JP5841914B2 - ポリアセタール樹脂組成物及びその成形体 - Google Patents
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Description
〔1〕
ポリアセタール樹脂(I)と、
下記式(1)〜(5)のいずれかで表されるブロック共重合体(II)と、
導電性カーボンブラック(III)と、
酸変性ポリオレフィン樹脂(IV)とを含有し、
体積抵抗率が1.0×104〜1.0×1010Ωcmである、
ポリアセタール樹脂組成物。
A−B−A ・・・式(1)
(A−B)n ・・・式(2)
B−(A−B)n ・・・式(3)
(A−B)n−A ・・・式(4)
(A−B)m−X ・・・式(5)
(式(1)〜(5)中、Aはビニル芳香族単量体単位を主体とする重合体ブロックであり、Bは共役ジエン単量体単位を主体とする重合体ブロックであり、nは2〜10の整数であり、Xはm個の重合体鎖が結合している多官能性化合物残基であり、mは2〜7の整数である。)
〔2〕
前記ブロック共重合体(II)の含有量が、1〜50質量%である、前項〔1〕に記載のポリアセタール樹脂組成物。
〔3〕
エポキシ化合物(V)を、さらに含む、前項〔1〕又は〔2〕に記載のポリアセタール樹脂組成物。
〔4〕
前記ポリアセタール樹脂(I)が、下記式(6)で表されるポリアセタールブロック共重合体(A)である、前項〔1〕〜〔3〕いずれか1項に記載のポリアセタール樹脂組成物。
H−R1−O−R3−O−R1−H ・・・式(6)
(式(6)中、
R1は、下記式(7a)で表されるオキシメチレン単位と、下記式(7b)で表されるオキシ炭化水素単位とを複数有するブロックを示し、前記オキシメチレン単位と前記オキシ炭化水素単位とが互いにランダムに存在し、前記オキシメチレン単位と前記オキシ炭化水素単位との総量100モル%に対して、前記オキシメチレン単位の含有量が95〜99.9モル%、前記オキシ炭化水素単位の含有量が0.1〜5モル%であり、2つのR1を平均した数平均分子量が5,000〜250,000であり、
R3は、下記式(8a)で表されるエチレン単位と、下記式(8b)で表されるn−ブチレン単位と、下記式(8c)で表される水素添加1,2−ポリブタジエン単位とを複数有するブロックを示し、前記エチレン単位と前記n−ブチレン単位と前記水素添加1,2−ポリブタジエン単位とが互いにランダム又はブロックに存在し、前記エチレン単位と前記n−ブチレン単位と前記水素添加1,2−ポリブタジエン単位との総量100モル%に対して、前記エチレン単位の含有量が2〜98モル%、前記n−ブチレン単位の含有量が2〜98モル%、前記水素添加1,2−ポリブタジエン単位の含有量が2〜98モル%であり、数平均分子量が500〜10,000であり、ヨウ素価20g−I2/100g以下の不飽和結合を有してもよい。
−(CH2O)− ・・・式(7a)
−((CR2 2)j−O)− ・・・式(7b)
−(CH2CH2)− ・・・式(8a)
−(CH2CH2CH2CH2)− ・・・式(8b)
−(CH2CH(CH2CH3))− ・・・式(8c)
(式(7b)中、R2は、それぞれ独立して、水素原子、置換若しくは非置換のアルキル基、又は置換若しくは非置換のアリール基を示し、jは2〜6の整数を示す。))
〔5〕
前記ポリアセタール樹脂(I)の数平均分子量が10,000〜500,000である、前項〔1〕〜〔4〕いずれか1項に記載のポリアセタール樹脂組成物。
〔6〕
前記ブロック共重合体(II)の数平均分子量が5,000〜500,000である、前項〔1〕〜〔5〕いずれか1項に記載のポリアセタール樹脂組成物。
〔7〕
前項〔1〕〜〔6〕いずれか1項に記載のポリアセタール樹脂組成物からなる、成形体。
本実施形態のポリアセタール樹脂組成物は、
ポリアセタール樹脂(I)と、
下記式(1)〜(5)のいずれかで表されるブロック共重合体(II)と、
導電性カーボンブラック(III)と、
酸変性ポリオレフィン樹脂(IV)とを含有し、
体積抵抗率が1.0×104〜1.0×1010Ωcmである。
A−B−A ・・・式(1)
(A−B)n ・・・式(2)
B−(A−B)n ・・・式(3)
(A−B)n−A ・・・式(4)
(A−B)m−X ・・・式(5)
