JP2006172861A - 燃料電池用膜−電極接合体 - Google Patents

燃料電池用膜−電極接合体 Download PDF

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Honda Motor Co Ltd
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Abstract

【課題】スルホン酸基を有する特定構造のポリアリーレンからなる固体高分子電解質膜を有し、高温環境下での耐クリープ性、発電性能および発電耐久性に優れた燃料電池用膜−電極接合体を提供する。
【解決手段】ガス拡散層および触媒層を有する一対の電極が、固体高分子電解質膜の両面に接合され、該固体高分子電解質膜が、一般式(1)で表される構成単位を有するスルホン化ポリアリーレンを含む。
Figure 2006172861

(式中、Zは−CO−、−SO2−、−SO−、−CONH−、−COO−、−(CF2i−(iは1〜10の整数)、−C(CF32−、−(CH2j−(jは1〜10の整数)、−C(CH32−、−O−、−S−および直接結合からなる群より選ばれる少なくとも1種の構造を示し、Arは−SO3Hで表される置換基を有する芳香族基を示し、mは1または2であり、nは0〜10の整数を示し、kは1〜4の整数を示す。)
【選択図】 なし

Description

本発明は、燃料電池用膜−電極接合体に関し、より詳しくはスルホン酸基を有する特定構造のポリアリーレンからなる固体高分子電解質膜を用いた固体高分子型燃料電池用膜−電極接合体に関する。
固体高分子型燃料電池は、基本的に2つの触媒電極と、電極に挟まれた固体高分子電解質膜とからなる膜−電極接合体によって構成されている。燃料である水素は一方の電極でイオン化され、この水素イオンは固体高分子電解質膜中を拡散した後に他方の電極で酸素と結合する。このとき2つの電極を外部回路で接続していると、電流が流れて外部回路に電力が供給される。ここで固体高分子電解質膜は、水素イオンを拡散させると同時に、燃料ガスの水素と酸素とを物理的に隔離し、かつ電子の流れを遮断する機能を担っている。
固体高分子電解質膜としては、DuPont社、Dow社、旭化成社、旭硝子社などから提案されているパーフルオロカーボンスルホン酸膜に代表されるフッ素系電解質膜がある。このフッ素系電解質膜は化学的安定性に優れていることから、過酷な条件下で使用される燃料電池や水分解のための電解質膜として使用されている。
しかしながら、パーフルオロカーボンスルホン酸高分子化合物からなる高分子電解質膜を備える膜―電極構造体は、そのガラス転移温度が低いために、燃料電池を構成したときに、該燃料電池を高温で作動させるとクリープ現象を起こすという問題点を抱えている。
したがって、フッ素系電解質膜などの電解質膜は、宇宙用あるいは軍用の固体高分子型燃料電池などの特殊な用途に限られ、自動車用の低公害動力源、民生用小型分散電源、携帯用電源などに応用する場合には、原燃料である低分子の炭化水素から水素ガスを主成分とする改質ガスを製造し、得られた改質ガスを冷却したり、改質ガス中の一酸化炭素を除去する必要があるなどシステムが複雑になるという問題がある。
また、燃料電池は、高い温度で作動させるほうが電極触媒が高活性になって電極過電圧が低下し、電極の一酸化炭素による被毒も少なくなることからも、高温下での発電が可能な固体高分子型燃料電池用膜―電極接合体の開発が望まれている。
本発明の課題は、スルホン酸基を有する特定構造のポリアリーレンからなる固体高分子電解質膜を有し、高温環境下での耐クリープ性、発電性能および発電耐久性に優れた燃料電池用膜−電極接合体を提供することにある。
本発明に係る燃料電池用膜−電極接合体は、ガス拡散層および触媒層を有する一対の電極が、固体高分子電解質膜の両面に、該触媒層側が接するように接合され、該固体高分子電解質膜が、下記一般式(1)で表される構成単位を有するスルホン化ポリアリーレンを含むことを特徴とする。
Figure 2006172861
(式(1)中、Zは−CO−、−SO2−、−SO−、−CONH−、−COO−、
−(CF2i−(iは1〜10の整数である)、−C(CF32−、−(CH2j−(jは1〜10の整数である)、−C(CH32−、−O−、−S−および直接結合からなる群より選ばれる少なくとも1種の構造を示し、Arは−SO3Hで表される置換基を有す
る芳香族基を示し、mは1または2であり、nは0〜10の整数を示し、kは1〜4の整数を示す。)
上記スルホン化ポリアリーレンが、上記一般式(1)で表される構成単位と、下記一般式(2)または下記一般式(3)で表される構成単位とを有することが好ましい。
Figure 2006172861
式(2)中、R1〜R8は互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、フッ素原子、アルキル基、フッ素置換アルキル基、アリル基、アリール基およびシアノ基からなる群より選ばれる少なくとも1種の原子または基を示し、Wは2価の電子吸引性基または直接結合を示し、Tは2価の有機基または直接結合を示し、pは0または正の整数を示す。
Figure 2006172861
式(3)中、Bは独立に酸素原子または硫黄原子を示し、R9〜R11は互いに同一でも
異なっていてもよく、水素原子、フッ素原子、ニトリル基またはアルキル基を示し、rは0または正の整数を示し、Qは下記一般式(q)で表される構造を示す。
Figure 2006172861
式(q)中、Aは独立に2価の原子もしくは有機基または直接結合を示し、R12〜R19は互いに同一でも異なってもよく、水素原子、フッ素原子、アルキル基または芳香族基を示す。
本発明の膜−電極接合体を用いることにより、高温環境下での耐クリープ性、発電性能および発電耐久性に優れた固体高分子型燃料電池を提供することができる。
以下、本発明に係る燃料電池用膜−電極接合体について、詳細に説明する。
本発明の燃料電池用膜−電極接合体(以下、単に「MEA」ともいう。)は、ガス拡散層および触媒層を有する一対の電極が、固体高分子電解質膜の両面に、該触媒層側が接するように接合されており、該固体高分子電解質膜は、特定のスルホン酸基を有するポリアリーレン(単に「スルホン化ポリアリーレン」ともいう。)からなる。
[スルホン酸基を有するポリアリーレン]
〔構成〕
本発明で用いられるスルホン化ポリアリーレンは、下記一般式(1)で表される構成単位(以下「構成単位(1)」ともいう。)を有し、好ましくは、さらに下記一般式(2)で表される構成単位(以下「構成単位(2)」ともいう。)または下記一般式(3)で表される構成単位(以下「構成単位(3)」ともいう。)を有する。
<構成単位(1)>
Figure 2006172861
式(1)中、Zは−CO−、−SO2−、−SO−、−CONH−、−COO−、
−(CF2i−(iは1〜10の整数である)、−C(CF32−、−(CH2j−(jは1〜10の整数である)、−C(CH32−、−O−、−S−および直接結合からなる群より選ばれる少なくとも1種の構造を示し、これらの中では、−CO−、−SO2−、
−O−、直接結合が好ましい。
Arは−SO3Hで表される置換基を有する芳香族基を示す。このような芳香族基とし
ては、たとえば、フェニル基、ナフチル基、アントリル基、フェナントリル基などが挙げられる。これらの中では、フェニル基、ナフチル基が好ましい。
mは芳香環に結合するフッ素原子(F)の数を示し、mは1または2、好ましくは2であり、nは0〜10、好ましくは0〜2の整数を示し、kは1〜4の整数を示す。
<構成単位(2)>
Figure 2006172861
式(2)中、R1〜R8は互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、フッ素原子、アルキル基、フッ素置換アルキル基、アリル基、アリール基およびシアノ基からなる群より選ばれる少なくとも1種の原子または基を示す。
上記アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、アミル基、ヘキシル基などが挙げられ、メチル基、エチル基が好ましい。
上記フッ素置換アルキル基としては、トリフルオロメチル基、パーフルオロエチル基、パーフルオロプロピル基、パーフルオロブチル基、パーフルオロペンチル基、パーフルオロヘキシル基などが挙げられ、トリフルオロメチル基、パーフルオロエチル基が好ましい。
上記アリル基としては、プロペニル基などが挙げられる。
