JPH0967503A - ポリオキシメチレン樹脂組成物 - Google Patents

ポリオキシメチレン樹脂組成物

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JPH0967503A
JPH0967503A JP17723596A JP17723596A JPH0967503A JP H0967503 A JPH0967503 A JP H0967503A JP 17723596 A JP17723596 A JP 17723596A JP 17723596 A JP17723596 A JP 17723596A JP H0967503 A JPH0967503 A JP H0967503A
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光宏 堀尾
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 (A)ポリオキシメチレン樹脂及び
(B)ポリ−1,3−ジオキソランからなるポリオキシ
メチレン樹脂組成物。 【効果】 1.押出し成型時の成型品内部に発生する物
性上及び外観上好ましくない白化部分(周辺部と色調が
異なる部分)或いはミクロボイド等からなる巣部分が著
しく少ない成形品が得られる材料、 2.インサート成形やアウトサート成形で問題となる亀
裂、割れおよびクリープ破壊(インサート成形)や、成
型品の後収縮による気密性、密着性の悪化(アウトサー
ト成形)といった問題の解決された材料、 3.剛性や摺動性及び成形品の外観を大きく損なう事な
く、耐衝撃性を改良し、更に帯電防止性能を付与した材
料、を提供することができた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規な成形加工性
に優れたポリオキシメチレン樹脂組成物に関するもので
ある。さらに詳しくは、本発明の組成物は、丸棒や厚板
等において問題となるミクロボイドの発生を大幅に改良
したものであり、優れた耐衝撃性と帯電防止性能を有
し、更にインサート成形やアウトサート成形に要求され
る精密かつ優れた寸法安定性を有するポリオキシメチレ
ン樹脂組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、ポリオキシメチレン樹脂はバラン
スのとれた機械的性質と優れた成形性を有するエンジニ
アリング樹脂として、自動車部品、電子電気機器部品、
工業雑貨、玩具部品等として、広範な分野に用いられて
いる。これら部品等の中で、小型で大量に生産されるも
のは、主に射出成形により作られている。一方、大型の
部品あるいは個数が限定される部品については押出し成
形品を用い、得られた成型品にさらに切削等の二次加工
を施すのが一般的である。押出し成形で得られる成形品
の主なものとして、直径10〜200φ程度の棒状の成
型品(丸棒と称す)或いは厚さ10〜100mm程度の
シート状の成型品(厚物シートと称す)等が挙げられ
る。ポリオキシメチレン樹脂で押出し成形法により、こ
れらの成形品(丸棒、厚物シート)等を成形する場合、
本来有する成形性のみでは、充分に満足する成型品は得
られず、成形品内部に物性上及び外観上好ましくない白
化部分(周辺部と色相が異なる部分)或いはミクロボイ
ド等からなる巣部分が発生する。従って、この発生を少
なくする方法が望まれている。
【0003】そこで、この改良を目的として、特開平6
−212054号公報にはポリオキシメチレン樹脂と立
体障害フェノール類、ポリオレフィンまたはオレフィン
とビニル化合物のコポリマー、特定のポリアルキレング
リコール類及び特定のアミド化合物からなる組成物が開
示されており、巣および白化の改良効果は充分認められ
るものの、ポリアルキレングリコール類を使用するため
押出し加工速度がある程度以上上げられないといった問
題があり、巣および白化のさらなる改良が求められてい
る。
【0004】一方、家電製品や自動車部品には金属やセ
ラミック部材と接合成形するインサート成形やアウトサ
ート成形により製造された成形品が多く用いられてい
る。この用途には剛性、クリープ特性および摺動性の優
れたポリオキシメチレン樹脂が重用されている。しかし
ながら、ポリオキシメチレン樹脂は他の熱可塑性樹脂と
比べ成形収縮率が大きいため、亀裂、割れおよびクリー
プ破壊(インサート成形)や、成型品の後収縮による気
密性、密着性の悪化(アウトサート成形)といった問題
がある。更に、ポリオキシメチレン樹脂は耐衝撃性が低
く、このため耐衝撃性を要求される用途にはその使用が
制限されている。この対策としてポリウレタンを添加す
る方法が一般的に行われているが、この方法はポリオキ
シメチレン樹脂の特徴である剛性や摺動性及び成形品の
外観を大きく損なうという欠点がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
事情のもとで、押出し成形時に成形品内部に物性上及び
外観上好ましくない白化部分(周辺部と色相が異なる部
分)或いはミクロボイド等からなる巣部分が少なく、か
つ生産性に優れたポリオキシメチレン樹脂組成物の提供
する事にある。また、インサート成形やアウトサート成
形で問題となる亀裂、割れおよびクリープ破壊(インサ
ート成形)や、成型品の後収縮による気密性、密着性の
悪化(アウトサート成形)といった問題や剛性、摺動性
及び成形品の外観を大きく損なうことなく耐衝撃性を改
良することを目的としてなされたものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記目的
を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、(A)ポリオキシ