(式(1)〜(5)中、Aはビニル芳香族単量体単位を主体とする重合体ブロックであり、Bは共役ジエン単量体単位を主体とする重合体ブロックであり、nは2〜10の整数であり、Xはm個の重合体鎖が結合している多官能性化合物残基であり、mは2〜7の整数である。)
本実施形態のポリアセタール樹脂組成物は、ポリアセタール樹脂(I)を含む。ポリアセタール樹脂(I)の数平均分子量は10,000〜500,000であることが好ましく、15,000〜300,000であることがより好ましく、20,000〜150,000であることがさらに好ましい。数平均分子量が上記好ましい範囲であれば、機械的特性と成形加工性のバランスに優れたポリアセタール樹脂となる。
H−R1−O−R3−O−R1−H ・・・式(6)
−((CR2 2)j−O)− ・・・式(7b)
−(CH2CH2)− ・・・式(8a)
−(CH2CH2CH2CH2)− ・・・式(8b)
−(CH2CH(CH2CH3))− ・・・式(8c)
式(7b)中、R2は、それぞれ独立して、水素原子、置換若しくは非置換のアルキル基、又は置換若しくは非置換のアリール基を示す。アルキル基としては、特に限定されないが、具体的には、炭素数1〜20のアルキル基が好ましく、アリール基としては、特に限定されないが、具体的には、炭素数3〜20のアリール基が好ましい。上記置換アルキル基及び置換アリール基における置換基としては、特に限定されないが、具体的には、ハロゲン原子、水酸基、アルデヒド基、カルボキシル基、アミノ基及びアミド基等が挙げられる。また、jは2〜6の整数を示し、2〜5が好ましく、2〜4がより好ましい。
ポリアセタールブロック共重合体(A)は、R3セグメントを連鎖移動剤として用い、例えば、ホルムアルデヒドの3量体(トリオキサン)と、1,3−ジオキソランとを、共重合させて得ることができる。
[R5R6R7R8N+]nX−n ・・・式(9)
第4級アンモニウム化合物の使用量(質量ppm)=P×14/Q ・・・式(10)
本実施形態のポリアセタール樹脂組成物は、ブロック共重合体(II)を含む。本実施形態のポリアセタール樹脂組成物に用いられるブロック共重合体(II)は、下記式(1)〜(5)のいずれかで表される。なお、式(1)〜(5)で表されるブロック共重合体は、単独で用いてもよいし、2種以上を併用することもできる。
A−B−A ・・・式(1)
(A−B)n ・・・式(2)
B−(A−B)n ・・・式(3)
(A−B)n−A ・・・式(4)
(A−B)m−X ・・・式(5)
(式(1)〜(5)中、Aはビニル芳香族単量体単位を主体とする重合体ブロックであり、Bは共役ジエン単量体単位を主体とする重合体ブロックであり、nは2〜10の整数であり、Xはm個の重合体鎖が結合している多官能性化合物残基であり、mは2〜7の整数である。)
式(1)〜(5)で表されるブロック共重合体(II)の製造方法としては、特に限定されないが、具体的には、特公平5−41515公報に記載の方法を用いることができる。
本実施形態のポリアセタール樹脂組成物は、導電性カーボンブラック(III)を含む。本実施形態のポリアセタール樹脂組成物に用いられる導電性カーボンブラック(III)としては、特に限定されないが、具体的には、粒子径が小さいか又は表面積が大きく鎖状構造の発達したものが好ましい。より具体的には、粒子径が0.05μm以下のものがよい。なお、粒子径は、例えば、カーボンブラックの粒子を直接電子顕微鏡で観察することによって測定することができる。
本実施形態のポリアセタール樹脂組成物は、酸変性ポリオレフィン樹脂(IV)を含む。本実施形態のポリアセタール樹脂組成物に用いられる酸変性ポリオレフィン樹脂(IV)におけるポリオレフィン樹脂としては、特に限定されないが、具体的には、エチレン、プロピレン、ブテン−1、ペンテン−1、4−メチルペンテン−1、ヘキセン−1、ヘプテン−1、オクテン−1、ノネン−1、デセン−1、ウンデセン−1、ドデセン−1等のα−オレフィンの単独重合体、又は前記α−オレフィンと、該α−オレフィンと共重合可能な単量体と、の共重合体(ランダム、ブロック又はグラフト重合体)等が挙げられる。
本実施形態のポリアセタール樹脂組成物は必要に応じて、エポキシ化合物(V)をさらに含むことができる。エポキシ化合物(V)をさらに用いる含むことにより、組成物の熱安定性が向上する。
