JP2007026774A - 触媒ペーストの製造方法 - Google Patents

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Toshitaka Otsuki
敏敬 大月
Kaoru Fukuda
薫 福田
Ryoichiro Takahashi
亮一郎 高橋
Hiroshi Shinkai
洋 新海
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Abstract

【課題】 触媒ペースト中の粒子の微小化が可能であるとともに、触媒層にピンホールやひび割れが生じることなく、良好な発電特性が得られる触媒ペーストの製造方法を提供する。
【解決手段】 触媒担持カーボン及び溶解性パラメータの範囲が7.5〜13(cal/mol)1/2、かつ-O-、-OH、-CO-、-SO-、-SO2-、-COO-、-CONR-(Rは、水素原子または炭化水素基)からなる基を少なくとも1種類以上有する有機溶剤を混合・攪拌したのち(第1工程)、
ついで、イオン伝導性芳香族系ポリマー溶液を添加し、(触媒担持カーボンおよびポリマーをあわせて)メジアン径が30〜700nmとなるように攪拌・粉砕する触媒ペーストの製造方法。
【選択図】 なし

Description

本発明は、燃料電池などを構成する触媒ペーストの製造方法に関する。
高分子電解質型燃料電池の触媒ペーストは、触媒担持カーボンを触媒体とし、これに電解質樹脂を混合して作製する。さらに、水素を含む燃料ガスの通気性と電子導電性を併せ持った、例えば撥水処理を施したカーボンペーパー等でガス拡散層を形成し、このガス拡散層上に前述したペーストを塗布して触媒層を形成して電極を作製する。この触媒層を平滑で凝集塊のないものとするためには、触媒担持カーボンの一次粒子化(30μm〜50
μm)を促進させることが重要であり、このためにはペーストを高い剪断速度で混合処理
することが必要となる。
前述した電解質樹脂は、触媒層と、ガス拡散層や高分子電解質膜との結着性を高める役割と触媒層中の反応点である三相界面でのプロトン伝導経路としての役割を担う。このペーストの作製工程で、触媒担持カーボン等の固形物の混合が不十分な場合、精製工程や塗布工程中に凝集塊が詰まってフィルター圧力が増加させ、塗工不良および触媒層にピンホールやひび割れが生じ、発電特性低下の原因となる。また、触媒と電解質樹脂と接点および電解質樹脂の連続性不足により、十分な発電特性を発揮できないことがある。そのため、触媒ペーストは、十分に攪拌して混合され、触媒ペースト中の粒子径が一次粒子径にできるだけ近づけることが発電特性向上のためには有効である。
このような触媒ペーストとしては、特開2004−193109号公報(特許文献1)には、触媒粒子とパーフルオロアルキレンスルホン酸高分子化合物溶液と孔部形成材料とからなる触媒ペーストを用いて電極触媒層を設けることが開示されている。また特開2004−311060号公報(特許文献2)には、触媒担持カーボンと、イオン交換性ポリマーの前駆体またはモノマーを混合して、触媒担持カーボン中の細孔に、前駆体またはモノマーを含浸させたのち、高分子化させたペーストが開示されている。
また、特開2003−68309号公報(特許文献3)には、触媒担持カーボンとイオン交換樹脂と分散媒を含む混合液を湿式ジェットミルで処理した後、混合液を機械式粉砕機で処理し触媒ペーストを作製することが開示されている。
さらに特開2003−59505号公報(特許文献4)には、触媒を担持する固形物を攪拌する第1工程、固形物と水素イオン伝導性を有する樹脂とを混合する第2工程とを経てペーストを製造するに際して、第1工程における攪拌の剪断速度を、第2工程における混合の剪断速度より高くすることが開示されている。
特開2004−193109号公報 特開2004−311060号公報 特開2003−68309号公報 特開2003−59505号公報
しかしながら、一般的に電解質樹脂として用いられるNafion(Dupont社製)のようなパーフルオロスルホン化ポリマーは、比較的に凝集しやすい性質があるため、高い剪断速度を負荷すると、粉砕された粒子が再凝集しやすい傾向にあり、触媒ペースト中の粒子径が一次粒子径に近づけることが困難であった。また、触媒粒子存在下に重合を行うこともあり
、効率的ではないという問題点があった。
このため、触媒ペースト中の粒子の微小化が可能であるとともに、触媒層にピンホールやひび割れが生じることなく、良好な発電特性が得られる触媒ペーストの製造方法を提供することが求められている。
本発明者らは、上記従来技術における問題点に鑑み鋭意検討した。その結果、触媒ペーストを製造する際に、触媒担持カーボンを溶解性パラメータの範囲が7.5〜13(cal/mol)1/2、かつ-O-、-OH、-CO-、-SO-、-SO2-、-COO-、-CONR-(Rは、水素原子、炭化水素基)からなる基を少なくとも1種類以上有する有機溶剤とともにあらかじめ混合・攪拌した
後、イオン伝導性芳香族系ポリマー溶液を加えて攪拌・粉砕することで、触媒ペースト中の粒子径を微小化し、触媒層にピンホールやひび割れが生じることなく、良好な発電特性が得られることを見出した。
すなわち、本発明に触媒ペーストの製造方法は以下の通りである。
(1)触媒担持カーボン及び溶解性パラメータの範囲が7.5〜13(cal/mol)1/2、かつ-O-、-OH、-CO-、-SO-、-SO2-、-COO-、-CONR-(Rは、水素原子または炭化水素基)からなる基を少なくとも1種類以上有する有機溶剤を混合・攪拌したのち(第1工程)、
ついで、イオン伝導性芳香族系ポリマー溶液を添加し、(触媒担持カーボンおよびポリマーをあわせて)メジアン径が30〜700nmとなるように攪拌・粉砕する触媒ペーストの製造方法。
(2)上記イオン伝導性芳香族系ポリマーが、スルホン酸基もしくはリン酸基からなるイオ
ン伝導成分を有するポリマーセグメント(A)と、イオン伝導成分を有しないポリマーセグメント(B)とが共有結合しているブロック共重合体である(1)の製造方法。
(3)上記イオン伝導性芳香族系ポリマーが、芳香環を結合基で共有結合させた構造を主鎖
骨格に有する(1)または(2)の製造方法。
(4)上記イオン伝導性芳香族系ポリマーが、下記一般式(A)で表される構造単位、および
下記一般式(B)で表される構造単位を含むポリアリーレンである(1)〜(3)の製造方法。
Figure 2007026774
(式中、Yは−CO−、−SO2−、−SO−、−CONH−、−COO−、−(CF2)l−(lは1〜10の整数である)、−C(CF3)2−からなる群より選ばれた少なくとも1種の構造を示し、Zは直接結合または、−(CH2)l−(lは1〜10の整数である)、−C(C
3)2−、−O−、−S−からなる群より選ばれた少なくとも1種の構造を示し、Arは
−SO3Hまたは−O(CH2)pSO3Hまたは−O(CF2)pSO3Hで表される置換基を有
する芳香族基を示す。pは1〜12の整数を示し、mは0〜10の整数を示し、nは0〜10の整数を示し、kは1〜4の整数を示す。)
Figure 2007026774
(式中、A、Dは独立に直接結合または、−CO−、−SO2−、−SO−、−CONH−、−COO−、−(CF2)l−(lは1〜10の整数である)、−(CH2)l−(lは1〜10
の整数である)、−CR’2−(R’は脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基およびハロゲ
ン化炭化水素基を示す)、シクロヘキシリデン基、フルオレニリデン基、−O−、−S−
からなる群より選ばれた少なくとも1種の構造を示し、Bは独立に酸素原子または硫黄原子であり、R1〜R16は、互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、フッ素原子、
アルキル基、一部またはすべてがハロゲン化されたハロゲン化アルキル基、アリル基、アリール基、ニトロ基、ニトリル基からなる群より選ばれた少なくとも1種の原子または基を示す。s、tは0〜4の整数を示し、rは0または1以上の整数を示す。)
(5) 前記有機溶剤を前記の各工程における全溶媒中に20重量%以上含有していることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の触媒ペーストの製造方法。
(6)(1)〜(5)の製造方法で製造されてなる触媒ペースト。
(7)(1)〜(5)の製造方法で製造された触媒ペーストから得られた触媒層。
