JP2009245738A - 固体高分子型燃料電池用電極電解質およびそれを用いた電極ワニス、電極ペースト、膜−電極接合体 - Google Patents

固体高分子型燃料電池用電極電解質およびそれを用いた電極ワニス、電極ペースト、膜−電極接合体 Download PDF

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敬 岡田
Shintaro Fujitomi
晋太郎 藤冨
Yoshitaka Yamakawa
芳孝 山川
Kohei Goto
幸平 後藤
Shigeo Nakagawa
薫生 中川
Takaki Nakagawa
尊基 中川
Ryuhei Ishimaru
竜平 石丸
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Abstract

【課題】プロトン伝導性や寸法安定性、機械的特性に優れ、かつ、MEA作製時の加工適性が付与された固体高分子型燃料電池用電極電解質を提供する。
【解決手段】MEAの靭性、機械的強度、加工性の向上に寄与する屈曲性のメタ結合を含む構成単位(A)、重合体の溶解性、加工性の向上に寄与するフッ素を含有する構成単位(B)、スルホン酸基を含む構成単位(C)を有するポリアリーレン共重合体からなる固体高分子型燃料電池用電極電解質。
Figure 2009245738

【選択図】なし

Description

本発明は、特定の構成単位を有するポリアリーレンを含む固体高分子型燃料電池用電極電解質、該電解質を含む電極ワニス、電極ペースト、該電極ペーストから形成される固体高分子型燃料電池用電極および該電極を有する膜−電極接合体に関する。
固体高分子型燃料電池は、高出力密度が得られ、低温で作動可能であることから小型軽量化が可能であり、自動車用動力源、定置用発電電源、携帯機器用発電電源などとして実用化が期待されている。
固体高分子型燃料電池はプロトン伝導性の固体高分子電解質膜の両面に一対の電極を設け、純水素あるいは改質水素を燃料ガスとして一方の電極(燃料極)へ供給し、酸素ガスあるいは空気を酸化剤としてもう一方の電極(空気極)へ供給し、発電を行うものである。
かかる燃料電池の電極は触媒成分が分散した電極電解質から構成され(このため電極は
、電極触媒層ということもある)、燃料極側の電極触媒層は、燃料ガスからプロトンと電
子を発生させ、空気極側の電極触媒層で酸素とプロトンと電子とから水を生成し、固体高分子電解質膜はプロトンをイオン伝導させる。そして、かかる電極触媒層を通して電力が取り出される。
また、かかる燃料電池では、従来、電極触媒層の電解質としてプロトン伝導膜と同様にNafion(商標)に代表されるパーフルオロアルキルスルホン酸系高分子が使用されてきた。この材料は優れたプロトン伝導性を有しているが、非常に高価であり、また分子内にフッ素原子を大量に有していることから、燃焼性が小さく、電極触媒に用いられる白金などの高価な貴金属の回収再利用を非常に困難にしている問題がある。
一方これにかわる材料として、種々の非パーフルオロアルキルスルホン酸系高分子の検討も行われている。特に発電効率の高い、高温条件で用いることを狙い、耐熱性の高い芳香族スルホン酸系高分子を電解質として用いることが試みられている。
たとえば、特開2005−50726号公報(特許文献1)には、スルホン化ポリアリーレン重合体を電極電解質として用いることが開示されており、さらに、特開2004−253267号公報(特許文献2)、特開2006−121051(特許文献3)には、特定のスルホン化ポリアリーレンを用いることが開示されている。
特開2005−50726号公報 特開2004−253267号公報 特開2006−121051号公報
これらのポリアリーレン系(芳香族スルホン酸系)の電解質材料は、前述のような価格的な問題や、触媒金属の回収に関する問題を解決するとともに、その化学構造から高い耐熱性、耐溶剤性、熱水耐性を付与することができるために、Nafionと比較して高い温度・湿度領域での使用でき、優れたプロトン伝導性、寸法安定性、機械的特性に優れた固体高分子型燃料電池用電極電解質を提供することができる。
しかしながら、従来のポリアリーレン系の電極電解質は、その化学構造に由来する高い耐熱性、溶媒耐性のため、電極電解質としての加工性に乏しい問題がある。具体的には、高い熱変形温度のために膜-電極接合体(MEA)作製時にプロトン伝導膜およびガス拡散層と電極層との熱圧着接合が難しく、熱圧着温度を高めると、プロトン伝導膜および電極層に含まれる電解質中のスルホン基が架橋してしまうため、プロトン伝導性が低下するおそれがあった。また、ポリマーの溶解性は低いために発電特性改良に際し電極層の構造制御するための溶媒の選択範囲が狭いといった問題があった。
特に自動車の車載用燃料電池などのように、高い温度、湿度に晒される用途になると、プロトン伝導膜およびガス拡散層と電極層との熱圧着接合が不十分となったり、加工が難しいなどの問題があった。
すなわち、本発明の課題は、前述のような、価格的な問題や、触媒金属の回収に関する問題を解決するとともに、プロトン伝導性や寸法安定性、機械的特性に優れ、かつ、MEA
作製時の加工適正性を付与した固体高分子型燃料電池用電極電解質を提供し、さらに該電解質を含む、電極ワニス、電極ペースト、電極、膜-電極接合体を提供するものである。
このような状況のもと本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、重合体の熱変形温度、溶解性に着目した特定の構造を重合体に導入することにより、上記問題をいずれも解決することを見出した。そして、特定のポリアリーレン系重合体を使用することで、高いスルホン酸濃度の重合体が合成できる。これにより、プロトン伝導度の高い材料設計が可能となり、寸法安定性、機械的特性や加工適正に優れた材料設計が可能となる。
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたものであり、特定のポリアリーレン系重合体を使用することで、高いスルホン酸濃度の重合体が合成できる。これにより、プロトン伝導度の高い材料設計が可能となり、耐溶剤性、熱水耐性や機械的特性に優れた材料設計が可能となる。また、重合体の熱変形温度、溶解性に着目した特定の構造を重合体に導入することにより、上記問題を解決することを見出した。本発明の構成は以下の通りである。
[1]下記一般式(A−1)、(A−2)、(A−3)および(A−4)からなる群から選択される
少なくとも1種の構成単位(A)と、下記一般式(B−1)および/または(B−2)で表され
るフッ素を含有する構成単位(B)と、下記一般式(C−1)で表される構成単位(C)とを有する共重合体を含む固体高分子型燃料電池用電極電解質。
Figure 2009245738
(式(A−1)、(A−2)、(A−3)および(A−4)中、R1〜R19は互いに独立であり、水素原子、フッ素原子、アルキル基、フッ素化アルキル基、アリール基、シアノ基からなる群より選ばれた少なくとも1種の原子または基を示し、Wは単結合、−CO−、−SO2
−、―SO−、−(CF2)p−(ここで、pは1〜10の整数である)、または−C(CF3)2−からなる群より選ばれた少なくとも1種の原子または基を示し、Jは単結合、−O−、−S−、−CH2−、CO−、−SO2−、−(CF2)p−(ここで、pは1〜10の整数で
ある)、−C(CH3)2−、または−C(CF3)2−からなる群より選ばれた少なくとも1種
の基を示す。)
Figure 2009245738
(式(B−1)および(B−2)中、R20〜R35は互いに独立であり、水素原子、フッ素原子
、アルキル基、フッ素化アルキル基、アリール基、シアノ基からなる群より選ばれた少な
くとも1種の原子または基を示し、Tは単結合、−CO−、−SO2−、−(CF2)p−(ここで、pは1〜10の整数である)、または−C(CF3)2−からなる群より選ばれた少な
くとも1種の原子または基を示し、Qは単結合、−O−、−S−、−CH2−、−CO−
、−SO2−、−(CF2)p−(ここで、pは1〜10の整数である)、−C(CH3)2−、ま
たは−C(CF3)2−からなる群より選ばれた少なくとも1種の基を示す。これらの置換基、結合基のうち少なくとも1つ以上は、フッ素原子もしくはフッ素を含有する基を含む。)
Figure 2009245738
(式中、Yは−CO−、−SO2−、−SO−、−CONH−、−COO−、−(CF2)f
−(fは1〜10の整数である)、−C(CF3)2−からなる群より選ばれた少なくとも1種の構造を示し、Zは直接結合または、−(CH2)h−(hは1〜10の整数である)、−C(CH3)2−、−O−、−S−からなる群より選ばれた少なくとも1種の基を示し、Arはス
ルホン酸基を有する芳香族基を示す。jは0〜10の整数を示し、kは0〜10の整数を示し、iは1〜4の整数を示す。各構成単位の端部における単線のうち、一方に置換基が表示されていないものは隣り合う構成単位との接続を意味する。)
[2]前記共重合体中の構成単位(A)の割合aが5〜85モル%であり、構成単位(B)の割
合bが10〜90モル%である(ここで、a+b<100モル%[1]の固体高分子型燃料電池用電極電解質。
[3][1]または[2]の電極電解質を含むことを特徴とする電極ワニス。
[4][1]または[2]の電極電解質と触媒粒子を含むことを特徴とする電極ペースト。
[5]ペーストを構成する溶媒が水と少なくとも1種類以上の有機溶剤との混合溶媒であり
、その混合溶媒がプロトン伝導膜の貧溶媒である[4]の電極ペースト。
[6][1]または[2]の電極電解質と触媒粒子とを含むことを特徴とする固体高分子型燃料電
池用電極。
[7][6]の電極を、高分子電解質膜の少なくとも片面に備える膜−電極接合体。
本発明によれば、安価で、触媒金属の回収が容易であり、プロトン伝導性、寸法安定性、機械的特性、機械的特性、および加工性(プロトン伝導膜・ガス拡散層と電極層の接合
性)、および加工性に優れた固体高分子型燃料電池用電極電解質、該電解質を含む電極ワ
ニス、電極ペースト、固体高分子型燃料電池用電極、膜−電極接合体が提供され、固体高分子型燃料電池の発電性能向上に寄与する。
