JP5062843B2 - 導電性ポリアセタール樹脂組成物、および成形体 - Google Patents

導電性ポリアセタール樹脂組成物、および成形体 Download PDF

Info

Publication number
JP5062843B2
JP5062843B2 JP2008121499A JP2008121499A JP5062843B2 JP 5062843 B2 JP5062843 B2 JP 5062843B2 JP 2008121499 A JP2008121499 A JP 2008121499A JP 2008121499 A JP2008121499 A JP 2008121499A JP 5062843 B2 JP5062843 B2 JP 5062843B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
acid
resin composition
polyacetal resin
mass
parts
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2008121499A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2009269996A (ja
Inventor
希 稲垣
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Asahi Kasei Chemicals Corp
Original Assignee
Asahi Kasei Chemicals Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Asahi Kasei Chemicals Corp filed Critical Asahi Kasei Chemicals Corp
Priority to JP2008121499A priority Critical patent/JP5062843B2/ja
Publication of JP2009269996A publication Critical patent/JP2009269996A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5062843B2 publication Critical patent/JP5062843B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Sliding-Contact Bearings (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Description

本発明は、導電性ポリアセタール樹脂組成物に関する。更に詳しくは摺動性と成形性および熱安定性に優れ、軸受け摺動時の導電性が極めて安定した導電性ポリアセタール樹脂組成物に関する。
ポリアセタール樹脂は、バランスの取れた機械的性質と優れた摺動性を持つエンジニアリング樹脂であり、特に摺動性が優れていることから、歯車をはじめとする各種の精密機構部品やOA機器などに広く使用されている。しかしながら、ポリアセタール樹脂は他の樹脂と同様に電気絶縁体であるため、摺動の際に発生する静電気の除去性能あるいは導電性に劣り、摺動性と同時に高度な導電性を要求される用途には使われないのが通常であった。近年、カーボンブラックを添加したポリアセタール樹脂が上記用途に使われだしたが、熱安定性や流動性が不十分である他、その成形体の表面平滑性に劣るため、ポリアセタール樹脂が本来持っている摺動性が発現できず、接触電気抵抗も大きく導電性も十分発揮されないという問題点があった。また、近年のOA機器の高速化・高性能化に伴い、かかる機器の部品に用いられる導電性ポリアセタール樹脂組成物に要求される性能は特に導電性と摺動性の面で高まってきているのが現状である。
従来より、カーボンブラックやその他の導電性フィラーによって導電性と摺動性を併せもつ組成物を得ることは種々知られている。例えば特許文献1には、熱可塑性樹脂にBET表面積500m/g以上で且つ一次粒子径が50nm以下の導電性フィラーと、多孔質体および潤滑剤からなる潤滑性付与材をを添加して、軸受け用組成物を得る方法が開示されている。また、特許文献2には熱可塑性樹脂にDBP吸油量400ml/100g以上のカーボンブラックと粒径40〜20000μmの膨張黒鉛を配合し、成形加工性と機械的強度に優れた組成物が開示されている。さらに特許文献3にはポリアセタール樹脂にBET表面積が850m/g以上のカーボンブラックと黒鉛と超高分子量ポリエチレンを配合して複写機のトナー粉が摺動面に介在しても摺動性が劣らない組成物が開示されている。しかしながらこれらの技術の範囲では、実機の軸受けや電気接点を忠実に再現した評価の結果、近年のOA機器部品の要求性能を満足するような安定した導電性と摺動性を持ち合わせた組成物を得ることは困難であるのが現状である。
特開2007−170424号公報 特公平8−13902号公報 特許第3965251号公報
本発明は、優れた導電性能を保持しつつ摺動性、成形性および熱安定性に優れるポリアセタール樹脂組成物、特にあらゆる条件下での軸受け摺動時に安定した導電性・摺動性を持つ材料を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を達成するために鋭意検討した結果、ポリアセタール樹脂に対して、ある特定の導電性カーボンブラック、特定の黒鉛、オレフィン系樹脂、特定の脂肪酸エステル、及びエポキシ化合物を組み合わせることにより、上記課題を解決することを見出し、本発明を完成させた。
すなわち本発明は以下のとおりである。
(1)ポリアセタール樹脂(A)100質量部に対して、フタル酸ジブチル吸油量が350ml/100g以上の導電性カーボンブラック(B)5〜15質量部、黒鉛(C)0.1〜10質量部、重量平均分子量で10,000〜300,000の低密度ポリエチレン樹脂(D)1〜20重量部、炭素数12〜30の1価脂肪酸と炭素数10〜30の1価脂肪族アルコールからなるエステル(E)0.1〜10重量部、及びエポキシ化合物(F)0.05〜10質量部を配合してなることを特徴とするポリアセタール樹脂組成物。
(2)導電性カーボンブラック(B)のフタル酸ジブチル吸油量が400ml/100g以上であることを特徴とする前記(1)に記載のポリアセタール樹脂組成物。
(3)黒鉛(C)の平均粒径が0.5〜100μmであることを特徴とする前記(1)または(2)に記載のポリアセタール樹脂組成物。
(4)黒鉛(C)と導電性カーボンブラック(B)の質量比(C)/(B)が1/99〜50/50であることを特徴とする前記(1)〜(3)いずれか一項に記載のポリアセタール樹脂組成物。
(5)黒鉛(C)が天然黒鉛であることを特徴とする前記(1)〜(4)にいずれか一項に記載のポリアセタール樹脂組成物。
(6)酸化防止剤、ホルムアルデヒド反応性窒素を含む重合体または化合物、ギ酸捕捉剤、耐候(光)安定剤の少なくとも1種(G)を0.01〜10質量部含有してなることを特徴とする前記(1)〜(5)いずれか一項に記載のポリアセタール樹脂組成物。
(7)前記(1)〜(6)いずれか一項に記載のポリアセタール樹脂組成物からなる射出成形体。
(8)前記(1)〜(6)に記載のポリアセタール樹脂組成物からなる電気・電子機器内における電気接点。
(9)前記(1)〜(6)いずれか一項に記載のポリアセタール脂組成物成形体からなる画像形成装置内の感光体ドラムフランジ軸受け部材。
(10)前記(1)〜(6)いずれか一項に記載のポリアセタール脂組成物成形体からなる画像形成装置内のプロセスカートリッジ部品。
(11)前記(1)〜(6)いずれか一項に記載のポリアセタール脂組成物成形体からなる画像形成装置内の軸受け部材。
本発明によれば、OA機器業界のニーズに十分応えられるような導電性、摺動性に優れ、かつ成形性と熱安定性が良好であり、特にあらゆる条件下での軸受け摺動時に安定した導電性・摺動性を持つ樹脂組成物を得ることができる。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明で用いるポリアセタール樹脂(A)としては、ホルムアルデヒド単量体又はその3量体(トリオキサン)や4量体(テトラオキサン)等のホルムアルデヒドの環状オリゴマーを単独重合して得られる実質上オキシメチレン単位のみから成るポリアセタールホモポリマーや、ホルムアルデヒド単量体又はその3量体(トリオキサン)や4量体(テトラオキサン)等のホルムアルデヒドの環状オリゴマーとエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、エピクロルヒドリン、1,3−ジオキソランや1,4−ブタンジオールホルマールなどのグリコールやジグリコールの環状ホルマール等の環状エーテル、環状ホルマールとを共重合させて得られたポリアセタールコポリマーを代表例としてあげることができる。
また、単官能グリシジルエーテルを共重合させて得られる分岐を有するポリアセタールコポリマーや、多官能グリシジルエーテルを共重合させて得られる架橋構造を有するポリアセタールコポリマーも用いることができる。さらに、両末端または片末端に水酸基などの官能基を有する化合物、例えばポリアルキレングリコールの存在下、ホルムアルデヒド単量体又はホルムアルデヒドの環状オリゴマーを重合して得られるブロック成分を有するポリアセタールホモポリマーや、同じく両末端または片末端に水酸基などの官能基を有する化合物、例えば水素添加ポリブタジエングリコールの存在下、ホルムアルデヒド単量体又はその3量体(トリオキサン)や4量体(テトラオキサン)等のホルムアルデヒドの環状オリゴマーと環状エーテルや環状ホルマールとを共重合させて得られるブロック成分を有するポリアセタールコポリマーも用いることができる。以上のように、本発明においては、ポリアセタールホモポリマー、コポリマーいずれも用いることが可能である。好ましいのはポリアセタールコポリマーである。
