JP2005166557A - 高分子電解質複合膜およびその製造法、ならびにそれを用いた固体高分子型燃料電池 - Google Patents

高分子電解質複合膜およびその製造法、ならびにそれを用いた固体高分子型燃料電池 Download PDF

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Yoichi Asano
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昌昭 七海
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浩 相馬
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Abstract

【課題】低い電気抵抗と、高い機械的強度を有する高分子電解質複合膜およびその製造方法、ならびにそれを用いた固体高分子型燃料電池を提供すること。
【解決手段】高分子電解質複合膜は、下記式(A)で表される繰り返し単位を有するスルホン酸基を有するポリアリーレンが、多孔質基材に含浸されてなる。高分子電解質複合膜の製造方法は、下記式(A)で表される繰り返し単位を有するスルホン酸基を有するポリアリーレンの溶液を、多孔質基材に含浸した後、乾燥する。
【化24】
Figure 2005166557

(式中、Aは2価の電子吸引性基を示し、Bは2価の電子供与基または直接結合を示し、Arは−SO3Hで表される置換基を有する芳香族基を示し、mは0〜10の整数を示し
、nは0〜10の整数を示し、kは1〜4の整数を示す。)。
【選択図】 なし

Description

本発明は、高分子電解質複合膜およびその製造方法ならびにそれを用いた固体高分子型燃料電池に関するものである。
燃料電池は、高い発電効率を有し、排出物も少ない環境への負担の低い発電システムである。近年の地球環境保護、化石燃料依存からの脱却への関心の高まりにつれて、脚光を浴びている。燃料電池は、小型の分散型発電施設、自動車や船舶等の移動体の駆動源としての発電装置、また、リチウムイオン電池等の二次電池に替わる携帯電話やモバイルパソコン等への搭載が期待されている。
ところで、高分子電解質膜を用いた燃料電池では、陰極で発生した陽イオンを速やかに高分子電解質膜を介して陽極に効率よく伝導させることが、発電性能の向上の重要な因子となる。このため高分子電解質膜自体の膜抵抗が低い必要があり、そのためには膜厚はできるだけ薄い方が好ましい。更に、高分子電解質膜は、発電時は常に湿潤状態で使用しなければ、イオン伝導性の低下や、分極が発生して性能が低下する。そのため、加湿器を用いて反応ガスを加湿し、間接的に湿潤状態を維持するようにしているが、高分子電解質膜が薄いほど加湿効率が高く、限界電流密度の向上、加湿器の簡素化、発電性能向上が期待できる。
しかし、高分子電解質膜をあまり薄くしていくと、膜の機械的強度が低下し、ハンドリング性の低下、電極と電解質膜のホットプレス接合時の膜の破壊によるガス漏れ等が生じてしまう問題があった。また、長期発電時においてもクリープ現象により、電極間の短絡が発生し、発電ができなくなるという問題が生じていた。
本発明者らは、上記問題を解決すべく鋭意研究を行った結果、特定の高分子電解質と多孔質基材との複合膜が、電極間の隔膜として良好な実用強度を有しつつ薄膜化が可能であることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明の課題は、高分子型燃料電池の発電性能向上に当たり、低抵抗化と高い湿潤状態を得るために薄膜化を行っても、燃料電池の隔膜として良好に使用できる実用強度を有する高分子電解質複合膜を提供することにある。
本発明によれば、下記の高分子電解質複合膜およびその製造方法ならびにそれを用いた高分子型燃料電池が提供されて、本発明の上記課題が解決される。
(1) 下記一般式(A)で表される繰り返し単位を有するスルホン酸基を有するポリアリーレンが、多孔質基材の空隙に充填されてなることを特徴とする高分子電解質複合膜;
Figure 2005166557
(式中、Aは2価の電子吸引性基を示し、Bは2価の電子供与基または直接結合を示し、Arは−SO3Hで表される置換基を有する芳香族基を示し、mは0〜10の整数を示し
、nは0〜10の整数を示し、kは1〜4の整数を示す。)。
(2) 上記スルホン酸基を有するポリアリーレンが、上記一般式(A)で表される繰り返し単位に加え、さらに下記一般式(B)で表される繰り返し単位を有することを特徴とする上記(1)記載の高分子電解質複合膜;
Figure 2005166557
(式中、R1〜R8は互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、フッ素原子、アルキル基、フッ素置換アルキル基、アリル基、アリール基およびシアノ基からなる群より選ばれた少なくとも1種の原子または基を示し、Wは2価の電子吸引性基または単結合を示し、Tは単結合または2価の有機基を示し、pはTが−O−である場合は2以上の整数、−O−以外である場合は1以上の整数を示す。)。
(3) 上記多孔質基材が、多孔性膜であることを特徴とする上記(1)または(2)記載の高分子電解質複合膜。
(4) 上記一般式(A)で表される繰り返し単位を有するスルホン酸基を有するポリアリーレンの溶液を、多孔質基材に含浸した後、スルホン酸基を有するポリアリーレンの溶液が含浸した多孔質基材を乾燥することを特徴とする高分子電解質複合膜の製造方法。
(5) 一対の電極触媒層と、両電極触媒層に挟持された高分子電解質膜とを備える膜−電極構造体を有する固体高分子型燃料電池において、
前記高分子電解質膜が、上記(1)ないし(3)のいずれかに記載の高分子電解質複合膜であることを特徴とする固体高分子型燃料電池。
本発明に係る高分子電解質複合膜は、多孔性等の多孔質基材の空隙にスルホン酸基を有するポリアリーレンが充填されているので、薄膜化しても優れた機械的強度を有し、膜−電極接合体の形成時や長期発電時における膜の破壊によるガス漏れや電極の短絡といった問題を解決しうる材料となりうる。また、薄膜化により膜自体の抵抗を低減し、高い湿潤状態を保てるようになり、より高い発電出力が得られるようになった。
以下、本発明に係る高分子電解質複合膜およびその製造方法ならびにそれを用いた高分子型燃料電池について具体的に説明する。
本発明の高分子電解質複合膜は、スルホン酸基を有するポリアリーレンが、多孔質基材
の空隙に充填されてなる、スルホン酸基を有するポリアリーレンと多孔質基材とが複合化されている複合膜である。
[多孔質基材]
