JP4895570B2 - 高分子電解質 - Google Patents

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Description

本発明は、固体高分子形燃料電池の電解質膜およびバインダーとして有用な、新規高分子電解質およびその製造方法に関する。
これまで、固体高分子形燃料電池用の電解質材料としては、(1)ナフィオン(デュポン社製)等のパーフルオロアルキルスルホン酸高分子(例えば、特許文献1参照)や、(2)ポリエーテルエーテルケトン等の耐熱性高分子の主鎖をスルホン化した高分子(例えば、特許文献2参照)、(3)スルホン酸化された側鎖を有する高分子(例えば、特許文献3、特許文献4、特許文献5参照)が知られている。しかしながら、これらの高分子は固体高分子形燃料電池用の電解質材料として、いずれも問題を有していた。すなわち、燃料電池の出力向上の点から100℃以上の運転温度が望まれているが、上記(1)のパーフルオロアルキルスルホン酸ポリマーはガラス転移点が約120℃と低いため、使用温度が100℃未満という制約がある。また、上記(2)および(3)の高分子は、脱スルホンが進行するため高い温度では使用できない。さらに、上記(2)および(3)の高分子は、耐酸化性が充分ではない。耐酸化性を向上させる方法としては、高分子電解質に酸化防止剤を添加する方法(例えば、特許文献6および特許文献7参照)が提案されている。しかしながら、この方法では高分子電解質そのものの耐酸化性を向上させているわけではないので、添加した酸化防止剤が消費されると、電解質膜の耐酸化性が低下してしまうと推定される。また、上記(2)のポリマーは、プロトン伝導性を向上すべくスルホン酸化率を高めると水溶性となる問題がある(例えば、非特許文献1参照)。さらに、上記(3)の高分子を製造するためには多くの工程を必要とするという問題があった。また、側鎖スルホン酸を有する高分子電解質として、芳香環が電子吸引性連結基で連なった側鎖構造を有する高分子電解質も用いられている。(例えば、特許文献8、特許文献9、特許文献10参照)
米国特許第3,282,875号明細書 米国特許第5,795,496号明細書 米国特許第5,403,675号明細書 特開2001−329053号公報 特開2002−289222号公報 特開2003−201352号公報 特開2003−201403号公報 特開2004−256797号公報 特開2005−82757号公報 WO2005/076397号明細書 Electrochemical and Solid−State Letters,Vol.6,No.11,p.A229−A231(2003)
本発明は、固体高分子形燃料電池の電解質膜およびバインダーとして、耐酸化性が高く、高温でも脱スルホンが起こりにくい、かつプロトン伝導性の高い、また容易に製造できる、新規な高分子電解質およびその製造方法を提供することを目的とするものである。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、電子吸引性連結基で
連なる特定構造のスルホン酸基非含有側鎖を有し、かつ主鎖にスルホン酸基を有する、高分子スルホン酸からなる高分子電解質がその目的に適合しうることを見いだし、この知見に基づいて本発明をなすに至った。
すなわち、本発明は、以下の通りである。
1.少なくとも下記一般式(1A)で表される繰り返し単位と下記一般式(1B)で表される繰り返し単位を有する事を特徴とする燃料電池用高分子電解質。
Figure 0004895570
[Yは(k+2)価の芳香族残基を、Y’は(t+2)価の芳香族残基を表し、PおよびP’は −CO−、−O−、−S−、−SO−、−SO2−、−CONH−、−C(CF32−、単結合、−CR2−(Rは水素原子、アルキル基、またはアリール基)から選ばれる連結基であり、同一であっても異なっていても良く、kは1〜2の整数であり、は1〜4の整数であって、式中の側鎖部分Zは、下記一般式(2)で表される。
Z=−(X1Ar1(B1))−(X2Ar2(B2))−・・・−(Xn-1Arn-1(Bn-1))−(XnArn) ・・・(2)
上記一般式(2)中のB1〜Bn-1は、側鎖部分Zにおける分岐鎖を意味し、以下の式で表される。
1=−〔(X2Ar2(B2))−(X3Ar3(B3))−・・・−(Xn-1Arn-1(Bn-1))−(XnArn)〕f
2=−〔(X3Ar3(B3))−・・・−(Xn-1Arn-1(Bn-1))−(XnArn)〕f



n-1=−〔XnArnf
上記一般式(2)中
nは各々独立に1〜5の整数、
fは各々独立に0〜の整数であり、少なくとも一つのfが1または2であり
Ar1〜Arnは各々独立に芳香族残基であって、
1〜Xnは各々独立に−CO−、−CONH−、−(CF2p−(pは1〜10の整数)、−C(CF32−、−COO−、−SO−、−SO2−から選ばれる連結基である。
そして、Zは−SO3H基が導入されていない。]
2.PおよびP’が −CO−、−O−、−S−、−SO2−、−C(CF32−から選ばれる連結基であることを特徴とする前項1記載の燃料電池用高分子電解質。
.fが0または1であり、少なくとも一つのfが1であることを特徴とする前項1又は2記載の燃料電池用高分子電解質。
.Zが下記式(3)であることを特徴とする、前項1〜3のいずれかに記載の燃料電池用高分子電解質(式中、フェニル基およびフェニレン基は電子吸引基で置換されていて良い。)。
Figure 0004895570
.Zが下記式(4)であることを特徴とする、前項1〜3のいずれかに記載の燃料電池用高分子電解質(式中、フェニル基およびフェニレン基は電子吸引基で置換されていて良い。)。
Figure 0004895570
