JP3706251B2 - 成形用ポリオキシメチレン樹脂材料の製造方法 - Google Patents

成形用ポリオキシメチレン樹脂材料の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP3706251B2
JP3706251B2 JP18412998A JP18412998A JP3706251B2 JP 3706251 B2 JP3706251 B2 JP 3706251B2 JP 18412998 A JP18412998 A JP 18412998A JP 18412998 A JP18412998 A JP 18412998A JP 3706251 B2 JP3706251 B2 JP 3706251B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
molding
resin material
copolymer
formaldehyde
polyoxymethylene
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP18412998A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2000017143A (ja
Inventor
英樹 二ノ倉
訓之 杉山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Polyplastics Co Ltd
Original Assignee
Polyplastics Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Polyplastics Co Ltd filed Critical Polyplastics Co Ltd
Priority to JP18412998A priority Critical patent/JP3706251B2/ja
Publication of JP2000017143A publication Critical patent/JP2000017143A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3706251B2 publication Critical patent/JP3706251B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、成形特性、特に成形時のホルムアルデヒドガス発生量、金型付着物の発生及び成形品の変色等が改善された成形用ポリオキシメチレン樹脂材料に関するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
ポリオキシメチレンは、ホルムアルデヒド又はその環状オリゴマーであるトリオキサンの重合或いはトリオキサンと環状エーテル、環状ホルマール等のコモノマーとの共重合によって製造され、その末端が安定化処理されたのち、酸価防止剤及びその他の熱安定剤等が添加されて分解の防止が図られている。
ポリオキシメチレンに添加される酸化防止剤としては、立体障害性フェノール化合物又は立体障害性アミン化合物が、その他の熱安定剤としては、ポリアミド、尿素誘導体、アミジン化合物、アルカリ金属又はアルカリ土類金属の水酸化物等が提案されており、これらの安定剤を適宜組み合わせて配合したポリオキシメチレン樹脂組成物が成形用材料として実用に供されてきた。
しかしながら、これらの安定剤を配合したポリオキシメチレン樹脂組成物でもなお、成形の際に成形機のシリンダー中で熱や酸素の作用を受けて重合体の末端或いは主鎖が分解しホルムアルデヒドガスが発生することを、完全に防止することは困難である。かかるホルムアルデヒドガスは、長時間の成形において金型キャビティ内に微粉状、タール状の蓄積物(以下、MDと称する)となって付着して成形品外観の悪化を招いたり、作業環境を損ねる等の要因になるものであり、近年、成形効率が追求され、また、作業環境に対する関心が高まる中で、ホルムアルデヒドガス発生のより一層の低減が望まれる傾向にある。
このような要求に対して、これまでに安定剤、添加剤等の組合せによる種々の改善提案がなされてきているにも関わらず、必ずしも満足な結果は得られていない。また、機械的特性や静的熱安定性の改善を目的として、ポリオキシメチレンに立体障害性フェノール系酸化防止剤及びα−オレフィンとα,β−エチレン性不飽和カルボン酸とのコポリマーのイオン性塩を配合した組成物が提案されている(特開昭61−145245号公報、特開昭62−212452号公報)。しかしながら、成形時の樹脂の挙動は極めて複雑であり、本発明者が検討したところ、ポリオキシメチレンに単にこれらの物質を配合しただけでは、本発明の目的とする成形特性、即ち成形時のホルムアルデヒドガスの発生、MDの発生、成形品の変色、成形品中の黒色斑点状異物(以下、BSと称する)の発生の全てに対して改善効果のある樹脂材料が得られないか、もしくはこれらの特性をバランス良く改善することは難しく、しかもその再現性が得られないことが判明した。
本発明は、上記の如き成形特性を総合的に改善した樹脂材料を開発し、提供することを課題とする。
