JP2016219136A - 固体高分子電解質膜の補強部材 - Google Patents

固体高分子電解質膜の補強部材 Download PDF

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弘晃 辻
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Abstract

【課題】高温・高湿度・強酸性下の使用環境においても長期に渡って補強効果を保持できる、特に固体高分子型燃料電池に適した固体高分子電解質膜の補強部材の提供。【解決手段】ポリアリーレンフェニレンスルフィド樹脂(樹脂(A))を主たる樹脂成分とし、樹脂(A)の質量を基準として、含有するナトリウム金属元素量が50ppm以下である樹脂組成物の成形体からなる固体高分子電解質膜の補強部材。【選択図】なし

Description

本発明は、固体高分子電解質膜の補強部材に関し、特に高温で溶媒などと接する固体高分子型燃料電池のガスケットとして有用な電解質膜の補強部材に関する。
近年、環境問題の観点から燃料電池の開発が積極的に行われている。使用される電解質の種類により、固体高分子電解質型、リン酸型、溶融炭酸塩型、固体酸化物型などの各種の燃料電池が知られている。これらの中でも、固体高分子型燃料電池(PEFC)は、反応温度が比較的低く、また電解質の固定が容易であることから、小型の家庭用電源、ポータブル電源、移動体用電源としての用途が開かれつつあり、特に自動車用途に積極的に開発が進められている。
PEFCは、分子中にプロトン(水素イオン)交換基を有する高分子樹脂膜を飽和状態にまで含水させた場合に、プロトン導電性電解質として機能することを利用した燃料電池である。PEFCは、高分子イオン交換膜(陽イオン交換膜)からなる高分子電解質膜と、この電解質の両側にそれぞれ配置されるアノード側電極およびカソード側電極とを有した膜・電極接合体(燃料電池セル)を、セパレータによって挟持することにより構成されている。アノード側電極に供給された燃料ガス、例えば水素は、触媒電極上で水素イオン化され、適度に加湿された高分子電解質膜を介してカソード側電極側へと移動する。その間に生じた電子が外部回路に取り出され、直流の電気エネルギとして利用される。カソード側電極には、酸化剤ガス、例えば酸素ガスあるいは空気が供給されているために、このカソード側電極において、前記水素イオン、前記電子および酸素が反応して水が生成される。
高分子電解質膜として、パーフルオロスルホン酸樹脂膜(例えば「Nafion」(デュポン社の登録商標))が使用されており、高分子電解質膜の抵抗率を小さくして高い発電効率が得られるようにするために、通常50〜100℃程度の温度条件で運転される。この高分子電解質膜には導電率の向上や低コスト化が求められており、極めて薄いフィルム状の素材であることから取扱いが難しい。
そのため電極との接合時、複数の単電池を積層してスタックとして組み合わせる組み立て作業時、その周縁部にしわが発生してしまうことがしばしば生じる。また、しわなどが全くない状態であっても、スタックの構成部材の中で最も機械的強度が低いことが問題となっている。また、例えば、PEFCではガスもれ、構成部品の電気的接触抵抗などを低減するため、電池全体を恒常的に締め付けている。この圧力により、特に電解質膜が経時劣化をうけやすく、電池の耐久性低下につながることが指摘されている。
そこで、特開2005−268146(特許文献1)では、電解質膜を機械的に補強するフィルムとして、ポリフェニレンサルファイドからなる燃料電池用部材が提案されている。
しかしながら、特許文献1は、固体高分子型燃料電池の電解質膜補強部材として、主として従来市販されているポリフェニレンサルファイドを使用するだけであり、ガスケット、特に燃料電池の構成部材として使用される場合、高温かつ強酸性下での使用に適したものではなかった。
特開2005−268146号公報
本発明の目的は、高温・高湿度・強酸性下の使用環境においても長期に渡って補強効果を保持できる、特に固体高分子型燃料電池に適した固体高分子電解質膜の補強部材を提供することにある。
また本発明の目的は、優れた耐熱水性を有し、長期補強効果を有するPEFC用の補強電解質膜を提供することにある。また本発明の目的は、優れた耐熱水性を有し、長期補強効果を有するPEFC用の膜・電極接合体(以下、MEAと呼ぶことがある)を提供することにある。
かくして、本発明によれば、
(1)ポリアリーレンフェニレンスルフィド樹脂(樹脂(A))を主たる樹脂成分とし、樹脂(A)の質量を基準として、含有するナトリウム金属元素量が50ppm以下である樹脂組成物の成形体からなる固体高分子電解質膜の補強部材が提供される。
また、上記本発明の補強部材の好ましい態様として、含有する塩素元素量が、樹脂(A)の質量を基準として、50ppm以下であること、成形体がシート状物であること、樹脂(A)が、重合停止剤として芳香族ジスルフィド化合物を含有すること、芳香族ジスルフィド系化合物が、ベンゾチアゾール類およびジフェニルジスルフィド類からなる群より選ばれる少なくとも一種であること、芳香族ジスルフィド系化合物が、ジフェニルジスルフィドおよびジチオビスベンゾチアゾールからなる群より選ばれる少なくとも一種であること、樹脂(A)が、ジヨードアリール化合物、固体硫黄および芳香族ジスルフィド系化合物を、極性溶媒を使用せずに直接加熱して重合させる方法よって得られたポリアリーレンスルフィド樹脂であること、シート状物が、二軸延伸フィルムであること、シート状物が、その少なくとも片面にヒートシール層を有すること、ヒートシール層が異なる二つの融点(Tm1、Tm2)を有し、Tm1が50〜120℃、Tm2が125〜200℃の範囲にあること、シート状物の主面と水平な方向における線膨張係数が−100〜100ppm/℃の範囲にあること、シート状物の厚みが5〜1000μmであること、樹脂組成物が、樹脂(A)と、炭素繊維(B成分)、全芳香族ポリアミド繊維(C成分)およびガラス繊維(D成分)からなる群より選ばれる少なくとも1種を含有すること、100重量部の樹脂(A)に対して、15〜180重量部の炭素繊維(B)を含有すること、
100重量部の樹脂(A)に対して、10〜150重量部の全芳香族ポリアミド繊維(C)を含有すること、全芳香族ポリアミド繊維(C)が、パラ系アラミド繊維およびメタ系アラミド繊維からなる群より選ばれる少なくとも一種であること、全芳香族ポリアミド繊維(C成分)が、ポリエステル、ポリウレタンおよびポリエーテルスルホン樹脂からなる群より選ばれる少なくとも一種の集束剤にて集束されていること、100重量部の樹脂(A)に対して、18〜150重量部のガラス繊維(D成分)を含有すること、ガスケットとして用いられることの少なくともいずれかを具備する固体高分子電解質膜の補強部材も包含される。
本発明の固体高分子電解質膜の補強部材は、高温・高湿度・強酸性下の使用環境において溶出物を抑制し、長期に渡って補強効果を保持できることから、長期信頼性の求められる固体高分子電解質膜の補強部材として、好適に使用することができる。
以下、本発明を詳しく説明する。
<ポリアリーレンスルフィド樹脂(樹脂(A))>
本発明におけるポリアリーレンスルフィド樹脂(以下、樹脂(A))は、重合停止剤として芳香族ジスルフィド系化合物を使用した重合反応により合成されたポリアリーレンスルフィド樹脂であることが好ましい。
ポリアリーレンスルフィド樹脂(樹脂(A))としては、その構成単位として、例えばp−フェニレンスルフィド単位、m−フェニレンスルフィド単位、o−フェニレンスルフィド単位、フェニレンスルフィドスルホン単位、フェニレンスルフィドケトン単位、フェニレンスルフィドエーテル単位、ジフェニレンスルフィド単位、置換基含有フェニレンスルフィド単位、分岐構造含有フェニレンスルフィド単位、等よりなるものを挙げることができる。その中でも、p−フェニレンスルフィド単位を70モル%以上、特に90モル%以上含有しているものが好ましい。さらに、ポリ(p−フェニレンスルフィド)がより好ましい。
