JP5089061B2 - 固体高分子電解質、プロトン伝導膜、電極電解質、電極ペーストおよび膜−電極接合体 - Google Patents
固体高分子電解質、プロトン伝導膜、電極電解質、電極ペーストおよび膜−電極接合体 Download PDFInfo
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Description
示し、gは1〜8の整数を示す。)または下記式(4a)〜(4d)のいずれかで表される結合単位を示し、mは0〜4の整数を示し、tおよびuはそれぞれ0〜4の整数を示し
、RおよびAは前記式(2)中のRおよびAと同義である。
示し、gは1〜8の整数を示す。)または下記式(9a)〜(9d)のいずれかで表される結合単位を示し、sは0〜4の整数を示し、R9〜R16は互いに同一でも異なっていて
もよく、水素原子、フッ素原子、アルキル基、フッ素置換アルキル基、アリール基またはニトリル基を示す。
あり、かつ、上記式(5a)および(5b)中のWが、−CO−、−SO2−または−[C(R'')2]g−(R''はフッ素原子またはフッ素置換アルキル基を示し、gは1〜8の整数
を示す。)であることが好ましい。
2a)〜(22c)のいずれかで表される基を示す。
上記式(6)で表される構成単位は、下記式(10)〜(12)のいずれかで表される構成単位であることが好ましい。
本発明のプロトン伝導膜は、上記高分子電解質を含むことを特徴とし、本発明の電極電解質は、上記高分子電解質からなることを特徴とし、本発明の電極ペーストは、上記電極電解質、触媒担持カーボンおよび溶媒を含むことを特徴とする。
〔高分子電解質〕
本発明の高分子電解質は、上記式(1)で表されるプロトン酸基を有する構成単位(以
下「構成単位(1)」ともいう)と、上記式(6)で表されるプロトン酸基を有さない構成単位(以下「構成単位(6)」ともいう)とを含有する共重合体を含む。
上記構成単位(1)中のAr1は上記式(2)で表される結合単位を示し、Ar2は上記式(3)で表される結合単位を示す。また、上記構成単位(6)中のAr3は上記式(7
)で表される結合単位を示し、Ar4は上記式(8)で表される結合単位を示す。
−[C(R'')2]g−が好ましい。
ル基を示し、gは1〜8の整数を示す。)または上記式(4a)〜(4d)のいずれかで表される結合単位を示す。これらの中では、−CO−、−SO2−、−O−および−[C(
R')2]g−が好ましい。
上記式(5a)および(5b)中、Wは2価の電子吸引性基を示し、たとえば、−CO−、−SO2−、−SO−、−CONH−、−SO2NH−、−SO2NHSO2−、−COO−、−[C(R'')2]g−(R''は、フッ素原子またはフッ素置換アルキル基を示し、gは1〜8の整数を示す。)などが挙げられる。これらの中では、−CO−、−SO2−およ
び−[C(R'')2]g−が好ましい。
ル基を示し、gは1〜8の整数を示す。)または上記式(9a)〜(9d)のいずれかで表される結合単位を示す。これらの中では、−CO−、−SO2−および−[C(R')2]g−が好ましい。
なっていてもよく、水素原子、フッ素原子、アルキル基、フッ素置換アルキル基、アリール基またはニトリル基を示す。具体的には、上記Rと同様のものが挙げられる。
本発明の高分子固体電解質を構成する共重合体を合成する方法としては、以下の方法が挙げられる。
3)予め合成したオリゴマー(6)と、構成単位(1)となりうるモノマーとを反応させて共重合体を合成する方法。
上記オリゴマー(1)は、下記式(14)で表されるモノマー(以下「モノマー(14
)」ともいう)と、下記式(15)で表されるモノマー(以下「モノマー(15)」ともいう)とを用いて合成することができる。
物なども挙げられる。
2a)〜(22c)のいずれかで表される基を示す。
上記オリゴマー(1)は、たとえば、以下に示す求核置換反応により合成することができる。
イド、N,N-ジメチルイミダゾリジノンなどが挙げられる。上記アルカリ金属は、フェノール性水酸基に対して、通常1.1〜2倍当量、好ましくは1.2〜1.5倍当量で用いる。