.高分子に側鎖導入剤を反応させることを特徴とする、前項1〜5のいずれかに記載の燃料電池用高分子電解質の製造方法。
.下記一般式(6A)で表される繰り返し単位を有する高分子と、下記一般式(6B)で表される側鎖導入剤を反応させることを特徴とする、前項記載の燃料電池用高分子電解質の製造方法。
Figure 0004895570
[YおよびPは上記一般式(1A)に記載のものと同様であり、X’はハロゲン原子、OR(Rは水素原子、アルキル基、またはアリール基)、アルカリ金属、アルカリ土類金属から選ばれ、k’は1−4の整数である。
Z’は、下記一般式(5)で表される。
Z’=−(Ar1(B1))−(X2Ar2(B2))−・・・−(Xn-1Arn-1(Bn-1))−(XnArn) ・・・(5)
上記一般式(5)中、Ar1〜Arn、B1〜Bn-1、nは上記一般式(1)に記載のものと同様であり、かつ、X1〜Xnは −S−、−CH2−、−CX”2−(X”は非フッ素ハロゲン原子)、−C(OR”)2−(R”はアルキル基)、−C(OR”)2−O−(R”はアルキル基)、−(C(OR”)2p−(R”はアルキル基)から選ばれる連結基前駆体、及び上記一般式(1)に記載の連結基から選ばれる。]
.前記一般式(6A)で表される繰り返し単位を有する高分子と前記一般式(6B)で表される側鎖導入剤を反応させるに際し、側鎖導入剤のX1〜Xnが、電子供与性の連結基前駆体であって、該高分子と反応後、続いて連結基前駆体を電子吸引性の連結基に変換することにより、上記一般式(1A)および(1B)で表される繰り返し単位を有する燃料電池用高分子電解質を得ることを特徴とする、前項記載の燃料電池用高分子電解質の製造方法。
.スルホン酸基の代わりにスルホン酸前駆体を用い、その後にスルホン酸前駆体をスルホン酸に変換することにより上記一般式(1A)および(1B)で表される繰り返し単位を有する燃料電池用高分子電解質を得ることを特徴とする、前項6〜8のいずれかに記載の燃料電池用高分子電解質の製造方法。
10.前項1〜のいずれかに記載の高分子電解質を用いることを特徴とする燃料電池用高分子電解質膜。
11.前項6〜9のいずれかに記載の方法により製造された高分子電解質を用いることを
特徴とする燃料電池用高分子電解質膜。
12.前項1〜のいずれかに記載の高分子電解質を用いることを特徴とする燃料電池。
13.前項6〜9のいずれかに記載の方法により製造された高分子電解質を用いることを特徴とする燃料電池。
本発明の高分子電解質は、耐酸化性が高く、高温でも脱スルホンが起こりにくく、プロトン伝導性が高く、かつ、力学的性質にも優れた、新規な高分子電解質である。したがって、固体高分子形燃料電池の電解質膜およびバインダーとして好適に使用することができる。
以下、本発明について具体的に説明する。
本発明の高分子電解質は上記一般式(1A)および(1B)(以下、一般式(1)と総称することがある。)で表される繰り返し単位を有する。
Figure 0004895570
上記一般式(1)中、kおよびtはそれぞれ独立に、通常1〜4の整数であって、好ましくは1または2である。
上記一般式(1)中、Yは(k+2)価の芳香族残基を、Y’は(t+2)価の芳香族残基を表し、同一であっても異なっていても良く、例えば、下記一般式(7)に示す3価の芳香族残基、下記一般式(8)に示す4価の芳香族残基、下記一般式(9)に示す5価の芳香族残基などが挙げられる。これら芳香族残基の水素原子がアルキル基、ハロゲン原子、ハロゲン化アルキル基、アリール基、ハロゲン化アリール基、−CN、−NO2 、−COR、−COOR(Rは水素原子、アルキル基、ハロゲン化アルキル基、アリール基から選ばれる。)、−CONRR’(R’はRと同様である。)、−SOR、−SO2 Rで置換されていてもよく、F、パーフルオロアルキル、−CN、−NO2 、−COR、−COOR、−CONRR’、−SOR、−SO2 R等の電子吸引基が置換していることが好ましい。
Figure 0004895570
Figure 0004895570
Figure 0004895570
上記一般式(7)〜(9)における2価の基Qは−CO−、−COO−、−O−、−S−、−SO−、−SO2 −、−CCR1 2−(R1 は水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、ハロゲン化アルキル基、アリール基から選ばれる)、単結合から選ばれ、好ましくは−CO−、−O−、−S−、−SO2 −から選ばれる。
上記一般式(1)中、Pは −CO−、−O−、−S−、−SO−、−SO−、−CONH−、−C(CF−、−CR−(Rは水素原子、アルキル基、またはアリール基)単結合から選ばれる連結基であり、好ましくは、−CO−、−O−、−S−、−SO−、−C(CF−から選ばれる連結基であり、さらに好ましくは−CO−、−O−、−S−、−SO−から選ばれる連結基である。
上記一般式(1)中の側鎖部分Zは、下記一般式(2)で表される。
Z=−(XAr(B))−(XAr(B))−・・・−(Xn−1Arn−1(Bn−1))−(XAr) (2)
上記一般式(2)中のB〜Bn−1は、側鎖部分Zにおける分岐鎖を意味し、以下の式で表される。
=−〔(XAr(B))−(XAr(B))−・・・−(Xn−1Arn−1(Bn−1))−(XAr)〕
=−〔(XAr(B))−・・・−(Xn−1Arn−1(Bn−1))−(XAr)〕



n−1=−〔XAr
上記一般式(2)中nはそれぞれ独立に2〜5から選ばれる整数を表し、好ましくは2〜4から選ばれ、さらに好ましくは2〜3から選ばれる。fはそれぞれ独立に0〜5から選ばれる整数を表し、好ましくは0〜2から選ばれ、かつ、少なくとも一つのfが1または2であり、さらに好ましくは0〜1から選ばれ、かつ、少なくとも一つのfが1である。
