JP5261934B2 - 高分子型燃料電池用電極電解質およびその用途 - Google Patents

高分子型燃料電池用電極電解質およびその用途 Download PDF

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Description

本発明は、特定の構造単位からなる重合体を含む固体高分子型燃料電池用電極電解質、電極ペースト、電極、および膜−電極接合体に関する。
固体高分子型燃料電池は、高出力密度が得られ、低温で作動可能であることから小型軽量化が可能であり、自動車用動力源、定置用発電電源、携帯機器用発電電源などとして実用化が期待されている。
固体高分子型燃料電池はプロトン伝導性の固体高分子電解質膜の両面に一対の電極を設け、純水素あるいは改質水素を燃料ガスとして一方の電極(燃料極)へ供給し、酸素ガスあるいは空気を酸化剤としてもう一方の電極(空気極)へ供給し、発電を行うものである。
かかる燃料電池の電極は触媒成分が分散した電極電解質から構成され(このため電極は、電極触媒層ということもある)、燃料極側の電極触媒層は、燃料ガスから、プロトンと電子を発生させ、空気極側の電極触媒層で酸素とプロトンと電子とから水を生成し、固体高分子電解質膜はプロトンをイオン伝導させる。そして、かかる電極触媒層を通して電力が取り出される。
従来、固体高分子型燃料電池では、電極触媒層の電解質として、Nafion(商標)に代表されるパーフルオロアルキルスルホン酸系高分子が使用されている。この材料は優れたプロトン伝導性を有しているが、非常に高価であり、また分子内にフッ素原子を大量に有していることから、燃焼性が小さく、電極触媒に用いられる白金などの高価な貴金属の回収再利用を非常に困難にしている問題がある。
一方これにかわる材料として、種々の非パーフルオロアルキルスルホン酸系高分子の検討も行われている。特に発電効率の高い、高温条件で用いることを狙い、耐熱性の高い芳香族スルホン酸系高分子を電解質として用いることが試みられている。
たとえば、特開2005−50726号公報(特許文献1)には、スルホン化ポリアリーレン重合体を電極電解質として用いることが開示されており、さらに、特開2004−253267号公報(特許文献2)には、特定のスルホン化ポリアリーレンを用いることが開示されている。
特開2005−50726号公報 特開2004−253267号公報
しかしながらこれらの従来より電解質として知られていた材料は、高温下ではスルホン酸基の可逆的な脱離反応やスルホン酸が関与する架橋反応が発生することがあった。これにより、プロトン伝導性が低下したり、膜の脆化等が生じたりして、燃料電池の発電出力の低下や、膜が破断することにより発電不能に至る問題があった。
また、このような問題をできるだけ回避するために、現状、燃料電池発電時の上限温度を限定し使用しており、発電出力に制限があった。
プロトン伝導性を上げるためにスルホン酸濃度を上げると、高温高湿条件下で、吸水に
よる膨潤が大きく、ガス流路を閉塞して、発電性能が低下する問題がある。
また、ナフィオンをはじめとする従来より使用されていた電解質膜は、メタノール水溶液中で膨潤しやすく、十分なメタノール耐性を有さないことなどから、ダイレクトメタノール型燃料電池に利用する電解質膜としてはまだ不十分であった。
すなわち、本発明の課題は、前述のような、価格的な問題や、触媒金属の回収に関する問題を解決するとともに、プロトン伝導性や寸法安定性、熱水耐性、機械的特性に優れた、固体高分子型燃料電池用電極電解質を提供し、さらに該電解質を含む、電極ペースト、電極、膜-電極接合体を提供するものである。
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたものであり、特定のポリアリーレン系重合体を使用することで、高いスルホン酸濃度の共重合体が合成でき、プロトン伝導度の高い材料設計が可能となり、高温条件下でのスルホン酸基の安定性を向上できるとともに、共重合体中のスルホン酸基を有さないユニットの組成比を増加させても、高いスルホン酸濃度の共重合体が合成でき、熱水耐性や機械的特性に優れた材料設計が可能となり、上記問題を解決することを見出した。
さらにこの重合体は、フッ素原子を含まないか、あるいは含んでもその含有量が大幅に低減されており、前述のような触媒金属の回収再利用に対する問題の解決が可能できることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明の構成は以下の通りである。
[1]式(A)で表される構造単位を含有するポリアリーレン系重合体を含んでなることを
特徴とする高分子型燃料電池用電極電解質。
Figure 0005261934
[式(A)中、A、Dは直接結合、−O−、−S−、−CO−、−SO−、−SO−、−CONH−、−COO−、−(CF−(iは1〜10の整数である)、−(CH−(jは1〜10の整数である)、−CR’−(R’は脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基またはハロゲン化炭化水素基を示す)、シクロヘキシリデン基およびフルオレニリデン基からなる群より選ばれた少なくとも1種の構造を示し、
Bは酸素原子または硫黄原子を示し、
H1は縮合芳香族環を示し、
〜R20は、互いに同一であっても異なっていてもよく、水素原子、フッ素原子、アルキル基、一部またはすべてがハロゲン化されたハロゲン化アルキル基、アリル基、アリール基、ニトロ基およびニトリル基からなる群より選ばれる少なくとも1種の原子または基を示し、
l、mは0〜4の整数を示し、qは2以上の整数を示す。tは0〜4の整数を示す。
n、pは各ユニットの組成比を示し、pは0から1の値のうち0以外の値をとり、n+p=1である。]。
[2]式(A)中、H1はナフタレン基、アントラセン基、テトラセン基、ペンタセン基から
選ばれる基を示すことを特徴とする[1]の高分子型燃料電池用電極電解質。
[3]式(A-1)で表されるポリアリーレン系重合体であることを特徴とする[1]または[2]の高分子型燃料電池用電極電解質。
Figure 0005261934
[式(A-1)中、Aは直接結合、−O−、−CO−、−SO−、−SO−、−(CF
−(iは1〜10の整数である)、−(CH−(jは1〜10の整数である)、−CR’−(R’は脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基またはハロゲン化炭化水素基を示す)、シクロヘキシリデン基およびフルオレニリデン基からなる群より選ばれた少なくとも1種の構造を示し、
Dは直接結合、−O−、−CO−、−(CH−(jは1〜10の整数である)および−CR’’−(R’’は脂肪族炭化水素基または芳香族炭化水素基を示す)からなる群より選ばれた少なくとも1種の構造を示し、
H1は縮合芳香族環を示し、
〜R20は互いに同一であっても異なっていてもよく、水素原子、フッ素原子、アルキル基、一部またはすべてがハロゲン化されたハロゲン化アルキル基、アリル基、アリール基、ニトロ基およびニトリル基からなる群より選ばれる少なくとも1種の原子または基を示す。
lは0〜4の整数を示し、qは2以上の整数を示す。tは0〜4の整数を示す。
n、pは各ユニットの組成比を示し、0から1の値のうち0以外の値をとり、n+p=1である。]。
[4]式(A)で表される構造単位が、式(A-2)で表されることを特徴とする[3]の高分子型燃料電池用電極電解質。
Figure 0005261934
[式(D)中、Dは、−O−、−CR’’−(R’’は脂肪族炭化水素基または芳香族
炭化水素基を示す)からなる群より選ばれた少なくとも1種の構造を示す。
Pは下記式(4−1)〜(4−3)で表される構造から選ばれる少なくとも1種の構造であり、
H1は下記式(5−1)で表される構造である。
qは2以上の整数を示す。tは0〜4の整数を示す。
n、pは各ユニットの組成比を示し、pは0から1の値のうち0以外の値をとり、n+p=1である。]。
Figure 0005261934
Figure 0005261934
[5]前記式(A-2)において、pが0.01〜1の範囲にあることを特徴とする[4]の高分子型燃料電池用電極電解質。
[6]前記ポリアリーレン系重合体が、さらに下記式(B)で表される構造単位を含むこと
を特徴とする[1]〜[5]のいずれかの高分子型燃料電池用電極電解質。
Figure 0005261934
[式(B)中、Yは−CO−、−SO−、−SO−、−CONH−、−COO−、−(CFe−(eは1〜10の整数である)、−C(CF−からなる群より選ばれた少なくとも1種の構造を示し、
Zは直接結合、−(CHd−(dは1〜10の整数である)、−C(CH−、−O−および−S−からなる群より選ばれた少なくとも1種の構造を示し、
Arは−SOH、−O(CHrSOHまたは−O(CFrSOHで表される置換基を有する芳香族基を示す。
rは1〜12の整数を示し、jは0〜10の整数を示し、kは0〜10の整数を示し、iは1〜4の整数を示す。]。
[7]前記[1]〜[6]のいずれかの電解質と触媒粒子および溶媒を含む電極ペースト。
[8]前記[1]〜[6]のいずれかの電解質と触媒粒子とを含むことを特徴とする固体高分子型
燃料電池用電極。
[9]前記[8]の電極を、高分子電解質膜の少なくとも片面に備える膜−電極接合体。
本発明によれば、縮合芳香族環を含有するモノマーから合成される化合物から導かれる疎水性を有する構造単位を含んでいるので、スルホン酸基を高い濃度で導入しても、メタノール耐性が高く、加工性に優れ、プロトン伝導度が高い電極電解質が得られる。また、本発明によれば安価で、触媒金属の回収が容易であり、プロトン伝導性や寸法安定性に優れ、熱水耐性や機械的特性に優れた、固体高分子型燃料電池用電極電解質が提供される。さらに該電解質を含む、電極ペースト、電極、膜-電極接合体を提供し、固体高分子型燃
料電池の発電性能向上に寄与するものである。
(電極電解質)
本発明の固体高分子型燃料電池用電極電解質は、縮合芳香族環を含有するモノマーから誘導される構造単位を含むポリアリーレン系共重合体を含む。
なお、本明細書において重合体における繰り返し単位を「ユニット」といい、以下、疎水性を有する繰り返し単位を「疎水ユニット」、スルホン酸基を有する構造単位を「スルホン酸ユニット」ということもある。
(ポリアリーレン系重合体)