上記オリゴマー(6)は、前述したオリゴマー(1)の合成方法と同様にして、下記式(16)で表されるモノマー(以下「モノマー(16)」ともいう)と、下記式(17)で表されるモノマー(以下「モノマー(17)」ともいう)とを用いて合成することができる。具体的には、オリゴマー(6)の末端基をハロゲン原子とする場合には、モノマー(17)に対して過剰量のモノマー(16)を用いてオリゴマー(6)を合成する。また、オリゴマー(6)の末端基をOKまたはSK(Kは水素原子または1価のカチオン種)とする場合には、モノマー(16)に対して過剰量のモノマー(17)を用いてオリゴマー(6)を合成する。また、必要に応じて、反応終了後に、過剰に用いたモノマーを、さらに、反応に用いた量1モルに対して0.01〜1モル量を末端キャップ剤として添加して反応させてもよい。
ス(4−クロロフェニル)スルホキシドなどが挙げられる。
キシフェニル)スルホン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ケトン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシ−2,5−ジメチルフェニル)メタン、ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)メタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、3,3−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、2,2−ジ(4−ヒドロキシフェニル)−4−メチルペンタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フェニルエタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)フェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ジフェニルメタン、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(3−フェニルー4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロペンタンなどのようなビスフェノール化合物、およびその水酸基の水素原子が一価のカチオンに置換した化合物が挙げられる。
上記オリゴマー(1)とオリゴマー(6)とを反応させて共重合体を合成する場合、いずれか一方のオリゴマーの末端基がハロゲン基、他方のオリゴマーの末端基がOKまたはSK基(Kは水素原子または1価のカチオン種)という組み合わせとなるように、オリゴ
マーを予め合成する。この場合、オリゴマー(1)とオリゴマー(6)とのモル比[(1):(6)]が、0.9:1.1〜1.1:0.9、好ましくは0.95:1.05〜1.05:0.95、より好ましくは0.99:1.01〜1.01:0.99の範囲で反応させることが好ましい。
上記オリゴマー(6)と、上記オリゴマー(1)となりうるモノマー(14)および(15)とを反応させて上記共重合体を合成する方法および条件は、上記オリゴマー(1)の合成方法および条件とほぼ同様である。この場合、オリゴマー(1)の末端基がハロゲン基の場合、オリゴマー(1)+モノマー(14)とモノマー(15)のモル比[(1)+(14):(15)]が、0.9:1.1〜1.1:0.9、好ましくは0.95:1.05〜1.05:0.95、より好ましくは0.99:1.01〜1.01:0.99の範囲で反応させることが好ましい。オリゴマー(1)の末端基がOKまたはSK基(Kは水素原子または1価のカチオン種)の場合、オリゴマー(1)+モノマー(15)とモノマー(14)のモル比[(1)+(15):(14)]が、0.9:1.1〜1.1:0.9、好ましくは0.95:1.05〜1.05:0.95、より好ましくは0.99:1.01〜1.01:0.99の範囲で反応させることが好ましい。
本発明の高分子電解質を構成する共重合体のプロトン酸基部がプロトン酸塩(たとえば、−SO3Na等)で得られた場合、酸処理によってプロトン酸基に変換することができ
る。酸処理に用いられる酸としては、塩酸、硫酸、硝酸、酢酸などを用いることができ、塩酸および硫酸が好ましい。濃度としては0.1〜8規定濃度が好ましく、1〜5規定濃度がより好ましい。酸処理方法としては、共重合体を粉体のまま上記濃度の酸性水溶液中に浸漬して、pHが5以下になるまで洗浄してもよいし、製膜した状態のものを酸性水溶液中で処理して、pHが5以下になるまで洗浄してもよい。