本発明によれば、ピンホールやひび割れが生じることなく、良好な発電特性を有する触媒層を形成するために好適な触媒ペーストが提供される。
以下、本発明に係る触媒ペーストの製造方法について詳細に説明する。
本発明に係る触媒ペーストの製造方法は、触媒担持カーボン及び溶解性パラメータの範囲が7.5〜13(cal/mol)1/2、かつ-O-、-OH、-CO-、-SO-、-SO2-、-COO-、-CONR-(Rは、水素原子、炭化水素基)からなる基を少なくとも1種類以上有する有機溶剤を混合・攪
拌する第1の工程と、前記触媒担持カーボンとイオン伝導性芳香族系ポリマー溶液とを攪拌する第2の工程を経て製造される。必要に応じて、上記以外の溶媒、分散剤などが添加される。
本発明では、触媒ペースト原料として、(i)触媒担持カーボン、(ii)イオン伝導性芳香
族系ポリマー溶液、(iii) 溶解性パラメータの範囲が7.5〜13(cal/mol)1/2、かつ-O-、-OH、-CO-、-SO-、-SO2-、-COO-、-CONR-(Rは、水素原子、炭化水素基)からなる基を
少なくとも1種類以上有する有機溶剤が必須成分として使用され、(iv)分散剤、(v)炭素
繊維、(vi)水が使用される。
(触媒ペースト原料)
(i)触媒を担持したカーボン
本発明で用いられる触媒としては、白金、パラジウム、金、ルテニウム、イリジウムなどの貴金属触媒が好ましく用いられる。また、貴金属触媒は、合金や混合物などのように、2種以上の元素が含まれるものであってもよい。
上記触媒を担持するカーボンとしては、電子伝導性と比表面積の大きさの観点から、オイルファーネスブラック、チャネルブラック、ランプブラック、サーマルブラック、アセチレンブラックなどのカーボンブラックが好ましい。
上記オイルファーネスブラックとしては、キャボット社製「バルカンXC−72」、「バルカンP」、「ブラックパールズ880」、「ブラックパールズ1100」、「ブラックパールズ1300」、「ブラックパールズ2000」、「リーガル400」、ライオン社製「ケッチェンブラックEC」、三菱化学社製「#3150、#3250」などが挙げられる。また、上記アセチレンブラックとしては、電気化学工業社製「デンカブラック」などが挙げられる。
また、上記カーボンとして、天然の黒鉛、ピッチ、コークス、ポリアクリロニトリル、フェノール樹脂、フラン樹脂などの有機化合物から得られる人工黒鉛や炭素などを用いてもよい。
上記炭素材の形態としては、粒子状のほか繊維状も用いることができる。
上記カーボンに担持される金属触媒の量としては、有効に触媒活性が発揮できる量であれば特に制限されるものではないが、カーボン重量に対する金属触媒担持量が0.1〜9.0g-metal/g-carbon、好ましくは0.25〜2.4g-metal/g-carbonの範囲にあることが望ましい。
(ii)イオン伝導性芳香族系ポリマー
本発明で用いられるイオン伝導性芳香族系ポリマーは特に限定されないが、スルホン酸基もしくはリン酸基からなるイオン伝導成分を有するポリマーセグメント(A)と、プロトン伝導成分を有さないポリマーセグメント(B)とが共有結合しているブロック共重合体が好適である。より好ましくは、該共重合体を形成する主鎖骨格が、芳香環を結合基で共有結合させた構造を有するポリアリーレンである。
特に好ましくは、下記一般式(A)で表される構造単位(スルホン酸ユニット)と、下記一般式(B)で表される構造単位(疎水性ユニット)とを含む下記一般式(C)で表されるスルホン酸基を有するポリアリーレン(「スルホン化ポリアリーレン」ともいう)である。このようなポリアリーレンを使用すると、より耐熱性および機械的強度に優れた触媒層を形成することができる。
<スルホン酸ユニット>
Figure 2007026774
一般式(A)において、Yは−CO−、−SO2−、−SO−、−CONH−、−COO
−、−(CF2)l−(lは1〜10の整数である)、−C(CF3)2−からなる群より選ばれた少なくとも1種の構造を示す。このうち、−CO−、−SO2−が好ましい。
Zは直接結合または、−(CH2)l−(lは1〜10の整数である)、−C(CH3)2−、−O−、−S−からなる群より選ばれた少なくとも1種の構造を示す。このうち直接結合、−O−が好ましい。
Arは−SO3Hまたは−O(CH2)pSO3Hまたは−O(CF2)pSO3Hで表される置
換基(pは1〜12の整数を示す)を有する芳香族基を示す。
芳香族基として具体的には、フェニル基、ナフチル基、アントリル基、フェナントリル基などが挙げられる。これらの基のうち、フェニル基、ナフチル基が好ましい。−SO3
Hまたは−O(CH2)pSO3Hまたは−O(CF2)pSO3Hで表される置換基(pは1〜1
2の整数を示す)は、少なくとも1個置換されていることが必要であり、ナフチル基であ
る場合には2個以上置換していることが好ましい。
mは0〜10、好ましくは0〜2の整数であり、nは0〜10、好ましくは0〜2の整数であり、kは1〜4の整数を示す。
m、nの値とY、Z、Arの構造についての好ましい組み合わせとして、(1)m=0、n=0であり、Yは−CO−であり、Arが置換基として−SO3Hを有するフェニル基で
ある構造、(2)m=1、n=0であり、Yは−CO−であり、Zは−O−であり、Arが置換基として−SO3Hを有するフェニル基である構造、(3)m=1、n=1、k=1で
あり、Yは−CO−であり、Zは−O−であり、Arが置換基として−SO3Hを有する
フェニル基である構造、(4)m=1、n=0であり、Yは−CO−であり、Arが置換基として2個の−SO3Hを有するナフチル基である構造、(5)m=1、n=0であり、Y
は−CO−であり、Zは−O−であり、Arが置換基として−O(CH2)4SO3Hを有す
るフェニル基である構造などを挙げることができる。
<疎水性ユニット>
Figure 2007026774
一般式(B)において、A、Dは独立に直接結合または、−CO−、−SO2−、−SO
−、−CONH−、−COO−、−(CF2)l−(lは1〜10の整数である)、−(CH2)l−(lは1〜10の整数である)、−CR’2−(R’は脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基およびハロゲン化炭化水素基を示す)、シクロヘキシリデン基、フルオレニリデン基、
−O−、−S−からなる群より選ばれた少なくとも1種の構造を示す。ここで、−CR’2−で表される構造の具体的な例として、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピ
ル基、ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、プロピル基、オクチル基、デシル基、オクタデシル基、フェニル基、トリフルオロメチル基、などが挙げられる。
これらのうち、直接結合または、−CO−、−SO2−、−CR’2−(R’は脂肪族炭
化水素基、芳香族炭化水素基およびハロゲン化炭化水素基を示す)、シクロヘキシリデン
基、フルオレニリデン基、−O−が好ましい。
Bは独立に酸素原子または硫黄原子であり、酸素原子が好ましい。
1〜R16は、互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、フッ素原子、アルキル
基、一部またはすべてがハロゲン化されたハロゲン化アルキル基、アリル基、アリール基、ニトロ基、ニトリル基からなる群より選ばれた少なくとも1種の原子または基を示す。
アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、アミル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、オクチル基などが挙げられる。ハロゲン化アルキル基としては、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、パーフルオロプロピル基、パーフルオロブチル基、パーフルオロペンチル基、パーフルオロヘキシル基などが挙げられる。アリル基としては、プロペニル基などが挙げられ、アリール基としては、フェニル基、ペンタフルオロフェニル基などが挙げられる。
s、tは0〜4の整数を示す。rは0または1以上の整数を示し、上限は通常100、好ましくは1〜80である。
s、tの値と、A、B、D、R1〜R16の構造についての好ましい組み合わせとしては
、(1)s=1、t=1であり、Aが−CR’2−(R’は脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基およびハロゲン化炭化水素基を示す)、シクロヘキシリデン基、フルオレニリデン基
