JP3841168B2 - 新規な含リン芳香族ジハロゲン化合物、ポリアリーレン重合体、スルホン化ポリアリーレン重合体およびこれら重合体の製造方法、ならびにプロトン伝導膜 - Google Patents

新規な含リン芳香族ジハロゲン化合物、ポリアリーレン重合体、スルホン化ポリアリーレン重合体およびこれら重合体の製造方法、ならびにプロトン伝導膜 Download PDF

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    • Y02P70/50Manufacturing or production processes characterised by the final manufactured product

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、新規な含リン芳香族ジハロゲン化合物、該化合物から導かれる構成単位を含むポリアリーレン重合体、該重合体をスルホン化してなるスルホン化ポリアリーレン重合体およびこれら重合体の製造方法、ならびに前記スルホン化ポリアリーレン重合体からなるプロトン伝導膜に関する。
【0002】
【従来の技術】
Nafion(登録商標)で代表されるパーフルオロハイドロカーボンスルホン酸系重合体は酸化耐性で表される耐久性能に優れるものの、耐熱性に問題があり、使用温度の上限がある。一方、ハイドロカーボン系スルホン酸系重合体は、酸化耐性はパーフルオロ系に劣るものの耐熱性に特長のあるポリマーが多い。
【0003】
ハイドロカーボン系スルホン酸系重合体の酸化耐性を向上させる方法としては、従来、酸化防止剤を添加する方法や酸化劣化を促進する触媒となる重金属を封鎖する手法が提案されていた(特開2001−223015号公報)。しかしながら、これらの方法では使用経過に伴い、酸化防止剤が溶出されたりして、長期の安定効果に欠けるといった課題がある。
【0004】
本発明者は、このような従来技術に鑑み研究を重ねた結果、2,5-ジクロロベンゾフェノン誘導体である側鎖に環状ホスホン酸エステル基を有する含リン芳香族ジハロゲン化合物を見出し、この含リン芳香族ジハロゲン化合物を含む芳香族ジハロゲン化合物から得られるポリアリーレン重合体をスルホン化してなるスルホン化ポリアリーレン重合体は、フェントン試薬耐性試験で評価される耐酸化性能に優れることを見出して本発明を完成するに至った。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、新規な含リン芳香族ジハロゲン化合物を提供することを目的としている。
本発明は、耐酸化性能に優れたスルホン化ポリアリーレン重合体が得られるようなポリアリーレン重合体、耐酸化性能に優れたスルホン化ポリアリーレン重合体およびこれら重合体の製造方法を提供することを目的としている。
【0006】
本発明は、耐酸化性能に優れたプロトン伝導膜を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、下記の新規な含リン芳香族ジハロゲン化合物、ポリアリーレン重合体、スルホン化ポリアリーレン重合体およびこれら重合体の製造方法、ならびにプロトン伝導膜が提供されて、本発明の上記目的が達成される。
(1)下記一般式(1)で表されることを特徴とする含リン芳香族ジハロゲン化合物;
【0008】
【化3】
Figure 0003841168
【0009】
(式中、Xは互いに同一でも異なっていてもよくフッ素を除くハロゲン原子を示し、
Aは式 −(CR12)a−(CR34)b−(CR56)c−(CR78)d− で表される2価の基を示し、R1〜R8は互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、アルキル基およびフェニル基から選ばれる基を示し、a、b、cおよびdは互いに同一でも異なっていてもよく、0または1であり、a+b+c+dは2以上である。)。
(2)芳香族化合物から導かれる構成単位からなり、下記一般式(1')で表される構成単位を少なくとも含むことを特徴とするポリアリーレン重合体;
【0010】
【化4】
Figure 0003841168
【0011】
(式中、Aは式 −(CR12)a−(CR34)b−(CR56)c−(CR78)d− で表される2価の基を示し、R1〜R8は互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、アルキル基およびフェニル基から選ばれる基を示し、a、b、cおよびdは互いに同一でも異なっていてもよく、0または1であり、a+b+c+dは2以上である。)。
(3)前記一般式(1')で表される構成単位と、2,5−ジクロロベンゾフェノン誘導体から導かれ側鎖にスルホン酸基を導入可能な構造を有する構成単位とからなることを特徴とするポリアリーレン重合体。
(4)前記2,5−ジクロロベンゾフェノン誘導体から導かれ側鎖にスルホン酸基を導入可能な構造を有する構成単位が、2,5−ジクロロ−4−フェノキシベンゾフェノンまたは2,5−ジクロロ−4'−(4−フェノキシフェノキシ)ベンゾフェノンから導かれる構成単位であることを特徴とする(3)に記載のポリアリーレン重合体。
(5)(3)または(4)に記載のポリアリーレン重合体が、スルホン化されてなることを特徴とするスルホン化ポリアリーレン重合体。
(6)前記一般式(1)で表される含リン芳香族ジハロゲン化合物を少なくとも含む芳香族ジハロゲン化合物をカップリング重合することを特徴とするポリアリーレン重合体の製造方法。
(7)前記一般式(1)で表される含リン芳香族ジハロゲン化合物と、重合後側鎖となる部位にスルホン酸基を導入可能な構造を有する2,5−ジクロロベンゾフェノン誘導体とをカップリング重合することを特徴とするポリアリーレン重合体の製造方法。
(8)前記重合後側鎖となる部位にスルホン酸基を導入可能な構造を有する2,5−ジクロロベンゾフェノン誘導体が、2,5−ジクロロ−4−フェノキシベンゾフェノンまたは2,5−ジクロロ−4'−(4−フェノキシフェノキシ)ベンゾフェノンであることを特徴とする(7)に記載のポリアリーレン重合体の製造方法。
(9)(7)または(8)に記載の方法で得られたポリアリーレン重合体をさらにスルホン化することを特徴とするスルホン化ポリアリーレン重合体の製造方法。
(10)(5)に記載のスルホン化ポリアリーレン重合体からなることを特徴とするプロトン伝導膜。
(11)(9)に記載の方法で得られたスルホン化ポリアリーレン重合体からなることを特徴とするプロトン伝導膜。
【0012】
【発明の具体的説明】
以下、本発明に係る新規な含リン芳香族ジハロゲン化合物、ポリアリーレン重合体、スルホン化ポリアリーレン重合体およびこれら重合体の製造方法、ならびにプロトン伝導膜について具体的に説明する。
