JP2005263921A - ポリアセタール樹脂組成物およびそれからなる成形品 - Google Patents

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康裕 平井
Masayuki Nagai
雅之 永井
Kunihiko Fujimoto
邦彦 藤本
Daisuke Sanada
大輔 真田
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Abstract

【課題】ペレット及び成形品から発生するホルムアルデヒド量が抑制され、かつ成形時の金型汚染性の少ないポリアセタール樹脂組成物を提供する。本発明の樹脂組成物は、自動車や住宅の内装部品や建材用途に好適であり、また、成形加工時の作業環境の向上が可能である。
【解決手段】(A)ポリアセタール樹脂100重量部に対し、(B)芳香族基を含有する
ヒドラジド化合物0.01〜5重量部及び(C)アルキレン尿素0.01〜0.9重量部を配合してなり、且つ、(C)/(B)の重量比が0.01〜1であることを特徴とするポリアセタール樹脂組成物。
【選択図】 なし

Description

本発明は、ポリアセタール樹脂組成物およびそれからなる成形品に関する。詳しくは、熱安定性に優れ、かつ、ペレットおよび成形品からのホルムアルデヒド発生量が抑制されたポリアセタール樹脂組成物およびそれからなる成形品に関する。
ポリアセタール樹脂はバランスの取れた機械的性質と良好な自己潤滑特性及び電気特性を有するエンジニアリングプラスチックとして、各種の機械部品や電気部品等に広く使用されている。
しかしながら、ポリアセタール樹脂組成物はモノマーの主原料がホルムアルデヒドであることから、樹脂の重合時や成形加工時等にかかる熱履歴での僅かな熱分解反応により、きわめて微量ながらもホルムアルデヒドが発生し、労働(衛生)環境を悪化させるのみならず、成形時にモールドデポジット(金型付着物)を生成し、成形金型を汚染し、成形不良の原因となる。近年、最終製品から発生するホルムアルデヒドによるシックハウス症候群等が発生して問題となっている。厚生労働省からの室内ホルムアルデヒド濃度指針値は0.08ppmと規定されており、シックハウス症候群対策として、ホルムアルデヒド発生量を現状よりさらに低くすることが求められている。そのためには、ホルムアルデヒド発生量の低いポリアセタール樹脂組成物が望ましい。
従来から、ポリアセタール樹脂組成物からなるペレットおよび成形品のホルムアルデヒド発生量を抑制するために、ポリアセタール樹脂に種々の添加剤を配合する方法が提案されている。たとえば、ヒンダードフェノール系酸化防止剤とメラミン−ホルムアルデヒド重縮合物及び多価アルコール系脂肪酸エステル(特許文献1)の他、ポリアミン、尿素誘導体、アミジン等多くの窒素含有化合物を単独或いは種々組み合わせた添加剤が報告されている(例えば特許文献2、3)。
また、特許文献4には、ヒドラジド類と尿素誘導体を組み合わせたホルムアルデヒドの吸着剤に係わる発明が記載され、具体的にエチレン尿素とアジピン酸ジヒドラジドを組み合わせた吸着剤が開示されている。しかしながら、これらはホルムアルデヒド発生の抑制が不十分であったり、成形品物性を低下させるなどの問題があり、更にホルムアルデヒドの発生が抑制されたポリアセタール樹脂組成物及びその成形品が求められている。
特開平5−271516号 特開平7−207118号 特開2000−34417号 特開2002−35098号
本発明の目的は、熱安定性にすぐれ、製品から発生するホルムアルデヒド量を大幅に低減し、かつ金型汚染性の少ないポリアセタール樹脂組成物を提供することである。
本発明者らは、上記の問題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、ポリアセタール樹脂に芳香族ヒドラジド化合物、アルキレン尿素を配合することにより、ペレットおよび成形品から発生するホルムアルデヒド量を著しく抑制し、かつ金型汚染性を少なくすることができることを見出し、本発明に至った。すなわち、本発明の要旨は、(A)ポリアセタール樹脂100重量部に対し、(B)芳香族基を有するヒドラジド化合物0.01〜5重量部、及び(C)アルキレン尿素0.001〜0.9重量部、(D)立体障害性フェノール0.01〜5重量部を配合してなり、且つ、(C)/(B)の重量比が0.01〜1であることを特徴とするポリアセタール樹脂組成物及び、かかる樹脂組成物からなる成形品に存する。
本発明で得られたポリアセタール樹脂組成物は、成形加工時のホルムアルデヒドの発生を抑制し、作業環境を向上させ、金型汚染などを低減させるのみならず、成形品から発生するホルムアルデヒド量を抑制することができることから、いわゆるシックハウス症候群対策として自動車内装部品、家屋や学校等に使用される建材部品、および電気部品の材料としてきわめて有用である。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明に使用される(A)ポリアセタール樹脂は、オキシメチレン基(−CHO−)を主たる構成単位とするアセタールホモポリマー、及び、前記オキシメチレン基以外の構成単位を1種以上含むコポリマー(ブロックポリマーも含む)、およびターポリマー等を包含する。また、前記ポリアセタール樹脂は、線状構造のみならず分岐、架橋構造を有していてもよい。前記オキシメチレン基以外の構成単位としてはオキシエチレン基(−CHCHO−)、オキシプロピレン基(−CHCHCHO−)、オキシブチレン基(−CHCHCHCHO−)等の炭素数2〜4のオキシアルキレン基が挙げられ、中でもオキシエチレン基が好ましい。炭素数2以上のオキシアルキレン構造単位の含有量としては、0.1〜20重量%が好ましい。