メチレン樹脂及び(B)ポリ−1,3−ジオキソランか
らなるポリオキシメチレン樹脂組成物が押出し成型時に
成型品内部に物性上及び外観上好ましくない白化部分
(周辺部と色相が異なる部分)或いはミクロボイド等か
らなる巣部分が少なく、かつ生産性に優れることを見い
だした。また、この材料はインサート成形やアウトサー
ト成形で問題となる亀裂、割れおよびクリープ破壊(イ
ンサート成形)や、成型品の後収縮による気密性、密着
性の悪化(アウトサート成形)といった問題や剛性、摺
動性及び成形品の外観を大きく損なうことなく耐衝撃性
を改良することができ、更に帯電防止性能を付与するこ
とを合わせて見いだした。以上の如き知見に基づいて本
発明を完成するに至った。以下、本発明を詳細に説明す
る。
【0007】本発明において(A)成分として用いられ
るポリオキシメチレン樹脂は、ホルムアルデヒドの単量
体またはその3量体(トリオキサン)や4量体(テトラ
オキサン)などの環状オリゴマーを重合し重合体の両末
端をエーテル、エステル結合などで封鎖されたホモポリ
マーをはじめ、前記、トリオキサンやテトラオキサンと
エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、1、3−
ジオキソラン、グリコールのホルマール、ジグリコール
のホルマールなどの環状エーテルとを共重合させて得ら
れた炭素数2〜8のオキシアルキレン単位0.1〜20
重量%含有するオキシメチレンコポリマーやさらに分岐
状分子鎖を有するもの、オキシメチレン単位からなるセ
グメント50重量%以上と異種成分セグメント50重量
%以下とを含有するオキシメチレンブロックコポリマー
から選ばれた少なくとも1種である。
【0008】本発明で用いるポリオキシメチレンの溶融
指数MI(ASTM−D1238−57Tの条件で測
定)は0.1〜150g/10分、好ましくは1〜10
0g/10分の範囲である。また、コポリマータイプの
ポリオキシメチレンにおいては、コモノマーの挿入量
は、オキシメチレン100molに対して0.1〜20
mol、好ましくは0.3〜10molの範囲である。
【0009】本発明組成物において、(B)成分として
用いられるポリ−1,3−ジオキソランは1,3−ジオ
キソランをヘテロポリ酸およびヘテロポリ酸とカルボニ
ル化合物を重合触媒として重合し、得られた重合反応生
成物を有機アミン及び/又はアンモニアで中和すること
により得られる。具体的には国際公開番号WO95/0
4099号公報に開示された方法で製造することができ
る。なお、1,3−ジオキソランには、得られるポリジ
オキソランの物性を低下させない範囲で他の環状化合
物、例えば、2−メチル−1,3−ジオキソラン、4−
メチル−1,3−ジオキソラン、4−エチル−1,3−
ジオキソラン、2−フェニル−1,3−ジオキソラン、
スチレン、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エ
ステル、エチレン、プロピレンから選ばれた少なくとも
1種の不飽和炭化水素、トリオキサン、エチレンオキサ
イド、プロピレンオキサイド、テトラヒドロフラン、
1,3,6−トリオキソカン、1,3−ジオキセパンか
ら選ばれた少なくとも1種の環状エーテル類、γ−プチ
ロラクトン、グリコリド、ラクチド、ε−カプロラクト
ン、ε−カプロラクタムから選ばれた少なくとも1種の
ラクトン又はラクタムなどをを加えても良し、これらを
2種以上併用してもよい。
【0010】本発明における(A)ポリオキシメチレン
樹脂と(B)ポリ−1,3−ジオキソランの配合割合は
(A)成分30〜99.95重量部に対して(B)成分
70〜0.05重量部の範囲であり、さらに好ましくは
(A)成分40〜99.9重量部に対して(B)成分6
0〜0.1重量部の範囲である。(A)成分が30重量
部より少ないと耐衝撃性が低下し、かつ剛性が低下する
ため好ましくなく、また、(B)成分が0.05重量部
より少ないと押出成形における改良効果が不十分である
ため好ましくない。
【0011】本発明のポリオキシメチレン組成物は、従
来のポリオキシメチレンに使用されている周知の酸化防
止剤、ホルムアルデヒド反応性窒素を含む重合体又は化
合物、ギ酸捕捉剤、耐候(光)剤、、離型(潤滑)剤、
繊維状や粒状の充填材、染顔料、核剤等を単独またはこ
れらの組み合わせて使用しても良い。なかでも、次にあ
げる酸化防止剤、ホルムアルデヒド反応性窒素を含む重
合体又は化合物および/あるいはギ酸捕捉剤の併用は本
願の目的とするポリオキシメチレン樹脂組成物の熱安定
性の向上に効果がある。また、その次にあげる耐候
(光)剤の併用使用も本願の目的とするポリオキシメチ
レン樹脂組成物の耐候(光)性の向上に効果がある。
【0012】酸化防止剤としては、n−オクタデシル−
3−(3’5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフ
ェニル)−プロピオネート、n−オクタデシル−3−
(3’−メチル−5’−t−ブチル−4’−ヒドロキシ
フェニル)−プロピオネート、n−テトラデシル−3−
(3’5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニ
ル)−プロピオネート、1,6−ヘキサンジオール−ビ
ス−(3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ
フェニル)−プロピオネート)、1,4−ブタンジオー
ル−ビス−(3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒド
ロキシフェニル)−プロピオネート)、トリエチレング
リコール−ビス−(3−(3−t−ブチル−5−メチル