また、本実施形態のポリアセタール樹脂組成物には、必要に応じて、従来ポリアセタール樹脂組成物に使用されている安定剤の1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
本実施形態のポリアセタール樹脂組成物を製造する装置としては、一般に実用されている混練機が適用できる。例えば、一軸又は多軸混練押出機、ロール、バンバリーミキサー等を用いればよい。中でも、減圧装置、及びサイドフィーダー設備を装備した2軸押出機が好ましい。溶融混練の方法としては、例えば、すべての成分のブレンド物を押出機トップのフィーダー(以下、トップフィーダーと呼ぶ)から連続的にフィードして溶融混練させる方法;(III)成分以外の成分のブレンド物を押出機トップフィーダーから連続的にフィードして溶融混練させた後、押出機のサイドに設けられたフィーダー(以下、サイドフィーダーと呼ぶ)から(III)成分を連続的にフィードしてさらに溶融混練させる方法;成分(I)を押出機トップフィーダーから供給して溶融混練させた後、上流に設けられたサイドフィーダーから(III)成分を添加して溶融混練させ、下流に設けられたサイドフィーダーから(II)成分と(IV)成分のブレンド物を添加してさらに溶融混練させる方法等を挙げることができる。このうち、ポリアセタール樹脂組成物の熱安定性向上の観点から、成分(I)と必要に応じて成分(V)の混合物を押出機トップフィーダーから供給して溶融混練させた後、上流に設けられたサイドフィーダーから(III)成分を添加して溶融混練させ、下流に設けられたサイドフィーダーから(II)成分と(IV)成分のブレンド物を添加してさらに溶融混練させる方法が好ましい。
このようにして得られたポリアセタール樹脂組成物は、体積抵抗率が1.0×104Ωcm以上1.0×1010Ωcm以下であり、1.0×104Ωcm以上1.0×109Ωcm以下であることが好ましく、1.0×104Ωcm以上1.0×108Ωcm以下であることがより好ましい。上記好ましい範囲とすることにより、より静電気拡散性に優れるものとなる。なお、体積抵抗率は実施例に記載の方法により測定することができる。また、体積抵抗率は、導電性カーボンブラックの添加量が多いと、高くなる傾向にあり、少ないと低くなる傾向にある。
本実施形態の成形体は、ポリアセタール樹脂組成物からなる。本実施形態のポリアセタール樹脂組成物の成形品の具体的な用途としては、静電気拡散性が要求され、導電性フィラーの脱落による汚染が忌避される用途、例えば半導体LSI、電気/電子機器装置、或いはそれらの製造工程で使用するシャーシ、トレー等のデバイス用途等に特に好適に用いられる。しかしながら、本実施形態の成形体は、これらの用途に限られることはなく、一般的なポリアセタール樹脂の用途である、ギア、カム、スライダー、レバー、アーム、クラッチ、フェルトクラッチ、アイドラギアー、プーリー、ローラー、コロ、キーステム、キートップ、シャッター、リール、シャフト、関節、軸、軸受け、及びガイド等に代表される機構部品;アウトサート成形の樹脂部品、インサート成形の樹脂部品、シャーシ、トレー、側板、プリンター及び複写機に代表されるオフィスオートメーション機器用部品;VTR(Video Tape Recorder)、ビデオムービー、デジタルビデオカメラ、カメラ、及びデジタルカメラに代表されるカメラ又はビデオ機器用部品;カセットプレイヤー、DAT、LD(Laser Disk)、MD(Mini Disk)、CD(Compact Disk)〔CD−ROM(Read Only Memory)、CD−R(Recordable)、CD−RW(Rewritable)を含む〕、DVD(Digital Video Disk)〔DVD−ROM、DVD−R、DVD+R、DVD−RW、DVD+RW、DVD−R DL、DVD+R DL、DVD−RAM(Random Access Memory)、DVD−Audioを含む〕、Blu−ray