JP2006019227A - ポリフェニレンスルフィド(pps)樹脂組成物、燃料電池用セパレーター、燃料電池、及び燃料電池用セパレーターの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】PAS樹脂、導電性フィラー(黒鉛及び炭素繊維)、ポリオレフィン系ワックスを含有し、導電性フィラーの含有率が樹脂組成物全体の75〜85質量%であり、炭素繊維の含有率が樹脂組成物全体の1.0〜5.0質量%、ポリオレフィン系ワックス/(PAS樹脂+ポリオレフィン系ワックス)が0.05〜0.3であり、PAS樹脂の溶融粘度が20Pa・sec以下であり、黒鉛の平均粒子径が50〜150μm、嵩密度が0.6〜1.0g/cm3であるPPS樹脂組成物、燃料電池用セパレーター54、燃料電池、及び燃料電池用セパレーターの製造方法。
【選択図】図1
Description
よって、黒鉛や炭素繊維といった導電性フィラーを高い含有率(樹脂組成物全体の75〜85質量%)で含有するため、導電性に優れた樹脂組成物となるとともに、溶融混練時の流動性も良好で、かつ、黒鉛等の分散性もよく、所望の形状に寸法精度よく成形することができる樹脂組成物を提供可能とする。また、かかる構成の樹脂組成物は、樹脂成分に対して導電性フィラーを高い含有率でバランスよく分散させた燃料電池用セパレーター(特に、固体高分子型燃料電池用セパレーター)用の成形材料として広く利用することができる。
そして、本発明の樹脂組成物は、各成分がバランスよく分散されているため、簡便に製造することができ、生産性の高い低コストな成形材料となる。
この本発明によれば、ポリフェニレンスルフィド(PPS)樹脂組成物を構成する(A)ポリアリーレンスルフィド(PAS)樹脂をポリ(パラ)フェニレンスルフィドとしているので、樹脂組成物の流動性及び黒鉛等の導電性フィラーの分散性が更に良好となり、前記の効果をより一層好適に享受することができる。
この本発明によれば、ポリフェニレンスルフィド(PPS)樹脂組成物を構成する(b2)炭素繊維として特定形状のポリアクリロニトリル(PAN)系炭素繊維や気相法炭素繊維(VGCF:Vapor Grown Carbon Fibers)を採用しているので、樹脂組成物ないしは当該樹脂組成物を用いて成形された成形品における機械的強度の補強効果が向上されるとともに、樹脂組成物等の導電性やこれら樹脂組成物における炭素繊維の分散性も良好となる。
この本発明によれば、ポリフェニレンスルフィド(PPS)樹脂組成物を構成する(C)ポリオレフィン系ワックスとして酸化ポリエチレン系ワックスを採用しているので、ポリフェニレンスルフィド(PPS)樹脂組成物の流動性や、当該樹脂組成物中における黒鉛の分散性が更に優れたものとなり、また樹脂組成物の耐熱性も向上することとなる。
かかる本発明の燃料電池用セパレーターは、前記したポリフェニレンスルフィド(PPS)樹脂組成物からなるので、かかるポリフェニレンスルフィド(PPS)樹脂組成物の奏する効果を好適に享受する燃料電池用セパレーターとなる。
また、本発明の燃料電池用セパレーターは、成形性に優れた本発明のポリフェニレンスルフィド(PPS)樹脂組成物を使用しているので、生産性に優れ、量産性が良好な燃料電池用セパレーターを低コストで提供可能とする。
かかる本発明の燃料電池用セパレーターは、本発明のポリフェニレンスルフィド(PPS)樹脂組成物を、特定の手段による射出充填及び圧縮賦形して得られるものであるので、
成形過程中の当該樹脂組成物の流動性が非常に良好となる。従って、得られる燃料電池用セパレーターも、導電性フィラーを高含有率で充填することとなり、前記した効果をより一層好適に奏することができるものとなる。
この本発明の燃料電池は、前記した本発明の燃料電池用セパレーターを備えているので、当該セパレーターの奏する作用・効果を好適に享受する燃料電池となる。
特に、本発明の燃料電池は、固体高分子型燃料電池(PEFC)として適用することにより、その効果を最大限に発揮することができる。