本発明において多孔性膜とは、三次元網目構造を有する膜を指す。三次元網目構造とは、多孔質基材を構成するポリマーが立体的に繋がった三次元状の網目構造を有するものである。多孔性膜を構成する素材としては、ポリエチレン、ポリスチレン、水添ポリブタジエン、水添ポリイソプレン、水添ブタジエン−イソプレン共重合体、含フッ素重合体、ポリイミド、ポリフェニレンスルフィドスルフォン、ポリエーテルスルフォンおよびポリスルフォン等が挙げられる。三次元網目構造を有する多孔性膜の製造方法としては、湿式凝固法が好ましい。湿式凝固法でフィルムを形成させる方法としては、基板上にポリマー溶液を塗布し、溶媒が乾燥除去される前に、ポリマーの貧溶媒である凝固溶媒に浸漬することで微細な孔を有する多孔性膜が得られる。ポリマーの溶解溶媒と凝固溶媒、乾燥条件を適宜選択することで、孔の大きさ、形状、空隙率を制御できる。
(膜厚と空隙率)
多孔質基材は、固体高分子型燃料電池の隔膜として用いることを念頭に置いた場合、膜厚が薄すぎると複合化後の強度補強の効果が低くなり、ガス漏れが発生しやすくなる。一方、膜厚を厚くしすぎると、電気抵抗が高くなり、発電性能が大幅に低下する。それゆえ、多孔質基材の膜厚は1〜200μm、好ましくは3〜50μm、さらに好ましくは5〜20μmである。多孔質基材の空隙率は、小さすぎると高分子電解質の複合膜中での占有率が減り、抵抗が高くなる。一方、高すぎると多孔質基材自体の強度が低下し、補強効果が低下する。それゆえ、多孔質基材の空隙率は20〜98%、好ましくは、30〜97%、さらに好ましくは40〜95%である。
[スルホン酸基を有するポリアリーレン]
本発明の高分子電解質複合膜に用いられるスルホン酸基を有するポリアリーレンは、下記一般式(A)で表される繰り返し構成単位を主たる構成単位とし、必要に応じて下記一般式(B)で表される繰り返し構成単位と含んでいる。
Figure 2005166557
式(A)中、Aは2価の電子吸引性基を示し、具体的には−CO−、−SO2−、−S
O−、−CONH−、−COO−、−(CF2l−(ここで、lは1〜10の整数である)、−C(CF32−などが挙げられる。
Bは2価の電子供与基または直接結合を示し、電子供与基の具体例としては、−(CH2
)−、−C(CH32−、−O−、−S−、−CH=CH−、−C≡C―および
Figure 2005166557
などが挙げられる。
なお、電子吸引性基とは、ハメット(Hammett)置換基常数がフェニル基のm位の場合、
0.06以上、p位の場合、0.01以上の値となる基をいう。
Arは−SO3Hで表される置換基を有する芳香族基を示し、芳香族基として具体的には
フェニル基、ナフチル基、アントラセニル基、フェナンチル基などが挙げられる。これらの基のうち、フェニル基、ナフチル基が好ましい。
mは0〜10、好ましくは0〜2の整数、nは0〜10、好ましくは0〜2の整数を示し、kは1〜4の整数を示す。
Figure 2005166557
式(B)中、R1〜R8は互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、フッ素原子、アルキル基、フッ素置換アルキル基、アリル基、アリール基およびシアノ基からなる群より選ばれた少なくとも1種の原子または基を示す。
アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、アミル基、ヘキシル基などが挙げられ、メチル基、エチル基などが好ましい。
フッ素置換アルキル基としては、トリフルオロメチル基、パーフルオロエチル基、パーフルオロプロピル基、パーフルオロブチル基、パーフルオロペンチル基、パーフルオロヘキシル基などが挙げられ、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基などが好ましい。
アリル基としては、プロペニル基などが挙げられ、
アリール基としては、フェニル基、ペンタフルオロフェニル基などが挙げられる。
Wは単結合または2価の電子吸引性基を示す。2価の電子吸引性基としては上述したものと同様のものが挙げられる。
Tは単結合または2価の有機基を示す。2価の有機基として具体的には、電子吸引性基および電子供与基が挙げられ、電子吸引性基および電子供与性基としては、上述したものと同様のものが挙げられる。
式(B)において、pはTが−O−の場合は2以上の整数であり、−O−以外の場合は1以上の整数であり、上限は通常100、好ましくは10〜80である。
スルホン酸基を有するポリアリーレンは、具体的には下記一般式(C)で表される重合体である。
Figure 2005166557
(式(C)中、W、T、A、B、Ar、m、n、k、pおよびR1〜R8は、それぞれ上記一般式(A)および(B)中のW、T、A,B、Ar、m、n、k、pおよびR1〜R8と同義である。)
本発明で用いられるスルホン酸基を有するポリアリーレンは、上記一般式(A)で表される繰り返し構成単位を0.5〜100モル%、好ましくは10〜99.999モル%の割合で、上記一般式(B)で表される繰り返し構成単位を99.5〜0モル%、好ましくは90〜0.001モル%の割合で含有している。
(スルホン酸基を有するポリアリーレンの製造方法)
スルホン酸基を有するポリアリーレンは、上記一般式(A)で表される構造単位となりうるスルホン酸エステル基を有するモノマーと、上記一般式(B)で表される構造単位となりうるオリゴマーとを共重合させ、スルホン酸エステル基を有するポリアリーレンを製造し、このスルホン酸エステル基を有するポリアリーレンを加水分解して、スルホン酸エステル基をスルホン酸基に変換することにより合成することができる。
また、スルホン酸基を有するポリアリーレンは、上記一般式(A)で表される骨格を有しスルホン酸基、スルホン酸エステル基を有しない構造単位と、上記一般式(B)の構造単位からなるポリアリーレンを予め合成し、この重合体をスルホン化することにより合成することもできる。
上記一般式(A)の構造単位となりうるモノマーと、上記一般式(B)の構造単位となりうるオリゴマーとを共重合させてスルホン酸エステル基を有するポリアリーレンを合成する場合には、上記一般式(A)の構造単位となりうるモノマーとしては、例えば下記一般式(D)で表されるスルホン酸エステル(以下、「モノマー(D)」ともいう。)が用いられる。
Figure 2005166557
式(D)中、Xはフッ素を除くハロゲン原子(塩素、臭素、ヨウ素)、−OSO2Z(
ここで、Zはアルキル基、フッ素置換アルキル基またはアリール基を示す。)から選ばれる原子または基を示し、A、B、m、nおよびkは、それぞれ上記一般式(A)中のA、B、m、nおよびkと同義である。Raは炭素原子数1〜20、好ましくは4〜20の炭