−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート)、テト
ラキス−(メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチ
ル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネートメタ
ン、3,9−ビス(2−(3−(3−t−ブチル−4−
ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキ
シ)−1,1−ジメチルエチル)2,4,8,10−テ
トラオキサスピロ(5,5)ウンデカン、N,N’−ビ
ス−3−(3’5’−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ
フェノール)プリピオニルヘキサメチレンジアミン、
N,N’−テトラメチレンビス−3−(3’−メチル−
5’−t−ブチル−4−ヒドロキシフェノール)プロピ
オニルジアミン、
【0013】N,N’−ビス−(3−(3,5−ジ−t
−ブチル−4−ヒドロキシフェノール)プロピオニル)
ヒドラジン、N−サリチロイル−N’−サリチリデンヒ
ドラジン、3−(Nーサリチロイル)アミノ−1,2,
4−トリアゾール、N,N’−ビス(2−(3−(3,
5−ジ−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニ
ルオキシ)エチル)オキシアミドなどが挙げられる。こ
れらの酸化防止剤は1種類で用いても良いし、2種類以
上を組み合わせて用いても良く何等制限するものではな
い。
【0014】ホルムアルデヒド反応性窒素を含む重合体
又は化合物としては、以下のものが挙げられる。 (イ)ポリアミド樹脂が挙げられ、ポリアミドとして
は、ナイロン4,6、ナイロン6、ナイロン6,6、ナ
イロン6,10、ナイロン6,12、ナイロン12等及
びこれらの共重合体、例えば、ナイロン6/6,6/
6,10、ナイロン6/6,12等が挙げられる。これ
らのポリアミドは1種で用いても良いし、2種以上を組
み合わせて用いても良く何等制限するものではない。
【0015】(ロ)アクリルアミド及びその誘導体、ア
クリルアミド及びその誘導体と他のビニルモノマーとを
金属アルコラートの存在下で重合して得られるポリーβ
ーアラニン共重合体が挙げられ、ポリーβーアラニン共
重合体は、特開昭63−1183328号公報、特開平
3−234729号公報に記載された方法により製造で
きる。 (ハ)アクリルアミド及びその誘導体又はアクリルアミ
ド及びその誘導体と他のビニルモノマーとをラジカル重
合触媒の存在下で重合して得られる重合体も挙げられ、
これら重合体は特開平3−28260号公報記載の方法
により製造できる。
【0016】(ニ)アミド化合物が挙げられれ、アミド
化合物の例としては、脂肪族モノカルボン酸、ジカルボ
ン酸又は芳香族モノカルボン酸、ジカルボン酸と脂肪族
モノアミン、ジアミン、又は芳香族モノアミン、ジアミ
ンとから生成される。具体的には、ステアリルステアリ
ン酸アミド、ステアリルオレイン酸アミド、エチレンジ
アミン−ジステアリン酸アミド、ヘキサメチレンジアミ
ン−ジステアリン酸アミド、エチレンジアミン−ジオレ
イン酸アミド、エチレンジアミン−ジエルカ酸アミド、
キシリレンジアミン−エルカ酸アミド、ジ(キシリレン
ジアミン−ステアリン酸アミド)、セバシン酸アミドが
挙げられる。
【0017】これらの中ではナイロン6−6、粒径が1
0ミクロン以下、好ましくは6ミクロン以下の(ロ)記
載のポリ−β−アラニン共重合体、粒径が10ミクロン
以下好ましくは5ミクロン以下の(ハ)記載のポリアク
リルアミド及びエチレンジアミン−ジステアリン酸アミ
ドが好ましい。ギ酸捕捉剤としては、(イ)アミノ置換
トリアジン、(ロ)アミノ置換トリアジンとホルムアル
デヒドとの共縮合物、(ハ)アルカリ金属またはアルカ
リ土類金属の水酸化物、無期塩類、カルボン酸またはア
ルコキシド等があげられる。
【0018】(イ)アミノ置換トリアジンとしては、例
えば、グアナミン、メラミン、N−ブチルメラミン、N
−フェニルメラミン、N,N’−ジフェニルメラミン、
N,N−ジアリルメラミン、N,N’,N’’−トリフ
ェニルメラミン、N−メチロールメラミン、N,N’−
ジメチロールメラミン、N,N’,N’’−トリメチロ
ールメラミン、ベンゾグアナミン、2,4−ジアミノ−
6−メチル−sym−トリアジン、2,4−ジアミノ−
6−ブチル−sym−トリアジン、2,4−ジアミノ−
6−ベンジルオキシ−sym−トリアジン、2,4−ジ
アミノ−6−ブトキシ−sym−トリアジン、2,4−
ジアミノ−6−シクロヘキシル−sym−トリアジン、
2,4−ジアミノ−6−クロロ−sym−トリアジン、
2,4−ジアミノ−6−メルカプト−sym−トリアジ
ン、2,4−ジアミノ−6−アミノ−sym−トリアジ
ン(アメライト)、2−オキシ−4,6−ジアミノ−s
ym−トリアジン(アメリン)、N,N’,N’’−テ
トラシアノエチルベンゾグアナミン等がある。これらア
ミノ置換トリアジンのなかでも、メラミン、メチロール
メラミンが好ましい。 (ロ)アミノ置換トリアジンとホルムアルデヒドとの共
縮合物としては、例えば、メラミン−ホルムアルデヒド
重縮合物等である。
【0019】(ハ)アルカリ金属またはアルカリ土類金
属の水酸化物、無機塩類、カルボン酸塩またはアルコキ
シドとしては、例えば、ナトリウム、カリウム、マグネ
シウム、カルシウムもしくはバリウムなどの水酸化物、
上記金属の炭酸塩、リン酸塩、珪酸塩、硼酸塩、カルボ
ン酸塩があげられる。該カルボン酸塩のカルボン酸は1
0〜36個の炭素原子を有する飽和もしくは不飽和脂肪
族カルボン酸等であり、これらのカルボン酸はヒドロキ
