JP4198164B2 - ポリアセタール樹脂成形体及びその製造方法 - Google Patents
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Description
ポリアセタール樹脂にアミノ置換トリアジン類化合物を添加してなるポリアセタール樹脂組成物は、すでに公知である。例えば、ポリアセタール樹脂の熱安定性を改良する目的で、特許文献1、特許文献2、特許文献3に開示されている。また、アミノ置換トリアジン類化合物のポリアセタール樹脂との相溶性をあげる目的で、末端安定化前の粗ポリアセタール樹脂に上記化合物を添加する方法が、特許文献4にそれぞれ開示されている。
しかしながらこれらの方法では、アミノ置換トリアジン類化合物はポリアセタール樹脂との相溶性が乏しいため、1μm以下の平均粒子径で分散させることはできない。また、この成形体を数日間放置していると成形体表面にブリードし、成形体表面外観不良の問題を引き起こす。一方、特許文献5では、アミノ置換トリアジン類化合物のブリードを防止させる方法が開示されている。しかし、この方法では上記化合物を1μm以下の平均粒子径で分散させたポリアセタール樹脂成形体を得ることができない。この原因は、ポリアセタール樹脂とメラミンの溶融混練時間が長いため、ホルムアルデヒドとメラミンが複雑に反応し、この反応物同士が更に反応し、凝集し分散粒子径が大きくなるためである。
本発明のもう一つの目的は、上記ポリアセタール樹脂成形品の製造方法を提供することである。
本発明の更にもう一つの目的は、耐熱エージング性と成形体表面外観(非ブリード性)とに優れたポリアセタール樹脂成形を提供することである。
本発明の他の目的及びその利点は以下の記載により明らかである。
本発明に従えば、またホルムアルデヒド含有量が1000〜3000ppmのポリアセタール樹脂100重量部に、0.01〜3.0重量部のアミノ置換トリアジン類化合物の1種若しくは2種以上を溶融混練して成形することによりポリアセタール樹脂成形体を製造する方法が提供される。
原料モノマー中の活性水素化合物を除去する方法としては、例えばトリオキサン、環状エーテルをベンゼンの存在下で蒸留し、ベンゼンと活性水素化合物を共沸させ除去する方法、また吸着による方法としてはトリオキサン、環状エーテルをゼオライト等の吸着剤を充填した塔に通すことにより除去する方法等がある。
重合方法は塊状重合で行われ、バッチ式、連続式の何れの方法によっても可能である。バッチ式重合装置としては、一般に攪拌機付きの反応槽が使用できる。また連続式としては、コニーダー、2軸スクリュー式連続押し出し混練機、2軸パドル型連続混合機等のセルフクリーニング型混合機が使用できる。重合条件は、常圧下で60℃〜200℃、好ましくは60℃〜120℃の範囲で行われる。
得られた末端安定化前の粗ポリアセタール樹脂は、活性な重合触媒を含有しているため、重合触媒の失活を行うことが望ましい。重合触媒の失活方法は、塩基性物質を含む水溶液中または有機溶媒中で失活する。その他の失活方法としては、塩基性物質を粗ポリアセタール樹脂に添加し、押出機を用いて溶融状態で失活する方法も使用できる。失活に使用される塩基性物質としては、アルカリ金属またはアルカリ土類金属の水酸化物、無機弱酸塩、有機酸塩等が挙げられる。好ましくは、Li、Na、K、Mg、Ca、Sr、Baの水酸化物、炭酸塩、リン酸塩、ケイ酸塩、ホウ酸塩、蟻酸塩、酢酸塩、ステアリン酸塩、パルミチン酸塩、プロピオン酸塩、シュウ酸塩等である。また、アンモニア、トリエチルアミン、トリブチルアミン等のアミン化合物も失活剤として使用することができる。
ポリアセタール樹脂とアミノ置換トリアジン類化合物を溶融混練する方法は、一般に押出機を用いるが何等限定するものではなく、十分に溶融混練できるものであればよい。押出機を用いる場合、1軸であっても2軸であっても構わない。この時の温度は170〜240℃の範囲で適宜選択すればよい。溶融混練時間は、250秒以下である。好ましくは200秒以下である。溶融混練時間が250秒よりも長いと、ポリアセタール樹脂に含まれているホルムアルデヒドとアミノ置換トリアジン類化合物との反応が更に進行し、アミノ置換トリアジン類化合物が凝集し、分散粒子径を大きくしてしまう。
