明 細 書
固体高分子型燃料電池用電極電解質
技術分野
[0001] 本発明は、特定の重合体組成物を含む固体高分子型燃料電池用電極電解質、電 極ペースト、電極、および膜 電極接合体に関する。
背景技術
[0002] 固体高分子型燃料電池は、高出力密度が得られ、低温で作動可能であることから 小型軽量化が可能であり、自動車用動力源、定置用発電電源、携帯機器用発電電 源などとして実用化が期待されて 、る。
固体高分子型燃料電池はプロトン伝導性の固体高分子電解質膜の両面に一対の 電極を設け、純水素あるいは改質水素を燃料ガスとして一方の電極 (燃料極)へ供給 し、酸素ガスあるいは空気を酸化剤としてもう一方の電極 (空気極)へ供給し、発電を 行うものである。
[0003] かかる燃料電池の電極は触媒成分が分散した電極電解質から構成され (このため 電極は、電極触媒層ということもある)、燃料極側の電極触媒層は、燃料ガスから、プ 口トンと電子を発生させ、空気極側の電極触媒層で酸素とプロトンと電子とから水を生 成し、固体高分子電解質膜はプロトンをイオン伝導させる。そして、カゝかる電極触媒 層を通して電力が取り出される。
[0004] 従来の固体高分子型燃料電池では、電極電解質として、 Nafion (商標)に代表され るパーフルォロアルキルスルホン酸系高分子が使用されて 、る。この材料は優れた プロトン伝導性を有しているが、非常に高価であり、また分子内にフッ素原子を大量 に有していることから、燃焼性が小さぐ電極触媒に用いられる白金などの高価な貴 金属の回収再利用を非常に困難にして 、る問題がある。
[0005] 一方これにかわる材料として、種々の非パーフルォロアルキルスルホン酸系高分子 の検討も行われている。特に発電効率の高い、高温条件で用いることを狙い、耐熱 性の高 、芳香族スルホン酸系高分子を電極電解質として用いることが試みられて ヽ る。
たとえば、特開 2005— 50726号公報 (特許文献 1)には、スルホンィ匕ポリアリーレン 重合体を電極電解質として用いることが開示されており、さら〖こ、特開 2004— 2532 67号公報 (特許文献 2)には、特定のスルホン化ポリアリーレンを用いることが開示さ れている。
特許文献 1:特開 2005 - 50726号公報
特許文献 2:特開 2004— 253267号公報
発明の開示
発明が解決しょうとする課題
[0006] しかしながらこれらの従来より電解質として知られていた材料は、高温下ではスルホ ン酸基の可逆的な脱離反応ゃスルホン酸が関与する架橋反応が発生することがあつ た。これにより、プロトン伝導性が低下したり、膜の脆ィ匕等が生じたりして、燃料電池 の発電出力の低下や、膜が破断することにより発電不能に至る問題があった。
また、このような問題をできるだけ回避するために、現状、燃料電池発電時の上限 温度を限定し使用しており、発電出力に制限があった。
課題を解決するための手段
[0007] 本発明は、上記の問題点を解決するためになされたものであり、スルホン酸基を含 有する重合体に、含窒素複素環式芳香族基を導入しておくことで、高温条件下での スルホン酸基の安定性を向上できるとともに、前記したようなスルホン酸基の脱離、ス ルホン酸が関与する架橋反応が抑制され、上記問題を解決することを見出した。 さらにこの組成物は、フッ素原子を含まないか、あるいは含んでもその含有量が大 幅に低減されており、前述のような触媒金属の回収再利用に対する問題の解決が可 能できることを見出し、本発明を完成するに至った。
[0008] 本発明の態様は以下の通りである。
[1]主鎖がポリフ -レン構造であり、スルホン酸基を有する側鎖と含窒素複素環基を 有する側鎖とを有する構造を含む固体高分子電解質用電極電解質。
[2]含窒素複素環基を有する側鎖が下記一般式 (D)で表される構造である [2]の固体 高分子電解質用電極電解質。
[0010] (式中、 Zは直接結合または、 O—、—S 力もなる群より選ばれた少なくとも 1種 の構造を示し、 Yは、 CO—、 -SO―、 -SO- ,— CONH―、— COO—、— (C
2
F )— (1は 1〜: LOの整数である)、 -C(CF )—力もなる群より選ばれた少なくとも 1種
2 1 3 2
の構造を示し、 R2°は含窒素複素環基を示す。 qは 1〜5の整数を示し、 pは 0〜4の整 数を示す。 )
[3]前記含窒素複素環基がピロール、チアゾール、イソチアゾール、ォキサゾール、ィ ソォキサゾール、ピリジン、イミダゾール、イミダゾリン、ピラゾール、 1, 3, 5 トリアジ ン、ピリミジン、ピリタジン、ピラジン、インドール、キノリン、イソキノリン、ブリン、ベンズ イミダゾール、ベンズォキサゾール、ベンズチアゾール、テトラゾール、テトラジン、トリ ァゾール、カルバゾール、アタリジン、キノキサリン、キナゾリンカもなる含窒素複素環 化合物およびこれらの誘導体からなる群から選ばれる化合物から誘導される少なくと も 1種の基である [1ほたは [2]の固体高分子型燃料電池用電極電解質。
[4]スルホン酸基を有する側鎖が下記一般式 (E)で合わされる [1]〜[3]の固体高分子 型燃料電池用電極電解質。
[0012] (式中、 Y1は CO—、 -SO 一、 SO 、 一CONH 、 一COO—、 -(CF ) -(l
2 2 1 は 1〜: L0の整数である)、 -C(CF )—力もなる群より選ばれた少なくとも 1種の構造を
3 2
示し、 Z1は直接結合または、― (CH )— (1は 1〜10の整数である)、 -C(CH )―、 -
2 1 3 2
O—、—S 力もなる群より選ばれた少なくとも 1種の構造を示し、 Arは— SO Hまた
3 は— 0(CH ) SO Hまたは— 0(CF ) SO Hで表される置換基を有する芳香族基を
2 h 3 2 h 3
示す。 hは 1〜12の整数を示し、 mは 0〜10の整数を示し、 nは 0〜10の整数を示し 、 kは 1〜4の整数を示す。 )
[5]上記重合体が下記一般式 (C)で表される繰り返し構造単位および下記一般式 (A)
で表される繰り返し単位を含むことを特徴とする [1]〜[4]の固体高分子型燃料電池用 電極電解質。
[0014] (式中、 Zは直接結合または、 O—、—S 力もなる群より選ばれた少なくとも 1種の 構造を示し、 Yは、 CO—、 -SO―、 -SO- ,— CONH―、— COO—、— (CF
2 2
)— (1は 1〜: LOの整数である)、 -C(CF )—力もなる群より選ばれた少なくとも 1種の
1 3 2
構造を示し、 R2°は含窒素複素環基を示す。 qは 1〜5の整数を示し、 pは 0〜4の整数 を示す。)
[0016] (式中、 Y1は CO—、 -SO 一、 SO 、 一CONH 、 一COO—、 -(CF ) -(l
2 2 1 は 1〜: L0の整数である)、 -C(CF )—力もなる群より選ばれた少なくとも 1種の構造を
3 2
示し、 Z1は直接結合または、― (CH )— (1は 1〜10の整数である)、 -C(CH )―、 -
2 1 3 2
O—、—S 力もなる群より選ばれた少なくとも 1種の構造を示し、 Arは— SO Hまた
3 は— 0(CH ) SO Hまたは— 0(CF ) SO Hで表される置換基を有する芳香族基を
2 h 3 2 h 3
示す。 hは 1〜12の整数を示し、 mは 0〜10の整数を示し、 nは 0〜10の整数を示し 、 kは 1〜4の整数を示す。 )
[6]重合体がさらに下記一般式 (B)で表される構造を有する [1]〜[5]の固体高分子型 燃料電池用電極電解質。
[0017] [化 5]
[0018] (式中、 A、 Dは独立に直接結合または、 CO—、 -SO―、 -SO- ,— CONH—
2
、—COO—、ー )ー(1は1〜10の整数でぁる)、ー(じ11 )ー(1は1〜10の整数で
2 1 2 1
ある)、 -CR' —(R'は脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基およびハロゲンィ匕炭
2
化水素基を示す)、シクロへキシリデン基、フルォレニリデン基、 O 、 一 S からな る群より選ばれた少なくとも 1種の構造を示し、 Bは独立に酸素原子または硫黄原子 であり、 ^〜 6は、互いに同一でも異なっていてもよぐ水素原子、フッ素原子、アル キル基、一部またはすべてがハロゲンィ匕されたハロゲン化アルキル基、ァリル基、ァリ ール基、ニトロ基、二トリル基力 なる群より選ばれた少なくとも 1種の原子または基を 示す。 s、 tは 0〜4の整数を示し、 rは 0または 1以上の整数を示す。 )
[7][1]〜[6]の電解質と触媒粒子および溶媒を含む電極ペースト。
[8][1]〜[6]の電解質と触媒粒子とを含む固体高分子型燃料電池用電極。
[9][8]の電極を、高分子電解質膜の少なくとも片面に接合した構造カゝらなる膜—電極 接合体。
発明の効果
[0019] 本発明によれば、価格的な問題や、触媒金属の回収に関する問題を解決するとと もに、プロトン伝導性や寸法安定性に優れ、耐熱性に優れた固体高分子型燃料電 池用電極電解質が提供される。特に、本発明では、特定の重合体を電極電解質とし て用いて 、るので、スルホン酸基の可逆的な脱離反応ゃスルホン酸が関与する架橋 反応も抑制されているので、プロトン伝導性が低下することもなぐまた強度が高ぐ 燃料電池用の電極電解質に使用した際、広範囲な温度、湿度、特に高温下でも発 電可能になり、発電出力を向上することができる。
[0020] さらに本発明は該電解質を含む、電極ペースト、電極、触媒付電解質膜を提供し、 固体高分子型燃料電池の発電性能向上に寄与するものである。
図面の簡単な説明
[0021] [図 1]図 1は合成例 1で得られた化合物の1 H-NMR ^ベクトルを図 1に示す。
発明を実施するための最良の形態
[0022] (電極電解質)
本発明の固体高分子型燃料電池用電極電解質は、主鎖がポリフエ二レン構造であ
り、スルホン酸基を有する側鎖と含窒素複素環基を有する側鎖とを有する構造を有 する重合体を含む。
(重合体)
本発明に使用される重合体は、主鎖がポリフエ-レン構造であり、スルホン酸基を 有する側鎖と含窒素複素環基を有する側鎖とを有する構造を含むものである。
[0023] 主鎖となるポリフエ-レン構造とは、下記のような構造を示し、側鎖とは、下記構造 における置換基 R2を示すものである。
[0024] [化 6]
[0025] fll
本発明にお 、ては、含窒素複素環基を有する側鎖は下記一般式 (D)で表される。
[0027] 式中、 Zは直接結合または、 O—、—S 力もなる群より選ばれた少なくとも 1種の 構造を示し、
Yは、 CO—、—SO―、— SO—、— CONH―、— COO—、— (CF )— (1は 1〜
2 2 1
10の整数である)、—C(CF )—力 なる群より選ばれた少なくとも 1種の構造を示し
3 2
、好ましくは CO 、 一 so である。
[0028] R2°は含窒素複素環基を示す。含窒素複素環基としては、ピロール、チアゾール、ィ ソチアゾール、ォキサゾール、イソォキサゾール、ピリジン、イミダゾール、イミダゾリン 、ピラゾール、 1, 3, 5 卜リアジン、ピリミジン、ピリタジン、ピラジン、インドール、キノリ ン、イソキノリン、ブリン、ベンズイミダゾール、ベンズォキサゾール、ベンズチアゾール 、テトラゾール、テトラジン、トリァゾール、カルバゾール、アタリジン、キノキサリン、キ ナゾリンカ なる含窒素複素環化合物およびこれらの誘導体の炭素または窒素に結
合する水素原子が引き抜かれてなる構造の基である。これらの含窒素複素環基は、 置換基を有していてもよぐ置換基としては、例えば、メチル基、ェチル基、プロピル 基などのアルキル基、フ -ル基、トルィル基、ナフチル基等のァリール基、シァノ基 、フッ素原子などがあげられる。
