JP2007087889A - 電極−膜接合体 - Google Patents

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JP2007087889A
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Nobuaki Wakabayashi
宣彰 若林
Junji Kawai
淳司 川井
Satoshi Komatsu
敏 小松
Toshitaka Otsuki
敏敬 大月
Kaoru Fukuda
薫 福田
Ryoichiro Takahashi
亮一郎 高橋
Hiroshi Shinkai
洋 新海
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Honda Motor Co Ltd
JSR Corp
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Honda Motor Co Ltd
JSR Corp
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Abstract

【課題】触媒の使用量を低減しうるとともに、発電特性に優れた膜−電極接合体を提供する。
【解決手段】 (i)芳香族系イオン交換樹脂膜と、(ii)触媒担持カーボン及び芳香族系イ
オン交換樹脂電解質とを含む触媒層と、(iii)ガス拡散層を備え、(i)芳香族系イオン交換樹脂膜の両面に(ii)触媒層が設けられ、(ii)該触媒層の表面のうち、(i)芳香族系イオン
交換樹脂膜に接する面の反対側に(iii)ガス拡散層が設けられた膜-電極接合体であって、
少なくとも片方の触媒層が貴金属触媒担持量の異なる2種以上の積層触媒層である膜−
電極接合体。
【選択図】 なし

Description

本発明は、固体高分子型燃料電池などに用いられる、電極−固体高分子膜接合体に関するものである。
固体高分子型燃料電池は、発電を担う反応の起こるアノードおよびカソードと、アノードおよびカソード間のプロトン伝導体となる高分子固体電解質膜とがセパレータで挟まれたセルをユニットとして構成されている。
上記電極は、ガス拡散の促進および集電を行う電極基材と、実際に電気化学反応場となる触媒層とから構成されている。触媒層は白金等の触媒微粒子を表面に担持させたカーボン粒子とイオン交換樹脂からなる電極電解質などにより形成される。具体にはアノードでは、触媒微粒子上で燃料ガスが反応してプロトンと電子を生じ、電子は電極基材に伝導し、プロトンは電極電解質を移動し高分子固体電解質膜へと伝導する。一方、カソードでは、触媒微粒子上で酸化ガスと、高分子固体電解質膜からカソードの電極電解質を通って伝導してきたプロトンと、電極基材から伝導してきた電子とが反応して水を生成する。
このように上記電気化学反応は触媒、電解質、及びガスの三者が共存する三相界面で起こり、上記触媒微粒子を有効に利用するためには、三相界面を形成するために電極電解質が触媒微粒子を被覆し、かつプロトン伝導が可能な程度に該電極電解質が湿潤されていることが望まれる。
ところで、従来の触媒層では上記電気化学反応時における触媒の利用率が低い傾向にあった。またガスの湿度が低い時、イオン交換樹脂の乾燥のため、触媒の利用率は更に低下する。反応効率を高めるために、高価な白金等の触媒微粒子を担持したカーボン粒子を必要以上に多く使用する必要があり、コスト的に著しく不利であった。
このため、従来のものに比べて、触媒の使用量を低減するとともに、発電特性に優れた膜−電極接合体を提供することが望まれていた。
本発明者らは、上記従来技術における問題点に鑑み鋭意検討した。その結果、(i)芳香
族系イオン交換樹脂膜の両面に(ii)触媒層が設けられ、(ii)該触媒層の表面のうち、(i)
芳香族系イオン交換樹脂膜に接する面の反対側に、(iii)ガス拡散層が設けられた膜-電極接合体であって、
少なくとも片方の触媒層が貴金属触媒担持量の異なる2種以上の積層触媒層から構成することによって、触媒の使用量を低減し、且つ低湿度のガス雰囲気下でも触媒層が適切な湿潤状態に保持され、発電特性が向上することを見出した。
2種類以上の触媒層を分布させる際には、積層内での最大の触媒担持量に対して、最小の触媒層担持量が10〜80重量%小さく、且つ芳香族系イオン交換樹脂膜に接した側の
触媒層の触媒担持量を大きくすることが好ましい。より好適には、15〜60重量%、さらに20〜40重量%小さくなるようにすることが望ましい。
またイオン交換樹脂は、耐熱性及び機械的強度向上の観点から、プロトン酸基含有芳香
族系ポリマーが用いられ、さらには下記一般式(A)で表される構造単位、および下記一般式(B)で表される構造単位を含むことを特徴とする、スルホン酸基を有するポリアリーレンであることが好ましい。
Figure 2007087889
(式中、Yは−CO−、−SO2−、−SO−、−CONH−、−COO−、−(CF2)l
−(lは1〜10の整数である)、−C(CF3)2−からなる群より選ばれた少なくとも1種の構造を示し、Zは直接結合または、−(CH2)l−(lは1〜10の整数である)、−C(CH3)2−、−O−、−S−からなる群より選ばれた少なくとも1種の構造を示し、Arは−SO3Hまたは−O(CH2)pSO3Hまたは−O(CF2)pSO3Hで表される置換基
を有する芳香族基を示す。pは1〜12の整数を示し、mは0〜10の整数を示し、nは0〜10の整数を示し、kは1〜4の整数を示す。)
Figure 2007087889
(式中、A、Dは独立に直接結合または、−CO−、−SO2−、−SO−、−CONH
−、−COO−、−(CF2)l−(lは1〜10の整数である)、−(CH2)l−(lは1〜10の整数である)、−CR’2−(R’は脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基および
ハロゲン化炭化水素基を示す)、シクロヘキシリデン基、フルオレニリデン基、−O−、−S−からなる群より選ばれた少なくとも1種の構造を示し、Bは独立に酸素原子または硫黄原子であり、R1〜R16は、互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、フッ素
原子、アルキル基、一部またはすべてがハロゲン化されたハロゲン化アルキル基、アリル基、アリール基、ニトロ基、ニトリル基からなる群より選ばれた少なくとも1種の原子または基を示す。s、tは0〜4の整数を示し、rは0または1以上の整数を示す。)
本発明によれば、触媒担持量の異なる触媒層が積層されているので、触媒の利用率の向上により同じ触媒担持量で得られる電流が向上し、且つ膜-電極接合体が低湿度でも適切
な湿潤状態に維持され、しかも十分な発電性能を発揮しうる膜-電極接合体を提供するこ
とができる。
以下、本発明に係る膜-電極接合体について詳細に説明する。
本発明に係る膜-電極接合体は、(i)芳香族系イオン交換樹脂膜と、(ii)触媒担持カーボン及び芳香族系イオン交換樹脂電解質とを含む触媒層と、(iii)ガス拡散層を備え、(i)芳香族系イオン交換樹脂膜の両面に(ii)触媒層が設けられ、(ii)該触媒層の表面のうち、(i)芳香族系イオン交換樹脂膜に接する面の反対側に、(iii)ガス拡散層が設けられた膜-電
極接合体である。
[触媒層]
まず、触媒層を構成する触媒担持カーボンと芳香族系イオン交換樹脂電解質について説明する。
・触媒担持カーボン
本発明で用いられる触媒としては、白金、パラジウム、金、ルテニウム、イリジウムなどの貴金属触媒が好ましく用いられる。また、貴金属触媒は、合金や混合物などのように、2種以上の元素が含まれるものであってもよい。
