JPH10251481A - ポリオキシメチレン樹脂組成物 - Google Patents

ポリオキシメチレン樹脂組成物

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JPH10251481A
JPH10251481A JP5796997A JP5796997A JPH10251481A JP H10251481 A JPH10251481 A JP H10251481A JP 5796997 A JP5796997 A JP 5796997A JP 5796997 A JP5796997 A JP 5796997A JP H10251481 A JPH10251481 A JP H10251481A
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polyoxymethylene
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敏治 瀬山
Mitsuhiro Horio
光宏 堀尾
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来のポリオキシメチレン樹脂組成物に比較
して熱安定性を大幅に改良出来たポリオキシメチレン樹
脂組成物を提供する。 【解決手段】 (A)ポリオキシメチレン樹脂に、
(B)リン酸カルシウム類、およびリン酸カルシウムを
坦体としてこれに金属を坦持させた物から選ばれる少な
くとも一種を添加する事を特徴とするポリオキシメチレ
ン樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、安定性に優れたポ
リオキシメチレン樹脂組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ポリオキシメチレン樹脂はバランスのと
れた機械的性質と優れた成形性をもつエンジニアリング
樹脂として、自動車部品、電気・電子製品等の分野で広
く用いられている。ポリオキシメチレン樹脂に熱安定剤
を配合することはその品質保持のため必要なことであ
り、従来種々の工夫や提案がなされている。例えば、メ
ラミン又はその誘導体、アルカリ金属脂肪酸塩、アミド
類、ポリアミド類、ポリ−β−アラニン、ポリアクリル
アミド、その他種々の化合物を単独又はヒンダードフェ
ノール、ヒンダードアミン、紫外線吸収剤などと組み合
わせて用いる事が提案され実用に供されているが、射出
成形機に長期に滞留させた場合に発生するシルバー(銀
条)を抑える効果は不十分であった。
【0003】一方、リン酸カルシウムを熱可塑性重合体
に用いる技術としては、特開昭47−9033号公報に
熱可塑性フィルムを製造する際に0.05〜5μmの平
均粒子径を有するリン酸カルシウムを少なくとも100
ppm分散させることを特徴とする熱可塑性フィルムの
製造方法が開示されているが、熱可塑性樹脂としてポリ
エステルが示されてだけであり、本発明のごとく熱安定
性の改良効果は示されていない。リン酸カルシウムをポ
リオキシメチレン樹脂に用いる技術としては、特開平5
−186633号公報に一種以上の有機ポリマーと一種
以上の炭素含有顔料からなるプラスチック成形組成物が
開示されており、炭素含有顔料は獣炭、骨炭およびアイ
ボリーホワイトとして知られるもので、70〜90重量
%のリン酸カルシウムと30〜10重量%の炭素からな
っている。この組成物は特定の波長範囲で光に対して部
分的に透明である事を特徴としており、リン酸カルシウ
ムの単独使用や本発明で示す様な熱安定性に関する効果
は記載されていない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこのような事
情のもとで、熱安定性に優れたポリオキシメチレン樹脂
を開発する目的でなされたものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、ポリオキ
シメチレン樹脂の熱安定性、特に射出成形機に樹脂を滞
留させた場合に発生するシルバー(銀条)を改良すべく
検討した結果、新規な熱安定剤としてリン酸カルシウム
が著しく効果を発揮する事を見いだし本発明を完成させ
た。
【0006】すなわち、本発明は 1.(A)ポリオキシメチレン樹脂に、(B)リン酸カ
ルシウム、およびリン酸カルシウムを坦体としてこれに
金属を坦持させた物から選ばれる少なくとも一種を添加
する事を特徴とするポリオキシメチレン樹脂組成物、 2.(A)成分のポリオキシメチレン樹脂が、両末端を
エーテル結合、エステル結合などで封鎖されたポリオキ
シメチレンホモポリマーあるいはオキシアルキレン単位
を含有するポリオキシメチレンコポリマーおよび片末端
が異種成分で封鎖されたポリオキシメチレンブロックコ
ポリマーの少なくとも一種である上記1のポリオキシメ
チレン樹脂組成物、 3.(B)リン酸カルシウムおよびリン酸カルシウムを
坦体としてこれに金属を坦持させた物のリン酸カルシウ
ムが第三リン酸カルシウムおよびヒドロキシアパタイト
であり、金属が、銀、亜鉛および銅である上記1又は2
のポリオキシメチレン樹脂組成物、 4.(B)リン酸カルシウムおよびリン酸カルシウムを
坦体としてこれに金属を坦持させた物の平均粒子径が
0.01〜50μmの範囲である上記1、2又は3のポ
リオキシメチレン樹脂組成物、 5.(B)リン酸カルシウムあるいはリン酸カルシウム
を坦体としてこれに金属を坦持させた物から選ばれる少
なくとも一種の添加量が、ポリオキシメチレン樹脂10
0重量部に対して0.01〜30重量部である上記1、
2、3、4、5又は6のポリオキシメチレン樹脂組成
物、 6.上記1、2、3、4、5又は6のポリオキシメチレ
ン樹脂組成物を成形して得られる成形体、を提供するも
のである。
【0007】以下本発明を詳細に説明する。本発明の
(A)成分に用いられるポリオキシメチレン樹脂は、ホ
ルムアルデヒド又はその3量体であるトリオキサンや4
量体であるテトラオキサンなどの環状オリゴマーを重合
し重合体の末端をエーテル基、エステル基により封鎖し
たホモポリマーをはじめ、ホルムアルデヒド又はその3
量体であるトリオキサンや4量体であるテトラオキサン