[0029] qは 1〜5の整数を示し、好ましくは、 1または 2である。
pは 0〜4の整数を示し、好ましくは、 0または 1である。
また、スルホン酸基を有する側鎖は、下記一般式 (E)で表される。
[0031] 一般式(E)において、 Y1は— CO—、—SO―、— SO—、— CONH―、—COO
2
―、― (CF ) - (1は 1〜: L0の整数である)、― C(CF )—力もなる群より選ばれた少な
2 1 3 2
くとも 1種の構造を示す。このうち、—CO—、—so—が好ましい。
2
Z1は直接結合または、ー(( 11 )—(1は1〜10の整数でぁる)、 -C(CH ) 一、 -0
2 1 3 2
―、—S—力 なる群より選ばれた少なくとも 1種の構造を示す。このうち直接結合、 —o—が好ましい。
[0032] Arは— SO Hまたは— 0(CH ) SO Hまたは— 0(CF ) SO Hで表される置換基(h
3 2 h 3 2 h 3 は 1〜12の整数を示す)を有する芳香族基を示す。
芳香族基として具体的には、フエ-ル基、ナフチル基、アントリル基、フエナントリル 基などが挙げられる。これらの基のうち、フエ-ル基、ナフチル基が好ましい。芳香族 基は前記した— SO Hまたは— 0(CH ) SO Hまたは— 0(CF ) SO Hで表される置
3 2 h 3 2 h 3
換基で、少なくとも 1個置換されていることが必要であり、ナフチル基である場合には 2個以上置換して 、ることが好まし 、。
[0033] mは 0〜10、好ましくは 0〜2の整数であり、 nは 0〜10、好ましくは 0〜2の整数であ り、 kは 1〜4の整数を示す。
m、
Arの構造についての好ましい組み合わせとして、
(l) m=0、 n=0であり、 Y1は— CO—であり、 Arが置換基として— SO Hを有するフ
ニル基である構造、
(2) m= l、 n=0であり、 Y1は— CO であり、 Z1は— O であり、 Arが置換基として SO Hを有するフヱ-ル基である構造、
3
(3) m= l、 11= 1、1^= 1でぁり、 は—じ0—でぁり、21は—0—でぁり、八1:が置換基 として SO Hを有するフヱ-ル基である構造、
3
(4) m = 1、 n= 0であり、 Y1は— CO であり、 Ζ1は— Ο であり、 Arが置換基として 2 個の SO Hを有するナフチル基である構造、
3
(5) m= l、 n=0であり、 Y1は— CO であり、 Z1は— O であり、 Arが置換基として — 0(CH ) SO Hを有するフエニル基である構造などを挙げることができる。
2 4 3
[0034] なお、側鎖(D)および (E)の Y1および Z1は、同一のものであって異なるものであつ てもよい。
木
本発明で使用される重合体は、下記一般式 (C)および (A)で表される繰り返し単 位を含む。
[0036] 一般式 (C)において、 Y、 Z、 R'\ q、 pは、一般式 (D)で説明したものと同様である [0037] [化 10]
[0038] 一般式 (A)において、 Y、
Ar、 m、 n、 kについは前記式(E)と同一である。
さらに重合体は、下記一般式 (B)で表される繰り返し単位を有していることが好まし い。
B
[0040] 一般式(B)において、 A、 Dは独立に直接結合または、—CO—、 -SO一、—S
2
O 、一 CONH―、一 C 、一 (CF )— (1は 1〜10の整数である)、 (CH )— (1
2 1 2 1 は 1〜10の整数である)、 -CR'一(R'は脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基お
2
よびハロゲン化炭化水素基を示す)、シクロへキシリデン基、フルォレニリデン基、 O—、—S 力 なる群より選ばれた少なくとも 1種の構造を示す。ここで、 CR' -
2 で表される構造の具体的な例として、メチル基、ェチル基、プロピル基、イソプロピル 基、ブチル基、イソブチル基、 t ブチル基、プロピル基、ォクチル基、デシル基、ォ クタデシル基、フエニル基、トリフルォロメチル基などが挙げられる。
[0041] これらのうち、直接結合または、—CO—、—SO—、— CR'—(R'は脂肪族炭化
2 2
水素基、芳香族炭化水素基およびハロゲンィ匕炭化水素基を示す)、シクロへキシリデ ン基、フルォレニリデン基、 o—が好ましい。
Bは独立に酸素原子または硫黄原子であり、酸素原子が好ましい。 R^R16は、互 いに同一でも異なっていてもよぐ水素原子、フッ素原子、アルキル基、一部または すべてがハロゲンィ匕されたノヽロゲンィ匕アルキル基、ァリル基、ァリール基、ニトロ基、 二トリル基力 なる群より選ばれた少なくとも 1種の原子または基を示す。
[0042] アルキル基としては、メチル基、ェチル基、プロピル基、ブチル基、アミル基、へキシ ル基、シクロへキシル基、ォクチル基などが挙げられる。ハロゲンィ匕アルキル基として は、トリフルォロメチル基、ペンタフルォロェチル基、パーフルォロプロピル基、パー フルォロブチル基、パーフルォロペンチル基、パーフルォ口へキシル基などが挙げら れる。ァリル基としては、プロぺニル基などが挙げられ、ァリール基としては、フエニル 基、ペンタフルオロフェ-ル基などが挙げられる。
[0043] s、 tは 0〜4の整数を示す。 rは 0または 1以上の整数を示し、上限は通常 100、好ま しくは 1〜80である。
s、 tの値と、 A、 B、 D、 ^〜 6の構造についての好ましい組み合わせとしては、(1
) s = l、 t= lであり、 Aがー CR'—(R'は脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基お
2
よびハロゲン化炭化水素基を示す)、シクロへキシリデン基、フルォレニリデン基であ り、 Bが酸素原子であり、 Dがー CO—または、—SO—であり、 Ri R16が水素原子ま
2
たはフッ素原子である構造、
(2) s = l、t=0であり、 Bが酸素原子であり、 Dがー CO または、 SO—であり、 R
2
i R16が水素原子またはフッ素原子である構造、
(3) s = 0、 t= lであり、 Aがー CR'—(R'は脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基
2
およびハロゲン化炭化水素基を示す)、シクロへキシリデン基、フルォレニリデン基、 Bが酸素原子であり、 R^R16が水素原子またはフッ素原子または-トリル基である構 造が挙げられる。
[0044] 本発明に使用される重合体は、上記一般式 (A)で表されるスルホン酸基を有する繰 り返し単位 (スルホン酸ユニット)と、上記一般式 (B)で表されるスルホン酸基を有さな ヽ 繰り返し単位 (疎水性ユニット)と、上記一般式 (C)で表される含窒素複素環基 (含窒 素複素環芳香族ユニット)を含むことが特徴であり、下記一般式 (F)で表される重合体 である。
[0045] [化 12]
一般式(F)【こお!/、て、 A、 B、 D、 Υ、 Ζ、
Ar、 k、 m、 η、 ρ、 q、 r、 s、 t、 R
20およ び 〜
6は、それぞれ上記一般式 (A)、 (B)、 (C)中の A、 B、 D、 Υ、 Ζ、
Ar 、 R
20、 k、 m、 n、 p、 q、 r、 s、 tおよび R
1〜: R
16と同義である。 x、 y、 zは x+y+z= 100 モル%とした場合のモル比を示す。
[0047] 以上の重合体は、式 (A)で表される繰り返し構成単位すなわち xのユニットを 0. 5 〜99. 9モル
0 /
0、好ましくは 10〜99. 5モル%の割合で、式(C)で表される繰り返し 構成単位すなわち zのユニットを 0. 1〜99. 5モル
0 /
0、好ましくは 0. 5〜90. 0モル
0 /
0 を含有している。式 (B)で表される繰り返し構成単位すなわち yのユニットは、任意で あり、(A)と (C)以外の残りが(B)に相当し、含まれている場合には、 99. 4〜0. 01 モル
0 /
0、好ましくは 89. 5〜0. 5モル
0 /
0の割合であることが望ましい。
[0048] また、式 (A)で表される繰り返し構成単位すなわち Xのユニットに対する、式 (C)で 表される繰り返し構成単位すなわち zのユニットの割合は、 0. 001モル%〜50モル %であり、好ましくは、 0. 1モル%〜30モル0 /0であり、さらに好ましくは、 1モル%〜2 5モル0 /0である。
本発明に係る重合体のイオン交換容量は通常 0. 3〜5meqZg、好ましくは 0. 5〜 3meqZg、さらに好ましくは 0. 8〜2. 8meqZgである。 0. 3meqZg未満では、プロ トン伝導度が低く発電性能が低い。一方、 5meqZgを超えると、耐水性が大幅に低 下してしまうことがあるため好ましくな!/、。
[0049] 上記のイオン交換容量は、構造単位 (A)、構成単位 (B)および構成単位 (C)の種類 、使用割合、組み合わせを変えることにより、調整することができる。したがって重合 時に構成単位 (A)〜 (C)を誘導する前駆体 (モノマー ·オリゴマー)の仕込み量比、 種類を変えれば調整することができる。
概して構造単位 (A)が多くなるとイオン交換容量が増え、プロトン伝導性が高くなる 力 耐水性が低下する。一方、構造単位 (A)が少なくなると、イオン交換容量が小さ くなり、耐水性が高まるが、プロトン伝導性が低下する。
[0050] 構造単位 (C)を含んで 、ると、高温条件下でのスルホン酸基の安定性が向上し、 その結果耐熱性が向上する。含窒素複素環式芳香族化合物の窒素原子は、塩基性 を有するため、スルホン酸基との間でイオン的な相互作用を形成する。これによつて 、スルホン酸基の安定性を高め、高温条件下でのスルホン酸基の脱離が抑制される 。また、同様に高温条件下でスルホン酸基に由来するポリマー分子間の架橋反応を も抑制することができる。含窒素複素環式芳香族化合物は、プロトン伝導性を損なわ ず、これらの効果を発現できる適度な強さの塩基性を有する化合物である。
[0051] 構成単位 (B)は任意成分であり、重合体中の (A)および (C)成分を除!、た残りが 構成単位 (B)の量に相当する。また、(B)が含まれていなくともよい。この構成単位( B)を含んでいると、分子量の調整や、上記各繰り返し単位の含有量や、イオン交換 量の調整などを行いやすくなるとともに熱水中での膨潤ゃ溶出を抑制したものや、熱 的、化学的に安定な重合体を得ることができる。
[0052] 重合体の分子量は、ゲルパーミエシヨンクロマトグラフィ (GPC)によるポリスチレン換 算重量平均分子量で、 1万〜 100万、好ましくは 2万〜 80万である。
<ポリマーの製造方法 >
スルホン酸基を有する重合体の製造には、例えば下記に示す A法、 B法、 C法の 3 通りの方法を用いることができる。
[0053] (A法)
例えば、特開 2004— 137444号公報に記載の方法と同様に、下記一般式 (Α' )で 表されるモノマー、下記一般式 (Β')で表されるモノマーおよび下記一般式 ( )で表さ れるモノマーを共重合させ、スルホン酸エステル基を有する重合体を製造し、このス ルホン酸エステル基を脱エステル化して、スルホン酸エステル基をスルホン酸基に変 換すること〖こより合成することができる。
[0054] モノマー(Α,)
[0055] [化 13]
[0056] Xは塩素原子、臭素原子および OSO Rb (ここで、 Rbはアルキル基、フッ素置換
