JP5339757B2 - 高分子型燃料電池用電極電解質およびその用途 - Google Patents
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Description
また、ナフィオンをはじめとする従来より使用されていた電解電解質は、メタノール水溶液中で膨潤しやすく、十分なメタノール耐性を有さないことなどから、ダイレクトメタノール型燃料電池に利用する電解質膜としてはまだ不十分であった。
[1]下記式(1’)で表される構造単位および下記式(5)で表される構造単位を有する
分岐状ポリアリーレン系共重合体を含んでなることを特徴とする高分子型燃料電池用電極電解質;
してなる。該式(1a')および(1b')の構造単位は、規則的に結合していても、不規則に結合していてもよく、また(1a')で表される構造単位のみが互いに結合した構造ブロックと下
記式(1b')で表される構造単位のみが互いに結合した構造ブロックとが結合した構造を形
成してもよい。)
数である)、−(CH2)j−(jは1〜10の整数である)、−CR''2−(R''は脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基およびハロゲン化炭化水素基を示す)、シクロヘキシリデン基、
フルオレニリデン基からなる群より選ばれた少なくとも1種の構造を示し、
R1〜R16は、互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、フッ素原子、アルキル基
、一部またはすべてがハロゲン化されたハロゲン化アルキル基、アリル基、アリール基、ニトロ基およびシアノ基からなる群より選ばれる少なくとも1種の原子または基を示す。
Bは独立に酸素原子または硫黄原子を示し、Qは下記式(2')〜(4')で表される構
造から選ばれる少なくとも一種の構造である。
およびシアノ基からなる群より選ばれる少なくとも1種の原子または基を示す。H01は下
記式(2-a')〜(2-b')で表される構造から選ばれる少なくとも一種の構造である。
各構成単位の端部における単線のうち、一方に置換基が表示されていないものは隣り合う構成単位との接続を意味する]
OO−、−(CF2)i−(iは1〜10の整数である)、−C(CF3)2−からなる群よ
り選ばれた少なくとも1種の構造を示し、Zは直接結合または、−(CH2)i−(iは1〜10の整数である)、−C(CH3)2−、−O−、−S−からなる群より選ばれた少なくとも1種の構造を示し、R37〜R39は、R1〜R36と同じである。また、sは0〜4の
整数を示す。
)、−C(CH3)2−、−O−、−S−からなる群より選ばれた少なくとも1種の構造を示し、Yは−CO−または−SO2−または−SO−を示し、Arは−SO3Hまたは−O(CH2)pSO3Hまたは−O(CF2)pSO3Hで表される置換基を有する芳香族基を示す。pは1〜12の整数を示す。tは0〜2の整数を示し、uは0〜2の整数を示し、jは0〜2の整数
を示す(ただし、uが1〜2の場合はjは0であり、jが1〜2の場合uは0である)。lおよびkは、1〜4の整数を示す。各構成単位の端部における単線のうち、一方に置換基が表示されていないものは隣り合う構成単位との接続を意味する]
[2]前記式(5)で表される構造が、下記式(5a)で表される化合物から誘導されるもので
ある[1]の高分子型燃料電池用電極電解質。
。
、u、jは前記した通りである。また、Ar'は、−SO3Rまたは−O(CH2)pSO3Rまたは−O(CF2)pSO3Rで表される置換基を有する芳香族基を示す。pは1〜12の整数を示
す。Xはフッ素を除くハロゲン原子から選ばれる原子を示し、X’はハロゲン原子を示し、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素のいずれを示す。Rは、互いに独立に、Rは炭素数4〜12のアルキル基を示す。B’は-OH基または-SH基を示す。]
[4][1]〜[3]の電極電解質と触媒粒子および溶媒を含むことを特徴とする電極ペースト。
[5][1]〜[4]の電極電解質と触媒粒子とを含むことを特徴とする固体高分子型燃料電池用
電極。
[6][5]の電極を、高分子電解質膜の少なくとも片面に備える膜−電極接合体。
本発明に係る高分子型燃料電池用電極電解質は、特定構造を有する分岐状ポリアリーレン系共重合体を含んでなる。
<分岐状ポリアリーレン系重合体>
本発明で使用される分岐状ポリアリーレン系重合体は、分岐点を有する芳香族化合物に由来する下記式(1’)で表される構造単位[1]を必須成分として含み、さらに、構造単位[1]とともに、(5)式で表されるスルホン酸基を有する構造単位[2]とを有してなる。より詳しくは、該重合体は、構造単位[1]どうしが式(1’)の両末端の結合手を介して又は式(1’)の分岐点の結合手を介して結合すると共に、これらの結合手の少なくとも一部が構造単位[2]と結合した構造を有する。また、構造単位[2]は、構造単位[1]の末端の結合手に結合してもよいし、構造単位[1]の分岐点の結合手に結合してもよい。構成単位の端部における単線のうち、一方に置換基が表示されていないものは隣り合う構成単位との接続を意味する。
構造単位[1]
してなる。該式(1a')および(1b')の構造単位は、規則的に結合していても、不規則に結合していてもよく、また(1a')で表される構造単位のみが互いに結合した構造ブロックと下
記式(1b')で表される構造単位のみが互いに結合した構造ブロックとが結合した構造を形
成してもよい。)
