JP2004010803A - 導電性ポリオキシメチレン樹脂組成物 - Google Patents

導電性ポリオキシメチレン樹脂組成物 Download PDF

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Shuichi Kudo
工藤 修一
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Abstract

【課題】優れた導電性能を保持しつつ、衝撃性と摺動性に優れる導電性ポリオキシメチレン樹脂組成物を提供する。
【解決手段】リオキシメチレン樹脂(A)45〜94.45重量%、フタル酸ジブチル吸油量が200ml/100g以上のカーボンブラック(B)5〜15重量%、(C−1)ポリエーテルエステルアミドと(C−2)酸変性オレフィン系樹脂から成り、(C−1)/(C−2)の割合が10/90〜90/10重量%の範囲である樹脂(C)0.5〜30重量%、およびエポキシ化合物(D)0.05〜10重量%を配合してなるポリオキシメチレン樹脂組成物。
【選択図】 選択図なし

Description

【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は、導電性ポリオキシメチレン樹脂組成物に関する。更に詳しくは、導電性を維持しつつ、耐衝撃性に優れ、且つ摺動性が良好な導電性ポリオキシメチレン樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
ポリオキシメチレン樹脂は、バランスのとれた機械的性質と優れた摺動性を持つエンジニアリング樹脂であり、特に摺動性が優れていることから各種の機構部品をはじめOA機器などに広く使用されている。
しかしながら、ポリオキシメチレン樹脂は他の樹脂と同様に電気絶縁体であるため、摺動の際に発生する静電気の除去性能或いは導電性に劣り、摺動性と同時に高度な導電性を要求される用途には使われないのが通常であった。また、近年カーボンブラックを添加したポリオキシメチレン樹脂が上記用途に使われだしたが、熱安定性及び流動性共に不十分である他、その成形体の表面平滑性に劣るためポリオキシメチレン樹脂が本来持っている摺動性が発現できず、接触電気抵抗も大きく導電性も十分発揮されないという問題点があった。
【0003】
ところで、従来よりカーボンブラックを配合した導電性樹脂組成物は種々知られていた。例えば、特開昭60−8335号公報には熱可塑性樹脂にフタル酸ジブチル(DBP)吸油量400ml/100g以上で且つ重金属含有量が500ppm以下の導電性樹脂を製造する方法が開示されている。また、特公昭60−8712号公報には熱可塑性樹脂にDBP吸油量200ml/100g以上のカーボンブラックを配合した体積電気抵抗が10Ω・cm以下のメッキ用組成物が開示されている。しかしながら、これらの技術をポリオキシメチレン樹脂に適用してみても、有効な程度の導電性を付与するにはカーボンブラックを比較的多量に添加する必要があり、その成形体は衝撃性が極めて低くなり、本発明が目的とするようなものは得ることはできない。
【0004】
そこで、カーボンブラックを配合したポリオキシメチレン樹脂の衝撃性を改良すべく方法が提案されている。例えば、特表2001−503559号公報にはポリオキシメチレン樹脂にカーボンブラックと共にエラストマーポリウレタンを添加する方法が提案されているが、衝撃性は改善されるもののより重要な摺動性の改善は不十分で、本発明の目的とする組成物は得られていないのである。
【0005】
【発明が解決すべき課題】
本発明は、導電性ポリオキシメチレン樹脂組成物は優れた導電性能を保持しつつ衝撃性と摺動性に優れる樹脂組成物を得ることにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、今迄ポリオキシメチレン樹脂にカーボンブラックを添加した場合に実現できなかった衝撃性と摺動性改善を検討した結果、ポリオキシメチレン樹脂(A)、フタル酸ジブチル吸油量が200ml/100g以上のカーボンブラック(B)、(C−1)ポリエーテルエステルアミドと(C−2)酸変性オレフィン系樹脂から成り、(C−1)/(C−2)の割合が特定の範囲である樹脂(C)、および(D)エポキシ化合物からなる樹脂組成物が、導電性を損なうことなく優れた耐衝撃性と摺動性を発現することを見いだし本発明を完成させた。
【0007】
すなわち、本発明は、ポリオキシメチレン樹脂(A)25〜94.45重量%、フタル酸ジブチル吸油量が200ml/100g以上のカーボンブラック(B)5〜15重量%、(C−1)ポリエーテルエステルアミドと(C−2)酸変性オレフィン系樹脂からなり、(C−1)/(C−2)の割合が10/90〜90/10重量%の範囲である樹脂(C)0.5〜50重量%、およびエポキシ化合物(D)0.05〜10重量%を配合してなる樹脂組成物である。
