JP2023131674A - ポリアセタール樹脂組成物及び成形体 - Google Patents

ポリアセタール樹脂組成物及び成形体 Download PDF

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Abstract

【課題】長期間において安定した摺動性能を発現し、さらに、優れた耐クリープ特性を実現できる、ポリアセタール樹脂組成物及び成形体を提供することを目的とする。【解決手段】上記目的を達成するべく、本発明は、(A)メルトフローレートが0.5~5g/10分であるポリアセタール樹脂と、(B)平均粒子径が0.1~10μmである窒化ホウ素を、前記ポリアセタール樹脂100質量部に対して0.0005~0.2質量部と、(C)アクリルアミド重合体を、前記ポリアセタール樹脂100質量部に対して0.01~0.5質量部と、(D)カルボン酸ジエステルを、前記ポリアセタール樹脂100質量部に対して0.1~5.0質量部と、を含むことを特徴とする。【選択図】なし

Description

本発明は、リアセタール樹脂組成物及び成形体に関する。
ポリアセタール樹脂は、結晶性樹脂であり、剛性、強度、靭性、摺動性及び耐クリープ性に優れた材料であることから、従来から、自動車部品、電気・電子部品、及び工業部品等の機構部品用材料等として広範囲に用いられている。
これらの中でも、ポリアセタール樹脂は、自動車内装の機構部品において広く採用されており、近年では部品の軽量化や小型化が進むにつれ、より耐久性(耐クリープ性)の高いものが要求されている。特に、ギア部品として用いる場合には、耐久性だけでなく、摩擦摩耗(摺動)特性も重要であり、高負荷がかかる動作環境下では、優れた機械特性を有しながら、さらに、長期間の安定した摺動特性保持と耐クリープ性のバランスに優れた樹脂材料の開発が望まれている。
このような要求に応えるため、種々の技術が提案されている。
例えば、ポリアセタール樹脂に脂肪酸エステルと結晶核剤を添加する技術(特許文献1等を参照。)、ポリアセタール樹脂に低融点ポリアミドと窒化ホウ素を添加する技術(特許文献2等を参照。)、ポリアセタール樹脂に脂肪酸ジエステルとアクリルアミド共重合体を添加する技術(特許文献3等を参照。)、ポリアセタール樹脂にジカルボンと脂肪族アルコールのジエステル及びモノエステルを添加する技術(特許文献4等を参照。)、ポリアセタール樹脂に特定の比率で脂肪酸ジエステルと脂肪酸モノエステルを添加する技術(特許文献5等を参照。)が提案されている。
特開2013-60520号公報 特開2019-183080号公報 特開2019-81820号公報 特開平08-283530号公報 特開平11-323075号公報
上述の特許文献1~5に開示された技術のように、従来の技術では、摺動性能又は耐久性のいずれか一方については、ある程度の向上が可能となる。しかしながら、従来の技術では、摺動特性と耐久性(特にクリープ特性)とを高いレベルで両立できるものは存在しておらず、さらなる改善が望まれていた。
そのため、本発明は、長期間において安定した摺動性能を発現し、さらに、優れた耐クリープ特性を実現できる、ポリアセタール樹脂組成物及び成形体を提供とすることを目的とする。
本発明者らは、上述した課題を解決するべく鋭意検討を重ねた結果、特定範囲のメルトフローレートを有するポリアセタール樹脂に対して、窒化ホウ素、アクリルアミド重合体、カルボン酸ジエステルを、特定の割合で含有させることによって、摺動性能と耐クリープ性とを高いレベルで両立させることができることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明は、以上の知見に基づきなされたものであり、その要旨は以下の通りである。
〔1〕(A)メルトフローレートが0.5~5g/10分であるポリアセタール樹脂と、
(B)平均粒子径が0.1~10μmである窒化ホウ素を、前記ポリアセタール樹脂100質量部に対して0.0005~0.2質量部と、
(C)アクリルアミド重合体を、前記ポリアセタール樹脂100質量部に対して0.01~0.5質量部と、
(D)カルボン酸ジエステルを、前記ポリアセタール樹脂100質量部に対して0.1~5.0質量部と、を含むことを特徴とする、ポリアセタール樹脂組成物。
〔2〕前記(D)カルボン酸ジエステルが、ジカルボン酸と脂肪族アルコールとからなることを特徴とする、前記〔1〕に記載のポリアセタール樹脂組成物。
〔3〕前記(D)カルボン肪酸ジエステルの含有量に対する前記(B)窒化ホウ素の含有量が、質量比((B)/(D))で、0.0005~0.06であることを特徴とする、前記〔1〕又は〔2〕に記載のポリアセタール樹脂組成物。
〔4〕前記〔1〕~〔3〕のいずれかに記載のポリアセタール樹脂組成物を用いることを特徴とする、成形品。
〔5〕前記成形品が、機構部品、樹脂部品、複写機用部品、情報機器用部品、通信機器用部品、電気機器用部品、自動車用部品又は住宅設備用部品であることを特徴とする、前記〔4〕に記載の成形品。
本発明によれば、長期間において安定した摺動性能を発現し、さらに、優れた耐クリープ特性を実現できる、ポリアセタール樹脂組成物及び成形体を提供できる。
長期摺動時の安定性評価に用いたISOダンベルの摩擦箇所を説明するための模式図である。
以下、本発明を実施するための形態(以下、「本実施形態」という。)について詳細に説明する。なお、本実施形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明はその実施の形態のみに限定されるものではない。すなわち、本発明は、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変形が可能である。
<ポリアセタール樹脂組成物>
本実施形態のポリアセタール樹脂組成物は、
(A)ポリアセタール樹脂と、(B)窒化ホウ素と、(C)アクリルアミド重合体と、(D)カルボン酸ジエステルと、を含む。
((A)ポリアセタール樹脂)
本実施形態のポリアセタール樹脂組成物は、(A)ポリアセタール樹脂を含む。そして、前記(A)ポリアセタール樹脂は、メルトフローレート(MFR値(ISO1133に準拠))が0.5~5g/10分である。
前記(A)ポリアセタール樹脂のメルトフローレートを0.5~5g/10分とすることで、ポリアセタール樹脂組成物の耐クリープ性を高めることができる。前記(A)ポリアセタール樹脂のメルトフローレートが、0.5g/10分未満の場合には、成形時の残留歪の影響が出やすくなり、5g/10分を超える場合には、ポリアセタール樹脂の分子量の影響が出るため、いずれも十分な耐クリープ性が得られない。
同様の観点から、前記(A)ポリアセタール樹脂のメルトフローレートは、0.5~3.5g/10分の範囲であることが好ましい。
前記(A)ポリアセタール樹脂は、オキシメチレン基を主鎖に有するポリマーであり、例えば、ホルムアルデヒド単量体、その3量体(トリオキサン)や、4量体(テトラオキサン)等のホルムアルデヒドの環状オリゴマーを重合して得られる実質上オキシメチレン単位のみからなるポリアセタールホモポリマー;ホルムアルデヒド単量体、その3量体(トリオキサン)や、4量体(テトラオキサン)等のホルムアルデヒドの環状オリゴマーと、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、エピクロルヒドリン、1,3-ジオキソラン、1,4-ブタンジオールホルマール等のグリコール、ジグリコールの環状ホルマール等の環状エーテル及び/又は環状ホルマールと、を共重合させて得られたポリアセタールコポリマー;ホルムアルデヒド単量体、その3量体(トリオキサン)や、4量体(テトラオキサン)等のホルムアルデヒドの環状オリゴマーと、単官能グリシジルエーテルとを共重合させて得られる、分岐を有するポリアセタールコポリマー;ホルムアルデヒド単量体、その3量体(トリオキサン)や、4量体(テトラオキサン)等のホルムアルデヒドの環状オリゴマーと、多官能グリシジルエーテルと、を共重合させて得られる、架橋構造を有するポリアセタールコポリマー;等が挙げられる。