上記アリール基としては、フェニル基、ペンタフルオロフェニル基などが挙げられる。
Wは2価の電子吸引性基または直接結合を示す。このような2価の電子吸引性基としては、たとえば、−C(CF32−、−(CF2i−(ここで、iは1〜10の整数である。)、−CO−、−CONH−、−COO−、−SO−、−SO2−などが挙げられる。
Tは2価の有機基または直接結合を示す。2価の有機基としては、特に限定されないが、たとえば、上記Wと同様の電子吸引性基、上記Zと同様の電子供与性基、ならびに、後述する式(q)中のAと同様の有機基などが挙げられる。
pは0または正の整数であり、上限は通常100、好ましくは10〜80である。
<構成単位(3)>
Figure 2006172861
式(3)中、R9〜R11は互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、フッ素原子
、ニトリル基またはアルキル基を示す。アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、アミル基、ヘキシル基などが挙げられ、メチル基、エチル基などが挙
げられる。
Bは独立に酸素原子または硫黄原子である。rは0または正の整数であり、上限は通常100、好ましくは80であり、2以上であることが好ましい。
Qは下記一般式(q)で表される構造を示す。
Figure 2006172861
式(q)中、R12〜R19は互いに同一でも異なってもよく、水素原子、フッ素原子、アルキル基または芳香族基を示す。アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、アミル基、ヘキシル基などが挙げられ、メチル基、エチル基が好ましい。芳香族基としては、たとえば、フェニル基、ナフチル基、ピリジル基、フェノキシジフェニル基、フェニルフェニル基、ナフトキシフェニルなどが挙げられる。
Aは独立に2価の原子もしくは有機基または直接結合を示す。2価の有機基としては、たとえば、−C(CF32−、−(CF2i−(ここで、iは1〜10の整数である。)、−CO−、−CONH−、−COO−、−SO−、−SO2−などの電子吸引性基、
−O−、−S−、−C(CH32−、−(CH2j−(ここで、jは1〜10の整数である。)、−CH=CH−、−C≡C−および下記式で表される基などの電子供与性基などが挙げられる。
Figure 2006172861
Figure 2006172861
式(a)中、R20〜R27は、互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、フッ素原子、アルキル基または芳香族基を示す。アルキル基および芳香族基としては、上記R12〜R19で例示したものと同様のものが挙げられる。
上記Aとしては、直接結合または−C(CF32−、−(CF2i−、−CO−、−CONH−、−COO−、−SO−、−SO2−、−C(CH32−および上記式(a)で
表される基から選ばれる有機基であることが好ましい。
上記構成単位(3)は、上記構造Qとして、Aが−C(CF32−、−(CF2i−、−CO−、−CONH−、−COO−、−SO−、−SO2−および−C(CH32−か
ら選ばれる構造(Q1)と、Aが直接結合または上記式(a)で表される基である構造(Q2)とを、両方とも含んでいてもよい。
特に、上記構造(Q1)の含有量が99〜20モル%、好ましくは95〜30モル%、特に好ましくは90〜35モル%であり、上記構造(Q2)の含有量が1〜80モル%、好ましくは5〜70モル%、特に好ましくは10〜65モル%であると(ただし、Q1とQ2の合計を100モル%とする。)、得られる重合体の寸法変化率をより低く抑えることが可能となる。
〔合成方法〕
上記スルホン化ポリアリーレンは、上記構成単位(1)を0.5〜100モル%、好ましくは10〜99.999モル%、特に好ましくは20〜99.9モル%の割合で、上記構成単位(2)または(3)を99.5〜0モル%、好ましくは90〜0.001モル%、特に好ましくは80〜0.1モル%の割合で含有していることが望ましい。
このようなスルホン化ポリアリーレンは、上記構成単位(1)となりうるスルホン酸エステル基を有するモノマー(以下「モノマー(1’)」ともいう。)と、上記構成単位(2)または(3)となりうるモノマー(オリゴマーを含む。以下、それぞれ「モノマー(2’)」、「モノマー(3’)」ともいう。)とを共重合させてスルホン酸エステル基を有するポリアリーレンを合成した後、このスルホン酸エステル基を有するポリアリーレンを加水分解して、スルホン酸エステル基をスルホン酸基に変換することにより合成することができる。
あるいは、上記一般式(1)においてスルホン酸基およびスルホン酸エステル基のいずれも有しない構成単位と、上記構成単位(2)または(3)とからなるポリアリーレン(非スルホン化ポリアリーレン)を予め合成した後、この非スルホン化ポリアリーレンをスルホン化することにより合成することもできる。
<モノマー(1’)>
上記構成単位(1)となりうるモノマー(1’)としては、たとえば、下記一般式(1’)で表されるスルホン酸エステルが挙げられる。
Figure 2006172861
式(1’)中、Xはフッ素を除くハロゲン原子(塩素、臭素、ヨウ素)、−OSO2
(ここで、Gはアルキル基、フッ素置換アルキル基またはアリール基を示す。)から選ばれる原子または基を示し、Z、m、nおよびkは、それぞれ上記一般式(1)中のZ、m
、nおよびkと同義である。
aは炭素原子数1〜20、好ましくは4〜20の炭化水素基を示し、具体的には、メ
チル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、tert-ブチル基、iso-ブチル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、ネオペンチル基、シクロペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、シクロペンチルメチル基、シクロヘキシルメチル基、アダマンチル基、アダマンタンメチル基、2−エチルヘキシル基、ビシクロ[2.2.1]へプチル基、ビシクロ[2.2.1]へプチルメチル基、テトラヒドロフルフリル基、2−メチルブチル基、3,3−ジメチル−2,4−ジオキソランメチル基、シクロヘキシルメチル基、アダマンチルメチル基などの直鎖状炭化水素基、分岐状炭化水素基、脂環式炭化水素基、5員の複素環を有する炭化水素基などが挙げられる。これらの中では、n−ブチル基、ネオペンチル基、テトラヒドロフルフリル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘキシルメチル基、アダマンチルメチル基、ビシクロ[2.2.1]ヘプチルメチル基が好ましく、特にネオペンチル基が好ましい。
Arは−SO3bで表わされる置換基を有する芳香族基を示す。芳香族基としては、たとえば、フェニル基、ナフチル基、アントリル基、フェナントリル基などが挙げられる。これらの中では、フェニル基、ナフチル基が好ましい。
上記置換基−SO3bは、芳香族基に1個または2個以上置換しており、置換基−SO3bが2個以上置換している場合には、これらの置換基は互いに同一でも異なっていてもよい。
ここで、Rbは炭素原子数1〜20、好ましくは4〜20の炭化水素基を示し、具体的
には上記炭素原子数1〜20の炭化水素基などが挙げられる。これらの中では、n−ブチル基、ネオペンチル基、テトラヒドロフルフリル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘキシルメチル基、アダマンチルメチル基、ビシクロ[2.2.1]ヘプチルメチル基が好ましく、特にネオペンチル基が好ましい。
上記モノマー(1’)としては、たとえば、以下に示す化合物などが挙げられる。
Figure 2006172861
Figure 2006172861
上記一般式(1’)中のRb基は、好ましくは1級のアルコール由来でβ炭素が3級ま
たは4級炭素であること、より好ましくは1級アルコール由来でβ位が4級炭素であることが望ましい。これにより、重合工程中の安定性に優れるとともに、脱エステル化によるスルホン酸の生成に起因する重合阻害や架橋を引き起こしにくい。
また、上記一般式(1’)において、スルホン酸基およびスルホン酸エステル基のいずれも有しない化合物としては、下記に示す化合物などが挙げられる。