本発明のポリフェニレンスルフィド(PPS)樹脂組成物を構成する(A)ポリアリーレンスルフィド(PAS)樹脂(以下、単に「PAS樹脂」とすることもある)は、耐熱性、耐薬品性、難燃性、電気的性質並びに機械的性質が優れるエンジニアリングプラスチックであり、成形材料として電気、電子部品及び自動車部品など各種の用途に用いられている。本発明のPPS樹脂組成物に使用される当該樹脂としては、式(I)で示される構造((パラ)フェニレンスルフィドのユニット構造)の繰り返し単位が樹脂全体の70モル%以上、好ましくは90モル%以上含有するものを使用することが好ましい。式(I)で示される構造の繰り返し単位が樹脂全体の70モル%未満であると、得られるPPS樹脂組成物の耐熱性が著しく悪くなる場合がある。
ここで、本発明のPPS樹脂組成物における残留ナトリウムの含有量は、500ppm以下であることが好ましく、100ppm以下がより好ましい。PPS樹脂組成物における残留ナトリウムの含有量をかかる範囲にすることにより、副生成物である塩の生成を抑制し、PPS樹脂組成物に悪影響を与える金属イオンの生成を効果的に防止することができる。
本発明のポリフェニレンスルフィド(PPS)樹脂組成物を構成する(B)導電性フィラーとしては、(b1)黒鉛及び(b2)炭素繊維を使用する。
(B)導電性フィラーを構成する(b1)黒鉛としては、従来公知の各種黒鉛を使用することができ、例えば、グラファイト構造を有する結晶質の炭素粒子であり、天然鉱物として発掘され精製した天然黒鉛や、石油ピッチ等を例えば2000℃以上の温度で焼成、結晶化させた後、粉砕、分級して得られる人造黒鉛等を使用することができる。また、この他、黒鉛材料を強酸及び酸化剤で処理した黒鉛層間化合物を熱処理した膨脹黒鉛を使用してもよい。
ここで、黒鉛の形状は、鱗片状、不定形粒子状、球状などの各種形状とすることができ、球状に近い形状とすることが好ましい。
従って、(b1)黒鉛の粒子形態としては、平均粒子径(D50%)が50〜150μmであり、かつ嵩密度が0.6〜1.0g/cm3であればよく、平均粒子径が80〜120μm、かつ嵩密度が0.8〜1.0g/cm3であることが好ましい。黒鉛の平均粒子径(D50%)や嵩密度をかかる範囲とすることにより、樹脂組成物の混練調製における流動性の低下を抑制することができる。
なお、平均粒子径(D50%)とは、粒子の細かいものから重量を換算して、全体の50%の重量分となる粒子径に相当する平均粒子径であり、このような粉体の粒度分布は、重量沈降法、遠心沈降法などの公知の方法で容易に測定することができる。また、(b1)黒鉛の嵩密度は、例えば、JIS K6891に準拠して測定した値を用いることができる。
導電性フィラーを構成する(b2)炭素繊維としては、特に制限はなく、例えば、石炭系または石油系のピッチ系炭素繊維、ポリアクリロニトリル(PAN:Poly Acrylo Nitrileの略)系炭素繊維、レーヨン系炭素繊維等の従来公知の炭素繊維を使用することができ、繊維の製造形態としては、いわゆるチョップド炭素繊維やミルド炭素繊維等による炭素繊維を使用してもよい。
このため、炭素繊維としては、繊維径が10μm以下、好ましくは8μm以下のポリアクリロニトリル(PAN)系炭素繊維や、繊維径が0.05〜0.5μm、好ましくは0.07〜0.2μmの気相法炭素繊維(VGCF)を使用することが望ましい。これらの炭素繊維を使用することにより、PPS樹脂組成物や当該樹脂組成物を用いて成形された成形品における機械的強度の補強効果が更に向上される。また、樹脂組成物等の導電性やこれらにおける炭素繊維の分散性も良好となる。
本発明のPPS樹脂組成物を構成する(C)ポリオレフィン系ワックスは、前記した(A)PAS樹脂に対する添加剤としてPPS樹脂組成物の流動性を向上させるとともに、前記した(b1)黒鉛の分散性の向上させるものである。また、(C)ポリオレフィン系ワックスの添加により、PPS樹脂組成物の耐熱性を良好なものとする。
このポリオレフィン系ワックスとは、重合により製造された人工ワックスであり、例えば、ポリエチレン系ワックス、ポリプロピレン系ワックス、酢酸ビニル−エチレン共重合体ワックス等を使用することができる。また、酸化ポリエチレン系ワックス、酸化ポリプロピレン系ワックス、MAH共重合ポリプロピレンワックス、酸化酢酸ビニル−エチレン共重合体ワックス等の酸化ポリオレフィン系ワックスも使用することができる。
酸化ポリオレフィン系ワックスの平均分子量としては、GPC(Gel Permeation Chromatography)法で測定される重量平均分子量(Mw)が4000以上であることが好ましく、10000以上であることが特に好ましい。
