JP6270432B2 - ポリアセタール樹脂組成物 - Google Patents
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Description
例えば、ピンゲート金型による成形、ハイサイクル成形が挙げられるが、さらに高粘度ポリアセタール樹脂を用いて前記成形方法を実施し、成形品の小型化、薄肉化、及び精密化を図っている。
また、その他の一般的な成形方法においても、成形不良、例えばフローマーク、ウェルドライン、ジェッテイング等が発生した場合には、樹脂温度を上げることで対応することが多く、これも高い熱履歴がかかる要因となる。
さらに、金型にホットランナーを使用する場合には、樹脂の部分的な滞留が発生することによって樹脂温度が上がり、樹脂の分解が起きるおそれがある。
また、特に自動車の内装部品の分野においては、ホルムアルデヒドを含む揮発性有機化合物(VOC)の放出量を低減させる要求が高まってきており、耐候安定性と熱安定性とのバランスに優れた樹脂組成物が求められているのが現状である。
例えば、ポリアセタール樹脂にヒンダードアミン系光安定剤及び蓚酸アニリド系紫外線吸収剤を添加する方法(例えば、特許文献1参照。)、ポリアセタール樹脂にヒンダードアミン系光安定剤及びベンゾフェノン系紫外線吸収剤を添加する方法(例えば、特許文献2参照。)、ポリアセタール樹脂にヒンダードアミン系光安定剤及びベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤を添加する方法(例えば、特許文献3参照。)、ポリアセタール樹脂にヒンダードアミン系光安定剤、各種紫外線吸収剤、及び脂肪酸エステルを添加する方法(例えば、特許文献4参照。)、ポリアセタール樹脂にヒンダードアミン系光安定剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、及び酸化防止剤を添加する方法(例えば、特許文献5参照。)、ポリアセタール樹脂にヒンダードアミン系光安定剤、紫外線吸収剤、及びヒドラジド化合物を添加する方法(例えば、特許文献6参照。)、ポリアセタール樹脂に液体のヒンダードアミン系光安定剤を添加する方法(例えば、特許文献7参照。)が提案されている。
すなわち、本発明は、以下の通りである。
(A)ポリアセタール樹脂100質量部と、
(B)下記一般式(1)で表されるヒンダードアミン化合物0.001〜5質量部と、を、含有する、ポリアセタール樹脂組成物。
数1〜30のヒドロキシアルキル基、炭素数1〜30のアルコキシ基、炭素数1〜30の
ヒドロキシアルコキシ基、及びオキシラジカルからなる群より選ばれるいずれかを表し、
R2は炭素数8〜26のアルキル基を表す。)
前記一般式(1)中、R1が水素原子である、前記〔1〕に記載のポリアセタール樹脂
組成物。
本実施形態のポリアセタール樹脂組成物は、
(A)ポリアセタール樹脂100質量部と、
(B)下記一般式(1)で表されるヒンダードアミン化合物0.001〜5質量部と、
を、含有する。
本実施形態で用いる(A)ポリアセタール樹脂(本明細書中、(A)成分、(A)と記載する場合がある。)としては、ポリアセタールホモポリマー及びポリアセタールコポリマーが挙げられる。
(A)ポリアセタール樹脂は、以下に限定されるものではないが、例えば、ホルムアルデヒド単量体又はその3量体(トリオキサン)や4量体(テトラオキサン)等のホルムアルデヒドの環状オリゴマーを単独重合して得られる実質上オキシメチレン単位のみから成るポリアセタールホモポリマー;ホルムアルデヒド単量体又はその3量体(トリオキサン)や4量体(テトラオキサン)等のホルムアルデヒドの環状オリゴマーと、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、エピクロルヒドリン、1,3−ジオキソランや1,4−ブタンジオールホルマール等のグリコールやジグリコールの環状ホルマール等の環状エーテル若しくは環状ホルマールと、を共重合させて得られたポリアセタールコポリマー;単官能グリシジルエーテルをホルムアルデヒド単量体又はその3量体(トリオキサン)や4量体(テトラオキサン)等のホルムアルデヒドの環状オリゴマーと共重合させて得られる分岐を有するポリアセタールコポリマー;多官能グリシジルエーテルをホルムアルデヒド単量体又はその3量体(トリオキサン)や4量体(テトラオキサン)等のホルムアルデヒドの環状オリゴマーと共重合させて得られる架橋構造を有するポリアセタールコポリマー等が挙げられる。
上述したように、本実施形態においては、ポリアセタールホモポリマー及びポリアセタールコポリマーのいずれも用いることが可能である。
当該重合触媒としては、以下に限定されるものではないが、例えば、ルイス酸、プロトン酸及びそのエステル又は無水物等のカチオン活性触媒が好ましい。