本発明の固体高分子電解質膜の補強部材は、樹脂(A)を主たる樹脂成分とし、樹脂(A)の質量を基準として、含有するナトリウム金属元素量が50ppm以下である。ナトリウム金属元素量が50ppmより多いと、燃料電池の補強部材と使用した時に燃料電池セル内の高温、高湿度、強酸性下で各元素が溶出し、燃料電池の触媒汚染、ガス拡散層の汚染などが発生し、燃料電池の発電量が低下する恐れがある。
また、本発明の固体高分子電解質膜の補強部材は、樹脂(A)の質量を基準として、含有する塩素元素量が50ppm以下であることが好ましい。塩素元素量が50ppmより多いと、燃料電池の補強部材と使用した時に燃料電池セル内の高温、高湿度、強酸性下で各元素が溶出し、燃料電池の触媒汚染、ガス拡散層の汚染などが発生し、燃料電池の発電量が低下しやすくなる。
また、樹脂(A)は、重合停止剤として芳香族ジスルフィド系化合物を使用した重合反応により合成されたものであることが好ましい。該方法にて合成されたポリアリーレンスルフィド樹脂を使用すると、後述の炭素繊維との親和性が低下するため、溶融混練時に樹脂中の炭素繊維の残存繊維長を長くでき、機械強度および電磁波遮蔽効果を向上させることができる。
また該方法にて合成されたポリアリーレンスルフィド樹脂を使用すると、全芳香族ポリアミド繊維との親和性が低下するため、溶融混練時に樹脂中の全芳香族ポリアミド繊維の残存繊維長を長くでき、摺動特性および衝撃強度を向上させることができる。
また該方法にて合成されたポリアリーレンスルフィド樹脂を使用すると、ガラス繊維との親和性が低下するため、溶融混練時に樹脂中のガラス繊維の残存繊維長を長くでき、耐湿熱性および衝撃強度を向上させることができる。
樹脂(A)の製造方法としては、ジヨードアリール化合物、固体硫黄および芳香族ジスルフィド系化合物を、極性溶媒を使用せずに直接加熱して重合させる方法であることが好ましい。
また該製造方法はヨウ化工程および重合工程を含む。ヨウ化工程ではアリール化合物をヨードと反応させて、ジヨードアリール化合物を得る。続く重合工程で、重合停止剤を用いてジヨードアリール化合物を固体硫黄と重合反応させてポリアリーレンスルフィド樹脂を製造する。ヨードはこの工程で、気体状で発生し、これを回収して再びヨウ化工程に用いられる。実質的にヨードは触媒である。
代表的な固体硫黄としては、室温で8個の原子が連結されたシクロオクタ硫黄形態(S8)が挙げられる。しかしながら重合反応に用いられる硫黄化合物は限定されるものではなく、常温で固体または液体であればいずれの形態でも使用し得る。
代表的なジヨードアリール化合物としては、ジヨードベンゼン、ジヨードナフタレン、ジヨードビフェニル、ジヨードビスフェノールおよびジヨードベンゾフェノンからなる群より選ばれる少なくとも一種が挙げられる。またアルキル基やスルホン基が結合していたり、酸素や窒素が導入されたりしているヨードアリール化合物の誘導体も使用される。ヨードアリール化合物はそのヨード原子の結合位置によって異なる異性体に分類され、これらの異性体のうち好ましい例は、p−ジヨードベンゼン、2,6−ジヨードナフタレン、およびp,p’−ジヨードビフェニルのようにヨードがアリール化合物の分子両端に対称的に位置する化合物である。ヨードアリール化合物の含有量は、固体硫黄100重量部に対し500〜10,000重量部であることが好ましい。この量はジスルフィド結合の生成を考慮して決定される。
重合停止剤は、芳香族ジスルフィド化合物である。重合停止剤として、芳香族ジスルフィド化合物を使用しない場合、炭素繊維と樹脂との親和性が向上するため、溶融混練時に樹脂中の炭素繊維の残存繊維長が短くなり、機械強度および電磁波遮蔽効果が低下する。
また重合停止剤として、芳香族ジスルフィド化合物を使用しない場合、全芳香族ポリアミド繊維との親和性が向上するため、溶融混練時に樹脂中の全芳香族ポリアミド繊維の残存繊維長が短くなり、摺動特性および衝撃強度が低下する。
また重合停止剤として、芳香族ジスルフィド化合物を使用しない場合、ガラス繊維との親和性が向上するため、溶融混練時に樹脂中のガラス繊維の残存繊維長が短くなり、耐湿熱性および衝撃強度が低下する。
芳香族ジスルフィド化合物は、ベンゾチアゾール類およびジフェニルジスルフィド類からなる群より選ばれる少なくとも一種であることが好ましい。より好ましくは、ジフェニルジスルフィドおよびジチオビスベンゾチアゾールからなる群より選ばれる少なくとも一種である。さらに好ましくは、2,2’−ジチオビスベンゾチアゾール、ジベンゾチアゾールジスルフィドおよびジフェニルジスルフィドである。これらの重合停止剤は、フェニル間の作用基が電子供与体の機能を果たして、重合反応の反応性がより高く現れる。重合停止剤の含有量は、経済性で最小限の熱的物性および明るさ向上効果を得るため、固体硫黄100重量部に対し0.005〜35重量部が好ましく、0.01〜30重量部がより好ましく、0.03〜25重量部がさらに好ましい。
また該製造方法においては、必要に応じて重合反応触媒を重合工程で配合することができる。代表的な重合反応触媒としては、各種ニトロベンゼン誘導体が挙げられ、これらの重合反応触媒のうち好ましい例としては、3−ジヨード−4−ニトロベンゼン、1−ヨード−4−ニトロベンゼン、2,6−ジヨード−4−ニトロフェノールおよびヨードニトロベンゼンからなる群より選ばれる少なくとも一種が挙げられる。重合反応触媒の含有量は、重合の向上の程度および経済性、ポリアリーレンスルフィド樹脂の色相を暗くさせないため、前記固体硫黄100重量部に対して0.01〜20重量部が好ましい。
反応は、温度180〜250℃および圧力50〜450Torr(6.7〜60kPa)の初期反応条件から、温度270〜350℃および圧力0.001〜20Torr(0.00013〜2.7kPa)の最終反応条件まで、温度を上昇させると共に圧力を降下させながら、1〜30時間進行させることが好ましい。初期反応は、反応速度を考慮して、温度180℃以上、圧力450Torr(60kPa)以下とし、最終反応は高分子の熱分解を考慮して温度350℃以下、圧力20Torr(2.7kPa)以下で行うことが好ましい。
但し、重合反応の条件は、反応器の構造設計および生産速度に依存し、当業者に知られているため、特に制限されない。反応条件は、当業者がプロセス条件を考慮して適宜設定することができる。
<炭素繊維(B成分)>
炭素繊維(B成分)として、カーボンファイバー、カーボンミルドファイバーおよびカーボンナノチューブ等が挙げられる。カーボンナノチューブは単層、2層、および多層のいずれであってもよく、多層(いわゆるMWCNT)が好ましく、繊維径0.003〜0.1μmであることが好ましい。これらの中でも機械的強度に優れる点からカーボンファイバーが好ましい。
カーボンファイバーとしては、セルロース系、ポリアクリロニトリル系、およびピッチ系などのいずれも使用可能である。また芳香族スルホン酸類またはそれらの塩のメチレン型結合による重合体と溶媒よりなる原料組成を紡糸または成形し、次いで炭化するなどの方法に代表される不融化工程を経ない紡糸を行う方法により得られたものも使用可能である。更に汎用タイプ、中弾性率タイプ、および高弾性率タイプのいずれも使用可能である。これらの中でも特にポリアクリロニトリル系の高弾性率タイプが好ましい。
また、カーボンファイバーの平均繊維径は特に限定されないが、3〜15μmが好ましく、より好ましくは5〜13μmである。かかる範囲の平均繊維径を持つカーボンファイバーは、成形品外観を損なうことなく良好な機械的強度および疲労特性を発現することができる。
また、カーボンファイバーの好ましい繊維長は、樹脂組成物中における数平均繊維長として60〜500μmが好ましく、より好ましくは80〜400μm、特に好ましくは100〜300μmである。尚、かかる数平均繊維長は、成形品の高温灰化、溶剤による溶解、および薬品による分解等の処理で採取されるカーボンファイバーの残さから光学顕微鏡観察などから画像解析装置により算出される値である。また、かかる値の算出に際しては繊維長以下の長さのものはカウントしない方法による値である。
