JP5596311B2 - ポリアセタール樹脂組成物及び成形品 - Google Patents

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Description

本発明は、耐熱性、耐溶剤性、耐酸性等の面で一段と優れた特性を有するポリアセタール樹脂組成物に関するものである。
ポリアセタール樹脂は、機械的物性、耐熱性、耐化学薬品性、電気的性質等に優れ、且つその成形加工の容易さから、エンジニアリングプラスチックとして自動車部品、電機・電子部品、各種機械、建材、機能雑貨等の分野で幅広く利用されている材料である。このようなポリアセタール樹脂の利用分野の1つとして、自動車部品の分野においては、その優れた耐薬品性、特に耐燃料性を利用して燃料油と直接接触する部品、例えば燃料ポンプモジュールなどに代表される燃料搬送ユニット等の大型部品にも用いられている。
これに対し近年は、自動車用燃料として、二酸化炭素排出による地球温暖化に対する防止策として、また、石油価格の高騰に対する対応策として、生物資源由来の所謂バイオ燃料を普及させようとする動きがある。しかしながら、バイオディーゼル燃料は種々の植物等から製造されるため、有機酸等の不純物の含有も多く、旧来のディーゼル燃料(軽油)と比べると劣化による酸性物質も発生しやすい。従ってその種の燃料と直接接触する部品には、耐燃料性と共に優れた耐酸性を兼ね備えた材料を使用することが要求される。
さらに、ディーゼル自動車からの排ガス規制が厳しくなる中、燃焼効率を高めて排ガス中の有害物質を低減するため、燃料噴射圧の高圧化が必要とされているが、このようなシステムでは燃料温度が上昇するため、使用部品に対する耐熱性の要求、高温下での耐溶剤性や耐酸性の要求がますます高くなっている。
このような要求に対し、特開2009−132768(特許文献1)には、ポリアセタール樹脂に酸化防止剤及び脂肪酸金属塩を配合した組成物からなる成形品が開示され、耐酸性に優れることが示されている。
特開2009−132768
特許文献1に開示された組成物からなる成形品は、耐酸性改善効果を示すものであるが、近年のより高度化する要求、即ち、高度の耐熱性、より高温環境下での耐溶剤性や耐酸性の要求に対しては、十分に応えることができない場合がある。
本発明は上記のような課題を解決し、高度の耐熱性、耐溶剤性、耐酸性等を有し、特に、高温環境下においてバイオ燃料等と接して使用され高度の耐久性が必要とされる用途等に適したポリアセタール樹脂組成物とこの組成物からなる成形品を提供することを目的とするものである。
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意研究を重ねた結果、酸化防止剤として極めて限られたヒンダードフェノール系化合物を併用すると共に、特定の添加物を添加したポリアセタール樹脂組成物によって目的が達成されることを見出し、本発明に到達した。
即ち本発明は、
(A)ポリアセタール樹脂100重量部に対して、
(B)テトラキス[メチレン-3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン0.1〜3.0重量部、
(C)トリエチレングリコール-ビス[3-(3-t-ブチル-5-メチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]0.1〜3.0重量部及び
(D)脂肪酸カルシウム塩0.1〜3.0重量部
を添加して成る耐熱性、耐溶剤性に優れたポリアセタール樹脂組成物に関するものである。
本発明のポリアセタール樹脂組成物は、非常に優れた耐熱性、耐溶剤性、耐酸性等を有している。このため、酸性成分を含有する自動車用燃料、特に、バイオディーゼル燃料等と高温環境下で接触する部品等に適している。
以下、本発明を詳細に説明する。本発明で用いられる(A)ポリアセタール樹脂とは、オキシメチレン基(-CH2O-)を主たる構成単位とする高分子化合物であり、実質的にオキシメチレン基の繰り返し単位のみからなるポリアセタールホモポリマー、オキシメチレン基以外に他の構成単位を少量含有するポリアセタールコポリマー等が挙げられる。これらは何れも使用可能であるが、本発明の目的である耐熱性、耐溶剤性、耐酸性の観点から、ポリアセタールコポリマーを基体樹脂とするのが好ましい。ポリアセタールコポリマーとしては、コモノマー成分を0.5〜30重量%共重合させてなるポリアセタールコポリマーが好ましく、特に好ましくはコモノマー成分を0.5〜10重量%共重合させてなるものである。コモノマー成分を共重合させてなるポリアセタールコポリマーは、耐溶剤性、耐酸性に優れると共に優れた熱安定性を有し、酸性成分を含有する燃料等と高温環境下で接触させて使用しても優れた機械的特性を保持できる。また、ポリアセタールコポリマーは、分子が線状構造を有するものだけでなく、分岐構造、架橋構造を有するものであっても良い。
