JP4356547B2 - スルホン化ポリマーおよび固体高分子電解質 - Google Patents
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Description
F3から選ばれる原子または基であり、R1〜R12は互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、フッ素原子またはアルキル基であり、mは1以上の整数であり、nは2以上の整数である。Qは下記一般式(2)〜(5)で表される構造から選ばれる少なくとも1種の構造である。]
なっていてもよく、水素原子、フッ素原子、アルキル基または芳香族基である。]
本願発明に係るポリアリーレン系重合体は、下記一般式(1’)で表わされる構成単位を含有することを特徴とする。
〜R12、m、nおよびQと同義である。]
本願発明に係るポリアリーレン系重合体は、下記一般式(6)で表される構成単位をさらに含有することが好ましい。
し、lは0〜10の整数を示し、jは1〜4の整数を示す。]
本発明に係る高分子電解質およびプロトン伝導膜は、上記のようなスルホン酸基を有するポリアリーレン系重合体からなることを特徴とする。
本発明に係る特定の構造を有する化合物は、下記一般式(1)で表される(以下、「化合物(1)」ともいう)。この化合物(1)から導かれる構成単位を含有させることにより、重合体に疎水部を付与するとともに、屈曲性構造を有するため重合体の靭性、その他の機械的強度などを向上させる作用を有する。
H3、−OSO2CF3から選ばれる原子または基を示す。
R1〜R12は互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、フッ素原子またはアルキ
ル基を示す。アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、アミル基、ヘキシル基などが挙げられ、メチル基、エチル基などが好ましい。
、0.06以上、p位の場合、0.01以上の値となる基をいう。
Bは独立に酸素原子または硫黄原子である。
mは1以上の整数であり、上限は通常50、好ましくは20であり、
nは2以上の整数であり、上限は通常100、好ましくは80である。
Qは、下記一般式(2)〜(5)で表される構造から選ばれる少なくとも1種の構造を示す。
R9〜R20は同一でも異なっていてもよく、水素原子、フッ素原子、アルキル基または
芳香族基を示す。アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、アミル基、ヘキシル基などが挙げられ、メチル基、エチル基などが好ましい。芳香族基としては、たとえば、フェニル基、ナフチル基、ピリジル基、フェノキシジフェニル基、フェニルフェニル基、ナフトキシフェニルなどが挙げられる。
上記化合物(1)は、たとえば、次のような反応により合成することができる。
まず、2価の原子もしくは有機基または直接結合で連結されたビスフェノール、ベンゼンジオールまたはナフタレンジオールなど(以下、これらをまとめて「フェノール類」ともいう。)をアルカリ金属塩とするために、N−メチル−2−ピロリドン、N,N-ジメチルアセトアミド、スルホラン、ジフェニルスルホン、ジメチルスルホキサイドなどの誘電率の高い極性溶媒中で、リチウム、ナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属、水素化アルカリ金属、水酸化アルカリ金属、アルカリ金属炭酸塩などを加える。アルカリ金属はフェノール類の水酸基に対し、過剰気味で反応させ、通常、1.1〜2倍当量、好ましくは1.2〜1.5倍当量で使用する。このとき、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼン、アニソールなどの水と共沸する溶媒を共存させて、反応の進行を促進させることが好ましい。
1,4−ビス(4-クロロベンゾイル)ベンゼン、1,3−ビス(4−クロロベンゾイル
)ベンゼン、1,2−ビス(4−クロロベンゾイル)ベンゼン、1,4−ビス(3−クロロベンゾイル)ベンゼン、1,3−ビス(3−クロロベンゾイル)ベンゼン、1,2−ビス(3−クロロベンゾイル)ベンゼン、1,4−ビス(2−クロロベンゾイル)ベンゼン、1,3−ビス(2−クロロベンゾイル)ベンゼン、1,2−ビス(2−クロロベンゾイル)ベンゼン、4,4’−ビス(4−クロロベンゾイル)ビフェニル、4,4’−ビス(3−クロロベンゾイル)ビフェニル、4,4’−ビス(2−クロロベンゾイル)ビフェニル、2,2’−ビス(4−クロロベンゾイル)ビフェニル、2,2’−ビス(2−クロロベンゾイル)ビフェニル、1,4−ビス(4−クロロスルホニル)ベンゼン、1,3−ビス(4−クロロスルホニル)ベンゼン、1,2−ビス(4−クロロスルホニル)ベンゼン、4,4’−ビス(4−クロロスルホニル)ビフェニル、4,4’−ビス(2−クロロスルホニル)ビフェニル、1,4−ビス(4−クロロベンゾイル)−2,3,5,6−テトラフルオロベンゼン、1,3−ビス(4−クロロベンゾイル)−2,4,5,6−テトラフルオロベンゼンなどとを反応させる。