Disc、HD−DVD、その他光デイスクドライブ、MFD、MO、ナビゲーションシステム及びモバイルパーソナルコンピュータに代表される音楽、映像又は情報機器;携帯電話及びファクシミリに代表される通信機器用部品;電気機器用部品;電子機器用部品;自動車用の部品として、ガソリンタンク、フュエルポンプモジュール、バルブ類、ガソリンタンクフランジ等に代表される燃料廻り部品;ドアロック、ドアハンドル、ウインドウレギュレータ、スピーカーグリル等に代表されるドア廻り部品;シートベルト用スリップリング、プレスボタン等に代表されるシートベルト周辺部品;コンビスイッチ部品、スイッチ類、及びクリップ類の部品;シャープペンシルのペン先、及びシャープペンシルの芯を出し入れする機構部品;洗面台、排水口、及び排水栓開閉機構部品;自動販売機の開閉部ロック機構、及び商品排出機構部品;衣料用のコードストッパー、アジャスター、及びボタン;散水用のノズル、及び散水ホース接続ジョイント;階段手すり部、及び床材の支持具である建築用品;使い捨てカメラ、玩具、ファスナー、チェーン、コンベア、バックル、スポーツ用品、自動販売機、家具、楽器、及び住宅設備機器に代表される工業部品としても好適に使用できる。
東芝機械(株)製EC−75NII成形機を用いて、シリンダー温度をポリアセタール樹脂組成物の場合は205℃で、ABS樹脂の場合組成物は250℃で、ポリカーボネート樹脂組成物の場合は280℃でそれぞれ設定し、金型温度は90℃に設定し、射出時間35秒、冷却時間15秒の射出条件で1A型ISOダンベルを得た。このISOダンベルから30×20×4mmの平板を切り出し体積抵抗率測定用のサンプルとした。組成物の体積抵抗率のレベルにより、以下の2種類の測定方法を使い分けた。
四探針ASPプローブ(ピン間5mm、ピン先0.37mmR×4、バネ圧210g/本、JIS K7194準拠)をこの平板に押し当て、三菱化学製ロレスタ−GPにより測定電圧90Vで体積抵抗率を測定した。
URS型リングプローブ(JIS K6911準拠)をこの平板に押し当て、三菱化学製ハイレスタ−UPにより測定電圧1,000Vで体積抵抗率を測定した。
東芝機械(株)製IS−100GN成形機を用いて、シリンダー温度をポリアセタール樹脂組成物の場合は205℃で、ABS樹脂組成物の場合は250℃で、ポリカーボネート樹脂組成物の場合は280℃でそれぞれ設定し、金型は温度80℃に設定し、射出時間60秒、冷却時間15秒の条件で130×110×3mmの平板を成形した。この平板から50×50×3mmサイズの平板を切り出し、測定サンプルとした。
上述の方法により成形したISOダンベルを試験片とし、この試験片に先端が円柱状の金属製のピンの先端に医療用ガーゼを巻き、これを試験片に接触させた。試験片を固定したまま、医療用ガーゼを巻いた金属製のピンを線速度30mm/s、復距離20mm、試験環境23℃、50RH%の条件で200回の往復試験を行った。試験後にガーゼを金属製のピンから取り外して観察し、カーボンブラックを含む樹脂がガーゼに付着する最小の接触面圧(臨界接触面圧)を求めた。この接触面圧が大きいほど、組成物の導電性フィラー脱落性に優れる。
本実施例では、2軸押出機(東芝機械(株)製TEM−26SS押出機(L/D=48、ベント付き)を用いて樹脂組成物を製造した。本押出機の概略図を図1に示す。
〈ポリアセタール樹脂I−i〉
熱媒を通すことができるジャッケット付きの2軸セルフクリーニングタイプの重合機(L/D=8(L:重合機の原料供給口から排出口までの距離(m)、D:重合機の内径(m)。以下、同じ。))を80℃に調整し、トリオキサンを4kg/hr、コモノマーとして1,3−ジオキソランを128.3g/h(トリオキサン1molに対して、3.9mol%)、連鎖移動剤としてメチラールをトリオキサン1molに対して0.25×10−3molを連続的に添加した。さらに重合触媒として三フッ化硼素ジ−n−ブチルエーテラートをトリオキサン1molに対して1.5×10−5molで連続的に添加し重合を行なった。