上記触媒を担持するカーボンとしては、電子伝導性と比表面積の大きさの観点から、オイルファーネスブラック、チャネルブラック、ランプブラック、サーマルブラック、アセチレンブラックなどのカーボンブラックが好ましい。
上記オイルファーネスブラックとしては、キャボット社製「バルカンXC−72」、「バルカンP」、「ブラックパールズ880」、「ブラックパールズ1100」、「ブラックパールズ1300」、「ブラックパールズ2000」、「リーガル400」、ライオン社製「ケッチェンブラックEC」、三菱化学社製「#3150、#3250」などが挙げられる。また、上記アセチレンブラックとしては、電気化学工業社製「デンカブラック」などが挙げられる。
また、上記カーボンとして、天然の黒鉛、ピッチ、コークス、ポリアクリロニトリル、フェノール樹脂、フラン樹脂などの有機化合物から得られる人工黒鉛や炭素などを用いてもよい。
上記炭素材の形態としては、粒子状のほか繊維状も用いることができる。
上記カーボンに担持される金属触媒の量としては、有効に触媒活性が発揮できる量であれば特に制限されるものではないが、通常触媒担持カーボン中の触媒含有率が、20〜70重量%の範囲で選択される。
・イオン交換樹脂
触媒層に用いられるイオン交換樹脂は、耐熱性及び機械的強度向上の観点から、プロトン酸基含有芳香族系ポリマーを用いることができ、好ましくは下記一般式(A)で表される構成単位と、下記一般式(B)で表される構成単位とを含む下記一般式(C)で表されるスルホン酸基を有するポリアリーレンである。なお、かかるイオン交換樹脂は、電極が設けられる芳香族系イオン交換樹脂膜として使用することも可能である。
<スルホン酸ユニット>
Figure 2007087889
一般式(A)において、Yは−CO−、−SO2−、−SO−、−CONH−、−CO
O−、−(CF2l−(lは1〜10の整数である)、−C(CF32−からなる群より選ばれた少なくとも1種の構造を示す。このうち、−CO−、−SO2−が好ましい。
Zは直接結合または、−(CH2)l−(lは1〜10の整数である)、−C(CH3)2−、−O−、−S−からなる群より選ばれた少なくとも1種の構造を示す。このうち直接結合、−O−が好ましい。
Arは−SO3Hまたは−O(CH2)pSO3Hまたは−O(CF2pSO3Hで表される
置換基(pは1〜12の整数を示す)を有する芳香族基を示す。
芳香族基として具体的には、フェニル基、ナフチル基、アントリル基、フェナントリル基などが挙げられる。これらの基のうち、フェニル基、ナフチル基が好ましい。−SO3
Hまたは−O(CH2pSO3Hまたは−O(CF2pSO3Hで表される置換基(pは1〜12の整数を示す)は、少なくとも1個置換されていることが必要であり、ナフチル基である場合には2個以上置換していることが好ましい。
mは0〜10、好ましくは0〜2の整数であり、nは0〜10、好ましくは0〜2の整数であり、kは1〜4の整数を示す。
m、nの値とY、Z、Arの構造についての好ましい組み合わせとして、
(1)m=0、n=0であり、Yは−CO−であり、Arが置換基として−SO3Hを有
するフェニル基である構造、
(2)m=1、n=0であり、Yは−CO−であり、Zは−O−であり、Arが置換基として−SO3Hを有するフェニル基である構造、
(3)m=1、n=1、k=1であり、Yは−CO−であり、Zは−O−であり、Arが置換基として−SO3Hを有するフェニル基である構造、
(4)m=1、n=0であり、Yは−CO−であり、Arが置換基として2個の−SO3
Hを有するナフチル基である構造、
(5)m=1、n=0であり、Yは−CO−であり、Zは−O−であり、Arが置換基として−O(CH24SO3Hを有するフェニル基である構造などを挙げることができる。
<疎水性ユニット>
Figure 2007087889
一般式(B)において、A、Dは独立に直接結合または、−CO−、−SO2−、−S
O−、−CONH−、−COO−、−(CF2l−(lは1〜10の整数である)、−(CH2l−(lは1〜10の整数である)、−CR’2−(R’は脂肪族炭化水素基、芳
香族炭化水素基およびハロゲン化炭化水素基を示す)、シクロヘキシリデン基、フルオレニリデン基、−O−、−S−からなる群より選ばれた少なくとも1種の構造を示す。ここで、−CR’2−で表される構造の具体的な例として、メチル基、エチル基、プロピル基
、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、プロピル基、オクチル基、デシル基、オクタデシル基、フェニル基、トリフルオロメチル基、などが挙げられる。
これらのうち、直接結合または、−CO−、−SO2−、−CR’2−(R’は脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基およびハロゲン化炭化水素基を示す)、シクロヘキシリデン基、フルオレニリデン基、−O−が好ましい。
Bは独立に酸素原子または硫黄原子であり、酸素原子が好ましい。
1〜R16は、互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、フッ素原子、アルキル
基、一部またはすべてがハロゲン化されたハロゲン化アルキル基、アリル基、アリール基、ニトロ基、ニトリル基からなる群より選ばれた少なくとも1種の原子または基を示す。
アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、アミル基、ヘキシ
ル基、シクロヘキシル基、オクチル基などが挙げられる。ハロゲン化アルキル基としては、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、パーフルオロプロピル基、パーフルオロブチル基、パーフルオロペンチル基、パーフルオロヘキシル基などが挙げられる。アリル基としては、プロペニル基などが挙げられ、アリール基としては、フェニル基、ペンタフルオロフェニル基などが挙げられる。
s、tは0〜4の整数を示す。rは0または1以上の整数を示し、上限は通常100、好ましくは1〜80である。
s、tの値と、A、B、D、R1〜R16の構造についての好ましい組み合わせとしては
、(1)s=1、t=1であり、Aが−CR’2−(R’は脂肪族炭化水素基、芳香族炭
化水素基およびハロゲン化炭化水素基を示す)、シクロヘキシリデン基、フルオレニリデン基であり、Bが酸素原子であり、Dが−CO−または、−SO2−であり、R1〜R16が水素原子またはフッ素原子である構造、(2)s=1、t=0であり、Bが酸素原子であり、Dが−CO−または、−SO2−であり、R1〜R16が水素原子またはフッ素原子である構造、(3)s=0、t=1であり、Aが−CR’2−(R’は脂肪族炭化水素基、芳
香族炭化水素基およびハロゲン化炭化水素基を示す)、シクロヘキシリデン基、フルオレニリデン基、Bが酸素原子であり、R1〜R16が水素原子またはフッ素原子またはニトリ
ル基である構造が挙げられる。
<ポリマー構造>
Figure 2007087889
一般式(C)において、A、B、D、Y、Z、Ar、k、m、n、r、s、tおよびR1〜R16は、それぞれ上記一般式(A)および(B)中のA、B、D、Y、Z、Ar、k
、m、n、r、s、tおよびR1〜R16と同義である。x、yはx+y=100モル%と
した場合のモル比を示す。
本発明で用いられるスルホン酸基を有するポリアリーレンは、式(A)で表される構造単位すなわちxのユニットを0.5〜100モル%、好ましくは10〜99.999モル%の割合で、式(B)で表される構造単位すなわちyのユニットを99.5〜0モル%、好ましくは90〜0.001モル%の割合で含有している。
<ポリマーの製造方法>
スルホン酸基を有するポリアリーレンの製造には、例えば下記に示すA法、B法、C法の3通りの方法を用いることができる。