数である)、−(CH2)j−(jは1〜10の整数である)、−CR''2−(R''は脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基およびハロゲン化炭化水素基を示す)、シクロヘキシリデン基、
フルオレニリデン基からなる群より選ばれた少なくとも1種の構造を示し、
R1〜R16は、互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、フッ素原子、アルキル基
、一部またはすべてがハロゲン化されたハロゲン化アルキル基、アリル基、アリール基、ニトロ基およびシアノ基からなる群より選ばれる少なくとも1種の原子または基を示す。
Bは独立に酸素原子または硫黄原子を示し、Qは下記式(2')〜(4')で表される構
造から選ばれる少なくとも一種の構造である。
記式(2-a')〜(2-b')で表される構造から選ばれる少なくとも一種の構造である。
OO−、−(CF2)i−(iは1〜10の整数である)、−C(CF3)2−からなる群よ
り選ばれた少なくとも1種の構造を示し、Zは直接結合または、−(CH2)i−(iは1〜10の整数である)、−C(CH3)2−、−O−、−S−からなる群より選ばれた少なくとも1種の構造を示し、R37〜R39は、R1〜R36と同じである。また、sは0〜4の
整数を示す。
前記スルホン酸基を有する構造単位[2]としては、下記式(5)で表される構造を有していることが好ましい。
構造単位[2]
)、−C(CH3)2−、−O−、−S−からなる群より選ばれた少なくとも1種の構造を示し、Yは−CO−または−SO2−または−SO−を示し、Arは−SO3Hまたは−O(CH2)pSO3Hまたは−O(CF2)pSO3Hで表される置換基を有する芳香族基を示す。pは1〜12の整数を示す。tは0〜2の整数を示し、uは0〜2の整数を示し、jは0〜2の整数
を示す(ただし、uが1〜2の場合はjは0であり、jが1〜2の場合uは0である)。lおよびkは、1〜4の整数を示す。各構成単位の端部における単線のうち、一方に置換基が表示されていないものは隣り合う構成単位との接続を意味する]
分岐状ポリアリーレン系重合体の重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)によるポリスチレン換算で、1万〜100万、好ましくは2万〜50万、より好ましくは10万〜40万である。
合わせなどを変えることにより、調整することができる。なお、本発明の分岐状ポリアリーレン系重合体は、構造単位(1)を0.01〜100モル%、好ましくは0.1〜99.99モル%の割合で、さらに好ましくは1〜99.9モル%の割合で、構造単位(5)を99.99〜0モル%、好ましくは99.9〜0.01モル%の割合で、さらに好ましくは99〜0.1モル%の割合で含有することが望ましい。
本発明で使用される分岐状ポリアリーレン系重合体は、下記式(6)または下記式(7)で表される分離構造を有しないモノマーと、式(8-a)〜(8-c)または(9)で表される分離構造を有するモノマーの少なくとも1種とを縮合させて式(1)で表される芳香族
化合物を合成したのち、該芳香族化合物と式(10)で表されるスルホン酸化合物とを反応させ、さらにスルホン酸エステル基を加水分解またはエステル交換反応を行い、スルホン酸基とすることで製造される。かかる重合体の製造方法は、たとえば、特開2004−137444号公報に記載されている。
(i)芳香族化合物の合成
まず、下記式(1)で表される芳香族化合物を合成する。
前記の通りである。
分岐構造を有しないモノマー
[モノマー(A)]
[モノマー(B)]
ある。)
分岐構造を有するモノマー
[モノマー(C)]
。)
[モノマー(D)]
上記モノマー(A)の具体例としては、下記式で示されるような化合物が挙げられる。
物なども挙げられる。
き換わった化合物、ならびに、フッ素原子が塩素原子に置き換わり、かつ、−CO−が−SO2−に置き換わった化合物なども挙げられる。
まず、フェノール性水酸基またはフェノール性チオール基を有する前記モノマー(B)又は(D)を、対応するアルカリ金属塩とする。このために、誘電率の高い極性溶媒中で、リチウム、ナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属、または、水素化アルカリ金属、水酸化アルカリ金属、アルカリ金属炭酸塩などのアルカリ金属化合物を加える。上記誘電率の高い極性溶媒としては、N−メチル−2−ピロリドン、N,N-ジメチルアセトアミド、スルホラン、ジフェニルスルホン、ジメチルスルホキサイド、N,N-ジメチルイミダゾリジノンなどが挙げられる。上記アルカリ金属は、フェノール性水酸基に対して、通常1.1〜2倍当量、好ましくは1.2〜1.5倍当量で用いる。
(a)分岐点を導入するモノマーにモノマー(C)を用いる場合
モノマー(C)の量は、モノマー(A)1モルに対し、0.01〜0.2モル、好ましく
は0.01〜0.1モル、より好ましくは0.03〜0.1モルの範囲の量で用いられる。モノマー(B)の量は、モノマー(A)と(C)の合計で1モルに対し、0.1〜4.
0モル、好ましくは0.3〜2.8モル、より好ましくは0.5〜2.0モルの範囲の量で用いられる。
(b)分岐点を導入するモノマーにモノマー(D)を用いる場合
モノマー(D)の量は、モノマー(B)1モルに対し、0.01〜0.2モル、好まし
くは0.01〜0.1モル、より好ましくは0.03〜0.1モルの範囲の量で用いられる。モノマー(B)と(D)の量は、モノマー(A)1モルに対し、合計で0.1〜4.
