JP4198164B2 - ポリアセタール樹脂成形体及びその製造方法 - Google Patents

ポリアセタール樹脂成形体及びその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、アミノ置換トリアジン類化合物が1μm以下の平均粒子径で分散してなるポリアセタール樹脂成形体及びその製造方法に関するものである。
ポリアセタール樹脂は、機械的性質、耐薬品性、摺動性のバランスに優れ、且つその加工が容易であることから代表的なエンジニアリングプラスチックスとして、電気、電子部品、自動車部品、その他機構部品を中心に広範囲に亘って用いられている。これらの機構部に用いる場合、耐熱エージング性と成形体の表面外観性は重要な特性である。
ポリアセタール樹脂にアミノ置換トリアジン類化合物を添加してなるポリアセタール樹脂組成物は、すでに公知である。例えば、ポリアセタール樹脂の熱安定性を改良する目的で、特許文献1、特許文献2、特許文献3に開示されている。また、アミノ置換トリアジン類化合物のポリアセタール樹脂との相溶性をあげる目的で、末端安定化前の粗ポリアセタール樹脂に上記化合物を添加する方法が、特許文献4にそれぞれ開示されている。
しかしながらこれらの方法では、アミノ置換トリアジン類化合物はポリアセタール樹脂との相溶性が乏しいため、1μm以下の平均粒子径で分散させることはできない。また、この成形体を数日間放置していると成形体表面にブリードし、成形体表面外観不良の問題を引き起こす。一方、特許文献5では、アミノ置換トリアジン類化合物のブリードを防止させる方法が開示されている。しかし、この方法では上記化合物を1μm以下の平均粒子径で分散させたポリアセタール樹脂成形体を得ることができない。この原因は、ポリアセタール樹脂とメラミンの溶融混練時間が長いため、ホルムアルデヒドとメラミンが複雑に反応し、この反応物同士が更に反応し、凝集し分散粒子径が大きくなるためである。
特開昭60−090250号公報 特開平07−173368号公報 特開平07−331028号公報 特開平02−080416号公報 特開平02−080416号公報
本発明者は、上記課題について鋭意検討したところ、アミノ置換トリアジン類化合物を特定の平均粒子径で分散させることで、耐熱エージング性と成形体の表面外観性及び寸法精度に優れたポリアセタール樹脂成形体を得ることができることを見いだした。
本発明は、アミノ置換トリアジン類化合物が1μm以下の平均粒子径で分散されたポリアセタール樹脂成形体及びその製造方法に関するものである。これにより、耐熱エージング性と樹脂成形体の表面外観性(非ブリード性)に優れたポリアセタール樹脂成形体を提供するものである。
本発明のもう一つの目的は、上記ポリアセタール樹脂成形品の製造方法を提供することである。
本発明の更にもう一つの目的は、耐熱エージング性と成形体表面外観(非ブリード性)とに優れたポリアセタール樹脂成形を提供することである。
本発明の他の目的及びその利点は以下の記載により明らかである。
本発明に従えば、アミノ置換トリアジン類化合物が1μm以下の平均粒子径で分散されたポリアセタール樹脂成形体が提供される。
本発明に従えば、またホルムアルデヒド含有量が1000〜3000ppmのポリアセタール樹脂100重量部に、0.01〜3.0重量部のアミノ置換トリアジン類化合物の1種若しくは2種以上を溶融混練して成形することによりポリアセタール樹脂成形体を製造する方法が提供される。
本発明を構成するポリアセタール樹脂とは、ホルムアルデヒド単量体、またはその3量体(トリオキサン)もしくは4量体(テトラオキサン)等の環状オリゴマーを原料として製造された、実質的にオキシメチレン単位からなるオキシメチレンホモポリマー及びエチレンオキシド、プロピレンオキシド、エピクロルヒドリン、1,3−ジオキソラン、1,4−ブタンジオール等から製造された炭素数2〜8のオキシアルキレン単位を0.1〜20重量%含有するオキシメチレンコポリマーである。また、分子鎖の分岐されたオキシメチレンコポリマー及びオキシメチレンの繰り返し単位を50重量%以上含む異種ポリマー単位を50重量%未満含むオキシメチレンブロックコポリマーを包含する。
エチレンオキシド、プロピレンオキシド、エピクロルヒドリン、1,3−ジオキソラン、1,4−ブタンジオール等のコモノマーには、以下に示したフェノール系酸化防止剤を添加しても良い。例えば、n−オクタデシル−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート、n−オクタデシル−3−(3’−メチル−5’−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート、n−テトラデシル−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート、1,6−ヘキサンジオール−ビス−(3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート)、1,4−ブタンジオール−ビス−(3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート)、トリエチレングリコール−ビス−(3−(3’−t−ブチル−5’−メチル−4’−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート)、テトラキス−(メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート)メタン、3,9−ビス(2−(3−(3’−t−ブチル−4’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)プロピオニルオキシ)−1,1−ジメチルエチル)2,4,8,10−テトラオキサスピロ(5,5)ウンデカン、N,N’−ビス−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェノール)プロピオニルヘキサメチレンジアミン、N,N’−テトラメチレンビス−3−(3’−メチル−5’−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェノール)プロピオニルジアミン、N,N’−ビス−(3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェノール)プロピオニル)ヒドラジン、N−サリチロイル−N’−サリチリデンヒドラジン、3−(N−サリチロイル)アミノ−1,2,4−トリアゾール、N,N’−ビス(2−(3−(3,5−ジ−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ)エチル)オキシアミド等が挙げられる。これらの酸化防止剤は1種類で用いても良いし、2種類以上を組み合わせて用いても良い。
ポリアセタール樹脂の製造方法は、例えばトリオキサン、環状エーテルなどの原料モノマー中に含まれる水、メタノール、蟻酸等の活性水素を有する不純物を蒸留及び吸着等によって除去し、共重合し、得られたポリマーを2軸押出機で造粒することにより得ることができる。
原料モノマー中の活性水素化合物を除去する方法としては、例えばトリオキサン、環状エーテルをベンゼンの存在下で蒸留し、ベンゼンと活性水素化合物を共沸させ除去する方法、また吸着による方法としてはトリオキサン、環状エーテルをゼオライト等の吸着剤を充填した塔に通すことにより除去する方法等がある。
