JP3606217B2 - ポリアリーレン系共重合体およびプロトン伝導膜 - Google Patents

ポリアリーレン系共重合体およびプロトン伝導膜 Download PDF

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    • Y02E60/30Hydrogen technology
    • Y02E60/50Fuel cells

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ポリアリーレン系共重合体、さらに詳細には、一次電池用電解質、二次電池用電解質、燃料電池用高分子固体電解質、表示素子、各種センサー、信号伝達媒体、固体コンデンサー、イオン交換膜などに利用可能なプロトン伝導膜に有用なポリアリーレン系共重合体、およびこの共重合体からなるプロトン伝導膜に関する。
【0002】
【従来の技術】
電解質は、通常、(水)溶液で用いられることが多い。しかし、近年、これを固体系に置き替えていく傾向が高まってきている。その第1の理由としては、例えば、上記の電気・電子材料に応用する場合のプロセッシングの容易さであり、第2の理由としては、軽薄短小・省電力化への移行である。
従来、プロトン伝導性材料としては、無機物からなるもの、有機物からなるものの両方が知られている。無機物の例としては、例えば水和化合物であるリン酸ウラニルが挙げられるが、これら無機化合物は界面での接触が充分でなく、伝導層を基板あるいは電極上に形成するには問題が多い。
【0003】
一方、有機化合物の例としては、いわゆる陽イオン交換樹脂に属するポリマー、例えばポリスチレンスルホン酸などのビニル系ポリマーのスルホン化物、ナフィオン(デュポン社製)を代表とするパーフルオロアルキルスルホン酸ポリマー、パーフルオロアルキルカルボン酸ポリマーや、ポリベンズイミダゾールやポリエーテルエーテルケトンなどの耐熱性高分子にスルホン酸基やリン酸基を導入したポリマー〔Polymer Preprints,Japan,Vol.42,No.7,p.2490〜2492(1993)、Polymer Preprints,Japan,Vol.43,No.3,p.735〜736(1994)、Polymer Preprints,Japan,Vol.42,No.3,p730(1993)〕などの有機系ポリマーが挙げられる。
【0004】
これら有機系ポリマーは、通常、フィルム状で用いられるが、溶媒に可溶性であること、または熱可塑性であることを利用し、電極上に伝導膜を接合加工できる。
しかしながら、これら有機系ポリマーの多くは、プロトン伝導性がまだ充分でないことに加え、耐久性や高温(100℃以上)でプロトン伝導性が低下してしまうことや、湿度条件下の依存性が大きいこと、あるいは電極との密着性が充分満足のいくものとはいえなかったり、含水ポリマー構造に起因する稼働中の過度の膨潤による強度の低下や形状の崩壊に至るという問題がある。したがって、これらの有機ポリマーは、上記の電気・電子材料などに応用するには種々問題がある。
【0005】
さらに、米国特許第5,403,675号明細書では、スルホン化された剛直ポリフェニレンからなる固体高分子電解質が提案されている。このポリマーは、フェニレン連鎖からなる芳香族化合物を重合して得られるポリマー(同明細書カラム9記載の構造)を主成分とし、これをスルホン化剤と反応させてスルホン酸基を導入している。しかしながら、スルホン酸基の導入量の増加によって、プロトン伝導度も向上するものの、得られるスルホン化ポリマーの機械的性質を著しく損なう結果となる。そのため、機械的性質を維持し、かつプロトン伝導性を発現する適正なスルホン化濃度を調整する必要がある。実際、このポリマーでは、スルホン化が進行しすぎて、適正なスルホン酸基の導入量を制御するのは非常に困難である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、従来の技術的課題を背景になされたもので、機械的性質を損なうスルホン酸量の導入上限量を容易に制御でき、得られるスルホン化されたポリマーは、広範囲の温度領域にわたって高いプロトン伝導性を有し、機械的強度に優れ、温水中での膨潤が抑制され、耐久性に優れるプロトン伝導性の伝導膜が得られる、ポリアリーレン系共重合体、およびこの共重合体からなる伝導膜を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、(A)主鎖に電子吸引性基を有する芳香族化合物単位(以下「単位(A)」ともいう)60〜5モル%、ならびに( B )主鎖に電子吸引性基を有さず、かつ下記一般式(2)、一般式(3)および一般式(4)から選ばれる芳香族化合物単位の少なくとも1種(以下「単位(B)」ともいう)を有する構造単位40〜95モル%〔ただし、(A)+(B)=100モル%〕からなるポリアリーレン系共重合体(以下「ポリアリーレン系共重合体」ともいう)に関する。
【0008】
【化3】
Figure 0003606217
【0009】
〔式中、 R 9 R 16 は、同一または異なり、水素原子、アルキル基、ハロゲン原子、ハロゲン化アルキル基または下記一般式(5)で表される基を示し、 R 9 R 12 の少なくとも1つは、アルキル基、ハロゲン原子、ハロゲン化アルキル基または下記一般式(5)で表される基である。〕
【0010】
【化4】
Figure 0003606217
【0011】
〔式中、 X は−CO−、− CONH −、−( CF 2 p −、− C(CF 3 ) 2 −、− COO −、− SO −およ び− SO 2 −から選ばれる少なくとも1種の基であり、pは1〜10の整数を示し、 Y は− O −、− S −から選ばれる基、 R 17 R 25 は水素原子、アルキル基、ハロゲン基、またはハロゲン化アルキル基を示す。〕
