JP3734311B2 - ポリオキシメチレン樹脂組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、新規な成形加工性に優れたポリオキシメチレン樹脂組成物に関するものである。さらに詳しくは、本発明の組成物は、丸棒や厚板等において問題となるミクロボイドの発生を大幅に改良したものであり、優れた耐衝撃性と帯電防止性能を有し、更にインサート成形やアウトサート成形に要求される精密かつ優れた寸法安定性を有するポリオキシメチレン樹脂組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、ポリオキシメチレン樹脂はバランスのとれた機械的性質と優れた成形性を有するエンジニアリング樹脂として、自動車部品、電子電気機器部品、工業雑貨、玩具部品等として、広範な分野に用いられている。これら部品等の中で、小型で大量に生産されるものは、主に射出成形により作られている。一方、大型の部品あるいは個数が限定される部品については押出し成形品を用い、得られた成型品にさらに切削等の二次加工を施すのが一般的である。押出し成形で得られる成形品の主なものとして、直径10〜200φ程度の棒状の成型品(丸棒と称す)或いは厚さ10〜100mm程度のシート状の成型品(厚物シートと称す)等が挙げられる。ポリオキシメチレン樹脂で押出し成形法により、これらの成形品(丸棒、厚物シート)等を成形する場合、本来有する成形性のみでは、充分に満足する成型品は得られず、成形品内部に物性上及び外観上好ましくない白化部分(周辺部と色相が異なる部分)或いはミクロボイド等からなる巣部分が発生する。従って、この発生を少なくする方法が望まれている。
【0003】
そこで、この改良を目的として、特開平6−212054号公報にはポリオキシメチレン樹脂と立体障害フェノール類、ポリオレフィンまたはオレフィンとビニル化合物のコポリマー、特定のポリアルキレングリコール類及び特定のアミド化合物からなる組成物が開示されており、巣および白化の改良効果は充分認められるものの、ポリアルキレングリコール類を使用するため押出し加工速度がある程度以上上げられないといった問題があり、巣および白化のさらなる改良が求められている。
【0004】
一方、家電製品や自動車部品には金属やセラミック部材と接合成形するインサート成形やアウトサート成形により製造された成形品が多く用いられている。この用途には剛性、クリープ特性および摺動性の優れたポリオキシメチレン樹脂が重用されている。しかしながら、ポリオキシメチレン樹脂は他の熱可塑性樹脂と比べ成形収縮率が大きいため、亀裂、割れおよびクリープ破壊(インサート成形)や、成型品の後収縮による気密性、密着性の悪化(アウトサート成形)といった問題がある。
更に、ポリオキシメチレン樹脂は耐衝撃性が低く、このため耐衝撃性を要求される用途にはその使用が制限されている。この対策としてポリウレタンを添加する方法が一般的に行われているが、この方法はポリオキシメチレン樹脂の特徴である剛性や摺動性及び成形品の外観を大きく損なうという欠点がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、このような事情のもとで、押出し成形時に成形品内部に物性上及び外観上好ましくない白化部分(周辺部と色相が異なる部分)或いはミクロボイド等からなる巣部分が少なく、かつ生産性に優れたポリオキシメチレン樹脂組成物の提供する事にある。また、インサート成形やアウトサート成形で問題となる亀裂、割れおよびクリープ破壊(インサート成形)や、成型品の後収縮による気密性、密着性の悪化(アウトサート成形)といった問題や剛性、摺動性及び成形品の外観を大きく損なうことなく耐衝撃性を改良することを目的としてなされたものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、(A)ポリオキシメチレン樹脂及び(B)ポリ−1,3−ジオキソランホモポリマーからなり、(A)ポリオキシメチレン樹脂と(B)ポリ−1,3−ジオキソランホモポリマーの配合割合が(A)成分が30〜99.95重量部に対して、(B)成分が70〜0.05重量部であるポリオキシメチレン樹脂組成物が押出し成型時に成型品内部に物性上及び外観上好ましくない白化部分(周辺部と色相が異なる部分)或いはミクロボイド等からなる巣部分が少なく、かつ生産性に優れることを見いだした。
但し、上記の(B)ポリ−1,3−ジオキソランホモポリマーから、下記一般式で表され、式中、mが2〜8、Rが重合度5000以下のポリ(1,3−ジオキソラン)である環状ホルマール構造を有する化合物を除く。
【化2】
また、この材料はインサート成形やアウトサート成形で問題となる亀裂、割れおよびクリープ破壊(インサート成形)や、成型品の後収縮による気密性、密着性の悪化(アウトサート成形)といった問題や剛性、摺動性及び成形品の外観を大きく損なうことなく耐衝撃性を改良することができ、更に帯電防止性能を付与することを合わせて見いだした。以上の如き知見に基づいて本発明を完成するに至った。
以下、本発明を詳細に説明する。
【0007】