オキシメチレン基(−CHO−)と炭素数2〜4のオキシアルキレン基を構成単位とするポリアセタール樹脂は、ホルムアルデヒドの3量体(トリオキサン)や4量体(テトラオキサン)などのオキシメチレン基の環状オリゴマーとエチレンオキサイド、1,3−ジオキソラン、1,3,6−トリオキソカン、1,3−ジオキセパン等の炭素数2〜4のオキシアルキレン基を含む環状オリゴマーとを共重合することによって製造することができる。中でも、トリオキサンやテトラオキサンなどの環状オリゴマーとエチレンオキサイドもしくは1,3−ジオキソランとの共重合体が好ましい。特に、トリオキサンと1,3−ジオキソランとの共重合体がさらに好ましい。
本発明において使用される(B)ヒドラジド化合物は、具体的にはイソフタル酸ジヒドラジド、テレフタル酸ジヒドラジド、1,5−ナフタレンジカルボヒドラジド、1,8−ナフタレンジカルボヒドラジド、2,6−ナフタレンジカルボヒドラジド、サリチル酸ヒドラジド、3−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸ヒドラジド、1,5−ジフェニルカルボノヒドラジド、p−トルエンスルホニルヒドラジド、2,4−トルエンジスルホニルヒドラジド、アミノベンズヒドラジド、4−ピリジンカルボン酸ヒドラジド、4,4’−オキシビスベンゼンスルホニルヒドラジドなど、芳香族基とヒドラジノ基を有する化合物である。本発明では上記ヒドラジド化合物の中、ジヒドラジド化合物が好ましく、特に好ましくは
、下記一般式(1)で表される構造を有するジヒドラジド化合物およびテレフタル酸ジヒ
ドラジドである。
Figure 2005263921
式(1)の構造を有する化合物としては、1,5−ナフタレンジカルボヒドラジド、1,8−ナフタレンジカルボヒドラジド、2,6−ナフタレンジカルボヒドラジドなどがあげられ、特に2,6−ナフタレンジカルボヒドラジドが好適に用いられる。
上記芳香族ヒドラジド化合物は、単独で用いてもよいし、2種類以上混合して用いてもよい。
本発明において使用される(C)アルキレン尿素は、具体的には下記一般式(2)で示される構造を有するものである。
Figure 2005263921
(式中、Rは,炭素数1〜10の直鎖又は分岐鎖アルキレン基を示す。)。
一般式(2)示されるアルキレン尿素としては、Rがエチレン基であるエチレン尿素が特に好適に用いられる。
本発明において使用される(D)立体障害性フェノールとは、ヒンダードフェノールとも呼ばれ、基本的には下記一般式(3)で示される様なフェノール性水酸基のオルト位に置換基を有する構造を少なくとも一個有する化合物をいう。
Figure 2005263921
(式中R及びRは、各々独立して、置換または非置換のアルキル基を表す。更にヒドロキシ基に対してメタ位に、任意の置換基を有しても良い。)。
式(3)の構造を有する(D)立体障害性フェノールの具体例としては、例えば、2,2’−メチレン−ビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−メチレン−ビス(2,6−ジ−t−ブチルフェノール)、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルジメチルアミン、ステアリル−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホネート、ジエチル−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホネート、2,6,7−トリオキサ−1−ホスファ−ビシクロ〔2,2,2〕−オクト−4−イル−メチル−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナメート、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル−3,5−ジステアリル−チオトリアジルアミン、2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2,6−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシメチルフェノール、2,4−ビス−(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルアニリノ)−1,3,5−トリアジン、N,N’−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナマミド)、オクタデシル−3