本発明で使用されるポリアリーレン系重合体は、式(A)で表される構造単位を含有する。すなわち、下記式(A)で表されるユニット(以下「ユニット(A)」ともいう)のみから構成される単独重合体でもよいし、ユニット(A)および他のユニットから構成される共重合体でもよい。いずれの場合でも、重合体のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPS)で測定したポリスチレン換算の重量平均分子量(以下、単に「重量平均分子量」という)は1万〜100万、好ましくは2万〜80万である。
ユニット(A)
縮合芳香族環を含有するモノマーから誘導される構造単位を含むことにより、重合体に疎水部を付与することができる。また、縮合芳香族環を有するので、前記重合体にメタノール耐性を付与することができる。
Figure 0005261934
式(1)中、l、mは0〜4の整数を示し、qは2以上の整数を示す。n、pは各ユニットの組成比を示し、pは0から1の値のうち0以外の値をとり、n+p=1である。これらのうち、mは0か1が好ましく、lは0か1が好ましい。また、pは0.01〜1の値をとることが好ましく、より好ましくは0.1〜1である。
Aは直接結合、−O−、−S−、−CO−、−SO−、−SO−、−CONH−、−COO−、−(CF−(iは1〜10の整数である)、−(CH−(jは1〜10の整数である)、−CR’−(R’は脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基またはハロゲン化炭化水素基を示す)、シクロヘキシリデン基およびフルオレニリデン基からなる群より選ばれた少なくとも1種の構造を示す。
ここで、−CR’−の具体的な例として、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、プロピル基、オクチル基、デシル基、オクタデシル基、フェニル基、トリフルオロメチル基などが挙げられる。これらのうち、直接結合、−CO−、−SO−、−CR’−(R’は脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基またはハロゲン化炭化水素基を示す)、シクロヘキシリデン基、フルオレニリデン基、−O−が好ましい。
Bは酸素原子または硫黄原子を示し、酸素原子が好ましい。
H1は縮合芳香族環を示し、例えばナフタレン基、アントラセン基、テトラセン基、ペ
ンタセン基などが挙げられ、なかでもナフタレンが好ましい。これらを含有することによ
って、式(1)で表される芳香族化合物をモノマーとした重合体にメタノール耐性を付与することができる。
Dは、直接結合、−O−、−S−、−CO−、−SO−、−SO−、−CONH−、−COO−、−(CF−(iは1〜10の整数である)、−(CH−(jは1〜10の整数である)、−CR’−(R’は脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基またはハロゲン化炭化水素基を示す)、シクロヘキシリデン基およびフルオレニリデン基からなる群より選ばれた少なくとも1種の構造を示す。
ここで、−CR’−の具体的な例として、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、プロピル基、オクチル基、デシル基、オクタデシル基、フェニル基、トリフルオロメチル基などが挙げられる。これらのうち、直接結合、−O−、−CR’−(R’は脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基またはハロゲン化炭化水素基を示す)が好ましい。
〜R20は、互いに同一であっても異なっていてもよく、水素原子、フッ素原子、アルキル基、一部またはすべてがハロゲン化されたハロゲン化アルキル基、アリル基、アリール基、ニトロ基およびニトリル基からなる群より選ばれる少なくとも1種の原子または基を示す。
かかる重合体は、下記式(A-1)で表される構造単位を有するポリアリーレン系重合体
であることがより好ましい。
Figure 0005261934
式(A-1)中、A、R〜R20、l、q、n、p、t、H1は前記したとおりである。
式(A)で表される構造単位としては、さらに下記式(A-2)で表されるものが好適で
ある。
Figure 0005261934
式(A-2)中、qは2以上の整数を示す。n、pは各ユニットの組成比を示し、pは0
から1の値のうち0以外の値をとり、n+p=1である。これらのうち、pは0.01〜
0.1の値をとることが好ましい。tは0〜4の整数を示し、0または1の値をとることが好ましい。
Dは、−O−、−CR’’−(R’’は脂肪族炭化水素基または芳香族炭化水素基を示す)からなる群より選ばれた少なくとも1種の構造を示す。
Pは下記式(4−1)〜(4−3)で表される構造から選ばれる少なくとも1種の基で
あり、なかでも(4−1)が好ましい。
る構造から選ばれる少なくとも1種の構造である。
Figure 0005261934
H1は下記式(5−1)で表される構造である。
Figure 0005261934
このような構造単位として、例えば以下のものを挙げることができる。
Figure 0005261934
Figure 0005261934
各ユニットの組成比を表すn、pの比を変えることにより、ポリマーのガラス転移温度を調整することができる。なかでもポリマー加工性の観点から、n=0.1〜0.9の値
をとるものが好ましい。
上記した構造単位は、下記式(1)で表される化合物から誘導される。
Figure 0005261934
式(1)中、l、m、q、n、p、t、A、B、H1、D、R〜R20(すなわちX以外のもの)は、前記式(A)と同じである。
Xはフッ素を除くハロゲン原子、−SOCHおよび−SOCFから選ばれる原子または基を示し、特にフッ素を除くハロゲン原子が好ましく、さらにClまたはBrが最も好ましい。
上記式(1)で表される化合物は、例えば、次のような反応により合成することができる。
まず、下記式(1−1)および(1−2)で表されるビスフェノール類をアルカリ金属塩とする。
Figure 0005261934
N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、スルホラン、ジフェニ
ルスルホン、ジメチルスルホキサイドなどの誘電率の高い極性溶媒に溶解した後、リチウム、ナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属、水素化アルカリ金属、水酸化アルカリ金属、アルカリ金属炭酸塩などを加える。アルカリ金属はフェノールの水酸基に対し、過剰気味で反応させ、通常、1.1〜2倍当量、好ましくは1.2〜1.5倍当量で使用する。このとき、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼン、アニソールなどの水と共沸する溶媒を共存させて、反応の進行を促進させることが好ましい。
次いで、上記ビスフェノール類のアルカリ金属塩を下記式(1−3)で表されるジハロゲン化物と反応させる。
Figure 0005261934
式(1−3)中、Halはハロゲン原子を示し、特にフッ素原子または塩素原子が好ましい。
式(1−1)で表されるビスフェノール類として、例えば、1,3−ビス{1−メチル
−1−(4−ヒドロキシフェニル)エチル}ベンゼン、1,4−ビス{1−メチル−1−(4−ヒドロキシフェニル)エチル}ベンゼン、1,3−(4−ヒドロキシベンゾイルベンゼン)、1,4−(4−ヒドロキシベンゾイルベンゼン)、1,3−ビス(4−ヒドロキシフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−ヒドロキシフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ベンゼン、1,3−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ベンゼン、4,4’−イソプロピリデンビフェノール、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)-1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロプロパン、4,4’−ビスヒドロキシベンゾフェノン、4,4’−ビスヒドロキシジフェニルスルホン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4’−ジヒドロキシビフェニル、ビス(4―ヒドロキシフェニル)メタン、レゾルシノール、ヒドロキノン、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、4,4’−イソプロピリデンビス(2−フェニルフェノール)、4,4’−シクロヘキシリデンビス(2−シクロヘキシルフェノール)などが挙げられる。なかでも1,3−ビス{1−メチル−1−(4−ヒドロキシフェニル)エチル}ベンゼン、1,4−ビス{1−メチル−1−(4−ヒドロキシフェニル)エチル}ベンゼン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)-1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロプロパン、レゾルシノール、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレンが好ましい。
また、式(1−2)で表されるビスフェノール類として、例えば、1,5−ジヒドロキシナフタレン、1,6−ジヒドロキシナフタレン、1,7−ジヒドロキシナフタレン、2,6−ジヒドロキシナフタレン、2,7−ジヒドロキシナフタレン、2,3−ジヒドロキシナフタレンなどが挙げられる。なかでも、2,7−ジヒドロキシナフタレン、1,5−ジヒドロキシナフタレン、1,6−ジヒドロキシナフタレン、1,7−ジヒドロキシナフタレンが好ましい。
式(1−3)で表されるジハロゲン化物として、例えば、4,4’−ジクロロベンゾフェノン、4,4’−ジフルオロベンゾフェノン、4−クロロ−4’−フルオロベンゾフェノン、2−クロロ−4’−フルオロベンゾフェノン、4,4’−ジクロロジフェニルスルホン、4,4’−ジフルオロジフェニルスルホン、2,6−ジニトロベンゾニトリル、2,5−ジニトロベンゾニトリル、2,4−ジニトロベンゾニトリル、2,6−ジクロロベンゾニトリル、2,5−ジクロロベンゾニトリル、2,4−ジクロロベンゾニトリル、2,6−ジフルオロベンゾニトリル、2,5−ジフルオロベンゾニトリル、2,4−ジフルオロベンゾニトリルなどが挙げられる。