【0003】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討した結果、ポリオキシメチレンに配合する成分とその添加量の選択及び成形用樹脂材料に含有されるホルムアルデヒド量の制御が極めて重要であり、これらのをバランス良く制御することにより、上記課題の解決された優れた樹脂材料が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、成形時のホルムアルデヒドガス発生量の少ない成形用ポリオキシメチレン樹脂材料の製造方法であって、ポリオキシメチレン 100重量部に、(a)立体障害性フェノール系酸化防止剤0.01〜3重量部及び(b)α−オレフィンとα,β−エチレン性不飽和カルボン酸とのコポリマーのイオン性塩0.0001〜0.1 重量部を配合すると共に、その調製にあたり、押出機を使用し、水を添加して溶融混練し、押出機後部に設けられたベントからは減圧下で吸引することにより揮発成分を除去し、熱水抽出性ホルムアルデヒドの含有量100ppm以下まで減少させることを特徴とする成形用ポリオキシメチレン樹脂材料の製造方法に関するものである。
【0004】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の成形用ポリオキシメチレン樹脂材料について詳しく説明する。
本発明に用いるポリオキシメチレンとは、オキシメチレン基(-CH2O-) を主たる構成単位とする高分子化合物であり、実質的にオキシメチレン基のみからなるポリオキシメチレンホモポリマー、オキシメチレン基以外に他の構成単位を適量含有するコポリマー、ターポリマー、ブロックコポリマーの何れにてもよく、又、分子が線状のみならず分岐、架橋構造を有するものであってもよい。又、その重合度等に関しても、成形用樹脂材料の基体として使用できる程度のものである限り特に制約はない。
【0005】
次に本発明において使用される(a)立体障害性フェノール系酸化防止剤としては、2,2'−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、1,6 −ヘキサンジオール−ビス〔3−(3,5 −ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、ペンタエリスリトールテトラキス〔3−(3,5 −ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、トリエチレングリコールビス〔3−(3,5 −ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、トリエチレングリコール−ビス〔3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、1,3,5 −トリメチル−2,4,6 −トリス(3,5 −ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、n−オクタデシル−3−(4'−ヒドロキシ−3',5' −ジ−t−ブチルフェニル)プロピオネート、4,4'−メチレンビス(2,6 −ジ−t−ブチルフェノール)、4,4'−ブチリデンビス−(6−t−ブチル−3−メチルフェノール)、ジ−ステアリル−3,5 −ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホネート、2−t−ブチル−6−(3−t−ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシベンジル)−4−メチルフェニルアクリレート、N,N'−ヘキサメチレンビス(3,5 −ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナマミド)等が挙げられる。
本発明において添加配合される(a)立体障害性フェノール系酸化防止剤の量は、ポリオキシメチレン 100重量部に対して0.01〜3重量部、好ましくは0.05〜0.5 重量部である。この添加量が、過小の場合は充分なる効果が得られず、また過大の場合には、熱安定性の効果が飽和に達し、むしろ材料に変色傾向が生じ好ましくない。
【0006】
本発明において使用される(b)α−オレフィンとα,β−エチレン性不飽和カルボン酸とのコポリマーのイオン性塩は、米国特許第4,381,376 号明細書及び同第4,412,040 号明細書に開示されており、詳細についてはこの米国特許を参照できる。かかるコポリマー塩は、α−オレフィンとα,β−エチレン性不飽和カルボン酸とのコポリマーであるコポリマー酸を少なくとも部分的に中和することにより製造される。上記の不飽和カルボン酸は、モノカルボン酸でも、また2以上のカルボン酸基が結合した多価カルボン酸でもよい。この酸の中和は、原子価1〜3の金属カチオンよりなる群から選ばれた少なくとも1種のカチオンで行う。
α−オレフィンは好ましくはエチレンである。α−オレフィンに共重合させることのできるα,β−エチレン性不飽和カルボン酸は、好ましくは炭素数3〜8のものである。かかる酸の例としては、アクリル酸、メタクリル酸、エタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、ならびにジカルボン酸のモノエステル(例、マレイン酸水素エチル、フマル酸水素メチル、フマル酸水素エチル)、さらには無水マレイン酸が挙げられる。無水マレイン酸は酸と同様の挙動を示すと考えられ、本発明にあっては酸に含める。
好ましいコポリマー酸はエチレンと炭素数3〜6のα,β−エチレン性不飽和モノカルボン酸とのコポリマーである。特に好ましいα,β−エチレン性不飽和モノカルボン酸はアクリル酸、メタクリル酸である。エチレン−α,β−エチレン性不飽和モノカルボン酸コポリマーの酸価は約1〜180 、好ましくは約40〜160 、特に好ましくは約40〜120 の範囲内である。ここで、酸価はコポリマー1gを中和するのに要する水酸化カリウムのmg数で求められる。この値が過小の場合には充分なる効果が得られず、また過大の場合には、むしろ変色傾向が生じ好ましくない。
本発明で用いるコポリマー塩を製造するのに使用されるコポリマー酸は、当該技術分野で公知の任意の適当な方法により製造できる。適当な方法の1例は、米国特許第3,658,741 号明細書に記載されている。