シル基で置換されていても良い。飽和脂肪族カルボン酸
としてはカプリン酸、ラウリン酸、ミリスチル酸、パル
ミチン酸、ステアリン酸、アラキジン、ベヘニン酸、リ
グノセリン酸、セロチン酸、モンタン酸、メリシン酸、
セロプラスチン酸が挙げられる。不飽和脂肪族カルボン
酸はウンデシレン酸、オレイン酸、エライジン酸、セト
レイン酸、エルカ酸、ブラシジン酸、ソルビン酸、リノ
ール酸、アラルギン酸、プロピオール酸、ステアロール
酸などが挙げられる。又、アルコキシドとして、上記金
属のメトキシド、エトキシドなどが挙げられる。 これ
らギ酸捕捉剤のなかで、メラミン、メラミン−ホルムア
ルデヒド重縮合物、ラウリン酸カルシウム、アテアリン
酸カルシウム、ベヘニン酸カルシウムが好ましい。
【0020】耐候(光)安定剤としては、ベンゾトリア
ゾール系若しくは蓚酸アニリド系紫外線吸収剤とヒンダ
ードアミン系光安定剤が好ましい。ベンゾトリアゾール
系紫外線吸収剤としては、例えば、2−(2’−ヒドロ
キシ−5’−メチル−フェニル)ベンゾトリアゾール、
2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチル
−フェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロ
キシ−3’,5’−ジ−イソアミル−フェニル)ベンゾ
トリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−
ビス−(α,α−ジメチルベンジル)フェニル)ベンゾ
トリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−4’−オクト
キシフェニル)ベンゾトリアゾール等が挙げられる。
【0021】一方、シュウ酸アニリド系紫外線吸収剤と
しては、例えば、2−エトキシ−2’−エチルオキザリ
ックアシッドビスアニリド、2−エトキシ−5−t−ブ
チル−2’−エチルオキザリックアシッドビスアニリ
ド、2−エトキシ−3’−ドデシルオキザリックアシッ
ドビスアニリド等が挙げられる。これらの紫外線吸収剤
はそれぞれ単独で用いても良いし、2種以上を組み合わ
せて用いても良い。
【0022】ヒンダードアミン系光安定剤としては、4
−アセトキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジ
ン、4−ステアロイルオキシ−2,2,6,6−テトラ
メチルピペリジン、4−アクリロイルオキシ−2,2,
6,6−テトラメチルピペリジン、4−(フェニルアセ
トキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン4
−ベンゾイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピ
ペリジン、4−メトキシ−2,2,6,6−テトラメチ
ルピペリジン、4−ステアリルオキシ−2,26,6−
テトラメチルピペリジン、4−シクロヘキシルオキシ−
2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−ベンジ
ルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、
4−フェノキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリ
ジン、
【0023】4−(エチルカルバモイルオキシ)−2,
2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−(シクロヘ
キシルカルバモイルオキシ)−2,2,6,6−テトラ
メチルピペリジン、4−(フェニルカルバモイルオキ
シ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、ビス
(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジン)−
カーボネート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−
4−ピペリジル)−オキサレート、ビス(2,2,6,
6−テトラメチル−4−ピペリジル)−マロネート、ビ
ス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)
−セバケート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−
4−ピペリジル)−アジペート、ビス(2,2,6,6
−テトラメチル−4−ピペリジル)−テレフタレート、
1,2−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピ
ペリジルオキシ)−エタン、 α,α’−ビス(2,
2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルオキシ)−
p−キシレン、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−
4−ピペリジル)トリレン−2,4−ジカルバメート、
【0024】ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4
−ピペリジル)−ヘキサメチレン−1,6−ジカルバメ
ート、トリス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピ
ペリジル)−ベンゼン−1,3,5−トリカルボキシレ
ート、トリス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピ
ペリジル)−ベンゼン−1,3,4−トリカルボキシレ
