JP2007048555A - 膜電極接合体の製造方法 - Google Patents
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Abstract
芳香族系固体高分子電解質膜の表面に対して加熱による軟化処理を行うことなく、電解質膜と触媒層との接合強度を良好なものとし、高性能の膜電極接合体を得ることを可能とする膜電極接合体の製造方法を提供すること。
【解決手段】
本発明に係る膜電極接合体の製造方法は、支持体上に芳香族系高分子電解質を含む溶液を流延し、脱溶媒することにより形成された固体高分子電解質膜における支持体と対向する面に、触媒担持カーボン、芳香族系高分子電解質、増孔剤および溶媒を含む触媒ペーストを塗布して乾燥することにより第1の触媒層を形成する工程と、前記支持体を剥離し、支持体剥離後の電解質膜における前記第1の触媒層と対向する面に、触媒ペーストを塗布して乾燥することにより第2の触媒層を形成する工程とを含むことを特徴とする。
【選択図】 なし
Description
触媒ペーストを塗布して乾燥することにより第1の触媒層を形成する工程と、前記支持体を剥離し、支持体剥離後の固体高分子電解質膜における前記第1の触媒層と対向する面に、触媒担持カーボン、芳香族系高分子電解質、増孔剤および溶媒を含む触媒ペーストを塗布して乾燥することにより第2の触媒層を形成する工程とを含むことを特徴とする。
本発明の膜電極接合体の製造方法は、支持体上に芳香族系高分子電解質の溶液を流延し、脱溶媒することにより形成された固体高分子電解質膜上に、芳香族系高分子電解質を含む触媒ペーストを直接塗布して乾燥することにより第1の触媒層を形成する工程と、前記支持体を剥離し、支持体剥離後の電解質膜上に、芳香族系高分子電解質含む触媒ペーストを直接塗布して乾燥することにより第2の触媒層を形成する工程とを含む。
本発明で用いられる固体高分子電解質膜および触媒ペーストを構成する芳香族系高分子電解質は、特に限定されないが、生産効率等の観点から同一のポリマーからなることが好ましく、特に、高温での発電安定性の観点から、下記一般式(A)で表されるスルホン酸基を有する構成単位(以下、「構成単位(A)」または「スルホン酸ユニット」ともいう。)と、下記一般式(B)で表されるスルホン酸基を有さない構成単位(以下、「構成単位(B)」または「疎水性ユニット」ともいう。)とを含む下記一般式(C)で表されるスルホン化ポリアリーレンからなることが好ましい。
、−(CF2)i−(iは1〜10の整数を示す。)または−C(CF3)2−を示す。これらの中では、−CO−および−SO2−が好ましい。
12の整数を示す。)で表される置換基を有する芳香族基を示す。芳香族基としては、たとえば、フェニル基、ナフチル基、アントリル基、フェナントリル基などが挙げられる。これらの中では、フェニル基およびナフチル基が好ましい。また、Arは、−SO3H、
−O(CH2)pSO3Hまたは−O(CF2)pSO3Hで表される置換基を少なくとも1個
有していることが必要であり、ナフチル基である場合には2個以上有することが好ましい。
上記構成単位(A)の好ましい構造としては、上記式(A)において、
(1)m=0、n=0であり、Yが−CO−であり、Arが置換基として−SO3Hを有
するフェニル基である構造、
(2)m=1、n=0であり、Yが−CO−であり、Zが−O−であり、Arが置換基として−SO3Hを有するフェニル基である構造、
(3)m=1、n=1、k=1であり、Yが−CO−であり、Zが−O−であり、Arが置換基として−SO3Hを有するフェニル基である構造、
(4)m=1、n=0であり、Yが−CO−であり、Arが置換基として2個の−SO3
Hを有するナフチル基である構造、
(5)m=1、n=0であり、Yが−CO−であり、Zが−O−であり、Arが置換基として−O(CH2)4SO3Hを有するフェニル基である構造
などを挙げることができる。
SO−、−CONH−、−COO−、−(CF2)i−(iは1〜10の整数を示す。)、−(CH2)j−(jは1〜10の整数を示す。)、−CR’2−、シクロヘキシリデン基
、フルオレニリデン基、−O−または−S−を示す。これらの中では、直接結合、−CO−、−SO2−、−CR’2−、シクロヘキシリデン基、フルオレニリデン基および−O−が好ましい。なお、R’は脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基またはハロゲン化炭化水素基を示し、たとえば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、プロピル基、オクチル基、デシル基、オクタデシル基、フェニル基、トリフルオロメチル基などが挙げられる。