Figure 2006172861
<モノマー(2’)>
上記構成単位(2)となりうるモノマー(2’)(オリゴマーを含む。)としては、たとえば、下記一般式(2’)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2006172861
式(2’)中、R'およびR''は互いに同一でも異なっていてもよく、フッ素原子を除
くハロゲン原子または−OSO2G(ここで、Gはアルキル基、フッ素置換アルキル基ま
たはアリール基を示す。)で表される基を示し、R1〜R8、W、Tおよびpは、それぞれ上記一般式(2)中のR1〜R8、W、Tおよびpと同義である。Gが示すアルキル基としてはメチル基、エチル基などが挙げられ、フッ素置換アルキル基としてはトリフルオロメ
チル基などが挙げられ、アリール基としてはフェニル基、p−トリル基などが挙げられる。
上記モノマー(2’)としては、p=0の場合、たとえば、4,4'−ジクロロベンゾフェノン、4,4'−ジクロロベンズアニリド、ビス(クロロフェニル)ジフルオロメタン、2,2−ビス(4−クロロフェニル)ヘキサフルオロプロパン、4−クロロ安息香酸−4
−クロロフェニル、ビス(4−クロロフェニル)スルホキシド、ビス(4−クロロフェニル)スルホンが挙げられる。また、これらの化合物において、塩素原子が臭素原子またはヨウ素原子に置き換わった化合物、4位に置換したハロゲン原子の少なくとも1つ以上が3位に置換した化合物などが挙げられる。
また、p=1の場合、上記モノマー(2’)としては、たとえば、4,4'−ビス(4−クロロベンゾイル)ジフェニルエーテル、4,4'−ビス(4−クロロベンゾイルアミノ)ジフェニルエーテル、4,4'−ビス(4−クロロフェニルスルホニル)ジフェニルエーテル、4,4'−ビス(4−クロロフェニル)ジフェニルエーテルジカルボキシレート、4,
4'−ビス〔(4−クロロフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロピル〕ジフェニルエーテル、4,4'−ビス〔(4−クロロフェニル)テトラフルオロエチル〕ジフェニルエーテルなどが挙げられる。また、これらの化合物において、塩素原子が臭素原子またはヨウ素原子に置き換わった化合物、4位に置換したハロゲン原子が3位に置換した化合物、ジフェニルエーテルの4位に置換した基の少なくとも1つが3位に置換した化合物などが挙げられる。
さらに上記モノマー(2’)としては、2,2−ビス[4−{4−(4−クロロベンゾ
イル)フェノキシ}フェニル]−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、ビス[
4−{4−(4−クロロベンゾイル)フェノキシ}フェニル]スルホンおよび下記式で表される化合物などが挙げられる。
Figure 2006172861
Figure 2006172861
Figure 2006172861
Figure 2006172861
上記モノマー(2’)は、たとえば、以下に示す方法で合成することができる。
まず、ビスフェノール化合物を、対応するビスフェノールのアルカリ金属塩とするために、N−メチル−2−ピロリドン、N,N-ジメチルアセトアミド、スルホラン、ジフェニルスルホン、ジメチルスルホキサイドなどの誘電率の高い極性溶媒中で、リチウム、ナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属、水素化アルカリ金属、水酸化アルカリ金属、アルカリ金属炭酸塩などを加える。アルカリ金属はビスフェノールの水酸基に対して過剰気味で反応させ、通常、1.1〜2倍当量、好ましくは1.2〜1.5倍当量で用いる。
次いで、ビスフェノールのアルカリ金属塩と、電子吸引性基で活性化された芳香族ジハライド化合物(以下「活性芳香族ジハライド」ともいう。)とを、ベンゼン、トルエン、キシレン、ヘキサン、シクロヘキサン、オクタン、クロロベンゼン、ジオキサン、テトラヒドロフラン、アニソール、フェネトールなどの水と共沸する溶媒中で反応させる。
上記活性芳香族ジハライドは、ビスフェノールに対して2〜4倍モル、好ましくは2.2〜2.8倍モルの量で用いられる。反応温度は60℃〜300℃、好ましくは80℃〜250℃の範囲である。反応時間は15分〜100時間、好ましくは1時間〜24時間の範囲である。
上記活性芳香族ジハライドとしては、たとえば、4,4'−ジフルオロベンゾフェノン、4,4'−ジクロロベンゾフェノン、4,4'−クロロフルオロベンゾフェノン、ビス(4−クロロフェニル)スルホン、ビス(4−フルオロフェニル)スルホン、4−フルオロフェニル−4'−クロロフェニルスルホン、ビス(3−ニトロ−4−クロロフェニル)スルホ
ン、2,6−ジクロロベンゾニトリル、2,6−ジフルオロベンゾニトリル、ヘキサフルオロベンゼン、デカフルオロビフェニル、2,5−ジフルオロベンゾフェノン、1,3−ビス(4−クロロベンゾイル)ベンゼンなどが挙げられる。これら活性芳香族ジハライドは、反応性を考慮すればフッ素化合物が好ましいが、次の芳香族カップリング反応を考慮した場合、両末端が塩素原子のモノマー(2’)が得られるように反応を工夫することが必要である。
たとえば、活性芳香族ジハライドとして、反応性の異なるハロゲン原子を一個ずつ有するクロロフルオロ体を用いることにより、フッ素原子が優先してフェノキシドと求核置換反応を起こすので、両末端が塩素原子のモノマー(2’)を効率よく得ることができる。
また、特開平2−159号公報に記載のように求核置換反応と親電子置換反応を組み合わせて、目的の電子吸引性基および電子供与性基を含むモノマー(2’)を合成してもよい。具体的には、上記で例示した活性芳香族ジハライド、たとえばビス(4−クロロフェニル)スルホンをフェノール化合物で求核置換反応させてビスフェノキシ化合物とし、次いで、このビスフェノキシ化合物と4−クロロ安息香酸クロライドとのフリーデルクラフト反応から目的の化合物を得ることができる。
上記反応で用いられるフェノール化合物は置換されていてもよいが、耐熱性や屈曲性の観点から無置換化合物が好ましい。なお、活性芳香族ジハライドとの置換反応では、フェノール化合物はアルカリ金属塩とすることが好ましい。使用可能なアルカリ金属化合物としては、上記で例示した化合物が挙げられ、フェノール1モルに対し、1.2〜2倍モルで用いられる。反応に際し、上述した極性溶媒や水との共沸溶媒を用いることができる。
フリーデルクラフト反応に用いられるクロロ安息香酸クロライドは、ビスフェノキシ化合物に対し2〜4倍モル、好ましくは2.2〜3倍モルで用いられる。
上記フリーデルクラフト反応は、塩化アルミニウム、三フッ化ホウ素、塩化亜鉛などのフリーデルクラフト活性化剤の存在下で行うことが好ましい。このようなフリーデルクラ
フト活性化剤は、クロロ安息香酸などの活性ハライド化合物1モルに対し、1.1〜2倍当量で用いられる。反応時間は15分〜10時間の範囲で、反応温度は−20℃〜80℃の範囲である。反応溶媒としては、フリーデルクラフト反応に不活性なクロロベンゼンやニトロベンゼンなどを用いることができる。
また、一般式(2’)において、pが2以上であるモノマー(2’)は、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、スルホランなどの極性溶媒の存在下で
、前記合成手法に準じて、ビスフェノールのアルカリ金属塩と過剰の活性芳香族ジハライドとを置換反応させることにより得られる。この場合に用いられるビスフェノールとしては、たとえば、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ケトン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホンなどが挙げられる。また、上記活性芳香族ジハライドとしては、たとえば、4,4−ジクロロベンゾフェノン、ビス(4−クロロフェニル)スルホンなどが挙げられる。
<モノマー(3’)>
上記構成単位(3)となりうるモノマー(3’)(オリゴマーを含む。)としては、たとえば、下記一般式(3’)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2006172861
式(3’)中、R'およびR''は互いに同一でも異なっていてもよく、フッ素原子を除
くハロゲン原子または−OSO2G(ここで、Gはアルキル基、フッ素置換アルキル基ま
たはアリール基を示す。)で表される基を示し、R9〜R11、B、Qおよびrは、それぞ