重合方法は塊状重合で行われ、バッチ式、連続式の何れの方法によっても可能である。バッチ式重合装置としては、一般に攪拌機付きの反応槽が使用できる。また連続式としては、コニーダー、2軸スクリュー式連続押し出し混練機、2軸パドル型連続混合機等のセルフクリーニング型混合機が使用できる。重合条件は、常圧下で60℃〜200℃、好ましくは60℃〜120℃の範囲で行われる。
重合触媒は、3フッ化ホウ素、3フッ化ホウ素水和物及び酸素原子、または硫黄原子を含む有機化合物と3フッ化ホウ素との配位錯化合物であり、ガス状または適当な有機溶剤の溶液として使用される。特に好ましい重合触媒は、酸素原子または硫黄原子を含む有機化合物と3フッ化ホウ素との配位錯化合物である。具体的には3フッ化ホウ素ジエチルエーテル、3フッ化ホウ素ジブチルエーテルが挙げられる。これらの重合触媒はトリオキサン、環状エーテルの合計量1モルに対して、1×10-6モル〜1×10-3モルである。
得られた末端安定化前の粗ポリアセタール樹脂は、活性な重合触媒を含有しているため、重合触媒の失活を行うことが望ましい。重合触媒の失活方法は、塩基性物質を含む水溶液中または有機溶媒中で失活する。その他の失活方法としては、塩基性物質を粗ポリアセタール樹脂に添加し、押出機を用いて溶融状態で失活する方法も使用できる。失活に使用される塩基性物質としては、アルカリ金属またはアルカリ土類金属の水酸化物、無機弱酸塩、有機酸塩等が挙げられる。好ましくは、Li、Na、K、Mg、Ca、Sr、Baの水酸化物、炭酸塩、リン酸塩、ケイ酸塩、ホウ酸塩、蟻酸塩、酢酸塩、ステアリン酸塩、パルミチン酸塩、プロピオン酸塩、シュウ酸塩等である。また、アンモニア、トリエチルアミン、トリブチルアミン等のアミン化合物も失活剤として使用することができる。
重合触媒失活後のポリマーは、押出機等によってペレット化する。この時に水酸基含有化合物またはこれらの混合物をポリマーに注入し混練し、ポリマーの末端安定化を行っても良いし、または単にポリマーを溶融させた後ペレット化しても良い。上記水酸基含有化合物またはそれらの混合物をポリマーに注入し混練する際に、pH調節剤としてトリエチルアミン等の塩基性物質を添加してもよい。この時の押出機温度は、190〜230℃の範囲で適宜選択すればよく、何等制限されるものではない。これらの方法で得られたポリアセタール樹脂の中でも特に、1000〜3000ppmのホルムアルデヒドを含有するポリアセタール樹脂が好ましい。
ホルムアルデヒド含有量の調整方法は、例えば、トリオキサンとエチレンオキサイド、1,3−ジオキソラン等の環状エーテルを触媒の存在下で共重合させて得られた不安定末端部分を有するポリアセタール樹脂を用いる場合、このポリアセタール樹脂に含まれているホルムアルデヒド量を定量し、その定量値が1000ppm未満の場合、ポリマーの乾燥温度を上げる等の方法により、ポリマー末端から放出されるホルムアルデヒド量を多くし、目的のポリアセタール樹脂を得ることができる。または、このポリマーにパラホルムアルデヒドを添加、溶融混練することで得ることができる。一方、ホルムアルデヒド含有量が3000ppmを越える場合は、このポリマーを押出機等によって溶融状態とし、水酸基含有化合物またはこれらの混合物を注入、混練し、更に注入された上記水酸基含有化合物の蒸気及び遊離のホルムアルデヒドを解放(脱揮)するときのベント真空度を調節することにより、目的とするポリアセタール樹脂を得ることができる。一方、ポリマーの末端安定化したポリアセタール樹脂を用いる場合は、パラホルムアルデヒドをこのポリアセタール樹脂に溶融混練することによって得ることができる。
ポリアセタール樹脂中に含まれるホルムアルデヒド含有量は以下の方法によって定量することができる。例えば、ポリアセタール樹脂をHFIP(ヘキサフルオロイソプロパノール)に入れ、室温で24時間かけて完全に溶解させる。その後、アセチルアセトン溶液を加えて発色し、UVスペクトロホトメーターで定量する。この方法は、ポリアセタール樹脂中に含まれているホルムアルデヒドを定量することができるものであって、ポリアセタール樹脂の不安定末端部分の分解によって発生するホルムアルデヒドは定量されない。
ポリアセタール樹脂とアミノ置換トリアジン類化合物を溶融混練する方法は、一般に押出機を用いるが何等限定するものではなく、十分に溶融混練できるものであればよい。押出機を用いる場合、1軸であっても2軸であっても構わない。この時の温度は170〜240℃の範囲で適宜選択すればよい。溶融混練時間は、250秒以下である。好ましくは200秒以下である。溶融混練時間が250秒よりも長いと、ポリアセタール樹脂に含まれているホルムアルデヒドとアミノ置換トリアジン類化合物との反応が更に進行し、アミノ置換トリアジン類化合物が凝集し、分散粒子径を大きくしてしまう。
アミノ置換トリアジン類化合物とホルムアルデヒドとの反応生成物であるメチロール化物とアミノ置換トリアジン類化合物の混合物、若しくはメチロール化物のみを押出機を用いてポリアセタール樹脂と溶融混練した場合、このメチロール化物が押出機内で反応、凝集し、押出機のダイス部を閉塞させる。これにより、安定にペレタイズすることができない。
ポリアセタール樹脂にアミノ置換トリアジン類化合物を1μm以下の平均粒子径で分散させることで、ポリアセタール樹脂の耐熱エージング性と成形体の表面外観性を向上させることが出来、また同時に成形後の収縮率異方性をも小さくすることができる。
ポリアセタール樹脂組成物の成型方法は通常行われている条件、例えば金型温度は30℃〜90℃、シリンダー温度は170℃〜230℃の範囲で適宜選択すればよく、何等制限するものではない。
ポリアセタール樹脂成形体のアミノ置換トリアジン類化合物の粒子径は電子顕微鏡を用いて計測することができる。アミノ置換トリアジン類化合物を添加、溶融混練したポリアセタール樹脂組成物を射出成形し、得られたポリアセタール樹脂成形体を切削し、この切削品をウルトラミクロトームで80nmの厚さの超薄フィルムを切り出し、これを電子顕微鏡を用いて、アミノ置換トリアジン類化合物の分散粒子径を計測する。
成形体の表面外観性は、ポリアセタール樹脂にアミノ置換トリアジン類化合物を添加、溶融混練したポリアセタール樹脂組成物を射出成形し、得られたポリアセタール樹脂成形体を射出成形し、この成形体を23℃で50%湿度(R・H)の環境下に放置し、ブリードの発生状況を観察する。
耐熱エージング性は、ポリアセタール樹脂にアミノ置換トリアジン類化合物を添加、溶融混練したポリアセタール樹脂組成物を射出成形し、得られたポリアセタール樹脂成形体を150℃に設定したギヤーオーブンに入れ、40日後の物性値を測定し、その保持率にて評価することができる。具体的には、射出成形後ポリアセタール樹脂成形体を23℃で50%湿度(R・H)の環境下に2日間放置し、その後引張り試験機にて引張り強度を測定する。次に、23℃で50%湿度(R・H)の環境下に2日間放置したポリアセタール樹脂成形体を、150℃に調整したギヤーオーブン内に置き、40日後取り出す。取り出したポリアセタール樹脂成形体を23℃で50%湿度(R・H)の環境下に置き、2日後引張り試験機を用いて引張り強度を測定し、強度保持率を求めることで評価する。
本発明樹脂組成物の成形後の収縮率異方性は、ポリアセタール樹脂組成物を射出成形した後、23℃で50%湿度(R・H)の環境下で2日間放置した後の樹脂の流動方向の収縮率と流動方向に対して直角方向の収縮率の比で求められる。
以下に成形後の収縮率異方性を求めた式を示す。
Figure 0004198164
寸法精度に優れたポリアセタール樹脂組成物成型品を得るためには、上記式で求められた成形収縮率異方性が±0.1の範囲にあることが望ましい。
本発明で言うアミノ置換トリアジン類化合物とは、グアナミン(2,4−ジアミノ−sym−トリアジン)、メラミン(2,4,6−トリアミノ−sym−トリアジン)、N−ブチルメラミン、N−フェニルメラミン、N,N−ジフェニルメラミン、N,N−ジアリルメラミン、N,N’,N”−トリフェニルメラミン、メレム、メロン、メラム、ベンゾグアナミン(2,4−ジアミノ−6−フェニル−sym−トリアジン)、アセトグアナミン(2,4−ジアミノ−6−メチル−sym−トリアジン)、2,4−ジアミノ−6−ブチル−sym−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−ベンジルオキシ−sym−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−ブトキシ−sym−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−シクロヘキシル−sym−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−クロロ−sym−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−メルカプト−sym−トリアジン、2,4−ジオキシ−6−アミノ−sym−トリアジン、2−オキシ−4,6−ジアミノ−sym−トリアジン、N,N,N’,N’−テトラシアノエチルベンゾグアナミン、サクシノグアナミン、エチレンジメラミン、トリグアナミン、メラミンシアヌレート、エチレンジメラミンシアヌレート、トリグアナミンシアヌレート、アンメリン、アセトグアナミン等である。
これらのトリアジン誘導体は1種類で用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。中でも好ましいトリアジン誘導体は、メラミン(2,4,6−トリアミノ−sym−トリアジン)、グアナミン(2,4−ジアミノ−sym−トリアジン)、ベンゾグアナミン(2,4−ジアミノ−6−フェニル−sym−トリアジン)である。
本発明で使用できるその他の安定剤としては、通常ポリアセタール樹脂に用いられている添加剤であればよい。例えば、酸化防止剤、ホルムアルデヒド反応性窒素を含む重合体又はその化合物、蟻酸捕捉剤、耐候(光)安定剤、離型剤等がそれに含まれる。これらの添加剤はポリアセタール樹脂100重量部に対して、0.1〜5重量部である。
本発明樹脂組成物に添加する酸化防止剤とは、n−オクタデシル−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート、n−オクタデシル−3−(3’−メチル−5’−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート、n−テトラデシル−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート、1,6−ヘキサンジオール−ビス−(3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート)、1,4−ブタンジオール−ビス−(3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート)、トリエチレングリコール−ビス−(3−(3’−t−ブチル−5’−メチル−4’−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート)、テトラキス−(メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート)メタン、3,9−ビス(2−(3−(3’−t−ブチル−4’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)プロピオニルオキシ)−1,1−ジメチルエチル)2,4,8,10−テトラオキサスピロ(5,5)ウンデカン、N,N’−ビス−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェノール)プロピオニルヘキサメチレンジアミン、N,N’−テトラメチレンビス−3−(3’−メチル−5’−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェノール)プロピオニルジアミン、N,N’−ビス−(3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェノール)プロピオニル)ヒドラジン、N−サリチロイル−N’−サリチリデンヒドラジン、3−(N−サリチロイル)アミノ−1,2,4−トリアゾール、N,N’−ビス(2−(3−(3,5−ジ−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ)エチル)オキシアミド等がある。これらの酸化防止剤は1種類で用いても良いし、2種類以上を組み合わせて用いても良く何等制限するものではない。
ホルムアルデヒド反応性窒素を含む重合体またはその化合物としては、ポリアミド樹脂及びこれらの共重合体、ポリアクリルアミド及びその誘導体、アクリルアミド及びその誘導体と他のビニルモノマーとの共重合体が挙げられる。具体的には、ポリアミド樹脂及びこれらの共重合体としては、ナイロン4,6、ナイロン6、ナイロン6,6、ナイロン6,10、ナイロン6,12、ナイロン12、ナイロン6/6,6/6,10、ナイロン6/6,12等である。アクリルアミド及びその誘導体と他のビニルモノマーとの共重合体としては、金属アルコラート触媒の存在下で重合して得られるポリ−β−アラニン共重合体である。これらのホルムアルデヒド反応性窒素を含む重合体は1種で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよく、何等制限されるものではない。
蟻酸捕捉剤としては、アルカリ金属若しくはアルカリ土類金属の水酸化物、塩化物、無機酸塩、カルボン酸塩の1種以上である。具体的には、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化バリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、ラウリン酸カルシウム、ラウリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸亜鉛、ベヘン酸カルシウム、ベヘン酸マグネシウム等である。これらの蟻酸捕捉剤は1種で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。何等制限されるものではない。
耐候(光)安定剤としては、ベンゾトリアゾール系若しくは蓚酸アニリド系紫外線吸収剤とヒンダードアミン系光安定剤の1種以上である。
ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤としては、例えば2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチル−フェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチル−フェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−イソアミル−フェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ビス−(α,α−ジメチルベンジル)フェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−4’−オクトキシフェニル)ベンゾトリアゾール等が挙げられる。
一方、シュウ酸アニリド系紫外線吸収剤としては、例えば、2−エトキシ−2’−エチルオキザリックアシッドビスアニリド、2−エトキシ−5−t−ブチル−2’−エチルオキザリックアシッドビスアニリド、2−エトキシ−3’−ドデシルオキザリックアシッドビスアニリド等が挙げられる。これらの紫外線吸収剤はそれぞれ単独で用いても良いし、2種以上を組み合わせて用いても良い。
ヒンダードアミン系光安定剤としては、4−アセトキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−ステアロイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−アクリロイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−(フェニルアセトキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン,4−ベンゾイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−メトキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−ステアリルオキシ−2,26,6−テトラメチルピペリジン、4−シクロヘキシルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−ベンジルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−フェノキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−(エチルカルバモイルオキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−(シクロヘキシルカルバモイルオキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−(フェニルカルバモイルオキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジン)−カーボネート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−オキサレート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−マロネート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−セバケート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−アジペート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−テレフタレート、1,2−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルオキシ)−エタン、α,α’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルオキシ)−p−キシレン、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)トリレン−2,4−ジカルバメート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−ヘキサメチレン−1,6−ジカルバメート、トリス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−ベンゼン−1,3,5−トリカルボキシレート、トリス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−ベンゼン−1,3,4−トリカルボキシレート、1−(2−(3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ)エチル)−4−(3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ)2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸と1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジノールとβ,β,β’,β’−テトラメチル−3,9−(2,4,8,10−テトラオキサスピロ(5,5)ウンデカン)ジエタノールとの縮合物等が挙げられる。上記ヒンダードアミン系光安定剤はそれぞれ単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。また紫外線吸収剤と組み合わせて用いてもよい。
離型剤としては、脂肪酸エステル、ポリアルキレングリコール、アミド基を有する脂肪族化合物から選ばれる1種以上である。脂肪酸エステルとしては、多価アルコールと脂肪酸からなる脂肪酸エステル化合物で、好ましくは10以上の炭素原子を含有する少なくとも1種の飽和または不飽和脂肪酸と2〜6個の炭素原子を含有する多価アルコールから誘導されたものである。脂肪酸エステル化合物を調製するのに使用する多価アルコールとしては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール,ジプロピレングリコール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、グリセリン、ジグリセリン、トリグリセリン、トレイトール、エリスリトール、ペンタエリスリトール、アラビトール、リビトール、キシリトール、ソルバイト、ソルビタン、ソルビトール、マンニトールの中から選ばれた1種以上である。