以下、本発明に係る電極電解質、電極ワニス、電極ペースト、電極および膜−電極接合体(MEA)について詳細に説明する。
〔電極電解質〕
本発明の固体高分子型燃料電池用電極電解質は、(A−1)、(A−2)、(A−3)および(
A−4)からなる群から選ばれる少なくとも1種の構成単位(A)と、さらに下記一般式(B
−1)または(B−2)で表されるフッ素を含有する構成単位(B)、下記一般式(C−1)で
表わされる構成単位(C)を有するポリアリーレン共重合体の共重合体(ポリアリーレン)を含む。なお、本発明の電極電解質は、このようなポリアリーレン単独であっても、従来より電極電解質として公知のものを含んでいても良い。このような構造を有するスルホン化ポリアリーレンは、屈曲性のメタ結合を含む構成単位(A)によって膜―電極接合体
(MEA)の靭性、機械的強度、加工性(プロトン伝導膜・ガス拡散層と電極層の接合性)などが向上するとともに、フッ素を含む構成単位(B)によって重合体の溶解性、加工性などが向上する。
<構成単位(A)>
構成単位(A)は屈曲性のメタ結合を含むため、構成単位(A)を有するスルホン化ポリアリーレンを採用することにより、膜―電極接合体(MEA)の靭性、機械的強度、加工性(プロトン伝導膜・ガス拡散層と電極層の接合性)などが向上させることができる。
Figure 2009245738
上記式(A−1),(A−2)、(A−3)および(A−4)中、R1〜R19は互いに独立であ
り、水素原子、フッ素原子、アルキル基、フッ素化アルキル基、アリール基、シアノ基からなる群より選ばれた少なくとも1種の原子または基を表す。アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基などが挙げられ、アリール基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基、アントリル基などが挙げられる。これらのうちで、R1〜R19としては、優れた熱水耐性と、強度、靭性などの機械的特性
とが両立できるため、水素原子、メチル基、フェニル基が好ましい。
Wは単結合、−CO−、−SO2−、−SO−、−(CF2)p−(ここで、pは1〜10の整数である)、または−C(CF3)2−からなる群より選ばれた少なくとも1種の原子また
は基を表し、これらのうちで、Wとしては、得られる重合体の加工性の観点から−CO−が好ましい。
Jは単結合、−O−、−S−、−CH2−、−CO−、−SO2−、−(CF2)p−(ここ
で、pは1〜10の整数である)、−C(CH3)2−、または−C(CF3)2−からなる群よ
り選ばれた少なくとも1種の基を表す。これらのうちで、Jとしては、得られる重合体の加工性の観点から−O−、−S−、−C(CH3)2−、および−C(CF3)2−が好ましい。
構成単位(A)の具体例としては、以下のものが挙げられる。
Figure 2009245738
また、下記化合物のように構成単位(A)を含む化合部でフッ素を含むものについては、溶解性を向上させることができる場合がある。
Figure 2009245738
また、上記構成単位の>C=Oが−SO2−に代わった構成単位も使用できる。
<構成単位(B)>
構成単位(B)はフッ素を含むため、スルホン化ポリアリーレンの溶解性、加工性などが向上する。
Figure 2009245738
上記式(B−1)または(B−2)中、R20〜R35は互いに独立であり、水素原子、フッ素原子、アルキル基、フッ素化アルキル基、アリール基、シアノ基からなる群より選ばれた少なくとも1種の原子または基を表す。R20〜R35のうち、少なくとも1つ以上は、フッ素原子を含有することが好ましい。アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基などが挙げられ、アリール基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基、アントリル基などが挙げられる。これらのうちで、R20〜R35としては、優れた熱水耐性と、強度、靭性などの機械的特性とが両立できるため、水素原子、メチル基、フェニル基が好ましい。
Tは単結合、−CO−、−SO2−、−(CF2)p−(ここで、pは1〜10の整数である)、または−C(CF3)2−からなる群より選ばれた少なくとも1種の原子または基を表し
、これらのうちで、Tとしては、得られる重合体の加工性の観点から−CO−が好ましい。
Qは単結合、−O−、−S−、−CH2−、−CO−、−SO2−、−(CF2)p−(ここ
で、pは1〜10の整数である)、−C(CH3)2−、または−C(CF3)2−からなる群よ
り選ばれた少なくとも1種の基を表し、これらのうちで、Qとしては、得られる重合体の加工性の観点から得られる重合体の加工性の観点から−O−、−S−、−C(CH3)2−、および−C(CF3)2−が好ましい。
構成単位(B)中の置換基、結合基のうち少なくとも1つ以上は、フッ素原子もしくはフッ素を含有する基を含む。
構成単位(B)の具体例としては、以下のものが挙げられる。
Figure 2009245738
また、上記構成単位の>C=Oが、−SO2−に代わった構成単位も使用できる。
また、上記構成単位(A)および(B)のベンゾフェノンの部分が、下記構造に代わった構成単位も使用できる。
Figure 2009245738
上記スルホン化ポリアリーレンでは、上記構成単位(A)の割合aが5〜85モル%であり、さらに好ましくは10〜70モル%である。上記構成単位(B)の割合bは10〜90モル%、好ましくは20〜80モル%である(ここで、a+b<100モル%)。
上記構成単位(A)はスルホン化ポリアリーレンの熱変形温度を低減する役割があり、導
入量により熱変形温度を制御できる。熱変形温度を適正な領域に保つことで、靭性、機械的強度の確保、ホットプレスでの膜―電極接合体(MEA)作製時の加工性(プロトン伝導
膜・ガス拡散層と電極層の接合性)の付与により、高温でのホットプレスの必要がなく伝
導度の低下を防止できる。
上記構成単位(A)の割合aが5モル%以上であると熱変形温度が十分に低減でき、85モル%以下であると熱水耐性を確保することができる。
上記構成単位(B)はスルホン化ポリアリーレンの溶解性を改善する役割があり、導入量により水を含む有機溶媒への溶解性を改良できる。フッ素を含む成分の導入量を適正な領域に保つことで、電極ワニス、電極ペーストに加工性を付与できる。たとえば、特開2006−96989号公報の実施例1に記載のスルホン化ポリアリーレンからなるプロトン伝導膜においては、通常、同様な化学構造を有する電極電解質ポリマーを含有する電極ペーストの伝導膜への直接塗工(電極層形成)は、伝導膜の溶解のため困難である。これに対して、所定量の構造単位(B)を導入することで、電極電解質の溶解性を大幅に改良し、プロトン伝導膜の貧溶媒となる溶媒組成を選択することでプロトン伝導膜への直接塗工が可能となり、量産性を付与できる。また、可溶な溶媒種が増加することにより、電極層の微細構造制御が可能となり発電特性も改良できる。
上記構成単位(B)の割合aが10モル%以上であると溶解性が良好であり、90モル以下であると熱変形温度の上昇が抑制され、接合性を確保することができる。
上記構成単位(A)および(B)に加えて、その他の構成成分もあわせて使用することができる。
<スルホン酸基を含む構成単位(C)>
上記スルホン酸基を含む構成単位としては、特開2004−137444号公報、特開2004−345997号公報、特開2004−346163号公報、特開2001−342241号公報および特開2002−293889号公報に記載されているスルホン酸基を有する構成単位が好ましい。これらのうちで、下記一般式(C−1)で表される構成単位(C)は、得られるポリアリーレンにおいて、優れたプロトン伝導性と熱水耐性が両立できるためより好ましい。したがって、構成単位(A)と(B)、さらに(C)を含むスルホン化ポリアリーレンは、固体高分子型燃料電池に好適に用いられる。
Figure 2009245738
(式(A−1)、(A−2)、(A−3)および(A−4)中、R1〜R19は互いに独立であり、水素原子、フッ素原子、アルキル基、フッ素化アルキル基、アリール基、シアノ基からなる群より選ばれた少なくとも1種の原子または基を示し、Wは単結合、−CO−、−SO2−、―SO−、−(CF2)p−(ここで、pは1〜10の整数である)、または−C(CF3)2−からなる群より選ばれた少なくとも1種の原子または基を示し、Jは単結合、−O−
、−S−、−CH2−、CO−、−SO2−、−(CF2)p−(ここで、pは1〜10の整数
である)、−C(CH3)2−、または−C(CF3)2−からなる群より選ばれた少なくとも1
種の基を示す。
各構成単位の端部における単線のうち、一方に置換基が表示されていないものは隣り合う構成単位との接続を意味する)
上記式(C−1)中、Yは−CO−、−SO2−、−SO−、−CONH−、−COO−
、−(CF2)f−(fは1〜10の整数である)、−C(CF3)2−からなる群より選ばれた少なくとも1種の構造を表す。このうちYとしては、−CO−、−SO2−が好ましい。
Zは直接結合または、−(CH2)h−(hは1〜10の整数である)、−C(CH3)2−、−
O−、−S−からなる群より選ばれた少なくとも1種の基を表す。このうちZとしては、直接結合、−O−が好ましい。
Arはスルホン酸基を有する芳香族基を表す。上記芳香族基として、具体的には、フェニル基、ナフチル基、アントリル基、フェナントリル基などが挙げられる。これらのうちで、フェニル基、ナフチル基が好ましい。
上記芳香族基は、少なくとも1個のスルホン酸基(−SO3H)置換を有しており、該芳
香族基がナフチル基である場合には2個以上置換していることが好ましい。
i、j、kの値とY、Z、Arの構造についての好ましい組み合わせとして、(1)j=0、k=0であり、Yは−CO−であり、Arが置換基として−SO3Hを有するフェニ
ル基である構造、(2)j=1、k=0であり、Yは−CO−であり、Zは−O−であり、Arが置換基として−SO3Hを有するフェニル基である構造、(3)j=1、k=1、i
=1であり、Yは−CO−であり、Zは−O−であり、Arが置換基として−SO3Hを