このコポリマー酸の中和には、原子価1〜3のカチオンを使用できる。好ましくは、この中和に使用する金属カチオンは、元素周期表のIA、IIAおよびIII A属金属ならびに遷移金属元素よりなる群から選ばれた金属から誘導したカチオンである。好ましい金属カチオンは、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、バリウム、亜鉛及びアルミニウムカチオンであり、より好ましくはマグネシウム、カルシウム、亜鉛であり、特に好ましくは亜鉛である。コポリマー酸は 100%まで中和することができるが、好ましくはコポリマー酸の中和度はカルボン酸基の10〜60%、より好ましくは10〜45%とする。
本発明において、かかる(b)コポリマー塩の添加量は、ポリオキシメチレン 100重量部に対して0.0001〜0.1 重量部、好ましくは 0.005〜0.05重量部である。かかる添加量は、後述する如く、成形用樹脂材料に含有されるホルムアルデヒド量と関連して、本発明の効果を達成する上で極めて重要な意味を持つものである。
本発明の成形用ポリオキシメチレン樹脂材料は、上記の如き成分を必須の配合成分として含有するものであるが、かかる組成要件に加え、樹脂材料に含まれる熱水抽出性ホルムアルデヒド量が100ppm以下であることを必須要件とする。
本発明において規定する熱水抽出性ホルムアルデヒド量は、下記の方法で測定したものと定義する。
[熱水抽出性ホルムアルデヒド]
ポリオキシメチレン樹脂材料から熱水によって抽出されるホルムアルデヒドを、樹脂材料に対する割合として示したものであり、具体的には次の方法で測定する。
先ず、成形用樹脂材料約50gを採取して精秤し、これを約80mlの水中に投入して還流下で90分間煮沸する。次に、これを冷却して、抽出水中に溶出したホルムアルデヒド量(絶対量)を求める。この抽出ホルムアルデヒド量を、成形用樹脂材料に対する割合として算出する。
このようにして測定される熱水抽出性ホルムアルデヒド量は、成形用樹脂材料中に遊離した形或いは遊離し易い形で存在するホルムアルデヒド量を知る目安になるものと考えられる。
本発明の成形用樹脂材料は、上記の方法で測定される熱水抽出性ホルムアルデヒド量が100ppm以下であることが必須であり、好ましくは70ppm 以下である。
かかる熱水抽出性ホルムアルデヒド量は、前記した配合成分(b)コポリマー塩及びその限定された少量の配合量と関連して、本発明の目的を達成し、バランスのとれた成形時の諸特性を得る上で重要な意味を持つものである。
即ち、(b)コポリマー塩の配合量が前記規定範囲内であっても、調製された成形用樹脂材料に含有される熱水抽出性ホルムアルデヒドの量が上記規定を超える場合は、本発明の目的とする効果を得ることができず、中でも成形時のホルムアルデヒドガスの発生やホルムアルデヒドに起因すると思われるMDの発生を抑えることができない。これは、成形時の加熱下において、熱水抽出性ホルムアルデヒドの如き遊離ホルムアルデヒドが酸化等によってギ酸となり、これがポリオキシメチレンの末端あるいは主鎖を分解して新たなホルムアルデヒドの発生を促進することを、規定範囲内の(b)コポリマー塩の配合量では抑制できないためと推測される。これに対し、規定量を超える熱水抽出性ホルムアルデヒドの含有に対応して前記規定量を超える(b)コポリマー塩を配合することは、成形時のホルムアルデヒドガスの発生を抑制する上では有効であるが、成形品の変色やBSの発生、更には配合成分(b)自身に起因すると思われるMDの発生を引き起こし、成形特性を著しく損ねることになる。
一方、熱水抽出性ホルムアルデヒドの含有量が上記規定を満足するように調製された成形用樹脂材料であっても、かかる成形用樹脂材料(b)コポリマー塩を含有しないか又はその配合量が上記規定より少ない場合は、微量とはいえ発生するギ酸とこれによる樹脂分解の加速を抑制する成分が十分に存在しないため、成形時のホルムアルデヒドガスの発生やホルムアルデヒドに起因すると思われるMDの発生を十分には抑えることができず、逆に規定量を超える(b)コポリマー塩の配合は、成形品の変色やBSの発生、更には配合成分(b)自身に起因すると思われるMDの発生を引き起こすことになる。
一般的に、成形時に加熱溶融された樹脂材料中で生じている現象は複雑であり、成形に関するある課題に対し、これを解決するための手段は容易には予測できないといっても過言でなく、上記の如き本発明の成形用ポリオキシメチレン樹脂材料は、前述した本発明の課題に鑑み本発明者が鋭意検討した結果達成した選択的なものである。
【0007】
本発明の成形用ポリオキシメチレン樹脂材料は上記の構成からなるものであるが、本発明の樹脂材料には目的に応じて公知の各種添加剤を更に配合し得る。例えば、窒素含有化合物、耐候(光)安定剤、摺動性改良剤、離型剤、帯電防止剤、各種の着色剤、核剤、界面活性剤、各種ポリマー等が挙げられる。また、公知の無機、有機の繊維状、板状、粉粒状等の充填剤を1種または2種以上複合させて配合することも可能であり、かかる充填剤の例としては、ガラス繊維、炭素繊維、アラミド繊維、チタン酸カリウム繊維、ガラスフレーク、ガラスビーズ、タルク、マイカ、ウォラストナイト等が挙げられる。
【0008】