ート、1−(2−(3−(3,5−ジ−t−ブチル−4
−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ)エチル)
−4−(3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキ
シフェニル)プロピオニルオキシ)2,2,6,6−テ
トラメチルピペリジン、1,2,3,4−ブタンテトラ
カルボン酸と1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−
ピペリジノールとβ,β,β’,β’−テトラメチル−
3,9−(2,4,8,10−テトラオキサスピロ
(5,5)ウンデカン)ジエタノールとの縮合物等が挙
げられる。上記ヒンダードアミン系光安定剤はそれぞれ
単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いて
もよい。また紫外線吸収剤と組み合わせて用いてもよ
い。
【0025】離型(潤滑)剤としては、脂肪酸エステ
ル、ポリアルキレングリコール、アミド基を有する脂肪
族化合物から選ばれる1種以上である。脂肪酸エステル
としては、多価アルコールと脂肪酸からなる脂肪酸エス
テル化合物で、好ましくは10以上の炭素原子を含有す
る少なくとも1種の飽和または不飽和脂肪酸と2〜6個
の炭素原子を含有する多価アルコールから誘導されたも
のである。
【0026】脂肪酸エステル化合物を調整するのに使用
する多価アルコールとしては、エチレングリコール、ジ
エチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピ
レングリコールジプロピレングリコール、ブタンジオー
ル、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、グリセリ
ン、ジグリセリン、トリグリセリン、トレイトール、エ
リスリトール、ペンタエリスリトール、アラビトール、
リビトール、キシリトール、ソルバイト、ソルビタン、
ソルビトール、マンニトールの中から選ばれた1種以上
である。
【0027】又、脂肪酸としては、カプリン酸、ラウリ
ン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、1
2−ヒドロキシステアリン酸、アラギン酸、ベヘニン
酸、リグノセリン酸、セロチン酸、モンタン酸、メリシ
ン酸、セロプラスチン酸が挙げられる。不飽和脂肪族カ
ルボン酸は、ウンデシレン酸、オレイン酸、エライジン
酸、セトレイン酸、エルカ酸、ブラシジン酸、ソルビン
酸リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸、プロピオー
ル酸、ステアロール酸及びかかる成分を含有してなる天
然に存在する脂肪酸またはこれらの混合物等が挙げられ
る。これらの脂肪酸はヒドロキシ基で置換されていても
よい。上記脂肪酸エステル化合物の内、好ましくはパル
ミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、モンタン酸から選
ばれた脂肪酸とグリセリン、ペンタエリスリトール、ソ
ルビタン、ソルビトールから選ばれた多価アルコールと
から誘導された脂肪酸エステルである。これらの脂肪酸
エステル化合物の水酸基は有っても良いし、無くても良
い。何等制限するものではない。例えば、モノエステル
であってもジエステル、トリエステルで有っても良い。
またほう酸等で水酸基が封鎖されていても良い。
【0028】好ましい脂肪酸エステル化合物を例示する
と、グリセリンモノパルミテート、グリセリンジパルミ
テート、グリセリントリパルミテート、グリセリンモノ
ステアレート、グリセリンジステアレート、グリセリン
トリステアレート、グリセリンモノベヘネート、グリセ
リンジベヘネート、グリセリントリベヘネート、グリセ
リンモノモンタネート、グリセリンジモンタネート、グ
リセリントリモンタネート、ペンタエリスリトールモノ
パルミテート、ペンタエリスリトールジパルミテート、
ペンタエリスリトールトリパルミテート、ペンタエリス
リトールテトラパルミテート、ペンタエリスリトールモ
ノステアレート、ペンタエリスリトールジステアレー
ト、ペンタエリスリトールトリステアレート、ペンタエ
リスリトールテトラステアレート、ペンタエリスリトー
ルモノベヘネート、
【0029】ペンタエリスリトールジベヘネート、ペン
タエリスリトールトリベヘネート、ペンタエリスリトー
ルテトラベヘネート、ペンタエリスリトールモノモンタ
ネート、ペンタエリスリトールジモンタネート、ペンタ
エリスリトールトリモンタネート、ペンタエリスリトー
ルテトラモンタネート、ソルビタンモノパルミテート、
ソルビタンジパルミテート、ソルビタントリパルミテー
ト、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンジステア
レート、ソルビタントリステアレート、ソルビタンモノ
ベヘネート、ソルビタンジベヘネート、ソルビタントリ
ベヘネート、ソルビタンモノモンタネート、ソルビタン
ジモンタネート、ソルビタントリモンタネート、ソルビ
トールモノパルミテート、ソルビトールジパルミテー
ト、ソルビトールトリパルミテート、ソルビトールモノ
ステアレート、ソルビトールジステアレート、ソルビト
ールトリステアレート、ソルビトールモノベヘネート、
ソルビトールジベヘネート、ソルビトールトリベヘネー
トソルビトールモノモンタネート、ソルビトールジモン
タネート、ソルビトールトリモンタネートである。
【0030】また、ほう酸等で水酸基を封鎖した脂肪族
エステル化合物としては、グリセリンモノ脂肪酸エステ
ルのほう酸エステル(特開昭49−60762号公報)