本発明の高分子電解質を構成する共重合体の分子量は、強度と加工性のバランスの観点から、ゲルパーミエションクロマトグラフィ(GPC)によるポリスチレン換算重量平均
分子量(以下「Mw」ともいう)で、1万〜100万、好ましくは2万〜50万、より好ましくは5万〜30万である。Mwが上記範囲より低いと高分子電解質の十分な強度が得られず、上記範囲より高いと加工が困難となる傾向にある。
本発明の高分子電解質は、上記共重合体以外に、酸化防止剤、硫酸、リン酸などの無機酸、リン酸ガラス、タングステン酸、リン酸塩水和物、β-アルミナプロトン置換体、プ
ロトン導入金属酸化物等の無機プロトン伝導体粒子、カルボン酸を含む有機酸、スルホン酸を含む有機酸、ホスホン酸を含む有機酸、適量の水などを添加してもよい。
い。このような酸化防止剤を含有することにより、電解質としての耐久性をより向上させることができる。
ドロキシフェニル)プロピオネート](商品名:IRGANOX 259)、2,4−ビス−(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルアニリノ)−3,5−トリアジン(商品名:IRGANOX 565)、ペンタエリスリチルーテトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート](商品名:IRGANOX 1010)、2,2
−チオ−ジエチレンビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プ
ロピオネート](商品名:IRGANOX 1035)、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル
−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート)(商品名:IRGANOX 1076)、N,N−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−t−ブチルー4−ヒドロキシ−ヒドロシンナマミド)(IRGAONOX 1098)、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒ
ドロキシベンジル)ベンゼン(商品名:IRGANOX 1330)、トリス−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−イソシアヌレイト(商品名:IRGANOX 3114)、3,9−
ビス[2−〔3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ〕−1,1−ジメチルエチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]
ウンデカン(商品名:Sumilizer GA-80)などを挙げることができる。
上記高分子電解質は、膜状に成形することにより後述するプロトン伝導膜として用いることができるとともに、固体高分子型燃料電池における電極触媒層の電解質、すなわち電極電解質として用いることもできる。
本発明のプロトン伝導膜は、上記構成単位(1)および構成単位(6)を有する共重合体を溶剤中で溶解または膨潤させ、それを基体上に流延してフィルム状に成形するキャス
ティング法などにより成膜することができる。
ことが好ましい。
〔電極ペースト〕
本発明の電極ペーストは、上記電極電解質(高分子電解質)、触媒担持カーボンおよび溶媒を含み、必要に応じて分散剤、炭素繊維などの他の成分を含んでいてもよい。
上記触媒担持カーボンの触媒としては、白金または白金合金が用いられる。白金合金を使用すると、電極触媒としての安定性や活性をさらに付与させることもできる。白金合金としては、白金以外の白金族の金属(ルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリジウム)、鉄、チタン、金、銀、クロム、マンガン、モリブデン、タングステン、アルミニウム、ケイ素、レニウム、亜鉛およびスズから選ばれる1種以上と白金との合金が好ましく、該白金合金には白金と合金化される金属との金属間化合物が含有されていてもよい。