R1〜R16は、それぞれ独立に水素原子、フッ素原子、アルキル基、一部もしくは全部
がハロゲン化されたハロゲン化アルキル基、アリル基、アリール基、ニトロ基またはニトリル基を示す。
ル基、アミル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、オクチル基などが挙げられる。ハロゲン化アルキル基としては、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、パーフルオロプロピル基、パーフルオロブチル基、パーフルオロペンチル基、パーフルオロヘキシル基などが挙げられる。アリル基としては、プロペニル基などが挙げられる。アリール基と
しては、フェニル基、ペンタフルオロフェニル基などが挙げられる。
上記構成単位(B)の好ましい構造としては、上記式(B)において、
(1)s=1、t=1であり、Aが−CR’2−、シクロヘキシリデン基またはフルオレ
ニリデン基であり、Bが酸素原子であり、Dが−CO−または−SO2−であり、R1〜R16が水素原子またはフッ素原子である構造、
(2)s=1、t=0であり、Bが酸素原子であり、Dが−CO−または−SO2−であ
り、R1〜R16が水素原子またはフッ素原子である構造、
(3)s=0、t=1であり、Aが−CR’2−、シクロヘキシリデン基またはフルオレ
ニリデン基であり、Bが酸素原子であり、R1〜R16が水素原子、フッ素原子またはニト
リル基である構造
などが挙げられる。
0モル%とした場合のモル比を示す。
上記スルホン化ポリアリーレンの製造方法としては、たとえば、下記に示すA法、B法およびC法が挙げられる。
方法。
上記式(B)においてr=0の場合、たとえば、4,4’−ジクロロベンゾフェノン、4,4’−ジクロロベンズアニリド、2,2−ビス(4−クロロフェニル)ジフルオロメタン、2,2−ビス(4−クロロフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、4−クロロ安息香酸−4−クロロフェニルエステル、ビス(4−クロロフェニル)スルホキシド、ビス(4−クロロフェニル)スルホン、2,6−ジクロロベンゾニトリルなどが挙げられる。これらの化合物において、塩素原子が臭素原子またはヨウ素原子に置き換わった化合物なども用いることができる。
上記式(B)においてr≧2の場合、たとえば、特開2004−137444号公報、特開2004−244517号公報、特開2004−346164号公報、特願2003−348523号、特願2003−348524号、特願2004−211739号、特願2004−211740号に記載の化合物を挙げることができる。
を添加してもよい。これらの触媒成分の具体例、各成分の使用割合、反応溶媒、濃度、温度、時間等の重合条件は、たとえば、特開2001−342241号公報に記載されている条件を採用することができる。
(b法)上記B法で得られた前駆体のポリアリーレンを、特開2001−342241号公報に記載の方法でスルホン化する方法。
上記のような方法により製造される、上記式(C)で表されるスルホン化ポリアリーレンのイオン交換容量は、通常、0.3〜5meq/g、好ましくは0.5〜3meq/g、さらに好ましくは0.8〜2.8meq/gである。イオン交換容量が上記範囲よりも低いと、プロトン伝導度が低くなり発電性能が低下する傾向にある。一方、イオン交換容量が上記範囲を超えると、耐水性が大幅に低下してしまうことがあるため好ましくない。
本発明で用いられる固体高分子電解質膜(プロトン伝導膜)は、上記芳香族系高分子電解質を下記溶媒中で溶解または膨潤させ、それを公知の塗工方法により支持体上に流延して乾燥し、脱溶媒処理を行うことにより形成される。
上記溶媒としては、上記芳香族系高分子電解質を溶解または分散する溶媒であればよく
、特に限定されるものではない。また、1種類単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