がある。これらの脂肪酸エステル化合物はそれぞれ単独
で用いても良いし、2種以上の混合物であっても良い。
ポリアルキレングリコールとしては、例えば、第一グル
ープとして、アルキレングリコールをモノマーとする重
縮合物が挙げられる。例えば、ポリエチレングリコー
ル、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコー
ルポリプロピレングリコールブロックポリマー等が挙げ
られる。これらの重合モル数の好ましい範囲は5〜10
00、より好ましい範囲は10〜500である。
【0031】第二のグループは、第一のグループと脂肪
族アルコールとのエーテル化合物であり、例えば、ポリ
エチレングリコールオレイルエーテル(エチレンオキサ
イド重合モル数5〜50)、ポリエチレングリコールセ
チルエーテル(エチレンオキサイド重合モル数5〜2
0)、ポリエチレングリコールステアリルエーテル(エ
チレンオキサイド重合モル数5〜30)、ポリエチレン
グリコールラウリルエーテル(エチレンオキサイド重合
モル数5〜30)、ポリエチレングリコールドデシルエ
ーテル(エチレンオキサイド重合モル数5〜30)、ポ
リエチレングリコールノニルフェニルエーテル(エチレ
ンオキサイド重合モル数2〜100)、ポリエチレング
リコールオクチルフェニルエーテル(エチレンオキサイ
ド重合モル数4〜50)等が挙げられる。
【0032】第三のグループは第一のグループと高級脂
肪酸とのエステル化合物であり、例えば、ポリエチレン
グリコールモノラウレート(エチレンオキサイド重合モ
ル数2〜30)、ポリエチレングリコールモノステアレ
ート(エチレンオキサイド重合モル数2〜50)、ポリ
エチレングリコールモノオレート(エチレンオキサイド
重合モル数2〜10)等が挙げられる。これらのポリア
ルキレングリコールの中では第一のグループがより好ま
しい。アミド基を有する脂肪族化合物としては、エチレ
ンビスステアロアミド、エチレンビスラウリルアミド、
エチレンビスオレイルアミド及びエチレンビスエルカ酸
アミドが挙げられる。
【0033】また、繊維状や粒状の充填材及び顔料も添
加できる。例えば充填材としては繊維状、粒状の無機
物、有機物、具体的にはガラス繊維、セラミック繊維、
炭素繊維、ステンレス繊維、ボロン繊維、ケプラー繊
維、炭化ケイ素繊維などの繊維状の充填剤であり、ウオ
ラストナイト、マイカ、アスベスト、タルク、アルミ
ナ、酸化チタン、酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、
炭酸マグネシウム、ガラスビーズ、窒化ホウ素、炭化ケ
イ素などの粒状充填材である。また、顔料としては酸化
チタン、酸化亜鉛、硫化亜鉛、カーボンブラック、アセ
チレンブラック、酸化鉄等の顔料である。これらの充填
材、顔料は1種以上用いてもよいし、また2種以上を組
み合わせて用いてもよく、何等制限する物ではない。
【0034】これらの添加剤、充填材、顔料の添加形態
は、本願の熱可塑性樹脂用添加剤と熱可塑性樹脂を溶融
混練したあと添加するか、もしくは同時に溶融混練する
か、いずれの方法でもよい。本願の組成物は通常使われ
ている溶融混練機を用いて使用するポリオキシメチレン
樹脂の融点以上の温度で溶融混練しペレタイズすること
ができる。溶融混練機としては、ニーダー、ロールミ
ル、単軸押出機、二軸押出機、多軸押出機をあげること
ができるが単軸押出機、二軸押出機が好ましい。
【0035】
【実施例】次に実施例により、本発明をさらに詳細に説
明するが、本発明はこれらの例によってなんら限定され
るものではない。尚、実施例および比較例で使用する成
分の内容と、評価方法を以下に示す。 [使用成分の内容] A.ポリオキシメチレン樹脂 A−1; ポリオキシメチレンコポリマー(MI:2.
5g/10分、mp:163℃) A−2; ポリオキシメチレンホモポリマー(MI:
2.0g/10分、mp:175℃) A−3; ポリオキシメチレンコポリマー(MI:9.
0g/10分、mp:163℃) A−4; ポリオキシメチレンホモポリマー(MI:1
0.0g/10分、mp:175℃) MI;メルトインデックス(ASTM D−1238−
57T E条件で測定した値)
【0036】B.ポリ−1,3−ジオキソラン B−1; 国際公開番号WO95/04099号公報に
記載の方法で製造した、ゲルパーメーションクロマトグ
ラフィーで測定したポリスチレン換算の数平均分子量約
1万のポリ−1,3−ジオキソラン。 B−2; 同、ゲルパーメーションクロマトグラフィー
で測定したポリスチレン換算の数平均分子量約10万の
ポリ−1,3−ジオキソラン。 B−3; 同、ゲルパーメーションクロマトグラフィー
で測定したポリスチレン換算の数平均分子量約20万の
ポリ−1,3−ジオキソラン。
【0037】C.ヒンダードフェノール C−1; チバガイギー社製、イルガノックス245
(商品名) C−2; チバガイギー社製、イルガノックス1010
(商品名) D.ギ酸捕捉剤、ホルムアルデヒド反応性窒素を含有す
る化合物 D−1; メラミン〔日産化学(株)製〕 D−2; ポリ−β−アラニン共重合体(特開平3−2
34729号公報記載の方法で製造、平均粒子径2.5
ミクロン)
【0038】[評価方法] 1.結晶化時間の測定方法 (1)試料の調整 ベースポリマーと組成物はペレットを用い、成型品は東
芝機械IS−80Aを用い、シリンダー温度200℃、
金型温度70℃、成形サイクル40秒で成形した成型品
を試料として用いて測定した。 (2)測定方法 ペレットの結晶化時間をパーキンエルマー社製のDif
ferentialScanning Calorim
eter(DSC−2C)を用いて測定した。測定条件
を以下に示す。
【0039】(a)測定サンプルを試料台に乗せ、温度