また、カーボンファイバーは、カーボンファイバーの表面に金属層をコートしたものであってもよい。金属としては、銀、銅、ニッケル、およびアルミニウムなどが挙げられ、ニッケルが金属層の耐腐食性の点から好ましい。金属コートの方法としては、各種の方法が採用できる。中でもメッキ法が好適に利用される。また、かかる金属コートカーボンファイバーの場合も、元となるカーボンファイバーとしては上記のカーボンファイバーとして挙げたものが使用可能である。金属被覆層の厚みは好ましくは0.1〜1μm、より好ましくは0.15〜0.5μmである。更に好ましくは0.2〜0.35μmである。かかる金属未コートのカーボンファイバー、金属コートカーボンファイバーは、オレフィン系樹脂、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、エポキシ系樹脂、およびウレタン系樹脂等で集束処理されたものが好ましい。特にウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂で処理された繊維状炭素充填材は、機械的強度に優れることから本発明において好適である。
炭素繊維(B成分)の含有量は、樹脂(A)100重量部に対し、10〜180重量部であり、好ましくは15〜180重量部であり、より好ましくは18〜150重量部、さらに好ましくは20〜140重量部である。B成分の含有量が10重量部未満では剛性、強度および電磁波遮蔽効果が十分に向上せず、180重量部を超えると、混練押出時にストランド切れやサージングなどが起こり、生産性が低下するという問題が生ずる。
<全芳香族ポリアミド繊維(C成分)>
全芳香族ポリアミド繊維(C成分)は、アラミド繊維と称される範疇に属するものであれば如何なるものを用いてもよい。アラミド繊維としては、例えばメタ系アラミド繊維、パラ系アラミド繊維などが挙げられる。
全芳香族ポリアミド繊維(C成分)の原料である全芳香族アラミド樹脂とは、実質的に一種以上の芳香族ジアミンと一種以上の芳香族ジカルボン酸ハライドによって得られるものである。但し一種以上の芳香族ジアミンと一種以上の芳香族ジカルボン酸に、例えばトリフェニルホスファイトおよびピリジンの系に代表される縮合剤を添加することもできる。アラミドはパラ型でもメタ型でもよいがパラ型がより好ましい。
好ましい芳香族ジアミンとしては、p−フェニレンジアミン、ベンチジン、4,4”−ジアミノ−p−ターフェニル、2,7−ジアミノフルオレン、3,4−ジアミノジフェニルエーテル、4,4´−ジアミノジフェニルエーテル、1,4−ビス−(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4´−ビス−(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、9,10−ビス−(4−アミノフェニル)アントラセンなどが挙げられる。
芳香族ジカルボン酸ハライドとしては、該酸クロリドが特に好ましく、テレフタル酸クロリド、2,6−ナフタレンジカルボン酸クロリド、4,4´−ジフェニルジカルボン酸クロリド、およびその芳香環に1個以上の低級アルキル基、低級アルコキシ基、ハロゲノ基、ニトロ基、などの非反応性官能基を含むものなどが挙げられる。さらに芳香族ジカルボン酸を使用する場合には、テレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、4,4´−ジフェニルジカルボン酸、およびその芳香環に1個以上の低級アルキル基、低級アルコキシ基、ハロゲノ基、ニトロ基、などの非反応性官能基を含むものなどが挙げられる。さらに本発明で好ましいアラミドの構造は、その主骨格が下記式で表されるものである。
Figure 2016219136
(但し、Ar、Arは下記一般式[I]〜[IV]からなる群より選ばれる少なくとも一種類の芳香族残基を示す。なおAr、Arは互いに同一であっても異なるものであってもよい。また、これらの芳香族残基は、その水素原子の一部がハロゲン原子または低級アルキル基で置換されていてもよい。)
Figure 2016219136
なかでも、前記Ar、Arの合計を100モル%としたときに、一般式[I]と一般式[II]との合計、一般式[I]と一般式[III]との合計、一般式[I]と一般式[IV]との合計、または一般式[I]が80モル%以上であることが好ましい。より好ましくは一般式[I]と一般式[II]との合計、または一般式[I]と一般式[III]との合計が80モル%以上である。さらに好ましくは一般式[I]と一般式[II]との合計、または一般式[I]と一般式[III]との合計が80モル%以上であり、且つ一般式[II]または一般式[III]が1〜20モル%のものである。
紡糸原液となるアラミドドープは、溶液重合を行ったものでも、別途得られた全芳香族アラミド樹脂を溶媒に溶解せしめたものでもよいが、溶液重合反応を行ったものが好ましい。また、溶解性を向上するために溶解助剤として無機塩を少量添加しても差し支えない。このような無機塩としては、例えば、塩化リチウム、塩化カルシウムなどが挙げられる。
重合溶媒あるいは再溶解溶媒としては、一般に公知の非プロトン性有機極性溶媒を用いるが、例を挙げるとN−メチル−2−ピロリドン、N−エチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、N,N−ジメチルプロピオンアミド、N,N−ブチルアミド、N,N−ジメチルイソブチルアミド、N−メチルカプロラクタム、N,N−ジメチルメトキシアセトアミド、N−アセチルピロリジン、N−アセチルピペリジン、N−メチルピペリドン−2,N,N´−ジメチルエチレン尿素、N,N´−ジメチルプロピレン尿素、N,N,N´,N´−テトラメチルマロンアミド、N−アセチルピロリドン、N,N,N´,N´−テトラメチル尿素、ジメチルスルホキシドなどがある。さらに再溶解溶媒としては、濃硫酸やメタンスルホン酸などの強酸が挙げられる。
全芳香族アラミド樹脂の重合度は特に制限はないが、溶媒に溶解するならば重合度は大きい方が好ましい。全芳香族アラミド樹脂を溶液重合する場合、酸成分とジアミン成分との比は実質的に等モルで反応させるが、重合度制御のためいずれかの成分を過剰に用いることもできる。また、末端封鎖剤として単官能の酸成分、アミン成分を使用してもよい。
全芳香族アラミド樹脂を繊維状に成形する場合には、通常アラミドドープを湿式成形する方法が使用され、該ドープを凝固浴の中に直接吐出する方法またはエアギャップを設けて凝固浴の中に吐出する方法がある。凝固浴には全芳香族アラミド樹脂の貧溶媒が用いられるが、アラミドドープの溶媒が急速に抜け出して全芳香族アラミド繊維に欠陥ができぬように、通常は良溶媒を添加して凝固速度を調節する。一般には貧溶媒として水、良溶媒としてアラミドドープの溶媒を用いるのが好ましい。良溶媒/貧溶媒の比は、全芳香族アラミド樹脂の溶解性や凝固性にもよるが、15/85〜40/60が好ましい。
かかる全芳香族アラミド繊維(C成分)の繊維長としては0.1mm以上6mm以下が好ましく、0.5mm以上3mm以下がより好ましい。1mm未満では補強効果が十分でなく、耐衝撃性の向上が不十分である場合があり、6mmを超えると製造時の取り扱いが困難になると共に組成物の流動性が劣り、成形性が不良となる場合がある。
またかかる全芳香族アラミド繊維(C成分)は集束の有無に関係なく効果を発揮するが、集束されているものは取り扱い易く好ましい。集束のための結合剤としてはポリエステル、ポリウレタン、ポリエーテルスルホン樹脂などがあげられ、その中でも芳香族ポリエステルが好ましい。本発明においてかかる耐熱有機繊維は単独あるいは2種以上の混合物として使用できる。
全芳香族ポリアミド繊維(C成分)の含有量は、樹脂(A)100重量部に対し、10〜180重量部であり、好ましくは10〜150重量部であり、より好ましくは15〜120重量部、さらに好ましくは20〜100重量部である。C成分の含有量が10重量部未満では摺動特性および衝撃強度が十分に向上せず、180重量部を超えると、混練押出時にストランド切れやサージングなどが起こり、生産性が低下するという問題が生ずる。
<ガラス繊維(D成分)>