含リン芳香族ジハロゲン化合物
本発明に係るは、下記一般式(1)で表される。
【0013】
【化5】
Figure 0003841168
【0014】
式中、Xは互いに同一でも異なっていてもよく、フッ素を除くハロゲン原子、すなわち塩素、臭素、ヨウ素を示す。
Aは式 −(CR12)a−(CR34)b−(CR56)c−(CR78)d− で表される2価の基を示す。
ここで、R1〜R8は互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、アルキル基およびフェニル基から選ばれる基を示す。
【0015】
1〜R8が示すアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、アミル基、ヘキシル基が挙げられ、好ましくはメチル基またはエチル基である。
a、b、cおよびdは互いに同一でも異なっていてもよく、0または1であり、a+b+c+dは2以上であり、好ましくは2〜6、より好ましくは3である。
【0016】
Aとしては、a、bおよびcが1であり、dが0であり、R1、R2、R5およびR6が水素であり、R3およびR4が水素原子、アルキル基およびフェニル基から選ばれる基、特にアルキル基であるものが好ましい。
本発明に係る含リン芳香族ジハロゲン化合物としては、以下のような化合物が挙げられる。なお、下記式中Xは、ハロゲン原子を示し、互いに同一でも異なっていてもよい。
【0017】
【化6】
Figure 0003841168
【0018】
このような本発明に係る含リン芳香族ジハロゲン化合物は、例えば2−オキソ(2H)−1,3,2−ジオキサフォスフォリナン誘導体などの含リンユニットと、4−ブロモ−2',5'−ジクロロベンゾフェノン誘導体とを反応させることにより製造することができる。
含リンユニットは、例えば亜リン酸エステルとジオールとのエステル交換反応で合成することができる。
【0019】
亜リン酸エステルとして、具体的にはジメチルホスファイト、ジエチルホスファイト、ジプロピルホスファイト、ジブチルホスファイト、ジペンチルホスファイト、ジヘキシルホスファイト、ジフェニルホスファイト、ジベンジルホスファイトなどのアルコール残基の炭素原子数が1〜10の亜リン酸エステルが挙げられる。
【0020】
ジオールとしては、エチレングリコール、1,2−ジフェニルエタンジオール、1−フェニルエタンジオール、1,3−プロピレングリコール、2-メチルプロパンジオール、2,2−ジメチル−プロパンジオール、2−メチル−2−エチルプロパンジオール、2−メチルプロパン−1,3−ジオール、2−エチルプロパン−1,3−ジオール、2,2−ジエチルプロパンジオール、1,3−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2−メチルペンタン−2,4−ジオールが挙げられる。
【0021】
4−ブロモ−2',5'−ジクロロベンゾフェノン誘導体としては、4−ブロモフェノキシ−2',5'−ジクロロベンゾフェノン、4−ブロモフェノキシ-(4"−フェノキシ)−2',5'−ジクロロベンゾフェノンなどが挙げられる。
ポリアリーレン重合体を合成する際に用いられる含リン芳香族化合物としては上記(1)式で示されるような環状の亜リン酸エステル構造を有するものが好ましい。鎖状の非環状亜リン酸エステル構造を有する含リン芳香族化合物から導かれる構成単位は、酸性条件下での耐加水分解性に劣り、この構成単位を含む重合体をプロトン伝導膜材料として使用した場合、長期の発電中に加水分解して、亜リン酸エステル構造が脱離してしまい安定性効果の持続性に問題を生じる。
【0022】
ポリアリーレン重合体
本発明に係るポリアリーレン重合体は、芳香族化合物から導かれる構成単位からなり、下記式(1’)で表される構成単位(以下「構成単位(1’)」ともいう。)を少なくとも含んでいる。
すなわち、本発明に係るポリアリーレン重合体は、構成単位(1’)のみから形成されていてもよく、構成単位(1’)と、該構成単位(1’)以外の、他の芳香族化合物から導かれる構成単位(以下「他の芳香族化合物単位」ともいう。)とから形成されていてもよい。
【0023】
【化7】
Figure 0003841168
【0024】
式中、Aは式 −(CR12)a−(CR34)b−(CR56)c−(CR78)d− で表される2価の基を示し、R1〜R8、a、b、cおよびdは、上記一般式(1)中のR1〜R8、a、b、cおよびdと同じである。
Aとしては、a、bおよびcが1であり、dが0であり、R1、R2、R5およびR6が水素であり、R3およびR4が水素原子、アルキル基およびフェニル基から選ばれる基であるものが好ましい。
【0025】
他の芳香族化合物単位としては、下記一般式(A')で表される芳香族化合物から導かれる構成単位(以下「構成単位(A')」ともいう。)、芳香族化合物から導かれ側鎖にスルホン酸基を導入可能な構造を有する構成単位、例えば下記一般式(B−1')〜(B−4')から選ばれる芳香族化合物から導かれる構成単位(以下「構成単位(B')」ともいう。)などが挙げられ、芳香族ジハロゲン化合物から導かれ側鎖にスルホン酸基を導入可能な構造を有する構成単位であることが好ましく、2,5−ジクロロベンゾフェノン誘導体から導かれ側鎖にスルホン酸基を導入可能な構造を有する構成単位であることがより好ましい
なお、構成単位(1')は、スルホン酸基を導入可能な構造を有していない。
【0026】
次に構成単位(A')について説明する。
【0027】
【化8】
Figure 0003841168
【0028】
式(A')中、R1〜R8は互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、フッ素原子、アルキル基、フッ素置換アルキル基、アリル基およびアリール基からなる群より選ばれた少なくとも1種の原子または基を示す。
アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、アミル基、ヘキシル基などが挙げられ、メチル基、エチル基などが好ましい。
【0029】
フッ素置換アルキル基としては、トリフルオロメチル基、パーフルオロエチル基、パーフルオロプロピル基、パーフルオロブチル基、パーフルオロペンチル基、パーフルオロヘキシル基などが挙げられ、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基などが好ましい。
アリル基としては、プロペニル基などが挙げられ、
アリール基としては、フェニル基、ペンタフルオロフェニル基などが挙げられる。
【0030】
Zは2価の電子吸引性基を示し、電子吸引性基としては、例えば−CO−、−CONH−、−(CF2p−(ここで、pは1〜10の整数である)、−C(CF32−、−COO−、−SO−、−SO2−などが挙げられる。