、1−ヘキサノール、2−メチル−1−ペンタノール、2−メチル−2−ペンタノール、4−メチル−2−ペンタノール、2−エチル−1−ブタノール、1−メチルシクロヘキサノール、2−メチルシクロヘキサノール、3−メチルシクロヘキサノール、4−メチルシクロヘキサノール、1−オクタノール、2−オクタノール、2−エチル−1−ヘキサノール、2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール、2−(メトキシメトキシ)エタノール、2−イソプロポキシエタノール、1−メトキシ−2−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノールなどのアルコール類;エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセロールなどの多価アルコール類;ジオキサン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジ−n−プロピルエーテル、ブチルエーテル、フェニルエーテル、イソペンチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、ジエトキシエタン、ビス(2−メトキシエチル)エーテル、ビス(2−エトキシエチル)エーテル、シネオール、ベンジルエチルエーテル、アニソール、フェネトール、アセタールなどのエーテル類;アセトン、メチルエチルケトン、2−ペンタノン、3−ペンタノン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、2−ヘキサノン、4−メチル−2−ペンタノン、2−ヘプタノン、2,4−ジメチル−3−ペンタノン、2−オクタノンなどのケトン類
;γ−ブチロラクトン、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸−n−ブチル、酢酸イソブチル、酢酸sec-ブチル、酢酸ペンチル、酢酸イソペンチル、3−メトキシブチルアセタート、酪酸メチル、酪酸エチル、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸ブチルなどのエステル類;ジメチルスルホキシド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、テ
トラメチル尿素などの非プロトン性極性溶媒;トルエン、キシレン、ヘプタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタンなどの炭化水素系溶媒などが挙げられる。
上記膜電極接合体における触媒層を形成する際に用いられる触媒ペーストは、触媒担持カーボンと、芳香族系高分子電解質と、溶媒と、増孔剤とを含み、必要に応じて分散剤などの他の成分を含んでいてもよい。
上記触媒ペーストに用いられる触媒担持カーボンにおける触媒としては、水素の酸化反応および酸素の還元反応に触媒作用を有するものであればよく、たとえば、白金、ルテニウム、イリジウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、タングステン、鉛、鉄、クロム、コバルト、ニッケル、マンガン、バナジウム、モリブデン、ガリウム、アルミニウム等の金属もしくはこれらの合金、または、これらの酸化物などが挙げられる。上記触媒の粒径は10〜300Åが好ましく、15〜100Åがより好ましい。
、ランプブラック、サーマルブラック、アセチレンブラックなどのカーボンブラックが用いられる。また、天然の黒鉛、ピッチ、コークス、ポリアクリロニトリル、フェノール樹脂、フラン樹脂などの有機化合物から得られる人工黒鉛や炭素などを用いてもよい。
上記触媒ペーストに用いられる増孔剤としては、たとえば、炭素繊維や炭素粒子などが挙げられる。
繊維、ピッチ系炭素繊維、気相成長炭素繊維等を用いることができ、好ましくは、気相成長炭素繊維である。
上記触媒ペーストには、必要に応じてさらに他の成分、たとえば、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン界面活性剤などの分散剤や、フッ素系ポリマー、シリコン系ポリマーなどの撥水剤などを添加してもよい。前記分散剤を添加すると、保存安定性および流動性に優れ、塗工時の生産性が向上する。また、前記撥水剤を添加すると、生成する水を効率よく排出する効果を奏し、発電性能の向上に寄与する。
膜電極接合体における第1の触媒層は、上記支持体上に形成された固体高分子電解質膜上(支持体と対向する面)に、上記触媒ペーストを直接塗布して乾燥することにより形成
される。また、第2の触媒層は、上記第1の触媒層を形成した後、支持体を剥離し、該支持体剥離後の固体高分子電解質膜上(第1の触媒層と対向する面)に、上記触媒ペーストを直接塗布して乾燥することにより形成される。
触媒層の厚さは、特に制限されるものではないが、触媒として担持された金属が、コーティングの単位面積あたり、0.01〜2.0mg/cm2、好ましくは0.05〜1.