本発明において(A)成分として用いられるポリオキシメチレン樹脂は、ホルムアルデヒドの単量体またはその3量体(トリオキサン)や4量体(テトラオキサン)などの環状オリゴマーを重合し重合体の両末端をエーテル、エステル結合などで封鎖されたホモポリマーをはじめ、前記、トリオキサンやテトラオキサンとエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、1、3−ジオキソラン、グリコールのホルマール、ジグリコールのホルマールなどの環状エーテルとを共重合させて得られた炭素数2〜8のオキシアルキレン単位0.1〜20重量%含有するオキシメチレンコポリマーやさらに分岐状分子鎖を有するもの、オキシメチレン単位からなるセグメント50重量%以上と異種成分セグメント50重量%以下とを含有するオキシメチレンブロックコポリマーから選ばれた少なくとも1種である。
【0008】
本発明で用いるポリオキシメチレンの溶融指数MI(ASTM−D1238−57Tの条件で測定)は0.1〜150g/10分、好ましくは1〜100g/10分の範囲である。また、コポリマータイプのポリオキシメチレンにおいては、コモノマーの挿入量は、オキシメチレン100molに対して0.1〜20mol、好ましくは0.3〜10molの範囲である。
【0009】
本発明組成物において、(B)成分として用いられるポリ−1,3−ジオキソランホモポリマーは1,3−ジオキソランをヘテロポリ酸およびヘテロポリ酸とカルボニル化合物を重合触媒として重合し、得られた重合反応生成物を有機アミン及び/又はアンモニアで中和することにより得られる。具体的には国際公開番号WO95/04099号公報に開示された方法で製造することができる。
【0010】
本発明における(A)ポリオキシメチレン樹脂と(B)ポリ−1,3−ジオキソランホモポリマーの配合割合は(A)成分30〜99.95重量部に対して(B)成分70〜0.05重量部の範囲であり、さらに好ましくは(A)成分40〜99.9重量部に対して(B)成分60〜0.1重量部の範囲である。(A)成分が30重量部より少ないと耐衝撃性が低下し、かつ剛性が低下するため好ましくなく、また、(B)成分が0.05重量部より少ないと押出成形における改良効果が不十分であるため好ましくない。
【0011】
本発明のポリオキシメチレン組成物は、従来のポリオキシメチレンに使用されている周知の酸化防止剤、ホルムアルデヒド反応性窒素を含む重合体又は化合物、ギ酸捕捉剤、耐候(光)剤、、離型(潤滑)剤、繊維状や粒状の充填材、染顔料、核剤等を単独またはこれらの組み合わせて使用しても良い。なかでも、次にあげる酸化防止剤、ホルムアルデヒド反応性窒素を含む重合体又は化合物および/あるいはギ酸捕捉剤の併用は本願の目的とするポリオキシメチレン樹脂組成物の熱安定性の向上に効果がある。また、その次にあげる耐候(光)剤の併用使用も本願の目的とするポリオキシメチレン樹脂組成物の耐候(光)性の向上に効果がある。
【0012】
酸化防止剤としては、n−オクタデシル−3−(3’5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート、n−オクタデシル−3−(3’−メチル−5’−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート、n−テトラデシル−3−(3’5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート、1,6−ヘキサンジオール−ビス−(3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート)、1,4−ブタンジオール−ビス−(3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート)、トリエチレングリコール−ビス−(3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート)、テトラキス−(メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネートメタン、3,9−ビス(2−(3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ)−1,1−ジメチルエチル)2,4,8,10−テトラオキサスピロ(5,5)ウンデカン、N,N’−ビス−3−(3’5’−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェノール)プリピオニルヘキサメチレンジアミン、N,N’−テトラメチレンビス−3−(3’−メチル−5’−t−ブチル−4−ヒドロキシフェノール)プロピオニルジアミン、
【0013】
N,N’−ビス−(3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェノール)プロピオニル)ヒドラジン、N−サリチロイル−N’−サリチリデンヒドラジン、3−(Nーサリチロイル)アミノ−1,2,4−トリアゾール、N,N’−ビス(2−(3−(3,5−ジ−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ)エチル)オキシアミドなどが挙げられる。これらの酸化防止剤は1種類で用いても良いし、2種類以上を組み合わせて用いても良く何等制限するものではない。