ここで、一般式(2)、一般式(3)および一般式(4)中、R9〜R12の少なくとも1つが上記一般式(5)で表される基であることが好ましい。
また、上記電子吸引性基は、−CO−、−CONH−、−(CF2)p−(ここで、pは1〜10の整数である)、−C(CF3 2 −、−COO−、−SO−および−SO2 −の群から選ばれた少なくとも1種の2価の基が好ましい。
また、本発明のポリアリーレン系共重合体は、さらに、スルホン酸基を有するポリアリーレン系共重合体(以下「スルホン酸基含有共重合体」ともいう)が好ましい。
このスルホン酸基含有共重合体は、(A)主鎖に電子吸引性基を有する芳香族化合物単位が4,4'−ベンゾフェノン由来の構造単位35〜7モル%、および(B)主鎖に電子吸引性基を有さない芳香族化合物単位が4'−フェノキシ−2,5−ベンゾフェノン由来の構造単位65〜93モル%を含み、かつ重合体1gあたり、2.0〜3.5ミリグラム当量のスルホン酸基を有するものが好ましい。
次に、本発明は、上記スルホン酸基含有共重合体からなるプロトン伝導膜に関する。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明のポリアリーレン系共重合体は、(A)主鎖に電子吸引性基を有する芳香族化合物単位60〜5モル%、および(B)主鎖に電子吸引性基を有さない芳香族化合物単位40〜95モル%〔ただし、(A)+(B)=100モル%〕からなる。ここで、単位(A)としては、例えば、下記一般式(1)で表される芳香族化合物単位が、また、単位(B)としては、上記一般式(2)〜(4)で表される芳香族化合物単位の少なくとも1種である。
【0013】
【化5】
Figure 0003606217
【0014】
〔式中、Xは−CO−、−CONH−、−(CF2 )p−(ここで、pは1〜10の整数である)、−C(CF3 2 −、−COO−、−SO−および−SO2−の群から選ばれた少なくとも1種の2価の電子吸引性基を示し、R1 〜R8 は同一または異なり、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、ハロゲン化アルキル基、アリル基、またはアリール基である。〕
【0015】
本発明のポリアリーレン系共重合体は、上記一般式(1)で表される繰り返し構造単位〔単位(A)〕と、上記一般式(2)〜(4)の群から選ばれた少なくとも1種の繰り返し構造単位〔単位(B)〕からなる。
また、スルホン酸基含有共重合体としては、例えば、上記一般式(1)に対応するモノマーと、上記一般式(2)〜(4)の群から選ばれた少なくとも1種に対応するモノマーとを、遷移金属化合物を含む触媒の存在下で共重合し、次いで、スルホン化剤を用いて、スルホン化して得られるものである。
以下、本発明のポリアリーレン系共重合体と、スルホン化法により得られるスルホン酸基含有共重合体について説明する。
【0016】
まず、単位(A)について、説明する。
本発明の単位(A)は、主鎖に電子吸引性基を有する芳香族化合物単位であり、例えば、上記一般式(1)で表される。一般式(1)中のXとしては、−CO−、−CONH−、−(CF2 )p−、−C(CF3 2 −、−COO−、−SO−および−SO2 −の群から選ばれた少なくとも1種の2価の電子吸引性基が挙げられる。ここで、−(CF2 )p−基のpは、1〜10の整数、好ましくは2〜8の整数である。
なお、電子吸引性基とは、ハメット(Hammett)置換基常数がフェニル基のm位の場合、0.06以上、p位の場合、0.01以上の値となる基をいう。
Xが、上記のような電子吸引性基である場合、得られるポリアリーレン系共重合体をスルホン化するに際し、電子吸引性基と結合したベンゼン環はスルホン化が進行しないので、ポリマー連鎖中にスルホン化の進行が進み過ぎることがない。したがって、得られるポリアリーレン系共重合体の機械的性質に悪影響を与えることがないように、スルホン酸基の導入量の上限を制御することができる。
【0017】
また、上記一般式(1)中のR1 〜R8 のうち、ハロゲン原子としては、フッ素原子などが、アルキル基としては、メチル基、エチル基などが、ハロゲン化アルキル基としては、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基などが、アリル基としては、プロペニル基などが、アリール基としては、フェニル基、ペンタフルオロフェニル基などが挙げられる。
【0018】
本発明のポリアリーレン系共重合体において、単位(A)の割合は、60〜5モル%、好ましくは50〜7モル%である。60モル%を超えると、重合後にスルホン化されるスルホン酸基がプロトン伝導性を示すのに充分でなく、一方、5モル%未満では、共重合体化による機械的性質の改善、耐水性、メタノール耐性の改善、スルホン酸基導入量の上限量の制御などの点で効果がない。
【0019】
一方、単位(B)は、フェニレン連鎖からなる芳香族化合物単位であり、上記一般式(2)〜(4)の群から選ばれた少なくとも1種である。
ここで、一般式(2)〜(4)中、R9 〜R16は、同一または異なり、水素原子、アルキル基、ハロゲン原子、ハロゲン化アルキル基、またはポリアリーレン生成の重合反応を阻害しない官能基を含む1価の有機基を示す。
こで、R9 〜R16中、アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、アミル基、ヘキシル基などが挙げられる。また、ハロゲン原子としては、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。ハロゲン化アルキル基としては、トリフルオロメチル基、パーフルオロエチル基、パーフルオロプロピル基、パーフルオロブチル基、パーフルオロペンチル基、パーフルオロヘキシル基などが挙げられる。