【0008】本発明の(A)成分に用いられるポリオキシメチレン樹脂はホルムアルデヒド、またはその3量体であるトリオキサンや4量体であるテトラオキサンなどの環状オリゴマーを重合し、重合体の両末端をエーテル、エステル基により封鎖したホモポリマーをはじめ、ホルムアルデヒドまたはその3量体であるトリオキサンや4量体であるテトラオキサンと、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、1,3−ジオキソラン、グリコールのホルマール、ジグリコールのホルマールなどとを共重合させて得られた炭素数2〜8のオキシアルキレン単位をオキシメチレンに対して、0.1〜20モル%を含有するオキシメチレンコポリマーやさらに分岐状分子鎖を有するものの、オキシメチレン単位からなるセグメント50重量%以上と異種セグメント50重量%以下とを含有するオキシメチレンブロックコポリマーのうちの少なくとも一種である。オキシメチレンブロックコポリマーとしては、特開57−31918号公報に示されるポリアルキレングリコールとポリオキシメチレンホモポリマーとのブロックポリマー、特願平11−216654号公報に開示された水素添加ポリブタジエンとポリオキシメチレンコポリマーのブロックポリマーが好ましい。
【0009】
また、これらポリオキシメチレン樹脂はその目的によって使い分けすることが出来る。摺動性や剛性の観点からはホモポリマーやコモノマー量の少ないコポリマーの使用が好ましく、熱安定性や耐衝撃性の観点からはコモノマー量の多いコポリマーや水素添加ポリブタジエンとオキシメチレンコポリマーのブロックポリマーの使用が好ましい。また、本発明で用いるポリオキシメチレン樹脂の溶融指数MFR(ASTM−D1238−57Tの条件で測定)は、0.5g/10分から100g/10分、好ましくは1.0g/10分から80g/10分である。0.5g/10分未満では成形加工が困難で、100g/10分を越えると耐久性が不十分である。
【0010】
本発明のポリオキシメチレン樹脂には、従来ポリオキシメチレン樹脂に使用されている安定剤、例えば熱安定剤、耐候(光)安定剤を単独、またこれらを組み合わせて用いることが出来る。熱安定剤としては酸化防止剤、ホルムアルデヒドやギ酸の捕捉剤およびこれらの併用が効果を発揮する。酸化防止剤としては、ヒンダードフェノール系酸化防止剤が好ましく、例えば、n−オクタデシル−3−(3’5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル−プロピオネート、n−オクタデシル−3−(3’−メチル−5’―t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート、n−テトラデシル−3−(3’5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート、1,6−ヘキサンジオール−ビス−(3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート)、1,4−ブタンジオール−ビス−(3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート)である。
【0011】
また、トリエチレングリコール−ビス−(3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート)、テトラキス−(メチレン−3−(3’5’5―ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネートメタン、3,9−ビス(2−(3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ)−1,1−ジメチルエチル)2,4,8,10−テトラオキサスピロ(5,5)ウンデカン、N,N’−ビス−3−(3’5’−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェノール)プリピオニルヘキサメチレンジアミン、N,N’―テトラメチレンビス−3−(3’―メチル−5’−t−ブチル−4−ヒドロキシフェノール)プロピオニルジアミン、N,N’−ビス−(3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェノール)プロピオニル)ヒドラジン、N−サリチロイル−N’−サリチリデンヒドラジン、3−(N−サリチロイル)アミノ−1,2,4−トリアゾール、N,N’−ビス(2−(3−(3,5−ジ−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ)エチル)オキシアミド等がある。
【0012】
これらヒンダードフェノール系酸化防止剤のなかでもトリエチレングリコールービス−(3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート)、テトラキス−(メチレン−3−(3’5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネートメタンが好ましい。
【0013】
ホルムアルデヒドやギ酸の捕捉剤としては、(イ)ホルムアルデヒド反応性窒素を含む化合物および重合体、(ロ)アルカリ金属またはアルカリ土類金属の水酸化物、無機酸塩、カルボン酸塩またはアルコキシド等が挙げられる。