上記触媒を担持するカーボンとしては、オイルファーネスブラック、チャネルブラック、ランプブラック、サーマルブラック、アセチレンブラックなどのカーボンブラックが用いられる。また、天然の黒鉛、ピッチ、コークス、ポリアクリロニトリル、フェノール樹脂、フラン樹脂などの有機化合物から得られる人工黒鉛や炭素などを用いてもよい。
パールズ1300」、「ブラックパールズ2000」、「リーガル400」、ライオン製「ケッチェンブラックEC」、三菱化学製「#3150、#3250」などが挙げられる。また、上記アセチレンブラックとしては電気化学工業製「デンカブラック」などが挙げられる。
本発明の電極ペーストに用いられる溶媒としては、上記電極電解質を溶解または分散する溶媒であればよく、特に限定されるものではない。また、1種類単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
、1−ヘキサノール、2−メチル−1−ペンタノール、2−メチル−2−ペンタノール、4−メチル−2−ペンタノール、2−エチル−1−ブタノール、1−メチルシクロヘキサノール、2−メチルシクロヘキサノール、3−メチルシクロヘキサノール、4−メチルシクロヘキサノール、1−オクタノール、2−オクタノール、2−エチル−1−ヘキサノール、2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール、2−(メトキシメトキシ)エタノール、2−イソプロポキシエタノール、1−メトキシ−2−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノールなどのアルコール類;エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセロールなどの多価アルコール類;ジオキサン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジ−n−プロピルエーテル、ブチルエーテル、フェニルエーテル、イソペンチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、ジエトキシエタン、ビス(2−メトキシエチル)エーテル、ビス(2−エトキシエチル)エーテル、シネオール、ベンジルエチルエーテル、アニソール、フェネトール、アセタールなどのエーテル類;アセトン、メチルエチルケトン、2−ペンタノン、3−ペンタノン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、2−ヘキサノン、4−メチル−2−ペンタノン、2−ヘプタノン、2,4−ジメチル−3−ペンタノン、2−オクタノンなどのケトン類
;γーブチロラクトン、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸−n−ブチル、酢酸イソブチル、酢酸sec-ブチル、酢酸ペンチル、酢酸イソペンチル、3−メトキシブチルアセタート、酪酸メチル、酪酸エチル、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸ブチルなどのエステル類;ジメチルスルホキシド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、テ
トラメチル尿素などの非プロトン性極性溶媒;トルエン、キシレン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタンなどの炭化水素系溶媒などが挙げられる。
本発明の電極ペーストには、必要に応じてさらに分散剤を添加してもよい。このような分散剤としては、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン界面活性剤などの界面活性剤が挙げられる。
,1,3,3−テトラメチルブチルフェノオキシ)エトオキシ]エチル}アンモニウムク
