JP2008214490A - ポリアセタール樹脂組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】 ポリアセタール樹脂組成物、特に摺動部品とした際に、摺動相手を選ばず、幅広い摩擦摩耗条件に対応でき、かつペレットおよび成形品からのホルムアルデヒド発生量を抑制したポリアセタール樹脂組成物、およびこれを成形してなる樹脂成形体、具体的にはポリアセタール樹脂摺動部材を提供することにある。
【解決手段】 (A)ポリアセタール樹脂100重量部、(B)ポリエチレンワックス0.1〜10重量部、(C)ポリエチレン樹脂0.1〜10重量部、(D)シリコーン0.1〜5重量部、(E)芳香族ジヒドラジド及び20℃におけるH2O100gに対する溶解度が1g未満である脂肪族ジヒドラジドより選ばれる少なくとも1種のヒドラジド化合物0.01〜5重量部、および(F)立体障害性フェノール0.01〜5重量部からなるポリアセタール樹脂組成物。
【選択図】 なし
【解決手段】 (A)ポリアセタール樹脂100重量部、(B)ポリエチレンワックス0.1〜10重量部、(C)ポリエチレン樹脂0.1〜10重量部、(D)シリコーン0.1〜5重量部、(E)芳香族ジヒドラジド及び20℃におけるH2O100gに対する溶解度が1g未満である脂肪族ジヒドラジドより選ばれる少なくとも1種のヒドラジド化合物0.01〜5重量部、および(F)立体障害性フェノール0.01〜5重量部からなるポリアセタール樹脂組成物。
【選択図】 なし
Description
本発明は、電気・電子機器、事務機器、自動車、産業機器等で要求されている高品質化を目的とした軸受け、歯車、カム、ローラー、滑り板、プーリー、レバー、ガイド等の摺動部品材料として好適な、自己潤滑性及び多様な摺動相手材に対する摺動性に優れ、かつペレットおよび成形品からのホルムアルデヒド発生量が抑制されたポリアセタール樹脂組成物とその製造方法、並びにこのポリアセタール樹脂組成物を成形してなる、ポリアセタール樹脂摺動部材に関する。
ポリアセタール樹脂は、バランスのとれた機械物性を示し、かつ摩擦摩耗特性に優れるため、歯車等の摺動部品材料として自動車、電気・電子製品等の分野で広く利用されている。しかし、この様な分野における要求特性は、近年ますます高度化しており、摩擦摩耗特性の更なる改良、歯車の低騒音化といった点において、一層の改良が望まれている。
ポリアセタール樹脂の摺動特性を向上させるための従来技術としては、例えばポリアセタール樹脂に液状エチレン−α−オレフィンランダム共重合体を添加する方法(例えば特許文献1参照)、ポリエチレン樹脂を添加する方法(例えば特許文献2参照)、超高分子量ポリエチレンおよびシリコーンオイルを添加する方法(例えば特許文献3参照)、ポリエチレン樹脂と炭化水素系オイルを添加する方法(例えば特許文献4参照。)が知られている。しかし、一般的な摺動時の摩擦摩耗特性において一定の効果は見られるものの、近年の市場の厳しい耐摩耗特性を満足するものではなかった。
またポリアセタール樹脂に、ポリエチレンワックス、およびシリコーンオイルを配合することで、摩擦特性および摺動時の騒音を低減する技術が知られている(例えば特許文献5参照)。しかし、一般的な摺動時の摩擦摩耗特性に顕著な効果が見られるものの、特に相手材が金属やガラス繊維強化樹脂の場合の耐摩耗特性において、近年の市場の高度な要求を満たせない場合があり、問題となっていた。
一方で、ポリアセタール樹脂はその使用条件に於いて、とりわけ高温下での使用の際には、分解することにより原料であるホルムアルデヒドが発生するという問題がある。これに対しては、従来から、樹脂や建材から発生するホルムアルデヒドの吸着剤として、或いはポリアセタール樹脂のペレットおよび成形品のホルムアルデヒド発生量を抑制するための添加剤として、メラミン系化合物、ヒドラジン系化合物、尿素系化合物、アミン系やアミド系化合物等の多くの窒素系化合物が提案されている。またこれらの窒素系化合物を複数或いはヒンダードフェノール系酸化防止剤等と組み合わせた添加剤が報告されている。
具体的には例えば、ポリアセタール樹脂にアジピン酸ジヒドラジド等のヒドラジドを配合した組成物が提案されている(例えば特許文献6参照)。同文献には、ヒドラジドは、ポリアセタール樹脂が、結晶固化した状態でホルムアルデヒドを吸着するが、溶融状態における分解を抑制する効果はないことが記載されている。
また、立体障害性フェノール系酸化防止剤とメラミン、シアナミド、ヒドラジド等の窒素含有化合物のほう酸塩をポリアセタール樹脂に配合した組成物が提案され(例えば特許文献7参照)、窒素含有化合物をほう酸塩として配合することにより、成形時の添加剤のしみだしが低減され、金型汚染が改善されると記載されている。