ホルムアルデヒド反応性窒素を含む化合物としては、(1)ジシアンジアミド、(2)アミノ置換トリアジン、(3)アミノ置換トリアジンとホルムアルデヒドとの共縮合物等が挙げられる。(2)アミノ置換トリアジンとしては、例えば、グアナミン(2,4−ジアミノ−sym−トリアジン)、メラミン(2,4,6−トリアミノ−sym−トリアジン)、N−ブチルメラミン、N−フェニルメラミン、N,N−ジフェニルメラミン、N,N−ジアリルメラミン、N,N秩CN鋳−トリフェニルメラミン、N−メチロールメラミン、N,N’−ジメチロールメラミン、N,N’、N’’−トリメチロールメラミン、ベンゾグアナミン(2,4−ジアミノ−6−フェニル−sym−トリアジン)、2,4−ジアミノ−6−メチル−sym−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−ブチル−sym−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−ベンジルオキシ−sym−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−ブトキシ−sym−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−シクロヘキシル−sym−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−クロロ−sym−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−メルカプト−sym−トリアジン、2,4−ジオキシ−6−アミノ−sym−トリアジン(アメライト)、2−オキシ−4,6−ジアミノ−sym−トリアジン(アメリン)、N,N’、N’’−テトラシアノエチルベンゾグアナミン、などがある。
【0014】
(3)アミノ置換トリアジンとホルムアルデヒドとの共縮合物としては、例えば、メラミン−ホルムアルデヒド重縮合物、などがある。これらの中で、ジシアンジアミド、メラミン及びメラミン−ホルムアルデヒド重縮合物が好ましい。
さらに(イ)ホルムアルデヒド反応性窒素基を有する重合体としては、(1)ポリアミド樹脂、(2)アクリルアミド及びその誘導体又はアクリルアミドおよびその誘導体と他のビニルモノマーとを金属アルコラートの存在下で重合して得られる重合体、(3)アクリルアミド及びその誘導体又はアクリルアミド及びその誘導体と他のビニルモノマーとをラジカル重合の存在下で重合して得られる重合体、(4)アミン、アミド、尿素及びウレタン等窒素基を含有する重合体でも良い。(1)のポリアミド樹脂としてはナイロン4−6、ナイロン6、ナイロン6−6、ナイロン6−10、ナイロン6−12、ナイロン12等及びこれらの共重合物、例えば、ナイロン6/6−6、ナイロン6/6−6/6−10、ナイロン6/6−12等が挙げられる。(2)アクリルアミド及びその誘導体又はアクリルアミドおよびその誘導体と他のビニルモノマーとを金属アルコラートの存在下で重合して得られる重合体としては、ポリ−β―アラニン共重合体が挙げられる。
【0015】
これらのポリマーは特公平6−12259号(対応USP5,015,707)、特公平5−87096号、特公平5−47568号及び特開平3−234729号の各公報記載の方法で製造することができる。(3)アクリルアミド及びその誘導体又はアクリルアミド及びその誘導体と他のビニルモノマーとをラジカル重合の存在下で重合して得られる重合体は、特開平3−28260号公報(対応USP5,011,890)記載の方法で製造することが出来る。
【0016】
アルカリ金属またはアルカリ土類金属の水酸化物、無機酸塩、カルボン酸塩またはアルコキシドとしては、例えば、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウムもしくはバリウムなどの水酸化物、上記金属の炭酸塩、リン酸塩、珪酸塩、硼酸塩、カルボン酸塩が挙げられる。該カルボン酸塩のカルボン酸は、10〜36個の炭素原子を有する飽和又は不飽和脂肪族カルボン酸等であり、これらのカルボン酸はヒドロキシル基で置換されていてもよい。
【0017】
飽和脂肪族カルボン酸としては、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘニン酸、リグノセリン酸、セロチン酸、モンタン酸、メリシン酸、セロプラスチン酸が挙げられる。不飽和脂肪族カルボン酸は、ウンデシレン酸、オレイン酸、エライジン酸、セトレイン酸、エルカ酸、ブラシジン酸、ソルビン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸、プロピオール酸、ステアロール酸などが挙げられる。又、アルコキシドとして、上記金属のメトキシド、エトキシドなどが挙げられる。
【0018】
耐候(光)安定剤としては、(イ)ベンゾトリアゾール系物質、(ロ)シュウ酸アニリド系物質及び(ハ)ヒンダードアミン系物質が好ましい。
(イ)ベンゾトリアゾール系物質としては、例えば2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチル−フェニル)ベンゾトリアゾール、2−[2’−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチル−フェニル]ベンゾトリアゾール、2−[2’−ヒドロキシ−3,5−ジ−イソアミル−フェニル]ベンゾトリアゾール、2−[2’−ヒドロキシ−3,5−ビス−(α、α―ジメチルベンジル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−4’−オクトキシフェニル)ベンゾトリアゾール等が挙げられ、好ましくは2−[2’−ヒドロキシ−3,5−ビス−(α、α―ジメチルベンジル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール、2−[2’−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチル−フェニル]ベンゾトリアゾールである。