ロライド、オクタデシルアミン酢酸塩、テトラデシルアミン酢酸塩、オクタデシルトリメチルアンモニウムクロライド、牛脂トリメチルアンモニウムクロライド、ドデシルトリメチルアンモニウムクロライド、ヤシトリメチルアンモニウムクロライド、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムクロライド、ベヘニルトリメチルアンモニウムクロライド、ヤシジメチルベンジルアンモニウムクロライド、テトラデシルジメチルベンジルアンモニウムクロライド、オクタデシルジメチルベンジルアンモニウムクロライド、ジオレイルジメチルアンモニウムクロライド、1−ヒドロキシエチル-2-牛脂イミダゾリン4級塩、2−ヘプ
タデセニルーヒドロキシエチルイミダゾリン、ステアラミドエチルジエチルアミン酢酸塩、ステアラミドエチルジエチルアミン塩酸塩、トリエタノールアミンモノステアレートギ酸塩、アルキルピリジウム塩、高級アルキルアミンエチレンオキサイド付加物、ポリアクリルアミドアミン塩、変成ポリアクリルアミドアミン塩、パーフルオロアルキル第4級アンモニウムヨウ化物などが挙げられる。
チルアミノ]−1−プロパンスルホン酸ナトリウム、N−[3−(パーフルオロオクタンスルホンアミド)プロピル]−N,N−ジメチル−N−カルボキシメチレンアンモニウムベ
タインなどが挙げられる。
肪酸エステル、砂糖の脂肪酸エステルなどが挙げられる。
<炭素繊維>
本発明に係る電極ペーストでは、必要に応じてさらに炭素繊維を添加することができる。このような炭素繊維しては、レーヨン系炭素繊維、PAN系炭素繊維、リグニンポバー系
炭素繊維、ピッチ系炭素繊維、気相成長炭素繊維等を用いることができ、好ましくは、気相成長炭素繊維である。
本発明の電極ペーストには、必要に応じてさらに他の成分を添加することができる。たとえば、フッ素系ポリマーやシリコン系ポリマーなどの撥水剤を添加してもよい。撥水剤は生成する水を効率よく排出する効果を奏し、発電性能の向上に寄与する。
本発明の電極ペーストにおいて、触媒担持カーボンの含有量は1〜20重量%、好ましくは3〜15重量%であり、電極電解質の含有量は0.5〜30重量%、好ましくは1〜15重量%であり、溶媒の含有量は5〜95重量%、好ましくは15〜90重量%である。また、必要に応じて用いられる分散剤の含有量は0〜10重量%、好ましくは0〜2重量%であり、炭素繊維の含有量は0〜20重量%、好ましくは1〜10重量%である。なお、上記成分の含有量の合計が、100重量%を超えることはない。
上記分散剤の含有量が、上記範囲内にあると保存安定性に優れた電極ペーストが得られる。また、上記炭素繊維の含有量が、上記範囲未満であると、電極中の細孔容積の増加効果が低くなり、上記範囲を超えると、電極反応率が低下することがある。
本発明の電極ペーストは、たとえば、上記各成分を上記含有量となるように混合し、従来公知の方法で混練することにより調製することができる。
本発明の膜−電極接合体(以下「MEA」ともいう)は、プロトン伝導膜および電極層からなり、該プロトン伝導膜および/または電極層が、上記高分子電解質を含むことを特徴とする。すなわち、本発明のMEAは、前述した本発明のプロトン伝導膜および/または本発明の電極ペーストを用いて形成された電極層を有する。したがって、本発明のMEAが本発明のプロトン伝導膜を有する場合は、本発明の電極ペーストを用いて電極層を形成しても、本発明以外の公知の電極ペーストを用いて電極層を形成してもよい。また、本発明のMEAが本発明の電極ペーストを用いて形成した電極層を有する場合は、本発明のプロトン伝導膜を用いても、本発明以外の公知のプロトン伝導膜を用いてもよい。
電極層をプロトン伝導膜に転写する方法としては、ホットプレス法が挙げられる。ホットプレス法は、カーボンペーパーまたは離型シートに電極ペーストを塗布し、電極ペースト塗布面とプロトン伝導膜とを圧着する方法である。ホットプレスは、通常、50〜250℃の温度範囲で1〜180分間、10〜500kg/cm2の圧力をかけて行う。
[実施例]
以下、実施例に基づいて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
<プロトン酸基量>
得られたプロトン伝導膜の水洗水が中性になるまで洗浄し、フリーに残存している酸を充分に除去して乾燥した後、所定量を秤量し、THF/水の混合溶剤に溶解したフェノールフタレインを指示薬とし、NaOHの標準液を用いて滴定を行い、中和点からプロトン酸基量(スルホン酸当量)を求めた。
