JP2022167799A - ポリオキシメチレン樹脂組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、耐ガス透過性に優れるポリオキシメチレン樹脂組成物を提供することを目的としている。【解決手段】本発明のポリオキシメチレン樹脂組成物は、(a)ポリオキシメチレン重合体と(b)タングステン化合物と、を含み、前記(a)のポリマー末端の少なくとも一部はアセチル化されており、前記(b)は、ポリオキシメチレン樹脂組成物全体の質量に対して、タングステン元素質量として0.01~100質量ppm含むことを特徴としている。【選択図】なし

Description

本発明は、ポリオキシメチレン樹脂組成物に関する。
ポリオキシメチレン樹脂組成物は優れた機械物性や成形加工性、摺動性を有することから、電気・電子材料分野、自動車分野、各種工業材料分野など幅広い分野で用いられているエンジニアリングプラスチックである。特に自動車燃料周りの部材、例えばフューエルポンプモジュール、バルブ、ガソリンタンク、ガソリンタンクフランジ等に使用されることも多く、有機溶剤ガス透過性が重要視されている。
ポリオキシメチレン樹脂組成物は結晶化度が高く、一般的にも有機溶剤ガスが透過しにくい樹脂として知られているが、自動車軽量化に伴い樹脂部材が増える中で、耐ガス透過性に対するさらなる改善が望まれている。また、耐ガス透過性に関して過去にも検討がなされており、例えば、1,4-ジオキサンを200ppm以下含有する1,3-ジオキソランを、トリオキサンに対して0.1~2.0重量%の範囲で共重合して得られるポリオキシメチレンコポリマーの製造方法や融点が167℃以上173℃以下のポリオキシメチレンコポリマーであって、かつ該ポリオキシメチレンコポリマーに含有されるクロロホルムにより抽出される低分子量ポリオキシメチレンコポリマーが5000ppm以下であるポリオキシメチレンコポリマーを成形した成形品の技術などが開示されている。(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。
特許第5371897号公報 特開2001-11196号公報
しかしながら、特許文献1、2に開示されている技術は、ポリオキシメチレンコポリマーの技術であり、より結晶化度や合成が高いポリオキシメチレンホモポリマーには適用できない。また、ポリオキシメチレンコポリマーにおいても、さらなる耐ガス透過性の改善が求められている。
そこで本発明は、耐ガス透過性に優れるポリオキシメチレン樹脂組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題に対して鋭意検討を行なった結果、アセチル化されたポリマー末端を持つポリオキシメチレン重合体とタングステン化合物とを含み、タングステン元素の質量割合を特定の範囲とすることにより、上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下の通りである。
[1]
(a)ポリオキシメチレン重合体と
(b)タングステン化合物と、を含み、
前記(a)ポリオキシメチレン重合体のポリマー末端の少なくとも一部はアセチル化されており、
前記(b)タングステン化合物は、ポリオキシメチレン樹脂組成物全体の質量に対して、タングステン元素質量として0.01~100質量ppm含む、
ことを特徴とする、ポリオキシメチレン樹脂組成物。
[2]
前記(b)タングステン化合物が、リンタングステン酸、リンモリブドタングステン酸、リンモリブドタングストバナジン酸、リンタングストバナジン酸、ケイタングステン酸、ケイモリブドタングストバナジン酸、およびそれらの酸性塩からなる群から選択される少なくとも一つである、[1]に記載のポリオキシメチレン樹脂組成物。
[3]
前記(a)ポリオキシメチレン重合体が、ポリオキシメチレンホモ重合体を50質量%以上含む、[1]又は[2]に記載のポリオキシメチレン樹脂組成物。
[4]
アセチル化されたポリマー末端の含有量が、ポリオキシメチレン重合体の主鎖繰り返し単位であるオキシメチレン(-O-CH-)1単位に対して、1.0×10-4(単位)以上である、[1]~[3]のいずれかに記載のポリオキシメチレン樹脂組成物。
本発明のポリオキシメチレン樹脂組成物は、耐ガス透過性に優れる。
本発明を実施するための形態(以下、「本実施の形態」という。)について、以下詳細に説明する。本発明は、以下の本実施形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。