(A法)例えば、特開2004−137444号公報に記載の方法で、上記一般式(A)で表される構造単位となりうるスルホン酸エステル基を有するモノマーと、上記一般式
(B)で表される構造単位となりうるモノマー、またはオリゴマーとを共重合させ、スルホン酸エステル基を有するポリアリーレンを製造し、このスルホン酸エステル基を脱エステル化して、スルホン酸エステル基をスルホン酸基に変換することにより合成することができる。
(B法)例えば、特開2001−342241に記載の方法で、上記一般式(A)で表される骨格を有しスルホン酸基、スルホン酸エステル基を有しないモノマーと、上記一般式(B)で表される構造単位となりうるモノマー、またはオリゴマーとを共重合させ、この重合体をスルホン化剤を用いて、スルホン化することにより合成することもできる。
(C法)一般式(A)において、Arが−O(CH2pSO3Hまたは−O(CF2p
SO3Hで表される置換基を有する芳香族基である場合には、例えば、特開2005−6
0625号公報に記載の方法で、上記一般式(A)で表される構造単位となりうる前駆体のモノマーと、上記一般式(B)で表される構造単位となりうるモノマー、またはオリゴマーとを共重合させ、次にアルキルスルホン酸またはフッ素置換されたアルキルスルホン酸を導入する方法で合成することもできる。
(A法)において用いることのできる、上記一般式(A)で表される構造単位となりうるスルホン酸エステル基を有するモノマーの具体的な例として、特開2004−137444号公報、特開2004−345997号公報、特開2004−346163号公報に記載されているスルホン酸エステル類を挙げることができる。
(B法)において用いることのできる、上記一般式(A)で表される構造単位となりうるスルホン酸基、またはスルホン酸エステル基を有しないモノマーの具体的な例として、特開2001−342241、特開2002−293889に記載されているジハロゲン化物を挙げることができる。
(C法)において用いることのできる、上記一般式(A)で表される構造単位となりうる前駆体のモノマーの具体的な例として、特開2005−36125号公報に記載されているジハロゲン化物を挙げることができる。
また、いずれの方法においても用いられる、上記一般式(B)で表される構造単位となりうるモノマー、またはオリゴマーの具体的な例として、
r=0の場合、例えば4,4'−ジクロロベンゾフェノン、4,4'−ジクロロベンズアニリド、2,2−ビス(4−クロロフェニル)ジフルオロメタン、2,2−ビス(4−クロロ
フェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、4−クロロ安息香酸−4−クロロフェニルエステル、ビス(4−クロロフェニル)スルホキシド、ビス(4−クロロフェニル)スルホン、2,6−ジクロロベンゾニトリルが挙げられる。これらの化合物において塩素原子が臭素原子またはヨウ素原子に置き換わった化合物などが挙げられる。
r=1の場合、例えば特開2003−113136号公報に記載の化合物を挙げることができる。
r≧2の場合、例えば特開2004−137444号公報、特開2004−244517号公報、特開2004−346146号公報、特開2005−112985号公報、特願2003−348524、特願2004−211739、特願2004−211740に記載の化合物を挙げることができる。
スルホン酸基を有するポリアリーレンを得るためは、まず、これらの、上記一般式(A)で表される構造単位となりうるモノマーと、上記一般式(B)で表される構造単位とな
りうるモノマー、またはオリゴマーとを共重合させ、前駆体のポリアリーレンを得ることが必要である。この共重合は、触媒の存在下に行われるが、この際使用される触媒は、遷移金属化合物を含む触媒系であり、この触媒系としては、(1)遷移金属塩および配位子となる化合物(以下、「配位子成分」という。)、または配位子が配位された遷移金属錯体(銅塩を含む)、ならびに(2)還元剤を必須成分とし、さらに、重合速度を上げるために、「塩」を添加してもよい。
これらの触媒成分の具体的な例、各成分の使用割合、反応溶媒、濃度、温度、時間等の重合条件としては、特開2001−342241号公報に記載の化合物を挙げることができる。
スルホン酸基を有するポリアリーレンは、この前駆体のポリアリーレンを、スルホン酸基を有するポリアリーレンに変換して得ることができる。この方法としては、下記の3通りの方法がある。
(A法)前駆体のスルホン酸エステル基を有するポリアリーレンを、特開2004−137444号公報に記載の方法で脱エステル化する方法。
(B法)前駆体のポリアリーレンを、特開2001−342241号公報に記載の方法でスルホン化する方法。
(C法)前駆体のポリアリーレンに、特開2005−60625号公報に記載の方法で、アルキルスルホン酸基を導入する方法。
上記のような方法により製造される、一般式(C)のスルホン酸基を有するポリアリーレンの、イオン交換容量は通常0.3〜5meq/g、好ましくは0.5〜3meq/g、さらに好ましくは0.8〜2.8meq/gである。0.3meq/g未満では、プロトン伝導度が低く発電性能が低い。一方、5meq/gを超えると、耐水性が大幅に低下してしまうことがある。
特に、電極触媒がアノード極の場合、アノード中のイオン交換樹脂としては、イオン交換容量1.0〜5.0meq/gを好ましく用い、カソード中のイオン交換樹脂としては
、イオン交換容量0・8〜3.0meq/gを好ましく用いる。
上記のイオン交換容量は、例えば一般式(A)で表される構造単位となりうる前駆体のモノマーと、上記一般式(B)で表される構造単位となりうるモノマー、またはオリゴマーの種類、使用割合、組み合わせを変えることにより、調整することができる。
このようにして得られるスルホン酸基を有するポリアリーレンの分子量は、ゲルパーミエションクロマトグラフィ(GPC)によるポリスチレン換算重量平均分子量で、1万〜100万、好ましくは2万〜80万である。
電極触媒層には、触媒を担持したカーボンを分散させるために、分散剤が含まれていても良い。
・分散剤
分散剤としては、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン界面活性剤などを挙げることができる。
上記アニオン界面活性剤としては、たとえば、オレイン酸・N−メチルタウリン、オレイン酸カリウム・ジエタノールアミン塩、アルキルエーテルサルフェート・トリエタノールアミン塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルサルフェート・トリエタノールアミン塩、特殊変成ポリエーテルエステル酸のアミン塩、高級脂肪酸誘導体のアミン塩、特殊変成ポリエステル酸のアミン塩、高分子量ポリエーテルエステル酸のアミン塩、特殊変成燐
酸エステルのアミン塩、高分子量ポリエステル酸アミドアミン塩、特殊脂肪酸誘導体のアミドアミン塩、高級脂肪酸のアルキルアミン塩、高分子量ポリカルボン酸のアミドアミン塩、ラウリン酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウムラウリル硫酸エステルナトリウム塩、セチル硫酸エステルナトリウム塩、ステアリル硫酸エステルナトリウム塩、オレイル硫酸エステルナトリウム塩、ラウリルエーテル硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、油溶性アルキルベンゼンスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、高級アルコールリン酸モノエステルジナトリウム塩、高級アルコールリン酸ジエステルジナトリウム塩、ジアルキルジチオリン酸亜鉛などが挙げられる。
上記カチオン界面活性剤としては、たとえば、ベンジルジメチル{2−[2−(P−1