化水素基を示し、具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、tert−ブチル基、iso−ブチル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、ネオペンチル基、シクロペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、シクロペンチルメチル基、シクロヘキシルメチル基、アダマンチル基、アダマンタンメチル基、2−エチルヘキシル基、ビシクロ[2.2.1]へプチル基、ビシクロ[2.2.1]へプチルメチル基、テトラヒドロフルフリル基、2−メチルブチル基、3,3−ジメチル−2,4−ジオキソランメチル基、シクロヘキシルメチル基、アダマンチルメチル基、ビシクロ[2.2.1]ヘプチルメチル基などの直鎖状炭化水素基、分岐状炭化水素基、脂環式炭化水素基、5員の複素環を有する炭化水素基などが挙げられる。これらのうちn−ブチル基、ネオペンチル基、テトラヒドロフルフリル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘキシルメチル基、アダマンチルメチル基、ビシクロ[2.2.1]ヘプチルメチル基が好ましく、さらにはネオペンチル基が好ましい。
Ar'は−SO3bで表されるスルホン酸エステルを有する芳香族基を示し、芳香族基
として具体的にはフェニル基、ナフチル基、アントラセニル基、フェナンチル基などが挙げられる。これらの基のうち、フェニル基、ナフチル基が好ましい。
スルホン酸エステル−SO3bは、芳香族基に1個または2個以上置換しており、置換基−SO3bが2個以上置換している場合には、これらのスルホン酸エステルは互いに同一でも異なっていてもよい。
ここで、Rbは炭素原子数1〜20、好ましくは4〜20の炭化水素基を示し、具体的
には上記炭素原子数1〜20の炭化水素基などが挙げられる。これらのうちn−ブチル基、ネオペンチル基、テトラヒドロフルフリル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘキシルメチル基、アダマンチルメチル基、ビシクロ[2.2.1]ヘプチルメチル基が好ましく、さらにはネオペンチル基が好ましい。
上記一般式(D)で表されるスルホン酸エステルの具体例としては、以下の様な化合物が挙げられる。
Figure 2005166557
Figure 2005166557
Figure 2005166557
Figure 2005166557
Figure 2005166557
Figure 2005166557
Figure 2005166557
Figure 2005166557
また、上記一般式(D)で表されるスルホン酸エステルとして、上記化合物において塩素原子が臭素原子に置き換わった化合物、上記化合物において−CO−が−SO2−に置
き換わった化合物、上記化合物において塩素原子が臭素原子に置き換わり、かつ−CO−が−SO2−に置き換わった化合物なども挙げられる。
上記一般式(D)中のRb基は1級のアルコール由来で、β炭素が3級または4級炭素
であることが、重合工程中の安定性に優れ、脱エステル化によるスルホン酸の生成に起因する重合阻害や架橋を引き起こさない点で好ましく、さらには、これらのエステル基は1級アルコール由来でβ位が4級炭素であることが好ましい。
また、上記一般式(D)で表されるスルホン酸エステルと同様の骨格を有し、スルホン酸基、スルホン酸エステル基を有しない化合物の具体例としては、下記の様な化合物が挙げられる。
Figure 2005166557
上記化合物において塩素原子が臭素原子に置き換わった化合物、上記化合物において−CO−が−SO2−に置き換わった化合物、上記化合物において塩素原子が臭素原子に置
き換わり、かつ−CO−が−SO2−に置き換わった化合物なども挙げられる。
上記一般式(B)の構造単位となりうるオリゴマーとしては、例えば下記一般式(E)で表される化合物(以下「オリゴマー(E)」ともいう。)が用いられる。
Figure 2005166557
式(E)中、R1〜R8、W、Tおよびpは、それぞれ上記一般式(B)中のR1〜R8
W、Tおよびpと同義である。
R'およびR''は互いに同一でも異なっていてもよく、フッ素原子を除くハロゲン原子
または−OSO2Z(ここで、Zはアルキル基、フッ素置換アルキル基またはアリール基
を示す。)で表される基を示す。Zが示すアルキル基としてはメチル基、エチル基などが挙げられ、フッ素置換アルキル基としてはトリフルオロメチル基などが挙げられ、アリール基としてはフェニル基、p−トリル基などが挙げられる。
上記一般式(E)で表される化合物として具体的には、p=0の場合、例えば4,4'−ジクロロベンゾフェノン、4,4'−ジクロロベンズアニリド、ビス(クロロフェニル)ジフルオロメタン、2,2−ビス(4−クロロフェニル)ヘキサフルオロプロパン、4−ク
ロロ安息香酸−4−クロロフェニル、ビス(4−クロロフェニル)スルホキシド、ビス(4−クロロフェニル)スルホン、2,6−ジクロロベンゾニトリル、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレンが挙げられる。これらの化合物において塩素原子が臭素原子またはヨウ素原子に置き換わった化合物、さらにこれらの化合物において4位に置換したハロゲン原子の少なくとも1つ以上が3位に置換した化合物などが挙げられる。
またp=1の場合、上記一般式(E)で表される具体的な化合物としては、例えば4,
4'−ビス(4−クロロベンゾイル)ジフェニルエーテル、4,4'−ビス(4−クロロベ
ンゾイルアミノ)ジフェニルエーテル、4,4'−ビス(4−クロロフェニルスルホニル)ジフェニルエーテル、4,4'−ビス(4−クロロフェニル)ジフェニルエーテルジカルボキシレート、4,4'−ビス〔(4−クロロフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフル
オロプロピル〕ジフェニルエーテル、4,4'−ビス〔(4−クロロフェニル)テトラフルオロエチル〕ジフェニルエーテル、これらの化合物において塩素原子が臭素原子またはヨウ素原子に置き換わった化合物、さらにこれらの化合物において4位に置換したハロゲン原子が3位に置換した化合物、さらにこれらの化合物においてジフェニルエーテルの4位に置換した基の少なくとも1つが3位に置換した化合物などが挙げられる。
さらに上記一般式(E)で表される化合物としては、2,2−ビス[4−{4−(4−
クロロベンゾイル)フェノキシ}フェニル]−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロ
パン、ビス[4−{4−(4−クロロベンゾイル)フェノキシ}フェニル]スルホン、および下記式で表される化合物が挙げられる。
Figure 2005166557
上記一般式(E)で表される化合物は、例えば以下に示す方法で合成することができる。
まず電子吸引性基で連結されたビスフェノールを対応するビスフェノールのアルカリ金属塩とするために、N−メチル−2−ピロリドン、N,N-ジメチルアセトアミド、スルホラン、ジフェニルスルホン、ジメチルスルホキサイドなどの誘電率の高い極性溶媒中でリチウム、ナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属、水素化アルカリ金属、水酸化アルカリ金属、アルカリ金属炭酸塩などを加える。
通常、アルカリ金属はフェノールの水酸基に対し、過剰気味で反応させ、通常、1.1〜2倍当量を使用する。好ましくは、1.2〜1.5倍当量の使用である。この際、ベンゼン、トルエン、キシレン、ヘキサン、シクロヘキサン、オクタン、クロロベンゼン、ジオキサン、テトラヒドロフラン、アニソール、フェネトールなどの水と共沸する溶媒を共存させて、電子吸引性基で活性化されたフッ素、塩素等のハロゲン原子で置換された芳香族ジハライド化合物、例えば、4,4'−ジフルオロベンゾフェノン、4,4'−ジクロロベンゾフェノン、4,4'−クロロフルオロベンゾフェノン、ビス(4−クロロフェニル)スルホン、ビス(4−フルオロフェニル)スルホン、4−フルオロフェニル−4'−クロロ
フェニルスルホン、ビス(3−ニトロ−4−クロロフェニル)スルホン、2,6−ジクロ
ロベンゾニトリル、2,6−ジフルオロベンゾニトリル、ヘキサフルオロベンゼン、デカ
フルオロビフェニル、2,5−ジフルオロベンゾフェノン、1,3−ビス(4−クロロベンゾイル)ベンゼンなどを反応させる。反応性から言えば、フッ素化合物が好ましいが、次の芳香族カップリング反応を考慮した場合、末端が塩素原子となるように芳香族求核置換反応を組み立てる必要がある。活性芳香族ジハライドはビスフェノールに対し、2〜4倍モル、好ましくは2.2〜2.8倍モルの使用である。芳香族求核置換反応の前に予め、ビスフェノールのアルカリ金属塩としていてもよい。反応温度は60℃〜300℃で、好ましくは80℃〜250℃の範囲である。反応時間は15分〜100時間、好ましくは1時間〜24時間の範囲である。最も好ましい方法としては、下記式で示される活性芳香族ジハライドとして反応性の異なるハロゲン原子を一個ずつ有するクロロフルオロ体を用いることであり、フッ素原子が優先してフェノキシドと求核置換反応が起きるので、目的の活性化された末端クロロ体を得るのに好都合である。
Figure 2005166557
(式中、Wは一般式(E)に関して定義した通りである。)
また、上記一般式(E)で表される化合物を合成する方法としては、特開平2−159号公報に記載のように求核置換反応と親電子置換反応を組み合わせ、目的の電子吸引性基、電子供与性基からなる屈曲性化合物の合成方法がある。
具体的には電子吸引性基で活性化された芳香族ビスハライド、例えば、ビス(4−クロロフェニル)スルホンをフェノールと求核置換反応させてビスフェノキシ置換体とする。次いで、このビスフェノキシ置換体を例えば、4−クロロ安息香酸クロリドとのフリーデルクラフト反応により目的の化合物を得る。ここで用いる電子吸引性基で活性化された芳香族ビスハライドは上記で例示した化合物が適用できる。フェノールは置換されていてもよいが、耐熱性や屈曲性の観点から、無置換化合物が好ましい。なお、フェノールの置換反応にはアルカリ金属塩とするのが、好ましく、アルカリ金属化合物としては上記に例示した化合物を使用できる。使用量はフェノール1モルに対し、1.2〜2倍モルである。反応に際し、上述した極性溶媒や水との共沸溶媒を用いることができる。フリーデルクラフ
ト反応では、ビスフェノキシ置換体を塩化アルミニウム、三フッ化ホウ素、塩化亜鉛などのルイス酸のフリーデルクラフト反応の活性化剤存在下に、アシル化剤として、クロロ安息香酸クロライドを反応させる。クロロ安息香酸クロライドはビスフェノキシ置換体に対し、2〜4倍モル、好ましくは2.2〜3倍モルの使用である。フリーデルクラフト活性化剤は、アシル化剤のクロロ安息香酸などの活性ハライド化合物1モルに対し、1.1〜2倍当量使用する。反応時間は15分〜10時間の範囲で、反応温度は−20℃から80℃の範囲である。使用溶媒は、フリーデルクラフト反応に不活性な、クロロベンゼンやニトロベンゼンなどを用いることができる。
一般式(E)において、pが2以上である化合物は、例えば、一般式(E)において電子供与性基Tであるエーテル性酸素の供給源となるビスフェノールと、電子吸引性基Wである、>C=O、−SO2−および>C(CF32から選ばれる少なくとも1種の基とを
組み合わせた化合物、具体的には2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ケトン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホンなどのビスフェノールのアルカリ金属塩と、過剰の4,4−ジクロロベンゾフェノン、ビス(4−クロロフェニル)スルホンなどの
活性芳香族ハロゲン化合物との置換反応をN−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチ
ルアセトアミド、スルホランなどの極性溶媒存在下で上記単量体の合成手法に順次重合して得られる。
このような化合物の例示としては、下記式で表される化合物などを挙げることができる。
Figure 2005166557
上記において、pは正の整数であり、上限は通常100、好ましくは10〜80である。
上記一般式(C)で表されるスルホン酸エステル基を有するポリアリーレンは、モノマー(D)とオリゴマー(E)を触媒の存在下に反応させることにより合成されるが、この際使用される触媒は、遷移金属化合物を含む触媒系であり、この触媒系としては、(i)遷移金属塩および配位子となる化合物(以下、「配位子成分」という。)、または配位子が配位された遷移金属錯体(銅塩を含む)、ならびに(ii)還元剤を必須成分とし、さらに、重合速度を上げるために、「塩」を添加してもよい。
ここで、遷移金属塩としては、塩化ニッケル、臭化ニッケル、ヨウ化ニッケル、ニッケルアセチルアセトナートなどのニッケル化合物;塩化パラジウム、臭化パラジウム、ヨウ化パラジウムなどのパラジウム化合物;塩化鉄、臭化鉄、ヨウ化鉄などの鉄化合物;塩化コバルト、臭化コバルト、ヨウ化コバルトなどのコバルト化合物などが挙げられる。これらのうち特に、塩化ニッケル、臭化ニッケルなどが好ましい。
