,5−ジメチルスルフ
ォニロキシベンゼン、2,5−ジクロロ−p−キシレ
ン、2,5−ジクロロベンゾトリフルオライド、1,4−
ジクロロ−2,3,5,6−テトラフルオロベンゼン、お
よびこれらの化合物において塩素原子を臭素原子または
ヨウ素原子に置き換えた化合物などが挙げられる。
合物として具体的には、例えば4,4'−ジメチルスルフ
ォニロキシビフェニル、4,4'−ジメチルスルフォニロ
キシ−3,3'−ジプロペニルビフェニル、4,4'−ジブ
ロモビフェニル、4,4'−ジヨードビフェニル、4,4'
−ジメチルスルフォニロキシ−3,3'−ジメチルビフェ
ニル、4,4'−ジメチルスルフォニロキシ−3,3'−ジ
フルオロビフェニル、4,4'−ジメチルスルフォニロキ
シ−3,3',5,5'−テトラフルオロビフェニル、4,
4'−ジブロモオクタフルオロビフェニル、4,4'−ジ
メチルスルフォニロキシオクタフルオロビフェニルなど
が挙げられる。
合物として具体的には、例えばm−ジクロロベンゼン、
m−ジメチルスルフォニロキシベンゼン、2,4−ジク
ロロトルエン、3,5−ジクロロトルエン、2,6−ジク
ロロトルエン、3,5−ジメチルスルフォニロキシトル
エン、2,6−ジメチルスルフォニロキシトルエン、2,
4−ジクロロベンゾトリフルオライド、3,5−ジクロ
ロベンゾトリフルオライド、1,3−ジブロモ−2,4,
5,6−テトラフルオロベンゼン、およびこれらの化合
物において塩素原子を臭素原子またはヨウ素原子に置き
換えた化合物などが挙げられる。
は、含リン芳香族ジハロゲン化合物と、必要に応じて他
の芳香族化合物(以下これらの化合物を「モノマー」と
もいう。)を重合する。重合する際に使用される触媒と
しては、例えば遷移金属化合物を含む触媒系が挙げら
れ、この触媒系としては、遷移金属塩および配位子と
なる化合物(以下、「配位子成分」ともいう。)、また
は配位子が配位された遷移金属錯体(銅塩を含む)、な
らびに還元剤を必須成分とし、さらに、重合速度を上
げるために、「塩」を添加してもよい。
ル、臭化ニッケル、ヨウ化ニッケル、ニッケルアセチル
アセトナートなどのニッケル化合物;塩化パラジウム、
臭化パラジウム、ヨウ化パラジウムなどのパラジウム化
合物;塩化鉄、臭化鉄、ヨウ化鉄などの鉄化合物;塩化
コバルト、臭化コバルト、ヨウ化コバルトなどのコバル
ト化合物などが挙げられる。これらのうち特に、塩化ニ
ッケル、臭化ニッケルなどが好ましい。
ホスフィン、2,2'−ビピリジン、1,5−シクロオク
タジエン、1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロ
パンなどが挙げられる。これらのうち、トリフェニルホ
スフィン、2,2'−ビピリジンが好ましい。上記配位子
成分である化合物は、1種単独で、あるいは2種以上を
併用することができる。
としては、例えば、塩化ニッケルビス(トリフェニルホ
スフィン)、臭化ニッケルビス(トリフェニルホスフィ
ン)、ヨウ化ニッケルビス(トリフェニルホスフィ
ン)、硝酸ニッケルビス(トリフェニルホスフィン)、
塩化ニッケル(2,2'−ビピリジン)、臭化ニッケル
(2,2'−ビピリジン)、ヨウ化ニッケル(2,2'−ビ
ピリジン)、硝酸ニッケル(2,2'−ビピリジン)、ビ
ス(1,5−シクロオクタジエン)ニッケル、テトラキ
ス(トリフェニルホスフィン)ニッケル、テトラキス
(トリフェニルホスファイト)ニッケル、テトラキス
(トリフェニルホスフィン)パラジウムなどが挙げられ
る。これらのうち、塩化ニッケルビス(トリフェニルホ
スフィン)、塩化ニッケル(2,2'−ビピリジン)が好
ましい。
としては、例えば、鉄、亜鉛、マンガン、アルミニウ
ム、マグネシウム、ナトリウム、カルシウムなどが挙げ
られる。これらのうち、亜鉛、マグネシウム、マンガン
が好ましい。これらの還元剤は、有機酸などの酸に接触
させることにより、より活性化して用いることができ
る。
できる「塩」としては、フッ化ナトリウム、塩化ナトリ
ウム、臭化ナトリウム、ヨウ化ナトリウム、硫酸ナトリ
ウムなどのナトリウム化合物、フッ化カリウム、塩化カ
リウム、臭化カリウム、ヨウ化カリウム、硫酸カリウム
などのカリウム化合物;フッ化テトラエチルアンモニウ
ム、塩化テトラエチルアンモニウム、臭化テトラエチル
アンモニウム、ヨウ化テトラエチルアンモニウム、硫酸
テトラエチルアンモニウムなどのアンモニウム化合物な
どが挙げられる。これらのうち、臭化ナトリウム、ヨウ
化ナトリウム、臭化カリウム、臭化テトラエチルアンモ
ニウム、ヨウ化テトラエチルアンモニウムが好ましい。
移金属錯体が、モノマーの総計1モルに対し、通常、
0.0001〜10モル、好ましくは0.01〜0.5
モルである。0.0001モル未満では、重合反応が十
分に進行しないことがあり、一方、10モルを超える
と、分子量が低下することがある。触媒系において、遷
移金属塩および配位子成分を用いる場合、この配位子成
分の使用割合は、遷移金属塩1モルに対し、通常、0.