【0014】
ホルムアルデヒド反応性窒素を含む重合体又は化合物としては、以下のものが挙げられる。
(イ)ポリアミド樹脂が挙げられ、ポリアミドとしては、ナイロン4,6、ナイロン6、ナイロン6,6、ナイロン6,10、ナイロン6,12、ナイロン12等及びこれらの共重合体、例えば、ナイロン6/6,6/6,10、ナイロン6/6,12等が挙げられる。これらのポリアミドは1種で用いても良いし、2種以上を組み合わせて用いても良く何等制限するものではない。
【0015】
(ロ)アクリルアミド及びその誘導体、アクリルアミド及びその誘導体と他のビニルモノマーとを金属アルコラートの存在下で重合して得られるポリーβーアラニン共重合体が挙げられ、ポリーβーアラニン共重合体は、特開昭63−1183328号公報、特開平3−234729号公報に記載された方法により製造できる。
(ハ)アクリルアミド及びその誘導体又はアクリルアミド及びその誘導体と他のビニルモノマーとをラジカル重合触媒の存在下で重合して得られる重合体も挙げられ、これら重合体は特開平3−28260号公報記載の方法により製造できる。
【0016】
(ニ)アミド化合物が挙げられれ、アミド化合物の例としては、脂肪族モノカルボン酸、ジカルボン酸又は芳香族モノカルボン酸、ジカルボン酸と脂肪族モノアミン、ジアミン、又は芳香族モノアミン、ジアミンとから生成される。具体的には、ステアリルステアリン酸アミド、ステアリルオレイン酸アミド、エチレンジアミン−ジステアリン酸アミド、ヘキサメチレンジアミン−ジステアリン酸アミド、エチレンジアミン−ジオレイン酸アミド、エチレンジアミン−ジエルカ酸アミド、キシリレンジアミン−エルカ酸アミド、ジ(キシリレンジアミン−ステアリン酸アミド)、セバシン酸アミドが挙げられる。
【0017】
これらの中ではナイロン6−6、粒径が10ミクロン以下、好ましくは6ミクロン以下の(ロ)記載のポリ−β−アラニン共重合体、粒径が10ミクロン以下好ましくは5ミクロン以下の(ハ)記載のポリアクリルアミド及びエチレンジアミン−ジステアリン酸アミドが好ましい。
ギ酸捕捉剤としては、(イ)アミノ置換トリアジン、(ロ)アミノ置換トリアジンとホルムアルデヒドとの共縮合物、(ハ)アルカリ金属またはアルカリ土類金属の水酸化物、無期塩類、カルボン酸またはアルコキシド等があげられる。
【0018】
(イ)アミノ置換トリアジンとしては、例えば、グアナミン、メラミン、N−ブチルメラミン、N−フェニルメラミン、N,N’−ジフェニルメラミン、N,N−ジアリルメラミン、N,N’,N’’−トリフェニルメラミン、N−メチロールメラミン、N,N’−ジメチロールメラミン、N,N’,N’’−トリメチロールメラミン、ベンゾグアナミン、2,4−ジアミノ−6−メチル−sym−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−ブチル−sym−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−ベンジルオキシ−sym−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−ブトキシ−sym−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−シクロヘキシル−sym−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−クロロ−sym−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−メルカプト−sym−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−アミノ−sym−トリアジン(アメライト)、2−オキシ−4,6−ジアミノ−sym−トリアジン(アメリン)、N,N’,N’’−テトラシアノエチルベンゾグアナミン等がある。これらアミノ置換トリアジンのなかでも、メラミン、メチロールメラミンが好ましい。
(ロ)アミノ置換トリアジンとホルムアルデヒドとの共縮合物としては、例えば、メラミン−ホルムアルデヒド重縮合物等である。
【0019】
(ハ)アルカリ金属またはアルカリ土類金属の水酸化物、無機塩類、カルボン酸塩またはアルコキシドとしては、例えば、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウムもしくはバリウムなどの水酸化物、上記金属の炭酸塩、リン酸塩、珪酸塩、硼酸塩、カルボン酸塩があげられる。該カルボン酸塩のカルボン酸は10〜36個の炭素原子を有する飽和もしくは不飽和脂肪族カルボン酸等であり、これらのカルボン酸はヒドロキシル基で置換されていても良い。飽和脂肪族カルボン酸としてはカプリン酸、ラウリン酸、ミリスチル酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキジン、ベヘニン酸、リグノセリン酸、セロチン酸、モンタン酸、メリシン酸、セロプラスチン酸が挙げられる。不飽和脂肪族カルボン酸はウンデシレン酸、オレイン酸、エライジン酸、セトレイン酸、エルカ酸、ブラシジン酸、ソルビン酸、リノール酸、アラルギン酸、プロピオール酸、ステアロール酸などが挙げられる。又、アルコキシドとして、上記金属のメトキシド、エトキシドなどが挙げられる。 これらギ酸捕捉剤のなかで、メラミン、メラミン−ホルムアルデヒド重縮合物、ラウリン酸カルシウム、アテアリン酸カルシウム、ベヘニン酸カルシウムが好ましい。
