JP4733008B2 - 導電性樹脂成形体およびその製造方法 - Google Patents
導電性樹脂成形体およびその製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP4733008B2 JP4733008B2 JP2006339345A JP2006339345A JP4733008B2 JP 4733008 B2 JP4733008 B2 JP 4733008B2 JP 2006339345 A JP2006339345 A JP 2006339345A JP 2006339345 A JP2006339345 A JP 2006339345A JP 4733008 B2 JP4733008 B2 JP 4733008B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- conductive
- molding
- compounding agent
- molded body
- conductive resin
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Classifications
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02E—REDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
- Y02E60/00—Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
- Y02E60/30—Hydrogen technology
- Y02E60/50—Fuel cells
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02P—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
- Y02P70/00—Climate change mitigation technologies in the production process for final industrial or consumer products
- Y02P70/50—Manufacturing or production processes characterised by the final manufactured product
Description
燃料(還元剤)と酸素(酸化剤)とを外部から連続的に供給して電気エネルギーを取り出す燃料電池は、発電効率に優れ、化石燃料を用いることなく発電ができ、排出ガスも水のみであるため、地球環境に優しいエネルギー源として開発が進められている。特に約 80 ℃程度の低温で作動する割には比較的大電流を放電できる固体高分子型燃料電池は家庭用や電気自動車などの電源として注目されている。
固体高分子型燃料電池は、高分子膜の両側にアノードおよびカソードを配して膜/電極接合体を形成し、この接合体の両外側に燃料となる水素を供給するアノード側流路基板および酸素を供給するカソード側流路基板を配して単位セルを構成し、これら単位セル同士がセパレータを介して積層されている。あるいは、セパレータが流路基板を兼用して積層されている。
また、樹脂材料を用いた場合、導電性を向上させるために多量の配合剤を配合するが、その結果、樹脂組成物の溶融粘度が著しく上昇する。そのため、成形が困難になったり、成形方法が限定されたり、単純形状の成形体しか得られなかったりする場合が多くなる。流路基板兼用セパレータなどの導電性樹脂成形体の場合、流路を一体成形することが困難となり、切削工程などの後加工により、複雑な流路溝を形成しなければならなくなる。そのため、原材料の歩留まりの低下、加工コストの上昇という問題がある。
また、上記高密度膨張化黒鉛は、平均粒子径 10〜50μm であることを特徴とする。
また、上記高密度膨張化黒鉛は、不純物として含まれる鉄およびアルミニウムが2500ppm未満、ナトリウムが1000ppm未満、マグネシウムおよびカルシウムが500ppm未満であることを特徴とする。
また、上記合成樹脂が熱可塑性樹脂であることを特徴とする。
本発明に係る導電性樹脂成形体は、固体高分子型燃料電池に用いられるセパレータであることを特徴とする。
また、上記一体成形法が射出成形、射出圧縮成形、射出プレスまたは射出モールド成形、圧縮成形、またはトランスファ成形であることを特徴とする。