本発明で使用されるポリアリーレン系重合体は、さらに下記式(B)で表されるスルホン酸基を有する構造単位(スルホン酸基ユニット(B)という)を含むことが望ましい。
以下、スルホン酸基を有するポリアリーレン系共重合体を「共重合体(C)」ともいう。
スルホン酸基ユニット(B)
Figure 0005261934
式(B)において、Yは−CO−、−SO−、−SO−、−CONH−、−COO−、−(CF−(lは1〜10の整数である)、−C(CF−からなる群より選ばれた少なくとも1種の構造を示す。このうち、−CO−、−SO−が好ましい。
Zは直接結合、−(CH−(lは1〜10の整数である)、−C(CH−、−O−、−S−からなる群より選ばれた少なくとも1種の構造を示す。このうち直接結合、−O−が好ましい。
Arは−SOH、−O(CHSOHまたは−O(CFSOHで表される置換基(pは1〜12の整数である)を有する芳香族基を示す。
前記芳香族基として具体的には、フェニル基、ナフチル基、アントリル基、フェナントリル基などが挙げられる。これらの基のうち、フェニル基、ナフチル基が好ましい。−SOH、−O(CHSOHまたは−O(CFSOHで表される置換基(pは1〜12の整数である)は、少なくとも1個置換されていることが必要であり、ナフチル基である場合には2個以上置換されていることが好ましい。
jは0〜10、好ましくは0〜2の整数であり、kは0〜10、好ましくは0〜2の整数であり、iは1〜4の整数を示す。
j、kの値とY、Z、Arの構造についての好ましい組み合わせとして、
(1)j=0、k=0であり、Yは−CO−であり、Arが置換基として−SOHを有するフェニル基である構造、
(2)j=1、k=0であり、Yは−CO−であり、Zは−O−であり、Arが置換基として−SOHを有するフェニル基である構造、
(3)j=1、k=1、i=1であり、Yは−CO−であり、Zは−O−であり、Arが置換基として−SOHを有するフェニル基である構造、
(4)j=1、k=0であり、Yは−CO−であり、Zは−O−であり、Arが置換基と
して2個の−SOHを有するナフチル基である構造、
(5)j=1、k=0であり、Yは−CO−であり、Zは−O−であり、Arが置換基として−O(CHSOHを有するフェニル基である構造などが挙げられる。
ポリアリーレン系共重合体(共重合体(C))の構造
上述のとおり、本発明使用される共重合体(C)の構造は、下記式(C)で表される。
Figure 0005261934
式(C)において、A、B、D、H1、Y、Z、Ar、j、l、m、n、p、q、t、
およびR1〜R24は、それぞれ上記式(A)および式(B)中のA、B、D、H1、Y、Z
、Ar、j、l、m、n、p、q、t、およびR1〜R24と同義である。x、yはx+y
=100モル%とした場合のモル比であり、xはユニット(B)のモル比、yはユニット(A)のモル比を示す。
本発明に係る共重合体(C)におけるxの値は、0.5〜99.999モル%、好ましくは10〜99.9モル%、yの値は、99.5〜0.001モル%、好ましくは90〜0.1モル%である。
<スルホン酸基を有するポリアリーレン系共重合体(共重合体(C))の製造方法>
共重合体(C)の製造には、例えば下記に示すI法、II法、III法の3通りの方法を用いることができる。
(I法):例えば、特開2004−137444号公報に記載の方法で、ユニット(A)となりうるモノマーまたはオリゴマーと、ユニット(B)となりうるスルホン酸エステル基を有するモノマーとを共重合させ、スルホン酸エステル基を有するポリアリーレンを製造し、このスルホン酸エステル基を脱エステル化して、スルホン酸エステル基をスルホン酸基に変換することにより合成することができる。
(II法):例えば、特開2001−342241号公報に記載の方法で、ユニット(A)となりうるモノマーまたはオリゴマーと、ユニット(B)で表される骨格を有するがスルホン酸基およびスルホン酸エステル基を有しないモノマーとを共重合させ、この重合体をスルホン化剤を用いて、スルホン化することにより合成することができる。
(III法):式(B)において、Arが−O(CHSOHまたは−O(CFSOHで表される置換基を有する芳香族基である場合には、例えば、特開2005−060625号公報に記載の方法で、ユニット(A)となりうるモノマーまたはオリゴマーと、ユニット(B)となりうる前駆体のモノマーとを共重合させ、次にアルキルスルホン酸またはフッ素置換されたアルキルスルホン酸を導入する方法で合成することができる。
(I法)において用いることのできる、ユニット(B)となりうるスルホン酸エステル基を有するモノマーの具体的な例として、特開2004−137444号公報、特願2003−143903号公報、特願2003−143904号公報に記載されているスルホン酸エステル類を挙げることができる。
(II法)において用いることのできる、ユニット(B)となりうるスルホン酸基およびスルホン酸エステル基を有しないモノマーの具体的な例として、特開2001−342241号公報、特開2002−293889号公報に記載されているジハロゲン化物を挙げることができる。
(III法)において用いることのできる、ユニット(B)となりうる前駆体のモノマーの具体的な例として、特願2003−275409号公報に記載されているジハロゲン化物を挙げることができる。
共重合体(C)を得るためは、まず、これらのユニット(A)となりうるモノマーまたはオリゴマーと、ユニット(B)となりうるモノマーとを共重合させ、前駆体のポリアリーレンを得ることが必要である。この共重合は、触媒の存在下に行われるが、この際使用される触媒は、遷移金属化合物を含む触媒系であり、(1)遷移金属塩および配位子となる化合物(以下、「配位子成分」という。)、または配位子が配位された遷移金属錯体(銅塩を含む)、ならびに(2)還元剤を必須成分とした触媒が該当するが、さらに、重合速度を上げるためにこれに「塩」を添加してもよい。
これらの触媒成分の具体的な例、各成分の使用割合、反応溶媒、濃度、温度、時間等の重合条件としては、特開2001−342241号公報に記載の化合物を挙げることができる。
共重合体(C)は、この前駆体のポリアリーレンをスルホン酸基を有するポリアリーレンに変換して得ることができる。この方法としては、下記の3通りの方法がある。
(I’法):前駆体のスルホン酸エステル基を有するポリアリーレンを、特開2004−137444号公報に記載の方法で脱エステル化する方法。
(II’法):前駆体のポリアリーレンを、特開2001−342241号公報に記載の方法でスルホン化する方法。
(III’法):前駆体のポリアリーレンに、特開2005−060625号公報に記載の方法で、アルキルスルホン酸基を導入する方法。
上記のような方法により製造される共重合体(C)のイオン交換容量は、通常0.3〜5meq/g、好ましくは0.5〜3meq/g、さらに好ましくは0.8〜2.8meq/gである。0.3meq/g未満では、プロトン伝導度が低く発電性能が低い。一方、5meq/gを超えると、耐水性が大幅に低下してしまうことがあるため好ましくない。
上記のイオン交換容量は、例えばユニット(A)となりうるモノマーまたはオリゴマーと、ユニット(B)となりうる前駆体のモノマーの種類、使用割合、組み合わせを変えることにより、調整することができる。
このようにして得られる共重合体(C)の分子量は、GPCによるポリスチレン換算重量平均分子量で、1万〜100万、好ましくは2万〜80万である。
このようなポリアリーレン系重合体は、特定の芳香族基を導入しておくことで、高いスルホン酸濃度の共重合体が合成でき、プロトン伝導度の高い材料設計が可能となり、高温条件下でのスルホン酸基の安定性を向上できるとともに、共重合体中のスルホン酸基を有さないユニットの組成比を増加させても、高いスルホン酸濃度の共重合体が合成でき、熱水耐性や機械的特性に優れた材料設計が可能となる。このような重合体は、燃料電池のプロトン伝導膜、電極電解質、結着剤として好適に使用できる。また、このようなポリアリーレン系重合体を含む電極電解質は、膜電極接合体としても好適である。
本発明に係る電極電解質は、上記した重合体を含むものであればよく、このため、上記重合体のみから構成されるものであっても、さらに他の電解質を含んでいてもよい。他の電解質としては、従来より用いられていたNafion、Flemion、Aciplexも代表されるパーフルオロカーボン重合体、ポリスチレンスルホン酸などのビニル系ポリマーのスルホン化物、ポリベンズイミダゾール、ポリエーテルエーテルケトンなどの耐熱性高分子に、スルホン酸基またはリン酸基を導入したポリマーなどの有機系ポリマーが挙げられる。他の電解質を含む場合、その使用割合は、全電極電解質中に50重量%以下、好適には30重量%であることが望ましい。
(電極ペースト)
本発明の電極ペーストは、上記の電極電解質、触媒粒子、溶媒からなり、必要に応じて分散剤、炭素繊維などの他の成分を含んでいてもよい。
触媒粒子
触媒粒子は、触媒が、カーボン、金属酸化物の担体に担持されたもの、または、触媒の単体からなる。
触媒としては、白金または白金合金が用いられる。白金合金を使用すると、電極触媒としての安定性や活性をさらに付与させることもできる。このような白金合金としては、白金以外の白金族の金属(ルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリジウム)、鉄、コバルト、チタン、金、銀、クロム、マンガン、モリブデン、タングステン、アルミニウム、ケイ素、レニウム、亜鉛およびスズから選ばれる1種以上と白金との合金が好ましく、該白金合金には白金と合金化される金属との金属間化合物が含有されていてもよい。
触媒は、単体でも、担体に担持された状態でも、触媒粒子を形成している。
上記触媒を担持する担体としては、オイルファーネスブラック、チャネルブラック、ランプブラック、サーマルブラック、アセチレンブラックなどのカーボンブラックが、電子伝導性と比表面積の大きさから好ましく用いられる。また、天然の黒鉛、ピッチ、コークス、ポリアクリロニトリル、フェノール樹脂、フラン樹脂などの有機化合物から得られる人工黒鉛や炭素などを用いてもよい。
上記オイルファーネスブラックとしては、キャボット社製「バルカンXC−72」、「バルカンP」、「ブラックパールズ880」、「ブラックパールズ1100」、「ブラックパールズ1300」、「ブラックパールズ2000」、「リーガル400」、ライオン社製「ケッチェンブラックEC」、三菱化学社製「#3150、#3250」などが挙げられる。また、上記アセチレンブラックとしては電気化学工業社製「デンカブラック」などが挙げられる。