【0020】
耐候(光)安定剤としては、ベンゾトリアゾール系若しくは蓚酸アニリド系紫外線吸収剤とヒンダードアミン系光安定剤が好ましい。
ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤としては、例えば、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチル−フェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチル−フェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−イソアミル−フェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ビス−(α,α−ジメチルベンジル)フェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−4’−オクトキシフェニル)ベンゾトリアゾール等が挙げられる。
【0021】
一方、シュウ酸アニリド系紫外線吸収剤としては、例えば、2−エトキシ−2’−エチルオキザリックアシッドビスアニリド、2−エトキシ−5−t−ブチル−2’−エチルオキザリックアシッドビスアニリド、2−エトキシ−3’−ドデシルオキザリックアシッドビスアニリド等が挙げられる。これらの紫外線吸収剤はそれぞれ単独で用いても良いし、2種以上を組み合わせて用いても良い。
【0022】
ヒンダードアミン系光安定剤としては、4−アセトキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−ステアロイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−アクリロイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−(フェニルアセトキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン4−ベンゾイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−メトキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−ステアリルオキシ−2,26,6−テトラメチルピペリジン、4−シクロヘキシルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−ベンジルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−フェノキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、
【0023】
4−(エチルカルバモイルオキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−(シクロヘキシルカルバモイルオキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−(フェニルカルバモイルオキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジン)−カーボネート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−オキサレート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−マロネート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−セバケート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−アジペート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−テレフタレート、1,2−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルオキシ)−エタン、 α,α’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルオキシ)−p−キシレン、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)トリレン−2,4−ジカルバメート、
【0024】
ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−ヘキサメチレン−1,6−ジカルバメート、トリス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−ベンゼン−1,3,5−トリカルボキシレート、トリス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−ベンゼン−1,3,4−トリカルボキシレート、1−(2−(3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ)エチル)−4−(3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ)2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸と1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジノールとβ,β,β’,β’−テトラメチル−3,9−(2,4,8,10−テトラオキサスピロ(5,5)ウンデカン)ジエタノールとの縮合物等が挙げられる。上記ヒンダードアミン系光安定剤はそれぞれ単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。また紫外線吸収剤と組み合わせて用いてもよい。
【0025】
離型(潤滑)剤としては、脂肪酸エステル、ポリアルキレングリコール、アミド基を有する脂肪族化合物から選ばれる1種以上である。脂肪酸エステルとしては、多価アルコールと脂肪酸からなる脂肪酸エステル化合物で、好ましくは10以上の炭素原子を含有する少なくとも1種の飽和または不飽和脂肪酸と2〜6個の炭素原子を含有する多価アルコールから誘導されたものである。
【0026】
脂肪酸エステル化合物を調整するのに使用する多価アルコールとしては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコールジプロピレングリコール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、グリセリン、ジグリセリン、トリグリセリン、トレイトール、エリスリトール、ペンタエリスリトール、アラビトール、リビトール、キシリトール、ソルバイト、ソルビタン、ソルビトール、マンニトールの中から選ばれた1種以上である。
【0027】
又、脂肪酸としては、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、12−ヒドロキシステアリン酸、アラギン酸、ベヘニン酸、リグノセリン酸、セロチン酸、モンタン酸、メリシン酸、セロプラスチン酸が挙げられる。不飽和脂肪族カルボン酸は、ウンデシレン酸、オレイン酸、エライジン酸、セトレイン酸、エルカ酸、ブラシジン酸、ソルビン酸リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸、プロピオール酸、ステアロール酸及びかかる成分を含有してなる天然に存在する脂肪酸またはこれらの混合物等が挙げられる。これらの脂肪酸はヒドロキシ基で置換されていてもよい。上記脂肪酸エステル化合物の内、好ましくはパルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、モンタン酸から選ばれた脂肪酸とグリセリン、ペンタエリスリトール、ソルビタン、ソルビトールから選ばれた多価アルコールとから誘導された脂肪酸エステルである。これらの脂肪酸エステル化合物の水酸基は有っても良いし、無くても良い。何等制限するものではない。例えば、モノエステルであってもジエステル、トリエステルで有っても良い。またほう酸等で水酸基が封鎖されていても良い。
【0028】
好ましい脂肪酸エステル化合物を例示すると、グリセリンモノパルミテート、グリセリンジパルミテート、グリセリントリパルミテート、グリセリンモノステアレート、グリセリンジステアレート、グリセリントリステアレート、グリセリンモノベヘネート、グリセリンジベヘネート、グリセリントリベヘネート、グリセリンモノモンタネート、グリセリンジモンタネート、グリセリントリモンタネート、ペンタエリスリトールモノパルミテート、ペンタエリスリトールジパルミテート、ペンタエリスリトールトリパルミテート、ペンタエリスリトールテトラパルミテート、ペンタエリスリトールモノステアレート、ペンタエリスリトールジステアレート、ペンタエリスリトールトリステアレート、ペンタエリスリトールテトラステアレート、ペンタエリスリトールモノベヘネート、
【0029】
ペンタエリスリトールジベヘネート、ペンタエリスリトールトリベヘネート、ペンタエリスリトールテトラベヘネート、ペンタエリスリトールモノモンタネート、ペンタエリスリトールジモンタネート、ペンタエリスリトールトリモンタネート、ペンタエリスリトールテトラモンタネート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンジパルミテート、ソルビタントリパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンジステアレート、ソルビタントリステアレート、ソルビタンモノベヘネート、ソルビタンジベヘネート、ソルビタントリベヘネート、ソルビタンモノモンタネート、ソルビタンジモンタネート、ソルビタントリモンタネート、ソルビトールモノパルミテート、ソルビトールジパルミテート、ソルビトールトリパルミテート、ソルビトールモノステアレート、ソルビトールジステアレート、ソルビトールトリステアレート、ソルビトールモノベヘネート、ソルビトールジベヘネート、ソルビトールトリベヘネートソルビトールモノモンタネート、ソルビトールジモンタネート、ソルビトールトリモンタネートである。