さらに、一般式(5)で表される基としては、例えばアリールオキシ、アリールオキソ、アリールチオカルボニル、アリールオキシカルボニル、アリールチオ、アリールスルホンなどが挙げられる。
これらは、また、2つ以上の官能基を含む1価の有機基、例えばアリールオキシアリールオキソ、アリールオキシアリールスルホン、アリールチオアリールオキソなどが挙げられる。好ましくは、下記の化6で表される基である。
【0020】
【化6】
Figure 0003606217
【0021】
本発明のポリアリーレン系共重合体は、例えば、下記一般式(1)'で表される主鎖に電子吸引性基を有する芳香族化合物(以下「(A)モノマー」ともいう)と、下記一般式(2)'〜(4)'の群から選ばれた少なくとも1種で表されるフェニレン連鎖からなる芳香族化合物(以下「(B)モノマー」ともいう)とを、遷移金属化合物を含む触媒系の存在下に、溶媒中で重合することにより製造される。
【0022】
【化7】
Figure 0003606217
【0023】
こで、上記一般式(1)'中、XおよびR1 〜R8 は上記一般式(1)と同様であり、R〜R'は同一または異なり、フッ素原子を除くハロゲン原子、または−OSO2 Z(ここで、Zはアルキル基、ハロゲン化アルキル基もしくはアリール基を示す)で表される基である。
一般式(1)'において、Xとしては、−CO−、−CONH−、−(CF2)p−(ここで、pは1〜10の整数である)、−C(CF3 2 −、−COO−、−SO−、−SO2 が挙げられる。
上記一般式(1)'中、R〜R'のハロゲン原子としては、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。また、一般式(1)'中、−OSO2 Z中のZを構成する、アルキル基としてはメチル基、エチル基などが、ハロゲン化アルキル基としてはトリフルオロメチル基などが、アリール基としてはフェニル基、p−トリル基などが挙げられる。
【0024】
【化8】
Figure 0003606217
【0025】
〔ここで、上記一般式(2)'〜(4)'中、R9 〜R16やR〜R'は、上記に同じ。〕
【0026】
上記一般式(1)'で表される(A)モノマーの具体例としては、4,4'−ジクロロベンゾフェノン、2,4'−ジクロロベンゾフェノン、3,3'−ジクロロベンゾフェノン、4,4'−ジブロモベンゾフェノン、2,4'−ジブロモベンゾフェノン、3,3'−ジブロモベンゾフェノン、4,4'−ジヨードベンゾフェノン、2,4'−ジヨードベンゾフェノン、3,3'−ジヨードベンゾフェノン、ビス(4−トリフルオロメチルスルフォニロキシフェニル)ケトン、ビス(3−トリフルオロメチルスルフォニロキシフェニル)ケトンなどが挙げられる。
【0027】
上記一般式(1)'で表される(A)モノマーの具体例としては、4,4'−ジクロロベンズアニリド、3,3'−ジクロロベンズアニリド、3,4'−ジクロロベンズアニリド、4,4'−ジブロモベンズアニリド、3,3'−ジブロモベンズアニリド、3,4'−ジブロモベンズアニリド、4,4'−ジヨードベンズアニリド、3,3'−ジヨードベンズアニリド、3,4'−ジヨードベンズアニリドなどが挙げられる。
【0028】
上記一般式(1)'で表される(A)モノマーの具体例としては、ビス(クロロフェニル)ジフルオロメタン、ビス(クロロフェニル)テトラフルオロエタン、ビス(クロロフェニル)ヘキサフルオロプロパン、ビス(クロロフェニル)オクタフルオロブタン、ビス(クロロフェニル)デカフルオロペンタン、ビス(クロロフェニル)ドデカフルオロヘキサン、ビス(クロロフェニル)テトラデカフルオロヘプタン、ビス(クロロフェニル)ヘキサデカフルオロオクタン、ビス(クロロフェニル)オクタデカフルオロノナン、ビス(クロロフェニル)エイコサフルオロデカン;ビス(ブロモフェニル)ジフルオロメタン、ビス(ブロモフェニル)テトラフルオロエタン、ビス(ブロモフェニル)ヘキサフルオロプロパン、ビス(ブロモフェニル)オクタフルオロブタン、ビス(ブロモフェニル)デカフルオロペンタン、ビス(ブロモフェニル)ドデカフルオロヘキサン、ビス(ブロモフェニル)テトラデカフルオロヘプタン、ビス(ブロモフェニル)ヘキサデカフルオロオクタン、ビス(ブロモフェニル)オクタデカフルオロノナン、ビス(ブロモフェニル)エイコサフルオロデカン;ビス(ヨードフェニル)ジフルオロメタン、ビス(ヨードフェニル)テトラフルオロエタン、ビス(ヨードフェニル)ヘキサフルオロプロパン、ビス(ヨードフェニル)オクタフルオロブタン、ビス(ヨードフェニル)デカフルオロペンタン、ビス(ヨードフェニル)ドデカフルオロヘキサン、ビス(ヨードフェニル)テトラデカフルオロヘプタン、ビス(ヨードフェニル)ヘキサデカフルオロオクタン、ビス(ヨードフェニル)オクタデカフルオロノナン、ビス(ヨードフェニル)エイコサフルオロデカンなどが挙げられる。
【0029】
上記一般式(1)'で表される(A)モノマーの具体例としては、2,2−ビス(4−クロロフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(3−クロロフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(4−ブロモフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(3−ブロモフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(4−ヨードフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(3−ヨードフェニル)ヘキサフルオロプロパン、ビス(4−トリフルオロメチルスルフォニロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、ビス(3−トリフルオロメチルスルフォニロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパンなどが挙げられる。