0モル、好ましくは0.3〜2.8モル、より好ましくは0.5〜2.0モルの範囲の量で用いられる。
(c)分岐点を導入するモノマーにモノマー(C)、(D)両方を用いる場合
モノマー(C)のモノマー(A)に対する量およびモノマー(D)のモノマー(B)に対する量は、それぞれそれぞれを単独で用いる場合(上記(a)および(b))と同様で用いられる。それぞれの量は、モノマー(A)と(C)の合計で1モルに対し、モノマー
(B)と(D)の合計で0.1〜4.0モル、好ましくは0.3〜2.8モル、より好ましくは0.5〜2.0モルの範囲の量で用いられる。
なお、次の共重合反応を考えると、分岐点を有する芳香族化合物の末端基がフッ素原子、塩素原子となるよう、モノマー(A)とモノマー(B)とのモル比を調節することが望ましい。また、必要に応じて、反応に用いたモノマー(A)1モルに対して、0.01〜1モルのモノマー(A)を末端キャップ剤として添加してもよい。
Cl−[分岐を有しない構造単位−O−分岐を有する構造単位−O]−[モノマー(A)]−Cl
ここで、[分岐を有しない構造単位−O−分岐を有する構造単位−O]は、1個又は複
数の分岐を有しない構造単位と1個又は複数の分岐を有する構造単位が不規則にエーテル結合している構造を示す。また、[モノマー(A)]−Clの構造部分は、モノマー(A)に由来する。
[モノマー(A)]−O−[モノマー(B)]
また、分岐を有する構造単位は、下記式のいずれかで表される構造を有する。
[モノマー(C)]−O−[モノマー(B)]
[モノマー(A)]−O−[モノマー(D)]
ここで、[モノマー(A)]は、モノマー(A)に由来する構造部分を、[モノマー(B)]は、モノマー(B)に由来する構造部分を、[モノマー(C)]は、モノマー(C)に由来する構造部分を、[モノマー(D)]は、モノマー(D)に由来する構造部分をそれぞれ示す。
用いるハロゲン化モノマーの量により調節可能である。mが多くなれば、より分岐構造の多い重合体が得られ、mが少なくなれば分岐構造の少ない重合体が得られる。
−であり、Bは酸素原子であり、Dは−C(CF3)2−であり、Xは塩素原子である。
(1A)中、l、mは、前記例示と同様に、l+m=100であり、l,m>0である。
(ii)式(10)で表されるスルホン酸化合物と芳香族化合物との反応
H2)pSO3Rまたは−O(CF2)pSO3Rで表される置換基を有する芳香族基を示す。pは1〜12の整数を示す。X’はハロゲン原子を示し、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素のいずれ
を示す。Rは、互いに独立に、Rは炭素数4〜12のアルキル基を示し、具体的にはtert−ブチル基、iso−ブチル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、ネオペンチル基、シクロペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、シクロペンチルメチル基、シクロヘキシルメチル基、アダマンチル基、アダマンチルメチル基、2−エチルヘキシル基、ビシクロ[2.2.1]ヘプチル基、ビシクロ[2.2.1]ヘプチルメチル基、テトラヒドロフルフリル基、2−メチルブチル基、3,3−ジメチル−2,4−ジオキソランメチル基などの直鎖状炭化水素基、分岐状炭化水素基、脂環式炭化水素基、5員の複素環を有する炭化水素基などが挙げられる。これらのうちネオペンチル基、テトラヒドロフルフリル基、シクロペンチルメチル基、シクロヘキシルメチル基、アダマンチルメチル基、ビシクロ[2.2.1]ヘプチルメチル基が好ましく、さらにはネオペンチル基がより好ましい。)
上記重合の際に用いられる触媒は、遷移金属化合物を含む触媒系であり、このような触媒系としては、(i)遷移金属塩および配位子となる化合物(以下、「配位子成分」という。) 、または、配位子が配位された遷移金属錯体(銅塩を含む)と、(ii)還元剤とを必須成分とし、さらに、重合速度を上げるために「塩」を添加してもよい。
ているように、以下の工程により得ることができる。
(1)スルホン化 スルホン酸ナトリウム塩化(例えば、アセチル硫酸、苛性ソーダ)
例えば、2,5−ジクロロベンゾフェノンの1,2−ジクロロメタン溶液に、5倍モルのアセチル硫酸の1,2−ジクロロメタン溶液を60℃で3〜5時間反応させる。反応後、1−プロパノールで反応を終結させ、3倍モルのNaOH水溶液に注ぐ。得られた溶液を濃縮していくと微粉のスルホン酸ナトリウム塩が得られる。
(2)スルホン酸クロライド化(例えば、塩化ホスホリル)
例えば、2,5−ジクロロベンゾフェノン−3’−スルホン酸ナトリウムに対し、約3〜4倍(重量/容積)の溶媒(スルホラン/アセトニトリル=4/6(容積比)の混合溶媒)に溶解させ、70℃に加温し、塩化ホスホリルを10℃付近で、5時間程度反応させる。反応後、大過剰の冷水で希釈し、生成物を沈殿させる。濾過後、トルエンで再結晶し、精製結晶を得る。
(3)スルホン酸エステル化(例えば、i−ブチルアルコール)
例えば、2,5−ジクロロベンゾフェノン−3’−スルホン酸クロライドに対し、等量以上(通常1〜3倍モル)のi−ブチルアルコールとピリジンを冷却した混合溶液に、スルホン酸クロライドを滴下して反応させる。反応は〜20℃までに抑える。反応時間は反応スケールにもよるが10分〜5時間程度である。反応混合液を希塩酸処理、水洗した後、酢酸エチルで目的物を抽出する。抽出液を濃縮分離後、メタノールで再結晶する。
(iii)スルホン酸エステル基の加水分解
共重合後、スルホン酸エステル基を加水分解するが、かかる加水分解は、
(1)少量の塩酸を含む過剰量の水またはアルコールに、上記ポリアリーレンを投入し、5分間以上撹拌する方法
(2)トリフルオロ酢酸中で上記ポリアリーレンを80〜120℃程度の温度で5〜10時間程度反応させる方法
(3)ポリアリーレン中のスルホン酸エステル基(−SO3R)1モルに対して1〜3倍