これらの中でも、前記(A)ポリアセタール樹脂は、ポリアセタールホモポリマーであることが好ましく、ホルムアルデヒド単量体、その3量体(トリオキサン)や、4量体(テトラオキサン)等のホルムアルデヒドの環状オリゴマーを、単独重合して得られるポリアセタールホモポリマーであることがより好ましい。
さらに、前記(A)ポリアセタール樹脂としては、両末端又は片末端に水酸基等の官能基を有する化合物、例えばポリアルキレングリコールの存在下、ホルムアルデヒド単量体、及び/又はホルムアルデヒドの環状オリゴマーを重合して得られるブロック成分を有するポリアセタールコポリマー;同じく両末端又は片末端に水酸基等の官能基を有する化合物、例えば水素添加ポリブタジエングリコールの存在下、ホルムアルデヒド単量体及び/又はその3量体(トリオキサン)や4量体(テトラオキサン)等のホルムアルデヒドの環状オリゴマーと、環状エーテルや環状ホルマールとを共重合させて得られるブロック成分を有するポリアセタールコポリマー;等も用いることができる。
なお、前記(A)ポリアセタール樹脂は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
なお、前記ポリアセタールホモポリマーは、例えば、ホルムアルデヒド等の原料モノマー、連鎖移動剤(分子量調節剤)及び重合触媒を、炭化水素系重合溶媒を導入した重合反応器にフィードし、スラリー重合法により重合すること等により製造することができる。
この際、原料モノマー、連鎖移動剤、重合触媒には、水、メタノール、蟻酸等の連鎖移動可能な成分(不安定末端基を生成する成分)が含まれているため、まずこれら連鎖移動可能な成分の含有量を調整することが好ましい。
この時の連鎖移動可能な成分の含有量は、原料モノマーに対して、好ましくは1~1000ppmの範囲であり、より好ましくは1~500ppm、さらに好ましくは1~300ppmである。
前記連鎖移動可能な成分量を上記範囲に調整することにより、熱安定性に優れるポリアセタール樹脂ホモポリマーを得ることができる。
また、無水カルボン酸又はカルボン酸等の分子量調節剤を用い、連鎖移動させることにより、得られるポリアセタールホモポリマーの分子量を調節することもできる。
前記分子量調節剤としては、無水プロピオン酸、無水酢酸が好ましく、より好ましくは無水酢酸である。
前記分子量調節剤の添加量は、目的とするポリアセタールホモポリマーの特性に応じて調節し決定することができる。
前記重合触媒としては、アニオン系重合触媒が好ましく、下記一般式(I)で表されるオニウム塩系重合触媒がより好ましい。
[RM] ・・・(I)
(式(I)中、R、R、R、Rは、各々、独立にアルキル基を示し、Mは孤立電子対を持つ元素を示し、Xは求核性基を示す。)
上記R、R、R、Rにおけるアルキル基としては、炭素数1~30のアルキル基が挙げられる。また、上記Mとしては、窒素、リン等が挙げられる。また、上記Xとしては、アセテート、ブロマイド、イオダイド等が挙げられる。
また、上記一般式(I)で表されるオニウム塩系重合触媒の中でも、テトラエチルホスホニウムイオダイド、トリブチルエチルホスホニウムイオダイドのような第4級ホスホニウム塩系化合物や、テトラメチルアンモニウムブロマイド、ジメチルジステアリルアンモニウムアセテートのような第4級アンモニウム塩系化合物であることが好ましい。
ここで、第4級ホスホニウム塩系化合物や第4級アンモニウム塩系化合物等の重合触媒の添加量は、原料モノマー1モルに対して、0.0003~0.01molであることが好ましく、0.0008~0.005molであることがより好ましく、0.001~0.003molであることがさらに好ましい。
前記炭化水素系重合溶媒としては、ホルムアルデヒド等の原料モノマーと反応しない溶媒であればよく、特に限定されるものではないが、例えば、ペンタン、イソペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、へプタン、オクタン、ノナン、デカン、ベンゼン等の溶媒が挙げられる。
これらの炭化水素系溶媒は、1種のみを単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いることもできるが、ヘキサンが特に好ましい。
ポリアセタールホモポリマーの重合工程においては、まず、粗ポリアセタールホモポリマーを得た後に、後述するように、不安定末端基に対して安定化処理を施すことが好ましい。
粗ポリアセタールホモポリマーを製造する重合装置は、ホルムアルデヒド等の原料モノマー、連鎖移動剤(分子量調節剤)、及び重合触媒と、炭化水素系重合溶媒とを同時に供給できる装置であれば特に限定されるものではない。例えば、バッチ式重合装置、連続式重合装置等が挙げられる。これらの中でも生産性の観点から連続式重合装置を用いることが好ましく、撹拌装置付の連続式重合装置を用いることがより好ましい。
重合工程により得られた前記粗ポリアセタールホモポリマーは、重合体の末端基が熱的に不安定であるので、この不安定末端基をエステル化剤やエーテル化剤等で封鎖し、安定化処理することが好ましい。
エステル化による粗ポリアセタールホモポリマーの末端安定化は、例えば、粗ポリアセタールホモポリマーと、エステル化剤及び/又はエステル化触媒とを、炭化水素系溶媒を導入した末端安定化反応機にそれぞれ投入し、反応させること等によって行うことができる。
この時の反応温度や反応時間は、例えば、反応温度が130~155℃であり、反応時間が1~200分間であることが好ましく、反応温度が135~155℃であり、反応時間が5~150分であることがより好ましく、反応温度が140~155℃であり、反応時間が60~150分であることがさらに好ましい。
前記粗ポリアセタールホモポリマーの末端基を封鎖し安定化する上記エステル化剤としては、下記一般式(II)で表される酸無水物、無水安息香酸、無水コハク酸、無水マレイン酸、無水グルタル酸、無水フタル酸、無水酢酸等が挙げられ、無水酢酸が好ましい。
COOCOR ・・・(II)
(式(II)中、R、Rは、各々、独立にアルキル基を示す。R、Rは、同じであっても異なっていてもよい。)
上記R、Rとしては、炭素数1~30のアルキル基が挙げられる。
これらエステル化剤は、1種のみを単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
前記エステル化触媒としては、炭素数1~18のカルボン酸のアルカリ金属塩が好ましい。前記炭素数1~18のカルボン酸のアルカリ金属塩としては、例えば、カルボン酸が蟻酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプリル酸、エナント酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、マルガリン酸、ステアリン酸であるアルカリ金属塩が挙げられ、当該アルカリ金属としては、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウムが挙げられる。これらカルボン酸のアルカリ金属塩の中でも、酢酸リチウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウムが好ましい。
前記エステル化触媒の添加量は、粗ポリアセタールホモポリマーに対して、1~1000ppmの範囲で適宜選択することができる。