上記一般式(2)において、fが1以上である場合、上記一般式(2)で表される側鎖は芳香族残基Ar〜Arn−1 において分岐構造をとるが、その際、各分岐鎖は各々異なった鎖長および分岐構造をとることもできる。すなわち、本発明の上記一般式(2)で表される側鎖は、例えば、下記一般式(10)に示す構造をとることができる。
Figure 0004895570
上記一般式(2)におけるAr〜Arn-1は(f+2)価の芳香族残基を表し、例えば下記一般式(11)に示す2価の芳香族残基、上記一般式(7)に示す3価の芳香族残基、上記一般式(8)に示す4価の芳香族残基、上記一般式(9)に示す5価の芳香族残基などが挙げられる。これら芳香族残基の水素原子がアルキル基、ハロゲン原子、ハロゲン化アルキル基、アリール基、ハロゲン化アリール基、−CN、−NO2 、−COR、−COOR(Rは水素原子、アルキル基、ハロゲン化アルキル基、アリール基から選ばれる。)、−CONRR’(R’はRと同様である。)、−SO3 R、−SOR、−SO2 Rで置換されていてもよく、F、パーフルオロアルキル、−CN、−NO2 、−COR、−COOR、−CONRR’、−SO3 R、−SOR、−SO2 R等の電子吸引基が置換し
ていることが好ましい。また、Ar〜Arn-1 は互いに同じであっても異なっていてもよい。
Figure 0004895570
さらに上記一般式(1)におけるArは側鎖末端のアリール基を表し、例えば、下記一般式(12)に示すアリール基が挙げられ、当該アリール基の水素原子がアルキル基、ハロゲン原子、ハロゲン化アルキル基、アリール基、ハロゲン化アリール基、−CN、−NO2 、−COR、−COOR(Rは水素原子、アルキル基、ハロゲン化アルキル基、アリール基から選ばれる。)、−CONRR’(R’はRと同様である。)、−SO3 R、−SOR、−SO2 Rで置換されていてもよく、Arは互いに同じであっても異なっていてもよい。
Figure 0004895570
また上記一般式(1)におけるX〜Xは2価の電子吸引基を表し、例えば、−CO−、−CONH−、−(CF2 p −(ここで、pは1〜10の整数である)、−C(CF3 2 −、−COO−、−SO−、−SO2 −などが挙げられ、好ましくは−CO−、−C(CF3 2 −、−SO−、−SO2 −さらに好ましくは−CO−、−SO−、−SO2 −などが用いられる。X〜Xは互いに同じであっても異なっていてもよい。本発明の上記一般式(1)中、Zで表される側鎖の具体例としては、例えば、下記式(13)の基が挙げられる。
Figure 0004895570
本発明では、通常、非分岐型側鎖、分岐型側鎖から選ばれる側鎖が用いられ、好ましくは分岐型側鎖が用いられる。
上記一般式(2)において、fが1以上である場合、上記一般式(2)で表される側鎖は芳香族残基Ar〜Arn−1 において分岐構造をとるが、その際、各分岐鎖は各々異なった鎖長および分岐構造をとることもできる。すなわち、本発明の上記一般式(2)で表される側鎖は、例えば、上記一般式(10)に示す構造をとることができる。
本発明の高分子電解質は、少なくとも上記一般式(1)で表される繰り返し単位(1A)および(1B)を有し、全体の繰り返し単位の合計100モル%に対し、通常、繰り返し単位(1A)を0.1〜50モル%および繰り返し単位(1B)を60〜1モル%含み、好ましくは繰り返し単位(1A)を1〜40モル%および繰り返し単位(1B)を40〜3モル%含み、さらに好ましくは繰り返し単位(1A)を2〜30モル%および繰り返し単位(1B)を30〜5モル%含む。但し、全体の繰り返し単位の合計100モル%に対し、繰り返し単位(1A)と繰り返し単位(1B)の含量の合計は通常1.1〜100モル%、好ましくは4〜80モル%、さらに好ましくは7〜60モル%である。
本発明の高分子電解質の重量平均分子量は、1000〜100万、好ましくは1万〜100万、さらに好ましくは2万〜80万、特に好ましくは3万〜40万の重合体である。
本発明の高分子電解質は、従来の高分子電解質と比較して、プロトン伝導性が高い。その理由はおよそ次のように推定される。本発明の高分子電解質は、従来の高分子電解質[(イ)主鎖のみにスルホン酸を有する高分子電解質や、(ロ)側鎖スルホン酸型高分子電解質]と比較して、構造上大きな相違がある。すなわち、本発明の高分子電解質の側鎖には、スルホン酸基が存在せず、主鎖のみにスルホン酸が存在する。側鎖が存在することにより、主鎖スルホン酸と側鎖で構成される、比較的剛直な空隙からなる空間が形成され、この空間へ水が集積する結果、スルホン酸近傍の保水性が高くなり、プロトン伝導性が高くなると考えられる。特に、本発明において側鎖が分岐型である場合にプロトン伝導性が高いのは、分岐型側鎖の場合に側鎖の形状が嵩高くなるため、とりわけ高い保水性が得られものと考えられる。一方、従来の高分子電解質の場合、(イ)主鎖のみにスルホン酸を有する高分子電解質は側鎖を有しないために保水性が低く、したがって、プロトン伝導度が低く、(ロ)側鎖スルホン酸型高分子電解質も側鎖間の空間に保水し、その量がプロトン伝導性に影響を与えるものと考えられるが、側鎖の分子運動により当該空間のサイズは絶えず変動しそのため保水性は、本発明の高分子の方が高いものと推測される。
また、本発明の高分子電解質は、芳香環が電子吸引基で連結された側鎖構造を有しており、高い耐酸化性を有する。
また、本発明の高分子電解質は、側鎖前駆体に予めスルホン酸またはスルホン酸前駆体を導入する必要がない。したがって、従来の高分子電解質と比較して、より簡便な方法で製造することができる。
本発明の高分子電解質の製造方法は特に限定されるものではない。例えば、次に示す方法1、方法2などを用いることができる。