モルのリチウムブロマイドを含む溶液、例えばN−メチルピロリドンなどの溶液中で上記ポリアリーレンを80〜150℃程度の温度で3〜10時間程度反応させた後、塩酸を添加する方法
などを挙げることができる。
(電極ペースト)
本発明の電極ペーストは、上記の電極電解質、触媒粒子、溶媒からなり、必要に応じて分散剤、炭素繊維などの他の成分を含んでいてもよい。
触媒粒子
触媒粒子は、触媒が、カーボン、金属酸化物の担体に担持されたもの、または、触媒の単体からなる。
上記触媒を担持する担体としては、オイルファーネスブラック、チャネルブラック、ランプブラック、サーマルブラック、アセチレンブラックなどのカーボンブラックが、電子伝導性と比表面積の大きさから好ましく用いられる。また、天然の黒鉛、ピッチ、コークス、ポリアクリロニトリル、フェノール樹脂、フラン樹脂などの有機化合物から得られる人工黒鉛や炭素などを用いてもよい。
本発明の電極ペーストの溶媒としては、前記電解質を溶解または分散しうる溶媒であればよく、特に限定されるものではない。また1種類のみでなく、2種以上の溶媒を用いることもできる。
メタノール、エタノール、n−プロピルアルコール、2−プロパノール、2−メチル−2−プロパノール、2−ブタノール、n−ブチルアルコール、2−メチル−1−プロパノール、1−ペンタノール、2−ペンタノール、3−ペンタノール、2−メチル−1−ブタノール、3−メチル−1−ブタノール、2−メチル−2−ブタノール、3−メチル−2−ブタノール、2,2−ジメチル1−プロパノール、シクロヘキサノール、1−ヘキサノー
ル、2−メチル−1−ペンタノール、2−メチル−2−ペンタノール、4−メチル−2−
ペンタノール、2−エチル−1−ブタノール、1−メチルシクロヘキサノール、2−メチルシクロヘキサノール、3−メチルシクロヘキサノール、4−メチルシクロヘキサノール、1−オクタノール、2−オクタノール、2−エチル−1−ヘキサノール、2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール、2−(メトキシメトキシ)エタノール、2−イソプロポキシエタノール、1−メトキシ−2−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール、などのアルコール類、
エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセロールなどの多価アルコール類、
ジオキサン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジ−n−プロピルエーテル、ブチルエーテル、フェニルエーテル、イソペンチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、ジエトキシエタン、ビス(2−メトキシエチル)エーテル、ビス(2−エトキシエチル)エーテル、シネオール、ベンジルエチルエーテル、アニソール、フェネトール、アセタールなどのエーテル類、
アセトン、メチルエチルケトン、2−ペンタノン、3−ペンタノン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、2−ヘキサノン、4−メチル−2−ペンタノン、2−ヘプタノン、2,4−ジメチル−3−ペンタノン、2−オクタノンなどのケトン類、
γ-ブチロラクトン、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸−n−ブチル、酢酸イソブチル
、酢酸sec-ブチル、酢酸ペンチル、酢酸イソペンチル、3−メトキシブチルアセタート、酪酸メチル、酪酸エチル、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸ブチルなどのエステル類、
ジメチルスルホキシド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリド
ン、テトラメチル尿素などの非プロトン性極性溶媒、
トルエン、キシレン、ヘプタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタンなどの炭化水素系溶媒、を挙げることができ、これらは1種類以上を組み合わせて用いることもできる。
必要に応じて含まれてよい分散剤としては、オレイン酸・N−メチルタウリン、オレイン酸カリウム・ジエタノールアミン塩、アルキルエーテルサルフェート・トリエタノールアミン塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルサルフェート・トリエタノールアミン塩、特殊変成ポリエーテルエステル酸のアミン塩、高級脂肪酸誘導体のアミン塩、特殊変成ポリエステル酸のアミン塩、高分子量ポリエーテルエステル酸のアミン塩、特殊変成燐酸エステルのアミン塩、高分子量ポリエステル酸アミドアミン塩、特殊脂肪酸誘導体のアミドアミン塩、高級脂肪酸のアルキルアミン塩、高分子量ポリカルボン酸のアミドアミン塩、ラウリン酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウムラウリル硫酸エステルナトリウム塩、セチル硫酸エステルナトリウム塩、ステアリル硫酸エステルナトリウム塩、オレイル硫酸エステルナトリウム塩、ラウリルエーテル硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、油溶性アルキルベンゼンスルホン酸塩、αーオレフィンスルホン酸塩、高級アルコールリン酸モノエステルジナトリウム塩、高級アルコールリン酸ジエステルジナトリウム塩、ジアルキルジチオリン酸亜鉛等のアニオン界面活性剤、ベンジルジメチル{2−[2−(P−1,1,3,3−テトラメチルブチルフェノオキ
シ)エトオキシ]エチル}アンモニウムクロライド、オクタデシルアミン酢酸塩、テトラ
