JP2808078B2 - モールドデポジットの改良されたポリアセタール樹脂組成物 - Google Patents

モールドデポジットの改良されたポリアセタール樹脂組成物

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JP2808078B2
JP2808078B2 JP7379994A JP7379994A JP2808078B2 JP 2808078 B2 JP2808078 B2 JP 2808078B2 JP 7379994 A JP7379994 A JP 7379994A JP 7379994 A JP7379994 A JP 7379994A JP 2808078 B2 JP2808078 B2 JP 2808078B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はポリアセタール樹脂の成
形加工時における、ホルム臭と金型表面に付着するモー
ルドデポジットを大巾に低減せしめ、作業環境の改善と
成形品の表面性、寸法精度を損なうことなく長時間の連
続成形が可能なポリアセタール樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリアセタール樹脂は、優れた機械特性
や成形性を有するためにエンジニアリング樹脂として、
電気・電子部品及び機械機構部品等幅広い分野で利用さ
れている。しかしながら、ポリアセタール樹脂には、熱
安定性に乏しく成形加工時に熱分解によってホルムアル
デヒドガスが発生し、作業環境を悪化させたり、又発生
したホルムアルデヒドやポリアセタール樹脂中に含有さ
れている安定剤等の添加物由来の揮発成分が金型表面に
析出し、いわゆるモールドデポジットを形成し、その結
果成形品の表面を著しく損なったり、あるいは成形品の
寸法精度の低下を来たす等の問題がある。又、モールド
デポジットが発生した場合には、モールドデポジットの
発生毎に金型の分解掃除をしなければならず、これには
多大の時間と労力を要し、生産性の低下を来たすという
問題も有しており、その改良が強く望まれている。
【0003】上記問題を解決するために、これまでに種
々の提案がされており、例えば、熱分解によって発生す
るホルムアルデヒドの低減を目的に、ポリアミド(特公
昭34−5440号公報)、アミドオリゴマー(特公昭
54−32658号公報)等を添加する方法、あるいは
ヒンダードフェノール/カルボン酸の金属塩/ポリアミ
ド(特開平3−14859号公報)を添加する方法が提
案されている。しかしながらこれらの方法においては、
ポリアセタールの安定化が不充分であるために成形加工
時のホルムアルデヒドガスの発生に起因する臭気や、モ
ールドデポジットの発生の点においても満足し得るもの
ではなかった。
【0004】一方成形歪(反り)、ハイサイクル性を改
良する目的でポリアセタール樹脂にイオン吸着体である
ハイドロタルサイトを添加する方法も開示されている
(特公平2−50948号公報)。しかしながら該方法
は、モールドデポジットの改良を目的とするものではな
く、事実、該公報に記述されている樹脂組成物では本願
の目的とする効果は全く得られない。又熱安定性を改良
する目的でポリオキシメチレンにイオン吸着体であるア
ルカリ土類金属珪酸塩を添加する方法も開示されている
(特開昭63−56552号公報)。しかしながら該公
報の方法では本願の目的とする効果は得られない。この
ことは後述する比較例によって明白となる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこのような従
来のポリアセタール樹脂が有する欠点を克服し、成形加
工時に金型表面に発生するモールドデポジットが著しく
低減され、かつホルムアルデヒド臭の極めて少ないポリ
アセタール樹脂組成物を提供することを目的としてなさ
れたものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは成形加工時
におけるホルムアルデヒド臭とモールドポジットの発
生を効果的に抑制したポリアセタール樹脂組成物を開発
すべく鋭意研究を重ねた結果、特定のポリオキシメチレ
ン共重合体に、ある特定のヒンダードフェノール系酸化
防止剤又はヒンダードフェノール系酸化防止剤とヒンダ
ードアミン系光安定剤との混合物とイオン吸着体を所定
量配合せしめたポリアセタール樹脂組成物が前記目的を
達成し得ることを見い出し,この知見に基づいて本発明
を完成するに至った。
【0007】すなわち本発明は、 (A)窒素気流下にて230℃で60分間加熱した時の
ホルムアルデヒドガス発生量が500ppm以下である
ポリオキシメチレン共重合体100重量部と、 (B)空気気流下にて230℃で60分間加熱した時の
揮発成分量が5重量%以下であるヒンダードフェノール
系酸化防止剤0.05〜2重量部、又は場合により該ヒ
ンダードフェノール系酸化防止剤と空気気流下で60分
間加熱した時の揮発成分量が5重量%以下であるヒンダ
ードアミン系光安定剤との混合物0.05〜2重量部
と、 (C)ナトリウム、リチウムもしくはカリウムからなる
アルカリ金属の酸化物及びマグネシウム、ストロンチウ
ム、もしくはバリウムからなるアルカリ土類金属の酸化
物より選ばれる少なくとも1種の酸化物と、3価元素の
酸化物より選ばれる少なくとも1種の酸化物とよりなる
2種以上の酸化物を主成分とするイオン吸着体、および
下記一般式(1)で表わされるイオン吸着体から選ばれ
る少なくとも1種のイオン吸着体0.002〜0.3重
量部とからなるモールドデポジットの改良されたポリア
セタール樹脂組成物を提供するものである。
【0008】 M11−x2x(OH)n− x/n・mHO ・・・(1) (式中、Mはアルカリ土類金属より選ばれる少なくと
も1種の2価金属を示し、Mは3価金属を示し、A
n−はn価のアニオンを示す。xは0<x≦0.5であ
り、mは正の数である。)以下本発明を詳細に説明す
る。
【0009】本発明の組成物に用いられるポリオキシメ
チレン共重合体(A)は該ポリオキシメチレン共重合体
を窒素気流下にて230℃で60分間加熱した時のホル
ムアルデヒドガス発生量が500ppm以下であること
が必要である。ホルムアルデヒドガス発生量が500p
pmを越える場合にはホルムアルデヒド臭とモールドデ
ポジットの抑制効果が不充分となる。好ましくは300
ppm以下である。
【0010】この様なポリオキシメチレン共重合体はホ
ルムアルデヒドもしくはトリオキサンと環状エーテル、
環状ホルマールとの共重合によって得られるポリオキシ
メチレン共重合体を、重合直後に分子末端の安定化処理
を行ない、その後溶融状態で水もしくはアルコールま
たはそれらの混合物を注入・混練する工程及び注入さ
れた上記水酸基含有化合物の蒸気および遊離のホルムア
ルデヒドを解放する脱揮工程の少なくとも2段階の工程
からなる異方向回転非かみ合型2軸スクリュー押出機に
連続的に供給し、処理することにより、溶融したポリオ
キシメチレン共重合体から揮発成分を除去することによ
って得られる。又水もしくはアルコールまたはそれらの
混合物を注入・混練する際に、pH調節剤としてトリエ
チルアミン等の塩基を添加するのが好ましい。
【0011】本発明の組成物において(A)成分として
用いられるポリオキシメチレン共重合体は、ホルムアル
デヒドもしくはトリオキサンと環状エーテル、環状ホル
マールとの共重合によって得られるオキシメチレン単位
−(CHO)−からなる連鎖中に下記一般式(2)で
表わされるオキシアルキレン単位がランダムに挿入され
た構造を有するポリオキシメチレン共重合体である。
【0012】
【化1】 (式中のR及びRは、それぞれ水素原子、アルキル
基、又はアリール基であり、それらは同一であっても異
なっていてもよく、nは2〜6の整数である)
【0013】又、本発明に用いられるポリオキシメチレ
ン共重合体には分子鎖の分岐化された分岐ポリオキシメ
チレン共重合体、及びオキシメチレンの繰り返えし単位
を50重量%以上含む異種成分ブロックとのポリオキシ
メチレンブロックコポリマーも含まれる。
【0014】なおポリオキシメチレン共重合体中の前記
オキシアルキレン単位の挿入率は、オキシメチレン単位
100モルに対し、0.05〜50モル、好ましくは
0.1〜20モルの範囲である。該オキシアルキレン単
位としては例えばオキシエチレン単位、オキシプロピレ
ン単位、オキシテトラメチレン単位、オキシブチレン単
位、オキシフェニルエチレン単位等が挙げられる。これ
らのオキシエチレン単位の中でもポリアセタール樹脂組
成物の物性を向上させる点から、オキシエチレン単位−
〔(CHO〕−及びオキシテトラメチレン単位−
(CHO〕−が特に好ましい。
【0015】本発明で用いられるポリオキシメチレン共
重合体の分子末端の安定化処理方法としては例えば末端
のヒドロキシル基をエステル化、エーテル化、ウレタン
化等とする方法、あるいは、分子末端の不安定部分を加
水分解によって分子末端の安定化を図る方法が用いられ
る。
【0016】本発明の(B)成分として用いられるヒン
ダードフェノール系酸化防止剤、あるいはヒンダードア
ミン系光安定剤とは、該化合物を空気気流下にて230
℃で60分間加熱した時の揮発成分量が5重量%以下の
化合物であり、ヒンダードフェノール系酸化防止剤とし
好適に用いられる該化合物の具体例としては、1,
3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ
−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、ト
リエチレングリコール−ビス〔3−(3−t−ブチル−
5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネー
ト〕、3,9−ビス〔1,1−ジメチル−2−{β−
(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニ
ル)プロピオニルオキシ}エチル〕−2,4,8,10
テトラオキサスピロ〔5,5〕ウンデカン、ペンタエリ