であり、Bが酸素原子であり、Dが−CO−または、−SO2−であり、R1〜R16が水素原子またはフッ素原子である構造、(2)s=1、t=0であり、Bが酸素原子であり、Dが−CO−または、−SO2−であり、R1〜R16が水素原子またはフッ素原子である構造、(3)s=0、t=1であり、Aが−CR’2−(R’は脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基およびハロゲン化炭化水素基を示す)、シクロヘキシリデン基、フルオレニリデン基
、Bが酸素原子であり、R1〜R16が水素原子またはフッ素原子またはニトリル基である
構造が挙げられる。
<ポリマー構造>
Figure 2007026774
一般式(C)において、A、B、D、Y、Z、Ar、k、m、n、r、s、tおよびR1
〜R16は、それぞれ上記一般式(A)および(B)中のA、B、D、Y、Z、Ar、k、m、n、r、s、tおよびR1〜R16と同義である。x、yはx+y=100モル%とした場
合のモル比を示す。
本発明で用いられるスルホン酸基を有するポリアリーレンは、式(A)で表される構造単位すなわちxのユニットを0.5〜100モル%、好ましくは10〜99.999モル%の割合で、式(B)で表される構造単位すなわちyのユニットを99.5〜0モル%、好ましくは90〜0.001モル%の割合で含有している。
<ポリマーの製造方法>
スルホン酸基を有するポリアリーレンの製造には、例えば下記に示すA法、B法、C法の3通りの方法を用いることができる。
(A法)例えば、特開2004−137444号公報に記載の方法で、上記一般式(A)で表される構造単位となりうるスルホン酸エステル基を有するモノマーと、上記一般式(B)で表される構造単位となりうるモノマー、またはオリゴマーとを共重合させ、スルホン酸エステル基を有するポリアリーレンを製造し、このスルホン酸エステル基を脱エステル化して、スルホン酸エステル基をスルホン酸基に変換することにより合成することができる。(B法)例えば、特開2001−342241号公報に記載の方法で、上記一般式(A)で表される骨格を有しスルホン酸基、スルホン酸エステル基を有しないモノマーと、上記一般式(B)で表される構造単位となりうるモノマー、またはオリゴマーとを共重合させ、この重合体をスルホン化剤を用いて、スルホン化することにより合成することもできる。
(C法)一般式(A)において、Arが−O(CH2)pSO3Hまたは−O(CF2)pSO3Hで表される置換基を有する芳香族基である場合には、例えば、特願2003−295974号
公報に記載の方法で、上記一般式(A)で表される構造単位となりうる前駆体のモノマーと、上記一般式(B)で表される構造単位となりうるモノマー、またはオリゴマーとを共重合させ、次にアルキルスルホン酸またはフッ素置換されたアルキルスルホン酸を導入する方法で合成することもできる。
(A法)において用いることのできる、上記一般式(A)で表される構造単位となりうるスルホン酸エステル基を有するモノマーの具体的な例として、特開2004−137444号公報、特開2004−345997号公報、特開2004−346163号公報に記載されているスルホン酸エステル類を挙げることができる。
(B法)において用いることのできる、上記一般式(A)で表される構造単位となりうるスルホン酸基、またはスルホン酸エステル基を有しないモノマーの具体的な例として、特開2001−342241号公報、特開2002−293889号公報に記載されているジハロゲン化物を挙げることができる。
(C法)において用いることのできる、上記一般式(A)で表される構造単位となりうる前駆体のモノマーの具体的な例として、特開2005−36125号公報に記載されているジハロゲン化物を挙げることができる。
また、いずれの方法においても用いられる、上記一般式(B)で表される構造単位となりうるモノマー、またはオリゴマーの具体的な例として、
r=0の場合、例えば4,4'−ジクロロベンゾフェノン、4,4'−ジクロロベンズアニリド、2,2−ビス(4−クロロフェニル)ジフルオロメタン、2,2−ビス(4−クロロフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、4−クロロ安息香酸−4−
クロロフェニルエステル、ビス(4−クロロフェニル)スルホキシド、ビス(4−クロロフ
ェニル)スルホン、2,6−ジクロロベンゾニトリルが挙げられる。これらの化合物にお
いて塩素原子が臭素原子またはヨウ素原子に置き換わった化合物などが挙げられる。
r=1の場合、例えば特開2003−113136号公報に記載の化合物を挙げることができる。
r≧2の場合、例えば特開2004−137444号公報、特開2004−244517号公報、特開2005−112985号公報、特願2003−348523、特願2003−348524、特願2004−211739、特願2004−211740に記載の化合物を挙げることができる。
スルホン酸基を有するポリアリーレンを得るためは、まず、これらの上記一般式(A)で表される構造単位となりうるモノマーと、上記一般式(B)で表される構造単位となりうるモノマー、またはオリゴマーとを共重合させ、前駆体のポリアリーレンを得ることが必要である。この共重合は、触媒の存在下に行われるが、この際使用される触媒は、遷移金属化合物を含む触媒系であり、この触媒系としては、(1)遷移金属塩および配位子となる化合物(以下、「配位子成分」という。)、または配位子が配位された遷移金属錯体(銅塩を
含む)、ならびに(2)還元剤を必須成分とし、さらに、重合速度を上げるために、「塩」
を添加してもよい。
これらの触媒成分の具体的な例、各成分の使用割合、反応溶媒、濃度、温度、時間等の重合条件としては、特開2001−342241号公報に記載の化合物を挙げることができる。
スルホン酸基を有するポリアリーレンは、この前駆体のポリアリーレンを、スルホン酸基を有するポリアリーレンに変換して得ることができる。この方法としては、下記の3通りの方法がある。
(A法)前駆体のスルホン酸エステル基を有するポリアリーレンを、特開2004−137444号公報に記載の方法で脱エステル化する方法。
(B法)前駆体のポリアリーレンを、特開2001−342241号公報に記載の方法でスルホン化する方法。
(C法)前駆体のポリアリーレンに、特開2005−60625号公報に記載の方法で、アルキルスルホン酸基を導入する方法。
上記のような方法により製造される、一般式(C)のスルホン酸基を有するポリアリーレンの、イオン交換容量は通常0.3〜5meq/g、好ましくは0.5〜3meq/g、さらに好ましくは0.8〜2.8meq/gである。0.3meq/g未満では、プロトン伝導度が低く発電性能が低い。一方、5meq/gを超えると、耐水性が大幅に低下してしまうことがある。
上記のイオン交換容量は、例えば一般式(A)で表される構造単位となりうる前駆体のモノマーと、上記一般式(B)で表される構造単位となりうるモノマー、またはオリゴマーの種類、使用割合、組み合わせを変えることにより、調整することができる。
このようにして得られるスルホン酸基を有するポリアリーレンの分子量は、ゲルパーミエションクロマトグラフィ(GPC)によるポリスチレン換算重量平均分子量で、1万〜100万、好ましくは2万〜80万である。
(iii)有機溶剤
本発明の第一工程で用いられる有機溶剤としては、溶解性パラメータの範囲が7.5〜13(cal/mol)1/2、かつ-O-、-OH、-CO-、-SO-、-SO2-、-COO-、-CONR-(Rは、水素原子、炭化水素基)からなる基を少なくとも1種類以上有する有機溶剤を含有することを特徴とする。
このような有機溶剤としては、エタノール(bp.78.3、δ 12.92)、n−プロピルアルコール(bp.97、δ11.97)、2−プロパノール(bp.82.4、δ11.50 )、2−メチル−2−プロパノール(bp.82.5、δ11.11)、2−ブタノール(bp.99.5、δ11.11*)、n−ブチルアルコール(bp.117℃、δ 11.30)、2−メチル−1−プロパノール(bp.108℃、δ 11.11*
)、1−ペンタノール(bp.138℃、δ 10.96*)、2−ペンタノール(bp.119℃、δ 10.77*)、3−ペンタノール(bp.115℃、δ 10.77*)、2−メチル−1−ブタノール(bp.129℃、δ 10.77*)、3−メチル−1−ブタノール(bp.131℃、δ 10.77*)、2−メチル−2−ブタノール(bp.102℃、δ 10.58*)、3−メチル−2−ブタノール(bp.112℃、δ 10.