デシルアミン酢酸塩、オクタデシルトリメチルアンモニウムクロライド、牛脂トリメチルアンモニウムクロライド、ドデシルトリメチルアンモニウムクロライド、ヤシトリメチルアンモニウムクロライド、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムクロライド、ベヘニルトリメチルアンモニウムクロライド、ヤシジメチルベンジルアンモニウムクロライド、テトラデシルジメチルベンジルアンモニウムクロライド、オクタデシルジメチルベンジルアンモニウムクロライド、ジオレイルジメチルアンモニウムクロライド、1−ヒドロキシエチル-2-牛脂イミダゾリン4級塩、2−ヘプタデセニルーヒドロキシエチルイミダゾリン、
ステアラミドエチルジエチルアミン酢酸塩、ステアラミドエチルジエチルアミン塩酸塩、トリエタノールアミンモノステアレートギ酸塩、アルキルピリジウム塩、高級アルキルアミンエチレンオキサイド付加物、ポリアクリルアミドアミン塩、変成ポリアクリルアミド
アミン塩、パーフルオロアルキル第4級アンモニウムヨウ化物等のカチオン界面活性剤、および
ジメチルヤシベタイン、ジメチルラウリルベタイン、ラウリルアミノエチルグリシンナトリウム、ラウリルアミノプロピオン酸ナトリウム、ステアリルジメチルベタイン、ラウリルジヒドロキシエチルベタイン、アミドベタイン、イミダゾリニウムベタイン、レシチン、3−[ω-フルオロアクカノイルーN−エチルアミノ]-1-プロパンスルホン酸ナトリウ
ム、N−[3-(パーフルオロオクタンスルホンアミド)プロピル]-N,N−ジメチル-N-カルボキシメチレンアンモニウムベタイン等の両性界面活性剤、およびヤシ脂肪酸ジエタノールアミド(1:2型)、ヤシ脂肪酸ジエタノールアミド(1:1型)、牛脂肪酸ジエタノールアミド(1:2型)、牛脂肪酸ジエタノールアミド(1:1型)、オレイン酸ジエタノールアミド(1:1型)、ヒドロキシエチルラウリルアミン、ポリエチレングリコールラウリルアミン、ポリエチレングリコールヤシアミン、ポリエチレングリコールステアリルアミン、ポリエチレングリコール牛脂アミン、ポリエチレングリコール牛脂プロピレンジアミン、ポリエチレングリコールジオレイルアミン、ジメチルラウリルアミンオキサイド、ジメチルステアリルアミンオキサイド、ジヒドロキシエチルラウリルアミンオキサイド、パーフルオロアルキルアミンオキサイド、ポリビニルピロリドン、高級アルコールエチレンオキサイド付加物、アルキルフェノールエチレンオキサイド付加物、脂肪酸エチレンオキサイド付加物、ポリプロピレングリコールエチレンオキサイド付加物、グリセリンの脂肪酸エステル、ペンタエリスリットの脂肪酸エステル、ソルビットの脂肪酸エステル、ソルビタンの脂肪酸エステル、砂糖の脂肪酸エステル、等の非イオン界面活性剤、およびラウリルアミノプロピオン酸ナトリウム、ステアリルジメチルベタイン、ラウリルジヒドロキシエチルベタイン等の両性界面活性剤などを挙げることができる。これらは1種単独で使用しても、2種類以上を組み合わせて用いることもできる。これらのなかでも、好ましくは、塩基性基を有する界面活性剤であり、より好ましくはアニオン性もしくは、カチオン性の界面活性剤であり、さらに好ましくは、分子量5千〜3万の界面活性剤である。
炭素繊維
本発明に係る電極ペーストでは、必要に応じてさらに触媒が担持されていない炭素繊維を添加することができる。
維、リグニンポバー系炭素繊維、ピッチ系炭素繊維、気相成長炭素繊維等を用いることができ、好ましくは、気相成長炭素繊維である。
本発明に係る電極ペーストでは、必要に応じてさらに他の成分を添加することができる。例えば、フッ素系ポリマーやシリコン系ポリマーなどの撥水剤を添加してもよい。撥水剤は生成する水を効率よく排出する効果をもち、発電性能の向上に寄与する。
本発明に係るペースト中の触媒粒子の使用割合は、重量比で1重量%〜20重量%、好ましくは3重量%〜15重量%であることが望ましい。また、電極電解質の使用割合は、重量比で0.5重量%〜30重量%、好ましくは1重量%〜15重量%であることが望ま
しい。さらに、溶剤の使用割合は、重量比で5重量%〜95重量%、好ましくは15重量%〜90重量%であることが望ましい。
触媒粒子の使用割合が、上記範囲下限値以上であると、電極反応率の低下を抑制することができる。また、上記範囲上限値以下であると、電極ペーストの粘度の増加を抑制し、塗工時の塗りむらを抑えることができる。
分散剤の使用割合が、上記範囲内にあると保存安定性に優れた電極ペーストが得られる。炭素繊維の使用割合が、上記範囲下限値以上であると、電極中の細孔容積の増加効果が十分に発現される。また、上記範囲上限値よりも小さいと、電極反応率の低下が抑制され、高い反応率を維持できる。
本発明に係る電極ペーストは、例えば上記各成分を所定の割合で混合し、従来公知の方法で混練することにより調製することができる。
(電極および膜-電極接合体)
以上のような本発明に係る電極ペーストを、転写基材上に塗布し、溶媒を除去すると本発明の電極が得られる。このような電極を高分子電解質の少なくとも片面に形成することで、本発明の膜-電極接合体が得られる。
転写基材上に塗布された電極を、乾燥して溶媒を除去したのち、固体高分子電解質膜の少なくとも片面に転写させると、本発明の膜-電極接合体が得られる。
たとえば、Nafion(DuPont社製)、Flemion(旭硝子製)、Aciplex(旭化成製)などのパーフルオロアルキルスルホン酸ポリマーからなる電解質膜、
パーフルオロアルキルスルホン酸ポリマーに、ポリテトラフルオロエチレンの繊維や多孔質膜と複合化した補強型電解質膜、
ポリテトラフルオロエチレングラフトスルホン化ポリスチレンなどの部分フッ素化スルホン化ポリマーからなる電解質膜、
スルホン化ポリアリーレン、スルホン化ポリフェニレン、スルホン化ポリエーテルケトン、スルホン化ポリエーテルスルホン、スルホン化ポリエーテルニトリル、スルホン化ポリフェニレンエーテル、スルホン化ポリフェニレンスルフィド、スルホン化ポリベンズイミダゾール、スルホン化ポリベンズオキサゾール、スルホン化ポリベンズチアゾールなどの芳香族スルホン化ポリマーからなる電解質膜、