0mg/cm2の範囲で触媒層中に存在することが望ましい。この範囲にあれば、十分に
高い触媒活性が発揮されるとともに、効率的にプロトンを伝導することができる。
本発明の製造方法により得られる膜電極接合体は、固体高分子型燃料電池を構成する膜電極接合体として好適に用いることができる。また、ハロゲン化水素酸電解、食塩電解、酸素濃縮器、湿度センサ、ガスセンサなどにも応用することができる。
以下、実施例に基づいて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。なお、イオン交換容量および分子量の測定ならびに発電性能の評価は下記の方法により行った。
得られたスルホン化ポリマーの水洗水が中性になるまで充分に洗浄して、フリーに残存している酸を除去した。乾燥後、所定量を秤量し、THF/水の混合溶剤に溶解したフェノールフタレインを指示薬とし、NaOHの標準液を用いて滴定を行い、中和点からイオン交換容量を求めた。
スルホン酸基を有しないポリアリーレンの分子量は、溶剤としてテトラヒドロフラン(THF)を用い、GPCによってポリスチレン換算の分子量を求めた。スルホン酸基を有するポリアリーレンの分子量は、臭化リチウムおよび燐酸を添加したN−メチル−2−ピロリドン(NMP)を溶離液として用い、GPCによってポリスチレン換算の分子量を求めた。
得られた膜電極接合体を単セルとし、酸素極に空気を供給するとともに燃料極に純水素を供給して発電を行った。発電条件は、温度90℃、燃料極側の相対湿度50%、酸素極側の相対湿度50%とした。発電性能は電流密度0.5A/cm2でのセル電圧を測定し
て評価した。
(1)疎水性ユニット(I)の合成
攪拌機、温度計、Dean-stark管、窒素導入管および冷却管を取りつけた1Lの三口フラスコに、2,6−ジクロロベンゾニトリル48.8g(284mmol)、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン89.5g(266mmol)および炭酸カリウム47.8g(346mmol)をはかりとった。フラスコ内を窒素置換した後、スルホラン346mLおよびトルエン173mLを加えて攪拌し、オイルバスを用いて反応液を150℃で加熱還流させた。反応によって生成した水はDean-stark管にトラップした。3時間後、水の生成がほとんど認められなくなったところで、トルエンをDean-stark管から系外に除去した。徐々に反応温度を200℃に上げ、3時間攪拌を続けた後、2,6−ジクロロベンゾニトリル9.2g(53mmol)を加え、さらに5時間反応させた。反応液を放冷後、トルエン100mLを加えて希釈した。反応液に不溶の無機塩を濾過し、濾液をメタノール2Lに注いで生成物を沈殿させた。沈殿した生成物を濾過して乾燥後、テトラヒドロフラン250mLに溶解し、これをメタノール2Lに注いで再沈殿させた。沈殿物を濾過して乾燥することにより、白色粉末の目的物109gを得た。得られた化合物は、GPCによる数平均分子量(Mn)が9,500であった。得られた化合物は下記式(I)で表されるオリゴマーであることを確認した。
攪拌機、温度計および窒素導入管を取りつけた1Lの三口フラスコに、3−(2,5−ジクロロベンゾイル)ベンゼンスルホン酸ネオペンチル135.2g(337mmol)、(1)で得られたMn9,500の疎水性ユニット48.7g(5.1mmol)、ビス(トリフェニルホスフィン)ニッケルジクロリド6.71g(10.3mmol)、ヨウ化ナトリウム1.54g(10.3mmol)、トリフェニルホスフィン35.9g(137mmol)および亜鉛53.7g(821mmol)をはかりとり、乾燥窒素置換した。ここにN,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)430mLを加え、反応温度を80℃に保持しながら3時間攪拌を続けた後、DMAc730mLを加えて希釈し、不溶物を濾過した。
