JP2019104775A - 樹脂組成物及び樹脂成形体 - Google Patents
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Abstract
Description
[1](A)ポリアセタール樹脂100質量部と、(B)ガラス繊維10質量部以上55質量部以下と、(C)ポリエチレン樹脂0.1質量部以上5質量部以下とを含み、
前記(C)ポリエチレン樹脂のメルトフローレイト(ISO1133準拠、温度190℃、荷重2.16kg)が10g/10分以上100g/10分以下であり、
前記(C)ポリエチレン樹脂のメルトフローレイトに対する前記(A)ポリアセタール樹脂のメトロフローレイト(ISO1133準拠、温度190℃、荷重2.16kg)の比が0.1以上2.0以下である、ことを特徴とする、樹脂組成物。
[2]メルトフローレイト(ISO1133準拠、温度190℃、荷重2.16kg)が8g/10分以上である、[1]記載の樹脂組成物。
[3]前記(A)ポリアセタール樹脂のメルトフローレイトが10g/10分以上100g/10分以下である、[1]又は[2]の何れか一つに記載の樹脂組成物。
[4]前記(A)ポリアセタール樹脂のコモノマー濃度が、1.5mol%以下である、[1]〜[3]の何れか一つに記載の樹脂組成物。
[5]前記(A)ポリアセタール樹脂のコモノマー濃度が、0mol%以上1.0mol%以下である、[1]〜[4]の何れか一つに記載の樹脂組成物。
[7]厚みが1mm以下である、[6]記載の樹脂成形体。
[8]電気機器用部品又は電子機器用部品として用いられる、[7]に記載の樹脂成形体。
本実施形態の樹脂組成物(以下「ポリアセタール樹脂組成物」ともいう。)は、(A)ポリアセタール樹脂100質量部と、(B)ガラス繊維10質量部以上55質量部以下と、(C)ポリエチレン樹脂0.1質量部以上5質量部以下とを含み、前記(C)ポリエチレン樹脂のメルトフローレイト(ISO1133準拠、温度190℃、荷重2.16kg)が10g/10分以上100g/10分以下であり、前記(C)ポリエチレン樹脂のメルトフローレイトに対する前記(A)ポリアセタール樹脂のメルトフローレイト(ISO1133準拠、温度190℃、荷重2.16kg)の比が0.1以上2.0以下である。また、本実施形態の樹脂成形体は、上述した成分に加え、摺動剤、安定剤、その他の成分などを含むことができる。
なお、MFRは流動性の大きさの指標の一つであり、樹脂組成物のMFRは、例えば、樹脂組成物又はこれを含む樹脂成形体を細かく切り出し、ペレット状のサンプルとしたものを、上述の規格及び条件に準拠して測定することにより、確認することができる。
本実施形態の樹脂組成物において使用することができる(A)ポリアセタール樹脂(本明細書において、(A)成分、(A)と記載する場合がある。)について、詳細に説明する。
本実施形態において使用可能な(A)ポリアセタール樹脂としては、ポリアセタールホモポリマー、ポリアセタールコポリマーが挙げられる。
具体的に、ポリアセタールホモポリマーとしては、ホルムアルデヒドの単量体又はその3量体(トリオキサン)や4量体(テトラオキサン)等のホルムアルデヒドの環状オリゴマーを単独重合して得られるポリアセタールホモポリマーが挙げられる。
具体的に、ポリアセタールコポリマーとしては、ホルムアルデヒド単量体又はその3量体(トリオキサン)や4量体(テトラオキサン)等のホルムアルデヒドの環状オリゴマーと、コモノマーとしての環状エーテル又は環状ホルマールとを、共重合させて得られるポリアセタールコポリマーが挙げられる。ここで、環状エーテル又は環状ホルマールとしては、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、エピクロルヒドリン、1,3−ジオキソランや1,4−ブタンジオールホルマールなどのグリコールやジグリコールの環状ホルマール等が挙げられる。