スルホン化ポリスチレン、スルホン酸含有アクリル系ポリマーなどの脂肪族スルホン化ポリマーからなる電解質膜、
これらを多孔質膜と複合化した細孔フィリング型電解質膜、
ポリベンズオキサゾール、ポリベンズイミダゾール、ポリベンズチアゾールなどのポリマーにリン酸、硫酸などを含浸させた酸含浸型ポリマーからなる電解質膜、などがあげられる。これらのうち、芳香族スルホン化ポリマーからなる電解質膜が好ましい。
電極を固体高分子電解質膜に転写するには、ホットプレス法を用いることができる。ホットプレス法では、カーボンペーパーまたは離型シートに前記電極ペーストを塗布したもものの、電極ペースト塗布面と電解質膜とを圧着する方法である。ホットプレスは、通常、50〜250℃の温度範囲で、1分〜180分の時間、10〜500kg/cm2の圧
力をかけて行う。
塗布、乾燥を繰り返す方法がある。塗布や乾燥の順序に特に制限はない。
例えば、PETフィルム等の基材上に、電解質膜の溶液を塗布し乾燥して、電解質膜を作
成した後、この上に本発明の電極ペーストを塗布する。次に基材をはがして、もう一方の面に電極ペーストを塗布する。最後に溶媒を除去すると膜-電極接合体(なお、かかる膜-電極接合体を触媒付電解質膜ということもある)が得られる。塗布方法は上記と同様の方法をあげることができる。
必要に応じて、電解質膜を水浸漬して、溶媒を除去してもよい。水温は5℃〜120℃、好ましくは15℃〜95℃、水浸漬時間は1分〜72時間、好ましくは5分〜48時間である。
が低下したり軽量化が困難となったりするので、10〜200μm程度の厚さであればよいが、この限りではない。
以下、実施例に基づいて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。なお実施例における各種の測定項目は、下記のようにして求めた。
スルホン化前の疎水性ユニットの数平均分子量(Mn)は、溶剤としてテトラヒドロフラン(THF)を用い、GPCによって、ポリスチレン換算の分子量を求めた。スルホン化ポリマーの重量平均分子量(Mw)は、溶剤として臭化リチウムと燐酸を添加したN−メチル−2−ピロリドン(NMP)を溶離液として用い、GPCによって、ポリスチレン換算の分子量を求めた。
得られたスルホン化ポリマーの水洗水がpH4〜6になるまで洗浄して、フリーの残存している酸を除去後、十分に水洗し、乾燥後、所定量を秤量し、THF/水の混合溶剤に溶解し、フェノールフタレインを指示薬とし、NaOHの標準液にて滴定し、中和点から、イオン交換容量を求めた。
攪拌機、温度計、Dean−stark管、窒素導入管、冷却管を取り付けた1Lの三口フラスコに、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン97.6g(290mmol;モノマー(B))、4,4’−ジクロロベンゾフェノン73.9g(294mmol;モノマー(A))、2,4,4’−ト
リクロロベンゾフェノン4.4g(15mmol;モノマー(C−a))、炭酸カリウム52.2g(377mmol)をはかりとった。窒素置換後、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)436mL、トルエン218mLを加えて攪拌した。オイルバスで反応液を130℃で加熱還流させた。反応によって生成する水はDean−stark管にトラップした。3時間後、水の生成がほとんど認められなくなったところで、トルエンをDean−stark管から系外に除去した。徐々に反応温度を190℃に上げ、2時間攪拌を続けた後、反応液を放冷後、テトラヒドロフラン(THF)300mLを加えて希釈した。反応液に不溶の無機塩をろ過し、ろ液をメタノール3Lに注いで生成物を沈殿させた。沈殿した生成物をろ過、乾燥後、THF600mLに溶解し、これをメタノール2Lに注いで再沈殿させた。沈殿した白色粉末をろ過、乾燥し、下記一般式(I)で示される
目的物145gを得た。GPCで測定したポリスチレン換算の数平均分子量は12,000であった。また得られた化合物の1H-NMRスペクトルを図1に示す。
合成例1における、4,4’−ジクロロベンゾフェノンの代わりとして、4,4’−ジクロロジフェニルスルホン84.5g(294mmol;モノマー(A))を用いること以外は合成例と同様に行い、下記一般式(II)で示される目的物153gを得た。GPCで測定したポリスチレン換算の数平均分子量は11,000であった。
3−(2,5−ジクロロベンゾイル)ベンゼンスルホン酸ネオペンチルの調製
)を加え、100℃のオイルバスで8時間反応させた。所定時間後、反応液を砕氷(1000g)にゆっくりと注ぎ、酢酸エチルで抽出した。有機層を食塩水で洗浄、硫酸マグネシウムで乾燥後、酢酸エチルを留去し、淡黄色の粗結晶(3−(2,5−ジクロロベンゾイル)ベンゼンスルホン酸クロリド)を得た。粗結晶は精製することなく、そのまま次工程に用いた。
晶を約30分かけて徐々に加えた。全量添加後、さらに30分撹拌し反応させた。反応後、反応液を塩酸水1000ml中に注ぎ、析出した固体を回収した。得られた固体を酢酸エチルに溶解させ、炭酸水素ナトリウム水溶液、食塩水で洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥後、酢酸エチルを留去し、粗結晶を得た。これをメタノールで再結晶し、目的物である3-(2,5-ジクロロベンゾイル)ベンゼンスルホン酸ネオペンチルの白色結晶を得た。得られた白色粉末の1H-NMRスペクトルを図2に示す。
<合成例4>
攪拌機、温度計、窒素導入管をとりつけた1Lの三口フラスコに、合成例3で得られた3-(2,5-ジクロロベンゾイル)ベンゼンスルホン酸ネオペンチル51.4g(128.1m
mol)、合成例1で得られたMn12,000の疎水性ユニット(I)22.5g(1.