ポリアセタール樹脂にアミノ置換トリアジン類化合物を1μm以下の平均粒子径で分散させることで、ポリアセタール樹脂の耐熱エージング性と成形体の表面外観性を向上させることが出来、また同時に成形後の収縮率異方性をも小さくすることができる。
ポリアセタール樹脂組成物の成型方法は通常行われている条件、例えば金型温度は30℃〜90℃、シリンダー温度は170℃〜230℃の範囲で適宜選択すればよく、何等制限するものではない。
成形体の表面外観性は、ポリアセタール樹脂にアミノ置換トリアジン類化合物を添加、溶融混練したポリアセタール樹脂組成物を射出成形し、得られたポリアセタール樹脂成形体を射出成形し、この成形体を23℃で50%湿度(R・H)の環境下に放置し、ブリードの発生状況を観察する。
本発明樹脂組成物の成形後の収縮率異方性は、ポリアセタール樹脂組成物を射出成形した後、23℃で50%湿度(R・H)の環境下で2日間放置した後の樹脂の流動方向の収縮率と流動方向に対して直角方向の収縮率の比で求められる。
以下に成形後の収縮率異方性を求めた式を示す。
本発明で使用できるその他の安定剤としては、通常ポリアセタール樹脂に用いられている添加剤であればよい。例えば、酸化防止剤、ホルムアルデヒド反応性窒素を含む重合体又はその化合物、蟻酸捕捉剤、耐候(光)安定剤、離型剤等がそれに含まれる。これらの添加剤はポリアセタール樹脂100重量部に対して、0.1〜5重量部である。
耐候(光)安定剤としては、ベンゾトリアゾール系若しくは蓚酸アニリド系紫外線吸収剤とヒンダードアミン系光安定剤の1種以上である。
一方、シュウ酸アニリド系紫外線吸収剤としては、例えば、2−エトキシ−2’−エチルオキザリックアシッドビスアニリド、2−エトキシ−5−t−ブチル−2’−エチルオキザリックアシッドビスアニリド、2−エトキシ−3’−ドデシルオキザリックアシッドビスアニリド等が挙げられる。これらの紫外線吸収剤はそれぞれ単独で用いても良いし、2種以上を組み合わせて用いても良い。
で表されるポリアルキレングリコールである。具体的には、例えばエチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、エピクロルヒドリン、スチレンオキシド、オキセタン、3,3−ビス(クロロメチル)オキセタン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、オキセパン等である。これらのアルキレンオキシドの重付加モル数は、50〜20000の範囲である。これらのポリアルキレングリコールは、それぞれ単独で用いてもよいし、2種以上を併用して用いてもよい。何等制限するものではない。
で表される脂肪族化合物である。具体的には、例えばエチレンビスステアリルアミド、エチレンビスラウリルアミド、エチレンビスオレイルアミド、エチレンビスエルカ酸アミド等である。これらのアミド基を有する脂肪族化合物は、それぞれ単独で用いてもよいし、2種以上を併用して用いてもよい。
上記添加剤の添加量は熱可塑性樹脂がポリアセタール樹脂の場合、ポリアセタール樹脂100重量部に対して0.1〜5.0重量部である。
これらの添加剤、充填材、顔料の添加形態としては、本願の熱可塑性樹脂用添加剤と熱可塑性樹脂を溶融混練したあとに添加するか、もしくは同時に溶融混練するか、いずれの方法でもよい。溶融混練する方法としては一般には押出機を用いる。この時の押出機温度は、130〜330℃の範囲で、熱可塑性樹脂が押し出し加工可能な温度で適宜選択すればよい。押出機のスクリュータイプは1軸でも、また2軸であっても構わない。
本願で用いたポリアセタール樹脂及びポリアセタール樹脂中に含まれているホルムアルデヒド含有量、アミノ置換トリアジン類化合物の分散粒子径、耐熱エージング性、成形後の収縮率異方性を以下に示した方法に従って評価した。
A.ポリアセタール樹脂
[ポリアセタール樹脂(POM−1)の製造]