更にはポリアセタール樹脂に、オレフィン系重合体とビニル系重合体のグラフトもしくはブロック共重合体、特定性状のメラミン−ホルムアルデヒド重縮合物及び酸化防止剤を配合した組成物が提案されている(例えば特許文献8参照)。同文献によれば、オレフィン系重合体とビニル系重合体のグラフトもしくはブロック共重合体の配合により、ポリアセタール樹脂の摺動性が向上するが、かかる共重合体は成形加工時に共重合体自体や、ポリアセタール樹脂の熱分解を促し、分解生成物による金型付着物の増加を引き起こす場合があることが記載されている。
しかしながら、これらのポリアセタール樹脂組成物は、必ずしも、その効果が充分とはいえず、更に改善されたポリアセタール樹脂組成物が望まれている。
本発明の目的は、このような従来のポリアセタール樹脂組成物が持つ欠点を改良し、摺動相手材の制約が少ない、幅広い摩擦摩耗条件に対応でき、かつペレットおよび成形品からのホルムアルデヒド発生量を抑制したポリアセタール樹脂組成物、及びこれを成形してなる樹脂摺動部材を提供することにある。
本発明者らは上述の問題を解決するために鋭意検討した結果、ポリアセタール樹脂に5種類の特定の添加剤、具体的にはポリエチレンワックス、ポリエチレン樹脂、シリコーン、ヒドラジド化合物および立体障害性フェノールを特定量含有することにより、前記課題を解決できることを見出した。更に、この特定の添加剤のうち、ポリエチレン樹脂中にシリコーンを分散させた混合物を、ポリアセタール樹脂とポリエチレンワックスと共に溶融混練して得られたポリアセタール樹脂組成物が、効果が顕著となることを見出し、本発明を完成した。
即ち本発明の要旨は、(A)ポリアセタール樹脂100重量部、(B)ポリエチレンワックス0.1〜10重量部、(C)ポリエチレン樹脂0.1〜10重量部、(D)25℃における動粘度が50万cSt以上であるシリコーン0.1〜5重量部、(E)芳香族ジヒドラジド及び20℃におけるH2O100gに対する溶解度が1g未満である脂肪族ジヒドラジドより選ばれる少なくとも1種のヒドラジド化合物0.01〜5重量部、および(F)立体障害性フェノール0.01〜5重量部からなるポリアセタール樹脂組成物、及びその製造方法、並びにポリアセタール樹脂組成物を成形してなるポリアセタール樹脂摺動部材に関する。
本発明のポリアセタール樹脂組成物、及びこれを成形してなるポリアセタール樹脂摺動部材は、ペレットおよび成形品からのホルムアルデヒド発生量を抑制することが出来、且つ極めて優れた摩擦摩耗性を有する。本発明は具体的には例えば、軸受け、歯車、カム、ローラー、滑り板、プーリー、レバー、ガイド等の摺動部品材料として、電気・電子機器、事務機器、自動車、産業機器等、広範な分野で高性能を要求される部品として好適に用いることができる。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明に用いる(A)ポリアセタール樹脂は、アセタール構造―(―O―CRH―)n―(但しRは水素原子、有機基を示す。)を繰り返し構造に有する高分子であり、通常はRが水素原子であるオキシメチレン基(−CH2O−)を主たる構成単位とするものである。本発明に用いるポリアセタール樹脂は、この繰り返し構造のみからなるアセタールホモポリマー以外に、前記オキシメチレン基以外の繰り返し構成単位を1種以上含むコポリマー(ブロックコポリマー)やターポリマー等も含み、更には線状構造のみならず分岐、架橋構造を有していてもよい。
本発明に用いる(A)ポリアセタール樹脂は、アセタール構造―(―O―CRH―)n―(但しRは水素原子、有機基を示す。)を繰り返し構造に有する高分子であり、通常はRが水素原子であるオキシメチレン基(−CH2O−)を主たる構成単位とするものである。本発明に用いるポリアセタール樹脂は、この繰り返し構造のみからなるアセタールホモポリマー以外に、前記オキシメチレン基以外の繰り返し構成単位を1種以上含むコポリマー(ブロックコポリマー)やターポリマー等も含み、更には線状構造のみならず分岐、架橋構造を有していてもよい。
前記オキシメチレン基以外の構成単位としては例えば、オキシエチレン基(−CH2CH2O−)、オキシプロピレン基(−CH2CH2CH2O−)、オキシブチレン基(−CH2CH2CH2CH2O−)等の炭素数2以上10以下の、分岐していてもよいオキシアルキレン基が挙げられ、中でも炭素数2以上4以下の、分岐していてもよいオキシアルキレン基が好ましく、特にオキシエチレン基が好ましい。またこの様な、オキシメチレン基以外のオキシアルキレン構造単位の含有量としては、ポリアセタール樹脂中において0.1mol%以上15mol%以下であることが好ましい。
本発明に用いるポリアセタール樹脂の製造方法は任意であり、従来公知の任意の方法によって製造すればよい。例えば、オキシメチレン基と、炭素数2以上4以下のオキシアルキレン基を構成単位とするポリアセタール樹脂の製造方法としては、ホルムアルデヒドの3量体(トリオキサン)や4量体(テトラオキサン)等のオキシメチレン基の環状オリゴマーと、エチレンオキサイド、1,3−ジオキソラン、1,3,6−トリオキソカン、1,3−ジオキセパン等の炭素数2以上4以下のオキシアルキレン基を含む環状オリゴマーとを共重合することによって製造することができる。
中でも本発明に用いるポリアセタール樹脂としては、トリオキサンやテトラオキサン等の環状オリゴマーと、エチレンオキサイドまたは1,3−ジオキソランとの共重合体であることが好ましく、特にトリオキサンと1,3−ジオキソランとの共重合体であることが好ましい。その溶融粘度は任意だが、溶融指数(MI)[ASTM−D1238:190℃、2.16kg荷重下]で、通常0.01〜150g/10分であり、中でも0.1〜100g/10分、特に1〜70g/10分であることが好ましい。
本発明に用いる(B)ポリエチレンワックスは、低分子量ポリエチレン、低分子量ポリエチレン共重合体、またはそれらを酸化変性または酸変性することによって極性基を導入した、変性ポリエチレンワックスを意味する。その数平均分子量は適宜選択して決定すればよいが、通常20000未満であり、中でも500〜15000、特に1000〜10000であることが好ましい。
低分子量ポリエチレンおよび低分子量ポリエチレン共重合体のポリエチレンワックスは、エチレン又はエチレンとα−オレフィンとを、チーグラー触媒などで直接重合する方法、高分子量ポリエチレンあるいは共重合体製造時の副生物として得る方法、高分子量のポリエチレン、あるいは共重合体を熱分解する方法などによって製造することができる。
中でもエチレン50〜99モルパーセントと、α−オレフィン1〜50モルパーセントとの共重合体型のポリエチレンワックスが好ましく、特にこのα−オレフィンが、プロピレンであるポリエチレンワックスが好ましい。
変性ポリエチレンワックスは、上記の低分子量ポリエチレン、低分子量ポリエチレン共重合体や、それらを酸化変性または酸変性した変性ポリエチレンワックスを示す。酸化変性は、ワックスをパーオキシドや酸素等で処理して、カルボキシル基や水酸基等の極性基を導入すればよい。また酸変性処理は、必要に応じてパーオキシドや酸素の存在下に、ワックスを無機酸、有機酸あるいは不飽和カルボン酸等で処理し、カルボキシル基やスルホン酸基等の極性基を導入すればよい。
これらのポリエチレンワックスは、一般型高密度ポリエチレンワックス、一般型低密度ポリエチレンワックス、低酸価型ポリエチレンワックス、高酸価型ポリエチレンワックス、酸変性型ポリエチレンワックス、あるいは特殊モノマー変性型等の名称で市販され、市場より容易に入手することができる。
本発明のポリアセタール樹脂組成物における(B)ポリエチレンワックスの含有量は、(A)ポリアセタール樹脂100重量部に対して0.1〜10重量部であり、中でも0.5〜5重量部であることが好ましい。10重量部を超えるとポリアセタール樹脂の機械的性能が低下し、逆に0.1重量部未満では本発明の効果が不十分となる。また(B)ポリエチレンワックスは、単独で、又は2種以上を任意の割合で併用してもよい。
本発明に用いる(C)ポリエチレン樹脂は、(B)ポリエチレンワックスよりも分子量の高い、ポリエチレン樹脂を示す。(C)ポリエチレン樹脂の数平均分子量は、通常20000〜500000である。ポリエチレン樹脂としては、低密度ポリエチレン、α−オレフィンとの共重合体からなる直鎖状低密度ポリエチレン、および超低密度ポリエチレンが挙げられ、中でも低密度ポリエチレンが好ましい。
本発明に用いる(C)ポリエチレン樹脂の製造方法は任意であり、また製造に用いる重合触媒もマルチサイト触媒やシングルサイト触媒等、任意である。更(C)ポリエチレン樹脂は、グリシジルメタクリレート等のエポキシ化合物や無水マレイン酸等の酸無水物で変性されていてもよい。
本発明に用いる(C)ポリエチレン樹脂の溶融粘度は、通常、溶融指数(MI)[ASTM−D1238:190℃、2.16kg荷重下]で0.01〜200g/10分であり、中でも0.1〜100g/10分であることが好ましい。また密度は特に制限はないが、(C)ポリエチレン樹脂が低密度ポリエチレン樹脂(直鎖低密度ポリエチレン樹脂やその共重合体を含む。)の密度は0.910g/cm3以上0.940g/cm3以下であり、また超低密度ポリエチレン樹脂の際には0.875g/cm3以上0.910g/cm3未満である。
本発明のポリアセタール樹脂組成物における(C)ポリエチレン樹脂の含有量は、(A)ポリアセタール樹脂100重量部に対して0.1〜10重量部であり、中でも好ましくは、0.5〜5重量部である。10重量部を超えるとポリアセタール樹脂の機械的性能が低下し、逆に0.1重量部未満では本発明の効果が十分ではなくなる。(C)ポリエチレンは単独で、又は2種以上を任意の割合で併用してもよい。
本発明に用いる(D)シリコーンは、25℃における動粘度(以下、単に「動粘度」と言うことがある。)が50万センチストークス(cSt)以上のシリコーンであることを特徴とし、中でも動粘度は100万cSt以上であることが好ましい。尚、動粘度の上限は通常、1000万cStである。動粘度が50万cStよりも小さいと、本発明のポリアセタール樹脂組成物の外観や摺動特性の継続性が低下してしまう。
本発明に用いる(D)シリコーンとしては、従来公知の任意のものを使用できる。具体的には例えば、ポリジメチルシロキサンからなるシリコーンの他、ポリジメチルシロキサンにおけるメチル基の一部又は全部が、水素、炭素数が2以上のアルキル基、フェニル基、ハロゲン化フェニル基、エステル基、フッ素等のハロゲン化エステル基、ポリエーテル基等で置換された置換シリコーン類;ポリジメチルシロキサンに更にエポキシ基、アミノ基、アルコール性水酸基、ポリエーテル基等を有する変性シリコーン類;ジメチルシロキサン単位とフェニルメチルシロキサン単位を含むアルキルアラルキルシリコーン類;ジメチルシロキサン単位のメチル基の一部がポリエーテルで置換された構造を有するシロキサン単位とフェニルメチルシロキサン単位とを有するアルキルアラルキルポリエーテル変性シリコーン類;などが挙げられる。
本発明に用いる(D)シリコーンは、単独で、又は2種以上を任意の割合で併用してもよい。また本発明のポリアセタール樹脂組成物における(D)シリコーンの含有量は、全組成物重量の0.1〜5重量%であり、中でもは0.2〜2重量%であることが好ましい。0.1重量%未満では本発明の効果が十分ではなく、逆に5重量%を超えるとポリアセタール樹脂組成物の成形加工性が低下し、外観も低下する。
本発明に用いる(C)ポリエチレン樹脂と(D)シリコーンとの重量比(C/D)は、適宜選択して決定すればよいが、通常、30/70〜70/30であり、中でも40/60〜60/40であることが好ましい。また(B)ポリエチレンワックスに対する(C)成分と(D)成分の総和との重量比(B/(C+D))は、0.01〜4であることが好まく、中でも0.05〜2であることが好ましい。
本発明に用いる(E)ヒドラジド化合物としては、(E1)脂肪族ヒドラジド類又は(E2)芳香族ヒドラジド類の何れのヒドラジド類でも用いることが出来る。(E1)脂肪族ヒドラジド類としては、具体的には例えばプロピオン酸ヒドラジド、チオカルボヒドラジド等のモノヒドラジド類;カルボジヒドラジド、シュウ酸ジヒドラジド、マロン酸ジヒドラジド、コハク酸ジヒドラジド、グルタル酸ジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド、アゼライン酸ジヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジド、1、12−ドデカンジカルボヒドラジド、1,18−オクタデカンジカルボヒドラジド、マレイン酸ジヒドラジド、フマル酸ジヒドラジド、7,11−オクタデカジエン−1,18−ジカルボヒドラジド等が挙げられる。
中でも(E1)脂肪族ヒドラジド類としては、水溶解度(20℃における水100gに対する溶解度。)が1g未満であるものが好ましい。水溶解度が高すぎると、ホルムアルデヒドの発生抑制効果が不十分となる場合があるので、中でも水溶解度は0.01g以下であることが好ましい。
水溶解度が1g未満の脂肪族ヒドラジドとしては、具体的には例えば、シュウ酸ジヒドラジド(水溶解度 0.2g以下)、セバシン酸ジヒドラジド(同 0.01g以下)、1,12−ドデカンジカルボヒドラジド、1,18−オクタデカンジカルボヒドラジド(同 0.1g以下)等が挙げられる。
(E2)芳香族ヒドラジド類としては、具体的には例えば、サリチル酸ヒドラジド、3−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸ヒドラジド、p−トルエンスルホニルヒドラジド、アミノベンズヒドラジド、4−ピリジンカルボン酸ヒドラジド等のモノヒドラジド類;イソフタル酸ジヒドラジド、テレフタル酸ジヒドラジド、1,5−ナフタレンジカルボヒドラジド、1,8−ナフタレンジカルボヒドラジド、2,6−ナフタレンジカルボヒドラジド、4,4’−オキシビスベンゼンスルホニルヒドラジド、1,5−ジフェニルカルボノヒドラジド等のジヒドラジド類が挙げられる。またアミノポリアクリルアミド、1,3,5−トリス(2−ヒドラジノカルボニルエチル)イソシアヌレート等のポリヒドラジド類も使用することができる。
本発明に用いる(E)ヒドラジド化合物としては、中でも、テレフタル酸ジヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジド、1,12−ドデカンジカルボヒドラジド、1,5−ナフタレンジヒドラジド、1,8−ナフタレンジヒドラジド、2,6−ナフタレンジヒドラジド等が好ましい。これらヒドラジド化合物は単独で、又は2種以上を任意の割合で併用してもよい。