上述した粗ポリアセタールホモポリマーの末端基を、エーテル化剤により封鎖し、安定化することも可能である。
前記エーテル化剤としては、例えば、メチルオルトホルメート、エチルオルトホルメート、メチルオルトアセテート、エチルオルトアセテート、メチルオルトベンゾエート、エチルオルトベンゾエート、メチルオルトカーボネート、エチルオルトカーボネート等の、脂肪族又は芳香族酸と、脂肪族、脂環式族又は芳香族アルコールとのオルトエステルが挙げられる。
前記末端基のエーテル化は、例えば、p-トルエンスルホン酸、酢酸又は臭酸等の中強度有機酸、ジメチルスルフェート又はジエチルスルフェート等の中強度鉱酸等のルイス酸型のエーテル化触媒を、上記エーテル化剤と共に用いて行うことができる。
前記末端基のエーテル化反応に用いることができる溶媒としては、例えば、ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、ベンゼン等の低沸点脂肪族炭化水素系有機溶媒、脂環式族炭化水素系有機溶媒、又は芳香族炭化水素系有機溶媒;塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化低級脂肪族化合物等の有機溶媒が挙げられる。
上記の方法により末端基が安定化されたポリアセタールホモポリマーを、熱風式乾燥機や真空乾燥機等の乾燥機を用いて、100~150℃に調整し、水分を除去して乾燥することにより、目的とするポリアセタールホモポリマーが得られる。これらの中でも、水分等の不純物を効率的に乾燥するという点で、真空乾燥機を用いるのが好ましい。
((B)窒化ホウ素)
本実施形態のポリアセタール樹脂組成物は、(B)窒化ホウ素を含む。
そして、前記(B)窒化ホウ素は、平均粒子径が0.1~10μmであり、その含有量は、前記ポリアセタール樹脂100質量部に対して0.0005~0.2質量部である。
これにより、耐クリープ性と機械特性とを高いレベルで両立できる。
前記(B)窒化ホウ素の平均粒子径が0.1μm未満である場合には、摺動性等の機械特性のバラツキが大きく、前記(B)窒化ホウ素の平均粒子径が10μmを超える場合には、耐クリープ性を十分に確保できない。
同様の観点から、前記(B)窒化ホウ素の平均粒子径は、0.5~10μmであることが好ましく、0.5~9μmであることがより好ましい。
なお、前記(B)窒化ホウ素の平均粒子径の測定方法は、特に限定はされないが、例えば、レーザ回析式粒度分布測定装置を用いて測定し、メジアン径(D50)による平均粒子径で表すことができる。
前記(B)窒化ホウ素の含有量は、前記ポリアセタール樹脂100質量部に対して0.0005~0.2質量部であるが、前記(B)窒化ホウ素の含有量が、前記ポリアセタール樹脂100質量部に対して0.0005未満である場合には、摺動性等の機械特性のバラツキが大きく、前記ポリアセタール樹脂100質量部に対して0.2質量部を超える場合には、耐クリープ性を十分に確保できない。
同様の観点から、(B)窒化ホウ素の含有量は、前記ポリアセタール樹脂100質量部に対して、0.001~0.2であることが好ましく、0.001~0.1質量部であることがより好ましい。
((C)アクリルアミド重合体)
本実施形態のポリアセタール樹脂組成物は、(C)アクリルアミド重合体を含む。
そして、前記(C)アクリルアミド重合体の含有量は、前記ポリアセタール樹脂100質量部に対して0.01~0.5質量部である。
これにより、本実施形態のポリアセタール樹脂組成物の熱安定性を高めることができる。
同様の観点から、前記(C)アクリルアミド重合体の含有量は、前記ポリアセタール樹脂100質量部に対して0.001~0.4質量部であることが好ましく、0.01~0.3質量部であることがより好ましく、0.005~0.5質量部であることが特に好ましい。
前記(C)アクリルアミド重合体としては、例えば、触媒としてアリカリ土類金属のアルコラートを用い、アクリルアミドの単独重合、又はアクリルアミドとアクリルアミド以外のビニル基を有するモノマーとの共重合を行うこと等によって製造できる。
前記(C)アクリルアミド重合体として、アクリルアミドとビニル基を有するモノマーとの共重合体(例えば、架橋構造を有する共重合体)を用いることにより、ポリアセタール樹脂組成物の成形性を向上させることができる。
前記(C)アクリルアミド重合体は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
前記アクリルアミド以外のビニル基を有するモノマーとしては、ビニル基を1個又は2個有するモノマーが挙げられる。
前記ビニル基を1個有するモノマーとしては、例えば、n-ブチルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、t-ブチルメタクリレート、エチルメタクリレート、シクロへキシルメタクリレート、2-エチルへキシルメタクリレート、セシルメタクリレート、ペンタデシルメタクリレート、ステアリルメタクリレート、ベヘニルメタクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、ポリプロピレングリコールメタクリレート、ポリエチレングリコールメタクリレート等が挙げられる。
前記ビニル基を2個有するモノマーとしては、例えば、ジビニルベンゼン、エチレンビスアクリルアミド、N,N’-メチレンビスアクリルアミド等が挙げられる。
これらのビニル基を有するモノマーの中でも、N,N’-メチレンビスアクリルアミドを用いることが好ましい。
また、前記(C)アクリルアミド重合体を製造する際の、前記アクリルアミドと前記ビニル基を有するモノマーとの合計量に対する、前記ビニル基を有するモノマーの添加量は、0.05~20質量%であることが好ましい。
さらに、前記(C)アクリルアミドの共重合体は、第1級アミド基と第2級アミド基とを有している共重合体であってもよい。
前記(C)アクリルアミド重合体中の第1級アミド基のモル含有割合としては、30~80mol%であることが好ましく、より好ましくは30~70mol%、さらに好ましくは40~70mol%である。前記第1級アミド基が上記範囲であれば、アクリルアミド重合体の粉砕性に優れ、更には成形性に優れたポリアセタール樹脂組成物を提供することができる。
なお、前記第1級アミド基の測定方法については特に限定されないが、例えば以下の方法を挙げることができる。まず、かき混ぜ機付フラスコ内に試料ポリマーと40質量%水酸化カリウム水溶液を加え、かき混ぜながら105~110℃で20分間加熱し、第一級アミド基をアンモニアに加水分解する。次いでフラスコ内容物を50℃以下に冷却した後、メタノールを加えアンモニアをメタノールと共に抽出させて、この抽出液を0.1規定硫酸水溶液に吸収させ、指示薬にメチルレッドを用いて0.1規定水酸化ナトリウム水溶液で中和滴定を行い、第1級アミド基の量を得る。
また、前記(C)アクリルアミド重合体の平均粒子径は、0.1~20μmであることが好ましく、0.1~15μmであることがより好ましく、0.1~10μmであることがさらに好ましい。前記(C)アクリルアミド重合体の平均粒子径が、上記範囲であると、成形性に優れるポリアセタール樹脂組成物を提供することができる。
なお、前記(C)アクリルアミド重合体の粒子径は、レーザ回析式粒度分布測定装置により測定される値をいい、平均粒子径は、3個以上のサンプル測定値の平均である。
((D)カルボン酸ジエステル)
本実施形態のポリアセタール樹脂組成物は、(D)カルボン酸ジエステルを含む。
そして、前記(D)カルボン酸ジエステルの含有量は、前記ポリアセタール樹脂100質量部に対して0.1~5.0質量部である。
これにより、本実施形態のポリアセタール樹脂組成物の摺動性を高めることができる。
同様の観点から、前記(D)カルボン酸ジエステルの含有量は、前記ポリアセタール樹脂100質量部に対し0.1~4.0質量部であることが好ましく、0.2~4.0質量部であることがより好ましく、0.2~3.0質量部であることが特に好ましい。
また、前記(D)カルボン肪酸ジエステルの含有量に対する前記(B)窒化ホウ素の含有量が、質量比((B)/(D))で、0.0005~0.06の範囲であることが好ましく、0.001~0.06の範囲であることがより好ましく、0.001~0.05の範囲であることがさらに好ましい。質量比((B)/(D))が上述した範囲であることにより、ポリアセタール樹脂組成物の、安定した長期摺動性と耐クリープ性とのバランスを高めることができる。
ここで、前記(D)カルボン肪酸ジエステルとしては、例えば、カルボン酸と脂肪族アルコール、又は、カルボン酸とアルキレングリコールとのジエステルが挙げられる。これらの中でも摺動性向上の観点で、カルボン酸と脂肪族アルコールからなるカルボン酸ジエステルが好ましい。
前記カルボン酸としては、例えばモノカルボン酸、ジカルボン酸、カルボン酸を3つ以上有する化合物(多価カルボン酸)であってもよい。モノカルボン酸の例としては、蟻酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、エナント酸、カプリル酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、マルガリン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、安息香酸、サリチル酸、没食子酸、ケイ皮酸、ピルビン酸、乳酸、アミノ酸が挙げられる。ジカルボン酸の例としては、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタリン酸、リンゴ酸、フマル酸、マレイン酸、酒石酸、ニトロカルボン酸が挙げられる。多価カルボン酸の例としては、メリト酸、クエン酸、アコニット酸が挙げられる。また、不飽和カルボン酸の例としては、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸、ドコサヘキサエン酸、エイコサペンタエン酸が挙げられる。
上述したカルボン酸の中でも、好ましいのはジカルボン酸であり、その中でも好ましいのはアジピン酸である。
前記脂肪族アルコールとしては、例えばメチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、n-ブチルアルコール、イソブチルアルコール、tert-ブチルアルコール、n-アミルアルコール、2-ペンタノール、n-ペプチルアルコール、n-オク
チルアルコール、n-ノニルアルコール、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール等の飽和・不飽和モノアルコール等が挙げられる。
上述した脂肪族アルコールの中でも好ましいのは、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール又はステアリルアルコールであり、より好ましいのはラウリルアルコール又はミリスチルアルコールである。
前記アルキレングリコールとしては、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、エピクロルヒドリン、スチレンオキシド、2-メチルテトラヒドロフラン、オキセパン等が挙げられる。
上述したアルキレングリコールの中でも好ましいのはエチレンオキシドである。
なお、前記(D)カルボン酸ジエステルは、1種類を単独で用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
また、前記(D)カルボン酸ジエステルは、具体的には、アジピン酸ジラウリル及び/又はエチレングリコールジステアレートを含むこと好ましく、アジピン酸ジラウリルを含むことがより好ましい。
((E)その他添加剤)
本実施形態のポリアセタール樹脂組成物は、上述した(A)~(D)の各成分に加えて、公知の添加剤(その他添加剤)、例えば、酸化防止剤、熱安定剤、ギ酸捕捉剤等の安定剤、耐候安定剤、離型剤、潤滑剤、導電剤、熱可塑性樹脂、熱可塑性エラストマー、染顔料、顔料、又は、無機充填剤若しくは有機充填剤等をさらに含むことができる。
前記酸化防止剤としては、ヒンダートフェノール系酸化防止剤が好ましい。
当該ヒンダートフェノール系酸化防止剤としては、例えば、n-オクタデシル-3-(3',5'-ジ-t-ブチル-4'-ヒドロキシフェニル)-プロピオネート、n-オクタデシル-3-(3'-メチル-5'-t-ブチル-4'-ヒドロキシフェニル)-プロピオネート、n-テトラデシル-3-(3',5'-ジ-t-ブチル-4'-ヒドロキシフェニル)-プロピオネート、1,6-ヘキサンジオール-ビス-[3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)-プロピオネート]、1,4-ブタンジオール-ビス-[3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)-プロピオネート]、トリエチレングリコール-ビス-[3-(3-t-ブチル-5-メチル-4-ヒドロキシフェニル)-プロピオネート]、ペンタエリスリトールテトラキス[メチレン-3-(3',5'-ジ-t-ブチル-4'-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン等が挙げられる。中でも、トリエチレングリコール-ビス-[3-(3-t-ブチル-5-メチル-4-ヒドロキシフェニル)-プロピオネート]及びペンタエリスリトールテトラキス[メチレン-3-(3',5'-ジ-t-ブチル-4'-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタンが好ましい。
これらの酸化防止剤は、1種類を単独で用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
前記熱安定剤としては、例えば、アミノ置換トリアジン化合物、アミノ置換トリアジン化合物とホルムアルデヒドの付加物、アミノ置換トリアジン化合物とホルムアルデヒドの縮合物、尿素、尿素誘導体、ヒドラジン誘導体、アミド化合物、ポリアミド等が挙げられる。
前記アミノ置換トリアジン化合物としては、以下に限定されるものではないが、例えば、2,4-ジアミノ-sym-トリアジン、2,4,6-トリアミノ-sym-トリアジン、N-ブチルメラミン、N-フェニルメラミン、N,N-ジフェニルメラミン、N,N-ジアリルメラミン、ベンゾグアナミン(2,4-ジアミノ-6-フェニル-sym-トリアジン)、アセトグアナミン(2,4-ジアミノ-6-メチル-sym-トリアジン)、2,4-ジアミノ-6-ブチル-sym-トリアジン等が挙げられる。
前記尿素誘導体としては、以下に限定されるものではないが、例えば、N-置換尿素、尿素縮合体、エチレン尿素、ヒダントイン化合物、ウレイド化合物等が挙げられる。
前記N-置換尿素としては、以下に限定されるものではないが、例えば、アルキル基等の置換基を有するメチル尿素、アルキレンビス尿素、アリール置換尿素が挙げられる。上記尿素縮合体としては、以下に限定されるものではないが、例えば、尿素とホルムアルデヒドの縮合体等が挙げられる。上記ヒダントイン化合物としては、以下に限定されるものではないが、例えば、ヒダントイン、5,5-ジメチルヒダントイン、5,5-ジフェニルヒダントイン等が挙げられる。上記ウレイド化合物としては、以下に限定されるものではないが、例えば、アラントイン等が挙げられる。
前記ヒドラジン誘導体としては、以下に限定されるものではないが、例えば、ヒドラジド化合物を挙げることができる。
ヒドラジド化合物としては、例えば、カルボン酸(含芳香族、脂環)とヒドラジンとの反応により合成される、カルボン酸モノヒドラジド化合物、カルボン酸ジヒドラジド化合物、アルキル基置換モノヒドラジド化合物、アルキル基置換ジヒドラジド化合物等が挙げられる。上記カルボン酸は、モノカルボン酸、ジカルボン酸、カルボン酸を3つ以上有する化合物(多価カルボン酸)であってもよい。モノカルボン酸の例としては、蟻酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、エナント酸、カプリル酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、マルガリン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、安息香酸、サリチル酸、没食子酸、ケイ皮酸、ピルビン酸、乳酸、アミノ酸が挙げられる。ジカルボン酸の例としては、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタリン酸、リンゴ酸、フマル酸、マレイン酸、酒石酸、ニトロカルボン酸が挙げられる。多価カルボン酸の例としては、メリト酸、クエン酸、アコニット酸が挙げられる。また、不飽和カルボン酸の例としては、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸、ドコサヘキサエン酸、エイコサペンタエン酸が挙げられる。これらカルボン酸を用いて合成されるカルボン酸モノ(ジ)ヒドラジド化合物は、例えば、カルボジヒドラジド、シュウ酸モノ(ジ)ヒドラジド、マロン酸モノ(ジ)ヒドラジド、コハク酸モノ(ジ)ヒドラジド、グルタル酸モノ(ジ)ヒドラジド、アジピン酸モノ(ジ)ヒドラジド、ピメリン酸モノ(ジ)ヒドラジド、スベリン酸モノ(ジ)ヒドラジド、アゼライン酸モノ(ジ)ヒドラジド、セバシン酸モノ(ジ)ヒドラジド、フタル酸モノ(ジ)ヒドラジド、イソフタル酸モノ(ジ)ヒドラジド、テレフタル酸モノ(ジ)ヒドラジド、2,6-ナフタリン酸モノ(ジ)ヒドラジド、リンゴ酸モノ(ジ)ヒドラジド、フマル酸モノ(ジ)ヒドラジド、マレイン酸モノ(ジ)ヒドラジド、酒石酸モノ(ジ)ヒドラジド、プロピオン酸モノヒドラジド、ラウリン酸モノヒドラジド、ステアリン酸モノヒドラジド、p―ヒドロキシベンゾイックヒドラジン、p―ヒドロキシベンゾイックヒドラジン、1,4-シクロへキサンジカルボン酸ジヒドラジン、アセトヒドラジド、アクリロヒドラジド、ベンゾヒドラジド、ニコチノヒドラジド、イソニコチノヒドラジド、イソブチルヒドラジン、オレイン酸ヒドラジド等が挙げられる。これらの中でも、ヒドラジド化合物としては、アジピン酸モノ(ジ)ヒドラジド、セバシン酸モノ(ジ)ヒドラジド、ラウリン酸モノヒドラジドが好ましい。
なお、「モノ(ジ)ヒドラジド」とは、2つのカルボン酸の一方又は両方がヒドラジド化されていることを示す。
前記アミド化合物としては、以下に限定されるものではないが、例えば、イソフタル酸ジアミドなどの多価カルボン酸アミド、アントラニルアミドが挙げられる。
前記ポリアミドとしては、例えば、ナイロン(登録商標)4-6、ナイロン6、ナイロン6-6、ナイロン6-10、ナイロン6-12、ナイロン12等のポリアミド樹脂、及びこれらの重合体、例えば、ナイロン6/6-6/6-10、ナイロン6/6-12等が挙げられる。
前記ギ酸捕捉剤としては、以下に限定されるものではないが、例えば、アルカリ金属又はアルカリ土類金属の水酸化物、無機酸塩、カルボン酸塩又はアルコキシドが挙げられる。例えば、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウムもしくはバリウムなどの水酸化物;上記金属の炭酸塩、リン酸塩、珪酸塩、ホウ酸塩、カルボン酸塩、さらには層状複水酸化物が挙げられる。
なお、ギ酸補捉剤は、1種類のみを単独で用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
前記カルボン酸塩のカルボン酸としては、10~36個の炭素原子を有する飽和又は不飽和脂肪族カルボン酸が好ましく、これらのカルボン酸は水酸基で置換されていてもよい。飽和又は不飽和脂肪族カルボン酸塩としては、以下に限定されるものではないが、例えば、ジミリスチン酸カルシウム、ジパルミチン酸カルシウム、ジステアリン酸カルシウム、(ミリスチン酸-パルミチン酸)カルシウム、(ミリスチン酸-ステアリン酸)カルシウム、(パルミチン酸-ステアリン酸)カルシウム、12ヒドロキシステアリン酸カルシウムが挙げられ、中でも好ましくは、ジパルミチン酸カルシウム、ジステアリン酸カルシウム、12-ヒドロキシジステアリン酸カルシウムが挙げられる。
前記耐候安定剤としては、以下に限定されるものではないが、例えば、ベンゾトリアゾール系化合物、シュウ酸アニリド系化合物、及びヒンダードアミン系光安定剤からなる群より選択される少なくとも1種が好ましいものとして挙げられる。
上記ベンゾトリアゾール系化合物としては、以下に限定されるものではないが、例えば、2-(2’-ヒドロキシ-5’-メチル-フェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2’-ヒドロキシ-3,5-ジ-t-ブチル-フェニル)ベンゾトリアゾール、2-[2’-ヒドロキシ-3,5-ビス(α、α-ジメチルベンジル)フェニル]ベンゾトリアゾール、2-(2’-ヒドロキシ-3,5-ジ-t-アミルフェニル]ベンゾトリアゾール、2-(2’-ヒドロキシ-3,5-ジ-イソアミル-フェニル)ベンゾトリアゾール、2-[2’-ヒドロキシ-3,5-ビス-(α,α-ジメチルベンジル)フェニル]-2H-ベンゾトリアゾール、2-(2’-ヒドロキシ-4’-オクトキシフェニル)ベンゾトリアゾールなどが挙げられる。これらの化合物はそれぞれ1種のみを単独で用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
前記シュウ酸アリニド系化合物としては、以下に限定されるものではないが、例えば、2-エトキシ-2’-エチルオキザリックアシッドビスアニリド、2-エトキシ-5-t-ブチル-2’-エチルオキザリックアシッドビスアニリド、2-エトキシ-3’-ドデシルオキザリックアシッドビスアニリドなどが挙げられる。これらの化合物は、1種のみを単独で用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
ヒンダードアミン系光安定剤としては、以下に限定されるものではないが、例えば、4-アセトキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン、4-ステアロイルオキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン、4-アクリロイルオキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン、4-(フェニルアトキシ)-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン、4-ベンゾイルオキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン、4-メトキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン、4-ステアリルオキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン、4-シクロヘキシルオキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン、4-ベンジルオキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン、4-フェノキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン、4-(エチルカルバモイルオキシ)-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン、4-(シクロヘキシルカルバモイルオキシ)-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン、4-(フェニルカルバモイルオキシ)-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン、ビス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)-カーボネート、ビス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)-オキサレート、ビス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)-マロネート、ビス(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジニル)セバケート、ビス-(N-メチル-2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジニル)セバケート、ビス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)-セバケート、ビス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)-アジペート、ビス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)-テレフタレート、1,2-ビス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジルオキシ)-エタン、α,α’-ビス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジルオキシ)-p-キシレン、ビス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジルトリレン-2,4-ジカルバメート、ビス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)-ヘキサメチレン-1,6-ジカルバメート、トリス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)-ベンゼン-1,3,5-トリカルボキシレート、トリス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)-ベンゼン-1,3,4-トリカルボキシレート、1-[2-{3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ}ブチル]-4-[3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ]2,2,6,6-テトラメチルピペリジン、1,2,3,4-ブタンテトラカルボン酸と1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジノールとβ,β,β’,β’,-テトラメチル-3,9-[2,4,8,10-テトラオキサスピロ(5,5)ウンデカン]ジエタノールとの縮合物、などが挙げられる。上記ヒンダードアミン系光安定剤は、それぞれ1種のみを単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上述した中でも好ましい耐候安定剤は、2-[2’-ヒドロキシ-3,5-ビス(α,α-ジメチルベンジル)フェニル]ベンゾトリアゾール、2-(2’-ヒドロキシ-3,5-ジ-t-ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2’-ヒドロキシ-3,5-ジ-t-アミルフェニル]ベンゾトリアゾール、ビス(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジニル)セバケート、ビス-(N-メチル-2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジニル)セバケート、ビス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジニル)セバケート、1,2,3,4-ブタンテトラカルボン酸と1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジノールとβ,β,β’,β’,-テトラメチル-3,9-[2,4,8,10-テトラオキサスピロ(5,5)ウンデカン]ジエタノールとの縮合物である。
前記離型剤及び前記潤滑剤としては、以下に限定されるものではないが、例えば、アルコール、脂肪酸及びそれらの脂肪酸エステル、平均重合度が10~500であるオレフィン化合物、シリコーン、が好ましいものとして挙げられる。また、前記離型剤及び前記潤滑剤は、1種類のみを単独で用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いることもできる。
前記導電剤としては、以下に限定されるものではないが、例えば、導電性カーボンブラック、金属粉末又は繊維が挙げられる。導電剤は、1種類のみを単独で用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
前記熱可塑性樹脂としては、以下に限定されるものではないが、例えば、ポリオレフィン樹脂、アクリル樹脂、スチレン樹脂、ポリカーネート樹脂、未硬化のエポキシ樹脂が挙げられる。熱可塑性樹脂は1種類のみを単独で用いてもよいし、2種類以上組み合わせて用いてもよい。
なお、前記熱可塑性樹脂としては、上述した樹脂の変性物も含まれる。
前記熱可塑性エラストマーとしては、以下に限定されるものではないが、例えば、ポリウレタン系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、ポリスチレン系エラストマー、ポリアミド系エラストマーが挙げられる。熱可塑性エラストマーは1種類のみを単独で用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
前記染顔料としては、以下に限定されるものではないが、例えば、無機系顔料及び有機系顔料、メタリック系顔料、蛍光顔料等が挙げられる。
前記無機系顔料は、樹脂の着色用として一般的に使用されているものをいい、以下に限定されるものではないが、例えば、硫化亜鉛、酸化チタン、硫酸バリウム、チタンイエロー、コバルトブルー、燃成顔料、炭酸塩、リン酸塩、酢酸塩やカーボンブラック、アセチレンブラック等が挙げられる。
前記有機系顔料としては、以下に限定されるものではないが、例えば、縮合ウゾ系、イノン系、フロタシアニン系、モノアゾ系、ジアゾ系、ポリアゾ系、アンスラキノン系、複素環系、ペンノン系、キナクリドン系、チオインジコ系、ベリレン系、ジオキサジン系、フタロシアニン系等の顔料である等の顔料が挙げられる。
前記染顔料は、1種類のみを単独で用いてもよいし、2種類以上組み合わせて用いてもよい。なお、前記染顔料の添加割合は色調により大幅に変わるため明確にすることは難しいが一般的には、ポリアセタール樹脂100質量部に対して、0.05~5質量部の範囲で用いられる。
また、前記熱可塑性樹脂以外のその他の樹脂としては、特に限定されないが、例えば、ポリオレフィン樹脂、アクリル樹脂、スチレン樹脂、ポリカーネート樹脂、未硬化のエポキシ樹脂が挙げられる。
なお、熱可塑性樹脂以外のその他の樹脂は1種類のみを単独で用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
前記無機充填剤としては、以下に限定されるものではないが、例えば、繊維状、粉粒子状、板状及び中空状の充填剤が用いられる。
前記繊維状充填剤としては、以下に限定されるものではないが、例えば、ガラス繊維、炭素繊維、シリコーン繊維、シリカ・アルミナ繊維、ジルコニア繊維、窒化硼素繊維、窒化硅素繊維、硼素繊維、チタン酸カリウム繊維、さらにステンレス、アルミニウム、チタン、銅、真鍮等の金属繊維等の無機質繊維が挙げられる。また、繊維長の短いチタン酸カリウムウイスカー、酸化亜鉛ウイスカー等のウイスカー類も含まれる。
前記粉粒子状充填剤としては、以下に限定されるものではないが、例えば、タルク、カーボンブラック、シリカ、石英粉末、ガラスビーズ、ガラス粉、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、珪酸アルミニウム、カオリン、クレー、珪藻土、ウォラストナイト等の珪酸塩;酸化鉄、酸化チタン、アルミナ等の金属酸化物;硫酸カルシウム、硫酸バリウム等の金属硫酸塩;炭酸マグネシウム、ドロマイト等の炭酸塩;その他炭化珪素、窒化硅素、窒化硼素、各種金属粉末等が挙げられる。
前記板状充填剤としては、以下に限定されるものではないが、例えば、マイカ、ガラスフレーク、各種金属箔が挙げられる。
前記中空状充填剤としては、以下に限定されるものではないが、例えば、ガラスバルーン、シリカバルーン、シラスバルーン、金属バルーン等が挙げられる。
前記有機充填剤としては、以下に限定されるものではないが、例えば、芳香族ポリアミド樹脂、フッ素樹脂、アクリル樹脂等の高融点有機繊維状充填剤が挙げられる。
これらの充填剤は、1種のみを単独で用いてもよく、2種以上を併用して使用してもよい。これらの充填剤としては、表面処理された充填剤、未表面処理の充填剤、何れも使用可能であるが、成形表面の平滑性、機械的特性の面から、表面処理剤で表面処理の施された充填剤の使用の方が好ましい場合がある。
前記表面処理剤としては、特に限定されず、従来公知の表面処理剤が使用可能である。
表面処理剤としては、以下に限定されるものではないが、例えば、シラン系、チタネート系、アルミニウム系、ジルコニウム系等の各種カップリング処理剤、樹脂酸、有機カルボン酸、有機カルボン酸の塩等、界面活性剤が使用できる。具体的には、以下に限定されるものではないが、例えば、N-(2-アミノエチル)-3-アミノプロピルトリエトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、イソプロピルトリスステアロイルチタネート、ジイソプロポキシアンモニウムエチルアセテート、n-ブチルジルコネート等が挙げられる。
<ポリアセタール樹脂組成物の製造方法>
なお、本実施形態のポリアセタール樹脂組成物を製造する方法については、特に限定されない。
本実施形態のポリアセタール樹脂組成物を製造する方法としては、例えば、(A)ポリアセタール樹脂と、(B)窒化ホウ素、(C)アクリルアミド共重合体、(D)カルボン酸ジエステルとを、必要に応じて上述した所定の成分を、ヘンシェルミキサー、タンブラー、V字型ブレンダ―等で混合した後、1軸又は多軸の押出機、加熱ロール、ニーダー、バンバリーミキサー等の混練機を用いて混練すること等により得られる。なお、混練温度は、使用するポリアセタール樹脂の好ましい加工温度に従えばよく、一般的には、140~260℃の範囲、好ましくは180~230℃の範囲とする。
これらの中でも、ベント減圧装置を備えた押出機による混練が、生産性の観点から好ましい。また、ポリアセタール樹脂組成物を大量に安定して製造するには、二軸の押出機が好適に用いられる。
また、予め混合することなく、定量フィーダー等で各成分を単独あるいは数種類ずつまとめて押出機に連続フィードすることもできる。
また、予め各成分からなる高濃度マスターバッチを作製しておき、押出溶融混練時にポリアセタール樹脂で希釈することもできる。
<成形体>
本実施形態の成形体は、上述した本実施形態のポリアセタール樹脂組成物を用いることを特徴とする。
前記ポリアセタール樹脂組成物を成形する方法については、特に限定はなく、公知の成形方法を用いることができる。例えば、押出成形、射出成形、真空成形、ブロー成形、射出圧縮成形、加飾成形、他材質成形、ガスアシスト射出成形、発砲射出成形、低圧成形、超薄肉射出成形(超高速射出成形)、金型内複合成形(インサート成形、アウトサート成形)等の成形方法の何れかによって成形することができる。
これらの中でも、安定生産性の観点からは、射出成形法を用いることが好ましい。
また、本実施形態の成形体は、種々の用途に適用することができる。
例えば、ギア、カム、スライダー、レバー、軸、軸受け及びガイド等に代表される機構部品、アウトサート成形の樹脂部品又はインサート成形の樹脂部品(シャーシ、トレー、側板部品)、プリンター又は複写機用部品、情報機器用部品、通信機器用部品、電気機器用部品等として、本実施形態の成形体を用いることができる。
さらに、本実施形態の成形体は、自動車用の部品として、ガソリンタンク、フュエルポンプモジュール、バルブ類、ガソリンタンクフランジ等に代表される燃料廻り部品、ドア廻り部品、シートベルト周辺部品、コンビスイッチ部品、スイッチ類に好適に使用される。
さらにまた、本実施形態の成形体は、住宅設備機器に代表される工業部品としても好適に使用できる。
以下、具体的な実施例、比較例を挙げて本発明を説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(各サンプルの構成成分)
実施例及び比較例の各サンプルが含む成分を以下に示す。
(A)ポリアセタール樹脂
(A-1)ポリアセタール樹脂
撹拌装置付重合反応器をn-へキサンで満たし、精製ホルムアルデヒドガス(水分量:110ppm)と、重合触媒(ジメチルジステアリルアンモニウムアセテート)と、分子量調節剤(無水酢酸)とを、夫々連続的にフィードし、重合反応させた。
このときの重合反応温度は58℃とした。
得られた粗ポリアセタールホモポリマーを、n-ヘキサンと無水酢酸との1対1混合溶媒で満たした反応容器に投入し、150℃で2時間攪拌を行い、粗ポリアセタールホモポリマーの不安定末端をエステル化処理した。
この時のポリマー、並びに「n-ヘキサン及び無水酢酸の1対1混合溶媒」の質量比(スラリー濃度)は、「n-ヘキサン及び無水酢酸との1対1混合溶媒」100に対してポリマー20とした。
粗ポリアセタールホモポリマーの末端安定化処理が終了した後、反応容器から「n-ヘキサン及び無水酢酸の1対1混合溶媒」とポリアセタールホモポリマーとを取り出し、n-ヘキサン溶媒を加えてポリアセタールホモポリマーを繰り返し洗浄し、無水酢酸を洗い落とした。
洗浄回数は、ポリアセタールホモポリマー中の無水酢酸濃度が10ppm以下になるまで繰り返した。
その後、120℃で3時間、-700mmHgの条件でポリアセタールホモポリマーを減圧乾燥し、洗浄に用いたn-へキサン溶媒を除去し、更に、120℃に設定した加熱式乾燥機を用いて5時間乾燥し、ポリアセタールホモポリマー中に含まれる水分を除去し、MFR2.0g/10minのポリアセタールホモポリマー((A-1)のポリアセタール樹脂)を得た。
得られた(A-1)のポリアセタール樹脂は、融点164℃、メルトフローインデックス10g/10分であった。
(A-2)ポリアセタール樹脂
分子量調節剤(無水酢酸)のフィード量を変更した以外は、(A-1)のポリアセタール樹脂の製造方法と同様の条件で、MFR4.5g/10minの)ポリアセタールホモポリマー((A-2)のポリアセタール樹脂)を得た。