【0030】
上記一般式(1)'で表される(A)モノマーの具体例としては、4−クロロ安息香酸−4−クロロフェニル、4−クロロ安息香酸−3−クロロフェニル、3−クロロ安息香酸−3−クロロフェニル、3−クロロ安息香酸−4−クロロフェニル、4−ブロモ安息香酸−4−ブロモフェニル、4−ブロモ安息香酸−3−ブロモフェニル、3−ブロモ安息香酸−3−ブロモフェニル、3−ブロモ安息香酸−4−ブロモフェニルなどが挙げられる。
【0031】
上記一般式(1)'で表される(A)モノマーの具体例としては、ビス(4−クロロフェニル)スルホキシド、ビス(3−クロロフェニル)スルホキシド、ビス(4−ブロモフェニル)スルホキシド、ビス(3−ブロモフェニル)スルホキシド、ビス(4−ヨードフェニル)スルホキシド、ビス(3−ヨードフェニル)スルホキシド、ビス(4−トリフルオロメチルスルフォニロキシフェニル)スルホキシド、ビス(3−トリフルオロメチルスルフォニロキシフェニル)スルホキシドなどが挙げられる。
【0032】
上記一般式(1)'で表される(A)モノマーの具体例としては、ビス(4−クロロフェニル)スルホン、ビス(3−クロロフェニル)スルホン、ビス(4−ブロモフェニル)スルホン、ビス(3−ブロモフェニル)スルホン、ビス(4−ヨードフェニル)スルホン、ビス(3−ヨードフェニル)スルホン、ビス(4−トリフルオロメチルスルフォニロキシフェニル)スルホン、ビス(3−トリフルオロメチルスルフォニロキシフェニル)スルホンなどが挙げられる。
【0033】
また、上記一般式(2)'で表される(B)モノマーの具体例としては、2,5−ジクロロ−4'−フェノキシベンゾフェノン、2,5−ジクロロ−4´−フェノキシフェニルベンゾエート、p−ジクロロベンゼン、p−ジブロモベンゼン、p−ジヨードベンゼン、p−ジメチルスルフォニロキシベンゼン、2,5−ジクロロトルエン、2,5−ジブロモトルエン、2,5−ジヨードトルエン、2,5−ジメチルスルフォニロキシベンゼン、2,5−ジクロロ−p−キシレン、2,5−ジブロモ−p−キシレン、2,5−ジヨード−p−キシレン、2,5−ジクロロベンゾトリフルオライド、2,5−ジブロモベンゾトリフルオライド、2,5−ジヨードベンゾトリフルオライド、1,4−ジクロロ−2,3,5,6−テトラフルオロベンゼン、1,4−ジブロモ−2,3,5,6−テトラフルオロベンゼン、1,4−ジヨード−2,3,5,6−テトラフルオロベンゼンなどが挙げられ、好ましくはp−ジクロロベンゼン、p−ジメチルスルフォニロキシベンゼン、2,5−ジクロロトルエン、2,5−ジクロロベンゾトリフルオライドである。
【0034】
上記一般式(3)'で表される(B)モノマーの具体例としては、4,4'−ジメチルスルフォニロキシビフェニル、4,4'−ジメチルスルフォニロキシ−3,3'−ジプロペニルビフェニル、4,4'−ジブロモビフェニル、4,4'−ジヨードビフェニル、4,4'−ジメチルスルフォニロキシ−3,3'−ジメチルビフェニル、4,4'−ジメチルスルフォニロキシ−3,3'−ジフルオロビフェニル、4,4'−ジメチルスルフォニロキシ−3,3',5,5'−テトラフルオロビフェニル、4,4'−ジブロモオクタフルオロビフェニル、4,4−−メチルスルフォニロキシオクタフルオロビフェニルなどが挙げられ、好ましくは4,4'−ジメチルスルフォニロキシビフェニル、4,4'−ジブロモビフェニル、4,4'−ジヨードビフェニル、4,4'−ジメチルスルフォニロキシ−3,3'−ジプロペニルビフェニルである。
【0035】
上記一般式(4)'で表される(B)モノマーの具体例としては、m−ジクロロベンゼン、m−ジブロモベンゼン、m−ジヨードベンゼン、m−ジメチルスルフォニロキシベンゼン、2,4−ジクロロトルエン、2,4−ジブロモトルエン、2,4−ジヨードトルエン、3,5−ジクロロトルエン、3,5−ジブロモトルエン、3,5−ジヨードトルエン、2,6−ジクロロトルエン、2,6−ジブロモトルエン、2,6−ジヨードトルエン、3,5−ジメチルスルフォニロキシトルエン、2,6−ジメチルスルフォニロキシトルエン、2,4−ジクロロベンゾトリフルオライド、2,4−ジブロモベンゾトリフルオライド、2,4−ジヨードベンゾトリフルオライド、3,5−ジクロロベンゾトリフルオライド、3,5−ジブロモトリフルオライド、3,5−ジヨードベンゾトリフルオライド、1,3−ジブロモ−2,4,5,6−テトラフルオロベンゼンなどが挙げられ、好ましくはm−ジクロロベンゼン、2,4−ジクロロトルエン、3,5−ジメチルスルフォニロキシトルエン、2,4−ジクロロベンゾトリフルオライド、2,4−ジクロロ−4'−フェノキシベンゾフェノン、2,4−ジクロロ−4´−フェノキシフェニルベンゾエートである。
【0036】
以上の一般式(2)'〜(4)'で表される(B)モノマーのうち、溶解性、高分子量化の面から、ジクロロ安息香酸誘導体、例えば、2,5−ジクロロ−4'−フェノキシベンゾフェノン、2,4−ジクロロ−4'−フェノキシベンゾフェノン、2,5−ジクロロ−4'−フェノキシフェニルベンゾエート、2,4−ジクロロ−4'−フェノキシフェニルベンゾエートを使用することが好ましい。
【0037】
上記一般式(1)'で表される(A)モノマーの少なくとも1種と、上記一般式(2)'〜(4)'で表される芳香族化合物の群から選ばれた少なくとも1種の(B)モノマーとの共重合比は、上記単位(A)と単位(B)との割合と同様である。すなわち、(A)モノマーの使用量は、60〜5モル%、好ましくは50〜7モル%、(B)モノマーの使用量は、40〜95モル%、好ましくは50〜93モル%である。