まず、短冊状の試料膜(40mm×5mm)の表面に、白金線(φ=0.5mm)を5mm間隔に5本押し当て、恒温恒湿装置((株)ヤマト科学製「JW241」)中に試料を保持し、白金線間の交流インピーダンス測定により交流抵抗を求めた。測定は、抵抗測定装置として(株)NF回路設計ブロック製のケミカルインピーダンス測定システムを用いて、85℃、相対湿度90%の環境下、交流10kHzの条件で、線間距離を5〜20mmに変化させて行った。次いで、線間距離と抵抗の勾配から膜の比抵抗Rを下記式に従って算出し、比抵抗Rの逆数からプロトン伝導度を算出した。
比抵抗R(Ω・cm)=0.5(cm)×膜厚(cm)×抵抗線間勾配(Ω/cm)
<吸水率>
得られたプロトン伝導膜を、25℃、相対湿度50%の条件で24時間以上調湿した後、2.0cm×3.0cmにカットし、秤量して試験用のテストピースとした。このテストピースを、ポリカーボネート製の250ml瓶に入れ、そこに約100mlの蒸留水を加え、90℃で24時間加温した。試験終了後、各テストピースを熱水中から取り出し、軽く表面の水をキムワイプで拭き取り、含水時の重量を秤量して吸水率(%)を求めた。
得られたプロトン伝導膜を2.0cm×3.0cmにカットし、秤量して試験用のテストピースとした。このテストピースをベンコットに包み、ガラス製の管に入れ、コンパクト恒温装置を用いて、160℃で100時間加温した。試験終了後、プロトン酸基量を測定し、加熱後プロトン酸基量/加熱前プロトン酸基量の比率(%)からプロトン酸基の安定性を求めた。
(1)オリゴマー(I)の合成
Mn)は8,000、重量平均分子量(Mw)は12,000であった。
ニトリル34.4g(0.200mol)、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン(Bis−AF)58.8g(0.175mol)および炭酸カリウム34.6g(0.25mol)を取った。さらに、スルホラン1080mlおよびトルエン540mlを加えて100℃まで加熱し、トルエンを留去しながら脱水を行った。次に、オイルバス中、窒素雰囲気下、130℃で加熱還流し、反応で生成した水をトルエンと共沸させて系外に除きながら反応させると、約3時間で水の生成が認められなくなった。その後、反応温度を徐々に上げて大部分のトルエンを除去し、190〜200℃で10時間反応させた。室温まで冷却後、沈殿した無機物をセライトろ過により除去し、ろ液を1%濃塩酸含有メタノール10Lに注いだ。沈殿した生成物をろ過、真空乾燥して263gの粗生成物を得た。粗生成物をテトラヒドロフラン1Lに溶解した後に、メタノール4Lに再沈殿させ、沈殿物をろ過、真空乾燥後した。さらに、得られた沈殿物を1M塩酸水溶液4Lに加えて攪拌し、ろ過する操作を3回繰り返した後、pHが5以上になるまで純水を用いて洗浄した。得られたポリマーを真空乾燥させることにより、上記式(III)で表される共重合体(III)243g(収率85%)を得た。得られた共重合体(III)のGPCで求めた数平均分子量(Mn)は43,000、重量
平均分子量(Mw)は142,000であった。
風乾、真空乾燥し、乾燥膜厚40μmのプロトン伝導膜を得た。得られたプロトン伝導膜を用いて、プロトン酸基量、プロトン伝導度、吸水率、熱安定性を評価した。評価結果を表1に示す。
(1)オリゴマー(IV)の合成
マー(II)12.5g(0.032mol)を加えた他は実施例1と同様にして、上記式(IV)で表されるオリゴマー(IV)105g(収率85%)を得た。得られたオリゴマー(IV)のGPCで求めたMnは8,800、Mwは12,400であった。
52,000であった。
乾、真空乾燥し、乾燥膜厚40μmのプロトン伝導膜を得た。得られたプロトン伝導膜を用いて、プロトン酸基量、プロトン伝導度、吸水率、熱安定性を評価した。評価結果を表1に示す。
(1)オリゴマー(VI)の合成
4mol)、2,6−ジクロロベンゾニトリルの代わりに4,4’−ジクロロベンゾフェノン18.4g(0.073mol)、Bis−AFの代わりにレゾノシノール5.4g(0.049mol)、炭酸カリウム13.1g(0.095mol)を用いたこと以外は実施例1と同様にして、上記式(VIII)で表される共重合体(VIII)195g(収率68%)を得た。得られた共重合体(VIII)のGPCで求めたMnは44,000、Mwは140,000であった。