ルイス酸としては、以下に限定されるものではないが、例えば、ホウ酸、スズ、チタン、リン、ヒ素及びアンチモンのハロゲン化物が挙げられる。具体的には、三フッ化ホウ素、四塩化スズ、四塩化チタン、五フッ化リン、五塩化リン、五フッ化アンチモン及びその錯化合物又は塩が挙げられる。
また、プロトン酸及びそのエステル又は無水物としては、以下に限定されるものではないが、例えば、パークロル酸、トリフルオロメタンスルホン酸、パークロル酸−3級ブチルエステル、アセチルパークロラート、トリメチルオキソニウムヘキサフルオロホスフェート等が挙げられる。
重合触媒としては、特に、三フッ化ホウ素;三フッ化ホウ素水和物;及び酸素原子又は硫黄原子を含む有機化合物と三フッ化ホウ素との配位錯化合物が好ましく、具体的には、重合収率向上の観点から、三フッ化ホウ素ジエチルエーテル、三フッ化ホウ素ジ−n−ブチルエーテルが好適である。
また、上記ポリアセタールコポリマーを得る際には、カチオン活性触媒に加えて、メチラール等の重合連鎖剤(連鎖移動剤)を適宜用いてもよい。さらに重合連鎖剤(連鎖移動剤)としては、含有水分量が100ppm以下で含有メタノール量が1質量%以下のメチラールが好ましく、含有水分量が50ppm以下で含有メタノール量が0.7質量%以下のメチラールがより好ましい。
重合装置としては、以下に限定されるものではないが、例えば、コニーダー、2軸スクリュー式連続押出混錬機、2軸パドル型連続混合機等のセルフクリーニング型押出混錬機等が挙げられる。
具体的な重合方法としては、溶融状態のモノマーを前記重合装置に供給し、重合の進行とともに固体塊状のポリアセタールコポリマーを得る方法が挙げられる。
重合工程後に得られたポリアセタールコポリマーには、熱的に不安定な末端部〔−(OCH2)n−OH基〕が存在する場合があるため、当該不安定な末端部の分解除去処理を実施することが好ましい。
例えば、モノマーであるホルムアルデヒド単量体又はその3量体(トリオキサン)や4量体(テトラオキサン)、連鎖移動剤(分子量調節剤)及び重合触媒を、炭化水素系溶媒で満たした重合反応器にフィードし、スラリー重合法により粗ポリアセタールホモポリマーを得る。得られた粗ポリアセタールホモポリマーは、重合体の末端基が熱的に不安定なので、この不安定末端基をエステル化剤やエーテル化剤等でポリマー末端基を封鎖し安定化処理を行うことが好ましい。これにより、ポリアセタールホモポリマーが得られる。
なお、原料モノマーであるホルムアルデヒド単量体又はその3量体(トリオキサン)や4量体(テトラオキサン)、連鎖移動剤、炭化水素系重合溶媒は、連鎖移動可能な成分(不安定末端基を生成する成分)、例えば水やメタノール及び蟻酸を含んでいるため、先ず、これら連鎖移動可能な成分の含有量を調整し、粗ポリアセタールホモポリマーを重合することが好ましい。
この時の連鎖移動可能な成分の含有量は、モノマーであるホルムアルデヒド単量体又はその3量体(トリオキサン)や4量体(テトラオキサン)に対して、好ましくは1〜1000ppmの範囲であり、より好ましくは1〜500ppm、さらに好ましくは1〜300ppmである。
前記分子量調節剤としては、特に、無水プロピオン酸、無水酢酸が好ましく、より好ましくは無水酢酸である。
前記オニウム塩系重合触媒の中でも、テトラエチルホスホニウムイオダイド、トリブチルエチルホスホニウムイオダイドのような、第4級ホスホニウム塩系化合物や、テトラメチルアンモニウムブロマイド、ジメチルジステアリルアンモニウムアセテートのような第4級アンモニウム塩系化合物が好ましい。
これらの炭化水素系溶媒は1種のみを単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。炭化水素系重合溶媒としては、ヘキサンが特に好ましい。
エステル化剤は、酸無水物を用いることができる。酸無水物としては、例えば、無水安息香酸、無水コハク酸、無水マレイン酸、無水グルタル酸、無水フタル酸、無水プロピオン酸、無水酢酸が挙げられ、好ましくは無水酢酸である。
これらエステル化剤は、1種のみを単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
本実施形態のポリアセタール樹脂組成物は、下記一般式(1)で表される(B)ヒンダードアミン化合物(本明細書中、(B)成分、(B)と記載する場合がある。)を含有する。
前記混合物とは、炭素数の異なるアルキル基を有する化合物が存在している状態を言う。
これにより、耐候性向上の効果が得られる。
前記一般式(1)中のR1が水素原子である化合物としては、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルの脂肪酸エステル化合物が挙げられ、熱安定性向上の観点から下記式(2)〜(8)の化合物が好ましい。
