JP2005239833A - スルホン酸基を有するポリアリーレンおよびそれからなるプロトン伝導膜ならびにスルホン酸基を有するポリアリーレンの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】スルホン酸基を含有するポリアリーレンは、金属含有量がそれぞれの金属について100ppm以下である。スルホン酸基を含有するポリアリーレンの製造方法は、スルホン酸エステル基を有するポリアリーレンを含む溶液中に有機酸を添加し、次いでスルホン酸エステル基を加水分解してスルホン酸基とし、得られたスルホン酸基を有するポリアリーレンを含む溶液を、スルホン酸基を有するポリアリーレンの貧溶媒中に投入して、スルホン酸基を有するポリアリーレンを析出させて回収する。
【選択図】 なし
Description
解し、有機酸水溶液による洗浄と、イオン交換水での洗浄の繰り返しを必要とするなど操作が煩雑であり、スルホン酸基を導入するためにさらにスルホン化が必要であった。
Edomondson,C.A.;ADReport 2000,18
(1) 金属含有量がそれぞれの金属について100ppm以下であることを特徴とするスルホン酸基を含有するポリアリーレン。
(2) 鉄、ニッケル、クロム、亜鉛、ナトリウムおよびカルシウムのこと含有量がそれぞれの金属について100ppm以下であるを特徴とするスルホン酸基を含有するポリアリーレン。
(3) 上記スルホン酸基を有するポリアリーレンが、下記一般式(a)で表される繰り返し単位および、必要に応じて下記一般式(b)で表される繰り返し単位からなることを特徴とする上記(1)または(2)に記載のスルホン酸基を含有するポリアリーレン;
を示し、nは0〜10の整数を示し、kは1〜4の整数を示す。)
(4) 上記(1)ないし(3)のいずれかに記載のスルホン酸基を含有するポリアリーレンからなることを特徴とするプロトン伝導膜。
(5) スルホン酸エステル基を有するポリアリーレンを含む溶液中に有機酸を添加し、次いで前記溶液中でスルホン酸エステル基を加水分解してスルホン酸基とし、得られたスルホン酸基を有するポリアリーレンを含む溶液を、スルホン酸基を有するポリアリーレンの貧溶媒中に投入して、スルホン酸基を有するポリアリーレンを析出させて回収することを特徴とするスルホン酸基を含有するポリアリーレンの製造方法。
(6) スルホン酸基を有するポリアリーレンを含む溶液中に有機酸を添加し、次いでスルホン酸基を有するポリアリーレンの貧溶媒中に投入して、スルホン酸基を有するポリアリーレンを析出させて回収することを特徴とするスルホン酸基を含有するポリアリーレンの製造方法。
(7) 上記有機酸が、クエン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、乳酸および酒石酸からなる群より選ばれた少なくとも1種の酸であることを特徴とする上記(5)または(6)に記載のスルホン酸基を含有するポリアリーレンの製造方法。
(8) 上記(1)ないし(3)のいずれか1項に記載のスルホン酸基を有するポリアリーレンを得ることを特徴とする(5)ないし(7)のいずれかに記載のスルホン酸基を含有するポリアリーレンの製造方法。
O−、−CONH−、−COO−、−(CF2)l−(ここで、lは1〜10の整数である)、−C(CF3)2−などが挙げられる。
なお、電子吸引性基とは、ハメット(Hammett)置換基常数がフェニル基のm位の場合、
0.06以上、p位の場合、0.01以上の値となる基をいう。
Arは−SO3Hで表される置換基を有する芳香族基を示し、芳香族基として具体的には
フェニル基、ナフチル基、アントラセニル基、フェナンチル基などが挙げられる。これらの基のうち、フェニル基、ナフチル基が好ましい。
mは0〜10、好ましくは0〜2の整数、nは0〜10、好ましくは0〜2の整数を示し、kは1〜4の整数を示す。
アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、アミル基、ヘキシル基などが挙げられ、メチル基、エチル基などが好ましい。
フッ素置換アルキル基としては、トリフルオロメチル基、パーフルオロエチル基、パーフルオロプロピル基、パーフルオロブチル基、パーフルオロペンチル基、パーフルオロヘキシル基などが挙げられ、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基などが好ましい。
アリル基としては、プロペニル基などが挙げられ、
アリール基としては、フェニル基、ペンタフルオロフェニル基などが挙げられる。