本実施形態のポリオキシメチレン樹脂組成物は、(a)ポリオキシメチレン重合体と(b)タングステン化合物とを少なくとも含み、上記(a)はポリマー末端の少なくとも一部がアセチル化されたポリマーであり、上記ポリオキシメチレン樹脂組成物100質量%中にタングステン元素質量が0.01~100質量ppmとなる割合で(b)を含む。
本実施形態のポリオキシメチレン樹脂組成物100質量%中の(a)ポリオキシメチレン重合体の質量割合は、60質量%以上であることが好ましく、より好ましくは70質量%以上、さらに好ましくは80質量%以上であり、また、100質量%未満であってよく、99質量%以下であってよい。
本実施形態のポリオキシメチレン樹脂組成物は、(a)ポリオキシメチレン重合体と(b)タングステン化合物とのみからなっていてもよいし、(a)ポリオキシメチレン重合体及び(b)タングステン化合物以外の他の成分(例えば、後述の添加剤)を含んでいてもよい。
なお、本明細書において、(a)ポリオキシメチレン重合体を、単に「(a)」と称する場合がある。また、(b)タングステン化合物を、単に「(b)」と称する場合がある。
<(a)ポリオキシメチレン重合体>
ポリオキシメチレン重合体とは、オキシメチレン(-CHO-)構造を単位構造にもつポリマーの総称である。ポリオキシメチレン重合体を大きく分けると、ポリマー主鎖がオキシメチレン単位のみからなるホモポリマーと、オキシメチレン単位の他に任意の単位(例えば、オキシアルキレン単位)を含むコポリマーの2種類が存在する。上記ポリオキシメチレン重合体は、ポリアセタール、アセタール樹脂、またはポリアセタール樹脂とも呼ばれる。上記ポリオキシメチレン重合体としては、ポリオキシメチレンホモポリマー(本明細書において、単にホモポリマーともいう)、及びポリオキシメチレンコポリマー(本明細書において、単にコポリマーともいう)が挙げられ、公知のものを用いてもよい。
ホモポリマーの原料としては、例えば、ホルムアルデヒド、ホルムアルデヒドの環状オリゴマー(トリオキサン、テトラオキサン)が挙げられる。これらの原料を単独重合することは、ホモポリマーの代表的な製造方法である。
コポリマーの原料としては、上述したホモポリマーの原料に加え、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、エピクロルヒドリン、1,3-ジオキソラン、1,4-ブタンジオールホルマール等のグリコール又はジグリコールの環状ホルマールが挙げられる。これらを共重合させることでコポリマーを得ることができる。また、コポリマーとして、ホルムアルデヒドの単量体及び/又はホルムアルデヒドの環状オリゴマーと、単官能グリシジルエーテルとを共重合させて得られる分岐を有するポリオキシメチレンコポリマー、並びに、多官能グリシジルエーテルとを共重合させて得られる架橋構造を有するポリオキシメチレンコポリマーを用いることもできる。
さらには、ポリオキシメチレン重合体は、両末端又は片末端に水酸基等の官能基を有する化合物、例えばポリアルキレングリコール、の存在下、ホルムアルデヒドの単量体又はホルムアルデヒドの環状オリゴマーを重合して得られるブロック成分を有するポリオキシメチレンホモポリマーであってもよい。
同じく、ポリオキシメチレン重合体は、両末端又は片末端に水酸基等の官能基を有する化合物、例えば水素添加ポリブタジエングリコール、の存在下、ホルムアルデヒドの単量体又はその3量体(トリオキサン)及び4量体(テトラオキサン)等のホルムアルデヒドの環状オリゴマーと環状エーテル又は環状ホルマールとを共重合させて得られるブロック成分を有するポリオキシメチレン共重合体であってもよい。
また、これらポリオキシメチレン重合体は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
ポリオキシメチレン重合体を2種以上組み合わせる場合、ポリオキシメチレン重合体は、ポリオキシメチレンホモポリマーを50質量%以上含むものが剛性や耐ガス透過性の観点で好ましく、80質量%以上含むものがより好ましく、95質量%以上含むものがさらに好ましく、実質的に全て(少なくとも99質量%以上)がホモポリマーであるものが殊更に好ましい。なお、ここでのパーセンテージは、ポリオキシメチレン重合体の全体量を100質量%としたものに基づく。
ポリオキシメチレンを得る方法としては、例えば、アニオン重合、カチオン重合で得ることができる。具体的には、ポリオキシメチレンホモポリマーを得るには、アニオン重合、カチオン重合で得ることができる。また、ポリオキシメチレンコポリマーを得るには、カチオン重合で得ることができる。各重合方法の詳細については、後述する。
<タングステン化合物>
本実施形態のポリオキシメチレン樹脂組成物は、タングステン化合物を含む。
