JP4989880B2 - 燃料電池セパレータとそのための樹脂組成物並びにその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、燃料電池セパレータとそのための樹脂組成物並びにその製造方法に関するものである。
燃料電池は、電解質の種類によりいくつかのタイプに分類されるが、近年、高出力が得られる燃料電池として、固体高分子電解質膜を用いた固体高分子型燃料電池が注目されている。
このような固体高分子型燃料電池は、燃料電極に水素ガスを、酸化剤電極に酸素ガスを供給することにより電流を得るものであって、燃料電極上では水素(H2)がプロトン(H+)となり、このプロトンが固体高分子電解質膜中を移動し、酸化剤電極上で酸素(02)と反応して水(H20)を生ずる。
一般に、固体高分子型燃料電池は、1対のセパレータの間に燃料電極/固体高分子電解質膜/酸化剤電極の3層構造が挟まれている単位セルが直列に複数個連結されて構成されている。このような構成において、セパレータは、その両面に複数のリブ部を有し、隣り合うリブ部の間は、ガス供給排出溝として作用する。そして、これらのガス供給排出溝のうち、燃料電極と接する側に燃料(水素ガス)を、酸化剤電極と接する側に酸化剤(酸素ガス)を供給することにより、燃料の酸化反応を生起させ、この反応の化学エネルギーを直接電気化学エネルギーに変換する。このような固体高分子型燃料電池において、セパレータは、薄肉の板状体の片面又は両面に複数のガス供給排出用溝を有する特異な形状を有しており、燃料電池内を流れる燃料ガス、酸化剤ガス、および冷却水が混合しないように分離すると共に、燃料電池における各単位セルで発電した電気エネルギーを外部へ伝達したり、燃料電池セルで生じた熱を外部へ放熱したりする重要な役割を担っている。したがって、固体高分子型燃料電池のセパレータには、一般に、次のような特性が要求される。
(a)高導電性、(b)耐腐食性(耐酸性)、(c)気密性、(d)組み立て時の締め付けに対する強度、機械的強度;特に自動車等の移動用電源としては耐振動性、耐衝撃性、耐クリープ性、(e)成形性、(f)耐水性、耐薬品性(耐膨潤性)、(g)耐熱性(90〜120℃)である。
これらの特性を実現するために、セパレータを構成する材料としては、フェノール樹脂等の熱硬化性樹脂やポリプロピレン、ポリビニリデンフルオライド)等の熱可塑性樹脂をバインダーとし、黒鉛粒子等を導電材として含有する各種の樹脂組成物が提案されている。ただ、実際には、セパレータとして実用レベルにあるのは熱硬化性樹脂主体のものである。
以上のような固体高分子型燃料電池は、他のタイプの燃料電池と比べ低温で作動するので、コージエネ用、車載用、発電用、の代替電源として注目を集めており、今後、急速な普及が予想されている。
しかしながら一方で、今後の急速な普及が予想される燃料電池用のセパレータについてはその廃棄物について取扱いが大きな問題になる。
それと言うのも、燃料電池のスタックを構成する燃料電池セパレータには大量の黒鉛が含まれているので、これらの黒鉛が産業廃棄物となり、環境上大きな問題になる恐れを有しているからである。このことは、燃料電池セパレータのサプライヤーにとっても環境負荷低減の意味において重要な課題となっている。
このような背景において、燃料電池用セパレータの廃棄物をその再利用により減少させることを目的とした方法が提案されている(特許文献1)。この方法では、カーボン材料からなる導電性成分と樹脂とを含有する燃料電池セパレータの未焼成廃棄物を粉末状に粉砕し、得られた粉末状の未焼成廃棄物を500〜3000℃の温度で焼成し、焼成後の粉末に樹脂又は樹脂と未使用のカーボン材料からなる導電性成分を補充して粉末状原料とし、これを金型内で加圧・加熱して成形することで燃料電池セパレータを製造することを提案している。
だが、この方法においては、高温焼成を必須とし、そのための設備、プロセスの負担が大きいだけでなく、燃焼するとCO2(二酸化炭素)が発生することになり、この点において環境上好ましくないという基本的、かつ重大な問題がある。しかもこの提案されている方法についての具体的な開示内容では、再利用して製造した燃料電池セパレータでは曲げ強度特性は45MPa以下であり、固有抵抗は15mΩ・cmを超える場合が多いとのように、その特性において実用的には満足し難いのが実情である。そして、単に成形品を粉砕して添加するというリサイクルだけでは、セパレータとしての薄肉部分の成形性、強度特性等は十分に発現できないのである。