<方法1>少なくとも側鎖を有するモノマーを重合させて製造する方法:
(i)少なくとも,繰り返し単位(1A)に対応するモノマーおよび繰り返し単位(1B)に対応するモノマーを重合することによっても得られるし、
(ii)繰り返し単位(1A)に対応するモノマーおよび繰り返し単位(1B)に対応するモノマーおよび他の繰り返し単位に対応するモノマーからまずオリゴマーを合成し、次に当該オリゴマー同士または当該オリゴマーとモノマーを反応させることにより製造することもできるし、
(iii)繰り返し単位(1A)および繰り返し単位(1B)と一つのまたは複数の他の繰り返し単位が連結した構造に対応するモノマーを予め合成し、このものの単独重合や、このものと他の繰り返し構造に対応するモノマーとの重合によって製造することもできる
<方法2>高分子に側鎖導入剤を反応させて側鎖を導入する方法:例えば、
(i)一般式(1A)においてZが置換していない構造に相当する、−Y−P−(Yは2価の芳香族残基、Pは前記のとおり)および一般式(1B)を繰り返し単位として有する高分子へ側鎖導入剤を反応しZを導入させて製造しても良いし、
(ii)予め反応性の置換基を導入した−Y(U)−P−(Yは3価の芳香族残基、Uは反応性基、Pは前記のとおり)および一般式(1B)を繰り返し単位として有する高分子に、反応基Uと反応する側鎖導入剤を反応しZを導入させて製造しても良いし、
(iii)−Y(U’)−P−[U’はスルホン酸へ転化可能な反応性基、Yおよびは前記のとおり]と側鎖導入剤を反応させた後に未反応のU’をスルホン酸へ転化することによりZを導入させて製造することもできるし、
(iv)−Y−P−(YおよびPは前記のとおり)を繰り返し単位として有する高分子へ側鎖導入剤を反応させてZを導入させた後に、選択的に主鎖のみスルホン化することにより製造することもできる。
方法2の好ましい具体例を次に示す。すなわち、下記一般式(6A)で表される繰り返し単位を有する高分子と下記一般式(6B)で表される側鎖導入剤を反応させ、必要ならば加水分解することにより、上記一般式(1)で示される高分子電解質を製造することができる。なお、この場合には、上記一般式(2)におけるXは−SO−である。
Figure 0004895570
上記一般式(6A)において、YおよびPは一般式(1)に記載のものと同様であり、X’はハロゲン原子、OR(Rは水素原子、アルキル基、またはアリール基)から選ばれる。
Figure 0004895570
上記一般式(6B)のZ’は、下記一般式(5)で表される。
Z’=−(Ar(B))−(XAr(B))−・・・−(Xn−1Arn−1(Bn−1))−(XAr) (5)
上記一般式(5)中、Ar、B、nは上記一般式(2)に記載のものと同様であり、Xを除くXは上記一般式(2)に記載の連結基及び連結基前駆体から選ばれる。)
連結基前駆体とは、連結基に変換することのできる基をいう。連結基前駆体を連結基に変換する方法としては公知の方法を用いることができる。表1に例を示す。
Figure 0004895570
連結基前駆体を連結基に変換するのはいずれの時点でもよいが、好ましくは次の方法が用いられる。すなわち、前記一般式(6A)で表される繰り返し単位を有する高分子と前記一般式(6B)で表される側鎖導入剤を反応させるに際し、側鎖導入剤のXが、電子供与性の連結基前駆体であって、高分子と反応後、続いて連結基前駆体を電子吸引性の連結基に変換することにより、一般式(1)で表される繰り返し単位を有する燃料電池用高分子電解質を得る方法である。
本発明で使用する、上記一般式(6A)で表される繰り返し単位を有する高分子の例を以下に示す。
上記一般式(11)で示される残基から選ばれる2価芳香族残基と、−CO−、−O−、−S−、−SO−、−SO−、−CONH−、−C(CF−、単結合から選ば
れる連結基Pの組み合わせからなる高分子に−SOX’を導入したものが通常用いられ、好ましくは、フェニレン、ナフチレン、ビフェニレンから選ばれる2価芳香族残基と−CO−、−O−、−S−、−SO−から選ばれる連結基Pの組み合わせの高分子に−SOX’を導入したものが用いられ、より好ましくはポリエーテルケトン、ポリエーテルスルホン、ポリチオエーテルケトン、ポリチオエーテルスルホン、ポリエーテルエーテルスルホン、ポリエーテルエーテルケトンに−SOX’を導入したものが用いられ、さらに好ましくは、下記一般式(14)および(15)で表される高分子においてZが−SOX’のものが用いられる。
Figure 0004895570
Figure 0004895570
なお、−SOX’の導入には公知の導入方法を用いることができる。上記一般式(6A)のSOX’におけるX’は、通常、ハロゲン原子、OR(Rは水素原子、アルキル基、またはアリール基)から選ばれ、好ましくは、ハロゲン原子、水酸基から選ばれる。
上記一般式(6B)で表される側鎖導入剤Z’−Hの例を下記一般式(16)および式(17)に示す。
Figure 0004895570
Figure 0004895570
上記一般式(16)中、ジフェニルスルフィドが、また上記一般式(17)中、トリスチオフェノキシベンゼンが特に好ましく用いられる。
高分子に側鎖導入剤を反応させる際の反応の種類は、特に制限されない。上記一般式(6A)で表される高分子と上記一般式(6B)で表される側鎖導入剤を反応させる際の好ましい方法としては、(i)ルイス酸を触媒として用いるフリーデル・クラフツ型スルホニル化反応や、(ii)五酸化二リン等の縮合剤を用いる(脱水)縮合反応等の、公知の反応を挙げることができる。