9mmol)、ビス(トリフェニルホスフィン)ニッケルジクロリド3.4g(5.2mmol)、ヨウ化ナトリウム0.58g(3.9mmol)、トリフェニルホスフィン13.6
4g(52.0mmol)、亜鉛20.4g(312mmol)をはかりとり、乾燥窒素置換した。
、イオン交換水7Lに注いで生成物を沈殿させた。ついで、アセトン、1N塩酸、純水の順で洗浄後、乾燥して目的の重合体50gを得た。得られた重合体の重量平均分子量(M
w)は218,000、イオン交換容量は2.3meq/gであった。
合成例4における疎水性ユニット(I)の代わりに合成例2で得られた疎水性ユニット
(II)を用いる以外は同様に行い、目的の重合体50gを得た。得られた重合体の重量平均分子量(Mw)は201,000、イオン交換容量は2.3meq/gであった。
<合成比較例1>
撹拌機、温度計、冷却管、Dean-Stark管、窒素導入の三方コックをとりつけた1Lの三つ口のフラスコに、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロプロ
パン(ビスフェノールAF)67.3g(0.20モル)、4,4'-ジクロロベンゾフェノン(4,4'-DCBP)60.3g(0.24モル)、炭酸カリウム71.9g(0.52モル)、N,N-ジメチルアセトアミド(DMAc)300mL、トルエン150mLをとり、オイルバス中、窒素雰囲気下で加熱し撹拌下130℃で反応させた。反応により生成する水をトルエンと共沸させ、Dean-Stark管で系外に除去しながら反応させると、約3時間で水の生成がほとんど認められ
なくなった。反応温度を130℃から徐々に150℃まで上げた。その後、反応温度を徐々に150℃まで上げながら大部分のトルエンを除去し、150℃で10時間反応を続けた後、4,4'-D
CBP10.0g(0.40モル)を加え、さらに5時間反応した。得られた反応液を放冷後、副生した無機化合物の沈殿物を濾過除去し、濾液を4Lのメタノール中に投入した。沈殿した生成物を濾別、回収し乾燥後、テトラヒドロフラン300mLに溶解した。これをメタノ
ール4Lに再沈殿し、下記式(III)で表される化合物95g(収率85%)を得た。
前記合成比較例1において、4,4’−ジクロロベンゾフェノンの代わりとして、ビス(4-クロロフェニル)スルホン(BCPS)を使用し、その最初の仕込量を53.5g(0.214
モル)とし、後添加する仕込み量を3.3g(0.0133モル)としたこと、さらに炭酸カリウ
ムの使用量を58.0g(0.42モル)に変えた以外は、合成比較例1と同様にして重合を行った。その結果、式(IV)で表される重合体が96%の収率で120g得られた。GPC(THF
溶媒)で求めたポリスチレン換算の数平均分子量は4,600、重量平均分子量は7,600であった。また、得られた重合体はTHF、NMP、DMAc、スルホランなどに可溶で、Tgは158℃、熱分解温度は513℃であった。
000の疎水性ユニットを用いる以外は同様に行い、目的の重合体52gを得た。得られた重合体の重量平均分子量(Mw)は190,000、イオン交換容量は2.3meq/gであった。
攪拌機、温度計、窒素導入管をとりつけた1Lの三口フラスコに、2,5−ジクロロベンゾフェノン−3’−スルホン酸ネオペンチル51.4g(128.1mmol)、合成比較例1で用いたMn12,000の疎水性ユニット(III)22.5g(1.9mmol)
、2,4,4’−トリクロロベンゾフェノン4.4g(15mmol)、ビス(トリフェニルホスフィン)ニッケルジクロリド3.4g(5.2mmol)、ヨウ化ナトリウム0.5
8g(3.9mmol)、トリフェニルホスフィン13.64g(52.0mmol)、亜鉛20.4g(312mmol)をはかりとり、乾燥窒素置換した。
w)は236,000、イオン交換容量は2.3meq/gであった。
[電解質膜評価方法]
(評価用フィルムの作製)
合成例4,5および合成比較例1〜3で得られたポリマーをそれぞれ濃度12〜16%でN−メチル−2−ピロリドンに溶解し、ガラス板上にキャストした後、乾燥して膜厚40μmのフィルムを得た。
(耐水性試験)
まず、2×3cmに切削した試料膜を23℃50%RHの環境下で8時間以上静置し状態調節した後、重量、長辺と短辺の長さを精密に測定した。同試料膜を耐熱性樹脂容器に入れ、十分な量の水を加えて密栓した後、オーブンまたはプレッシャークッカー試験機を用い、それぞれ95℃、120℃で24時間加熱処理した。加熱終了後、室温まで放冷し、試料膜を取出し、表面の水滴を軽く拭き取った後、各辺の長さ及び膜厚を測定した。さらに、試料膜を23℃50%RHの環境下で8時間以上静置し状態調節した後、膜の重量を測定した。得られた数値を用い、試料の耐水性について以下の通り算出した。
重量保持率(%)=(試験後の膜重量(g)/試験前の膜重量(g))×100
寸法変化率(%)=(試験後の長辺(cm)/試験前の長辺(cm))+(試験後の短辺(c
m)/試験前の短辺(cm))/2×100
膜厚変化率(%)=(試験後の膜厚(μm))/(試験後の膜厚(μm))×100
[評価結果]
得られたフィルムを用い、耐水性試験およびプロトン伝導度の測定を実施した。結果を表2に示す。
[電極用ペーストの調製]