このようなポリアセタールコポリマーを製造するにあたり、主モノマーとしてはトリオキサンに代表されるホルムアルデヒドの環状オリゴマーが用いられる。また、コモノマー成分としては、少なくとも1つの炭素−炭素結合を有する環状エーテル及び環状ホルマールから選ばれた化合物が用いられる。このようなコモノマーとしては、例えばエチレンオキシド、1,3−ジオキソラン、ジエチレングリコールホルマール、1,4 −ブタンジオールホルマール、1,3 −ジオキサン、プロピレンオキシド等が挙げられる。
上記のようなポリアセタール樹脂(A)、特にポリアセタール共重合体において、その重合度等については特に制約はなく、その使用目的や成形手段に応じた重合度等の調整が可能であるが、本発明が目的とする耐熱性、耐溶剤性、耐酸性等の諸特性と成形性との両立の観点から、温度190℃、荷重2.16kgにおいて測定されるメルトインデックス(MI)が1〜100g/10分であることが好ましく、特に好ましくは5〜30g/10分である。
ポリアセタール樹脂(A)のメルトインデックスが小さくなるほど成形時の樹脂の流動性は低くなり、これに伴って成形時に成形品に生じる残留応力が大きくなり、高温の酸性溶剤雰囲気下に成形品を放置した際、ソルベントクラックによる割れが発生しやすくなる。一方、メルトインデックスが高くなるほどポリアセタール樹脂の分子量は小さくなり、高温の酸性溶剤雰囲気下に成形品が曝されて酸による攻撃を受けた際に機械的特性の低下が短時間で生じ、かつ、特性の低下が大きなものになる。
本発明は、上記のポリアセタール樹脂(A)に対し、ヒンダードフェノール系酸化防止剤の中から限定的に選択された(B)テトラキス[メチレン-3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタンと(C)トリエチレングリコール-ビス[3-(3-t-ブチル-5-メチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]とを併用して配合することを特徴の1つとする。
ポリアセタール樹脂に広義の各種のヒンダードフェノール系酸化防止剤を配合し酸化防止機能を付与することは公知であり、酸化防止の観点からは、各種のヒンダードフェノール系酸化防止剤の中から任意の2種以上を配合してもよい程度のことを示した公知文献は多いが、本発明の如くヒンダードフェノール系酸化防止剤の中から選択した特定の2種を併用してポリアセタール樹脂に配合することにより、耐熱性、耐溶剤性(耐燃料性)、耐酸性等が顕著に向上することは、公知文献の記載からは予期できぬ驚くべきことであった。
本発明において、(B)テトラキス[メチレン-3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン及び(C)トリエチレングリコール-ビス[3-(3-t-ブチル-5-メチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]の添加量は、(A)ポリアセタール樹脂100重量部に対しそれぞれ0.1〜3.0重量部である。また、好ましくはその添加量の和((B)成分+(C)成分)が、(A)ポリアセタール樹脂100重量部に対し0.5〜3.0重量部である。成分(B)及び/又は成分(C)の配合量が少ないと、本来の機能である酸化防止特性が不十分になるだけでなく、本発明の目的である、耐熱性、耐溶剤性(耐燃料性)、耐酸性等も劣るものとなる。成分(B)及び/又は成分(C)の配合量が過剰の場合は、樹脂組成物の機械特性や成形性等に好ましくない影響が生じる。
本発明のポリアセタール樹脂組成物には(D)脂肪酸カルシウム塩が配合されており、これにより耐酸性が飛躍的に向上する。(D)脂肪酸カルシウム塩を構成する脂肪酸は、飽和脂肪酸であってもよく、不飽和脂肪酸であってもよい。このような脂肪酸としては、炭素数10以上の1価又は2価の脂肪酸、例えば、炭素数10以上の1価の飽和脂肪酸[カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキン酸、べヘン酸、モンタン酸などのC10-34飽和脂肪酸(好ましくはC10-30飽和脂肪酸)など]、炭素数10以上の1価の不飽和脂肪酸[オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸、エルカ酸などのC10-34不飽和脂肪酸(好ましくはC10-30不飽和脂肪酸)など]、炭素数10以上の2価の脂肪酸(二塩基性脂肪酸)[セバシン酸、ドデカン酸、テトラデカン酸、タプシア酸などの2価のC10-30飽和脂肪酸(好ましくは2価のC10-20飽和脂肪酸)、デセン二酸、ドデセン二酸などの2価のC10-30不飽和脂肪酸(好ましくは2価のC10-20不飽和脂肪酸)など]が例示できる。また、上記の脂肪酸には、その一部の水素原子がヒドロキシル基などの置換基で置換され、分子内に1又は複数のヒドロキシル基などを有する脂肪酸(例えぱ、12-ヒドロキシステアリン酸などのヒドロキシ飽和C10-26脂肪酸など)も含まれる。
本発明のポリアセタール樹脂組成物において、特に好ましい(D)脂肪酸カルシウム塩は、ステアリン酸カルシウム、12-ヒドロキシステアリン酸カルシウム、ベヘン酸カルシウムである。
本発明において、(D)脂肪酸カルシウム塩の添加量は、(A)ポリアセタール樹脂100重量部に対して0.1〜3.0重量部である。(D)脂肪酸カルシウム塩の配合は、耐酸性の向上に大きく寄与するものである。(D)脂肪酸カルシウム塩の添加量が0.1重量部よりも少ないと目的とする耐酸性を得ることができず、3.0重量部より過剰の場合は機械的特性等を損ねることになる。
本発明のポリアセタール樹脂組成物には、さらに(E)ホルムアルデヒド反応性窒素含有化合物及び(F)滑剤のいずれか一方または両方を配合するのが好ましい。
本発明において使用できる(E)ホルムアルデヒド反応性窒素含有化合物としては、メラミンおよびその誘導体(グアナミンおよびその誘導体も含む)、メラミンホルムアルデヒド樹脂、ヒドラジド化合物、ポリアミドおよびポリアクリルアミド等が挙げられる。
まず、メラミン及びその誘導体としては、メラミン(2,4,6 −トリアミノ−sym −トリアジン)、メレム、メラム、メロン、N−ブチルメラミン、N−フェニルメラミン、N,N −ジフェニルメラミン、N,N −ジアリルメラミン、N,N",N" −トリメチロールメラミン、ベンゾグアナミン(2,4 −ジアミノ−6−フェニル−sym −トリアジン)、2,4 −ジアミノ−6−メチル−sym −トリアジン、2,4 −ジアミノ−6−ブチル−sym −トリアジン、2,4 −ジアミノ−6−ベンジルオキシ−sym −トリアジン、2,4 −ジアミノ−6−ブトキシ−sym −トリアジン、2,4 −ジアミノ−6−シクロヘキシル−sym −トリアジン、2,4 −ジアミノ−6−クロロ−sym −トリアジン、2,4 −ジアミノ−6−メルカプト−sym −トリアジン、2,4 −ジオキシ−6−メルカプト−sym −トリアジン、2,4 −ジオキシ−6−アミノ−sym −トリアジン(アメライド)、2−オキシ−4,6 −ジアミノ−sym −トリアジン(アメリン)、N,N,N',N' −テトラシアノエチルベンゾグアナミン等が挙げられる。
メラミンホルムアルデヒド樹脂としては、メラミンとホルムアルデヒドとから1:0.8 〜1:10.0のモル比で製造され、水に不溶性のメラミン−ホルムアルデヒド重縮合物が挙げられる。
ヒドラジド化合物としては、アジピン酸ヒドラジド、セバシン酸ヒドラジド等が挙げられる。
ポリアミドとしては、ナイロン12、ナイロン6・10、ナイロン6・66・610 の如き単独または共重合ポリアミド、メチロール基等を有する置換ポリアミド、ナイロン塩、カプロラクタムから合成、またはカプロラクトン、カプロラクタムとの組み合わせから合成されるポリエステルアミド等が挙げられる。
ポリアクリルアミドとしては、アクリルアミドの単独重合体及びその共重合体、架橋体のうちの1種または2種以上が挙げられる。
本発明において使用するのが好ましい(E)ホルムアルデヒド反応性窒素含有化合物としては、上記化合物の中でも、メラミンおよびメラミンの誘導体、メラミンホルムアルデヒド樹脂が特に好ましい。
本発明において(E)ホルムアルデヒド反応性窒素含有化合物を配合する場合、その配合量は(A)ポリアセタール樹脂100重量部に対して0.001〜3.0重量部が好ましい。
また、本発明において使用可能な(F)滑剤としては、脂肪酸エステルや脂肪酸アミドが挙げられる。
脂肪酸エステルとしては、ラウリン酸、パルミチン酸、ヘプタデカン酸、ステアリン酸、オレイン酸、アラキン酸、ベヘニン酸等の炭素数12〜32の脂肪酸と、パルミチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール等の1価脂肪族アルコールや、グリセリン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、ソルビタン等の多価脂肪族アルコールとのエステル化合物、脂肪酸と多塩基性有機酸と1価脂肪族アルコール又は多価脂肪族アルコールの複合エステル化合物等を挙げることができる。このような脂肪酸エステル系滑剤の具体例としては、例えば、パルミチン酸セチル、ステアリン酸ブチル、ステアリン酸ステアリル、クエン酸ステアリル、グリセリンモノカプリレート、グリセリンモノカプレート、グリセリンモノラウレート、グリセリンモノパルミテート、グリセリンジパルミテート、グリセリンモノステアレート、グリセリンジステアレート、グリセリントリステアレート、グリセリンモノオレエート、グリセリンジオレエート、グリセリントリオレエート、グリセリンモノリノレート、グリセリンモノベヘネート、グリセリンモノ12−ヒドロキシステアレート、グリセリンジ12−ヒドロキシステアレート、グリセリントリ12−ヒドロキシステアレート、グリセリンジアセトモノステアレート、グリセリンクエン酸脂肪酸エステル、ペンタエリスリトールアジピン酸ステアリン酸エステル、モンタン酸部分ケン化エステル、ペンタエリスリトールテトラステアレート、ジペンタエリスリトールヘキサステアレート、ソルビタントリステアレート、等を挙げることができる。
また、脂肪酸アミド系滑剤の具体例としては、例えばラウリン酸アミド、パルミチン酸アミド、ステアリン酸アミド、ベヘン酸アミド、ヒドロキシステアリン酸アミド等の飽和脂肪酸アミド;オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、リシノール酸アミド等の不飽和脂肪酸アミド;N−ステアリルステアリン酸アミド、N−オレイルオレイン酸アミド、N−ステアリルオレイン酸アミド、N−オレイルステアリン酸アミド、N−ステアリルエルカ酸アミド、N−オレイルパルミチン酸アミド等の置換アミド;メチロールステアリン酸アミド、メチロールベヘン酸アミド等のメチロールアミド;メチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスカプリン酸アミド、エチレンビスラウリン酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミド(エチレンビスステアリルアミド)、エチレンビスイソステアリン酸アミド、エチレンビスヒドロキシステアリン酸アミド、エチレンビスベヘン酸アミド、ヘキサメチレンビスステアリン酸アミド、ヘキサメチレンビスベヘン酸アミド、ヘキサメチレンビスヒドロキシステアリン酸アミド、N,N’−ジステアリルアジピン酸アミド、N,N’−ジステアリルセバシン酸アミド等の飽和脂肪酸ビスアミド;エチレンビスオレイン酸アミド、ヘキサメチレンビスオレイン酸アミド、N,N’−ジオレイルアジピン酸アミド、N,N’−ジオレイルセバシン酸アミド等の不飽和脂肪酸ビスアミド;m−キシリレンビスステアリン酸アミド、N,N’−ジステアリルイソフタル酸アミド等の芳香族系ビスアミド等が挙げられる。
本発明において(F)滑剤を配合する場合、その配合量は(A)ポリアセタール樹脂100重量部に対して0.1〜3.0重量部が好ましい。(F)滑剤の配合量が少ないと、本来の目的である離型性が不十分になり、過剰の場合は、成形時の食い込み性が劣り、良好な成形品を得ることが困難となる。
本発明のポリアセタール樹脂組成物には、本発明の目的・効果を大きく損なわない範囲で、公知の各種安定剤や添加剤を更に配合し得る。例えば、耐侯安定剤、耐衝撃性改良剤、光沢性制御剤、摺動性改良剤、離型剤、帯電防止剤、核剤、着色剤、前述した以外の酸化防止剤、耐熱安定剤、滑剤などが挙げられる。また、繊維状、板状、粉粒状の各種無機充填剤や異種ポリマーの配合も可能である。
本発明の組成物の調製法には特に制約はなく、従来から熱可塑性樹脂組成物の調製法として用いられている公知の設備と方法により容易に調製することができる。
また本発明の成形品は、上記の構成からなるポリアセタール樹脂組成物を用いて、射出成形、押出成形、圧縮成形、ブロー成形、真空成形、発泡成形、回転成形などの慣用の成形方法で成形することにより得ることができる。
その用途に特に制約はないが、本発明のポリアセタール樹脂組成物の特徴である耐熱性、耐溶剤性(耐燃料性)、耐酸性等の特性を生かして、自動車用燃料、中でもディーゼル燃料と接触する部品に、特に好適に適用することができる。
以下、実施例により本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
実施例1〜4及び比較例1〜24
(A)ポリアセタール樹脂に、(B)テトラキス[メチレン-3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、(C)トリエチレングリコール-ビス[3-(3-t-ブチル-5-メチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、(D)脂肪酸カルシウム塩、(E)ホルムアルデヒド反応性窒素含有化合物、及び、(F)滑剤を表1及び表2に示す割合(重量部)で添加混合し、二軸押出機で溶融混練してペレット状の組成物を調製した。配合成分の詳細は後記の通りである。
次いで、このペレットを用いて射出成形によりISO引張試験片 TYPE 1Aを作製した。成形した試験片をJIS 2号軽油に浸漬し、110℃、300時間処理を行った後、軽油から取り出し、引張物性を測定した。軽油浸漬処理を行った場合に引張伸びの低下が最も敏感であることから、耐軽油性の評価は引張伸び保持率にて行った。結果を表1及び2に示す。
比較のため、(B)、(C)、(D)のいずれかの成分を含まない組成物、(B)と(C)を併用する代わりに(B)または(C)を単独で増量した組成物、(B)に代えて別のヒンダードフェノール系酸化防止剤を用いた組成物、(C)に代えて別のヒンダードフェノール系酸化防止剤を用いた組成物を調製し、同様にして評価した。結果を併せて表1に示す。
表1及び表2より、ヒンダードフェノール系酸化防止剤の中から、(B)テトラキス[メチレン-3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン及び(C)トリエチレングリコール-ビス[3-(3-t-ブチル-5-メチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]を選択しこれを併用すること、また、(D)脂肪酸カルシウム塩を配合することによる顕著な効果が明らかである。
ヒンダードフェノール系酸化防止剤として、(B)テトラキス[メチレン-3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン又は(C)トリエチレングリコール-ビス[3-(3-t-ブチル-5-メチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]を単独で使用し、これを増量しても十分な効果は得られず、また、これらを他のヒンダードフェノール系酸化防止剤と組み合わせて併用しても十分な効果は得られない。
[配合成分]
(A)ポリアセタール樹脂
トリオキサン96.7重量%と1,3−ジオキソラン3.3重量%を共重合させてなるポリアセタール共重合体。メルトインデックス(190℃、荷重2160gで測定)が8.9g/10minの材料を使用。
(B)テトラキス[メチレン-3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン
(C)トリエチレングリコール-ビス[3-(3-t−ブチル-5-メチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]
(D)脂肪酸カルシウム塩
ステアリン酸カルシウムを使用
(E)ホルムアルデヒド反応性窒素含有化合物
メラミンを使用
(F)滑剤
グリセリンモノステアレートを使用
(X)その他((B)、(C)に代えて使用するヒンダードフェノール系酸化防止剤)
X-1:ヘキサメチレンビス[3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート(Irganox 259、チバ・ジャパン(株)製)
X-2:オクタデシル-3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート(Irganox 1076、チバ・ジャパン(株)製)
X-3:2,2'-メチレンビス(6-tert-ブチル-4-メチルフェノール)(Irganox 2246、チバ・ジャパン(株)製)
Figure 0005596311
Figure 0005596311

Claims (4)

  1. (A)温度190℃、荷重2.16kgで測定したメルトインデックスが5〜30g/10分であるポリアセタール樹脂100重量部に対して、
    (B)テトラキス[メチレン-3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン0.1〜3.0重量部、
    (C)トリエチレングリコール-ビス[3-(3-t-ブチル-5-メチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]0.1〜3.0重量部及び
    (D)脂肪酸カルシウム塩1.00〜3.0重量部
    を添加して成る耐熱性、耐溶剤性に優れたポリアセタール樹脂組成物であって、
    (B)成分と(C)成分の添加量の和が0.5〜3.0重量部である、ポリアセタール樹脂組成物。
  2. さらに、(E)ホルムアルデヒド反応性窒素含有化合物0.001〜3.0重量部(対(A)成分100重量部)を添加して成る請求項1記載のポリアセタール樹脂組成物。
  3. さらに、(F)滑剤0.1〜3.0重量部(対(A)成分100重量部)を添加して成る請求項1又は2記載のポリアセタール樹脂組成物。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載のポリアセタール樹脂組成物からなる成形品。
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