又脂肪酸としては、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、12−ヒドロキシステアリン酸、アラキン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、セロチン酸、モンタン酸、メリシン酸、セロプラスチン酸が挙げられる。不飽和脂肪酸は、ウンデシレン酸、オレイン酸、エライジン酸、セトレイン酸、エルカ酸、ブラシジン酸、ソルビン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸、プロピオール酸、ステアロール酸及びかかる成分を含有してなる天然に存在する脂肪酸またはこれらの混合物等が挙げられる。これらの脂肪酸はヒドロキシ基で置換されていてもよい。上記脂肪酸エステル化合物の内、好ましくはパルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、モンタン酸から選ばれた脂肪酸とグリセリン、ペンタエリスリトール、ソルビタン、ソルビトールから選ばれた多価アルコールとから誘導された脂肪酸エステルである。これらの脂肪酸エステル化合物の水酸基はあっても良いし、なくても良い。何等制限するものではない。例えば、モノエステルであってもジエステル、トリエステルであっても良い。またほう酸等で水酸基が封鎖されていても良い。
好ましい脂肪酸エステル化合物を例示すると、グリセリンモノパルミテート、グリセリンジパルミテート、グリセリントリパルミテート、グリセリンモノステアレート、グリセリンジステアレート、グリセリントリステアレート、グリセリンモノベヘネート、グリセリンジベヘネート、グリセリントリベヘネート、グリセリンモノモンタネート、グリセリンジモンタネート、グリセリントリモンタネート、ペンタエリスリトールモノパルミテート、ペンタエリスリトールジパルミテート、ペンタエリスリトールトリパルミテート、ペンタエリスリトールテトラパルミテート、ペンタエリスリトールモノステアレート、ペンタエリスリトールジステアレート、ペンタエリスリトールトリステアレート、ペンタエリスリトールテトラステアレート、ペンタエリスリトールモノベヘネート、ペンタエリスリトールジベヘネート、ペンタエリスリトールトリベヘネート、ペンタエリスリトールテトラベヘネート、ペンタエリスリトールモノモンタネート、ペンタエリスリトールジモンタネート、ペンタエリスリトールトリモンタネート、ペンタエリスリトールテトラモンタネート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンジパルミテートソルビタントリパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンジステアレート、ソルビタントリステアレート、ソルビタンモノベヘネート、ソルビタンジベヘネート、ソルビタントリベヘネートソルビタンモノモンタネート、ソルビタンジモンタネート、ソルビタントリモンタネート、ソルビトールモノパルミテート、ソルビトールジパルミテート、ソルビトールトリパルミテート、ソルビトールモノステアレート、ソルビトールジステアレート、ソルビトールトリステアレート、ソルビトールモノベヘネート、ソルビトールジベヘネート、ソルビトールトリベヘネート、ソルビトールモノモンタネート、ソルビトールジモンタネート、ソルビトールトリモンタネートである。また、ほう酸等で水酸基を封鎖した脂肪族エステル化合物としてグリセリンモノ脂肪酸エステルのほう酸エステル(特開昭49−60762号)がある。これらの脂肪酸エステル化合物はそれぞれ単独で用いても良いし、2種以上の混合物であっても良い。
ポリアルキレングリコールとしては、下記一般式
Figure 0004198164
(式中、R1、R2は水素、炭素数1〜6のアルキル基、置換C1−C6アルキル基、アリル基、置換アリル基及びエーテル基より選ばれ、R1、R2はそれぞれ同一であっても、異なっていてもよい。x=2〜6、y=50〜20000)
で表されるポリアルキレングリコールである。具体的には、例えばエチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、エピクロルヒドリン、スチレンオキシド、オキセタン、3,3−ビス(クロロメチル)オキセタン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、オキセパン等である。これらのアルキレンオキシドの重付加モル数は、50〜20000の範囲である。これらのポリアルキレングリコールは、それぞれ単独で用いてもよいし、2種以上を併用して用いてもよい。何等制限するものではない。
アミド基を有する脂肪族化合物としては、下記一般式
Figure 0004198164
(式中、R3、R4は炭素数1〜30のアルキル基、R5は炭素数2〜10のアルキレン基を表す)
で表される脂肪族化合物である。具体的には、例えばエチレンビスステアリルアミド、エチレンビスラウリルアミド、エチレンビスオレイルアミド、エチレンビスエルカ酸アミド等である。これらのアミド基を有する脂肪族化合物は、それぞれ単独で用いてもよいし、2種以上を併用して用いてもよい。
上記添加剤の添加量は熱可塑性樹脂がポリアセタール樹脂の場合、ポリアセタール樹脂100重量部に対して0.1〜5.0重量部である。
また、繊維状、粒状の充填材及び顔料も添加できる。例えば充填材としては繊維状、粒状の無機物、有機物、具体的にはガラス繊維、セラミック繊維、炭素繊維、ステンレス繊維、ボロン繊維、ケプラー繊維、炭化ケイ素繊維などの繊維状の充填剤であり、ウオラストナイト、マイカ、アスベスト、タルク、アルミナ、酸化チタン、酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ガラスビーズ、窒化ホウ素、炭化ケイ素などの粒状充填材である。また、顔料としてはカーボンブラック、アセチレンブラック等の顔料である。これらの充填材、顔料は1種以上用いてもよいし、また2種以上を組み合わせて用いてもよく、何等制限されるものではない。
これらの添加剤、充填材、顔料の添加形態としては、本願の熱可塑性樹脂用添加剤と熱可塑性樹脂を溶融混練したあとに添加するか、もしくは同時に溶融混練するか、いずれの方法でもよい。溶融混練する方法としては一般には押出機を用いる。この時の押出機温度は、130〜330℃の範囲で、熱可塑性樹脂が押し出し加工可能な温度で適宜選択すればよい。押出機のスクリュータイプは1軸でも、また2軸であっても構わない。
以下に実施例をもって更に具体的に説明する。
本願で用いたポリアセタール樹脂及びポリアセタール樹脂中に含まれているホルムアルデヒド含有量、アミノ置換トリアジン類化合物の分散粒子径、耐熱エージング性、成形後の収縮率異方性を以下に示した方法に従って評価した。
A.ポリアセタール樹脂
[ポリアセタール樹脂(POM−1)の製造]
熱媒を通すことのできるジャケット付きの2枚の攪拌羽根を有する5リットル容ニーダーを80℃に調整し、15ppmの水を含んだトリオキサン3kgと、100ppmのフェノール系酸化防止剤(a−2)を添加した1,3−ジオキソランをトリオキサン1mol当たり0.04molの量、分子量調節剤としてメチラールを0.7×10-3molを添加、混合した。この混合物に重合触媒として3フッ化ホウ素ジブチルエーテルをトリオキサン1molに対して0.15×10-4mol加えて重合を行った。反応開始後30分経過したところで、ジャケットに30℃の熱媒を通し、1%のトリエチルアミンを含有する水溶液2リットルを添加し、1時間触媒を失活させて反応を停止した。その後、ニーダーの内容物を取り出し濾過した後、濾塊を100℃で乾燥し、2.7kgのポリアセタール樹脂を得た。この操作を全量が10kgになるまで繰り返した。
得られたポリアセタール樹脂を30mmのベント口を1つ所有する2軸押出機(L/D比:32)に供給した。押出機温度が200℃、押出機反応帯域に注入する水及び塩基性物質として使用したトリエチルアミンの添加量が、樹脂に対してそれぞれ0.2重量%及び0.1重量%、ベント真空度が50Torrの条件でポリアセタール樹脂の末端安定化及び脱揮を行い、末端安定化したポリアセタール樹脂(POM−1)をペレットの形で得た。得られたポリアセタール樹脂のホルムアルデヒド含有量は120ppm、メルトインデックス値は10g/10分であった。
[ポリアセタール樹脂(POM−2)の製造]
ポリアセタール樹脂を末端安定化する際の押出機ベント真空度を100Torrとする以外は、ポリアセタール樹脂(POM−1)の製造方法と実質的に同様の操作を行い、末端安定化したポリアセタール樹脂(POM−2)を得た。
得られたポリアセタール樹脂(POM−2)のホルムアルデヒド含有量は700ppm、メルトインデックス値は10g/10分であった。
[ポリアセタール樹脂(POM−3)の製造]
ポリアセタール樹脂の末端安定化する際の押出機ベント真空度を200Torrとする以外は、ポリアセタール樹脂(POM−1)の製造方法と実質的に同様の操作を行い、末端安定化したポリアセタール樹脂(POM−3)を得た。
得られたポリアセタール樹脂(POM−3)のホルムアルデヒド含有量は1200ppm、メルトインデックス値は10g/10分であった。
[ポリアセタール樹脂(POM−4)の製造]
ポリアセタール樹脂の末端安定化する際の押出機ベント真空度を300Torrとする以外は、ポリアセタール樹脂(POM−1)の製造方法と実質的に同様の操作を行い、末端安定化したポリアセタール樹脂(POM−4)を得た。
得られたポリアセタール樹脂(POM−4)のホルムアルデヒド含有量は1700ppm、メルトインデックス値は10g/10分であった。
[ポリアセタール樹脂(POM−5)の製造方法]
ポリアセタール樹脂の末端安定化する際の押出機ベント真空度を400Torrとする以外は、ポリアセタール樹脂(POM−1)の製造方法と実質的に同様の操作を行い、末端安定化したポリアセタール樹脂(POM−5)を得た。
得られたポリアセタール樹脂(POM−5)のホルムアルデヒド含有量は2700ppm、メルトインデックス値は10g/10分であった。
[ポリアセタール樹脂(POM−6)の製造方法]
熱媒を通すことのできるジャケット付きの2枚の攪拌羽根を有する5リットル容ニーダーを80℃に調整し、30ppmの水を含んだトリオキサン3kgと、100ppmのフェノール系酸化防止剤(a−2)を添加した1,3−ジオキソランをトリオキサン1mol当り0.04molの量、分子量調節剤としてメチラールを0.7×10-3molを添加、混合した。この混合物に重合触媒として3フッ化ホウ素ジブチルエーテルをトリオキサン1molに対して0.15×10-4mol加えて重合を行った。反応開始後30分経過したところで、ジャケットに30℃の熱媒を通し、1%のトリエチルアミンを含有する水溶液2リットルを添加し、1時間触媒を失活させて反応を停止した。
その後、ニーダーの内容物を取り出し濾過した後、濾塊を100℃で乾燥し、2.7kgのポリアセタール樹脂を得た。この操作を全量が10kgになるまで繰り返した。
得られたポリアセタール樹脂を30mmのベント口を1つ所有する2軸押出機(L/D比:32)に供給した。押出機温度が200℃で、ベント真空度が450Torrの条件で脱揮を行い、ポリアセタール樹脂(POM−6)をペレットの形で得た。得られたポリアセタール樹脂のホルムアルデヒド含有量は3400ppm、メルトインデックス値は10g/10分であった。
[ポリアセタール樹脂(POM−7)の製造方法]
ポリアセタール樹脂をペレタイズする際の押出機ベント真空度を大気解放とした以外は、ポリアセタール樹脂(POM−6)の製造方法と実質的に同様の操作を行い、ポリアセタール樹脂(POM−7)を得た。得られたポリアセタール樹脂(POM−7)のホルムアルデヒド含有量は5400ppm、メルトインデックス値は10g/10分であった。
Figure 0004198164
B.ホルムアルデヒド含有量
100mgのポリアセタール樹脂をHFIP(ヘキサフルオロイソプロパノール)5mlに入れ、24℃で24時間で完全溶解させた。この溶液に以下に示したアセチルアセトン溶液を10mlを入れ、攪拌し均一混合した。
※アセチルアセトン溶液
酢酸アンモニウム 75g
酢酸 1.5ml
アセチルアセトン 1ml
純水 500ml
この溶液内にあるポリアセタール樹脂を濾過した後、この濾液を80℃で10分間熱処理した。その後、UVスペクトロホトメーターを用いてポリアセタール樹脂中に含まれているホルムアルデヒド含有量を求めた。
C.ポリアセタール樹脂成形体中のアミノ置換トリアジン類化合物の分散粒子径
下記成形条件にて成形したポリアセタール樹脂成型品の中央部を、5×5×3mmの大きさに切り出した。
この切削品をダイヤモンドカッターにて切り出し、0.3mm四方の厚さ80nmの超薄フィルムを得た。
この超薄フィルムを電子顕微鏡内に入れ、ポリアセタール樹脂中のアミノ置換トリアジン類化合物の分散粒子を観察した。その結果を表2に示した基準に従って評価した。
分散粒子径の測定方法は、10μm四方内に分散しているすべてのアミノ置換トリアジン類化合物を電子顕微鏡用スケールで1個1個測定し、その平均粒子径を求めた。
(a) 成形条件
成型機:東芝IS−80A
金型温度 70℃
シリンダー温度 200℃
射出/冷却=25/15秒
(b) 超薄フィルム
装置:Reichert−Nissei ULTRACUT N
(c) 電子顕微鏡
装置:日本電子株式会社(製)
JEM−100SX
倍率 ×5000倍
加速電圧 80kv
Figure 0004198164
D.耐熱エージング性
下記成形条件にて成形したポリアセタール樹脂組成物を150℃に設定したギヤーオーブン内に入れ、40日後に成型品をギヤーオーブンから取り出し、引張強度を測定し強度保持率を求めた。
(a) 成形条件
成型機:東芝IS−80A
金型温度 70℃
シリンダー温度 200℃
射出/冷却=25/15秒
(b) エージング後の物性測定条件
引張試験機:島津製作所(製)
オートグラフ AG−1000B
引張速度 5mm/min
E.成形収縮率異方性
ポリアセタール樹脂組成物の成形条件及び成形収縮率異方性算出式を以下に示した。
(a) 成形条件
成型機 :東芝IS−80A
シリンダー温度:200℃
金型温度 :77℃
成形サイクル :射出/冷却=15秒/25秒
金型寸法 :樹脂の流動方向130mm
樹脂の直角方向110mm
厚み3mm
(b) 成形後の収縮率異方性算出式
上記成形条件で成形した後、23℃で50%湿度(R・H)で2日間放置した時の成型品の樹脂流動方向と直角方向の寸法変化を求めた。
以下に示した収縮率異方性算出式で求めた。
Figure 0004198164
F.ポリアセタール成形体の表面外観性(ブリードの有無)
ポリアセタール樹脂組成物の成形条件を以下に示した。
(a) 成形条件
成型機 :東芝IS−80A
シリンダー温度:200℃
金型温度 :77℃
成形サイクル :射出/冷却=15秒/25秒
金型寸法 :樹脂の流動方向 130mm
樹脂の直角方向 110mm
厚み 3mm
上記成形条件で成形したポリアセタール樹脂成形体を23℃で50%湿度(R・H)環境下に置き、1ヶ月間ブリードの発生状況を観察した。表3に示した基準に従って評価した。
Figure 0004198164
G.使用した添加剤
(1) ヒンダードフェノール系酸化防止剤
a−1:トリエチレングリコール−ビス−(3−(3’−t−ブチル−5’−メ チル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート)
a−2:テトラキス−(メチレン−3−(3’、5’−ジ−t−ブチル−4’− ヒドロキシフェニル)プロピオネート)メタン
(2) ホルムアルデヒド反応性窒素を含む重合体
b−1:ナイロン6,6
(3) 蟻酸捕捉剤
c−1:ステアリン酸カルシウム
(4) 耐候(光)安定剤
d−1:2−(2−ヒドロキシ−3,5−ビス(α,α−ジメチルベンジル)フェニル)−2H−ベンゾトリアゾール
d−2:ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジン)−セバケート
d−3:1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸と1,2,2,6,6−ペン タメチル−4−ピペリジノールとβ,β,β’,β’−テトラメチル− 3,9−(2,4,8,10−テトラオキサスピロ(5,5)ウンデカ ン)ジエタノールとの縮合物
(5) 離型剤
e−1:グリセリンモノステアレートe−2:ポリエチレングリコール(分子量 6000)
e−3:エチレンビスステアリルアミド
(6) アミノ置換トリアジン類化合物
f−1:メラミン(粒径4.5μm)
f−2:ベンゾグアナミン(粒径4.3μm)
f−3:グアナミン(粒径4.2μm)
(7) アミノ置換トリアジン類化合物とホルムアルデヒドとの反応物
g−1:メチロールメラミン(温水可溶、融点160℃)
H.生産性
ポリアセタール樹脂とアミノ置換トリアジン類化合物の溶融混練物を、下記条件にて連続に造粒した。その結果を表4に示した基準に従って評価した。
※造粒条件
押出機 :30φ2軸押出機(L/D比:32)ベント口あり
シリンダー温度 :200℃
スクリュー回転 :100rpm
ベント真空度 :50Torr
ダイススクリーン:60メッシュ*2枚
上記条件にて造粒し、ダイス部の樹脂圧の上昇及び吐出量の低下を観察し、生産性の評価を行った。
Figure 0004198164
[実施例1]
ホルムアルデヒド含有量が1700ppmのポリアセタール樹脂(POM−4)100重量部に、メラミンを0.3重量部を3リットルの小型ヘンシェルミキサーに投入した。これを860rpmの回転数で2分間混合し排出した。得られた混合物を30mmのベント口を1ヶ所有する2軸押出機(L/D比:32)に供給した。この時の押出機温度は200℃、吐出量5kg/hr、スクリュー回転数100rpm(滞留時間35秒)、ベント真空度50Torrで押し出し、ペレタイズした。この条件で8時間連続造粒した。その結果、押出機のダイス部の樹脂圧は上昇せず、安定に押し出しすることができた。得られたペレットを80℃で5時間乾燥させた後、東芝機械(製)IS−80A成型機に投入し、ダンベル試験片と平板成型品を得た。この成型品を23℃で2日間、50%湿度(R・H)雰囲気下に置き、ダンベル試験片からはアミノ置換トリアジン類化合物分散粒子径と耐熱エージング性の評価、平板成型品からは収縮率異方性をそれぞれ評価した。結果を表5に示した。
Figure 0004198164
[実施例2〜7、比較例1〜2]
メラミン添加量を変えた以外は実施例1と同様の操作を行った。結果を表5に示した。
[実施例8〜9]
アミノ置換トリアジン類化合物の種類を変えた以外は実施例1と同様の操作を行った。結果を表6に示した。
Figure 0004198164
[実施例10〜11、比較例3〜6]
ポリアセタール樹脂の種類を変えた以外は実施例1と同様の操作を行った。結果を表6に示した。
[実施例12]
ホルムアルデヒド含有量が1700ppmのポリアセタール樹脂(POM−4)100重量部に、メラミンを0.3重量部、フェノール系酸化防止剤(a−1)を0.3重量部、ナイロン6,6を0.05重量部、グリセリンモノステアレートを0.2重量部をそれぞれ3リットルの小型ヘンシェルミキサーに投入した。これを860rpmの回転数で2分間混合し排出した。得られた混合物を30mmのベント口を1ヶ所有する2軸押出機(L/D比:32)に供給した。
この時の押出機温度は200℃、吐出量5kg/hr、スクリュー回転数100rpm(滞留時間35秒)、ベント真空度50Torrで押し出し、ペレタイズした。このペレットを80℃で5時間乾燥させた後、東芝機械(製)IS−80A成型機に投入し、ダンベル試験片と平板成型品を得た。この成型品を23℃で2日間、50%湿度(R・H)雰囲気下に置き、ダンベル試験片からはアミノ置換トリアジン類化合物分散粒子径と耐熱エージング性の評価、平板成型品からは収縮率異方性をそれぞれ評価した。結果を表7に示した。
[実施例13]
ホルムアルデヒド含有量が1700ppmのポリアセタール樹脂(POM−4)100重量部に、メラミンを0.3重量部、2−(2−ヒドロキシ−3,5−ビス(α,α−ジメチルベンジル)フェニル)−2H−ベンゾトリアゾールを0.5重量部、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−セバケートを0.25重量部、エチレンビスステアリルアミドを0.05重量部、ナイロン6,6を0.05重量部をそれぞれ3リットルの小型ヘンシェルミキサーに投入した。これを860rpmの回転数で2分間混合し排出した。得られた混合物を30mmのベント口を1ヶ所有する2軸押出機(L/D比:32)に供給した。この時の押出機温度は200℃、吐出量5kg/hr、スクリュー回転数100rpm(滞留時間35秒)、ベント真空度50Torrで押し出し、ペレタイズした。このペレットを80℃で5時間乾燥させた後、東芝機械(製)IS−80A成型機に投入し、ダンベル試験片と平板成型品を得た。この成型品を23℃で2日間、50%湿度(R・H)雰囲気下に置き、ダンベル試験片からはアミノ置換トリアジン類化合物分散粒子径と耐熱エージング性の評価、平板成型品からは収縮率異方性をそれぞれ評価した。結果を表7に示した。
[実施例14]
ホルムアルデヒド含有量が1700ppmのポリアセタール樹脂(POM−4)100重量部に、メラミンを0.3重量部、2−(2−ヒドロキシ−3,5−ビス(α,α−ジメチルベンジル)フェニル)−2H−ベンゾトリアゾールを0.5重量部、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−セバケートを0.25重量部、エチレンビスステアリルアミドを0.05重量部、ナイロン6,6を0.05重量部、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸と1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジノールとβ,β,β’,β’−テトラメチル−3,9−(2,4,8,10−テトラオキサスピロ(5,5)ウンデカン)ジエタノールとの縮合物を0.25重量部、ポリエチレングリコール(分子量6000)を1.0重量部をそれぞれ3リットルの小型ヘンシェルミキサーに投入した。これを860rpmの回転数で2分間混合し排出した。得られた混合物を30mmのベント口を1ヶ所有する2軸押出機(L/D比:32)に供給した。この時の押出機温度は200℃、吐出量5kg/hr、スクリュー回転数100rpm(滞留時間35秒)、ベント真空度50Torrで押し出し、ペレタイズした。このペレットを80℃で5時間乾燥させた後、東芝機械(製)IS−80A成型機に投入し、ダンベル試験片と平板成型品を得た。この成型品を23℃で2日間、50%湿度(R・H)雰囲気下に置き、ダンベル試験片からはアミノ置換トリアジン類化合物分散粒子径と耐熱エージング性の評価、平板成型品からは収縮率異方性をそれぞれ評価した。結果を表7に示した。