Tは単結合または2価の有機基を示す。2価の有機基として具体的には、電子吸引性基および電子供与基が挙げられ、電子吸引性基および電子供与性基としては、上述したものと同様のものが挙げられる。
スルホン酸基を有するポリアリーレンは、上記一般式(a)で表される繰り返し構成単位と、上記一般式(b)で表される繰り返し構成単位とを含む場合は、具体的には下記一般式(c)で表される重合体である。
x、yはx+y=100モル%とした場合のモル比を示す。
本発明に係るスルホン酸基を有するポリアリーレンは、例えば上記一般式(a)で表される構造単位となりうるスルホン酸エステル基を有するモノマーと、必要に応じて上記一般式(b)で表される構造単位となりうるオリゴマーとを共重合させ、スルホン酸エステル基を有するポリアリーレンを製造し、このスルホン酸エステル基を有するポリアリーレンを加水分解して、スルホン酸エステル基をスルホン酸基に変換し、次いで得られたスルホン酸基を有するポリアリーレンを水洗することにより合成することができる。
ここで、Zはアルキル基、フッ素置換アルキル基またはアリール基を示す。)から選ばれる原子または基を示し、A、B、m、nおよびkは、それぞれ上記一般式(a)中のA、B、m、nおよびkと同義である。Raは炭素原子数1〜20、好ましくは4〜20の炭
化水素基を示し、具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、tert−ブチル基、iso−ブチル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、ネオペンチル基、シクロペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、シクロペンチルメチル基、シクロヘキシルメチル基、アダマンチル基、アダマンタンメチル基、2−エチルヘキシル基、ビシクロ[2.2.1]へプチル基、ビシクロ[2.2.1]へプチルメチル基、テトラヒドロフルフリル基、2−メチルブチル基、3,3−ジメチル−2,4−ジオキソランメチル基、シクロヘキシルメチル基、アダマンチルメチル基、ビシクロ[2.2.1]ヘプチルメチル基などの直鎖状炭化水素基、分岐状炭化水素基、脂環式炭化水素基、5員の複素環を有する炭化水素基などが挙げられる。これらのうちn−ブチル基、ネオペンチル基、
テトラヒドロフルフリル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘキシルメチル基、アダマンチルメチル基、ビシクロ[2.2.1]ヘプチルメチル基が好ましく、さらにはネオペンチル基が好ましい。
Ar'は−SO3Rbで表されるスルホン酸エステル基を有する芳香族基を示し、芳香族基
として具体的にはフェニル基、ナフチル基、アントラセニル基、フェナンチル基などが挙げられる。これらの基のうち、フェニル基、ナフチル基が好ましい。
には上記炭素原子数1〜20の炭化水素基などが挙げられる。これらのうちn−ブチル基、ネオペンチル基、テトラヒドロフルフリル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘキシルメチル基、アダマンチルメチル基、ビシクロ[2.2.1]ヘプチルメチル基が好ましく、さらにはネオペンチル基が好ましい。
換わった化合物、上記化合物において塩素原子が臭素原子に置き換わり、かつ−CO−が−SO2−に置き換わった化合物なども挙げられる。
であることが、重合工程中の安定性に優れ、脱エステル化によるスルホン酸の生成に起因する重合阻害や架橋を引き起こさない点で好ましく、さらには、これらのエステル基は1級アルコール由来でβ位が4級炭素であることが好ましい。
換わり、かつ−CO−が−SO2−に置き換わった化合物なども挙げられる。
W、Tおよびpと同義である。
R'およびR''は互いに同一でも異なっていてもよく、フッ素原子を除くハロゲン原子ま
たは−OSO2Z(ここで、Zはアルキル基、フッ素置換アルキル基またはアリール基を
示す。)で表される基を示す。Zが示すアルキル基としてはメチル基、エチル基などが挙げられ、フッ素置換アルキル基としてはトリフルオロメチル基などが挙げられ、アリール基としてはフェニル基、p−トリル基などが挙げられる。
ロロ安息香酸−4−クロロフェニル、ビス(4−クロロフェニル)スルホキシド、ビス(4−クロロフェニル)スルホン、2,6−ジクロロベンゾニトリル、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレンが挙げられる。これらの化合物において塩素原子が臭素原子またはヨウ素原子に置き換わった化合物、さらにこれらの化合物において4位に置換したハロゲン原子の少なくとも1つ以上が3位に置換した化合物などが挙げられる。