(A)ポリアセタール樹脂のMFRは、上述の規格及び条件に準拠して測定することができる。
(A)ポリアセタール樹脂が樹脂組成物又は樹脂成形体に含まれている場合は、樹脂組成物又は樹脂成形体から(A)ポリアセタール樹脂を単離して、上述の規格及び条件に準拠して測定することにより、確認することができる。例えば、樹脂組成物又は樹脂成形体の一部を切り出し、HFIPに浸漬して可溶成分を溶解させた後、溶液から溶媒としてのHFIPを蒸発除去して、(A)ポリアセタール樹脂を単離することができる。
なお、可溶成分に安定剤や滑剤などが含まれる場合は、必要に応じて分離して測定する。
ここで、(A)ポリアセタール樹脂のコモノマー濃度とは、(A)ポリアセタール樹脂を構成する全ユニットにおける、オキシメチレンユニット以外の全コモノマーユニットの含有率を意味する。(A)ポリアセタール樹脂を構成するコモノマーユニットは、1種であってもよく、2種以上であってもよい。
なお、(A)ポリアセタール樹脂がポリアセタールホモポリマーである場合、コモノマー濃度は0mol%である。
本実施形態の樹脂組成物に使用される(B)ガラス繊維(本明細書において、(B)成分、(B)と記載する場合がある。)としては、特に限定されないが、チョップドストランドガラス繊維、ミルドガラス繊維、ガラス繊維ロービング等が挙げられる。これらの中でも、取扱い性及び成形体の機械的強度の観点から、チョップドストランドガラス繊維が好ましい。
これら(B)ガラス繊維は、1種を単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
例えば、(B)ガラス繊維の平均繊維径は、7μm以上15μm以下の範囲内が好ましい。(B)ガラス繊維の平均繊維径は、8μm以上がより好ましく、9μm以上がさらに好ましく、また、14μm以下がより好ましく、12μm以下がさらに好ましい。このような範囲にあることで、より高い剛性を得ることができる。
なお、ここでいう繊維径は、樹脂成形体を充分に高い温度(例えば、400℃以上)で焼却して樹脂成分を除去したのち、得られた灰分を走査型電子顕微鏡で観察し、直径を測定することにより、容易に測定できる。そして、誤差をなくすため、少なくとも100本以上のガラス繊維の直径を測定し、その平均値を算出して、平均繊維径を求めることができる。
(B)ガラス繊維としては、繊維径の異なるガラス繊維を2種以上ブレンドして用いてもよい。
(B)ガラス繊維の表面を前記被膜形成剤によって変性することにより、(A)ポリアセタール樹脂との界面の接着強度を高めることができ、高い剛性及び高い引張破壊応力が得られる。
これら被膜形成剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
これらカップリング剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
これらの中でも、ビニルトリエトキシシラン、ビニル−トリス−(2−メトキシエトキシ)シラン、γ−メタアクリロキシプロピルメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメトキシシランが好ましい。これらの中でも、ビニルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメトキシシランγ−アミノプロピルトリエトキシシランが、経済性と樹脂組成物の熱安定性の観点より好ましい。
上記カップリング剤で表面変性されている(B)ガラス繊維を用いることで、樹脂成形体の耐クリープ性がより高まる傾向にあるとともに、樹脂成形体の熱安定性がより向上する傾向にある。
本実施形態の樹脂組成物に使用される(C)ポリエチレン樹脂(本明細書において、(C)成分、(C)と記載する場合がある。)としては、具体的には、超低密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン等が挙げられる。また、5質量%以下のプロピレン、ブテン、オクテン等のコモノマーを含有するエチレン系共重合体等も挙げられる。これらの中でも、金属との摺動における摩擦係数の観点から、低密度ポリエチレンが好ましい。