例えば、酸とアルコールの直接エステル化、酸ハロゲン化物とアルコールの反応、エステル交換反応等でエステル化し、これらの反応により得られた化合物を精製する方法が挙げられる。精製方法としては、例えば、蒸留、再結晶、再沈、濾過、又は吸着剤を用いることができる。
前記(A)成分と(B)成分との含有量が、上記範囲であれば、より熱安定性に優れたポリアセタール樹脂組成物が得られる。
本実施形態のポリアセタール樹脂組成物には、さらに他の特性を付与するため、その他の添加剤を含有させることができる。
その他の添加剤としては、以下に限定されるものではないが、例えば、酸化防止剤、熱安定剤及びギ酸捕捉剤等の安定剤、離型剤、潤滑剤、前記一般式(1)を除くヒンダードアミン化合物、紫外線吸収剤、無機充填剤、有機充填剤、導電剤、熱可塑性樹脂、熱可塑性エラストマー、顔料等が挙げられる。
酸化防止剤としては、ヒンダートフェノール系酸化防止剤が好ましい。
ヒンダートフェノール系酸化防止剤としては、以下に限定されるものではないが、例えば、n−オクタデシル−3−(3',5'−ジ−t−ブチル−4'−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート、n−オクタデシル−3−(3'−メチル−5'−t−ブチル−4'−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート、n−テトラデシル−3−(3',5'−ジ−t−ブチル−4'−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート、1,6−ヘキサンジオール−ビス−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4 −ヒドロキシフェニル)−プロピオネート]、1,4− ブタンジオール−ビス−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート]、トリエチレングリコール−ビス−[3−(3−t−ブチル −5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート]、ペンタエリスリトールテトラキス[メチレン−3−(3',5'−ジ−t−ブチル−4'−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン等が挙げられる。
熱安定性向上の観点から、好ましくは、トリエチレングリコール−ビス−[3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート]及びペンタエリスリトールテトラキス[メチレン‐3−(3',5'−ジ−t−ブチル−4'−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタンである。
これらの酸化防止剤は、1種類のみを単独で用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
熱安定剤としては、以下に限定されるものではないが、例えば、(ナイロン4−6、ナイロン6、ナイロン6−6、ナイロン6−10、ナイロン6−12、ナイロン12等のポリアミド樹脂、及びこれらの重合体、例えば、ナイロン6/6−6/6−10、ナイロン6/6−12等が挙げられる。
また、熱安定剤としては、アクリルアミド及びその誘導体、アクリルアミド及びその誘導体と他のビニルモノマーとの共重合体も挙げられる。以下に限定されるものではないが、例えば、アクリルアミド及びその誘導体と他のビニルモノマーとを金属アルコラートの存在下で重合して得られるポリ−β−アラニン共重合体が挙げられる。
前記アミド化合物としては、以下に限定されるものではないが、例えば、イソフタル酸ジアミド等の多価カルボン酸アミド、アントラニルアミドが挙げられる。
前記アミノ置換トリアジン化合物としては、以下に限定されるものではないが、例えば、2,4−ジアミノ−sym−トリアジン、2,4,6−トリアミノ−sym−トリアジン、N−ブチルメラミン、N−フェニルメラミン、N,N−ジフェニルメラミン、N,N−ジアリルメラミン、ベンゾグアナミン(2,4−ジアミノ−6−フェニル−sym−トリアジン)、アセトグアナミン(2,4−ジアミノ−6−メチル−sym−トリアジン)、2,4−ジアミノ−6− ブチル−sym−トリアジン等が挙げられる。
前記アミノ置換トリアジン類化合物とホルムアルデヒドとの付加物としては、以下に限定されるものではないが、例えば、N−メチロールメラミン、N,N’−ジメチロールメラミン、N,N’,N”−トリメチロールメラミンが挙げられる。
前記アミノ置換トリアジン類化合物とホルムアルデヒドとの縮合物としては、以下に限定されるものではないが、例えば、メラミン・ホルムアルデヒド縮合物が挙げられる。
前記尿素誘導体としては、以下に限定されるものではないが、例えば、N−置換尿素、尿素縮合体、エチレン尿素、ヒダントイン化合物、ウレイド化合物が挙げられる。
前記N−置換尿素としては、以下に限定されるものではないが、例えば、アルキル基等の置換基が置換したメチル尿素、アルキレンビス尿素、アーリル置換尿素が挙げられる。
前記尿素縮合体としては、以下に限定されるものではないが、例えば、尿素とホルムアルデヒドの縮合体等が挙げられる。
前記ヒダントイン化合物としては、以下に限定されるものではないが、例えば、ヒダントイン、5,5−ジメチルヒダントイン、5,5−ジフェニルヒダントイン等が挙げられる。
前記ウレイド化合物としては、以下に限定されるものではないが、例えば、アラントイン等が挙げられる。
前記ヒドラジン誘導体としては、以下に限定されるものではないが、例えば、ヒドラジド化合物を挙げることができる。
前記ヒドラジド化合物としては、以下に限定されるものではないが、例えば、ジカルボン酸ジヒドラジドが挙げられ、具体的には、マロン酸ジヒドラジド、コハク酸ジヒドラジド、グルタル酸ジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド、ピメリン酸ジヒドラジド、スペリン酸ジヒドラジド、アゼライン酸ジヒドラジド、セバチン酸ジヒドラジド、ドデカン二酸ジヒドラジド、イソフタル酸ジヒドラジド、フタル酸ジヒドラジド、2,6−ナフタレンジカルボジヒドラジド等が挙げられる。
前記イミダゾール化合物としては、以下に限定されるものではないが、例えば、メチルイミダゾール、ジメチルイミダゾール、フェニルイミダゾールが挙げられる。
前記イミド化合物としては、以下に限定されるものではないが、例えば、スクシンイミド、グルタルイミド、フタルイミドが挙げられる。
上述した熱安定剤は、1種類のみを単独で用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
ギ酸捕捉剤としては、以下に限定されるものではないが、例えば、アミノ置換トリアジン化合物やアミノ置換トリアジン類化合物とホルムアルデヒドとの縮合物、具体的には、メラミン・ホルムアルデヒド縮合物等を挙げることができる。
その他のギ酸捕捉剤としては、以下に限定されるものではないが、例えば、アルカリ金属又はアルカリ土類金属の水酸化物、無機酸塩、カルボン酸塩又はアルコキシドが挙げられる。
ギ酸補捉剤は1種類のみを単独で用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
離型剤及び潤滑剤としては、以下に限定されるものではないが、例えば、アルコール、脂肪酸及び脂肪酸エステル、平均重合度が10〜500であるオレフィン化合物、シリコーンが挙げられる。
この中でも脂肪酸及び脂肪酸エステルが好ましく、より好ましくは炭素数10〜20の高級脂肪酸由来のエチレングリコールジ脂肪酸エステルである。
前記炭素数10〜20の高級脂肪酸由来のエチレングリコールジ脂肪酸エステルを構成する高級脂肪酸としては、直鎖構造を持つ高級脂肪酸が好ましく、以下に限定されるものではないが、例えば、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキン酸等の飽和脂肪酸、及びオレイン酸等の不飽和脂肪酸が挙げられる。
前記エチレングリコールジ脂肪酸エステルとしては、エチレングリコールジステアレートが好ましい。
離型剤及び潤滑剤は、1種類のみを単独で用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
一般式(1)を除くヒンダードアミン化合物としては、以下に限定されるものではないが、例えば、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−カーボネート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−オキサレート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−マロネート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニル)セバケート、ビス−(N−メチル−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)セバケート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−セバケート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−アジペート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−テレフタレート、1,2−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルオキシ)−エタン、α,α’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルオキシ)−p−キシレン、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルトリレン−2,4−ジカルバメート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−ヘキサメチレン−1,6−ジカルバメート、トリス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−ベンゼン−1,3,5−トリカルボキシレート、トリス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−ベンゼン−1,3,4−トリカルボキシレート、1−[2−{3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ}ブチル]−4−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ]2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸と1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジノールとβ,β,β’,β’−テトラメチル−3,9−[2,4,8,10−テトラオキサスピロ(5,5)ウンデカン]ジエタノールとの縮合物等が挙げられる。
上記ヒンダードアミン化合物は、それぞれ1種のみを単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
紫外線吸収剤としては、以下に限定されるものではないが、例えば、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチル−フェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチル−フェニル)ベンゾトリアゾール、2−[2’−ヒドロキシ−3,5−ビス(α、α−ジメチルベンジル)フェニル]ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−アミルフェニル]ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3,5−ジ−イソアミル−フェニル)ベンゾトリアゾール、2−[2’−ヒドロキシ−3,5−ビス−(α,α−ジメチルベンジル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−4’−オクトキシフェニル)ベンゾトリアゾール等が挙げられる。
これらの紫外線吸収剤は、1種のみを単独で用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
無機充填剤としては、以下に限定されるものではないが、例えば、繊維状、粉粒子状、板状及び中空状の充填剤が挙げられる。
繊維状充填剤としては、以下に限定されるものではないが、例えば、ガラス繊維、炭素繊維、シリコーン繊維、シリカ・アルミナ繊維、ジルコニア繊維、窒化硼素繊維、窒化硅素繊維、硼素繊維、チタン酸カリウム繊維、さらにステンレス、アルミニウム、チタン、銅、真鍮等の金属繊維等の無機質繊維が挙げられる。また、繊維長の短いチタン酸カリウムウイスカー、酸化亜鉛ウイスカー等のウイスカー類も含まれる。
粉粒子状充填剤としては、以下に限定されるものではないが、例えば、カーボンブラック、シリカ、石英粉末、ガラスビーズ、ガラス粉、珪酸カルシウム、含水珪酸マグネシウム(タルク)、珪酸アルミニウム、カオリン、クレー、珪藻土、ウォラストナイト等の珪酸塩;酸化鉄、酸化チタン、アルミナ等の金属酸化物;硫酸カルシウム、硫酸バリウム等の金属硫酸塩;炭酸マグネシウム、ドロマイト等の炭酸塩;その他炭化珪素、窒化硅素、窒化硼素、各種金属粉末等が挙げられる。
板状充填剤としては、以下に限定されるものではないが、例えば、マイカ、フレーク状ガラス、各種金属箔が挙げられる。
中空状充填剤としては、以下に限定されるものではないが、例えば、ガラスバルーン、シリカバルーン、シラスバルーン、金属バルーン等が挙げられる。
これらの無機充填剤は1種のみを単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、上述した無機充填剤は、表面処理された充填剤、未表面処理の充填剤のいずれも使用可能であるが、成形体表面の平滑性、機械的特性の観点から、表面処理の施された充填剤が好ましい場合がある。
表面処理剤としては、以下に限定されるものではないが、従来公知の表面処理剤が使用可能である。
表面処理剤としては、以下に限定されるものではないが、例えば、シラン系、チタネート系、アルミニウム系、ジルコニウム系等の各種カップリング処理剤、樹脂酸、有機カルボン酸、有機カルボン酸の塩等、界面活性剤が使用できる。
表面処理剤としては、例えば、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、イソプロピルトリスステアロイルチタネート、ジイソプロポキシアンモニウムエチルアセテート、n−ブチルジルコネート等が挙げられる。
有機充填剤としては、以下に限定されるものではないが、例えば、芳香族ポリアミド樹脂、フッ素樹脂、アクリル樹脂等の高融点有機繊維状充填剤が挙げられる。
これらの有機充填剤は、1種のみを単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
導電剤としては、以下に限定されるものではないが、例えば、導電性カーボンブラック、金属粉末又は金属繊維が挙げられる。
導電剤は1種類のみを単独で用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
熱可塑性樹脂としては、以下に限定されるものではないが、例えば、ポリオレフィン樹脂、アクリル樹脂、スチレン樹脂、ポリカーネート樹脂、未硬化のエポキシ樹脂が挙げられる。また、これらの変性物も含まれる。
熱可塑性樹脂は1種類のみを単独で用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
熱可塑性エラストマーとしては、以下に限定されるものではないが、例えば、ポリウレタン系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、ポリスチレン系エラストマー、ポリアミド系エラストマーが挙げられる。
熱可塑性エラストマーは、1種類のみを単独で用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
顔料としては、以下に限定されるものではないが、例えば、無機系顔料及び有機系顔料、メタリック系顔料、蛍光顔料等が挙げられる。
無機系顔料としては、樹脂の着色用として一般的に使用されている顔料をいずれも使用でき、以下に限定されるものではないが、例えば、硫化亜鉛、酸化チタン、硫酸バリウム、チタンイエロー、コバルトブルー、燃成顔料、炭酸塩、りん酸塩、酢酸塩やカーボンブラック、アセチレンブラック、ランプブラック等が挙げられる。
有機系顔料としては、以下に限定されるものではないが、例えば、縮合ウゾ系、イノン系、フロタシアニン系、モノアゾ系、ジアゾ系、ポリアゾ系、アンスラキノン系、複素環系、ペンノン系、キナクリドン系、チオインジコ系、ベリレン系、ジオキサジン系、フタロシアニン系等の有機系顔料が挙げられる。
顔料の添加割合は、所望の色調により調整するが、一般的には、(A)ポリアセタール樹脂100質量部に対して、0.0005〜5質量部の範囲で用いることが好ましい。
顔料は1種類のみを単独で用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
本実施形態のポリアセタール樹脂組成物は、上述した成分を混合し、一般的な押出機を用いて製造することができる。
押出機としては1軸又は多軸混練押出機等が挙げられ、特に、減圧装置を備えた2軸押出機が好ましい。
混練温度は、ベース樹脂の好ましい溶融温度に従えばよく、目安としては140〜260℃の範囲、好ましくは180〜230℃の範囲、より好ましくは190〜210℃の範囲である。
ポリアセタール樹脂組成物を製造する方法としては、下記の(1)〜(4)の方法が挙げられる。
(1)(A)ポリアセタール樹脂を押出機トップよりフィードし、更に(B)ヒンダードアミン化合物、必要に応じてその他の添加剤を定量フィーダー等でサイドフィード口から添加して溶融混練する方法、
(2)(A)ポリアセタール樹脂の一部を押出機トップよりフィードし、更に(B)ヒンダードアミン化合物、必要に応じてその他の添加剤と残りのポリアセタール樹脂(A)を定量フィーダー等でサイドフィード口から添加して溶融混練する方法、
(3)(A)ポリアセタール樹脂を押出機トップよりフィードし、更にポリアセタール樹脂等でマスターバッチ化した(B)ヒンダードアミン化合物、必要に応じてその他の添加剤を定量フィーダー等でサイドフィード口から添加して溶融混練する方法、
(4)(A)ポリアセタール樹脂と(B)ヒンダードアミン化合物、必要に応じてその他の添加剤をヘンシェルミキサー、タンブラー、V字型ブレンダーなどで一括混合した後、押出機を用いて溶融混錬する方法が挙げられる。
なお、得られるポリアセタール樹脂組成物の熱安定性改良の観点から、ポリアセタール樹脂(A)が溶融した状態で(B)ヒンダードアミン化合物、必要に応じてその他の添加剤を添加する(1)〜(3)の製造方法が好ましい。
また、予め(A)ポリアセタール樹脂と(B)ヒンダードアミン化合物、必要に応じてその他の添加剤からなる高濃度マスターバッチを作製しておき、射出成形時に(A)ポリアセタール樹脂で希釈することによりポリアセタール樹脂組成物を製造してもよい。
本実施形態のポリアセタール樹脂組成物は、良好な機械的バランスを有し、成形品やペレットから放出されるホルムアルデヒド量が大幅に低減化されており、熱安定性に優れているため、様々な用途の成形品に使用することが可能である。
例えば、ギア、カム、スライダー、レバー、軸、軸受け、及びガイド等に代表される機構部品、アウトサート成形の樹脂部品、インサート成形の樹脂部品、シャーシ、トレー、側板、プリンター及び複写機に代表されるデジタルビデオカメラ、カメラ、及びデジタルカメラに代表されるカメラ、又はビデオ機器用部品、カセットプレイヤー、音楽、映像又は情報機器、通信機器用部品、電気機器用部品、電子機器用部品に使用することができる。
また、自動車用の部品として、ガソリンタンク、フュエルポンプモジュール、バルブ類、ガソリンタンクフランジ等に代表される燃料廻り部品、ドア廻り部品、シートベルト周辺部品、コンビスイッチ部品、スイッチ類に使用することができる。
さらに、住宅設備機器に代表される工業部品に使用することができる。
実施例及び比較例で適用した物性測定方法、及び原料を以下に示す。
<成形品から放出されるホルムアルデヒド量の定量>
東芝機械(株)製IS−100GN射出成形機を用いて、シリンダー温度:条件1=200℃、条件2=220℃、射出圧力70MPa、射出時間:15秒、冷却時間:20秒、金型温度:80℃の条件で、後述する実施例及び比較例で得られたポリアセタール樹脂組成物から規定された寸法の試験片(縦100mm×横40mm×厚み3mm)を成形した。
得られた試験片から放出されるホルムアルデヒド量を下記VDA275法に準じて測定し、成形品から放出されるホルムアルデヒド量を求めた。
VDA275法においては、まず、ポリエチレン容器に蒸留水50mLと上記試験片とを収容して密閉した。次いで、60℃で3時間容器を加熱後、蒸留水中のホルムアルデヒドをアンモニウムイオン存在下においてアセチルアセトンと反応させ、その反応物を対象としてUV分光計にて波長412nmの吸収ピークを測定し、成形品から放出されるホルムアルデヒド量(mg/kg)を求めた。
実施例、比較例には下記成分を用いた。
((A)ポリアセタール樹脂)
トリオキサンと1,3―ジオキソランを共重合して得られるポリアセタールコポリマー
(1,3−ジオキソラン添加量:4.2mol%(対トリオキサン))
融点:164℃
MFR:9.0g/10分
((B)ヒンダードアミン化合物)
(B−1):2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルステアレート
上記(A)ポリアセタール樹脂100質量部と、下記表1に示す(B)ヒンダードアミン化合物とを、所定の配合比でヘンシェルミキサーを用いて均一に混合して混合物を得た。
前記混合物を200℃に設定されたL/D=30の30mmベント付2軸押出機のメインフィード口からフィードし、スクリュー回転数100rpmで溶融混錬し、ポリアセタール樹脂組成物を得た。
前記ポリアセタール樹脂組成物を用いて前記<成形品から放出されるホルムアルデヒドの定量>に従い、成形品から放出されるホルムアルデヒド量を評価した。評価結果を下記表1に示す。
上記(A)ポリアセタール樹脂を、前記規定された寸法の試験片(縦100mm×横40mm×厚み3mm)に成形し、その成形品を<成形品から放出されるホルムアルデヒド量の定量>に従い評価した。評価結果を下記表1に示す。
(B)ヒンダードアミン化合物として(B−2)を用いた。その他の条件は実施例1と同様としてポリアセタール樹脂組成物を製造した。
前記ポリアセタール樹脂組成物を、前記規定された寸法の試験片(縦100mm×横40mm×厚み3mm)に成形し、その成形品を<成形品から放出されるホルムアルデヒド量の定量>に従い評価した。評価結果を下記表1に示す。
一方、比較例1、2のポリアセタール樹脂組成物は、成形品から放出されるホルムアルデヒド量が多いことが確認された。
Claims (2)
- (A)ポリアセタール樹脂100質量部と、
(B)下記一般式(1)で表されるヒンダードアミン化合物0.001〜5質量部と、
を、含有する、ポリアセタール樹脂組成物。
(一般式(1)中、R1は水素原子、ヒドロキシ基、炭素数1〜30のアルキル基、炭素
数1〜30のヒドロキシアルキル基、炭素数1〜30のアルコキシ基、炭素数1〜30の
ヒドロキシアルコキシ基、及びオキシラジカルからなる群より選ばれるいずれかを表し、
R2は炭素数8〜26のアルキル基を表す。) - 前記一般式(1)中、R1が水素原子である、請求項1に記載のポリアセタール樹脂組
成物。
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