有するフェニル基である構造、(4)j=1、k=0であり、Yは−CO−であり、Zは−O−であり、Arが置換基として2個の−SO3Hを有するナフチル基である構造などを
挙げることができる。
(スルホン化ポリアリーレンの製造方法)
上記スルホン化ポリアリーレンの製造には、例えば下記に示す方法(特開2004−1
37444号公報参照)が用いられる。この方法では、まず、後述する化合物(D)とスル
ホン酸エステル基を含む単量体とを重合し、スルホン酸エステル基を有するポリアリーレン(本明細書において、このポリアリーレンを「前駆体ポリマー(E)」ともいう。)を製造して、次いで、前駆体ポリマー(E)中のスルホン酸エステル基を脱エステル化して、スルホン酸エステル基をスルホン酸基に変換する。これにより、構成単位(A)、(B)とともに、スルホン酸基を含む構成単位(C)を有するスルホン化ポリアリーレンが得られる。
(スルホン化ポリアリーレンの製造方法)
上記スルホン化ポリアリーレンの製造には、例えば下記に示す方法(特開2004−1
37444号公報参照)が用いられる。この方法では、まず、下記化合物(D)とスルホン
酸エステル基を含む単量体とを重合し、スルホン酸エステル基を有するポリアリーレン(
本明細書において、このポリアリーレンを「前駆体ポリマー(E)」ともいう)を製造し、
次いで、前駆体ポリマー(E)中のスルホン酸エステル基を脱エステル化して、スルホン酸エステル基をスルホン酸基に変換する。これにより、構成単位(A)、(B)とともに、スルホン酸基を含む構成単位(C)を有するスルホン化ポリアリーレンが得られる。
<化合物(D)>
化合物(D)は、上記構成単位(A)及び構成単位(B)のうち少なくとも一方の構成単位が1つ以上直鎖状に結合した構造を有しており、両末端は、それぞれ独立にフッ素を除くハロゲン原子、すなわち、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子であり、これらの中では塩素原子が好ましい。化合物(D)は、構成単位(A)及び構成単位(B)のいずれをも有していることが好ましいが、構成単位(A)のみを有している化合物(D)と構成単位(B)のみを有している化合物(D)を併用して後述の前駆体ポリマー(E)を合成してもよい。化合物(D)の構成単位(A)は、前述の一般式(A−1)、(A−2)、(A−3)および(A−4)で表わされる少なくとも1種からなる。また、化合物(D)の構成単位(
B)は、前述の一般式(B-1)および/または(B-2)からなる。
化合物(D)では、上記構成単位(A)の割合aが5〜85モル%であり、さらに好ましくは10〜70モル%である
また、化合物(D)の分子量は、ゲル・パーミエ−ションクロマトグラフィー(GPC)法によって、テトラヒドロフラン(THF)を溶媒として40℃で測定され、ポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)が500〜50000、好ましくは1000〜30000であり、重量平均分子量(Mw)が1000〜100000、好ましくは2000〜60000である。
化合物(D)は、単独で用いても2種以上を混合して用いてもよい。また、構成単位(A)と構成単位(B)が同一の化合物(D)に含まれていても、それぞれの構成単位を含む複数の化合物(D)を用いても良い。例えば、化合物(D)は、構成単位(A)となるメタ置換ジヒドロキシベンゼン類(A')および構成単位(B)となるフッ素含有ジヒドロキシベンゼン類(B')(本明細書において、これらをまとめて「ビスフェノール類」ともいう。)を、4,4’−ジハロベンゾフェノンおよび/または4,4’―ジハロジフェニルスルホン(
本明細書において、これらをまとめて「ジハロゲン化物」ともいう。)、もしくはパーフ
ルオロフルオロベンゼンおよび/またはパーフルオロベンゾフェノンなどとともに重合して合成される。また、ビスフェノール類とジハロゲン化物の構造を入れ替えて合成できることもある。
また、化合物(D)の分子量は、ゲル・パーミエ−ションクロマトグラフィー(GPC)法によって、テトラヒドロフラン(THF)を溶媒として40℃で測定され、ポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)が500〜50000、好ましくは1000〜30000であり、重量平均分子量(Mw)が1000〜100000、好ましくは2000〜60000である。
化合物(D)は、単独で用いても2種以上を混合して用いてもよい。また、構成単位(A)と構成単位(B)が同一の化合物(D)に含まれていても、それぞれの構成単位を含む複数の化合物(D)を用いても良い。例えば、化合物(D)は、構成単位(A)となるメタ置換ジヒドロキシベンゼン類および構成単位(B)となるフッ素含有ジヒドロキシベンゼン類(本明細
書において、これらをまとめて「ビスフェノール類」ともいう)を、4,4’−ジハロベ
ンゾフェノンおよび/または4,4’-ジハロジフェニルスルホン(本明細書において、これらをまとめて「ジハロゲン化物」ともいう)、もしくはパーフルオロフルオロベンゼン
および/またはパーフルオロベンゾフェノンなどとともに重合して合成される。また、ビスフェノール類とジハロゲン化物の構造を入れ替えて合成できることもある。
メタ置換ジヒドロキシベンゼン類としては、以下の化合物が挙げられる。これらの化合物から誘導される化合物(D)から得られるスルホン化ポリアリーレンにおいて、優れた靭性、機械的強度、加工性が得られる。上記ジヒドロキシベンゼン類は、単独で用いても2種以上を混合して用いてもよい。
レゾルシノール、3,3'−ビフェノール、3,4'−ビフェノール、3,3'−ジヒドロキシジフェニルメタン、3,4'−ジヒドロキシジフェニルメタン、3,3'−ジヒドロキシジフェニルエーテル、3,4'−ジヒドロキシジフェニルエーテル、3,3'−ジヒドロキシジフェニルスルホン、3,4'−ジヒドロキシジフェニルスルホン、3,3'−ジヒドロキシベンゾフェノン、3,4'−ジヒドロキシベンゾフェノン、4,4’−(1,3−フェニレン
ジイソプロピリデン)ビスフェノール、3,3’−(1,3−フェニレンジイソプロピリデン)ビスフェノール、3,3’−(1,4−フェニレンジイソプロピリデン)ビスフェノー
ル、4,4’−(1,3−フェニレンビスヘキサフルオロプロピリデン)ビスフェノール、3,3’−(1,3−フェニレンビスヘキサフルオロプロピリデン)ビスフェノール、3,3’−(1,4−フェニレンビスヘキサフルオロプロピリデン)ビスフェノール、などが挙
げられる。
フッ素含有ジヒドロキシベンゼン類としては、以下の化合物が挙げられる。これらの化合物から誘導される化合物(D)から得られるスルホン化ポリアリーレンにおいて、優れた溶解性、加工性が得られる。上記ジヒドロキシベンゼン類は、単独で用いても2種以上を混合して用いてもよい。
3,3’−ジフルオロ−4,4’−ビフェノール、3,3’, 5,5’−テトラフルオロ
−4,4’−ビフェノール、3,3’−ビス(トリフルオロメチル)−4,4’−ビフェノ
ール、3,3’,5,5’−テトラ(トリフルオロメチル)−4,4’−ビフェノール、ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、2,2’−ビス(4−ヒドロキシ−3−トリフルオロメチルフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシ
−3−トリフルオロメチルフェニル)エーテル、ビス(4−ヒドロキシ−3−トリフルオロメチルフェニル)スルフィド、ビス(4−ヒドロキシ−3−トリフルオロメチルフェニル)
メタン、ビス(4−ヒドロキシ−3−トリフルオロメチル)ベンゾフェノン、ビス(4−ヒ
ドロキシ−3−トリフルオロメチルフェニル)スルホン、などが挙げられる。
上記構成単位(A)および(B)を構成する化合物に加えて、その他の構成単位を構成する化合物をあわせて使用することができる。例えば、フルオレン骨格を有するビスフェノール類を併用すると熱水耐性の高いスルホン化ポリアリーレンが得られる。
フルオレン類で連結されたビスフェノールとしては、9,9−ビス(4−ヒドロキシフ
ェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)フルオレン、
9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−エチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒ
ドロキシ−3−n−プロピルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−イソプロピルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−t−ブチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−イソブチルフェニル)フルオレン
、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−n−ブチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(
4−ヒドロキシ−3−フェニルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−フルオロフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジエチルフェニル)フルオレ
ン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−n−プロピルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−イソプロピルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4
−ヒドロキシ−3,5−ジ−イソブチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−n−ブチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−フェニルフェニル)フルオレンなどが挙げられる。上記ビスフェノールは、単