れ上記一般式(3)中のR9〜R11、B、Qおよびrと同義である。Gが示すアルキル基
としてはメチル基、エチル基などが挙げられ、フッ素置換アルキル基としてはトリフルオロメチル基などが挙げられ、アリール基としてはフェニル基、p−トリル基などが挙げられる。
上記モノマー(3’)は、上記モノマー(2’)と同様の方法により合成することができる。具体的には、以下のような反応により合成することができる。
まず、2価の原子もしくは有機基または直接結合で連結されたビスフェノールを、上記と同様にして、対応するビスフェノールのアルカリ金属塩とする。次いで、このビスフェノールのアルカリ金属塩と、塩素等のハロゲン原子およびニトリル基で置換されたベンゾニトリル系化合物とを反応させる。
上記ベンゾニトリル系化合物としては、たとえば、2,6−ジクロロベンゾニトリル、
2,6−ジフルオロベンゾニトリル、2,5−ジクロロベンゾニトリル、2,5−ジフル
オロベンゾニトリル、2,4−ジクロロベンゾニトリル、2,4−ジフルオロベンゾニトリル、2,6−ジニトロベンゾニトリル、2,5−ジニトロベンゾニトリル、2,4−ジニトロベンゾニトリルなどが挙げられる。これらの中では、ジクロロベンゾニトリル系化合物が好ましく、2,6−ジクロロベンゾニトリルがより好ましい。
上記ベンゾニトリル系化合物は、ビスフェノールに対し1.0001〜3倍モル、好ましくは1.001〜2倍モルの量で用いられる。また両末端が塩素原子となるように、反応終了後に、たとえば、2,6−ジクロロベンゾニトリルを過剰に加えてさらに反応させてもよい。ジフルオロベンゾニトリル系化合物やジニトロベンゾニトリル系化合物を用いた場合には、反応後半でジクロロベンゾニトリル系化合物を添加するなどの方法で、両末端が塩素原子となるよう反応を工夫することが必要である。
反応条件としては、反応温度が60℃〜300℃、好ましくは80℃〜250℃の範囲内であり、反応時間が15分〜100時間、好ましくは1時間〜24時間の範囲内である。
得られたオリゴマーないしポリマーは、ポリマーの一般的な精製方法、たとえば、溶解−沈殿の操作によって精製することができる。分子量の調整は、過剰の芳香族ジクロライドとビスフェノールとの反応モル比によって行う。ニトリル基が置換された芳香族ジクロライドが過剰にあるため、得られるオリゴマーないしポリマーの分子末端は、ニトリル基が置換された芳香族クロライドとなる。
ニトリル基が置換された芳香族クロライドを分子末端に有するモノマー(3’)としては、たとえば、以下に示すような化合物を挙げることができる。
Figure 2006172861
Figure 2006172861
<スルホン酸エステル基を有するポリアリーレンの合成>
上記スルホン酸エステル基を有するポリアリーレンは、モノマー(1’)と、モノマー(2’)または(3’)とを、遷移金属化合物を含む触媒系の存在下に反応させることにより合成される。この触媒系は、(i)遷移金属塩および配位子となる化合物(以下「配
位子成分」ともいう。)、または配位子が配位された遷移金属錯体(銅塩を含む)と、
(ii)還元剤とを必須成分とし、さらに、重合速度を上げるために、「塩」を添加してもよい。
上記遷移金属塩としては、たとえば、塩化ニッケル、臭化ニッケル、ヨウ化ニッケル、ニッケルアセチルアセトナートなどのニッケル化合物;塩化パラジウム、臭化パラジウム、ヨウ化パラジウムなどのパラジウム化合物;塩化鉄、臭化鉄、ヨウ化鉄などの鉄化合物;塩化コバルト、臭化コバルト、ヨウ化コバルトなどのコバルト化合物などが挙げられる。これらの中では、塩化ニッケルおよび臭化ニッケルが好ましい。
上記配位子成分としては、たとえば、トリフェニルホスフィン、2,2'−ビピリジン、1,5−シクロオクタジエン、1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパンなどが挙げられる。これらの中では、トリフェニルホスフィンおよび2,2'−ビピリジンが好ましい。上記配位子成分は、1種単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
上記配位子が配位された遷移金属錯体としては、たとえば、塩化ニッケルビス(トリフェニルホスフィン)、臭化ニッケルビス(トリフェニルホスフィン)、ヨウ化ニッケルビス(トリフェニルホスフィン)、硝酸ニッケルビス(トリフェニルホスフィン)、塩化ニッケル(2,2'−ビピリジン)、臭化ニッケル(2,2'−ビピリジン)、ヨウ化ニッケル(2,2'−ビピリジン)、硝酸ニッケル(2,2'−ビピリジン)、ビス(1,5−シクロ
オクタジエン)ニッケル、テトラキス(トリフェニルホスフィン)ニッケル、テトラキス(トリフェニルホスファイト)ニッケル、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウムなどが挙げられる。これらの中では、塩化ニッケルビス(トリフェニルホスフィン)および塩化ニッケル(2,2'−ビピリジン)が好ましい。
上記還元剤としては、たとえば、鉄、亜鉛、マンガン、アルミニウム、マグネシウム、ナトリウム、カルシウムなどが挙げられる。これらの中では、亜鉛、マグネシウム、マンガンが好ましい。これらの還元剤は、有機酸などの酸に接触させることにより、より活性化して用いてもよい。
上記触媒系において添加することのできる「塩」としては、たとえば、フッ化ナトリウム、塩化ナトリウム、臭化ナトリウム、ヨウ化ナトリウム、硫酸ナトリウムなどのナトリウム化合物;フッ化カリウム、塩化カリウム、臭化カリウム、ヨウ化カリウム、硫酸カリウムなどのカリウム化合物;フッ化テトラエチルアンモニウム、塩化テトラエチルアンモニウム、臭化テトラエチルアンモニウム、ヨウ化テトラエチルアンモニウム、硫酸テトラエチルアンモニウムなどのアンモニウム化合物などが挙げられる。これらの中では、臭化ナトリウム、ヨウ化ナトリウム、臭化カリウム、臭化テトラエチルアンモニウム、ヨウ化テトラエチルアンモニウムが好ましい。
上記遷移金属塩または遷移金属錯体は、上記モノマーの総計(モノマー(1’)+(2’)またはモノマー(1’)+(3’)、以下同様。)1モルに対し、通常、0.0001〜10モル、好ましくは0.01〜0.5モルの量で用いられる。使用量が上記範囲よりも低いと、重合反応が十分に進行しないことがあり、一方、上記範囲を超えると、分子量が低下することがある。
上記触媒系において、遷移金属塩および配位子成分を用いる場合、この配位子成分は、遷移金属塩1モルに対し、通常、0.1〜100モル、好ましくは1〜10モルの量で用いられる。配位子成分の使用量が上記範囲よりも低いと、触媒活性が不十分となることがあり、一方、上記範囲を超えると、分子量が低下することがある。
上記還元剤は、上記モノマーの総計1モルに対し、通常、0.1〜100モル、好ましくは1〜10モルの量で用いられる。還元剤の使用量が上記範囲よりも低いと、重合が十分進行しないことがあり、上記範囲を超えると、得られる重合体の精製が困難になることがある。
上記触媒系に「塩」を添加する場合、該「塩」は、上記モノマーの総計1モルに対し、通常、0.001〜100モル、好ましくは0.01〜1モルの量で用いられる。「塩」の使用量が上記範囲よりも低いと、重合速度を上げる効果が不十分となることがあり、上記範囲を超えると、得られる重合体の精製が困難となることがある。
上記モノマー(1’)と、モノマー(2’)または(3’)とを反応させる際に用いられる重合溶媒としては、たとえば、テトラヒドロフラン、シクロヘキサノン、ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、γ−ブチロラクトン、N,N'−ジメチルイミダゾリジノンなどが挙げられる。これらの中では、テトラヒドロフラン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、N,N'−ジメチルイミダゾリジノンが好ましい。これらの重合溶媒は、十分に乾燥してから用いることが好ましい。
重合溶媒中における上記モノマーの総計の濃度は、通常、1〜90重量%、好ましくは5〜40重量%である。反応条件としては、重合温度が、通常0〜200℃、好ましくは50〜120℃であり、重合時間が、通常0.5〜100時間、好ましくは1〜40時間である。
<加水分解によるスルホン酸基の導入>
上記のようにして、モノマー(1’)を用いて得られるスルホン酸エステル基を有するポリアリーレンのスルホン酸エステル基を加水分解してスルホン酸基に変換することにより、スルホン酸基を有するポリアリーレンが得られる。