また、上記の提案に見られるだけでなく、燃料電池セパレータの廃棄物を再利用することは、本発明者らの検討によっても簡単なことではなく、燃料電池用セパレータとして必要とされる電気的、化学的、そして機械・物理的諸特性を実用性のあるものとして実現し、しかも環境負荷を軽減するとのことを両立させることは大変に難しいことが実感されている。
特開2001−93537号公報
本発明は、上記のとおりの背景から、従来の問題点を解消し、CO2発生のような環境負荷を生じさせることなしに、廃棄物としての燃料電池セパレータ、特にこれに大量に含まれる黒鉛材料を有効に利用し、廃棄物を減らすとともに、電気的特性や化学的特性、そして曲げ強度等の機械物理的特性、そして薄肉部分の成形性やその強度においても良好な燃料電池セパレータと、このセパレータ用の樹脂組成物並びにセパレータの製造方法を提供することを課題としている。
本発明は、上記課題を解決するものとして以下のことを特徴としている。
第1:(a)黒鉛を70質量%以上、エポキシ樹脂を30質量%以下含有する燃料電池セパレータ廃棄物を粉砕した平均粒径20〜100μmであり粒径10μm未満が10%以下であり、昇温速度20℃/分で室温から300℃までの走査で最初に現れる発熱ピークの発熱量として評価される粉砕物DSC発熱ピークが1mJ/mg以下である粉砕物と、
(b)平均粒径20〜70μmの黒鉛、(c)エポキシ樹脂、並びに(d)エポキシシランカップリング剤を主構成としていることを特徴とする燃料電池用セパレータ樹脂組成物。
第2:上記組成物において、組成物全体量に対し、
(a)廃棄物粉砕物 :45質量%以下
(b)黒 鉛 :45質量%以下
(c)エポキシ樹脂 : 9質量%以上
(d)エポキシシランカップリング剤:0.5〜1質量%
であって、かつ、(a)廃棄物粉砕物と(b)黒鉛との合計量が組成物全体量に対し70〜90質量%の範囲にある燃料電池用セパレータ樹脂組成物。
第3:上記いずれかの組成物を金型内で加圧、加熱して成形する燃料電池セパレータの製造方法。
第4:上記いずれかの組成物の成形硬化物である燃料電池セパレータ。
第5:曲げ強度が50MPa以上で、電圧低下率が10%未満である上記の燃料電池セパレータ。
第6:薄肉部の厚みが0.2〜0.4mmの範囲である上記の燃料電池セパレータ。
上記のとおりの第1の本発明によれば、廃棄物としての燃料電池セパレータ、特に大量に含まれる黒鉛材料を有効に再利用し、廃棄物を減らすとともに、電気的特性や化学的特性、そして曲げ強度等の機械的物理的特性、そして薄肉成形性においても良好な燃料電池セパレータの実現が可能とされ、第2の発明によれば、組成成分の割合を特定することで、この効果はより確実に、顕著なものとなる。
第3の発明では、上記効果を実現するための燃料電池セパレータの製造が従来と同等の加圧、加熱の方法によって製造される。
そして、第4および第5の発明によれば、上記の効果を体現する燃料電池セパレータが提供されることになる。
上記のとおりの特徴を有する本発明について以下にその実施の形態について説明する。
まず、本発明の燃料電池用セパレータ樹脂組成物においては(a)燃料電池セパレータの廃棄物から粉砕物を必須の成分としているものが、この場合の燃料電池用セパレータの廃棄物は、実際に製品あるいは試験品、試作品として使用されていた燃料電池のセパレータの廃棄により発生したものである。
また、燃料電池セパレータの製造時に発生する屑、たとえば、セパレータのマニホールドなどの機械加工時の屑や製造時の傷等の若干の不具合によって不良品として分別されたもの等であってもよいし、これらと上記の製品等の廃棄物との混合であってもよい。
そして、本発明の成分(a)燃料電池セパレータ廃棄物からの粉砕物は、黒鉛を70質量%以上、エポキシ樹脂を30質量%以下含有する燃料電池セパレータの廃棄物が平均粒径20〜100μmの範囲に粉砕された粒状物であって、DSCで発生ピークが1mJ/mg以下のものである。その組成において黒鉛が70質量%未満のものでは、再利用(リサイクル)後の成形品としてのセパレータの導電特性を良好とすることが難しくなる。また黒鉛と共に使用している樹脂はエポキシ樹脂であることを必須としているが、その含有量は30質量%以下である。粉砕物の平均粒径は上記のように20〜100μmの範囲であるが、粒径10μm未満のものの割合が10%以下であることが好ましい。平均粒径が20μm未満、あるいは100μmを超える場合には、電気特性は、たとえば接触抵抗特性や曲げ強度等の機械物理的特性、そして成形性等のいずれかの点において難しくなる。
また、本廃棄物では、昇温速度20℃/分、室温から300℃で最初の発熱ピークの発熱量として評価される粉砕物DSC発熱ピークは好ましくは1mJ/mg以下である。1mJ/mgを超える場合には、曲げ強度特性を50MPa以上とすることは難しく、成形性にも問題を生じることになる。DSC発熱ピークについては、一般に熱処理するほど(高温/長時間で成形品を処理するほど)、値は小さくなるが、本発明において好適とされる1mJ/mg以下とするためには、通常、170℃で1分以上熱処理することにより可能とされる。
再利用のために上記の廃棄物を粉砕する方法としては、従来公知のエ業的な粉砕方法等を用いればよい。例えば、シュレッダー粉砕、ジェットミル、ハンマーミル、ボールミル等を挙げることができる。粉末の平均粒径を20〜100μmに調整する為に、更に分級の工程を入れ、所定の粒度のものを選択してもよい。なお、ここで重要なことは、コンタミネーションが生じても取り除くことができるようにすることである。混入物が磁性のあるものであれば、除鉄機(1.2万ガウス以上のものが好ましい)を用いて除去可能である。セパレータの特性に影響を与えないようにすることが肝要である。
リサイクルを何回も繰り返すと樹脂や添加剤の含有量が増加していくとか、廃棄物によって樹脂の含有量が相違するとのことが懸念されるが、粉砕で新しい黒鉛面が出現し、黒鉛がパーコレーションを形成するので特に大きな問題は生じない。
以上のとおりの再利用のための燃料電池セパレータ廃棄物の粉砕物である成分(a)とともに、本発明の燃料電池用セパレータ樹脂組成物においては、成分(b)平均粒径20〜70μmの黒鉛、成分(c)エポキシ樹脂、並びに(d)エポキシシランカップリング剤の配合を必須としている。
ここで成分(b)黒鉛については黒鉛粒子として、混練前の平均粒径が20〜70μmの範囲内のものを用いる。平均粒径が20μm未満のものでは成形性が低下し易く、70μmを超えるものでも、特にセパレータの薄肉部分(通常0.2〜0.4mmの部分)の成形性が低下する。
このような黒鉛粒子は、高い導電性を示すものであればよく、その種類はとくに限定されない。例えば、メソカーボンマイクロビーズなどの炭素質を黒鉛化したもの、石炭系コークスや石油系コークスを黒鉛化したもの、黒鉛電極や特殊炭素材料の加工粉、天然黒鉛、キッシュ黒鉛、膨張黒鉛等が挙げられる。このような黒鉛粒子は、一種のみを用いてもよいし、複数種を混合して用いてもよい。また、黒鉛粒子は、人造黒鉛粉、天然黒鉛粉のいずれでもよいが、天然黒鉛粉は導電性が高いことが知られており、人造黒鉛粉は異方性が少ないことが知られていることから、必要に応じて適宜選択すればよい。各種の黒鉛粒子の中でも、球状天然黒鉛は黒鉛の配向が生じないので導電性において異方性が生じないので好ましい。
本発明の組成物における成分(c)エポキシ樹脂については、常温で固形のものとすることが好ましい。とくに、常温での凝集を防止する上では、融点が70〜130℃の範囲のものとすることが望ましい。エポキシ樹脂としては、その種類は各種のものであってよく、ビスフェノールAジグリジルエーテル型、ビスフェノールFジグリシジルエーテル型、レゾルシノールジグリシジルエーテル型等の官能性エポキシ化合物からのエポキシ樹脂や、クレゾールノボラック型やフェノールノボラック型等の多官能性エポキシ樹脂等の各種のものから選択されてよい。
このようなエポキシ樹脂は、上記の燃料電池セパレータ廃棄物に含有されるエポキシ樹脂と同一、同種であってもよいし、あるいは異なるものであってもよい。
そして、上記の成分(c)エポキシ樹脂については、硬化剤と硬化促進剤を含有するものであってよい。このとき、硬化剤としては、アミン系化合物を用いる場合には、燃料電池の触媒を被毒する恐れもある。酸無水物系化合物は耐酸性の環境下で加水分解して、電気伝導度が低下したり、不純物の溶出が増大してしまう恐れがある。このためアミン系化合物や酸無水物系化合物を含まないものとすることが望ましい。具体的には、硬化剤としては、フェノール系化合物が好ましく例示される。たとえば熱硬化性樹脂としてのフェノールノボラック樹脂等を用いてもよい。一方、硬化促進剤としても非アミン系化合物を使用することが望ましい。具体的には、トリフェニルホスフィン等のリン系化合物が好適に用いられる。これら硬化剤や硬化促進剤の含有量については、とくに限定されないが、例えば、エポキシ樹脂に対する硬化剤の化学量論上の当量比を1〜1.15とすることができる。また、硬化促進剤の含有量は適宜調整されるが、例えば、エポキシ樹脂に対して0.5〜3質量部の範囲とすることができる。
このような本発明の燃料電池セパレータ用樹脂組成物においては、さらに成分(d)エポキシシランカップリング剤を配合する。このものは、黒鉛粒子とエポキシ樹脂との濡れ性を向上させ、製造される燃料電池セパレータの成形性、そして必要とされる諸特性の向上に寄与することになる。
このエポキシシランカップリング剤の添加方法としては、エポキシ樹脂に直接もしくは有機溶媒などで希釈して添加してもよいし、黒鉛粒子の表面に直接または有機溶媒などで希釈した溶液を噴射して処理してもよい。カップリング剤の添加量は、黒鉛粒子の比表面積とカップリング剤の単位質量当たりの被覆面積から適宜設定される。カップリング剤の添加量が多すぎると、成形時に金型表面を汚染する原因となる。
以上のような本発明の燃料電池用セパレータ樹脂組成物においては、成分(a)(b)(c)(d)を主構成としているが、ここで、「主構成」とは、(a)(b)(c)(d)成分の合計量が組成物全体量について50質量%を超えていることを意味している。
さらに好適には65質量%以上を占めることを意味している。また、必須成分として含有される上記の(a)(b)(c)(d)成分については、全体量に対して、
(a)廃棄物粉砕物:45質量%以下
(b)黒鉛:45質量%以下
(c)エポキシ樹脂:9質量%以上
(d)エポキシシランカップリング剤:0.5〜1質量%
の範囲内にあるものとし、かつ、(a)+(b)が全体量の70〜90質量%の範囲を占めるようにすることがさらに好ましい。
成分(a)燃料電池セパレータ廃棄物粉砕物が45質量%を超えると所要の特性を有する燃料電池セパレータを良好な成形性、生産性で製造することが難しくなる。ただ、(b)黒鉛との合計量が70〜90質量%とすることが望ましい。
また、本発明の組成物には、上記の酸化剤等としてのフェノール樹脂や、さらにはポリイミド樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ジアリルフタレート樹脂等の他種のものを1種以上含有していてもよい。たとえばポリイミド樹脂の添加は、耐熱性や耐熱性を向上させることになる。
そして、本発明の組成物では、さらに離型としては、炭化水素系化合物、アマイド系化合物、脂肪酸系化合物など各種の離型が考慮され、これらを複数種使用してもよい。例えば、天然カルナパワツクスやモンタン酸ビスアマイドを用いることが好ましい。離型剤の含有量は、適宜設定されるが、組成物全量に対して0.1〜4質量%の範囲であることが好ましく、この含有量が0.1質量%未満では成形時に十分な金型離型性が得られず、また4質量部を超えると、金型表面を汚染したり、成形して得られる燃料電池セパレータに必要とされる水との濡れ性が十分に得られなくなる場合がある。
以上のとおりの燃料電池セパレータ用樹脂組成物は、前記の各成分を適宜の手法で配合し、必要に応じて混練することにより得られる。混練には、通常の混練機が使用できるが、好ましいものとしては、2軸押出機の中でもスクリューやパドル形状が変更できるものが挙げられる。これらの一例としては、栗本製作所製から市販されているKRCニーダーが挙げられる。これは、回転数や温度に加えて、パドルパターンも数種類の組合せから容易に変更できるものであり、容易に配合物の混練状態を調整できる点で適当といえる。
なお、各成分の配合に当たっては、イソプロピルアルコールブタノール、メタノール、水、トルエン、キシレン、メチルエチルケトン、アセトン等の溶媒を添加してもよい。溶媒の使用量は、熱硬化性樹脂を溶解できる量とすることが望ましいが、溶媒の使用量があまり多いと、混練後に溶媒の除去に長時間を要し、生産性が低下することから、燃料電池セパレータ用樹脂組成物における全固形分に対して2質量%以下とすることが望ましい。
このようにして得られた燃料電池セパレータ用樹脂組成物は、混練後、粉体とすることができるが、これらをさらに整粒機等により粉砕して、小径の粒としてもよい。
この燃料電池セパレータに成形する方法としては、射出成形法、射出圧縮成形法、圧縮成形法、押出成形法、ロール成形、静水圧成形等の従来公知の方法を挙げることができる。
成形温度、成形圧力、成形時間については、使用する樹脂等の特性に応じて選択すればよいが、常温から樹脂が硬化、溶融、加硫される範囲を例示することができる。また、得られた成形物を化学的に安定させるために、成形後、更に熱処理をしてもよい。
本発明の組成物の成形硬化物としての燃料電池セパレータは、その機能において必要とされる基本的性能をゆうしているとともに、特に成形性、曲げ強度、そして接触抵抗、電圧低下率等の特性において顕著である。たとえば曲げ強度は50MPa以上が実現され、10%未満の電圧低下率も実現されている。
そこで、以下、実施例を示し、この発明の実施の形態についてさらに詳しく説明する。もちろん、この発明は以下の例に限定されるものではなく、細部については様々な態様が可能であることは言うまでもない。
<実施例1〜8>
(1)燃料電池セパレータ用樹脂組成物の製造
表1に示した条件の配合物を所定の温度に加熱した混練機に原料を入れ、混練した。
ここで、原料としての粉砕材は、実施例1において粉砕物とエポキシシランを含有しない組成と同等である。そして、この粉砕物は、実施例1〜8のいずれも、粒径10μm未満が10%以下のものであって、DSC発熱ピークが1mJ/mg以下のものであって、比較例1〜4において使用したものはDSC発熱ピークが5mJ/mgのものである。
ここで、DSC評価は、前記のとおり、昇温速度20℃/分、室温から300℃で最初の発熱ピークの発熱量として評価したものである。
表1における樹脂原料については、以下のものを用いる。
クレゾールノボラックエポキシ樹脂
(EOCN−1020(日本化薬):エポキシ当量199)
フェノールノボラック樹脂
(PSM6200(群栄化学):OH当量105)
なお、混練機としては、S2KRCニーダー(栗本鉄工所(株)製)を使用した。次いで、得られた混練物を整粒機で粒径500μm以下に粉砕した。
(2)燃料電池セパレータの製造
得られた粉砕物を、175℃、20MPa(200kg/cm)の条件で5分間成形し、脱型して図1に示される形状の燃料電池セパレータを得た。このセパレータの最も薄い部分は厚みが0.2mm、0.4mmである。
(3)評価
製造された燃料電池セパレータについて、成形性、曲げ強度、体積抵抗率、接触抵抗、電圧低下率について評価した。また、電圧低下率は、燃料電池セパレータとして使用してイオン交換膜水素極およぴ酸素極と共に組立てて、200時間連続発電試験を行った後、電圧を測定して初期電圧に対する電圧低下率を算出してものである。この値が低い程、長期信頼性に優れていると評価される。
ここで、成形性については、得られた燃料電池セパレータ用樹脂組成物を用いて同一条件で50のサンプルを成形し、その外観観察より充填不良の有無を確認し、不良品の発生数により評価した。
評価結果を表1に示した。
Figure 0004989880

Claims (6)

  1. (a)黒鉛を70質量%以上、エポキシ樹脂を30質量%以下含有する燃料電池セパレータ廃棄物を粉砕した平均粒径20〜100μmであり粒径10μm未満が10%以下であり、昇温速度20℃/分で室温から300℃までの走査で最初に現れる発熱ピークの発熱量として評価される粉砕物DSC発熱ピークが1mJ/mg以下である粉砕物と、
    (b)平均粒径20〜70μmの黒鉛、(c)エポキシ樹脂、並びに(d)エポキシシランカップリング剤を主構成としていることを特徴とする燃料電池用セパレータ樹脂組成物。
  2. 前記(a)(b)(c)(d)の組成成分の割合が、組成物全体量に対し、
    (a)廃棄物粉砕物 :45質量%以下
    (b)黒 鉛 :45質量%以下
    (c)エポキシ樹脂 : 9質量%以上
    (d)エポキシシランカップリング剤:0.5〜1質量%
    であって、かつ、(a)廃棄物粉砕物と(b)黒鉛との合計量が組成物全体量に対し70〜90質量%の範囲にあることを特徴とする請求項1の燃料電池用セパレータ樹脂組成物。
  3. 請求項1または2の樹脂組成物を金型内で加圧、加熱して成形することを特徴とする燃料電池セパレータの製造方法。
  4. 請求項1または2の樹脂組成物の成形硬化物であることを特徴とする燃料電池セパレータ。
  5. 曲げ強度が50MPa以上であることを特徴とする請求項4の燃料電池セパレータ。
  6. 薄肉部の厚みが0.2〜0.4mmの範囲であることを特徴とする請求項4または5の燃料電池セパレータ。
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