これらのカーボンの形態としては、粒子状のほか、繊維状も用いることができる。また、カーボンに担持される触媒の量としては、有効に触媒活性が発揮できる量であれば特に制限されるものではないが、担持量がカーボン重量に対して、0.1〜9.0g-metal/g-carbon、好ましくは0.25〜2.4g-metal/g-carbonの範囲である。
また、担体としては、カーボンの他に、金属酸化物、たとえば、チタニア、酸化亜鉛、シリカ、セリア、アルミナ、アルミナスピネル、マグネシア、ジルコニアなどであってもよい。
溶媒
本発明の電極ペーストの溶媒としては、前記電解質を溶解または分散しうる溶媒であればよく、特に限定されるものではない。また1種類のみでなく、2種以上の溶媒を用いることもできる。
具体的には、水、
メタノール、エタノール、n−プロピルアルコール、2−プロパノール、2−メチル−2−プロパノール、2−ブタノール、n−ブチルアルコール、2−メチル−1−プロパノール、1−ペンタノール、2−ペンタノール、3−ペンタノール、2−メチル−1−ブタノール、3−メチル−1−ブタノール、2−メチル−2−ブタノール、3−メチル−2−ブタノール、2,2−ジメチル1−プロパノール、シクロヘキサノール、1−ヘキサノール、2−メチル−1−ペンタノール、2−メチル−2−ペンタノール、4−メチル−2−ペンタノール、2−エチル−1−ブタノール、1−メチルシクロヘキサノール、2−メチルシクロヘキサノール、3−メチルシクロヘキサノール、4−メチルシクロヘキサノール、1−オクタノール、2−オクタノール、2−エチル−1−ヘキサノール、2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール、2−(メトキシメトキシ)エタノール、2−イソプロポキシエタノール、1−メトキシ−2−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール、などのアルコール類、
エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセロールなどの多価アルコール類、
ジオキサン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジ−n−プロピルエーテル、ブチルエーテル、フェニルエーテル、イソペンチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、ジエトキシエタン、ビス(2−メトキシエチル)エーテル、ビス(2−エトキシエチル)エーテル、シネオール、ベンジルエチルエーテル、アニソール、フェネトール、アセタールなどのエーテル類、
アセトン、メチルエチルケトン、2−ペンタノン、3−ペンタノン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、2−ヘキサノン、4−メチル−2−ペンタノン、2−ヘプタノン、2,4−ジメチル−3−ペンタノン、2−オクタノンなどのケトン類、
γ-ブチロラクトン、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸−n−ブチル、酢酸イソブチル
、酢酸sec-ブチル、酢酸ペンチル、酢酸イソペンチル、3−メトキシブチルアセタート、酪酸メチル、酪酸エチル、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸ブチルなどのエステル類、
ジメチルスルホキシド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリド
ン、テトラメチル尿素などの非プロトン性極性溶媒、
トルエン、キシレン、ヘプタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタンなどの炭化水素系溶媒を挙げることができ、これらは1種類以上を組み合わせて用いることもできる。
分散剤
必要に応じて含まれてよい分散剤としては、オレイン酸・N−メチルタウリン、オレイン酸カリウム・ジエタノールアミン塩、アルキルエーテルサルフェート・トリエタノールアミン塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルサルフェート・トリエタノールアミン塩、特殊変成ポリエーテルエステル酸のアミン塩、高級脂肪酸誘導体のアミン塩、特殊変成ポリエステル酸のアミン塩、高分子量ポリエーテルエステル酸のアミン塩、特殊変成燐酸エステルのアミン塩、高分子量ポリエステル酸アミドアミン塩、特殊脂肪酸誘導体のアミドアミン塩、高級脂肪酸のアルキルアミン塩、高分子量ポリカルボン酸のアミドアミン塩、ラウリン酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウムラウリル硫酸エステルナトリウム塩、セチル硫酸エステルナトリウム塩、ステアリル硫酸エステルナトリウム塩、オレイル硫酸エステルナトリウム塩、ラウリルエーテル硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、油溶性アルキルベンゼンスルホン酸塩、αーオレフィンスルホン酸塩、高級アルコールリン酸モノエステルジナトリウム塩、高級アルコールリン酸ジエステルジナトリウム塩、ジアルキルジチオリン酸亜鉛等のアニオン界面活性剤、ベンジルジメチル{2−[2−(P−1,1,3,3−テトラメチルブチルフェノオキシ)エトオキシ]エチル}アンモニウムクロライド、オクタデシルアミン酢酸塩、テトラデシルアミン酢酸塩、オクタデシルトリメチルアンモニウムクロライド、牛脂トリメチルアンモニウムクロライド、ドデシルトリメチルアンモニウムクロライド、ヤシトリメチルアンモニウムクロライド、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムクロライド、ベヘニルトリメチルアンモニウムクロライド、ヤシジメチルベンジルアンモニウムクロライド、テトラデシルジメチルベンジルアンモニウムクロライド、オクタデシルジメチルベンジルアンモニウムクロライド、ジオレイルジメチルアンモニウムクロライド、1−ヒドロキシエチル-2-牛脂イミダゾリン4級塩、2−ヘプタデセニルーヒドロキシエチルイミダゾリン、
ステアラミドエチルジエチルアミン酢酸塩、ステアラミドエチルジエチルアミン塩酸塩、トリエタノールアミンモノステアレートギ酸塩、アルキルピリジウム塩、高級アルキルアミンエチレンオキサイド付加物、ポリアクリルアミドアミン塩、変成ポリアクリルアミドアミン塩、パーフルオロアルキル第4級アンモニウムヨウ化物等のカチオン界面活性剤、
および
ジメチルヤシベタイン、ジメチルラウリルベタイン、ラウリルアミノエチルグリシンナトリウム、ラウリルアミノプロピオン酸ナトリウム、ステアリルジメチルベタイン、ラウリルジヒドロキシエチルベタイン、アミドベタイン、イミダゾリニウムベタイン、レシチン、3−[ω-フルオロアクカノイルーN−エチルアミノ]-1-プロパンスルホン酸ナトリウム、N−[3-(パーフルオロオクタンスルホンアミド)プロピル]-N,N−ジメチル-N-カルボキシメチレンアンモニウムベタイン等の両性界面活性剤、およびヤシ脂肪酸ジエタノールアミド(1:2型)、ヤシ脂肪酸ジエタノールアミド(1:1型)、牛脂肪酸ジエタノールアミド(1:2型)、牛脂肪酸ジエタノールアミド(1:1型)、オレイン酸ジエタノールアミド(1:1型)、ヒドロキシエチルラウリルアミン、ポリエチレングリコールラウリルアミン、ポリエチレングリコールヤシアミン、ポリエチレングリコールステアリルアミン、ポリエチレングリコール牛脂アミン、ポリエチレングリコール牛脂プロピレンジアミン、ポリエチレングリコールジオレイルアミン、ジメチルラウリルアミンオキサイド、ジメチルステアリルアミンオキサイド、ジヒドロキシエチルラウリルアミンオキサイド、パーフルオロアルキルアミンオキサイド、ポリビニルピロリドン、高級アルコールエチレンオキサイド付加物、アルキルフェノールエチレンオキサイド付加物、脂肪酸エチレンオキサイド付加物、ポリプロピレングリコールエチレンオキサイド付加物、グリセリンの脂肪酸エステル、ペンタエリスリットの脂肪酸エステル、ソルビットの脂肪酸エステル、ソルビタンの脂肪酸エステル、砂糖の脂肪酸エステル、等の非イオン界面活性剤、およびラウリルアミノプロピオン酸ナトリウム、ステアリルジメチルベタイン、ラウリルジヒドロキシエチルベタイン等の両性界面活性剤などを挙げることができる。これらは1種単独で使用しても、2種類以上を組み合わせて用いることもできる。これらのなかでも、好ましくは、塩基性基を有する界面活性剤であり、より好ましくはアニオン性もしくは、カチオン性の界面活性剤であり、さらに好ましくは、分子量5千〜3万の界面活性剤である。
電極ペーストに上記の分散剤を添加すると、保存安定性および流動性に優れ、塗工時の生産性が向上する。
炭素繊維
本発明に係る電極ペーストでは、必要に応じてさらに触媒が担持されていない炭素繊維を添加することができる。
本発明で必要に応じて用いられる炭素繊維しては、レーヨン系炭素繊維、PAN系炭素繊
維、リグニンポバー系炭素繊維、ピッチ系炭素繊維、気相成長炭素繊維等を用いることができ、好ましくは、気相成長炭素繊維である。
電極ペーストに炭素繊維を添加すると、電極中の細孔容積が増加することにより、燃料ガスや酸素ガスの拡散性が向上し、また、生成する水によるフラッディング等を改善でき、発電性能が向上する。
その他の添加物
本発明に係る電極ペーストでは、必要に応じてさらに他の成分を添加することができる。例えば、フッ素系ポリマーやシリコン系ポリマーなどの撥水剤を添加してもよい。撥水剤は生成する水を効率よく排出する効果をもち、発電性能の向上に寄与する。
組成
本発明に係るペースト中の触媒粒子の使用割合は、重量比で1重量%〜20重量%、好ましくは3重量%〜15重量%であることが望ましい。また、電極電解質の使用割合は、重量比で0.5重量%〜30重量%、好ましくは1重量%〜15重量%であることが望ましい。さらに、溶剤の使用割合は、重量比で5重量%〜95重量%、好ましくは15重量%〜90重量%であることが望ましい。
必要に応じて用いられる分散剤の使用割合は、重量比で0重量%〜10重量%、好ましくは0重量%〜2重量%であり、必要に応じて用いられる炭素繊維の使用割合は、重量比で0重量%〜20重量%、好ましくは1重量%〜10重量%である。(なお、合計で100重量%を超えることはない)