1〜100モル、好ましくは1〜10モルである。0.
1モル未満では、触媒活性が不十分となることがあり、
一方、100モルを超えると、分子量が低下することが
ある。
計1モルに対し、通常、0.1〜100モル、好ましく
は1〜10モルである。0.1モル未満では、重合が十
分進行しないことがあり、100モルを超えると、得ら
れる重合体の精製が困難になることがある。さらに、
「塩」を使用する場合、その使用割合は、モノマーの総
計1モルに対し、通常、0.001〜100モル、好ま
しくは0.01〜1モルである。0.001モル未満で
は、重合速度を上げる効果が不十分であることがあり、
100モルを超えると、得られる重合体の精製が困難と
なることがある。
例えばテトラヒドロフラン、シクロヘキサノン、ジメチ
ルスルホキシド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N
−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリド
ン、γ-ブチロラクトン、γ-ブチロラクタムなどが挙げ
られる。これらのうち、テトラヒドロフラン、N,N−
ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミ
ド、N−メチル−2−ピロリドンが好ましい。これらの
重合溶媒は、十分に乾燥してから用いることが好まし
い。
は、通常、1〜90重量%、好ましくは5〜40重量%
である。また、重合する際の重合温度は、通常、0〜2
00℃、好ましくは50〜120℃である。また、重合
時間は、通常、0.5〜100時間、好ましくは1〜4
0時間である。
合物と、必要に応じて他の芳香族化合物を重合させるこ
とにより、ポリアリーレン重合体を含む重合溶液が得ら
れる。なおポリアリーレン重合体の構造は、例えば、赤
外線吸収スペクトルによって、1,230〜1,250c
m-1のC−O−C吸収、1,640〜1,660cm-1の
C=O吸収などにより確認でき、また、核磁気共鳴スペ
クトル(1H-NMR)により、6.8〜8.0ppmの
芳香族プロトンのピークから、その構造を確認すること
ができる。
の製造方法 本発明に係るスルホン化ポリアリーレン重合体は、構成
単位(1')と、必要に応じて他の芳香族化合物単位と
からなるスルホン酸基を有しないポリアリーレン重合
体、または含リン芳香族ジハロゲン化合物と、側鎖にス
ルホン酸基を導入可能な構造を有する芳香族化合物とか
ら得られるスルホン酸基を有しないポリアリーレン重合
体にスルホン酸基を導入することにより得られたもので
ある。
入する方法としては、例えば、上記スルホン酸基を有し
ないポリアリーレン重合体を、無水硫酸、発煙硫酸、ク
ロルスルホン酸、硫酸、亜硫酸水素ナトリウムなどの公
知のスルホン化剤を用いて、公知の条件でスルホン化す
ることができる〔Polymer Preprints,Japan,Vol.42,No.
3,p.730(1993);Polymer Preprints,Japan,Vol.42,No.
3,p.736(1994);Polymer Preprints,Japan,Vol.42,No.