ガラス繊維(D成分)は、Aガラス、Cガラス、Eガラス(無アルカリガラス)等のガラス組成を特に限定するものではなく、場合によりTiO、SO、P等の成分を含有するものであっても良い。但し、Eガラスがポリアリーレンスルフィド樹脂に配合する場合により好ましい。ガラス繊維(D成分)は溶融ガラスを種々の方法にて延伸しながら急冷し、所定の繊維状にしたものである。かかる場合の急冷および延伸条件についても特に限定されるものではない。また断面の形状は真円状の他に、楕円状、マユ型、三つ葉型などの真円以外の形状ものを使用しても良い。更に真円状ガラス繊維と真円以外の形状のガラス繊維が混合したものでもよい。これらのガラス繊維は、当業者にとって周知のものであり、且つ多数の業者から入手可能である。
ガラス繊維(D成分)の含有量は、樹脂(A)100重量部に対し、10〜180重量部であり、好ましくは15〜180重量部、より好ましくは18〜150重量部、さらに好ましくは20〜140重量部である。ガラス繊維(D成分)の含有量が10重量部未満では剛性、強度が十分に向上せず、180重量部を超えると、混練押出時にストランド切れやサージングなどが起こり、生産性が低下するばかりか、強度も低下するという問題が生ずる。
<その他の添加剤について>
本発明における樹脂組成物中には、本発明の効果を損なわない範囲で、エラストマー成分を含むことができる。好適なエラストマー成分としては、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン系共重合体(ABS樹脂)、メチルメタクリレート・ブタジエン・スチレン共重合体(MBS樹脂)およびシリコーン・アクリル複合ゴム系グラフト共重合体などのコア−シェルグラフト共重合体樹脂、あるいはシリコーン系熱可塑性エラストマー、オレフィン系熱可塑性エラストマー、ポリアミド系熱可塑性エラストマー、ポリエステル系熱可塑性エラストマー、ポリウレタン系熱可塑性エラストマーなどの熱可塑性エラストマーが挙げられる。
本発明における樹脂組成物中には、本発明の効果を損なわない範囲で、他の熱可塑性樹脂を含むことができる。他の熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリアルキルメタクリレート樹脂などに代表される汎用プラスチックス、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリアセタール樹脂、芳香族ポリエステル樹脂、液晶性ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、環状ポリオレフィン樹脂、ポリアリレート樹脂(非晶性ポリアリレート、液晶性ポリアリレート)等に代表されるエンジニアリングプラスチックス、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルイミド、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン、などのいわゆるスーパーエンジニアリングプラスチックスと呼ばれるものを挙げることができる。
本発明における樹脂組成物中には、本発明の効果を損なわない範囲で、酸化防止剤や耐熱安定剤(ヒンダードフェノール系、ヒドロキノン系、ホスファイト系およびこれらの置換体等)、耐候剤(レゾルシノール系、サリシレート系、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、ヒンダードアミン系等)、離型剤および滑剤(モンタン酸およびその金属塩、そのエステル、そのハーフエステル、ステアリルアルコール、ステアラミド、各種ビスアミド、ビス尿素およびポリエチレンワックス等)、顔料(硫化カドミウム、フタロシアニン、カーボンブラック等)、染料(ニグロシン等)、結晶核剤(タルク、シリカ、カオリン、クレー等)、可塑剤(p−オキシ安息香酸オクチル、N−ブチルベンゼンスルホンアミド等)、帯電防止剤(アルキルサルフェート型アニオン系帯電防止剤、4級アンモニウム塩型カチオン系帯電防止剤、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレートのような非イオン系帯電防止剤、ベタイン系両性帯電防止剤等)、難燃剤(例えば、赤燐、リン酸エステル、メラミンシアヌレート、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム等の水酸化物、ポリリン酸アンモニウム、臭素化ポリスチレン、臭素化ポリフェニレンエーテル、臭素化ポリカーボネート、臭素化エポキシ樹脂あるいはこれらの臭素系難燃剤と三酸化アンチモンとの組み合わせ等)、他の重合体を添加することができる。
本発明における樹脂組成物中には、本発明の効果を損なわない範囲で、炭素繊維(B成分)、全芳香族ポリアミド繊維(C成分)またはガラス繊維(D成分)以外の充填材を含むことができる。その材料は特に限定されるものではないが、繊維状、板状、粉末状、粒状などの充填剤を使用することができる。具体的には例えば、チタン酸カリウィスカ、酸化亜鉛ウィスカ、アルミナ繊維、炭化珪素繊維、セラミック繊維、アスベスト繊維、石コウ繊維、金属繊維などの繊維状充填剤、ワラステナイト、セリサイト、カオリン、マイカ、クレー、ベントナイト、アスベスト、タルク、アルミナシリケートなどの珪酸塩、モンモリロナイト、合成雲母などの膨潤性の層状珪酸塩、アルミナ、酸化珪素、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化鉄などの金属化合物、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ドロマイトなどの炭酸塩、硫酸カルシウム、硫酸バリウムなどの硫酸塩、ガラス・ビーズ、セラミックビ−ズ、窒化ホウ素、炭化珪素、燐酸カルシウムおよびシリカなどの非繊維状充填剤が挙げられ、これらは中空であってもよく、さらにはこれら充填剤を2種類以上併用することも可能である。特にフィルムにする場合、取扱い性を向上させるための滑剤として、これら充填剤を含有させることは好ましい態様である。
また、これら充填材をイソシアネート系化合物、有機シラン系化合物、有機チタネート系化合物、有機ボラン系化合物、およびエポキシ化合物などのカップリング剤および膨潤性の層状珪酸塩では有機化オニウムイオンで予備処理して使用することは、より優れた機械的強度を得る意味において好ましい。
<樹脂組成物の製造>
本発明における樹脂組成物は、上記各成分を同時に、または任意の順序でタンブラー、V型ブレンダー、ナウターミキサー、バンバリーミキサー、混練ロール、押出機等の混合機により混合して製造することができる。好ましくは二軸押出機による溶融混練が好ましく、必要に応じて、任意の成分を、サイドフィーダー等を用いて第二供給口より、溶融混合された他の成分中に供給することが好ましい。押出機としては、原料中の水分や、溶融混練樹脂から発生する揮発ガスを脱気できるベントを有するものが好ましく使用できる。ベントからは発生水分や揮発ガスを効率よく押出機外部へ排出するための真空ポンプが好ましく設置される。また押出原料中に混入した異物などを除去するためのスクリーンを押出機ダイス部前のゾーンに設置し、異物を樹脂組成物から取り除くことも可能である。かかるスクリーンとしては金網、スクリーンチェンジャー、焼結金属プレート(ディスクフィルターなど)などを挙げることができる。
二軸押出機に使用するスクリューは、輸送用順フライトピースの間に多種多様な形状のスクリュピースを挿入して複雑に組合せ、一体化して一本のスクリューとして構成されており、順フライトピース、順ニーディングピース、逆ニーディングピース、逆フライトピースなどのスクリュピースを処理対象原材料の特性を考慮して、適宜の順序および位置に配置して組み合わせたものなどを挙げることができる。特開2012−213997号公報の図2に記載のような、円弧状の切り欠きが形成されたフライト部を有する逆送り一条のスクリューエレメントが好ましい。溶融混練機としては二軸押出機の他にバンバリーミキサー、混練ロール、単軸押出機、3軸以上の多軸押出機などを挙げることができる。