また、配位子成分としては、トリフェニルホスフィン、2,2'−ビピリジン、1,5−
シクロオクタジエン、1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパンなどが挙げられる
。これらのうち、トリフェニルホスフィン、2,2'−ビピリジンが好ましい。上記配位子成分である化合物は、1種単独で、あるいは2種以上を併用することができる。
さらに、配位子が配位された遷移金属錯体としては、例えば、塩化ニッケルビス(トリフェニルホスフィン)、臭化ニッケルビス(トリフェニルホスフィン)、ヨウ化ニッケルビス(トリフェニルホスフィン)、硝酸ニッケルビス(トリフェニルホスフィン)、塩化ニッケル(2,2'−ビピリジン)、臭化ニッケル(2,2'−ビピリジン)、ヨウ化ニッケル(2,2'−ビピリジン)、硝酸ニッケル(2,2'−ビピリジン)、ビス(1,5−シク
ロオクタジエン)ニッケル、テトラキス(トリフェニルホスフィン)ニッケル、テトラキス(トリフェニルホスファイト)ニッケル、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウムなどが挙げられる。これらのうち、塩化ニッケルビス(トリフェニルホスフィン)、塩化ニッケル(2,2'−ビピリジン)が好ましい。
上記触媒系に使用することができる還元剤としては、例えば、鉄、亜鉛、マンガン、アルミニウム、マグネシウム、ナトリウム、カルシウムなどが挙げられる。これらのうち、亜鉛、マグネシウム、マンガンが好ましい。これらの還元剤は、有機酸などの酸に接触させることにより、より活性化して用いることができる。
また、上記触媒系において使用することのできる「塩」としては、フッ化ナトリウム、塩化ナトリウム、臭化ナトリウム、ヨウ化ナトリウム、硫酸ナトリウムなどのナトリウム化合物、フッ化カリウム、塩化カリウム、臭化カリウム、ヨウ化カリウム、硫酸カリウムなどのカリウム化合物;フッ化テトラエチルアンモニウム、塩化テトラエチルアンモニウム、臭化テトラエチルアンモニウム、ヨウ化テトラエチルアンモニウム、硫酸テトラエチルアンモニウムなどのアンモニウム化合物などが挙げられる。これらのうち、臭化ナトリウム、ヨウ化ナトリウム、臭化カリウム、臭化テトラエチルアンモニウム、ヨウ化テトラエチルアンモニウムが好ましい。
各成分の使用割合は、遷移金属塩または遷移金属錯体が、上記モノマーの総計(モノマー(D)+オリゴマー(E)の総計、以下同じ)1モルに対し、通常、0.0001〜10モル、好ましくは0.01〜0.5モルである。0.0001モル未満では、重合反応が十分に進行しないことがあり、一方、10モルを超えると、分子量が低下することがある。
上記触媒系において、遷移金属塩および配位子成分を用いる場合、この配位子成分の使用割合は、遷移金属塩1モルに対し、通常、0.1〜100モル、好ましくは1〜10モルである。0.1モル未満では、触媒活性が不十分となることがあり、一方、100モルを超えると、分子量が低下することがある。
また、還元剤の使用割合は、上記モノマーの総計1モルに対し、通常、0.1〜100モル、好ましくは1〜10モルである。0.1モル未満では、重合が十分進行しないことがあり、100モルを超えると、得られる重合体の精製が困難になることがある。
さらに、「塩」を使用する場合、その使用割合は、上記モノマーの総計1モルに対し、通常、0.001〜100モル、好ましくは0.01〜1モルである。0.001モル未満では、重合速度を上げる効果が不十分であることがあり、100モルを超えると、得られる重合体の精製が困難となることがある。
モノマー(D)とオリゴマー(E)とを反応させる際に使用することのできる重合溶媒としては、例えばテトラヒドロフラン、シクロヘキサノン、ジメチルスルホキシド、N,
N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリド
ン、γ−ブチロラクトン、N,N'−ジメチルイミダゾリジノンなどが挙げられる。これらのうち、テトラヒドロフラン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、N,N'−ジメチルイミダゾリジノンが好ましい。これらの重合溶媒は、十分に乾燥してから用いることが好ましい。
重合溶媒中における上記モノマーの総計の濃度は、通常、1〜90重量%、好ましくは5〜40重量%である。
また、重合する際の重合温度は、通常、0〜200℃、好ましくは50〜120℃である。また、重合時間は、通常、0.5〜100時間、好ましくは1〜40時間である。
モノマー(D)を用いて得られたスルホン酸エステル基を有するポリアリーレンは、スルホン酸エステル基を加水分解して、スルホン酸基に変換することによりスルホン酸基を有するポリアリーレンとすることができる。
加水分解は、
(1)少量の塩酸を含む過剰量の水またはアルコールに、上記スルホン酸エステル基を有するポリアリーレンを投入し、5分間以上撹拌する方法
(2)トリフルオロ酢酸中で上記スルホン酸エステル基を有するポリアリーレンを80〜120℃程度の温度で5〜10時間程度反応させる方法
(3)スルホン酸エステル基を有するポリアリーレン中のスルホン酸エステル基(−SO3R)1モルに対して1〜3倍モルのリチウムブロマイドを含む溶液、例えばN−メチル
ピロリドンなどの溶液中で上記ポリアリーレンを80〜150℃程度の温度で3〜10時間程度反応させた後、塩酸を添加する方法
などを挙げることができる。
スルホン酸基を有するポリアリーレンを、上記一般式(D)で表されるスルホン酸エステルと同様の骨格を有しスルホン酸エステル基を有しないモノマーと、上記一般式(E)で表されるオリゴマーを共重合させることによりスルホン酸基を有しないポリアリーレンを予め合成し、このスルホン酸基を有しないポリアリーレンをスルホン化することにより合成する場合は、上記合成方法に準じた方法によりスルホン酸基を有しないポリアリーレンを製造した後、スルホン化剤を用い、スルホン酸基を有しないポリアリーレンにスルホン酸基を導入することによりスルホン酸基を有するポリアリーレンを得ることができる。
このスルホン酸基を有しないポリアリーレンのスルホン化は、スルホン酸基を有しないポリアリーレンを、無溶剤下、あるいは溶剤存在下で、スルホン化剤を用い、常法によりスルホン酸基を導入することにより得ることが出来る。