2
アルキル基またはァリール基を示す)から選ばれる原子または基を示す。
Y1, Z1, Ar, m, n、 kは一般式 (A)と同じであり、 Rは炭素数 4〜 12のアルキル基を 示す。
一般式 (Α' )で表される化合物の具体的な例としては、下記一般式で表される化合 物、特開 2004— 137444号公報、特開 2004— 345997号公報、特開 2004— 346
163号公報に記載されているスルホン酸エステル類を挙げることができる。
[0057] [化 14]
[0058] [化 15]
[0059] 一般式 (Α')で表される化合物において、スルホン酸エステル構造は、通常、芳香 族環のメタ位に結合して 、る。
モノマー )
… (Β')
R'および R"は塩素原子、臭素原子および— OSO Rb (ここで、 Rbはアルキル基、
2
フッ素置換アルキル基またはァリール基を示す)から選ばれる原子または基を示す。
^〜 6、 A、 B、 D、 s、 tおよび rは前記一般式(B)と同じである。
モノマー(Β')の具体例としては、一般式 (Β')における rが 0の場合、例えば 4,4' ジクロロべンゾフエノン、 4,4' ジクロロべンズァ-リド、 2, 2 ビス (4 クロ口フエ-ノレ
)ジフルォロメタン、 2,2—ビス (4—クロ口フエ-ル)一 1, 1, 1, 3, 3, 3—へキサフルォ 口プロパン、 4—クロ口安息香酸一 4—クロ口フエ-ルエステル、ビス (4—クロ口フエ- ル)スルホキシド、ビス (4—クロ口フエ-ル)スルホン、 2, 6—ジクロロべンゾ-トリルが 挙げられる。これらの化合物において塩素原子が臭素原子またはヨウ素原子に置き 換わったィ匕合物などが挙げられる。
[0062] また、一般式 (Β' )における rが 1の場合、下記に挙げる化合物および特開 2003— 113136号公報に記載の化合物を挙げることができる。
[0063] [化 17]
。 ^ s。
一般式 (Β')における rが r≥2の場合、例えば下記に示す構造の化合物を挙げる とがでさる。
[0065] [化 18]
[0066] モノマー(C
[0068] Xは塩素原子または臭素原子、 OSO Rb (ここで、 Rbはアルキル基、フッ素置換 アルキル基またはァリール基を示す)から選ばれる原子または基を示す。
Y、 Z、 Rz pおよび qは前記一般式 (C)と同じである。 モノマー( )の具体例として、下記の化合物を挙げることができる。
[0069] [化 20]
[0070] [化 21]
[0071] さらに、塩素原子が臭素原子に置き換わった化合物、塩素原子や臭素原子の結合 位置の異なる異性体を挙げることができる。また— CO—結合が、—SO —結合に置
2
き換わったィ匕合物を挙げることができる。これらの化合物は、単独で用いてもよぐ 2 種類以上を併用してもよい。
モノマー(C ')を合成する方法としては、例えば下記一般式(2)で表される化合物と 、含窒素複素環化合物とを、求核置換反応させる方法を挙げることができる。
式中、 X、 Y、 ρおよび qは、一般式 (C' )で示した定義と同一である。
X'はハロゲン原子を示す。フッ素原子または塩素原子であることが好ましぐフッ素 原子がより好ましい。
一般式(2)で表される化合物の具体例としては、 2, 4—ジクロロー 4,一フルォ口べ
ンゾフエノン、 2, 5 ジクロロ一 4' フルォロベンゾフエノン、 2, 6 ジクロロ一 4,一 フルォロベンゾフエノン、 2, 4 ジクロロ一 2' フルォロベンゾフエノン、 2, 5 ジクロ 口一 2,一フノレオ口べンゾフエノン、 2, 6 ジクロロ一 2,一フノレオ口べンゾフエノン、 2, 4 ジクロロフエ-ノレ一 4,一フノレオ口フエ-ノレスノレホン、 2, 5 ジクロロフエ二ノレ一 4, —フノレオロフェニノレスノレホン、 2, 6 ジクロロフエ-ノレ一 4,一フノレオ口フエ-ノレスノレホ ン、 2, 4 ジクロロフエ-ノレ一 2,一フノレオ口フエ-ノレスノレホン、 2, 4 ジクロロフエ二 ノレ一 2,一フノレオ口フエ-ノレスノレホン、 2, 4 ジクロロフエ二ノレ一 2,一フノレオ口フエ二 ルスルホン。
[0074] これらの化合物のうち 2, 5 ジクロロー 4 '—フルォロベンゾフエノンが好ましい。
含窒素複素環化合物は、活性水素を有するものであり、この活性水素と一般式 (2) で表される化合物の X'で表される基を置換反応させる。
活性水素を有する含窒素複素環化合物としては、ピロール、チアゾール、イソチア ゾール、ォキサゾール、イソォキサゾール、ピリジン、イミダゾール、イミダゾリン、ビラ ゾール、 1, 3, 5 トリアジン、ピリミジン、ピリタジン、ピラジン、インドール、キノリン、ィ ソキノリン、ブリン、ベンズイミダゾール、ベンズォキサゾール、ベンズチアゾール、テト ラゾール、テトラジン、トリァゾール、カルバゾール、アタリジン、キノキサリン、キナゾリ ン、 2 ヒドロキシピリジン、 3 ヒドロキシピリジン、 4ーヒドロキシピリジン、 3 ヒドロキ シキノリン、 8 ヒドロキシキノリン、 2 ヒドロキシピリミジン、 2 メルカプトピリジン、 3 メルカプトピリジン、 4 メルカプトピリジン、 2 メルカプトピリミジン、 2 メルカプト ベンズチアゾールなどを挙げることができる。
[0075] これらの化合物のうち、ピロール、イミダゾール、インドール、カルバゾール、ベンズ ォキサゾール、ベンズイミダゾールが好まし!/、。
一般式 (2)で表される化合物と活性水素を有する含窒素複素環化合物との反応は 、有機溶媒中で行うことが好ましい。 N—メチル 2—ピロリドン、 N, N ジメチルァ セトアミド、スルホラン、ジフエ-ルスルホン、ジメチルスルホキシドなどの極性溶媒を 用いる。反応を促進するために、アルカリ金属、水素化アルカリ金属、水酸化アルカリ 金属、アルカリ金属炭酸塩などを用いる。一般式 (2)で表される化合物と、活性水素 を有する含窒素複素環化合物との比率は、等モルもしくは活性水素を有する含窒素
複素環化合物を過剰に加えて反応させる。具体的には、活性水素を有する含窒素 複素環化合物は一般式(2)で表される化合物の 1〜3倍モル、特に 1〜1. 5倍モル 使用することが好ましい。
[0076] 反応温度は 0°C〜300°Cで、 10°C〜200°Cが好ましい。反応時間は 15分〜 100 時間、好ましくは 1時間〜 24時間である。
生成物は再結晶などの方法で精製して用いることが好まし 、。
曾 A 前記重合体を得るためはまず上記モノマー (Α')、モノマー( )および必要に応じ てもモノマー (Β')を共重合させ、前駆体を得る。
[0077] この共重合は、触媒の存在下に行われるが、この際使用される触媒は、遷移金属 化合物を含む触媒系であり、この触媒系としては、(1)遷移金属塩および配位子とな る化合物 (以下、「配位子成分」という。 )、または配位子が配位された遷移金属錯体( 銅塩を含む)、ならびに (2)還元剤を必須成分とし、さらに、重合速度を上げるために、 「塩」を添カ卩してもよい。
[0078] これらの触媒成分の具体例、各成分の使用割合、反応溶媒、濃度、温度、時間等 の重合条件としては、特開 2001— 342241号公報に記載の化合物および条件を採 用することができる。
たとえば、遷移金属塩としては、塩化ニッケル、臭化ニッケルなどが好適に使用され 、また、配位子となる化合物としては、トリフエ-ルホスフィン、トリ 0—トリルホスフィン 、トリ一 m—トリルホスフィン、トリ一 p トリルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリ一 tert —ブチルホスフィン、トリオクチルホスフィン、 2, 2' —ビビリジンなどが好適に使用さ れる。さら〖こ、あらカゝじめ配位子が配位された遷移金属 (塩)としては、塩化ニッケルビ ス(トリフエ-ルホスフィン)、塩化ニッケル (2, 2' ビビリジン)が好適に使用される。還 元剤としては、例えば、鉄、亜鉛、マンガン、アルミニウム、マグネシウム、ナトリウム、 カルシウムなどを挙げることできる力 亜鉛、マグネシウム、マンガンが好ましい。「塩」 としては、臭化ナトリウム、ヨウ化ナトリウム、臭化カリウム、臭化テトラェチルアンモ-ゥ ム、ヨウ化テトラェチルアンモ-ゥムが好ましい。反応には重合溶媒を使用してもよぐ 具体的には、テトラヒドロフラン、 Ν,Ν-ジメチルホルムアミド、 Ν,Ν-ジメチルァセトアミド
、 1-メチル -2-ピロリドンなどが好適に使用される。
[0079] 触媒系における各成分の使用割合は、遷移金属塩または配位子が配位された遷 移金属(塩)が、モノマーの総計 1モルに対し、通常、 0. 0001〜10モル、好ましくは 0. 01-0. 5モルである。この範囲にあれば、触媒活性が高ぐまた分子量も高く重 合することが可能である。触媒系に「塩」を使用する場合、その使用割合は、モノマー の総計 1モノレに対し、通常、 0. 001〜100モノレ、好ましく ίま 0. 01〜1モノレである。 力る範囲であれば、重合速度を上げる効果が充分となる。重合溶媒中におけるモノ マーの総計の濃度は、通常、 1〜90重量%、好ましくは 5〜40重量%である。また、 重合体を重合する際の重合温度は、通常、 0〜200°C、好ましくは 50〜: LOO°Cであ る。また、重合時間は、通常、 0. 5〜: LOO時間、好ましくは 1〜40時間である。
[0080] 次 、で、得られた重合体を加水分解して、構成単位中のスルホン酸エステル基( SO R)をスルホン酸基( SO H)に転換する。
3 3
加水分解は、(1)少量の塩酸を含む過剰量の水またはアルコールに、上記スルホ ン酸エステル基を有する重合体を投入し、 5分間以上撹拌する方法、 (2)トリフルォロ 酢酸中で上記スルホン酸エステル基を有する重合体を 80〜 120°C程度の温度で 5 〜10時間程度反応させる方法、(3)重合体中のスルホン酸エステル基(一 SO R) 1
3 モルに対して 1〜3倍モルのリチウムブロマイドを含む溶液、例えば N メチルピロリド ンなどの溶液中で上記スルホン酸エステル基を有する重合体を 80〜 150°C程度の 温度で 3〜10時間程度反応させた後、塩酸を添加する方法などにより行うことができ る。
(B法)
例えば、特開 2001— 342241号公報に記載の方法と同様に、上記一般式 (Α')で 表される骨格を有し、かつスルホン酸基、スルホン酸エステル基を有しないモノマーと 、上記モノマー(Β')と、上記モノマー( )を共重合させ、この重合体を、スルホンィ匕 剤を用いて、スルホン化することにより合成することもできる。
[0081] Β法において用いることのできる、上記一般式 (Α)で表される構造単位となりうるスル ホン酸基、またはスルホン酸エステル基を有しないモノマーの具体的な例として、特 開 2001— 342241号公報、特開 2002— 293889号公報【こ記載されて!ヽるジノヽロ
ゲンィ匕物を挙げることができる。
(C法)
一般式 (A)において、 Arが— 0(CH ) SO Hまたは— 0(CF ) SO Hで表される置換
2 h 3 2 h 3
基を有する芳香族基である場合には、例えば、特開 2005— 606254号公報に記載 の方法と同様に、上記一般式 (A)で表される構造単位となりうる前駆体のモノマーと、 上記一般式 (B)で表される構造単位となりうるモノマー、またはオリゴマーと、上記一 般式 (C)で表される構造単位となるモノマーを共重合させ、次にアルキルスルホン酸 またはフッ素置換されたアルキルスルホン酸を導入する方法で合成することもできる