上記の如く押出された樹脂は、直接切断してペレット化するか、またはストランドを形成した後かかるストランドをペレタイザーで切断してペレット化される。ペレット化に際して外部の埃などの影響を低減する必要がある場合には、押出機周囲の雰囲気を清浄化することが好ましい。得られたペレットの形状は、円柱、角柱、および球状など一般的な形状を取り得るが、より好適には円柱である。かかる円柱の直径は好ましくは1〜5mm、より好ましくは1.5〜4mm、さらに好ましくは2〜3.5mmである。一方、円柱の長さは好ましくは1〜30mm、より好ましくは2〜5mm、さらに好ましくは2.5〜4mmである。
<成形品について>
本発明の固体高分子電解質膜の補強部材は、上記樹脂組成物の成形品からなり、上記の如く製造されたペレットを成形して得ることができる。好適には、射出成形、押出し成形により得られる。射出成形においては、通常の成形方法だけでなく、射出圧縮成形、射出プレス成形、ガスアシスト射出成形、発泡成形(超臨界流体を注入する方法を含む)、インサート成形、インモールドコーティング成形、断熱金型成形、急速加熱冷却金型成形、二色成形、多色成形、サンドイッチ成形、および超高速射出成形等を挙げることができる。また成形はコールドランナー方式およびホットランナー方式のいずれも選択することができる。また押出成形では、各種異形押出成形品、シート、フィルム等が得られる。シート、フィルムの成形にはインフレーション法や、カレンダー法、キャスティング法等も使用可能である。更に特定の延伸操作をかけることにより熱収縮チューブとして成形することも可能である。また本発明の樹脂組成物を回転成形やブロー成形等により成形品とすることも可能である。
本発明者が現在最良と考える本発明の形態は、前記の各要件の好ましい範囲を集約したものとなるが、例えば、その代表例を下記の実施例中に記載する。もちろん本発明はこれらの形態に限定されるものではない。
本発明の補強部材は、シート状物である場合、その主面と水平な方向における線膨張係数が−100〜100ppm/℃の範囲にあることがシワなどの発生を抑制する観点から好ましい。ここでいう主面と水平な方向における線膨張係数とは主面と水平な方向において直交する2方向の平均値を意味する。好ましい線膨張係数は−60〜60ppm/℃、さらに−45〜45ppm/℃、特に−30〜30ppm/℃である。
<二軸延伸フィルム>
本発明における成形体は、溶融押出や射出成形などそれ自体公知の方法で製造でき、成形体がフィルムである場合、二軸配向されていることが好ましい。二軸配向されていることにより、機械的強度などの特性が良好なものとなり、固体高分子電解質膜の補強部材として優れた性能を発現することが可能となる。
本発明における成形体がフィルムである場合、それ自体公知の製膜方法を用いて製造することができ、例えば十分に乾燥させたポリアリーレンスルフィド樹脂組成物を融点〜(融点+70)℃の温度で溶融押出し、キャスティンクドラム上で急冷して未延伸フィルムとし、次いで該未延伸フィルムを逐次または同時二軸延伸し、熱固定する方法で製造することができる。逐次または同時二軸延伸する際の延伸条件としては、製膜方向および幅方向にそれぞれ80〜140℃の温度で、2〜6倍の範囲で延伸することが挙げられる。また、熱固定の条件としては、200〜260℃、より好ましくは220〜240℃の温度で、緊張下または制限収縮下で熱固定するのが好ましく、熱固定時間は1〜1000秒が好ましい。また、熱固定後に弛緩処理を行ってもよい。
<ヒートシール層>
本発明の補強部材を形成する成形体がシート状物である場合、その少なくとも片面にヒートシール層を有することが好ましい。本発明におけるヒートシール層は、融点が2つ以上存在することが好ましく、低温側の融点(Tm1:℃)は50℃以上120℃以下であり、高温側の融点(Tm2:℃)は125℃以上200℃以下であることが好ましい。好ましいTm1は、65〜115℃、さらに75〜110℃、特に80〜100℃の範囲であり、好ましいTm2は、130〜180℃、さらに140〜160℃の範囲である。
低温側の融点が、上限よりも高いと、接着時にポリアリーレンスルフィドフィルムが変形する。また、下限よりも低い場合、接着力が弱くなってしまう。
高温側の融点が、下限よりも低い場合、高温における接着力が弱くなる。また、上限を超えるとヒートシール層を押出し成形する際に低融点の樹脂成分が劣化してしまう。
また、ヒートシール層のTm1とTm2の差は、20〜70℃、さらに30〜60の範囲にあることが上記特性を制御しやすいことから好ましい。
本発明におけるヒートシール層の組成は、上記融点を有するものであれば特に制限されず、例えばポリオレフィン系樹脂層やポリエステル系樹脂を好適に使用することができる。
ポリオレフィン系樹脂としては、例えば、ポリエチレン(低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン等)、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリイソブチレン、ポリブタジエン、ポリイソプレン等のオレフィン樹脂が挙げられる。また、エチレン−α・オレフィン共重合体、エチレン−プロピレン共重合体等のオレフィン系樹脂;エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体、エチレン−メタクリル酸エステル共重合体等のアクリル系樹脂;エチレン−酢酸ビニル共重合体等の酢酸ビニル系樹脂等も挙げられる。その他、アイオノマー樹脂等も挙げられる。さらに、これらの樹脂を変性した酸変性ポリオレフィン系樹脂を使用してもよい。
また、ポリエステル系樹脂としては、ジカルボン酸とジオールとを反応させて製造することができる。ポリエステル樹脂の製造に用いるジカルボン酸としては、例えば、テレフタル酸、ジメチルテレフタル酸、イソフタル酸、オルソフタル酸等の芳香族ジカルボン酸、及びコハク酸、グルタル酸、アジピン酸、β−メチルアジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ヘキサデカンジカルボン酸等の脂肪族ジカルボン酸などが挙げられる。これらのジカルボン酸は1種のみ用いてもよく、2種以上を併用してもよい。また、ジオールとしては、例えば、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,2−ペンタンジオール、1,5−ペンタンジオール、3−メチルペンタンジオール、1,3−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、水添ビスフェノールA、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール等のジオールが挙げられる。これらのジオールは1種のみ用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
ポリエステル樹脂としては、ジカルボン酸として芳香族ジカルボン酸と脂肪族ジカルボン酸とを併用して製造された樹脂が好ましく、テレフタル酸等のフタル酸とアジピン酸及び/又はセバシン酸等とを用いて製造された樹脂がより好ましい。
また、ポリエステル樹脂の製造時、酸成分として、マレイン酸、フマル酸、ダイマー酸等の不飽和酸、及びトリメリット酸等の3官能以上の多官能酸を共重合させることもでき、アルコール成分として、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等の3価以上の多価アルコールを共重合させることもできる。
本発明におけるヒートシール層の厚みは、1μm以上300μm以下であることが好ましい。ヒートシール層の厚みは、より好ましくは5μm以上200μm以下である。ヒートシール層の厚みが下限未満の場合、接着効果が低下しやすく、他方上限を超える場合、ヒートシール層よりも機械強度や寸法安定性の良い基材の効果が低下し、積層体自身の機械強度や寸法安定性の性能が低下しやすい。
<電解質補強部材>