【0019】
(ロ)シュウ酸アニリド系物質としては、例えば、2−エトキシ−2’−エチルオキザリックアシッドビスアニリド、2−エトキシ−5−t−ブチル−2’―エチルオキザリックアシッドビスアニリド、2−エトキシ−3’−ドデシルオキザリックアシッドビスアニリド等が挙げられる。これらの物質はそれぞれ単独で用いても良いし、2種以上を組み合わせて用いても良い。
【0020】
(ハ)ヒンダードアミン系物質としては、4−アセトキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−ステアロイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−アクリロイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−(フェニルアセトキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン4−ベンゾイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−メトキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−ステアリルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−シクロヘキシルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−ベンジルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−フェノキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−(エチルカルバモイルオキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンである。
【0021】
また、4−(シクロヘキシルカルバモイルオキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−(フェニルカルバモイルオキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジン)−カーボネート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−オキサレート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−マロネート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−セバケート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−アジペート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−テレフタレート、1,2−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルオキシ)−エタン、α、α’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペ リジルオキシ)−p−キシレンである。
【0022】
さらに、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)トリレン−2,4−ジカルバメート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−ヘキサメチレン−1,6−ジカルバメート、トリス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−ベンゼン−1,3,5−トリカルボキシレート、トリス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−ベンゼン−1,3,4−トリカルボキシレート等が挙げられ、好ましくはビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−セバケートである。
【0023】
上記ヒンダードアミン系物質はそれぞれ単独で用いても良いし、2種以上を組み合わせて用いても良い。また上記ベンゾトリアゾール系物質およびシュウ酸アニリド系物質の少なくとも一種とヒンダードアミン系物質の組合せが最も好ましい。
【0024】
本発明の(B)成分に用いられるカーボンブラックは導電性カーボンブラックであり、粒子径が小さいかまたは表面積が大きく鎖状構造の発達したものである。好ましくは、粒子径が0.05μm以下のものが好ましい。また、DBP吸油量(ASTM D2415−65T)が200ml/100g以上のものがさらに好ましく、300ml/100g以上のものが特に好ましい。