[0082] (C法)において用いることのできる、上記一般式 (A)で表される構造単位となりうる前 駆体のモノマーの具体的な例として、特開 2005— 36125号公報に記載されている ジハロゲン化物を挙げることができる。具体的には、 2, 5—ジクロロー 4'ーヒドロキシ ベンゾフエノン、 2, 4—ジクロロ一 4'—ヒドロキシベンゾフエノン、 2, 6—ジクロロ一 4, ーヒドロキシベンゾフエノン、 2, 5—ジクロロー 2' , 4'—ジヒドロキシベンゾフエノン、 2 , 4ージクロロー 2' , 4'—ジヒドロキシベンゾフエノンをあげることができる。またこれら の化合物のヒドロキシル基をテトラヒドロビラニル基などで保護したィ匕合物をあげること ができる。またヒドロキシル基がチオール基にかわったもの、塩素原子が、臭素原子、 ヨウ素原子におきかわったものもあげることができる。
[0083] 本発明に係る電極電解質は、上記した重合体を含むものであればよぐこのため、 上記重合体のみカゝら構成されるものであっても、さらに他の電解質を含んでいてもよ い。他の電解質としては、従来より用いられていた Nafion、 Flemion、 Aciplexも代表さ れるパーフルォロカーボン重合体、ポリスチレンスルホン酸などのビュル系ポリマー のスルホン化物、ポリべンズイミダゾール、ポリエーテルエーテルケトンなどの而熱性 高分子に、スルホン酸基またはリン酸基を導入したポリマーなどの有機系ポリマーが 挙げられる。他の電解質を含む場合、その使用割合は、全電極電解質中に 50重量 %以下、好適には 30重量%以下であることが望ましい。
(電極ペースト)
本発明の電極ペーストは、上記の電極電解質、触媒粒子、溶媒からなり、必要に応
じて分散剤、炭素繊維などの他の成分を含んで 、てもよ 、。
[0084] 触媒粒子
触媒粒子は、触媒が、カーボン、金属酸化物の担体に担持されたもの、または、触 媒の単体からなる。この触媒粒子は電極触媒として機能する。
触媒としては、白金または白金合金が用いられる。白金または白金合金を使用する と、電極触媒としての安定性や活性をさらに付与させることもできる。このような白金 合金としては、白金以外の白金族の金属 (ルテニウム、ロジウム、パラジウム、ォスミゥ ム、イリジウム)、鉄、コノ レト、チタン、金、銀、クロム、マンガン、モリブデン、タングス テン、アルミニウム、ケィ素、レニウム、亜鉛およびスズから選ばれる 1種以上と白金と の合金が好ましぐ該白金合金には白金と合金化される金属との金属間化合物が含 有されていてもよい。
[0085] 触媒は、単体でも、担体に担持された状態でも、触媒粒子を形成して!/ヽる。
上記触媒を担持する担体としては、オイルファーネスブラック、チャネルブラック、ラ ンプブラック、サーマルブラック、アセチレンブラックなどのカーボンブラック力 電子 伝導性と比表面積の大きさから好ましく用いられる。また、天然の黒鉛、ピッチ、コー タス、ポリアクリロニトリル、フエノール榭脂、フラン榭脂などの有機化合物力 得られる 人工黒鉛や炭素などを用いてもよ!ヽ。
[0086] 上記オイルファーネスブラックとしては、キャボット社製「バルカン XC— 72」、「バル カン!3」、「ブラックパーノレズ 880」、「ブラックパールズ 1100」、「ブラックパールズ 130 0」、「ブラックパールズ 2000」、「リーガル 400」、ライオン社製「ケッチェンブラック EC 」、三菱ィ匕学社製「# 3150、 # 3250」などが挙げられる。また、上記アセチレンブラ ックとしては電気化学工業社製「デンカブラック」などが挙げられる。
[0087] これらのカーボンの形態としては、粒子状のほか、繊維状も用いることができる。ま た、カーボンに担持される触媒の量としては、有効に触媒活性が発揮できる量であれ ば特に制限されるものではないが、担持量がカーボン重量に対して、 0.1〜9.0g-me tal/g- carbon、好ましくは 0.25〜2.4g- metal/g- carbonの範囲である。
また、担体としては、カーボンの他に、金属酸化物、たとえば、チタ二了、酸化亜鉛 、シリカ、セリア、ァノレミナ、ァノレミナスビネノレ、マグネシア、ジノレコニァなどであっても
よい。
腿
本発明の電極ペーストの溶媒としては、前記電解質を溶解または分散しうる溶媒で あればよぐ特に限定されるものではない。また 1種類のみでなぐ 2種以上の溶媒を 用いることちでさる。
具体的には、水、
メタノール、エタノール、 n—プロピルアルコール、 2—プロパノール、 2—メチル 2 プロパノール、 2—ブタノール、 n—ブチルアルコール、 2—メチルー 1 プロパノー ル、 1—ペンタノール、 2 ペンタノール、 3 ペンタノール、 2—メチル 1—ブタノー ル、 3—メチルー 1ーブタノール、 2—メチルー 2 ブタノール、 3—メチルー 2 ブタノ 一ノレ、 2,2—ジメチノレ 1 プロパノーノレ、シクロへキサノーノレ、 1一へキサノーノレ、 2- メチルー 1 ペンタノール、 2—メチルー 2 ペンタノール、 4ーメチルー 2 ペンタノ ール、 2—ェチルー 1ーブタノール、 1ーメチルシクロへキサノール、 2—メチルシクロ へキサノール、 3—メチルシクロへキサノール、 4ーメチルシクロへキサノール、 1ーォ クタノール、 2—ォクタノール、 2—ェチルー 1一へキサノール、 2—メトキシエタノール 、 2—エトキシエタノール、 2- (メトキシメトキシ)エタノール、 2—イソプロポキシェタノ ール、 1—メトキシ一 2—プロパノール、 1—エトキシ一 2—プロパノール、などのアルコ 一ノレ類、
エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセロールなどの多価アルコール類、 ジォキサン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、ジェチノレエーテノレ、ジイソプロピ ノレエーテノレ、ジ一 n—プロピノレエーテノレ、ブチノレエーテノレ、フエ-ノレエーテノレ、イソぺ ンチルエーテル、 1, 2—ジメトキシェタン、ジエトキシェタン、ビス(2—メトキシェチル )エーテル、ビス(2—ェトキシェチノレ)エーテノレ、シネオール、ベンジルェチルエーテ ル、ァ-ソール、フエネトール、ァセタールなどのエーテル類、
アセトン、メチルェチルケトン、 2 ペンタノン、 3 ペンタノン、シクロペンタノン、シ クロへキサノン、 2 へキサノン、 4ーメチルー 2 ペンタノン、 2 へプタノン、 2,4— ジメチルー 3 ペンタノン、 2—ォクタノンなどのケトン類、
γ -ブチロラタトン、酢酸ェチル、酢酸プロピル、酢酸—η—ブチル、酢酸イソブチル
、酢酸 sec-ブチル、酢酸ペンチル、酢酸イソペンチル、 3—メトキシブチルァセタート、 酪酸メチル、酪酸ェチル、乳酸メチル、乳酸ェチル、乳酸ブチルなどのエステル類、 ジメチルスルホキシド、 N—メチルホルムアミド、 Ν,Ν—ジメチルホルムアミド、 Ν,Ν ージェチルホルムアミド、 Ν,Ν—ジメチルァセトアミド、 Ν—メチルー 2—ピロリドン、テ トラメチル尿素などの非プロトン性極性溶媒、
トルエン、キシレン、ヘプタン、へキサン、ヘプタン、オクタンなどの炭化水素系溶媒 を挙げることができ、これらは 1種類以上を組み合わせて用いることもできる。
分散剤
必要に応じて含まれてよい分散剤としては、ォレイン酸 ·Ν—メチルタウリン、ォレイ ン酸カリウム ·ジエタノールアミン塩、アルキルエーテルサルフェート ·トリエタノールァ ミン塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルサルフェート 'トリエタノールアミン塩、特 殊変成ポリエーテルエステル酸のアミン塩、高級脂肪酸誘導体のアミン塩、特殊変成 ポリエステル酸のアミン塩、高分子量ポリエーテルエステル酸のアミン塩、特殊変成 燐酸エステルのアミン塩、高分子量ポリエステル酸アミドアミン塩、特殊脂肪酸誘導 体のアミドアミン塩、高級脂肪酸のアルキルアミン塩、高分子量ポリカルボン酸のアミ ドアミン塩、ラウリン酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、ォレイン酸ナトリウムラウリル 硫酸エステルナトリウム塩、セチル硫酸エステルナトリウム塩、ステアリル硫酸エステ ルナトリウム塩、ォレイル硫酸エステルナトリウム塩、ラウリルエーテル硫酸エステル塩 、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、油溶性アルキルベンゼンスルホン酸塩、 α ーォレフインスルホン酸塩、高級アルコールリン酸モノエステルジナトリウム塩、高級 アルコールリン酸ジエステルジナトリウム塩、ジアルキルジチォリン酸亜鉛等のァ-ォ ン界面活性剤、ベンジルジメチル { 2— [2—(Ρ— 1, 1, 3, 3—テトラメチルブチルフエ ノォキシ)エトォキシ]ェチル }アンモ -ゥムクロライド、ォクタデシルァミン酢酸塩、テト ラデシルァミン酢酸塩、ォクタデシルトリメチルアンモ -ゥムクロライド、牛脂トリメチル アンモ-ゥムクロライド、ドデシルトリメチルアンモ -ゥムクロライド、ヤシトリメチルアン モ -ゥムクロライド、へキサデシルトリメチルアンモ -ゥムクロライド、ベへ-ルトリメチル アンモ-ゥムクロライド、ヤシジメチルベンジルアンモ -ゥムクロライド、テトラデシルジ メチルベンジルアンモ -ゥムクロライド、ォクタデシルジメチルベンジルアンモ-ゥムク
口ライド、ジォレイルジメチルアンモ -ゥムクロライド、 1—ヒドロキシェチル- 2-牛脂イミ ダゾリン 4級塩、 2—へプタデセ-ルーヒドロキシェチルイミダゾリン、ステアラミドエチ ルジェチルァミン酢酸塩、ステアラミドエチルジェチルァミン塩酸塩、トリエタノールァ ミンモノステアレートギ酸塩、アルキルピリジゥム塩、高級アルキルアミンエチレンォキ サイド付加物、ポリアクリルアミドアミン塩、変成ポリアクリルアミドアミン塩、パーフルォ 口アルキル第 4級アンモ-ゥムヨウ化物等のカチオン界面活性剤、および
ジメチルヤシべタイン、ジメチルラウリルべタイン、ラウリルアミノエチルダリシンナトリウ ム、ラウリルアミノプロピオン酸ナトリウム、ステアリルジメチルベタイン、ラウリルジヒドロ キシェチルベタイン、アミドべタイン、イミダゾリ-ゥムベタイン、レシチン、 3— [ ω -フ ルォロアクカノィルー Ν -ェチルァミノ] -1-プロパンスルホン酸ナトリゥム、 Ν— [3- (パ 一フルォロオクタンスルホンアミド)プロピル]- Ν, Ν—ジメチル- Ν-カルボキシメチレン アンモ-ゥムベタイン等の両性界面活性剤、およびヤシ脂肪酸ジエタノールアミド(1 : 2型)、ヤシ脂肪酸ジエタノールアミド(1: 1型)、牛脂肪酸ジエタノールアミド(1: 2型 )、牛脂肪酸ジエタノールアミド(1: 1型)、ォレイン酸ジエタノールアミド(1: 1型)、ヒド ロキシェチルラウリルァミン、ポリエチレングリコールラウリルァミン、ポリエチレングリコ ールヤシァミン、ポリエチレングリコールステアリルァミン、ポリエチレングリコール牛脂 ァミン、ポリエチレングリコール牛脂プロピレンジァミン、ポリエチレングリコールジォレ ィルァミン、ジメチルラウリルアミンオキサイド、ジメチルステアリルアミンオキサイド、ジ ヒドロキシェチルラウリルアミンオキサイド、パーフルォロアルキルアミンオキサイド、ポ リビュルピロリドン、高級アルコールエチレンオキサイド付カ卩物、アルキルフエノール エチレンオキサイド付加物、脂肪酸エチレンオキサイド付加物、ポリプロピレングリコ ールエチレンオキサイド付加物、グリセリンの脂肪酸エステル、ペンタエリスリットの脂 肪酸エステル、ソルビットの脂肪酸エステル、ソルビタンの脂肪酸エステル、砂糖の脂 肪酸エステル、等の非イオン界面活性剤、およびラウリルアミノプロピオン酸ナトリウム 、ステアリルジメチルベタイン、ラウリルジヒドロキシェチルベタイン等の両性界面活性 剤などを挙げることができる。これらは 1種単独で使用しても、 2種類以上を組み合わ せて用いることもできる。これらのなかでも、好ましくは、塩基性基を有する界面活性 剤であり、より好ましくはァ-オン性もしくは、カチオン性の界面活性剤であり、さらに
好ましくは、分子量 5千〜 3万の界面活性剤である。
[0090] 電極ペーストに上記の分散剤を添加すると、保存安定性および流動性に優れ、塗 ェ時の生産性が向上する。 本発明に係る電極ペーストでは、必要に応じてさらに触媒が担持されていない炭素 繊維を添加することができる。
[0091] 本発明で必要に応じて用いられる炭素繊維しては、レーヨン系炭素繊維、 PAN系 炭素繊維、リグニンポパー系炭素繊維、ピッチ系炭素繊維、気相成長炭素繊維等を 用いることができ、好ましくは、気相成長炭素繊維である。
電極ペーストに炭素繊維を添加すると、電極中の細孔容積が増加することにより、 燃料ガスや酸素ガスの拡散性が向上し、また、生成する水によるフラッディング等を 改善でき、発電性能が向上する。
[0092] その他の添加物
本発明に係る電極ペーストでは、必要に応じてさらに他の成分を添加することがで きる。例えば、フッ素系ポリマーやシリコン系ポリマーなどの撥水剤を添加してもよい。 撥水剤は生成する水を効率よく排出する効果をもち、発電性能の向上に寄与する。 鍵
本発明に係るペースト中の触媒粒子の使用割合は、重量比で 1重量%〜20重量 %、好ましくは 3重量%〜15重量%であることが望ましい。また、電極電解質の使用 割合は、重量比で 0. 5重量%〜30重量%、好ましくは 1重量%〜15重量%であるこ とが望ましい。さらに、溶剤の使用割合は、重量比で 5重量%〜95重量%、好ましく は 15重量%〜90重量%であることが望ましい。
[0093] 必要に応じて用いられる分散剤の使用割合は、重量比で 0重量%〜10重量%、好 ましくは 0重量%〜2重量%であり、必要に応じて用いられる炭素繊維の使用割合は 、重量比で 0重量%〜20重量%、好ましくは 1重量%〜10重量%である。(なお、合 計で 100重量%を超えることはない)
触媒粒子の使用割合が、上記範囲未満であると、電極反応率が低下することがあ る。また、上記範囲より大きいと、電極ペーストの粘度が増加し、塗工時に塗りむらが
発生することがある。
[0094] 電解質の使用割合が、上記範囲未満であると、プロトン伝導度が低下する。さらに、 ノ インダーとしての役割を果たせなくなり、電極を形成できない。また、上記範囲より 大きいと、電極中の細孔容積が減少する。
溶剤の使用割合が、上記範囲内にあると、発電に必要な電極中の細孔容積が十 分確保できる。また上記範囲にあれば、ペーストとしてのハンドリングに好適である。
[0095] 分散剤の使用割合が、上記範囲内にあると保存安定性に優れた電極ペーストが得 られる。炭素繊維の使用割合が、上記範囲未満であると、電極中の細孔容積の増加 効果が低い。また、上記範囲より大きいと、電極反応率が低下することがある。
ペーストの調製
本発明に係る電極ペーストは、例えば上記各成分を所定の割合で混合し、従来公 知の方法で混練することにより調製することができる。
[0096] 各成分の混合順序は特に限定されないが、例えば全ての成分を混合して一定時 間攪拌を行うか、分散剤以外の成分を混合して一定時間攪拌を行った後、必要に応 じて分散剤を添加して一定時間攪拌を行うことが好ましい。また、必要に応じて、溶 媒の量を調整して、ペーストの粘度を調整してもよい。
(電極および触媒付電解質膜)
以上のような本発明に係る電極ペーストを、転写基材上に塗布し、溶媒を除去する と本発明の電極が得られる。
[0097] 転写基材としては、ポリテトラフルォロエチレン (PTFE)などのフッ素系ポリマーから なるシート、または表面を離型剤処理したガラス板や金属板、ポリエチレンテレフタレ ート(PET)のシートなども用いることができる。
塗布方法としては、刷毛塗り、筆塗り、バーコ一ター塗布、ナイフコーター塗布、ドク ターブレード法、スクリーン印刷、スプレー塗布などがある。転写基材上に塗布された 電極を、乾燥して溶媒を除去したのち、固体高分子電解質膜の両面に転写させると
、本発明の触媒付電解質膜が得られる。
[0098] 本発明の触媒付電解質膜に用いられる、固体高分子電解質膜は、プロトン伝導性 の固体高分子膜であれば、特に限定されない。たとえば、 Nafion (DuPont社製)、 Fie
mion (旭硝子製)、 Aciplex (旭化成製)などのパーフルォロアルキルスルホン酸ポリマ 一からなる電解質膜、パーフルォロアルキルスルホン酸ポリマーに、ポリテトラフルォ 口エチレンの繊維や多孔質膜と複合ィ匕した補強型電解質膜、ポリテトラフルォロェチ レングラフトスルホン化ポリスチレンなどの部分フッ素化スルホン化ポリマーからなる 電解質膜、スルホン化ポリアリーレン、スルホン化ポリフエ-レン、スルホン化ポリエー テルケトン、スルホン化ポリエーテルスルホン、スルホン化ポリエーテル-トリル、スル ホン化ポリフエ-レンエーテル、スルホン化ポリフエ-レンスルフイド、スルホン化ポリ ベンズイミダゾール、スルホン化ポリべンズォキサゾール、スルホン化ポリべンズチア ゾールなどの芳香族スルホンィ匕ポリマーからなる電解質膜、スルホンィ匕ポリスチレン、 スルホン酸含有アクリル系ポリマーなどの脂肪族スルホンィ匕ポリマーからなる電解質 膜、これらを多孔質膜と複合ィ匕した細孔フィリング型電解質膜、ポリベンズォキサゾー ル、ポリべンズイミダゾール、ポリべンズチアゾールなどのポリマーにリン酸、硫酸など を含浸させた酸含浸型ポリマーからなる電解質膜、などがあげられる。これらのうち、 芳香族スルホンィ匕ポリマー力もなる電解質膜が好ましい。
[0099] また、上記電極用電解質を構成する重合体を固体高分子電解質膜として使用する こともできる。電極を固体高分子電解質膜に転写するには、ホットプレス法を用いるこ とができる。ホットプレス法では、カーボンペーパーまたは離型シートに前記電極べ 一ストを塗布したもものの、電極ペースト塗布面と電解質膜とを圧着する方法である。 ホットプレスは、通常、 50〜250°Cの温度範囲で、 1分〜 180分の時間、 10〜500k gZcm2の圧力をかけて行う。
[0100] 本発明の触媒付電解質膜を得るための別の方法として、触媒層と電解質膜とを段 階的に塗布、乾燥を繰り返す方法がある。塗布や乾燥の順序に特に制限はない。 例えば、 PETフィルム等の基材上に、電解質膜の溶液を塗布し乾燥して、電解質膜 を作成した後、この上に本発明の電極ペーストを塗布する。次に基材をはがして、もう 一方の面に電極ペーストを塗布する。最後に溶媒を除去すると触媒付電解質膜が得 られる。塗布方法は上記と同様の方法をあげることができる。
[0101] 溶媒の除去は、乾燥温度 20°C〜180°C、好ましくは 50°C〜160°C、乾燥時間 5分 〜600分、好ましくは 30分〜 400分で行う。必要に応じて、電解質膜を水浸漬して、
溶媒を除去してもよい。水温は 5°C〜120°C、好ましくは 15°C〜95°C、水浸漬時間 は 1分〜 72時間、好ましくは 5分〜 48時間である。
また上記の方法とは逆に、先に基材に電極ペーストを塗布し、電極層を形成したあ とに、電解質膜の溶液を塗布して、電解質膜を作成し、次にもう一方の触媒層を塗布 し、乾燥して触媒付電解質膜としてもよい。
[0102] 電極層の厚さは、特に制限されるものではないものの、触媒として担持された金属 力 単位面積あたり、 0. 05〜4. OmgZcm2、好ましくは 0. 1〜2. OmgZcm2の範 囲にあることが望ましい。この範囲にあれば、十分に高い触媒活性が発揮され、また 効率的にプロトンを伝導することができる。
電極層の細孔容積は、 0. 05〜3. OmlZg、好ましくは 0. 1〜2. OmlZgの範囲に あることが望ましい。なお電極層の細孔容積は、水銀圧入法、ガス吸着法などの方法 により測定される。
[0103] 電解質膜の厚さとしては、特に制限されるものではないが、厚くなると発電効率が低 下したり軽量ィ匕が困難となったりするので、 10〜200 μ m程度の厚さであればよいが 、この限りではない。
[実施例]
以下、実施例に基づいて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれら実 施例に限定されるものではない。なお実施例における各種の測定項目は、下記のよ うにして求めた。
(分子量)
重合体の分子量は、 GPCによって、ポリスチレン換算の重量平均分子量を求めた。 溶媒として臭化リチウムを添加した、 N—メチル -2-ピロリドンを用 V、た。
(イオン交換容量)
得られたスルホン化ポリマーの水洗水が pH4〜6になるまで洗浄して、フリーの残存 している酸を除去後、十分に洗浄し、乾燥後、所定量を秤量し、 THFZ水の混合溶 剤に溶解し、フエノールフタレインを指示薬とし、 NaOHの標準液にて滴定し、中和 点からイオン交換容量を求めた。
(比抵抗の測定)
得られた重合体を、キャスティング法により製膜し、膜厚約 50 mの膜を試料とした
[0104] 交流抵抗は、 5mm幅の短冊状の試料膜の表面に、白金線 (f=0. 5mm)を押し当 て、恒温恒湿装置中に試料を保持し、白金線間の交流インピーダンス測定から求め た。すなわち、 85°C、相対湿度 90%の環境下で交流 10kHzにおけるインピーダンス を測定した。抵抗測定装置として、(株) NF回路設計ブロック製のケミカルインピーダ ンス測定システムを用い、恒温恒湿装置には、(株)ャマト科学製の JW241を使用し た。白金線は、 5mm間隔に 5本押し当てて、線間距離を 5〜20mmに変化させ、交 流抵抗を測定した。線間距離と抵抗の勾配から、膜の比抵抗を算出した。
[0105] 比抵抗 R ( Ω · cm) =0.5(cm) X膜厚 (cm) X抵抗線間勾配( Ω /cm)
[合成例 1] 2,5-ジクロロ- 4'-(1 イミダゾリル)ベンゾフエノンの合成
[0106] [化 23]
[0107] 攪拌機、温度計、冷却管、窒素導入管を取り付けた 2L三口フラスコに、 2,5-ジクロ 口- 4しフルォ口べンゾフエノン 150. 7g(0. 560mol)、イミダゾール 114. 4g(l. 68m ol)、炭酸カリウム 100. 6g(0. 728mol)、 Ν, Ν'—ジメチルァセ卜アミド 840mlを量り とった。反応溶液を、窒素雰囲気下オイルバスを用いて 110°Cで 2時間加熱した。薄 層クロマトグラフィーにより原料の消失を確認した後、反応液を室温まで放冷した。そ の後、反応液を 3Lの水に徐々に加え、生成物を凝固させ、ろ過した。ろ過により得ら れた生成物を THF(1. 2L)で溶かし、トルエン (4L)をカ卩えた後、水層が中性になるま で食塩水により洗浄した。有機層を硫酸マグネシウムにより乾燥させた後、エバポレ 一ターにより溶媒を留去した。粗収量 180gであった。
[0108] 80°Cに加熱したトルエン 1Lとメタノール 20mlの混合溶媒を用いて再結晶単離操 作を行い、白色固体 155gを収率 87%で得た。得られた化合物の1 H-NMR ^ベクトル を図 1に示す。
[合成例 2] 2,5-ジクロロ一 4'—(1—ピロリル)ベンゾフエノンの合成
[0109] [化 24]
[0110] 攪拌機、温度計、冷却管、窒素導入管を取り付けた 2L三口フラスコに、 2, 5—ジク ロロ - 4しフルォ口べンゾフエノン 134. 6g(0. 500mol)、ピロール 50. 3g(0. 750mo 1)、炭酸カリウム 76. 0g(0. 550mol)、脱水 Ν, Ν'—ジメチルァセ卜アミド 840mlを量 りとつた。反応溶液を、窒素雰囲気下オイルバスを用いて 100°Cで 3時間加熱した。 薄層クロマトグラフィーにより原料の消失を確認した後、反応液を室温まで放冷した。 その後、反応液を 3Lの水に徐々に加え、生成物を凝固させ、ろ過した。ろ過により得 られた生成物をトルエン 2. 5Lに溶解させた後、分液漏斗を用いて、水層が中性にな るまで食塩水により洗浄した。有機層を硫酸マグネシウムにより乾燥させた後、エバ ポレーターにより溶媒を留去した。粗収量 133. 3g。へキサン、酢酸ェチルの混合溶 媒を用いて再結晶単離操作を行い、 目的の精製物 125. 3g(0. 396mol)を収率 79 . 3%で得た。
[合成例 3] 2,5-ジクロロ- 4'-(2-ベンゾチアゾールチオキシ)ベンゾフエノンの合成 [0111] [化 25]
[0112] 攪拌機、温度計、冷却管、窒素導入管を取り付けた 3L三口フラスコに、 2, 5—ジク ロロ- 4'-フルォロベンゾフエノン 269. lg(l. OOmol)、 2—ベンゾチアゾールチオ一 ル 175. 6g(l. O5mol)、炭酸カリウム 152. Og(l. lOmol)、脱水 N, Ν'—ジメチルァ セトアミド 1. 5Lを量りとつた。反応溶液を、窒素雰囲気下オイルバスを用いて 110°C で 2時間加熱した。薄層クロマトグラフィーにより原料の消失を確認した後、反応液を 室温まで放冷した。その後、反応液を 3Lの水に徐々に加え、生成物を凝固させ、ろ
過した。ろ過により得られた生成物を、トルエン 4Lに溶解した。この有機層を食塩水 で中性になるまで洗浄した。有機層を硫酸マグネシウムにより乾燥させた後、エバポ レーターにより溶媒を留去した。粗収量 350. 3g。 80°Cに加熱したトルエン 1. 5Lを 用いて再結晶単離操作を行い、精製物 325. 4g(0. 782mol)、収率 78. 2%を得た
[重合例 1]
( 1 )含窒素複素環基含有スルホン化重合体 A— N 1の合成
2, 5—ジクロロ一 4'—フエノキシベンゾフエノン 185. 3g (540mmol)、 4, 4' —ジ クロ口べンゾフエノン 15. lg (60mmol)、合成例 2で得られた 2, 5—ジクロロ一 4,一( 1—ピロリル)ベンゾフエノン 7. lg (24mmol)、ヨウ化ナトリウム 11.7g (78mmol)、ビ ス(トリフエ-ルホスフィン)ニッケルジクロリド 11. 8g (18mmol)、トリフエ-ルホスフィ ン 63.0g (240mmol)、亜鉛 94. lg (l. 44mol)を冷却管、三方コックを取り付けた 三口フラスコに入れ、 70°Cのオイルバスにつけ、窒素置換後、窒素雰囲気下に N— メチルー 2—ピロリドン 1000mlを加え、反応を開始した。 20時間反応後、 N—メチル —2—ピロリドン 500mlで希釈し、 1: 10塩酸 Zメタノール溶液に重合反応液を注ぎ、 ポリマーを析出、洗浄後、ろ過、真空乾燥後、白色の粉末を得た。収量は、 148gで あった。また、重量平均分子量は、 154, 000であった。このポリマー 150gに対し、濃 硫酸 1500mlを加え室温で 24時間、攪拌しスルホンィ匕反応を行った。反応後、大量 の純水中に注ぎ、スルホン化ポリマーを析出させた。 pH7になるまでポリマーを純水 によって洗浄し、ろ過後、スルホンィ匕ポリマーを回収し、 90°Cで真空乾燥した。スル ホン化ポリマーの収量は 159gであった。このポリマーのイオン交換容量は 2. 3meq ん重量平均分子量は 185, 000であった。このようにして得られたポリマーは、構 造式 (A— N1)で表される。スルホン酸基を有する重合体を、ポリマー A—N1とする [化 26]
構造式 A— N
[0114] [重合例 2]
(1)疎水性ユニット Bの合成
攪拌機、温度計、 Dean-stark管、窒素導入管、冷却管をとりつけた 1Lの三ロフラス コに、 4, 4'—ジクロロジフエ-ルスルホン 29. 8g (104mmol)、 2, 2—ビス(4—ヒドロ キシフエ-ル)— 1, 1, 1, 3, 3, 3—へキサフルォロプロノ ン 37. 4g (l l lmmol)、 炭酸カリウム 20. 0g (145mmol)をは力りとつた。窒素置換後、スルホラン 168mL、ト ルェン 84mLをカ卩えて攪拌した。オイルノ スで反応液を 150°Cで加熱還流させた。 反応によって生成する水は Dean-stark管にトラップした。 3時間後、水の生成がほと んど認められなくなったところで、トルエンを Dean- stark管から系外に除去した。徐々 に反応温度を 200°Cに上げ、 5時間攪拌を続けた後、 4, 4'ージクロ口べンゾフエノン 7. 5g (30mmol)を加え、さらに 8時間反応させた。反応液を放冷後、トルエン 100m Lをカ卩えて希釈した。反応液に不溶の無機塩を濾過し、濾液をメタノール 2Lに注い で生成物を沈殿させた。沈殿した生成物を濾過、乾燥後、テトラヒドロフラン 250mL に溶解し、これをメタノール 2Lに注いで再沈殿させた。沈殿した白色粉末を濾過、乾 燥し、疎水性ユニット B56gを得た。 GPCで測定した数平均分子量 (Mn)は 10, 500 であった。得られた化合物は、式 (B— 1)で表される。
[0115] [化 27]
構造式 B— 1
■疎水性ユニット B
[0116] (2)含窒素複素環基含有スルホン化重合体 B— Nlの合成
攪拌機、温度計、窒素導入管をとりつけた 1Lの三口フラスコに、 3- (2, 5—ジクロ 口べンゾィル)ベンゼンスルホン酸ネオペンチル 141. 6g (338mmol)、上記で得ら れた MnlO, 500の疎水性ユニット B44. 5g (4. 2mmol)、合成例 1で得られた 2, 5 —ジクロ口一 4, - (1—イミダゾリル)ベンゾフエノン 5. 4g (16. 9mmol)、ビス(トリフエ -ルホスフィン)ニッケルジクロリド 6. 71g (10. 3mmol)、ヨウ化ナトリウム 1. 54g (10 . 3mmol)、トリフエ-ルホスフィン 35. 9g (137mmol)、亜鉛 53. 7g (820mmol)を は力りとり、乾燥窒素置換した。ここに Ν,Ν-ジメチルァセトアミド(DMAc) 430mLを 加え、反応温度を 80°Cに保持しながら 3時間攪拌を続けた後、 DMAc730mLをカロ えて希釈し、不溶物を濾過した。 得られた溶液を攪拌機、温度計、窒素導入管を取 り付けた 2Lの三口フラスコに入れ、 115°Cに加熱攪拌し、臭化リチウム 44g (506mm ol)を加えた。 7時間攪拌後、アセトン 5Lに注いで生成物を沈殿させた。ついで、 1N 塩酸、純水の順に洗浄後、乾燥して目的のスルホン化ポリマー 124gを得た。得られ た重合体の重量平均分子量(Mw)は 166, 000であった。得られた重合体は、式 (II )で表されるスルホンィ匕ポリマーと推定される。このポリマーのイオン交換容量は 2. 3 meqZgであった。このようにして得られたスルホン酸基を有する重合体は構造式 B —N1で表され、ポリマー B— N1とする。
[0117] [化 28]
構造式 B— N 1
[0118] [重合例 3]
(1)疎水性ユニット Cの合成
撹拌機、温度計、冷却管、 Dean-Stark管、窒素導入の三方コックを取り付けた 1Lの
三つ口のフラスコに、 2, 2 ビス(4 -ヒドロキシフエ-ル) 1,1,1,3,3,3 へキサフ ルォロプロパン 67. 3g (0. 20mol)、 4,4' ジクロロべンゾフエノン(4,4'— DCBP) 6 0. 3g (0. 24mol)、炭酸カリウム 71. 9g (0. 52mol)、 Ν,Ν ジメチルァセトアミド( DMAc) 300mL、トルエン 150mLをとり、オイルバス中、窒素雰囲気下で加熱し撹 拌下 130°Cで反応させた。反応により生成する水をトルエンと共沸させ、 Dean-Stark 管で系外に除去しながら反応させると、約 3時間で水の生成がほとんど認められなく なった。反応温度を 130°Cから徐々に 150°Cまで上げた。その後、反応温度を徐々 に 200°Cまで上げながら大部分のトルエンを除去し、 200°Cで 10時間反応を続けた 後、 4,4'— DCBP10. Og (0. 040mol)を加え、さらに 5時間反応した。得られた反 応液を放冷後、副生した無機化合物の沈殿物を濾過除去し、濾液を 4Lのメタノール 中に投入した。沈殿した生成物を濾別、回収し乾燥後、テトラヒドロフラン 300mLに 溶解した。これをメタノール 4Lに再沈殿し、目的の化合物 95g (収率 85%)を得た。
[0119] 得られた重合体の GPC (THF溶媒)で求めたポリスチレン換算の数平均分子量は 11, 200であった。得られたィ匕合物は構造式 C— 1で表されるオリゴマーであった。
[0120] [化 29] 構造式 C— 1
■· ·疎水性ユニット C
[0121] (2)含窒素複素環基含有スルホンィ匕重合体 C—N1の合成
乾燥した Ν,Ν ジメチルァセトアミド(DMAc) lOOmLを下記構造式 C— 2で表され る化合物モノマー C 27. 21g (38. 6mmol)と、(1)で合成した疎水性ユニット 16. 1 3g (l. 44mmol)、合成例 3で得られて亜 2, 5 ジクロロー 4'一(2 べンゾチアゾー ルチオキシ)ベンゾフエノン 0. 80g (l. 93mmol)、ビス(トリフエ-ルホスフィン) -ッ ケルジクロリド 0. 79g (l. 2mmol)、トリフエ-ルホスフィン 4. 20g (16. Ommol)、ョ ウイ匕ナトリウム 0. 18g (l. 20mmol)、亜 106. 28g (96. lmmol)の混合物中に蜜素 下でカ卩えた。
[0122] 反応系を撹拌下に加熱し (最終的には 79°Cまで加温)、 3時間反応させた。反応途 中で系中の粘度上昇が観察された。重合反応溶液を DMAc 425mLで希釈し、 30
分撹拌し、セライトを濾過助剤に用い、濾過した。
濾液の一部をメタノールに注ぎ、凝固させた。ネオペンチル基で保護されたスルホ ン酸誘導体からなる共重合体の GPCによる分子量は、 Mn= 57,500、 Mw= 175,3 00であった。
[0123] 前記濾液はエバポレーターで 344gまで濃縮し、濾液に臭化リチウム 10. lg (0. 11 6モル)を加え、内温 110°Cで 7時間、窒素雰囲気下で反応させた。反応後、室温ま で冷却し、アセトン 4Lに注ぎ、凝固した。凝固物を濾集、風乾後、ミキサーで粉砕し、 1N塩酸 1500mLで攪拌しながら洗浄を行った。濾過後、生成物は洗浄液の pHが 5 以上となるまで、イオン交換水で洗浄後、 80°Cで一晩乾燥し、目的のスルホンィ匕ポリ マー 23. Ogを得た。この脱保護後のスルホン化ポリマーの分子量は、 Mn=63, 00 0、 Mw= 194, 000であった。このポリマーのイオン交換容量は 2. Omeq/gであつ た。得られたスルホン酸基を有するポリマー Cは、構造式 Fで表される化合物(ポリマ 一 CN- 1)である。
[0124] [化 30] 構造式 C_ 2
[0125] [化 31] 構造式 C-N1
[重合例 4]
(1)疎水性ユニット Dの合成
撹拌機、温度計、冷却管、 Dean-Stark管、窒素導入の三方コックを取り付けた 1Lの