タングステン化合物としては、ヘテロポリ酸、イソポリ酸、およびそれらの酸性塩からなる群から選択される少なくとも1種のタングステン化合物であることが好ましい。具体的には、リンタングステン酸、リンモリブドタングステン酸、リンモリブドタングストバナジン酸、リンタングストバナジン酸、ケイタングステン酸、ケイモリブドタングストバナジン酸、およびそれらの酸性塩からなる群から選択される少なくとも1種であることが好ましい。この中でもリンタングステン酸が特に好ましい。
本実施形態のポリオキシメチレン樹脂組成物100質量%に対する、タングステン元素の質量割合は、0.01~100質量ppmであることが好ましく、より好ましくは0.1~50質量ppmであり、さらに好ましくは1~10質量ppmである。上記範囲であることにより、溶融加工時の分解ガス抑制と耐ガス透過性のバランスに優れる。
タングステン化合物は、ポリオキシメチレン重合体の末端安定化、ペレタイズの際に添加してよく、また重合触媒の残渣としてポリオキシメチレン樹脂組成物に含まれてもよい。
<アセチル末端量>
上記ポリオキシメチレン重合体(好ましくはポリオキシメチレンホモポリマー)は、ポリマー末端の少なくとも一部(好ましくは両末端又は片末端)にアセチル基の官能基を有すことが好ましい。粗ポリオキシメチレン重合体は、重合体の末端基が熱的に不安定であるので、実用的に使用する為には、粗ポリオキシメチレン重合体に特定の有機酸無水物を加えて少なくとも一部のポリマー末端の安定化反応をおこなう工程(末端アセチル化工程)を含む。本実施形態において、ポリマー末端の安定化反応に用いられる有機酸無水物は、特に限定されるものではないが、例えば、無水安息香酸、無水コハク酸、無水マレイン酸、無水グルタル酸、無水フタル酸、無水プロピオン酸、無水酢酸等の無水カルボン酸化合物が挙げられ、好ましくは無水酢酸である。これら有機酸無水物は、1種のみを単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
なお、本明細書において、アセチル化前のポリオキシメチレン重合体を、粗ポリオキシメチレン重合体と称する場合がある。
上記ポリオキシメチレン重合体のアセチル化されたポリマー末端の含有量は、ポリオキシメチレン重合体の主鎖繰り返し単位である〔-OCH-〕1単位に対して、1.0×10-4単位以上であることが好ましく、5.0×10-4単位以上であることが更に好ましい。上限値の限定は必要ではないが、現実的には20.0×10-4(単位)以下であり、10.0×10-4(単位)以下であることが好ましい。上記範囲であることにより、良好な耐ガス透過性を得られる。
<ポリオキシメチレンホモポリマーのアニオン重合>
ポリオキシメチレンホモポリマーをアニオン重合で得る方法について、以下に例を述べる。
例えば、精製されたホルムアルデヒドガスを用いたスラリー法で重合することができる。モノマーであるホルムアルデヒド、連鎖移動剤(分子量調節剤)及び重合触媒を、炭化水素系重合溶媒を導入した重合反応器にフィードし、スラリー重合法により重合することにより製造することができる。また、ホルムアルデヒドガスは、水、メタノール、ギ酸などの重合反応中の重合停止および連鎖移動作用を有する不純物を極力含まないものを用いることが好ましい。これらの不純物が過剰に存在すると、予期せぬ連鎖移動反応により目的の分子量物が得られなくなる。中でも特に水については、ホルムアルデヒドガス100質量%に対して、100質量ppm以下にすることが好ましく、さらには50質量ppm以下であることが好ましい。重合法は上記に限定されるものではなく、公知の方法で重合することも可能である。
ポリオキシメチレンホモポリマーの分子量は、無水カルボン酸又はカルボン酸等の分子量調節剤を用いて連鎖移動させることにより、調整することができる。分子量調節剤としては、特に無水プロピオン酸、無水酢酸が好ましく、より好ましくは無水酢酸である。
分子量調節剤の導入量は、目的とするポリオキシメチレンホモポリマーの特性(特にメルトフローレート)に応じて調節し決定してよい。例えば、ポリオキシメチレンホモポリマーは、メルトフローレート(MFR値(ISO1133に準拠))が、0.1~100g/10分の範囲になるようにすることが好ましく、1.0~70g/10分の範囲になるようにすることがより好ましい。ポリオキシメチレンホモポリマーのMFR値を上記範囲とすることにより、機械強度に優れるポリオキシメチレンホモポリマーを得ることができる。
重合触媒としては、アニオン系重合触媒が好ましく、下記一般式(I)で表されるオニウム塩系重合触媒がより好ましい。
[RM] ・・・(I)
(式(I)中、R、R、R及びRは、各々、独立してアルキル基を示し、Mは孤立電子対を持つ元素を示し、Xは求核性基を示す。)
重合触媒は1種のみを単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
オニウム塩系重合触媒のなかでも、テトラエチルホスホニウムイオダイド、トリブチルエチルホスホニウムイオダイドのような第4級ホスホニウム塩系化合物や、テトラメチルアンモニウムブロマイド、ジメチルジステアリルアンモニウムアセテートのような第4級アンモニウム塩系化合物が好ましい。
これら第4級ホスホニウム塩系化合物及び第4級アンモニウム塩系化合物等のオニウム塩系重合触媒の添加量は、ホルムアルデヒド1molに対して0.00001~0.01molであることが好ましく、より好ましくは0.00003~0.005molであり、さらに好ましくは0.00005~0.003molである。
炭化水素系重合溶媒としては、ホルムアルデヒドと反応しない溶媒であればよく、特に限定されるものではないが、例えば、ペンタン、イソペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、へプタン、オクタン、ノナン、デカン、ベンゼン等の溶媒が挙げられ、ヘキサンが特に好ましい。これら炭化水素系溶媒は、1種のみを単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
アニオン重合にてポリオキシメチレンホモポリマーを得る場合、タングステン化合物は、後工程の末端安定化、ペレタイズの際に添加することで、良好な耐ガス透過性を得られる。
<ポリオキシメチレンホモポリマーのカチオン重合>
ポリオキシメチレンホモポリマーをカチオン重合で得る方法について、以下に例を述べる。
例えば、ホルムアルデヒドの環状三量体であるトリオキサンや環状四量体を用いた塊状法で重合することができる。使用する重合反応機の形状(構造)としては、特に限定するものではないが、一般的には、ジャケットに熱媒を通すことのできる2軸のパドル式やスクリュー式の撹拌混合型重合反応機を好適に使用することができる。
重合の方法としては、例えば、トリオキサン、カチオン系触媒、及び任意の連鎖移動剤を重合反応機に供給し、重合させる方法が挙げられる。重合反応温度は、63~135℃の範囲に保つことが好ましく、より好ましくは70~120℃の範囲であり、さらに好ましくは70~100℃の範囲である。重合反応機内の滞留(反応)時間は、好ましくは0.1~30分であり、より好ましくは0.1~25分であり、さらに好ましくは0.1~20分である。重合反応温度および重合反応機内の滞留時間をそれぞれ上記の範囲に調整することにより、ポリオキシメチレン重合体の熱分解をより効果的に抑えることができ、熱的により安定なポリオキシメチレン重合体を製造することができる傾向にある。
カチオン系触媒としては、ルイス酸、プロトン酸およびそのエステルまたは無水物等が好ましい。ルイス酸としては、以下に限定されるものではないが、例えば、ホウ酸、スズ、チタン、リン、ヒ素及びアンチモンのハロゲン化物が挙げられ、より具体的には、三フッ化ホウ素、四塩化スズ、四塩化チタン、五フッ化リン、五塩化リン、五フッ化アンチモン及びその錯化合物又は塩が挙げられる。
また、プロトン酸、及びそのエステル又は無水物としては、以下に限定されるものではないが、例えば、パークロル酸、トリフルオロメタンスルホン酸、パークロル酸3級ブチルエステル、アセチルパークロラート、トリメチルオキソニウムヘキサフルオロホスフェート、ヘテロポリ酸、イソポリ酸、ヘテロポリ酸の酸性塩およびイソポリ酸の酸性塩が挙げられる。
上記カチオン系触媒の導入量は、ホルムアルデヒド(例えば、上述のホルムアルデヒドの環状三量体又は環状四量体)1molに対して、1×10^(-9)mol~5×10^(-2)molであり、好ましくは2×10^(-9)mol~1×10^(-2)molであり、さらに好ましくは5×10^(-9)mol~1×10^(-3)molである。カチオン系触媒の使用量が上記範囲であることにより、重合速度に優れる傾向にあり、ポリオキシメチレン重合体中に残存する触媒によるポリオキシメチレン重合体の熱分解をより抑えることができる傾向にある。
なお、上記カチオン系触媒は、重合反応に悪影響のない不活性な希釈溶媒で希釈して用いることが望ましい。カチオン系触媒を希釈して用いることで、重合反応をより均一に行うことができ、物性のばらつきがより少ないポリオキシメチレン重合体を製造することができる傾向にある。
カチオン重合にてポリオキシメチレンホモポリマーを得る場合、タングステン化合物(好ましくは、上述のタングステン化合物)は重合触媒として使用してよく、また後工程の末端安定化、ペレタイズの際に添加することでも、良好な耐ガス透過性を得られる。
カチオン系触媒を用いて重合する場合、下記一般式で示される低分子量アセタールを連鎖移動剤として用いることもできる。
R-(CH-O)-R
(式中、Rは、水素、分岐状又は直鎖状のアルキル基、分岐状又は直鎖状のアルコキシ基、及びヒドロキシル基からなる群より選ばれるいずれか1つを表す。nは1以上20以下の整数を表す。)特に、分子量が200以下、好ましくは60~170のアセタールを用いることにより、最終的に得られるポリオキシメチレン重合体の分子量を良好に調整することができる。上記一般式で示される低分子量アセタールとしては、以下に限定されるものではないが、例えば、メチラール、メトキシメチラール、ジメトキシメチラール、トリメトキシメチラール等が挙げられる。これらは一種のみを単独で使用しても良く、二種以上を併用しても良い。
一般式で示される低分子量アセタールの添加量は、目的とするポリオキシメチレン重合体の分子量を好適な範囲に制御する観点から、ホルムアルデヒド(例えば、上述のホルムアルデヒドの環状三量体又は環状四量体)1molに対して、0.1×10^(-5)~0.2×10^(-2)molの範囲が好ましく、0.1×10^(-5)~0.2×10^(-3)molの範囲がより好ましく、0.1×10^(-5)~0.1×10^(-3)molの範囲がさらに好ましい。
<ポリオキシメチレンコポリマーのカチオン重合>
ポリオキシメチレンコポリマーをカチオン重合で得る方法は、共重合成分(コモノマー)を添加する以外は、上述したポリオキシメチレンホモポリマーをカチオン重合で得る方法とほぼ同等である。
コモノマーは、上記トリオキサンと共重合可能な成分であり、例えば、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、エピクルロルヒドリン、エピブロモヒドリン、スチレンオキサイド、オキサタン、1,3-ジオキソラン、エチレングリコールホルマール、プロピレングリコールホルマール、ジエチレングリコールホルマール、トリエチレングリコールホルマール、1,4-ブタンジオールホルマール、1,5-ペンタンジオールホルマール、1,6-ヘキサンジオールホルマール等が挙げられる。そして、環状エーテル及び/又は環状ホルマールは、これらの中でも、1,3-ジオキソラン、1,4-ブタンジオールホルマールが好ましい。これらは、1種のみを単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
コモノマーの添加量は、一般的には、トリオキサン100molに対して0.1~60mol%とすることが好ましく、より好ましくは0.1~20mol%、さらに好ましくは0.13~10mol%とする。
また、上記ポリオキシメチレンをホルムアルデヒドの4量体(テトラオキサン)を用いて得る場合、上記コモノマーの添加量としては、テトラオキサン100molに対して0.13~90mol%とすることが好ましく、より好ましくは0.14~30mol%、さらに好ましくは0.16~13mol%である。
カチオン重合にてポリオキシメチレンコポリマーを得る場合、タングステン化合物は重合触媒として使用してよく、また後工程のペレタイズの際に添加することでも、良好な耐ガス透過性を得られる。
<末端アセチル化>
重合により得られた粗ポリオキシメチレンホモポリマー及びコポリマーは、末端基が熱的に不安定である。そのため、触媒失活後に、この不安定末端基を、エステル化剤又はエーテル化剤等と液相又は気相で反応させることによって封鎖し、安定化処理することや、粗ポリオキシメチレンコポリマーの場合は、後述する不安定な末端部の分解除去により安定化することが、溶融加工時のポリオキシメチレンの分解抑制の面で好ましい。
末端安定化は1つの方法だけでもよいし、2つ以上を組み合わせてもよい。中でも安定化と同時に末端アセチル基も導入できるエステル化による安定化が好ましく、組み合わせる場合も1つにはエステル化による安定化を選択することが好ましい。
エステル化による粗ポリオキシメチレンホモポリマーの末端基の安定化処理は、例えば、粗ポリオキシメチレンホモポリマーと、エステル化剤及びエステル化触媒とを、任意に炭化水素系溶媒を導入した末端安定化反応機にそれぞれ投入し、反応させることによって行うことができる。この時の反応温度及び反応時間としては、例えば、反応温度が130~165℃であり、反応時間が1~100分間であることが好ましく、反応温度が135~160℃であり、反応時間が5~100分間であることがより好ましく、反応温度が140~160℃であり、反応時間が10~100分間であることがさらに好ましい。
上記粗ポリオキシメチレンホモポリマーの末端基を封鎖し、安定化するエステル化剤としては、下記一般式(II)で表される酸無水物を用いることができる。
COOCOR ・・・(II)
(式(II)中、R及びRは、各々、独立してアルキル基を示す。R及びRは、互いに同じであっても異なっていてもよい。RとRとは互いに連結して環状構造を形成していてもよい。)
当該エステル化剤としては、以下に限定されるものではないが、例えば、無水安息香酸、無水コハク酸、無水マレイン酸、無水グルタル酸、無水フタル酸、無水プロピオン酸、無水酢酸が挙げられ、好ましくは無水酢酸である。これらエステル化剤は、1種のみを単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
上記エステル化触媒としては、炭素数1~18のカルボン酸のアルカリ金属塩やヘテロポリ酸、イソポリ酸、およびそれらの酸性塩からなるタングステン化合物を例示することができる。炭素数1~18のカルボン酸のアルカリ金属塩が好ましく、その添加量は、ポリオキシメチレンホモポリマーの質量に対して、1~1000質量ppmの範囲で適宜選択することができる。
炭素数1~18のカルボン酸のアルカリ金属塩としては、以下に限定されるものではないが、例えば、蟻酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプリル酸、エナント酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、マルガリン酸、ステアリン酸等のカルボン酸のアルカリ金属塩が挙げられ、当該アルカリ金属としては、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウムが挙げられる。そして、これらカルボン酸のアルカリ金属塩の中でも、酢酸リチウム、酢酸ナトリウム、及び酢酸カリウムが好ましい。
タングステン化合物として、具体的には、リンタングステン酸、リンモリブドタングステン酸、リンモリブドタングストバナジン酸、リンタングストバナジン酸、ケイタングステン酸、ケイモリブドタングストバナジン酸、およびそれらの酸性塩であることが挙げられる。中でも、リンタングステン酸、ケイタングステン酸が好ましい。
上記粗ポリオキシメチレンホモポリマーの末端基を封鎖し、安定化するエーテル化剤としては、脂肪族又は芳香族の酸と、脂肪族、脂環式又は芳香族のアルコールとのオルトエステル、例えば、メチルオルトホルメート又はエチルオルトホルメート、メチルオルトアセテート又はエチルオルトアセテート、メチルオルトベンゾエート又はエチルオルトベンゾエート、及びオルトカーボネート、具体的にはエチルオルトカーボネートから選択することができ、p-トルエンスルホン酸、酢酸及びシュウ酸のような中強度有機酸、ジメチルスルフェート及びジエチルスルフェートのような中強度鉱酸等のルイス酸型の触媒を用いて安定化することができる。
粗ポリオキシメチレンホモポリマーの末端基を、エーテル化により封鎖し安定化するときの、当該エーテル化反応に用いる溶媒としては、以下に限定されるものではないが、例えば、ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン及びベンゼン等の低沸点脂肪族有機溶媒;脂環式及び芳香族炭化水素系有機溶媒;塩化メチレン、クロロホルム及び四塩化炭素等のハロゲン化低級脂肪族等の有機溶媒が挙げられる。
<アセチル化以外の末端安定化方法>
上述した末端アセチル化工程の他に、任意で、末端安定剤を添加しても良い。末端安定化剤としては特に制限されず、アンモニア、トリエチルアミン、トリブチルアミン等の脂肪族アミン化合物、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カリシウム又はバリウム等のアルカリ金属又はアルカリ土類金属の水酸化物、炭酸塩、リン酸塩、ケイ酸塩及びホウ酸塩等のような、アルカリ金属又はアルカリ土類金属の無機弱酸塩、ギ酸塩、酢酸塩、ステアリン酸塩、パルミチン酸塩、プロピオン酸塩及びシュウ酸塩のような、アルカリ金属又はアルカリ土類金属の有機酸塩、等の塩基性物質が挙げられ、これらの中でも、脂肪族アミン化合物が好ましく、トリエチルアミンがさらに好ましい。
不安定な末端部の分解除去方法としては、特に制限はされず、例えば、トリエチルアミン等の末端安定化剤の存在下でポリオキシメチレンコポリマーの融点以上、260℃以下の温度で、ポリオキシメチレンコポリマーを溶融させた状態で熱処理する方法が挙げられる。熱処理する方法としては、例えば、ベント減圧装置を備えた単軸、又は二軸の押出機が挙げられ、好ましくは二軸押出機である。
<添加剤>
本実施形態のポリオキシメチレン樹脂組成物には物性を改善する目的で、場合により、各種公知の添加剤を用いることができる。添加剤の例として、酸化防止剤、酸補足剤、ホルムアルデヒド補足剤、耐候剤、離型剤、導電剤、可塑剤、核剤、塩基性補助剤、顔料、染料、熱可塑性エラストマーや他の樹脂、無機充填材、有機充填材等を用いることができる。なお、上記添加剤には、上述の(a)ポリオキシメチレン重合体、(b)タングステン化合物は含まれないものとする。
以下、実施例および比較例にて、本発明を具体的に説明する。本発明は、これらの実施例によって何ら限定されるものではない。
実施例および比較例中の測定方法を以下に示す。
<タングステン元素量評価>
ポリオキシメチレン樹脂組成物0.1gをフッ素樹脂製分解容器に精秤し、硫酸(関東化学製、超高純度硫酸Ultrapur)および硝酸(関東化学製、超高純度硝酸ELグレード)を加えて、マイクロウェーブ分解装置(マイルストーンゼネラル製、ETHOS One)で加圧酸分解を行った。分解液を50mLに定容してICP-MS測定(アジレント・テクノロジー製、Agilent 7500CX、多点検量線法)を行い、ポリオキシメチレン樹脂組成物100質量%中のタングステン元素の質量(質量ppm)を定量した。
<アセチル基量評価>
ポリオキシメチレン樹脂組成物約1gを205℃に加熱した熱プレス機を用いて5MPaで5秒間プレスし、シート状に成形した。シート状のポリオキシメチレン樹脂組成物15mgとHFIP-d2(TFA-Na 0.4%含有)1.2gを秤量し、50℃で二時間浸透撹拌を行って溶解させた。溶解液をディスポフィルター(0.45μm)を用いてろ過したのち1H-NMR測定(JEOL製、ECZ500、スキャン512回)を行った。4.9-5.25ppmのピークをポリオキシメチレン主鎖-CHO-由来のピーク、2.15ppmのピークをポリオキシメチレン末端アセチル基-OC(O)CH由来のピークとし、その積分値比から、ポリオキシメチレン重合体の主鎖繰り返し単位であるオキシメチレン基(-O-CH-)1単位に対するアセチル基の単位数を定量した。
<耐ガス透過性評価>
ポリオキシメチレン樹脂組成物ペレットを、射出成形機(東芝製、IS-80A)を用いて、シリンダー温度200℃、射出圧力60kgf/cm、射出時間15秒、冷却時間25秒、金型温度70℃にて、寸法130mm×13mm×2mmの短冊状の成形体を成形した。この成形体を直径38mmの円盤状に切り取り、有機溶剤(ガソリン、メタノール濃度15vol%のガソリン、又はメタノール)が50mL入ったステンレス製の内径38mmの円筒容器口部分に隙間ないようにはめ込み、蓋をした。試験片付き円筒容器を恒温槽中で60℃で750時間加熱した後、有機溶剤の減少量(g)を測定し、面積1m、厚さ1mmの成形体を一日当たりに透過するガス量に換算した(g/[mm・day・m])。値が小さいほど耐ガス透過性に優れる。
[実施例1~6]
60℃のノルマルヘキサン溶液中に、精製されたホルムアルデヒド、重合触媒としてジメチルジステアリルアンモニウムアセテート、及び、連鎖移動剤としての無水酢酸を添加し、重合した。重合触媒の添加量は表1に示す。無水酢酸の添加量は、モノマー(本例ではホルムアルデヒド)1molに対して0.5×10-3molである。重合体の粒状ポリオキシメチレンスラリーをろ布付きセントルでろ過し、窒素雰囲気下で60℃で10時間乾燥させることにより、粗ポリオキシメチレン重合体を得た。
上記のようにして得られた粗ポリオキシメチレン重合体5.0kgに、末端安定化剤として無水酢酸8.1kg、不活性溶剤としてノルマルヘキサン32.4kg、および末端安定化触媒としてタングステン化合物(表1参照)を添加した。さらに、無水酢酸1.25kgを加え、窒素雰囲気下で、160℃で1時間撹拌し末端安定化を行った。得られたポリオキシメチレン重合体にイルガノックス245を表1に示す量だけ添加し、3kg/hrの量で押出機(L/D=44、L:二軸押出機の原料供給口から排出口までの距離(m)、D:二軸押出機の内径(m)、株式会社プラスチック工学研究所製BT-30押出機)に供給し、ペレタイズした。得られたペレットを用いて上述したタングステン元素量、アセチル基量、耐ガス透過性の評価を行った。評価結果を表1に示す。
[実施例7]
80℃に設定した同方向回転の2軸型パドル式連続重合反応機(株式会社栗本鐵工所社製、径2B、L/D=14.8)に、トリオキサンを2.0kg/hr、連鎖移動剤としてメチラール、重合触媒としてあらかじめジエチレングリコールジメチルエーテルに溶解させたリンタングステン酸溶液を表1に示す量フィードし、重合を行った。重合反応機より排出された粗ポリオキシメチレンスラリーを水中に投入し、室温で1時間撹拌することで未反応のトリオキサン等の除去を行った後、遠心分離機でろ過し、100℃で10時間乾燥させることで粗ポリオキシメチレン重合体を得た。