熱媒を通すことのできるジャケット付きの2枚の攪拌羽根を有する5リットル容ニーダーを80℃に調整し、15ppmの水を含んだトリオキサン3kgと、100ppmのフェノール系酸化防止剤(a−2)を添加した1,3−ジオキソランをトリオキサン1mol当たり0.04molの量、分子量調節剤としてメチラールを0.7×10-3molを添加、混合した。この混合物に重合触媒として3フッ化ホウ素ジブチルエーテルをトリオキサン1molに対して0.15×10-4mol加えて重合を行った。反応開始後30分経過したところで、ジャケットに30℃の熱媒を通し、1%のトリエチルアミンを含有する水溶液2リットルを添加し、1時間触媒を失活させて反応を停止した。その後、ニーダーの内容物を取り出し濾過した後、濾塊を100℃で乾燥し、2.7kgのポリアセタール樹脂を得た。この操作を全量が10kgになるまで繰り返した。
得られたポリアセタール樹脂を30mmのベント口を1つ所有する2軸押出機(L/D比:32)に供給した。押出機温度が200℃、押出機反応帯域に注入する水及び塩基性物質として使用したトリエチルアミンの添加量が、樹脂に対してそれぞれ0.2重量%及び0.1重量%、ベント真空度が50Torrの条件でポリアセタール樹脂の末端安定化及び脱揮を行い、末端安定化したポリアセタール樹脂(POM−1)をペレットの形で得た。得られたポリアセタール樹脂のホルムアルデヒド含有量は120ppm、メルトインデックス値は10g/10分であった。
ポリアセタール樹脂を末端安定化する際の押出機ベント真空度を100Torrとする以外は、ポリアセタール樹脂(POM−1)の製造方法と実質的に同様の操作を行い、末端安定化したポリアセタール樹脂(POM−2)を得た。
得られたポリアセタール樹脂(POM−2)のホルムアルデヒド含有量は700ppm、メルトインデックス値は10g/10分であった。
[ポリアセタール樹脂(POM−3)の製造]
ポリアセタール樹脂の末端安定化する際の押出機ベント真空度を200Torrとする以外は、ポリアセタール樹脂(POM−1)の製造方法と実質的に同様の操作を行い、末端安定化したポリアセタール樹脂(POM−3)を得た。
得られたポリアセタール樹脂(POM−3)のホルムアルデヒド含有量は1200ppm、メルトインデックス値は10g/10分であった。
ポリアセタール樹脂の末端安定化する際の押出機ベント真空度を300Torrとする以外は、ポリアセタール樹脂(POM−1)の製造方法と実質的に同様の操作を行い、末端安定化したポリアセタール樹脂(POM−4)を得た。
得られたポリアセタール樹脂(POM−4)のホルムアルデヒド含有量は1700ppm、メルトインデックス値は10g/10分であった。
[ポリアセタール樹脂(POM−5)の製造方法]
ポリアセタール樹脂の末端安定化する際の押出機ベント真空度を400Torrとする以外は、ポリアセタール樹脂(POM−1)の製造方法と実質的に同様の操作を行い、末端安定化したポリアセタール樹脂(POM−5)を得た。
得られたポリアセタール樹脂(POM−5)のホルムアルデヒド含有量は2700ppm、メルトインデックス値は10g/10分であった。
熱媒を通すことのできるジャケット付きの2枚の攪拌羽根を有する5リットル容ニーダーを80℃に調整し、30ppmの水を含んだトリオキサン3kgと、100ppmのフェノール系酸化防止剤(a−2)を添加した1,3−ジオキソランをトリオキサン1mol当り0.04molの量、分子量調節剤としてメチラールを0.7×10-3molを添加、混合した。この混合物に重合触媒として3フッ化ホウ素ジブチルエーテルをトリオキサン1molに対して0.15×10-4mol加えて重合を行った。反応開始後30分経過したところで、ジャケットに30℃の熱媒を通し、1%のトリエチルアミンを含有する水溶液2リットルを添加し、1時間触媒を失活させて反応を停止した。
その後、ニーダーの内容物を取り出し濾過した後、濾塊を100℃で乾燥し、2.7kgのポリアセタール樹脂を得た。この操作を全量が10kgになるまで繰り返した。
得られたポリアセタール樹脂を30mmのベント口を1つ所有する2軸押出機(L/D比:32)に供給した。押出機温度が200℃で、ベント真空度が450Torrの条件で脱揮を行い、ポリアセタール樹脂(POM−6)をペレットの形で得た。得られたポリアセタール樹脂のホルムアルデヒド含有量は3400ppm、メルトインデックス値は10g/10分であった。
[ポリアセタール樹脂(POM−7)の製造方法]
ポリアセタール樹脂をペレタイズする際の押出機ベント真空度を大気解放とした以外は、ポリアセタール樹脂(POM−6)の製造方法と実質的に同様の操作を行い、ポリアセタール樹脂(POM−7)を得た。得られたポリアセタール樹脂(POM−7)のホルムアルデヒド含有量は5400ppm、メルトインデックス値は10g/10分であった。
100mgのポリアセタール樹脂をHFIP(ヘキサフルオロイソプロパノール)5mlに入れ、24℃で24時間で完全溶解させた。この溶液に以下に示したアセチルアセトン溶液を10mlを入れ、攪拌し均一混合した。
※アセチルアセトン溶液
酢酸アンモニウム 75g
酢酸 1.5ml
アセチルアセトン 1ml
純水 500ml
この溶液内にあるポリアセタール樹脂を濾過した後、この濾液を80℃で10分間熱処理した。その後、UVスペクトロホトメーターを用いてポリアセタール樹脂中に含まれているホルムアルデヒド含有量を求めた。
下記成形条件にて成形したポリアセタール樹脂成型品の中央部を、5×5×3mmの大きさに切り出した。
この切削品をダイヤモンドカッターにて切り出し、0.3mm四方の厚さ80nmの超薄フィルムを得た。
この超薄フィルムを電子顕微鏡内に入れ、ポリアセタール樹脂中のアミノ置換トリアジン類化合物の分散粒子を観察した。その結果を表2に示した基準に従って評価した。
分散粒子径の測定方法は、10μm四方内に分散しているすべてのアミノ置換トリアジン類化合物を電子顕微鏡用スケールで1個1個測定し、その平均粒子径を求めた。
(a) 成形条件
成型機:東芝IS−80A
金型温度 70℃
シリンダー温度 200℃
射出/冷却=25/15秒
(b) 超薄フィルム
装置:Reichert−Nissei ULTRACUT N
(c) 電子顕微鏡
装置:日本電子株式会社(製)
JEM−100SX
倍率 ×5000倍
加速電圧 80kv
下記成形条件にて成形したポリアセタール樹脂組成物を150℃に設定したギヤーオーブン内に入れ、40日後に成型品をギヤーオーブンから取り出し、引張強度を測定し強度保持率を求めた。
(a) 成形条件
成型機:東芝IS−80A
金型温度 70℃
シリンダー温度 200℃
射出/冷却=25/15秒
(b) エージング後の物性測定条件
引張試験機:島津製作所(製)
オートグラフ AG−1000B
引張速度 5mm/min
ポリアセタール樹脂組成物の成形条件及び成形収縮率異方性算出式を以下に示した。
(a) 成形条件
成型機 :東芝IS−80A
シリンダー温度:200℃
金型温度 :77℃
成形サイクル :射出/冷却=15秒/25秒
金型寸法 :樹脂の流動方向130mm
樹脂の直角方向110mm
厚み3mm
(b) 成形後の収縮率異方性算出式
上記成形条件で成形した後、23℃で50%湿度(R・H)で2日間放置した時の成型品の樹脂流動方向と直角方向の寸法変化を求めた。
ポリアセタール樹脂組成物の成形条件を以下に示した。
(a) 成形条件
成型機 :東芝IS−80A
シリンダー温度:200℃
金型温度 :77℃
成形サイクル :射出/冷却=15秒/25秒
金型寸法 :樹脂の流動方向 130mm
樹脂の直角方向 110mm
厚み 3mm
上記成形条件で成形したポリアセタール樹脂成形体を23℃で50%湿度(R・H)環境下に置き、1ヶ月間ブリードの発生状況を観察した。表3に示した基準に従って評価した。
(1) ヒンダードフェノール系酸化防止剤
a−1:トリエチレングリコール−ビス−(3−(3’−t−ブチル−5’−メ チル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート)
a−2:テトラキス−(メチレン−3−(3’、5’−ジ−t−ブチル−4’− ヒドロキシフェニル)プロピオネート)メタン
(2) ホルムアルデヒド反応性窒素を含む重合体
b−1:ナイロン6,6
(3) 蟻酸捕捉剤
c−1:ステアリン酸カルシウム
(4) 耐候(光)安定剤
d−1:2−(2−ヒドロキシ−3,5−ビス(α,α−ジメチルベンジル)フェニル)−2H−ベンゾトリアゾール
d−2:ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジン)−セバケート
d−3:1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸と1,2,2,6,6−ペン タメチル−4−ピペリジノールとβ,β,β’,β’−テトラメチル− 3,9−(2,4,8,10−テトラオキサスピロ(5,5)ウンデカ ン)ジエタノールとの縮合物
(5) 離型剤
e−1:グリセリンモノステアレートe−2:ポリエチレングリコール(分子量 6000)
e−3:エチレンビスステアリルアミド
(6) アミノ置換トリアジン類化合物
f−1:メラミン(粒径4.5μm)
f−2:ベンゾグアナミン(粒径4.3μm)
f−3:グアナミン(粒径4.2μm)
(7) アミノ置換トリアジン類化合物とホルムアルデヒドとの反応物
g−1:メチロールメラミン(温水可溶、融点160℃)
ポリアセタール樹脂とアミノ置換トリアジン類化合物の溶融混練物を、下記条件にて連続に造粒した。その結果を表4に示した基準に従って評価した。
※造粒条件
押出機 :30φ2軸押出機(L/D比:32)ベント口あり
シリンダー温度 :200℃
スクリュー回転 :100rpm
ベント真空度 :50Torr
ダイススクリーン:60メッシュ*2枚
上記条件にて造粒し、ダイス部の樹脂圧の上昇及び吐出量の低下を観察し、生産性の評価を行った。
ホルムアルデヒド含有量が1700ppmのポリアセタール樹脂(POM−4)100重量部に、メラミンを0.3重量部を3リットルの小型ヘンシェルミキサーに投入した。これを860rpmの回転数で2分間混合し排出した。得られた混合物を30mmのベント口を1ヶ所有する2軸押出機(L/D比:32)に供給した。この時の押出機温度は200℃、吐出量5kg/hr、スクリュー回転数100rpm(滞留時間35秒)、ベント真空度50Torrで押し出し、ペレタイズした。この条件で8時間連続造粒した。その結果、押出機のダイス部の樹脂圧は上昇せず、安定に押し出しすることができた。得られたペレットを80℃で5時間乾燥させた後、東芝機械(製)IS−80A成型機に投入し、ダンベル試験片と平板成型品を得た。この成型品を23℃で2日間、50%湿度(R・H)雰囲気下に置き、ダンベル試験片からはアミノ置換トリアジン類化合物分散粒子径と耐熱エージング性の評価、平板成型品からは収縮率異方性をそれぞれ評価した。結果を表5に示した。
メラミン添加量を変えた以外は実施例1と同様の操作を行った。結果を表5に示した。
[実施例8〜9]
アミノ置換トリアジン類化合物の種類を変えた以外は実施例1と同様の操作を行った。結果を表6に示した。
ポリアセタール樹脂の種類を変えた以外は実施例1と同様の操作を行った。結果を表6に示した。
[実施例12]
ホルムアルデヒド含有量が1700ppmのポリアセタール樹脂(POM−4)100重量部に、メラミンを0.3重量部、フェノール系酸化防止剤(a−1)を0.3重量部、ナイロン6,6を0.05重量部、グリセリンモノステアレートを0.2重量部をそれぞれ3リットルの小型ヘンシェルミキサーに投入した。これを860rpmの回転数で2分間混合し排出した。得られた混合物を30mmのベント口を1ヶ所有する2軸押出機(L/D比:32)に供給した。
この時の押出機温度は200℃、吐出量5kg/hr、スクリュー回転数100rpm(滞留時間35秒)、ベント真空度50Torrで押し出し、ペレタイズした。このペレットを80℃で5時間乾燥させた後、東芝機械(製)IS−80A成型機に投入し、ダンベル試験片と平板成型品を得た。この成型品を23℃で2日間、50%湿度(R・H)雰囲気下に置き、ダンベル試験片からはアミノ置換トリアジン類化合物分散粒子径と耐熱エージング性の評価、平板成型品からは収縮率異方性をそれぞれ評価した。結果を表7に示した。
ホルムアルデヒド含有量が1700ppmのポリアセタール樹脂(POM−4)100重量部に、メラミンを0.3重量部、2−(2−ヒドロキシ−3,5−ビス(α,α−ジメチルベンジル)フェニル)−2H−ベンゾトリアゾールを0.5重量部、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−セバケートを0.25重量部、エチレンビスステアリルアミドを0.05重量部、ナイロン6,6を0.05重量部をそれぞれ3リットルの小型ヘンシェルミキサーに投入した。これを860rpmの回転数で2分間混合し排出した。得られた混合物を30mmのベント口を1ヶ所有する2軸押出機(L/D比:32)に供給した。この時の押出機温度は200℃、吐出量5kg/hr、スクリュー回転数100rpm(滞留時間35秒)、ベント真空度50Torrで押し出し、ペレタイズした。このペレットを80℃で5時間乾燥させた後、東芝機械(製)IS−80A成型機に投入し、ダンベル試験片と平板成型品を得た。この成型品を23℃で2日間、50%湿度(R・H)雰囲気下に置き、ダンベル試験片からはアミノ置換トリアジン類化合物分散粒子径と耐熱エージング性の評価、平板成型品からは収縮率異方性をそれぞれ評価した。結果を表7に示した。
ホルムアルデヒド含有量が1700ppmのポリアセタール樹脂(POM−4)100重量部に、メラミンを0.3重量部、2−(2−ヒドロキシ−3,5−ビス(α,α−ジメチルベンジル)フェニル)−2H−ベンゾトリアゾールを0.5重量部、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−セバケートを0.25重量部、エチレンビスステアリルアミドを0.05重量部、ナイロン6,6を0.05重量部、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸と1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジノールとβ,β,β’,β’−テトラメチル−3,9−(2,4,8,10−テトラオキサスピロ(5,5)ウンデカン)ジエタノールとの縮合物を0.25重量部、ポリエチレングリコール(分子量6000)を1.0重量部をそれぞれ3リットルの小型ヘンシェルミキサーに投入した。これを860rpmの回転数で2分間混合し排出した。得られた混合物を30mmのベント口を1ヶ所有する2軸押出機(L/D比:32)に供給した。この時の押出機温度は200℃、吐出量5kg/hr、スクリュー回転数100rpm(滞留時間35秒)、ベント真空度50Torrで押し出し、ペレタイズした。このペレットを80℃で5時間乾燥させた後、東芝機械(製)IS−80A成型機に投入し、ダンベル試験片と平板成型品を得た。この成型品を23℃で2日間、50%湿度(R・H)雰囲気下に置き、ダンベル試験片からはアミノ置換トリアジン類化合物分散粒子径と耐熱エージング性の評価、平板成型品からは収縮率異方性をそれぞれ評価した。結果を表7に示した。
ホルムアルデヒド含有量が1700ppmのポリアセタール樹脂(POM−4)100重量部に、メラミンを0.3重量部、フェノール系酸化防止剤(a−1)を0.3重量部、ナイロン6,6を0.05重量部、グリセリンモノステアレートを0.2重量部、ステアリン酸カルシウムを0.05重量部をそれぞれ3リットルの小型ヘンシェルミキサーに投入した。これを860rpmの回転数で2分間混合し排出した。得られた混合物を30mmのベント口を1ヶ所有する2軸押出機(L/D比:32)に供給した。この時の押出機温度は200℃、吐出量5kg/hr、スクリュー回転数100rpm(滞留時間35秒)、ベント真空度50Torrで押し出し、ペレタイズした。このペレットを80℃で5時間乾燥させた後、東芝機械(製)IS−80A成型機に投入し、ダンベル試験片と平板成型品を得た。この成型品を23℃で2日間、50%湿度(R・H)雰囲気下に置き、ダンベル試験片からはアミノ置換トリアジン類化合物分散粒子径と耐熱エージング性の評価、平板成型品からは収縮率異方性をそれぞれ評価した。結果を表7に示した。
ホルムアルデヒド含有量が120ppmのポリアセタール樹脂(POM−1)100重量部に、メチロールメラミン(粒径35μm)を0.3重量部を3リットルの小型ヘンシェルミキサーに投入した。これを860rpmの回転数で2分間混合し排出した。得られた混合物を30mmのベント口を1ヶ所有する2軸押出機(L/D比:32)に供給した。この時の押出機温度は200℃、吐出量5kg/hr、スクリュー回転数100rpm(滞留時間35秒)、ベント真空度50Torrで押し出し、ペレタイズした。その結果、造粒をスタートしてから3時間後に押出機のダイス部の樹脂圧が急激に上昇し、更に造粒をつづけたところ、ダイス部が閉塞し、これ以上造粒することができなかった。結果を表8に示した。
ホルムアルデヒド含有量が120ppmのポリアセタール樹脂(POM−1)100重量部に、メチロールメラミン(粒径35μm)を0.1重量部、メラミンを0.2重量部を3リットルの小型ヘンシェルミキサーに投入した。これを860rpmの回転数で2分間混合し排出した。得られた混合物を比較例7と同様の条件で造粒をしたところ、4時間で押出機のダイス部の樹脂圧が上昇し、更にダイス部が閉塞し造粒することができなくなった。結果を表8に示した。
実施例1で得られたペレットを更に30mmのベント口を1ヶ所有する2軸押出機(L/D比:32)に供給し、造粒した。この時の押出機温度は200℃、吐出量5kg/hr、スクリュー回転数100rpm、ベント真空度50Torrとした。この操作をトータル5回(滞留時間で35秒×5回=175秒)繰り返した。このペレットを80℃で5時間乾燥させた後、東芝機械(製)IS−80A成型機に投入し、ダンベル試験片を得た。この成型品を23℃で2日間、50%湿度(R・H)雰囲気下に置き、アミノ置換トリアジン類化合物の分散粒子径を観察した。結果を表9に示した。
[実施例17]
実施例1で得られたペレットを更に30mmのベント口を1ヶ所有する2軸押出機(L/D比:32)に供給し、造粒した。この時の押出機温度は200℃、吐出量5kg/hr、スクリュー回転数100rpm、ベント真空度50Torrとした。この操作をトータル7回(滞留時間で35秒×7回=245秒)繰り返した。このペレットを80℃で5時間乾燥させた後、東芝機械(製)IS−80A成型機に投入し、ダンベル試験片を得た。この成型品を23℃で2日間、50%湿度(R・H)雰囲気下に置き、アミノ置換トリアジン類化合物の分散粒子径を観察した。結果を表9に示した。
実施例1で得られたペレットを更に30mmのベント口を1ヶ所有する2軸押出機(L/D比:32)に供給し、造粒した。この時の押出機温度は200℃、吐出量5kg/hr、スクリュー回転数100rpm、ベント真空度50Torrとした。この操作をトータル10回(滞留時間で35秒×10回=350秒)繰り返した。このペレットを80℃で5時間乾燥させた後、東芝機械(製)IS−80A成型機に投入し、ダンベル試験片を得た。この成型品を23℃で2日間、50%湿度(R・H)雰囲気下に置き、アミノ置換トリアジン類化合物分散粒子径を観察した。結果を表9に示した。
尚、実施例13、14で得られたポリアセタール樹脂組成物のペレット100重量部に、カーボンブラック(アセチレンブラック)を0.2重量部ブレンドし、スクリュー径30mmの単軸押出機(ベント無し、L/D比:22)で溶融混練した。この時の押し出し温度は200℃、スクリュー回転数100rpm、吐出量3kg/hrであった。得られた着色ペレットを80℃で5時間乾燥させた後、射出成型機で平板(67×13×3mm)を成形した。この時に用いた成型機及び成形条件を以下に示す。
成型機:東芝機械(製)IS−100E−3A
シリンダー温度 200℃
金型温度 70℃
射出/冷却=25/15秒
上記で得られた平板を以下に示した条件で耐候試験し、耐候暴露後の色差(△E)を、以下の装置にて観察した。
(耐候試験)
試験機:スガ試験機(製)
EL−SUN−HC−B・EM型フェードメーターブラックパネル温 度 83℃
暴露時間 400時間
(色差)
試験機:スガ試験機(製)
ハンディーカラーテスター HC−T
平板の光照射面を100倍の顕微鏡で観察し、クラックの有無をみた。その結果、いずれのサンプルも色差(△E)変化がなく、またクラックの発生も観られなかった。
Claims (2)
- ホルムアルデヒド含有量が1000〜3000ppmのポリアセタール樹脂100重量部に、0.01〜3.0重量部のアミノ置換トリアジン類化合物の1種若しくは2種以上を、樹脂温度が170〜240℃の範囲で溶融混練し成形することよりなるポリアセタール樹脂成形体の製造方法であって、溶融混練時間が250秒以下であることを特徴とするポリアセタール樹脂成形体の製造方法。
- アミノ置換トリアジン類化合物が、メラミン、グアナミン、ベンゾグアナミンであることを特徴とする請求項1に記載のポリアセタール樹脂成形体の製造方法。
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