1,3−ジオキソラン等のコモノマーは、一般的にはトリオキサン1molに対して0.1〜60mol%、好ましくは0.1〜20mol%、更に好ましくは0.13〜10mol%用いられる。本発明において特に好適なポリアセタールコポリマーの融点は162℃〜173℃であり、好ましくは164℃〜171℃である。
ポリアセタールコポリマーの重合における重合触媒としては、ルイス酸、プロトン酸及びそのエステル又は無水物等のカチオン活性触媒が好ましい。ルイス酸としては、例えば、ホウ酸、スズ、チタン、リン、ヒ素及びアンチモンのハロゲン化物が挙げられ、具体的には三フッ化ホウ素、四塩化スズ、四塩化チタン、五フッ化リン、五塩化リン、五フッ化アンチモン及びその錯化合物又は塩が挙げられる。
また、プロトン酸、そのエステルまたは無水物の具体例としては、パークロル酸、トリフルオロメタンスルホン酸、パークロル酸−3級ブチルエステル、アセチルパークロラート、トリメチルオキソニウムヘキサフルオロホスフェート等が挙げられる。中でも、三フッ化ホウ素;三フッ化ホウ素水和物;及び酸素原子又は硫黄原子を含む有機化合物と三フッ化ホウ素との配位錯化合物が好ましく、具体的には、三フッ化ホウ素ジエチルエーテル、三フッ化ホウ素ジ−n−ブチルエーテルを好適例として挙げることができる。
ポリアセタールコポリマーの重合方法としては、従来公知の方法、例えばUS−A−3027352、US−A−3803094、DE−C−1161421、DE−C−1495228、DE−C−1720358、DE−C−3018898及び特開昭58−98322号、特開平7−70267号に記載の方法によって重合することができる。上記の重合方法によって得られたポリアセタールコポリマーには、熱的に不安定な末端部〔−(OCH−OH基〕が存在するため、そのままでは実用に供することは困難である。そこで、不安定な末端部の分解除去処理を実施することが好ましく、次に示す特定の不安定末端部の分解除去処理を行なうことが好適である。特定の不安定末端部の分解除去処理とは、下記一般式(1)で表わされる少なくとも1種の第4級アンモニウム化合物の存在下に、ポリアセタールコポリマーの融点以上260℃以下の温度で、ポリアセタールコポリマーを溶融させた状態で熱処理するものである。
[R−n 式(1)
(式中、R、R、R、Rは、各々独立して、炭素数1〜30の非置換アルキル基または置換アルキル基;炭素数6〜20のアリール基;炭素数1〜30の非置換アルキル基または置換アルキル基が少なくとも1個の炭素数6〜20のアリール基で置換されたアラルキル基;又は炭素数6〜20のアリール基が少なくとも1個の炭素数1〜30の非置換アルキル基または置換アルキル基で置換されたアルキルアリール基を表わし、非置換アルキル基または置換アルキル基は直鎖状、分岐状、または環状である。上記置換アルキル基の置換基はハロゲン、水酸基、アルデヒド基、カルボキシル基、アミノ基、又はアミド基である。また、上記非置換アルキル基、アリール基、アラルキル基、アルキルアリール基は水素原子がハロゲンで置換されていてもよい。nは1〜3の整数を表わす。Xは水酸基、又は炭素数1〜20のカルボン酸、ハロゲン化水素以外の水素酸、オキソ酸、無機チオ酸もしくは炭素数1〜20の有機チオ酸の酸残基を表わす。)
本発明に用いる第4級アンモニウム化合物は、上記一般式(1)で表わされるものであれば特に制限はないが、一般式(1)におけるR、R、R、及びRが、各々独立して、炭素数1〜5のアルキル基又は炭素数2〜4のヒドロキシアルキル基であることが好ましく、この内更に、R、R、R、及びRの少なくとも1つが、ヒドロキシエチル基であるものが特に好ましい。具体的には、テトラメチルアンモニウム、テトエチルアンモニウム、テトラプロピルアンモニウム、テトラ−n−ブチルアンモニウム、セチルトリメチルアンモニウム、テトラデシルトリメチルアンモニウム、1,6−ヘキサメチレンビス(トリメチルアンモニウム)、デカメチレン−ビス−(トリメチルアンモニウム)、トリメチル−3−クロロ−2−ヒドロキシプロピルアンモニウム、トリメチル(2−ヒドロキシエチル)アンモニウム、トリエチル(2−ヒドロキシエチル)アンモニウム、トリプロピル(2−ヒドロキシエチル)アンモニウム、トリ−n−ブチル(2−ヒドロキシエチル)アンモニウム、トリメチルベンジルアンモニウム、トリエチルベンジルアンモニウム、トリプロピルベンジルアンモニウム、トリ−n−ブチルベンジルアンモニウム、トリメチルフェニルアンモニウム、トリエチルフェニルアンモニウム、トリメチル−2−オキシエチルアンモニウム、モノメチルトリヒドロキシエチルアンモニウム、モノエチルトリヒドロキシエチルアンモニウム、オクダデシルトリ(2−ヒドロキシエチル)アンモニウム、テトラキス(ヒドロキシエチル)アンモニウム等の水酸化物;塩酸、臭酸、フッ酸などの水素酸塩;硫酸、硝酸、燐酸、炭酸、ホウ酸、塩素酸、よう素酸、珪酸、過塩素酸、亜塩素酸、次亜塩素酸、クロロ硫酸、アミド硫酸、二硫酸、トリポリ燐酸等のオキソ酸塩;チオ硫酸などのチオ酸塩;蟻酸、酢酸、プロピオン酸、ブタン酸、イソ酪酸、ペンタン酸、カプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、安息香酸、シュウ酸などのカルボン酸塩等が挙げられる。中でも、水酸化物(OH)、硫酸(HSO 、SO 2−)、炭酸(HCO 、CO 2−)、ホウ酸(B(OH) )、カルボン酸の塩が好ましい。カルボン酸の内、蟻酸、酢酸、プロピオン酸が特に好ましい。
これら第4級アンモニウム化合物は、単独で用いてもよいし、また2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、上記第4級アンモニウム化合物に加えて、公知の不安定末端部の分解促進剤であるアンモニアやトリエチルアミン等のアミン類等を併用しても何ら差し支えない。
第4級アンモニウム化合物の量は、 ポリアセタールコポリマーと第4級アンモニウム化合物の合計質量に対する下記式(2)で表わされる第4級アンモニウム化合物由来の窒素の量に換算して0.05〜50質量ppm、好ましくは1〜30質量ppmである。
P×14/Q 式(2)
(式中、Pは第4級アンモニウム化合物のポリアセタールコポリマーに対する濃度(質量ppm)を表わし、14は窒素の原子量であり、Qは第4級アンモニウム化合物の分子量を表わす。)
第4級アンモニウム化合物の添加量が0.05質量ppm未満であると不安定末端部の分解除去速度が低下し、 50質量ppmを超えると不安定末端部分解除去後のポリアセタールコポリマーの色調が悪化する。
本発明に用いるポリアセタール樹脂の不安定末端部の分解除去処理は, 融点以上260℃以下の温度でポリアセタールコポリマーを溶融させた状態で熱処理することにより達成される。用いる装置には特に制限はないが、押出機、ニーダー等を用いて熱処理することが好適である。また、分解で発生したホルムアルデヒドは減圧下で除去される。第4級アンモニウム化合物の添加方法には特に制約はなく、重合触媒を失活する工程にて水溶液として加える方法、重合で生成したポリアセタールコポリマーパウダーに吹きかける方法などがある。いずれの添加方法を用いても、ポリアセタールコポリマーを熱処理する工程で添加されていれば良く、押出機の中に注入したり、押出機等を用いてフィラーやピグメントの配合を行なう品種であれば,樹脂ペレットに該化合物を添着し、その後の配合工程で不安定末端除去操作を実施してもよい。
不安定末端除去操作は、重合で得られたポリアセタールコポリマー中の重合触媒の失活させた後に行なうことも可能であるし、また重合触媒を失活させずに行なうことも可能である。重合触媒の失活操作としては、アミン類等の塩基性の水溶液中で重合触媒を中和失活する方法を代表例として挙げることができる。また、重合触媒の失活を行なわずに、融点以下の温度で不活性ガス雰囲気下にて加熱し、重合触媒を揮発低減した後、本不安定末端除去操作を行なうことも有効な方法である。
以上の特定の不安定末端部分解除去処理により、不安定末端部が殆ど存在しない非常に熱安定性に優れたポリアセタールコポリマーを得ることができる。
また、本発明で用いるポリアセタール樹脂のメルトフローレート(MFR,JIS−K7210の条件で測定)は、0.5g/minから100g/min、好ましくは1.0g/minから80g/minである。MFRを0.5g/minから100g/minとすることにより、成型加工性と耐久性をともに満足するポリアセタール樹脂組成物を得ることができる。
本発明の(B)成分に用いられるカーボンブラックは導電性カーボンブラックであり、粒子径が小さいかまたは表面積が大きく鎖状構造の発達したものである。好ましくは、粒子径が0.05μm以下のものがよい。また、DBP吸油量(ASTM D2415−65T)は350ml/100g以上であることが必要であり、400ml/100g以上のものが好ましい。DBP吸油量が350ml/100g以上であることにより、カーボンブラックの少ない添加量で、良好な導電性を得ることができる。具体的なカーボンブラックとしては、例えば、ケッチェンブラックEC〔DBP:350ml/100g〕、EC−300J[DBP:365ml/100g]、EC−600JD〔DBP:480ml/100g〕(ライオン(株)製)、プリンテックスXE2−B〔DBP:420ml/100g〕(エボニックデグサ ジャパン(株)製)などがある。また、2種以上のカーボンブラックを併用して用いても良い。