なお、電子吸引性基とは、ハメット(Hammett)置換基常数がフェニル基のm位の場合、0.06以上、p位の場合、0.01以上の値となる基をいう。
【0031】
Yは2価の電子供与性基を示し、電子供与性基としては、例えば−O−、−S−、−CH=CH−、−C≡C−および下記式
【0032】
【化9】
Figure 0003841168
【0033】
で表される基などが挙げられる。
nは0または正の整数であり、上限は通常100、好ましくは80である。
次に、下記(B−1')〜(B−4')で表される構成単位(B')について説明する。
【0034】
【化10】
Figure 0003841168
【0035】
式中、R9〜R15は互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、フッ素原子およびアルキル基からなる群より選ばれた少なくとも1種の原子または基を示す。
9〜R15が示すアルキル基としては、上記一般式(A')中のR1〜R8が示すアルキル基と同様のものが挙げられる。
【0036】
mは0、1または2を示す。
Zは上記一般式(A')でZとして示したものと同様の群から選ばれた2価の電子吸引性基を示し、好ましくは−CO−である。
Yは上記一般式(A')でYとして示したものと同様の群から選ばれた2価の電子供与性基を示す。
【0037】
Wはフェニル基、ナフチル基および下記式(C−1)〜(C−3)で表される基からなる群より選ばれる少なくとも1種の基を示す。
【0038】
【化11】
Figure 0003841168
【0039】
式中、Aは電子供与性基または単結合を示す。電子供与性基としては、上記一般式(A')でYとして示したものと同様の群から選ばれた2価の電子供与性基が挙げられる。
16およびR17は水素原子、アルキル基およびアリール基からなる群より選ばれる原子または基を示す。R16およびR17が示すアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、アミル基、ヘキシル基などが挙げられ、メチル基、エチル基などが好ましい。アリール基としては、フェニル基、ペンタフルオロフェニル基などが挙げられる。
【0040】
18〜R26は互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、フッ素原子およびアルキル基からなる群より選ばれる少なくとも1種の原子または基を示す。
qは0または1を示す。
【0041】
【化12】
Figure 0003841168
【0042】
式(B−2')〜(B−4')中、R27〜R34は互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、フッ素原子、アルキル基、フッ素置換アルキル基、アリール基または下記一般式(D)で表される基を示し、アリール基または下記一般式(D)で表される基であることが好ましい。
【0043】
【化13】
Figure 0003841168
【0044】
式(D)中、R35〜R43は互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、フッ素置換アルキル基を示す。
27〜R34、R35〜R43が示すアルキル基、フッ素置換アルキル基としては、上記一般式(A')中のR1〜R8が示すアルキル基、フッ素置換アルキル基と同様の基が挙げられる。またR27〜R34が示すアリール基としては、上記一般式(A')中のR1〜R8が示すアリール基と同様の基が挙げられる。
【0045】
Zは上記一般式(A')でZとして示したものと同様の群から選ばれた2価の電子吸引性基を示し、好ましくは−CO−である。
Yは上記一般式(A')でYとして示したものと同様の群から選ばれた2価の電子供与性基を示す。
本発明に係るポリアリーレン重合体は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーで測定したポリスチレン換算の重量平均分子量が、好ましくは1万〜100万、より好ましくは2万〜80万である。
【0046】
該重合体が含リン芳香族ジハロゲン化合物単位と、他の芳香族ジハロゲン化合物単位と有する場合には、含リン芳香族ジハロゲン化合物単位の含有量は通常0.5〜30モル%、好ましくは1〜25モル%である。
含リン芳香族ジハロゲン化合物単位の含有量が0.1モル%より少ないと得られる重合体の耐久性向上に充分な効果が得られず、30モル%より多いと得られる重合体に導入できるスルホン酸量が充分ではなくなる。
【0047】
本発明に係るポリアリーレン重合体は、例えば下記のような方法で製造することができる。
ポリアリーレン重合体の製造方法
本発明に係るポリアリーレン重合体の製造方法は、前記一般式(1)で表される含リン芳香族ジハロゲン化合物(以下「含リン芳香族ジハロゲン化合物」ともいう。)を少なくとも含む芳香族化合物をカップリング重合する。
【0048】
すなわち、本発明のポリアリーレン重合体の製造方法は、含リン芳香族ジハロゲン化合物を単独重合してもよく、含リン芳香族ジハロゲン化合物と、該含リン芳香族ジハロゲン化合物以外の他の芳香族化合物(以下「他の芳香族化合物」ともいう。)とを共重合してもよい。
他の芳香族化合物としては、下記一般式(A)で表される芳香族化合物、重合後側鎖となる部位にスルホン酸基を導入可能な構造を有する芳香族化合物、例えば下記一般式(B−1)〜(B−4)から選ばれる少なくとも1種の芳香族化合物などが挙げられる。他の芳香族化合物としては、重合後側鎖となる部位にスルホン酸基を導入可能な構造を有する芳香族ジハロゲン化合物が好ましく、重合後側鎖となる部位にスルホン酸基を導入可能な構造を有する2,5−ジクロロベンゾフェノン誘導体がより好ましい
次に、下記一般式(A)で表される芳香族化合物について説明する。
【0049】
【化14】
Figure 0003841168
【0050】
式(A)中、RおよびR'は互いに同一でも異なっていてもよく、フッ素原子を除くハロゲン原子または−OSO2T(ここで、Tはアルキル基、フッ素置換アルキル基またはアリール基を示す。)で表される基を示す。
Zが示すアルキル基としてはメチル基、エチル基などが挙げられ、フッ素置換アルキル基としてはトリフルオロメチル基などが挙げられ、アリール基としてはフェニル基、p−トリル基などが挙げられる。
【0051】
1〜R8は互いに同一でも異なっていてもよく、前記一般式(A')中のR1〜R8と同様の原子または基を示す。
Zは上記一般式(A')でZとして示したものと同様の群から選ばれた2価の電子吸引性基を示し、好ましくは−CO−である。
Yは上記一般式(A')でYとして示したものと同様の群から選ばれた2価の電子供与性基を示す。
【0052】
nは0または正の整数であり、上限は通常100、好ましくは80である。