,1,3,3−テトラメチルブチルフェノオキシ)エトキシ]エチル}アンモニウムクロ
ライド、オクタデシルアミン酢酸塩、テトラデシルアミン酢酸塩、オクタデシルトリメチルアンモニウムクロライド、牛脂トリメチルアンモニウムクロライド、ドデシルトリメチルアンモニウムクロライド、ヤシトリメチルアンモニウムクロライド、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムクロライド、ベヘニルトリメチルアンモニウムクロライド、ヤシジメチルベンジルアンモニウムクロライド、テトラデシルジメチルベンジルアンモニウムクロライド、オクタデシルジメチルベンジルアンモニウムクロライド、ジオレイルジメチルアンモニウムクロライド、1−ヒドロキシエチル−2−牛脂イミダゾリン4級塩、2−ヘプタデセニル−ヒドロキシエチルイミダゾリン、ステアラミドエチルジエチルアミン酢酸塩、ステアラミドエチルジエチルアミン塩酸塩、トリエタノールアミンモノステアレートギ酸塩、アルキルピリジウム塩、高級アルキルアミンエチレンオキサイド付加物、ポリアクリルアミドアミン塩、変成ポリアクリルアミドアミン塩、パーフルオロアルキル第4級アンモニウムヨウ化物などが挙げられる。
上記両性界面活性剤としては、たとえば、ジメチルヤシベタイン、ジメチルラウリルベタイン、ラウリルアミノエチルグリシンナトリウム、ラウリルアミノプロピオン酸ナトリウム、ステアリルジメチルベタイン、ラウリルジヒドロキシエチルベタイン、アミドベタイン、イミダゾリニウムベタイン、レシチン、3−[ω−フルオロアクカノイルーN−エ
チルアミノ]−1−プロパンスルホン酸ナトリウム、N−[3−(パーフルオロオクタンスルホンアミド)プロピル]−N,N−ジメチル−N−カルボキシメチレンアンモニウムベ
タインなどが挙げられる。
上記非イオン界面活性剤としては、たとえば、ヤシ脂肪酸ジエタノールアミド(1:2型)、ヤシ脂肪酸ジエタノールアミド(1:1型)、牛脂肪酸ジエタノールアミド(1:2型)、牛脂肪酸ジエタノールアミド(1:1型)、オレイン酸ジエタノールアミド(1:1型)、ヒドロキシエチルラウリルアミン、ポリエチレングリコールラウリルアミン、ポリエチレングリコールヤシアミン、ポリエチレングリコールステアリルアミン、ポリエチレングリコール牛脂アミン、ポリエチレングリコール牛脂プロピレンジアミン、ポリエチレングリコールジオレイルアミン、ジメチルラウリルアミンオキサイド、ジメチルステアリルアミンオキサイド、ジヒドロキシエチルラウリルアミンオキサイド、パーフルオロアルキルアミンオキサイド、ポリビニルピロリドン、高級アルコールエチレンオキサイド付加物、アルキルフェノールエチレンオキサイド付加物、脂肪酸エチレンオキサイド付加物、ポリプロピレングリコールエチレンオキサイド付加物、グリセリンの脂肪酸エステル、ペンタエリスリットの脂肪酸エステル、ソルビットの脂肪酸エステル、ソルビタンの脂肪酸エステル、砂糖の脂肪酸エステルなどが挙げられる。
上記分散剤は、1種単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらの中では、好ましくは塩基性基を有する界面活性剤であり、より好ましくはアニオン性もしくはカチオン性の界面活性剤であり、さらに好ましくは分子量5千〜3万の界面活性剤である。電極用ペースト組成物に上記分散剤を添加すると、保存安定性および流動性に優れ、
塗工時の生産性が向上する。
また電極触媒層は、必要に応じてさらに炭素繊維を含んでいてもよい。
・炭素繊維
本発明で用いられる炭素繊維としては、レーヨン系炭素繊維、PAN系炭素繊維、リグニンポバー系炭素繊維、ピッチ系炭素繊維、気相成長炭素繊維等を用いることができ、好ましくは気相成長炭素繊維が用いられる。
電極触媒層にこのような炭素繊維を含んでいると、触媒層中の細孔容積が増加するため、ガスの拡散性が向上し、また、生成する水によるフラッディングなどを改善でき、発電性能が向上する。
・イオン交換基を有しない樹脂
電極触媒層には、必要に応じてさらにイオン交換基を有しない樹脂を用いてもよい。前記有機溶媒に溶解、もしくは分散するものであれば特に限定されないが、撥水性の高い樹脂であることが好ましい。例えば含フッ素共重合体、シランカップリング剤、シリコーン樹脂、ワックス、ポリホスファゼンなどを挙げることができるが、好ましくは含フッ素共重合体である。
含フッ素共重合体としては、前記有機溶媒に溶解、あるいは分散するものであれば特に限定されないが、例えばフッ化ビニリデン系の共重合体、分子内に脂肪族環構造を有するパーフルオロカーボン重合体、含フッ素オレフィオンと炭化水素系オレフィンとの共重合体、含フッ素アクリレートとアクリレートまたは/およびメタクリレートとの共重合体などを挙げることができる。これらのイオン交換基を有しない樹脂を用いることで、触媒層中の湿潤状態を適切に維持できるため好ましい。
触媒層は触媒担持カーボンを20〜90重量%、好ましくは40〜85重量%の範囲で含有する。
本発明が触媒含有量の異なる2層以上の触媒層が積層されている。触媒含有量は、使用する触媒担持カーボン中の触媒担持量または/および含まれる触媒担持カーボン量を変えることで調整できる。
本発明では、触媒含有率の異なる電極触媒層がイオン交換樹脂膜と接触している触媒層と、その上に積層された触媒層で異なるように積層される。
積層内での最大の触媒含有率(好適には、イオン交換樹脂膜と接触する側)に対して、最小の触媒含有率が10〜80重量%小さく、且つ芳香族系イオン交換樹脂膜に接した側
の触媒層の触媒含有率が大きいことが望ましい。より好ましくは、15〜60重量、さらには20〜40重量%小さくなるようにすることが望ましい。特に、イオン交換樹脂膜側で含有率が多く、その外側では触媒含有率が少なくなるように変えておくと、プロトンを効率的にイオン交換膜に移動させることができるととともに、無駄に使用されていた担持触媒を減らすことが可能となり、さらには電気化学反応時における触媒の利用率を高めることが可能となる。
本発明では、形成された触媒層自体の単位面積当りの触媒量が、全体として0.05 〜 4.0 mg-metal/cm2、好ましい0.1 〜 2.0 mg-metal/cm2であることが望ましい。このような
触媒層であれば高い触媒活性を有する。
このため同じ単位面積あたりの触媒担持量でも、得られる電流が向上し、且つ膜-電極
接合体が低湿度でも適切な湿潤状態に維持され、しかも十分な発電性能を発揮しうる膜-
電極接合体が得られる。
また、上記イオン交換樹脂を5〜60重量%、好ましくは10〜50重量%の範囲で含有し、必要に応じて用いられる分散剤を0〜10重量%、好ましくは0〜3重量%の範囲で含有し、また、必要に応じて用いられる炭素繊維を0〜20重量%、好ましくは1〜10重量%の範囲で含有し、必要に応じて用いられるイオン交換基を有しない樹脂は0〜20重量%、好ましくは1〜10重量%で含有することが好ましい。(なお、これらの合計を100重量%とする)。
触媒担持カーボンの含有量が、上記範囲よりも低いと、電極反応率が低下することがあり、上記範囲を超えると、プロトン伝導性効率が低下する恐れがあるとともに、触媒層中に発電性能に十分な細孔容積を確保できない傾向にある。イオン交換樹脂の含有量が、上記範囲よりも低いと、プロトン伝導度が低下する傾向にあるとともに、バインダーとしての役割を果たせなくなり、電極を形成できないことがあり、上記範囲を超えると、電極中の細孔容積が減少する傾向にある。分散剤の含有量が、上記範囲内にあると保存安定性に優れた電極ペーストが得られ、また、分散性に優れた触媒層が得られる。炭素繊維が上記範囲内にあると細孔容積が適度に確保され、排水性が良好になり発電出力が向上する。イオン交換基を有しない樹脂の含有量が、上記範囲内にあると、触媒層中の湿潤状態を適切に維持でき、発電出力が向上する。