これらの(C)ポリエチレン樹脂は、1種を単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
なお、Tmは、樹脂組成物又はこれを含む樹脂成形体から切り出した試料4〜6mgを用い(プレス等で薄片化することが好ましい)、示差走査熱量測定(以下DSCと略す)で10℃/分にて昇温した際に得られる吸熱のピーク値を用いる。
これらの重量平均分子量の(C)ポリエチレン樹脂を、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。また、これら(C)ポリエチレン樹脂のうち、重量平均分子量が1万以上10万以下のものと20万以上50万以下のものとを併用することで、良好な低摩擦係数の期間がより長く保持されるため、耐久性材料として好適な樹脂組成物が得られるため、好ましい。
(C)ポリエチレン樹脂が樹脂組成物又は樹脂成形体に含まれている場合は、樹脂組成物又は樹脂成形体から(C)ポリエチレン樹脂を単離して、上述の規格及び条件に準拠して測定することにより、確認することができる。例えば、樹脂組成物又はこれを含む樹脂成形体の一部を切り出し、ヘキサフルオロイソプロパノール(以下、HFIPと略す)に浸漬して可溶成分を溶解させた後、不溶残留分から溶媒であるHFIP及び(B)ガラス繊維を除去することで、(C)ポリエチレン樹脂を単離することができる。
なお、不溶残留分に安定剤や滑剤などが含まれる場合は、必要に応じて分離して測定する。
本実施形態の樹脂組成物は、本発明の目的を損なわない範囲で、通常ポリアセタール樹脂組成物に使用されている摺動剤を含んでいてもよい。摺動剤としては、超高分子量ポリエチレン;5質量%超のプロピレン、ブテン、オクテン等のコモノマーを含有するエチレン系共重合体;モノエステルやジエステルなどのエステル系化合物;シリコン系化合物;PTFE等のフッ素系化合物;高級アルコール;などが挙げられる。これら摺動剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
樹脂組成物における摺動剤の添加量は、(A)ポリアセタール樹脂100質量部に対して、0.01質量部以上5質量部以下の範囲であることが好ましい。
本実施形態の樹脂組成物は、本発明の目的を損なわない範囲で、通常ポリアセタール樹脂組成物に使用されている安定剤を含んでいてもよい。安定剤としては、以下に限定されるものではないが、具体的には、酸化防止剤、ホルムアルデヒド、ギ酸の捕捉剤等が挙げられる。これら安定剤は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
酸化防止剤の添加量は、(A)ポリアセタール樹脂100質量部に対して0.01質量部以上2質量部以下が好ましい。
ホルムアルデヒド、ギ酸の捕捉剤の添加量は、ホルムアルデヒド反応性窒素を含む重合体については、(A)ポリアセタール樹脂100質量部に対して、0.01質量部以上3質量部以下、アルカリ金属又はアルカリ土類金属の水酸化物、無機酸塩、カルボン酸塩等については、(A)ポリアセタール樹脂100質量部に対して、0.1質量部以上1質量部以下の範囲であることが好ましい。
本実施形態の樹脂組成物は、本発明の目的を損なわない範囲で、従来ポリアセタール樹脂組成物に使用されている公知の、ガラス系充填剤(ガラスビーズ、ガラスバルーン等)、ガラス系充填剤以外の充填材(タルク、ウォラストナイト、マイカ、炭酸カルシウム等)、導電性付与剤(カーボンブラック、グラファイト、カーボンナノチューブ等)、着色剤(酸化チタン、酸化亜鉛、酸化鉄、酸化アルミニウム、有機染料等)、紫外線吸収剤、光安定剤、滑材等の各種添加剤を含有することができる。これら添加剤の量は、ガラス系充填剤、ガラス系充填剤以外の充填剤、及び導電性付与剤については、樹脂組成物100質量部に対して、30質量部以下であることが好ましく、着色剤、紫外線吸収剤、光安定剤、滑材については、樹脂組成物100質量部に対して、5質量部以下であることが好ましい。これらは、1種を単独で使用しても、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