特に、一般式(2)'で表される(B)モノマーを用いる場合には、その割合は、全モノマー中にに、好ましくは10モル%以上、さらに好ましくは20モル%以上である。この範囲内であると、良好な溶解性、高分子量体が得られる。また、一般式(3)'で表される(B)モノマーを用いる場合には、その割合は、全モノマー中に、好ましくは50モル%以下、さらに好ましくは30モル%以下である。この範囲内であると、良好な溶解性、高分子量体が得られる。さらに、一般式(4)'で表される(B)モノマーを用いる場合には、その割合は、全モノマー中に、好ましくは50モル%以下、さらに好ましくは30モル%以下である。
【0038】
本発明のポリアリーレン系共重合体を製造する際に使用される触媒は、遷移金属化合物を含む触媒系であり、この触媒系としては、(1)遷移金属塩および配位子、または配位子が配位された遷移金属(塩)、ならびに(2)還元剤を必須成分とし、さらに、重合速度を上げるために、「塩」を添加してもよい。ここで、遷移金属塩としては、塩化ニッケル、臭化ニッケル、ヨウ化ニッケル、ニッケルアセチルアセトナートなどのニッケル化合物、塩化パラジウム、臭化パラジウム、ヨウ化パラジウムなどのパラジウム化合物、塩化鉄、臭化鉄、ヨウ化鉄などの鉄化合物、塩化コバルト、臭化コバルト、ヨウ化コバルトなどのコバルト化合物などが挙げられる。これらのうち特に、塩化ニッケル、臭化ニッケルなどが好ましい。また、配位子としては、トリフェニルホスフィン、2,2'−ビピリジン、1,5−シクロオクタジエン、1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパンなどが挙げられるが、トリフェニルホスフィン、2,2'−ビピリジンが好ましい。上記配位子は、1種単独で、あるいは2種以上を併用することができる。
【0039】
さらに、あらかじめ配位子が配位された遷移金属(塩)としては、例えば、塩化ニッケルビス(トリフェニルホスフィン)、臭化ニッケルビス(トリフェニルホスフィン)、ヨウ化ニッケルビス(トリフェニルホスフィン)、硝酸ニッケルビス(トリフェニルホスフィン)、塩化ニッケル(2,2'ビピリジン)、臭化ニッケル(2,2'ビピリジン)、ヨウ化ニッケル(2,2'ビピリジン)、硝酸ニッケル(2,2'ビピリジン)、ビス(1,5−シクロオクタジエン)ニッケル、テトラキス(トリフェニルホスフィン)ニッケル、テトラキス(トリフェニルホスファイト)ニッケル、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウムなどが挙げられるが、塩化ニッケルビス(トリフェニルホスフィン)、塩化ニッケル(2,2'ビピリジン)が好ましい。
【0040】
本発明の触媒系において使用することができる上記還元剤としては、例えば、鉄、亜鉛、マンガン、アルミニウム、マグネシウム、ナトリウム、カルシウムなどを挙げることできるが、亜鉛、マグネシウム、マンガンが好ましい。これらの還元剤は、有機酸などの酸に接触させることにより、より活性化して用いることができる。また、本発明の触媒系において使用することのできる「塩」としては、フッ化ナトリウム、塩化ナトリウム、臭化ナトリウム、ヨウ化ナトリウム、硫酸ナトリウムなどのナトリウム化合物、フッ化カリウム、塩化カリウム、臭化カリウム、ヨウ化カリウム、硫酸カリウムなどのカリウム化合物、フッ化テトラエチルアンモニウム、塩化テトラエチルアンモニウム、臭化テトラエチルアンモニウム、ヨウ化テトラエチルアンモニウム、硫酸テトラエチルアンモニウムなどのアンモニウム化合物などが挙げられるが、臭化ナトリウム、ヨウ化ナトリウム、臭化カリウム、臭化テトラエチルアンモニウム、ヨウ化テトラエチルアンモニウムが好ましい。
【0041】
触媒系における各成分の使用割合は、遷移金属塩または配位子が配位された遷移金属(塩)が、上記一般式(1)'〜(4)'で表されるモノマーの総計1モルに対し、通常、0.0001〜10モル、好ましくは0.01〜0.5モルである。0.0001モル未満では、重合反応が充分に進行せず、一方、10モルを超えると、分子量が低下するという問題がある。触媒系において、遷移金属塩および配位子を用いる場合、この配位子の使用割合は、遷移金属塩1モルに対し、通常、0.1〜100モル、好ましくは1〜10モルである。0.1モル未満では、触媒活性が不充分となり、一方、100モルを超えると、分子量が低下するという問題がある。
また、触媒系における還元剤の使用割合は、上記一般式(1)'〜(4)'で表されるモノマーの総計1モルに対し、通常、0.1〜100モル、好ましくは1〜10モルである。0.1モル未満では、重合が充分進行せず、一方、100モルを超えると、得られる重合体の精製が困難になるという問題がある。
さらに、触媒系に「塩」を使用する場合、その使用割合は、上記一般式(1)'〜(4)'で表されるモノマーの総計1モルに対し、通常、0.001〜100モル、好ましくは0.01〜1モルである。0.001モル未満では、重合速度を上げる効果が不充分であり、一方、100モルを超えると、得られる重合体の精製が困難となるという問題がある。
【0042】
本発明で使用することのできる重合溶媒としては、例えば、テトラヒドロフラン、シクロヘキサノン、ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、1−メチル−2−ピロリドン、γ−ブチロラクトン、γ−ブチロラクタムなどが挙げられ、テトラヒドロフラン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、1−メチル−2−ピロリドンが好ましい。これらの重合溶媒は、充分に乾燥してから用いることが好ましい。重合溶媒中における上記一般式(1)'〜(4)'で表されるモノマーの総計の濃度は、通常、1〜90重量%、好ましくは5〜40重量%である。