触媒粒子の使用割合が、上記範囲未満であると、電極反応率が低下することがある。また、上記範囲より大きいと、電極ペーストの粘度が増加し、塗工時に塗りむらが発生することがある。
電解質の使用割合が、上記範囲未満であると、プロトン伝導度が低下する。さらに、バインダーとしての役割を果たせなくなり、電極を形成できない。また、上記範囲より大きいと、電極中の細孔容積が減少する。
溶剤の使用割合が、上記範囲内にあると、発電に必要な電極中の細孔容積が十分確保できる。また上記範囲にあれば、ペーストとしてのハンドリングに好適である。
分散剤の使用割合が、上記範囲内にあると保存安定性に優れた電極ペーストが得られる。炭素繊維の使用割合が、上記範囲未満であると、電極中の細孔容積の増加効果が低い。また、上記範囲より大きいと、電極反応率が低下することがある。
ペーストの調製
本発明に係る電極ペーストは、例えば上記各成分を所定の割合で混合し、従来公知の方法で混練することにより調製することができる。
各成分の混合順序は特に限定されないが、例えば全ての成分を混合して一定時間攪拌を行うか、分散剤以外の成分を混合して一定時間攪拌を行った後、必要に応じて分散剤を添加して一定時間攪拌を行うことが好ましい。また、必要に応じて、溶媒の量を調整して、ペーストの粘度を調整してもよい。
(電極および膜-電極接合体)
以上のような本発明に係る電極ペーストを、転写基材上に塗布し、溶媒を除去すると本発明の電極が得られる。
転写基材としては、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)などのフッ素系ポリマーからなるシート、または表面を離型剤処理したガラス板や金属板、ポリエチレンテレフタレート(PET)のシートなども用いることができる。
塗布方法としては、刷毛塗り、筆塗り、バーコーター塗布、ナイフコーター塗布、ドクターブレード法、スクリーン印刷、スプレー塗布などがある。
転写基材上に塗布された電極を、乾燥して溶媒を除去したのち、固体高分子電解質膜の両面に転写させると、本発明の膜-電極接合体が得られる。
本発明の膜-電極接合体に用いられる、固体高分子電解質膜は、プロトン伝導性の固体
高分子膜であれば、特に限定されない。
たとえば、Nafion(DuPont社製)、Flemion(旭硝子製)、Aciplex(旭化成製)などのパーフルオロアルキルスルホン酸ポリマーからなる電解質膜、
パーフルオロアルキルスルホン酸ポリマーに、ポリテトラフルオロエチレンの繊維や多孔質膜と複合化した補強型電解質膜、
ポリテトラフルオロエチレングラフトスルホン化ポリスチレンなどの部分フッ素化スルホン化ポリマーからなる電解質膜、
スルホン化ポリアリーレン、スルホン化ポリフェニレン、スルホン化ポリエーテルケトン、スルホン化ポリエーテルスルホン、スルホン化ポリエーテルニトリル、スルホン化ポリフェニレンエーテル、スルホン化ポリフェニレンスルフィド、スルホン化ポリベンズイミダゾール、スルホン化ポリベンズオキサゾール、スルホン化ポリベンズチアゾールなどの芳香族スルホン化ポリマーからなる電解質膜、
スルホン化ポリスチレン、スルホン酸含有アクリル系ポリマーなどの脂肪族スルホン化ポリマーからなる電解質膜、
これらを多孔質膜と複合化した細孔フィリング型電解質膜、
ポリベンズオキサゾール、ポリベンズイミダゾール、ポリベンズチアゾールなどのポリマーにリン酸、硫酸などを含浸させた酸含浸型ポリマーからなる電解質膜、などがあげられる。これらのうち、芳香族スルホン化ポリマーからなる電解質膜が好ましい。
また、上記電極用電解質を構成する重合体を固体高分子電解質として使用することもできる。
電極を固体高分子電解質膜に転写するには、ホットプレス法を用いることができる。ホットプレス法では、カーボンペーパーまたは離型シートに前記電極ペーストを塗布したもものの、電極ペースト塗布面と電解質膜とを圧着する方法である。ホットプレスは、通常、50〜250℃の温度範囲で、1分〜180分の時間、10〜500kg/cm2の圧力をかけて行う。
本発明の膜-電極接合体を得るための別の方法として、触媒層と電解質膜とを段階的に
塗布、乾燥を繰り返す方法がある。塗布や乾燥の順序に特に制限はない。
例えば、PETフィルム等の基材上に、電解質膜の溶液を塗布し乾燥して、電解質膜を作
成した後、この上に本発明の電極ペーストを塗布する。次に基材をはがして、もう一方の面に電極ペーストを塗布する。最後に溶媒を除去すると膜-電極接合体が得られる。塗布
方法は上記と同様の方法をあげることができる。
溶媒の除去は、乾燥温度20℃〜180℃、好ましくは50℃〜160℃、乾燥時間5分〜600分、好ましくは30分〜400分で行う。
必要に応じて、電解質膜を水浸漬して、溶媒を除去してもよい。水温は5℃〜120℃、好ましくは15℃〜95℃、水浸漬時間は1分〜72時間、好ましくは5分〜48時間である。
また上記の方法とは逆に、先に電極ペーストを塗布し、電極層を形成したあとに、電解質膜の溶液を塗布して、電解質膜を作成し、次にもう一方の触媒層を塗布し、乾燥して触媒付電解質膜としてもよい。
電極層の厚さは、特に制限されるものではないものの、触媒として担持された金属が、単位面積あたり、0.05〜4.0mg/cm2、好ましくは0.1〜2.0mg/cm2の範囲にあることが望ましい。この範囲にあれば、十分に高い触媒活性が発揮され、また効率的にプロトンを伝導することができる。
電極層の細孔容積は、0.05〜3.0ml/g、好ましくは0.1〜2.0ml/gの範囲にあることが望ましい。なお電極層の細孔容積は、水銀圧入法、ガス吸着法などの方法により測定される。
電解質膜の厚さとしては、特に制限されるものではないが、厚くなると発電効率が低下したり軽量化が困難となったりするので、10〜200μm程度の厚さであればよいが、この限りではない。
[実施例]
以下、実施例に基づいて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。なお実施例における各種の測定項目は、下記のようにして求めた。
(分子量)
スルホン化前の疎水性ユニットの数平均分子量(Mn)は、溶剤としてテトラヒドロフラン(THF)を用い、GPCによって、ポリスチレン換算の分子量を求めた。スルホン化ポリマーの重量平均分子量(Mw)は、溶剤として臭化リチウムと燐酸を添加したN−メチル−2−ピロリドン(NMP)を溶離液として用い、GPCによって、ポリスチレン換算の分子量を求めた。
(イオン交換容量)
得られたスルホン化ポリマーの水洗水がpH4〜6になるまで洗浄して、フリーの残存している酸を除去後、十分に水洗し、乾燥後、所定量を秤量し、THF/水の混合溶剤に溶解し、フェノールフタレインを指示薬とし、NaOHの標準液にて滴定し、中和点から、イオン交換容量を求めた。
(ガラス転移温度)
動的粘弾性測定装置により、スルホン化ポリマーのガラス転移温度を測定した。
(膜抵抗の測定)
膜を濃度1mol/lの硫酸を介して上下から導電性カーボン板ではさみ、室温でカーボン板間の交流抵抗を測定し、下記の式で求めた。
膜抵抗(Ω・cm2)=膜をはさんだカーボン間の抵抗値(Ω)−ブランク値(Ω)×接
触面積(cm2
(発電評価)
触媒付電解質膜をカーボンペーパーに挟んで、圧力100kg/cm2下で、160℃
×15minの条件でホットプレス成形して、膜電極接合体(MEA)を作成した。このMEAを2枚のチタン製の集電体で挟み、さらにその外側にヒーターを配置し、有効面積25cm2の燃料電池を組み立てた。
燃料電池の温度を85℃に保ち、湿度35%RHおよび100%RHで、水素および酸素を2気圧で供給した。それぞれの条件で、電流密度0.5A/cm2と1.0A/cm2のときの端子間電圧を測定した。
また、燃料電池の温度を85℃に保ち、湿度35%RHで水素および酸素を2気圧で供給し、電流密度0.5A/cm2のときの端子間電圧を150時間測定した。
[合成例1]
(1)疎水ユニットの合成
撹拌羽根、温度計、窒素導入管、Dean-Stark管、冷却管を取り付けた1Lセ
パラブル3口フラスコに2,7−ジヒドロキシナフタレン 67.8g (424mmo
l)、1,3−ビス{1−メチル−1−(4−ヒドロキシフェニル)エチル}ベンゼン 2
20.1g (635mmol)、4,4’−ジフルオロベンゾフェノン 205.4g (941mmol)、4−クロロ−4’−フルオロベンゾフェノン 52.5g (224mmol)、炭酸カリウム 175.6g (1.27mol)をはかりとった。減圧下で真空乾燥を行った後、ジメチルアセトアミド 1250mL、トルエン 500mLを加え、窒素雰囲気下、130℃で加熱還流した。反応によって生成する水をトルエンとの共沸により、Dean-Stark管から取り除いた。3時間後に水の生成が認められな
くなったところで、トルエンを系外に取り除き、165℃で7時間撹拌した後、4−クロロ−4’−フルオロベンゾフェノン 30.4g (129mmol)を加え、さらに3時間撹拌した。
放冷後、反応溶液に不溶の無機物を、ろ過助剤にセライトを用いたろ過によって除いた。ろ液をメタノール/塩酸水溶液 5.0L/0.15Lに注ぎ、反応物を凝固させた。沈殿した凝固物をろ過し、少量のメタノールで洗浄し、真空乾燥した。乾燥した生成物を、テトラヒドロフラン 1.1kgに再溶解した。この溶液をメタノール 4.2Lに注ぎ、再沈殿した。凝固物をろ過し、真空乾燥して、389g(収率86%)の目的物を得た。GPCで求めたポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)は6000、重量平均分子量は9800(Mw)であった。得られた化合物は式(1−a)で表されるオリゴマーであることを確認した。
Figure 0005261934
(2)共重合体(C)の合成
攪拌機、温度計、窒素導入管をとりつけた1Lの三口フラスコに、3−(2,5−ジクロロベンゾイル)ベンゼンスルホン酸ネオペンチル29.38g(73.2mmol)、実施例1で得られた疎水性ユニット40.8g(6.8mmol)、ビス(トリフェニルホスフィン)ニッケルジクロリド1.57g(2.0mmol)、ヨウ化ナトリウム0.36g(2.0mmol)、トリフェニルホスフィン8.39g(32mmol)、亜鉛12.55g(192mmol)をはかりとり、乾燥窒素で置換した。ここにN,N-ジメチルアセトアミド(DMAc)175mLを加え、反応温度を80℃に保持しながら3時間攪拌し続けた後、DMAc318mLを加えて希釈し、不溶物をろ過した。
得られた溶液を攪拌機、温度計、窒素導入管を取り付けた2Lの三口フラスコに入れた。115℃に加熱攪拌し、臭化リチウム12.7gを加えた。該溶液を7時間攪拌した後、アセトン2.0Lに注いで生成物を沈殿させた。ついで、1N塩酸、純水の順で洗浄した後、乾燥して目的の重合体48gを得た。得られた重合体の重量平均分子量(Mw)は190,000であった。得られた化合物は式(1−b)で表されるポリマーであることを確認した。
Figure 0005261934
[合成例2]
合成例1の1,3−ビス{1−メチル−1−(4−ヒドロキシフェニル)エチル}ベンゼン(Bis−M) 220.1g (635mmol)を2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)-1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロプロパン(Bis−AF) 213.6g (635mmol)に変更した以外は、合成例1と同様の方法で疎水性ユニット(2−a)を合成し、得られた疎水性ユニットを用いて合成例1と同様の方法で合成を行い、式(2−b)のポリマーを得た。得られたポリマーを実施例1と同様の方法でNMP/メタノールから製膜することによって、膜厚30μmのフィルムを得た。得られた疎水ユニット、ポリマー、フィルムの物性を表1に示す。
Figure 0005261934
Figure 0005261934
[合成例3]
合成例1の1,3−ビス{1−メチル−1−(4−ヒドロキシフェニル)エチル}ベンゼン(Bis−M) 220.1g (635mmol)をレゾルシノール(RES) 23
.3g (212mmol)に、2,7−ジヒドロキシナフタレン(2,7−NAP)の
仕込み量を135.7g (847mmol)に変更した以外は、合成例1と同様の方法で疎水性ユニット(3−a)を合成し、得られた疎水性ユニットを用いて合成例1と同様の方法で合成を行い、式(3−b)のポリマーを得た。得られたポリマーを実施例1と同様の方法でNMP/メタノールから製膜することによって、膜厚30μmのフィルムを得た
。得られた疎水ユニット、ポリマー、フィルムの物性を表1に示す。
Figure 0005261934
Figure 0005261934
[合成例4]
合成例1の2,7−ジヒドロキシナフタレン(2,7−NAP) 67.8g (42
4mmol)を1,6−ジヒドロキシナフタレン(1,6−NAP) 67.8g (4
24mmol)に変更した以外は、合成例1と同様の方法で疎水性ユニット(4−a)を合成し、得られた疎水性ユニットを用いて実施例1と同様の方法で合成を行い、式(4−b)のポリマーを得た。得られたポリマーを合成例1と同様の方法でNMP/メタノールか
ら製膜することによって、膜厚30μmのフィルムを得た。得られた疎水ユニット、ポリマー、フィルムの物性を表1に示す。
Figure 0005261934
Figure 0005261934
[合成例5]
合成例2の2,7−ジヒドロキシナフタレン 67.8g (424mmol)を1,
6−ジヒドロキシナフタレン 67.8g (424mmol)に変更した以外は同様の
方法で疎水性ユニット(5−a)を合成し、得られた疎水性ユニットを用いて合成例2と同様の方法で合成を行い、式(5−b)のポリマーを得た。得られたポリマーを合成例2と同様の方法でNMP/メタノールから製膜することによって、膜厚30μmのフィルムを
得た。得られた疎水ユニット、ポリマー、フィルムの物性を表1に示す。
Figure 0005261934
Figure 0005261934
[合成例6]
合成例1の2,7−ジヒドロキシナフタレン 67.8g (424mmol)を1,
5−ジヒドロキシナフタレン 67.8g (424mmol)に変更した以外は同様の
方法で疎水性ユニット(6−a)を合成し、得られた疎水性ユニットを用いて合成例1と同様の方法で合成を行い、式(6−b)のポリマーを得た。得られたポリマーを合成例1と同様の方法でNMP/メタノールから製膜することによって、膜厚30μmのフィルムを
得た。得られた疎水ユニット、ポリマー、フィルムの物性を表1に示す。
Figure 0005261934
Figure 0005261934
[合成例7]
合成例2の2,7−ジヒドロキシナフタレン 67.8g (424mmol)を1,
5−ジヒドロキシナフタレン 67.8g (424mmol)に変更した以外は同様の
方法で疎水性ユニット(6−a)を合成し、得られた疎水性ユニットを用いて合成例2と同様の方法で合成を行い、式(6−b)のポリマーを得た。得られたポリマーを合成例2と同様の方法でNMP/メタノールから製膜することによって、膜厚30μmのフィルムを
得た。得られた疎水ユニット、ポリマー、フィルムの物性を表1に示す。
Figure 0005261934
Figure 0005261934
[合成例8]
合成例1の2,7−ジヒドロキシナフタレン 67.8g (424mmol)を、2
,7−ジヒドロキシナフタレン 101.8g (635mmol)、および1,3−ビ
ス{1−メチル−1−(4−ヒドロキシフェニル)エチル}ベンゼン 220.1g (6
35mmol)を1,3−ビス{1−メチル−1−(4−ヒドロキシフェニル)エチル}ベンゼン 146.7g (424mmol)に変更した以外は同様の方法で(1−a)の
組成の異なる疎水性ユニットを合成し、得られた疎水性ユニットを用いて合成例1と同様の方法で合成を行い、ポリマーを得た。得られたポリマーを合成例1と同様の方法でNMP
/メタノールから製膜することによって、膜厚30μmのフィルムを得た。得られた疎水ユニット、ポリマー、フィルムの物性を表1に示す。
[合成例9]
撹拌羽根、温度計、窒素導入管、Dean-Stark管、冷却管を取り付けた1Lセ
パラブル3口フラスコに、2,7−ジヒドロキシナフタレン 42.4g (265mm
ol)、1,3−ビス{1−メチル−1−(4−ヒドロキシフェニル)エチル}ベンゼン
275.1g (794mmol)、4,4’−ジフルオロベンゾニトリル 130.9
g (941mmol)、4−クロロ−4’−フルオロベンゾニトリル 34.8g (2
24mmol)、炭酸カリウム 175.6g (1.27mol)をはかりとった。減圧下で真空乾燥を行った後、ジメチルアセトアミド 1250mLおよびトルエン 500mLを加え、窒素雰囲気下、130℃で加熱還流した。反応によって生成する水をトルエンとの共沸により、Dean-Stark管から取り除いた。3時間後に水の生成が認められなくなったところで、トルエンを系外に取り除き、165℃で7時間撹拌した後、4−クロロ−4’−フルオロベンゾニトリル 20.1g (129mmol)を加え、さらに3時間撹拌した。
放冷後、反応溶液に不溶の無機物をセライトを、ろ過助剤にセライトを用いたろ過によって除いた。ろ液をメタノール/塩酸水溶液 5.0L/0.15Lに注ぎ、反応物を凝固させた。沈殿した凝固物をろ過し、少量のメタノールで洗浄し、真空乾燥した。乾燥した生成物を、テトラヒドロフラン 0.9kgに再溶解した。この溶液をメタノール 4.2Lに注ぎ、再沈殿した。凝固物をろ過し、真空乾燥して、320g(収率79%)の目的物を得た。GPCで求めたポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)は5000、重量平均分子量は9600(Mw)であった。得られた化合物は式(9−a)で表されるオリゴマーであることを確認した。
Figure 0005261934
攪拌機、温度計、窒素導入管をとりつけた1Lの三口フラスコに、3−(2,5−ジクロロベンゾイル)ベンゼンスルホン酸ネオペンチル53.3g(133mmol)、合成
例1で得られた疎水性ユニット74.7g(16.6mmol)、ビス(トリフェニルホスフィン)ニッケルジクロリド2.94g(5.0mmol)、ヨウ化ナトリウム0.67g(5.0mmol)、トリフェニルホスフィン15.7g(60mmol)、亜鉛23.5g(360mmol)をはかりとり、乾燥窒素で置換した。ここにN,N-ジメチルアセトアミド(DMAc)320mLを加え、反応温度を80℃に保持しながら3時間攪拌し続けた後、DMAc540mLを加えて希釈し、不溶物をろ過した。
得られた溶液を攪拌機、温度計、窒素導入管を取り付けた2Lの三口フラスコに入れた。115℃に加熱攪拌し、臭化リチウム23.2g(266mmol)を加えた。7時間攪拌後、アセトン3.5Lに注いで生成物を沈殿させた。ついで、1N塩酸、純水の順で洗浄後、乾燥して目的の重合体92gを得た。得られた重合体の重量平均分子量(Mw)は150,000であった。得られた化合物は式(9−b)で表されるポリマーであることを確認した。
Figure 0005261934
得られたポリマーを使用し、合成例1と同様の方法を用いて製膜し、評価を行った。評価結果を表1に示す。
[合成例10]
合成例9の1,3−ビス{1−メチル−1−(4−ヒドロキシフェニル)エチル}ベンゼン 275.1g (794mmol)を2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)-1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロプロパン 213.6g (635mmol)に、2
,7−ジヒドロキシナフタレンの仕込み量を67.8g (424mmol)に変更した
以外は同様の方法で疎水性ユニット(5−a)を合成し、得られた疎水性ユニットを用いて合成例9と同様の方法で合成を行い、式(5−b)のポリマーを得た。得られたポリマーを合成例9と同様の方法でNMP/メタノールから製膜することによって、膜厚30μmのフィルムを得た。得られた疎水ユニット、ポリマー、フィルムの物性を表1に示す。
Figure 0005261934
Figure 0005261934
[合成例11]
合成例9の1,3−ビス{1−メチル−1−(4−ヒドロキシフェニル)エチル}ベンゼン 275.1g (794mmol)をレゾルシノール 70.0g (635mmol
)に、2,7−ジヒドロキシナフタレンの仕込み量を67.8g (424mmol)に変更した以外は同様の方法で疎水性ユニット(11−a)を合成し、得られた疎水性ユニットを用いて合成例9と同様の方法で合成を行い、式(11−b)のポリマーを得た。得られたポリマーを合成例9と同様の方法でNMP/メタノールから製膜することによって、膜厚30μmのフィルムを得た。得られた疎水ユニット、ポリマー、フィルムの物性を表1に示す。
Figure 0005261934
Figure 0005261934
[合成例12]
撹拌羽根、温度計、窒素導入管、Dean-Stark管、冷却管を取り付けた1Lセ
パラブル3口フラスコに1,5−ジヒドロキシナフタレン(1,5−NAP) 67.8
g (424mmol)、2,7−ジヒドロキシナフタレン(2,7−NAP) 101
.8g (635mmol)、4,4’−ジフルオロベンゾフェノン(4,4’−DFBP) 205.4g (941mmol)、4−クロロ−4’−フルオロベンゾフェノン
52.5g (224mmol)、炭酸カリウム 175.6g (1.27mol)を
はかりとった。減圧下で真空乾燥を行った後、ジメチルアセトアミド 1250mL、トルエン 500mLを加え、窒素雰囲気下、130℃で加熱還流した。反応によって生成する水をトルエンとの共沸により、Dean-Stark管から取り除いた。3時間後に
水の生成が認められなくなったところで、トルエンを系外に取り除き、165℃で7時間撹拌した後、4−クロロ−4’−フルオロベンゾフェノン 30.4g (129mmol)を加え、さらに3時間撹拌した。
放冷後、反応溶液に不溶の無機物を、ろ過助剤にセライトを用いたろ過によって除いた。ろ液をメタノール/塩酸水溶液 5.0L/0.15Lに注ぎ、反応物を凝固させた。沈殿した凝固物をろ過し、少量のメタノールで洗浄し、真空乾燥した。乾燥した生成物を、テトラヒドロフラン 1.1kgに再溶解した。この溶液をメタノール 4.2Lに注ぎ、再沈殿した。凝固物をろ過し、真空乾燥して、370g(収率84%)の目的物を得た。GPCで求めたポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)は5400、重量平均分子量は7800(Mw)であった。得られた化合物は式(12−a)で表されるオリゴマーであることを確認した。
Figure 0005261934
攪拌機、温度計、窒素導入管をとりつけた1Lの三口フラスコに、3−(2,5−ジクロロベンゾイル)ベンゼンスルホン酸ネオペンチル29.38g(73.2mmol)、疎水性ユニット(12−a)40.8g(6.8mmol)、ビス(トリフェニルホスフィン)ニッケルジクロリド1.57g(2.0mmol)、ヨウ化ナトリウム0.36g(2.0mmol)、トリフェニルホスフィン8.39g(32mmol)、亜鉛12.55g(192mmol)をはかりとり、乾燥窒素で置換した。ここにN,N-ジメチルアセトアミド(DMAc)175mLを加え、反応温度を80℃に保持しながら3時間攪拌し続けた後、DMAc318mLを加えて希釈し、不溶物をろ過した。
得られた溶液を攪拌機、温度計、窒素導入管を取り付けた2Lの三口フラスコに入れた。115℃に加熱攪拌し、臭化リチウム12.7gを加えた。該溶液を7時間攪拌した後、アセトン2.0Lに注いで生成物を沈殿させた。ついで、1N塩酸、純水の順で洗浄した後、乾燥して目的の重合体48gを得た。得られた重合体の重量平均分子量(Mw)は138,000であった。得られた化合物は式(12−b)で表されるポリマーであることを確認した。
Figure 0005261934
得られたスルホン化ポリマーの19重量%N−メチルピロリドン(NMP)/メタノール溶液(3/1重量比)を、ガラス板上にキャストして製膜し、膜厚30μmのフィルムを得た。イオン交換容量は、1.29(meq/g)であり、ガラス転移温度は191℃であった。得られたフィルムのメタノール水溶液浸漬試験による面積変化率は130%であった。パーベーパレーション法によるメタノール透過性は76(g/m2/h)であっ
た。膜抵抗は、0.22(Ω・cm2)であった。
[合成例13]
合成例12の1,5−ジヒドロキシナフタレン 67.8g (424mmol)を1
,6−ジヒドロキシナフタレン 67.8g (424mmol)に変更した以外は、合
成例12と同様の方法で疎水性ユニット(13−a)を合成し、得られた疎水性ユニットを用いて合成例12と同様の方法で合成を行い、式(13−b)のポリマーを得た。得られたポリマーを合成例7と同様の方法でNMP/メタノールから製膜することによって、膜
厚30μmのフィルムを得た。得られた疎水ユニット、ポリマー、フィルムの物性を表1に示す。
Figure 0005261934
Figure 0005261934
[合成例14]
撹拌羽根、温度計、窒素導入管、Dean-Stark管、冷却管を取り付けた1Lセ
パラブル3口フラスコに1,5−ジヒドロキシナフタレン(1,5−NAP) 67.8
g (424mmol)、1,6−ジヒドロキシナフタレン(1,6−NAP) 101
.8g (635mmol)、4,4’−ジフルオロベンゾフェノン(4,4’−DFBP) 205.4g (941mmol)、4−クロロ−4’−フルオロベンゾフェノン
52.5g (224mmol)、炭酸カリウム 175.6g (1.27mol)を
はかりとった。減圧下で真空乾燥を行った後、ジメチルアセトアミド 1250mL、トルエン 500mLを加え、窒素雰囲気下、130℃で加熱還流した。反応によって生成する水をトルエンとの共沸により、Dean-Stark管から取り除いた。3時間後に
水の生成が認められなくなったところで、トルエンを系外に取り除き、165℃で7時間撹拌した後、4−クロロ−4’−フルオロベンゾフェノン 30.4g (129mmol)を加え、さらに3時間撹拌した。
放冷後、反応溶液に不溶の無機物を、ろ過助剤にセライトを用いたろ過によって除いた。ろ液をメタノール/塩酸水溶液 5.0L/0.15Lに注ぎ、反応物を凝固させた。沈殿した凝固物をろ過し、少量のメタノールで洗浄し、真空乾燥した。乾燥した生成物を、テトラヒドロフラン 1.1kgに再溶解した。この溶液をメタノール 4.2Lに注ぎ、再沈殿した。凝固物をろ過し、真空乾燥して、370g(収率84%)の目的物を得た。GPCで求めたポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)は5300、重量平均分子量は7900(Mw)であった。得られた化合物は式(14−a)で表されるオリゴマーであることを確認した。
Figure 0005261934
攪拌機、温度計、窒素導入管をとりつけた1Lの三口フラスコに、3−(2,5−ジクロロベンゾイル)ベンゼンスルホン酸ネオペンチル29.38g(73.2mmol)、疎水性ユニット(14−a)40.8g(6.8mmol)、ビス(トリフェニルホスフィン)ニッケルジクロリド1.57g(2.0mmol)、ヨウ化ナトリウム0.36g(2.0mmol)、トリフェニルホスフィン8.39g(32mmol)、亜鉛12.55g(192mmol)をはかりとり、乾燥窒素で置換した。ここにN,N-ジメチルアセトアミド(DMAc)175mLを加え、反応温度を80℃に保持しながら3時間攪拌し続けた後、DMAc318mLを加えて希釈し、不溶物をろ過した。
得られた溶液を攪拌機、温度計、窒素導入管を取り付けた2Lの三口フラスコに入れた。115℃に加熱攪拌し、臭化リチウム12.7gを加えた。該溶液を7時間攪拌した後、アセトン2.0Lに注いで生成物を沈殿させた。ついで、1N塩酸、純水の順で洗浄した後、乾燥して目的の重合体48gを得た。得られた重合体の重量平均分子量(Mw)は160,000であった。得られた化合物は式(14−b)で表されるポリマーであることを確認した。
Figure 0005261934
得られたスルホン化ポリマーの18重量%N−メチルピロリドン(NMP)/メタノール溶液(3/1重量比)を、ガラス板上にキャストして製膜し、膜厚30μmのフィルムを得た。イオン交換容量は、1.25(meq/g)であり、ガラス転移温度は185℃であった。得られたフィルムのメタノール水溶液浸漬試験による面積変化率は128%であった。パーベーパレーション法によるメタノール透過性は62(g/m2/h)であっ
た。膜抵抗は、0.21(Ω・cm2)であった。
[合成例15]
合成例14の1,3−ビス{1−メチル−1−(4−ヒドロキシフェニル)エチル}ベンゼン(Bis−M)および2,7−ジヒドロキシナフタレン(2,7−NAP)を1,6−ジヒドロキシナフタレン(1,6−NAP) 169.6g (1059mmol)に
変更した以外は、合成例14と同様の方法で疎水性ユニット(15−a)を合成し、得られた疎水性ユニットを用いて合成例14と同様の方法で合成を行い、式(15−b)のポリマーを得た。得られたポリマーを合成例14と同様の方法でNMP/メタノールから製膜
することによって、膜厚30μmのフィルムを得た。得られた疎水ユニット、ポリマー、フィルムの物性を表1に示す。
Figure 0005261934
Figure 0005261934
[合成例16]
合成例1で3−(2,5−ジクロロベンゾイル)ベンゼンスルホン酸ネオペンチル29.38g(73.2mmol)を31.20g(77.7mmol)、実施例1で得られた疎水性ユニット40.8g(6.8mmol)を13.56g(2.3mmol)に変更したこと意外は、合成例1と同様の方法で合成を行い、合成例1と比較してイオン交換容量の異なるポリマー(S−16)を得た。合成例1と同様の方法でNMP/メタノールから製膜することによって、膜厚30μmのフィルムを得た。得られた疎水ユニット、ポリマー、フィルムの物性を表1に示す。
Figure 0005261934
[実施例1]
[ペースト1の調製]
50mlのガラス瓶に直径10mmのジルコニアボール(商品名:YTZボール、株式会社ニッカトー製)25gを入れ、白金担持カーボン粒子(Pt:46重量%担持、(田中貴金属工業株式会社製:TEC10E50E)1.51g、蒸留水0.88g、合成例1で合成
したポリマーの15%水−1,2−ジメトキシエタン溶液(重量比10:90)3.23
g、1,2−ジメトキシエタン13.97gを加え、ウエーブローターで60分間攪拌し、粘度50cp(25℃)のペーストを得た。
〔ガス拡散層の作製〕
カーボンブラックとポリテトラフルオロエチレン(PTFE)粒子とを、カーボンブラック:PTFE粒子=4:6の重量比で混合し、得られた混合物をエチレングリコールに均一に分散させたスラリーをカーボンペーパーの片面に塗布し、乾燥させて下地層とし、該下地層とカーボンペーパーとからなる拡散層3を二つ作製した。
[ガス拡散電極の作製]
上記で作製した拡散層上に、ペースト1を白金塗布量が0.5mg/cm2になるよう
にドクターブレードを用いて塗布した。これを95℃で10分間加熱乾燥し、ガス拡散電極層を形成させた。
[膜−電極接合体の作製]
合成例16で作製したポリマー(S−16)からなる電解質膜(膜厚30μm)の電解質膜を1枚用意し、上記で作製した一対のガス拡散電極層で挟み、圧力100kg/cm2下で、160℃×15minの条件でホットプレス成形して、膜−電極接合体を作成し
た。
〔発電評価〕
上記で得た膜―電極接合体の両側にガス流路を兼ねるセパレータを積層することにより、固体高分子型燃料電池を構成させた。これを単セルとして、一方を酸素極として空気を供給し、一方は燃料極として純水素を供給して発電させた。発電条件は、セル温度95℃、空気極側相対湿度75%、空気極側流量4L/min、燃料極側相対湿度40%、燃料極側流量1L/minで初期発電特性評価を行った。電流密度1.0A/cm時の出力電圧を表2に示す。初期特性評価後、セル温度95℃、空気極側相対湿度75%、空気極側流量0.2L/min、燃料極側相対湿度40%、燃料極側流量0.6L/minで、電流密度を0.1A/cmに保持し、500時間連続発電を行った。500時間後、初期発電特性評価条件と同条件で、電流密度1.0A/cm時の出力電圧を測定した。測定結果を表2に示す。
[実施例2]
実施例1の電極ペースト作成時のポリマー(S−1)を(S−2)に変更した以外は、同様の方法で電極ペースト、ガス拡散層、ガス拡散電極、膜−電極接合体を作成し、同様の条件で発電評価を行った。
[実施例3]
実施例1の電極ペースト作成時のポリマー(S−1)を(S−3)に変更した以外は、同様の方法で電極ペースト、ガス拡散層、ガス拡散電極、膜−電極接合体を作成し、同様の条件で発電評価を行った。
[実施例4]
実施例1の電極ペースト作成時のポリマー(S−1)を(S−4)に変更した以外は、同様の方法で電極ペースト、ガス拡散層、ガス拡散電極、膜−電極接合体を作成し、同様の条件で発電評価を行った。
[実施例5]
実施例1の電極ペースト作成時のポリマー(S−1)を(S−5)に変更した以外は、同様の方法で電極ペースト、ガス拡散層、ガス拡散電極、膜−電極接合体を作成し、同様の条件で発電評価を行った。
[実施例6]
実施例1の電極ペースト作成時のポリマー(S−1)を(S−6)に変更した以外は、同様の方法で電極ペースト、ガス拡散層、ガス拡散電極、膜−電極接合体を作成し、同様の条件で発電評価を行った。
[実施例7]
実施例1の電極ペースト作成時のポリマー(S−1)を(S−7)に変更した以外は、同様の方法で電極ペースト、ガス拡散層、ガス拡散電極、膜−電極接合体を作成し、同様
の条件で発電評価を行った。
[実施例8]
実施例1の電極ペースト作成時のポリマー(S−1)を(S−8)に変更した以外は、同様の方法で電極ペースト、ガス拡散層、ガス拡散電極、膜−電極接合体を作成し、同様の条件で発電評価を行った。
[実施例9]
実施例1の電極ペースト作成時のポリマー(S−1)を(S−9)に変更した以外は、同様の方法で電極ペースト、ガス拡散層、ガス拡散電極、膜−電極接合体を作成し、同様の条件で発電評価を行った。
[実施例10]
実施例1の電極ペースト作成時のポリマー(S−1)を(S−10)に変更した以外は、同様の方法で電極ペースト、ガス拡散層、ガス拡散電極、膜−電極接合体を作成し、同様の条件で発電評価を行った。
[実施例11]
実施例1の電極ペースト作成時のポリマー(S−1)を(S−11)に変更した以外は、同様の方法で電極ペースト、ガス拡散層、ガス拡散電極、膜−電極接合体を作成し、同様の条件で発電評価を行った。
[実施例12]
実施例1の電極ペースト作成時のポリマー(S−1)を(S−12)に変更した以外は、同様の方法で電極ペースト、ガス拡散層、ガス拡散電極、膜−電極接合体を作成し、同様の条件で発電評価を行った。
[実施例13]
実施例1の電極ペースト作成時のポリマー(S−1)を(S−13)に変更した以外は、同様の方法で電極ペースト、ガス拡散層、ガス拡散電極、膜−電極接合体を作成し、同様の条件で発電評価を行った。
[実施例14]
実施例1の電極ペースト作成時のポリマー(S−1)を(S−14)に変更した以外は、同様の方法で電極ペースト、ガス拡散層、ガス拡散電極、膜−電極接合体を作成し、同様の条件で発電評価を行った。
[実施例15]
実施例1の電極ペースト作成時のポリマー(S−1)を(S−15)に変更した以外は、同様の方法で電極ペースト、ガス拡散層、ガス拡散電極、膜−電極接合体を作成し、同様の条件で発電評価を行った。
[比較例1]
実施例1の電極ペースト作成時のポリマー(S−1)をNafion溶液(Dupont社製2020CS、20.1wt%溶液)に変更した以外は、同様の方法で電極ペースト、ガス拡散層、ガス拡散電極、膜−電極接合体を作成し、同様の条件で発電評価を行った。
Figure 0005261934
表2に示したように、Nafionと比較し良好なセル電圧保持性を示すことがわかった。

Claims (9)

  1. 式(A)で表される構造単位を含有するポリアリーレン系重合体を含んでなることを特徴とする高分子型燃料電池用電極電解質。
    Figure 0005261934
    [式(A)中、A、Dは直接結合、−O−、−S−、−CO−、−SO2−、−SO−、−CONH−、−COO−、−(CF2i−(iは1〜10の整数である)、−(CH2j−(jは1〜10の整数である)、−CR'2−(R'は脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基またはハロゲン化炭化水素基を示す)、シクロヘキシリデン基およびフルオレニリデン基からなる群より選ばれた少なくとも1種の構造を示し、
    Bは酸素原子または硫黄原子を示し、H1は縮合芳香族環を示し、R1〜R20は、互いに同一であっても異なっていてもよく、水素原子、フッ素原子、アルキル基、一部またはすべてがハロゲン化されたハロゲン化アルキル基、アリル基、アリール基、ニトロ基およびニトリル基からなる群より選ばれる少なくとも1種の原子または基を示し、l、mは0〜4の整数を示し、qは2以上の整数を示す。tは0〜4の整数を示す。
    n、pは各ユニットの組成比を示し、pは0から1の値のうち0以外の値をとり、n+p=1であり、n=0.1〜0.9である。]。
  2. 式(A)中、H1はナフタレン基、アントラセン基、テトラセン基、ペンタセン基から選ばれる基を示すことを特徴とする請求項1に記載の高分子型燃料電池用電極電解質。
  3. 式(A)は、式(A-1)で表されるポリアリーレン系重合体であることを特徴とする請求項1または2に記載の高分子型燃料電池用電極電解質。
    Figure 0005261934
    [式(A-1)中、Aは直接結合、−O−、−CO−、−SO2−、−SO−、−(CF2i−(iは1〜10の整数である)、−(CH2j−(jは1〜10の整数である)、−CR'2−(R'は脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基またはハロゲン化炭化水素基を示す)、シクロヘキシリデン基、およびフルオレニリデン基からなる群より選ばれた少なくとも1種の構造を示し、Dは直接結合、−O−、−CO−、−(CH2j−(jは1〜10の整数である)および−CR''2−(R''は脂肪族炭化水素基または芳香族炭化水素基を示す)からなる群より選ばれた少なくとも1種の構造を示し、H1は縮合芳香族環を示し、R1〜R20は互いに同一であっても異なっていてもよく、水素原子、フッ素原子、アルキル基、一部またはすべてがハロゲン化されたハロゲン化アルキル基、アリル基、アリール基、ニトロ基およびニトリル基からなる群より選ばれる少なくとも1種の原子または基を示す。
    lは0〜4の整数を示し、qは2以上の整数を示す。tは0〜4の整数を示す。
    n、pは各ユニットの組成比を示し、pは0から1の値のうち0以外の値をとり、n+p=1であり、n=0.1〜0.9である。]。
  4. 式(A)で表される構造単位が、式(A-2)で表されることを特徴とする請求項3に記載の高分子型燃料電池用電極電解質。
    Figure 0005261934
    [式(D)中、Dは、−O−、−CR''2−(R''は脂肪族炭化水素基または芳香族
    炭化水素基を示す)からなる群より選ばれた少なくとも1種の構造を示す。
    Pは下記式(4−1)〜(4−3)で表される構造から選ばれる少なくとも1種の構造であり、H1は下記式(5−1)で表される構造である。
    qは2以上の整数を示す。tは0〜4の整数を示す。
    n、pは各ユニットの組成比を示し、pは0から1の値のうち0以外の値をとり、n+p=1であり、n=0.1〜0.9である。]。
    Figure 0005261934
    Figure 0005261934
  5. 前記式(A-2)において、pが0.01〜1の範囲にあることを特徴とする請求項4に記載の高分子型燃料電池用電極電解質。
  6. 前記ポリアリーレン系重合体が、さらに下記式(B)で表される構造単位を含むことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の高分子型燃料電池用電極電解質。
    Figure 0005261934
    [式(B)中、Yは−CO−、−SO2−、−SO−、−CONH−、−COO−、−(CF2e−(eは1〜10の整数である)、−C(CF32−からなる群より選ばれた少なくとも1種の構造を示し、Zは直接結合、−(CH2d−(dは1〜10の整数である)、−C(CH32−、−O−および−S−からなる群より選ばれた少なくとも1種の構造を示し、Arは−SO3H、−O(CH2rSO3Hまたは−O(CF2rSO3Hで表される置換基を有する芳香族基を示す。rは1〜12の整数を示し、jは0〜10の整数を示し、kは0〜10の整数を示し、iは1〜4の整数を示す。]。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の電解質と触媒粒子および溶媒を含むことを特徴とする電極ペースト。
  8. 請求項1〜6のいずれかに記載の電解質と触媒粒子とを含むことを特徴とする固体高分子型燃料電池用電極。
  9. 請求項8に記載の電極を、高分子電解質膜の少なくとも片面に備える膜−電極接合体。
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