具体的なカーボンブラックとしては、例えば、トーカブラック#4500〔DBP:230ml/100g〕、#3750〔DBP:245ml/100g〕(東海カーボン社製)、ケッチェンブラックEC〔DBP:350ml/100g〕、EC−DJ600〔DBP:480ml/100g〕(ライオンアクゾ社製)、プリンテックスXE2〔DBP:370ml/100g〕(デグッサ社製)などがある。また、2種以上のカーボンブラックを併用して用いても良い。
【0025】
カーボンブラックの添加量は、全量に対して5〜15重量%であり、好ましくは6〜12重量%である。5重量%に満たないと体積電気抵抗が200Ω・cm以下にならず、15重量%を越えるとポリオキシメチレン樹脂の熱安定性、衝撃性が著しく低下するので好ましくない。
該組成物において(C)成分に用いられる(C−1)ポリエーテルエステルアミドは、両末端にカルボキシル基を有するポリアミドとポリエーテルまたはビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物とからなるブロック共重合体である。
【0026】
両末端にカルボキシル基を有するポリアミドは(1)ラクタムの開環重合体、(2)アミノカルボン酸の重縮合体若しくは(3)ジカルボン酸とジアミンの重縮合体であり、(1)のラクタムとしてはカプロラクタム、エナントラクタム、ラウロラクタム、ウンデカノラクタム等が挙げられる。
(2)のアミノカルボン酸としてはω―アミノカプロン酸、ω―アミノエナント酸、ω−アミノカプリル酸、ω―アミノペルゴン酸、ω―アミノカプリン酸、11−アミノウンデカン酸、12−アミノドデカン酸等が挙げられる。(3)のジカルボン酸としてはアジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカンジ酸、ドデカンジ酸、イソフタル酸等が挙げられ、またジアミンとしてはヘキサメチレンジアミン、ヘプタメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、デカメチレンジアミン等が挙げられる。
【0027】
上記ポリアミド形成用モノマーとして例示したものは2種以上を併用しても良い。両末端にカルボキシル基を有するポリアミドは、炭素数4〜20の酸成分を分子量調整剤として使用し、これの存在下に上記ポリアミド形成モノマーを常法により開環重合あるいは重縮合させることによって得られる。
炭素数4〜20のジカルボン酸としてはコハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカンジ酸、ドデカンジ酸等の脂肪族ジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸、ジシクロヘキシル−4,4−ジカルボン酸等の脂肪族ジカルボン酸、3−スルホイソフタルナトリウム、3−スルホイソフタル酸カリウム等のイソフタル酸アルカリ金属塩である。かかるポリアミドの数平均分子量は、300〜15000、好ましくは500〜5000である。
【0028】
一方ポリエーテルブロック単位としては、(1)炭素数2〜4の開環されたアルキレンオキサイドを構成単位とするポリアルキレンオキサイドと(2)ビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物である。(1)炭素数2〜4の開環されたアルキレンオキサイドを構成単位とするポリアルキレンオキサイドは、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド、ポリ(1,2ブチレンオキサイド)、ポリ(1,4−ブチレンオキサイド)、ポリ(テトラメチレンオキサイド)またはこれらの混合物若しくは共重合体である。
【0029】
(2)ビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物はビスフェノールA(4,4’−ジヒドロキシジフェニル−2,2−プロパン)、ビスフェノールF(4,4’−ジヒドロキシジフェニルメタン)、ビスフェノールS(4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン)および4,4’−ジヒドロキシジフェニル−2,2−ブタン)等が挙げられ、このビスフェノール類にアルキレンオキサイドを付加させることにより得られる。またアルキレンオキサイドとしてはエチレンオキサイドが好ましく、他のアルキレンオキサイドを併用することも出来るが、他のアルキレンオキサイドはエチレンオキサイドの10重量%以下が好ましい。かかるポリエーテルまたはビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物ポリエーテルブロック単位の分子量は200〜8000、好ましくは500〜3000である。
【0030】
この(C−1)ポリエーテルエステルアミドの製法は、特公平2−57583号公報および特許2565846号公報明細書に示される方法で製造することが出来る。かくして得られるポリエーテルエステルアミド共重合体の分子量は、本発明の目的からは特に制限されないが、一般に1000〜50000、好ましくは10000から40000である。さらに、該共重合体中のラクタム成分またはポリアミド成分対ポリエーテル成分の構成比率は、15〜90重量%対85〜10重量%の範囲、望ましくは20〜80重量%対80〜20重量%である。ポリアミド成分が15%より少ないと酸変性オレフィン系樹脂との結合が不十分となり、ポリエーテルブロックが10重量%より少ないとポリオキシメチレン樹脂との界面接着強度が低下するため好ましくない。また、上記ポリエーテルエステルアミドは2種類以上を併用することは当然可能である。