加水分解の方法としては、
(1)少量の塩酸を含む過剰量の水またはアルコールに、上記スルホン酸エステル基を有するポリアリーレンを投入し、5分間以上撹拌する方法
(2)トリフルオロ酢酸中で、上記スルホン酸エステル基を有するポリアリーレンを80〜120℃程度の温度で5〜10時間程度反応させる方法
(3)スルホン酸エステル基を有するポリアリーレン中のスルホン酸エステル基(−SO3R)1モルに対して、1〜3倍モルのリチウムブロマイドを含む溶液、たとえばN−メ
チルピロリドンなどの溶液中で、上記ポリアリーレンを80〜150℃程度の温度で3〜10時間程度反応させた後、塩酸を添加する方法
などを挙げることができる。
<スルホン化剤によるスルホン酸基の導入>
スルホン酸基を有するポリアリーレンは、上記モノマー(1’)においてスルホン酸エステル基を有しないモノマーと、上記モノマー(2’)または(3’)とを共重合させることにより非スルホン化ポリアリーレンを予め合成し、この非スルホン化ポリアリーレンを、スルホン化剤を用いてスルホン化することにより合成することもできる。
上記スルホン化は、たとえば、上記非スルホン化ポリアリーレンを、無溶剤下または溶剤存在下で、無水硫酸、発煙硫酸、クロルスルホン酸、硫酸、亜硫酸水素ナトリウムなどの公知のスルホン化剤を用いて、公知の条件で行うことができる(たとえば、Polymer Preprints, Japan, Vol.42, No.3, p.730 (1993);Polymer Preprints, Japan, Vol.43, No.3, p.736 (1994);Polymer Preprints, Japan, Vol.42, No.7, p.2490〜2492 (1993)参
照。)。
スルホン化の際に用いられる溶剤としては、たとえば、n−ヘキサンなどの炭化水素溶剤;テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテル系溶剤;ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシドのような非プロトン系極性溶剤;テトラクロロエタン、ジクロロエタン、クロロホルム、塩化メチレンなどのハロゲン化炭化水素などが挙げられる。
反応条件としては、反応温度が、通常、−50〜200℃、好ましくは−10〜100℃であり、反応時間が、通常、0.5〜1,000時間、好ましくは1〜200時間である。
〔性質〕
上記のような方法により製造されるスルホン酸基を有するポリアリーレン中の、スルホン酸基量(スルホン酸当量)は通常0.3〜5meq/g、好ましくは0.5〜3meq/g、さらに好ましくは0.8〜2.8meq/gである。スルホン酸当量が上記範囲よりも低いと、プロトン伝導度が低く実用的ではなく、上記範囲を超えると、耐水性が大幅に低下してしまうことがある。このスルホン酸当量は、たとえば、モノマー(1’)〜(3’)の種類、使用割合、組み合わせなどを変えることにより、調整することができる。
上記のようにして得られるスルホン化ポリアリーレンの重量平均分子量は、ゲルパーミエションクロマトグラフィ(GPC)によるポリスチレン換算で、1万〜100万、好ましくは2万〜80万である。
なお、上記スルホン化ポリアリーレンの構造は、赤外線吸収スペクトルによって、1,030〜1,045cm-1、1,160〜1,190cm-1のS=O吸収、1,130〜1,250cm-1のC−O−C吸収、1,640〜1,660cm-1のC=O吸収などにより確認でき、これらの組成比は、スルホン酸の中和滴定や、元素分析により知ることができる。また、核磁気共鳴スペクトル(1H-NMR)により、6.8〜8.0ppmの芳香族プロトンのピークから、その構造を確認することができる。
[固体高分子電解質膜]
本発明のMEAを構成する固体高分子電解質膜(以下「プロトン伝導膜」ともいう。)は、上記スルホン化ポリアリーレンを含む組成物(以下「プロトン伝導体組成物」ともいう。)からなり、該組成物は、プロトン伝導性を損なわない範囲で、フェノール性水酸基含有化合物、アミン系化合物、有機リン化合物、有機イオウ化合物などの酸化防止剤や老化防止剤などを含んでもよい。
上記老化防止剤としては、分子量500以上のヒンダードフェノール系化合物が好ましく、このような老化防止剤を含有させることにより電解質としての耐久性をより向上させることができる。
上記老化防止剤として用いられるヒンダードフェノール系化合物としては、たとえば、トリエチレングリコール−ビス[3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート](商品名:IRGANOX 245)、1,6−ヘキサンジオール−ビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート](商品名:IRGANOX 259)、2,4−ビス−(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルアニリノ)−3,5−トリアジン(商品名:IRGANOX 565)、ペンタエリスリチルーテトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネ
ート](商品名:IRGANOX 1010)、2,2−チオ−ジエチレンビス[3−(3,5−ジ−t−
ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート](商品名:IRGANOX 1035)、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート(商品名:IRGANOX 1076)、N,N−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−t−ブチルー4−ヒドロキ
シ−ヒドロシンナマミド)(商品名:IRGAONOX 1098)、1,3,5−トリメチル−2,4,
6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン(商品名:IRGANOX 1330)、トリス−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−イソシ
アヌレイト(商品名:IRGANOX 3114)、3,9−ビス[2−〔3−(3−t−ブチル−4−
ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ〕−1,1−ジメチルエチル]−
2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン(商品名:Sumilizer GA-80)
などを挙げることができる。
上記ヒンダードフェノール系化合物は、スルホン化ポリアリーレン100重量部に対して0.01〜10重量部の量で使用することが好ましい。
上記プロトン伝導体組成物は、たとえば、上記各成分を所定の割合で混合し、従来公知の方法、具体的にはホモジナイザー、ディスパーサー、ペイントコンディショナー、ボールミルなどの高シェアのかかる混合機を用いて混合することにより調製することができる。この際には、溶剤を用いてもよい。
上記プロトン伝導体組成物を用いてプロトン伝導膜を製造する方法としては、特に限定されないが、たとえば、上記スルホン化ポリアリーレンを含むプロトン伝導体組成物を溶剤に溶解して溶液とした後、キャスティングにより基体上に流延し、フィルム状に成形するキャスティング法などが挙げられる。なお、プロトン伝導膜を作製する際に、上記プロトン伝導体組成物以外に、硫酸、リン酸などの無機酸、カルボン酸を含む有機酸、適量の水などを併用してもよい。
上記基体としては、通常の溶液キャスティング法に用いられる基体であれば特に限定されず、たとえばプラスチック製、金属製などの基体が用いられ、好ましくはポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムなどの熱可塑性樹脂からなる基体が用いられる。