を50℃に設定した。 (b)昇温速度320℃/minで200℃まで上げ
た。 (c)この温度でホモポリマーの場合は1分間、コポリ
マーの場合は2分間ホールドさせた。 (d)その後、降温速度80℃/minでホモポリマー
を用いた場合は156℃まで、コポリマーを用いた場合
は150℃まで温度を下げ、その温度でホールドさせ
た。 (e)(d)の所定温度に下がった時点から結晶による
発熱ピークの頂点までの時間を測定し、この時間を結晶
化時間とした。
【0040】2.押出し成形性の評価方法 ペレットを80℃で3時間乾燥した後、下記のシリンダ
ー温度に設定されたL/D=25の単軸押出機を用い、
スクリュー回転数20rpm、吐出速度5kg/Hrの
条件で温度30℃に設定された長さ1m、径140φの
金型内に流し込み、樹脂圧7〜9Kg/cm2 の条件で
丸棒状の成型品2.5mを得た。この成型品の先端から
1.5mのところで厚さ1.5cmの円盤状のサンプル
を切り出し、中心部の巣径のサイズを測定するととも
に、その周辺部に広がる白化部分の有無を目視で観察し
た。 ホモポリマー コポリマー シリンダー温度(℃) 200 180
【0041】3.インサート、アウトサート成形品評価
方法 (1)金属部分と樹脂部品固着度合 射出成型機にて図1に概略図で示すインサート成型品及
び図2に概略図で示すアウトサート成型品を成形した。
得られた成形品を温度23℃、相対湿度50%の条件で
48Hrs放置した後、下記基準で判定した。 ○;金属部と樹脂部品間に殆ど隙間がなく、樹脂部品の
がたつきがないもの。 ×;金属部と樹脂部品間に隙間がみられ、樹脂部品のが
たつきがみられるもの。
【0042】(2)ヒートショック試験後 ヒートショック試験は成型品を120℃で1時間加熱し
た後、直ちに−40℃の雰囲気に成型品を移して1時間
冷却する試験であり、加熱冷却を1サイクルとして、1
00サイクルの試験を行った。評価の基準は(1)と同
基準で行った。 (3)インサートまたはアウトサート部分の衝撃試験 インサート金具およびアウトサート樹脂部分へデュポン
式ダート試験機を用いて、0.5kgの荷重を20cm
の高さから落下させ破壊試験を行った。テスト結果は試
験片10個中の破壊枚数で表した。
【0043】4.物性評価方法 (1)アイゾット衝撃強さ ASTM D256に基づき、温度23℃、ノッチ有り
にて測定。 (2)引張強度、伸度 ASTM D638に基づいて測定。 (3)曲げ強度、曲げ弾性率 ASTM D790に基づいて測定。
【0044】(4)帯電半減期 Static Honestmeter〔シシド静電気
(株)製:商品名)を用いて、以下の条件で測定した。 ・帯電圧 5kv×60sec ・距離 12mm ・試験片サイズ 40×40×3mm (5)表面外観 目視で判定した。
【0045】(実施例1)ポリオキシメチレン樹脂(A
−1)100重量部、ポリ−1,3−ジオキソラン(B
−1)0.2重量部および安定剤としてヒンダードフェ
ノール(C−1)0.3重量部、メラミン(D−1)
0.05重量部をヘンシェルミキサーを用いてブレンド
後、PCM−30二軸押出機を用いてシリンダー温度2
00℃、吐出量10kg/Hrで押出混練を行いペレッ
トを得た。次にこのペレットを用いて、前記した方法に
従って、結晶化時間及び押出し成形評価を行った。結果
を表1に示す。
【0046】(実施例2〜8)ポリオキシメチレン樹
脂、ポリ−1,3−ジオキソランおよび安定剤を表1に
示すものと量に変更した以外は実施例1と同様に評価を
行った。結果を表1に示す。 (比較例1)実施例1のポリ−1,3−ジオキソランを
添加しない以外は実施例1と同様に評価を行った。結果
を表1に示す。 (比較例2)実施例5のポリ−1,3−ジオキソランを
添加しない以外は実施例5と同様に評価を行った。結果
を表1に示す。
【0047】(実施例9)ポリオキシメチレン樹脂(A
−3)100重量部、ポリ−1,3−ジオキソラン(B
−1)3重量部および安定剤としてヒンダードフェノー
ル(C−1)0.3重量部、メラミン(D−1)0.0
5重量部をヘンシェルミキサーを用いてブレンド後、P
CM−30二軸押出機を用いてシリンダー温度200
℃、吐出量10kg/Hrで押出混練を行いペレットを
得た。次にこのペレットを用いて、前記した方法に従っ
て、結晶化時間及びインサート、アウトサート評価を行
った。結果を表2に示す。
【0048】(実施例10〜12)ポリオキシメチレン
樹脂、ポリ−1,3−ジオキソランおよび安定剤を表2
に示すものと量に変更した以外は実施例9と同様に評価
を行った。結果を表2に示す。 (比較例3)実施例9のポリ−1,3−ジオキソランを
添加しない以外は実施例9と同様に評価を行った。結果
を表2に示す。 (比較例4)実施例11のポリ−1,3−ジオキソラン
を添加しない以外は実施例11と同様に評価を行った。
結果を表2に示す。
【0049】(実施例13)ポリオキシメチレン樹脂
(A−1)99重量部、ポリ−1,3−ジオキソラン
(B−1)1重量部および安定剤としてヒンダードフェ
ノール(C−2)0.3重量部、ポリ−β−アラニン
(D−2)0.2重量部をヘンシェルミキサーを用いて
ブレンド後、PCM−30二軸押出機を用いてシリンダ
ー温度200℃、吐出量10kg/Hrで押出混練を行
いペレットを得た。得られたペレットを80℃で5時間
乾燥後、200℃に温度調整された1S−80AM射出
成形機(東芝機械(株)製)を用いて物性測定用の試験
片を得た。この試験片を用いて各種の評価を行った。結
果を表3に示す。
【0050】(実施例14〜17、比較例5、6)ポリ
オキシメチレン樹脂(A−1)、ポリ−1,3−ジオキ
ソラン(B−1)の比率を表3に示す量に変更する以外
は実施例13と同様に評価を行った。結果を表3に示
