JP6770815B2 - ポリアセタール樹脂組成物 - Google Patents
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Description
〔1〕
ポリアセタール樹脂(A)と、
ステアリン酸のアルカリ金属塩及び/又はアルカリ土類金属塩である化合物(B1)と、
パルミチン酸のアルカリ金属塩及び/又はアルカリ土類金属塩である化合物(B2)と、を有し、
前記化合物(B1)/前記化合物(B2)が、300/1〜120/1であり、
前記化合物(B1)及び前記化合物(B2)の総含有量が、前記ポリアセタール樹脂(A)100質量部に対して、0.001〜5質量部である、
ポリアセタール樹脂組成物。
〔2〕
アミノ置換トリアジン類化合物及び/又はグアナミン類化合物(D)をさらに含む、〔1〕に記載のポリアセタール樹脂組成物。
本実施形態のポリアセタール樹脂組成物は、ポリアセタール樹脂(A)と、ステアリン酸のアルカリ金属塩及び/又はアルカリ土類金属塩である化合物(B1)と、パルミチン酸のアルカリ金属塩及び/又はアルカリ土類金属塩である化合物(B2)と、を有し、前記化合物(B1)/前記化合物(B2)が、300/1〜120/1である。
本実施形態に用いるポリアセタール樹脂(A)としては、オキシメチレン基を有するポリマーであれば特に限定されないが、例えば、オキシメチレン基を主鎖に有し、重合体連鎖の両末端がエステル基により封鎖されたポリオキシメチレンホモポリマー;オキシメチレン基以外の他の構成単位を含有する、ポリオキシメチレンコポリマー、ポリオキシメチレンブロックポリマー、及びポリオキシメチレンターポリマーが挙げられる。また、ポリアセタール樹脂(A)は、直鎖構造のみならず分岐構造や架橋構造を有してもよい。尚、これらポリアセタール樹脂は不安定末端基を安定化されている事がより好ましい。
本実施形態の化合物(B1)は、ステアリン酸のアルカリ金属塩及び/又はアルカリ土類金属塩であり、化合物(B2)は、パルミチン酸のアルカリ金属塩及び/又はアルカリ土類金属塩である。化合物(B1)及び化合物(B2)を併用することにより、成形品から発生するホルムアルデヒド量がより低減し、且つ長期連続成形性がより向上する。
本実施形態のポリアセタール樹脂組成物は、アミノ置換トリアジン類化合物及び/又はグアナミン類化合物(D)をさらに含むことが好ましい。化合物(D)単独でもホルムアルデヒド捕捉能力を有するが、化合物(B1)及び化合物(B2)と併用することにより、ホルムアルデヒド捕捉能力が更に向上する傾向にあるが、その他のアルカリ金属塩等と併用した場合には、ホルムアルデヒド発生量の抑制効果は発揮されず、むしろ発生量を増加させる傾向にある。すなわち、ポリアセタール樹脂(A)、化合物(B1)、化合物(B2)、及び化合物(D)を併用することにより、ホルムアルデヒド発生量がより低減し、かつ、長期特性及び成形性がより向上する傾向にある。化合物(D)は、1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
本実施形態のポリアセタール樹脂組成物は、必要に応じて、安定剤(C)をさらに含んでもよい。安定剤(C)としては、特に限定されないが、例えば、立体障害性フェノール系酸化防止剤、耐候安定剤、離型剤、潤滑剤、導電剤、熱可塑性樹脂、熱可塑性エラストマー、染顔料、顔料、熱可塑性樹脂以外のその他の樹脂、あるいは無機充填剤又は有機充填剤等が挙げられる。
中空状充填剤としては、以下に限定されるものではないが、例えば、ガラスバルーン、シリカバルーン、シラスバルーン、金属バルーン等が挙げられる。
本実施形態のポリアセタール樹脂組成物は、公知の方法により各成分を混合して得ることができる。例えば、ポリアセタール樹脂(A)、化合物(B1)、化合物(B2)、化合物(D)、及び安定剤(C)を、一軸又は二軸の押出し機を用いて溶融混練し、ペレット状に調整することができる。
本実施形態のポリアセタール樹脂組成物より成形体を製造する方法としては、特に限定されないが、例えば、上記のようにして得られるペレットなどを、一般に用いられる加工方法、例えば、射出成形や押出し成形することにより製造することができる。
東芝機械(株)製IS−100GN射出成形機を用いて、シリンダー温度230℃で、実施例及び比較例で得られたポリアセタール樹脂組成物を射出成形機シリンダー内に30分滞留させた。30分後に射出成形機シリンダー内のポリアセタール樹脂を射出圧力60MPa、射出時間25秒、冷却時間15秒、金型温度80℃にて成形し、試験片(サイズ:100*40*3mm、ゲートサイズ:3*3mmのサイドゲート)を作製した。
下記成形条件に従って、実施例及び比較例で得られたポリアセタール樹脂組成物から成形体を作製し、長期連続成形後の成形品表面の異物点数を観察した。観察は9901ショット〜10000ショットの各成形体表面において、目視で観察できる異物をカウントし、101成形体の平均値を異物点数とした。
〈成形条件〉
・射出成形機 : 東芝機械(株)IS−100GN
・シリンダー設定温度 : 230℃
・金型設定温度 : 80℃
・成形サイクル : 射出/冷却=10/5秒
・金型サイズ : 100×40mm×3mm平板
(流動末端先端部にガス抜き部設置)
・成形ショット数 : 10,000ショット
(A−1)ポリアセタール樹脂
ジャケット付き2軸パドル型連続重合反応機((株)栗本鐵工所製、径2B、L/D=14.8)を80℃に調整し、下記条件にてポリアセタール樹脂コポリマーを重合した。なお、Lは、重合反応機の原料供給口から排出口までの距離(m)を示し、Dは重合反応機の内径(m)を示す。
[重合条件]
・トリオキサン(主モノマー) :3500gr/hr
・1,3−ジオキソラン(コモノマー):120.9gr/hr
・メチラール(分子量調節剤) :2.4gr/hr
・有機溶媒としてシクロヘキサン :6.5g/hr
・三フッ化ホウ素−ジ−n−ブチルエーテラート(重合触媒):
トリオキサン1molに対して、0.20×10-4mol
なお、重合触媒は上記成分と別ラインにてフィードした。
重合反応機から排出された粗ポリアセタール共重合体を、トリエチルアミン水溶液(0.5質量%)中にサンプリングし、その後、常温で1hr攪拌を実施した後、遠心分離機でろ過し、窒素下で120℃×3hr乾燥し、ポリアセタール樹脂コポリマーを得た。
ステアリン酸カルシウム/パルミチン酸カルシウム比:120/1)
(B−2) ステアリン酸カルシウム2
ステアリン酸カルシウム/パルミチン酸カルシウム比:150/1)
(B−3) ステアリン酸カルシウム3
ステアリン酸カルシウム/パルミチン酸カルシウム比:250/1)
(B−4) ステアリン酸カルシウム4
(ステアリン酸カルシウム/パルミチン酸カルシウム比:2/1)
(B−5) ステアリン酸カルシウム5
(ステアリン酸カルシウム/パルミチン酸カルシウム比:99/1)
ステアリン酸カルシウム中のステアリン酸カルシウム/パルミチン酸カルシウムの比は下記方法にて測定した。用いたステアリン酸カルシウム10mgにメタノール(5%塩酸含有)を1mL加え、室温で一昼夜静置した。その後、ガスクロマトグラフ質量分析計に注入し、ステアリン酸カルシウム、及びパルミチン酸カルシウムに由来するピークの面積比より化合物(B1)/化合物(B2)を算出した。
(D−2) ベンゾグアナミン
ポリアセタール樹脂(A−1)100質量部に、酸化防止剤(C−1)0.3質量部と化合物(B−2)0.1部を添加し、ヘンシェル混合機を用いて均一混合した。得られた混合物を2軸押出し機(シリンダー設定温度:200℃)で溶融混練し、ペレット状とした。このペレットを80℃で3時間乾燥させた後、ホルムアルデヒド発生量と長期連続成形性を評価した。結果を表1に示した。
組成を表1の通りとした以外は、実施例1と同様の操作をした。結果を表1に示した。
ポリアセタール樹脂(A−1)100質量部に、酸化防止剤(C−1)0.3質量部を添加し、ヘンシェル混合機を用いて均一混合した。得られた混合物を2軸押出し機(シリンダー設定温度:200℃)で溶融混練し、ペレット状とした。このペレットを80℃で3時間乾燥させた後、ホルムアルデヒド発生量と長期連続成形性を評価した。結果を表1に示した。
組成を表1の通りとした以外は、比較例1と同様の操作をした。結果を表1に示した。
Claims (2)
- ポリアセタール樹脂(A)と、
ステアリン酸のアルカリ金属塩及び/又はアルカリ土類金属塩である化合物(B1)と、
パルミチン酸のアルカリ金属塩及び/又はアルカリ土類金属塩である化合物(B2)と、を有し、
前記化合物(B1)/前記化合物(B2)が、300/1〜120/1であり、
前記化合物(B1)及び前記化合物(B2)の総含有量が、前記ポリアセタール樹脂(A)100質量部に対して、0.001〜5質量部である、
ポリアセタール樹脂組成物。 - アミノ置換トリアジン類化合物及び/又はグアナミン類化合物(D)をさらに含む、請求項1に記載のポリアセタール樹脂組成物。
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JP2016060755A JP6770815B2 (ja) | 2016-03-24 | 2016-03-24 | ポリアセタール樹脂組成物 |
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