本発明の成形用ポリオキシメチレン樹脂材料は、その調製にあたり特別な設備を必要とするものではなく、例えばポリオキシメチレンに各配合成分を混合後、一軸又は二軸の押出機により溶融・混練して押出しする等の方法が利用できるが、本発明の樹脂材料は前述の如く熱水抽出性ホルムアルデヒドの含有量が特定値以下であることを必須要件とするものであり、かかる要件を満たす樹脂材料を得るためには、ポリオキシメチレン中での新たなホルムアルデヒドの発生を抑制すること及びポリオキシメチレン中に含有されるかポリオキシメチレン中で発生したホルムアルデヒドを効率良く除去することが肝要である。具体的には、ポリオキシメチレンの分解による新たなホルムアルデヒドの発生を抑制するため、樹脂の溶融・混練を低剪断速度下あるいは可能な範囲で低温で行うこと、押出機等で溶融・混練中のポリオキシメチレン溶融物からホルムアルデヒドを効率良く除去するためにベント口の吸引をより高真空下で行うこと、ホルムアルデヒドの脱気除去を促進するために樹脂がベント口に至るまでの任意の段階で水等の揮発成分を加え、かかる揮発成分と共にホルムアルデヒドを除去すること、混練後、押出機等から排出される溶融樹脂を冷却するにあたり、許容される高温雰囲気下(温水、熱水、温風等)で冷却することにより、ホルムアルデヒドを温水、熱水中に溶出させたり、温風中に気化させること等が好ましい調製条件として挙げられる。また、(a)立体障害性フェノール系酸化防止剤を、ポリオキシメチレンの重合段階あるいは末端安定化段階で加えることも、ホルムアルデヒドの新たな発生を抑制する上で有効である。本発明の成形用ポリオキシメチレン樹脂材料は、上記の如き条件を適宜組み合わせて調製するのが好ましいが、このような調製方法のみに限定されるものではない。
【0009】
【実施例】
以下、実施例により、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。尚、実施例及び比較例において調製したポリオキシメチレン樹脂材料(ペレット状)の評価項目及びその評価方法は次の通りである。
1)ホルムアルデヒドガス発生量
約5gのペレット状樹脂材料を採取して正確に秤量し(A(g))、これを金属容器中に入れて 200℃で5分間保持する。その後、発生ホルムアルデヒドガスを含んだ容器内の雰囲気を脱イオン水中に吸収させる。この水中のホルムアルデヒド量をJIS K0102 2Lホルムアルデヒドの項に従って定量し(B(μg))、単位樹脂材料が発生するホルムアルデヒドガスの割合(C(ppm ))として計算した。
B(μg)/A(g)=C(ppm )
2)成形性(金型付着物の量)
試料ポリオキシメチレン樹脂材料を用いて、下記条件で略円板状成形品(直径30mm×厚さ2mm)を連続成形(24Hr)し、金型付着物の量(金型の汚れ)を目視観察にて下記5段階で評価した。
(成形条件)
射出成形機;東芝IS30EPN(東芝機械(株)製)
シリンダー温度; 210℃
射出圧力; 750kg/cm2
射出時間;4sec
冷却時間;3sec
金型温度;30℃
Figure 0003706251
3)成形性(成形品の色相及び成形品表面のBS発生状況)
試料ポリオキシメチレン樹脂材料を用いて、寸法70×50×3(mm)の平板を射出成形し、その成形品の外観を成形品の色相及び成形品表面のBSの有無で評価した。成形品の色相(L、a、b)は日本電色工業(株)製Z-300Aカラーセンサーで測定し、b値で評価した。また、成形品の表面のBSの有無は目視観察にて下記5段階で評価した。
Figure 0003706251
実施例1〜9
オキシメチレン共重合体(ポリプラスチックス(株)製、ジュラコン)100 重量部に、表1に示した(a)立体障害性フェノール系酸化防止剤、(b)α−オレフィンとα,β−エチレン性不飽和カルボン酸とのコポリマーのイオン性塩を表1に示した割合で添加混合した。この混合物を二軸押出機に供給し、溶融、混練後、ダイからストランド状にして取り出し、ストランドバスで冷却した後、細断してペレット状の成形用樹脂材料を得た。尚、かかる成形用樹脂材料の調製において、押出機のシリンダー温度は210 ℃に設定し、原料供給口からベント口までの約1/3の点に設けた注入口からオキシメチレン共重合体100 重量部に対して1重量部又は2重量部の割合の水を添加し、押出機後部に設けられたベントからは−700mmHg 又は−500mmHg の減圧下で吸引することにより揮発成分を除去した。ストランドバスの水温は50℃又は70℃とした。
得られた成形用樹脂材料について上記評価を行った。結果を表1に示す。
【0010】
比較例1〜4
表2に示すように、(b)α−オレフィンとα,β−エチレン性不飽和カルボン酸とのコポリマーのイオン性塩を配合しないか又は規定量を超えて配合した場合について、前記実施例と同様の方法、条件で成形用樹脂材料を得て、上記評価を行った。結果を表2に示す。
比較例5〜7
表2に示すように、水を添加せず、ベントからの吸引を0〜−500mmHg とし、ストランドバスの水温を25℃にした以外は、対応する実施例と同様にして成形用樹脂材料を得て、上記評価を行った。結果を表2に示す。
【0011】
【表1】
Figure 0003706251
【0012】
【表2】
Figure 0003706251
【0013】
注−1)立体障害性フェノール系酸化防止剤
a−1.ペンタエリスリトールテトラキス〔3−(3,5 −ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕
a−2.トリエチレングリコールビス〔3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕
注−2)α−オレフィンとα,β−エチレン性不飽和カルボン酸とのコポリマーのイオン性塩
b−1.エチレンとメタクリル酸とのコポリマーの亜鉛イオン塩
b−2.エチレンとアクリル酸とのコポリマーのカルシウムイオン塩
b−3.エチレンとアクリル酸とのコポリマーのマグネシウム塩
【0014】
【発明の効果】
以上の説明及び実施例にて明らかな如く、本発明のポリオキシメチレン樹脂組成物は加熱溶融時のホルムアルデヒドガス発生量が大幅に低減され、成形時の金型付着物の発生、成形品の変色及びBSの発生も極めて少ないという従来にない優れた特徴を有するものであり、成形作業環境の改善、成形効率の向上等に大きく寄与するものである。