4'−ビス(4−クロロベンゾイル)ジフェニルエーテル、4,4'−ビス(4−クロロベ
ンゾイルアミノ)ジフェニルエーテル、4,4'−ビス(4−クロロフェニルスルホニル)ジフェニルエーテル、4,4'−ビス(4−クロロフェニル)ジフェニルエーテルジカルボキシレート、4,4'−ビス〔(4−クロロフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフル
オロプロピル〕ジフェニルエーテル、4,4'−ビス〔(4−クロロフェニル)テトラフルオロエチル〕ジフェニルエーテル、これらの化合物において塩素原子が臭素原子またはヨウ素原子に置き換わった化合物、さらにこれらの化合物において4位に置換したハロゲン原子が3位に置換した化合物、さらにこれらの化合物においてジフェニルエーテルの4位に置換した基の少なくとも1つが3位に置換した化合物などが挙げられる。
クロロベンゾイル)フェノキシ}フェニル]−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロ
パン、ビス[4−{4−(4−クロロベンゾイル)フェノキシ}フェニル]スルホン、および下記式で表される化合物が挙げられる。
。
まず電子吸引性基で連結されたビスフェノールを対応するビスフェノールのアルカリ金属塩とするために、N−メチル−2−ピロリドン、N,N-ジメチルアセトアミド、スルホラン、ジフェニルスルホン、ジメチルスルホキサイドなどの誘電率の高い極性溶媒中でリチウム、ナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属、水素化アルカリ金属、水酸化アルカリ金属、アルカリ金属炭酸塩などを加える。
フェニルスルホン、ビス(3−ニトロ−4−クロロフェニル)スルホン、2,6−ジクロ
ロベンゾニトリル、2,6−ジフルオロベンゾニトリル、ヘキサフルオロベンゼン、デカ
フルオロビフェニル、2,5−ジフルオロベンゾフェノン、1,3−ビス(4−クロロベンゾイル)ベンゼンなどを反応させる。反応性から言えば、フッ素化合物が好ましいが、次の芳香族カップリング反応を考慮した場合、末端が塩素原子となるように芳香族求核置換反応を組み立てる必要がある。活性芳香族ジハライドはビスフェノールに対し、2〜4倍モル、好ましくは2.2〜2.8倍モルの使用である。芳香族求核置換反応の前に予め、ビスフェノールのアルカリ金属塩としていてもよい。反応温度は60℃〜300℃で、好ましくは80℃〜250℃の範囲である。反応時間は15分〜100時間、好ましくは1時間〜24時間の範囲である。最も好ましい方法としては、下記式で示される活性芳香族ジハライドとして反応性の異なるハロゲン原子を一個ずつ有するクロロフルオロ体を用いることであり、フッ素原子が優先してフェノキシドと求核置換反応が起きるので、目的の活性化された末端クロロ体を得るのに好都合である。
また、上記一般式(e)で表される化合物を合成する方法としては、特開平2−159号公報に記載のように求核置換反応と親電子置換反応を組み合わせ、目的の電子吸引性基、電子供与性基からなる屈曲性化合物の合成方法がある。
した化合物を使用できる。使用量はフェノール1モルに対し、1.2〜2倍モルである。反応に際し、上述した極性溶媒や水との共沸溶媒を用いることができる。フリーデルクラフト反応では、ビスフェノキシ化合物を塩化アルミニウム、三フッ化ホウ素、塩化亜鉛などのルイス酸のフリーデルクラフト反応の活性化剤存在下に、アシル化剤として、クロロ安息香酸クロライドを反応させる。クロロ安息香酸クロライドはビスフェノキシ化合物に対し、2〜4倍モル、好ましくは2.2〜3倍モルの使用である。フリーデルクラフト活性化剤は、アシル化剤のクロロ安息香酸などの活性ハライド化合物1モルに対し、1.1〜2倍当量使用する。反応時間は15分〜10時間の範囲で、反応温度は−20℃から80℃の範囲である。使用溶媒は、フリーデルクラフト反応に不活性な、クロロベンゼンやニトロベンゼンなどを用いることができる。
基とを組み合わせた化合物、具体的には2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ケト
ン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホンなどのビスフェノールのアルカリ
金属塩と、過剰の4,4−ジクロロベンゾフェノン、ビス(4−クロロフェニル)スルホンなどの活性芳香族ハロゲン化合物との置換反応をN−メチル−2−ピロリドン、N,N−
ジメチルアセトアミド、スルホランなどの極性溶媒存在下で前記単量体の合成手法に順次重合して得られる。
ー(d)と、必要に応じてオリゴマー(e)を触媒の存在下に反応させることにより合成されるが、この際使用される触媒は、遷移金属化合物を含む触媒系であり、この触媒系としては、(1)遷移金属塩および配位子となる化合物(以下、「配位子成分」という。)、または配位子が配位された遷移金属錯体(銅塩を含む)、ならびに(1)還元剤を必須成分とし、さらに、重合速度を上げるために、「塩」を添加してもよい。
シクロオクタジエン、1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパンなどが挙げられる
。これらのうち、トリフェニルホスフィン、2,2'−ビピリジンが好ましい。上記配位子成分である化合物は、1種単独で、あるいは2種以上を併用することができる。
ロオクタジエン)ニッケル、テトラキス(トリフェニルホスフィン)ニッケル、テトラキス(トリフェニルホスファイト)ニッケル、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウムなどが挙げられる。これらのうち、塩化ニッケルビス(トリフェニルホスフィン)、塩化ニッケル(2,2'−ビピリジン)が好ましい。
えると、分子量が低下することがある。
また、重合する際の重合温度は、通常、0〜200℃、好ましくは50〜120℃である。また、重合時間は、通常、0.5〜100時間、好ましくは1〜40時間である。
モノマー(d)を用いて得られたスルホン酸エステル基を有するポリアリーレンは、スルホン酸エステル基を加水分解して、スルホン酸基に変換することによりスルホン酸基を有するポリアリーレンとすることができる。
(1)少量の塩酸を含む過剰量の水またはアルコールに、上記スルホン酸エステル基を有するポリアリーレンを投入し、5分間以上撹拌する方法
(2)トリフルオロ酢酸中で上記スルホン酸エステル基を有するポリアリーレンを80〜120℃程度の温度で5〜10時間程度反応させる方法
(3)スルホン酸エステル基を有するポリアリーレン中のスルホン酸エステル基(−SO3R)1モルに対して1〜3倍モルのリチウムブロマイドを含む溶液、例えばN−メチル
ピロリドンなどの溶液中で上記ポリアリーレンを80〜150℃程度の温度で3〜10時間程度反応させた後、塩酸を添加する方法
などを挙げることができる。
ことにより得ることが出来る。
本発明に係る金属含有量が少ないスルホン酸基を有するポリアリーレンを製造する方法としては、(1)上記のようにして製造したスルホン酸基を有するポリアリーレンを含む溶液中に有機酸を添加し、次いでこの溶液をスルホン酸基を有するポリアリーレンの貧溶媒中に投入して、スルホン酸基を有するポリアリーレンを析出させて回収する方法、(2)上記のように製造したスルホン酸エステル基を有するポリアリーレンを含む溶液中に有機酸を添加し、次いでこの溶液中でスルホン酸エステル基を加水分解してスルホン酸基とし、得られたスルホン酸基を有するポリアリーレンを含む溶液を、スルホン酸基を有するポリアリーレンの貧溶媒中に投入して、スルホン酸基を有するポリアリーレンを析出させて回収する方法もある。回収したポリマーは、乾燥して残存溶媒を留去することによりスルホン酸基を有するポリアリーレンを得ることができる。
際の金属の抽出効率が向上する。
ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート](商品名:IRGANOX 259)
、2,4−ビス−(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルアニリノ)−3,5−トリアジン(商品名:IRGANOX 565)、ペンタエリスリチルーテトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート](商品名:IRGANOX 1010)、2,2−チオ−ジエチレンビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−