−(3,5−ジ−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、1,6−ヘキサンジオール−ビス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、ペンタエリスリチル−テトラキス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、トリエチレングリコール−ビス〔3−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、トリエチレングリコール−ビス〔3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕トリエチレングリコール−ビス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、2,2’−チオジエチル−ビス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕等をあげることができるが、これらの中で、特に好ましいものは、下記一般式(4)で示される構造を少なくとも一個有する化合物である。
Figure 2005263921
(式中、R及びRは、一般式(3)におけると同じ意味を有す。)。
一般式(4)の構造を有する化合物の具体例としては、前記の中で、N,N’−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナマミド)オクタデシル−3−(3,5−ジ−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、1,6−ヘキサンジオール−ビス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、ペンタエリスリチル−テトラキス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、トリエチレングリコール−ビス〔3−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、トリエチレングリコール−ビス〔3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、トリエチレングリコール−ビス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、2,2’−チオジエチル−ビス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕等が挙げられる。
さらに、これらの中でより好ましいものは、1,6−ヘキサンジオール−ビス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、ペンタエリスリチル−テトラキス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、トリエチレングリコール−ビス〔3−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、トリエチレングリコール−ビス〔3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、トリエチレングリコール−ビス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、2,2’−チオジエチル−ビス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕である。
本発明の組成物は、上記(A)、(B)、(C)および(D)を必須成分として含有するが、更に(E)アミノ置換トリアジン化合物を含有することが好ましい。本発明に使用される、(E)アミノ置換トリアジン化合物は、基本的には、下記一般式(5)で示される構造を有する置換トリアジン類、またはアミノ置換トリアジン類とホルムアルデヒドとの初期重縮合物である。
Figure 2005263921
(式中、R、R、Rは、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、水酸基、メルカプト基、アルキル基、アルケニル基、アラルキル基、アリール基、シクロアルキル基、アミノ基または置換アミノ基を示し、R〜Rの少なくとも一つは、アミノ基または置換アミノ基を表す。)。