三つ口のフラスコに、 2, 6 ジクロロべンゾ-トリル 49. 4g (0. 29mol)、 2,2 ビス( 4 ヒドロキシフエ-ル)一 1, 1,1,3,3,3 へキサフルォロプロパン 88. 4g (0. 26mol )、炭酸カリウム 47. 3g (0. 34mol)をはかりとつた。窒素置換後、スルホラン 346ml、 トルエン 173mlをカ卩えて攪拌した。フラスコをオイルバスにつけ、 150°Cに加熱還流 させた。反応により生成する水をトルエンと共沸させ、 Dean-Stark管で系外に除去し ながら反応させると、約 3時間で水の生成がほとんど認められなくなった。反応温度を 徐々に上げながら大部分のトルエンを除去した後、 200°Cで 3時間反応を続けた。次 に、 2,6 ジクロロべンゾ-トリル 12. 3g (0. 072mol)を加え、さらに 5時間反応した
[0127] 得られた反応液を放冷後、トルエン 100mlを加えて希釈した。副生した無機化合物 の沈殿物を濾過除去し、濾液を 2Lのメタノール中に投入した。沈殿した生成物を濾 別、回収し乾燥後、テトラヒドロフラン 250mlに溶解した。これをメタノール 2Lに再沈 殿し、 目的の化合物 107gを得た。
得られた目的の化合物の GPC (THF溶媒)で求めたポリスチレン換算の数平均分 子量は 7, 300であった。得られた化合物は構造式 D— 1で表されるオリゴマーであつ た。
[0128] [化 32] 構造式 D— 1
…疎水性ュニッ卜 D
[0129] (2)含窒素複素環基含有スルホン化重合体 D— N 1の合成
乾燥した Ν,Ν ジメチルァセトアミド(DMAc) 540mLを、 3— (2, 5 ジクロロベン ゾィル)ベンゼンスルホン酸ネオペンチル 135. Og (336mmol)と、 (1)で合成した疎 水性ユニット D40. 7g (5. 6mmol)、合成例 2で得られた 2, 5 ジクロロー 4'一(1 イミダゾリル)ベンゾフエノン 6. 71g (16. 8mmol)、ビス(トリフエ-ルホスフィン) -ッ ケノレジクロリド 6. 71g (10. 3mmol)、トリフエ二ノレホスフィン 35. 9g (137mmol)、ョ ウイ匕ナトリウム 1. 54g (10. 3mmol)、亜鉛 53. 7g (821mmol)の混合物中に窒素
下でカ卩えた。
[0130] 反応系を撹拌下に加熱し (最終的には 79°Cまで加温)、 3時間反応させた。反応途 中で系中の粘度上昇が観察された。重合反応溶液を DMAc730mLで希釈し、 30 分撹拌し、セライトを濾過助剤に用い、濾過した。
濾液の一部をメタノールに注ぎ、凝固させた。ネオペンチル基で保護されたスルホ ン酸誘導体からなる共重合体の GPCによる分子量は、 Mn= 58, 000、 Mw= 135, 300であった。
[0131] 前記濾液をエバポレーターで濃縮し、濾液に臭化リチウム 43. 8g (505mmol)をカロ え、内温 110°Cで 7時間、窒素雰囲気下で反応させた。反応後、室温まで冷却し、ァ セトン 4Lに注ぎ、凝固した。凝固物を濾集、風乾後、ミキサーで粉砕し、 1N塩酸 150 OmLで攪拌しながら洗浄を行った。濾過後、生成物は洗浄液の pHが 5以上となるま で、イオン交換水で洗浄後、 80°Cでー晚乾燥し、目的のスルホンィ匕ポリマー 23. Og を得た。この脱保護後のスルホン化ポリマーの分子量は、 Mn=60, 000、 Mw= 17 5, 000であった。このポリマーのイオン交換容量は 2. 4meqZgであった。得られた スルホン酸基を有するポリマー D— N1は、構造式 D— 2で表される化合物である。
[0132] [化 33] 構造式 D— 2
[比較重合例 1]
スルホン化重合体 RAの合成
2, 5—ジクロロ一 4'—フエノキシベンゾフエノン 185.3g (540mmol)、4, 4' —ジ クロ口べンゾフエノン 15.1g (60mmol)、ヨウ化ナトリウム 11.7g (78mmol)、ビス(トリ フエ-ルホスフィン)ニッケルジクロリド 11.8g (18mmol)、トリフエ-ルホスフィン 63.0 g (240mmol)、亜鉛 94.1g (1.44mol)を冷却管、三方コックを取り付けた三ロフラス
コに入れ、 70°Cのオイルノ スにつけ、窒素置換後、窒素雰囲気下に N—メチルー 2 ピロリドン 1000mlをカ卩え、反応を開始した。 20時間反応後、 N—メチルー 2 ピロ リドン 500mlで希釈し、重量比 1Z10の塩酸 Zメタノール溶液に重合反応液を注ぎ、 ポリマーを析出、洗浄後、ろ過、真空乾燥後、白色の粉末を得た。収量は、 153gで あった。また、重量平均分子量は、 159, 000であった。このポリマー 150gに対し、濃 硫酸 1500mlを加え室温で 24時間、攪拌しスルホンィ匕反応を行った。反応後、大量 の純水中に注ぎ、スルホン化ポリマーを析出させた。 pH7になるまでポリマーを純水 によって洗浄し、ろ過後、スルホンィ匕ポリマーを回収し、 90°Cで真空乾燥した。スル ホン化ポリマーの収量は 179gであった。このポリマーのイオン交換容量は 2. 3meq ん重量平均分子量は 183000であった。このようにして得られたポリマーは、構造 式 (E)で表される。スルホン酸基を有する重合体を、ポリマー RAとする。
[0134] [化 34]
構造式 E
[0135] [比較重合例 2]
スルホン化重合体 RBの合成
攪拌機、温度計、窒素導入管をとりつけた 1Lの三口フラスコに、 3- (2, 5 ジクロ 口べンゾィル)ベンゼンスルホン酸ネオペンチル 141. 5g (337mmol)、 [実施例 2] ( 1)で得られた MnlO, 500の疎水性ユニット B48. 5g (4. 6mmol)、ビス(トリフエ- ルホスフィン)ニッケルジクロリド 6. 71g (10. 3mmol)、ヨウ化ナトリウム 1. 54g (10. 3mmol)、トリフエ-ルホスフィン 35. 9g (137mmol)、亜鉛 53. 7g (821mmol)をは 力りとり、乾燥窒素置換した。ここに Ν,Ν-ジメチルァセトアミド(DMAc) 430mLをカロ え、反応温度を 80°Cに保持しながら 3時間攪拌を続けた後、 DMAc730mLをカロえ て希釈し、不溶物を濾過した。
[0136] 得られた溶液を攪拌機、温度計、窒素導入管を取り付けた 2Lの三口フラスコに入 れ、 115°Cに加熱攪拌し、臭化リチウム 44g (506mmol)を加えた。 7時間攪拌後、ァ セトン 5Lに注いで生成物を沈殿させた。ついで、 1N塩酸、純水の順に洗浄後、乾燥 して目的のスルホンィ匕ポリマー 124gを得た。得られた重合体の重量平均分子量 (M w)は 170, 000であった。得られた重合体は、式(Π)で表されるスルホン化ポリマー と推定される。このポリマーのイオン交換容量は 2. 3meqZgであった。このようにし て得られたスルホン酸基を有する重合体は構造式 Fで表され、ポリマー RBとする。
[0137] [化 35]
構造式 F
[0138] [比較重合例 3]
スルホン化重合体 RCの合成
乾燥した Ν,Ν—ジメチルァセトアミド(DMAc) lOOmLを上記構造式 C— 2で表され る化合物モノマー C 27. 18g (38. 5mmol)と、 [重合例 3] (1)で合成した疎水性ュ ニット 16. 58g (l. 48mmol)、ビス(トリフエ-ルホスフィン)ニッケルジクロリド 0. 79g (1. 2mmol)、トリフエ-ルホスフィン 4. 20g (16. Ommol)、ョウイ匕ナトリウム 0. 18g ( 1. 20mmol)、亜鉛 6. 28g (96. lmmol)の混合物中に窒素下で加えた。
[0139] 反応系を撹拌下に加熱し (最終的には 79°Cまで加温)、 3時間反応させた。反応途 中で系中の粘度上昇が観察された。重合反応溶液を DMAc 425mLで希釈し、 30 分撹拌し、セライトを濾過助剤に用い、濾過した。
濾液の一部をメタノールに注ぎ、凝固させた。ネオペンチル基で保護されたスルホ ン酸誘導体からなる共重合体の GPCによる分子量は、 Mn= 59,400、 Mw= 178,3 00であった。
[0140] 前記濾液はエバポレーターで 344gまで濃縮し、濾液に臭化リチウム 10. Og (0. 11
6mol)を加え、内温 110°Cで 7時間、窒素雰囲気下で反応させた。反応後、室温ま で冷却し、アセトン 4Lに注ぎ、凝固した。凝固物を濾集、風乾後、ミキサーで粉砕し、 1N塩酸 1500mLで攪拌しながら洗浄を行った。濾過後、生成物は洗浄液の pHが 5 以上となるまで、イオン交換水で洗浄し 80°Cでー晚乾燥し、 目的のスルホンィ匕ポリマ 一 23. Ogを得た。この脱保護後のスルホン化ポリマーの分子量は、 Mn=65, 500、 Mw= 197, 000であった。た。このポリマーのイオン交換容量は 2. Omeq/gであつ た。得られたスルホン酸基を有するポリマー RCは、構造式 Gで表される化合物である
[0141] [化 36]
構造式 G
[0142] [比較重合例 4]
スルホン化重合体 RDの合成
攪拌機、温度計、窒素導入管をとりつけた 1Lの三口フラスコに、 3- (2, 5—ジクロ 口べンゾィル)ベンゼンスルホン酸ネオペンチル 134. 6g (336mmol)と、 [実施例 4] (1)で合成した疎水性ユニット D47. 4g (6. 5mmol)、ビス(トリフエ-ルホスフィン)二 ッケルジクロリド 6. 71g (10. 3mmol)、トリフエ-ルホスフィン 35. 9g (136mmol)、 ヨウィ匕ナトリウム 1. 54g (10. 3mmol)、亜 1053. 7g (820mmol)をは力りとつた。こ れに、乾燥した Ν,Ν—ジメチルァセトアミド(DMAc) 430mLを窒素下でカ卩えた。
[0143] 反応系を撹拌下に加熱し (最終的には 79°Cまで加温)、 3時間反応させた。反応途 中で系中の粘度上昇が観察された。重合反応溶液を DMAc 730mLで希釈し、 30 分撹拌し、セライトを濾過助剤に用い、濾過した。
濾液の一部をメタノールに注ぎ、凝固させた。ネオペンチル基で保護されたスルホ ン酸誘導体からなる共重合体の GPCによる分子量は、 Mn= 59,400、 Mw= 138,0
00であった。
[0144] 前記濾液はエバポレーターで濃縮し、これに臭化リチウム 44. Og (506mmol)を加 え、内温 110°Cで 7時間、窒素雰囲気下で反応させた。反応後、室温まで冷却し、ァ セトン 5Lに注ぎ、凝固した。凝固物を濾集、風乾後、ミキサーで粉砕し、 1N塩酸で攪 拌しながら洗浄を行った。濾過後、生成物は洗浄液の pHが 5以上となるまで、イオン 交換水で洗浄し 80°Cでー晚乾燥し、目的のスルホンィ匕ポリマー 122gを得た。この脱 保護後のスルホン化ポリマーの分子量は、 Mn=68, 000、 Mw= 140, 000であつ た。このポリマーのイオン交換容量は 2. 4meqZgであった。得られたスルホン酸基 を有するポリマー RDは、構造式 Hで表される化合物であった。
[0145] [化 37] 構造式 H
[0146] [実施例 1〜4、比較例 1〜4」
重合例 1〜4、比較例 1〜4で得られたスルホンィ匕ポリアリーレン (それぞれ、実施例 はポリマー A-N1、 B- Nl、 C-N1、 D-N1、比較例は、ポリマー RA,RB,RC,RD)を、重量 比でメタノール ZNMP = 50Z50の混合溶媒に 15重量%になるよう溶解して、電極 電解質のワニスを調製した。このワニス力 キャスト法により、膜厚 40 mのフィルム を作製した。得られたフィルムを用いて、電解質の比抵抗、耐熱性評価を行った。結 果を表 1に示す。
[0147] [表 1]
スルホン化 比抵抗 耐熱性試験