7,pp.2490〜2492(1993)〕。
ては、上記スルホン酸基を有しないポリアリーレン重合
体を、無溶剤下、あるいは溶剤存在下で、上記スルホン
化剤と反応させる。溶剤としては、例えばn−ヘキサン
などの炭化水素溶剤、テトラヒドロフラン、ジオキサン
などのエーテル系溶剤、ジメチルアセトアミド、ジメチ
ルホルムアミド、ジメチルスルホキシドのような非プロ
トン系極性溶剤のほか、テトラクロロエタン、ジクロロ
エタン、クロロホルム、塩化メチレンなどのハロゲン化
炭化水素などが挙げられる。反応温度は特に制限はない
が、通常、−50〜200℃、好ましくは−10〜10
0℃である。また、反応時間は、通常、0.5〜1,0
00時間、好ましくは1〜200時間である。
アリーレン重合体中の、スルホン酸基量は、0.5〜3
ミリグラム当量/g、好ましくは0.8〜2.8ミリグ
ラム当量/gである。0.5ミリグラム当量/g未満で
は、プロトン伝導性が上がらず、一方3ミリグラム当量
/gを超えると、親水性が向上し、水溶性ポリマーとな
ってしまうか、また水溶性に至らずとも耐久性が低下す
る。
レン重合体からなるが、スルホン化ポリアリーレン重合
体からプロトン伝導膜を調製する際には、上記スルホン
化ポリアリーレン重合体以外に、硫酸、リン酸などの無
機酸、カルボン酸を含む有機酸、適量の水などを併用し
てもよい。
例えば本発明のスルホン化ポリアリーレン重合体を溶剤
に溶解したのち、キャスティングによりフィルム状に成
形するキャスティング法や、溶融成形法などが挙げられ
る。ここで、キャスティング法における溶剤としては、
ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、N−メ
チル−2−ピロリドン、ジメチルスルホキシドなどの非
プロトン系極性溶剤などが挙げられる。これらの溶剤に
はさらにメタノールなどのアルコール系溶剤が混合され
ていてもよい。
のフィルムを45℃のフェントン試薬(過酸化水素3
%、硫酸第二鉄20ppm水溶液)の浸漬試験で重量残
存率80%維持する時間が20時間以上である。本発明
のプロトン伝導膜は、例えば一次電池用電解質、二次電
池用電解質、燃料電池用高分子固体電解質、表示素子、
各種センサー、信号伝達媒体、固体コンデンサー、イオ
ン交換膜などに利用可能なプロトン伝導性の伝導膜に利
用可能である。
的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるも
のではない。
ゾイル)フェニル)-2-オキソ(2H)-1,3,2-ジオキサフォス
フォリナンの合成〕 (5,5-ジメチル-2-オキソ(2H)-1,3,2-ジオキサフォスフ
ォリナン(1)の合成)
2.0mol)とネオペンチルグリコール 208.3
g(2.0mol)の混合物を145℃(オイルバス温
度)に加熱し、徐々に減圧度を上げながら(16kPa
から最終的には2.1kPa)縮合脱離成分のエタノー
ルを留去した。エタノールの留去が終了(168.9g
留去した。理論値の92%に相当)するまで、おおよそ
6時間要した。
−128℃/〜0.4kPa)から単離精製した。精製
品は低温で容易に固化する(融点:124−128℃)
無色の液体であった。収量は277.2g(収率92
%)であった。 IR(neat):2973,2881,2408cm-1;1 H-NMR(500MHz,CDCl3): (s,3H),1.26(s,3H),3.97-4.08(m,4H),6.91(d,J=678Hz,1
H). (4-ブロモ-2',5'-ジクロロベンゾフェノン(2)の合
成)
g(350mmol)のブロモベンゼン170mL(約
1.6mol)の溶液に、無水塩化アルミニウム 56
g(420mmol)を窒素雰囲気で室温下、攪拌しな
がら、少量ずつ10分間かけて添加した。添加後、反応
系を70℃に維持し、さらに2時間反応させた。反応
後、反応混合溶液を氷/塩酸(300g/150mL)
に注いだ。有機層を分離し、5%の炭酸水素ナトリウム
水溶液100mLで2回、さらに水 150mLで2回
洗浄し、硫酸マグネシウムを加え乾燥した。乾燥後の溶
液から過剰のブロモベンゼンを減圧留去させると目的物
(2)の粗結晶が得られた。さらにヘキサン約400m
Lから再結晶を行い、無色の結晶を収量89.9g(収
率78%)で得た。
ル)-2-オキソ(2H)-1,3,2-ジオキサフォスフォリナン
(3)の合成)
(2)16.50g(50mmol)とテトラキス(ト
リフェニルフォスフィン)パラジウム(0)1.74g
(1.5mmol)とを含む乾燥トルエン130mL溶
液中に、トリエチルアミン7.7mL(5.66g、5
5mmol)を窒素雰囲気で添加し、さらに温度を60
℃上げ、反応させた。
2-ジオキサフォスフォリナン(1)8.26g(55m
mol)の乾燥トルエン溶液30mLを80分間かけて
滴下させた。滴下終了後、反応物のIRスペクトルか
ら、(1)に起因する2408cm-1の吸収は、完全に
消費されていることが観察された。不均一な反応系をト
ルエンで希釈し300mLとし、1N塩酸500mLで
2回、さらに飽和食塩水400mLで2回洗浄した。得
られた有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下で溶
媒を留去させた。放置すると固化する黄橙色の油状物が
得られた。粗生成物21.36g(mp:125−13
3℃)を乳鉢で粉砕し、酢酸エチル180mLを加え煮
沸した。不溶分(触媒、もしくはその分解残査物)を熱
濾過で分離除去した。濾過物を80mLまで濃縮し、冷
却放置すると目的物(3)が無色の結晶で得られた。収
率:17.77g(89%)。
m-1。1H NMR(500MHz,CDCl3):1.13(s,3H),1.15(s,3H),3.