ポリアセタール樹脂(I−i)を合成したものと同じ重合機を同じく80℃に調整し、トリオキサンを4kg/hr、コモノマーとして1,3−ジオキソランを128.3g/h(トリオキサン1molに対して、3.9mol%)、重合触媒として三フッ化硼素ジ−n−ブチルエーテラートを、トリオキサン1モルに対し5×10−5モルとなる量、連鎖移動剤として下記式(11)で表される両末端ヒドロキシル基水素添加ポリブタジエン(数平均分子量Mn=2330)をトリオキサン1モルに対し1×10−3モルになる量で、前記重合機に連続的に供給し重合を行った。重合後の触媒失活、不安定末端の処理操作、脱揮、及びペレタイズ化はポリアセタール樹脂(I−i)の合成と同様の操作を行い、ポリアセタール樹脂(I−ii)として下記平均組成式(12)で表されるポリアセタールブロック共重合体を得た。また、ポリアセタール樹脂(I−ii)の数平均分子量は60,000であった。
ABS樹脂:ポリブタジエンゴム30質量%、アクリロニトリル14質量%、スチレン56質量%からなるABS樹脂
ポリカーボネート樹脂(PC):ユーピロンS3000(三菱エンジニアリングプラスチックス(株)製)
(II−i)
窒素ガス雰囲気下において、シクロヘキサン中でn−ブチルリチウムを全モノマー100g当り1.6ミリモルを用い、スチレン20質量部を60℃で3時間重合し、完全に重合させた後、更に1,3−ブタジエンを60質量部を加え、70℃で6時間重合させた。更にスチレン20質量部を加え、60℃で3時間重合した後、1質量部のフエニル−β−ナフチルアミンを加え、この共重合体を乾燥して取り出した。得られたA−B−A型ブロック共重合体(II−i)(式(1)に相当)は数平均分子量60,000であった。
(II−ii)
窒素ガス雰囲気下において、トルエン中でn−ブチルリチウムを全モノマー100g当り1.6ミリモルを用い、1,3−ブタジエンとスチレンとの質量比60:40の単量体混合物40質量部を60℃で重合し、単量体が完全に共重合した後、更に同単量体混合物30質量部を加え完全に重合させる操作を2度繰り返した。重合完了後1質量部のフエニル−β−ナフチルアミンを加え、乾燥後取り出した。得られた(A−B)3型ブロック共重合体(II−ii)(式(2)に相当)は数平均分子量60,000であった。
(II−iii)
窒素ガス雰囲気下において、シクロヘキサン中でn−ブチルリチウムを全モノマー100g当り5.0ミリモルを用い、スチレン30質量部を60℃で5時間重合し、完全に重合させた後、更に1,3−ブタジエンを70質量部を加え、70℃で6時間重合させた。更に活性ポリマー末端に対し0.33モル比のクロロホルムを添加後2時間攪拌し、1質量部のフエニル−β−ナフチルアミンを加え、この共重合体を乾燥して取り出した。得られた(A−B)3−X型ブロック共重合体(II−iii)(式(5)に相当)は数平均分子量60,000であった。
(II−iv) タフテックH1221(スチレン−ポリエチレン・ブチレン−スチレンブロック共重合体、旭化成ケミカルズ(株)製)
(II−v)SOE S1611 (水素添加スチレン/ブタジエン共重合体、旭化成ケミカルズ(株)製)
(III−i) ケッチェンブラックEC−300J〔DBP:365mL/100g〕(ライオン(株)製)
(III−ii)ケッチェンブラックEC−600JD〔DBP:495mL/100g〕(ライオン(株)製)
タフマーMA8510(無水マレイン酸変性エチレン−ブテン共重合体、三井化学(株)製)
クレゾールノボラックとエピクロロヒドリンとの縮合物(エポキシ当量=350、軟化点=80℃)、エポキシ硬化性添加剤としてはトリフェニルホスフィン(北興化学工業製)を用いた。
図1に示すTEM−26SS押出機を用いて、シリンダー温度設定をポリアセタール樹脂の場合は200℃、ABS樹脂の場合は250℃、ポリカーボネート樹脂の場合は280℃に設定し、(I)成分(ABS樹脂、ポリカーボネート樹脂を含む)と必要に応じて(V)成分の混合物を定量フィーダー15より、(III)成分を定量フィーダー16より、(II)成分と(IV)成分の混合物を定量フィーダー17より供給して、押出量15kg/h、スクリュー回転数150rpmの条件で押出を行い、ポリアセタール樹脂組成物を得た。
各成分を表1に示す割合で配合し、上述の製造方法により溶融混練を行った。押出された樹脂はストランドカッターでペレットとした。得られたペレットを用いて上述の方法により体積抵抗率、静電気拡散性、導電性フィラー脱落性の試験を行い、結果を表1に示した。
各成分を表2に示す割合で配合し、上述の製造方法により溶融混練を行った。押出された樹脂はストランドカッターでペレットとした。得られたペレットを用いて上述の方法により体積抵抗率、静電気拡散性、導電性フィラー脱落性の試験を行い、結果を表2に示した。表2においては、ポリアセタール樹脂をPOM、ABS樹脂をABS、ポリカーボネート樹脂をPCと示した。
13:ダイヘッド
14:押出機モーター
15:定量フィーダー(トップ)
16:定量フィーター(サイド1)
17:定量フィーター(サイド2)
18:脱気ベント
Claims (7)
- ポリアセタール樹脂(I)と、
下記式(1)〜(5)のいずれかで表されるブロック共重合体(II)と、
導電性カーボンブラック(III)と、
酸変性ポリオレフィン樹脂(IV)とを含有し、
体積抵抗率が1.0×104〜1.0×1010Ωcmである、
ポリアセタール樹脂組成物。
A−B−A ・・・式(1)
(A−B)n ・・・式(2)
B−(A−B)n ・・・式(3)
(A−B)n−A ・・・式(4)
(A−B)m−X ・・・式(5)
(式(1)〜(5)中、Aはビニル芳香族単量体単位を主体とする重合体ブロックであり、Bは共役ジエン単量体単位を主体とする重合体ブロックであり、nは2〜10の整数であり、Xはm個の重合体鎖が結合している多官能性化合物残基であり、mは2〜7の整数である。) - 前記ブロック共重合体(II)の含有量が、1〜50質量%である、請求項1に記載のポリアセタール樹脂組成物。
- エポキシ化合物(V)を、さらに含む、請求項1又は2に記載のポリアセタール樹脂組成物。
- 前記ポリアセタール樹脂(I)が、下記式(6)で表されるポリアセタールブロック共重合体(A)である、請求項1〜3いずれか1項に記載のポリアセタール樹脂組成物。
H−R1−O−R3−O−R1−H ・・・式(6)
(式(6)中、
R1は、下記式(7a)で表されるオキシメチレン単位と、下記式(7b)で表されるオキシ炭化水素単位とを複数有するブロックを示し、前記オキシメチレン単位と前記オキシ炭化水素単位とが互いにランダムに存在し、前記オキシメチレン単位と前記オキシ炭化水素単位との総量100モル%に対して、前記オキシメチレン単位の含有量が95〜99.9モル%、前記オキシ炭化水素単位の含有量が0.1〜5モル%であり、2つのR1を平均した数平均分子量が5,000〜250,000であり、
R3は、下記式(8a)で表されるエチレン単位と、下記式(8b)で表されるn−ブチレン単位と、下記式(8c)で表される水素添加1,2−ポリブタジエン単位とを複数有するブロックを示し、前記エチレン単位と前記n−ブチレン単位と前記水素添加1,2−ポリブタジエン単位とが互いにランダム又はブロックに存在し、前記エチレン単位と前記n−ブチレン単位と前記水素添加1,2−ポリブタジエン単位との総量100モル%に対して、前記エチレン単位の含有量が2〜98モル%、前記n−ブチレン単位の含有量が2〜98モル%、前記水素添加1,2−ポリブタジエン単位の含有量が2〜98モル%であり、数平均分子量が500〜10,000であり、ヨウ素価20g−I2/100g以下の不飽和結合を有してもよい。
−(CH2O)− ・・・式(7a)
−((CR2 2)j−O)− ・・・式(7b)
−(CH2CH2)− ・・・式(8a)
−(CH2CH2CH2CH2)− ・・・式(8b)
−(CH2CH(CH2CH3))− ・・・式(8c)
(式(7b)中、R2は、それぞれ独立して、水素原子、置換若しくは非置換のアルキル基、又は置換若しくは非置換のアリール基を示し、jは2〜6の整数を示す。)) - 前記ポリアセタール樹脂(I)の数平均分子量が10,000〜500,000である、請求項1〜4いずれか1項に記載のポリアセタール樹脂組成物。
- 前記ブロック共重合体(II)の数平均分子量が5,000〜500,000である、請求項1〜5いずれか1項に記載のポリアセタール樹脂組成物。
- 請求項1〜6いずれか1項に記載のポリアセタール樹脂組成物からなる、成形体。
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JP2012172256A JP5841914B2 (ja) | 2012-08-02 | 2012-08-02 | ポリアセタール樹脂組成物及びその成形体 |
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