(A-3)ポリアセタール樹脂
分子量調節剤(無水酢酸)のフィード量を変更した以外は、(A-1)のポリアセタール樹脂の製造方法と同様の条件で、MFR10.5g/10minのポリアセタールホモポリマー((A-3)のポリアセタール樹脂)を得た。
(B)窒化ホウ素
(B-1)デンカ(株)製 「デンカボロンナイトライドSP-2」、平均粒子径(D50)4μm
(B-2)デンカ(株)製 「デンカボロンナイトライドGP」、平均粒子径(D50)7μm
(B-3)デンカ(株)製 「デンカボロンナイトライドSGP」、平均粒子径(D50)18μm
(C)アクリルアミド重合体
(C-1)アクリルアミド重合体
攪拌機を具備するバッチ式の5Lの反応機に、アクリルアミド2400gとN,N’-メチレンビスアクリルアミド267g、触媒としてジルコニウムテトライソプロポキシド0.54g(アクリルアミドに対し1/10000mol)を加え、N気流中で攪拌しながら125℃で4時間反応させた。
反応終了後に、固形物をジェットミル粉砕機で粉砕し、アセトンで洗浄した。
その後、120℃で20時間、-700mmHgの減圧度で減圧乾燥させて、(C-1)のアクリルアミド重合体を得た。
得られた(C-1)のアクリルアミド重合体は、第一級アミド基の含有量が50.4mol%、平均粒子径が5.1μmであった。なお、平均粒子径については、レーザ回折式粒度分布測定装置により測定した。
(C-2)アクリルアミド重合体
攪拌機を具備するバッチ式の5Lの反応機に、アクリルアミド2400g、触媒としてジルコニウムテトライソプロポキシド0.54g(アクリルアミドに対し1/10000mol)を加え、N気流中で攪拌しながら125℃で4時間反応させた。
反応終了後に、固形物をジェットミル粉砕機で粉砕し、アセトンで洗浄した。
その後、120℃で20時間、-700mmHgの減圧度で減圧乾燥させて、(C-2)のアクリルアミド重合体を得た。
得られた(C-2)のアクリルアミド重合体は、第一級アミド基の含有量は56.3mol%、平均粒子径は5.2μmであった。なお、平均粒子径については、レーザ回折式粒度分布測定装置により測定した。
(D)カルボン酸ジエステル
(D-1)アジピン酸ジラウリル
(D-2)エチレングリコールジステアレート
<実施例1~10、比較例1~11>
(実施例1)
(A-1)ポリアセタール樹脂100質量に、トリエチレングリコール-ビス[3-(3-t-ブチル-5-メチル-4-ヒドロキシフェニル)-プロピオネート]0.2質量部と、(B-1)窒化ホウ素0.1質量部、(C-1)アクリルアミド重合体0.2質量部、(D-1)アジピン酸ジラウリル1.0質量部とを、ヘンシェルミキサーを用いて均一に混合して混合物を得た。
この混合物を、シリンダー温度210℃に設定された30mmベント付2軸押出機のトップフィード口からフィードし、スクリュー回転数80rpm、ベント減圧度-0.08MPa、吐出量3kg/hrで溶融混錬しペレット化した後、当該ペレットを熱風温度80℃で3時間乾燥することによりポリアセタール樹脂組成物のペレット(サンプル)を得た。
(実施例2~10)
(A)~(D)の各成分の組成を、表1の通りとした以外は、実施例1と同様の条件で、ポリアセタール樹脂組成物のサンプルを得た。
(比較例1)
(A-1)ポリアセタール樹脂100質量に、トリエチレングリコール-ビス[3-(3-t-ブチル-5-メチル-4-ヒドロキシフェニル)-プロピオネート]0.2質量部と、(C-1)アクリルアミド0.2質量部とを、ヘンシェルミキサーを用いて均一に混合して混合物を得た。
この混合物を、実施例1と同様の条件で、ペレット化及び乾燥することにより、ポリアセタール樹脂組成物のサンプルを得た。
(比較例例2~11)
(A)~(D)の各成分の組成を、表1の通りとした以外は、実施例1と同様の条件で、ポリアセタール樹脂組成物のサンプルを得た。
[評価]
以下の評価(1)及び(2)を行った。評価結果を表1に示す。
(1)長期摺動時の安定性(ばらつき度)
東芝機械(株)製IS-100GN射出成形機を用いて、シリンダー温度210℃、金型温度90℃、射出圧力60MPa、射出時30秒、冷却時間15秒の条件で、ポリアセタール樹脂組成物の各サンプルからISOダンベル試験片を成形した。この試験片を、往復動摩擦摩耗試験機(東洋精密(株)製、AFT-15MS型)を用いて荷重2kg、線速度30mm/sec、往復距離20mm及び環境温度23℃の条件で、摩耗試験を実施した。なお、摩耗試験の相手材料としては、SUS304試験片(直径5mmの球)を用いた。
具体的には、図1に示すように、ISOダンベルのゲート付近、中央付近、流動末端付近の3か所それぞれで、10000回往復した後の摩擦係数、最大摩耗深さを測定し、3カ所での摩擦係数及び最大摩耗深さの標準偏差を算出した。標準偏差については、値が小さいほど、長期摺動時における摩擦摩耗のばらつきが少なく、安定性に優れると判断される。
(2)耐クリープ特性
ポリアセタール樹脂組成物の各サンプルについて、(株)東芝製IS-100GN射出成形機を用いて、シリンダー温度210℃、金型温度90℃で縦110mm×横6.5mm×厚さ3mmの短冊状の試験片を作製した。試験片を用いて、東洋精機(株)製クリープ試験機C200-6により、荷重応力22MPaの引張応力、温度80℃の環境下で、試験片が破壊されるまでの時間(hr)を測定した。なお、破断されるまでの時間は、長いほど、クリープ性に優れると判断される。
Figure 2023131674000001
表1及の結果から、実施例1~10で得られたポリアセタール樹脂組成物のサンプルは、長期摺動時においても摩擦係数と摩耗深さのばらつきが少なく、安定した摺動性能を発現し、かつ、耐クリープ性に優れていることがわかる。
一方、比較例1~11で得られたポリアセタール樹脂組成物のサンプルは、長期摺動時において摩擦係数と摩耗深さのばらつきが大きく、耐クリープ性も劣っていることがわかる。
本発明のポリアセタール樹脂組成物は、自動車、電機・電子、その他工業等の幅広い分野で利用できる。
特に、本発明のポリアセタール樹脂組成物は、長期間において安定した摺動性能を発現し、さらに、優れた耐クリープ特性を有するため、信頼性が要求される自動車での機構部品等において好適に利用できる。

Claims (5)

  1. (A)メルトフローレートが0.5~5g/10分であるポリアセタール樹脂と、
    (B)平均粒子径が0.1~10μmである窒化ホウ素を、前記ポリアセタール樹脂100質量部に対して0.0005~0.2質量部と、
    (C)アクリルアミド重合体を、前記ポリアセタール樹脂100質量部に対して0.01~0.5質量部と、
    (D)カルボン酸ジエステルを、前記ポリアセタール樹脂100質量部に対して0.1~5.0質量部と、を含むことを特徴とする、ポリアセタール樹脂組成物。
  2. 前記(D)カルボン酸ジエステルが、ジカルボン酸と脂肪族アルコールとからなることを特徴とする、請求項1に記載のポリアセタール樹脂組成物。
  3. 前記(D)カルボン肪酸ジエステルの含有量に対する前記(B)窒化ホウ素の含有量が、質量比((B)/(D))で、0.0005~0.06であることを特徴とする、請求項1又は2に記載のポリアセタール樹脂組成物。
  4. 請求項1~3のいずれか1項に記載のポリアセタール樹脂組成物を用いることを特徴とする、成形品。
  5. 前記成形品が、機構部品、樹脂部品、複写機用部品、情報機器用部品、通信機器用部品、電気機器用部品、自動車用部品又は住宅設備用部品であることを特徴とする、請求項4に記載の成形品。
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