前記フリーデル・クラフツ型スルホニル化反応を用いる場合の通常の反応条件を次に述べる。AlCl、FeCl、硫酸、酸性ゼオライト等の酸触媒存在下、ハロゲン化炭化水素、ニトロベンゼン、スルホラン等の溶媒を用い、反応温度は特に制限はないが、通常、−60〜200℃、好ましくは−30〜150℃である。また、反応時間は、通常、0.5〜1,000時間、好ましくは1〜200時間である。
本発明の好ましい製造方法における上記一般式(6A)で表される高分子の製造方法は特に限定されないが、通常、−Y−P−(YおよびPは前記のとおり)を繰り返し単位として含む高分子を、(i)スルホン酸化(本発明において、スルホン酸化とは、−Hなる基の水素原子をSO3 Hで置換する反応を示す。)によりスルホン酸基を導入して、−Y(SOH)−P−(YおよびPは前記のとおり)を製造し、(ii)次に必要であればスルホン酸基を−SOX’基に変換することにより製造することができる。
高分子のスルホン酸化の反応方法としては公知の方法を用いることができ、通常、上記スルホン酸基を有しない高分子を、無溶剤下、あるいは溶剤存在下で、スルホン酸化剤(無水硫酸、発煙硫酸、クロルスルホン酸、硫酸、亜硫酸水素ナトリウム)と反応させる。溶剤としては、例えばn−ヘキサンなどの炭化水素系溶剤、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテル系溶剤、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシドのような非プロトン系極性溶剤のほか、テトラクロロエタン、ジクロロエタン、クロロホルム、塩化メチレンなどのハロゲン化炭化水素などが挙げられる。反応温度は特に制限はないが、通常、−50〜200℃、好ましくは−10〜100℃である。また、反応時間は、通常、0.5〜1,000時間、好ましくは1〜200時間である。
スルホン酸基の−SOX’基への変換方法としては、公知の方法を用いることができる。例えば、X’=Clの場合には、無溶剤下、あるいは溶剤存在下で五塩化リン、三塩化リン、塩化チオニル等と反応させることにより変換できる。反応温度は特に制限はないが、通常、−50〜200℃、好ましくは0〜100℃である。また、反応時間は、通常、0.5〜500時間、好ましくは1〜100時間である。
本発明の高分子電解質の主鎖に含まれる芳香族残基は少なくとも一つの電子吸引基が結合していることが好ましい。この場合の電子吸引基は、例えば、−CO−、−CONH−、−(CF2 p −(ここで、pは1〜10の整数である)、−C(CF3 2 −、−COO−、−SO−、−SO−、−SO2 −などの2価の基;F、パーフルオロアルキル、−CN、−NO2 、−COR、−COO R(Rは水素、アルキル基、ハロゲン化アルキル基、アリール基、ハロゲン化アリール基から選ばれる)、−CONRR’(R’は前記Rと同様の基である。)、−SO3 R、−SOR、−SO2 Rなどの1価の基が挙げられる。
本発明の高分子電解質の構造例を以下に示す。[式中、Zは上記一般式(1)で表される側鎖を示し、スルホン酸基は記載しないが、任意の芳香環に置換させることができる。]
Figure 0004895570
Figure 0004895570
Figure 0004895570
Figure 0004895570
本発明の高分子電解質として特に好ましい構造の例として、ポリエーテルエーテルケトン(以下PEEKと略す)および/またはポリエーテルスルホンを含み、下記一般式(3)および/または下記一般式(4)で示される側鎖を有する高分子電解質が挙げられる。
Figure 0004895570
Figure 0004895570
本発明の高分子電解質の代表的な製造方法の概要を、上記の特に好ましい構造を例とし
て以下に述べる。
(i)PEEKを濃硫酸でスルホン酸化してスルホン化PEEKを製造し、
(ii)スルホン化PEEKを塩化チオニルでクロロスルホニルPEEKへ変換し、
(iii)フリーデルクラフツ反応によりクロロスルホニルPEEKとトリスチオフェノキシベンゼンを反応させて、PEEK主鎖へ側鎖を導入し、
(iv)過酸化水素で側鎖のスルフィド基をスルホンに変換する。
本発明の高分子電解質のスルホン酸基含有重合体中のスルホン酸基量は、0.2〜5ミリグラム当量/g、好ましくは0.3〜4ミリグラム当量/g、さらに好ましくは0.4〜3ミリグラム当量/gである。低いスルホン酸基量では、プロトン伝導性が上がらず、一方、スルホン酸基量が高いと、親水性が向上し、構造によっては水溶性ポリマーとなってしまう。上記のスルホン酸基量は、反応条件(温度、時間)や仕込量(組成)により調整することができる。
また、このようにして得られる本発明の高分子電解質の、スルホン酸化前またはスルホン酸の前駆体のポリマーの分子量は、ポリスチレン換算重量平均分子量で、1000〜100万、好ましくは1万〜100万、さらに好ましくは2万〜80万、特に好ましくは3万〜40万である。1000未満では、成形フィルムが割れ易く、また強度的性質にも問題がある。一方、100万を超えると、溶解性が不充分となり、また溶液粘度が高く、加工性が不良になるなどの問題がある。
次に、本発明の高分子電解質は、上記スルホン酸基含有重合体からなるが、上記スルホン酸基含有重合体以外に、硫酸、リン酸などの無機酸、カルボン酸を含む有機酸、適量の水などを併用しても良い。
本発明の高分子電解質をフィルム化するには、例えば本発明のスルホン酸基含有重合体を溶剤に溶解したのち、塗布によりフィルム状に成形するキャスト法や、溶融成形法などが挙げられる。ここで、キャスト法における溶剤としては、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシドなどの非プロトン系極性溶剤やメタノールなどのアルコール系溶剤などが挙げられる。