また、本発明の重合体を重合する際の重合温度は、通常、0〜200℃、好ましくは50〜80℃である。また、重合時間は、通常、0.5〜100時間、好ましくは1〜40時間である。
【0043】
ここで、上記一般式(1)'で表される(A)モノマーおよび一般式(2)'で表される(B)モノマーを用いて、上記一般式(1)および一般式(2)で表される繰り返し構造単位(ただし、スルホン酸基を有しない)からなる重合体を得る際の反応式の一例は、下記のとおりである。
【0044】
【化9】
Figure 0003606217
【0045】
本発明のポリアリーレン系共重合体の構造は、例えば、赤外線吸収スペクトルによって、1,230〜1,250cm-1のC−O−C吸収、1,640〜1,660cm-1のC=O吸収などにより確認でき、また、核磁気共鳴スペクトル(1H−NMR)により、6.8〜8.0ppmの芳香族プロトンのピークから、その構造を確認することができる。
【0046】
次に、本発明の伝導膜に用いられる、スルホン酸基を有するポリアリーレン系共重合体は、スルホン酸基を有しない上記ポリアリーレン系共重合体に、スルホン化剤を用い、常法によりスルホン酸基導入することにより得ることができる。
スルホン酸基を導入する方法としては、例えば、上記スルホン酸基を有しないポリアリーレン系共重合体を、無水硫酸、発煙硫酸、クロルスルホン酸、硫酸、亜硫酸水素ナトリウムなどの公知のスルホン化剤を用いて、公知の条件でスルホン化することができる〔Polymer Preprints,Japan,Vol.42,No.3,p.730(1993);Polymer Preprints,Japan,Vol.42,No.3,p.736(1994);Polymer Preprints,Japan,Vol.42,No.7,p.2490〜2492(1993)〕。
【0047】
すなわち、このスルホン化の反応条件としては、上記スルホン酸基を有しないポリアリーレン系共重合体を、無溶剤下、あるいは溶剤存在下で、上記スルホン化剤と反応させる。
溶剤としては、例えばn−ヘキサンなどの炭化水素溶剤、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテル系溶剤、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシドのような非プロトン系極性溶剤のほか、テトラクロロエタン、ジクロロエタン、クロロホルム、塩化メチレンなどのハロゲン化炭化水素などが挙げられる。
反応温度は特に制限はないが、通常、−50〜200℃、好ましくは−10〜100℃である。また、反応時間は、通常、0.5〜1,000時間、好ましくは1〜200時間である。
【0048】
このようにして得られる、上記単位(A)および単位(B)を有し、かつスルホン酸基を有するスルホン酸基含有共重合体中の、スルホン酸基量は、重合体を構成する単位(B)の1ユニットに対して、通常、0.05〜2個、好ましくは0.3〜1.5個である。0.05個未満では、プロトン伝導性が上がらず、一方2個を超えると、親水性が向上し、水溶性ポリマーとなってしまうか、また水溶性に至らずとも耐久性が低下する。
なお、スルホン酸基含有共重合体としては、単位(A)が4,4'−ジクロロベンゾフェノン由来の構造単位であって、その割合が好ましくは35〜7モル%、さらに好ましくは30〜8モル%、および単位(B)が2,5−ジクロロ−4'−フェノキシベンゾフェノン由来の構造単位であって、その割合が好ましくは65〜93モル%、さらに好ましくは70〜92モル%を含み、かつ、重合体1gあたり、好ましくは2.0〜3.5ミリグラム当量、さらに好ましくは2.0〜3.3ミリグラム当量のスルホン酸基を有するものが望ましい。以上のスルホン酸基量は、主鎖に電子吸引性基を有する芳香族化合物単位を構成するモノマー(A)の共重合量(組成)により、容易に調整することができる。
【0049】
また、このようにして得られる本発明のスルホン酸基含有共重合体のスルホン化前の前駆体のポリマーの分子量は、ポリスチレン換算重量平均分子量で、1,000〜1,000,000、好ましくは1,500〜200,000である。1,000未満では、成形フィルムにクラックが発生するなど、塗膜性が不充分であり、また強度的性質にも問題がある。一方、1,000,000を超えると、溶解性が不充分となり、また溶液粘度が高く、加工性が不良になるなどの問題がある。
【0050】
なお、本発明のスルホン基含有共重合体の構造は、赤外線吸収スペクトルによって、1,030〜1,045cm-1、1,160〜1,190cm-1のS=O吸収、1,130〜1,250cm-1のC−O−C吸収、1,640〜1,660cm-1のC=O吸収などにより確認でき、これらの組成比は、スルホン酸の中和滴定や、元素分析により知ることができる。また、核磁気共鳴スペクトル( 1H−NMR)により、6.8〜8.0PJSRの芳香族プロトンのピークから、その構造を確認することができる。
【0051】
次に、本発明の伝導膜は、上記スルホン酸基含有共重合体からなるが、上記スルホン酸基含有共重合体以外に、硫酸、リン酸などの無機酸、カルボン酸を含む有機酸、適量の水などを併用しても良い。
【0052】
本発明の伝導膜を製造するには、例えば本発明のスルホン酸基含有共重合体を溶剤に溶解したのち、キャスティングによりフィルム状に成形するキャスティング法や、溶融成形法などが挙げられる。ここで、キャスティング法における溶剤としては、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシドなどの非プロトン系極性溶剤やメタノールなどのアルコール系溶剤などが挙げられる。
【0053】
本発明の伝導膜は、例えば一次電池用電解質、二次電池用電解質、燃料電池用高分子固体電解質、表示素子、各種センサー、信号伝達媒体、固体コンデンサー、イオン交換膜などに利用可能なプロトン伝導性の伝導膜に利用可能である。