本実施形態の樹脂組成物は、公知の方法による製造することができる。具体的には、一軸又は多軸の混練押出機、ロール、バンバリーミキサー等により、以下のように原料成分の混合及び溶融混練を行い、成形することにより製造することができる。特に、減圧装置・サイドフィーダー設備を装備した二軸押出機が好ましく使用できる。
なお、最適な条件は、押出機の大きさによって変動するため、当業者が適宜調整することができる。押出機のスクリューデザインに関しても、当業者が種々調整することができる。
本実施形態における樹脂成形体は、上述する樹脂組成物を含む。また、本実施形態の樹脂成形体は、上述する樹脂組成物から作製することができる。
なお、本実施形態における樹脂成形体とは、各種方法により成形された成形体を全て包含する。具体的に、成形体としては、射出成形された成形体、押出成形やインフレーション成形された成形体(シート、フィルム、ストランド、ペレット等)、ブロー成形された成形体等が挙げられる。
本実施形態の樹脂成形体は、自動車用部品として好適に使用することができ、特に、他の部材と接触するギアやプーリーとしての役割を担う部品として、好適に使用することができる。
また、本実施形態の樹脂成形体は、上述した部品以外にも、ポリアセタール樹脂の用途として公知の用途に適用できる。具体的には、カム、スライダー、レバー、アーム、クラッチ、フェルトクラッチ、アイドラギアー、ローラー、コロ、キーステム、キートップ、シャッター、リール、シャフト、関節、軸、軸受け、ガイド等に代表される機構部品;アウトサート成形の樹脂部品、インサート成形の樹脂部品、シャーシ、トレー、側板、自動車部品として、ドアロック、ドアハンドル、ウインドウレギュレータ、ウインドウレギュレータワイヤードラム、スピーカーグリル、ガラスホルダー、キャリアプレート等に代表されるドア廻り部品;シートベルト用スリップリング、プレスボタン等に代表されるシートベルト周辺部品;コンビスイッチ部品、スイッチ類、クリップ類等の部品ガソリンタンク、フュエルポンプモジュール、バルブ類、ガソリンタンクフランジ等に代表される燃料廻り部品、プリンター、及び複写機に代表されるオフィスオートメーション機器用部品;デジタルビデオカメラ、デジタルカメラ等の映像機器用部品;CD、DVD、Blu−ray(登録商標) Disc、その他光デイスクのドライブ;ナビゲーションシステム及びモバイルパーソナルコンピュータに代表される音楽、映像又は情報機器、携帯電話及びファクシミリに代表される通信機器用部品;電気機器用部品;電子機器用部品等に適用することができる。
また、適用可能なその他の用品として、筆記具のペン先、芯を出し入れする機構部品;洗面台、排水口、排水栓開閉機構部品;衣料用のコードストッパー、アジャスター、ボタン;散水用のノズル、散水ホース接続ジョイント;階段手すり部、及び床材の支持具である建築用品;玩具、ファスナー、チェーン、コンベア、バックル、スポーツ用品、自動販売機(開閉部ロック機構、商品排出機構部品)、家具、楽器、住宅設備機器部品、パーソナルコンピュータのキートップ及びキーステム等が挙げられる。
熱媒を通すことができるジャッケット付きの二軸セルフクリーニングタイプの重合機(L/D=8(L:重合機の原料供給口から排出口までの距離(m)、D:重合機の内径(m)。以下、同じ。))を80℃に調整した。この重合機に、トリオキサンと、コモノマーとしての1,3−ジオキソランと、連鎖移動剤としてメチラールとを添加した。その際、表1及び表2に示される、コモノマー濃度(全体のユニットに対する、エトキシユニットのmol%)、MFRとなるように量を調整した。