(E)アミノ置換トリアジン化合物の具体例としては、例えばグアナミン、メラミン、N−ブチルメラミン、N−フェニルメラミン、N,N−ジフェニルメラミン、N,N−ジアリルメラミン、N,N’,N”−トリフェニルメラミン、N,N’,N”−トリメチロールメラミン、ベンゾグアナミン、2,4−ジアミノ−6−メチル−sym−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−ブチル−sym−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−ベンジルオキシ−sym−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−ブトキシ−sym−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−シクロヘキシル−sym−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−クロロ−sym−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−メルカプト−sym−トリアジン、アメリン(N,N,N’,N’−テトラシアノエチルベンゾグアナミン)が挙げられ、アミノ置換トリアジン化合物とホルムアルデヒドとの初期重縮合物としては、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂等の上記アミノ置換トリアジンとホルムアルデヒドとの初期重縮合物が挙げられる。中でも、メラミン、メチロールメラミン、ベンゾグアナミン、水溶性メラミン−ホルムアルデヒド樹脂が特に好ましい。
また、本発明組成物は、(F)アルカリ金属もしくはアルカリ土類金属の水酸化物、無機酸塩又はアルコキシドから選ばれる少なくとも1種の金属含有化合物を配合することが好ましい。本発明に使用される(F)の金属含有化合物としては、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属もしくはカルシウム、マグネシウム等のアルカリ土類金属の水酸化物、これら金属の、炭酸塩、燐酸塩、ケイ酸塩、ほう酸塩等の無機酸塩、これら金属のメトキシド、エトキシド等のアルコキシドが挙げられる。本発明に使用される(F)成分としては特に、アルカリ土類金属の化合物が好ましく、具体的には、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、及び炭酸マグネシウムが好ましい。
本発明の樹脂組成物は、ポリアセタール樹脂に、(B)、(C)、(D)成分、好ましくは(E)成分、さらに好ましくは(F)成分を、特定の量比で含有させることにより、熱安定性に優れ、ホルムアルデヒド発生量低減とモールドデポジットの低減の両立を達成した。本発明の樹脂組成物中の(B)ヒドラジド化合物の量は、ポリアセタール樹脂100重量部に対し0.01〜5重量部、好ましくは0.03〜4重量部、さらに好ましくは0.05〜3重量部である。(C)アルキレン尿素の量は0.001〜0.9重量部、好ましくは0.003〜0.8重量部、さらに好ましくは0.005〜0.7重量部である。(D)立体障害性フェノールの量は、ポリアセタール樹脂100重量部に対し、0.01〜5重量部、好ましくは0.05〜3重量部である。(E)アミノ置換トリアジン化合物の量は、ポリアセタール樹脂100重量部に対し0.01〜7重量部、好ましくは0.01〜5重量部である。(F)金属含有化合物の量は、ポリアセタール樹脂100重量部に対し0.004〜5重量部、好ましくは0.005〜5重量部である。
また、本発明組成物は、上記組成内で(B)ヒドラジド化合物に対する(C)アルキレン尿素の量を、重量比で0.01〜1とすることが必要である。(C)/(B)の比が0.01より小さいと成形時のキャビテイ内のモールドデポジットが多くなり、また配合比が1より大きいと、成形時のキャビティ外のモールドデポジットが多くなり、いずれも好ましくない。配合比は好ましくは0.03〜0.9であり、さらに好ましくは0.05〜0.8である。
本発明のポリアセタール樹脂組成物は、以上の成分の他に、本来の目的を損なわない範囲内で公知の添加剤および/または充填剤を添加することが可能である。前記添加剤としては、例えば滑剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤等が挙げられる。また、前記充填剤としてはガラス繊維、ガラスフレーク、ガラスビーズ、タルク、マイカ、炭酸カルシウム、チタン酸カリウムウィスカー等が挙げられる。さらに、顔料、染料を加えて所望の色目に仕上げることも可能である。
本発明のポリアセタール樹脂組成物の製法は、特に限定されるものではなく、上記(A)〜(D)成分、及び必要に応じて添加されるその他の成分を混合・混練することによって調製することができる。混合・混練の方法については、特に制限はなく、従来から知られている混合・混練装置を使用する方法が挙げられる。混練は、ポリアセタール樹脂が溶融する温度以上、具体的には、原料のポリアセタール樹脂の流動開始温度以上(一般的には170℃以上)で行うのが好ましい。
具体的には、例えば、(A)ポリアセタール樹脂に対して、(B)ヒドラジド化合物、(C)アルキレン尿素、(D)立体障害性フェノール、必要であれば(E)アミノ置換トリアジン化合物、さらに必要であれば(F)金属含有化合物を、所定の量、同時に添加し、必要に応じて他の樹脂添加剤を添加した後、タンブラー型ブレンダー等によって混合し、得られた混合物を1軸または2軸押出し機にて溶融混練してストランド状に押出し、ペレット化することにより所望の組成のポリアセタール樹脂組成物を得ることができる。