と、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、1,
3−ジオキソラン、1,4−ブタンジオールホルマール
などのコモノマーとを共重合させたコポリマーやさらに
分岐状分子鎖を有するものや、オキシメチレンブロツク
共重合体などの少なくとも一種である。本発明で用いる
ポリオキシメチレンの溶融指数MI(ASTM−D12
38−57Tの条件で測定)は0.1g/10分から1
50g/10分、好ましくは1g/10分から100g
/10分である。またコポリマータイプのポリオキシメ
チレンにおいては、コモノマーの挿入量は、オキシメチ
レン100molに対し0.1から20mol、好まし
くは0.3から10molである。さらに本発明で用い
られるポリオキシメチレン樹脂は、後述する、ポリオキ
シメチレン樹脂に一般的に用いられる熱安定剤、耐候
(光)安定剤、潤滑剤、オレフィン系樹脂、充填剤、顔
料等を単独、または組み合わせて用いることが出来る。
【0008】本発明に用いられる(B)成分に用いられ
るリン酸カルシウムとしては第一リン酸カルシウム、第
二リン酸カルシウム、第三リン酸カルシウムおよびアパ
タイト系リン酸カルシウムが挙げられる。アパタイト系
リン酸カルシウムは、下記一般式で示される種々のリン
酸カルシウムの総称であり、例えばm/nのモル比が
1.33のオクタリン酸カルシウム、1.50の第三リ
ン酸カルシウムおよび1.67のヒドロキシアパタイト
等の化合物がある。 一般式:(Ca)m (PO4 n ・OH (1.3<m
/n<1.7) これらの中で、第三リン酸カルシウムおよび/又はヒド
ロキシアパタイトが好ましい。これらアパタイト類は、
その結晶構造により非晶質、結晶質、六角柱状、板状等
種々の構造をとるが何れの構造でも使用可能である。
【0009】本発明において用いられる(B)成分のリ
ン酸カルシウムおよび/又はリン酸カルシウムを坦体と
してこれに金属を坦持させた物は、特開平2−1802
70号公報に示される製造方法に従って製造することが
出来る。坦持金属としては銀、亜鉛、銅が用いられ、そ
の量はヒドロキシアパタイト100重量部に対して30
〜0.0001重量部の割合で用いられる。
【0010】本発明において(B)成分のリン酸カルシ
ウムおよび/又はリン酸カルシウムを坦体としてこれに
金属を坦持させた物の平均粒子径は0.01〜50μm
が好ましく、さらに好ましくは0.05〜20μmであ
る。また、その添加量はポリオキシメチレン樹脂100
重量部に対して0.01〜30重量部、さらに好ましく
は0.05〜20重量部である。
【0011】本発明のポリオキシメチレン樹脂組成物に
は、従来のポリオキシメチレン樹脂に使用されている安
定剤、例えば熱安定剤、耐候(光)安定剤を単独、又は
これらを組み合わせて用いることが出来る。熱安定剤と
しては酸化防止剤、ホルムアルデヒドやぎ酸の捕捉剤又
はこれらの併用が効果がある。酸化防止剤としては、ヒ
ンダードフエノール系酸化防止剤が好ましく、例えば、
n−オクタデシル−3−(3′,5′−ジ−t−ブチル
−4′−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート、n−
オクタデシル−3−(3′−メチル−5′−t−ブチル
−4′−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート、n−
テトラデシル−3−(3′,5′−ジ−t−ブチル−
4′−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート、1,6
−ヘキサンジオール−ビス−(3−(3,5−ジ−t−
ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオネー
ト)、1,4−ブタンジオール−ビス−(3−(3,5
−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピ
オネート)、トリエチレングリコール−ビス−(3−
(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニ
ル)−プロピオネート)、テトラキス−(メチレン−3
−(3′,5′−ジ−t−ブチル−4′−ヒドロキシフ
ェニル)プロピオネートメタン、3,9−ビス(2−
(3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチル
フェニル)プロピオニルオキシ)−1,1−ジメチルエ
チル)2,4,8,10−テトラオキサスピロ(5,
5)ウンデカン、N,N′−ビス−3−(3′,5′−
ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェノール)プリピオ
ニルヘキサメチレンジアミン、N,N′−テトラメチレ
ンビス−3−(3′−メチル−5′−t−ブチル−4−
ヒドロキシフェノール)プロピオニルジアミン、N,
N′−ビス−(3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒ
ドロキシフェノール)プロピオニル)ヒドラジン、N−
サリチロイル−N′−サリチリデンヒドラジン、3−
(N−サリチロイル)アミノ−1,2,4−トリアゾー
ル、N,N′−ビス(2−(3−(3,5−ジ−ブチル
−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ)エチ
ル)オキシアミド等が挙げられる。
【0012】これらヒンダードフェノール系酸化防止剤
のなかでもトリエチレングリコールービス−(3−(3
−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)
−プロピオネート)、テトラキス−(メチレン−3−
(3′,5′−ジ−t−ブチル−4′−ヒドロキシフェ
ニル)プロピオネートメタンが好ましい。ホルムアルデ
ヒドやギ酸の捕捉剤としては、(イ)ホルムアルデヒド
反応性窒素を含む化合物および重合体、(ロ)アルカリ
金属又はアルカリ土類金属の水酸化物、無機酸塩、カル
ボン酸塩およびアルコキシド等が挙げられる。
【0013】(イ)ホルムアルデヒド反応性窒素を含む
化合物としては、(1)ジシアンジアミド、(2)アミ
ノ置換トリアジン、(3)アミノ置換トリアジンとホル
ムアルデヒドとの共縮合物等が挙げられる。(2)アミ
ノ置換トリアジンとしては、例えば、グアナミン(2,
4−ジアミノ−sym−トリアジン)、メラミン(2,
4,6−トリアミノ−sym−トリアジン)、N−ブチ
ルメラミン、N−フェニルメラミン、N,N−ジフェニ
ルメラミン、N,N−ジアリルメラミン、N,N′,
N″−トリフェニルメラミン、N−メチロールメラミ
ン、N,N′−ジメチロールメラミン、N,N′,N″
−トリメチロールメラミン、ベンゾグアナミン(2,4
−ジアミノ−6−フェニル−sym−トリアジン)、
2,4−ジアミノ−6−メチル−sym−トリアジン、
2,4−ジアミノ−6−ブチル−sym−トリアジン、
2,4−ジアミノ−6−ベンジルオキシ−sym−トリ
アジン、2,4−ジアミノ−6−ブトキシ−sym−ト
リアジン、2,4−ジアミノ−6−シクロヘキシル−s
ym−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−クロロ−s
ym−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−メルカプト
−sym−トリアジン、2,4−ジオキシ−6−アミノ
−sym−トリアジン(アメライト)、2−オキシ−
4,6−ジアミノ−sym−トリアジン(アメリン)、
N,N′,N′−テトラシアノエチルベンゾグアナミン
等がある。(3)アミノ置換トリアジンとホルムアルデ
ヒドとの共縮合物としては、例えば、メラミン−ホルム
アルデヒド重縮合物等がある。これらの中で、ジシアン
ジアミド、メラミン及びメラミン−ホルムアルデヒド重
縮合物が好ましい。
【0014】さらに(イ)ホルムアルデヒド反応性窒素
基を有する重合体としては、(1)ポリアミド樹脂、
(2)アクリルアミド及びその誘導体又はアクリルアミ
ドおよびその誘導体と他のビニルモノマーとを金属アル
コラートの存在下で重合して得られる重合体、(3)ア
クリルアミド及びその誘導体又はアクリルアミド及びそ
の誘導体と他のビニルモノマーとをラジカル重合の存在
下で重合して得られる重合体、(4)アミン、アミド、
尿素及びウレタン等窒素基を含有する重合体でも良い。
【0015】(1)のポリアミド樹脂としてはナイロン
4−6、ナイロン6、ナイロン6−6、ナイロン6−1
0、ナイロン6−12、ナイロン12等及びこれらの共
重合物、例えば、ナイロン6/6−6、ナイロン6/6
−6/6−10、ナイロン6/6−12等が挙げられ
る。(2)アクリルアミド及びその誘導体又はアクリル
アミドおよびその誘導体と他のビニルモノマーとを金属
アルコラートの存在下で重合して得られる重合体として
は、ポリ−β−アラニン共重合体が挙げられる。これら
のポリマーは特公平6−12259号、特公平5−87
096号、特公平5−47568号及び特開平3−23
4729号の各公報記載の方法で製造することができ
る。(3)アクリルアミド及びその誘導体又はアクリル
アミド及びその誘導体と他のビニルモノマーとをラジカ
ル重合の存在下で重合して得られる重合体は、特開平3
−28260号公報記載の方法で製造することが出来
る。
【0016】(ロ)アルカリ金属又はアルカリ土類金属
の水酸化物、無機酸塩、カルボン酸塩およびアルコキシ
ドとしては、例えば、ナトリウム、カリウム、マグネシ
ウム、カルシウムもしくはバリウムなどの水酸化物、該
金属の炭酸塩、りん酸塩、けい酸塩、ほう酸塩、カルボ
ン酸塩が挙げられる。該カルボン酸塩のカルボン酸は、
10〜36個の炭素原子を有する飽和又は不飽和脂肪族
カルボン酸等であり、これらのカルボン酸はヒドロキシ
ル基で置換されていてもよい。飽和脂肪族カルボン酸と
しては、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パル
ミチン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘニン酸、
リグノセリン酸、セロチン酸、モンタン酸、メリシン
酸、セロプラスチン酸が挙げられる。不飽和脂肪族カル
ボン酸は、ウンデシレン酸、オレイン酸、エライジン
酸、セトレイン酸、エルカ酸、ブラシジン酸、ソルビン
酸、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸、プロピオ
ール酸、ステアロール酸などが挙げられる。また、アル
コキシドとして、上記金属のメトキシド、エトキシドな
どが挙げられる。
【0017】耐候(光)安定剤としては、(イ)ベンゾ
トリアゾール系物質、(ロ)シュウ酸アニリド系物質お
よび(ハ)ヒンダードアミン系物質が好ましい。(イ)
ベンゾトリアゾール系物質としては、例えば2−(2′
−ヒドロキシ−5′−メチル−フェニル)ベンゾトリア
ゾール、2−[2′−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブ
チル−フェニル)ベンゾトリアゾール、2−[2′−ヒ
ドロキシ−3,5−ジ−イソアミル−フェニル)ベンゾ
トリアゾール、2−[2′−ヒドロキシ−3,5−ビス
−(α,α−ジメチルベンジル)フェニル]−2H−ベ
ンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−4′−オ
クトキシフェニル)ベンゾトリアゾール等が挙げられ、
好ましくは2−[2′−ヒドロキシ−3,5−ビス−
(α,α−ジメチルベンジル)フェニル]−2H−ベン
ゾトリアゾール、2−[2′−ヒドロキシ−3,5−ジ
−t−ブチル−フェニル)ベンゾトリアゾールである。
【0018】(ロ)シュウ酸アニリド系物質としては、
例えば、2−エトキシ−2′−エチルオキザリックアシ
ッドビスアニリド、2−エトキシ−5−t−ブチル−
2′−エチルオキザリックアシッドビスアニリド、2−
エトキシ−3′−ドデシルオキザリックアシッドビスア
ニリド等が挙げられる。これらの物質はそれぞれ単独で
用いても良いし、2種以上を組み合わせて用いても良
い。
【0019】(ハ)ヒンダードアミン系物質としては、