本発明の補強部材は、PEFCの電解質膜の補強部材として使用されることが好ましい。ここで電解質膜の補強部材は、枠状の部材であることが好ましく、電解質膜の周縁部に配置される。枠状の補強部材は、本発明の補強部材を用い、電極を積層する中心部が電極形状に切り取られ、周縁部のみに補強部材が存在する、額縁のような形状に加工して作成されることが好ましい。
電解質膜の補強部材は、少なくとも1枚の補強部材を電解質膜の周辺部に張り合わせて使用することができ、少なくとも2枚の補強部材を重ね合せて用いることが好ましい。具体的には、電解質膜の周縁部を挟み、電解質膜の両面にそれぞれ1枚ずつ補強部材を使用する態様が挙げられる。さらに、電解質膜の周縁部を介した両面に、それぞれ2枚以上の補強部材を重ね合わせて使用してもよい。
<補強電解質膜>
本発明によれば、電解質膜および少なくとも1枚の枠状に裁断された本発明の補強部材を含むPEFC用の補強電解質膜が提供できる。
また、電解質膜および電解質膜を挟んで対向する2枚の補強部材を含むPEFC用の補強電解質膜であることがさらに好ましい。
PEFCでは、電解質膜の両側に電極層が配置されており、電極層は電解質膜よりも寸法が小さく、枠状に裁断された本発明の補強部材は、通常電極層の外縁を囲むように配置される。
本発明の補強部材を用いた補強電解質膜において、枠状の補強部材に用いる成形体は前述の通りである。本発明の補強部材は、電極を積層する中心部が電極形状に切り取られ、周縁部のみに補強部材が存在する、額縁のような形状を有することが好ましい。
枠状の補強部材を1枚用いる場合は、電解質膜の周縁部を挟み電解質膜の片面から支持する。
また枠状の補強部材を2枚用いる場合、2枚の枠状の積層体は、電解質膜の周縁部を挟み電解質膜を両面から支持することが好ましい。
本発明の補強部材を用いた補強電解質膜において、電解質膜はパーフルオロスルホン酸樹脂からなることが好ましい。
<膜・電極接合体>
本発明によれば、本発明の補強部材、電解質膜、正極および負極からなる固体高分子型燃料電池(PEFC)用の、膜・電極接合体(MEA)が提供できる。
本発明の補強部材を用いたMEAは、電解質膜、少なくとも1枚の枠状の補強部材で形成された枠、正極および負極を有し、正極および負極は枠内で電解質膜を挟んで対向する。
また、本発明の補強部材を用いたMEAは、電解質膜、2枚の枠状補強部材で形成された枠、正極および負極を有し、2枚の枠状積層体は電解質膜を挟んで対向し、正極および負極は枠内で電解質膜を挟んで対向することがさらに好ましい。
本発明の補強部材を用いたMEAにおいて、枠状補強部材に用いる成形体は前述の通りである。枠状補強部材は、電極を積層する中心部が電極形状に切り取られ、周縁部のみに補強部材が存在する、額縁のような形状を有することが好ましい。
枠状補強部材を1枚用いる場合は、電解質膜の周縁部を挟み電解質膜の片面から支持する。
また枠状補強部材を2枚用いる場合、2枚の枠状補強部材は、電解質膜の周縁部を挟み電解質膜を両面から支持することが好ましい。
これらの電極層の外側にはさらに電極層よりも寸法の大きい拡散層が配置され、枠状補強部材の一方の面は電解質膜の周縁部と、もう一方の面は拡散層の周縁部とそれぞれ接する。
本発明の補強部材を用いたMEAにおいて、電解質膜は、パーフルオロスルホン酸樹脂からなることが好ましい。
負極(燃料極)は、水素やメタノールなどの燃料をプロトンと電子に分解する電極である。負極は、カーボンブラック担体上に白金触媒あるいはルテニウム−白金合金触媒を担持したものが好ましい。正極(空気極)は、電解質膜から来たプロトンと、導線から来た電子が空気中の酸素と反応させ水を生成する電極である。正極(空気極)は、カーボンブラック担体上に白金触媒を担持したものが好ましい。
以下、実施例により本発明を詳述するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。なお、各特性値は以下の方法で測定した。また、実施例中の部および%は、特に断らない限り、それぞれ重量部および重量%を意味する。
(1)成形体およびヒートシール層の厚み
電子マイクロメータ(アンリツ(株)製の商品名「K−312A型」)を用いて針圧30gにて成形体およびヒートシール層の厚みを測定した。また、それらが個々に測定できない場合、各層の厚みは、成形体を厚み方向に沿って超薄片に裁断し、その断面を透過型電子顕微鏡にて観察して、各層の厚みを測定した。
(2)温度膨張係数
成形体の主面に沿った直交する二方向に、それぞれ長さ15mm、幅5mmに切り出し、真空理工製 TMA3000にセットし、窒素雰囲気下、130℃で30分前処理し、その後室温まで降温させる。その後25℃から110℃まで2℃/分で昇温し、各温度でのサンプル長を測定し、次式より温度膨張係数(αt:ppm/℃)を算出する。なお、温度膨張係数は直交する二方向について、それぞれ3点ずつ、計6点測定した結果を平均した値より算出した。
αt={(L2−L1)/(L1×ΔT)}+0.5×10−6
ここで、L1:40℃時のサンプル長(mm)
L2:90℃時のサンプル長(mm)
ΔT:50(=90−40℃)
0.5×10−6:石英ガラスの温度膨張係数である。
(3)耐熱水性
補強部材の主配向軸方向が測定長となるように150mm長×10mm幅に切り出した短冊状の試料片を、121℃・2atm・濡れ飽和モード・100%RHに設定した環境試験機内にステンレス製のクリップで吊り下げる。300時間処理後に試料片を取り出し、破断強度を測定する。測定は5回行い、その平均値を求め、下記式(1)で表される300時間後の破断強度保持率(RX)を求めて耐熱水性を評価した。測定装置としてオリエンテック社製テンシロンUCT−100型を用い、室温のヤング率測定と同じ測定条件で行った。
RX(%)=(X/X0)×100 ・・・(1)
(式(1)中、Xは、121℃、2atm、100%RHの条件で300時間処理後の破断強度(単位:MPa)、X0は処理前の初期の破断強度(単位:MPa)、RXは破断強度保持率(%)をそれぞれ表す)
<耐熱水処理後の破断強度保持率>
5:破断強度保持率RXが80%以上
4:破断強度保持率RXが60%以上80%未満
3:破断強度保持率RXが40%以上60%未満
2:破断強度保持率RXが20%以上40%未満
1:破断強度保持率RXが20%未満。
(4)補強部材の補強性能評価(A)
電解質膜として100mm四方のパーフルオロスルホン酸樹脂(デュポン社製:ナフィオン117)を用い、その両面に枠状の積層体(外周100mm×100mm、内周80mm×80mm)を重ねて140℃で熱プレスにより接合した。
かかる電解質膜及び補強部材の構成体を振動試験機に固定し、90℃の雰囲気下で、振幅0.75mm(縦方向)、10Hz→55Hz→10Hzを60秒で掃引、これを1サイクルとして10サイクル行った後の、電解質膜のしわ、破れ、破損などの変化を目視で観察し、以下の基準で評価した。
○:電解質膜の部分にしわ、破れ、破損などの変化が観察されず、補強性能に優れている
×:電解質膜の部分にしわ、破れ、破損の少なくともいずれか1つが観察され、補強性能が十分ではない
(5)補強部材の補強性能評価(B)
(4)の方法で作成した電解質膜及び補強部材の構成体を121℃・2atm・濡れ飽和モード・100%RHに設定した環境試験機内に設置し、300時間処理を行った。
処理後のサンプルを用いて振動試験機に固定し、90℃の雰囲気下で、振幅0.75mm(縦方向)、10Hz→55Hz→10Hzを60秒で掃引、これを1サイクルとして10サイクル行った後の、電解質膜のしわ、破れ、破損などの変化を目視で観察し、以下の基準で評価した。
○:電解質膜の部分にしわ、破れ、破損などの変化が観察されず、補強性能に優れている
×:電解質膜の部分にしわ、破れ、破損の少なくともいずれか1つが観察され、補強性能が十分ではない
(6)ナトリウム元素量と塩素元素量
ポリフェニレンスルフィド樹脂(A)の質量を基準として、以下の方法でナトリウム元素量と塩素元素量とをそれぞれ測定した。
(6−1)ナトリウム元素量