58*)、2,2−ジメチル1−プロパノール(bp.113℃、δ 10.58*)、シクロヘキサノール(bp.161℃、δ 12.44*)、1−ヘキサノール(bp.157℃、δ 10.68*)、2−メチル−1−ペンタノール(bp.148℃、δ 10.5
1*)、2−メチル−2−ペンタノール(bp.121℃、δ 10.34*)、4−メチ
ル−2−ペンタノール(bp.132℃、δ 10.34*)、2−エチル−1−ブタノール(bp.147℃、δ 10.51*)、1−メチルシクロヘキサノール(bp.156、δ 11.76*)、2−メチルシクロヘキサノール(bp.168℃、δ 11.74*)、3−メチルシクロヘキサノール(bp.168℃、δ 11.74*)、4−メチルシクロヘキサノール(bp.171℃、δ 11.74*)、1−オクタノール(bp.195℃、δ 10.28*)、2−オクタノール(bp.180℃、δ 10.14*)、2−エチル−1−ヘキサノール(bp.184℃、δ 10.14*)、ジオキサン(bp.101℃、δ 10.0)、ブチルエーテル(bp.140℃、δ 7.78*)、フェニル
エーテル(bp.187℃、δ 12.16)、イソペンチルエーテル(bp.173℃
、δ 7.63*)、1,2−ジメトキシエタン(bp.85.2、δ7.63 *)、ジエ
トキシエタン(bp.102℃、δ 7.63*)、ビス(2−メトキシエチル)エーテル(bp.160℃、δ 8.10*)、ビス(2−エトキシエチル)エーテル(bp.189℃、δ 8.19*)、シネオール(bp.176℃、δ 8.97*)、ベンジルエチルエーテル(bp.185℃、δ 9.20*)、アニソール(bp.154℃、δ 9.3
8*)、フェネトール(bp.170℃、δ 9.27*)、アセタール(bp.104℃
、δ 7.65*)、メチルエチルケトン(bp.79.6、δ 9.27)、2−ペンタノン(bp.102℃、δ 8.30*)、3−ペンタノン(bp.102℃、δ 8.30*)、シクロペンタノン(bp.131℃、δ 12.81*)、シクロヘキサノン(bp.156℃、δ 9.88)、2−ヘキサノン(bp.128℃、δ 8.84*)、4−メ
チル−2−ペンタノン(bp.117℃、δ 8.68*)、2−ヘプタノン(bp.151℃、δ 8.84*)、2,4−ジメチル−3−ペンタノン(bp.125℃、δ 8.49)、2−オクタノン(bp.173℃、δ 8.81*)、γーブチロラクトン(bp.
204、δ 12.78)、酢酸−n−ブチル(bp.126℃、δ 8.46)、酢酸イソブチル(bp.126℃、δ 8.42)、酢酸sec-ブチル(bp.112℃、δ 8.51*)、酢酸ペンチル(bp.150℃、δ 8.69*)、酢酸イソペンチル(bp.
142℃、δ 8.52*)、3−メトキシブチルアセタート(bp.173℃、δ 8.
52*)、酪酸メチル(bp.102℃、δ 8.72*)、酪酸エチル(bp.121℃
、δ 8.70*)、乳酸メチル(bp.145℃、δ 12.42*)、乳酸エチル(bp.155℃、δ 10.57)、乳酸ブチル(bp.185℃、δ 11.26*)、2−
メトキシエタノール(bp.125℃、δ 11.98*)、2−エトキシエタノール(bp.136℃、δ 11.47*)、2−(メトキシメトキシ)エタノール(bp.168℃、δ 11.60*)、2−イソプロポキシエタノール(bp.142℃、δ 10.9
2*)、1−メトキシ−2−プロパノール(bp.120℃、δ 11.27*)、1−エ
トキシ−2−プロパノール(bp.132℃、δ 10.92*)、ジメチルスルホキシド(bp.189℃、δ 12.93)、N−メチルホルムアミド(bp.185℃、δ 12.93)、N,N−ジメチルホルムアミド(bp.153℃、δ 12.14)、N,N
−ジエチルホルムアミド(bp.178℃、δ 10.07*)、N,N−ジメチルアセト
アミド(bp.166℃、δ 11.12)、N−メチル−2−ピロリドン(bp.202、δ11.17 )、テトラメチル尿素(bp.177.5、δ 10.6)などを挙げる
ことができ、これらは1種類以上を組み合わせて用いることもできる。
なお、上記例示中δは溶解性パラメータの値((cal/mol)1/2)を示し、数値の後に「*」を付した値は、Fedorsの計算値(R.F Fedors, Polym. Eng. Sci., 14(2)147(1974)参照)である。
本発明では、上記有機溶剤を単独で使用してもよいが、前記溶剤が第1工程での全溶媒中に20重量%以上含有することが好ましい。より好ましくは30重量%以上含有することである。有機溶剤として、上記溶剤を用いると、触媒担持カーボンが前記有機溶媒に十分に均一に濡れ、第2工程でのイオン伝導性炭化水素系ポリマー溶液添加時の溶解性を損なわず、かつ触媒担持カーボンへのポリマーの被覆性が良好となることで、粒子凝集が抑制できると共に、粒子の微細化ができる。また、電極中の細孔容積が十分に確保できるため、燃料ガスや酸素ガスの拡散性が向上し、また、生成する水によるフラッディング等を改善でき、発電性能が向上する。また、溶解性パラメータが上記範囲外であると、イオン伝導性炭化水素系ポリマーの溶解性が低下し、触媒を担持したカーボンへのイオン伝導性炭化水素系ポリマーの被覆が過剰となり、電極中の細孔が閉塞する傾向にあり、粒子の微細化も困難となる。
なお、含まれていても良い、他の溶媒としては(後述する水のほか、トルエン、キシレン、ヘプタン、オクタンなど炭化水素系有機溶媒、エチレングリコール、プロピレングリ
コール、グリセロールなどの多価アルコール系有機溶媒などが挙げられる。
また、第2工程で用いられるイオン伝導性炭化水素系ポリマー溶液作製に用いられる溶媒としては、ポリマーが均一に溶解、もしくは分散していれば特に限定されないが、上記有機溶剤が好ましく用いられる。後述する水の他、上記有機溶剤を2種類以上混合しても用いることができる。また、前記と同様の理由で電極ペースト中の全溶媒中に前記有機溶剤が20重量%以上含有することが好ましい。より好ましくは30重量%以上含有することである。
(iv)分散剤
本発明で用いられる触媒ペースト組成物には、必要に応じてさらに分散剤を添加してもよい。このような分散剤としては、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン界面活性剤などを挙げることができる。
上記アニオン界面活性剤としては、たとえば、オレイン酸・N−メチルタウリン、オレイン酸カリウム・ジエタノールアミン塩、アルキルエーテルサルフェート・トリエタノールアミン塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルサルフェート・トリエタノールアミン塩、特殊変成ポリエーテルエステル酸のアミン塩、高級脂肪酸誘導体のアミン塩、特殊変成ポリエステル酸のアミン塩、高分子量ポリエーテルエステル酸のアミン塩、特殊変成燐酸エステルのアミン塩、高分子量ポリエステル酸アミドアミン塩、特殊脂肪酸誘導体のアミドアミン塩、高級脂肪酸のアルキルアミン塩、高分子量ポリカルボン酸のアミドアミン塩、ラウリン酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウムラウリル硫酸エステルナトリウム塩、セチル硫酸エステルナトリウム塩、ステアリル硫酸エステルナトリウム塩、オレイル硫酸エステルナトリウム塩、ラウリルエーテル硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、油溶性アルキルベンゼンスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、高級アルコールリン酸モノエステルジナトリウム塩、高級アルコールリン酸ジエステルジナトリウム塩、ジアルキルジチオリン酸亜鉛などが挙げられる。