【0054】
【実施例】
以下、実施例を挙げ本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。なお、実施例中の各種の測定項目は、下記のようにして求めた。
【0055】
重量平均分子量
スルホン化前の前駆体ポリマーの数平均分子量,重量平均分子量は、溶媒にテトラヒドロフラン(THF)を用い、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によって、ポリスチレン換算の分子量を求めた。
【0056】
スルホン化当量
得られたポリマーの水洗水が中性になるまで洗浄し、フリーの残存している酸を除いて、充分に水洗し、乾燥後、所定量を秤量し、THF/水の混合溶剤に溶解し、フェノールフタレインを指示薬とし、NaOHの標準液にて滴定し、中和点から、スルホン化当量を求めた。
【0057】
プロトン伝導度の測定
100%相対湿度下に置かれた直径13mmのフィルム状試料を、白金電極に挟み、密閉セルに封入し、インピーダンスアナライザー(HYP4192A)を用いて、周波数5〜13MHz、印加電圧12mV、温度20℃、50℃、100℃にてセルのインピーダンスの絶対値と位相角を測定した。得られたデータは、コンピュータを用いて発振レベル12mVにて複素インピーダンス測定を行い、プロトン伝導率を算出した。
【0058】
引張強度
引張強度は、得られたフィルムの室温での引張試験によって測定した。
熱水中での挙動
熱水中での挙動は、フィルムを80℃に24時間浸漬後のフィルムの形態変化を観察した。
○:20%未満の膨潤形状保持。
△:20%以上膨潤で形状保持
×:形状崩壊
【0059】
実施例1
2,5−ジクロロ−4'−フェノキシベンゾフェノン193.5g(540mmol)、4,4'−ジクロロベンゾフェノン15.1g(60mmol)、ヨウ化ナトリウム11.7g(78mmol)、ビストリフェニルホスフィンニッケルジクロライド11.8g(18mmol)、トリフェニルホスフィン63.0g(240mmol)、亜鉛94.1g(1.44mol)を環流管、三方コックを取り付けた三口フラスコに入れ、70℃のオイルバスにつけ、窒素置換後、窒素雰囲気下にN−メチル−2−ピロリドン1,000ml加え、反応を開始した。20時間反応後、N−メチル−2−ピロリドン500mlで希釈し、1:10塩酸/メタノール溶液に重合反応液を注ぎ、ポリマーを析出、洗浄後、ろ過、真空乾燥後、白色の粉末を得た。収量は、153gであった。また、重量平均分子量は、159,000であった。得られたポリマーをN−メチル−2−ピロリドンを用いて製膜し、メタノール中に浸漬したが膨潤は観察されなかった。得られたポリマーのIRスペクトルを図1に示す。上記得られたポリマー150gに対し、濃硫酸1,500mlを加え室温で24時間、攪拌しスルホン化反応を行った。反応後、大量の純水中に注ぎ、スルホン化ポリマーを析出させた。pH7になるまでポリマーの水洗浄を続け、ろ過後、スルホン化ポリマーを回収し、90℃ で真空乾燥した。スルホン化ポリマーの収量は、179gであった。そのIRスペクトルを図2に示す。
【0060】
実施例2
実施例1の2,5−ジクロロ−4'−フェノキシベンゾフェノンを182.7g(510mmol)、4,4−ジクロロベンゾフェノンを22.6g(90mmol)に代え、同様に反応を行った。得られたポリマーの収量は、150gであった。また、重量平均分子量は、143,500であった。実施例1と同様にスルホン化を行い、スルホン化ポリマー175gを得た。
【0061】
実施例3
実施例1の2,5−ジクロロ−4'−フェノキシベンゾフェノンを171.6g(480mmol)、4,4'−ジクロロベンゾフェノンを30.13g(120mmol)に代え、同様に反応を行った。得られたポリマーの収量は、148gであった。また、重量平均分子量は、129,600であった。得られたポリマーのIRスペクトルを図3に示す。実施例1と同様にスルホン化を行い、スルホン化ポリマー171gを得た。そのIRスペクトルを図4に示す。
【0062】
実施例4
実施例1の2,5−ジクロロ−4'−フェノキシベンゾフェノンを154.0g(420mmol)、4,4'−ジクロロベンゾフェノンを45.2g(180mmol)に代え、同様に反応を行った。得られたポリマーの収量は、142gであった。また、重量平均分子量は、63,800であった。実施例1と同様にスルホン化を行い、スルホン化ポリマー162gを得た。
【0063】
比較例1
2,5−ジクロロ−4´−フェノキシベンゾフェノン214.9g(600mmol)のみで実施例1同様に重合反応を行い、ポリマー161gを得た。また、重量平均分子量は、192,800であった。このポリマーは、メタノールに著しく膨潤した。実施例と同様にスルホン化を行い、スルホン化ポリマーを190g得た。
【0064】
比較例2
実施例1の2,5−ジクロロ−4´−フェノキシベンゾフェノンを204.2g(570mmol)、4,4−ジクロロベンゾフェノンを7.53g(30mmol)に代え、同様に反応を行った。得られたポリマーの収量は、157gであった。また、重量平均分子量は、179,200であった。実施例1と同様にスルホン化を行い、スルホン化ポリマー187gを得た。
【0065】
比較例3
実施例1の2,5−ジクロロ−4´−フェノキシベンゾフェノンを64.5g(180mmol)、4,4−ジクロロベンゾフェノンを105.7g(420mmol)に代え、同様に反応を行った。ポリマーは122gの収量で得られたが、ポリマーを完全に溶解させる有機溶媒はなかった。さらに、実施例1と同様にスルホン化を行ったが、反応系は一部不溶分が存在し、終始、不均一な状態で反応が進行し、均一なスルホン化ポリマーは得られなかった。得られたポリマーを有機溶媒の溶解性をチェックしたが、完全に溶解させる溶媒は見いだせず、均質なフィルムを調製できなかった。