本発明の高分子電解質の構造は、例えば、赤外線吸収スペクトルや核磁気共鳴スペクトル(H−NMR、13C−NMR)により確認することができる。また、組成比は元素分析によっても測定でき、スルホン酸の含量は中和滴定によって測定することができる。
以下、実施例を挙げ本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。なお、実施例中の各種の測定項目は、下記のようにして求めた。
[重量平均分子量]スルホン酸化前の前駆体ポリマーの数平均分子量,重量平均分子量は、溶媒にテトラヒドロフラン(THF)を用い、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によって、ポリスチレン換算の分子量を求めた。
[イオン交換容量]得られたポリマーの水洗水が中性になるまで充分に水洗し、乾燥後、所定量を秤量し、THF/水の混合溶剤に溶解し、フェノールフタレインを指示薬とし、NaOHの標準液にて滴定し、中和点から、イオン交換容量(スルホン酸化当量)を求めた。
[プロトン伝導度の測定]100%相対湿度下に置かれた厚み40〜60μmのフィルム状試料を、白金電極に挟み、複素インピーダンス測定を行い、プロトン伝導度を算出した。
[フェントン試験]過酸化水素濃度が3重量%、かつ硫酸第2鉄・7水和物を鉄イオンの濃度が20ppmになるようにフェントン試薬を調製した。250ccのポリエチレン製
容器に200gのフェントン試薬を採取し、3cm×4cm、膜厚40〜60μmに切削した高分子電解膜を投入後、密栓後、50℃の恒温水槽に浸漬させ、6時間のフェントン試験を行った。フェントン試験後、フィルムを取り出し、イオン交換水にて水洗後、25℃・50%RH24時間保持して調湿を行い、重量測定を行った。フェントン試験における重量保持率は、下記の数式により算出した。
フェントン試験における重量保持率(%)=(フェントン試験後のフィルム重量/フェントン試験前のフィルム重量)×100
また、フェントン試験前後のイオン交換容量から、次式によりイオン交換容量保持率を求めた。このイオン交換容量保持率が高いほど脱SO性が低いことを示す。
フェントン試験におけるイオン交換容量保持率(%)=(フェントン試験前のイオン交換容量/フェントン試験後のイオン交換容量)×100
[実施例1]
(1)高分子電解質の合成
(1−1)スルホン化ポリエーテルエーテルケトン[下記式(18)]の合成
ヴィクトレックス社製ポリエーテルエーテルケトン Victrex PEEK450PF10.0gを三口フラスコにとり、テフロン(登録商標)製羽根を備えたメカニカルスターラーで撹拌しながら97%硫酸100gをゆっくり注いで溶解し、室温にて96h撹拌した。撹拌した反応溶液をイオン交換水中に注ぎ、ポリマーを析出させた。このポリマーを水洗した。洗浄したポリマーを加熱真空乾燥し、10.8g(収率88%)のスルホン化ポリエーテルエーテルケトンを得た。H−NMRより、このポリマーのスルホン化率は83%であった。
Figure 0004895570
(1−2)クロロスルホニルポリエーテルエーテルケトン[下記式(19)]の合成
上記(1)で得られたスルホン化ポリエーテルエーテルケトン4.27g(10mmol)を温度計、滴下ろうと、三方コックをつけた三口フラスコに入れ、窒素置換した。塩化チオニル50mlを滴下ろうとにて滴下し、70℃、3hで撹拌した。撹拌後、過剰の塩化チオニルを減圧留去し、赤褐色のポリマー4.45g(収率100%)を得た。IRスペクトルより、スルホン酸基がクロロスルホニル基に変換していることを確認した。
Figure 0004895570
(1−3)クロロスルホニルポリエーテルエーテルケトンへの1,3,5−トリスチオフェノキシベンゼンの導入反応
上記(1−2)で得られたクロロスルホニルポリエーテルエーテルケトン4.45g(10mmol)を温度計、滴下ろうと、三方コックをつけた三口フラスコに入れ、窒素置換した。脱水精製したスルホラン(テトラヒドロチオフェン−1,1−ジオキシド)200mlを注ぎ入れ、90℃で撹拌してポリマーを溶解した。この溶液に1,3,5−トリ
スチオフェノキシベンゼン20.1g(50mmol)を加えて溶解した後、塩化アルミニウム1.60g(12mmol)を少しずつ添加した。全ての塩化アルミニウムを添加した後、90℃、40h撹拌した。撹拌した反応混合物を1N塩酸水溶液に投入し、生成物を析出させた。この生成物を水洗し、さらにエタノールにて1回洗浄した後、2wt%アセチルアセトン/トルエン混合溶液で室温にて洗浄し、その後同様の混合溶液で80℃にて溶液の色が消えるまで洗浄を繰り返した。生成物を真空乾燥し、所望のポリマー[下記式(20)]6.02g(収率95%)を得た。
Figure 0004895570
(1−4)側鎖スルフィドの酸化
上記(1−3)で得られたポリマー[上記式(20)]4.0gを2リットルのガラス反応容器へ入れ酢酸を0.2リットル、および34%過酸化水素水溶液40gを加え、攪拌しながら徐々に昇温し、90℃で6時間反応を続けた。反応後、放冷し、ポリマーを濾別水洗後、真空乾燥して、所望の高分子電解質[下記式(21)]3.9g(92%)を得た。構造解析により、スルフィド基がスルホン基へ変換されていることを確認した。このポリマーの中和滴定により算出したイオン交換容量は0.69ミリグラム当量/gであることから、スルホン酸あたりの1,3,5−トリスチオフェノキシベンゼンの導入率は53%であった。
Figure 0004895570
(2)高分子電解質膜としての評価