[実施例15]
ホルムアルデヒド含有量が1700ppmのポリアセタール樹脂(POM−4)100重量部に、メラミンを0.3重量部、フェノール系酸化防止剤(a−1)を0.3重量部、ナイロン6,6を0.05重量部、グリセリンモノステアレートを0.2重量部、ステアリン酸カルシウムを0.05重量部をそれぞれ3リットルの小型ヘンシェルミキサーに投入した。これを860rpmの回転数で2分間混合し排出した。得られた混合物を30mmのベント口を1ヶ所有する2軸押出機(L/D比:32)に供給した。この時の押出機温度は200℃、吐出量5kg/hr、スクリュー回転数100rpm(滞留時間35秒)、ベント真空度50Torrで押し出し、ペレタイズした。このペレットを80℃で5時間乾燥させた後、東芝機械(製)IS−80A成型機に投入し、ダンベル試験片と平板成型品を得た。この成型品を23℃で2日間、50%湿度(R・H)雰囲気下に置き、ダンベル試験片からはアミノ置換トリアジン類化合物分散粒子径と耐熱エージング性の評価、平板成型品からは収縮率異方性をそれぞれ評価した。結果を表7に示した。
Figure 0004198164
[比較例7]
ホルムアルデヒド含有量が120ppmのポリアセタール樹脂(POM−1)100重量部に、メチロールメラミン(粒径35μm)を0.3重量部を3リットルの小型ヘンシェルミキサーに投入した。これを860rpmの回転数で2分間混合し排出した。得られた混合物を30mmのベント口を1ヶ所有する2軸押出機(L/D比:32)に供給した。この時の押出機温度は200℃、吐出量5kg/hr、スクリュー回転数100rpm(滞留時間35秒)、ベント真空度50Torrで押し出し、ペレタイズした。その結果、造粒をスタートしてから3時間後に押出機のダイス部の樹脂圧が急激に上昇し、更に造粒をつづけたところ、ダイス部が閉塞し、これ以上造粒することができなかった。結果を表8に示した。
[比較例8]
ホルムアルデヒド含有量が120ppmのポリアセタール樹脂(POM−1)100重量部に、メチロールメラミン(粒径35μm)を0.1重量部、メラミンを0.2重量部を3リットルの小型ヘンシェルミキサーに投入した。これを860rpmの回転数で2分間混合し排出した。得られた混合物を比較例7と同様の条件で造粒をしたところ、4時間で押出機のダイス部の樹脂圧が上昇し、更にダイス部が閉塞し造粒することができなくなった。結果を表8に示した。
Figure 0004198164
[実施例16]
実施例1で得られたペレットを更に30mmのベント口を1ヶ所有する2軸押出機(L/D比:32)に供給し、造粒した。この時の押出機温度は200℃、吐出量5kg/hr、スクリュー回転数100rpm、ベント真空度50Torrとした。この操作をトータル5回(滞留時間で35秒×5回=175秒)繰り返した。このペレットを80℃で5時間乾燥させた後、東芝機械(製)IS−80A成型機に投入し、ダンベル試験片を得た。この成型品を23℃で2日間、50%湿度(R・H)雰囲気下に置き、アミノ置換トリアジン類化合物の分散粒子径を観察した。結果を表9に示した。
[実施例17]
実施例1で得られたペレットを更に30mmのベント口を1ヶ所有する2軸押出機(L/D比:32)に供給し、造粒した。この時の押出機温度は200℃、吐出量5kg/hr、スクリュー回転数100rpm、ベント真空度50Torrとした。この操作をトータル7回(滞留時間で35秒×7回=245秒)繰り返した。このペレットを80℃で5時間乾燥させた後、東芝機械(製)IS−80A成型機に投入し、ダンベル試験片を得た。この成型品を23℃で2日間、50%湿度(R・H)雰囲気下に置き、アミノ置換トリアジン類化合物の分散粒子径を観察した。結果を表9に示した。
[比較例9]
実施例1で得られたペレットを更に30mmのベント口を1ヶ所有する2軸押出機(L/D比:32)に供給し、造粒した。この時の押出機温度は200℃、吐出量5kg/hr、スクリュー回転数100rpm、ベント真空度50Torrとした。この操作をトータル10回(滞留時間で35秒×10回=350秒)繰り返した。このペレットを80℃で5時間乾燥させた後、東芝機械(製)IS−80A成型機に投入し、ダンベル試験片を得た。この成型品を23℃で2日間、50%湿度(R・H)雰囲気下に置き、アミノ置換トリアジン類化合物分散粒子径を観察した。結果を表9に示した。
Figure 0004198164
表5〜9で明らかなように、ポリアセタール樹脂にアミノ置換トリアジン類化合物が1μm以下の大きさで分散させることで、ポリアセタール樹脂成形体の耐熱エージング性を大幅に向上させることができた。また、同時に成形後の収縮率異方性をも小さくすることができた。
〈耐候性の評価〉
尚、実施例13、14で得られたポリアセタール樹脂組成物のペレット100重量部に、カーボンブラック(アセチレンブラック)を0.2重量部ブレンドし、スクリュー径30mmの単軸押出機(ベント無し、L/D比:22)で溶融混練した。この時の押し出し温度は200℃、スクリュー回転数100rpm、吐出量3kg/hrであった。得られた着色ペレットを80℃で5時間乾燥させた後、射出成型機で平板(67×13×3mm)を成形した。この時に用いた成型機及び成形条件を以下に示す。
成型機:東芝機械(製)IS−100E−3A
シリンダー温度 200℃
金型温度 70℃
射出/冷却=25/15秒
上記で得られた平板を以下に示した条件で耐候試験し、耐候暴露後の色差(△E)を、以下の装置にて観察した。
(耐候試験)
試験機:スガ試験機(製)
EL−SUN−HC−B・EM型フェードメーターブラックパネル温 度 83℃
暴露時間 400時間
(色差)
試験機:スガ試験機(製)
ハンディーカラーテスター HC−T
平板の光照射面を100倍の顕微鏡で観察し、クラックの有無をみた。その結果、いずれのサンプルも色差(△E)変化がなく、またクラックの発生も観られなかった。
産業上の利用性
本発明は、ポリアセタール樹脂成形体の製造に有用に用いられ、耐熱エージング性と成形体の表面外観性及び寸法精度に優れたポリアセタール樹脂成形体が得られる。

Claims (2)

  1. ホルムアルデヒド含有量が1000〜3000ppmのポリアセタール樹脂100重量部に、0.01〜3.0重量部のアミノ置換トリアジン類化合物の1種若しくは2種以上を、樹脂温度が170〜240℃の範囲で溶融混練し成形することよりなるポリアセタール樹脂成形体の製造方法であって、溶融混練時間が250秒以下であることを特徴とするポリアセタール樹脂成形体の製造方法。
  2. アミノ置換トリアジン類化合物が、メラミン、グアナミン、ベンゾグアナミンであることを特徴とする請求項1に記載のポリアセタール樹脂成形体の製造方法。
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