カーボンブラック(B)の添加量は、ポリアセタール樹脂(A)100質量部に対して5〜15質量部であり、好ましくは6〜12質量部である。5質量部以上であることにより十分な導電性を得ることが可能となり、15質量部以下であると、熱安定性、耐衝撃性のバランスの取れたポリアセタール樹脂組成物を得ることが可能となる。
本発明の(C)成分に用いられる黒鉛は、人造品および天然品から、目的に応じて適宜選択することができる。本発明で使用される黒鉛粉末の形状は、鱗片状、塊状、球状等いずれでもよいが、より良好な導電性発現の観点から、鱗片状の天然黒鉛が最も好ましい。
本発明で使用される黒鉛粉末の平均粒子径は、0.5〜100μmの範囲が好ましく、より好ましくは1〜80μmである。十分な導電性発現の観点から1μm以上が好ましく、取り扱い性と成形品表面外観保持の観点から100μm以下が好ましい。また黒鉛(C)の添加量は、ポリアセタール樹脂(A)に対して0.1〜10質量部であり、好ましくは1〜5質量部である。黒鉛の添加量が0.1質量部以上であることによって導電性を安定化させることができ、10質量部以下であることによって組成物の熱安定性を保持させることができる。
具体的な黒鉛としては、例えば、F#3〔平均粒径60μm〕、CPB〔平均粒径19μm〕、J−CPB〔平均粒径5μm〕(日本黒鉛(株)製)、CNP15〔平均粒径15μm〕、Z−5F〔平均粒径5μm〕(伊藤黒鉛工業(株)製)などがある。また、2種類以上の黒鉛を併用して用いてもよい。
黒鉛(C)と導電性カーボンブラック(B)の質量比(C)/(B)は1/99〜50/50の範囲であることが好ましく、より好ましくは5/95〜40/60である。質量比が1/99以上であることによって組成物成形片の軸受け摺動時に安定した導電性が得られるようになり、50/50以下であることによって大量の導電性フィラーを配合しなくても組成物成形片に高導電性を与えることができる。
本発明の(D)成分に用いられるオレフィン系樹脂は、一般式(3)で示されるオレフィン系不飽和化合物のホモ重合体、または共重合体、あるいはその変性体である。
Figure 0005062843
〔式中、Rは水素原子またはメチル基であり、Rは水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、カルボキシル基、2〜5個の炭素原子を含むアルキル化カルボキシ基、2〜5個の炭素原子を有するアシルオキシ基、またはビニル基を表わす。〕
具体的には、ポリエチレン(高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高圧法低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、超低密度ポリエチレン)、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−ブテン共重合体、ポリプロピレン−ブテン共重合体、ポリブテン、ポリブタジエンの水添物、エチレン−アクリル酸エステル共重合体、エチレン−メタアクリル酸エステル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、などが挙げられる。変性体としては、他のビニル化合物の一種以上をグラフトさせたグラフト共重合体;α,β−不飽和カルボン酸(アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、ナジック酸等)またはその酸無水物で(必要により過酸化物を併用して)変性したもの;オレフィン系化合物と酸無水物を共重合したものが挙げられる。
これらの中で、ポリエチレンが好ましく、軸受け摺動時の成形片磨耗量低減の観点から低密度ポリエチレン(密度0.91g/cm以上、0.93g/cm未満のポリエチレン)が特に好ましい。低密度ポリエチレンの具体的な例としては、サンテックLD L1850A〔ビカット軟化点87℃、MFR6.7g/10min、密度0.92g/cm〕(旭化成ケミカルズ(株)製)、ペトロセン342〔ビカット軟化点87℃、MFR8.0g/10min、密度0.92g/cm〕(東ソー(株)製)などを挙げることができる。これらのオレフィン系樹脂の分子量は特に規定されないが、好ましくは重量平均分子量で10,000〜300,000の範囲であり、より好ましくは10,000〜100,000であり、さらに好ましくは15,000〜80,000である。分子量が10,000未満では、自材どうしの摩擦摩耗性が悪くなり、重量平均分子量300,000を超えると軸受け摺動時の摩擦摩耗性が悪くなるため好ましくない。また、これらのオレフィン系樹脂は単独で用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
オレフィン系樹脂(D)の添加量はポリアセタール樹脂(A)100質量部に対して1〜20質量部であり、好ましくは3〜15質量部である。添加量が1質量部以上であることにより、組成物の耐衝撃性を保持することが可能となり、20質量部以下であることにより、成形品よりオレフィン系樹脂成分が剥離するのを防止することができる。
本発明で用いられる(E)成分は摺動性改良剤であり、炭素数12〜30の1価脂肪酸と炭素数10〜30の1価脂肪族アルコールからなるエステルである。これらの摺動性改良剤は1種類で用いても良いし、2種類以上を組み合わせて用いても良い。
具体的なエステルとしては、下記に示す1価脂肪酸と1価脂肪族アルコールのエステルである。1価脂肪酸としては、ウンデシル酸、ラウリン酸、トリデシル酸、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸、ペンタデシル酸、ステアリン酸、ナノデカン酸、アラキン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、セロチン酸、ヘプタコン酸、モンタン酸、メリシン酸、ラクセル酸、ウンデシレン酸、オレイン酸、エライジン酸、セトレイン酸、エルカ酸、ブラシジン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸、ステアロール酸が挙げられる。1価脂肪族アルコールの例としては、ラウリルアルコール、トリデシルアルコール、ミリスチルアルコール、ペンタデシルアルコール、セチルアルコール、ヘプタデシルアルコール、ステアリルアルコール、オレイルアルコール、ノナデシルアルコール、エイコシルアルコール、セリルアルコール、ベヘニルアルコール、メリシルアルコール、ヘキシルデシルアルコール、オクチルドデシルアルコール、デシルミリスチルアルコール、デシルステアリルアルコール、ユニリンアルコール等の飽和・不飽和アルコールが挙げられる。 また、かかる成分を含有してなる天然に存在する脂肪酸またはこれらの混合物等でもよい。これらの脂肪酸はヒドロキシ基で置換されていてもよい。また、合成脂肪族アルコールであるユニリンアルコールの末端をカルボキシル変性した合成脂肪酸でもよい。上述の1価脂肪酸、1価脂肪族アルコールの中でもミリスチン酸とセチルアルコールのエステルであるミリスチン酸セチルが特に好ましい。
(E)成分の添加量はポリアセタール樹脂100質量部に対して0.1〜10質量部であり、好ましくは1〜8質量部である。添加量が1質量部以上であることによって、組成物成形品に十分な摺動性を与えることができ、10質量部以下であることによって、組成物成形品表面からのブリードアウトを防止することができる。
本発明の樹脂組成物には、熱安定性向上のために更にエポキシ化合物(F)を添加することが必要である。具体的にはモノまたは多官能グリシジル誘導体、或いは不飽和結合をもつ化合物を酸化してエポキシ基を生じさせた化合物である。また、エポキシ化合物の他にエポキシ基を開環させて架橋させ、エポキシ化合物に熱安定剤としての機能を十分に発揮させるため、エポキシ樹脂硬化性添加剤を添加することが好ましい。本発明においては、エポキシ樹脂硬化性添加剤もエポキシ化合物に含まれる。エポキシ樹脂硬化性添加剤としては、塩基性窒素化合物及び塩基性リン化合物が通常用いられるが、その他のエポキシ樹脂硬化作用(効果促進作用を含む)を持つ化合物もすべて使用できる。
エポキシ化合物としては、例えば、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル、2−メチルオクチルグリシジルエーテル、ラウリルグリシジルエーテル、ステアリルグリシジルエーテル、ベヘニルグリシジルエーテル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル(エチレンオキシドのユニット;2〜30)、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、(プロピレンオキシドのユニット;2〜30)、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、グリセリンジグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ビスフェノールAジグリシジルエーテルである。
また、水素添加ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ソルビタンモノエステルジグリシジルエーテル、ソルビタンモノエステルトリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールトリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールテトラグリシジルエーテル、ジグリセリントリグリシジルエーテル、ジグリセリンテトラグリシジルエーテル、クレゾールノボラックとエピクロルヒドリンとの縮合物(エポキシ等量;100〜400、軟化点;20〜150℃)、グリシジルメタクリレート、ヤシ脂肪酸グリシジルエステル、大豆脂肪酸グリシジルエステルなどが挙げられるがこれらに限定されることはない。
エポキシ樹脂硬化性添加剤の具体的な化合物としては、イミダゾール及び1−ヒドロキシエチル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ヘプタデシルイミダゾール、1−ビニル−2−フェニルイミダゾールなどの置換イミダゾール、及びオクチルメチルアミン、ラウリルメチルアミンなどの脂肪族2級アミン、及びジフェニルアミン、ジトリルアミンなどの芳香族2級アミン、及びトリラウリルアミン、ジメチルオクチルアミン、ジメチルステアリルアミン、トリステアリルアミンなどの脂肪族3級アミン、及びトリトリルアミン、トリフェニルアミンなどの芳香族3級アミン、及びセチルモルホリン、オクチルモルホリン、P−メチルベンジルモルホリンなどのモルホリン化合物、及びジシアンジアミド、メラミン、尿素などへのアルキレンオキシド付加物(付加モル数1〜20モル)、トリフェニルホスフィン、メチルジフェニルホスフィン、トリトリルホスフィンなどのリン化合物などがあるがこれだけに限定されない。これらのエポキシ化合物、エポキシ樹脂硬化性添加剤はそれぞれ単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、その配合量はポリアセタール樹脂(A)100質量部に対し合計で0.05〜10質量部であり、好ましくは0.5〜5.0質量部である。
本発明のポリアセタール樹脂組成物は、用途に応じて適当な添加剤を配合することにより、熱安定性に優れたポリアセタール樹脂組成物を得ることができる。好適な具体的としては、ポリアセタール樹脂(A)100質量部に対し、酸化防止剤、ホルムアルデヒド反応性窒素を含む重合体又は化合物、ギ酸捕捉剤、耐候(光)安定剤の少なくとも1種(G)を0.01〜10質量部含有してなるポリアセタール樹脂組成物を挙げることができる。
酸化防止剤としてはヒンダートフェノール系酸化防止剤が好ましい。具体的には、例えばn−オクタデシル−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート、n−オクタデシル−3−(3’−メチル−5’−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート、n−テトラデシル−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート、1,6−ヘキサンジオール−ビス−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート]、1,4−ブタンジオール−ビス−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート]、トリエチレングリコール−ビス−[3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート]、ペンタエリスリトールテトラキス[メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン等が挙げられる。好ましくは、トリエチレングリコール−ビス−[3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート]及びペンタエリスリトールテトラキス[メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタンである。これらの酸化防止剤は1種類で用いても良いし、2種類以上を組み合わせて用いても良い。酸化防止剤の配合量はポリアセタール樹脂(A)100質量部に対し、0.01〜8質量部が好ましい。
ホルムアルデヒド反応性窒素を含む重合体又は化合物の例としては、ナイロン4−6、ナイロン6、ナイロン6−6、ナイロン6−10、ナイロン6−12、ナイロン12等のポリアミド樹脂、及びこれらの重合体、例えば、ナイロン6/6−6/6−10、ナイロン6/6−12等を挙げることができる。また他に、アクリルアミド及びその誘導体、アクリルアミド及びその誘導体と他のビニルモノマーとの共重合体が挙げられ、例えばアクリルアミド及びその誘導体と他のビニルモノマーとを金属アルコラートの存在下で重合して得られたポリ−β−アラニン共重合体を挙げることができる。その他にアミド化合物、アミノ置換トリアジン化合物、アミノ置換トリアジン化合物とホルムアルデヒドの付加物、アミノ置換トリアジン化合物とホルムアルデヒドの縮合物、尿素、尿素誘導体、ヒドラジン誘導体、イミダゾール化合物、イミド化合物を挙げることができる。
アミド化合物の具体例としては、イソフタル酸ジアミドなどの多価カルボン酸アミド、アントラニルアミドが挙げられる。アミノ置換トリアジン化合物の具体例としては、2,4−ジアミノ−sym−トリアジン、2,4,6−トリアミノ−sym−トリアジン、N−ブチルメラミン、N−フェニルメラミン、N,N−ジフェニルメラミン、N, N−ジアリルメラミン、ベンゾグアナミン(2,4−ジアミノ−6−フェニル−sym−トリアジン)、アセトグアナミン(2,4−ジアミノ−6−メチル−sym−トリアジン)、2,4−ジアミノ−6−ブチル−sym−トリアジン等である。アミノ置換トリアジン類化合物とホルムアルデヒドとの付加物の具体例としては、N−メチロールメラミン、N,N’−ジメチロールメラミン、N,N’,N”−トリメチロールメラミンを挙げることができる。アミノ置換トリアジン類化合物とホルムアルデヒドとの縮合物の具体例としては、メラミン・ホルムアルデヒド縮合物を挙げることができる。
尿素誘導体の例としては、N−置換尿素、尿素縮合体、エチレン尿素、ヒダントイン化合物、ウレイド化合物を挙げることができる。N−置換尿素の具体例としては、アルキル基等の置換基が置換したメチル尿素、アルキレンビス尿素、アーリル置換尿素を挙げることができる。尿素縮合体の具体例としては、尿素とホルムアルデヒドの縮合体等が挙げられる。ヒダントイン化合物の具体例としては、ヒダントイン、5,5−ジメチルヒダントイン、5,5−ジフェニルヒダントイン等が挙げられる。
ウレイド化合物の具体例としては、アラントイン等が挙げられる。ヒドラジン誘導体としてはヒドラジド化合物を挙げることができる。ヒドラジド化合物の具体例としては、ジカルボン酸ジヒドラジドを挙げることができ、更に具体的には、マロン酸ジヒドラジド、コハク酸ジヒドラジド、グルタル酸ジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド、ピメリン酸ジヒドラジド、スペリン酸ジヒドラジド、アゼライン酸ジヒドラジド、セバチン酸ジヒドラジド、ドデカン二酸ジヒドラジド、イソフタル酸ジヒドラジド、フタル酸ジヒドラジド、2,6−ナフタレンジカルボジヒドラジド等が挙げることができる。イミド化合物の具体例としてはスクシンイミド、グルタルイミド、フタルイミドを挙げることができる。これらのホルムアルデヒド反応性窒素原子を含む重合体又化合物は、1種類で用いても良いし、2種類以上を組み合わせて用いても良く、配合量はポリアセタール樹脂(A)100質量部に対して0.01〜8質量部が好ましい。
ギ酸捕捉剤としては、上記のアミノ置換トリアジン化合物やアミノ置換トリアジン類化合物とホルムアルデヒドとの縮合物、例えばメラミン・ホルムアルデヒド縮合物等を挙げることができる。他のギ酸捕捉剤としては、アルカリ金属またはアルカリ土類金属の水酸化物、無機酸塩、カルボン酸塩又はアルコキシドが挙げられる。例えば、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウムもしくはバリウムなどの水酸化物、上記金属の炭酸塩、リン酸塩、珪酸塩、ホウ酸塩、カルボン酸塩を挙げることができる。
上記カルボン酸塩のカルボン酸としては、10〜36個の炭素原子を有する飽和又は不飽和脂肪族カルボン酸が好ましく、これらのカルボン酸は水酸基で置換されていてもよい。飽和又は不飽和脂肪族カルボン酸塩の具体的な例としては、ジミリスチン酸カルシウム、ジパルミチン酸カルシウム、ジステアリン酸カルシウム、(ミリスチン酸−パルミチン酸)カルシウム、(ミリスチン酸−ステアリン酸)カルシウム、(パルミチン酸−ステアリン酸)カルシウムが挙げられ、中でも好ましくは、ジパルミチン酸カルシウム、ジステアリン酸カルシウムである。
これらのギ酸捕捉剤は、1種類で用いても良いし、2種類以上を組み合わせて用いても良く、配合量はポリアセタール樹脂100質量部に対して0.01〜8質量部が好ましい。
本発明で言う耐候(光)安定剤は、ベンゾトリアゾール系及び蓚酸アニリド系紫外線吸収剤及びヒンダードアミン系光安定剤の中から選ばれる1種もしくは2種以上が好ましい。
ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤の例としては、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチル−フェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’、5’−ジ−t−ブチル−フェニル)ベンゾトリアゾール、2−[2’−ヒドロキシ−3’,5’−ビス (α,α−ジメチルベンジル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール、2−[2’−ヒドロキシ−3’,5’−ビス−(α,α−ジメチルベンジル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−4’−オクトキシフェニル)ベンゾトリアゾール等が挙げられる。蓚酸アリニド系紫外線吸収剤の例としては、2−エトキシ−2’−エチルオキザリックアシッドビスアニリド、2−エトキシ−5−t−ブチル−2’−エチルオキザリックアシッドビスアニリド、2−エトキシ−3’−ドデシルオキザリックアシッドビスアニリド等が挙げられる。好ましくは2−[2’−ヒドロキシ−3’,5’−ビス−(α,α−ジメチルベンジル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’、5’−ジ−t−ブチル−フェニル)ベンゾトリアゾールである。これらのベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤はそれぞれ単独で用いても良いし、2種類以上を組み合わせて用いても良い。
ヒンダードアミン系光安定剤の例としては、N,N’,N’’,N’’’−テトラキス−(4,6−ビス−(ブチル−(N−メチル2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)アミノ)−トリアジン−2−イル)−4,7−ジアザデカン−1,10−ジアミン、ジブチルアミン・1,3,5−トリアジン・N,N’−ビス(2,2,6,6,テトラメチル−4−ピペリジル−1,6−ヘキサメチレンジアミンとN−(2,2,6,6,テトラメチル−4−ピペリジル)ブチルアミンの重縮合物、ポリ[{6−(1,1,3,3―テトラメチルブチル)アミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル}{(2,2,6,6,テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}ヘキサメチレン{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}]、コハク酸ジメチルと4−ヒドロキシ−2,2,6,6,テトラメチル−1−ピペリジンエタノールの縮合物、デカン2酸ビス(2,2,6,6−テトラメチル−1(オクチルオキシ)−4−ピペリジニル)エステルと1,1−ジメチルエチルヒドロペルオキシドとオクタンの反応生成物、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)[[3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル]メチル]ブチルマロネート、メチル1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルセバケート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−セバケート、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸と1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジノールとβ,β,β’,β’,−テトラメチル−3,9−[2,4,8,10−テトラオキサスピロ(5,5)ウンデカン]ジエタノールとの縮合物などが挙げられる。好ましくはビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−セバケート、ビス−(N−メチル−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)セバケート、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸と1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジノールとβ,β,β’,β’−テトラメチル−3,9−[2,4,8,10−テトラオキサスピロ(5,5)ウンデカン]ジエタノールとの縮合物である。これらヒンダードアミン系光安定剤はそれぞれ単独で用いても良いし、2種以上を組み合わせて用いても良く、配合量は ポリアセタール樹脂(A)100質量部に対し0.01〜8質量部が好ましい。
さらに本発明のポリアセタール樹脂組成物は所望に応じて、本発明の目的を損なわない範囲で、従来ポリアセタール樹脂で用いられる各種の添加剤、無機充填材、結晶核剤、導電材、熱可塑性樹脂、および熱可塑性エラストマーを配合することができる。 無機充填剤は繊維状、粉粒子状、板状及び中空状の充填剤が用いられる。繊維状充填剤としては、ガラス繊維、炭素繊維、シリコーン繊維、シリカ・アルミナ繊維、ジルコニア繊維、窒化硼素繊維、窒化硅素繊維、硼素繊維、チタン酸カリウム繊維、さらにステンレス、アルミニウム、チタン、銅、真鍮等の金属繊維等の無機質繊維があげられる。また、繊維長の短いチタン酸カリウムウイスカー、酸化亜鉛ウイスカー等のウイスカー類も含まれる。なお、芳香族ポリアミド樹脂、フッ素樹脂、アクリル樹脂等の高融点有機繊維状物質も使用する事ができる。
粉粒子状充填剤としては、シリカ、石英粉末、ガラスビーズ、ガラス粉、珪酸カルシウム、珪酸アルミニウム、カオリン、クレー、珪藻土、ウォラストナイトの如き珪酸塩、酸化鉄、酸化チタン、アルミナの如き金属酸化物、硫酸カルシウム、硫酸バリウムのような金属硫酸塩、炭酸マグネシウム、ドロマイト等の炭酸塩、その他炭化珪素、窒化硅素、窒化硼素、各種金属粉末等があげられる。
板状充填剤としてはマイカ、ガラスフレーク、各種金属箔があげられる。中空状充填剤としては、ガラスバルーン、シリカバルーン、シラスバルーン、金属バルーン等があげられる。これらの充填剤は1種又は2種以上を併用して使用することが可能である。これらの充填剤は表面処理されたもの、未表面処理のもの、何れも使用可能であるが、成形表面の平滑性、機械的特性の面から表面処理の施されたものの使用のほうが好ましい場合がある。表面処理剤としては従来公知のものが使用可能である。例えば、シラン系、チタネート系、アルミニウム系、ジルコニウム系等の各種カップリング処理剤が使用できる。具体的にはN−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、イソプロピルトリスステアロイルチタネート、ジイソプロポキシアンモニウムエチルアセテート、n−ブチルジルコネート等が挙げられる。
導電剤としては、金属粉末又は繊維が挙げられる。
熱可塑性樹脂としては、ポリオレフィン樹脂、アクリル樹脂、スチレン樹脂、ポリカーネート樹脂が挙げられる。また、これらの変性物も含まれる。熱可塑性エラストマーとしては、 ポリウレタン系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、ポリスチレン系エラストマー、ポリアミド系エラストマーが挙げられる。顔料としては、無機系顔料及び有機系顔料、メタリック系顔料、蛍光顔料等が挙げられる。無機系顔料とは樹脂の着色用として一般的に使用されているものを言い、例えば、硫化亜鉛、酸化チタン、硫酸バリウム、チタンイエロー、コバルトブルー、燃成顔料、炭酸塩、りん酸塩、酢酸塩やカーボンブラック、アセチレンブラック、ランプブラック等を言う。有機系顔料とは縮合ウゾ系、イノン系、フロタシアニン系、モノアゾ系、ジアゾ系、ポリアゾ系、アンスラキノン系、複素環系、ペンノン系、キナクリドン系、チオインジコ系、ベリレン系、ジオキサジン系、フタロシアニン系等の顔料である等の顔料である。顔料の添加割合は色調により大幅に変わるため明確にする事は難しいが一般的には、ポリアセタール樹脂100質量部に対して、0.05〜5質量部の範囲で用いるのが好ましい。
本発明の組成物の製造方法は一般的に使用されている溶融混練機を用いる事ができる。溶融混練機としてはニーダー、ロールミル、単軸押出機、二軸押出機、多軸押出機等上げることが出来る。このときの加工温度は180〜240℃であることが好ましく、品質や作業環境の保持のためには不活性ガスによる置換や一段及び多段ベントで脱気することが好ましい。
本発明におけるポリアセタール樹脂組成物を得る方法は、全ての成分を予めブレンドし、押出機で溶融混練することもできるし、その一部、例えば導電性カーボンブラック(B)以外の成分を最初に溶融混練し、サイドから導電性カーボンブラック(B)をフィードすることもできる。ポリアセタール樹脂(A)および導電性カーボンブラック(B)以外の成分を、タンブラーミキサー、ドラムミキサー、ヘンシェルミキサーなどのブレンダーによって均一に混合した後、ポリアセタール樹脂(A)を押出機トップより、これとは別のフィーダーで前記均一混合物を同じく押出機トップよりフィードし、押出機のバレル内に連続的に供給することによって溶融混練させた後、溶融混練された溶融状態の前記組成物に導電性カーボンブラック(B)を押出機サイドより連続的に導入してさらに混練させ、押出機のダイより連続的に押出す形態が最も好ましい。さらにより好ましくは、添加剤の分散をより高めるため、ポリアセタール樹脂(A)を押出機トップとサイドより分割してフィードすることもできる。
本発明の樹脂組成物は、射出成形法をはじめ、ホットランナー射出成形法、アウトサート成形法、インサート成形法、ガスアシスト中空射出成形法、金型の高周波加熱射出成形法、射出圧縮成形法、圧縮成形法および押出成形品の切削加工等で成形することができる。
本発明の成形体の具体的な用途としては、メンブレンスイッチ、キースイッチ、複写機ドラムフランジ、複写機ドラムギア、複写機チャージャー、電子ライター着火部材等、摺動時に安定した低い接触電気抵抗の要求される電気接点部材、特に優れた導電性・摺動性が要求される画像形成装置内の感光体ドラムフランジやプロセスカートリッジ部品、軸受け部材等である。
以下、実施例及び比較例よって本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらによって何ら限定されるものではない。はじめに、実施例および比較例で使用する成分の内容と評価方法を以下に示す。
使用成分の内容
(A)ポリアセタール樹脂
(ポリアセタール樹脂の製造方法)
熱媒を通すことができるジャッケット付きの2軸セルフクリーニングタイプの重合機(L/D=8)を80℃に調整し、トリオキサンを4kg/hr、コモノマーとして1,3−ジオキソランを128.3g/h(トリオキサン1molに対して、3.9mol%)、連鎖移動剤としてメチラールをトリオキサン1molに対して0.25×10−3molを連続的に添加した。さらに重合触媒として三フッ化硼素ジ−n−ブチルエーテラートをトリオキサン1molに対して1.5×10−5molで連続的に添加し重合を行なった。重合機より排出されたポリアセタールコポリマーをトリエチルアミン0.1%水溶液中に投入し重合触媒の失活を行なった。失活されたポリアセタールコポリマーを遠心分離機でろ過した後、ポリアセタールコポリマー100質量部に対して、第4級アンモニウム化合物として水酸化コリン蟻酸塩(トリエチル−2−ヒドロキシエチルアンモニウムフォルメート)を含有した水溶液1質量部を添加して、均一に混合した後120℃で乾燥した。水酸化コリン蟻酸塩の添加量は、添加する水酸化コリン蟻酸塩を含有した水溶液中の水酸化コリン蟻酸塩の濃度を調整することにより行い、窒素量に換算して20質量ppmとした。乾燥後のポリアセタールコポリマーをベント付き2軸スクリュー式押出機に供給し、押出機中の溶融しているポリアセタールコポリマー100質量部に対して水を0.5質量部添加し、押出機設定温度200℃、押出機における滞留時間7分で不安定末端部分の分解除去を行なった。不安定末端部分の分解されたポリアセタールコポリマーは、ベント真空度20Torrの条件下に脱揮され、押出機ダイス部よりストランドとして押出され、ペレタイズされた。
(B)導電性カーボン
(b−1)プリンテックスXE2−B〔DBP:420ml/100g〕(エボニック デグサ ジャパン (株)製)
(b−2)プリンテックスXE2〔DBP:370ml/100g〕(エボニック デグサ ジャパン (株)製)
(b−3)エンサコ350G〔DBP:320ml/100g〕(ティミカル製)
(C)黒鉛
(c−1)CPB〔鱗片状天然黒鉛、平均粒径19μm〕(日本黒鉛(株)製)
(c−2)F#3〔鱗片状天然黒鉛、平均粒径60μm〕(日本黒鉛(株)製)
(c−3)F#2〔鱗片状天然黒鉛、平均粒径130μm〕(日本黒鉛(株)製)
(D)オレフィン系樹脂
(d−1)サンテックLD L−1850A[ビカット軟化点87℃、MFR6.7g/10min、密度0.92g/cm](旭化成ケミカルズ(株)製)
(d−2)ペトロセン249[ビカット軟化点78℃、MFR70g/10min、密度0.92g/cm](東ソー(株)製)
(d−3)タフマーA4085[MFR3.7g/min](三井化学(株)製)
(d−4)ポリブチレンDP8510[MFR45g/min](サンアロマー(株)製)
(E)エステル
ミリスチン酸セチル(北広ケミカル(株)製)
(F)エポキシ化合物、エポキシ樹脂硬化性添加剤
エポキシ化合物としては、クレゾールノボラックとエピクロロヒドリンとの縮合物(エポキシ当量=350、軟化点=80℃)を、エポキシ樹脂硬化性添加剤としては、トリフェニルホスフィン(北興化学工業製)とジシアンジアミド(日本カーバイト工業製)を用いた。
[引張弾性率の測定方法]
東芝機械(株)製IS−100GN成形機を用いて、シリンダー温度205℃、金型温度90℃に設定し、射出圧力113MPa、射出時間秒、冷却時間秒の射出条件でISOダンベルを得た。このダンベルを用いISO 527に準じて引張弾性率を測定した。
[流動性(成形性)の評価方法]
メルトフローレート(安田精機(株)製)によって、荷重を10kgに設定し、その他の条件はJIS K 7210に準じて、MFR値を測定した。
[熱安定性の測定方法]
シリンダー温度230℃に設定したウエスターン・トレーディング(株)製Arburg Allrounder 100に樹脂組成物を滞留させて12×3×120mmの成形片を成形した際に、成形片の表面の2/3にシルバーストリークが発生する限界滞留時間(分)を測定した。
[軸受け磨耗導電性の測定方法]
ファナック(株)製α―50iA射出成形機を用いて、シリンダー温度190℃、金型温度80℃に設定し、射出圧力88MPa、射出時間10秒、冷却時間15秒の射出条件で、図1に示すようなサイズのU字型樹脂製軸受けを作成した。この部材をφ=8mmのカニゼンメッキされた金属製シャフトの軸受けとし、ヤマテコーポレーション製の軸受け導電性測定機にセットして軸受け下面より1000gの荷重をかけた。この状態でモーターにより金属シャフトを239rpm(周速度0.1m/s)の速度で回転させ、120分間連続稼動させた。この間、シャフトと軸受け部材を含む部分の抵抗値をテスター(日置電機製DMM3238)で直流6Vの電圧をかけて測定した。なお、測定端子部以外の電線等は漏電しないようにベークライトで被覆した。この連続電気抵抗測定において、測定開始直後、30分後、60分後、120分後の電気抵抗値を読み取った。電気抵抗値が小さいほど、導電性に優れることを示す。
[磨耗粉の多さの判定方法]
上記軸受け磨耗導電性の測定を120分間行った後、樹脂製軸受けと金属シャフトを目視で観察し、以下のような判定を行った。
判定1:目視では磨耗粉が認められず、軸受け摺動面を指でなぞっても磨耗粉が指につかない。
判定2:目視では磨耗粉が認められないが、軸受け摺動面を指でなぞると磨耗粉が指につく。
判定3:目視で磨耗粉が認められ、金属シャフトに薄く摺動痕がついている。
以下実施例により本発明を更に具体的に説明する。
[押出機(図2)の説明]
本実施例では、2軸押出機(東芝機械(株)製TEM−26SS押出機(L/D=48、ベント付き)を用いて樹脂組成物を製造した。本押出機の概略図を図2に示す。1〜12:押出機のバレルゾーン(個々に独立している)、13:ダイヘッド、14:押出機モーター、15:定量フィーダー(トップ大)(クボタ(株)製 CE−W−1)、16:定量フィーター(トップ小)(クボタ(株)製、CE−W−0)、17:定量フィーダー(サイド)(クボタ(株)製、CE−W−0)、18:脱気ベント
[原料の押出機へのフィード方法]
ポリアセタール樹脂(A)および導電性カーボンブラック(B)以外の成分をブレンダーで均一に混合した後、ポリアセタール樹脂(A)は定量フィーダー15より、前記均一混合物は定量フィーダー16よりトップフィードし、導電性カーボンブラック(B)は定量フィーター17よりサイドフィードした。
以下実施例により本発明を更に具体的に説明する。
[実施例1〜38]
シリンダー温度が200℃に設定された東芝機械(株)製TEM−26SS2軸押出機を用い、上述のフィード方法によって表1に記載の割合で押出機に原料をフィードして、18の脱気ベントより真空ポンプで脱気し、バレルゾーン5はガス抜きとして大気中に開放してスクリュー回転数150rpm、押出量10kg/hrで溶融混練を行った。なお、ポリアセタール樹脂(A)には(G)酸化防止剤として、トリエチレングリコール−ビス−[3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート]0.3質量部、(G)熱安定剤としてナイロン6−6 0.05質量部およびメラミン0.1質量部を含むものを用いた。押出された樹脂はストランドカッターでペレットとした。このペレットを用いて上述の方法により引張弾性率、流動性、体積抵抗値、軸受け磨耗導電性測定を行い、結果を表1、表2に示した。なお、配合部数は質量部である。
[比較例1〜6]
導電性カーボンブラック(B)の種類を(b−3)として、その他は実施例7〜12と同様にして溶融混練を行って同様の測定を行い、結果を表3に示した。
[比較例7〜9]
導電性カーボンブラック(B)の添加量を3.5質量部として、その他は実施例10〜12と同様にして溶融混練を行って同様の測定を行い、結果を表3に示した。
[比較例10〜12]
エポキシ化合物(F)、エポキシ樹脂硬化性添加剤を添加しない条件で、その他は実施例10〜12と同様にして溶融混練を行って同様の測定を行い、結果を表3に示した。
[比較例13〜15]
黒鉛(C)を添加しない条件で、表3に示す配合にした他は実施例7〜9と同様にして溶融混錬を行って同様の測定を行い、結果を表3に示した。
Figure 0005062843
Figure 0005062843
Figure 0005062843
本発明の樹脂組成物は、導電性と摩擦磨耗性に優れており、かつあらゆる条件下での軸受け摺動時の導電性が極めて安定しでいるので、電気・電子機器内における電気接点部材、画像形成装置内の感光体ドラムフランジ、プロセスカートリッジ部品、軸受け部材等に好適に用いられる。
実施例および比較例で行った軸受け磨耗導電性評価に用いた軸受け成形品の形状を示す斜視図 実施例および比較例で用いた2軸押出機の概略図
符号の説明
1〜12:押出機のバレルゾーン
13:ダイヘッド
14:押出機モーター
15〜17:定量フィーダー
18:脱気ベント

Claims (11)

  1. ポリアセタール樹脂(A)100質量部に対して、フタル酸ジブチル吸油量350ml/100g以上の導電性カーボンブラック(B)5〜15質量部、黒鉛(C)0.1〜10質量部、重量平均分子量で10,000〜300,000の低密度ポリエチレン樹脂(D)1〜20質量部、炭素数12〜30の1価脂肪酸と炭素数10〜30の1価脂肪族アルコールからなるエステル(E)0.1〜10質量部、及びエポキシ化合物(F)0.05〜10質量部を配合してなることを特徴とするポリアセタール樹脂組成物。
  2. 導電性カーボンブラック(B)のフタル酸ジブチル吸油量が400ml/100g以上であることを特徴とする請求項1に記載のポリアセタール樹脂組成物。
  3. 黒鉛(C)の平均粒径が0.5〜100μmであることを特徴とする請求項1または2に記載のポリアセタール樹脂組成物。
  4. 黒鉛(C)と導電性カーボンブラック(B)の質量比(C)/(B)が1/99〜50/50であることを特徴とする請求項1〜3いずれか一項に記載のポリアセタール樹脂組成物。
  5. 黒鉛(C)が天然黒鉛であることを特徴とする請求項1〜4いずれか一項に記載のポリアセタール樹脂組成物。
  6. 酸化防止剤、ホルムアルデヒド反応性窒素を含む重合体または化合物、ギ酸捕捉剤、耐候(光)安定剤の少なくとも1種(G)を0.01〜10質量部含有してなることを特徴とする請求項1〜5いずれか一項に記載のポリアセタール樹脂組成物。
  7. 請求項1〜6いずれか一項に記載のポリアセタール樹脂組成物からなる射出成形体。
  8. 請求項1〜6いずれか一項に記載のポリアセタール樹脂組成物からなる電気・電子機器内における電気接点部材。
  9. 請求項1〜6いずれか一項に記載のポリアセタール樹脂組成物からなる画像形成装置内の感光体ドラムフランジ。
  10. 請求項1〜6いずれか一項に記載のポリアセタール樹脂組成物からなる画像形成装置内のプロセスカートリッジ部品。
  11. 請求項1〜6いずれか一項に記載のポリアセタール樹脂組成物からなる画像形成装置内の軸受け部材。
JP2008121499A 2008-05-07 2008-05-07 導電性ポリアセタール樹脂組成物、および成形体 Active JP5062843B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008121499A JP5062843B2 (ja) 2008-05-07 2008-05-07 導電性ポリアセタール樹脂組成物、および成形体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008121499A JP5062843B2 (ja) 2008-05-07 2008-05-07 導電性ポリアセタール樹脂組成物、および成形体

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2009269996A JP2009269996A (ja) 2009-11-19
JP5062843B2 true JP5062843B2 (ja) 2012-10-31

Family

ID=41436851

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008121499A Active JP5062843B2 (ja) 2008-05-07 2008-05-07 導電性ポリアセタール樹脂組成物、および成形体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5062843B2 (ja)

Families Citing this family (15)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5863564B2 (ja) * 2012-05-18 2016-02-16 旭化成ケミカルズ株式会社 ポリアセタール樹脂組成物
JP6158484B2 (ja) * 2012-08-23 2017-07-05 旭化成株式会社 対金属間欠型摺動部品用ポリオキシメチレン樹脂組成物及びそれを用いた間欠型摺動部品
US20140137975A1 (en) * 2012-11-21 2014-05-22 Ticona Llc Plasticized, Conductive Polyoxymethylene for Fuel Applications
KR101688351B1 (ko) 2012-11-27 2016-12-20 아사히 가세이 케미칼즈 가부시키가이샤 폴리아세탈 수지 조성물 및 그의 성형체
JP6095970B2 (ja) * 2012-12-18 2017-03-15 旭化成株式会社 オキシメチレン樹脂製機構部品
JP6334842B2 (ja) * 2012-12-20 2018-05-30 旭化成株式会社 導電性ポリアセタール樹脂組成物のペレット及びその製造方法
JP6054811B2 (ja) * 2013-06-03 2016-12-27 旭化成株式会社 導電性ポリアセタール樹脂組成物及びその成形体
JP6318237B2 (ja) * 2014-03-28 2018-04-25 旭化成株式会社 ポリアセタール樹脂組成物及びその成形体
JP5853066B2 (ja) * 2014-08-05 2016-02-09 旭化成ケミカルズ株式会社 ポリオキシメチレン製スライド部品
JP6491911B2 (ja) * 2015-03-13 2019-03-27 旭化成株式会社 ポリアセタール樹脂成形体
JP6010663B2 (ja) * 2015-06-17 2016-10-19 イビデン株式会社 黒鉛材の製造方法および黒鉛材
JP2017061708A (ja) * 2017-01-13 2017-03-30 旭化成株式会社 導電性ポリアセタール樹脂組成物のペレット及びその製造方法
JP7240272B2 (ja) * 2019-06-27 2023-03-15 ポリプラスチックス株式会社 ポリアセタール樹脂組成物及びその製造方法
JP7483396B2 (ja) * 2020-02-07 2024-05-15 キヤノン株式会社 樹脂組成物及び樹脂成形体
US20210261767A1 (en) * 2020-02-21 2021-08-26 Canon Kabushiki Kaisha Conductive resin composition, resin molded body, and article

Family Cites Families (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6051747A (ja) * 1983-08-31 1985-03-23 Taiho Kogyo Co Ltd 導電性摺動樹脂材料
JPH0391556A (ja) * 1989-09-04 1991-04-17 Lion Corp 導電性樹脂組成物
JP3618199B2 (ja) * 1996-07-09 2005-02-09 Ntn株式会社 摺動部材、すべり軸受装置および現像装置
JP2003255759A (ja) * 2002-02-28 2003-09-10 Fuji Denki Gazo Device Kk 電子写真感光体
JP5008256B2 (ja) * 2004-04-23 2012-08-22 東レ株式会社 ポリオキシメチレン樹脂組成物の製造方法
JP2006348265A (ja) * 2005-05-18 2006-12-28 Asahi Kasei Chemicals Corp ポリアセタール樹脂組成物
JP4733008B2 (ja) * 2006-12-18 2011-07-27 Ntn株式会社 導電性樹脂成形体およびその製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2009269996A (ja) 2009-11-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5062843B2 (ja) 導電性ポリアセタール樹脂組成物、および成形体
JP6334842B2 (ja) 導電性ポリアセタール樹脂組成物のペレット及びその製造方法
JP5890848B2 (ja) 導電性ポリアセタール樹脂組成物及び成形体
JP5116022B2 (ja) 導電性ポリアセタール樹脂組成物、その製造方法および成形体
JP6054988B2 (ja) ポリアセタール樹脂組成物及びその成形体
JP2013253696A (ja) はすばギア
JP4799534B2 (ja) ポリアセタール樹脂組成物
JP2006299154A (ja) 導電性ポリアセタール樹脂組成物
JP5234602B2 (ja) ポリアセタール樹脂組成物
JP2012236905A (ja) 導電性ポリアセタール樹脂組成物の製造方法
JP5774382B2 (ja) 樹脂組成物及び成形体
JP5972112B2 (ja) 搬送装置用摺動部材
JP4903748B2 (ja) ハードディスクのランプ成形体
JP2004323713A (ja) 樹脂組成物、その成形体及びその部品
JP5048020B2 (ja) 導電性ポリアセタール樹脂組成物
JP6484434B2 (ja) ポリアセタール樹脂組成物及びその成形体
JP5863564B2 (ja) ポリアセタール樹脂組成物
JP5841914B2 (ja) ポリアセタール樹脂組成物及びその成形体
JP7212534B2 (ja) 樹脂組成物及びその成形体
JP5435629B2 (ja) ポリオキシメチレン樹脂組成物の製造方法
JP2017061708A (ja) 導電性ポリアセタール樹脂組成物のペレット及びその製造方法
JP2011017398A (ja) はすばギア
JP2004010803A (ja) 導電性ポリオキシメチレン樹脂組成物
JP5143153B2 (ja) ポリアセタール樹脂組成物及びその製造方法
JP2006111679A (ja) 導電性ポリアセタール樹脂組成物

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20100531

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20111013

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20111115

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120113

RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20120113

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120802

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120803

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5062843

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150817

Year of fee payment: 3

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350