(1)オリゴマー(IX)の合成
0ml、追加するレゾルシノール3.74g(0.0340mol)を用いたこと以外は実施例1と同様にして、上記式(IX)で表されるオリゴマー(IX)150g(収率75%)を得た。得られたオリゴマー(IX)のGPCで求めたMnは9,100、Mwは16,500であった。
流し、反応で生成した水をトルエンと共沸して系外に除きながら反応させると、約5時間で水の生成が認められなくなった。その後、反応温度を徐々に上げて大部分のトルエンを除去し、190〜200℃で12時間反応させた。室温まで冷却後、沈殿した無機物をセライトろ過により除去し、ろ液を1%濃塩酸含有メタノール10Lに注いだ。沈殿した生成物をろ過、真空乾燥して粗生成物を得た。得られた粗生成物をテトラヒドロフラン1Lに溶解した後に、メタノール4Lに再沈殿させ、沈殿物をろ過、真空乾燥した。さらに、得られた沈殿物を1M塩酸水溶液4Lに加えて攪拌し、ろ過する操作を3回繰り返した後、pHが5以上になるまで純水を用いて洗浄した。得られたポリマーを真空乾燥させることにより、上記式(XII)で表される共重合体(XII)262g(収率82%)を得た。得られた共重合体(XII)のGPCで求めたMnは43,000、Mwは142,000で
あった。
風乾、真空乾燥し、乾燥膜厚40μmのプロトン伝導膜を得た。得られたプロトン伝導膜を用いて、プロトン酸基量、プロトン伝導度、吸水率、熱安定性を評価した。評価結果を表1に示す。
(1)オリゴマー(XIII)の合成
表されるオリゴマー(XIII)213g(収率85%)を得た。得られたオリゴマー(XIII)のGPCで求めたMnは7,900、Mwは143,000であった。
25mol)、2,6−ジクロロベンゾニトリル34.8g(0.203mol)、Bis−AFの代わりにレゾノシノール19.6g(0.178mol)、炭酸カリウム35.0g(0.253mol)用いたこと以外は実施例1と同様にして、上記式(XV)で表される共重合体(XV)198g(収率82%)を得た。得られた共重合体(XV)のGPCで求めたMnは38,000、Mwは135,000であった。
スルホン化ポリエーテルエーテルケトンの合成
ビクトレックス社製のポリエーテルエーテルケトン(PEEK)3.0gを濃硫酸(150mL)中に溶解させ、攪拌しながら50℃で24時間反応を行った。得られた混合物を大量の脱イオン水中に投入して、スルホン化ポリマーを沈殿させた。沈殿物を濾別し、続いて洗浄に使用した脱イオン水のpHが中性になるまで洗浄を行った後、乾燥してスルホン化ポリエーテルエーテルケトンを合成した。
得た。得られたプロトン伝導膜を用いて、プロトン酸基量、プロトン伝導度、吸水率、熱安定性を評価した。評価結果を表1に示す。
Claims (9)
- 下記式(1)で表されるプロトン酸基を有する構成単位と、下記式(6)で表されるプロトン酸基を有さない構成単位とを含有する共重合体(ただし、芳香族ポリイミド構造を有する共重合体を除く。)を含むことを特徴とする高分子電解質。
- 上記共重合体が、上記式(1)で表されるプロトン酸基を有する構成単位からなるブロックと、上記式(6)で表されるプロトン酸基を有さない構成単位からなるブロックとを、それぞれ1個以上含有するブロック共重合体であることを特徴とする請求項1に記載の高分子電解質。
- 上記式(2)および(7)中のXが、−CO−、−SO2−または−[C(R'')2]g−であり、かつ、上記式(5a)および(5b)中のWが、−CO−、−SO2−または−[C(R'')2]g−(R''はフッ素原子またはフッ素置換アルキル基を示し、gは1〜8の整数を示す。)であることを特徴とする請求項1または2に記載の高分子電解質。
- 請求項1〜5のいずれかに記載の高分子電解質を含むことを特徴とするプロトン伝導膜。
- 請求項1〜5のいずれかに記載の高分子電解質からなることを特徴とする電極電解質。
- 請求項7に記載の電極電解質、触媒担持カーボンおよび溶媒を含むことを特徴とする電極ペースト。
- プロトン伝導膜と電極層とを有し、該プロトン伝導膜および/または電極層が、請求項1〜5のいずれかに記載の高分子電解質を含むことを特徴とする膜−電極接合体。
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