したがって、本発明の触媒層を形成するために用いられる電極ペースト組成物において、上記触媒担持カーボン、イオン交換樹脂、分散剤、炭素繊維、及びイオン交換基を有しない樹脂は、触媒層を形成したときに、上記組成となる量で配合される。
触媒層は、上記成分が有機溶媒及び必要に応じて水に分散させた電極ペーストから作製される。
有機溶剤の具体例としては、エタノール、n−プロピルアルコール、2−プロパノール、2−メチル−2−プロパノール、2−ブタノール、n−ブチルアルコール、2−メチル−1−プロパノール、1−ペンタノール、2−ペンタノール、3−ペンタノール、2−メチル−1−ブタノール、3−メチル−1−ブタノール、2−メチル−2−ブタノール、3−メチル−2−ブタノール、2,2−ジメチル−1−プロパノール、シクロヘキサノール
、1−ヘキサノール、2−メチル−1−ペンタノール、2−メチル−2−ペンタノール、4−メチル−2−ペンタノール、2−エチル−1−ブタノール、1−メチルシクロヘキサノール、2−メチルシクロヘキサノール、3−メチルシクロヘキサノール、4−メチルシクロヘキサノール、1−オクタノール、2−オクタノール、2−エチル−1−ヘキサノール、ジオキサン、ブチルエーテル、フェニルエーテル、イソペンチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、ジエトキシエタン、ビス(2−メトキシエチル)エーテル、ビス(2−エトキシエチル)エーテル、シネオール、ベンジルエチルエーテル、アニソール、フェネトール、アセタール、メチルエチルケトン、2−ペンタノン、3−ペンタノン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、2−ヘキサノン、4−メチル−2−ペンタノン、2−ヘプタノン、2,4−ジメチル−3−ペンタノン、2−オクタノン、γーブチロラクトン、
酢酸−n−ブチル、酢酸イソブチル、酢酸sec-ブチル、酢酸ペンチル、酢酸イソペンチル、3−メトキシブチルアセタート、酪酸メチル、酪酸エチル、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸ブチル、2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール、2−(メトキシメトキシ)エタノール、2−イソプロポキシエタノール、1−メトキシ−2−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール、ジメチルスルホキシド、N−メチルホルムアミド、N,
N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、テトラメチル尿素、トルエン、キシレン、ヘプタン、オクタンなどの炭化水素系有機溶媒、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセロールなどの多価アルコール系有機溶媒などを挙げることができる。
上記有機溶媒は、1種単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよいが、ポリ
マーの溶解性の観点から、好ましくは、水溶性の非プロトン性双極子有機溶媒を含有していること、より好ましくは、水溶性の非プロトン性双極子有機溶媒を10%以上含有していることが望ましい。
上記水溶性の非プロトン性双極子有機溶媒としては、たとえば、ジメチルアセアミド、ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、ジメチルスルホキシド、テトラメチル尿素、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、γ―ブチロラクトンなどが挙げられる。
上記有機溶剤の使用割合は、電極ペースト組成物中において重量比で5重量%〜95重量%、好ましくは15重量%〜90重量%であることが望ましい。有機溶剤の使用割合が、上記範囲内にあると、発電に必要な電極中の細孔容積が十分確保できる。また上記範囲にあれば、組成物がペースト状となりハンドリングに好適である。
上記電極ペースト組成物は、必要に応じて水を添加することができる。水としては、蒸留水、イオン交換水等を挙げることができる。水の添加により、電極ペースト調製時の発熱を低減する効果がある。水の使用割合は、ペースト組成中において重量日で0重量%〜70重量%、好ましくは2重量%〜30重量%である。水の使用割合が、前記範囲内であると電極ペースト作製時の発熱を効率的に低減できる。
なお、電極ペースト組成物中の触媒担持カーボンの使用割合は、重量比で1重量%〜20重量%、好ましくは3重量%〜15重量%であることが望ましい。また、組成物中のイオン交換樹脂電解質は、重量比で0.5重量%〜30重量%、好ましくは1重量%〜15重量
%であることが望ましい。触媒担持カーボンの使用割合が、前記範囲未満であると、電極反応率が低下することがある。また上記範囲より大きい場合、電極ペーストの粘度が増加し、塗工時に塗りむらが発生することがある。また、イオン伝導性ポリマーの使用割合が、上記範囲未満であると、バインダーとしての役割を果たせなくなり、電極触媒を形成できないことがある。また、上記範囲より大きい場合,触媒電極中の細孔容積が減少し、十分な発電性能が得られないことがある。
上記の電極ペースト組成物の調製方法は特に限定はされないが、たとえば、上記各成分を所定の割合で混合し、従来公知の方法で混練することにより調製することができる。各成分の混合順序は特に限定されないが、たとえば、全ての成分を混合して一定時間攪拌を行うか、分散剤以外の成分を混合して一定時間攪拌を行った後、必要に応じて分散剤を添加して一定時間攪拌を行うことが好ましい。また、必要に応じて、有機溶媒の量を調整して、組成物の粘度を調整してもよい。
(電極層の形成)
本発明に係る触媒層は、イオン交換樹脂膜の面と垂直な膜厚方向において、触媒含有率の異なる少なくとも2層以上の触媒層が分布していることを特徴とする。例えばポリテトラフルオロエチレン膜上に、ある触媒担持量になるように調製された電極ペーストを塗布し乾燥して触媒層1を形成し、イオン交換樹脂膜上にホットプレスで転写する。さらにポリテトラフルオロエチレン膜に前記とは異なる触媒担持量になるように調製された電極ペーストを塗布し乾燥して触媒層2を形成し、前記で得た触媒層1の上からホットプレスして転写する方法を挙げることができる。また、ガス拡散層として用いる撥水処理されたカーボンペーパー上に、ある触媒担持量になるように調製された電極ペーストを塗布し乾燥して触媒層3を形成した後、前記とは異なる触媒担持量になるように調製された電極ペーストを塗布し乾燥して触媒層4を形成し、再度乾燥する方法を用いてもよい。このように積層された触媒層を得た後、イオン交換樹脂膜上にホットプレスし、触媒層をイオン交換樹脂膜上に形成できる。さらには、イオン交換樹脂膜上に、ある触媒担持量になるように
調製された電極ペーストを塗布し乾燥して触媒層5を形成し、イオン交換樹脂膜上にホットプレスで転写する。前記とは異なる触媒担持量になるように調製された電極ペーストをガス拡散層として用いる撥水処理されたカーボンペーパー上に塗布し乾燥して触媒層6を形成し、前記触媒層5の上に重なるようにホットプレスし、触媒層を形成することができる。
このような異なる触媒担持量の触媒層の積層は、何回繰り返してもよいが、通常は2〜5回、好ましくは2〜4回、さらに好ましくは2〜3回繰り返し、イオン伝導膜側とガス拡散層側とで触媒層に含有される触媒担持量の異なる触媒担持カーボンを含む電極を得ることができる。