【0031】
本発明の(C)成分に用いられる(C−2)酸変成ポリオレフィン系樹脂は、エチレン、プロピレン、ブテン−1、ペンテン−1、4−メチルペンテン−6−ヘキセン−1、ヘプテン−1、オクテン−1、ノネン−1、デセン−1、ウンデセン−1、ドデセン−1等のα―オレフィンの単独または共重合性単量体との共重合体(ランダム、ブロックまたはグラフト重合体)などが例示できる。
【0032】
前記共重合性単量体としては共役ジエン成分(ブタジエン、イソプレン、ピペリレンなど)、非共役ジエン(1,4−ヘキサジエン、シクロペンタジエン、5−エチリデンノルボルネン、2,5−ノルボナジエンなど)、(メタ)アクリル酸またはそのエステル誘導体(メタクリル酸メチルなど)、(メタ)アクリロニトリル、芳香族ビニル単量体(スチレン、α―メチルスチレン、ビニルトルエン、p−t−ブチルスチレンなど)、ビニルエーテル(ビニルメチルエーテルなど)、ビニルエステル(酢酸ビニルなど)であるオレフィン系樹脂を、α、β―不飽和カルボン酸(アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、ナジック酸)/またはその酸無水物で(必要により過酸化物を併用して)変性したものであり、各種のオレフィン類と酸無水物を共重合したものでも良い。
【0033】
前記、オレフィン系樹脂の酸変成率は通常0.01〜15重量%の範囲であり、0.1〜10重量%の範囲が好ましい。また、樹脂の組成、分子量および酸変成率の異なるものを2種以上併用することは当然有効であるし、未変性のオレフィン系樹脂に酸変性オレフィン系樹脂を混合したものを用いることも有効である。
この(C−1)ポリエーテルエステルアミドと(C−2)酸変成オレフィン系樹脂との割合は、(C−1)/(C−2)が10/90〜90/10重量%の範囲であり、好ましくは15/85〜85/15重量%の範囲である。(C−1)が10%未満では、酸変性オレフィン系樹脂の酸成分により押出時にポリオキシメチレン樹脂が分解したり、組成物した場合にも耐衝撃性が低下するなどの問題があり好ましくなく、(C−2)が10%未満ではポリオキシメチレン樹脂との相溶性が悪くなり分散粒径を保持できなくなるため好ましくない。
【0034】
また、 (C−1)ポリエーテルエステルアミドと(C−2)酸変成オレフィン系樹脂におけるアミド基と酸基の割合はアミド基量100モルに対して、酸基が80モル以下の割合であることが好ましく、さらに好ましくは60モル以下である。酸基が80モルを超えると、残存する酸基の量が増加するため、加工時にポリオキシメチレン樹脂が分解するため好ましくない。
【0035】
本発明の(D)成分に用いられるエポキシ化合物は、モノまたは多官能グリシジル誘導体、或いは不飽和結合をもつ化合物を酸化してエポキシ基を生じさせた化合物であることが好ましい。また、エポキシ化合物の他にエポキシ樹脂硬化性添加剤を添加することができる。エポキシ硬化性添加剤も本願(D)成分のエポキシ化合物に含まれる。エポキシ硬化性添加剤としては、塩基性チッ素化合物及び塩基性リン化合物が通常用いられるが、その他のエポキシ硬化作用(効果促進作用を含む)を持つ化合物もすべて使用できる。
【0036】
エポキシ化合物としては、例えば、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル、2−メチルオクチルグリシジルエーテル、ラウリルグリシジルエーテル、ステアリルグリシジルエーテル、ベヘニルグリシジルエーテル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル(エチレンオキシドのユニット;2〜30)、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、(プロピレンオキシドのユニット;2〜30)、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、グリセリンジグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ビスフェノールAジグリシジルエーテルである。
【0037】
また、水素添加ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ソルビタンモノエステルジグリシジルエーテル、ソルビタンモノエステルトリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールトリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールテトラグリシジルエーテル、ジグリセリントリグリシジルエーテル、ジグリセリンテトラグリシジルエーテル、クレゾールノボラックとエピクロルヒドリンとの縮合物(エポキシ等量;100〜400、軟化点;20〜150℃)、グリシジルメタクリレート、ヤシ脂肪酸グリシジルエステル、大豆脂肪酸グリシジルエステルなどが挙げられるがこれらに限定されることはない。
【0038】
エポキシ樹脂硬化性添加剤の具体的な化合物としては、イミダゾール及び1−ヒドロキシエチル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ヘプタデシルイミダゾール、1−ビニル−2−フェニルイミダゾールなどの置換イミダゾール、及びオクチルメチルアミン、ラウリルメチルアミンなどの脂肪族2級アミン、及びジフェニルアミン、ジトリルアミンなどの芳香族2級アミン、及びトリラウリルアミン、ジメチルオクチルアミン、ジメチルステアリルアミン、トリステアリルアミンなどの脂肪族3級アミン、及びトリトリルアミン、トリフェニルアミンなどの芳香族3級アミン、及びセチルモルホリン、オクチルモルホリン、P−メチルベンジルモルホリンなどのモルホリン化合物、及びジシアンジアミド、メラミン、尿素などへのアルキレンオキシド付加物(付加モル数1〜20モル)、トリフェニルホスフィン、メチルジフェニルホスフィン、トリトリルホスフィンなどのリン化合物などがあるがこれだけに限定されない。
これらのエポキシ化合物、エポキシ樹脂硬化性添加剤はそれぞれ単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、その配合量は全量に対し0.05〜10重量%であり、更に好ましい該配合量は1.0〜5.0重量%である。
【0039】
さらに本発明のポリオキシメチレン樹脂組成物は所望に応じて、本発明の目的を損なわない範囲で、従来ポリオキシメチレン樹脂で用いられる各種の添加剤、例えば、潤滑剤(アルコール、脂肪酸、アルコールと脂肪酸とのエステル、アルコールとジカルボン酸とのエステル、ポリオキシアルキレングリコール及び平均重合度が10〜500であるオレフィン化合物およびシリコーンオイル、シリコーンガム、ポリオレフィンにシリコーンガムを緩やかにグラフトしたポリオレフィングラフトシリコーンなどのシリコーン化合物)、各種無機充填剤(繊維状充填剤としては、ガラス繊維、アスベスト繊維、炭素繊維、シリカ繊維、シリカ・アルミナ繊維、ジルコニア繊維、窒化硼素繊維、窒化硅素繊維、硼素繊維、チタン酸カリウム繊維、さらにステンレス、アルミニウム、チタン、銅、真鍮、等の金属繊維等の無機質繊維があげられる。
【0040】
また、繊維長の短いチタン酸カリ、酸化亜鉛、酸化チタン等のウイスカーや針状ウォラストナイト(珪酸カルシウム)も含まれる。粉子状充填剤としては、シリカ、石英粉末、ガラスビーズ、ガラス粉、珪酸アルミニウム、カオリン、タルク、クレー、珪藻土、ネフェリンサイナイト、クリストバライト、ウォラストナイト(珪酸カルシウム)、酸化鉄、酸化チタン、アルミナ、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ドロマイト、リン酸カルシウム、ヒドロキシアパタイト、炭化珪素、窒化硅素、窒化硼素、各種金属粉末等があげられる。
【0041】
板状充填剤としてはマイカ、ガラスフレーク、各種金属箔があげられる。中空状充填剤としては、ガラスバルーン、シリカバルーン、シラスバルーン、金属バルーン等があげられ、これらの充填剤は1種又は2種以上を併用して使用することが可能である。また、これらの充填剤は表面処理されたもの、表面処理されていないもの、何れも使用可能であるが、成形品表面の平滑性、機械的特性の面から表面処理の施されたものの使用が好ましい場合がある。
【0042】
表面処理剤としては従来公知のものが使用可能である。例えば、シラン系、チタネート系、アルミニウム系、ジルコニウム系等の各種カップリング処理剤が使用できる。具体的にはN−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、イソプロピルトリスステアロイルチタネート、ジイソプロポキシアンモニウムエチルアセテート、n−ブチルジルコネート等が挙げられる。)、他の熱可塑性樹脂、柔軟剤、結晶核剤、離型剤、染料、顔料などを用いることが出来る。
【0043】
本発明の組成物の製造方法は一般的に使用されている溶融混練機を用いる事が出来る。溶融混練機としてはニーダー、ロールミル、単軸押出機、二軸押出機、多軸押出機等上げることが出来る。このときの加工温度は180〜240℃であることが好ましく、品質や作業環境の保持のためには不活性ガスによる置換や一段及び多段ベントで脱気することが好ましい。
本発明の用途としては、メンブレンスイッチ、キースイッチ、複写機ドラムフランジ、複写機ドラムギア、複写機チャージャー、電子ライター着火部材等の極めて低い接触電気抵抗の要求される部材である。
【0044】
【発明の実施の形態】
以下、実施例により本発明を具体的に説明する。はじめに、実施例および比較例で使用する成分の内容と評価方法を以下に示す。
使用成分の内容
(A)ポリオキシメチレン樹脂
TENAC−C 4520−1 (旭化成(株)製)
(B)導電性カーボン
ケッチェンブラックEC〔DBP:350ml/100g〕、EC−DJ600〔DBP:480ml/100g〕(ライオンアクゾ社製)。
【0045】
(C)ポリエーテルエステルアミドと酸変成オレフィン系樹脂
(C−1)ポリエーテルエステルアミド
3リットルのステンレス性オートクレーブに、ε―カプロラクタム105重量部、アジピン酸17.1重量部、酸化防止剤(イルガノックス1010、チバスペシャリティケミカルズ社製)0.3重量部および水6重量部を仕込み、窒素置換後、220℃で加圧密閉化4時間加熱撹拌し、両末端にカルボキシル基を有するポリアミドオリゴマーを117部得た。次に数平均分子量2,000のビスフェノールAエチレンオキサイド付加物225重量部および酢酸ジルコニル0.5重量部をくわえ、245℃、1mmHg以下の減圧下の条件で5時間重合し、粘ちょうなポリマーを得た。このポリマーをベルト上にストランド状に取り出し、ペレタイズして、ポリエーテルエステルアミドを得た。このものの相対粘度は2.2(0.5重量%、m−クレゾール溶液、25℃)であり、NMRによる共重合組成は以下の通りであった。
ε―カプロラクタムの残基             28.3重量部
ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物の残基  67.2重量部
アジピン酸の残基                  4.5重量部
(C−2)酸変成ポリオレフィン系樹脂
マレイン酸変成直鎖状低密度ポリエチレン(マレイン酸付加量が1.5重量%でメルトインデックス3.0g/10分(ASTM D−1238−57T)
【0046】
(D)エポキシ化合物、エポキシ樹脂硬化性添加剤
エポキシ樹脂としては、クレゾールノボラックとエピクロロヒドリンとの縮合物。エポキシ当量=350、軟化添=80℃。
エポキシ樹脂硬化性添加剤としては、トリフェニルホシフィンを用いた。
【0047】
評価方法
摺動性
実施例及び比較例で得られたペレットを80℃で3時間乾燥した後、シリンダー温度200℃に設定された5オンス射出成形機(東芝機械(株)製 IS−100E)を用いて、金型温度70℃、冷却時間30秒の条件下で、厚さ3mmの評価用試験片を成形した。この試験片を往復動摩擦摩耗試験機(東洋精密(株)製 AFT−15MS型)を用いて荷重1kg、線速度30mm/sec、往復距離20mmの条件で環境温度23℃で5000往復試験を行い、1回目と5000回目の摩擦係数を測定した。相手材料としては、ポリアセタール樹脂試験片(旭化成(株)製 テナック4520を用いて成形した直径5mmの円筒状で先端R=2.5mm)を用いた。
【0048】
物性評価
実施例及び比較例で得られたペレットを80℃で3時間乾燥した後、シリンダー温度200℃に設定された5オンス射出成形機(東芝機械(株)製 IS−100E)を用いて、金型温度70℃、冷却時間30秒の条件下で、厚さ3mmの物性評価用試験片を成形した。この試験片を温度23℃、湿度50%の恒温室で48時間放置した後、下記の試験を行った。
(1)引張強度、伸度;ASTM D638 に基づいて測定。
(2)アイゾット衝撃強度;ASTM D256に基づいて測定。
(3)繰返衝撃試験:アイゾット衝撃試験片を用いて40mm高さから荷重=160gまたは、260gを繰り返し落とし破断するまでの回数を測定する。
【0049】
体積抵抗値
実施例及び比較例で得られたペレットを80℃で3時間乾燥した後、シリンダー温度200℃に設定された5オンス射出成形機(東芝機械(株)製 IS−100E)を用いて、金型温度70℃、冷却時間30秒の条件下で、130×110×3mmの平板を成形した。この平板を温度23℃、湿度50%の恒温室で48時間放置した後、デジタル表面抵抗計(三菱化学製 ロレススタ)で測定した。
【0050】
以下実施例により本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらに限定
されるものではない
【0051】
【実施例1〜5】
(A)〜(D)成分を 表1の割合で、ブレンダーで均一にブレンドした後、200℃に設定されたL/D=30の30mm二軸押出機を用い、スクリュー回転数200rpm、10kg/hrで溶融混練を行った。押出された樹脂はストランドカッターでペレットとした。このペレットを用いて測定を行い、結果を表1に示した。なお、配合部数は重量部である。
【0052】
【比較例1〜5】
(A)〜(D)成分を 表1の割合で、実施例1と同様に実施した。
【0053】
【表1】
Figure 2004010803
【0054】
【発明の効果】
本発明の導電性ポリオキシメチレン樹脂組成物は優れた導電性能を保持しつつ衝撃性と摺動性に優れる。

Claims (3)

  1. ポリオキシメチレン樹脂(A)45〜94.45重量%、フタル酸ジブチル吸油量が200ml/100g以上のカーボンブラック(B)5〜15重量%、(C−1)ポリエーテルエステルアミドと(C−2)酸変性オレフィン系樹脂から成り、(C−1)/(C−2)の割合が10/90〜90/10重量%の範囲である樹脂(C)0.5〜30重量%、およびエポキシ化合物(D)0.05〜10重量%を配合してなるポリオキシメチレン樹脂組成物。
  2. カーボンブラック(B)が、フタル酸ジブチル吸油量が300ml/100g以上である請求項1に記載のポリオキシメチレン樹脂組成物。
  3. 樹脂(C)が、(C−1)ポリエーテルエステルアミドと(C−2)酸変性オレフィン系樹脂から成り、(C−1)/(C−2)の割合が15/85〜85/15重量%の範囲である請求項1に記載のポリオキシメチレン樹脂組成物。
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