上記のようにして得られた粗ポリオキシメチレン重合体5.0kgに、末端安定化剤として無水酢酸40.5kg、および末端安定化触媒として酢酸カリウム(無水酢酸の重量に対し60ppm)を添加し、窒素雰囲気下の密閉容器中で150℃、1時間攪拌し末端安定化を行った。その後、スラリーをろ過し、アセトンで三回洗浄ろ過後、窒素雰囲気下で140℃で3時間乾燥させた。得られたポリオキシメチレン重合体にイルガノックス245を表1に示す量だけ添加し、3kg/hrの量で押出機に供給し、ペレタイズした。得られたペレットを用いて上述したタングステン元素量、アセチル基量、耐ガス透過性の評価を行った。評価結果を表1に示す。
[実施例8]
末端安定化触媒としてリンタングステン酸を表1に記載した量添加した以外は、実施例1~6と同様の方法でペレットを得た。得られたペレットを用いて上述したタングステン元素量、アセチル基量、耐ガス透過性の評価を行った。評価結果を表1に示す。
[比較例1]
末端安定化触媒としてタングステン化合物の代わりに酢酸カリウムを、無水酢酸とノルマルヘキサンの合計重量に対し60ppm添加した以外は、実施例1~6と同様の方法でペレットを得た。得られたペレットを用いて上述したタングステン元素量、アセチル基量、耐ガス透過性の評価を行った。評価結果を表1に示す。
[比較例2]
末端安定化触媒としてリンタングステン酸を表1に記載した量添加した以外は、実施例1~6と同様の方法でペレットを得た。得られたペレットを用いて上述したタングステン元素量、アセチル基量、耐ガス透過性の評価を行った。評価結果を表1に示す。
[比較例3]
重合時に1,3-ジオキソランを表1の量フィードした以外は、実施例7記載の方法で粗ポリオキシメチレン重合体を得た。ポリオキシメチレン重合体にイルガノックス245を表1に示す量添加し、3kg/hrの量で押出機に供給し、ペレットを得た。得られたペレットを用いて上述したタングステン元素量、アセチル基量、耐ガス透過性の評価を行った。評価結果を表1に示す。
[比較例4]
重合触媒を、あらかじめシクロヘキサンに溶解させた三フッ化ホウ素ジブチルエーテル溶液に変更する以外は実施例7と同じ方法で粗ポリオキシメチレン重合体を得、次いで末端安定化、ペレタイズした。得られたペレットを用いて上述したタングステン元素量、アセチル基量、耐ガス透過性の評価を行った。評価結果を表1に示す。
[比較例5]
実施例7記載の方法において、重合時に1,3-ジオキソランを表1の量フィードし、重合触媒を、あらかじめシクロヘキサンに溶解させた三フッ化ホウ素ジブチルエーテル溶液に変更する以外は同じ方法で粗ポリオキシメチレン重合体を得、次いでペレタイズした。得られたペレットを用いて上述したタングステン元素量、アセチル基量、耐ガス透過性の評価を行った。評価結果を表1に示す。
Figure 2022167799000001
実施例1~8および比較例1~5の結果より、アセチル化されたポリマー末端を持つポリオキシメチレン重合体とタングステン化合物の濃度が特定の範囲であるポリオキシメチレン樹脂組成物は、耐ガス透過性に優れたポリオキシメチレン樹脂組成物であることが示された。
本発明のポリオキシメチレン樹脂組成物は、耐ガス透過性に優れるポリオキシメチレン樹脂組成物として産業上有用である。

Claims (4)

  1. (a)ポリオキシメチレン重合体と
    (b)タングステン化合物と、を含み、
    前記(a)ポリオキシメチレン重合体のポリマー末端の少なくとも一部はアセチル化されており、
    前記(b)タングステン化合物は、ポリオキシメチレン樹脂組成物全体の質量に対して、タングステン元素質量として0.01~100質量ppm含む、
    ことを特徴とする、ポリオキシメチレン樹脂組成物。
  2. 前記(b)タングステン化合物が、リンタングステン酸、リンモリブドタングステン酸、リンモリブドタングストバナジン酸、リンタングストバナジン酸、ケイタングステン酸、ケイモリブドタングストバナジン酸、およびそれらの酸性塩からなる群から選択される少なくとも一つである、請求項1に記載のポリオキシメチレン樹脂組成物。
  3. 前記(a)ポリオキシメチレン重合体が、ポリオキシメチレンホモ重合体を50質量%以上含む、請求項1又は2に記載のポリオキシメチレン樹脂組成物。
  4. アセチル化されたポリマー末端の含有量が、ポリオキシメチレン重合体の主鎖繰り返し単位であるオキシメチレン(-O-CH-)1単位に対して、1.0×10-4(単位)以上である、請求項1~3のいずれか1項に記載のポリオキシメチレン樹脂組成物。
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