スルホン酸基を導入する方法としては、例えば、上記スルホン酸基を有しないポリアリーレンを、無水硫酸、発煙硫酸、クロルスルホン酸、硫酸、亜硫酸水素ナトリウムなどの公知のスルホン化剤を用いて、公知の条件でスルホン化することができる〔Polymer Preprints,Japan,Vol.42,No.3,p.730(1993);Polymer Preprints,Japan,Vol.43,No.3,p.736(1994);Polymer Preprints,Japan,Vol.42,No.7,p.2490〜2492(1993)〕。
すなわち、このスルホン化の反応条件としては、上記スルホン酸基を有しないポリアリーレンを、無溶剤下、あるいは溶剤存在下で、上記スルホン化剤と反応させる。溶剤としては、例えばn−ヘキサンなどの炭化水素溶剤、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテル系溶剤、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシドのような非プロトン系極性溶剤のほか、テトラクロロエタン、ジクロロエタン、クロロホルム、塩化メチレンなどのハロゲン化炭化水素などが挙げられる。反応温度は特に制限はないが、通常、−50〜200℃、好ましくは−10〜100℃である。また、反応時間は、通常、0.5〜1,000時間、好ましくは1〜200時間である。
上記のような方法により製造されるスルホン酸基を有するポリアリーレン(C)中の、スルホン酸基量は、通常0.3〜5meq/g、好ましくは0.5〜3meq/g、さらに好ましくは0.8〜2.8meq/gである。0.3meq/g未満では、プロトン伝導度が低く実用的ではない。一方、5meq/gを超えると、耐水性が大幅に低下してしまうことがあるため好ましくない。
上記のスルホン酸基量は、例えばモノマー(D)とオリゴマー(E)の種類、使用割合、組み合わせを変えることにより、調整することができる。
このようにして得られるスルホン酸基を有するポリアリーレンの分子量は、ゲルパーミエションクロマトグラフィ(GPC)によるポリスチレン換算重量平均分子量で、1万〜100万、好ましくは2万〜80万である。
スルホン酸基を有するポリアリーレンには、老化防止剤、好ましくは分子量500以上のヒンダードフェノール系化合物を含有させて使用してもよく、老化防止剤を含有することで電解質としての耐久性をより向上させることができる。
本発明で使用することのできるヒンダードフェノール系化合物としては、トリエチレングリコール−ビス[3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロオネート](商品名:IRGANOX 245)、1,6−ヘキサンジオール−ビス[3−(3,5−
ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート](商品名:IRGANOX 259)
、2,4−ビス−(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルアニリノ)−3,5−トリアジン(商品名:IRGANOX 565)、ペンタエリスリチルーテトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート](商品名:IRGANOX 1010)、2,2−チオ−ジエチレンビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−
ヒドロキシフェニル)プロピオネート](商品名:IRGANOX 1035)、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート)(商品名:IRGANOX 1076)、N,N−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−t−ブチルー4−ヒドロキシ−ヒドロシンナマミド)(商品名:IRGAONOX 1098)、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(
3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン(商品名:IRGANOX 1330)
、トリス−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−イソシアヌレイト(
商品名:IRGANOX 3114)、3,9−ビス[2−〔3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ〕−1,1−ジメチルエチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン(商品名:Sumilizer GA-80)などを挙げることができる。
本発明において、スルホン酸基を有するポリアリーレン100重量部に対してヒンダードフェノール系化合物は0.01〜10重量部の量で使用することが好ましい。
(製膜方法)
本発明の高分子電解質複合膜は、高分子電解質である上記スルホン酸基を有するポリアリーレンと上記多孔質基材を複合化してなる複合膜である。その複合化方法は特に限定はないが、例えば、上記スルホン酸基を有するポリアリーレンを溶媒に溶解した高分子電解質溶液中に多孔質基材を一回以上浸漬して、多孔質基材の空隙中に高分子電解質溶液を含浸させる方法や、多孔質基材に高分子電解質溶液を一回以上塗布して、多孔質基材の空隙中に高分子電解質溶液を含浸させる方法や、減圧下で多孔質基材と高分子電解質溶液を接触させ、その後常圧に戻す操作を1回以上行うことにより高分子電解質溶液を多孔質基材の空隙中に含浸させる方法等があり、これらの方法で高分子電解質溶液を含浸させた後、乾燥させて複合膜を得る方法が挙げられる。また、上記方法を繰り返してもよく、上記方法を組み合わせてもよい。
乾燥の際には、室温〜200℃、好ましくは50〜150℃で、5〜180分、好ましくは5〜120分加熱することが好ましい。乾燥は、常圧〜減圧下の条件が適用できる。また、加熱は、逐次昇温して処理してもよい。
高分子電解質溶液を調製する際に用いられる溶媒は、上記スルホン酸基を有するポリアリーレンを溶解可能であり、その後に除去し得るものであるならば特に制限はなく、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルスルホキシド等の非プロトン性溶媒;ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロロエタン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン等の塩素系溶剤;メタ