ヒドロキシフェニル)プロピオネート](商品名:IRGANOX 1035)、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート)(商品名:IRGANOX 1076)、N,N−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−t−ブチルー4−ヒドロキシ−ヒドロシンナマミド)(商品名:IRGAONOX 1098)、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(
3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン(商品名:IRGANOX 1330)
、トリス−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−イソシアヌレイト(
商品名:IRGANOX 3114)、3,9−ビス[2−〔3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ〕−1,1−ジメチルエチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン(商品名:Sumilizer GA-80)などを挙げることができる。
本発明のプロトン伝導膜は、例えば、上述した本発明のスルホン酸基を有するポリアリーレンを溶剤に溶解して溶液とした後、添加剤を加え混合もしくは溶解させキャスティングにより基体上に流延し、フィルム状に成形する方法(キャスティング法)などにより、フィルム状に成形して製造される。基体としては、通常の溶液キャスティング法に用いられる基体であれば特に限定されず、例えばプラスチック製、金属製などの基体が用いられ、好ましくは、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムなどの熱可塑性樹脂からなる基体が用いられる。
00mPa・sである。2,000mPa・s未満では、成膜中の溶液の滞留性が悪く、
基体から流れてしまうことがある。一方、100,000mPa・sを超えると、粘度が
高過ぎて、ダイからの押し出しができず、流延法によるフィルム化が困難となることがある。
[実施例]
以下、実施例に基づいて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
1.含有金属量
スルホン酸基を含有するポリアリーレン系重合体に、N−メチル−2−ピロリドンをポリマー重量に対して50%程度含ませたのち、ポリエチレンシートにはさみ、180℃(実施例2、比較例7では150℃)、150kg/cm2程度の圧力でプレスし直径4cmの試験片を作成した。プロトン伝導膜の場合は、適度な大きさに切削した膜片を数枚重ね、各膜間にN−メチル−2−ピロリドンを吹付けた後同様にプレスし試験片とした。作成した試験片を用いて蛍光X線回折法により含有金属量を測定した。
2.スルホン酸当量
得られたスルホン酸基を有する重合体の水洗水が中性になるまで洗浄し、フリーに残存している酸を除いて充分に水洗し、乾燥後、所定量を秤量し、THF/水の混合溶剤に溶解したフェノールフタレインを指示薬とし、NaOHの標準液を用いて滴定を行い、中和点から、スルホン酸当量を求めた。
3.分子量の測定
スルホン酸基を有しないポリアリーレン重量平均分子量は、溶剤としてテトラヒドロフラン(THF)を用い、GPCによって、ポリスチレン換算の分子量を求めた。スルホン酸基を有するポリアリーレンの分子量は、溶剤として臭化リチウムと燐酸を添加したN−メチル−2−ピロリドン(NMP)を溶離液として用い、GPCによって、ポリスチレン換算の分子量を求めた。
4.プロトン伝導度の測定
交流抵抗は、5mm幅の短冊状のプロトン伝導膜試料の表面に、白金線(f=0.5mm)を押し当て、恒温恒湿装置中に試料を保持し、白金線間の交流インピーダンス測定から求めた。すなわち、85℃、相対湿度70%、90%の環境下で交流10kHzにおけるインピーダンスを測定した。抵抗測定装置として、(株)NF回路設計ブロック製のケミカルインピーダンス測定システムを用い、恒温恒湿装置には、(株)ヤマト科学製のJ
W241を使用した。白金線は、5mm間隔に5本押し当てて、線間距離を5〜20mmに変化させ、交流抵抗を測定した。線間距離と抵抗の勾配から、膜の比抵抗を算出し、比抵抗の逆数からプロトン伝導度を算出した。
5.機械的強度
3mm×65mm、膜厚50μmの短冊形の試験片を作成し、引張試験機を用いて、破断強度、弾性率を測定した。
6.フェントン試験
3重量%の過酸化水素に硫酸鉄・七水和物を鉄イオンの濃度が20ppmになるようにフェントン試薬を調製した。250ccのポリエチレン製容器に200gのフェントン試薬を採取し、3cm×4cm、膜厚50μmに切削した試験片を投入後、密栓し40℃の恒温水槽に浸漬させ、20時間フェントン試験を行った。フェントン試験後の重量保持率を測定した。
[合成例1]
(オリゴマーの調製)
撹拌機、温度計、冷却管、Dean-Stark管、窒素導入の三方コックを取り付けた1Lの三つ口のフラスコに、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン(ビスフェノールAF)67.3g(0.20モル)、4,4'−ジクロロベンゾフェノン(4,4'−DCBP)60.3g(0.24モル)、炭酸カリウム71.9g(0.52モル)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)300mL、ト
ルエン150mLをとり、オイルバス中、窒素雰囲気下で加熱し撹拌下130℃で反応させた。反応により生成する水をトルエンと共沸させ、Dean-Stark管で系外に除去しながら反応させると、約3時間で水の生成がほとんど認められなくなった。反応温度を130から徐々に150℃まで上げた。その後、反応温度を徐々に150℃まで上げながら大部分のトルエンを除去し、150で10時間反応を続けた後、4,4'−DCBP10.0g(0.040モル)を加え、さらに5時間反応した。得られた反応液を放冷後、副生した無機化合物の沈殿物を濾過除去し、濾液を4Lのメタノール中に投入した。沈殿した生成物を濾別、回収し乾燥後、テトラヒドロフラン300mLに溶解した。これをメタノール4Lに再沈殿し、目的の化合物95g(収率85%)を得た。
どに可溶で、Tgは110℃、熱分解温度は498℃であった。
(ネオペンチル基を保護基としたポリアリーレン共重合体(PolyAB−SO3 neo-Pe)の調製)
撹拌機、温度計、冷却管、Dean-Stark管、窒素導入の三方コックを取り付けた1Lの三つ口のフラスコに、4−[4−(2,5−ジクロロベンゾイル)フェノキシ]ベンゼンス
ルホン酸neo-ペンチル(A−SO3 neo-Pe)39.58g(98.64ミリモル)とBCPAFオリゴマー(Mn=11200)15.23g(1.36ミリモル)、Ni(PPh3)2Cl2 1.67g(2.55ミリモル)、PPh3 10.49g(40ミリモル)、NaI 0.45g(3ミリモル)、亜鉛末 15.69g(240ミリモル)、乾燥NMP 390mLを窒素下で加えた。反応系を攪拌下に加熱し(最終的には75℃まで
加温)、3時間反応させた。重合反応液をTHF 250mLで希釈し、30分攪拌し、
セライトをろ過助剤に用い、ろ過紙、ろ液を大過剰のメタノール1500mLに注ぎ、凝固させた。凝固物を濾集、風乾し、さらにTHF/NMP(それぞれ200/300mL)に再溶解し、大過剰のメタノール1500mLで凝固析出させた。風乾後、加熱乾燥により目的の黄色繊維状のネオペンチル基で保護されたスルホン酸誘導体からなる共重合体(PolyAB-SO3neo-Pe)47.0g(収率99%)を得た。GPCによる分子量はMn=47,600、Mw=159,000であった。
温した。反応系にメタノール50mLと濃塩酸8mLの混合物を一時に加えた。懸濁状態となりながら、温和の還流条件で10時間反応させた。蒸留装置を設置し、過剰のメタノールを溜去させ、淡緑色の透明溶液を得た。この溶液を大量の水/メタノール(1:1重量比)中に注いで、ポリマーを凝固させた後、洗浄水のPHが6以上となるまで、イオン交換水でポリマーを洗浄した。こうして得られたポリマーのIRスペクトルおよびイオン交換容量の定量分析から、スルホン酸エステル基(−SO3Ra)は定量的にスルホン酸基(−SO3H)に転換していることがわかった。
得られたスルホン酸基を有するポリアリーレン共重合体のGPCによる分子量は、Mn=53,200、Mw=185,000であり、スルホン酸等量は1.9meq/gであった。
合成例2で得られたスルホン酸基を含有するポリアリーレン5.0gをNMP20.6gおよびメタノール10.3gを50ccのスクリュー管に加え、ウエーブローターで24時間攪拌を行い、均一なポリマー溶液を得た。
上記の溶液をPETフィルム上にバーコーダー法によりキャストし、100℃で40分間、150℃で40分間、乾燥することで、膜厚40μmの均一且つ透明な固体電解質フィルムを得た。フィルムの洗浄は、pH5のイオン交換水で5回洗浄することにより行い、一日風乾したものをサンプルとした。
作製したフィルム(膜厚40μm)の各測定結果を表1に示した。
0.013g(0.048mmol)の塩化鉄六水和物をイオン交換水1L中に溶解させた浸漬液を調整した。この浸漬液中に実施例1で調製した電解質フィルムを10cm×10cmに切り出したもの(0.5g)を室温下2時間浸漬した。2時間後膜を取り出し、表面をイオン交換水で洗い流し1日風乾し金属含有サンプルとした。作製した金属含有サンプルの各測定結果を表1に示した。
比較例1に用いた塩化鉄六水和物の変わりに塩化ニッケル六水和物を用いた以外は比較例1と同様の方法で金属含有サンプルを得た。得られた金属含有サンプルの各測定結果を表1に示した。
比較例1に用いた塩化鉄六水和物の変わりに塩化クロム六水和物を用いた以外は比較例1と同様の方法で金属含有サンプルを得た。得られた金属含有サンプルの各測定結果を表
1に示した。
比較例1に用いた塩化鉄六水和物の変わりに塩化亜鉛を用いた以外は比較例1と同様の方法で金属含有サンプルを得た。得られた金属含有サンプルの各測定結果を表1に示した。
比較例1に用いた塩化鉄六水和物の変わりに塩化ナトリウムを用いた以外は比較例1と同様の方法で金属含有サンプルを得た。得られた金属含有サンプルの各測定結果を表1に示した。
比較例1に用いた塩化鉄六水和物の変わりに塩化カルシウムを用いた以外は比較例1と同様の方法で金属含有サンプルを得た。得られた金属含有サンプルの各測定結果を表1に示した。
合成例2で得られたネオペンチル基を保護基としたポリアリーレン共重合体(PolyAB−SO3 neo-Pe)の重合溶液に、シュウ酸 44.2g(491.1ミリモル)を加え
、10分間攪拌した。10分後反応系は茶褐色から黄緑色に変化した。
。蒸留装置を設置し、過剰のメタノールを溜去させ、淡緑色の透明溶液を得た。この溶液をメタノール中に注いで、ポリマーを回収した。ポリマーを乾燥し残存する溶媒を除去した。こうして得られたポリマーのIRスペクトルおよびイオン交換容量の定量分析から、添加したシュウ酸は残っておらず、またスルホン酸エステル基(−SO3Ra)は定量的にスルホン酸基(−SO3H)に転換していることがわかった。
得られたスルホン酸基を有するポリアリーレン共重合体のGPCによる分子量は、Mn=53,200、Mw=185,000であり、スルホン酸等量は1.9meq/gであった。蛍光X線回折法による残留金属量は、ナトリウム、カルシウムが1ppm以下、鉄が12ppm、亜鉛が8ppm、ニッケルが5ppm、クロムが7ppmであった。
Claims (8)
- 金属含有量がそれぞれの金属について100ppm以下であることを特徴とするスルホン酸基を含有するポリアリーレン。
- 鉄、ニッケル、クロム、亜鉛、ナトリウムおよびカルシウムの含有量がそれぞれの金属について100ppm以下であることを特徴とするスルホン酸基を含有するポリアリーレン。
- 上記スルホン酸基を有するポリアリーレンが、下記一般式(a)で表される繰り返し単位および、必要に応じて下記一般式(b)で表される繰り返し単位からなることを特徴とする請求項1または2に記載のスルホン酸基を含有するポリアリーレン;
を示し、nは0〜10の整数を示し、kは1〜4の整数を示す。)
- 請求項1ないし3のいずれか1項に記載のスルホン酸基を含有するポリアリーレンからなることを特徴とするプロトン伝導膜。
- スルホン酸エステル基を有するポリアリーレンを含む溶液中に有機酸を添加し、次いで前記溶液中でスルホン酸エステル基を加水分解してスルホン酸基とし、得られたスルホン酸基を有するポリアリーレンを含む溶液を、スルホン酸基を有するポリアリーレンの貧溶媒中に投入して、スルホン酸基を有するポリアリーレンを析出させて回収することを特徴とするスルホン酸基を含有するポリアリーレンの製造方法。
- スルホン酸基を有するポリアリーレンを含む溶液中に有機酸を添加し、次いでスルホン酸基を有するポリアリーレンの貧溶媒中に投入して、スルホン酸基を有するポリアリーレンを析出させて回収することを特徴とするスルホン酸基を含有するポリアリーレンの製造方法。
- 上記有機酸が、クエン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、乳酸および酒石酸からなる群より選ばれた少なくとも1種の酸であることを特徴とする請求項5または6に記載のスルホン酸基を含有するポリアリーレンの製造方法。
- 請求項1ないし3のいずれか1項に記載のスルホン酸基を有するポリアリーレンを得ることを特徴とする請求項5ないし7のいずれか1項に記載のスルホン酸基を含有するポリアリーレンの製造方法。
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