また、酸化度は、10以上であることが好ましく、15以上であることが特に好ましい。なお、本発明における「酸化度」とは、ポリオレフィン系ワックス1gを中和するために必要な水酸化カリウム(KOH)のミリグラム数を示すものである。
また、PPS樹脂組成物を得るに際して押出機を用いる場合には、原料成分の一部を押出機の途中からフィード(サイドフィード)して配合することもできる。例えば、炭素繊維以外の成分をあらかじめドライブレンドしておき、二軸押出混練機に連続計量フィードし、炭素繊維を押出機の中間程度の位置にサイドフィードして連続的に混練し、その後十分に減圧脱気して製造する方法が挙げられる。
黒鉛や炭素繊維といった導電性フィラーを高い含有率(樹脂組成物全体の75〜85質量%)で含有するため、導電性に優れた樹脂組成物となるとともに、溶融混練時の流動性も良好で、かつ、黒鉛等の分散性もよく、所望の形状に成形することができるため、例えば、樹脂成分に対して導電性フィラーを高い含有率でバランスよく分散させた燃料電池用セパレーター(特に、固体高分子型燃料電池用セパレーター)等として広く利用することができる。
また、かかる構成の本発明のPPS樹脂組成物は、(A)〜(C)の各成分がバランスよく分散されているため、簡便に製造することができ、生産性が高くコストを低減することができる成形材料となる。
図1に示す燃料電池50は、燃料極51、電解質膜(電解質板)52、酸化極板53(これらで膜/電極接合体(MEA)を形成する)、及び燃料電池用セパレーター54(以下、単に「セパレーター54」とすることもある)からなり、このセパレーター54の表裏両面に対して、それぞれ複数の溝55が形成されている。
なお、本発明のPPS樹脂組成物を、かかる超臨界不活性ガス発泡射出成形方法により燃料電池用セパレーター54を成形する理由は、かかる成形方法により比較的高粘度のPPS樹脂組成物を高流動化して大型で薄肉の成形品を得るとともに、成形品の肉厚変化が大きいことに起因するヒケや反りを防止するためであるが、その一方、前記公報に開示された方法をそのまま使用した場合、発泡体積の総量が大きくなりすぎ、成形品の導電性が低下することが懸念される。
この射出圧縮成形方法は、前記した射出成形方法の一種であり、射出充填工程の完了直前または直後に、金型のキャビティを構成している可動側/固定側の面の一部または全部を、キャビティ容積が減少する方向に移動させ、圧縮して成形する工程を含む射出成形方法である。
図2は本発明の燃料電池用セパレーターの製造方法(以下、単に、「本発明の製造方法」とする場合もある)を実施する射出圧縮成形ユニット1を示した図であって、金型11,12を開いて、本発明のPPS樹脂組成物15を射出・充填している状態を示した模式図であり、また、図3は、図1の射出圧縮成形ユニット1において金型11,12を閉じて、当該樹脂組成物15を圧縮・賦形している状態を示した模式図である。
また、例えば、金型11,12の表面に通電加熱体を配設して、樹脂充填前に当該通電加熱体に通電し、金型11,12を所定の温度に加熱するようにしてもよい。この通電加熱体の種類としては、窒化ケイ素、窒化チタン、窒化アルミニウム、酸化ジルコニア等が挙げられる。
そして、所定量の当該樹脂組成物15の射出充填が完了したら、圧縮ユニット10を進行させ、金型11,12を閉じて充填されたPPS樹脂組成物15を圧縮、賦形させる(2)圧縮・賦形工程を実施する。
なお、(2)圧縮・賦形工程の開始は、PPS樹脂組成物15の充填完了時であるが、これは、充填が完全に完了した場合のほか、充填が完了する直前ないし直後(例えば、充填完了の0.1〜0.5秒前や完了の0.1〜0.5秒後)であってもよい。
その他、本発明の実施における具体的な構造及び形状等は、本発明の目的を達成できる範囲で他の構造等としてもよい。
( ポリフェニレンスルフィド(PPS)樹脂組成物の製造 )
下記(1)〜(6)に示す成分を、表1に示す割合で配合し、スーパーフローターミキサー(振動・攪拌混合機)((株)カワタ製)を用いて均一にドライブレンドした後、二軸混練押出機(TEM35B:東芝機械(株)製)を用い、溶融温度を300〜330℃で溶融混練してペレット状に押し出して、ポリフェニレンスルフィド(PPS)樹脂組成物を製造した。
なお、
グレード : LR01G(ディーアイシー・イーピー(株)製)
溶融粘度 : 10Pa・sec(樹脂温度300℃、