上記の高分子電解質の固形分量が10wt%となるように、高分子電解質10gおよびNMPをフラスコに入れて、攪拌しながら80℃で加熱溶解させてポリマーワニスを得た。バーコーター(200μm用)を用い、ガラス基板上に貼り付けたPET薄膜上に塗布後、乾燥器にて80℃、0.5時間予備乾燥させ、塗膜をPET薄膜から剥がした。剥がした塗膜を真空乾燥器で100℃、3時間乾燥した。さらに、塗膜重量の1,000倍量のイオン交換水中に室温で2日間浸漬させることで、NMPを除去したフィルムを得た。
次に、フィルムを25℃・50%RH環境に24時間静置することで調湿後、各種物性測定を行った。結果を表2に示す。得られた高分子電解質フィルムはフェントン試験に高い耐性を示し、高いプロトン伝導性を示した。この結果は、本発明の高分子電解質が、燃料電池用電解質材料として必要な、高い耐酸化性と高プロトン伝導性及び低脱SO性を兼ね備えていることを示す。
[実施例2]
(1)高分子電解質の合成
反応温度を90℃とし、攪拌時間を80hとした他は、実施例1の(1−3)および(1−4)における方法と同様の方法にて高分子電解質を合成した。イオン交換容量は0.44ミリグラム当量/g、スルホン酸基あたりの1,3,5−トリスチオフェノキシベンゼン導入率は、75%であった。
(2)高分子電解質膜としての評価
上記で得た高分子電解質を用いたほかは実施例1と同様の方法を用い、調湿した高分子電解質フィルムを得、各種物性測定を行った。結果を表2に示す。得られた高分子電解質フィルムはフェントン試験に高い耐性を示し、高いプロトン伝導性及び低脱SO性を示した。
[実施例3]
(1)高分子電解質の合成
加えた1,3,5−トリスチオフェノキシベンゼンの量を4.0g(10mmol)とし、反応温度を80℃とし、攪拌時間を20hとした他は、実施例1の(1−3)および(1−4)における方法と同様の方法にて高分子電解質を合成した。イオン交換容量は1.9ミリグラム当量/g、スルホン酸基あたりの1,3,5−トリスチオフェノキシベンゼン導入率は、10%であった。
(2)高分子電解質膜としての評価
上記で得た高分子電解質を用いたほかは実施例1と同様の方法を用い、調湿した高分子電解質フィルムを得、各種物性測定を行った。結果を表2に示す。得られた高分子電解質フィルムはフェントン試験に高い耐性を示し、高いプロトン伝導性及び低脱SO性を示した。
[実施例4]
(1)高分子電解質の合成
室温で24h撹拌したことの他は、実施例1の(1−1)と同様の方法でスルホン化ポリエーテルエーテルケトンを合成した。スルホン化率は37%であった。このスルホン化ポリエーテルエーテルケトンを用い、実施例1の(1−2)と同様の方法でクロロスルホニルポリエーテルエーテルケトンを合成した。このポリマーを用い、加えた1,3,5−トリスチオフェノキシベンゼンの量、反応温度および撹拌時間を実施例3と同様にした他は、実施例1の(1−3)および(1−4)における方法と同様の方法にて高分子電解質を合成した。イオン交換容量は0.47ミリグラム当量/g、スルホン酸基あたりの1,3,5−トリスチオフェノキシベンゼン導入率は、49%であった。
(2)高分子電解質膜としての評価
上記で得た高分子電解質を用いたほかは実施例1と同様の方法を用い、調湿した高分子電解質フィルムを得、各種物性測定を行った。結果を表2に示す。得られた高分子電解質フィルムはフェントン試験に高い耐性を示し、高いプロトン伝導性及び低脱SO性を示した。
[比較例1]
(1)高分子電解質の合成
反応温度を105℃とし、攪拌時間を100hとした他は、実施例1の(1−3)およ
び(1−4)における方法と同様の方法にて高分子電解質を合成した。イオン交換容量は0.03ミリグラム当量/g、スルホン酸基あたりの1,3,5−トリスチオフェノキシベンゼン導入率は89%であった。
(2)高分子電解質膜としての評価
上記で得た高分子電解質を用いたほかは実施例1と同様の方法を用い、調湿した高分子電解質フィルムを得、各種物性測定を行った。結果を表2に示す。この結果は、繰り返し構造単位が存在していても、スルホン酸基が0.6モル%と極めて少ない場合にはプロトン伝導性が低いことを示す。
[比較例2]
実施例1で中間体として合成した、スルホン化ポリエーテルエーテルケトン[式(18)]の高分子電解質膜としての評価を行った。結果を表2に示す。この結果を実施例3と比較すると、本発明の高分子電解質は、繰り返し構造(1A)を有することにより、高いプロトン伝導度や高い酸化安定性を示すことがわかる。
[実施例5]
(1)高分子電解質の合成
(1−1)クロロスルホニルポリエーテルエーテルケトンへのジフェニルスルフィドの導入反応
1,3,5−トリスチオフェノキシベンゼンの代わりにジフェニルスルフィド4.4 g(40mmol)を用いたほかは、実施例1の(1−3)と同様の方法を用いて目的物[式(22)]を収率86%で得た。NMRおよびIRスペクトルで構造を確認した。
Figure 0004895570
(1−2)側鎖スルフィドの酸化
上記で得たポリマー[式(22)]を用いたほかは、実施例1の(1−4)と同様の方法を用いて目的物[式(23)]を収率99%で得た。NMRおよびIRスペクトルで構造を確認した。イオン交換容量は1.2ミリグラム当量/g、スルホン酸基あたりのジフェニルスルフィド導入率は、38%であった。
Figure 0004895570
(2)高分子電解質膜としての評価
上記で得た高分子電解質を用いたほかは実施例1と同様の方法を用い、調湿した高分子電解質フィルムを得、各種物性測定を行った。結果を表2に示す。得られた高分子電解質フィルムはフェントン試験に高い耐性を示し、高いプロトン伝導性及び低脱SO性を示した。
[比較例3]
特開2003−201403号公報の参考例2に記載の方法で下式(24)に示すポリマーBのスルホン酸化物を得、このものの高分子電解質膜としての評価を行った。結果を表2に示す。
Figure 0004895570