88(d,J=11Hz,1H),3.91(d,J=11Hz,1H),4.31(d,J=10Hz,1
H),4.33(d,J=10Hz,1H),7.38-7.46(m,3H),7.89(dd,J1=9H
z,J2=4Hz,2H),7.96(dd,J1=9Hz,J2=13Hz,2H). 得られた5,5-ジメチル-2-(4-(2,5-ジクロロベンゾイル)
フェニル)-2-オキソ(2H)-1,3,2-ジオキサフォスフォリ
ナン(3)のIRスペクトルを図1に示した。
ゾイル)フェニル)-2-オキソ(2H)-1,3,2-ジオキサフォス
フォリナン(3)を用いたポリアリーレン共重合体の合
成〕攪拌機、温度計、窒素導入口を取り付けた1Lの3
口フラスコに2,5-ジクロロ-4'-(4-フェノキシ)フェノキ
シベンゾフェノン 36.13g(83ミリモル)、5,5'
-ジメチル-2-(4-(2,5-ジクロロベンゾイル)フェニル)-2
-オキソ(2H)-1,3,2-ジオキサホスホリナン 4.99g
(12.5ミリモル)、BCPAFオリゴマー(Mn=
7,940)35.61g、(4.5ミリモル)、ビス
(トリフェニルホスフィンニッケル)(II)クロライド
1.96g(3ミリモル)、ヨウ化ナトリウム 1.9
5g(13ミリモル)、亜鉛末 16.4g(250ミ
リモル)を加えた。反応系を真空、窒素充填を繰り返
し、窒素置換した。次いで、乾燥N−メチルピロリドン
(NMP)180mLを加えた。反応系を激しく攪拌し
ながら油浴を加熱し、40分かけて反応系をおおよそ8
0℃まで上昇させ、その温度を維持した。1時間後、反
応系の粘度は上昇し、重合が進行していることを示して
いた。攪拌をさらに1時間続けて、反応を継続した。反
応後NMP 150mlを反応系に加え、系を希釈し、
塩酸/メタノール(200mL/2.5L)溶液に注ぎ
凝固した。濾過によって、繊維状のポリマーを回収し
た。得られたポリマーを1日風乾後、THF 800m
Lに溶解した。溶液を濾過助剤にセライトを使用して濾
過した。濾液をメタノール3L中に凝固析出させた。析
出したポリマーを濾集し、真空で乾燥させ、目的の白色
ポリマー57.55g(収率83%)を得た。得られた
ポリマーのIRスペクトルを図2に示した。GPCで測
定したポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)が6
4,600、重量平均分子量が(Mw)266,000で
あった。
得られたポリアリーレン重合体31.25gを濃硫酸5
00mLに攪拌溶解し、24時間、スルホン化反応を行
った。反応後、粘ちょうな反応溶液を脱イオン水5Lに
注ぎ、凝固回収した。回収スルホン化ポリマーは、粉
砕、水洗を繰り返し、洗液のpHが5になるまで行っ
た。70℃で熱風乾燥し、黄色のスルホン化ポリマー3
2.99g(収率88%)を得た。IRスペクトルを図
3に、NMRスペクトルを図4に示した。NMRスペク
トル(図4)からは、ホスホン酸エステルユニット含量
は1.7wt%であった。
(1/1:容積比)溶媒に用い、13%のスルホン化ポ
リマー溶液からガラス板上への溶液キャスト、予備乾
燥、水洗、本乾燥で膜厚50μmのフィルムを調製し
た。また、得られたスルホン化ポリマーのスルホン酸当
量は1.94ミリ当量/gであった。
性を測定した。 [フェントン試薬耐性]膜厚50μmのフィルムを45
℃のフェントン試薬(過酸化水素3%、硫酸第2鉄20
ppm水溶液)に浸漬し、重量変化を測定した。 15時間:94%、20時間:90%、26時間:86
%、36時間:82%の重量を維持していた。
た。弾性率は2.5GPa、引張強度は114MPa、
破断伸びは65%であった。 [熱水耐性試験]得られたフィルムを95℃120時