ポリマー種 ( Ω -cm) 不溶分 S(wt%)
実施例 1 A-N1 3. 6 0
実施例 2 B-N1 3. 0 0
実施例 3 C-N1 3. 0 0
実施例 4 D-N1 2. 9 0
比較例 1 RA 3. 6 80
比較例 2 RB 3. 1 35
比較例 3 RC 3. 0 1 5
比較例 4 RD 2. 9 1 8 表 1の結果から、塩基性基を導入しても比抵抗の大幅な低下は無ぐ優れたプロトン 伝導性を示した。また、塩基性基を導入したものは、優れた耐熱性を示した。
[実施例 5]
[ペースト A— N1の調製]
50mlのガラス瓶に直径 10mmのジルコ-ァボール(商品名: YTZボール、株式会 社ニツカトー製) 25gを入れ、白金担持カーボン粒子 (Pt: 46重量%担持、(田中貴 金属工業株式会社製: TEC10E50E) 1. 51g、蒸留水 0. 88g、スルホン化ポリアリー レン A— N1の 15%水— 1, 2—ジメトキシェタン溶液(重量比 10 : 90) 3. 23g、 1, 2 —ジメトキシェタン 13. 97gを加え、ウェーブローターで 60分間攪拌し、粘度 50cp ( 25°C)のペースト A— N1を得た。
〔ガス拡散層の作製〕
カーボンブラックとポリテトラフルォロエチレン(PTFE)粒子とを、カーボンブラック: PTFE粒子 =4: 6の重量比で混合し、得られた混合物をエチレングリコールに均一 に分散させたスラリーをカーボンペーパーの片面に塗布し、乾燥させて下地層とし、 該下地層とカーボンペーパーとからなる拡散層 3を二つ作製した。
[ガス拡散電極の作製]
上記で作製した拡散層上に、ペースト A—N1を白金塗布量が 0. 5mgZcm2にな
るようにドクターブレードを用いて塗布した。これを 95°Cで 10分間加熱乾燥し、ガス 拡散電極層を形成させた。
[膜—電極接合体の作製]
実施例 4で作製したポリマー D—N1からなる電解質膜 (膜厚 40 /z m)の電解質膜 を 1枚用意し、上記で作製した一対のガス拡散電極層で挟み、圧力 lOOkg/cm2下 で、 160°C X 15minの条件でホットプレス成形して、膜—電極接合体を作成した。 〔発電評価〕
上記で得た膜一電極接合体の両側にガス流路を兼ねるセパレータを積層すること により、固体高分子型燃料電池を構成させた。これを単セルとして、一方を酸素極と して空気を供給し、一方は燃料極として純水素を供給して発電させた。発電条件は、 セル温度 95°C、空気極側相対湿度 75%、空気極側流量 4LZmin、燃料極側相対 湿度 40%、燃料極側流量 lLZminで初期発電特性評価を行った。電流密度 1. OA /cm2時の出力電圧を表 2に示す。初期特性評価後、セル温度 95°C、空気極側相 対湿度 75%、空気極側流量 0. 2LZmin、燃料極側相対湿度 40%、燃料極側流量 0. 6LZminで、電流密度を 0. lAZcm2に保持し、 500時間連続発電を行った。 5 00時間後、初期発電特性評価条件と同条件で、電流密度 1. OAZcm2時の出力電 圧を測定した。測定結果を表 2に示す。
[実施例 6]
[ペースト B— N1の調製]
実施例 5内のスルホンィ匕ポリアリーレンを A—N1から B—N1に置き換えたこと以外 は、全て実施例 5と同様にして調製作業を行い、粘度 55cp (25°C)の電極ペースト B — N1を得た。
[ガス拡散電極の作製]
実施例 5と同様に作製した拡散層上に、ペースト B—N1を白金塗布量が 0. 5mg/ cm2になるようにドクターブレードを用いて塗布した。これを 95°Cで 10分間加熱乾燥 し、ガス拡散電極層を形成させた。
[膜—電極接合体の作製]
実施例 4で作製したポリマー D—N1からなる電解質膜 (膜厚 40 /z m)の電解質膜
を 1枚用意し、上記で作製した一対のガス拡散電極層で挟み、圧力 lOOkg/cm2下 で、 160°C X 15minの条件でホットプレス成形して、膜—電極接合体を作成した。
[発電評価〕
実施例 5と同様に発電評価を実施した。結果を表 2に示す。
[実施例 7]
[ペースト C N1の調製]
実施例 5内のスルホンィ匕ポリアリーレンを A—N1から C—N1に置き換えたこと以外 は、全て実施例 5と同様にして調製作業を行い、粘度 53cp (25°C)の電極ペースト C — N1を得た。
[ガス拡散電極の作製]
実施例 5と同様に作製した拡散層上に、ペースト C—N1を白金塗布量が 0. 5mg Zcm2になるようにドクターブレードを用いて塗布した。これを 95°Cで 10分間加熱乾 燥し、ガス拡散電極層を形成させた。
[膜—電極接合体の作製]
実施例 4で作製したポリマー D—N1からなる電解質膜 (膜厚 40 /z m)の電解質膜 を 1枚用意し、上記で作製した一対のガス拡散電極層で挟み、圧力 lOOkg/cm2下 で、 160°C X 15minの条件でホットプレス成形して、膜—電極接合体を作成した。
[発電評価〕
実施例 5と同様に発電評価を実施した
[実施例 8]
[電極ペースト D— N1の調製]
実施例 5内のスルホン化ポリアリーレンを A—N1から D—N1に置き換えたこと以外 は、全て実施例 5と同様にして調製作業を行い、粘度 53cp (25°C)の電極ペースト D — N1を得た。
[膜—電極接合体の作製]
比較例 4で作製したポリマー RD力もなる電解質膜 (膜厚 40 μ m)の電解質膜を 1枚 用意し、上記で作製した電極ペースト D—N1を片面に白金塗布量が 0. 5mg/cm2 になるようにドクターブレードを用いて塗布した。これを 95°Cで 10分加熱乾燥した後
、もう一方の面に同様にして電極ペースト D— Nlを塗布、乾燥した。この両側に、実 施例 5と同様に作製したガス拡散層で挟み、圧力 lOOkgZcm2下で、 160°C X 15mi nの条件でホットプレス成形して、膜—電極接合体を作成した。
[発電評価〕
実施例 5と同様に発電評価を実施した
[比較例 5]
[ペースト RAの調製]
50mlのガラス瓶に直径 10mmのジルコ-ァボール(商品名: YTZボール、株式会 社ニツカトー製) 25gを入れ、白金担持カーボン粒子 (Pt: 46重量%担持、(田中貴 金属工業株式会社製: TEC10E50E) 1. 51g、蒸留水 0. 88g、スルホン化ポリアリー レン RAの 15%水—1, 2ジメトキシェタン溶液(重量比 10 : 90) 3. 23g、 1, 2—ジメト キシェタン 13. 97gを加え、ウェーブローターで 60分間攪拌し、粘度 50cp (25°C)の ペースト RAを得た。
〔ガス拡散層の作製〕実施例 5と同様に作製した。
[ガス拡散電極の作製]実施例 5と同様に作製した。
[膜—電極接合体の作製]
比較例 4で作製したスルホンィ匕ポリアリーレン RD力もなる電解質膜 (膜厚 40 μ m) の電解質膜を 1枚用意し、上記で作製した一対のガス拡散電極層で挟み、圧力 100 kgZcm2下で、 160°C X 15minの条件でホットプレス成形して、膜—電極接合体を 作製した。
〔発電評価〕
実施例 5と同様に発電評価を行った。結果を表 2に示す。
[比較例 6]
[ペースト RBの調製]
比較例 5内のスルホン化ポリアリーレンを RA力 RBに置き換えたこと以外は、全て 比較例 5と同様にして調製作業を行い、粘度 53cp (25°C)の電極ペースト RBを得た
〔ガス拡散層の作製〕実施例 5と同様に作製した。
[ガス拡散電極の作製]実施例 5と同様に作製した。
[膜—電極接合体の作製]
比較例 4で作製したスルホンィ匕ポリアリーレン RD力もなる電解質膜 (膜厚 40 μ m) の電解質膜を 1枚用意し、上記で作製した一対のガス拡散電極層で挟み、圧力 100 kgZcm2下で、 160°C X 15minの条件でホットプレス成形して、膜—電極接合体を 作製した。
〔発電評価〕
実施例 5と同様に発電評価を行った。結果を表 2に示す。
[比較例 7]
[ペースト RCの調製]
比較例 5内のスルホン化ポリアリーレンを RA力 RCに置き換えたこと以外は、全て 比較例 5と同様にして調製作業を行い、粘度 48cp (25°C)の電極ペースト RCを得た
〔ガス拡散層の作製〕実施例 5と同様に作製した。
[ガス拡散電極の作製]実施例 5と同様に作製した。
[膜—電極接合体の作製]
比較例 4で作製したスルホンィ匕ポリアリーレン RD力もなる電解質膜 (膜厚 40 μ m) の電解質膜を 1枚用意し、上記で作製した一対のガス拡散電極層で挟み、圧力 100 kgZcm2下で、 160°C X 15minの条件でホットプレス成形して、膜—電極接合体を 作製した。
〔発電評価〕
実施例 5と同様に発電評価を行った。結果を表 2に示す。
[比較例 8]
[ペースト RDの調製]
比較例 5内のスルホン化ポリアリーレンを RA力 RDに置き換えたこと以外は、全て 比較例 5と同様にして調製作業を行い、粘度 49cp (25°C)の電極ペースト RDを得た
〔ガス拡散層の作製〕比較例 5と同じものを用いる。
[膜—電極接合体の作製]
比較例 4で作製したスルホンィ匕ポリアリーレン RD力もなる電解質膜 (膜厚 40 μ m) の電解質膜を 1枚用意し、上記で作製した電極ペースト RDを片面に白金塗布量が 0 . 5mg/cm2になるようにドクターブレードを用いて塗布した。これを 95°Cで 10分力口 熱乾燥した後、もう一方の面に同様にして電極ペースト RDを塗布、乾燥した。この両 側に、実施例 5と同様に作製したガス拡散層で挟み、圧力 lOOkgZcm2下で、 160 °C X 15minの条件でホットプレス成形して、膜—電極接合体を作成した。
〔発電評価〕
実施例 5と同様に発電評価を行った。結果を表 2に示す。
[比較例 9]
[ペースト REの調製]
50mlのガラス瓶に直径 10mmのジルコ-ァボール(商品名: YTZボール、株式会 社ニツカトー製) 25gを入れ、白金担持カーボン粒子 (Pt: 46重量%担持、(田中貴金 属工業株式会社製: TEC10E50E) 1. 51g、蒸留水 0. 88g、 DoPont社製の 20重量 %の Nafion溶液 2. 42g、ノルマルプロピルアルコール 14. 78gを加え、ウェーブ口 一ターで 60分間攪拌し、粘度 47cp (25°C)のペースト REを得た。
〔ガス拡散層の作製〕実施例 5と同様に作製した。
[ガス拡散電極の作製]実施例 5と同様に作製した。
[膜—電極接合体の作製]
比較例 4で作製したスルホンィ匕ポリアリーレン RD力もなる電解質膜 (膜厚 40 μ m) の電解質膜を 1枚用意し、上記で作製した一対のガス拡散電極層で挟み、圧力 100 kgZcm2下で、 160°C X 15minの条件でホットプレス成形して、膜—電極接合体を 作製した。
〔発電評価〕
実施例 5と同様に発電評価を行った。結果を表 2に示す。
[表 2]
スルホン ί匕 膜スルホン化 セル ¾HV@1.0A/cm2)
ホ。リマ-種 ホ。リマ-種 Oh 500
Α-Ν1 D-N1 0.55 0.53
Β-Ν1 D-N1 0.54 0.50
C-N1 D-N1 0.52 0.49
D-N1 RD 0.53 0.45
比翻 5 RA RD 0.52 0.28
比翻 6 RB RD 0.53 0.23
比翻 7 RC RD 0.51 0.19
比糊 8 RD RD 0.52 0.20
比翻 Θ Nafion RE 0.53 0.18 表 2の結果より、含窒素複素環式芳香族基を有するスルホンィ匕ポリアリーレンらなる 電極電解質を含む固体高分子型燃料電池は、含窒素複素環式芳香族基を含まな いものに比べ高温長期発電下でも安定した出力を維持、発現できる。