す。 (実施例18、19)ポリ−1,3−ジオキソラン(B
−1)を(B−2)に変える以外は実施例14、15と
同様に評価を行った。結果を表4に示す。
【0051】(実施例20)ポリオキシメチレン樹脂
(A−2)99重量部、ポリ−1,3−ジオキソラン
(B−1)1重量部および安定剤としてヒンダードフェ
ノール(C−2)0.3重量部、メラミン(D−1)
0.1重量部をヘンシェルミキサーを用いてブレンド
後、PCM−30二軸押出機を用いてシリンダー温度2
00℃、吐出量10kg/Hrで押出混練を行いペレッ
トを得た。得られたペレットを80℃で5時間乾燥後、
200℃に温度調整された1S−80AM射出成形機
〔東芝機械(株)製〕を用いて物性測定用の試験片を得
た。この試験片を用いて各種の評価を行った。結果を表
4に示す。
【0052】(実施例21〜24、比較例7、8)ポリ
オキシメチレン樹脂(A−2)、ポリ−1,3−ジオキ
ソラン(B−1)の比率を表4に示す量に変更する以外
は実施例−20と同様に評価を行った。結果を表4に示
す。
【0053】
【表1】
【0054】
【表2】
【0055】
【表3】
【0056】
【表4】
【0057】
【発明の効果】本発明は、ポリオキシメチレン樹脂とポ
リ−1,3−ジオキソランとからなる組成物で、以下に
示すような効果が奏せらてた。 1.押出し成型時の成型品内部に発生する物性上及び外
観上好ましくない白化部分(周辺部と色調が異なる部
分)或いはミクロボイド等からなる巣部分が著しく少な
い成形品が得られる。 2.インサート成形やアウトサート成形で問題となる亀
裂、割れおよびクリープ破壊(インサート成形)や、成
型品の後収縮による気密性、密着性の悪化(アウトサー
ト成形)といった問題も解決出来る。 3.剛性や摺動性及び成形品の外観を大きく損なう事な
く耐衝撃性を改良出来る材料で、更に帯電防止性能を付
与した材料である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例で作成したインサート成型品の概略図で
ある。
【図2】実施例で作成したアウトサート成型品の概略図
である。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)ポリオキシメチレン樹脂及び
    (B)ポリ−1,3−ジオキソランからなるポリオキシ
    メチレン樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 (A)成分に用いられるポリオキシメチ
    レン樹脂が、ホルムアルデヒドの単量体またはその3量
    体(トリオキサン)や4量体(テトラオキサン)などの
    環状オリゴマーを重合し重合体の両末端をエーテル、エ
    ステル結合などで封鎖されたホモポリマーや、トリオキ
    サンやテトラオキサンとエチレンオキサイド、プロピレ
    ンオキサイド、1、3−ジオキソラン、グリコールのホ
    ルマール、ジグリコールのホルマールなどの環状エーテ
    ルとを共重合させて得られた炭素数2〜8のオキシアル
    キレン単位0.1〜20重量%含有するオキシメチレン
    コポリマーおよび分岐状分子鎖を有するもの、オキシメ
    チレン単位からなるセグメント50重量%以上と異種成
    分セグメント50重量%以下とを含有するオキシメチレ
    ンブロックコポリマーから選ばれた少なくとも1種であ
    る請求項1記載のポリオキシメチレン樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 (B)成分に用いられるポリ−1,3−
    ジオキソランが、ポリ−1,3−ジオキソランホモポリ
    マーおよび1,3−ジオキソランと共重合可能な他の環
    状化合物とのコポリマーである請求項1又は2記載のポ
    リオキシメチレン樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 (B)成分の1,3−ジオキソランと共
    重合可能な他の環状化合物が、2−メチル−1,3−ジ
    オキソラン、4−メチル−1,3−ジオキソラン、4−
    エチル−1,3−ジオキソラン、2−フェニル−1,3
    −ジオキソラン、スチレン、(メタ)アクリル酸、(メ
    タ)アクリル酸エステル、エチレン、プロピレンから選
    ばれた少なくとも1種の不飽和炭化水素、トリオキサ
    ン、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、テト
    ラヒドロフラン、1,3,6−トリオキソカン、1,3
    −ジオキセパンから選ばれた少なくとも1種の環状エー
    テル類、γ−プチロラクトン、グリコリド、ラクチド、
    ε−カプロラクトン、ε−カプロラクタムから選ばれた
    少なくとも1種のラクトン又はラクタムである請求項1
    〜3記載のポリオキシメチレン樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 (A)ポリオキシメチレン樹脂と(B)
    ポリ−1,3−ジオキソランの配合割合が(A)成分が
    30〜99.95重量部に対して、(B)成分が70〜
    0.05重量部である請求項1〜4記載のポリオキシメ
    チレン樹脂組成物。
  6. 【請求項6】 (A)ポリオキシメチレン樹脂と(B)
    ポリ−1,3−ジオキソランの配合割合が(A)成分が
    40〜99.9重量部に対して、(B)成分が60〜
    0.1重量部である請求項5記載のポリオキシメチレン
    樹脂組成物。
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