(プロトン伝導膜の作製)
上記合成例1で得られたスルホン化ポリアリーレン(II)の15重量%N−メチル−2−ピロリドン(NMP)/メタノール(重量比:67/33)溶液を、PETロール(厚み0.125mm、幅300mm)上に塗工幅250mmで、コンマリバースコーターによりキャストして製膜・乾燥し、水浸漬による脱溶媒を行うことにより、PET上に膜厚40μmのプロトン伝導膜Aを形成した。
上記合成例1で得られたスルホン化ポリアリーレン(II)を、水/NMP(重量比:20/80)混合溶液に溶解してポリマー溶液を調製し、該溶液に、カーボンブラックと白金の重量比を50:50とした白金担持カーボン粒子(田中貴金属工業製「TEC10E50E」)および気相成長炭素繊維(昭和電工製「VGCF」)を添加して攪拌・混合することによって触媒ペーストBを調製した。
上記のようにして得られたプロトン伝導膜A上(PET支持体と対向する面)に、上記触媒ペーストBをスロットダイ間欠塗工し、乾燥して触媒層を形成した後、PET支持体を剥離し、PET支持体剥離後のプロトン伝導膜上(前記触媒層と対向する面)に再び上記触媒ペーストBをスロットダイ間欠塗工し、乾燥して触媒層を形成することにより、膜電極接合体を作製した。このようにして作製した膜電極接合体を用いて発電性能の評価を行った。評価結果を表1に示す。
(プロトン伝導膜の作製)
上記合成例1で得られたスルホン化ポリアリーレン(II)の15重量NMP/メタノール(重量比:67/33)溶液を、PETロール(厚み0.125mm、幅300mm)上に塗工幅250mmで、コンマリバースコーターによりキャストして製膜・乾燥し、水浸漬による脱溶媒を行うことにより、PET上に膜厚40μmのプロトン伝導膜Cを形成した。
上記合成例1で得られたスルホン化ポリアリーレン(II)を、水/NMP(重量比:20/80)混合溶液に溶解してポリマー溶液を調製し、該溶液に、カーボンブラックと白金の重量比を50:50とした白金担持カーボン粒子(田中貴金属工業製「TEC10E50E」)および気相成長炭素繊維(昭和電工製「VGCF」)を添加して攪拌・混合することによって触媒ペーストDを調製した。
上記のようにして得られたプロトン伝導膜CからPET支持体を剥離した。また、カー
ボンペーパー(東レ製)に上記触媒ペーストDを塗布して乾燥することにより触媒電極を形成した。得られた触媒電極を所定の寸法に裁断し、プロトン伝導膜Cを触媒電極の触媒層面で狭持した状態で、160℃および100kgf/cm2の条件でホットプレスして
膜電極接合体を作製した。このようにして作製した膜電極接合体を用いて発電性能の評価を行った。評価結果を表1に示す。
(触媒ペーストの作製)
上記合成例1で得られたスルホン化ポリアリーレン(II)を、水/N−メチル−2−ピロリドン(重量比:20/80)混合溶液に溶解してポリマー溶液を調製し、該溶液に、カーボンブラックと白金の重量比を50:50とした白金担持カーボン粒子(田中貴金属工業製「TEC10E50E」)および気相成長炭素繊維(VGCF:昭和電工製)を添加して攪拌・混合することによって触媒ペーストEを調製した。
市販のパーフルオロカーボン系のプロトン伝導膜F(Dupon社製「Nafion112」)を用い、カーボンペーパー(東レ製)に上記触媒ペーストEを塗布し、乾燥して得られた触媒電極を所定の寸法に裁断し、プロトン伝導膜Fを触媒電極の触媒層面で狭持した状態で、160℃および100kgf/cm2の条件でホットプレスして膜電極接合