本発明樹脂組成物は、公知のポリアセタール樹脂の成形加工法に従って、成形加工することができる。本発明樹脂組成物からなる成形品としては、ペレット、丸棒、厚板等の素材、シート、チューブ、各種容器、機械、電気、自動車、建材その他の各種部品等のポリアセタール樹脂の用途として知られる種々の製品が挙げられる。
以下、実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下に示す具体例に制限されるものではない。
実施例及び比較例で使用した材料、及び得られた組成物の評価法は以下の通りである。
<材料>
(1)ポリアセタール樹脂:コモノマーとして1,3−ジオキソランを樹脂に対して4.2重量%用いたアセタールコポリマー、メルトインデックス(10.5g/10分)。
(2)ヒドラジド化合物−1:2,6−ナフタレンジカルボヒドラジド(下式)。
Figure 2005263921
(3)ヒドラジド化合物−2:テレフタル酸ジヒドラジド
(4)ヒドラジド化合物−3:イソフタル酸ジヒドラジド。
(5)ヒドラジド化合物−4:アジピン酸ジヒドラジド。
(6)アルキレン尿素:エチレン尿素
(7)立体障害性フェノール:トリエチレングリコール−ビス〔3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、チバ・スペシャルティー・ケミカルズ社製、商品名「イルガノックス245」。
(8)アミノ置換トリアジン化合物:メラミン。
(9)金属含有化合物:水酸化マグネシウム。
<実施例及び比較例で得られた組成物の評価>
(a)発生ホルムアルデヒド量:日精樹脂工業社製PS−40E5ASE成形機を用いて、シリンダー温度215℃で100mm×40mm×2mmの平板を成形し、成形翌日にドイツ自動車工業組合規格VDA275(自動車室内部品−改訂フラスコ法によるホルムアルデヒド放出量の定量)に記載された方法に準拠して測定した。
(b)金型汚染性:住友重機械工業社製ミニマットM8/7A成形機を用い、しずく型金型を用いて、成形温度230℃、金型温度35℃で500ショット連続成形し、終了後金型の付着物の有無を観察し、次の基準で評価した。
◎:金型の付着物が非常に少ない
○:金型の付着物が少ない
△:金型の付着物が多い。
×:金型の付着物が非常に多い。
[実施例1〜9,比較例1〜12]
ポリアセタール樹脂100重量部に対し、下記表1〜表4に示す配合処方で各成分を秤量し、タンブラー型ブレンダーによって混合した。次に、得られた混合物を40mmφ単軸押出機(田辺プラスチックス社製、型式:VS−40)にて、シリンダー温度200℃、吐出速度13kg/hrで溶融混練してペレット化し、所望のポリアセタール樹脂組成物を得た後、射出成形により上述の各種試験片を成形し、成形品の発生ホルムアルデヒド量、熱安定性、金型汚染性を測定した。結果を表1、表2に示した。
なお、発生ホルムアルデヒド量は比較例1の値を基準(1.00)とした場合の相対値として表示した。
Figure 2005263921
Figure 2005263921
Figure 2005263921
Figure 2005263921
表1〜表4より明らかなように、実施例の組成物は何れもホルムアルデヒドの発生量が低減されていると共に、金型付着物が極めて少ない。

Claims (7)

  1. (A)ポリアセタール樹脂100重量部に対し、(B)芳香族基を有するヒドラジド化合物0.01〜5重量部、(C)アルキレン尿素0.001〜0.9重量部、(D)立体障害性フェノール0.01〜5重量部を配合してなり、且つ、(C)/(B)の重量比が0.01〜1であることを特徴とするポリアセタール樹脂組成物。
  2. (B)ヒドラジド化合物が、ジヒドラジド化合物であることを特徴とする請求項1記載のポリアセタール樹脂組成物。
  3. (B)ヒドラジド化合物が、下記一般式(1)で示されるナフタレンジヒドラジド化合物から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1又は2記載のポリアセタール樹脂組成物。
    Figure 2005263921
  4. (C)アルキレン尿素がエチレン尿素であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のポリアセタール樹脂組成物。
  5. (A)ポリアセタール樹脂100重量部に対し、さらに(E)アミノ置換トリアジン化合物0.01〜7重量部を配合してなることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載のポリアセタール樹脂組成物。
  6. (A)ポリアセタール樹脂100重量部に対し、さらに(F)アルカリ金属もしくはアルカリ土類金属の水酸化物、無機酸塩またはアルコキシドから選ばれる少なくとも1種の金属含有化合物0.004〜5重量部を配合してなることを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載のポリアセタール樹脂組成物。
  7. 請求項1〜6の何れかに記載のポリアセタール樹脂組成物からなる成形品。
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