スリチル−テトラキス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル
−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、N,
N′−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−t−ブチル−
4−ヒドロキシ−ヒドロシンナアミド)、1,6−ヘキ
サンジオール−ビス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−
4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、1,3,
5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t
−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、N,
N′−ビス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒド
ロキシフェニル)プロピオニル〕ヒドラジン、1,3,
5−トリス(4−t−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6
−ジメチルベンジル)イソシアヌル酸等のヒンダードフ
ェノール系酸化防止剤が挙げられる。
【0017】特に好ましくは、トリエチレングリコール
−ビス〔3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒド
ロキシフェニル)プロピオネート〕、ペンタエリスリチ
ル−テトラキス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−
ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、3,9−ビス
〔1,1−ジメチル−2{β−(3−t−ブチル−4−
ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキ
シ)エチル}−2,4,8,10テトラオキサスピロ
〔5,5〕ウンデカン、1,3,5−トリス(4−t−
ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)
イソシアヌル酸が用いられる。
【0018】またヒンダードアミン系光安定剤として
は、2−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベ
ンジル)−2−n−ブチルマロン酸ビス(1,2,2,
6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)、1−〔2−
〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェ
ニル)プロピオニルオキシ〕エチル〕−4−〔3−
(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)
プロピオニルオキシ〕−2,2,6,6−テトラメチル
ピペリジン、コハク酸ジメチル−1−(2−ヒドロキシ
エチル)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメ
チルピペリジン重縮合物、ポリ〔(6−(1,1,3,
3−テトラメチルブチル)イミノ−1,3,5−トリア
ジン−2,4−ジイル〕〔(2,2,6,6−テトラメ
チル−4−ピペリジル)イミノ〕ヘキサメチレン
〔(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)
イミノ)〕、N,N′−ビス(3−アミノプロピル)エ
チレンジアミン/2,4−ビス〔N−ブチル−N−
(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジ
ル)アミノ〕−6−クロロ−1,3,5−トリアジン縮
合物等のヒンダードアミン系光安定剤が挙げられる。
【0019】本発明に用いられるヒンダードフェノール
系酸化防止剤は単独であるいは1種以上を組合せて用い
てもよい。又ヒンダードアミン系光安定剤はヒンダード
フェノール系酸化防止剤との組合せで用いられ、この場
合にも各々1種以上を組合せて用いてもよい。又、その
配合量は(A)成分のポリオキシメチレン共重合体10
0重量部に対して、0.05〜2重量部、好ましくは
0.1〜1重量部である。
【0020】配合量が0.05重量部未満の場合にはポ
リアセタール樹脂組成物の熱安定性が低下し本発明の目
的を達成できない。又2重量部を越える場合にはモール
ドデポジットが不良となる。又、ヒンダードフェノール
系酸化防止剤とヒンダードアミン系光安定剤との組合せ
で用いられる場合のヒンダードフェノール系酸化防止剤
の配合量は本発明の効果を発揮するためには0.05重
量部以上必要である。
【0021】本発明の(C)成分として用いられるイオ
ン吸着体の1つとしては、ナトリウム、リチウム、もし
くは、カリウムからなるアルカリ金属の酸化物及びマグ
ネシウム、ストロンチウム、もしくはバリウムからなる
アルカリ土類金属の酸化物より選ばれる少なくとも1種
の酸化物と、3価元素の酸化物より選ばれる少なくとも
1種の酸化物とよりなる2種以上の酸化物を主成分とす
るイオン吸着体がある。アルカリ金属の酸化物の例とし
てはNaO,KO,LiO等が挙げられ、好適には
NaOが挙げられる。アルカリ土類金属の酸化物の例
としては、BaO,MgO,SrO等が挙げられ、好適
にはMgOが挙げられる。さらに3価元素の酸化物とし
ては、Alが挙げられる。
【0022】これらの酸化物より選ばれる少なくとも2
種の酸化物を主成分とするイオン吸着体として、好適に
は、2.5MgO・Al・nHO,NaO・
Al・nHO,Mg0.7Al0.3
1.15,Mg0.75Al0.251.125等が
挙げられる。さらに、本発明で用いられる他のイオン吸
着体としては、下記一般的(1)のイオン吸着体があ
る。
【0023】 M11−x2x(OH)n− x/n・mHO ・・・(1) 上記式(1)において、Mはアルカリ土類金属より選
ばれる少なくとも1種の2価金属を示し、好ましい例と
しては、Mg、Caを挙げることができる。上記式
(1)において、Mは、3価金属であり、B、Al、
Ga、In、Tl等を示し、好ましい例としてはAlを
挙げることができる。
【0024】さらに、上記式(1)に於てAn−はn価
のアニオンを示し、例えばCO 2−、OH、HCO
、HPO 、NO 、Iサリチル酸イオン
、クエン酸イオン、酒石酸イオン等である。好ま
しい例としてはCO 2−、OHを挙げることがで
き、このようなイオン吸着体の具体的な例としては、例
えばMg0.75Al0.25(OH)(CO
0.125・0.5HOで示される天然ハイドロタル
サイト、Mg4.5Al(OH)13CO・3.5
O、MgAl(OH)16CO・4HO等
で示される合成ハイドロタルサイト等がある。なお、以
上2種類のイオン吸着体のうち、前者、即ち2種の酸化
物を主成分とするものの方が後者のものより、より好ま
しい。
【0025】本発明で用いられるイオン吸着体の粒径は
特に限定されないが、分散性を向上させるために、10
0μm以下が好ましい。又、イオン吸着体はポリオキシ
メチレン共重合体との相溶性、分散性等を向上させるた
めに、表面処理剤で表面処理をしていてもよく、表面処
理剤としては、2〜30個の炭素原子と少なくとも1個
の−COOH基を有する有機酸及び/又は2〜30個の
炭素原子を有するアルコール(1級、2級又は3級アル
コール)及び前記2者とアルカリ金属、アルカリ土類金
属、アルミニウムよりなる群から選ばれた金属とから構
成される金属塩等があり、例えばステアリン酸、リノー
ル酸、オレイン酸、ラウリン酸、ステアリン酸ソーダ、
ステアリン酸マグネシウム、オレイン酸ソーダ等を挙げ
ることができる。
【0026】さらに、本発明におけるイオン吸着体は、
脱結晶水処理をしていてもよく、脱結晶水処理は、例え
ば約110℃〜約400℃の温度で約1〜40時間空気
中又はN、He、O、CO等の雰囲気中で処理す
る方法で容易に行なうことができる。上記のイオン吸着
体は1種を用いてもよいし、また、2種以上を組合せて
用いてもよい。その配合量は(A)成分のポリオキシメ
チレン共重合体100重量部に対して0.002〜0.
3重量部、好ましくは、0.005〜0.1重量部であ
る。配合量が0.002重量部未満の場合には、成形加
工時におけるモールドデポジットの抑制効果が充分に発
揮されず、又0.3重量部を越える場合にはポリアセタ
ール樹脂組成物の熱安定性の低下を来たすと共にモール
ドデポジットの発生が促進されるために好ましくない。
【0027】本発明のポリアセタール樹脂組成物は、
(A)成分のポリオキシメチレン共重合体と、(B)成
分であるヒンダードフェノール系酸化防止剤、ヒンダー
ドアミン系光安定剤及び(C)成分であるイオン吸着体
との相乗効果によって本発明の目的とする効果が発現出
来るものであり、又、本発明のポリアセタール樹脂組成
物は、前記(B)成分である、ヒンダードフェノール系
酸化防止剤、ヒンダードアミン系光安定剤と(C)成分
であるイオン吸着体の二者を組合せることによってのみ
本発明の目的とする効果を得ることができるのであり、
いずれか1種を欠いても本発明の目的を達成することが
できない。
【0028】本発明の組成物においては慣用されている
熱安定剤(ホルムアルデヒド補足剤)を添加することが
できる。この熱安定剤としては、例えばポリアミド樹
脂、アミド化合物、尿素誘導体、トリアジン誘導体、ウ
レタン化合物等が挙げられ、具体的には、ジアミンとジ
カルボン酸との縮合、アミノ酸の縮合、ラクタムの開環
重合等によって得られるナイロン6、ナイロン11、ナ
イロン12、ナイロン66、ナイロン6・10、ナンロ
ン6/6・10、ナイロン6/6・6、ナイロン6・6
/6・10、ナイロン6/6・6/6・10あるいはポ
リβ−アラニン等のポリアミド樹脂、脂肪族モノカルボ
ン酸、ジカルボン酸又は芳香族モノカルボン酸、ジカル
ボン酸と脂肪族モノアミン、ジアミン、又は芳香族モノ
アミン、ジアミンとから生成されるステアリルステアリ
ン酸アミド、ステアリルオレイン酸アミド、ステアリル
エルカ酸アミド、エチレンジアミン−ジステアリン酸ア
ミド、エチレンジアミン−ジベヘニン酸アミド、ヘキサ
メチレンジアミン−ジステアリン酸アミド、エチレンジ
アミン−ジオレイン酸アミド、エチレンジアミン−ジエ
ルカ酸アミド、キシリレンジアミン−ジエルカ酸アミ
ド、ジ(キシリレンジアミン−ステアリン酸アミド)セ
バシン酸アミド等のアミド化合物、N−フェニル尿素
N,N′−ジフェニル尿素、N−フェニルチオ尿素、
N,N′−ジフェニルチオ尿素等の尿素誘導体、メラミ
ン、ベンゾグアナミン、N−フェニルメラミン、メレ
ム、N,N′−ジフェニルメラミン、N−メチロールメ
ラミン、N,N′−トリメチロールメラミン、2,4−
ジアミノ−6−シクロヘキシルトリアジン、メラム等の
トリアジン誘導体等である。
【0029】これらの熱安定剤は1種用いてもよく、2
種以上組合せて用いてもよい。これらの熱安定剤の中で
もナイロン66、ポリβ−アラニン、エチレンジアミン
−ジステアリン酸アミド、エチレンジアミン−ジベヘニ
ン酸アミド、エチレンジアミン−ジエルカ酸アミド、ジ
(キシリレンジアミン−ステアリン酸アミド)セバシン
酸アミド等が好適である。さらに本発明の組成物には、
所望に応じて他の添加剤、例えば滑剤、離型剤、帯電防
止剤、あるいはガラス繊維等の無機充てん剤や炭素繊維
等の補強剤、顔料等を所望に応じて配合することができ
る。
【0030】上記熱安定剤や他の添加剤は、本発明の目
的効果を損なわないためにも、ポリオキシメチレン共重
合体に対して分解作用の低い添加剤、あるいは熱安定剤
又は他の添加剤自体の熱安定性が高いものであることが
望ましい。本発明の組成物においては、(A)成分のポ
リオキシメチレン重合体に対して配合される前記各成分
との混合は、通常用いられている溶融混合法によって行
なうことができ、又熱安定剤や、他の添加剤と併用する
場合は、これらと同時に溶融混合してもよい。又添加さ
れる各成分の添加形態は、粉体であっても溶融状態であ
ってもよい。
【0031】
【発明の効果】本発明のポリアセタール樹脂組成物は、
従来のポリアセタール樹脂にくらべ、成形加工時のホル
ムアルデヒド臭と金型表面に付着するモールドデポジッ
トが極めて少ないため、作業環境が大幅に改善されると
同時に長時間の連続成形が可能となり、生産性の向上に
大きく寄与することができる。
【0032】
【実施例】次に実施例により本発明をさらに詳細に説明
するが、本発明はこれらの例によって何ら限定されるも
のではない。なお実施例及び比較例における組成物の各
特性は次のようにして求めた。 (1)連続成形によるモールドデポジットの評価 射出成形機 東洋機械金属(株)製 Ti−30
G 射出圧力 500Kg/cm 射出速
度 60% シリンダー温度 225℃ 射出時間 6sec 冷却 4sec 金型温度 40℃ 成形品 長さ35mm、巾14mm、厚さ2
mm 金型 ピンゲート金型
【0033】上記条件下で連続的に成形し、5000シ
ョット実施後、金型に付着しているモールドデポジット
の状態を肉眼で観察し、次の判定基準に従って評価し
た。 ◎ ;モールドデポジットが全く認められない。 ○ ;モールドデポジットがほとんど認められない。 △ ;モールドデポジットがうっすらと認められる。 × ;モールドデポジットがはっきりと認められる。 ××;モールドデポジットが金型全面に厚く付着してい
る。
【0034】(2)ホルムアルデヒドガス発生量 3gのポリオキシメチレン重合体をアルミニウム製容器
に入れ、窒素気流下(6N/MIN)で230℃で6
0分間溶融加熱した時に発生したホルムアルデヒドガス
を1mol/リットルの亜硫酸ナトリウム溶液に導入
し、0.01規定の塩酸で滴定して、発生したホルムア
ルデヒドガスの発生量を測定した。サンプル単位重量当
りのppmで表わした。
【0035】(3)揮発成分量 理学(株)製熱天秤を用い、電気炉にサンプルを50m
gと空気5N/hrをフィードし、40℃から20℃
/分の割合で昇温させる。230℃になってから60分
間加熱し、その時のサンプル重量減少率を測定した。こ
の値が小さいほど揮発成分量が少ない。
【0036】(4)熱安定性 ギヤオーブン〔(株)田葉井製作所、GPS−222
型、排気ダクト20°開放〕を用いて140℃×400
時間の長期熱風試験を行なった。評価については初期成
形品と滞留後成形品について、引張伸度(測定はAST
M D−638に準拠)を測定し、下記式によりその保
持率を求めた。この値が大きいほど熱安定性に優れる。 保持率(%)=滞留成形品の引張伸度/初期成形品の引
張伸度×100
【0037】(5)成形品のホルムアルデヒド溶出量 成形直後の試験片を200mlの純水に浸し、95℃で
3時間抽出操作を行ない、その溶液についてアセチルア
セトンによる比色法で成形品から溶出るしたホルムアル
デヒドの定量を行なった。成形品単位重量当りのppm
で表わした。この値が低いほどホルムアルデヒド臭が少
ない。又、表中の記号は次のものを示す。
【0038】ビンダードフェノール A−1;トリエチレングリコール−ビス〔3−(3−t
−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロ
ピオネート〕 A−2;ペンタエリスリチル−テトラキス〔3−(3,
5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピ
オネート〕 A−3;3,9−ビス〔1,1−ジメチル−2{β−
(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニ
ル)プロピオニルオキシ}エチル〕−2,4,8,10
テトラオキサスピロ〔5,5〕ウンデカン A−4;2,2′−メチレンビス(4−メチル−6−t
−ブチルフェノール) A−5;2−t−ブチル−6−(3′−t−ブチル−
5′−メチル−2′−ヒドロキシベンジル)4−メチル
フェニルアクリレート A−6;1,3,5−トリス(4−t−ブチル−3−ヒ
ドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)イソシアヌル
酸。
【0039】ヒンダードアミン L−1;ポリ[〔6−(1,1,3−テトラメチルブチ
ル)イミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイ
ル〕〔(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジ
ル)イミノ〕ヘキサメチレン〔(2,2,6,6,−テ
トメチル−4−ピペリジル)イミノ〕] L−2;N,N′−ビス(3−アミノプロピル)エチレ
ンジアミン/2,4−ビス〔N−ブチル−N−(1,
2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)アミ
ノ〕−6−クロロ−1,3,5−トリアジン縮合物 L−3;1−[2−〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−
4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ〕エチ
ル]−4−〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒド
ロキシフェニル)プロピオニルオキシ〕−2,2,6,
6−テトラメチルピペリジン L−4;ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピ
ペリジル)セバケート L−5;ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4
−ピペリジル)セバケート
【0040】〔参考例〕(ホルムアルデヒドガス発生量
が500ppm以下であるポリオキシメチレン共重合体
の調整) ホルムアルデヒドガス発生量が500ppm以下である
ポリオキシメチレン共重合体は、例えば、あらかじめ、
分子末端が加水分解処理等によって安定化されたポリオ
キシメチレン共重合体を溶融状態で水もしくはアルコ
ールまたはそれらの混合物を注入・混練する工程、及び
注入された上記水酸基含有化合物の蒸気及び遊離のホ
ルムアルデヒドを解放する脱揮工程、の少なくとも2段
階の工程からなる異方向回転非かみ合型2軸スクリュー
押出機に連続的に供給し、処理することによって得られ
る。
【0041】図1は、異方向回転2軸スクリューの断面
説明図である。図2は、非かみ合型スクリューの斜視図
である。図3は、安定化されたポリオキシメチレン共重
合体が、異方向回転非かみ合型2軸スクリュー押出機で
処理される工程を示した概略図である。図3の供給口
(1)から溶融加水分解されたオキシメチレン共重合体
が供給される。揮発性物質はリアベント(2)及びベン
ト(3)より除去される。トリエチルアミンを含む水が
注入口(4)より供給される。揮発性物質はベント
(5)より除去される。次に、注入口(6)よりトリエ
チルアミンを含む水溶液が供給・混練される。揮発性物
質はベント(7)より除去される。溶融ポリマーはダイ
(8)を通って排出される。
【0042】以下ホルムアルデヒドガス発生量が500
ppm以下であるポリオキシメチレン共重合体の製造方
法の一例を示す。 (1)トリオキサンから誘導されたオキシメチレン単位
(−OCH−)97.8重量%と1,3−ジオキソラ
ンから誘導されるオキシエチレン単位(−OCHCH
−)2.2重量%とを含有するポリオキシメチレン共
重合体を三フッ化ホウ素ジブチルエーテルを触媒として
調整し、米国特許3,318,848号明細書記載の方
法(200℃,0.1%のNHを含む、60/40
メチルアルコール/水の溶液で加水分解処理を行な
う。)により加水分解処理を行ない、分子末端の安定化
を行なった。
【0043】(2)上記方法により調整されたメルトイ
ンデックス9.1g/10分、ホルムアルデヒドガス発
生量が4100ppmのポリオキシメチレン共重合体を
溶融状態で図3に示した内径30mm、L/D=48よ
りなる異方向回転非かみ合型2軸スクリュー押出機に供
給口(1)より毎時30Kgで供給した。溶融ポリマー
の供給温度は、210℃であった。リアベント(2)の
減圧度は150mmHgとし、ベント(3)の減圧度は
30mmHgとし揮発成分を除去した。注入口(4)よ
り15重量%のトリエチルアミンを含む水溶液を毎時1
Kgで注入し混練した。次いでベント(5)の減圧度を
50mmHgとし、揮発物を除去した。次いで注入口
(6)より15重量%のトリエチルアミン含む水溶液を
毎時0.5Kg注入した。その後ベント(7)より減圧
度30mmHgで揮発物を除去した。溶融樹脂はダイヘ
ッドより排出されストランドカッターによりペレットに
した。又押出工程を通して溶融樹脂温度は210℃に保
持した。得られたポリオキシメチレン共重合体のホルム
アルデヒドガス発生量は150ppmであった。
【0044】なお、上記製造条件を変えることで種々の
ホルムアルデヒドガス発生量が500ppm以下のポリ
オキシメチレン共重合体を調整できる。例えば、 (3)前記製造条件において、リアベント(2)、ベン
ト(5)を閉じ、注入口(6)を閉じてトリエチルアミ
ンを含む水溶液の注入を止め、ベント(3)の減圧度2
00mmHg、べント(7)の減圧度を30mmHgと
した他は前記製造方法と同じ操作を行なったところ、ホ
ルムアルデヒドガス発生量が410ppmであるポリオ
キシメチレン共重合体を得た。
【0045】(実施例1〜23,比較例1〜20)第1
表に示すホルムアルデヒドガス発生量を有するポリオキ
シメチレン共重合体(トリオキサン96.3重量%と
1,3−ジオキソラン3.7重量%との共重合により得
られた重合体)100重量部に、第1表に示した揮発成
分量を有する(B)成分であるヒンダードフェノール系
酸化防止剤、ヒンダードアミン系光安定剤、(C)成分
であるイオン吸着体を第1表に示す添加量で添加し、ヘ
ンシェルミキサーにより、均質に混合した。次いでこの
混合物を50φ押出機に通し、溶融混練し、ダイヘッド
からストランドとして得た。得られたストランドは、た
だちに切断してペレットとし、ポリアセタール樹脂組成
物を得た。得られたポリアセタール樹脂組成物を乾燥
後、各特性の評価を実施し、その結果を第1表に示し
た。なお、実施例、比較例で用いたイオン吸着体の粒径
は以下の粒径のものを用いた。
【0046】 Mg0.75Al0.251.125 ; 2〜9μm Mg0.7 Al0.3 1.15 ; 2〜9μm 2.5MgO・Al・nHO ; 40〜70μm Al・NaO・nHO ; 40〜70μm Mg4.5Al(OH)13CO・3.5HO ; 40〜70μm MgO・1.5SiO・nHO ; 20〜40μm Mg0.7Al0.3(OH)(CO0.15・3.5HO ; 40〜70μm
【0047】第1表の結果より次のことがわかる。 いずれの実施例においても成形加工時におけるホル
ムアルデヒド臭も少なく、又モールドデポジットの発生
量においても優れた効果を有している。 比較例1〜4はポリオキシメチレン共重合体のホル
ムアルデヒドガス発生量が過多であるためモールドデポ
ジットが著しく不良であった。 比較例5〜6は、ヒンダードフェノール系酸化防止
剤の添加量が過多であるためにモールドデポジットの発
生量が著しく増加した。 比較例7はヒンダードフェノール系酸化防止剤の添
加量が過少であるために熱安定性が低下し、ホルムアル
デヒド臭が強くなると共にモールドデボジットの発生量
が著しく増加した。 比較例8〜11はヒンダードフェノール系酸化防止
剤、ヒンダードアミン系光安定剤の揮発成分量が過多で
あるためにモールドデポジットの発生量が著しく増加し
た。
【0048】 比較例12〜13はイオン吸着体の添
加量が過多であるために熱安定性が低下し、ホルムアル
デヒド臭が強くなると同時にモールドデポジットの発生
量が著しく増加した。 比較例14はイオン吸着体の添加量が過少であった
ためにモールドデポジット発生量の抑制効果が低下し
た。 比較例15〜17はイオン吸着体が添加されていな
いためにモールドデポジットの発生量が抑制されずモー
ルドデジットが著しく増加した。 比較例18〜19はフェノール系酸化防止剤が添加
されていないため熱安定性が大幅に低下すると共にホル
ムアルデヒド臭が極めて強くなりモールドデポジットの
発生量も大幅に増加した。
【0049】(10) 比較例20は特開昭63−56
552号公報に開示されているアルカリ土類金属珪酸塩
を添加したものであり、該公報の方法では本願の目的と
する効果は得られなかった。 (11) 比較例21は特公平2−50948号公報に
開示されているハイドロタルサイトを添加したものであ
り、該公報の方法では本願の目的とする効果は得られな
かった。
【0050】
【表1】
【0051】
【表2】
【0052】
【表3】
【0053】
【表4】
【0054】
【表5】
【図面の簡単な説明】
【図1】異方向回転2軸スクリューの断面説明図。
【図2】非かみ合型スクリューの斜視図。
【図3】異方向回転非かみ合型2軸スクリュー押出機を
使用した揮発物の脱揮態様を示す概略図。
【符号の説明】
1 流路 2 リアベント 3 ベント 4 注入口 5 ベント 6 注入口 7 ベント 8 ダイ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C08L 59/00 - 59/04 C08K 3/20 C08K 3/22 C08K 5/13 C08K 5/17 - 5/19

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)窒素気流下にて230℃で60分
    間加熱した時のホルムアルデヒドガス発生量が500p
    pm以下であるポリオキシメチレン共重合体100重量
    部と、 (B)空気気流下にて230℃で60分間加熱した時の
    揮発成分量が5重量%以下であるヒンダードフェノール
    系酸化防止剤0.05〜2重量部と、 (C)ナトリウム、リチウムもしくはカリウムからなる
    アルカリ金属の酸化物及びマグネシウム、ストロンチウ
    ム、もしくはバリウムからなるアルカリ土類金属の酸化
    物より選ばれる少なくとも1種の酸化物と、3価元素の
    酸化物より選ばれる少なくとも1種の酸化物とからなる
    2種以上の酸化物を主成分とするイオン吸着体、及び下
    記一般式(1) で表わされるイオン吸着体から選ばれる少なくとも1種
    のイオン吸着体0.002〜0.3重量部とからなるモ
    ールドデポジットの改良されたポリアセタール樹脂組成
    物。 M11−x2x(OH)n− x/n・mHO ・・・(1) (式中、Mはアルカリ土類金属より選ばれる少なく
    とも1種の2価金属を示し、Mは3価金属を示し、A
    n−はn価のアニオンを示し、xは0<x0.5、m
    は正の数を表す。)
  2. 【請求項2】 空気気流下にて230℃で60分間加熱
    した時の揮発成分量が5%以下であるヒンダードアミン
    光安定剤0.05〜2重量部を含有してなる請求項1
    記載のポリアセタール樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 (A)成分が窒素気流下にて230℃で
    60分間加熱した時のホルムアルデヒドガス発生量が3
    00ppm以のポリオキシメチレン共重合体である請求
    項1記載のポリアセタール樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 (B)成分のヒンダードフェノール系酸
    化防止剤がトリエチレングリコール−ビス〔3−(3−
    t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プ
    ロピオネート、ペンタエリスリチル−テトラキス〔3−
    (3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)
    プロピオネート〕、3,9−ビス〔1,1−ジメチル−
    2{β−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチ
    ルフェニル)プロピオニルオキシ}エチル〕−2,4,
    8,10テトラオキサスピロ〔5,5〕ウンデカン、
    1,3,5−トリス(4−t−ブチル−3−ヒドロキシ
    −2,6−ジメチルベンジル)イソシアヌル酸である請
    求項1記載のポリアセタール樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 (C)成分のイオン吸着体が、ナトリウ
    ム、リチウム、もしくはカリウムからなるアルカリ金属
    の酸化物及びマグネシウム、ストロンチウム、もしくは
    バリウムからなるアルカリ土類金属の酸化物より選ばれ
    る少なくとも1種の酸化物と、3価元素の酸化物より選
    ばれる少なくとも1種の酸化物とからなる2種以の酸化
    物を主成分とするイオン吸着体である請求項1記載のポ
    リアセタール樹脂組成物。
  6. 【請求項6】 (C)成分のイオン吸着体の粒径が10
    0μm以下である請求項1記載のポリアセタール樹脂組
    成物。
  7. 【請求項7】 アルカリ金属の酸化物がNaOであ
    る請求項5記載のポリアセタール樹脂組成物。
  8. 【請求項8】 アルカリ土類金属の酸化物がMgOであ
    る請求項5記載のポリアセタール樹脂組成物。
  9. 【請求項9】 3価元素の酸化物がAlである請
    求項5記載のポリアセタール樹脂組成物。
  10. 【請求項10】 イオン吸着体が2.5MgO・Al
    ・nHO、Al・NaO・nHO、M
    0.7Al0.31.15、Mg0.75Al
    0.251.125から選ばれたものである請求項1
    記載のポリアセタール樹脂組成物。
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