独で用いても2種以上を混合して用いてもよい。
フッ素、塩素などのハロゲン原子で置換された4,4’−ジハロベンゾフェノンとしては、4,4’−ジクロロベンゾフェノン、4,4’−ジフルオロベンゾフェノン、4−クロロ−4’−フルオロベンゾフェノンなどが挙げられ、フッ素、塩素などのハロゲン原子で置換された4,4’―ジハロジフェニルスルホンとしては、4,4’−ジクロロジフェニルスルホン、4,4’−ジフルオロジフェニルスルホンなどが挙げられる。これらのうちで、4,4’−ジハロベンゾフェノンを用いることが好ましい。上記ジハロゲン化物は、単独で用いても2種以上を混合して用いてもよい。
その他のハロゲン化物としては、パーフルオロフルオロベンゼンおよび/またはパーフルオロベンゾフェノンも使用できる。
化合物(D)の合成において、まず、上記ビスフェノール類をアルカリ金属塩とする。こ
こで、メタ置換ジヒドロキシベンゼン類を5〜85モル%であり、さらに好ましくは10〜70モル%である。フッ素含有ジヒドロキシベンゼン類を10〜90モル%、好ましくは20〜80モル%である(ここで、a+b≦100モル%、上記ジヒドロキシベンゼン
類の量およびその他のビスフェノールの量の合計は100モル%である)。N−メチル−
2−ピロリドン、N,N-ジメチルアセトアミド、スルホラン、ジフェニルスルホン、ジメチルスルホキサイドなどの誘電率の高い極性溶媒中で、上記ビスフェノール類に対して、リチウム、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属、水素化アルカリ金属、水酸化アルカリ金属、アルカリ金属炭酸塩などを加える。
上記アルカリ金属は、上記ビスフェノール類の水酸基に対して過剰気味で反応させるため、上記ジヒドロキシベンゼン類および上記フルオレン類で連結されたビスフェノールに含まれる水酸基の総量に対して通常1.1〜2倍当量、好ましくは1.2〜1.5倍当量で使用する。このとき、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼン、アニソールなど、水と共沸する溶媒を共存させて、反応の進行を促進させることが好ましい。
次いで、アルカリ金属塩となった上記ビスフェノール類と上記ジハロゲン化物とを反応させる。反応に用いられる上記ジハロゲン化物の量(上記4,4’−ジハロベンゾフェノ
ンおよび/または4,4’-ジハロジフェニルスルホンの総量)は、上記ビスフェノール類の量(上記ジヒドロキシベンゼン類および上記フルオレン類で連結されたビスフェノール
の総量)に対し1.0001〜3倍モル、好ましくは1.001〜2倍モルである。
また、化合物(D)の両末端が塩素原子となるように、反応終了後に再度、例えば4,4’−ジクロロベンゾフェノン、4−クロロ−4’−フルオロベンゾフェノンを過剰に加えて反応させてもよい。例えば、上記ジハロゲン化物を、上記ビスフェノール類に対し0.01〜3倍モル、好ましくは0.05〜2倍モル加えて反応させてもよい。4,4’−ジフルオロベンゾフェノンおよび/または4,4’−ジフルオロジフェニルスルホンを用いた場合には、反応後半で4,4’−ジクロロベンゾフェノンおよび/または4−クロロ−4’−フルオロベンゾフェノンを添加するなどの方法で、化合物(D)がジクロロ体になるよう反応を工夫することが好ましい。
これらの反応は、反応温度が60℃〜300℃、好ましくは80℃〜250℃の範囲で、反応時間が15分〜100時間、好ましくは1時間〜24時間の範囲で行われる。
得られた化合物(D)は、ポリマーの一般的な精製方法、例えば、溶解−沈殿の操作によって精製してもよい。なお、化合物(D)の分子量の調整は、上記ジハロゲン化物と上記フェノール類との反応モル比によって行うことができる。
化合物(D)の構造は、1H−NMRにより確認できる。構成単位の比は、使用する各モ
ノマーの化学シフトにより構造の同定を行い、上記シグナルの強度比によって求められる。
また、末端の構造は、蛍光X線分析により、塩素、臭素、ヨウ素などのハロゲン含量を定量して確認できる。
<スルホン酸エステル基を含む単量体>
<スルホン酸エステル基を含む単量体>
スルホン化ポリアリーレンに構成単位(C)を導入するために用いられる上記スルホン酸エステル基を有する単量体としては、具体的には、特開2004−137444号公報、特願2003−143903および特願2003−143904に記載されているスルホン酸エステル類が挙げられる。
これらのうちで、下記一般式(C−2)で表される単量体が好適に用いられる。
Figure 2009245738
上記式(C−2)中、Y、Z、i、j、kは、上記式(C−1)におけるものと同様であり、好ましい範囲も同じである。Xは、フッ素を除くハロゲン原子、すなわち、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子を表す。
Rは、炭素原子数4〜20の炭化水素基を示し、具体的には、tert−ブチル基、iso−ブチル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、ネオペンチル基、シクロペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、シクロペンチルメチル基、シクロヘキシルメチル基、アダマンチル基、アダマンチルメチル基、2−エチルヘキシル基、ビシクロ[2.2.1]ヘプチル基、ビシクロ[2.2.1]ヘプチルメチル基、テトラヒドロフルフリル基、2−メチルブチル基、3,3−ジメチル−2,4−ジオキソランメチル基などの直鎖状炭化水素基、分岐状炭化水素基、脂環式炭化水素基、5員の複素環を有する炭化水素基などが挙げられる。これらのうちで、ネオペンチル基、テトラヒドロフルフリル基、シクロペンチルメチル基、シクロヘキシルメチル基、アダマンチルメチル基、ビシクロ[2.2.1]ヘプチルメチル基が好ましく、ネオペンチル基がより好ましい。
Ar’は、スルホン酸エステル基(−SO3Rで表される置換基を意味する。ここで、Rは上記と同様のものが挙げられ、好ましい範囲も同じである。)を有する芳香族基を表す
。上記芳香族基として、具体的には、フェニル基、ナフチル基、アントリル基、フェナントリル基などが挙げられる。これらのうちで、フェニル基、ナフチル基が好ましい。
上記芳香族基は、少なくとも1個の−SO3Rを有しており、該芳香族基がナフチル基
である場合には、2個以上の−SO3Rを有していることが好ましい。
<前駆体ポリマー(E)の製造>
前駆体ポリマー(E)を得るための重合は触媒の存在下に行われる。この際使用される触媒は、遷移金属化合物を含む触媒であり、この触媒は、(1)遷移金属塩および配位子となる化合物(本明細書において、「配位子成分」ともいう)、または配位子が配位された遷移金属錯体(銅塩を含む)、ならびに(2)還元剤を必須成分とし、さらに、重合速度を上げるために「塩」を添加してもよい。これらの触媒成分の具体例、各成分の使用割合としては、特開2001−342241号公報に記載のものが挙げられる。
また、反応溶媒、濃度、温度、時間等の重合条件についても、特開2001−342241号公報に記載の条件が好適に用いられる。
<脱エステル化>
次いで、前駆体ポリマー(E)を特開2004−137444号公報に記載の方法で脱エステル化すれば、上記スルホン化ポリアリーレンが得られる。
(スルホン化ポリアリーレン)
上記のような方法により製造される、スルホン化ポリアリーレンのイオン交換容量は通常0.3〜5meq/g、好ましくは0.5〜3meq/g、さらに好ましくは0.8〜2.8meq/gである。0.3meq/g以上では、プロトン伝導度が確保され発電性能が良好であり、5meq/g以下であると、熱水耐性を確保することができる。
上記のイオン交換容量は、例えば、単量体(具体的には、化合物(D)、および上記式(C−1)で表される単量体などの他の単量体)の種類、使用割合、組み合わせを変えることで調整できる。また、イオン交換容量の測定方法は後述のとおりである。
上記スルホン化ポリアリーレンの分子量は、ゲル・パーミエ−ションクロマトグラフィー(GPC)法によって、臭化リチウムおよび燐酸を添加したN−メチル−2−ピロリドン(NMP)を溶離液として用いて40℃で測定され、ポリスチレン換算の数平均分子量(M
n)が0.5万〜50万、好ましくは1万〜40万であり、重量平均分子量(Mw)が1万
〜100万、好ましくは2万〜80万である。
(添加剤)
本発明の電極電解質は、上記スルホン化ポリマー以外に、酸化防止剤、硫酸、リン酸などの無機酸、リン酸ガラス、タングステン酸、リン酸塩水和物、β-アルミナプロトン置
換体、プロトン導入酸化物等の無機プロトン伝導体粒子、カルボン酸を含む有機酸、スルホン酸を含む有機酸、ホスホン酸を含む有機酸、適量の水などを添加されていてもよい。
上記酸化防止剤としては、分子量500以上のヒンダードフェノール系化合物が好ましい。このような酸化防止剤を含有することにより、電解質としての耐久性をより向上させることができる。
上記ヒンダードフェノール系化合物としては、トリエチレングリコール−ビス[3−(
3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート](商品名:IRGANOX 245)、1,6−ヘキサンジオール−ビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロ
キシフェニル)プロピオネート](商品名:IRGANOX 259)、2,4−ビス−(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルアニリノ)−3,5−トリアジン(商品名:IRGANOX 565)、ペンタエリスリチルーテトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート](商品名:IRGANOX 1010)、2,2−チオ−ジエチレンビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート](商品名:IRGANOX 1035)、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフ
ェニル)プロピオネート)(商品名:IRGANOX 1076)、N,N−ヘキサメチレンビス(3,5−
ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナマミド)(IRGAONOX 1098)、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼ
ン(商品名:IRGANOX 1330)、トリス−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジ
ル)−イソシアヌレイト(商品名:IRGANOX 3114)、3,9−ビス[2−〔3−(3−t−ブ
チル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ〕−1,1−ジメチルエチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン(商品名:Sumilizer GA-80)などを挙げることができる。
本発明の電極電解質に添加される添加剤の量は、特に限定されず、電極電解質に要求される酸化耐性、プロトン伝導性、強度および弾性率などに応じて、最適な量を用いればよい。たとえば、上記スルホン化ポリアリーレン100重量部に対して、添加剤の全重量が0.001〜30重量部、好ましくは0.01〜10重量部の範囲で添加することが望ましい。また、添加剤は単独で用いても、2種類以上を併用してもよい。
〔電極ペーストおよび電極ワニス〕
本発明の電極ワニスは上記電極電解質が溶媒中に分散ないし溶解したものであり、電極ペーストは、上記電極電解質、触媒粒子および溶媒を含むペーストであり、これらには必要に応じて分散剤、炭素繊維などの他の成分を含んでいてもよい。
<触媒粒子>
触媒粒子は、触媒が、カーボン、金属酸化物の担体に担持されたもの、または、触媒の単体からなる。
触媒としては、白金または白金合金が用いられる。白金合金を使用すると、電極触媒としての安定性や活性をさらに付与させることもできる。このような白金合金としては、白金以外の白金族の金属(ルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリジウム)、鉄、コバルト、チタン、金、銀、クロム、マンガン、モリブデン、タングステン、アルミニウム、ケイ素、レニウム、亜鉛およびスズから選ばれる1種以上と白金との合金が好ましく、該白金合金には白金と合金化される金属との金属間化合物が含有されていてもよい。
触媒は、単体でも、担体に担持された状態でも、触媒粒子を形成している。上記触媒を担持する担体としては、オイルファーネスブラック、チャネルブラック、ランプブラック、サーマルブラック、アセチレンブラックなどのカーボンブラックが、電子伝導性と比表面積の大きさから好ましく用いられる。また、天然の黒鉛、ピッチ、コークス、ポリアクリロニトリル、フェノール樹脂、フラン樹脂などの有機化合物から得られる人工黒鉛や炭素などを用いてもよい。
上記オイルファーネスブラックとしては、キャボット社製「バルカンXC−72」、「バルカンP」、「ブラックパールズ880」、「ブラックパールズ1100」、「ブラックパールズ1300」、「ブラックパールズ2000」、「リーガル400」、ライオン社製「ケッチェンブラックEC」、三菱化学社製「#3150、#3250」などが挙げられる。また、上記アセチレンブラックとしては電気化学工業社製「デンカブラック」などが挙げられる。
これらのカーボンの形態としては、粒子状のほか、繊維状も用いることができる。また、カーボンに担持される触媒の量としては、有効に触媒活性が発揮できる量であれば特に制限されるものではないが、担持量がカーボン重量に対して、0.1〜9.0g-metal/g-carbon、好ましくは0.25〜2.4g-metal/g-carbonの範囲である。
また、担体としては、カーボンの他に、金属酸化物、たとえば、チタニア、酸化亜鉛、シリカ、セリア、アルミナ、アルミナスピネル、マグネシア、ジルコニアなどであってもよい。
<溶媒>
本発明の電極ワニス、電極ペーストに用いられる溶媒としては、上記電極電解質を溶解または分散する溶媒であればよく、特に限定されるものではない。また、1種類単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。触媒等の電極材料と混合してペーストを作製する前に、電極電解質を下記溶媒に溶解したワニスを調製しておくとハンドリングが容易になる。
具体的には、水;メタノール、エタノール、n−プロピルアルコール、2−プロパノール、2−メチル−2−プロパノール、2−ブタノール、n−ブチルアルコール、2−メチル−1−プロパノール、1−ペンタノール、2−ペンタノール、3−ペンタノール、2−メチル−1−ブタノール、3−メチル−1−ブタノール、2−メチル−2−ブタノール、3−メチル−2−ブタノール、2,2−ジメチル1−プロパノール、シクロヘキサノール
、1−ヘキサノール、2−メチル−1−ペンタノール、2−メチル−2−ペンタノール、4−メチル−2−ペンタノール、2−エチル−1−ブタノール、1−メチルシクロヘキサノール、2−メチルシクロヘキサノール、3−メチルシクロヘキサノール、4−メチルシクロヘキサノール、1−オクタノール、2−オクタノール、2−エチル−1−ヘキサノー
ル、2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール、2−(メトキシメトキシ)エタノール、2−イソプロポキシエタノール、1−メトキシ−2−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノールなどのアルコール類;エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセロールなどの多価アルコール類;ジオキサン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジ−n−プロピルエーテル、ブチルエーテル、フェニルエーテル、イソペンチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、ジエトキシエタン、ビス(2−メトキシエチル)エーテル、ビス(2−エトキシエチル)エーテル、シネオール、ベンジルエチルエーテル、アニソール、フェネトール、アセタールなどのエーテル類;アセトン、メチルエチルケトン、2−ペンタノン、3−ペンタノン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、2−ヘキサノン、4−メチル−2−ペンタノン、2−ヘプタノン、2,4−ジメチル−3−ペンタノン、2−オクタノンなどのケトン類;γー
ブチロラクトン、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸−n−ブチル、酢酸イソブチル、酢酸sec-ブチル、酢酸ペンチル、酢酸イソペンチル、3−メトキシプロピルアセテート、3−メトキシブチルアセテート、酪酸メチル、酪酸エチル、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸ブチルなどのエステル類;ジメチルスルホキシド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメ
チルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、テトラメチル尿素などの非プロトン性極性溶媒;トルエン、キシレン、ヘプタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタンなどの炭化水素系溶媒などが挙げられる。
上記溶媒のうち、特に水の混合溶媒系でプロトン伝導膜の貧溶媒であるものが望ましい。上記電極電解質と溶媒系の組み合わせではプロトン伝導膜への電極ペーストが塗工可能なためMEAの大量生産に好適である。水と併用する好ましい溶媒としては、メタノール、エタノール、n−プロピルアルコール、2−プロパノール、ジオキサン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、ジイソプロピルエーテル、ジ−n−プロピルエーテル、メチルエチルケトン、2−ペンタノン、3−ペンタノン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、2−ヘキサノン、4−メチル−2−ペンタノン、2−ヘプタノン、γーブチロラクトン、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸−n−ブチル、酢酸イソブチル、酢酸sec-ブチル、3−メトキシプロピルアセテート、3−メトキシブチルアセテート、ジメチルスルホキシド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドンなどが好適に使用
できる。混合溶媒は、1種の溶媒と水、もしくは複数の溶媒と水を混合しても良い。
<分散剤>
本発明の電極ペーストやワニスには、必要に応じてさらに分散剤を添加してもよい。このような分散剤としては、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン界面活性剤などの界面活性剤が挙げられる。
上記アニオン界面活性剤としては、たとえば、オレイン酸・N−メチルタウリン、オレイン酸カリウム・ジエタノールアミン塩、アルキルエーテルサルフェート・トリエタノールアミン塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルサルフェート・トリエタノールアミン塩、特殊変成ポリエーテルエステル酸のアミン塩、高級脂肪酸誘導体のアミン塩、特殊変成ポリエステル酸のアミン塩、高分子量ポリエーテルエステル酸のアミン塩、特殊変成燐酸エステルのアミン塩、高分子量ポリエステル酸アミドアミン塩、特殊脂肪酸誘導体のアミドアミン塩、高級脂肪酸のアルキルアミン塩、高分子量ポリカルボン酸のアミドアミン塩、ラウリン酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウムラウリル硫酸エステルナトリウム塩、セチル硫酸エステルナトリウム塩、ステアリル硫酸エステルナトリウム塩、オレイル硫酸エステルナトリウム塩、ラウリルエーテル硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、油溶性アルキルベンゼンスルホン酸塩、αーオレフィンスルホン酸塩、高級アルコールリン酸モノエステルジナトリウム塩、高級アルコー