塗布された塗膜の厚さ(すなわち触媒層の厚さ)は特に制限されないが、全ての電極触媒層中に含まれる触媒の総和が、コーティングの単位面積当り、0.05〜4.0mg-metal/cm2、好ましくは0.1〜2.0mg-metal/cm2の範囲にあることが望ましい。この範囲にあれば充分に高い触媒活性が発揮されるとともに、効率的にプロトンを取り出すことができる。
また、イオン交換樹脂膜に接する触媒層の触媒量は、全触媒層の触媒量の30 〜 90%、好ましくは50〜70%とすることが望ましい。
電極ペーストの塗布方法としては、刷毛塗り、筆塗り、バーコーター塗布、ナイフコーター塗布、ドクターブレード法、スクリーン印刷、スプレー塗布などが挙げられ、他の基材(転写基材)上に塗布して触媒層をいったん形成した後、電極基材またはイオン交換樹脂膜に転写してもよい。この場合の転写基材としては、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)のシート、または表面を離型剤処理したガラス板や金属板なども用いることができる。触媒担持量の異なる触媒層で異なる塗布方法を用いることもできる。
上記電極基材としては、燃料電池に一般に用いられる電極基材、たとえば、導電性物質を主たる構成材とする多孔質導電シートなどを、特に限定されることなく用いることができる。
上記導電性物質としては、ポリアクリロニトリルからの焼成体、ピッチからの焼成体、黒鉛および膨張黒鉛などの炭素材、ステンレススチール、モリブデン、チタンなどが挙げられる。上記導電性物質の形態は、繊維状または粒子状など特に限定されないが、好ましくは繊維状導電性無機物質(無機導電性繊維)、特に好ましくは炭素繊維である。
無機導電性繊維を用いた多孔質導電シートとしては、織布または不織布いずれの構造も使用可能である。織布としては、平織、斜文織、朱子織、紋織、綴織など特に限定されることなく用いることができる。また、不織布としては、抄紙法、ニードルパンチ法、スパンボンド法、ウォータージェットパンチ法、メルトブロー法などの方法で製造されたものが、特に限定されることなく用いることができる。また、無機導電性繊維を用いた多孔質導電シートは編物であってもよい。
このような布帛として特に炭素繊維を用いる場合、耐炎化紡績糸を用いた平織物を炭化または黒鉛化した織布、耐炎化糸をニードルパンチ法やウォータージェットパンチ法などによる不織布加工をした後に炭化または黒鉛化した不織布、耐炎化糸、炭化糸または黒鉛化糸を用いた抄紙法によるマット不織布などが好ましい。たとえば、東レ製カーボンペーパー「TGPシリーズ」、「SOシリーズ」、SGLカーボン製カーボンペーパー、E−TEK社製カーボンクロスなどが好ましく用いられる。
多孔質導電シートには、導電性向上のために、補助剤としてカーボンブラックなどの導
電性粒子や、炭素繊維などの導電性繊維を添加することも好ましい。
本発明の触媒層をプロトン伝導膜上に形成する場合、公知のプロトン伝導膜であれば特に制限されるものではないが、上記イオン伝導成分含有芳香族系ポリマーからなるプロトン伝導膜上に形成することが好適である。
基材上に形成された塗膜の溶媒の除去は、乾燥温度20〜180℃、好ましくは50〜160℃、乾燥時間5〜180分、好ましくは30〜120分で行う。また、必要に応じて、水浸漬により除去することもできる。水浸漬の条件としては、水浸漬温度が5〜120℃、好ましくは15〜95℃、水浸漬時間が1分〜72時間、好ましくは5分〜48時間である。
このようにして得られる本発明の触媒層において、触媒層はいずれも細孔容積が、0.1〜3.0ml/g−触媒層、好ましくは0.2〜2.0ml/g−触媒層であることが望ましい。細孔容積が上記範囲を超えると、機械的特性が低下する傾向にあるとともに、電子伝導およびプロトン伝導経路が切断され、発電性能が低下する恐れがある。一方、細孔容積が上記範囲よりも低いと、水の排出性が悪く、発電性能が低下することがある。
[イオン交換樹脂膜]
イオン交換樹脂膜の成分としては、電極ペースト成分で述べたイオン交換樹脂を用いることができる。また、上記以外にも、公知のイオン交換樹脂を使用することもできる。
イオン交換容量としては、0.3〜5.0meq./g、好ましくは0.5〜4.0meq./gである。また、イオン交換樹脂膜を製造するには、例えば該イオン交換樹脂と電極ペースト成分で述べた有機溶媒とからなる組成物を調製し、この組成物を用いてキャスティングにより、基体上に流延し、フィルム状に成形するキャスティング法などのより、フィルムを製造する方法がある。
なお、上記組成物はイオン交換樹脂および有機溶媒以外に、硫酸、リン酸などの無機酸、カルボン酸を含む有機酸、適量の水などが含まれても良い。
組成物中のポリマー濃度は、イオン交換樹脂の分子量にもよるが、通常、5〜40重量%、好ましくは7〜25重量%である。5重量%未満では、厚膜化し難く、また、ピンホールが生成しやすくなることがある。一方、40重量%を超えると、溶液粘度が高すぎてフィルム化し難く、また、表面平滑性に欠けることがある。
組成物の溶液粘度は、共重合体の分子量や、ポリマー濃度にもよるが、通常、2,00
0〜100,000mPa・s、好ましくは3,000〜50,000mPa・sである。
2,000mPa・s未満では、加工中の溶液の滞留性が悪く、基体から流れてしまうこ
とがあり。一方、100,000mPa・sを超えると、高粘度過ぎて、ダイからの押し
出しができず、流延法によるフィルム化が困難となることがある。
組成物は、例えば上記各成分を所定の割合で混合し、従来公知の方法、例えばウエーブローター、ホモジナイザー、ディスパーサー、ペイントコンディショナー、ボールミルなどの混合機を用いて混合することにより調製することができる。
上記基体としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、触媒層などが挙げられるが、これに限定されるものではなく、通常の溶液キャスティング法に用いられる基体であれば、如何なる素材でもよく、例えばプラスチック製でも、金属製でも特に制限されるものではない。
上記キャスティング法による製膜後、30〜160℃、好ましくは50〜150℃で3〜180分、好ましくは5〜120分乾燥することにより、フィルム(プロトン伝導膜)
を得ることができる。その乾燥膜厚は、通常、10〜100μm、好ましくは20〜80μmである。乾燥後、膜中に溶媒が残存する場合は、必要に応じて、水抽出により脱溶媒することもできる。なお本発明に係るイオン交換樹脂膜には、イオン交換樹脂以外に、硫酸、リン酸などの無機酸、カルボン酸を含む有機酸、適量の水などが含まれても良い。
[膜-電極接合体の形成]
電極基材、および転写基材上に形成された電極層は、イオン交換樹脂膜上にホットプレスにより接合され、膜―電極接合体を形成する。
ホットプレス条件は、温度30℃〜200℃、好ましくは40℃〜180℃、圧力5〜300kg/cm2、好ましくは10〜180kg/cm2、時間30秒間〜60分間、好ましくは1分間〜30分間である。上記範囲内であると、電極層と膜の接合性が良好となる。
転写基材からイオン交換樹脂膜上に電極層を形成させた場合は、ガス拡散層を上記と同様のホットプレス条件により電極層と接合させ、膜―電極接合体を形成する。ガス拡散層としては、公知のものが特に制限なく使用でき、たとえば上記電極基材と同様のものが例示される。電極基材をイオン交換樹脂膜上に接合した場合は、電極基材をそのままガス拡散層として使用することができる。
[実施例]
以下、実施例に基づいて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。なお、イオン交換容量、分子量、燃料電池の作製および性能の評価は、以下のようにして行った。
1.スルホン酸当量
イオン交換樹脂膜及び電極層中のイオン交換樹脂からなる膜を作製し、所定量を秤量してTHF/水の混合溶剤に溶解したフェノールフタレインを指示薬とし、NaOHの標準液を用いて滴定を行い、中和点からイオン交換容量を求めた。