過剰に加えて反応させてもよい。分子量の調整は、ここでの、芳香族ジハライド化合物とビスフェノール類との反応モル比によって行うことができる。
得られたオリゴマーないしポリマーは、ポリマーの一般的な精製方法、たとえば、溶解−沈殿の操作によって精製することができる。化合物(1)の具体的な構造として、以下のものを挙げることができる。
本発明に係るポリアリーレン系重合体は、下記一般式(1’)で表される構成単位(以下「構成単位(1’)」または「疎水性ユニット」ともいう)のみから構成される単独重合体でもよいし、構成単位(1’)と他の構成単位とを含有する共重合体でもよい。いずれの場合でも、重合体のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定したポリスチレン換算の重量平均分子量(以下、単に「重量平均分子量」という)は1万〜100万、好ましくは2万〜80万である。
本発明のポリアリーレン系重合体の好ましい態様としては、上記構成単位(1’)が、下記一般式(1’’)で表わされる構成単位であることが望ましい。
、−CONH−、−COO−、−(CF2)l−(lは1〜10の整数である)、−C(CF3)2−などが挙げられる。
Zは2価の電子供与性基または直接結合を示し、具体的には、−(CH2)−、−C(C
H3)2−、−O−、−S−、−CH=CH−、−C≡C―および
Arは−SO3Hで表される置換基を有する芳香族基を示し、芳香族基として具体的に
はフェニル基、ナフチル基、アントラセニル基、フェナンチル基などが挙げられる。これらの基のうち、フェニル基、ナフチル基が好ましい。
上記構成単位(6)を含有することにより、ポリアリーレン系重合体にスルホン酸基が導入されるため、高分子電解質やプロトン伝導膜として好適に用いることができる。
(ここで、Gはアルキル基、フッ素置換アルキル基またはアリール基を示す。)から選ばれる原子または基を示し、Y、Z、Ar、j、kおよびlは、それぞれ上記一般式(6)中のY、Z、Ar、j、kおよびlと同義である。
チル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、tert-ブチル基、iso-ブチル
基、n−ブチル基、sec−ブチル基、ネオペンチル基、シクロペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、シクロペンチルメチル基、シクロヘキシルメチル基、アダマンチル基、アダマンタンメチル基、2−エチルヘキシル基、ビシクロ[2.2.1]へプチル基、ビシクロ[2.2.1]へプチルメチル基、テトラヒドロフルフリル基、2−メチルブチル基、3,3−ジメチル−2,4−ジオキソランメチル基、シクロヘキシルメチル基、アダマンチルメチル基、ビシクロ[2.2.1]ヘプチルメチル基などの直鎖状炭化水素基、分岐状炭化水素基、脂環式炭化水素基、5員の複素環を有する炭化水素基などが挙げられる。これらの中では、n−ブチル基、ネオペンチル基、テトラヒドロフルフリル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘキシルメチル基、アダマンチルメチル基、ビシクロ[2.2.1]ヘプチルメチル基が好ましく、特にネオペンチル基が好ましい。
には上記炭素原子数1〜20の炭化水素基などが挙げられる。これらの中では、n−ブチル基、ネオペンチル基、テトラヒドロフルフリル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘキシルメチル基、アダマンチルメチル基、ビシクロ[2.2.1]ヘプチルメチル基が好ましく、特にネオペンチル基が好ましい。
式(7)で表されるスルホン酸エステルの具体例としては、以下の様な化合物が挙げられる。
子に置き換わり、かつ、−CO−が−SO2−に置き換わった化合物なども挙げられる。
−CO−が−SO2−に置き換わった化合物、上記化合物において塩素原子が臭素原子に
置き換わり、かつ、−CO−が−SO2−に置き換わった化合物なども挙げられる。
本発明において好ましい態様である、スルホン酸基を有するポリアリーレン系重合体(以下、単に「スルホン化ポリマー」ともいう)は、上記化合物(1)と化合物(7)とを、触媒の存在下に反応させることにより合成される。
は、配位子が配位された遷移金属錯体(銅塩を含む)と、(ii)還元剤とを必須成分とし、さらに、重合速度を上げるために「塩」を添加してもよい。
化パラジウムなどのパラジウム化合物;塩化鉄、臭化鉄、ヨウ化鉄などの鉄化合物;塩化コバルト、臭化コバルト、ヨウ化コバルトなどのコバルト化合物などが挙げられる。これらのうち特に、塩化ニッケル、臭化ニッケルなどが好ましい。
シクロオクタジエン、1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパンなどが挙げられる
。これらのうち、トリフェニルホスフィン、2,2'−ビピリジンが好ましい。上記配位子成分である化合物は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
ロオクタジエン)ニッケル、テトラキス(トリフェニルホスフィン)ニッケル、テトラキス(トリフェニルホスファイト)ニッケル、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウムなどが挙げられる。これらのうち、塩化ニッケルビス(トリフェニルホスフィン)、塩化ニッケル(2,2'−ビピリジン)が好ましい。
れる重合体の精製が困難となることがある。
ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、
γ−ブチロラクトン、N,N'−ジメチルイミダゾリジノンなどが挙げられる。これらのうち、テトラヒドロフラン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、N,N'−ジメチルイミダゾリジノンが好ましい。これらの重合溶媒は、十分に乾燥してから用いることが好ましい。
(1)少量の塩酸を含む過剰量の水またはアルコールに、上記スルホン酸エステル基を有するポリアリーレンを投入し、5分間以上撹拌する方法
(2)トリフルオロ酢酸中で、上記スルホン酸エステル基を有するポリアリーレンを80〜120℃程度の温度で5〜10時間程度反応させる方法
(3)スルホン酸エステル基を有するポリアリーレン中のスルホン酸エステル基(−SO3R)1モルに対して1〜3倍モルのリチウムブロマイドを含む溶液、例えばN−メチル
ピロリドンなどの溶液中で、上記ポリアリーレンを80〜150℃程度の温度で3〜10時間程度反応させた後、塩酸を添加する方法
などを挙げることができる。
げられる。反応温度は、特に限定されないが、通常−50〜200℃、好ましくは−10〜100℃である。また、反応時間は、通常0.5〜1,000時間、好ましくは1〜200時間である。
本発明の固体高分子電解質は、上記スルホン酸基を有するポリアリーレン系重合体からなり、プロトン伝導性を損なわない範囲で、フェノール性水酸基含有化合物、アミン系化合物、有機リン化合物、有機イオウ化合物などの酸化防止剤などを含んでもよい。
本発明のプロトン伝導膜は、上記スルホン酸基を有するポリアリーレン系重合体からなる固体高分子電解質を用いて調製される。また、プロトン伝導膜を調製する際に、固体高分子電解質以外に、硫酸、リン酸などの無機酸、カルボン酸を含む有機酸、適量の水などを併用してもよい。
ル−2−ピロリドン(以下「NMP」ともいう。)が好ましい。非プロトン系極性溶剤は、1種単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。
、基体から流れてしまうことがある。一方、100,000mPa・sを超えると、粘度
が高過ぎて、ダイからの押し出しができず、流延法によるフィルム化が困難となることがある。
高温ほど、有機溶媒と水との置換速度は速くなるが、フィルムの吸水量も大きくなるので、乾燥後に得られるプロトン伝導膜の表面状態が荒れる懸念がある。通常、置換速度と取り扱いやすさから10〜60℃の温度範囲が好都合である。浸漬時間は、初期の残存溶媒量や接触比、処理温度にもよるが、通常10分〜240時間の範囲である。好ましくは30分〜100時間の範囲である。
また、本発明においては、上記スルホン酸エステル化されたポリアリーレン系重合体を加水分解することなく、上述したような方法でフィルム状に成形した後、上記と同様の方法で加水分解することによりスルホン酸基を有するポリアリーレン系重合体からなるプロトン伝導膜を製造することもできる。
−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート](商品名:IRGANOX 259
)、2,4−ビス−(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルアニリノ)−3,5−トリアジン(商品名:IRGANOX 565)、ペンタエリスリチル−テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート](商品名:IRGANOX 1010)、2,2−チオ−ジエチレンビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4
−ヒドロキシフェニル)プロピオネート](商品名:IRGANOX 1035)、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート)(商品名:IRGANOX