上記プロトン伝導体組成物を溶解する溶剤としては、たとえば、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、γ−ブチロラクトン、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ジメチル尿素、ジメチルイミダゾリジノンなどの非プロトン系極性溶剤が挙げられる。これらの中では、溶解性および溶液粘度の点で、N−メチル−2−ピロリドン(以下「NMP」ともいう。)が好ましい。上記非プロトン系極性溶剤は、1種単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、上記溶剤として、上記非プロトン系極性溶剤とアルコールとの混合物を用いることもできる。このようなアルコールとしては、たとえば、メタノール、エタノール、プロピルアルコール、iso−プロピルアルコール、sec−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコールなどが挙げられる。これらの中では、幅広い組成範囲で溶液粘度を下げる効果があることから、メタノールが好ましい。アルコールは、1種単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記溶媒として、非プロトン系極性溶剤とアルコールとの混合物を用いる場合には、非プロトン系極性溶剤の含有量が、95〜25重量%、好ましくは90〜25重量%であり、アルコールの含有量が5〜75重量%、好ましくは10〜75重量%(ただし、合計は100重量%)である。アルコールの含有量が上記範囲内であると、溶液粘度を下げる効果に優れる。
この際のポリマー濃度は、スルホン化ポリアリーレンの分子量にもよるが、通常、5〜
40重量%、好ましくは7〜25重量%である。ポリマー濃度が上記範囲よりも低いと、厚膜化し難く、ピンホールが生成しやすい。一方、上記範囲を超えると、溶液粘度が高すぎてフィルム化し難く、表面平滑性に欠けることがある。
なお、溶液粘度は、スルホン化ポリアリーレンの分子量や、ポリマー濃度にもよるが、通常、2,000〜100,000mPa・s、好ましくは3,000〜50,000mPa・sである。溶液粘度が上記範囲よりも低いと、成膜中の溶液の滞留性が悪く、基体から流れてしまうことがある。一方、上記範囲を超えると、粘度が高過ぎて、ダイからの押し出しができず、流延法によるフィルム化が困難となることがある。
上記のようにして成膜した後、得られた未乾燥フィルムを水に浸漬すると、未乾燥フィルム中の有機溶剤を水と置換することができ、得られるプロトン伝導膜の残留溶媒量を低減することができる。なお、成膜後、未乾燥フィルムを水に浸漬する前に、未乾燥フィルムを予備乾燥してもよい。予備乾燥は、未乾燥フィルムを通常50〜150℃の温度で、0.1〜10時間保持することにより行われる。
未乾燥フィルムを水に浸漬する際は、枚葉を水に浸漬するバッチ方式でもよく、また、通常得られる基材フィルム(たとえば、PET)上に成膜された状態の積層フィルムのまま、あるいは、基板から分離した膜(フィルム)を水に浸漬させて、巻き取っていく連続方法でもよい。
バッチ方式の場合は、処理されたフィルムの表面の皺形成を抑制するために、処理フィルムを枠にはめるなどの方式で行うことが好ましい。
未乾燥フィルムを水に浸漬する際には、未乾燥フィルム1重量部に対し、水が10重量部以上、好ましくは30重量部以上の接触比となるようにすることがよい。得られるプロトン伝導膜の残存溶媒量をできるだけ少なくするために、できるだけ大きな接触比を維持することが好ましい。また、浸漬に使用する水を交換したり、オーバーフローさせたりして、常に水中の有機溶媒濃度を一定濃度以下に維持しておくことも、得られるプロトン伝導膜の残存溶媒量の低減に有効である。プロトン伝導膜中に残存する有機溶媒量の面内分布を小さく抑えるために、水中の有機溶媒濃度を撹拌等によって均質化させることが効果的である。
未乾燥フィルムを水に浸漬する際の水の温度は、通常5〜80℃、好ましくは10〜60℃の範囲である。高温ほど、有機溶媒と水との置換速度は速くなるが、フィルムの吸水量も大きくなるので、乾燥後に得られるプロトン伝導膜の表面状態が荒れる懸念がある。浸漬時間は、初期の残存溶媒量や接触比、処理温度にもよるが、通常10分〜240時間、好ましくは30分〜100時間の範囲である。
上記のように未乾燥フィルムを水に浸漬した後乾燥すると、残存溶媒量が低減されたプロトン伝導膜が得られるが、このようにして得られるプロトン伝導膜の残存溶媒量は、通常5重量%以下である。
また、浸漬条件によっては、得られるプロトン伝導膜の残存溶媒量を1重量%以下とすることもできる。たとえば、未乾燥フィルムと水との接触比(水/未乾燥フィルム、重量比)を50以上、浸漬する際の水の温度を10〜60℃、浸漬時間を10分〜10時間とすることにより、このような残存溶媒量とすることができる。
上記のように未乾燥フィルムを水に浸漬した後、フィルムを30〜100℃、好ましくは50〜80℃で、10〜180分、好ましくは15〜60分間乾燥し、次いで、50〜150℃で、好ましくは500mmHg〜0.1mmHgの減圧下、0.5〜24時間真
空乾燥することにより、プロトン伝導膜を得ることができる。
上記方法により得られるプロトン伝導膜は、その乾燥膜厚が、通常10〜100μm、好ましくは20〜80μmである。
また、上記スルホン酸エステル基を有するポリアリーレンを加水分解することなく、上記と同様の方法でフィルム状に成形した後、上述した加水分解法と同様にして加水分解することにより、スルホン酸基を有するポリアリーレンからなるプロトン伝導膜を製造することもできる。
[膜−電極接合体]
本発明の膜−電極接合体は、上記プロトン伝導膜が酸素極と燃料極との間に挟持されている。酸素極および燃料極は、いずれも拡散層と、該拡散層上に形成された触媒層とを備え、触媒層側でプロトン伝導膜に接している。
上記拡散層は、ガス透過性および電子伝導性を兼ね備えたものであればよく、通常、カーボンペーパーおよび下地層からなる。下地層は、たとえば、所定の重量比で混合したカーボンブラックとポリテトラフルオロエチレン(PTFE)とをエチレングリコール等の有機溶媒に均一に分散したスラリーを、カーボンペーパーの片面に塗布して乾燥することにより形成される。
上記触媒層は、導電材、バインダーおよび触媒金属などから構成される。導電材としては、炭素材料や各種金属が用いられ、たとえば、カーボンブラックや黒鉛などが挙げられる。バインダーとしては、パーフルオロスルホン酸系樹脂、スルホン化された芳香族ポリマー樹脂などが挙げられる。触媒金属としては、白金、ルテニウム、ロジウム、およびそれらの合金などが挙げられる。
上記触媒層は、たとえば、カーボンブラックに所定の重量比で白金を担持させた触媒粒子とイオン伝導性バインダーとを均一に混合した触媒ペーストを、上記拡散層上に塗布して乾燥することにより形成される。
上記膜−電極接合体は、上記プロトン伝導膜を、酸素極および燃料極の両触媒層に挟持させた状態でホットプレスすることにより形成される。
本発明の膜−電極接合体を有する本発明の固体高分子型燃料電池は、高温などの過酷な環境下においても発電性能や耐久性に優れる。
[実施例]
以下、実施例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明は、これら実施例に限定されるものではない。なお、実施例における各種の測定項目は、下記のようにして求めた。
(分子量)
スルホン酸基を有しないポリアリーレンの分子量は、溶剤としてテトラヒドロフラン(THF)を用い、GPCによって、ポリスチレン換算の分子量を求めた。スルホン酸基を有するポリアリーレンの分子量は、臭化リチウムと燐酸を添加したN−メチル−2−ピロリドン(NMP)を溶離液として用い、GPCによって、ポリスチレン換算の分子量を求めた。なお、以下において「Mn」は数平均分子量を、「Mw」は重量平均分子量を表す。
(耐クリープ性)
温度90℃、相対湿度90%の環境下、膜―電極接合体に面圧5kg/cm2の負荷を
1000時間かけた後の該電極構造体の厚さ減少率(%)として測定した。厚さ減少率は
、数値が小さいほど耐クリープ性が高いことを意味する。
(発電性能)
得られた膜―電極接合体を単セルとし、酸素極に酸素を供給するとともに燃料極に純水素を供給して発電を行った。発電条件は、温度90℃、燃料極側の相対湿度50%、酸素極側の相対湿度80%とした。電流密度0.5A/cm2でのセル電圧を測定し、0.4
V以上あれば良好な発電性能を示すものと評価した。
(発電耐久性)
上記条件で1000時間継続して発電を行ったときに、燃料極側または酸素極側でクロスリークの発生が認められなければ発電耐久性が良好と評価した。
<合成例1>
撹拌機、温度計、冷却管、Dean-Stark管、窒素導入の三方コックを取り付けた1Lの三つ口のフラスコに、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン(ビスフェノールAF)67.3g(0.20mol)、4,4'−ジクロロベンゾフェノン(4,4'−DCBP)60.3g(0.24mol)、炭酸カリウム71.9g(0.52mol)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)300m
L、トルエン150mLをとり、オイルバス中、窒素雰囲気下で加熱し撹拌下130℃で反応させた。反応により生成する水をトルエンと共沸させ、Dean-Stark管で系外に除去しながら反応させると、約3時間で水の生成がほとんど認められなくなった。その後、反応温度を130℃から徐々に150℃まで上げながら大部分のトルエンを除去し、150℃で10時間反応を続けた後、4,4'−DCBP10.0g(0.040mol)を加え、さらに5時間反応させた。得られた反応液を放冷後、副生した無機化合物の沈殿物を濾過して除去し、濾液を4Lのメタノール中に投入した。沈殿した生成物を濾過、乾燥後、テトラヒドロフラン300mLに溶解した。これをメタノール4Lに投入して再沈殿させ、目的の化合物95g(収率85%)を得た。
得られた化合物のGPC(THF溶媒)で求めたポリスチレン換算のMnは11,20
0であった。また、得られた化合物は、THF、NMP、DMAc、スルホランなどに可溶で、Tg(ガラス転移温度)が110℃、熱分解温度が498℃であり、下記式(I)で表されるオリゴマー(以下「オリゴマー(I)」ともいう。)であることを確認した。
Figure 2006172861
<合成例2>
攪拌機、温度計、Dean-stark管、窒素導入管、冷却管をとりつけた1Lの三口フラスコに、2,6−ジクロロベンゾニトリル48.2g(0.28mol)、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン89.5g(0.27mol)、炭酸カリウム47.8g(0.35mol)をはかりとった。窒素置換後、スルホラン346mL、トルエン173mLを加えて攪拌し、オイルバスで反応液を150℃で加熱還流させた。反応によって生成する水はDean-stark管にトラップした。3時間後、水の生成がほとんど認められなくなったところで、トルエンをDean-stark管から系外に除去した。徐々に反応温度を200℃に上げ、3時間攪拌を続けた後、2,6
−ジクロロベンゾニトリル9.2g(0.053mol)を加え、さらに5時間反応させた。
反応液を放冷後、トルエン100mLを加えて希釈した。反応液に不溶の無機塩を濾過し、濾液をメタノール2Lに注いで生成物を沈殿させた。沈殿した生成物を濾過、乾燥後、テトラヒドロフラン250mLに溶解し、これをメタノール2Lに注いで再沈殿させた。沈殿した白色粉末を濾過、乾燥し、目的物109gを得た。得られた化合物のGPCで測定したMnは9,500であった。得られた化合物は式(II)で表されるオリゴマー
(以下「オリゴマー(II)」ともいう。)であることを確認した。
Figure 2006172861
<合成例3>
攪拌機、温度計、Dean-stark管、窒素導入管、冷却管を取り付けた1Lの三口フラスコに、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン24.1g(0.072mol)、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン10.1g(0.029mol)、2,6−ジクロロベンゾニトリル19.7g(0.115mol)、炭酸カリウム18.0g(0.130mol)をはかりとった。窒素置換後、スルホラン135mL、トルエン67mLを加えて攪拌し、オイルバスで反応液を150℃で加熱還流させた。反応によって生成する水は、Dean-stark管にトラップした。3時間後、水の生成がほとんど認められなくなったところで、トルエンをDean-stark管から系外に除去した。徐々に反応温度を200℃に上げ、5時間攪拌を続けた後、2,6−ジクロロベンゾニトリル9.80g(0.057mmol)を加え、さらに3時間反応させた。
反応液を放冷後、トルエン100mLを加えて希釈した。反応液に不溶の無機塩を濾過し、濾液をメタノール2Lに注いで生成物を沈殿させた。沈殿した生成物を濾過、乾燥後、テトラヒドロフラン250mLに溶解し、これをメタノール2Lに注いで再沈殿させた。沈殿した白色粉末を濾過して乾燥し、目的物40.1gを得た。得られた化合物のGPCで測定したMnは7,400であった。得られた化合物は、式(III)で表わされるオ
リゴマー(以下「オリゴマー(III)ともいう。)であることを確認した。下記式(III)中、aとbの比(a:b)は71:29であった。なお、繰り返し数aおよびbで表わしている構成成分を、それぞれa成分およびb成分ともいう。
Figure 2006172861
〔実施例1〕
(1)スルホン化ポリアリーレンの合成
撹拌機、温度計、冷却管、Dean-Stark管、窒素導入の三方コックを取り付けた1Lの三つ口のフラスコに、下記式(IV)で表されるスルホン酸エステル基(−SO3neoPe)を有する化合物44.35g(98.5ミリモル)と合成例1で得られたオリゴマー(I)16.80g(1.5ミリモル)、Ni(PPh32Cl2 1.67g(2.55ミリモル)、PPh3 10.49g(40.0ミリモル)、NaI 0.45g(3.0ミリ
モル)、亜鉛末15.69g(240ミリモル)、乾燥NMP390mLを窒素下で加えた。
Figure 2006172861
次いで、反応系を攪拌下に加熱し(最終的には75℃まで加温)、3時間反応させた。重合反応液をTHF 250mLで希釈し、30分攪拌し、濾過助剤としてセライトを用
いて濾過し、濾液を大過剰のメタノール1500mLに注いで凝固させた。凝固物を濾集、風乾し、さらにTHF/NMP(それぞれ200/300mL)に再溶解し、大過剰のメタノール1500mLで凝固析出させた。風乾後、加熱乾燥により目的の黄色繊維状のスルホン酸エステル基を有する共重合体49.8g(収率92%)を得た。GPCによる分子量はMn=45,100、Mw=149,000であった。
得られたスルホン酸エステル基を有する共重合体 5.1gをNMP60mLに溶解し
、90℃に加温した。反応系にメタノール50mLと濃塩酸8mLとの混合物を一時に加えて懸濁状態とし、温和な還流条件で10時間反応させた。蒸留装置を設置し、過剰のメタノールを溜去させることにより、淡緑色の透明溶液を得た。この溶液を大量の水/メタノール(1:1重量比)中に注いでポリマーを凝固させた後、洗浄水のpHが6以上となるまで、イオン交換水でポリマーを洗浄した。
こうして得られたポリマーのIRスペクトルおよびイオン交換容量の定量分析から、スルホン酸エステル基(−SO3R)は定量的にスルホン酸基(−SO3H)に転換していることを確認した。得られたスルホン酸基を有するポリアリーレン(以下「スルホン化ポリアリーレン(V)」ともいう。)のGPCによる分子量は、Mn=57,200、Mw=
176,000であり、スルホン酸当量は2.0meq/gであった。得られた重合体は
式(V)で表されるスルホン化ポリマーと推定される。
Figure 2006172861
(2)プロトン伝導膜の作製
得られたスルホン化ポリアリーレン(V)の10重量%N−メチルピロリドン(NMP)溶液をガラス板上にキャストして製膜し、膜厚40μmのフィルム(プロトン伝導膜)を得た。
(3)膜―電極接合体の作製
得られたプロトン伝導膜を、酸素極および燃料極で挟持し、160℃、5MPa、1回当たり2分間の条件で数回のホットプレスを行い、膜―電極構造体(MEA)を作製した。なお、酸素極および燃料極は以下のようにして形成した。
まず、カーボンブラックとポリテトラフルオロエチレン(PTFE)粒子とを、カーボンブラック:PTFE=4:6の重量比で混合し、エチレングリコールに均一に分散させてスラリーを調製した。このスラリーをカーボンペーパーの片面に塗布し、乾燥させて下地層を形成し、カーボンペーパーと下地層とからなる拡散層を形成した。
次に、カーボンブラック(ファーネスブラック)に白金粒子を1:1の重量比で担持させた触媒粒子とイオン伝導性バインダーとを、触媒粒子:イオン伝導性バインダー=8:5の重量比で混合し、均一に分散させて触媒ペーストを作製した。なお、イオン伝導性バインダーとして上記スルホン化ポリアリーレン(V)を用いた。
次に、拡散層上に、前記触媒ペーストを白金量が0.5mg/cm2となるようにスク
リーン印刷し、60℃、10分間の乾燥および120℃の減圧乾燥を行って、酸素極および燃料極とした。
〔実施例2〕
(1)スルホン化ポリアリーレンの合成
撹拌機、温度計、冷却管、Dean-Stark管、窒素導入の三方コックを取り付けた1Lの三つ口のフラスコに、上記式(IV)で表されるスルホン酸エステル基(−SO3neoPe)を有する化合物44.22g(98.2ミリモル)と合成例2で得られたオリゴマー(II)17.10g(1.8ミリモル)、Ni(PPh32Cl2 1.67g(2.55ミリモル)、PPh3 10.49g(40.0ミリモル)、NaI 0.45g(3.0ミリモ
ル)、亜鉛末 15.69g(240ミリモル)をはかりとり、窒素置換した。ここにN
,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)400mLを窒素下で加え、反応温度を80℃に保持しながら3時間攪拌を続けた後、DMAc250mLを加えて希釈し、不溶物を濾過した。
得られた溶液を攪拌機、温度計、窒素導入管を取り付けた2Lのフラスコに入れ、115℃に加熱攪拌し、臭化リチウム18.9g(218ミリモル)を加えた。7時間攪拌後
、アセトン5Lに注いで生成物を沈殿させて濾別し、1N塩酸、純水の順で洗浄後、乾燥して目的の重合体39.6gを得た。こうして得られた重合体のIRスペクトルおよびイオン交換容量の定量分析から、スルホン酸エステル基(−SO3R)は定量的にスルホン
酸基(−SO3H)に転換していることを確認した。得られたスルホン酸基を有するポリ
アリーレン(以下「スルホン化ポリアリーレン(VI)」ともいう。)のGPCによる分子量は、Mn=43,700、Mw=157,000であり、スルホン酸当量は2.0meq/gであった。得られた重合体は式(VI)で表されるスルホン化ポリマーと推定される。
Figure 2006172861
(2)プロトン伝導膜の作製
得られたスルホン化ポリアリーレン(VI)を用いて、実施例1と同様にしてプロトン伝導膜を作製した。
(3)膜―電極接合体の作製
得られたプロトン伝導膜を用いて、実施例1と同様にしてMEAを作製した。
〔実施例3〕
(1)スルホン化ポリアリーレンの合成
撹拌機、温度計、冷却管、Dean-Stark管、窒素導入の三方コックを取り付けた1Lの三つ口のフラスコに、下記式(VII)で表される化合物29.35g(97.8ミリモル)と
合成例3で得られたオリゴマー(III)16.28g(2.2ミリモル)、Ni(PPh32Cl2 1.67g(2.55ミリモル)、PPh3 10.49g(40.0ミリモル
)、NaI 0.45g(3.0ミリモル)、亜鉛末 15.69g(240ミリモル)をはかりとり、窒素置換した。ここにN,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)400mLを窒素下で加え、反応温度を80℃に保持しながら3時間攪拌を続けた後、DMAc250mLを加えて希釈し、不溶物を濾過した。濾液を大過剰のメタノール1500mLに注いで凝固させた。凝固物を濾集、風乾し、さらにTHF/NMP(それぞれ200/300mL)に再溶解し、大過剰のメタノール1500mLで凝固析出させた。風乾後、加熱乾燥により目的の非スルホン化ポリアリーレン37.3g(収率97%)を得た。得られた共重合体のGPCによる分子量はMnが31,000、Mwが103,600であった。
Figure 2006172861
得られた非スルホン化ポリアリーレン20gを濃硫酸200mLと共に室温下12時間
攪拌した。反応後、反応液を大量の水/メタノール(1:1重量比)中に注いでポリマーを凝固させた後、洗浄液のpHが6以上となるまでイオン交換水でポリマーを洗浄した。
こうして得られたポリマーのIRスペクトルおよびイオン交換容量の定量分析からスルホン酸基(−SO3H)が導入されていることを確認した。得られたスルホン酸基を有す
るポリアリーレン(以下「スルホン化ポリアリーレン(VIII)」とも言う。)のGPCによる分子量は、Mn=41,100、Mw=137,000であり、スルホン酸当量は1.9meq/gであった。得られた重合体は式(VIII)で表されるスルホン化ポリマーと推定される。
Figure 2006172861
(2)プロトン伝導膜の作製
得られたスルホン化ポリアリーレン(VIII)を用いて、実施例1と同様にしてプロトン伝導膜を作製した。
(3)膜―電極接合体の作製
得られたプロトン伝導膜を用いて、実施例1と同様にしてMEAを作製した。
〔比較例1〕
パーフルオロアルキレンスルホン酸高分子化合物からなる膜(デュポン社製「ナフィオン112」)をプロトン伝導膜とし、電極のイオン伝導性バインダーとしてナフィオンを用いた以外は、実施例1と同様にして膜−電極接合体を作製した。
〔比較例2〕
(1)スルホン化ポリエーテルエーテルケトンの作製
ビクトレックス社製のポリエーテルエーテルケトン(PEEK)3.0gを濃硫酸(150mL)中に溶解させ、撹拌しながら室温で14日間反応を行った。得られた混合物を多量のエーテル中に投入し、白色沈殿を濾別し、洗浄した後、乾燥してスルホン化ポリエーテルエーテルケトンを作製した。該スルホン化ポリエーテルエーテルケトンをN,N−ジメチルアセトアミドに溶解し、20重量%溶液とした。
(2)プロトン伝導膜の作製
前記ポリマー溶液をシリコーンゴムで囲いをしたガラス板上に流延塗付し(溶液厚み500μm)、100℃、3時間加熱した。その後、得られたフィルムをガラス板から剥離してプロトン伝導膜を得た。
(3)前記(2)で得られた膜をプロトン伝導膜とし、電極のイオン伝導性バインダーとしてナフィオンを用いた以外は、実施例1と同様にして膜−電極接合体を作製した。
〔評価結果〕
上記実施例および比較例で得られた膜―電極接合体について、上記のとおり評価した。
評価結果を表1に示す。
Figure 2006172861

Claims (3)

  1. ガス拡散層および触媒層を有する一対の電極が、固体高分子電解質膜の両面に、該触媒層側が接するように接合され、
    該固体高分子電解質膜が、下記一般式(1)で表される構成単位を有するスルホン化ポリアリーレンを含むことを特徴とする燃料電池用膜−電極接合体。
    Figure 2006172861
    (式(1)中、Zは−CO−、−SO2−、−SO−、−CONH−、−COO−、
    −(CF2i−(iは1〜10の整数である)、−C(CF32−、−(CH2j−(jは1〜10の整数である)、−C(CH32−、−O−、−S−および直接結合からなる群より選ばれる少なくとも1種の構造を示し、Arは−SO3Hで表される置換基を有す
    る芳香族基を示し、mは1または2であり、nは0〜10の整数を示し、kは1〜4の整数を示す。)
  2. 上記スルホン化ポリアリーレンが、上記一般式(1)で表される構成単位と、下記一般式(2)で表される構成単位とを有することを特徴とする請求項1に記載の燃料電池用膜−電極接合体。
    Figure 2006172861
    (式(2)中、R1〜R8は互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、フッ素原子、アルキル基、フッ素置換アルキル基、アリル基、アリール基およびシアノ基からなる群より選ばれる少なくとも1種の原子または基を示し、Wは2価の電子吸引性基または直接結合を示し、Tは2価の有機基または直接結合を示し、pは0または正の整数を示す。)
  3. 上記スルホン化ポリアリーレンが、上記一般式(1)で表される構成単位と、下記一般式(3)で表される構成単位とを有することを特徴とする請求項1に記載の燃料電池用膜−電極接合体。
    Figure 2006172861
    (式(3)中、Bは独立に酸素原子または硫黄原子を示し、R9〜R11は互いに同一でも
    異なっていてもよく、水素原子、フッ素原子、ニトリル基またはアルキル基を示し、rは
    0または正の整数を示し、Qは下記一般式(q)で表される構造を示す。)
    Figure 2006172861
    (式(q)中、Aは独立に2価の原子もしくは有機基または直接結合を示し、R12〜R19は互いに同一でも異なってもよく、水素原子、フッ素原子、アルキル基または芳香族基を示す。)
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