2.分子量の測定
スルホン酸基を有しないポリアリーレンの分子量は、溶剤としてテトラヒドロフラン(THF)を用い、GPCによってポリスチレン換算の分子量を求めた。スルホン酸基を有するポリアリーレンの分子量は、臭化リチウムと燐酸を添加したN−メチル−2−ピロリドン(NMP)を溶離液として用い、GPCによってポリスチレン換算の分子量を求めた。
3.燃料電池の作成及び性能の評価
後述する合成例1のポリマーからなる膜厚50μmのイオン交換樹脂膜を1枚用意し、撥水処理カーボンペーパー上に形成されたアノードおよび撥水処理カーボンペーパー上またはイオン交換樹脂膜上の何れか、あるいは両方に形成されたカソードを重ね圧力50kg/cm2下で、160℃×15minの条件でホットプレス成形して、電極接合体を作
製した。次に、作製した電極膜接合体を2枚のチタン製の集電体で挟み、さらにその外側にヒーターを配置し、有効面積25cm2の燃料電池を組み立てた。
燃料電池の温度を80℃に保ち、相対湿度100%又は40%で水素および酸素を背圧0.02MPaで供給し、燃料電池の端子電圧が0.75Vになるように負荷をかけたときの電流を測定し、電流をカソードの触媒担持量で割った値である質量比活性で電池性能の評価を行った。
〔合成例1〕(1)疎水性ユニットの合成
攪拌機、温度計、Dean-stark管、窒素導入管、冷却管をとりつけた1Lの三口フラスコ
に、4,4’−ジクロロジフェニルスルホン29.8g(104mmol)、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン37.4g(111mmol)、炭酸カリウム20.0g(145mmol)をはかりとった。窒素置換後、スルホラン168mL、トルエン84mLを加えて攪拌した。オイルバスで反応液を150℃で加熱還流させた。反応によって生成する水はDean-stark管にトラップした。3時間後、水の生成がほとんど認められなくなったところで、トルエンをDean-stark管から系外に除去した。徐々に反応温度を200℃に上げ、5時間攪拌を続けた後、4,4’−ジクロロベンゾフェノン7.5g(30mmol)を加え、さらに8時間反応させた。
反応液を放冷後、トルエン100mLを加えて希釈した。反応液に不溶の無機塩を濾過し、濾液をメタノール2Lに注いで生成物を沈殿させた。沈殿した生成物を濾過、乾燥後、テトラヒドロフラン250mLに溶解し、これをメタノール2Lに注いで再沈殿させた。沈殿した白色粉末を濾過、乾燥し、疎水性ユニット56gを得た。GPCで測定した数平均分子量(Mn)は10,500であった。得られた化合物は、式(I)で表されるオリゴマーであることを確認した。
Figure 2007087889
(2)スルホン化ポリアリーレンの合成
攪拌機、温度計、窒素導入管をとりつけた1Lの三口フラスコに、3−(2,5−ジクロロベンゾイル)ベンゼンスルホン酸ネオペンチル135.5g(338mmol)、(1)で得られたMn10,500の疎水性ユニット44.5g(4.2mmol)、ビス(トリフェニルホスフィン)ニッケルジクロリド6.71g(10.3mmol)、ヨウ化ナトリウム1.54g(10.3mmol)、トリフェニルホスフィン35.9g(136mmol)、亜鉛53.7g(820mmol)をはかりとり、乾燥窒素置換した。ここにN,N-ジメチルアセトアミド(DMAc)430mLを加え、反応温度を80℃に保持しながら3時間攪拌を続けた後、DMAc730mLを加えて希釈し、不溶物を濾過した。
得られた溶液を攪拌機、温度計、窒素導入管を取り付けた2Lの三口フラスコに入れ、115℃に加熱攪拌し、臭化リチウム44g(506mmol)を加えた。7時間攪拌後、アセトン5Lに注いで生成物を沈殿させた。ついで、1N塩酸、純水の順に洗浄後、乾燥して目的のスルホン化ポリマー124gを得た。得られた重合体の重量平均分子量(Mw)は170,000であった。得られた重合体は、式(II)で表されるスルホン化ポリマーと推定される。このポリマーのイオン交換容量は2.3meq/gであった。
Figure 2007087889
[電極ペーストAの調製]
50mlのガラス瓶に直径5mmのジルコニアボール(商品名:YTZボール、株式会社ニッカトー製)25gを入れ、白金担持カーボン粒子(Pt:46重量%担持、(田中貴金属工業株式会社製:TEC10E50E)1.51g、蒸留水0.88g、合成例1のスルホ
ン化ポリアリーレンの15重量%のN−メチル−2−ピロリドン溶液3.23g、N−メチル−2−ピロリドン15.47gの混合物をウエーブローターで10分間攪拌した後、
分散剤(商品名:DA234、楠本化成株式会社製)0.028gを加え、さらにウエーブローターで10分間攪拌し電極ペーストAを得た。
[電極ペーストBの調製]
50mlのガラス瓶に直径5mmのジルコニアボール(商品名:YTZボール、株式会社ニッカトー製)25gを入れ、白金担持カーボン粒子(Pt:32重量%担持、(田中貴金属工業株式会社製:TEC10E30E)1.15g、蒸留水0.88g、合成例1のスルホ
ン化ポリアリーレンの15重量%のN−メチル−2−ピロリドン溶液3.23g、N−メチル−2−ピロリドン15.47gの混合物をウエーブローターで10分間攪拌した後、分散剤(商品名:DA234、楠本化成株式会社製)0.028gを加え、さらにウエーブローターで120分間攪拌し電極ペーストBを得た。
[電極ペーストCの調製]
50mlのガラス瓶に直径5mmのジルコニアボール(商品名:YTZボール、株式会社ニッカトー製)25gを入れ、白金担持カーボン粒子(Pt:46重量%担持、(田中貴金属工業株式会社製:TEC10E50E)0.75g、蒸留水0.88g、合成例1で得られ
たスルホン化ポリアリーレンの15重量%のN−メチル−2−ピロリドン溶液3.23g、N−メチル−2−ピロリドン15.47gの混合物をウエーブローターで10分間攪拌した後、分散剤(商品名:DA234、楠本化成株式会社製)0.028gを加え、さらにウエーブローターで120分間攪拌し電極ペーストCを得た。
[電極ペーストDの調製]
50mlのガラス瓶に直径5mmのジルコニアボール(商品名:YTZボール、株式会社ニッカトー製)25gを入れ、白金担持カーボン粒子(Pt:46重量%担持、(田中貴金属工業株式会社製:TEC10E50E)1.41g、蒸留水0.88g、合成例1のスルホ
ン化ポリアリーレンの15重量%のN−メチル−2−ピロリドン溶液3.23g、N−メチル−2−ピロリドン15.47gの混合物をウエーブローターで10分間攪拌した後、
分散剤(商品名:DA234、楠本化成株式会社製)0.028gを加え、さらにウエーブローターで10分間攪拌し電極ペーストAを得た。
[電極ペーストEの調製]
50mlのガラス瓶に直径5mmのジルコニアボール(商品名:YTZボール、株式会社ニッカトー製)25gを入れ、白金担持カーボン粒子(Pt:46重量%担持、(田中
貴金属工業株式会社製:TEC10E50E)0.20g、蒸留水0.88g、合成例1で得られ
たスルホン化ポリアリーレンの15重量%のN−メチル−2−ピロリドン溶液3.23g、N−メチル−2−ピロリドン15.47gの混合物をウエーブローターで10分間攪拌した後、分散剤(商品名:DA234、楠本化成株式会社製)0.028gを加え、さらにウエーブローターで120分間攪拌し電極ペーストCを得た。
[アノード触媒層の製造]
撥水化処理されたカーボンペーパー(東レ製)の片面に、電極ペーストAを、ドクターブレードを用いて塗布し、120℃×60分間乾燥することで白金塗布量が0.20mg/cm2になるアノード触媒層を形成させた。
以下の全ての実施例及び比較例においてアノードは同じアノード触媒層を用いた。
[実施例1]