体を作製した。このようにして作製した膜電極接合体を用いて発電性能の評価を実施した。評価結果を表1に示す。
Claims (6)
- 支持体上に芳香族系高分子電解質を含む溶液を流延し、脱溶媒処理することにより形成された固体高分子電解質膜における支持体と対向する面に、触媒担持カーボン、芳香族系高分子電解質、増孔剤および溶媒を含む触媒ペーストを塗布して乾燥することにより第1の触媒層を形成する工程と、
前記支持体を剥離し、支持体剥離後の固体高分子電解質膜における前記第1の触媒層と対向する面に、触媒担持カーボン、芳香族系高分子電解質、増孔剤および溶媒を含む触媒ペーストを塗布して乾燥することにより第2の触媒層を形成する工程と
を含むことを特徴とする膜電極接合体の製造方法。 - 前記支持体上に固体高分子電解質膜を形成する際の脱溶媒処理が、水浸漬によって行われることを特徴とする請求項1に記載の膜電極接合体の製造方法。
- 前記固体高分子電解質膜を構成する芳香族系高分子電解質と、前記第1の触媒層および第2の触媒層を構成する芳香族系高分子電解質とが、同一のポリマーからなることを特徴とする請求項1または2に記載の膜電極接合体の製造方法。
- 前記固体高分子電解質膜、前記第1の触媒層および前記第2の触媒層を構成する芳香族系高分子電解質が、下記一般式(A)で表される構成単位と下記一般式(B)で表される構成単位とを含むスルホン化ポリアリーレンからなることを特徴とする請求項1または2に記載の膜電極接合体の製造方法。
(CF2)i−(iは1〜10の整数を示す。)または−C(CF3)2−を示し、
Zは、独立に直接結合、−(CH2)j−(jは1〜10の整数を示す。)、−C(CH3
)2−、−O−または−S−を示し、
Arは、−SO3H、−O(CH2)pSO3Hまたは−O(CF2)pSO3H(pは1〜1
2の整数を示す。)で表される置換基を有する芳香族基を示し、
mは0〜10の整数を示し、nは0〜10の整数を示し、kは1〜4の整数を示す。]
−、−CONH−、−COO−、−(CF2)i−(iは1〜10の整数を示す。)、−(CH2)j−(jは1〜10の整数を示す。)、−CR’2−(R’は脂肪族炭化水素基、
芳香族炭化水素基またはハロゲン化炭化水素基を示す。)、シクロヘキシリデン基、フルオレニリデン基、−O−または−S−を示し、
Bは独立に酸素原子または硫黄原子を示し、
R1〜R16は、それぞれ独立に水素原子、フッ素原子、アルキル基、一部もしくは全部が
ハロゲン化されたハロゲン化アルキル基、アリル基、アリール基、ニトロ基またはニトリル基を示し、
sおよびtは、それぞれ0〜4の整数を示し、rは0または1以上の整数を示す。] - 前記第1の触媒層および第2の触媒層の少なくとも一方を形成する際の触媒ペーストの塗布方法が、間欠塗工法であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の膜電極接合体の製造方法。
- 前記第1の触媒層および第2の触媒層の少なくとも一方を形成する際の触媒ペーストの塗布方法が、グラビア塗工法、スプレー塗工法またはスクリーン印刷法であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の膜電極接合体の製造方法。
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- 2005-08-09 JP JP2005230720A patent/JP2007048555A/ja active Pending
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