4−アセトキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリ
ジン、4−ステアロイルオキシ−2,2,6,6−テト
ラメチルピペリジン、4−アクリロイルオキシ−2,
2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−(フェニル
アセトキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジ
ン4−ベンゾイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチ
ルピペリジン、4−メトキシ−2,2,6,6−テトラ
メチルピペリジン、4−ステアリルオキシ−2,2,
6,6−テトラメチルピペリジン、4−シクロヘキシル
オキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4
−ベンジルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペ
リジン、4−フェノキシ−2,2,6,6−テトラメチ
ルピペリジン、4−(エチルカルバモイルオキシ)−
2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−(シク
ロヘキシルカルバモイルオキシ)−2,2,6,6−テ
トラメチルピペリジン、4−(フェニルカルバモイルオ
キシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、ビ
ス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジン)
−カーボネート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル
−4−ピペリジル)−オキサレート、ビス(2,2,
6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−マロネー
ト、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリ
ジル)−セバケート、ビス(2,2,6,6−テトラメ
チル−4−ピペリジル)−アジペート、ビス(2,2,
6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−テレフタレ
ート、1,2−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−
4−ピペリジルオキシ)−エタン、α,α′−ビス
(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルオキ
シ)−p−キシレン、ビス(2,2,6,6−テトラメ
チル−4−ピペリジル)トリレン−2,4−ジカルバメ
ート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペ
リジル)−ヘキサメチレン−1,6−ジカルバメート、
トリス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジ
ル)−ベンゼン−1,3,5−トリカルボキシレート、
トリス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジ
ル)−ベンゼン−1,3,4−トリカルボキシレート等
が挙げられ、好ましくはビス(2,2,6,6−テトラ
メチル−4−ピペリジル)−セバケートである。上記ヒ
ンダードアミン系物質はそれぞれ単独で用いても良い
し、2種以上を組み合わせて用いても良い。また上記ベ
ンゾトリアゾール系物質、シュウ酸アニリド系物質とヒ
ンダードアミン系物質の組合せが最も好ましい。
【0020】本発明のポリオキシメチレン樹脂に用いら
れる潤滑剤として、アルコール、脂肪酸、およびアルコ
ールと脂肪酸のエステル、アルコールとジカルボン酸と
のエステル、脂肪酸アミド、金属石鹸、ポリオキシアル
キレングリコール、平均重合度が10〜500であるオ
レフィン化合物、シリコーンオイルが挙げられる。アル
コールとしては1価アルコール、多価アルコールがあ
り、例えば1価アルコールの例としては、オクチルアル
コール、カプリルアルコール、ノニルアルコール、デシ
ルアルコール、ウンデシルアルコール、ラウリルアルコ
ール、トリデシルアルコール、ミリスチルアルコール、
ベンタデシルアルコール、セチルアルコール、ヘブタデ
シルアルコール、ステアリルアルコール、オレイルアル
コール、ノナデシルアルコール、エイコシルアルコー
ル、ペヘニルアルコール、セリルアルコール。メリシル
アルコール、2−ヘキシルデカノール、2−イソヘプチ
ルイシウンデカノール、2−オクチルドデカノール、2
−デシルテトラデカノール、2−ラチルステアリンアル
コール、ユニリンアルコールがあげられる。
【0021】多価アルコールとしては、2〜6個の炭素
原子を含有する多価アルコールであり、例えば、エチレ
ングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレング
リコール、プロピレングリコールジプロピレングリコー
ル、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオ
ール、グリセリン、ジグリセリン、トリグリセリン、ト
レイトール、エリスリトール、ペンタエリスリトール、
アラビトール、リビトール、キシリトール、ソルバイ
ト、ソルビタン、ソルビトール、マンニトールがあげら
れる。
【0022】脂肪酸としては、カプリン酸、ラウリン
酸、ミリスチン酸、パルミチン酸ステアリン酸、12−
ヒドロキシステアリン酸、アラギン酸、ベヘニン酸、リ
グノセリン酸、セロチン酸、モンタン酸、メリシン酸、
セロプラスチン酸、ウンデシレン酸、オレイン酸、エラ
イジン酸、セトレイン酸、エルカ酸、ブラシジン酸、ソ
ルビン酸リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸、プロ
ピオール酸、ステアロール酸及びかかる成分を含有して
なる天然に存在する脂肪酸またはこれらの混合物等が挙
げられる。これらの脂肪酸はヒドロキシ基で置換されて
いてもよい。
【0023】アルコールと脂肪酸のエステルとしては脂
肪酸化合物の内、好ましくはパルミチン酸、ステアリン
酸、ベヘン酸、モンタン酸から選ばれた脂肪酸とグリセ
リン、ペンタエリスリトール、ソルビタン、ソルビトー
ルから選ばれた多価アルコールとから誘導された脂肪酸
エステルがある。これらの脂肪酸エステル化合物の水酸
基は有っても良いし、無くても良い。何等制限するもの
ではない。例えば、モノエステルであってもジエステ
ル、トリエステルで有っても良い。またほう酸等で水酸
基が封鎖されていても良い。好ましい脂肪酸エステルを
例示すると、グリセリンモノパルミテート、グリセリン
ジパルミテート、グリセリントリパルミテート、グリセ
リンモノステアレート、グリセリンジステアレート、グ
リセリントリステアレート、グリセリンモノベヘネー
ト、グリセリンジベヘネート、グリセリントリベヘネー
ト、グリセリンモノモンタネート、グリセリンジモンタ
ネート、グリセリントリモンタネート、ペンタエリスリ
トールモノパルミテート、ペンタエリスリトールジパル
ミテート、ペンタエリスリトールトリパルミテート、ペ
ンタエリスリトールテトラパルミテート、ペンタエリス
リトールモノステアレート、ペンタエリスリトールジス
テアレート、ペンタエリスリトールトリステアレート、
ペンタエリスリトールテトラステアレート、ペンタエリ
スリトールモノベヘネート、ペンタエリスリトールジベ
ヘネート、ペンタエリスリトールトリベヘネート、ペン
タエリスリトールテトラベヘネート、ペンタエリスリト
ールモノモンタネート、ペンタエリスリトールジモンタ
ネート、ペンタエリスリトールトリモンタネート、ペン
タエリスリトールテトラモンタネート、ソルビタンモノ
パルミテート、ソルビタンジパルミテート、ソルビタン
トリパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソル
ビタンジステアレート、ソルビタントリステアレート、
ソルビタンモノベヘネート、ソルビタンジベヘネート、
ソルビタントリベヘネート、ソルビタンモノモンタネー
ト、ソルビタンジモンタネート、ソルビタントリモンタ
ネート、ソルビトールモノパルミテート、ソルビトール
ジパルミテート、ソルビトールトリパルミテート、ソル
ビトールモノステアレート、ソルビトールジステアレー
ト、ソルビトールトリステアレート、ソルビトールモノ
ベヘネート、ソルビトールジベヘネート、ソルビトール
トリベヘネートソルビトールモノモンタネート、ソルビ
トールジモンタネート、ソルビトールトリモンタネート
である。また、ほう酸等で水酸基を封鎖した脂肪族エス
テル化合物としてグリセリンモノ脂肪酸エステルのほう
酸エステルもあげられる。
【0024】アルコールとジカルボン酸のエステルは、
アルコールとしてメチルアルコール、エチルアルコー
ル、プロピルアルコール、n−ブチルアルコール、イソ
ブチルアルコール、t−ブチルアルコール、n−アミル
アルコール、2−ペンタノール、n−ヘプチルアルコー
ル、n−オクチルアルコール、n−ノニルアルコール、
ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルア
ルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール
等の飽和・不飽和アルコールと、ジカルボン酸としてシ
ュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン
酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン
酸、ウンデカニン酸、ブラシリン酸、マレイン酸、フマ
ール酸、グルタコン酸等とのモノエステル、ジエステル
である。
【0025】脂肪酸アミドとしては、C16以上の脂肪
族カルボン酸と脂肪族アミンもしくは脂肪族ジアミンよ
りなる脂肪族アミド化合物が用いられる。かかる脂肪族
アミドを構成するカルボン酸としては、パルミチン酸、
イソパルミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、
ベヘン酸、リグノセリン酸、セロチン酸、ヘプタコサン
酸、モンタン酸、メリシン酸、ラクセル酸、セトレイン
酸、エルカ酸等が挙げられる。また、アミンおよびジア
ミンとしてはアンモニア、エチレンジアミン等が挙げら
れる。かかるアミド化合物の例としてはステアリルアミ
ド、パルミチルアミド、オレイルアミド、メチレンビス
ステアロアミド、エチレンビスステアロアミド、エチレ
ンビスオレイルアミド等が挙げられる。
【0026】金属石鹸としてはステアリン酸亜鉛、ステ
アリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム等が挙
げられる。ポリオキシアルキレングリコールとして、例
えば第一のグループとして、アルキレングリコールをモ
ノマーとする重縮合物が挙げられる。例えば、ポリエチ
レングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチ
レングリコールポリプロピレングリコールブロックポリ
マー等が挙げられる。これらの重合モル数の好ましい範
囲は5〜1000、より好ましい範囲は10〜500で
ある。第二のグループは、第一のグループと脂肪族アル
コールとのエーテル化合物である。例えば、ポリエチレ
ングリコールオレイルエーテル(エチレンオキサイド重
合モル数5〜50)、ポリエチレングリコールセチルエ
ーテル(エチレンオキサイド重合モル数5〜20)、ポ
リエチレングリコールステアリルエーテル(エチレンオ
キサイド重合モル数5〜30)、ポリエチレングリコー
ルラウリルエーテル(エチレンオキサイド重合モル数5
〜30)、ポリエチレングリコールトリデシルエーテル
(エチレンオキサイド重合モル数5〜30)、ポリエチ
レングリコールノニルフェニルエーテル(エチレンオキ
サイド重合モル数2〜100)、ポリエチレングリコー
ルオキチルフェニルエーテル(エチレンオキサイド重合
モル数4〜50)等が挙げられる。第三のグループは、
第一のグループと高級脂肪酸とのエステル化合物であ
る。例えば、ポリエチレングリコールモノラウレート
(エチレンオキサイド重合モル数2〜30)、ポリエチ
レングリコールモノステアレート(エチレンオキサイド
重合モル数2〜50)、ポリエチレングリコールモノオ
レエート(エチレンオキサイド重合モル数2〜10)等
が挙げられる。
【0027】平均重合度が10〜500であるオレフィ
ン化合物とは下記一般式(1)で示される化合物であ
る。
【0028】
【化1】
【0029】〔式中、R1、R2は水素、アルキル基、
アリール基、エーテル基より選ばれ、各々同一でも異な
っていても良い。nは平均重合度で10〜500であ
る。〕 アルキル基としては、例えばエチル基、プロピル基、ブ
チル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、ラウリル
基、セチル基、ステアリル基等であり、アリール基とし
ては、例えばフェニル基、p−ブチルフェニル基、p−
オクチルフェニル基、p−ノニルフェニル基、ベンジル
基、p−ブチルベンジル基、トリル基、キシリル基等が
ある。またエーテル基としては例えばエチルエーテル
基、プロピルエーテル基、ブチルエーテル基等がある。
具体的にオレフィン化合物を構成するモノマーとしては
エチレン、プロピレン、1−ブテン、2−ブテン、イソ
ブチレン、1−ペンテン、2−ペンテン、2−メチル−
1−ブテン、3−メチル−1−ブテン、2−メチル−2
−ブテン、1−ヘキセン、2,3−ジメチル−2−ブテ
ン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デ
セン等で表されるオレフィン系モノマー、又は、アレ
ン、1,2−ブタジエン、1,3−ブタジエン、1,3
−ペンタジエン、1,4−ペンタジエン、1,5−ヘキ
サジエン、シクロペンタジエン等で表されるジオレフィ
ン系モノマーがある。これらオレフィン系モノマー、ジ
オレフィン系モノマーの2種以上を共重合して得られる
化合物であってもかまわない。オレフィン化合物がジオ
レフィン系モノマーを重合して得られる化合物である場
合は熱安定性向上の観点から慣用の水素添加法を用いて
炭素−炭素不飽和結合を極力少なくしたオレフィン化合
物を用いる方が好ましい。
【0030】オレフィン化合物を構成するオレフィン単
位の平均重合度nは10〜500の間にある必要があ
り、好ましくは15〜300の範囲である。平均重合度
nが10より小さい場合は長期の潤滑特性が低下すると
共に金型汚染性へも悪影響を与えるため好ましくない。
nが500より大きい場合は、初期の潤滑特性が大きく
低下するため好ましくない。
【0031】シリコーンオイルとしては下記一般式
(2)で示されるポリジメチルシロキサン、ポリメチル
フェニルシロキサンが代表として好ましく用いられる。
【0032】
【化2】
【0033】〔式中、R3はメチル基であるが、その一
部がアルキル基、フェニル基、ハロゲン化アルキル基、
ハロゲン化フェニル基、ポリアルキレングリコール等で
あっても良い。〕 また、ジメチルシロキサンのメチル基の一部が、クロロ
フェニル基に代表されるハロゲン化フェニル基、C8以
上のアルキル基、ポリエチレングリコール含有基、C8
以上の脂肪族カルボン酸の誘導体である高級脂肪族エス
テル基、トリフルオロメチル基に代表されるハロゲン化
アルキル基などの各種置換基に代替された変性ポリオル
ガノシロキサンについても使用可能である。本発明にお
いて用いられるシリコンオイルは動粘度(25℃)が1
00〜10万cstの範囲のものが好ましい。潤滑剤の
配合割合は(A)ポリオキシメチレン樹脂100重量部
に対して0.01〜10重量部が好ましく、さらに好ま
しくは0.05〜5重量部である。添加量が0.01重
量部以下では潤滑性が不十分であり、10重量部を超え
ると耐熱性や剛性の低下が著しいため好ましくない。
【0034】本発明のポリオキシメチレン樹脂に用いら
れるポリオレフィン系樹脂は、下記一般式(3)で示す
オレフィン系化合物のホモおよび共重合体もしくはその
変性体である。
【0035】
【化3】
【0036】〔式中、R4は水素原子又はメチル基であ
り、R5は水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、カ
ルボキシル基、2〜5個の炭素原子を含むアルキルカル
ボキシ基、2〜5個の炭素原子を有するアシルオキシ基
又はビニル基を意味する。〕 具体的には、ポリエチレン(高密度ポリエチレン、中密
度ポリエチレン、高圧法低密度ポリエチレン、直鎖状低
密度ポリエチレン、超低密度ポリエチレン)、ポリプロ
ピレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−ブ
テン共重合体、ポリプロピレン−ブテン共重合体、ポリ
ブテン、ポリブタジエンの水添物、エチレン−アクリル
酸エステル共重合体、エチレン−メタアクリル酸エステ
ル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン
−酢酸ビニル共重合体等が挙げられる。変性体として
は、他のビニル化合物の一種以上をグラフトさせたグラ
フト共重合体が挙げられる。これらの中でポリエチレン
(高圧法低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレ
ン、超低密度ポリエチレン)、エチレン−プロピレン共
重合体、エチレン−ブテン共重合体が好ましい。ポリオ
レフィン系重合体の配合割合はポリオキシメチレン樹脂
100重量部に対して0.1〜20重量部が好ましく、
さらに好ましくは0.5〜15重量部である。添加量が
0.1重量部以下では摺動性の改良効果が不十分であ
り、20重量部を超えて添加すると剥離が著しく不良と
なるため好ましくない。
【0037】本発明のポリオキシメチレン樹脂に用いら
れる充填剤は繊維状、粒子状、板状及び中空状の充填剤
が用いられる。繊維状充填剤としては、ガラス繊維、ア
スベスト繊維、炭素繊維、シリコン繊維、シリカ・アル
ミナ繊維、ジルコニア繊維、窒化硼素繊維、窒化硅素繊
維、硼素繊維、チタン酸カリウム繊維、さらにステンレ
ス、アルミニウム、チタン、銅、真鍮等の金属繊維等の
無機質繊維があげられる。また、繊維長の短いチタン酸
カリウイスカー、酸化亜鉛ウイスカー等のウイスカー類
も含まれる。なお、芳香族ポリアミド樹脂、フッ素樹
脂、アクリル樹脂等の高融点有機繊維状物質も使用する
事が出来る。粉子状充填剤としては、カーボンブラッ
ク、シリカ、石英粉末、ガラスビーズ、ガラス粉、珪酸
カルシウム、珪酸アルミニウム、カオリン、タルク、ク
レー、珪藻土、ウォラストナイトの如き珪酸塩、酸化
鉄、酸化チタン、アルミナの如き金属酸化物、硫酸カル
シウム、硫酸バリウムの如き金属硫酸塩、炭酸カルシウ
ム、炭酸マグネシウム、ドロマイト等の炭酸塩、その他
炭化珪素、窒化硅素、窒化硼素、各種金属粉末等があげ
られる。板状充填剤としてはマイカ、ガラスフレーク、
各種金属箔があげられる。中空状充填剤としては、ガラ
スバルーン、シリカバルーン、シラスバルーン、金属バ
ルーン等があげられる。これらの充填剤は1種又は2種
以上を併用して使用することが可能である。これらの充
填剤は表面処理されたもの、未表面処理のもの、何れも
使用可能であるが、成形表面の平滑性、機械的特性の面
から表面処理の施されたものの使用のほうが好ましい場
合がある。表面処理剤としては従来公知のものが使用可
能である。例えば、シラン系、チタネート系、アルミニ
ウム系、ジルコニウム系等の各種カップリング処理剤が
使用できる。具体的にはN−(2−アミノエチル)−3
−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキ
シプロピルトリメトキシシラン、イソプロピルトリスス
テアロイルチタネート、ジイソプロポキシアンモニウム
エチルアセテート、n−ブチルジルコネート等が挙げら
れる。充填剤の添加割合はポリオキシメチレン樹脂と充
填剤との合計を100重量部として、ポリオキシメチレ
ン樹脂99〜50重量部に対して充填剤1〜50重量部
の範囲が好ましい。1重量部未満では充填剤の補強効果
が不十分であり、50重量部を超えると表面外観の悪化
とともに成形加工性の悪化や耐衝撃性が低下するため好
ましくない。
【0038】本発明のポリオキシメチレン樹脂に用いら
れる顔料としては、無機顔料及び有機顔料がある。無機
顔料とは樹脂の着色用として一般的に使用されているも
のをいい、例えば、硫化亜鉛、酸化亜鉛、酸化チタン、
硫酸バリウム、チタンイエロー、酸化鉄、群青、コバル
トブルー、燃成顔料、炭酸塩、りん酸塩、酢酸塩やカー
ボンブラック、アセチレンブラック、ランプブラツク等
をいい、有機顔料とは縮合アゾ系、イソインドリン系、
モノアゾ系、ジアゾ系、ポリアゾ系、アンスラキノン
系、複素環系、ペンノン系、キナクリドン系、チオイン
ジコ系、ベリレン系、ジオキサジン系、フタロシアニン
系等の顔料である。顔料の添加割合は色調により大幅に
変わるため明確にする事は難しいが一般的には、ポリオ
キシメチレン樹脂と100重量部に対して、0.05〜
5重量部の範囲で用いられる。
【0039】本発明の組成物の製造方法は一般的に使用
されている溶融混練機を用いる事が出来る。溶融混練機
としてはニーダー、ロールミル、単軸押出機、2軸押出
機、多軸押出機等上げることが出来る。このときの加工
温度は180〜240℃であることが好ましく、品質や
作業環境の保持のためには不活性ガスによる置換や一段
及び多段ベントでの脱気することも好ましい。
【0040】
【発明の実施の形態】以下、実施例により本発明を具体
的に説明する。尚、実施例および比較例で使用する成分
の内容と評価方法を以下に示す。 [使用成分の内容] <A.ポリオキシメチレン樹脂> A−1;メルトインデックス9g/10分(ASTM
D−1238−57T(E条件))のポリオキシメチレ
ンコポリマー A−2;メルトインデックス9g/10分(ASTM
D−1238−57T(E条件))のポリオキシメチレ
ンホモポリマー A−3;テナックC 4513(旭化成工業(株)製) A−4;テナックC 4520(旭化成工業(株)製) <B.リン酸カルシウム類> B−1;第三リン酸カルシウム(和光純薬(株)製化学
用をボールミルで粉砕したもの、平均粒子径2.0μ
m) B−2;アパタイトHAP,単斜晶(和光純薬(株)製
生体材料研究用をボールミルで粉砕したもの、平均粒子
径1.5μm) B−3;アパタイトα−TCP,単斜晶(和光純薬
(株)製生体材料研究用をボールミルで粉砕したもの、
平均粒子径1.8μm) B−4;アパタイトβ−TCP,三方晶(和光純薬
(株)製生体材料研究用をボールミルで粉砕したもの、
平均粒子径1.5μm) B−5;アパタイトTTCP,単斜晶(和光純薬(株)
製生体材料研究用をボールミルで粉砕したもの、平均粒
子径1.7μm) B−6;硝酸銀2gを蒸留水1リットルに溶解し、アン
モニア水で中性からアルカリにPHを調整し、攪拌す
る。この溶液中に0.1M塩化カルシウム1000ミリ
リットルと0.1Mリン酸水素二ナトリウム600ミリ
リットルをそれぞれ攪拌しつつ徐々に滴下し、溶液のP
Hをアンモニア水で中性からアルカリに調整しながらハ
イドロキシアパタイトを合成した。生成物を蒸留水で良
く洗い、乾燥、粉砕を行い、平均粒子径2.0μmの銀
坦持ヒドロキシアパタイトを得た。 B−7;B−6で得られた銀坦持ヒドロキシアパタイト
を電気炉を用いて、1000℃で焼成した後再粉砕を行
い、平均粒子径1.5μmの銀坦持ヒドロキシアパタイ
トを得た。 <C.安定剤> C−1;トリエチレングリコール−ビス−〔3−(3−
t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プ
ロピオネート〕 C−2;メラミン C−3;66ナイロン C−4;ポリ−β−アラニン [評価方法]成形機滞留によるシルバーストリーク発生
時間の測定。
【0041】アーブルグ社製射出成形機(All Ro
under 221−55−250)を用いて、シリン
ダー温度250℃、金型温度40℃、スクリュー回転数
320rpmで成形機内に樹脂を充填し、滞留させた後
射出成形を行い、成形品表面に発生するシルバーストリ
ークスを測定した。判定は滞留時間を変化させて、シル
バーストリークスの見本品レベルに達した時間を求め
た。
【0042】
【実施例1】A−1成分のポリオキシメチレン樹脂10
0重量部、B−1成分の第三リン酸カルシウム0.1重
量部、安定剤として、C−1成分のトリエチレングリコ
ール−ビス−〔3−(3−t−ブチル−5−メチル−4
−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕0.3重量部
およびC−2成分のメラミン0.05重量部をヘンシェ
ルミキサーで均一にブレンドした後、200℃に設定さ
れたL/D=30の二軸押出機を用いて押出混練を行っ
た。押出された樹脂はストランドカッターでペレットと
し得られたペレットを用いて評価を行った。その結果を
表1に示す。
【0043】
【実施例2〜10】B成分を表1に記載のものと量に変
更する以外は実施例1と全く同様に実施した。結果を表
1に示す。
【0044】
【比較例1】B−1成分のリン酸カルシウムを添加しな
い以外は実施例1と全く同様に実施した。結果を表1に
示す。
【0045】
【実施例11】実施例8の安定剤成分を表1に記載のも
のと量に変更する以外は実施例8と全く同様に実施し
た。結果を表1に示す。
【0046】
【比較例2】B−5成分を添加しない以外は実施例1と
全く同様に実施した。結果を表1に示す。
【0047】
【実施例12】A−2成分のポリオキシメチレン樹脂1
00重量部、B−1成分の第三リン酸カルシウム0.1
重量部、安定剤として、C−1成分のトリエチレングリ
コール−ビス−〔3−(3−t−ブチル−5−メチル−
4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕0.3重量
部およびC−4成分のポリ−β−アラニン0.3重量部
をヘンシェルミキサーで均一にブレンドした後、200
℃に設定されたL/D=30の二軸押出機を用いて押出
混練を行った。押出された樹脂はストランドカッターで
ペレットとし得られたペレットを用いて評価を行った。
その結果を表1に示す。
【0048】
【比較例3】B−1成分のリン酸カルシウムを添加しな
い以外は実施例12と全く同様に実施した。結果を表1
に示す。
【0049】
【実施例13】A−3成分のポリオキシメチレン樹脂
(テナックC、4513)100重量部と顔料成分の中
の流動パラフィン0.05部を入れ、ヘンシェルミキサ
ーにて均一に混合した。その後、B−1成分の第三リン
酸カルシウム0.5重量部およびベージュ顔料の残りの
成分を添加してさらに混合した。この均一ブレンド物を
200℃に設定されたL/D=30の二軸押出機を用い
て押出混練を行った。押出された樹脂はストランドカッ
ターでペレットとし得られたペレットを用いて評価を行
った。その結果を表2に示す。
【0050】
【実施例14〜16】B成分を表2に記載のものと量に
変更する以外は実施例13と全く同様に実施した。結果
を表2に示す。
【0051】
【比較例4】B成分のリン酸カルシウムを添加しない以
外は実施例13と全く同様に実施した。結果を表2に示
す。
【0052】
【実施例17〜20および比較例5】実施例14〜16
と比較例4で用いた顔料をブラウンに変更する以外は実
施例14〜16、比較例4と全く同様に実施した。結果
を表2に示す。
【0053】
【実施例20〜23および比較例6】実施例17〜20
と比較例5で用いたA−3成分をA−4成分に変更し、
リン酸カルシウムの添加量を表2に示す量に変更する以
外は実施例17〜20、比較例5と全く同様に実施し
た。結果を表2に示す。
【0054】
【表1】
【0055】
【表2】
【0056】
【発明の効果】本発明によると従来の組成物に比較し
て、ポリオキシメチレン樹脂の熱安定性、特に射出成形
機に長期に滞留させた場合に発生するシルバー(銀条)
を大幅に改良する事が可能となった。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)ポリオキシメチレン樹脂に、
    (B)リン酸カルシウム、およびリン酸カルシウムを坦
    体としてこれに金属を坦持させた物から選ばれる少なく
    とも一種を添加する事を特徴とするポリオキシメチレン
    樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 (A)成分のポリオキシメチレン樹脂
    が、両末端をエーテル結合、エステル結合などで封鎖さ
    れたポリオキシメチレンホモポリマーあるいはオキシア
    ルキレン単位を含有するポリオキシメチレンコポリマー
    および片末端が異種成分で封鎖されたポリオキシメチレ
    ンブロックコポリマーの少なくとも一種である請求項1
    記載のポリオキシメチレン樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 (B)リン酸カルシウムおよびリン酸カ
    ルシウムを坦体としてこれに金属を坦持させた物のリン
    酸カルシウムが第三リン酸カルシウムおよびヒドロキシ
    アパタイトであり、金属が、銀、亜鉛および銅である請
    求項1又は2記載のポリオキシメチレン樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 (B)リン酸カルシウムおよびリン酸カ
    ルシウムを坦体としてこれに金属を坦持させた物の平均
    粒子径が0.01〜50μmの範囲である請求項1、2
    又は3記載のポリオキシメチレン樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 (B)リン酸カルシウムあるいはリン酸
    カルシウムを坦体としてこれに金属を坦持させた物から
    選ばれる少なくとも一種の添加量が、ポリオキシメチレ
    ン樹脂100重量部に対して0.01〜30重量部であ
    る請求項1、2、3、4、5又は6記載のポリオキシメ
    チレン樹脂組成物。
  6. 【請求項6】 請求項1、2、3、4、5又は6記載の
    ポリオキシメチレン樹脂組成物を成形して得られる成形
    体。
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