撥水化処理されたカーボンペーパー(東レ製)の片面に、電極ペーストBを、ドクターブレードを用いて塗布し、120℃×60分間乾燥することで1層目の触媒層を形成させ
た。さらにこの触媒層の上から電極ペーストAを、ドクターブレードを用いて2層目の触媒層として塗布し、120℃×60分間乾燥することでカソード触媒層1を形成させた。
カソード触媒層1における1層目の触媒層の白金担持量は0.16mg/cm2あった。また2層目の触媒層の白金担持量は0.25mg/cm2あった。
カソード触媒層1とアノード触媒層をイオン交換膜に接合した場合の燃料電池性能の評価結果を表1に示す。
[実施例2]
撥水化処理されたカーボンペーパー(東レ製)の片面に、電極ペーストCドクターブレ
ードを用いて塗布し、120℃×60分間乾燥することで1層目の触媒層を形成させた。
さらにこの触媒層の上から電極ペーストAを、ドクターブレードを用いて2層目の触媒層として塗布し、120℃×60分間乾燥することでカソード触媒層2を形成させた。
カソード触媒層2における1層目の触媒層の白金担持量は0.20 mg/cm2あった。ま
た2層目の触媒層の白金担持量は0.25mg/cm2あった。
カソード触媒層2とアノード触媒層をイオン交換膜に接合した場合の燃料電池性能の評価結果を表1に示す。
[比較例1]
撥水化処理されたカーボンペーパー(東レ製)の片面に、電極ペーストAを、ドクターブレードを用いて塗布し、120℃×60分間乾燥することで白金塗布量が0.50mg/cm2になるカソード触媒層3を形成させた。
カソード触媒層3とアノード触媒層をイオン交換膜に接合した場合の燃料電池性能の評価結果を表1に示す。
[比較例2]
撥水化処理されたカーボンペーパー(東レ製)の片面に、電極ペーストAを、ドクターブレードを用いて塗布し、120℃×60分間乾燥することで1層目の触媒層を形成させ
た。さらにこの触媒層の上から電極ペーストBを、ドクターブレードを用いて2層目の触媒層として塗布し、120℃×60分間乾燥することでカソード触媒層4を形成させた。
カソード触媒層4における1層目の触媒層の白金担持量は0.25mg/cm2あった。また2層目の触媒層の白金担持量は0.16mg/cm2あった。
カソード触媒層4とアノード触媒層をイオン交換膜に接合した場合の燃料電池性能の評価結果を表1に示す。
[比較例3]
撥水化処理されたカーボンペーパー(東レ製)の片面に、電極ペーストDドクターブレードを用いて塗布し、120℃×60分間乾燥することで1層目の触媒層を形成させた。
さらにこの触媒層の上から電極ペーストAを、ドクターブレードを用いて2層目の触媒層として塗布し、120℃×60分間乾燥することでカソード触媒層5を形成させた。
カソード触媒層5における1層目の触媒層の白金担持量は0.23 mg/cm2あった。ま
た2層目の触媒層の白金担持量は0.25mg/cm2あった。
カソード触媒層5とアノード触媒層をイオン交換膜に接合した場合の燃料電池性能の評価結果を表1に示す。
[比較例4]
撥水化処理されたカーボンペーパー(東レ製)の片面に、電極ペーストEドクターブレードを用いて塗布し、120℃×60分間乾燥することで1層目の触媒層を形成させた。
さらにこの触媒層の上から電極ペーストAを、ドクターブレードを用いて2層目の触媒層として塗布し、120℃×60分間乾燥することでカソード触媒層6を形成させた。
カソード触媒層6における1層目の触媒層の白金担持量は0.10 mg/cm2あった。ま
た2層目の触媒層の白金担持量は0.25mg/cm2あった。
カソード触媒層6とアノード触媒層をイオン交換膜に接合した場合の燃料電池性能の評価結果を表1に示す。
Figure 2007087889

Claims (3)

  1. (i)芳香族系イオン交換樹脂膜と、(ii)触媒担持カーボン及び芳香族系イオン交換樹脂
    電解質とを含む触媒層と、(iii)ガス拡散層を備え、(i)芳香族系イオン交換樹脂膜の両面に(ii)触媒層が設けられ、(ii)該触媒層の表面のうち、(i)芳香族系イオン交換樹脂膜に
    接する面の反対側に、(iii)ガス拡散層が設けられた膜-電極接合体であって、
    少なくとも片方の触媒層が貴金属触媒担持量の異なる2種以上の積層触媒層であること
    を特徴とする膜−電極接合体。
  2. 前記芳香族系イオン交換樹脂膜と芳香族系イオン交換樹脂電解質が、下記一般式(A)で表される構造単位、および下記一般式(B)で表される構造単位を含むことを特徴とする、スルホン酸基を有するポリアリーレンであることを特徴とする請求項1に記載の膜-
    電極接合体。
    Figure 2007087889
    (式中、Yは−CO−、−SO2−、−SO−、−CONH−、−COO−、−(CF2)l
    −(lは1〜10の整数である)、−C(CF3)2−からなる群より選ばれた少なくとも1種の構造を示し、Zは直接結合または、−(CH2)l−(lは1〜10の整数である)、−C(CH3)2−、−O−、−S−からなる群より選ばれた少なくとも1種の構造を示し、Arは−SO3Hまたは−O(CH2)pSO3Hまたは−O(CF2)pSO3Hで表される置換基
    を有する芳香族基を示す。pは1〜12の整数を示し、mは0〜10の整数を示し、nは0〜10の整数を示し、kは1〜4の整数を示す。)
    Figure 2007087889
    (式中、A、Dは独立に直接結合または、−CO−、−SO2−、−SO−、−CONH
    −、−COO−、−(CF2)l−(lは1〜10の整数である)、−(CH2)l−(lは1〜10の整数である)、−CR’2−(R’は脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基および
    ハロゲン化炭化水素基を示す)、シクロヘキシリデン基、フルオレニリデン基、−O−、−S−からなる群より選ばれた少なくとも1種の構造を示し、Bは独立に酸素原子または硫黄原子であり、R1〜R16は、互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、フッ素
    原子、アルキル基、一部またはすべてがハロゲン化されたハロゲン化アルキル基、アリル基、アリール基、ニトロ基、ニトリル基からなる群より選ばれた少なくとも1種の原子または基を示す。s、tは0〜4の整数を示し、rは0または1以上の整数を示す。)
  3. 前記触媒層において、積層内での最大の触媒担持量に対して、最小の触媒層担持量が10〜80重量%小さく、且つ芳香族系イオン交換樹脂膜に接した側の触媒層の触媒担持量
    が大きいことを特徴とする請求項1に記載の膜−電極接合体。

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009021232A (ja) * 2007-06-15 2009-01-29 Sumitomo Chemical Co Ltd 膜−電極接合体及びその製造方法、並びに固体高分子形燃料電池
JP2010080085A (ja) * 2008-09-24 2010-04-08 Toppan Printing Co Ltd 膜電極接合体及びその製造方法、固体高分子形燃料電池
JP2015185317A (ja) * 2014-03-24 2015-10-22 株式会社Screenホールディングス 触媒層形成方法および触媒層形成装置

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JP2015185317A (ja) * 2014-03-24 2015-10-22 株式会社Screenホールディングス 触媒層形成方法および触媒層形成装置

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