間、熱水浸漬後の重量保持率を測定したが、98%以上
の重量を維持していた。また、スルホン酸濃度も変化は
なかった。
H)-1,3,2-ジオキサフォスフォリナンのIRスペクトル
である。
である。
スペクトルである。
Rスペクトルである。
Claims (11)
- 【請求項1】 下記一般式(1)で表されることを特徴
とする含リン芳香族ジハロゲン化合物; 【化1】 (式中、Xは互いに同一でも異なっていてもよくフッ素
を除くハロゲン原子を示し、 Aは式 −(CR1R2)a−(CR3R4)b−(CR5R6)c−
(CR7R8)d− で表される2価の基を示し、R1〜R8は
互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、アルキ
ル基およびフェニル基から選ばれる基を示し、a、b、
cおよびdは互いに同一でも異なっていてもよく、0ま
たは1であり、a+b+c+dは2以上である。)。 - 【請求項2】芳香族化合物から導かれる構成単位からな
り、少なくとも下記一般式(1')で表される構成単位
を含むことを特徴とするポリアリーレン重合体; 【化2】 (式中、Aは式 −(CR1R2)a−(CR3R4)b−(CR5
R6)c−(CR7R8)d− で表される2価の基を示し、R1
〜R8は互いに同一でも異なっていてもよく、水素原
子、アルキル基およびフェニル基から選ばれる基を示
し、a、b、cおよびdは互いに同一でも異なっていて
もよく、0または1であり、a+b+c+dは2以上で
ある。)。 - 【請求項3】請求項2に記載の一般式(1')で表され
る構成単位と、2,5−ジクロロベンゾフェノン誘導体
から導かれ側鎖にスルホン酸基を導入可能な構造を有す
る構成単位とからなることを特徴とするポリアリーレン
重合体。 - 【請求項4】前記2,5−ジクロロベンゾフェノン誘導
体から導かれ側鎖にスルホン酸基を導入可能な構造を有
する構成単位が、2,5−ジクロロ−4−フェノキシベ
ンゾフェノンまたは2,5−ジクロロ−4'−(4−フェ
ノキシフェノキシ)ベンゾフェノンから導かれる構成単
位であることを特徴とする請求項3に記載のポリアリー
レン重合体。 - 【請求項5】請求項3または4に記載のポリアリーレン
重合体が、スルホン化されてなることを特徴とするスル
ホン化ポリアリーレン重合体。 - 【請求項6】請求項1に記載の一般式(1)で表される
含リン芳香族ジハロゲン化合物を少なくとも含む芳香族
化合物をカップリング重合することを特徴とするポリア
リーレン重合体の製造方法。 - 【請求項7】請求項1に記載の一般式(1)で表される
含リン芳香族ジハロゲン化合物と、重合後側鎖となる部
位にスルホン酸基を導入可能な構造を有する2,5−ジ
クロロベンゾフェノン誘導体とをカップリング重合する
ことを特徴とするポリアリーレン重合体の製造方法。 - 【請求項8】前記重合後側鎖となる部位にスルホン酸基
を導入可能な構造を有する2,5−ジクロロベンゾフェ
ノン誘導体が、2,5−ジクロロ−4−フェノキシベン
ゾフェノンまたは2,5−ジクロロ−4'−(4−フェ
ノキシフェノキシ)ベンゾフェノンであることを特徴と
する請求項7に記載のポリアリーレン重合体の製造方
法。 - 【請求項9】請求項7または8に記載の方法で得られた
ポリアリーレン重合体をさらにスルホン化することを特
徴とするスルホン化ポリアリーレン重合体の製造方法。 - 【請求項10】請求項5に記載のスルホン化ポリアリー
レン重合体からなることを特徴とするプロトン伝導膜。 - 【請求項11】請求項9に記載の方法で得られたスルホ
ン化ポリアリーレン重合体からなることを特徴とするプ
ロトン伝導膜。
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