【0066】
実施例1〜4および比較例1〜3で得られたポリマーを10%の濃度でNMPに溶解し、ガラス版にキャストし100゜C で乾燥、最終的には真空乾燥で溶媒を除去し、フィルムを作製した。得られたポリマーの特性を表1にまとめた。
【0067】
【表1】
Figure 0003606217
【0068】
実施例5
実施例1で用いた4,4'−ジクロロベンゾフェノン15.1g(60mmol)に代え、ビス(4−トリフルオロメチルスルフォニロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン29.5g(60mmol)を用い、その他の条件は、実施例1と同様にして重合反応を行なった。得られたポリマーの収量は、165gであった。また、重量平均分子量は、294,000であった。得られたポリマーのIRスペクトルを図5に示す。実施例1と同様にスルホン化を行い、スルホン化ポリマー196gを得た。そのIRスペクトルを図6に示す。
【0069】
実施例6
実施例4で用いた4,4'−ジクロロベンゾフェノン45.2g(180mmol)に代え、ビス(4−トリフルオロメチルスルフォニロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン88.6g(180mmol)を用い、その他の条件は、実施例1と同様にして重合反応を行なった。得られたポリマーの収量は、166gであった。また、重量平均分子量は、116,000であった。得られたポリマーのIRスペクトルを図7に示す。実施例1と同様にスルホン化を行い、スルホン化ポリマー180gを得た。そのIRスペクトルを図8に示す。
【0070】
実施例5〜6で得られたポリマーを10%の濃度でNMPに溶解し、ガラス版にキャストし100゜C で乾燥、最終的には真空乾燥で溶媒を除去し、フィルムを作製した。得られたポリマーの特性を表2にまとめた。
【0071】
【表2】
Figure 0003606217
【0072】
【発明の効果】
本発明のポリアリーレン系共重合体は、スルホン酸基の導入量を容易に制御することができる。得られるスルホン基含有ポリアリーレン系共重合体は、伝導膜として、広い温度範囲にわたって高いプロントン伝導性を有し、かつ基板、電極に対する密着性が優れ、脆くなく強度において優れており、さらに温水耐性に優れている。従って、一次電池用電解質、二次電池用電解質、燃料電池用高分子固体電解質、表示素子、各種センサー、信号伝達媒体、固体コンデンサー、イオン交換膜などの伝導膜として利用可能であり、この工業的意義は極めて大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で得られたポリアリーレンのIRチャートである。
【図2】実施例1で得られたスルホン化ポリマーのIRチャートである。
【図3】実施例3で得られたポリアリーレンのIRチャートである。
【図4】実施例3で得られたスルホン化ポリマーのIRチャートである。
【図5】実施例5で得られたポリアリーレンのIRチャートである。
【図6】実施例5で得られたスルホン化ポリマーのIRチャートである。
【図7】実施例6で得られたポリアリーレンのIRチャートである。
【図8】実施例6で得られたスルホン化ポリマーのIRチャートである。

Claims (6)

  1. (A)主鎖に電子吸引性基を有する芳香族化合物単位60〜5モル%、ならびに( B )主鎖に電子吸引性基を有さず、かつ下記一般式(2)、一般式(3)および一般式(4)から選ばれる芳香族化合物単位の少なくとも1種を有する構造単位40〜95モル%〔ただし、(A)+(B)=100モル%〕からなるポリアリーレン系共重合体。
    Figure 0003606217
    〔式中、 R 9 R 16 は、同一または異なり、水素原子、アルキル基、ハロゲン原子、ハロゲン化アルキル基または下記一般式(5)で表される基を示し、 R 9 R 12 の少なくとも1つは、アルキル基、ハロゲン原子、ハロゲン化アルキル基または下記一般式(5)で表される基である。〕
    Figure 0003606217
    〔式中、 X は−CO−、− CONH −、−( CF 2 p −、− C(CF 3 ) 2 −、− COO −、− SO −および− SO 2 −から選ばれる少なくとも1種の基であり、pは1〜10の整数を示し、 Y は− O −、− S −から選ばれる基、 R 17 R 25 は水素原子、アルキル基、ハロゲン基、またはハロゲン化アルキル基を示す。〕
  2. 一般式(2)、一般式(3)および一般式(4)中、 R 9 R 12 の少なくとも1つが上記一般式(5)で表される基である請求項1記載のポリアリーレン系共重合体。
  3. 電子吸引性基が、−CO−、−CONH−、−(CF2 )p−(ここで、pは1〜10の整数である)、−C(CF3 2 −、−COO−、−SO−および−SO2 −の群から選ばれた少なくとも1種の2価の基である請求項1または2記載のポリアリーレン系共重合体。
  4. さらに、スルホン酸基を有する請求項1〜3いずれかに記載のポリアリーレン系共重合体。
  5. (A)主鎖に電子吸引性基を有する芳香族化合物単位が4,4'−ベンゾフェノン由来の構造単位35〜7モル%、および(B)主鎖に電子吸引性基を有さない芳香族化合物単位が4'−フェノキシ−2,5−ベンゾフェノン由来の構造単位65〜93モル%を含み、かつ重合体1gあたり、2.0〜3.5ミリグラム当量のスルホン酸基を有する請求項4記載のポリアリーレン系共重合体。
  6. 請求項4または5記載のスルホン酸基を有するポリアリーレン系共重合体からなるプロトン伝導膜。
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