ノール、エタノール、プロパノール等のアルコール類;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等のアルキレングリコールモノアルキルエーテル類;アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、γ−ブチロラクトン等のケトン類;テトラヒドロフラン、1,3−
ジオキサン等のエーテル類が好適に用いられる。これらは、単独で用いることもできるが、必要に応じて2種以上の溶媒を混合して用いることもできる。
本発明の高分子電解質複合膜は、(A)スルホン酸基を有するポリアリーレンと(B)多孔質基材の合計量を100重量%としたときに、(A)成分が95〜65重量%、好ましくは90〜50重量%である。(A)が95重量%を超える場合〔(B)が5重量%未満の場合〕は、プロトン伝導性は良好ではあるが、(B)多孔質基材の割合が少なすぎるため、得られる複合膜の強度が低下する。一方、(A)成分が65重量%未満の場合〔(B)が35重量%を超える場合〕、(B)多孔質基材の割合が多すぎるため、プロトン伝導性が悪化し、その機能を利用できない。
本発明の高分子電解質複合膜は、一対の電極触媒層と、両電極触媒層に挟持された高分子電解質膜を備える膜−電極構造体を有する固体高分子型燃料電池の高分子電解質膜として使用される。
[固体高分子型燃料電池]
次に、添付の図面を参照しながら本発明に係る固体高分子型燃料電池について説明する。図1は固体高分子型燃料電池に用いる膜−電極構造体の一構成例を示す説明的断面図である。
固体高分子型燃料電池は、例えば図1に示す構成の膜−電極構造体を備えている。上記膜−電極構造体は、酸素極1と燃料極2との間に高分子電解質複合膜3を有しており、酸素極1と燃料極2とは、いずれも拡散層4と、拡散層4上に形成された電極触媒層5とを備え、電極触媒層5側で高分子電解質複合膜3に接している。上記電極触媒層5は、上述したスルホン酸基を有するポリアリーレンを含んでいる。また、拡散層4はカーボンペーパー6と、下地層7とからなる。
上記膜−電極構造体において、下地層7は、例えば所定の重量比で混合したカーボンブラックとポリテトラフルオロエチレン(PTFE)とをエチレングリコール等の有機溶媒に均一に分散したスラリーを、カーボンペーパー6の片面に塗布、乾燥することにより形成される。なお、カーボンペーパー6は、酸素極1では空気等の酸素含有気体が流通される酸素通路1aを、燃料極2では水素等の燃料ガスが流通される燃料通路2aを、下地層7側に備えている。また、電極触媒層5は、例えばカーボンブラックに所定の重量比で白金を担持させた触媒粒子をイオン伝導性バインダーと均一に混合した触媒ペーストを、下地層7上に塗布、乾燥することにより形成される。
そして、高分子電解質複合膜3を、酸素極1、燃料極2の電極触媒層5に挟持させた状態でホットプレスすることにより、上記膜−電極構造体が形成される。
[実施例]
以下、実施例に基づいて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
実施例において、スルホン酸当量、分子量は以下のようにして求めた。
[スルホン酸当量(IEC)]
得られたスルホン酸基を有する重合体の水洗水が中性になるまで洗浄し、フリーに残存している酸を除いて充分に水洗し、乾燥後、所定量を秤量し、THF/水の混合溶剤に溶解したフェノールフタレインを指示薬とし、NaOHの標準液を用いて滴定を行い、中和点から、スルホン酸当量を求めた。
[分子量の測定]
スルホン酸基を有しないポリアリーレン重量平均分子量は、溶剤としてテトラヒドロフラン(THF)を用い、GPCによって、ポリスチレン換算の分子量を求めた。スルホン酸基を有するポリアリーレンの分子量は、溶剤として臭化リチウムと燐酸を添加したN−メチル−2−ピロリドン(NMP)を溶離液として用い、GPCによって、ポリスチレン換算の分子量を求めた。
[合成例]
(オリゴマーの調製)
撹拌機、温度計、冷却管、Dean-Stark管、窒素導入の三方コックを取り付けた1Lの三つ口のフラスコに、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン(ビスフェノールAF)67.3g(0.20モル)、4,4'−ジクロロベンゾフェノン(4,4'−DCBP)60.3g(0.24モル)、炭酸カリウム71.9g(0.52モル)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)300mL、ト
ルエン150mLをとり、オイルバス中、窒素雰囲気下で加熱し撹拌下130℃で反応させた。反応により生成する水をトルエンと共沸させ、Dean-Stark管で系外に除去しながら反応させると、約3時間で水の生成がほとんど認められなくなった。反応温度を130から徐々に150℃まで上げた。反応温度を徐々に150℃まで上げながら大部分のトルエンを除去し、150で10時間反応を続けた後、4,4'−DCBP10.0g(0.040モル)を加え、さらに5時間反応した。得られた反応液を放冷後、副生した無機化合物の沈殿物を濾過除去し、濾液を4Lのメタノール中に投入した。沈殿した生成物を濾別、回収し乾燥後、テトラヒドロフラン300mLに溶解した。これをメタノール4Lに再沈殿し、目的の化合物95g(収率85%)を得た。
得られた重合体のGPC(THF溶媒)で求めたポリスチレン換算の数平均分子量は11,200であった。また、得られた重合体はTHF、NMP、DMAc、スルホランな
どに可溶で、Tgは110℃、熱分解温度は498℃であった。
得られた化合物は式(I)で表されるオリゴマー(以下、「BCPAFオリゴマー」という)であった。
Figure 2005166557
(ネオペンチル基を保護基としたポリアリーレン共重合体(PolyAB−SO3 neo-Pe)の調製)
撹拌機、温度計、冷却管、Dean-Stark管、窒素導入の三方コックを取り付けた1Lの三つ口のフラスコに、4−[4−(2,5−ジクロロベンゾイル)フェノキシ]ベンゼンス
ルホン酸neo-ペンチル(A−SO3 neo-Pe)39.58g(98.64ミリモル)とBCPAFオリゴマー(Mn=11200)15.23g(1.36ミリモル)、Ni(PPh32Cl2 1.67g(2.55ミリモル)、PPh3 10.49g(40ミリモル)、NaI 0.45g(3ミリモル)、亜鉛末 15.69g(240ミリモル)、乾燥NMP 390mLを窒素下で加えた。反応系を攪拌下に加熱し(最終的には75℃まで
加温)、3時間反応させた。重合反応液をTHF 250mLで希釈し、30分攪拌し、