本発明に用いる(F)立体障害性フェノールとは、ヒンダードフェノールとも呼ばれ、基本的には下記一般式(1)で示される、フェノール性水酸基のオルト位に置換基を有する構造を少なくとも一個有し、更にオルト位以外に、任意の置換基を少なくとも1つ有する化合物を示す。そしてこの任意の置換基は、フェノール性水酸基のメタ位有ることが好ましい。
(式中、R1及びR2は、各々独立して、置換または非置換のアルキル基を示す。)
式(1)の構造を有する(F)立体障害性フェノールの具体例としては、例えば、2,2’−メチレン−ビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−メチレン−ビス(2,6−ジ−t−ブチルフェノール)、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルジメチルアミン、ステアリル−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホネート、ジエチル−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホネート、2,6,7−トリオキサ−1−ホスファ−ビシクロ〔2,2,2〕−オクト−4−イル−メチル−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナメート、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル−3,5−ジステアリル−チオトリアジルアミン、2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2,6−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシメチルフェノール、2,4−ビス−(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルアニリノ)−1,3,5−トリアジン、N,N’−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナマミド)、オクタデシル−3−(3,5−ジ−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、1,6−ヘキサンジオール−ビス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、ペンタエリスリチル−テトラキス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、トリエチレングリコール−ビス〔3−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、トリエチレングリコール−ビス〔3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕トリエチレングリコール−ビス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、2,2’−チオジエチル−ビス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕等を挙げることができる。
これらの中で、特に好ましいものは、下記一般式(2)で示される構造を少なくとも一個有する化合物である。
(式中、R1及びR2は、一般式(1)と同義である。)
一般式(2)の構造を有する化合物の具体例としては、前記の中で、N,N’−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナマミド)オクタデシル−3−(3,5−ジ−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、1,6−ヘキサンジオール−ビス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、ペンタエリスリチル−テトラキス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、トリエチレングリコール−ビス〔3−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、トリエチレングリコール−ビス〔3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、トリエチレングリコール−ビス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、2,2’−チオジエチル−ビス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕等が挙げられる。
中でも、1,6−ヘキサンジオール−ビス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、ペンタエリスリチル−テトラキス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、トリエチレングリコール−ビス〔3−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、トリエチレングリコール−ビス〔3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、トリエチレングリコール−ビス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、2,2’−チオジエチル−ビス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕が好ましい。
本発明のポリアセタール樹脂組成物は更に、本発明の目的を損なわない範囲内で、従来公知の任意の添加剤や充填剤を添加してもよい。本発明に用いる添加剤や充填剤としては、具体的には例えば、各種熱可塑性樹脂、帯電防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、炭素繊維、ガラス繊維、ガラスフレーク、タルク、マイカ、炭酸カルシウム、チタン酸カリウムウイスカー等が挙げられる。
本発明のポリアセタール樹脂組成物は、ポリアセタール樹脂(A)に(B)乃至(F)成分を、必要に応じて更に上述した各種充填剤を含有させてなる。そしてその製造方法は任意であり、従来公知の任意の、樹脂組成物の製造方法を使用し、これらの原料を混合・混練すればよい。
具体的には例えば、予め(C)ポリエチレン樹脂中に、(D)シリコーンを分散させた後、(A)ポリアセタール樹脂および(B)ポリエチレンワックスと共に混合・混練する方法が好ましい。(C)ポリエチレン樹脂中に(D)シリコーンを分散させるためには、ポリエチレン樹脂とシリコーンを、従来公知の任意の混合。混練機、具体的には例えば、ニーダー、バンバリーミキサー、押出機等を用いて混練すればよい。
混合・混練の各種条件や装置についても、特に制限はなく、従来公知の任意の条件から適宜選択して決定すればよい。混練はポリアセタール樹脂が溶融する温度以上、具体的には(A)ポリアセタール樹脂の融解温度以上(一般的には180℃以上)で行うことが好ましい。
本発明の、ポリアセタール樹脂摺動部材は、上述してきた、本発明のポリアセタール樹脂組成物を成形してなるものである。その成形方法(製造方法)は任意であり、従来公知の任意の製造方法を使用できる。一般的には、本発明のポリアセタール樹脂組成物をペレット、丸棒、厚板等の素材とした後に、これらを溶融し、所望の用途、具体的には例えば、シート、チューブ、各種容器、機械、電気、自動車、建材その他の各種部品等のポリアセタール樹脂摺動部材を形成する。
本発明のポリアセタール樹脂組成物を成形してなる摺動部材は、優れた摺動特性効果を発揮する。具体的な用途としては例えば、電気・電子機器、事務機器、自動車、産業機器等で要求されている高品質化を目的とした、軸受け、歯車、カム、ローラー、滑り板、プーリー、レバー、ガイド等の摺動部材が挙げられる。
本発明のポリアセタール樹脂摺動部材は、本発明の摺動部材同士はもちろん、他の樹脂製摺動部材や、繊維強化樹脂摺動部材の他、セラミックスや金属製摺動部材との摺動部品としても適用することが可能である。
以下に実施例を示し、本発明を更に具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。尚、評価の方法は次の通りである。
(1)動摩擦係数
円筒型スラスト試験片を、シリンダー温度200℃、金型温度80℃で射出成形にて作成した。但し、ガラス繊維強化ポリブチレンテレフタレートの場合のみ、シリンダー温度を260℃とした。オリエンテック社製スラスト式摩擦摩耗試験機を用い、温度23℃、湿度50%雰囲気下で、面圧力0.5MPa、線速度0.1m/秒にて測定し、動摩擦係数(μ)を求めた。
円筒型スラスト試験片を、シリンダー温度200℃、金型温度80℃で射出成形にて作成した。但し、ガラス繊維強化ポリブチレンテレフタレートの場合のみ、シリンダー温度を260℃とした。オリエンテック社製スラスト式摩擦摩耗試験機を用い、温度23℃、湿度50%雰囲気下で、面圧力0.5MPa、線速度0.1m/秒にて測定し、動摩擦係数(μ)を求めた。
摺動相手材としては、同種同士、ポリアセタール樹脂(三菱エンジニアリングプラスチックス社製 ユピタールF20−03)、ガラス繊維強化ポリブチレンテレフタレート樹脂(三菱エンジニアリングプラスチックス社製ノバデュラン5010G30:ガラス繊維30%含有)、炭素鋼鋼材(JIS G4051:2005規格の機械構造用炭素鋼鋼材S45C)を用いた。
(2)比摩耗量
(1)と同様の試験片および試験機を用い、温度23℃、湿度50%雰囲気下で、面圧力0.15MPa、線速度0.3m/秒にて20時間走行させ、比摩耗量を求めた。尚、比摩耗量の単位は[×10−2mm3/kg・km]とし、摺動相手材としては、(1)と同様に、同種同士、標準ポリアセタール樹脂、ガラス繊維強化ポリブチレンテレフタレート、及び炭素鋼鋼材とした。また鋼材相手の場合のみ、面圧力を0.5MPaとした。
(1)と同様の試験片および試験機を用い、温度23℃、湿度50%雰囲気下で、面圧力0.15MPa、線速度0.3m/秒にて20時間走行させ、比摩耗量を求めた。尚、比摩耗量の単位は[×10−2mm3/kg・km]とし、摺動相手材としては、(1)と同様に、同種同士、標準ポリアセタール樹脂、ガラス繊維強化ポリブチレンテレフタレート、及び炭素鋼鋼材とした。また鋼材相手の場合のみ、面圧力を0.5MPaとした。
(3)発生ホルムアルデヒド量
日精樹脂工業社製PS−40E5ASE成形機を用いてシリンダー温度215℃で平板試験片(100mm×40mm×2mm)を作成した。成形翌日にドイツ自動車工業組合規格VDA275(自動車室内部品−改訂フラスコ法によるホルムアルデヒド放出量の定量)に記載の方法に準拠して以下の手順で測定した。
日精樹脂工業社製PS−40E5ASE成形機を用いてシリンダー温度215℃で平板試験片(100mm×40mm×2mm)を作成した。成形翌日にドイツ自動車工業組合規格VDA275(自動車室内部品−改訂フラスコ法によるホルムアルデヒド放出量の定量)に記載の方法に準拠して以下の手順で測定した。
ポリエチレン製容器中に蒸留水50mlを入れ、試験片を吊るした状態で密閉し、60℃で3時間保持し、次いで60分間室温で保持した後、試験片を取り出し、容器内の蒸留水中に吸収されたホルムアルデヒド濃度をUVスペクトロメーターによりアセチルアセトン比色法で測定した。
実施例及び比較例で使用したポリアセタール樹脂、ポリエチレンワックス、ポリエチレン樹脂、シリコーンを以下に示す。
(A)ポリアセタール樹脂 (溶融指数(MI)は、ASTM−D1238に準拠し、190℃、2.16kg荷重下の強健での測定値である。以下、成分(C)についても同様である。)
A−1:トリオキサンと1,3−ジオキソランとのオキシメチレンコポリマーであり、オキシエチレンユニット0.5mol%を含有するポリアセタール樹脂(MI:30g/10分)
A−2:トリオキサンと1,3−ジオキソランとのオキシメチレンコポリマーであり、オキシエチレンユニット1.5mol%を含有するポリアセタール樹脂(MI:30g/10分)
A−3:トリオキサンと1,3−ジオキソランとのオキシメチレンコポリマーであり、オキシエチレンユニット4.0mol%を含有するポリアセタール樹脂(MI:30g/10分)
(B)ポリエチレンワックス;
B−1:ハイワックス410P(三井化学社製 エチレン−プロピレン共重合型ポリエチレンワックス
分子量4000 一般低密度型 酸価0)
B−1:ハイワックス410P(三井化学社製 エチレン−プロピレン共重合型ポリエチレンワックス
分子量4000 一般低密度型 酸価0)
B−2:ハイワックス405MP(三井化学社製 ポリエチレンワックス 分子量4000 低酸価型 酸価1)
B−3:リコワックス522(クラリアントジャパン社製 ポリエチレンワックス 分子量3000 高酸価型 酸価25)
(C)ポリエチレン樹脂
C−1:NUC−8350(日本ユニカー社製 低密度ポリエチレン 密度0.916g/cm3 MI:18g/10分)
C−1:NUC−8350(日本ユニカー社製 低密度ポリエチレン 密度0.916g/cm3 MI:18g/10分)
C−2:NUC−G5371(日本ユニカー社製 ブテン共重合直鎖低密度ポリエチレン 密度0.926g/cm3 MI:12g/10分)
C−3:DFDB9042(日本ユニカー社製 ブテン共重合超低密度ポリエチレン 密度0.900g/cm3 MI:5g/10分)
(D)シリコーン(動粘度は25℃における同粘度を示す。)
D−1:KF−96−1000000CS(信越シリコーン社製ポリジメチルシロキサン 動粘度100万cSt)
D−1:KF−96−1000000CS(信越シリコーン社製ポリジメチルシロキサン 動粘度100万cSt)
D−2:KF−96−500000CS(信越シリコーン社製ポリジメチルシロキサン 動粘度50万cSt)
D−3:(比較例用シリコーン)KF−96−150000CS(信越シリコーン社製ポリジメチルシロキサン 動粘度15万cSt)
(E)ヒドラジド化合物(溶解度は水100g(20℃)に対する溶解度[g]を示す。)
E−1:ドデカン二酸ジヒドラジド 溶解度0.01g以下
E−2:セバシン酸ジヒドラジド、溶解度0.01g以下
E−3:2,6−ナフタレンジカルボヒドラジド
E−4:(比較例用ヒドラジド化合物) アジピン酸ジヒドラジド 溶解度9.1g
(F)立体障害性フェノール
F−1:トリエチレングリコール−ビス〔3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕 (チバ・スペシャルティー・ケミカルズ社製 商品名「イルガノックス245」)
[実施例1〜18]
(A)ポリアセタール樹脂等の原料を、表1、2に示す割合で、スーパーミキサー(川田製作所社製)を用いて均質に混合した後、二軸押出機(池貝鉄工社製、PCM−30)を用いてペレット化した。続いてそれらを射出成形し、得られた樹脂成形体について、先述の評価方法にて動摩擦係数、比摩耗量の評価を行った。結果を表1、2に示す。尚、実施例、比較例に於いては、本発明のポリアセタール樹脂組成物を以下の2つの方法を用いて作成した。
(A)ポリアセタール樹脂等の原料を、表1、2に示す割合で、スーパーミキサー(川田製作所社製)を用いて均質に混合した後、二軸押出機(池貝鉄工社製、PCM−30)を用いてペレット化した。続いてそれらを射出成形し、得られた樹脂成形体について、先述の評価方法にて動摩擦係数、比摩耗量の評価を行った。結果を表1、2に示す。尚、実施例、比較例に於いては、本発明のポリアセタール樹脂組成物を以下の2つの方法を用いて作成した。
樹脂組成物の製造方法(1):先ず(A)ポリアセタール樹脂、(B)ポリエチレンワックス、(C)ポリエチレン樹脂、及び(D)シリコーンを一括で混合した後、これを二軸押出機に供し、二軸押出機中にて(E)ヒドラジド化合物、及び(F)立体障害性フェノール化合物を混練する方法。
樹脂組成物の製造方法(2):(C)ポリエチレン樹脂と(D)シリコーンとを混合・混練して得たマスターバッチに、(A)ポリアセタール樹脂、(B)ポリエチレンワックス、(E)ヒドラジド化合物、及び(F)立体障害性フェノール化合物を混合し、そして二軸押出機で混練する方法。
[比較例1〜16]
(A)ポリアセタール樹脂等の原料を、表1、3、4に示す割合で、実施例と同様にして樹脂組成物を作成し、評価した。結果を表1、3、4に示す。
(A)ポリアセタール樹脂等の原料を、表1、3、4に示す割合で、実施例と同様にして樹脂組成物を作成し、評価した。結果を表1、3、4に示す。
表1〜4から明らかなとおり、本発明のポリアセタール樹脂摺動部材は、そのポリアセタール樹脂成形体からのホルムアルデヒド発生量を抑制でき、且つ本発明の摺動部材同士はもちろん、他の樹脂製摺動部材や、繊維強化樹脂摺動部材の他、セラミックスや金属製摺動部材との摺動部品とした際でも、動摩擦係数を低く抑えるという、優れた効果を奏することが判る。更に本発明のポリアセタール樹脂摺動部材自身や摺動相手材における摩耗量を抑制すると言う効果も奏することが判る。
Claims (5)
- (A)ポリアセタール樹脂100重量部、(B)ポリエチレンワックス0.1〜10重量部、(C)ポリエチレン樹脂0.1〜10重量部、(D)25℃における動粘度が50万cSt以上であるシリコーン0.1〜5重量部、(E)芳香族ジヒドラジド及び20℃におけるH2O100gに対する溶解度が1g未満である脂肪族ジヒドラジドより選ばれる少なくとも1種のヒドラジド化合物0.01〜5重量部、および(F)立体障害性フェノール0.01〜5重量部からなるポリアセタール樹脂組成物。
- (B)ポリエチレンワックスが、エチレン50〜99モルパーセントとα−オレフィン1〜50モルパーセントとの共重合体であるポリエチレン共重合体ワックス、並びに、このポリエチレン共重合体ワックスの酸化変性物及び酸変性物からなる群より選ばれる少なくとも1つである請求項1に記載のポリアセタール樹脂組成物。
- (C)ポリエチレン樹脂が、低密度ポリエチレン、α−オレフィンとの共重合体からなる直鎖状低密度ポリエチレン、及び超低密度ポリエチレンからなる群より選ばれる少なくとも1つである請求項1または2に記載のポリアセタール樹脂組成物。
- (C)ポリエチレン樹脂中に、(D)シリコーンを分散させた混合物を、(A)ポリアセタール樹脂および(B)ポリエチレンワックスと共に溶融混練することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のポリアセタール樹脂組成物の製造方法。
- 請求項1乃至4の何れかに記載のポリアセタール樹脂組成物を成形してなる、ポリアセタール樹脂摺動部材。
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