ルリン酸ジエステルジナトリウム塩、ジアルキルジチオリン酸亜鉛などが挙げられる。
上記カチオン界面活性剤としては、たとえば、ベンジルジメチル{2−[2−(P−1,1,3,3−テトラメチルブチルフェノオキシ)エトオキシ]エチル}アンモニウムクロライド、オクタデシルアミン酢酸塩、テトラデシルアミン酢酸塩、オクタデシルトリメチルアンモニウムクロライド、牛脂トリメチルアンモニウムクロライド、ドデシルトリメチルアンモニウムクロライド、ヤシトリメチルアンモニウムクロライド、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムクロライド、ベヘニルトリメチルアンモニウムクロライド、ヤシジメチルベンジルアンモニウムクロライド、テトラデシルジメチルベンジルアンモニウムクロライド、オクタデシルジメチルベンジルアンモニウムクロライド、ジオレイルジメチルアンモニウムクロライド、1−ヒドロキシエチル−2−牛脂イミダゾリン4級塩、2−ヘプタデセニルーヒドロキシエチルイミダゾリン、ステアラミドエチルジエチルアミン酢酸塩、ステアラミドエチルジエチルアミン塩酸塩、トリエタノールアミンモノステアレートギ酸塩、アルキルピリジウム塩、高級アルキルアミンエチレンオキサイド付加物、ポリアクリルアミドアミン塩、変成ポリアクリルアミドアミン塩、パーフルオロアルキル第4級アンモニウムヨウ化物などが挙げられる。
上記両性界面活性剤としては、たとえば、ジメチルヤシベタイン、ジメチルラウリルベタイン、ラウリルアミノエチルグリシンナトリウム、ラウリルアミノプロピオン酸ナトリウム、ステアリルジメチルベタイン、ラウリルジヒドロキシエチルベタイン、アミドベタイン、イミダゾリニウムベタイン、レシチン、3−[ω−フルオロアクカノイル−N−エ
チルアミノ]−1−プロパンスルホン酸ナトリウム、N−[3−(パーフルオロオクタンス
ルホンアミド)プロピル]−N,N−ジメチル−N−カルボキシメチレンアンモニウムベタインなどが挙げられる。
上記非イオン界面活性剤としては、たとえば、ヤシ脂肪酸ジエタノールアミド(1:2
型)、ヤシ脂肪酸ジエタノールアミド(1:1型)、牛脂肪酸ジエタノールアミド(1:2型)、牛脂肪酸ジエタノールアミド(1:1型)、オレイン酸ジエタノールアミド(1:1型)
、ヒドロキシエチルラウリルアミン、ポリエチレングリコールラウリルアミン、ポリエチレングリコールヤシアミン、ポリエチレングリコールステアリルアミン、ポリエチレングリコール牛脂アミン、ポリエチレングリコール牛脂プロピレンジアミン、ポリエチレングリコールジオレイルアミン、ジメチルラウリルアミンオキサイド、ジメチルステアリルアミンオキサイド、ジヒドロキシエチルラウリルアミンオキサイド、パーフルオロアルキルアミンオキサイド、ポリビニルピロリドン、高級アルコールエチレンオキサイド付加物、アルキルフェノールエチレンオキサイド付加物、脂肪酸エチレンオキサイド付加物、ポリプロピレングリコールエチレンオキサイド付加物、グリセリンの脂肪酸エステル、ペンタエリスリットの脂肪酸エステル、ソルビットの脂肪酸エステル、ソルビタンの脂肪酸エステル、砂糖の脂肪酸エステルなどが挙げられる。
上記界面活性剤は、1種単独で用いても2種類以上を組み合わせて用いてもよい。上記界面活性剤の中では、好ましくは塩基性基を有する界面活性剤、より好ましくはアニオン性もしくはカチオン性の界面活性剤、さらに好ましくは、分子量5千〜3万の界面活性剤である。
本発明の電極ペーストやワニスに上記分散剤を添加すると、発電特性、保存安定性および流動性に優れ、塗工時の生産性が向上する。
<炭素繊維>
本発明の電極ペーストには、必要に応じてさらに炭素繊維を添加することができる。このような炭素繊維しては、レーヨン系炭素繊維、PAN系炭素繊維、リグニンポバー系炭素繊維、ピッチ系炭素繊維、気相成長炭素繊維等を用いることができ、好ましくは、気相
成長炭素繊維である。
電極ペーストに炭素繊維を添加すると、電極中の細孔容積が増加することにより、燃料ガスや酸素ガスの拡散性が向上し、また、生成する水によるフラッディング等を改善でき、発電性能が向上する。
<その他の添加物>
本発明の電極ペーストやワニスには、必要に応じてさらに他の成分を添加することができる。たとえば、フッ素系ポリマーやシリコン系ポリマーなどの撥水剤を添加してもよい。撥水剤は生成する水を効率よく排出する効果を奏し、発電性能の向上に寄与する。
<組成>
本発明の電極ペースト全量に対して、触媒粒子の含有量は1〜20重量%、好ましくは3〜15重量%であり、電極電解質の含有量は0.5〜30重量%、好ましくは1〜15重量%であり、溶媒の含有量は50〜95重量%、好ましくは70〜90重量%である。また、必要に応じて用いられる分散剤の含有量は0〜10重量%、好ましくは0〜2重量%であり、炭素繊維の含有量は0〜20重量%、好ましくは1〜10重量%である。なお、上記成分の含有量の合計が、100重量%を超えることはない。
上記触媒粒子の含有量が、上記範囲内であると電極反応率を確保することができ、電極ペーストの粘度が増加を抑制でき、塗工時の塗りむらを抑制することができる。
上記電極電解質の含有量が、上記範囲内であるとプロトン伝導度の低下を抑制し、バインダーとしての役割を十分に果たし、電極を形成できるとともに、電極中の細孔容積を確保することができる。
上記溶媒の含有量が、上記範囲内にあると、発電に必要な電極中の細孔容積が十分確保できるとともに、ペーストやワニスとしてのハンドリングに好適である。
上記分散剤の含有量が、上記範囲内にあると保存安定性に優れた電極ペーストや電極ペーストが得られる。
上記炭素繊維の含有量が、上記範囲内であると、電極中の細孔容積の増加効果が十分に得られ、電極反応率の低減を抑制することができる。
<ペーストおよびワニスの調製>
本発明の電極ペースト及び電極ワニスは、たとえば、上記各成分を上記含有量となるように混合し、従来公知の方法で混練することにより調製することができる。
各成分の混合順序は特に限定されないが、たとえば、全ての成分を混合して一定時間攪拌を行うか、分散剤以外の成分を混合して一定時間攪拌を行った後、必要に応じて分散剤を添加してさらに一定時間攪拌を行うことが好ましい。また、必要に応じて、溶媒の量を調整して、ペーストの粘度を調整してもよい。
〔燃料電池用電極〕
本発明に係る固体高分子型燃料電池用電極は、上記電極ペーストを転写基材上に塗布し、溶媒を除去することにより得られる。すなわち、本発明の電極は、上記本発明の電極電解質および上記触媒粒子を含む。
上記転写基材としては、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)などのフッ素系ポリマーからなるシート、または、表面を離型剤処理したガラス板、金属板、ポリエチレンテレフタレート(PET)のシートなども用いることができる。
電極ペーストを転写基材上に塗布する方法としては、刷毛塗り、筆塗り、バーコーター塗布、ナイフコーター塗布、ドクターブレード法、スクリーン印刷、スプレー塗布などがある。
また、上記電極電解質を含む電極ペーストを直接、プロトン伝導膜もしくはガス拡散層、カーボンペーパーに塗工してもよい。
〔膜−電極接合体〕
本発明の膜−電極接合体(以下「MEA」ともいう)では、上記電極が固体高分子電解質膜の少なくとも片面に備えられており、上記転写基材上に形成された電極層を、該電解質膜の少なくとも片面、好ましくは両面に転写することにより得られる。
上記固体高分子電解質膜としては、プロトン伝導性の固体高分子膜であれば、特に限定されることなく用いることができる。たとえば、Nafion(DuPont社製)、Flemion(旭硝子製)、Aciplex(旭化成製)などのパーフルオロアルキルスルホン酸ポリマーからなる電解質膜;パーフルオロアルキルスルホン酸ポリマーに、ポリテトラフルオロエチレンの繊維や多孔質膜と複合化した補強型電解質膜;ポリテトラフルオロエチレングラフトスルホン化ポリスチレンなどの部分フッ素化スルホン化ポリマーからなる電解質膜;スルホン化ポリアリーレン、スルホン化ポリフェニレン、スルホン化ポリエーテルケトン、スルホン化ポリエーテルスルホン、スルホン化ポリエーテルニトリル、スルホン化ポリフェニレンエーテル、スルホン化ポリフェニレンスルフィド、スルホン化ポリベンズイミダゾール、スルホン化ポリベンズオキサゾール、スルホン化ポリベンズチアゾールなどの芳香族スルホン化ポリマーからなる電解質膜;スルホン化ポリスチレン、スルホン酸含有アクリル系ポリマーなどの脂肪族スルホン化ポリマーからなる電解質膜;これらを多孔質膜と複合化した細孔フィリング型電解質膜;ポリベンズオキサゾール、ポリベンズイミダゾール、ポリベンズチアゾールなどのポリマーにリン酸や硫酸などを含浸させた酸含浸型ポリマーからなる電解質膜などが挙げられる。これらの中では、芳香族スルホン化ポリマーからなる電解質膜が好ましい。
また、固体高分子型燃料電池を製造する場合には、優れたプロトン伝導性と熱水耐性、加工性とを有するため、上述した構成単位(A)、(B)さらに(C)を含むスルホン化ポリアリーレンから得られる電極電解質と上記固体高分子電解質膜が好適に用いられる。
上記電極層の電解質膜への転写は、ホットプレス法により行うことができる。ホットプレス法は、カーボンペーパーまたは離型シートに電極ペーストを塗布し、電極ペースト塗布面と電解質膜とを圧着する方法である。ホットプレスは、通常、50〜250℃の温度範囲で1〜180分間、10〜500kg/cm2の圧力をかけて行う。
本発明のMEAを得るための別の方法として、プロトン伝導膜もしくはガス拡散層、カーボンペーパー上に直接、電極層を形成した後、MEAを作製してよい。このとき、塗布や乾燥の順序に特に制限はない。
たとえば、PETフィルム等の基材上に、高分子電解質溶液を塗布して乾燥することにより電解質膜を形成した後、該電解質膜上に上記電極ペーストを塗布し、乾燥して溶媒を除去することにより電極層を形成する。次に、上記基材をはがして、電解質膜のもう一方の面に電極ペーストを塗布し、溶媒を除去することにより、電解質膜の両面に電極層が形成されたMEAが得られる。
電極層の厚さは、特に制限されるものではないが、触媒として担持された金属が、単位面積あたり、0.05〜4.0mg/cm2、好ましくは0.1〜3.0mg/cm2の範囲で電極層中に存在することが望ましい。この範囲にあれば、十分に高い触媒活性が発揮
され、また効率的にプロトンを伝導することができる。
電極層の細孔容積は、0.05〜4.0ml/g、好ましくは0.1〜3.0ml/gの範囲にあることが望ましい。
[実施例]
以下、実施例に基づいて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。なお、本実施例において、得られた電極電解質ポリマーの特性評価は、得られたスルホン化ポリアリーレンをN−メチル−2−ピロリドン(NMP)に溶解し、15重量%NMP溶液を調製した後、ガラス板上にキャストして作製した。膜厚は40μmであった。
(分子量)
上記化合物(D)の数平均分子量および重量平均分子量は、ゲル・パーミエ−ションクロマトグラフィー(GPC)法によって、テトラヒドロフラン(THF)を溶媒として40℃で測定し、ポリスチレン換算の分子量を求めた。
上記スルホン化ポリアリーレンの重量平均分子量は、ゲル・パーミエ−ションクロマトグラフィー(GPC)法によって、臭化リチウムおよび燐酸を添加したN−メチル−2−ピロリドン(NMP)を溶媒として用いて40℃で測定し、ポリスチレン換算の分子量を求めた。
(構造解析)
上記化合物(D)および上記スルホン化ポリアリーレンの構造確認は1H−NMRにより
行い、構成単位の割合はその積分比から算出した。
(イオン交換容量)
得られたスルホン化ポリマーの水洗水がpH4〜6になるまで洗浄して、フリーの残存している酸を除去後、十分に洗浄し、乾燥後、所定量を秤量し、THF/水の混合溶剤に溶解し、フェノールフタレインを指示薬とし、NaOHの標準液にて滴定し、中和点からイオン交換容量を求めた。
(膜抵抗の測定)
上記電解質膜を濃度1mol/Lの硫酸を介して上下から導電性カーボン板ではさみ、室温でカーボン板間の交流抵抗を測定した。膜抵抗は下記の式で求めた。また、プロトン伝導度は下記式で得られた膜抵抗を膜厚換算した値の逆数をとることにより算出した。
膜抵抗(Ω・cm2)=[膜をはさんだカーボン間の抵抗値(Ω)−ブランク値(Ω)]×接触面
積(cm2)
(電極接合性)
触媒付電解質膜と市販のカーボンペーパーを160℃で5分間75kg/cm2でプレ
スした。これを60℃の熱水に24時間浸漬し、電極の接着状態を目視で観察した。剥離のないものを○、剥離したものを×とした。
(発電特性)
触媒付電解質膜をカーボンペーパーに挟んで、圧力100kg/cm2下で、160℃
×15minの条件でホットプレス成形して、膜電極接合体(MEA)を作成した。このMEAを2枚のチタン製の集電体で挟み、さらにその外側にヒーターを配置し、有効面積25cm2の燃料電池を組み立てた。
燃料電池の温度を85℃に保ち、湿度35%RHおよび100%RHで、水素および酸素を2気圧で供給した。それぞれの条件で、電流密度0.5A/cm2と1.0A/cm2のときの端子間電圧を測定した。
〔合成例1〕化合物(D−1)の合成
撹拌羽根、温度計、窒素導入管、Dean-Stark管および冷却管を取り付けた3
Lセパラブル4口フラスコに4,4’−(1,3―フェニレンジイソプロピリデン)ビスフェノール(BisM)183.43g(529mmol)、4,4’−(ヘキサフルオロイソ
プロピリデン)ビスフェノール(BisAF)178.00g(529mmol)、4,4’-ジフルオロベンゾフェノン(DFBP)205.36g(941mmol)、4-クロロ-4'-フルオロベンゾフェノン(CFBP)52.45g(224mmol)、炭酸カリウム175.61g(1271mmol)を加えた。次いで、N,N−ジメチルアセトアミド(DMA
c)1250mL、トルエン500mLを加えた。155℃まで昇温し、反応によって生
成する水をトルエンとの共沸により、Dean-Stark管から取り除いた。水の生成
が認められなくなるまで、3時間反応した後、トルエンを系外に取り除きながら165℃まで昇温し、その後160〜165℃で5時間撹拌した。次に、CFBP30.37g(
129mmol)を加え、再度160〜165℃で3時間撹拌した。
反応溶液をメタノール5.0Lに少量ずつ注ぎ、反応物を凝固させ、1時間攪拌した。凝固液をろ過して得られた沈殿物を、少量のメタノールで洗浄した。得られた沈殿物に5.0Lのメタノールを加えて攪拌洗浄する操作を3回繰り返した。得られた生成物を乾燥し、477g(収率91%)の目的物(化合物(D−1))を得た。
化合物(D−1)のGPCで求めたポリスチレン換算の数平均分子量は6800、重量平均分子量は11600であった。また、1H−NMRスペクトルを図1に示す。この化合
物(D−1)は、下記式で表される構造を有し、構成単位(A)の割合aが50モル%であり、構成単位(B)の割合bが50モル%であり、構成単位(A)および構成単位(B)が平均値として9個含まれていた。
Figure 2009245738
化合物(D−1)の両末端は塩素原子であった。
〔合成例2〕化合物(D−2)の合成
3Lセパラブル4口フラスコにBisM181.59g(524mmol)、BisAF267.01g(794mmol)、9,9-ビス(4-ヒドロキシフェニル)フルオレン(BPFL)94.61g(270mmol)、DFBP308.05g(1412mmol)、C
FBP78.68g(335mmol)、炭酸カリウム263.41g(1906mmol)を加え、次いで、DMAc1850mL、トルエン750mLを加えた点を変更した他は、160〜165℃での5時間の撹拌までは、合成例1と同様の条件で反応を行った。次に、CFBP45.55g(194mmol)を加え、再度160〜165℃で3時間撹拌した。
得られた反応溶液は、合成例1と同様に処理して、750g(収率94%)の目的物(化
合物(D−2))を得た。化合物(D−2)の数平均分子量は5800、重量平均分子量は1
1500であった。また、1H−NMRスペクトルを図3に示す。この化合物(D−2)は
、下記式で表される構造を有し、構成単位(A)の割合aが33モル%であり、構成単位(B)の割合bが50モル%、フルオレン骨格を有する第3成分に由来する構成単位の割合cが17モル%であった。また、構成単位(A)および構成単位(B)が平均値として9個含まれていた。化合物(D−2)の両末端は塩素原子であった。
Figure 2009245738
〔合成例3〕化合物(D−3)の合成
3Lセパラブル4口フラスコにレゾルシノール87.44g(794mmol)、BisAF267.01g(794mmol)、DFBP308.05g(1412mmol)、CFBP78.68g(335mmol)、炭酸カリウム263.41g(1906mmol)を加え、次いで、DMAc1850mL、トルエン750mLを加えた点を変更した他は、160〜165℃での5時間の撹拌までは、合成例1と同様の条件で反応を行った。次に、CFBP45.55g(194mmol)を加え、再度160〜165℃で3時間撹拌した。
得られた反応溶液は、合成例1と同様に処理して、511g(収率81%)の目的物(化
合物(D−3))を得た。化合物(D−3)の数平均分子量は6000、重量平均分子量は1
1500であった。また、この化合物(D−3)は、下記式で表される構成単位(A)および(B)を含み、構成単位(A)の割合aが50モル%であり、構成単位(B)の割合bが50モル%であった。化合物(D−3)の両末端は塩素原子であった。また、構成単位(A)
および構成単位(B)が平均値として9個含まれていた。
Figure 2009245738
化合物(D'-4)の合成
3Lセパラブル4口フラスコにBisM275.14g(794mmol)、DFBP154.02g(706mmol)、CFBP39.34g(168mmol)、炭酸カリウム131.71g(953mmol)を加え、次いで、DMAc940mL、トルエン375mLを加えた点を変更した他は、160〜165℃での5時間の撹拌までは、合成例1と同様の条件で反応を行った。次に、CFBP22.77g(97mmol)を加え、再度160〜165℃で3時間撹拌した。
得られた反応溶液は、合成例1と同様に処理して、342g(収率86%)の目的物(化
合物(D’−4))を得た。化合物(D'-4)の数平均分子量は5600、重量平均分子量は9
900であった。また、この化合物(D'-4)は、下記式で表される構造を有していた。化合物(D'-4)の両末端は塩素原子であった。
Figure 2009245738
〔合成例5〕化合物(D'-5)の合成
3Lセパラブル4口フラスコにBisAF267.01g(794mmol)、DFBP154.02g(706mmol)、CFBP39.34g(168mmol)、炭酸カリウム131.71g(953mmol)を加え、次いで、DMAc940mL、トルエン375mLを加えた点を変更した他は、160〜165℃での5時間の撹拌までは、合成例1と同様の条件で反応を行った。次に、CFBP22.77g(97mmol)を加え、再度160〜165℃で3時間撹拌した。
得られた反応溶液は、合成例1と同様に処理して、346g(収率89%)の目的物(化
合物(D'-5))を得た。化合物(D'-5)の数平均分子量は6100、重量平均分子量は120
00であった。また、この化合物(D'-5)は、下記式で表される構造を有していた。化合物(D'-5)の両末端は塩素原子であった。
Figure 2009245738
<電極電解質の調製>
〔実施例1〕スルホン化ポリアリーレン(1)の合成
攪拌機、温度計および窒素導入管を取り付けた0.5Lのフラスコに、3−(2,5−
ジクロロベンゾイル)ベンゼンスルホン酸ネオペンチル38.73g(96.5mmol)
、合成例1で得られた化合物(D−1)23.80g(3.5mmol)、ビス(トリフェニ
ルホスフィン)ニッケルジクロリド1.96g(3.0mmol)、ヨウ化ナトリウム0.
45g(3.0mmol)、トリフェニルホスフィン10.49g(40.0mmol)、亜鉛15.69g(240mmol)を加え、該フラスコ内を乾燥窒素で置換した。次いで、上記フラスコにDMAc200mLを加え、反応温度を80℃に保持しながら、3時間攪拌を続けた後、DMAc200mLを加えて希釈し、不溶物を濾過し、前駆体ポリマー(
E−1)を得た。
得られた前駆体ポリマー(E−1)を含む溶液を、攪拌機、温度計および窒素導入管を取り付けた1Lのフラスコに入れ、115℃に加熱攪拌し、臭化リチウム25.1g(29
0mmol)を加えた。7時間攪拌後、上記溶液を水1Lに注いで生成物を沈殿させた。
次いで、アセトン、10%硫酸水溶液、純水の順に洗浄後、乾燥して目的のスルホン化ポリマー(1)42gを得た。得られた重合体の重量平均分子量(Mw)は、110,000であった。1H−NMRスペクトルを図2に示す。得られた重合体は、下記式で表される構
造を有し、構成単位(A)および(B)の全量に対して、構成単位(A)の割合aが50モル%であり、構成単位(B)の割合bが50モル%であった。また、全構成単位に対して、構成単位(A)および(B)の合計量の割合fが3.5モル%であり、構成単位(C)の割合eが96.5モル%であった。イオン交換容量は1.9meq/gであった。
Figure 2009245738
〔実施例2〕スルホン化ポリアリーレン(2)の合成
攪拌機、温度計および窒素導入管を取り付けた0.5Lのフラスコに、3−(2,5−
ジクロロベンゾイル)ベンゼンスルホン酸ネオペンチル38.49g(95.9mmol)
、合成例2で得られた化合物(D−2)23.70g(4.1mmol)を使用し、それ以外の試薬、操作は実施例1と同様に行い、目的のスルホン化ポリアリーレン(2)43gを得た。得られた重合体の重量平均分子量(Mw)は、105,000であった。1H−NMR
スペクトルを図2に示す。得られた重合体は、下記式で表される構造を有し、構成単位(
A)、(B)、およびフルオレン骨格を含有する第3成分(F)の全量に対して、構成単位(A)の割合aが33モル%であり、構成単位(B)の割合bが50モル%、第3成分(F)に由
来する構成単位の割合cが17モル%であった。また、全構成単位に対して、構成単位(
A)、(B)、および第3成分(F)の合計量の割合fが4.1モル%であり、構成単位(C)の割合eが95.9モル%であった。イオン交換容量は1.9meq/gであった。
Figure 2009245738
〔実施例3〕スルホン化ポリアリーレン(4)の合成
攪拌機、温度計および窒素導入管を取り付けた0.5Lのフラスコに、3−(2,5−
ジクロロベンゾイル)ベンゼンスルホン酸ネオペンチル38.54g(96.0mmol)
、合成例4で得られた化合物(D−3)23.72g(4.0mmol)を使用し、それ以外
の試薬、操作は実施例1と同様に行い、目的のスルホン化ポリアリーレン(4)41gを得た。得られた重合体の重量平均分子量(Mw)は、100,000であった。得られた重合体は、下記式で表される構造を有し、構成単位(A)および(B)の全量に対して、構成単位(A)の割合aが33モル%であり、構成単位(B)の割合bが50モル%であった。また、全構成単位に対して、構成単位(A)および(B)の合計量の割合fが4.1モル%であり、
構成単位(C)の割合eが95.9モル%であるあった。イオン交換容量は1.9meq/
gであった。
Figure 2009245738
〔比較例1〕スルホン化ポリアリーレン(4)の合成
攪拌機、温度計および窒素導入管を取り付けた0.5Lのフラスコに、3−(2,5−
ジクロロベンゾイル)ベンゼンスルホン酸ネオペンチル38.43g(95.8mmol、割合e)、合成例3で得られた化合物(D’−4)23.68g(4.2mmol、割合f)を使用し、それ以外の試薬、操作は実施例1と同様に行い、下記式で表される構造を有するスルホン化ポリアリーレン(4)41gを得た。得られた重合体の重量平均分子量(Mw)は、110,000であった。イオン交換容量は1.9meq/gであった。
Figure 2009245738
〔比較例2〕スルホン化ポリアリーレン(5)の合成
攪拌機、温度計および窒素導入管を取り付けた0.5Lのフラスコに、3−(2,5−
ジクロロベンゾイル)ベンゼンスルホン酸ネオペンチル38.57g(96.1mmol、割合e)、合成例4で得られた化合物(D’−5)23.73g(3.9mmol、割合f)を
使用し、それ以外の試薬、操作は実施例1と同様に行い、下記式で表される構造を有するスルホン化ポリアリーレン(5)44gを得た。得られた重合体の重量平均分子量(Mw)は、120,000であった。イオン交換容量は1.9meq/gであった。
Figure 2009245738
〔実施例4〕<電極ペーストの調製>
50mLのガラス瓶に直径10mmのジルコニアボール(株式会社ニッカトー製「YT
Zボール」)25gを入れ、白金担持カーボン粒子(Pt:46重量%担持、田中貴金属工業株式会社製「TEC10E50E」)1.51g、蒸留水0.88g、上記スルホン化ポリマー(
1)から(5)の15wt%水−1,2ジメトキシエタン溶液(重量比10:90。特開2006−96989号公報の実施例1に記載のプロトン伝導膜に対する貧溶媒)3.23g
、1,2−ジメトキシエタン13.97g、気相法炭素繊維(昭和電工社製「VGCF」)0.1gおよび分散剤(楠本化成株式会社製「DA234」)0.028gを加え、ウエーブローターで60分間攪拌し、電極ペーストを得た。なお、電極電解質の溶解性が低いものについては、1,2ジメトキシエタンのかわりにNMPを使用した。1,2ジメトキシエタン系に可溶なものを○、不溶によりNMPを使用したものを×とした。
〔実施例5〕<電極の形成1>
離型剤処理したPETフィルム上に、上記電極ペーストを白金塗布量が0.5mg/cm2になるようにドクターブレードを用いて塗布した。これを95℃で10分間加熱乾燥
して電極層を形成した。
〔実施例6〕<触媒付電解質膜の作製>
下記一般式(XI)で表される構造の重量平均分子量(Mw)170,000の重合体から
なる膜厚50μmの電解質膜を1枚用意し、2枚の電極層で挟み、圧力100kg/cm2下で、160℃×15minの条件でホットプレス成形して、触媒付電解質膜を作製し
た。
Figure 2009245738
〔実施例7〕<電極の形成2>
実施例4の方法で得られた電極ペーストを上記一般式(XI)で表される構造の重量平均分子量(Mw)170,000の重合体からなる膜厚50μmの電解質膜を1枚用意し、白
金塗布量が0.5mg/cm2になるようにドクターブレードを用いて塗布した。
〔評価結果〕
上記実施例および比較例で得られた電解質の膜物性(イオン交換容量、熱水中での面積
変化率、膜抵抗(プロトン伝導度))、Tg、電極接合性、プロトン伝導膜の貧溶媒に対す
る溶解性を表1に示す。
Figure 2009245738
表1より、本発明の電解質は、低い膜抵抗(高プロトン伝導度)、熱水に対する寸法安定性、および、優れた加工性(溶解性、電極接合性)を発現できることがわかる。
[評価]
次に発電特性の評価結果を表2に示す。本発明の電解質から作製した電極付電解質膜は、電極と膜との密着性に優れていることにより、高温高湿下、高温低湿の条件下の測定においても、各電流密度で高い端子電圧を示し発電性能に優れていることがわかる。
Figure 2009245738
図1は、化合物(D−1)の1H−NMRスペクトルである。 図2は、スルホン化ポリマー(1)の1H−NMRスペクトルである。 図3は、化合物(D−2)の1H−NMRスペクトルである。 図4は、スルホン化ポリマー(2)の1H−NMRスペクトルである。

Claims (7)

  1. 下記一般式(A−1)、(A−2)、(A−3)および(A−4)からなる群から選択される少なくとも1種の構成単位(A)と、下記一般式(B−1)および/または(B−2)で表されるフ
    ッ素を含有する構成単位(B)と、下記一般式(C−1)で表される構成単位(C)とを有する共重合体を含むことを特徴とする固体高分子型燃料電池用電極電解質。
    Figure 2009245738
    (式(A−1)、(A−2)、(A−3)および(A−4)中、R1〜R19は互いに独立であり、
    水素原子、フッ素原子、アルキル基、フッ素化アルキル基、アリール基、シアノ基からなる群より選ばれた少なくとも1種の原子または基を示し、Wは単結合、−CO−、−SO2−、―SO−、−(CF2)p−(ここで、pは1〜10の整数である)、または−C(CF3)2−からなる群より選ばれた少なくとも1種の原子または基を示し、Jは単結合、−O−
    、−S−、−CH2−、CO−、−SO2−、−(CF2)p−(ここで、pは1〜10の整数
    である)、−C(CH3)2−、または−C(CF3)2−からなる群より選ばれた少なくとも1
    種の基を示す。
    各構成単位の端部における単線のうち、一方に置換基が表示されていないものは隣り合う構成単位との接続を意味する。)
    Figure 2009245738
    (式(B−1)および(B−2)中、R20〜R35は互いに独立であり、水素原子、フッ素原子、アルキル基、フッ素化アルキル基、アリール基、シアノ基からなる群より選ばれた少なくとも1種の原子または基を示し、Tは単結合、−CO−、−SO2−、−(CF2)p−(ここで、pは1〜10の整数である)、または−C(CF3)2−からなる群より選ばれた少な
    くとも1種の原子または基を示し、Qは単結合、−O−、−S−、−CH2−、−CO−
    、−SO2−、−(CF2)p−(ここで、pは1〜10の整数である)、−C(CH3)2−、ま
    たは−C(CF3)2−からなる群より選ばれた少なくとも1種の基を示す。これらの置換基、結合基のうち少なくとも1つ以上は、フッ素原子もしくはフッ素を含有する基を含む。)
    Figure 2009245738
    (式中、Yは−CO−、−SO2−、−SO−、−CONH−、−COO−、−(CF2)f
    −(fは1〜10の整数である)、−C(CF3)2−からなる群より選ばれた少なくとも1種の構造を示し、Zは直接結合または、−(CH2)h−(hは1〜10の整数である)、−C(CH3)2−、−O−、−S−からなる群より選ばれた少なくとも1種の基を示し、Arはス
    ルホン酸基を有する芳香族基を示す。jは0〜10の整数を示し、kは0〜10の整数を示し、iは1〜4の整数を示す。)
  2. 前記共重合体中の構成単位(A)の割合aが5〜85モル%であり、構成単位(B)の割合bが10〜90モル%である(ここで、a+b<100モル%)ことを特徴とする請求項1に記載の固体高分子型燃料電池用電極電解質。
  3. 請求項1または2に記載の電極電解質を含むことを特徴とする電極ワニス。
  4. 請求項1または2に記載の電極電解質と触媒粒子を含むことを特徴とする電極ペースト。
  5. ペーストを構成する溶媒が水と少なくとも1種類以上の有機溶剤との混合溶媒であり、その混合溶媒がプロトン伝導膜の貧溶媒であることを特徴とする請求項4に記載の電極ペースト。
  6. 請求項1または2に記載の電極電解質と触媒粒子とを含むことを特徴とする固体高分子型燃料電池用電極。
  7. 請求項6に記載の電極を、高分子電解質膜の少なくとも片面に備える膜−電極接合体。
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