試料約0.2gと濃硝酸7mlとを石英セルにセットし、マイクロウェーブ湿式分解装置(PerkinElmer社製、Multiwave3000)で200℃、80barで40分間分解処理した後、希酸を添加して回収操作を行った。放冷後、得られたサンプルをフッ素樹脂製の容器に移液し、ICP発光分析装置(セイコーインスツルメンツ社製、Vista−PRO)を用いて定量分析を行った。
(6−2)塩素量
試料約5mgを精秤して三菱化学アナリテック社製 自動試料燃焼式装置(AQF−100)で燃焼処理し、日本ダイオネクス社製イオンクロマト測定装置(ICS−100)で定量分析を行った。
(7)純水溶出試験
固体高分子電解質膜の補強部材4gを純水200mLに浸漬し、80℃で40hr攪拌した。その後、溶液をろ過し200mLにメスアップした。そして、溶液中に含まれる塩化物イオンの溶出量をイオンクロマトグラフ法(JIS K0102 35.3に準拠)で、ナトリウムイオンをICP発光分析装置で、有機物の量をTOC法(JIS K0102 22に準拠)で測定しし、以下の基準で評価した。
塩化物イオン
○:0.1ppm未満
△:0.1〜99ppm
×:100ppm以上
ナトリウムイオン
○:1ppm未満
△:1〜99ppm
×:100ppm以上
TOC
○:1ppm未満
△:1〜99ppm
×:100ppm以上
(8)硫酸溶出試験
固体高分子電解質膜の補強部材を純水、0.5N硫酸溶液200mLに浸漬し、80℃で40hr攪拌した。その後、溶液をろ過し200mLにメスアップした。そして、溶液中に含まれる塩化物イオンの溶出量をイオンクロマトグラフ法(JIS K0102 35.3に準拠)で、ナトリウムイオンをICP発光分析装置で、有機物の量をTOC法(JIS K0102 22に準拠)で測定し、以下の基準で評価した。
塩化物イオン
○:0.1ppm未満
△:0.1〜99ppm
×:100ppm以上
ナトリウムイオン
○:1ppm未満
△:1〜99ppm
×:100ppm以上
TOC
○:1ppm未満
△:1〜99ppm
×:100ppm以上
(9)積層体同士のせん断引張接着強度
ヒートシール層を有する補強部材を70mm*10mmのサイズに2枚切り出し、2枚とも片面側にPENフィルム(帝人デュポンフィルム製テオネックスフィルムQ51−250μm)を同じサイズに切り出して、重ね合せ、両面をテフロン(登録商標)シートで挟み、150℃、0.3MPa、20秒間加熱プレスし、貼り付け補強した測定サンプルを作成した。測定サンプルのヒートシール層の面同士を測定サンプルの長手方向に10mmだけ重ね、150℃、0.3MPa、20秒間加熱プレスし、貼り付けた。
この貼り合わせたサンプルを島津製作所製引張試験機(SHIMADZU製 Autograph AG−X)にてチャック間100mmにサンプルを装着し、JIS−C2151に従って引張速度50mm/minの条件で引張試験を行った。測定は5回行い、平均値を結果とした。測定温度は23℃および110℃にて実施した。
<23℃でのせん断接着力評価>
5:せん断接着力が500N/cm以上
4:せん断接着力が400N/cm以上500N/cm未満
3:せん断接着力が250N/cm以上400N/cm未満
2:せん断接着力が100N/cm以上250N/cm未満
1:せん断接着力が100N/cm未満。
<110℃でのせん断接着力評価>
5:せん断接着力が100N/cm以上
4:せん断接着力が80N/cm以上100N/cm未満
3:せん断接着力が40N/cm以上80N/cm未満
2:せん断接着力が10N/cm以上40N/cm未満
1:せん断接着力が10N/cm未満。
(10)金属板とのせん断引張接着強度(金属板貼り合せ試験)
スチール板を70mm*15mmのサイズに2枚切り出し、長手方向に15mmだけ重ね、その間に10mm*10mmに切り出した積層体を挟み、150℃、0.3MPa、20秒間加熱プレスし、貼り付けた。
この貼り合わせたサンプルを島津製作所製引張試験機(SHIMADZU製 Autograph AG−X)にてチャック間100mmにサンプルを装着し、JIS−C2151に従って引張速度50mm/minの条件で引張試験を行った。測定は5回行い、平均値を結果とした。測定温度は23℃および110℃にて実施した。
<23℃でのせん断接着力評価>
5:せん断接着力が500N/cm以上
4:せん断接着力が400N/cm以上500N/cm未満
3:せん断接着力が250N/cm以上400N/cm未満
2:せん断接着力が100N/cm以上250N/cm未満
1:せん断接着力が100N/cm未満以下。
<110℃でのせん断接着力評価>
5:せん断接着力が100N/cm以上
4:せん断接着力が80N/cm以上100N/cm未満
3:せん断接着力が40N/cm以上80N/cm未満
2:せん断接着力が10N/cm以上40N/cm未満
1:せん断接着力が10N/cm未満。
(11)DSC
ヒートシール層の樹脂を約20mg測定用のアルミニウム製パンに封入して示差熱量計(TA Instruments社製、DSCQ100)に装着し、25℃から20℃/分の速度で290℃まで昇温させて、融点Tm(単位:℃)を測定した。もっとも低温側に現れる融点をTm1、もっとも高温側に現れる融点をTm2とした。
[実施例1]
p−ジヨードベンゼン300.0g、固体硫黄29.15gおよび重合停止剤としてのジフェニルジスルフィド0.75gの混合物を180℃に加熱して溶融混合した。該溶融混合物を、温度220℃および圧力350Torr(46.7kPa)で1時間;温度230℃および圧力200Torr(26.7kPa)で2時間;温度250℃および圧力120Torr(16.0kPa)で1時間;圧力を60Torr(8.0kPa)に下げて1時間;温度を280℃に上げて1時間;圧力を10Torr(1.3kPa)に下げて1時間;温度300℃および圧力1Torr(0.13kPa)以下で1時間の条件で、総計8時間重合反応させてポリフェニレンスルフィド樹脂を製造した(A−1)。得られた樹脂を得られたペレットを130℃で6時間、熱風循環式乾燥機にて乾燥した後、射出成形機(住友重機械工業(株)製 SG−150U)によりシリンダー温度320℃、金型温度130℃で外寸100mm角、内寸80mm角、厚み500μmの枠状のシートを成形した。
[実施例2]
重合停止剤としてジフェニルジスルフィドの代わりに2,2−ジチオビスベンゾチアゾール0.88gを使用したことを除いて実施例1と同じ方法でポリフェニレンスルフィド樹脂を製造した(A−2)。得られた樹脂を得られたペレットを130℃で6時間、熱風循環式乾燥機にて乾燥した後、射出成形機(住友重機械工業(株)製 SG−150U)によりシリンダー温度320℃、金型温度130℃で外寸100mm角、内寸80mm角、厚み500μmの枠状のシートを成形した。
[実施例3]
重合停止剤としてジフェニルジスルフィドの代わりにジカルボン酸ジフェニルジスルフィド1.88gを使用したことを除いて実施例1と同じ方法でポリフェニレンスルフィド樹脂を製造した(A−3)。得られた樹脂を得られたペレットを130℃で6時間、熱風循環式乾燥機にて乾燥した後、射出成形機(住友重機械工業(株)製 SG−150U)によりシリンダー温度320℃、金型温度130℃で外寸100mm角、内寸80mm角、厚み500μmの枠状のシートを成形した。
[実施例4−6]
実施例1と同じ方法で作成したポリフェニレンスルフィド樹脂100部と炭素繊維(B)(東邦テナックス(株)製:HT C432 6mm、長径7μm、カット長6mm、ウレタン系集束剤)を表1に示す重量部でベント式二軸押出機を用いて溶融混練してペレットを得た。ベント式二軸押出機は(株)日本製鋼所製:TEX−30XSST(完全かみ合い、同方向回転)を使用した。押出条件は吐出量12kg/h、スクリュー回転数150rpm、ベントの真空度3kPaであり、また押出温度は第一供給口からダイス部分まで320℃とした。炭素繊維は、押出機のサイドフィーダーを使用し第二供給口から供給し、ポリアリーレンスルフィド樹脂は第一供給口から押出機に供給した。ここでいう第一供給口とはダイスから最も離れた供給口であり、第二供給口とは押出機のダイスと第一供給口の間に位置する供給口である。得られたペレットを130℃で6時間、熱風循環式乾燥機にて乾燥した後、射出成形機(住友重機械工業(株)製 SG−150U)によりシリンダー温度320℃、金型温度130℃で外寸100mm角、内寸80mm角、厚み500μmの枠状のシートを成形した。