上記カチオン界面活性剤としては、たとえば、ベンジルジメチル{2−[2−(P−1,1,3,3−テトラメチルブチルフェノオキシ)エトキシ]エチル}アンモニウムクロライド、オクタデシルアミン酢酸塩、テトラデシルアミン酢酸塩、オクタデシルトリメチルアンモニウムクロライド、牛脂トリメチルアンモニウムクロライド、ドデシルトリメチルアンモニウムクロライド、ヤシトリメチルアンモニウムクロライド、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムクロライド、ベヘニルトリメチルアンモニウムクロライド、ヤシジメチルベンジルアンモニウムクロライド、テトラデシルジメチルベンジルアンモニウムクロライド、オクタデシルジメチルベンジルアンモニウムクロライド、ジオレイルジメチルアンモニウムクロライド、1−ヒドロキシエチル−2−牛脂イミダゾリン4級塩、2−ヘプタデセニル−ヒドロキシエチルイミダゾリン、ステアラミドエチルジエチルアミン酢酸塩、ステアラミドエチルジエチルアミン塩酸塩、トリエタノールアミンモノステアレートギ酸塩、アルキルピリジウム塩、高級アルキルアミンエチレンオキサイド付加物、ポリアクリルアミドアミン塩、変成ポリアクリルアミドアミン塩、パーフルオロアルキル第4級アンモニウムヨウ化物などが挙げられる。
上記両性界面活性剤としては、たとえば、ジメチルヤシベタイン、ジメチルラウリルベタイン、ラウリルアミノエチルグリシンナトリウム、ラウリルアミノプロピオン酸ナトリウム、ステアリルジメチルベタイン、ラウリルジヒドロキシエチルベタイン、アミドベタイン、イミダゾリニウムベタイン、レシチン、3−[ω−フルオロアクカノイル−N−エ
チルアミノ]−1−プロパンスルホン酸ナトリウム、N−[3−(パーフルオロオクタンス
ルホンアミド)プロピル]−N,N−ジメチル−N−カルボキシメチレンアンモニウムベタインなどが挙げられる。
上記非イオン界面活性剤としては、たとえば、ヤシ脂肪酸ジエタノールアミド(1:2
型)、ヤシ脂肪酸ジエタノールアミド(1:1型)、牛脂肪酸ジエタノールアミド(1:2型)、牛脂肪酸ジエタノールアミド(1:1型)、オレイン酸ジエタノールアミド(1:1型)
、ヒドロキシエチルラウリルアミン、ポリエチレングリコールラウリルアミン、ポリエチレングリコールヤシアミン、ポリエチレングリコールステアリルアミン、ポリエチレングリコール牛脂アミン、ポリエチレングリコール牛脂プロピレンジアミン、ポリエチレングリコールジオレイルアミン、ジメチルラウリルアミンオキサイド、ジメチルステアリルアミンオキサイド、ジヒドロキシエチルラウリルアミンオキサイド、パーフルオロアルキルアミンオキサイド、ポリビニルピロリドン、高級アルコールエチレンオキサイド付加物、アルキルフェノールエチレンオキサイド付加物、脂肪酸エチレンオキサイド付加物、ポリプロピレングリコールエチレンオキサイド付加物、グリセリンの脂肪酸エステル、ペンタエリスリットの脂肪酸エステル、ソルビットの脂肪酸エステル、ソルビタンの脂肪酸エステル、砂糖の脂肪酸エステルなどが挙げられる。
上記分散剤は、1種単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらの中では、好ましくは塩基性基を有する界面活性剤であり、より好ましくはアニオン性もしくはカチオン性の界面活性剤であり、さらに好ましくは分子量5千〜3万の界面活性剤である。電極用ペースト組成物に上記分散剤を添加すると、保存安定性および流動性に優れ、塗工時の生産性が向上する。
(v)炭素繊維
本発明で用いられる触媒ペースト組成物には、必要に応じてさらに炭素繊維を添加してもよい。このような炭素繊維しては、レーヨン系炭素繊維、PAN系炭素繊維、リグニンポバー系炭素繊維、ピッチ系炭素繊維、気相成長炭素繊維などを用いることができ、これらの中では気相成長炭素繊維が好ましい。
触媒ペースト組成物にこのような炭素繊維をさらに添加すると、触媒層中の細孔容積が増加するため、燃料ガスや酸素ガスの拡散性が向上し、また、生成する水によるフラッディングなどを改善でき、発電性能が向上する。
(vi)水
本発明に係る電極用ペースト組成物では、必要に応じてさらに水を添加することができる。
電極用ペースト組成物に水をさらに添加すると、電極用ペースト作製時の発熱を低減する効果がある。
[触媒ペーストの製造方法]
本発明では、まず、触媒担持カーボン及び溶解性パラメータの範囲が7.5〜13(cal/mol)1/2、かつ-O-、-OH、-CO-、-SO-、-SO2-、-COO-、-CONR-(Rは、水素原子、炭化水素基)からなる基を少なくとも1種類以上有する有機溶剤を混合・攪拌したのち(第1工程)

ついで、触媒担持カーボン分散液にイオン伝導性芳香族系ポリマー溶液を添加し、さらに攪拌・粉砕する(第2工程)。
上記の各工程で使用される、混合・攪拌・粉砕方式としては、従来公知のものを特に制限なく採用することができる。攪拌方式としては、例えば、ディゾルバー、ペイントシェーカー、遊星ボールミル、ボールミル、サンドグライダー、ビスコミル、レディーミル、超音波、ブレンダーミル、及びホモジナイザーなどを用いることができる。好ましくは、ペイントシェーカー、遊星ボールミル、サンドグライダー、ビスコミル、及びレディーミルである。
第1工程は、触媒担持カーボンを前記イオン伝導性芳香族系ポリマーに対する溶解性及び濡れ性の高い溶解性パラメータの範囲が7.5〜13(cal/mol)1/2、かつ-O-、-OH、-CO-、-SO-、-SO2-、-COO-、-CONR-(Rは、水素原子、炭化水素基)からなる基を少なくとも
1種類以上有する有機溶剤に均一に十分に濡れさせる工程である。この第1工程を行うことによって、第2工程で前記イオン伝導性芳香族系ポリマー溶液が、その溶解性が損なわれることなく、触媒担持カーボンと均一に混合及び触媒担持カーボンに均一に被覆できるため、粒子凝集が抑制される。
第1工程での固形分濃度は、3重量%〜80重量%であることが好ましく、より好ましくは、5重量%〜70重量%、さらに好ましくは10重量%〜60重量%である。また、攪拌時間は30秒〜60分間であることが好ましく、1分間〜30分間であることがより好ましい。
かかる溶媒量を調整すれば、組成物の粘度を調整することも可能である。
第2工程は、前記触媒担持カーボンと前記イオン伝導性芳香族系ポリマー溶液とを攪拌する工程である。第2工程においても前記触媒担持カーボン及び前記イオン伝導性芳香族系ポリマー溶液以外の前記何れの成分を添加して良い。また、攪拌時間は5分間〜180分間であることが好ましく、10分間〜60分間であることがより好ましい。
上記範囲未満であると、粒子径の微小化が不十分であり発電特性が十分に向上しないことがある。一方、上記範囲を超えると粒子の再凝集が起こることがある。