せん断速度2000sec−1における値)
グレード : T−1(ディーアイシー・イーピー(株)製)
溶融粘度 : 30Pa・sec(樹脂温度300℃、
せん断速度2000sec−1における値)
グレード : 天然黒鉛 CGC−100H(日本黒鉛工業(株)製)
平均粒子径(D50%) : 100μm
嵩密度 : 0.7g/cm3(JIS K6891に準拠して測定)
グレード : 天然黒鉛 ACP−1000(日本黒鉛工業(株)製)
平均粒子径(D50%) : 15μm
嵩密度 : 0.2g/cm3(JIS K6891に準拠して測定)
グレード : PAN系ミルドカーボンファイバー HTA−CMF−0160E
(東邦ナテックス(株)製)
繊維径 : 7μm
繊維長 : 160μm
グレード : リコワックスPED191(高密度ポリエチレン(HDPE)酸化タ
イプ、クラリアントジャパン(株)製)
Mw(重量平均分子量) : 12000
酸化度 : 17mgKOH/g
なお、樹脂組成物の溶融粘度が異常に大きかったり、分散不良が発生した場合には、混練機のスクリュートルクが大きくなり、混練機のモーター電流値が大きくなりすぎてトリップやベントアップが生じたり、または樹脂温度が高くなりすぎる。
一方、得られる樹脂組成物の品質上、樹脂温度は360℃以下であることが好ましく、360℃を超えると添加剤であるポリオレフィン系ワックスだけでなくポリアリーレンスルフィド(PAS)樹脂の分解による発泡が起こる場合があり好ましくない。また、混練機の安全から、モーター電流値は60A以下であることが好ましく、60Aを超えると、高トルクの特殊な混練機を使用する必要があり汎用性に劣ることとなる。
判 定 内 容
◎ : 全く問題なく安定して製造することができる。
○ : 安定して製造することができる。
△ : 成形機や製造条件に多少工夫をすれば製造できる。
× : 得られる樹脂組成物の品質の悪化や、混練機のダメージが予想さ
れ、製造が困難である。
また、燃料電池用セパレーターとして求められる特性である導電性(電気伝導性)及び機械的強度を評価すべく、実施例1〜3及び比較例1,3,5により得られたポリフェニレンスルフィド(PPS)樹脂組成物を下記のようにして射出成形して成形品を得た後、得られた成形品の体積抵抗率及び曲げ弾性率を比較・評価した。樹脂組成物の結果と併せて表1に示す。
また、燃料電池用セパレーターとしては、一定以上の機械的強度(力学的強度)も要求され、これは薄肉の成形品を二次工程(組立)で取り扱う場合に必要とされ、一般的には曲げ強度として50MPa以上が必要とされる。
体積抵抗率の測定は、射出成形機(J50EP:(株)日本製鋼所製)を用いて樹脂温度340℃、金型温度150℃の成形条件にて平板(サイズ 60mm×60mm×2mm厚)を射出成形し、その中心部をJIS K7194に規定される四深針法に準拠して測定した。
前記した体積抵抗率の測定のところで示した平板の射出成形方法に準拠した条件で試験片を成形し、得られた試験片をASTM D790に準拠して測定した。
を満足するものであり、燃料電池用セパレーターの構成材料として問題ないことが確認できた。また、成形品としては、導電性フィラーを多く(85.0質量%)含有する実施例3のPPS樹脂組成物からなる成形品の導電性が優れている一方、実施例3の樹脂組成物は流動性がやや悪く、樹脂組成物自体の製造性としては実施例1,2の方が良好であり、特に実施例2の樹脂組成物の製造性が優れていた。
更には、比較例1により得られた樹脂組成物からなる成形品は、体積抵抗率及び曲げ弾性率とも、要求特性を具備することはできなかった。
ポリフェニレンスルフィド(PPS)樹脂組成物として、実施例1により得られたポリフェニレンスルフィド(PPS)樹脂組成物を、図2及び図3の射出圧縮成形ユニットを備えた射出圧縮成形機(AZ−7000:日精樹脂工業(株)製、型締力 350トン(3430kN)を用いて、下記の(1)射出・充填工程、及び(2)圧縮・賦形工程に従って、図1に示した構成の固体高分子型燃料電池(PEFC)用セパレーター54を得た。
なお、使用した金型は、いわゆるホットランナー金型であり、ホットランナーの出口径はφ2.0mmである。また、ゲートは、幅が20mm、厚みが2.0mmの4点ファンゲートであり、ゲートは板状成形品の縦側(200mm側)に形成するようにした。
そして、金型温度は、ヒーターにより230℃に制御した。
図2に示す射出圧縮ユニットにおいて、金型の合わせ面同士の間隔を2.0mmとして、溶融状態のPPS樹脂組成物を、成形品の肉厚が1.5mmとなるように金型のキャビティ空間内に射出充填した。なお、射出充填においては、せん断速度が35000/秒程度となるように、適宜射出量を調整した。
前記した(1)射出・充填工程により溶融状態のPPS樹脂組成物が金型内に充填されたら、図3に示すように、圧縮ユニットを進行させて型締めして金型を閉じて、圧縮速度を5.0mm/秒、圧縮圧力を50MPaとして、金型のキャビティ空間内のPPS樹脂組成物を圧縮賦形するようにした。
11,12… 金型
11a,12a…合わせ面
13… キャビティ空間
15… PPS樹脂組成物
20… 射出ユニット
30… ゲート
50… 固体高分子型燃料電池(PEFC)
51… 燃料極
52… 電解質膜
53… 酸化極板
54… 燃料電池用セパレーター
55… 溝
Claims (8)
- (A)ポリアリーレンスルフィド(PAS)樹脂と、(B)導電性フィラーとして(b1)黒鉛及び(b2)炭素繊維と、(C)ポリオレフィン系ワックスと、を含有するポリフェニレンスルフィド(PPS)樹脂組成物であって、
(B)導電性フィラーの含有率が樹脂組成物全体の75〜85質量%であり、
(b2)炭素繊維の含有率が樹脂組成物全体の1.0〜5.0質量%であり、
(C)ポリオレフィン系ワックス/((A)ポリアリーレンスルフィド(PAS)樹脂+(C)ポリオレフィン系ワックス)が0.05〜0.3であり、
(A)ポリアリーレンスルフィド(PAS)樹脂の溶融粘度が、樹脂温度300℃、せん断速度2000sec−1において20Pa・sec以下であり、
(b1)黒鉛の平均粒子径(D50%)が50〜150μmであり、嵩密度が0.6〜1.0g/cm3である、
ことを特徴とするポリフェニレンスルフィド(PPS)樹脂組成物。 - 請求項1に記載のポリフェニレンスルフィド(PPS)樹脂組成物において、
前記(A)ポリアリーレンスルフィド(PAS)樹脂が、ポリ(パラ)フェニレンスルフィドであることを特徴とするポリフェニレンスルフィド(PPS)樹脂組成物。 - 請求項1または請求項2に記載のポリフェニレンスルフィド(PPS)樹脂組成物において、
前記(b2)炭素繊維が、繊維径が10μm以下のポリアクリロニトリル(PAN)系炭素繊維及び/または繊維径が0.05〜0.5μmの気相法炭素繊維(VGCF)であることを特徴とするポリフェニレンスルフィド(PPS)樹脂組成物。 - 請求項1ないし請求項3の何れかに記載のポリフェニレンスルフィド(PPS)樹脂組成物において、
前記(C)ポリオレフィン系ワックスが酸化ポリエチレン系ワックスであることを特徴とするポリフェニレンスルフィド(PPS)樹脂組成物。 - 請求項1ないし請求項4の何れかに記載のポリフェニレンスルフィド(PPS)樹脂組成物からなることを特徴とする燃料電池用セパレーター。
- 請求項5に記載の燃料電池用セパレーターにおいて、
金型温度が150〜250℃とされた金型の合わせ面により形成され、間隔を0.5〜5.0mmとしたキャビティ空間に対して請求項1ないし請求項4の何れかに記載されたポリフェニレンスルフィド(PPS)樹脂組成物を射出充填して、
充填完了後、前記キャビティ空間を閉じて、当該空間に充填されたポリフェニレンスルフィド(PPS)樹脂組成物を、圧縮速度を1.0〜20mm/秒、圧縮圧力を10MPa以上として圧縮賦形することにより得られることを特徴とする燃料電池用セパレーター。 - 請求項5または請求項6に記載の燃料電池用セパレーターを備えることを特徴とする燃料電池。
- 金型温度が150〜250℃とされた金型の合わせ面により形成され、間隔を0.5〜5.0mmとしたキャビティ空間に対して請求項1ないし請求項4の何れかに記載されたポリフェニレンスルフィド(PPS)樹脂組成物を射出充填する射出・充填工程と、
充填完了後、前記キャビティ空間を閉じて、当該空間に充填されたポリフェニレンスルフィド(PPS)樹脂組成物を、圧縮速度を1.0〜20mm/秒、圧縮圧力を10MPa以上として圧縮賦形する圧縮・賦形工程からなることを特徴とする燃料電池用セパレーターの製造方法。
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