【0030】
また、ほう酸等で水酸基を封鎖した脂肪族エステル化合物としては、グリセリンモノ脂肪酸エステルのほう酸エステル(特開昭49−60762号公報)がある。
これらの脂肪酸エステル化合物はそれぞれ単独で用いても良いし、2種以上の混合物であっても良い。
ポリアルキレングリコールとしては、例えば、第一グループとして、アルキレングリコールをモノマーとする重縮合物が挙げられる。例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコールポリプロピレングリコールブロックポリマー等が挙げられる。これらの重合モル数の好ましい範囲は5〜1000、より好ましい範囲は10〜500である。
【0031】
第二のグループは、第一のグループと脂肪族アルコールとのエーテル化合物であり、例えば、ポリエチレングリコールオレイルエーテル(エチレンオキサイド重合モル数5〜50)、ポリエチレングリコールセチルエーテル(エチレンオキサイド重合モル数5〜20)、ポリエチレングリコールステアリルエーテル(エチレンオキサイド重合モル数5〜30)、ポリエチレングリコールラウリルエーテル(エチレンオキサイド重合モル数5〜30)、ポリエチレングリコールドデシルエーテル(エチレンオキサイド重合モル数5〜30)、ポリエチレングリコールノニルフェニルエーテル(エチレンオキサイド重合モル数2〜100)、ポリエチレングリコールオクチルフェニルエーテル(エチレンオキサイド重合モル数4〜50)等が挙げられる。
【0032】
第三のグループは第一のグループと高級脂肪酸とのエステル化合物であり、例えば、ポリエチレングリコールモノラウレート(エチレンオキサイド重合モル数2〜30)、ポリエチレングリコールモノステアレート(エチレンオキサイド重合モル数2〜50)、ポリエチレングリコールモノオレート(エチレンオキサイド重合モル数2〜10)等が挙げられる。これらのポリアルキレングリコールの中では第一のグループがより好ましい。
アミド基を有する脂肪族化合物としては、エチレンビスステアロアミド、エチレンビスラウリルアミド、エチレンビスオレイルアミド及びエチレンビスエルカ酸アミドが挙げられる。
【0033】
また、繊維状や粒状の充填材及び顔料も添加できる。例えば充填材としては繊維状、粒状の無機物、有機物、具体的にはガラス繊維、セラミック繊維、炭素繊維、ステンレス繊維、ボロン繊維、ケプラー繊維、炭化ケイ素繊維などの繊維状の充填剤であり、ウオラストナイト、マイカ、アスベスト、タルク、アルミナ、酸化チタン、酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ガラスビーズ、窒化ホウ素、炭化ケイ素などの粒状充填材である。また、顔料としては酸化チタン、酸化亜鉛、硫化亜鉛、カーボンブラック、アセチレンブラック、酸化鉄等の顔料である。これらの充填材、顔料は1種以上用いてもよいし、また2種以上を組み合わせて用いてもよく、何等制限する物ではない。
【0034】
これらの添加剤、充填材、顔料の添加形態は、本願の熱可塑性樹脂用添加剤と熱可塑性樹脂を溶融混練したあと添加するか、もしくは同時に溶融混練するか、いずれの方法でもよい。
本願の組成物は通常使われている溶融混練機を用いて使用するポリオキシメチレン樹脂の融点以上の温度で溶融混練しペレタイズすることができる。
溶融混練機としては、ニーダー、ロールミル、単軸押出機、二軸押出機、多軸押出機をあげることができるが単軸押出機、二軸押出機が好ましい。
【0035】
【実施例】
次に実施例により、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの例によってなんら限定されるものではない。尚、実施例および比較例で使用する成分の内容と、評価方法を以下に示す。
[使用成分の内容]
A.ポリオキシメチレン樹脂
A−1; ポリオキシメチレンコポリマー(MI:2.5g/10分、mp:163℃)
A−2; ポリオキシメチレンホモポリマー(MI:2.0g/10分、mp:175℃)
A−3; ポリオキシメチレンコポリマー(MI:9.0g/10分、mp:163℃)
A−4; ポリオキシメチレンホモポリマー(MI:10.0g/10分、mp:175℃)
MI;メルトインデックス(ASTM D−1238−57T E条件で測定した値)
【0036】
B.ポリ−1,3−ジオキソラン
B−1; 国際公開番号WO95/04099号公報に記載の方法で製造した、ゲルパーメーションクロマトグラフィーで測定したポリスチレン換算の数平均分子量約1万のポリ−1,3−ジオキソラン。
B−2; 同、ゲルパーメーションクロマトグラフィーで測定したポリスチレン換算の数平均分子量約10万のポリ−1,3−ジオキソラン。