第1工程での混合・攪拌は、触媒担持カーボンが前記イオン伝導性芳香族系ポリマーに対する溶解性及び濡れ性の高い溶解性パラメータの範囲が7.5〜13(cal/mol)1/2、かつ-O-、-OH、-CO-、-SO-、-SO2-、-COO-、-CONR-(Rは、水素原子、炭化水素基)からなる
基を少なくとも1種類以上有する有機溶剤に均一に十分に濡れていればよく、この時点でのペースト中の粒子のメジアン径は特に限定されない。
第2工程で攪拌・粉砕して得られたペースト中の粒子(触媒担持カーボンとイオン伝導性芳香族系ポリマーをあわせて)のメジアン径が30〜700nm、望ましくは30〜200nmであることが好ましい。メジアン径が上記範囲内であると、電極電解質樹脂と触媒との接点が増加し、また電極電解質樹脂の連続性も確保される傾向にあるため、発電特性が向上する。
なお、本発明では平均粒子径(メジアン径)の測定は、動的光散乱装置(LB-500、堀場製作所製)で評価する。
また、本発明のようにあらかじめ、触媒担持カーボンをイオン伝導性芳香族系ポリマーに対する溶解性及び濡れ性の高い有機溶媒を含む溶媒に均一に濡れさせた後、イオン伝導性芳香族系ポリマー溶液を混合して攪拌すれば、粒子にイオン伝導性芳香族系ポリマーを均一に被覆することができ、また、イオン伝導性芳香族系ポリマー添加時に粒子凝集することもなく、一次粒子径に近づけることが可能である。このため触媒層にピンホールやひび割れが生じることなく、良好な発電特性が得られる。
特に本発明で使用される上記式で表される芳香族系ポリマーは、粉砕された粒子を再凝集させることもないので好適である。
(触媒ペースト組成)
本発明で調製される触媒ペーストは、固形分と溶媒成分とからなる。
固形分中に、上記触媒担持カーボンを20〜90重量%、好ましくは40〜85重量%の範囲で含有し、上記イオン伝導性芳香族系ポリマーを5〜60重量%、好ましくは10
〜50重量%の範囲で含有し、必要に応じて用いられる分散剤を0〜10重量%、好ましくは0〜3重量%の範囲で含有し、また、必要に応じて用いられる炭素繊維を0〜20重量%、好ましくは1〜10重量%で含有することが好ましい。(なお、これらの合計を1
00重量%とする)。
触媒担持カーボンの含有量が、上記範囲よりも低いと、電極反応率が低下することがあり、上記範囲を超えると、プロトン伝導性効率が低下する恐れがある。イオン伝導性芳香族系ポリマーの含有量が、上記範囲よりも低いと、プロトン伝導度が低下する傾向にあるとともに、バインダーとしての役割を果たせなくなり、電極を形成できないことがあり、上記範囲を超えると、電極中の細孔容積が減少する傾向にある。分散剤の含有量が、上記範囲内にあると保存安定性に優れた電極触媒ペーストが得られ、また、分散性に優れた電極触媒層が得られる。炭素繊維が上記範囲内にあると細孔容積が適度に確保され、排水性が良好になり発電出力が向上する。
したがって、本発明の触媒ペースト組成物を調製する場合、触媒担持カーボン、イオン伝導性芳香族系ポリマー、分散剤及び炭素繊維が、最終的に上記組成となる量で配合される。この配合比が、実質的に触媒層の組成となる。
また、上記電極触媒ペースト組成物を調製する際に用いられる溶媒の使用量は、該ペースト組成物全体を100重量%とした場合、10〜95重量%、好ましくは20〜90重量%である。また、溶媒の使用量が、上記範囲内にあると、組成物がペースト状となりハンドリングに好適である。水の使用量が、上記範囲内にあると触媒ペースト調製時の発熱を効率的に低減できる
なお、前記第1および第2工程後に、新たに溶媒を添加して濃度調整を行ってもよく、また、蒸散などの処理により濃縮をおこなってもよい。
また、前記溶解性パラメータの範囲が7.5〜13(cal/mol)1/2、かつ-O-、-OH、-CO-、-SO-、-SO2-、-COO-、-CONR-(Rは、水素原子、炭化水素基)からなる基を少なくとも1種
類以上有する有機溶剤を全溶媒中に20重量%以上含有していることが好ましい。
(触媒層の形成)
本発明の触媒層は、上記電極触媒ペースト組成物を、電極基材、転写基材またはプロトン伝導膜上に塗布し、乾燥することにより形成される。
上記組成物の塗布方法としては、刷毛塗り、筆塗り、バーコーター塗布、ナイフコーター塗布、ドクターブレード法、スクリーン印刷、スプレー塗布などが挙げられ、他の基材(転写基材)上に塗布して電極触媒層をいったん形成した後、電極基材またはプロトン伝導膜に転写してもよい。この場合の転写基材としては、ポリテトラフルオロエチレン(PT
FE)のシート、または表面を離型剤処理したガラス板や金属板なども用いることができ
る。
上記電極基材としては、燃料電池に一般に用いられる電極基材、たとえば、導電性物質を主たる構成材とする多孔質導電シートなどを、特に限定されることなく用いることができる。
上記導電性物質としては、ポリアクリロニトリルからの焼成体、ピッチからの焼成体、黒鉛および膨張黒鉛などの炭素材、ステンレススチール、モリブデン、チタンなどが挙げられる。上記導電性物質の形態は、繊維状または粒子状など特に限定されないが、好ましくは繊維状導電性無機物質(無機導電性繊維)、特に好ましくは炭素繊維である。
無機導電性繊維を用いた多孔質導電シートとしては、織布または不織布いずれの構造も使用可能である。織布としては、平織、斜文織、朱子織、紋織、綴織など特に限定される
ことなく用いることができる。また、不織布としては、抄紙法、ニードルパンチ法、スパンボンド法、ウォータージェットパンチ法、メルトブロー法などの方法で製造されたものが、特に限定されることなく用いることができる。また、無機導電性繊維を用いた多孔質導電シートは編物であってもよい。
このような布帛として特に炭素繊維を用いる場合、耐炎化紡績糸を用いた平織物を炭化または黒鉛化した織布、耐炎化糸をニードルパンチ法やウォータージェットパンチ法などによる不織布加工をした後に炭化または黒鉛化した不織布、耐炎化糸、炭化糸または黒鉛化糸を用いた抄紙法によるマット不織布などが好ましい。たとえば、東レ製カーボンペーパー「TGPシリーズ」、「SOシリーズ」、E−TEK社製カーボンクロスなどが好ましく用いられる。
多孔質導電シートには、導電性向上のために、補助剤としてカーボンブラックなどの導電性粒子や、炭素繊維などの導電性繊維を添加することも好ましい。
本発明の電極触媒層をプロトン伝導膜上に形成する場合、公知のプロトン伝導膜であれば特に制限されるものではないが、上記スルホン酸基を有するポリアリーレンからなるプロトン伝導膜上に形成することが好適である。
塗布された塗膜の厚さ(すなわち電極触媒層の厚さ)は特に制限されないが、触媒として担持された金属が、コーティングの単位面積当り、0.05〜4.0mg/cm2、好ましくは0.1〜2.0mg/cm2の範囲にあることが望ましい。この範囲にあれば充分に高い触媒活性が発揮されるとともに、効率的にプロトンを取り出すことができる。
基材上に形成された塗膜の溶媒の除去は、乾燥温度20〜180℃、好ましくは50〜160℃、乾燥時間5〜180分、好ましくは30〜120分で行う。また、必要に応じて、水浸漬により除去することもできる。水浸漬の条件としては、水浸漬温度が5〜120℃、好ましくは15〜95℃、水浸漬時間が1分〜72時間、好ましくは5分〜48時間である。