[実施例7−9]
実施例1と同じ方法で作成したポリフェニレンスルフィド樹脂100部と全芳香族ポリアミド繊維(C)(帝人(株)製:パラ系アラミド繊維 T322UR 長径12μm、カット長3mm、ウレタン系集束剤)を表1に示す重量部でベント式二軸押出機を用いて溶融混練してペレットを得たことを除いて実施例4と同様の方法で枠状のシート成形を実施した。
[実施例10−12]
実施例1と同じ方法で作成したポリフェニレンスルフィド樹脂100部とガラス繊維(D)(日本電気硝子(株)製:T−760H カット長3mm、繊維径10.5μm、アミノシラン/ウレタン/エポキシ系集束剤)を表1に示す重量部でベント式二軸押出機を用いて溶融混練してペレットを得たことを除いて実施例4と同様の方法で枠状のシート成形を実施した。
[実施例13]
実施例1と同じ方法で作成したポリフェニレンスルフィド樹脂を130℃で6時間、熱風循環式乾燥機にて乾燥した後、押出機に供給し、320℃で溶融し、ダイスリットから押出し後、50℃に冷却されたキャスティングドラム上で冷却固化し、未延伸シートを作成した。
この未延伸シートを100℃で縦方向(機械軸方向)に3.0倍延伸し、続いてテンターに導いた後、110℃で横方向(機械軸方向と厚み方向とに垂直な方向)に3.0倍逐次二軸延伸した。その後240℃で60秒間熱固定をし、さらに180℃まで冷却する間に横方向に2%弛緩処理をして、厚み100μmとなる二軸延伸フィルムを得てロール状に巻き取った。これとは別にヒートシール層用樹脂(商品名:アドマーQE840、三井化学株式会社製)を押出機に供給し、200℃で溶融し、ダイスリットから押出し後、20℃に冷却されたキャスティングドラム上で冷却固化し、厚さ50μmの未延伸シートを作成し、巻き取った。
上記のようにして得られた二軸延伸フィルムの両面にコロナ処理を施し、上記で得られたヒートシール層を両面に配置し、150℃、0.3PMa、0.5m/分の条件でラミネートを施し、積層体を作成した。これを外寸100mm角、内寸80mm角にカットし、厚み200μmの枠状のシートを成形した
[実施例14]
実施例13と同じ方法で厚み100μmとなる二軸延伸フィルムを得てロール状に巻き取った。これとは別にヒートシール層用樹脂を酸成分としてテレフタル酸残基60モル%、イソフタル酸残基20モル%、アジピン酸残基20モル%、ジオール成分として1.4−ブタンジオール残基90モル%、1.6−ヘキサンジオール残基10モル%のモル比の組成を有し、重量平均分子量が32000、融点が165℃、ガラス転移点が10℃の共重合ポリエステル甲を常法により合成した。また、酸成分としてテレフタル酸残基60モル%、イソフタル酸残基20モル%、アジピン酸残基20モル%、1.4−ブタンジオール残基60モル%、1.6−ヘキサンジオール残基40モル%のモル比の組成を有し、重量平均分子量が30000、融点が110℃、ガラス転移点が−20℃の共重合ポリエステル乙を常法により合成した。共重合ポリエステル甲を50重量部と共重合ポリエステル乙を50重量部とを200℃に加熱した二軸押出機に投入し、ペレット状の樹脂混合物を押出機に供給し、200℃で溶融し、ダイスリットから押出し後、20℃に冷却されたキャスティングドラム上で冷却固化し、厚さ50μmの未延伸シートを作成し、巻き取った。
上記のようにして得られた二軸延伸フィルムの両面にコロナ処理を施し、上記で得られたヒートシール層を両面に配置し、150℃、0.3PMa、0.5m/分の条件でラミネートを施し、積層体を作成した。これを外寸100mm角、内寸80mm角にカットし、厚み200μmの枠状のシートを成形した
[実施例15]
実施例1と同じ方法で作成したポリフェニレンスルフィド樹脂を130℃で6時間、熱風循環式乾燥機にて乾燥した後、押出機に供給し、320℃で溶融し、ダイスリットから押出し後、50℃に冷却されたキャスティングドラム上で冷却固化し、未延伸シートを作成した。
この未延伸シートを100℃で縦方向(機械軸方向)に3.0倍、横方向(機械軸方向と厚み方向とに垂直な方向)に3.0倍同時二軸延伸した。その後240℃で60秒間熱固定をし、さらに180℃まで冷却する間に横方向に2%弛緩処理をして、厚み100μmとなる二軸延伸フィルムを得てロール状に巻き取った。以降、実施例13と同様に枠状のシートを作成した。
[実施例16]
実施例13と同じ方法でポリフェニレンスルフィド未延伸フィルムを得た。これとは別にヒートシール層用樹脂(商品名:アドマーQE840、三井化学株式会社製)を押出機に供給し、200℃で溶融し、ダイスリットから押出し後、20℃に冷却されたキャスティングドラム上で冷却固化し、厚さ50μmの未延伸シートを作成し、巻き取った。
上記のようにして得られたポリフェニレンスルフィド未延伸フィルムの両面にコロナ処理を施し、上記で得られたヒートシール層を両面に配置し、150℃、0.3PMa、0.5m/分の条件でラミネートを施し、積層体を作成した。これを外寸100mm角、内寸80mm角にカットし、厚み200μmの枠状のシートを成形した。
[比較例1]
ポリフェニレンスルフィド樹脂としてDIC社製PPS MA−505(重合停止剤として芳香族ジスルフィド系化合物を使用せずに製造されたポリフェニレンスルフィド樹脂)を使用した以外は実施例と同様に枠状のシートを作成した。
[比較例2]
ポリフェニレンスルフィド樹脂として東レ社製PPS A900(重合停止剤として芳香族ジスルフィド系化合物を使用せずに製造されたポリフェニレンスルフィド樹脂)を使用した以外は実施例1と同様に枠状のシートを作成した。
実施例1〜8、比較例1,2を評価した結果を表1に示す。
Figure 2016219136
本発明の固体高分子電解質膜の補強部材は、特に高温で溶媒などと接する固体高分子型燃料電池のガスケットなどとして好適に使用できる。

Claims (11)

  1. ポリアリーレンスルフィド樹脂(樹脂(A))を主たる樹脂成分とし、樹脂(A)の質量を基準として、含有するナトリウム金属元素量が50ppm以下である樹脂組成物の成形体からなることを特徴とする固体高分子電解質膜の補強部材。
  2. 含有する塩素元素量が、樹脂(A)の質量を基準として、50ppm以下である請求項1記載の固体高分子電解質膜の補強部材。
  3. 成形体がシート状物である請求項1記載の固体高分子電解質膜の補強部材。
  4. 樹脂(A)が、重合停止剤として芳香族ジスルフィド化合物を含有する請求項1記載の固体高分子電解質膜の補強部材。
  5. 樹脂(A)が、ジヨードアリール化合物、固体硫黄および芳香族ジスルフィド系化合物を、極性溶媒を使用せずに直接加熱して重合させる方法よって得られたポリアリーレンスルフィド樹脂である請求項1記載の固体高分子電解質膜の補強部材。
  6. シート状物が、その少なくとも片面にヒートシール層を有する請求項3記載の固体高分子電解質膜の補強部材。
  7. ヒートシール層が異なる二つの融点(Tm1、Tm2)を有し、Tm1が50〜120℃、Tm2が125〜200℃の範囲にある請求項3記載の固体高分子電解質膜の補強部材。
  8. シート状物の主面と水平な方向における線膨張係数が−100〜100ppm/℃の範囲にある請求項3記載の固体高分子電解質膜の補強部材。
  9. シート状物の厚みが5〜1000μmである請求項3記載の固体高分子電解質膜の補強部材。
  10. 樹脂組成物が、樹脂(A)と、炭素繊維(B成分)、全芳香族ポリアミド繊維(C成分)およびガラス繊維(D成分)からなる群より選ばれる少なくとも1種を含有する請求項1記載の固体高分子電解質膜の補強部材。
  11. ガスケットとして用いられる請求項1〜10のいずれかに記載の固体高分子電解質膜の補強部材。
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