なお、実施例13は、コモノマーとしての1,3−ジオキソランを添加しなかった。
さらに、前記重合機に、重合触媒として三フッ化硼素ジ−n−ブチルエーテラートを、トリオキサン1molに対して1.5×10-5molで連続的に添加し、重合を行った。
重合機より排出されたポリアセタールコポリマーをトリエチルアミン0.1%水溶液中に投入し、重合触媒の失活を行った。そして、重合触媒の失活を行ったポリアセタールコポリマーを、遠心分離機でろ過し、乾燥させた。乾燥後のポリアセタールコポリマーを、ベント付きの2軸スクリュー式押出機に供給し、押出機中で溶融状態となっているポリアセタールコポリマーに、ポリアセタールコポリマー100質量部に対して0.5質量部の水を添加し、押出機の条件を温度200℃、滞留時間7分として、ポリアセタールコポリマーの不安定末端部分(−(OCH2)n−OH)の分解除去を行った。
不安定末端部分が分解されたポリアセタールコポリマーに、酸化防止剤としてトリエチレングリコール−ビス−[3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート]0.3質量部を添加し、ベント付き押出機で真空度20Torrの条件下で脱揮しながら、押出機ダイス部よりストランドとして押出し、ペレタイズした。
このようにして、(A)ポリアセタール樹脂を得た。
(B)ガラス繊維として、日本電気硝子製「T−651H」を用いた。
(C)ポリエチレン樹脂として、低密度ポリエチレン(LDPE)を各MFRとなるように調整し用いた。
スクリュー径Dに対するスクリュー長さLの比(L/D)=48(バレル数12)であり、第6バレルと第8バレルにサイドフィーダーを有し、第11バレルに真空ベントを備えた同方向回転二軸押出機(東芝機械(株)製TEM−48SS押出機)を用いた。第1バレルを水冷し、第2〜5バレルを220℃、第6〜12バレルを180℃に設定した。
押出に用いたスクリューは以下のデザインとした。第1〜4バレルの位置にフライトスクリュー(以下、FSと略す)を配し、第5バレルの位置に送り能力を有するニーディングディスク(以下、RKDと略す)2枚、送り能力のないニーディングディスク(以下、NKDと略す)2枚、及び逆方向への送り能力を有するニーディングディスク(以下、LKDと略す)1枚をこの順に配した。第6〜第8バレルの位置にFSを配し、第9バレルの位置にRKDとNKDを1枚ずつこの順に配し、第10〜第11バレルの位置にFSを配した。
(A)ポリアセタール樹脂及び(C)ポリエチレン樹脂を上記二軸押出機のメインスロート部から投入し、(B)ガラス繊維を第6バレルのサイドフィーダーより供給し、スクリュー回転数150rpmとし、総押出量を70kg/hとして押出(溶融混練)を行い、樹脂組成物を調製した。
次いで、調製した樹脂組成物を、射出成形機(EC−75NII、東芝機械(株)製)を用いて、シリンダー温度設定を205℃に設定し、射出時間35秒、冷却時間15秒の射出条件で成形することにより、ISO294−2に準拠した小型引張試験片形状の樹脂成形体を得た。この際の金型温度は90℃とした。
また、同様に、小型引張試験片形状で厚みを1mm厚とした薄物樹脂成形体を得た。
得られた樹脂成形体を細かく切り出し、ペレット状のサンプルにした。このペレット状のサンプルについて、ISO1133に準拠して、メルトフローレイト(g/10分)を測定した。なお、このとき、温度は190℃とし、荷重は2.16kgとした。
ペレット状サンプルを、ISO1133に準拠して、メルトフローレイト(g/10分)を測定した。なお、このとき、温度は190℃とし、荷重は2.16kgとした。
ペレット状サンプルを、ISO1133に準拠して、メルトフローレイト(g/10分)を測定した。なお、このとき、温度は190℃とし、荷重は2.16kgとした。