Claims (3)

  1. 成形時のホルムアルデヒドガス発生量の少ない成形用ポリオキシメチレン樹脂材料の製造方法であって、ポリオキシメチレン 100重量部に、(a)立体障害性フェノール系酸化防止剤0.01〜3重量部及び(b)α−オレフィンとα,β−エチレン性不飽和カルボン酸とのコポリマーのイオン性塩0.0001〜0.1 重量部を配合すると共に、その調製にあたり、押出機を使用し、水を添加して溶融混練し、押出機後部に設けられたベントからは減圧下で吸引することにより揮発成分を除去し、熱水抽出性ホルムアルデヒドの含有量100ppm以下まで減少させることを特徴とする成形用ポリオキシメチレン樹脂材料の製造方法
  2. (b)成分を構成するコポリマーが、40〜160 の酸価を有する、エチレンとアクリル酸及び/又はメタクリル酸とのコポリマーである請求項1記載の成形用ポリオキシメチレン樹脂材料の製造方法
  3. (b)コポリマーのイオン性塩が、Zn塩、Ca塩又はMg塩である請求項1又は2記載の成形用ポリオキシメチレン樹脂材料の製造方法
JP18412998A 1998-06-30 1998-06-30 成形用ポリオキシメチレン樹脂材料の製造方法 Expired - Fee Related JP3706251B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP18412998A JP3706251B2 (ja) 1998-06-30 1998-06-30 成形用ポリオキシメチレン樹脂材料の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP18412998A JP3706251B2 (ja) 1998-06-30 1998-06-30 成形用ポリオキシメチレン樹脂材料の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2000017143A JP2000017143A (ja) 2000-01-18
JP3706251B2 true JP3706251B2 (ja) 2005-10-12