このようにして得られる本発明の触媒層の細孔容積は、0.1〜2.0ml/g−電極触媒層、好ましくは0.2〜1.0ml/g−電極触媒層、より好ましくは0.5〜1.0ml/g−電極触媒層である。細孔容積が上記範囲を超えると、機械的特性が低下する傾向にあるとともに、電子伝導およびプロトン伝導経路が切断され、発電性能が低下する恐れがある。一方、細孔容積が上記範囲よりも低いと、水の排出性が悪く、発電性能が低下することがある。
[実施例]
以下、実施例に基づいて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。なお、スルホン酸当量、分子量、触媒ペーストのメジアン径の測定、電極のピンホール及びひび割れ評価、ならびに、燃料電池の作製および性能の評価は、以下のようにして行った。
1.スルホン酸当量
得られたスルホン化ポリマーの水洗水が中性になるまで洗浄し、フリーに残存している酸を充分に除去して乾燥した後、所定量を秤量し、THF/水の混合溶剤に溶解したフェノールフタレインを指示薬とし、NaOHの標準液を用いて滴定を行い、中和点からスルホン酸当量を求めた。
2.分子量の測定
スルホン酸基を有しないポリアリーレンの分子量は、溶剤としてテトラヒドロフラン(
THF)を用い、GPCによってポリスチレン換算の分子量を求めた。スルホン酸基を有
するポリアリーレンの分子量は、臭化リチウムと燐酸を添加したN−メチル−2−ピロリ
ドン(NMP)を溶離液として用い、GPCによってポリスチレン換算の分子量を求めた。3.触媒ペーストのメジアン径の測定
触媒ペーストを石英セルに添加し、動的光散乱装置(LB-500、堀場製作所製)により
、触媒ペースト中の粒子のメジアン径を測定した。
4.電極のピンホール及びひび割れ評価
電極を二値化処理し、一定面積に存在する電極中のピンホール及びひび割れ面積を全体の面積に対する占有率で評価した。
5.燃料電池の作製および性能の評価
合成例1のポリマーからなる膜厚50μmの膜を1枚用意し、これを2枚の撥水処理カーボンペーパー上に形成された触媒層で挟み、圧力100kg/cm2下、160℃×1
5minの条件でポットプレス成形して膜−電極接合体を作製した。次に、作製した膜−電極接合体を2枚のチタン製の集電体で挟み、さらにその外側にヒーターを配置し、有効面積25cm2の評価用燃料電池を作製した。
このようにして作製した燃料電池の温度を80℃に保ち、湿度100%RHで水素および酸素を2気圧で供給し、電流密度0.1A/cm2および1.0A/cm2のときの端子間電圧を測定した。
〔合成例1〕
(1)疎水性ユニットの合成
攪拌機、温度計、Dean-stark管、窒素導入管、冷却管を取り付けた1Lの三口フラスコに、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン20.2g(60.2mmol)、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン18.1g(51.6mmol)、4,4'−ジクロロジフェニルスルホン29.6g(103mmol)、炭酸カリウム20.1g(145mmol)をはかりとった。窒素置換
後、スルホラン170ml、トルエン85mlを加えて攪拌し、オイルバスで反応液を150℃で加熱還流させた。反応によって生成する水はDean-stark管にトラップした。3時間後、水の生成がほとんど認められなくなったところで、トルエンをDean-stark管から系外に除去した。徐々に反応温度を200℃に上げ、5時間攪拌を続けた後、4,4'−ジ
クロロベンゾフェノン10.8g(43mmol)を加え、さらに8時間反応させた。
反応液を放冷後、トルエン100mLを加えて希釈した。反応液に不溶の無機塩をろ過し、ろ液をメタノール2Lに注いで生成物を沈殿させた。沈殿した生成物をろ過、乾燥後、テトラヒドロフラン250mLに溶解し、これをメタノール2Lに注いで再沈殿させた。沈殿した白色粉末をろ過、乾燥し、疎水性ユニット56.5gを得た。GPCで測定した数平均分子量は7800であった。得られた化合物は、下記式(I)で表されるオリゴマーであることを確認した。下記式(I)中、aとbの比a:bは54:46であった。
Figure 2007026774
(2)スルホン化ポリマーの合成
攪拌機、温度計、窒素導入管を取り付けた1Lのフラスコに、3−(2,5−ジクロロ
ベンゾイル)ベンゼンスルホン酸ネオペンチル119g(296mmol)、(1)で得られ
た分子量7800の疎水性ユニット30.4g(3.9mmol)、ビス(トリフェニルホ
スフィン)ニッケルジクロリド5.89g(9.0mmol)、ヨウ化ナトリウム1.35
g(9.0mmol)、トリフェニルホスフィン31.5g(120mmol)、亜鉛47.1g(720mmol)をはかりとり、乾燥窒素置換した。ここにN,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)350mLを加え、反応温度を80℃に保持しながら、3時間攪拌を続けたあと、DMAc700mLを加えて希釈し、不溶物をろ過した。
得られた溶液を攪拌機、温度計、窒素導入管を取り付けた2Lのフラスコに入れ、115℃に加熱攪拌し、臭化リチウム56.6g(651mmol)を加えた。7時間攪拌後、アセトン5Lに注いで生成物を沈殿させた。次いで、1N塩酸、純水の順に洗浄後、乾燥して目的のスルホン化ポリマー103gを得た。得られた重合体の重量平均分子量(Mw)は260,000であった。得られた重合体は、式(II)で表されるスルホン化ポリマーと推定される。このポリマーのイオン交換容量は、2.3meq/gであった。
Figure 2007026774
〔実施例1〕
<ペーストAの調製>
50mlのポリボトルに直径10mmのジルコニアボール(商品名:YTZボール、株
式会社ニッカトー製)25gを入れ、白金担持カーボン(田中貴金属工業株式会社製、Pt:48重量%担持)1.53g、蒸留水0.88g、およびN−メチル−2−ピロリドン(NMP)12.47gを加えペイントシェーカーで10分間攪拌し、合成例1で得られた
ポリマー(II)の15重量%NMP溶液4.59g、および気相法炭素繊維(商品名:V
GCF、昭和電工社製)0.7gを加え、ペイントシェーカーで30分間攪拌しペースト
Aを得た。
<触媒層Aの製造>
得られたペーストAを撥水処理されたカーボンペーパー(東レ製)にドクターブレードにより塗布し、120℃で60分間乾燥することにより、Pt量が0.5mg/cm2となる電極触媒層Aを形成した。
触媒ペーストAのメジアン径、得られた触媒層Aのピンホール及びひび割れ評価結果、および燃料電池の性能評価の結果を表1に示す。
〔比較例1〕
<ペーストBの調製>
50mlのポリボトルに直径10mmのジルコニアボール(商品名:YTZボール、株
式会社ニッカトー製)25gを入れ、白金担持カーボン(田中貴金属工業株式会社製、Pt:48重量%担持)1.53g、蒸留水0.88g、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)12.47g、合成例1で得られたポリマー(II)の15重量%NMP溶液4.59g
、および気相法炭素繊維(商品名:VGCF、昭和電工社製)0.7gを加え、ペイントシ
ェーカーで40分間攪拌しペーストBを得た。
<触媒層Bの製造>
得られたペーストBを撥水処理されたカーボンペーパー(東レ製)にドクターブレードにより塗布し、120℃で60分間乾燥することにより、Pt量が0.5mg/cm2となる電極触媒層Bを形成した。
触媒ペーストBのメジアン径、得られた触媒層Bのピンホール及びひび割れ評価結果、および燃料電池の性能評価の結果を表1に示す。
〔比較例2〕
<ペーストCの調製>
50mlのポリボトルに直径10mmのジルコニアボール(商品名:YTZボール、株
式会社ニッカトー製)25gを入れ、白金担持カーボン(田中貴金属工業株式会社製、Pt:48重量%担持)1.53g、蒸留水0.88gを加えペイントシェーカーで10分間
攪拌し、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)12.47g、合成例1で得られたポリマー(II)の15重量%NMP溶液4.59g、および気相法炭素繊維(商品名:VGCF
、昭和電工社製)0.7gを加え、ペイントシェーカーで30分間攪拌しペーストCを得
た。
<触媒層Cの製造>
得られたペーストCを撥水処理されたカーボンペーパー(東レ製)にドクターブレードにより塗布し、120℃で60分間乾燥することにより、Pt量が0.5mg/cm2となる電極触媒層Aを形成した。
触媒ペーストCのメジアン径、得られた触媒層Cのピンホール及びひび割れ評価結果、および燃料電池の性能評価の結果を表1に示す。
〔比較例3〕
<ペーストDの調製>
50mlのポリボトルに直径10mmのジルコニアボール(商品名:YTZボール、株
式会社ニッカトー製)25gを入れ、白金担持カーボン(Pt:48重量%担持)1.53
g、蒸留水0.88g、および1―プロパノール(NPA)11.86gを加えペイントシェーカーで10分間攪拌し、20.6重量%Nafion溶液(Du Pont社製)(水:アルコール=10:90)5.20g、気相法炭素繊維(商品名:VGCF、昭和電工社製)0.7g
を加え、ペイントシェーカーで30分間攪拌してペーストDを作製した。
<触媒層Dの製造>
得られたペーストDを撥水処理されたカーボンペーパー(東レ製)にドクターブレードにより塗布し、120℃で60分間乾燥することにより、Pt量が0.5mg/cm2となる電極触媒層Dを形成した。
触媒ペーストDのメジアン径、得られた触媒層Dのピンホール及びひび割れ評価結果、および燃料電池の性能評価の結果を表1に示す。
〔比較例3〕
<ペーストEの調製>
50mlのポリボトルに直径10mmのジルコニアボール(商品名:YTZボール、株
式会社ニッカトー製)25gを入れ、白金担持カーボン(Pt:48重量%担持)1.53
g、蒸留水0.88g、および1―プロパノール(NPA)11.86g、20.6重量%Nafion溶液(Du Pont社製)(水:アルコール=10:90)5.20g、気相法炭素繊維(商品名:VGCF、昭和電工社製)0.7gを加え、ペイントシェーカーで40分間攪拌
してペーストEを作製した。
<触媒層Eの製造>
得られたペーストEを撥水処理されたカーボンペーパー(東レ製)にドクターブレードにより塗布し、120℃で60分間乾燥することにより、Pt量が0.5mg/cm2となる電極触媒層Eを形成した。
触媒ペーストEのメジアン径、得られた触媒層Eのピンホール及びひび割れ評価結果、および燃料電池の性能評価の結果を表1に示す。
Figure 2007026774

Claims (7)

  1. 触媒担持カーボン及び溶解性パラメータの範囲が7.5〜13(cal/mol)1/2、かつ-O-
    、-OH、-CO-、-SO-、-SO2-、-COO-、-CONR-(Rは、水素原子または炭化水素基)からなる基を少なくとも1種類以上有する有機溶剤を混合・攪拌したのち(第1工程)、ついで、イオン伝導性芳香族系ポリマー溶液を添加し、(触媒担持カーボンおよびポリマーをあわせて)メジアン径が30〜700nmとなるように攪拌・粉砕することを特徴とする触媒ペーストの製造方法。
  2. 上記イオン伝導性芳香族系ポリマーが、スルホン酸基もしくはリン酸基からなるイオン伝導成分を有するポリマーセグメント(A)と、イオン伝導成分を有しないポリマーセグメント(B)とが共有結合しているブロック共重合体であることを特徴とする請求項1に記載の触媒ペーストの製造方法。
  3. 上記イオン伝導性芳香族系ポリマーが、芳香環を結合基で共有結合させた構造を主鎖骨格に有することを特徴とする請求項1〜2のいずれかに記載の触媒ペーストの製造方法。
  4. 上記イオン伝導性芳香族系ポリマーが、下記一般式(A)で表される構造単位、および下記一般式(B)で表される構造単位を含むポリアリーレンであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の触媒ペーストの製造方法。
    Figure 2007026774
    (式中、Yは−CO−、−SO2−、−SO−、−CONH−、−COO−、−(CF2)l−(lは1〜10の整数である)、−C(CF3)2−からなる群より選ばれた少なくとも1種の構造を示し、Zは直接結合または、−(CH2)l−(lは1〜10の整数である)、−C(C
    3)2−、−O−、−S−からなる群より選ばれた少なくとも1種の構造を示し、Arは
    −SO3Hまたは−O(CH2)pSO3Hまたは−O(CF2)pSO3Hで表される置換基を有
    する芳香族基を示す。pは1〜12の整数を示し、mは0〜10の整数を示し、nは0〜10の整数を示し、kは1〜4の整数を示す。)
    Figure 2007026774
    (式中、A、Dは独立に直接結合または、−CO−、−SO2−、−SO−、−CONH−、−COO−、−(CF2)l−(lは1〜10の整数である)、−(CH2)l−(lは1〜10
    の整数である)、−CR’2−(R’は脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基およびハロゲ
    ン化炭化水素基を示す)、シクロヘキシリデン基、フルオレニリデン基、−O−、−S−
    からなる群より選ばれた少なくとも1種の構造を示し、Bは独立に酸素原子または硫黄原子であり、R1〜R16は、互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、フッ素原子、
    アルキル基、一部またはすべてがハロゲン化されたハロゲン化アルキル基、アリル基、アリール基、ニトロ基、ニトリル基からなる群より選ばれた少なくとも1種の原子または基を示す。s、tは0〜4の整数を示し、rは0または1以上の整数を示す。)
  5. 前記有機溶剤を前記の第1工程における全溶媒中に20重量%以上含有していることを
    特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の触媒ペーストの製造方法。
  6. 請求項1〜5に記載の製造方法で製造されてなる触媒ペースト。
  7. 請求項1〜5に記載の製造方法で製造された触媒ペーストから得られた触媒層。

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