50mlのガラス瓶に直径10mmのジルコニアボール(商品名:YTZボール、株式会社ニッカトー製)25gを入れ、白金担持カーボン粒子(Pt:46重量%担持、(田中貴金属工業株式会社製:TEC10E50E)1.51g、蒸留水0.88g、合成例4で合成
したスルホン化ポリマーの15%水−1,2−ジメトキシエタン溶液(重量比10:90)3.23g、1,2−ジメトキシエタン13.97gを加え、ウエーブローターで60分間攪拌し、粘度50cp(25℃)のペーストを得た。
[ガス拡散層の作製]
カーボンブラックとポリテトラフルオロエチレン(PTFE)粒子とを、カーボンブラック:PTFE粒子=4:6の重量比で混合し、得られた混合物をエチレングリコールに均一に分散させたスラリーをカーボンペーパーの片面に塗布し、乾燥させて下地層とし、該下地層とカーボンペーパーとからなる拡散層3を二つ作製した。
[ガス拡散電極の作製]
上記で作製した拡散層上に、前記電極用ペーストを白金塗布量が0.5mg/cm2に
なるようにドクターブレードを用いて塗布した。これを95℃で10分間加熱乾燥し、ガス拡散電極層を作成した。
[膜−電極接合体の作製]
合成例4で得られたスルホン化ポリマーからなる電解質膜(膜厚30μm)を1枚用意し、上記で作製した一対のガス拡散電極層で挟み、圧力100kg/cm2下で、160
℃×15minの条件でホットプレス成形して、膜−電極接合体を作成した。尚、実施例2では合成例5のスルホン化ポリマーからなる電解質膜(膜厚30μm)にガス拡散電極層2を用いて同様の膜−電極接合体を作成した。
[実施例2]
実施例1における電極ペースト作成時のスルホン化ポリマーと、膜−電極接合体作成時の電解質膜のスルホン化ポリマーをそれぞれ合成例5で得られたスルホン化ポリマーに変更した他は実施例1と同様にして、膜−電極接合体を作成した。
[比較例1〜3]
実施例1における電極ペースト作成時のスルホン化ポリマーおよび膜−電極接合体作成時の電解質膜のスルホン化ポリマーをそれぞれ合成比較例1〜3に変更し、同様の方法にて膜−電極接合体を作成した。
[膜−電極接合体の耐久性評価]
(乾湿サイクル試験)
上記で得た膜―電極接合体を、小型環境試験器(恒温恒湿器)に入れ、乾湿サイクル試験を行った。試験条件は、85℃95%RHで2時間−25℃50%RHで2時間(温湿度
移行時間2時間)のサイクルとし、最大100サイクルまで試験を行った。
上記で得た膜―電極接合体の両側にガス流路を兼ねるセパレータを積層することにより、固体高分子型燃料電池を構成させた。これを単セルとして、一方を酸素極として空気を供給し、一方は燃料極として純水素を供給して発電させた。発電条件は、セル温度95℃、空気極側相対湿度75%、空気極側流量4L/min、燃料極側相対湿度40%、燃料極側流量1L/minで初期発電特性評価を行った。電流密度1.0A/cm2時の出力
電圧を表3に示す。初期特性評価後、セル温度95℃、空気極側相対湿度75%、空気極側流量2L/min、燃料極側相対湿度40%、燃料極側流量0.6L/minで、電流密度を0.1A/cm2に保持し、500時間連続発電を行った。500時間後、初期発
電特性評価条件と同条件で、電流密度1.0A/cm2時の出力電圧を測定した。測定結
果を表4に示す。
Claims (6)
- 下記式(1')で表される構造単位および下記式(5)で表される構造単位を有する分岐状ポリアリーレン系共重合体を含んでなることを特徴とする高分子型燃料電池用電極電解質;
成してもよい。)
R1〜R16は、互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、フッ素原子、アルキル基、一部またはすべてがハロゲン化されたハロゲン化アルキル基、アリル基、アリール基、ニトロ基およびシアノ基からなる群より選ばれる少なくとも1種の原子または基を示す。
(1')のAと(1a')のAは、互いに同一であっても異なっていてもよく、qおよびrは、それぞれ独立に、0〜4の整数を示す。
Bは独立に酸素原子または硫黄原子を示し、Qは下記式(2')〜(4')で表される構造から選ばれる少なくとも一種の構造である。
各構成単位の端部における単線のうち、一方に置換基が表示されていないものは隣り合う構成単位との接続を意味する]
q、rは、それぞれ独立に、0〜4の整数を示す。
各構成単位の端部における単線のうち、一方に置換基が表示されていないものは隣り合う構成単位との接続を意味する]
各構成単位の端部における単線のうち、一方に置換基が表示されていないものは隣り合う構成単位との接続を意味する]
- 前記重合体が、下記式(6)で表されるモノマーおよび下記式(7)で表されるモノマーと、ハロゲン化合物である下記式(8-a)〜(8-c)または(9)で表されるモノマーの少なくとも1種とを縮合させたのち、得られた芳香族化合物と、下記式(10)で表されるスルホン酸化合物とを反応させ、さらにスルホン酸エステル基を加水分解またはエステル交換反応を行い、スルホン酸基としたものであることを特徴とする請求項1に記載の高分子型燃料電池用電極電解質。
- 請求項1〜3のいずれかに記載の電極電解質と触媒粒子および溶媒を含むことを特徴とする電極ペースト。
- 請求項1〜3のいずれかに記載の電極電解質と触媒粒子とを含むことを特徴とする固体高分子型燃料電池用電極。
- 請求項5に記載の電極を、高分子電解質膜の少なくとも片面に備える膜−電極接合体。
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