また、導電性配合剤が高密度膨張化黒鉛、およびBET法による比表面積が 20〜80m2/g で、かつ平均粒子径が 40〜100nm のカーボンブラックの混合導電性配合剤を樹脂組成物に配合することにより、樹脂成形体の導電性が著しく向上することが分かった。上記比表面積および平均粒子径を有するカーボンブラックの導電性付与性は高密度膨張化黒鉛単独の場合と同等または若干劣るが、このカーボンブラックはファンデルワールス力による2次凝集力が大きく、高密度膨張化黒鉛と併用することにより、合成樹脂に導電性を付与する能力である導電性付与性が著しく大きくなる。このため、この混合導電性配合剤の配合量を減量でき射出成形性が向上する。
固体高分子電解質膜2の表裏両側にアノード3とカソード4とが配置された膜/電極接合体(MEA)と、燃料電池用セパレータ1とを交互に複数枚積層して集合体としてのセルスタックが得られる。燃料電池用セパレータ1、1は、膜/電極接合体(MEA)を両側から挟んで配置される。
燃料電池用セパレータ1の表面には、溝部1aが形成され、水素ガスまたは空気の流路が確保される。
熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、ポリスチレン、ポリメタクリル酸メチル、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンサルファイド、ポリカーボネート、ポリオキシメチレン、ポリアミド、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリアミドイミド、ポリベンズイミダゾール、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリアリレート、ABS樹脂、AS樹脂、シンジオタクチックポリスチレン等が例示できる。上記熱可塑性樹脂は単独でも混合樹脂としても使用できる。これらの中で、ポリプロピレンが耐薬品性、耐熱性に優れ好ましい。
また、熱硬化性樹脂としては、フェノール樹脂、メラミン樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、尿素樹脂、アルキッド樹脂、フラン樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリカルボジイミド樹脂等が例示できる。上記熱硬化性樹脂は単独でも混合樹脂としても使用できる。
本発明に使用できる配合剤の中でも、成形性を向上させる改質剤として高沸点油を配合できる。また、導電性を付与する導電性配合剤が配合される。
高沸点油としては、フッ素系油、フェニルエーテルなどの芳香族炭化水素系油、シリコーン系油が例示できる。
フッ素系油は、ペルフルオロポリエーテル構造(−CF2−O−)を有する油状物質であり、25℃における動粘度が(0.1 〜 20)×10-4m2/secの油を使用できる。さらに具体的には以下の各式で表される化合物をいう。n、mは整数である。
シリコーン系油は、ジメチルシリコーン油やメチルフェニルシリコーン油等のいわゆるストレートシリコーン油、およびアルキル変性シリコーン油やアラルキル変性シリコーン油等のいわゆる変性シリコーン油のいずれも使用できる。これらの中で側鎖が非反応性を示すシリコーン油が導電性配合剤同士の連結を妨げず、優れた導電性を維持できるので好ましく、具体的には非反応性ストレートシリコーン油であるメチルシロキサン単位を有するジメチルシリコーン油およびメチルフェニルシリコーン油が好ましい。また、シリコーン油は、25℃における動粘度が 1×10-4m2/sec以上、好ましくは (1 〜 10)×10-4m2/secが成形時の揮発性成分の発生が少ないので好ましい。
また、側鎖のメチル基がフルオロアルキル基等で置換されているフッ素変性シリコーン油も使用できる。フルオロアルキル基としてはトリフルオロプロピル基などが挙げられる。フッ素変性シリコーン油は、上記シリコーン油に比較して潤滑性に優れるため、成形するときの離型性に優れる。また、ジメチルシリコーン油およびメチルフェニルシリコーン油と併用することができる。
高沸点油は、この高沸点油が配合された樹脂組成物全体に対して 1〜9 容量%配合される。1 容量%未満では、成形時に樹脂組成物の低粘度化が図れず、成形が困難となる。また 9容量%をこえると、燃料電池用セパレータの機械的強度および成形精度が低下したり、成形時の材料の供給が困難になったりするため射出成形ができなくなる。
第1の導電性配合剤は、比重 1.8以上に調製された高密度膨張化黒鉛である。
膨張化黒鉛は、例えば、天然黒鉛、キッシュ黒鉛、熱分解黒鉛等の高度に結晶化した黒鉛を、硫酸、硝酸、硫酸と硝酸との混液等に過酸化水素を添加した処理液で処理した後、水洗してから急速加熱して、黒鉛結晶のC軸方向を膨張処理して得られる。膨張化黒鉛の市販品としては、日本黒鉛社製EP、日本黒鉛社製KEX等がある。
上記従来の膨張化黒鉛は、見かけ密度が約 0.1 前後のものを用い比重が約 1.0 前後に調製されているが、本発明においては、比重を 1.8 以上、好ましくは 1.9 以上、より好ましくは 2.0 以上に調製して使用する。見かけ密度が約 0.1前後の市販されている膨張化黒鉛を圧縮成形、ロール等で圧縮した後、粉砕して粉末化する、または樹脂と所定の配合で混合の後、二軸混練機等の溶融混練機を用い混練時に組成物に加わる圧力を利用することにより、比重が 1.8 以上の高密度膨張化黒鉛に調製できる。または成形時に加わる圧力を利用することにより比重を 1.8 以上に調製することもできる。
第2の導電性配合剤は、上記高密度膨張化黒鉛と、カーボンブラックとを混合した混合導電性配合剤である。膨張化黒鉛の高密度化は第1の導電性配合剤と同様の手法で行なうことができる。用いるカーボンブラックは、 20〜80m2/g のBET法による比表面積および 40〜100nm 、好ましくは 45〜70nm の平均粒子径を有する。ここで、カーボンブラックの平均粒子径は一次粒子径の平均をいう。
カーボンブラックの比表面積が 20m2/g 未満であり、または平均粒子径が 100nm をこえると、2次凝集力が十分でなくなり、高密度膨張化黒鉛との電路形成能力が小さくなり導電性付与性に劣る。またカーボンブラックはナノ粒子であるため、高密度膨張化黒鉛と比較して、増粘効果が非常に大きく射出成形性に劣る。一方、カーボンブラックの比表面積が 80m2/g をこえ、または平均粒子径が 40nm 未満であると、カーボンブラックはストラクチャーの発達が著しくなり、またストラクチャーがアグリゲートによる場合が多いため、単独使用の場合は一般に少量の添加で高導電性が得られるが、高密度膨張化黒鉛と併用する際には増粘効果が著しく大きく、例え少量使用であっても混練性、および成形性が非常に劣ることとなり混練不可、成形不可となってしまう。
本発明に使用できる高密度膨張化黒鉛は、平均粒子径 10〜50μm の膨張化黒鉛を高密度化したものが好ましい。平均粒子径 10〜50μm の膨張化黒鉛は、特に上述の混合導電性配合剤に用いたカーボンブラック以外の導電剤との併用する場合に樹脂組成物の成形性および導電性の均衡を保つのに有効である。また、全体の 80 容量% の膨張化黒鉛粒子が 4〜60μm の範囲に入っていることが好ましい。
平均粒子径が 50μm をこえると、膨張化黒鉛の比重を 1.8 以上に調製していない場合、粉末混合工程での導電剤の均一分散が困難となる。また射出成形時に膨張化黒鉛の粒子径が大きいため、射出成形金型のゲート近傍における発熱が非常に大きくなり、フクレやボイド等の成形不良が発生しやすくなる。
また、平均粒子径が 10μm 未満であると、導電性が悪くなるため、結果として導電剤配合量を増やす必要があり、射出成形性が著しく悪くなる。また高密度化する前の膨張化黒鉛は非常に嵩比重が大きいため、ハンドリング性が悪く、混練による均一分散が困難となり成形体中での導電性のバラツキが発生する。
膨張化黒鉛に含まれている金属不純物の中で、鉄およびアルミニウムは燃料電池の運転条件下にてセパレータより溶出し、電解質膜や触媒担持に用いられているイオン性樹脂を劣化させる。特に鉄およびアルミニウムの陽イオンは価数が大きいため、微量の溶出でも燃料電池に悪影響をおよぼす。また、イオン化傾向の大きいナトリウム、マグネシウム、カルシウムイオンは溶出しやすいため、燃料電池の出力特性が不安定になる。このため、膨張化黒鉛に含まれている金属不純物は少ないことが好ましく、特に不純物として含まれる鉄およびアルミニウムが2500ppm未満、ナトリウムが1000ppm未満、マグネシウムおよびカルシウムが500ppm未満の膨張化黒鉛を用いることが好ましい。
導電性配合剤と併用できる配合剤としては、BET法による比表面積が 20〜80m2/g 、平均粒子径が 40〜100nm 、の範囲以外のカーボンブラック、またはカーボン繊維、黒鉛ウイスカ、導電性セラミックス繊維およびウイスカ等が例示できる。
これらの中で炭素繊維は機械的強度を向上させることができ、特に黒鉛化度の高いカーボン繊維、またはカール状およびコイル状のカーボン繊維は導電性をほとんど低下させないため有効に利用できる。
導電性配合剤の配合割合は、例えば、上記樹脂を母材として、導電性配合剤を 40 〜 90 容量%配合した樹脂組成物を挙げることができる。導電性配合剤が 40 容量%未満では樹脂成形体の導電性に劣り、90容量%をこえると樹脂成形体の機械的強度が低下したり、溶融成形性が低下したりする。また、本発明の効果を害さない範囲において他の配合剤を併用することができる。
ペレット化は、樹脂と配合剤とをニーダー、ボールミル、ヘンシェルミキサー等を用いて均一に混合した後、常法によりロール、二軸押出機、連続混練機(KCK)等を用いてペレット化する。混合粉または混合造粒粉はペレットと同様に、樹脂と配合剤とをニーダー、ボールミル、ヘンシェルミキサー等を用いて均一に混合する、または上記同様ペレット化した後、粉砕することで得られる。
一体成形法は、射出成形、射出圧縮成形、射出プレスまたは射出モールド成形、圧縮成形、またはトランスファ成形が好ましく、生産性に優れた射出プレスまたは射出モールド成形法のような射出成形法が最も好ましい。
フラッシュフロー圧縮成形機5は、固定側型板6と可動側型板7と射出シリンダ8とから構成される。固定側型板6はゲート部6aに射出シリンダ8のノズル部8aの先端部が衝合されている。可動側型板7は可動側固定板7aと、この可動側固定板7a内を前進後退できる可動側中板7bとから構成されている。固定側型板6と可動側型板7とでキャビティ9が形成され、このキャビティ9の容積は可動側中板7bの前進後退により調節される。射出シリンダ8はスクリュー8bと先端に設けられたノズル部8aと、このノズル部8aに設けられて樹脂組成物をキャビティ9内へ射出充填するときのせん断速度を調整する閉塞弁8cを備えている。10は突き出しピンである。
次に、上記フラッシュフロー圧縮成形機を用いて燃料電池用セパレータを成形する方法について図3により説明する。図3(a)〜図3(d)はフラッシュフロー圧縮成形法を説明するための工程図である。
次に、フラッシュフロー圧縮成形機5の射出シリンダ8内に樹脂組成物11を、閉塞弁8cを閉塞した状態で充填する(図3(a))。
射出成形開始と同時に閉塞弁8cを開くとともに、あらかじめ設定したせん断速度となるようにスクリュー8bを前進させてキャビティ9内への射出を数秒以内で行なう(図3(b))。なお、射出の方式はプランジャーを用いる形式も可能である。
キャビティ9の容積は可動側中板7bを固定側型板6に対して後退させることにより、燃料電池用セパレータの形状よりも大きくする。
また、キャビティ9の容積を樹脂組成物の射出量に応じて可変として、最後 さらに、キャビティ9内を真空引きして、樹脂組成物の射出充填に対する抵抗を減らしたり、樹脂組成物の酸化劣化を抑制したりすることができる。
ここで、せん断速度γ( 1/s )はノズル部8aの先端形状を円形とした場合、射出量Q( ml/s )、ノズル部先端半径r( cm )とすると、γ=4Q/πr3で示されるので、射出量Qおよびノズル部先端半径rを設定することにより、せん断速度γを制御できる。
樹脂組成物11がキャビティ9内に充満したら、閉塞弁8cを閉塞して、可動側中板7bを固定側型板6に対して前進させることにより、樹脂組成物11を導電性樹脂成形体の厚さになるまで圧縮する(図3(c))。
十分に冷却した後、固定側型板6と可動側型板7とを分離し、突き出しピン10により、導電性樹脂成形体としての燃料電池用セパレータ1が得られる(図3(d))。
得られた燃料電池用セパレータ1は導電性配合剤を多量に配合することができるので、導電性に優れる。また、圧縮して成形されるので、ガス不透過性、機械的強度等に優れる。そのため、このセパレータを用いることにより高性能な固体高分子型燃料電池が得られる。
表1に示す配合割合(単位は容量%)で合成樹脂および膨張化黒鉛等をヘンシェルミキサーを用いて混合し、二軸混練機によりペレット化した。用いた合成樹脂は熱可塑性樹脂である出光石油化学社製PP J−6083HP、出光石油化学社製ザレックS104、配合剤は日本黒鉛社製KEX、日本黒鉛社製膨張化黒鉛EP、三菱化学社製導電性カーボンブラック#3030B、ライオンアクゾ社製EC−DJ600(導電性カーボンブラック)である。各配合剤の配合割合は、配合時の真比重で計算して配合した。なお、日本黒鉛社製KEXは、鉄が400ppm未満、アルミニウムが400ppm未満、ナトリウムが160ppm未満、マグネシウムが40ppmおよびカルシウムが40ppm未満である。また、日本黒鉛社製膨張化黒鉛EPは、鉄が2000ppm未満、アルミニウムが2000ppm未満、ナトリウムが800ppm未満、マグネシウムが200ppmおよびカルシウムが200ppm未満である。
所定の金型を用いて、図1に示す形状を射出成形した。射出成形条件は、PP J−6083HPを母材とするものは 270℃、S104を母材とするものは 290℃である。なお、金型温度は 150℃として射出成形を行なった。得られた燃料電池用セパレータの形状は、厚み 2mm、一辺の長さ 180mm、ガス流路深さ 0.7mmである。
また、このセパレータを 100℃で熱処理したが反りや変形は見られなかった。
これら射出成形により得られたセパレータを用いて測定した抵抗率および作成したペレットを用いて測定した各射出成形時の樹脂温度におけるせん断速度103/sでの溶融粘度を表1に示す。
表2に示す配合割合を用いて、参考例1と同一の条件で燃料電池用セパレータの作製を試みた。参考例1と同様に、各配合剤の配合割合は、配合時の真比重で計算して配合した。また、特性欄に示した膨張化黒鉛の比重の値は、成形体の比重から算出した。なお、用いた配合剤の物性も併せて表2に示す。
比較例1は、参考例1と同一の配合でヘンシェルミキサーを用いて混合した粉末を、成形温度 240℃、成形圧 3 MPa にて圧縮成形により作製した。成形体中に分散された膨張化黒鉛の比重は 0.8 であった。成形体は非常に脆く金型離経時にガス流路部が破損した。そのため、溶融粘度の測定はできなかった。
また膨張化黒鉛の比重が小さいため膨張化黒鉛に含まれるガス分が多く、このためガス流路の底部の最も厚みの薄い部分にクラックも発生した。
比較例2は膨張化黒鉛を多量に配合したため溶融粘度が非常に高く射出成形ができなかった。
比較例3は導電性カーボンブラックを配合したので、増粘効果が著しく大きく、溶融混練、射出成形ができなかった。
比較例5は、導電性配合剤として比表面積および粒径が所定の範囲外であるケッチェンブラックを併用しているため、非常に溶融粘度が高く混練ができなかった。
比較例6は、成形圧 15 MPa にて圧縮成形により作製した。固体高分子型燃料電池においてセパレータは多層積層して使われるため、平面度0.1mm 以下の精度が要求される。比重が 1.8 以上に調製されていない平均粒径が 50μm 以上の膨張化黒鉛を単独で用いた比較例6は成形体にフクレおよびボイド発生による成形不良が発生しており、寸法精度が満足されないためセパレータとして使用できない。
また、射出成形法、射出モールド成形法、射出圧縮成形法、射出プレス成形法、トランスファ成形法、圧縮成形法のいずれかを採用できるので、原材料の歩留まり、製造コストの低減を図ることができる。
2 固体高分子電解質膜
3 アノード
4 カソード
5 フラッシュフロー圧縮成形機
6 固定側型板
7 可動側型板
8 射出シリンダ
9 キャビティ
10 突き出しピン
11 樹脂組成物
Claims (7)
- 樹脂組成物を成形してなる導電性樹脂成形体であって、
前記樹脂組成物は、合成樹脂に導電性配合剤が配合され、該導電性配合剤が、比重 1.8 以上に調製された高密度膨張化黒鉛と、BET法による比表面積が 20〜80m2/g で、かつ平均粒子径が 40〜100nm のカーボンブラックとの混合導電性配合剤であり、
前記混合導電性配合剤全体に対して前記カーボンブラックの含有量が 10〜40 容積%であることを特徴とする導電性樹脂成形体。 - 前記高密度膨張化黒鉛は、平均粒子径 10〜50μm であることを特徴とする請求項1記載の導電性樹脂成形体。
- 前記高密度膨張化黒鉛は、不純物として含まれる鉄およびアルミニウムが2500ppm未満、ナトリウムが1000ppm未満、マグネシウムおよびカルシウムが500ppm未満であることを特徴とする請求項1または請求項2記載の導電性樹脂成形体。
- 前記合成樹脂が熱可塑性樹脂であることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項記載の導電性樹脂成形体。
- 前記導電性樹脂成形体が固体高分子型燃料電池に用いられるセパレータであることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項記載の導電性樹脂成形体。
- 樹脂に導電性配合剤を配合して導電性樹脂組成物を得る工程と、前記導電性樹脂組成物を所定の形状に成形する成形工程とを備えてなる導電性樹脂成形体の製造方法において、
前記導電性配合剤が、比重 1.8 以上に調製された高密度膨張化黒鉛と、BET法による比表面積が 20〜80m2/g 、平均粒子径が 40〜100nm のカーボンブラックとの混合導電性配合剤であり、前記混合導電性配合剤全体に対して前記カーボンブラックの含有量が 10〜40 容積%であり、
前記成形工程が、切削工程を用いない一体成形法によりなされることを特徴とする導電性樹脂成形体の製造方法。 - 前記一体成形法が射出成形、射出圧縮成形、射出プレスまたは射出モールド成形、またはトランスファ成形であることを特徴とする請求項6記載の導電性樹脂成形体の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006339345A JP4733008B2 (ja) | 2006-12-18 | 2006-12-18 | 導電性樹脂成形体およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006339345A JP4733008B2 (ja) | 2006-12-18 | 2006-12-18 | 導電性樹脂成形体およびその製造方法 |
Related Parent Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003576524A Division JP3978429B2 (ja) | 2002-03-18 | 2002-03-18 | 導電性樹脂成形体 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2007157725A JP2007157725A (ja) | 2007-06-21 |
JP4733008B2 true JP4733008B2 (ja) | 2011-07-27 |
Family
ID=38241764
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2006339345A Expired - Fee Related JP4733008B2 (ja) | 2006-12-18 | 2006-12-18 | 導電性樹脂成形体およびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4733008B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5062843B2 (ja) * | 2008-05-07 | 2012-10-31 | 旭化成ケミカルズ株式会社 | 導電性ポリアセタール樹脂組成物、および成形体 |
US10283231B2 (en) | 2012-05-15 | 2019-05-07 | Zeon Corporation | Conductive composition |
JP6310760B2 (ja) * | 2014-04-25 | 2018-04-11 | 旭化成株式会社 | ポリアセタール樹脂製導電性icチップトレイ |
Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH087648A (ja) * | 1994-06-22 | 1996-01-12 | Shin Etsu Polymer Co Ltd | 導電性樹脂組成物 |
JP2000021423A (ja) * | 1998-07-03 | 2000-01-21 | Tokai Carbon Co Ltd | 燃料電池用セパレータおよびその製造方法 |
WO2001043217A1 (fr) * | 1999-12-06 | 2001-06-14 | Hitachi Chemical Company, Ltd. | Cellule electrochimique, separateur pour cellule electrochimique et procede de fabrication |
Family Cites Families (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4028940B2 (ja) * | 1998-12-17 | 2008-01-09 | 日清紡績株式会社 | 燃料電池セパレータ、その製造方法及び当該燃料電池セパレータを使用した固体高分子型燃料電池 |
-
2006
- 2006-12-18 JP JP2006339345A patent/JP4733008B2/ja not_active Expired - Fee Related
Patent Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH087648A (ja) * | 1994-06-22 | 1996-01-12 | Shin Etsu Polymer Co Ltd | 導電性樹脂組成物 |
JP2000021423A (ja) * | 1998-07-03 | 2000-01-21 | Tokai Carbon Co Ltd | 燃料電池用セパレータおよびその製造方法 |
WO2001043217A1 (fr) * | 1999-12-06 | 2001-06-14 | Hitachi Chemical Company, Ltd. | Cellule electrochimique, separateur pour cellule electrochimique et procede de fabrication |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2007157725A (ja) | 2007-06-21 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP3978429B2 (ja) | 導電性樹脂成形体 | |
EP3041076B1 (en) | Fuel cell separating plate and method of manufacturing the same | |
Guo et al. | Effect of different graphite materials on the electrical conductivity and flexural strength of bipolar plates fabricated using selective laser sintering | |
US8691129B2 (en) | Method of producing exfoliated graphite composite compositions for fuel cell flow field plates | |
JP4970698B2 (ja) | 導電性複合材料ならびにこの導電性複合材料を使用した燃料電池用電極 | |
US20080277628A1 (en) | Exfoliated graphite composite compositions for fuel cell flow field plates | |
WO2002001660A1 (fr) | Composition conductrice pour separateur de pile a combustible de type a polymere solide, separateur de pile a combustible de type a polymere solide, pile a combustible de type a polymere solide et systeme de pile a combustible de type a polymere solide utilisant ce separateur | |
JP2007172957A (ja) | 燃料電池用セパレータ材およびその製造方法 | |
JP4733008B2 (ja) | 導電性樹脂成形体およびその製造方法 | |
JP2007145023A (ja) | 導電性樹脂成形体およびその製造方法 | |
KR101316006B1 (ko) | 연료전지용 망사형 분리판 및 그 제조방법 | |
JP2006310021A (ja) | 導電性材料および燃料電池用セパレータ | |
KR101041034B1 (ko) | 연료전지 분리판용 조성물, 그 제조방법, 이를 포함하는 연료전지 분리판 및 연료전지 | |
US20230197977A1 (en) | Separator plate for a fuel cell, precursor therefore and its method of production | |
JP4385670B2 (ja) | 燃料電池用セパレータの製造方法 | |
Kypta et al. | Multiwalled Carbon Nanotube-Filled Polymer Composites for Direct Injection Molding of Bipolar Plates | |
JP2005122974A (ja) | 燃料電池用セパレータ及び燃料電池 | |
KR101959998B1 (ko) | 고함량 고분자-탄소소재 마스터배치 제조방법 및 이를 이용한 연료전지용 분리판 제조방법 | |
JP4989880B2 (ja) | 燃料電池セパレータとそのための樹脂組成物並びにその製造方法 | |
JP2001250566A (ja) | 燃料電池用セパレータおよびその製造方法 | |
JP2004192878A (ja) | 固体高分子型燃料電池用セパレータ材の製造方法 | |
JP2007126593A (ja) | 樹脂複合材料成型品およびセパレーター、およびその製造方法 | |
WO2005086177A1 (en) | Electroconductive resin composition and molded product thereof | |
JP2005158659A (ja) | 固体高分子形燃料電池用セパレータ材とその製造方法 | |
JP2004253242A (ja) | 固体高分子形燃料電池用セパレータ材の製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20101012 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20101210 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20110405 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20110421 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140428 Year of fee payment: 3 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |