JP2017061708A - 導電性ポリアセタール樹脂組成物のペレット及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
特許文献1及び2には、ポリアセタール樹脂に導電性を付与させるために、他の樹脂で行われているようにカーボンブラックに代表される導電性フィラーを添加する手法が開示されている。
一方で、ポリアセタール樹脂は摺動性に優れるという特徴を有しており、この特徴を生かして機構部品等の用途に用いられている。しかしながら、摺動性が高いがゆえにポリアセタール樹脂のペレットが滑りやすく、組成物の製造工程(押出工程)や成形工程においては、押出機や成形機のスクリューへのペレットの噛み込み性を悪化させる。そのために組成物中の導電性フィラーの量や成形体中の導電性フィラーの量が安定せず、体積抵抗率等の値も大きく変動する(「パーコレーションカーブの傾きが非常に急である」と称される。)ことも相まって、得られる成形体の導電性が安定しないという問題が生じる。特許文献3には、ポリアセタール樹脂ペレットの滑りを抑制する目的で滑り抑制剤等を添加する手段が開示されている。
また、特許文献3に開示されている手段を採用した場合、ポリアセタール樹脂組成物が持つ高い摺動性を低下させてしまうことになり、材料としての適用範囲が限定されてしまうのが実情である。
このような背景から、摺動性を維持しながら、安定した高導電性と熱安定性を有する導電性ポリアセタール樹脂組成物が望まれている。
[1]
ポリアセタール樹脂(A)と、導電性フィラー(B)とを含む導電性ポリアセタール樹脂組成物のペレットであって、
円相当径が0.05μm以上1000μm以下の微粉の含有量が10ppm以上500ppm以下であるペレット。
[2]
前記微粉の含有量が10ppm以上100ppm以下である、上記[1]記載の導電性ポリアセタール樹脂組成物のペレット。
[3]
前記微粉が、カーボンブラック、黒鉛、カーボンナノチューブ、及び炭素繊維からなる群から選ばれる1種以上を含む、上記[1]又は[2]記載のポリアセタール樹脂組成物のペレット。
[4]
前記微粉が、少なくとも1種の前記導電性フィラー(B)と同じ導電性フィラーを含む、上記[1]〜[3]のいずれか記載のポリアセタール樹脂組成物のペレット。
[5]
前記ポリアセタール樹脂(A)と前記導電性フィラー(B)の質量比(A)/(B)が99/1〜50/50である、上記[1]〜[4]のいずれか記載の導電性ポリアセタール樹脂組成物のペレット。
[6]
前記導電性フィラー(B)が、カーボンブラック、黒鉛、カーボンナノチューブ、及び炭素繊維からなる群から選ばれる1種以上である、上記[1]〜[5]のいずれか記載の導電性ポリアセタール樹脂組成物のペレット。
[7]
前記導電性フィラー(B)が、カーボンブラックと黒鉛を少なくとも含む、上記[1]〜[6]のいずれか記載の導電性ポリアセタール樹脂組成物のペレット。
[8]
前記カーボンブラックと前記黒鉛の質量比が95/5〜50/50である、上記[7]記載の導電性ポリアセタール樹脂組成物のペレット。
[9]
融点が120℃以下であるポリオレフィン樹脂(C)をさらに含む、上記[1]〜[8]のいずれか記載の導電性ポリアセタール樹脂組成物のペレット。
[10]
ホルムアルデヒド反応性窒素含有化合物(D)をさらに含む、上記[1]〜[9]のいずれか記載の導電性ポリアセタール樹脂組成物のペレット。
[11]
エポキシ化合物(E)をさらに含む、上記[1]〜[10]のいずれか記載の導電性ポリアセタール樹脂組成物のペレット。
[12]
形状が円柱型である、上記[1]〜[11]のいずれか記載の導電性ポリアセタール樹脂組成物のペレット。
[13]
円筒断面の平均直径が1mm以上4mm以下である、上記[12]記載の導電性ポリアセタール樹脂組成物のペレット。
[14]
上記[1]〜[13]のいずれか記載の導電性ポリアセタール樹脂組成物のペレットを成形して得られる成形体。
ポリアセタール樹脂としては、ポリアセタールホモポリマー及びポリアセタールコポリマーが挙げられる。ポリアセタールホモポリマーは、ホルムアルデヒドの単量体又はその3量体(トリオキサン)や4量体(テトラオキサン)等のホルムアルデヒドの環状オリゴマーを単独重合して得られるものである。したがって、ポリアセタールホモポリマーは、実質的にオキシメチレン単位からなる。ポリアセタールコポリマーは、ホルムアルデヒドの単量体又はその3量体(トリオキサン)や4量体(テトラオキサン)等のホルムアルデヒドの環状オリゴマーと、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、エピクロルヒドリン、1,3−ジオキソラン、1,4−ブタンジオールホルマール等のグリコール、ジグリコールの環状ホルマール等の環状エーテル、環状ホルマールとを共重合させて得られるものである。また、ポリアセタールコポリマーとして、ホルムアルデヒドの単量体及び/又はホルムアルデヒドの環状オリゴマーと、単官能グリシジルエーテルとを共重合させて得られる分岐を有するポリアセタールコポリマー、又は、多官能グリシジルエーテルとを共重合させて得られる架橋構造を有するポリアセタールコポリマーを用いることもできる。
[R1R2R3R4N+]nX-n ・・・ (1)
ここで、式(1)中、R1、R2、R3及びR4は、各々独立して、炭素数1〜30の置換又は非置換のアルキル基;炭素数6〜20のアリール基;炭素数1〜30の置換又は非置換のアルキル基における少なくとも1個の水素原子が炭素数6〜20のアリール基で置換されたアラルキル基;又は、炭素数6〜20のアリール基における少なくとも1個の水素原子が炭素数1〜30の置換又は非置換のアルキル基で置換されたアルキルアリール基を示し、置換又は非置換のアルキル基は直鎖状、分岐状、若しくは環状である。上記置換アルキル基における置換基は、ハロゲン原子、水酸基、アルデヒド基、カルボキシル基、アミノ基、又はアミド基である。また、上記非置換のアルキル基、アリール基、アラルキル基、アルキルアリール基において水素原子がハロゲン原子で置換されていてもよい。nは1〜3の整数を示す。Xは水酸基、又は炭素数1〜20のカルボン酸、ハロゲン化水素以外の水素酸、オキソ酸、無機チオ酸若しくは炭素数1〜20の有機チオ酸の酸残基を示す。
P×14/Q ・・・ (2)
ここで、式(2)中、Pは第4級アンモニウム化合物のポリアセタールコポリマーに対する濃度(質量ppm)を示し、14は窒素の原子量であり、Qは第4級アンモニウム化合物の分子量を示す。
本実施形態における導電性フィラー(B)は、特に限定されず、例えば、カーボンブラック、黒鉛、カーボンナノチューブ、及び炭素繊維からなる群から選ばれる1種以上である。樹脂組成物の導電性のばらつきを少なくするという観点から、カーボンブラックと黒鉛を少なくとも含むことが好ましい。
本実施形態における導電性ポリアセタール樹脂組成物は、融点が120℃以下のポリオレフィン樹脂(C)をさらに含むことが好ましい。導電性ポリアセタール樹脂組成物がポリオレフィン樹脂(C)を含むと、靭性に優れた導電性ポリアセタール樹脂を得ることができる傾向にある。融点が120℃以下のポリオレフィン樹脂(C)は、オレフィン系不飽和化合物のホモ重合体又は共重合体、或いはその変性体である。具体的には、ポリエチレン(高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高圧法低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、超低密度ポリエチレン)、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−ブテン共重合体、ポリプロピレン−ブテン共重合体、ポリブテン、ポリブタジエンの水添物、エチレン−アクリル酸エステル共重合体、エチレン−メタアクリル酸エステル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体等が挙げられる。変性体としては、他のビニル化合物の1種以上をグラフトさせたグラフト共重合体;α,β−不飽和カルボン酸(アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、ナジック酸等)又はその酸無水物で(必要により過酸化物を併用して)変性したもの;オレフィン系化合物と酸無水物を共重合したものが挙げられる。
本実施形態における導電性ポリアセタール樹脂組成物は、ホルムアルデヒド反応性窒素含有化合物(D)をさらに含むことが好ましい。ホルムアルデヒド反応性窒素含有化合物(D)を含むと、熱安定性の高いポリアセタール樹脂組成物を得ることができる傾向にある。ホルムアルデヒド反応性窒素含有化合物(D)の具体例としては、ナイロン4−6、ナイロン6、ナイロン6−6、ナイロン6−10、ナイロン6−12、ナイロン12等のポリアミド樹脂、及びこれらの、例えば、ナイロン6/6−6/6−10、ナイロン6/6−12等を挙げることができる。また上記の他にも、アクリルアミド及びその誘導体、アクリルアミド及びその誘導体と他のビニルモノマーとの共重合体が挙げられ、例えばアクリルアミド及びその誘導体と他のビニルモノマーとを金属アルコラートの存在下で重合して得られたポリ−β−アラニン共重合体を挙げることができる。その他にも、アミド化合物、アミノ置換トリアジン化合物、アミノ置換トリアジン化合物とホルムアルデヒドの付加物、アミノ置換トリアジン化合物とホルムアルデヒドの縮合物、尿素、尿素誘導体、ヒドラジン誘導体、イミダゾール化合物、イミド化合物を挙げることができる。
本実施形態における導電性ポリアセタール樹脂組成物は、エポキシ化合物(E)をさらに含むことが好ましい。エポキシ化合物(E)を含むと、熱安定性の高い導電性ポリアセタール樹脂組成物を得ることができる傾向にある。エポキシ化合物(E)は、モノ又は多官能グリシジル誘導体、或いは不飽和結合をもつ化合物を酸化してエポキシ基を生じさせた化合物であることが好ましい。また、エポキシ化合物には、エポキシ樹脂硬化性添加剤を添加することができる。エポキシ硬化性添加剤としては、塩基性窒素化合物や塩基性リン化合物が通常用いられるが、その他のエポキシ硬化作用(効果促進作用を含む)を持つ化合物のいずれも使用することができる。
微粉の円相当径は、粒度・形状分布測定器(例えば、セイシン企業(株)製粒度分布測定機PITA−1)を用いて求めることができる。
上記微粉の含有量は、例えば導電性ポリアセタール樹脂組成物のペレットの特定量を振動式等の微粉選別機に投入しペレット中から微粉の選別を行い、微粉の質量を測定することで解析することができる。例えば、一般的なペレットの製品袋である25kg製品袋で測定する場合には、25kg製品袋からペレットを全量微粉選別機に投入し、更に25kg製品袋の内側に付着したペレット及び微粉をエアーブローにより落とし、それらも微粉選別機の中に投入する。投入されたペレット全量を微粉選別機によってペレットと微粉に選別する。なお、本実施形態において、径の小さいペレット(具体的には直径1000μm以下の小ペレット)は「微粉」であると判断する。
ポリアセタール樹脂(A)
熱媒を通すことができるジャッケット付きの2軸セルフクリーニングタイプの重合機(L/D=8)を80℃に調整し、トリオキサンを4kg/hr、コモノマーとして1,3−ジオキソランを128.3g/h(トリオキサン1molに対して、3.9mol%)、連鎖移動剤としてメチラールを、得られるポリアセタール樹脂のメルトフローレートが10g/10minとなるように調整して連続的に添加した。さらに重合触媒として三フッ化硼素ジ−n−ブチルエーテラートをトリオキサン1molに対して1.5×10-5molで連続的に添加し重合を行なった。重合機より排出されたポリアセタールコポリマーをトリエチルアミン0.1%水溶液中に投入し重合触媒の失活を行なった。失活されたポリアセタールコポリマーを遠心分離機でろ過した後、ポリアセタールコポリマー100質量部に対して、第4級アンモニウム化合物として水酸化コリン蟻酸塩(トリエチル−2−ヒドロキシエチルアンモニウムフォルメート)を含有した水溶液1質量部を添加して、均一に混合した後、120℃で乾燥した。水酸化コリン蟻酸塩の添加量は、添加する水酸化コリン蟻酸塩を含有した水溶液中の水酸化コリン蟻酸塩の濃度を調整することにより行い、窒素量に換算して20質量ppmとした。乾燥後のポリアセタールコポリマーをベント付き2軸スクリュー式押出機に供給し、押出機中の溶融しているポリアセタールコポリマー100質量部に対して水を0.5質量部添加し、押出機設定温度200℃、押出機における滞留時間7分で不安定末端部分の分解除去を行なった。不安定末端部分の分解されたポリアセタールコポリマーは、ベント真空度20Torrの条件下に脱揮され、押出機ダイス部よりストランドとして押出され、ペレタイズされた。このようにして得られたポリアセタール樹脂100質量部に対し、酸化防止剤としてトリエチレングリコール−ビス−[3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート]0.3質量部を添加し、ベント付2軸押出機で溶融混練することによりポリアセタール樹脂ペレットを製造し、これを実施例及び比較例で使用するポリアセタール樹脂とした。
(B−1)ケッチェンブラックEC300J(ライオン(株)製カーボンブラック、DBP吸油量:365mL/100g)
(B−2)プリンテックスXE2−B(オリオンエンジニアドカーボンズ(株)製カーボンブラック、DBP吸油量:420mL/100g)
(B−3)F#3(日本黒鉛(株)製、鱗片状天然黒鉛、平均粒径60μm)
(B−4)F#2(日本黒鉛(株)製、鱗片状天然黒鉛、平均粒径120μm)
(B−5)TR06Q(三菱レイヨン(株)製、平均繊維径7μm:炭素繊維)
(B−6)VGCF−S(昭和電工(株)製、平均繊維径80nm:カーボンナノチューブ)
(C−1)サンテックL−1850A(旭化成ケミカルズ(株)製LDPE、融点107℃、ビカット軟化点87℃、MFR6.7g/10min、密度0.92g/cm3)
(C−2)EA9FT(日本ポリプロ(株)製ポリプロピレン、融点166℃)
メラミン(日産化学(株)製)
クレゾールノボラックとエピクロロヒドリンとの縮合物(旭化成イーマテリアルズ(株)製、エポキシ当量=350、軟化点=80℃)
トリフェニルホスフィン(北興化学工業(株)製)
ジシアンジアミド(日本カーバイト工業(株)製)
上流側と下流側に1か所ずつ供給口を有する、L/D(押出機のシリンダーの長さ/押出機のシリンダー径)=58.4(バレル数:13)の2軸押出機(TEM48−SS:東芝機械(株)製)を用い、シリンダー温度を200℃に設定し、スクリュー回転数400rpm、押出量200kg/hで押出を行った。また、押出機のダイヘッドは、4.5mmφ×13穴のものを用いた。押出機のダイより押出されたポリアセタール樹脂組成物はストランドバスに張られた水により冷却及び固化され、ペレタイザーに導かれて円柱型のペレットとされた。用いたペレタイザーは、下記の2種類である。
ペレタイザーI :O−M(株)製 SGS−100S(ドラム式ペレタイザー)
ペレタイザーII:星プラスチック(株)製 FC2512−S2(ファンカット式ペレタイザー)
このとき、ペレタイザーに入る直前のストランドの表面温度を、校正された赤外線式温度計により測定した。また、円柱状のペレットの円筒断面の平均直径と平均長さは、任意に100個のペレットを採取し、その全ての円筒断面の直径と長さをノギスで計測し、得られたそれぞれ100個の数値を単純平均することにより得た。図1に示したとおり、ペレタイザー出口には圧送輸送方式のブロワー(インバーターを設置することにより風速が変えられる仕様のもの)を設け、ペレットが連続的に75mmφの金属製の配管に導かれるようにした。なお、ペレタイザー出口には任意に振動式の分級器を設置することにより、ペレットが圧送される前にストランドカット時に生成した微粉を取り除くことができる構造とした。空気輸送されたペレットは最終的にブロワーの排気口を基準として3.5mの高さまで送られ、製品ホッパーに導かれた。上記運転を1時間行い、製品ホッパー下部よりペレットを抜き出し、微粉量と体積抵抗率の測定を行った。
最終段のスクリーンを2mmφのパンチングプレートとしたタナカ(株)製振動式ペレット選別機PSL−300A型を用い、すべてのプロセスを通過した後に包装された、25kg袋全ペレット中に含まれる微粉の量を測定した。25kg袋の中のペレットを選別機に投入する際には、包装袋の内側に付着したペレット又は微粉をエアーブローにより落とし、それらも選別機の中に投入して微粉の選別を行い、選別された微粉の質量を測定することにより行った。また、微粉の平均粒径はセイシン企業(株)製粒度分布測定機PITA−1を用いて測定を行い、微粉の粒径のD50値を円相当径とした。
東芝機械製EC5P射出成形機のシリンダー温度を200℃、金型温度90℃に設定し、得られたペレットから89×18×4mmの試験片の500ショットの連続成形を行った。この際、ペレットが成形機スクリューに噛み込まずに成形トラブルが起こったものについてはそのショット数を記録し、トラブル発生なく500ショット連続成形できたものについては「トラブルなし」と表記した。
東芝機械(株)製EC75NII射出成形機を用いて、シリンダー温度205℃、金型温度を90℃に設定し、射出圧力68MPa、射出時間35秒、冷却15秒の射出条件で評価用ISOダンベルを得た。このISOダンベルから30×20×4mmの平板を切り出し、四探針ASPプローブ(ピン間5mm、ピン先0.37mmR×4、バネ圧210g/本、JIS K7194対応)をこの平板に押し当て、三菱化学製ロレスタ−GPにより印加電圧90Vで、連側30ショットの成形片の体積抵抗率を測定し、その平均値と標準偏差を算出した。体積抵抗率の平均値が低いほど導電性に優れ、標準偏差が小さいほど導電性のばらつきが小さいことを示す。
シリンダー温度205℃に設定した東芝機械(株)製EC5P射出成形機のシリンダー内に樹脂組成物を滞留させて13×3×89mmの成形片を成形した際に、成形片の表面の2/3にシルバーストリークが発生する限界滞留時間(分)を測定した。この限界滞留時間が長いほど、熱安定性に優れると判断できる。
上記体積抵抗率の測定に用いた評価用ISOダンベルを用いて、往復動摩擦摩耗試験機(東洋精密(株)製、商品名「AFT−15MS型」)により荷重2kg、線速度30mm/sec、往復距離10mmの条件下、環境温度23℃で10000回の往復試験を行い、10000回目の摩擦係数を測定した。相手材料としては、SUS球(SUS304、R=2.5mm)を用いた。摩擦係数が小さいものほど、摺動性に優れると判断できる。
各成分を表1及び表3に示す割合で配合し、それぞれ表1及び表3に示された製造条件により溶融混練を行った。押出された樹脂はストランドカッターでペレットとした。得られたペレットを用いて上述の方法により各評価を行い、結果を表2及び表4に示した。
各成分を表5に示す割合で配合し、それぞれ表5に示された製造条件により溶融混練を行った。押出された樹脂はストランドカッターでペレットとした。得られたペレットを用いて上述の方法により各評価を行い、結果を表6に示した。
た高導電性と熱安定性を有しているため、その成形品は導電性が必要とされる広範囲の用
途に使用できる。また、加工時の際に重要となる、押出機、成形機等のスクリューへの噛
み込み性にも優れているため、安定した導電性を有する成形品を、歩留まりを悪化させることなく生産することができる。
Claims (14)
- ポリアセタール樹脂(A)と、導電性フィラー(B)とを含む導電性ポリアセタール樹脂組成物のペレットであって、
円相当径が0.05μm以上1000μm以下の微粉の含有量が10ppm以上500ppm以下であるペレット。 - 前記微粉の含有量が10ppm以上100ppm以下である、請求項1記載の導電性ポリアセタール樹脂組成物のペレット。
- 前記微粉が、カーボンブラック、黒鉛、カーボンナノチューブ、及び炭素繊維からなる群から選ばれる1種以上を含む、請求項1又は2記載のポリアセタール樹脂組成物のペレット。
- 前記微粉が、少なくとも1種の前記導電性フィラー(B)と同じ導電性フィラーを含む、請求項1〜3のいずれか1項記載のポリアセタール樹脂組成物のペレット。
- 前記ポリアセタール樹脂(A)と前記導電性フィラー(B)の質量比(A)/(B)が99/1〜50/50である、請求項1〜4のいずれか1項記載の導電性ポリアセタール樹脂組成物のペレット。
- 前記導電性フィラー(B)が、カーボンブラック、黒鉛、カーボンナノチューブ、及び炭素繊維からなる群から選ばれる1種以上である、請求項1〜5のいずれか1項記載の導電性ポリアセタール樹脂組成物のペレット。
- 前記導電性フィラー(B)が、カーボンブラックと黒鉛を少なくとも含む、請求項1〜6のいずれか1項記載の導電性ポリアセタール樹脂組成物のペレット。
- 前記カーボンブラックと前記黒鉛の質量比が95/5〜50/50である、請求項7記載の導電性ポリアセタール樹脂組成物のペレット。
- 融点が120℃以下であるポリオレフィン樹脂(C)をさらに含む、請求項1〜8のいずれか1項記載の導電性ポリアセタール樹脂組成物のペレット。
- ホルムアルデヒド反応性窒素含有化合物(D)をさらに含む、請求項1〜9のいずれか1項記載の導電性ポリアセタール樹脂組成物のペレット。
- エポキシ化合物(E)をさらに含む、請求項1〜10のいずれか1項記載の導電性ポリアセタール樹脂組成物のペレット。
- 形状が円柱型である、請求項1〜11のいずれか1項記載の導電性ポリアセタール樹脂組成物のペレット。
- 円筒断面の平均直径が1mm以上4mm以下である、請求項12記載の導電性ポリアセタール樹脂組成物のペレット。
- 請求項1〜13のいずれか1項に記載の導電性ポリアセタール樹脂組成物のペレットを成形して得られる成形体。
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