上記一般式(A)で表される芳香族化合物として具体的には、例えば4,4'−ジクロロベンゾフェノン、4,4'−ジクロロベンズアニリド、ビス(クロロフェニル)ジフルオロメタン、2,2−ビス(4−クロロフェニル)ヘキサフルオロプロパン、4−クロロ安息香酸−4−クロロフェニル、ビス(4−クロロフェニル)スルホキシド、ビス(4−クロロフェニル)スルホン、これらの化合物において塩素原子がホウ素原子またはヨウ素原子に置き換わった化合物、さらにこれらの化合物において4位に置換したハロゲン原子が3位に置換した化合物などが挙げられる。
【0053】
また上記一般式(A)で表される芳香族化合物として具体的には、例えば4,4'−ビス(4−クロロベンゾイル)ジフェニルエーテル、4,4'−ビス(4−クロロベンゾイルアミノ)ジフェニルエーテル、4,4'−ビス(4−クロロフェニルスルホニル)ジフェニルエーテル、4,4'−ビス(4−クロロフェニル)ジフェニルエーテルジカルボキシレート、4,4'−ビス〔(4−クロロフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロピル〕ジフェニルエーテル、4,4'−ビス〔(4−クロロフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロピル〕ジフェニルエーテル、4,4'−ビス〔(4−クロロフェニル)テトラフルオロエチル〕ジフェニルエーテル、これらの化合物において塩素原子がホウ素原子またはヨウ素原子に置き換わった化合物、さらにこれらの化合物において4位に置換したハロゲン原子が3位に置換した化合物、さらにこれらの化合物においてジフェニルエーテルの4位に置換した基の少なくとも1つが3位に置換した化合物などが挙げられる。
【0054】
さらに上記一般式(A)で表される芳香族化合物としては、2,2−ビス[4−{4−(4−クロロベンゾイル)フェノキシ}フェニル]−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、ビス[4−{4−(4−クロロベンゾイル)フェノキシ}フェニル]スルホン、および下記式で表される化合物が挙げられる。
【0055】
【化15】
Figure 0003841168
【0056】
上記一般式(A)で表される芳香族化合物は、例えば以下に示す方法で合成することができる。
まず電子吸引性基で連結されたビスフェノールを対応するビスフェノールのアルカリ金属塩とするために、N−メチル−2−ピロリドン、N,N-ジメチルアセトアミド、スルホラン、ジフェニルスルホン、ジメチルスルホキサイドなどの誘電率の高い極性溶媒中でリチウム、ナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属、水素化アルカリ金属、水酸化アルカリ金属、アルカリ金属炭酸塩などを加える。
【0057】
通常、アルカリ金属はフェノールの水酸基に対し、過剰気味で反応させ、通常、1.1〜2倍当量を使用する。好ましくは、1.2〜1.5倍当量の使用である。この際、ベンゼン、トルエン、キシレン、ヘキサン、シクロヘキサン、オクタン、クロロベンゼン、ジオキサン、テトラヒドロフラン、アニソール、フェネトールなどの水と共沸する溶媒を共存させて、電子吸引性基で活性化されたフッ素、塩素等のハロゲン原子で置換された芳香族ジハライド化合物、例えば、4,4'−ジフルオロベンゾフェノン、4,4'−ジクロロベンゾフェノン、4,4'−クロロフルオロベンゾフェノン、ビス(4−クロロフェニル)スルホン、ビス(4−フルオロフェニル)スルホン、4−フルオロフェニル−4'−クロロフェニルスルホン、ビス(3−ニトロ−4−クロロフェニル)スルホン、2,6−ジクロロベンゾニトリル、2,6−ジフルオロベンゾニトリル、ヘキサフルオロベンゼン、デカフルオロビフェニル、2,5−ジフルオロベンゾフェノン、1,3−ビス(4−クロロベンゾイル)ベンゼンなどを反応させる。反応性から言えば、フッ素化合物が好ましいが、次の芳香族カップリング反応を考慮した場合、末端が塩素原子となるように芳香族求核置換反応を組み立てる必要がある。活性芳香族ジハライドはビスフェノールに対し、2〜4倍モル、好ましくは2.2〜2.8倍モルの使用である。芳香族求核置換反応の前に予め、ビスフェノールのアルカリ金属塩としていてもよい。反応温度は60℃〜300℃で、好ましくは80℃〜250℃の範囲である。反応時間は15分〜100時間、好ましくは1時間〜24時間の範囲である。最も好ましい方法としては、下記式
【0058】
【化16】
Figure 0003841168
【0059】
(式中、Yは一般式(A)に関して定義した通りである。)
で示される活性芳香族ジハライドとして反応性の異なるハロゲン原子を一個づつ有するクロロフルオロ体を用いることであり、フッ素原子が優先してフェノキシドと求核置換反応が起きるので、目的の活性化された末端クロロ体を得るのに好都合である。
【0060】
または特開平2−159号公報に記載のように求核置換反応と親電子置換反応を組み合わせ、目的の電子吸引性基、電子供与性基からなる屈曲性化合物の合成方法がある。
具体的には電子吸引性基で活性化された芳香族ビスハライド、例えば、ビス(4−クロロフェニル)スルホンをフェノールとで求核置換反応させてビスフェノキシ置換体とする。次いで、この置換体を例えば、4−クロロ安息香酸クロリドとのフリーデルクラフト反応から目的の化合物を得る。ここで用いる電子吸引性基で活性化された芳香族ビスハライドは上記で例示した化合物が適用できる。フェノール化合物は置換されていてもよいが、耐熱性や屈曲性の観点から、無置換化合物が好ましい。なお、フェノールの置換反応にはアルカリ金属塩とするのが、好ましく、使用可能なアルカリ金属化合物は上記に例示した化合物を使用できる。使用量はフェノール1モルに対し、1.2〜2倍モルである。反応に際し、上述した極性溶媒や水との共沸溶媒を用いることができる。ビスフェノキシ化合物を塩化アルミニウム、3フッ化ホウ素、塩化亜鉛などのルイス酸のフリーデルクラフト反応の活性化剤存在下に、アシル化剤として、クロロ安息香酸クロライドを反応させる。クロロ安息香酸クロライドはビスフェノキシ化合物に対し、2〜4倍モル、好ましくは2.2〜3倍モルの使用である。フリーデルクラフト活性化剤は、アシル化剤のクロロ安息香酸などの活性ハライド化合物1モルに対し、1.1〜2倍当量使用する。反応時間は15分〜10時間の範囲で、反応温度は−20℃から80℃の範囲である。使用溶媒は、フリーデルクラフト反応に不活性な、クロロベンゼンやニトロベンゼンなどを用いることができる。
【0061】
また、一般式(A)において、nが2以上であるモノマー(A)は、例えば、一般式(A)において電子供与性基Yであるエーテル性酸素の供給源となるビスフェノールと、電子吸引性基Xである、>C=O、−SO2−、および/または>C(CF32とを組み合わした、具体的には2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ケトン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホンなどのビスフェノールのアルカリ金属塩と過剰の4,4−ジクロロベンゾフェノン、ビス(4−クロロフェニル)スルホンなどの活性芳香族ハロゲン化合物との置換反応をN−メチル−2−ピロリドン、N,N-ジメチルアセトアミド、スルホランなどの極性溶媒存在下で前記単量体の合成手法に順次重合して得られる。
【0062】
このようなモノマー(A)の例示としては、下記式で表される化合物などを挙げることができる。
【0063】
【化17】
Figure 0003841168
【0064】
【化18】
Figure 0003841168
【0065】
【化19】
Figure 0003841168
【0066】
上記において、nは2以上、好ましくは2〜100である。
次に、下記一般式(B−1)〜(B−4)で表される芳香族化合物について説明する。
【0067】
【化20】
Figure 0003841168
【0068】
式中、RおよびR'は互いに同一でも異なっていてもよく、上記一般式(A)中のRおよびR'と同様の原子または基を示し、好ましくはハロゲン原子であり、より好ましくは塩素原子である。
9〜R15は互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、フッ素原子およびアルキル基からなる群より選ばれた少なくとも1種の原子または基を示す。
【0069】
9〜R15が示すアルキル基としては、上記一般式(A')中のR1〜R8が示すアルキル基と同様のものが挙げられる。
mは0、1または2を示す。
Zは上記一般式(A')でZとして示したものと同様の群から選ばれた2価の電子吸引性基を示し、好ましくは−CO−である。
【0070】
Yは上記一般式(A')でYとして示したものと同様の群から選ばれた2価の電子供与性基を示す。
Wは上記一般式(A')でWとして示したものと同様の群から選ばれた基を示す。
上記一般式(B−1)で表される芳香族化合物としては、下記式で表される化合物が挙げられる。
【0071】
【化21】
Figure 0003841168
【0072】
より具体的には、一般式(B−1)で表される化合物としては、下記式で表される化合物が挙げられる。
【0073】
【化22】
Figure 0003841168
【0074】
【化23】
Figure 0003841168
【0075】
また、上記のような化合物において、塩素原子を臭素原子またはヨウ素原子に置き換えた化合物も例示することができる。
【0076】
【化24】
Figure 0003841168
【0077】
式(B−2)〜(B−4)中、RおよびR'は互いに同一でも異なっていてもよく、上記一般式(A)中のRおよびR'と同様の基を示し、好ましくはハロゲン原子であり、より好ましくは塩素原子である。
27〜R34は互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、フッ素原子、アルキル基、フッ素置換アルキル基、アリール基または下記一般式(D)で表される基を示し、アリール基または下記一般式(D)で表される基であることが好ましい。
【0078】
【化25】
Figure 0003841168
【0079】
式(D)中、R35〜R43は互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、フッ素置換アルキル基を示す。
27〜R34、R35〜R43が示すアルキル基、フッ素置換アルキル基としては、R1〜R8が示すアルキル基、フッ素置換アルキル基と同様の基が挙げられる。またR27〜R34が示すアリール基としては、R1〜R8が示すアリール基と同様の基が挙げられる。
【0080】
Zは上記一般式(A')でZとして示したものと同様の群から選ばれた2価の電子吸引性基を示し、好ましくは−CO−である。
Yは上記一般式(A')でYとして示したものと同様の群から選ばれた2価の電子供与性基を示す。
上記一般式(B−2)で表される芳香族化合物として具体的には、例えばp−ジクロロベンゼン、p−ジメチルスルフォニロキシベンゼン、2,5−ジクロロトルエン、2,5−ジメチルスルフォニロキシベンゼン、2,5−ジクロロ−p−キシレン、2,5−ジクロロベンゾトリフルオライド、1,4−ジクロロ−2,3,5,6−テトラフルオロベンゼン、およびこれらの化合物において塩素原子を臭素原子またはヨウ素原子に置き換えた化合物などが挙げられる。
【0081】
上記一般式(B−3)で表される芳香族化合物として具体的には、例えば4,4'−ジメチルスルフォニロキシビフェニル、4,4'−ジメチルスルフォニロキシ−3,3'−ジプロペニルビフェニル、4,4'−ジブロモビフェニル、4,4'−ジヨードビフェニル、4,4'−ジメチルスルフォニロキシ−3,3'−ジメチルビフェニル、4,4'−ジメチルスルフォニロキシ−3,3'−ジフルオロビフェニル、4,4'−ジメチルスルフォニロキシ−3,3',5,5'−テトラフルオロビフェニル、4,4'−ジブロモオクタフルオロビフェニル、4,4'−ジメチルスルフォニロキシオクタフルオロビフェニルなどが挙げられる。
【0082】
上記一般式(B−4)で表される芳香族化合物として具体的には、例えばm−ジクロロベンゼン、m−ジメチルスルフォニロキシベンゼン、2,4−ジクロロトルエン、3,5−ジクロロトルエン、2,6−ジクロロトルエン、3,5−ジメチルスルフォニロキシトルエン、2,6−ジメチルスルフォニロキシトルエン、2,4−ジクロロベンゾトリフルオライド、3,5−ジクロロベンゾトリフルオライド、1,3−ジブロモ−2,4,5,6−テトラフルオロベンゼン、およびこれらの化合物において塩素原子を臭素原子またはヨウ素原子に置き換えた化合物などが挙げられる。
【0083】
本発明のポリアリーレン重合体の製造方法は、含リン芳香族ジハロゲン化合物と、必要に応じて他の芳香族化合物(以下これらの化合物を「モノマー」ともいう。)を重合する。
重合する際に使用される触媒としては、例えば遷移金属化合物を含む触媒系が挙げられ、この触媒系としては、▲1▼遷移金属塩および配位子となる化合物(以下、「配位子成分」ともいう。)、または配位子が配位された遷移金属錯体(銅塩を含む)、ならびに▲2▼還元剤を必須成分とし、さらに、重合速度を上げるために、「塩」を添加してもよい。
【0084】
ここで、遷移金属塩としては、塩化ニッケル、臭化ニッケル、ヨウ化ニッケル、ニッケルアセチルアセトナートなどのニッケル化合物;塩化パラジウム、臭化パラジウム、ヨウ化パラジウムなどのパラジウム化合物;塩化鉄、臭化鉄、ヨウ化鉄などの鉄化合物;塩化コバルト、臭化コバルト、ヨウ化コバルトなどのコバルト化合物などが挙げられる。これらのうち特に、塩化ニッケル、臭化ニッケルなどが好ましい。
【0085】
また、配位子成分としては、トリフェニルホスフィン、2,2'−ビピリジン、1,5−シクロオクタジエン、1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパンなどが挙げられる。これらのうち、トリフェニルホスフィン、2,2'−ビピリジンが好ましい。上記配位子成分である化合物は、1種単独で、あるいは2種以上を併用することができる。
【0086】
さらに、配位子が配位された遷移金属錯体としては、例えば、塩化ニッケルビス(トリフェニルホスフィン)、臭化ニッケルビス(トリフェニルホスフィン)、ヨウ化ニッケルビス(トリフェニルホスフィン)、硝酸ニッケルビス(トリフェニルホスフィン)、塩化ニッケル(2,2'−ビピリジン)、臭化ニッケル(2,2'−ビピリジン)、ヨウ化ニッケル(2,2'−ビピリジン)、硝酸ニッケル(2,2'−ビピリジン)、ビス(1,5−シクロオクタジエン)ニッケル、テトラキス(トリフェニルホスフィン)ニッケル、テトラキス(トリフェニルホスファイト)ニッケル、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウムなどが挙げられる。これらのうち、塩化ニッケルビス(トリフェニルホスフィン)、塩化ニッケル(2,2'−ビピリジン)が好ましい。
【0087】
上記触媒系に使用することができる還元剤としては、例えば、鉄、亜鉛、マンガン、アルミニウム、マグネシウム、ナトリウム、カルシウムなどが挙げられる。これらのうち、亜鉛、マグネシウム、マンガンが好ましい。これらの還元剤は、有機酸などの酸に接触させることにより、より活性化して用いることができる。
【0088】
また、上記触媒系において使用することのできる「塩」としては、フッ化ナトリウム、塩化ナトリウム、臭化ナトリウム、ヨウ化ナトリウム、硫酸ナトリウムなどのナトリウム化合物、フッ化カリウム、塩化カリウム、臭化カリウム、ヨウ化カリウム、硫酸カリウムなどのカリウム化合物;フッ化テトラエチルアンモニウム、塩化テトラエチルアンモニウム、臭化テトラエチルアンモニウム、ヨウ化テトラエチルアンモニウム、硫酸テトラエチルアンモニウムなどのアンモニウム化合物などが挙げられる。これらのうち、臭化ナトリウム、ヨウ化ナトリウム、臭化カリウム、臭化テトラエチルアンモニウム、ヨウ化テトラエチルアンモニウムが好ましい。
【0089】
各成分の使用割合は、遷移金属塩または遷移金属錯体が、モノマーの総計1モルに対し、通常、0.0001〜10モル、好ましくは0.01〜0.5モルである。0.0001モル未満では、重合反応が十分に進行しないことがあり、一方、10モルを超えると、分子量が低下することがある。
触媒系において、遷移金属塩および配位子成分を用いる場合、この配位子成分の使用割合は、遷移金属塩1モルに対し、通常、0.1〜100モル、好ましくは1〜10モルである。0.1モル未満では、触媒活性が不十分となることがあり、一方、100モルを超えると、分子量が低下することがある。
【0090】
また、還元剤の使用割合は、モノマーの総計1モルに対し、通常、0.1〜100モル、好ましくは1〜10モルである。0.1モル未満では、重合が十分進行しないことがあり、100モルを超えると、得られる重合体の精製が困難になることがある。
さらに、「塩」を使用する場合、その使用割合は、モノマーの総計1モルに対し、通常、0.001〜100モル、好ましくは0.01〜1モルである。0.001モル未満では、重合速度を上げる効果が不十分であることがあり、100モルを超えると、得られる重合体の精製が困難となることがある。
【0091】
使用することのできる重合溶媒としては、例えばテトラヒドロフラン、シクロヘキサノン、ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、γ-ブチロラクトン、γ-ブチロラクタムなどが挙げられる。これらのうち、テトラヒドロフラン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドンが好ましい。これらの重合溶媒は、十分に乾燥してから用いることが好ましい。
【0092】
重合溶媒中におけるモノマーの総計の濃度は、通常、1〜90重量%、好ましくは5〜40重量%である。
また、重合する際の重合温度は、通常、0〜200℃、好ましくは50〜120℃である。また、重合時間は、通常、0.5〜100時間、好ましくは1〜40時間である。
【0093】
このようにして含リン芳香族ジハロゲン化合物と、必要に応じて他の芳香族化合物を重合させることにより、ポリアリーレン重合体を含む重合溶液が得られる。
なおポリアリーレン重合体の構造は、例えば、赤外線吸収スペクトルによって、1,230〜1,250cm-1のC−O−C吸収、1,640〜1,660cm-1のC=O吸収などにより確認でき、また、核磁気共鳴スペクトル(1H-NMR)により、6.8〜8.0ppmの芳香族プロトンのピークから、その構造を確認することができる。
【0094】
スルホン化ポリアリーレン重合体およびその製造方法
本発明に係るスルホン化ポリアリーレン重合体は、構成単位(1')と、必要に応じて他の芳香族化合物単位とからなるスルホン酸基を有しないポリアリーレン重合体、または含リン芳香族ジハロゲン化合物と、側鎖にスルホン酸基を導入可能な構造を有する芳香族化合物とから得られるスルホン酸基を有しないポリアリーレン重合体にスルホン酸基を導入することにより得られたものである。
【0095】
ポリアリーレン重合体にスルホン酸基を導入する方法としては、例えば、上記スルホン酸基を有しないポリアリーレン重合体を、無水硫酸、発煙硫酸、クロルスルホン酸、硫酸、亜硫酸水素ナトリウムなどの公知のスルホン化剤を用いて、公知の条件でスルホン化することができる〔Polymer Preprints,Japan,Vol.42,No.3,p.730(1993);Polymer Preprints,Japan,Vol.42,No.3,p.736(1994);Polymer Preprints,Japan,Vol.42,No.7,pp.2490〜2492(1993)〕。
【0096】
すなわち、このスルホン化の反応条件としては、上記スルホン酸基を有しないポリアリーレン重合体を、無溶剤下、あるいは溶剤存在下で、上記スルホン化剤と反応させる。溶剤としては、例えばn−ヘキサンなどの炭化水素溶剤、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテル系溶剤、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシドのような非プロトン系極性溶剤のほか、テトラクロロエタン、ジクロロエタン、クロロホルム、塩化メチレンなどのハロゲン化炭化水素などが挙げられる。反応温度は特に制限はないが、通常、−50〜200℃、好ましくは−10〜100℃である。また、反応時間は、通常、0.5〜1,000時間、好ましくは1〜200時間である。
【0097】
このようにして得られる、スルホン化ポリアリーレン重合体中の、スルホン酸基量は、0.5〜3ミリグラム当量/g、好ましくは0.8〜2.8ミリグラム当量/gである。0.5ミリグラム当量/g未満では、プロトン伝導性が上がらず、一方3ミリグラム当量/gを超えると、親水性が向上し、水溶性ポリマーとなってしまうか、また水溶性に至らずとも耐久性が低下する。
【0098】
プロトン伝導膜
本発明のプロトン伝導膜は、上記スルホン化ポリアリーレン重合体からなるが、スルホン化ポリアリーレン重合体からプロトン伝導膜を調製する際には、上記スルホン化ポリアリーレン重合体以外に、硫酸、リン酸などの無機酸、カルボン酸を含む有機酸、適量の水などを併用してもよい。
【0099】
本発明のプロトン伝導膜を製造するには、例えば本発明のスルホン化ポリアリーレン重合体を溶剤に溶解したのち、キャスティングによりフィルム状に成形するキャスティング法や、溶融成形法などが挙げられる。
ここで、キャスティング法における溶剤としては、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルスルホキシドなどの非プロトン系極性溶剤などが挙げられる。これらの溶剤にはさらにメタノールなどのアルコール系溶剤が混合されていてもよい。
【0100】
本発明のプロトン伝導膜は、厚さ50μmのフィルムを45℃のフェントン試薬(過酸化水素3%、硫酸第二鉄20ppm水溶液)の浸漬試験で重量残存率80%維持する時間が20時間以上である。
本発明のプロトン伝導膜は、例えば一次電池用電解質、二次電池用電解質、燃料電池用高分子固体電解質、表示素子、各種センサー、信号伝達媒体、固体コンデンサー、イオン交換膜などに利用可能なプロトン伝導性の伝導膜に利用可能である。
【0101】
【実施例】
以下、実施例に基づいて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0102】
【実施例1】
〔5,5-ジメチル-2-(4-(2,5-ジクロロベンゾイル)フェニル)-2-オキソ(2H)-1,3,2-ジオキサフォスフォリナンの合成〕
(5,5-ジメチル-2-オキソ(2H)-1,3,2-ジオキサフォスフォリナン(1)の合成)
【0103】
【化26】
Figure 0003841168
【0104】
ジエチルホスファイト(276.2g、2.0mol)とネオペンチルグリコール 208.3g(2.0mol)の混合物を145℃(オイルバス温度)に加熱し、徐々に減圧度を上げながら(16kPaから最終的には2.1kPa)縮合脱離成分のエタノールを留去した。エタノールの留去が終了(168.9g留去した。理論値の92%に相当)するまで、おおよそ6時間要した。
【0105】
得られた目的物(1)を分別蒸留(124−128℃/〜0.4kPa)から単離精製した。精製品は低温で容易に固化する(融点:124−128℃)無色の液体であった。収量は277.2g(収率92%)であった。
IR(neat):2973,2881,2408cm-1;
1H-NMR(500MHz,CDCl3):
(s,3H),1.26(s,3H),3.97-4.08(m,4H),6.91(d,J=678Hz,1H).
(4-ブロモ-2',5'-ジクロロベンゾフェノン(2)の合成)
【0106】
【化27】
Figure 0003841168
【0107】
2,5−ジクロロ安息香酸クロリド 3.3g(350mmol)のブロモベンゼン170mL(約1.6mol)の溶液に、無水塩化アルミニウム 56g(420mmol)を窒素雰囲気で室温下、攪拌しながら、少量ずつ10分間かけて添加した。添加後、反応系を70℃に維持し、さらに2時間反応させた。反応後、反応混合溶液を氷/塩酸(300g/150mL)に注いだ。有機層を分離し、5%の炭酸水素ナトリウム水溶液100mLで2回、さらに水 150mLで2回洗浄し、硫酸マグネシウムを加え乾燥した。乾燥後の溶液から過剰のブロモベンゼンを減圧留去させると目的物(2)の粗結晶が得られた。さらにヘキサン約400mLから再結晶を行い、無色の結晶を収量89.9g(収率78%)で得た。
【0108】
融点:88−89.5℃、IR(KBr):1673,1585cm-1.
(5,5-ジメチル-2-(4-(2,5-ジクロロベンゾイル)フェニル)-2-オキソ(2H)-1,3,2-ジオキサフォスフォリナン(3)の合成)
【0109】
【化28】
Figure 0003841168
【0110】
4-ブロモ-2',5'-ジクロロベンゾフェノン(2)16.50g(50mmol)とテトラキス(トリフェニルフォスフィン)パラジウム(0)1.74g(1.5mmol)とを含む乾燥トルエン130mL溶液中に、トリエチルアミン 7.7mL(5.66g、55mmol)を窒素雰囲気で添加し、さらに温度を60℃上げ、反応させた。
【0111】
反応系に5,5-ジメチル-2-オキソ(2H)-1,3,2-ジオキサフォスフォリナン(1)8.26g(55mmol)の乾燥トルエン溶液30mLを80分間かけて滴下させた。滴下終了後、反応物のIRスペクトルから、(1)に起因する2408cm-1の吸収は、完全に消費されていることが観察された。不均一な反応系をトルエンで希釈し300mLとし、1N塩酸500mLで2回、さらに飽和食塩水400mLで2回洗浄した。得られた有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下で溶媒を留去させた。放置すると固化する黄橙色の油状物が得られた。粗生成物21.36g(mp:125−133℃)を乳鉢で粉砕し、酢酸エチル180mLを加え煮沸した。不溶分(触媒、もしくはその分解残査物)を熱濾過で分離除去した。濾過物を80mLまで濃縮し、冷却放置すると目的物(3)が無色の結晶で得られた。収率:17.77g(89%)。
【0112】
融点:134−135.5℃
IRスペクトル(KBr):2978,2935,1673,1274,1052cm-11H NMR(500MHz,CDCl3):1.13(s,3H),1.15(s,3H),3.88(d,J=11Hz,1H),3.91(d,J=11Hz,1H),4.31(d,J=10Hz,1H),4.33(d,J=10Hz,1H),7.38-7.46(m,3H),7.89(dd,J1=9Hz,J2=4Hz,2H),7.96(dd,J1=9Hz,J2=13Hz,2H).
得られた5,5-ジメチル-2-(4-(2,5-ジクロロベンゾイル)フェニル)-2-オキソ(2H)-1,3,2-ジオキサフォスフォリナン(3)のIRスペクトルを図1に示した。
【0113】
【実施例2】
〔5,5-ジメチル-2-(4-(2,5-ジクロロベンゾイル)フェニル)-2-オキソ(2H)-1,3,2-ジオキサフォスフォリナン(3)を用いたポリアリーレン共重合体の合成〕攪拌機、温度計、窒素導入口を取り付けた1Lの3口フラスコに2,5-ジクロロ-4'-(4-フェノキシ)フェノキシベンゾフェノン 36.13g(83ミリモル)、5,5'-ジメチル-2-(4-(2,5-ジクロロベンゾイル)フェニル)-2-オキソ(2H)-1,3,2-ジオキサホスホリナン 4.99g(12.5ミリモル)、BCPAFオリゴマー(Mn=7,940)35.61g、(4.5ミリモル)、ビス(トリフェニルホスフィンニッケル)(II)クロライド 1.96g(3ミリモル)、ヨウ化ナトリウム 1.95g(13ミリモル)、亜鉛末 16.4g(250ミリモル)を加えた。反応系を真空、窒素充填を繰り返し、窒素置換した。次いで、乾燥N−メチルピロリドン(NMP)180mLを加えた。反応系を激しく攪拌しながら油浴を加熱し、40分かけて反応系をおおよそ80℃まで上昇させ、その温度を維持した。1時間後、反応系の粘度は上昇し、重合が進行していることを示していた。攪拌をさらに1時間続けて、反応を継続した。反応後NMP 150mlを反応系に加え、系を希釈し、塩酸/メタノール(200mL/2.5L)溶液に注ぎ凝固した。濾過によって、繊維状のポリマーを回収した。得られたポリマーを1日風乾後、THF 800mLに溶解した。溶液を濾過助剤にセライトを使用して濾過した。濾液をメタノール3L中に凝固析出させた。析出したポリマーを濾集し、真空で乾燥させ、目的の白色ポリマー57.55g(収率83%)を得た。得られたポリマーのIRスペクトルを図2に示した。GPCで測定したポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)が64,600、重量平均分子量が(Mw)266,000であった。
【0114】
【実施例3】
〔スルホン化ポリマーの調製〕
実施例2で得られたポリアリーレン重合体31.25gを濃硫酸500mLに攪拌溶解し、24時間、スルホン化反応を行った。反応後、粘ちょうな反応溶液を脱イオン水5Lに注ぎ、凝固回収した。回収スルホン化ポリマーは、粉砕、水洗を繰り返し、洗液のpHが5になるまで行った。70℃で熱風乾燥し、黄色のスルホン化ポリマー32.99g(収率88%)を得た。IRスペクトルを図3に、NMRスペクトルを図4に示した。NMRスペクトル(図4)からは、ホスホン酸エステルユニット含量は1.7wt%であった。
【0115】
【実施例4】
〔フィルムの調製〕
NMP/メタノール(1/1:容積比)溶媒に用い、13%のスルホン化ポリマー溶液からガラス板上への溶液キャスト、予備乾燥、水洗、本乾燥で膜厚50μmのフィルムを調製した。また、得られたスルホン化ポリマーのスルホン酸当量は1.94ミリ当量/gであった。
【0116】
得られたフィルムについて以下のように物性を測定した。
[フェントン試薬耐性]
膜厚50μmのフィルムを45℃のフェントン試薬(過酸化水素3%、硫酸第2鉄20ppm水溶液)に浸漬し、重量変化を測定した。
15時間:94%、20時間:90%、26時間:86%、36時間:82%の重量を維持していた。
【0117】
[引っ張り試験]
短冊試験片を用い測定した。弾性率は2.5GPa、引張強度は114MPa、破断伸びは65%であった。
[熱水耐性試験]
得られたフィルムを95℃120時間、熱水浸漬後の重量保持率を測定したが、98%以上の重量を維持していた。また、スルホン酸濃度も変化はなかった。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で得られた5,5-ジメチル-2-オキソ(2H)-1,3,2-ジオキサフォスフォリナンのIRスペクトルである。
【図2】実施例2で得られたポリマーのIRスペクトルである。
【図3】実施例3で得られたスルホン化ポリマーのIRスペクトルである。
【図4】実施例3で得られたスルホン化ポリマーのNMRスペクトルである。

Claims (11)

  1. 下記一般式(1)で表されることを特徴とする含リン芳香族ジハロゲン化合物;
    Figure 0003841168
    (式中、Xは互いに同一でも異なっていてもよくフッ素を除くハロゲン原子を示し、
    Aは式 −(CR12)a−(CR34)b−(CR56)c−(CR78)d− で表される2価の基を示し、R1〜R8は互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、アルキル基およびフェニル基から選ばれる基を示し、a、b、cおよびdは互いに同一でも異なっていてもよく、0または1であり、a+b+c+dは2以上である。)。
  2. 芳香族化合物から導かれる構成単位からなり、少なくとも下記一般式(1')で表される構成単位を含むことを特徴とするポリアリーレン重合体;
    Figure 0003841168
    (式中、Aは式 −(CR12)a−(CR34)b−(CR56)c−(CR78)d− で表される2価の基を示し、R1〜R8は互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、アルキル基およびフェニル基から選ばれる基を示し、a、b、cおよびdは互いに同一でも異なっていてもよく、0または1であり、a+b+c+dは2以上である。)。
  3. 請求項2に記載の一般式(1')で表される構成単位と、2,5−ジクロロベンゾフェノン誘導体から導かれ側鎖にスルホン酸基を導入可能な構造を有する構成単位とからなることを特徴とするポリアリーレン重合体。
  4. 前記2,5−ジクロロベンゾフェノン誘導体から導かれ側鎖にスルホン酸基を導入可能な構造を有する構成単位が、2,5−ジクロロ−4−フェノキシベンゾフェノンまたは2,5−ジクロロ−4'−(4−フェノキシフェノキシ)ベンゾフェノンから導かれる構成単位であることを特徴とする請求項3に記載のポリアリーレン重合体。
  5. 請求項3または4に記載のポリアリーレン重合体が、スルホン化されてなることを特徴とするスルホン化ポリアリーレン重合体。
  6. 請求項1に記載の一般式(1)で表される含リン芳香族ジハロゲン化合物を少なくとも含む芳香族化合物をカップリング重合することを特徴とするポリアリーレン重合体の製造方法。
  7. 請求項1に記載の一般式(1)で表される含リン芳香族ジハロゲン化合物と、重合後側鎖となる部位にスルホン酸基を導入可能な構造を有する2,5−ジクロロベンゾフェノン誘導体とをカップリング重合することを特徴とするポリアリーレン重合体の製造方法。
  8. 前記重合後側鎖となる部位にスルホン酸基を導入可能な構造を有する2,5−ジクロロベンゾフェノン誘導体が、2,5−ジクロロ−4−フェノキシベンゾフェノンまたは2,5−ジクロロ−4'−(4−フェノキシフェノキシ)ベンゾフェノンであることを特徴とする請求項7に記載のポリアリーレン重合体の製造方法。
  9. 請求項7または8に記載の方法で得られたポリアリーレン重合体をさらにスルホン化することを特徴とするスルホン化ポリアリーレン重合体の製造方法。
  10. 請求項5に記載のスルホン化ポリアリーレン重合体からなることを特徴とするプロトン伝導膜。
  11. 請求項9に記載の方法で得られたスルホン化ポリアリーレン重合体からなることを特徴とするプロトン伝導膜。
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