(但し、j/k=6.9であり、nは5.5である。)
Figure 0004895570
本発明は、固体高分子形燃料電池の電解質およびバインダーとして有用である。

Claims (13)

  1. 少なくとも下記一般式(1A)で表される繰り返し単位と下記一般式(1B)で表される繰り返し単位を有する事を特徴とする燃料電池用高分子電解質。
    Figure 0004895570
    [Yは(k+2)価の芳香族残基を、Y’は(t+2)価の芳香族残基を表し、PおよびP’は −CO−、−O−、−S−、−SO−、−SO2−、−CONH−、−C(CF32−、単結合、−CR2−(Rは水素原子、アルキル基、またはアリール基)から選ばれる連結基であり、同一であっても異なっていても良く、kは1〜2の整数であり、は1〜4の整数であって、式中の側鎖部分Zは、下記一般式(2)で表される。
    Z=−(X1Ar1(B1))−(X2Ar2(B2))−・・・−(Xn-1Arn-1(Bn-1))−(XnArn) ・・・(2)
    上記一般式(2)中のB1〜Bn-1は、側鎖部分Zにおける分岐鎖を意味し、以下の式で表される。
    1=−〔(X2Ar2(B2))−(X3Ar3(B3))−・・・−(Xn-1Arn-1(Bn-1))−(XnArn)〕f
    2=−〔(X3Ar3(B3))−・・・−(Xn-1Arn-1(Bn-1))−(XnArn)〕f



    n-1=−〔XnArnf
    上記一般式(2)中
    nは各々独立に1〜5の整数、
    fは各々独立に0〜の整数であり、少なくとも一つのfが1または2であり
    Ar1〜Arnは各々独立に芳香族残基であって、
    1〜Xnは各々独立に−CO−、−CONH−、−(CF2p−(pは1〜10の整数)、−C(CF32−、−COO−、−SO−、−SO2−から選ばれる連結基である。
    そして、Zは−SO3H基が導入されていない。]
  2. PおよびP’が −CO−、−O−、−S−、−SO2−、−C(CF32−から選ばれる連結基であることを特徴とする請求項1記載の燃料電池用高分子電解質。
  3. fが0または1であり、少なくとも一つのfが1であることを特徴とする請求項1又は2記載の燃料電池用高分子電解質。
  4. Zが下記式(3)であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の燃料電池用高分子電解質(式中、フェニル基およびフェニレン基は電子吸引基で置換されていて良い。)。
    Figure 0004895570
  5. Zが下記式(4)であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の燃料電池用高分子電解質(式中、フェニル基およびフェニレン基は電子吸引基で置換されていて良い。)。
    Figure 0004895570
  6. 高分子に側鎖導入剤を反応させることを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載の燃料電池用高分子電解質の製造方法。
  7. 下記一般式(6A)で表される繰り返し単位を有する高分子と、下記一般式(6B)で表される側鎖導入剤を反応させることを特徴とする、請求項記載の燃料電池用高分子電解質の製造方法。
    Figure 0004895570
    [YおよびPは上記一般式(1A)に記載のものと同様であり、X’はハロゲン原子、OR(Rは水素原子、アルキル基、またはアリール基)、アルカリ金属、アルカリ土類金属から選ばれ、k’は1−4の整数である。
    Z’は、下記一般式(5)で表される。
    Z’=−(Ar1(B1))−(X2Ar2(B2))−・・・−(Xn-1Arn-1(Bn-1))−(XnArn) ・・・(5)
    上記一般式(5)中、Ar1〜Arn、B1〜Bn-1、nは上記一般式(1)に記載のものと同様であり、かつ、X1〜Xnは −S−、−CH2−、−CX”2−(X”は非フッ素ハ
    ロゲン原子)、−C(OR”)2−(R”はアルキル基)、−C(OR”)2−O−(R”はアルキル基)、−(C(OR”)2p−(R”はアルキル基)から選ばれる連結基前駆体、及び上記一般式(1)に記載の連結基から選ばれる。]
  8. 前記一般式(6A)で表される繰り返し単位を有する高分子と前記一般式(6B)で表される側鎖導入剤を反応させるに際し、側鎖導入剤のX1〜Xnが、電子供与性の連結基前駆体であって、該高分子と反応後、続いて連結基前駆体を電子吸引性の連結基に変換することにより、上記一般式(1A)および(1B)で表される繰り返し単位を有する燃料電池用高分子電解質を得ることを特徴とする、請求項記載の燃料電池用高分子電解質の製造方法。
  9. スルホン酸基の代わりにスルホン酸前駆体を用い、その後にスルホン酸前駆体をスルホン酸に変換することにより上記一般式(1A)および(1B)で表される繰り返し単位を有する燃料電池用高分子電解質を得ることを特徴とする、請求項6〜8のいずれかに記載の燃料電池用高分子電解質の製造方法。
  10. 請求項1〜のいずれかに記載の高分子電解質を用いることを特徴とする燃料電池用高分子電解質膜。
  11. 請求項6〜9のいずれかに記載の方法により製造された高分子電解質を用いることを特徴とする燃料電池用高分子電解質膜。
  12. 請求項1〜のいずれかに記載の高分子電解質を用いることを特徴とする燃料電池。
  13. 請求項6〜9のいずれかに記載の方法により製造された高分子電解質を用いることを特徴とする燃料電池。
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