B−3; 同、ゲルパーメーションクロマトグラフィーで測定したポリスチレン換算の数平均分子量約20万のポリ−1,3−ジオキソラン。
【0037】
C.ヒンダードフェノール
C−1; チバガイギー社製、イルガノックス245(商品名)
C−2; チバガイギー社製、イルガノックス1010(商品名)
D.ギ酸捕捉剤、ホルムアルデヒド反応性窒素を含有する化合物
D−1; メラミン〔日産化学(株)製〕
D−2; ポリ−β−アラニン共重合体(特開平3−234729号公報記載の方法で製造、平均粒子径2.5ミクロン)
【0038】
[評価方法]
1.結晶化時間の測定方法
(1)試料の調整
ベースポリマーと組成物はペレットを用い、成型品は東芝機械IS−80Aを用い、シリンダー温度200℃、金型温度70℃、成形サイクル40秒で成形した成型品を試料として用いて測定した。
(2)測定方法
ペレットの結晶化時間をパーキンエルマー社製のDifferentialScanning Calorimeter(DSC−2C)を用いて測定した。測定条件を以下に示す。
【0039】
(a)測定サンプルを試料台に乗せ、温度を50℃に設定した。
(b)昇温速度320℃/minで200℃まで上げた。
(c)この温度でホモポリマーの場合は1分間、コポリマーの場合は2分間ホールドさせた。
(d)その後、降温速度80℃/minでホモポリマーを用いた場合は156℃まで、コポリマーを用いた場合は150℃まで温度を下げ、その温度でホールドさせた。
(e)(d)の所定温度に下がった時点から結晶による発熱ピークの頂点までの時間を測定し、この時間を結晶化時間とした。
【0040】
2.押出し成形性の評価方法
ペレットを80℃で3時間乾燥した後、下記のシリンダー温度に設定されたL/D=25の単軸押出機を用い、スクリュー回転数20rpm、吐出速度5kg/Hrの条件で温度30℃に設定された長さ1m、径140φの金型内に流し込み、樹脂圧7〜9Kg/cm2 の条件で丸棒状の成型品2.5mを得た。この成型品の先端から1.5mのところで厚さ1.5cmの円盤状のサンプルを切り出し、中心部の巣径のサイズを測定するとともに、その周辺部に広がる白化部分の有無を目視で観察した。
【0041】
3.インサート、アウトサート成形品評価方法
(1)金属部分と樹脂部品固着度合
射出成型機にて図1に概略図で示すインサート成型品及び図2に概略図で示すアウトサート成型品を成形した。得られた成形品を温度23℃、相対湿度50%の条件で48Hrs放置した後、下記基準で判定した。
○;金属部と樹脂部品間に殆ど隙間がなく、樹脂部品のがたつきがないもの。
×;金属部と樹脂部品間に隙間がみられ、樹脂部品のがたつきがみられるもの。
【0042】
(2)ヒートショック試験後
ヒートショック試験は成型品を120℃で1時間加熱した後、直ちに−40℃の雰囲気に成型品を移して1時間冷却する試験であり、加熱冷却を1サイクルとして、100サイクルの試験を行った。評価の基準は(1)と同基準で行った。
(3)インサートまたはアウトサート部分の衝撃試験
インサート金具およびアウトサート樹脂部分へデュポン式ダート試験機を用いて、0.5kgの荷重を20cmの高さから落下させ破壊試験を行った。テスト結果は試験片10個中の破壊枚数で表した。
【0043】
4.物性評価方法
(1)アイゾット衝撃強さ
ASTM D256に基づき、温度23℃、ノッチ有りにて測定。
(2)引張強度、伸度
ASTM D638に基づいて測定。
(3)曲げ強度、曲げ弾性率
ASTM D790に基づいて測定。
【0044】
(4)帯電半減期
Static Honestmeter〔シシド静電気(株)製:商品名)を用いて、以下の条件で測定した。
・帯電圧 5kv×60sec
・距離 12mm
・試験片サイズ 40×40×3mm
(5)表面外観
目視で判定した。
【0045】
(実施例1)
ポリオキシメチレン樹脂(A−1)100重量部、ポリ−1,3−ジオキソラン(B−1)0.2重量部および安定剤としてヒンダードフェノール(C−1)0.3重量部、メラミン(D−1)0.05重量部をヘンシェルミキサーを用いてブレンド後、PCM−30二軸押出機を用いてシリンダー温度200℃、吐出量10kg/Hrで押出混練を行いペレットを得た。次にこのペレットを用いて、前記した方法に従って、結晶化時間及び押出し成形評価を行った。結果を表1に示す。
【0046】
(実施例2〜8)
ポリオキシメチレン樹脂、ポリ−1,3−ジオキソランおよび安定剤を表1に示すものと量に変更した以外は実施例1と同様に評価を行った。結果を表1に示す。
(比較例1)
実施例1のポリ−1,3−ジオキソランを添加しない以外は実施例1と同様に評価を行った。結果を表1に示す。
(比較例2)
実施例5のポリ−1,3−ジオキソランを添加しない以外は実施例5と同様に評価を行った。結果を表1に示す。
【0047】
(実施例9)
ポリオキシメチレン樹脂(A−3)100重量部、ポリ−1,3−ジオキソラン(B−1)3重量部および安定剤としてヒンダードフェノール(C−1)0.3重量部、メラミン(D−1)0.05重量部をヘンシェルミキサーを用いてブレンド後、PCM−30二軸押出機を用いてシリンダー温度200℃、吐出量10kg/Hrで押出混練を行いペレットを得た。次にこのペレットを用いて、前記した方法に従って、結晶化時間及びインサート、アウトサート評価を行った。結果を表2に示す。
【0048】
(実施例10〜12)
ポリオキシメチレン樹脂、ポリ−1,3−ジオキソランおよび安定剤を表2に示すものと量に変更した以外は実施例9と同様に評価を行った。結果を表2に示す。
(比較例3)
実施例9のポリ−1,3−ジオキソランを添加しない以外は実施例9と同様に評価を行った。結果を表2に示す。
(比較例4)
実施例11のポリ−1,3−ジオキソランを添加しない以外は実施例11と同様に評価を行った。結果を表2に示す。
【0049】
(実施例13)
ポリオキシメチレン樹脂(A−1)99重量部、ポリ−1,3−ジオキソラン(B−1)1重量部および安定剤としてヒンダードフェノール(C−2)0.3重量部、ポリ−β−アラニン(D−2)0.2重量部をヘンシェルミキサーを用いてブレンド後、PCM−30二軸押出機を用いてシリンダー温度200℃、吐出量10kg/Hrで押出混練を行いペレットを得た。得られたペレットを80℃で5時間乾燥後、200℃に温度調整された1S−80AM射出成形機(東芝機械(株)製)を用いて物性測定用の試験片を得た。この試験片を用いて各種の評価を行った。結果を表3に示す。
【0050】
(実施例14〜17、比較例5、6)
ポリオキシメチレン樹脂(A−1)、ポリ−1,3−ジオキソラン(B−1)の比率を表3に示す量に変更する以外は実施例13と同様に評価を行った。結果を表3に示す。
(実施例18、19)
ポリ−1,3−ジオキソラン(B−1)を(B−2)に変える以外は実施例14、15と同様に評価を行った。結果を表4に示す。
【0051】
(実施例20)
ポリオキシメチレン樹脂(A−2)99重量部、ポリ−1,3−ジオキソラン(B−1)1重量部および安定剤としてヒンダードフェノール(C−2)0.3重量部、メラミン(D−1)0.1重量部をヘンシェルミキサーを用いてブレンド後、PCM−30二軸押出機を用いてシリンダー温度200℃、吐出量10kg/Hrで押出混練を行いペレットを得た。得られたペレットを80℃で5時間乾燥後、200℃に温度調整された1S−80AM射出成形機〔東芝機械(株)製〕を用いて物性測定用の試験片を得た。この試験片を用いて各種の評価を行った。結果を表4に示す。
【0052】
(実施例21〜24、比較例7、8)
ポリオキシメチレン樹脂(A−2)、ポリ−1,3−ジオキソラン(B−1)の比率を表4に示す量に変更する以外は実施例−20と同様に評価を行った。結果を表4に示す。
【0053】
【表1】
【0054】
【表2】
【0055】
【表3】
【0056】
【表4】
【0057】
【発明の効果】
本発明は、ポリオキシメチレン樹脂とポリ−1,3−ジオキソランとからなる組成物で、以下に示すような効果が奏せらてた。
1.押出し成型時の成型品内部に発生する物性上及び外観上好ましくない白化部分(周辺部と色調が異なる部分)或いはミクロボイド等からなる巣部分が著しく少ない成形品が得られる。
2.インサート成形やアウトサート成形で問題となる亀裂、割れおよびクリープ破壊(インサート成形)や、成型品の後収縮による気密性、密着性の悪化(アウトサート成形)といった問題も解決出来る。
3.剛性や摺動性及び成形品の外観を大きく損なう事なく耐衝撃性を改良出来る材料で、更に帯電防止性能を付与した材料である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例で作成したインサート成型品の概略図である。
【図2】実施例で作成したアウトサート成型品の概略図である。
Claims (5)
- (A)成分に用いられるポリオキシメチレン樹脂が、ホルムアルデヒドの単量体またはその3量体(トリオキサン)や4量体(テトラオキサン)などの環状オリゴマーを重合し重合体の両末端をエーテル、エステル結合などで封鎖されたホモポリマーや、トリオキサンやテトラオキサンとエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、1、3−ジオキソラン、グリコールのホルマール、ジグリコールのホルマールなどの環状エーテルとを共重合させて得られた炭素数2〜8のオキシアルキレン単位0.1〜20重量%含有するオキシメチレンコポリマーおよび分岐状分子鎖を有するもの、オキシメチレン単位からなるセグメント50重量%以上と異種成分セグメント50重量%以下とを含有するオキシメチレンブロックコポリマーから選ばれた少なくとも1種である請求項1記載のポリオキシメチレン樹脂組成物。
- (A)ポリオキシメチレン樹脂と(B)ポリ−1,3−ジオキソランホモポリマーの配合割合が(A)成分が40〜99.9重量部に対して、(B)成分が60〜0.1重量部である請求項1記載のポリオキシメチレン樹脂組成物。
- 請求項1〜3のいずれか記載の組成物を射出成形または押出成形し、必要により切削加工してなる成形品。
- 請求項1〜3のいずれか記載の組成物を金属やセラミック部材と接合成形してなるインサート若しくはアウトサート成形品。
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