セライトをろ過助剤に用い、ろ過紙、ろ液を大過剰のメタノール1500mLに注ぎ、凝固させた。凝固物を濾集、風乾し、さらにTHF/NMP(それぞれ200/300mL)に再溶解し、大過剰のメタノール1500mLで凝固析出させた。風乾後、加熱乾燥により目的の黄色繊維状のネオペンチル基で保護されたスルホン酸誘導体からなる共重合体(PolyAB-SO3neo-Pe)47.0g(収率99%)を得た。GPCによる分子量はMn=47,600、Mw=159,000であった。
こうして得られたPolyAB-SO3neo-Pe 5.1gをNMP 60mLに溶解し、90℃に加温した。反応系にメタノール 50mLと濃塩酸 8mLの混合物を一時に加えた。懸濁状態となりながら、温和の還流条件で10時間反応させた。蒸留装置を設置し、過剰のメタノールを溜去させ、淡緑色の透明溶液を得た。この溶液を大量の水/メタノール(1:1重量比)中に注いで、ポリマーを凝固させた後、洗浄水のPHが6以上となるまで、イオン交換水でポリマーを洗浄した。こうして得られたポリマーのIRスペクトルおよびイオン交換容量の定量分析から、スルホン酸エステル基(−SO3a)は定量的にスルホン酸基(−SO3H)に転換していることがわかった。
得られたスルホン酸基を有するポリアリーレン共重合体のGPCによる分子量は、Mn=53,200、Mw=185,000であり、スルホン酸等量は1.9meq/gであった。
(高分子電解質複合膜の調整)
膜厚16μm、空隙率85%の延伸多孔質PTFEシートを、上記合成例で合成したスルホン酸基を有するポリアリーレン(IEC=1.9meq/g、Mw=185,000
)の固形分15%N−メチル−2−ピロリドン溶液中に含浸し、120℃で30分間乾燥した。再度、含浸した後、120℃で60分間乾燥した。こうして20μmのPTFE−スルホン酸基を有するポリアリーレン(PTFE/ポリアリーレン=13/87重量比)の高分子電解質複合膜を得た。
膜厚16μm、空隙率80%の多孔性ポリイミドシートを上記合成例で合成したスルホン酸基を有するポリアリーレン(IEC=1.9meq/g、Mw=185,000)の
固形分15%N−メチル−2−ピロリドン溶液中に含浸し、120℃で30分間乾燥した後、再度、含浸した後、120℃で60分間乾燥した。こうして20μmのポリイミド−スルホン酸基を有するポリアリーレン(ポリイミド/ポリアリーレン=15/85重量比)の高分子電解質複合膜を得た。
膜厚8μm、空隙率85%の多孔性ポリイミドシートを上記合成例で合成したスルホン酸基を有するポリアリーレン(IEC=1.9meq/g、Mw=185,000)の固
形分15%N−メチル−2−ピロリドン溶液中に含浸し、120℃で30分間乾燥した後、再度、含浸した後、120℃で60分間乾燥した。こうして10μmのポリイミド−スルホン酸基を有するポリアリーレン(ポリイミド/ポリアリーレン=12/88重量比)の高分子電解質複合膜を得た。
[比較例1]
上記合成例で合成したスルホン酸基を有するポリアリーレン(IEC=1.9meq/g、Mw=185,000)の固形分15%N−メチル−2−ピロリドン溶液をPETフ
ィルム上にキャスト法により塗布し、120℃で60分間乾燥し20μmの高分子電解質膜を得た。
[比較例2]
上記合成例で合成したスルホン酸基を有するポリアリーレン(IEC=1.9meq/g、Mw=185,000)の固形分15%N−メチル−2−ピロリドン溶液をPETフ
ィルム上にキャスト法により塗布し、120℃で60分間乾燥し40μmの高分子電解質膜を得た。
上記実施例および比較例で得られた高分子電解質複合膜および高分子電解質膜について、引張強度特性および電気抵抗の測定を以下のように行った。結果を表1に示す。
(1)引張強度特性
実施例1〜3で調製した高分子電解質複合膜、比較例1〜2で調製した高分子電解質膜を3mm×65mmの短冊形のフィルム試験片を作製し、引張試験機を用いて、弾性率、破断強度、伸びを測定した。
(2)電気抵抗の測定
実施例1〜3で調製した複合膜、比較例1〜2で調製した高分子電解質膜を、それぞれ温度25℃、1M硫酸水溶液中に、24時間浸漬した。これをLCR(Leactance Condenser Resistance)メーター(HIOKI製)を用いて、交流1KHzでの電気抵抗を測定した。測定の際の電解液は、1Mの硫酸水溶液を使用し、白金電極を使用した。有効膜面積は、1.13cm2であった。
Figure 2005166557
本発明の固体高分子型燃料電池に用いる電極構造体の一構成例を示す説明的断面図である。
符号の説明
1 … 酸素極
2 … 燃料極
3 … 高分子電解質複合膜
4 … 拡散層
5 … 電極触媒層
6 … カーボンペーパー
7 … 下地層

Claims (5)

  1. 下記一般式(A)で表される繰り返し単位を有するスルホン酸基を有するポリアリーレンが、多孔質基材の空隙に充填されてなることを特徴とする高分子電解質複合膜;
    Figure 2005166557
    (式中、Aは2価の電子吸引性基を示し、Bは2価の電子供与基または直接結合を示し、Arは−SO3Hで表される置換基を有する芳香族基を示し、mは0〜10の整数を示し
    、nは0〜10の整数を示し、kは1〜4の整数を示す。)。
  2. 上記スルホン酸基を有するポリアリーレンが、上記一般式(A)で表される繰り返し単位に加え、さらに下記一般式(B)で表される繰り返し単位を有することを特徴とする請求項1記載の高分子電解質複合膜;
    Figure 2005166557
    (式中、R1〜R8は互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、フッ素原子、アルキル基、フッ素置換アルキル基、アリル基、アリール基およびシアノ基からなる群より選ばれた少なくとも1種の原子または基を示し、Wは2価の電子吸引性基または単結合を示し、Tは単結合または2価の有機基を示し、pはTが−O−である場合は2以上の整数、−O−以外である場合は1以上の整数を示す。)。
  3. 上記多孔質基材が、多孔性膜であることを特徴とする請求項1または2記載の高分子電解質複合膜。
  4. 請求項1に記載の一般式(A)で表される繰り返し単位を有するスルホン酸基を有するポリアリーレンの溶液を、多孔質基材に含浸した後、スルホン酸基を有するポリアリーレンの溶液が含浸した多孔質基材を乾燥することを特徴とする高分子電解質複合膜の製造方法。
  5. 一対の電極触媒層と、両電極触媒層に挟持された高分子電解質膜とを備える膜−電極構造体を有する固体高分子型燃料電池において、
    前記高分子電解質膜が、請求項1ないし3のいずれか1項に記載の高分子電解質複合膜であることを特徴とする固体高分子型燃料電池。
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