射出成形機(ファナック(株)製 ROBOSHOT α−50iA)を用いて、シリンダー温度設定を200℃、金型温度80℃とし、0.5mm厚のSFD金型を用いて射出圧力80MPaの各組成のSFDを評価した。
SFDの値が長いほど、流動性に優れる。SFDが3cm以上で薄物樹脂成形が可能と判断し、薄物成形精度の評価を「△」とした。SFDが4cm以上で薄物樹脂成形にとって良好と判断し、薄物成形精度の評価を「○」とした。SFDが5cm以上で薄物樹脂成形にとって優良と判断し、薄物成形精度の評価を「◎」とした。SFDが3cm未満では薄物樹脂成形が不可能と判断し、薄物成形精度の評価を「×」とした。
前記ISO294−2に準拠して成形された小型引張試験片形状の樹脂成形体を用い、ISO178に準拠した曲げ試験を行い、曲げ弾性率を測定した。なお、押込み速度は2mm/分で行った。
曲げ弾性率は高いほど剛性に優れ、薄物樹脂成形体でも剛性を得やすい。曲げ弾性率が4500MPa以上あることで良好な剛性と判断した。
[摺動試験]
ボールオンディスク型往復動摩擦摩耗試験機(AFT−15MS型、東洋精密(株)製)を用いた。23℃、湿度50%の環境下で、荷重19.6N、線速度30mm/秒、往復距離20mm、往復回数5,000回の条件で、前記1mm厚の薄物樹脂成形体を用いて摺動試験を行った。ボールは、SUS304ボール(直径5mmの球)を用いた。
(6−1)摺動性(初期)
前記摺動試験の摺動開始100回目の摩擦係数によって評価した。
摩擦係数は低いほど優れ、摩擦係数が0.25以下であれば良好な摺動性と判断した。
(6−2)摺動性(低温型温)
前記1mm厚の薄物樹脂成形体を成形する際の金型温度を60℃とした以外は同様にして前記摺動試験を行い、5,000回時の摩擦係数によって評価した。
摩擦係数は低いほど優れ、摩擦係数が0.30以下であれば良好な摺動性と判断した。
(6−3)摺動性(安定性)
前記摺動試験における100回目〜5,000回目までの摩擦係数の最大値から最小値を引いた変動幅によって評価した。
変動幅は低いほど安定性に優れ、0.05以下で良好な摺動性と判断した。
(6−4)摺動性(高荷重)
荷重を49.0Nとした以外は同様にして前記試験を行い、5000回時の摩擦係数によって評価した。
摩擦係数は低いほど摺動性に優れ、摩擦係数0.25以下で良好な摺動性と判断した。
Claims (8)
- (A)ポリアセタール樹脂100質量部と、(B)ガラス繊維10質量部以上55質量部以下と、(C)ポリエチレン樹脂0.1質量部以上5質量部以下とを含み、
前記(C)ポリエチレン樹脂のメルトフローレイト(ISO1133準拠、温度190℃、荷重2.16kg)が10g/10分以上100g/10分以下であり、
前記(C)ポリエチレン樹脂のメルトフローレイトに対する前記(A)ポリアセタール樹脂のメルトフローレイト(ISO1133準拠、温度190℃、荷重2.16kg)の比が0.1以上2.0以下である、
ことを特徴とする、樹脂組成物。 - メルトフローレイト(ISO1133準拠、温度190℃、荷重2.16kg)が8g/10分以上である、請求項1記載の樹脂組成物。
- 前記(A)ポリアセタール樹脂のメルトフローレイトが10g/10分以上100g/10分以下である、請求項1又は2に記載の樹脂組成物。
- 前記(A)ポリアセタール樹脂のコモノマー濃度が、1.5mol%以下である、請求項1〜3の何れか一項に記載の樹脂組成物。
- 前記(A)ポリアセタール樹脂のコモノマー濃度が、0mol%以上1.0mol%以下である、請求項1〜4の何れか一項に記載の樹脂組成物。
- 請求項1〜5の何れか一項に記載の樹脂組成物を含むことを特徴とする、樹脂成形体。
- 厚みが1mm以下である、請求項6に記載の樹脂成形体。
- 電気機器用部品又は電子機器用部品として用いられる、請求項7に記載の樹脂成形体。
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