1076)、N,N−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナマミド)(IRGAONOX 1098)、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4―ヒドロキシベンジル)ベンゼン(商品名:IRGANOX 1330)、トリス−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−イソシアヌレイト(商品名:IRGANOX 3114)、3,9−ビス[2−〔3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチ
ルフェニル)プロピオニルオキシ〕−1,1−ジメチルエチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン(商品名:Sumilizer GA-80)などを挙げることができる。
ることが好ましい。
以下、実施例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明は、これら実施例に何ら限定されることはない。
撹拌羽根、温度計、窒素導入管を取り付けた500mLの3口フラスコに、1,4−ビス(4−クロロベンゾイル)ベンゼン19.0g(53.6mmol)、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン16.0g(47.6mmol)、炭酸カリウム8.6g(61.9mol)、スルホラン100g、トルエン40gを入れ、窒素雰囲気下、130℃で撹拌した。トルエンとの共沸により水分を取り除いた後、トルエンを系外に取り除き、195℃で11時間撹拌した。反応溶液を100℃まで冷やしてから、1,4−ビス(4−クロロベンゾイル)ベンゼン1.12g(3.2mmol)を加え、再度195℃で5時間撹拌した。テトラハイドロフランにより希釈し、セライト濾過により固形分を取り除いた。濾液をメタノール/濃塩酸溶液(メタノール2.7L/濃塩酸0.3L)に注ぎ、反応物を凝固させた。吸引濾過により固体を濾過し、得られた固体をメタノールで洗浄した後、風乾した。これをテトラハイドロフランに再溶解し、メタノール1.5Lに注ぎ、反応物を凝固させた。吸引濾過により固体を濾過し、得られた固体を風乾して、さらに真空乾燥することにより目的の疎水性ユニット(I)24.6gを得た(収率79%)。GPC(ポリスチレン換算)で求めた生成物の数平均分子量は8,
600、重量平均分子量は17,000であった。1H−NMRスペクトルを図1に示す。得られた化合物は下記式(I)で表わされるオリゴマーであることを確認した。
撹拌羽根、温度計、窒素導入管を取り付けた500mLの3口フラスコに、3−(2,5−ジクロロベンゾイル)ベンゼンスルホン酸ネオペンチル27.6g(69mmol)、実施例1で得た疎水性ユニット(I)11.8g(1.2mmol)、トリフェニルホスフィン7.34g(28mmol)、亜鉛11.0g(168mmol)をはかりとった。40℃に加熱したオイルバスにフラスコをつけ、2時間真空乾燥した。内部を数回乾燥窒素置換した後、ビス(トリフェニルホスフィン)ニッケルジクロリド(Nicat.)1.37g(2.1mmol)、よう化ナトリウム0.32g(2.1mmol)、脱水したジメチルアセトアミド92mLを加え、重合を開始した。反応温度が90℃を超えないように制御しながら、3時間重合を続けた。反応終了後、ジメチルアセトアミドを530g加えて希釈し、セライト濾過により不溶分を取り除き、固形分含量が12%となるように濃縮した。
応終了後、アセトン4Lに注ぎ、反応物を凝固させた。吸引濾過により固体を濾過し、得られた固体をメタノールで洗浄した後、風乾して、さらに真空乾燥することによりスルホン化ポリマー(II)26.3gを得た(収率89%)。GPC(ポリスチレン換算)で求めた生成物の数平均分子量は59,000、重量平均分子量は237,000であった。1
H−NMRスペクトルを図2に示す。得られたポリマーは、下記式(II)で表わされるスルホン化ポリマーと推定される。このポリマーのイオン交換容量は2.2meq/gであった。
撹拌羽根、温度計、窒素導入管を取り付けた500mLの3口フラスコに、1,3−ビス(4−クロロベンゾイル)ベンゼン17.8g(50.0mmol)、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン15.1g(45.0mmol)、炭酸カリウム8.1g(58.5mol)、スルホラン117g、トルエン40gを入れ、窒素雰囲気下、130℃で撹拌した。トルエンとの共沸により水分を取り除いた後、トルエンを系外に取り除き、195℃で7時間撹拌した。反応溶液を100℃まで冷やしてから、1,3−ビス(4−クロロベンゾイル)ベンゼン5.34g(15.0mmol)を加え、再度195℃で3時間撹拌した。トルエンにより希釈し、セライト濾過により固形分を取り除いた。濾液をメタノール/濃塩酸溶液(メタノール2.0L/濃塩酸0.2L)に注ぎ、反応物を凝固させた。吸引濾過により固体を濾過し、得られた固体をメタノールで洗浄した後、風乾した。これをテトラハイドロフランに再溶解し、メタノール3.0Lに注ぎ、反応物を凝固させた。吸引濾過により固体を濾過し、得られた固体を風乾して、さらに真空乾燥することにより目的の疎水性ユニット(3)22.1gを得た(収率75%)。GPC(ポリスチレン換算)で求めた生成物の数平均分子量は8000、重量平均分子量は14000であった。1H−NMRスペクトルを図に示す。得られた化合物は
下記式(III)で表わされるオリゴマーであることを確認した。
撹拌羽根、温度計、窒素導入管を取り付けた500mLの3口フラスコに、3−(2,5−ジクロロベンゾイル)ベンゼンスルホン酸ネオペンチル31.6g(78.7mmol)、実施例3で得た疎水性ユニット(3)14.1g(1.76mmol)、トリフェ
ニルホスフィン8.39g(32.0mmol)、亜鉛12.6g(192mmol)、ビス(トリフェニルホスフィン)ニッケルジクロリド(Nicat.)2.09g(3.2mmol)、よう化ナトリウム0.36g(2.4mmol)をはかりとった。40℃に加熱したオイルバスにフラスコをつけ、2時間真空乾燥した。内部を数回乾燥窒素置換した後、脱水したジメチルアセトアミド100mLを加え、重合を開始した。反応温度が90℃を超えないように制御しながら、3時間重合を続けた。反応終了後、ジメチルアセトアミドを360g加え希釈し、セライト濾過により不溶分を取り除き、固形分含量が12%となるように濃縮した。
るスルホン化ポリマーと推定される。このポリマーのイオン交換容量は2.1meq/gであった。
実施例2および実施例4で得られたスルホン化ポリマーおよびフィルムの物性を以下のようにして評価した。結果を表1に示す。
スルホン化前の疎水性ユニットの数平均分子量および重量平均分子量は、溶剤としてテトラヒドロフラン(THF)を用い、GPCによって、ポリスチレン換算の分子量を求めた。スルホン化ポリマーの数平均分子量および重量平均分子量は、溶剤として臭化リチウムと燐酸を添加したN−メチル−2−ピロリドン(NMP)を溶離液として用い、GPCによって、ポリスチレン換算の分子量を求めた。
得られたスルホン化ポリマーの水洗水がpH4〜6になるまで洗浄して、フリーの残存している酸を除去後、十分に水洗して乾燥した後、所定量を秤量してTHF/水の混合溶剤に溶解した。次に、フェノールフタレインを指示薬としてNaOHの標準液にて滴定し、中和点からイオン交換容量を求めた。
交流抵抗は、5mm幅の短冊状のフィルムの表面に、白金線(直径0.5mm)を押し当て、恒温恒湿装置中に試料を保持し、白金線間の交流インピーダンス測定から求めた。すなわち、85℃、相対湿度90%の環境下で交流10kHzにおけるインピーダンスを測定した。抵抗測定装置として、(株)NF回路設計ブロック製のケミカルインピーダンス測定システムを用い、恒温恒湿装置には(株)ヤマト科学製のJW241を使用した。白金線を5mm間隔に5本押し当てて、線間距離を5〜20mmに変化させて交流抵抗を測定した。線間距離と抵抗の勾配から膜の比抵抗を算出し、比抵抗の逆数から交流インピーダンスを算出し、このインピーダンスからプロトン伝導度を算出した。
比抵抗R(Ω・cm)=0.5(cm)×膜厚(cm)×抵抗線間勾配(Ω/cm)
(破断強度および伸び)
破断強度および伸びは、JIS K7127に準拠して、得られたフィルムの2号形試験片を用いて引張試験を行い、測定した。
弾性率は、上記引張試験で測定した応力−歪曲線の引張初期の傾きから計算した。
(熱水耐性)
フィルムを2.0cm×3.0cmにカットし、秤量して試験用のテストピースとした。このフィルムを、ポリカーボネート製の250ml瓶に入れ、そこに約100mlの蒸留水を加え、プレッシャークッカー試験機(HIRAYAMA MFS CORP製 PC−242HS)を用いて、120℃で24時間加温した。熱水試験終了後、フィルムを熱水中から取り出し、フィルムを真空乾燥機で5時間乾燥して重量を秤量し、試験前の乾燥フィルムの重量に対する試験後の重量の割合(重量保持率)を求めた。
TGA(窒素下、昇温速度:20℃/分)により測定されたスルホン化ポリマーの分解温度を熱分解開始温度とした。
導度、機械的性質、耐熱性に優れ、固体高分子電解質やプロトン伝導膜として好適である。
Claims (6)
- 下記一般式(1)で表されることを特徴とする化合物。
- 請求項3または4に記載のポリアリーレン系重合体からなることを特徴とする固体高分子電解質。
- 請求項3または4に記載のポリアリーレン系重合体からなることを特徴とするプロトン伝導膜。
Priority Applications (1)
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JP2004211740A JP4356547B2 (ja) | 2004-07-20 | 2004-07-20 | スルホン化ポリマーおよび固体高分子電解質 |
Applications Claiming Priority (1)
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