Family

ID=16147894

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP18412998A Expired - Fee Related JP3706251B2 (ja) 1998-06-30 1998-06-30 成形用ポリオキシメチレン樹脂材料の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3706251B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015101599A (ja) 2013-11-21 2015-06-04 ポリプラスチックス株式会社 ポリオキシメチレン樹脂組成物の製造方法
JP2016094627A (ja) * 2016-02-26 2016-05-26 ポリプラスチックス株式会社 ポリオキシメチレン樹脂組成物の製造方法
JP6632691B2 (ja) * 2018-11-19 2020-01-22 ポリプラスチックス株式会社 ポリオキシメチレン樹脂組成物の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2000017143A (ja) 2000-01-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3024802B2 (ja) ポリアセタール樹脂着色組成物
JP2866417B2 (ja) ポリオキシメチレン組成物
GB1597478A (en) Polyamide blends
JP2007084714A (ja) ポリアセタール樹脂組成物及びリサイクル加工品
WO2020129663A1 (ja) ポリアセタール樹脂組成物
JP3706251B2 (ja) 成形用ポリオキシメチレン樹脂材料の製造方法
JP3706252B2 (ja) ポリオキシメチレン樹脂組成物
JPH07228751A (ja) ポリオキシメチレン組成物及びその成形品
JP2005325225A (ja) ポリアセタール樹脂組成物およびそれからなる成形品
JP4676167B2 (ja) ポリアセタール樹脂組成物およびそれからなる成形品
WO1999005217A1 (fr) Procede de collage par thermocompression et tete de collage correspondante
JPH101594A (ja) ポリオキシメチレン組成物
JPS6351447A (ja) 安定化オキシメチレン共重合体組成物
JP3110959B2 (ja) モールドデポジットの改良されたポリアセタール樹脂組成物
JP2808078B2 (ja) モールドデポジットの改良されたポリアセタール樹脂組成物
JP5031188B2 (ja) ポリオキシメチレン組成物
JPH09176443A (ja) ポリアセタール樹脂製自動車関連部材
JP2005263921A (ja) ポリアセタール樹脂組成物およびそれからなる成形品
JP2769287B2 (ja) モ−ルドデポジットの改良されたポリアセタ−ル樹脂組成物の成形方法
JPH0782474A (ja) ポリアミド樹脂組成物
JPH05271516A (ja) ポリオキシメチレン組成物
JP2004204172A (ja) ポリオキシメチレン樹脂組成物
JP2005162909A (ja) ポリアセタール樹脂組成物およびそれからなる成形品
JP2004067920A (ja) ポリアセタール樹脂製押出成形品
KR910004093B1 (ko) 안정화 옥시메틸렌 공중합체 조성물

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20040406

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20040406

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20050428

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20050510

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20050704

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20050726

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20050728

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080805

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090805

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090805

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100805

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110805

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110805

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120805

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120805

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130805

Year of fee payment: 8

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees