JP2005171157A - ポリアセタール樹脂組成物およびそれからなる成形品 - Google Patents
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Abstract
【課題】熱安定性に優れ、かつホルムアルデヒドの発生量を抑制したポリアセタール樹脂組成物を提供する。
【解決手段】(A)ポリアセタール樹脂100重量部に対し、(B)アルキレン尿素0.01〜0.9重量部、(C)立体障害性フェノール0.01〜5重量部、(D)アミノ置換トリアジン化合物0.01〜7重量部及び(E)アルカリ金属もしくはアルカリ土類金属の水酸化物、無機酸塩またはアルコキシドから選ばれる少なくとも1種の金属含有化合物0.004〜5重量部を含有するポリアセタール樹脂組成物。
【選択図】 なし
【解決手段】(A)ポリアセタール樹脂100重量部に対し、(B)アルキレン尿素0.01〜0.9重量部、(C)立体障害性フェノール0.01〜5重量部、(D)アミノ置換トリアジン化合物0.01〜7重量部及び(E)アルカリ金属もしくはアルカリ土類金属の水酸化物、無機酸塩またはアルコキシドから選ばれる少なくとも1種の金属含有化合物0.004〜5重量部を含有するポリアセタール樹脂組成物。
【選択図】 なし
Description
本発明は、ポリアセタール樹脂組成物およびそれからなる成形品に関する。詳しくは、熱安定性に優れ、かつ、ペレットおよび成形品からのホルムアルデヒド発生量が抑制されたポリアセタール樹脂組成物およびそれからなる成形品に関する。
ポリアセタール樹脂はバランスの取れた機械的性質と良好な自己潤滑特性及び電気特性を有するエンジニアリングプラスチックとして、各種の機械部品や電気部品等に広く使用されている。
しかしながら、ポリアセタール樹脂組成物はモノマーの主原料がホルムアルデヒドであることから、重合時や成形時等にかかる熱履歴でのわずかな熱分解反応によりきわめて微量ながらもホルムアルデヒドが発生し、成形金型を汚染したり、環境を悪化させる。また、最終製品からホルムアルデヒド発生を完全になくすことは難しく、シックハウス症候群等への影響も懸念される。厚生労働省からの室内ホルムアルデヒド濃度指針値が0.08ppmと規定されており、シックハウス症候群対策として、ホルムアルデヒド発生量を現状よりさらに低くすることが求められている。
従来から、樹脂や建材から発生するホルムアルデヒドの吸着剤として、あるいはポリアセタール樹脂のペレットおよび成形品のホルムアルデヒド発生量を抑制するために、ポリアセタール樹脂に配合する添加剤として数多くの物質が提案されている。例えば、メラミン−ホルムアルデヒド重合物(特許文献1)、立体障害性フェノール系酸化防止剤と特定のポリアミン反応物(特許文献2)、グリオキシジウレイド化合物(特許文献3、4)やビウレット等の尿素誘導体および/またはアミジン誘導体(特許文献5)、フェノール類と塩基性窒素含有化合物とアルデヒド類との縮合物(特許文献6)、トリアジン環含有スピロ化合物(特許文献7)、ヒドラジド類と尿素誘導体を特定比率で配合した組成物(特許文献8)等が挙げられる。
しかしながら、これらはホルムアルデヒドの抑制が不十分であったり、成形品物性を低下させる等の問題があり、更に、ポリアセタール樹脂のホルムアルデヒド発生量を抑制する技術が望まれている。
しかしながら、これらはホルムアルデヒドの抑制が不十分であったり、成形品物性を低下させる等の問題があり、更に、ポリアセタール樹脂のホルムアルデヒド発生量を抑制する技術が望まれている。
本発明の目的は、熱安定性にすぐれ、かつ、製品から発生するホルムアルデヒド量を大幅に低減したポリアセタール樹脂組成物を提供することである。
本発明者らは、上記の問題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、ポリアセタール樹脂にアルキレン尿素等を配合することにより、ホルムアルデヒド発生量を著しく抑制する組成物が得られることを見出し、本発明に至った。すなわち、本発明の要旨は、(A)ポリアセタール樹脂100重量部に対し、(B)アルキレン尿素0.01〜0.9重量部、(C)立体障害性フェノール0.01〜5重量部、(D)アミン置換トリアジン化合物0.01〜7重量部、(E)アルカリ金属もしくはアルカリ土類金属の水酸化物、無機酸塩またはアルコキシドから選ばれる少なくとも1種の金属含有化合物0.004〜5重量部を配合してなるポリアセタール樹脂組成物、及びそれから得られる成形品に関する。
本発明で得られたポリアセタール樹脂組成物は、熱安定性に優れているのみならず、ペレットおよび成形品から発生するホルムアルデヒド量を抑制することができることから、いわゆるシックハウス症候群対策として自動車内装部品、家屋や学校等に使用される建材部品、および電気部品等にきわめて有用である。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明に使用される(A)ポリアセタール樹脂は、オキシメチレン基(−CH2O−)を主たる構成単位とするアセタールホモポリマー以外に、前記オキシメチレン基以外の構成単位を1種以上含むコポリマー(ブロックポリマーも含む)、およびターポリマー等も含まれる。また、前記ポリアセタール樹脂は、線状構造のみならず分岐、架橋構造を有していてもよい。前記オキシメチレン基以外の構成単位としてはオキシエチレン基(−CH2CH2O−)、オキシプロピレン基(−CH2CH2CH2O−)、オキシブチレン基(−CH2CH2CH2CH2O−)等の炭素数2〜4の分岐していても良いオキシアルキレン基が挙げられ、中でもオキシエチレン基が好ましい。また、オキシアルキレン構造単位の含有量としては、0.1〜20重量%が好ましい。
本発明に使用される(A)ポリアセタール樹脂は、オキシメチレン基(−CH2O−)を主たる構成単位とするアセタールホモポリマー以外に、前記オキシメチレン基以外の構成単位を1種以上含むコポリマー(ブロックポリマーも含む)、およびターポリマー等も含まれる。また、前記ポリアセタール樹脂は、線状構造のみならず分岐、架橋構造を有していてもよい。前記オキシメチレン基以外の構成単位としてはオキシエチレン基(−CH2CH2O−)、オキシプロピレン基(−CH2CH2CH2O−)、オキシブチレン基(−CH2CH2CH2CH2O−)等の炭素数2〜4の分岐していても良いオキシアルキレン基が挙げられ、中でもオキシエチレン基が好ましい。また、オキシアルキレン構造単位の含有量としては、0.1〜20重量%が好ましい。
オキシメチレン基(−CH2O−)と炭素数2〜4のオキシアルキレン基を構成単位とするポリアセタール樹脂は、ホルムアルデヒドの3量体(トリオキサン)や4量体(テトラオキサン)等のオキシメチレン基の環状オリゴマーとエチレンオキサイド、1,3−ジオキソラン、1,3,6−トリオキソカン、1,3−ジオキセパン等の炭素数2〜4のオキシアルキレン基を含む環状オリゴマーとを共重合することによって製造することができる。中でも、トリオキサンやテトラオキサン等の環状オリゴマーとエチレンオキサイドもしくは1,3−ジオキソランとの共重合体が好ましい。特に、トリオキサンと1,3−ジオキソランとの共重合体がさらに好ましい。
本発明において使用される(B)アルキレン尿素は、具体的には下記一般式(2)に示される構造を有するものである。
(式(2)においてR4は,炭素数1〜10のアルキレン基を示す。)。
R4で示されるアルキレン基としては、メチレン、エチレン、n−プロピレン、i−プロピレン等の炭素数1から10の直鎖状、分岐状のアルキレン基があげられる。本発明に使用されるアルキレン尿素としては、R4がエチレン基であるエチレン尿素が特に好適に用いられる。
R4で示されるアルキレン基としては、メチレン、エチレン、n−プロピレン、i−プロピレン等の炭素数1から10の直鎖状、分岐状のアルキレン基があげられる。本発明に使用されるアルキレン尿素としては、R4がエチレン基であるエチレン尿素が特に好適に用いられる。
本発明において使用される(C)立体障害性フェノールとは、基本的には、下記一般式(3)で示される構造を少なくとも一つ以上有する化合物をいう。
(式(3)において、R5およびR6は、各々独立して、置換または非置換のアルキル基を表す。さらに、ヒドロキシ基に対してメタ位およびパラ位に、任意の置換基を有していても良い。)。
(C)立体障害性フェノールの具体例としては、2,2’−メチレン−ビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−メチレン−ビス(2,6−ジ−t−ブチルフェノール)、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルジメチルアミン、ステアリル−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホネート、ジエチル−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホネート、2,6,7−トリオキサ−1−ホスファ−ビシクロ〔2,2,2〕−オクト−4−イル−メチル−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナメート、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル−3,5−ジステアリル−チオトリアジルアミン、2−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2,6−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシメチルフェノール、2,4−ビス−(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルアニリノ)−1,3,5−トリアジン、N,N’−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナマミド)、オクタデシル−3−(3,5−ジ−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、1,6−ヘキサンジオール−ビス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、ペンタエリスリチル−テトラキス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、トリエチレングリコール−ビス〔3−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、トリエチレングリコール−ビス〔3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕トリエチレングリコール−ビス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、2,2’−チオジエチル−ビス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕等をあげることができるが、これらの中で、特に好ましいものは、下記一般式(4)で示される構造を少なくとも一個以上有する化合物である。
一般式(4)の有する立体障害性フェノールの好ましい具体例としては、前記の中で、N,N’−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナマミド)、オクタデシル−3−(3,5−ジ−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、1,6−ヘキサンジオール−ビス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、ペンタエリスリチル−テトラキス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、トリエチレングリコール−ビス〔3−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、トリエチレングリコール−ビス〔3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、トリエチレングリコール−ビス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、2,2’−チオジエチル−ビス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕が、これに該当する。
さらに、これらの中でより好ましいものは、1,6−ヘキサンジオール−ビス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、ペンタエリスリチル−テトラキス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、トリエチレングリコール−ビス〔3−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、トリエチレングリコール−ビス〔3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、トリエチレングリコール−ビス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、2,2’−チオジエチル−ビス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕である。
本発明に使用される、(D)アミノ置換トリアジン化合物とは、下記一般式(1)で示される構造を有する置換トリアジン類、または該置換トリアジン類とホルムアルデヒドとの初期重縮合物である。
(式(1)において、R1,R2,R3は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、水酸基、メルカプト基、アルキル基、アラルキル基、アリール基、シクロアルキル基、アミノ基または置換アミノ基を示し、その少なくとも一つは、アミノ基、または置換アミノ基を表す。)。
アミノ置換トリアジン化合物の具体例としては、例えばグアナミン、メラミン、N−ブチルメラミン、N−フェニルメラミン、N,N−ジフェニルメラミン、N,N−ジアリルメラミン、N,N',N"−トリフェニルメラミン、N,N’,N”−トリメチロールメラミン、ベンゾグアナミン、2,4−ジアミノ−6−メチル−sym−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−ブチル−sym−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−ベンジルオキシ−sym−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−ブトキシ−sym−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−シクロヘキシル−sym−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−クロロ−sym−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−メルカプト−sym−トリアジン、アメリン(N,N,N’,N’−テトラシアノエチルベンゾグアナミン)等が挙げられ、該アミノ置換トリアジン化合物とホルムアルデヒドとの初期重縮合物としては、上記アミノ置換トリアジンと、ホルムアルデヒドとの初期重縮合物等があげられる。本発明に使用される(D)アミノ置換トリアジン化合物としては、メラミン、メチロールメラミン、ベンゾグアナミン、または、該アミノ置換トリアジン化合物とホルムアルデヒドとの初期重縮合物である水溶性メラミン−ホルムアルデヒド樹脂が特に好ましい。
本発明に使用される(E)の金属含有化合物としては、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属もしくはカルシウム、マグネシウム等のアルカリ土類金属の水酸化物、無機酸塩またはアルコキシドから選ばれる。前記無機酸塩としては、炭酸塩、燐酸塩、ケイ酸塩、ほう酸塩等が挙げられる。アルコキシドとしては、メトキシド、エトキシド等が挙げられる。(E)の金属含有化合物としては、アルカリ土類金属の水酸化物、無機酸塩またはアルコキシドが好ましく、特に、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、および炭酸マグネシウムがより好ましい。
上記の成分の1部は、ポリアセタール樹脂の安定剤として知られ、既に市販の樹脂に配合されている場合もあるが、本発明の樹脂組成物は、これら(B)〜(E)成分を全て、特定の量比で配合されていることにより、一部の安定剤の使用では達成し得なかった熱安定性と、ホルムアルデヒド発生量低減の両立が達成出来る。本発明の樹脂組成物中の(B)アルキレン尿素の量は、ポリアセタール樹脂100重量部に対し0.01〜0.9重量部、好ましくは0.02〜0.8重量部、さらに好ましくは0.03〜0.8重量部である。(C)立体障害性フェノールの量は、ポリアセタール樹脂100重量部に対し、0.01〜5重量部、好ましくは0.05〜3重量部である。(D)アミノ置換トリアジン化合物の量は、ポリアセタール樹脂100重量部に対し0.01〜7重量部、好ましくは0.01〜5重量部である。(E)金属含有化合物の量は、ポリアセタール樹脂100重量部に対し0.004〜5重量部、好ましくは0.005〜5重量部である。本発明組成物中の各成分の量が、上記範囲より少ない場合は勿論、多い場合も、ホルムアルデヒドの発生量が多く、あるいは熱安定性が劣り、本発明の目的とする樹脂組成物を得ることが困難である。
本発明のポリアセタール樹脂組成物は、以上の成分の他に、本来の目的を損なわない範囲内で公知の添加剤および/または充填剤を添加することが可能である。前記添加剤としては、例えば滑剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤等が挙げられる。また、前記充填剤としてはガラス繊維、ガラスフレーク、ガラスビーズ、タルク、マイカ、炭酸カルシウム、チタン酸カリウムウィスカー等が挙げられる。さらに、顔料、染料を加えて所望の色目に仕上げることも可能である。
本発明のポリアセタール樹脂組成物の製法は特に限定されるものではなく、上記(A)〜(E)成分、及び必要に応じてその他の樹脂添加剤および/または充填剤が所定の量比となるように混合・混練することによって調製することができる。混合・混練の方法については、特に制限はなく、従来から知られている混合・混練装置を使用する方法が挙げられる。混練は、ポリアセタール樹脂が溶融する温度以上、具体的には、原料のポリアセタール樹脂の流動開始温度以上(一般的には170℃以上)で行うのが好ましい。
具体的には、例えば、(A)ポリアセタール樹脂に対して、(B)アルキレン尿素、(C)立体障害性フェノール、(D)アミノ置換トリアジン化合物、(E)金属含有化合物を、同時にあるいは、任意の順序で添加し、必要に応じて他の樹脂添加剤を添加した後、タンブラー型ブレンダー等によって混合し、得られた混合物を1軸または2軸押出し機にて溶融混練してストランド状に押出し、ペレット化することにより所望の組成のポリアセタール樹脂組成物ペレットを得ることができる。
本発明において得られるポリアセタール樹脂組成物は、公知のポリアセタール樹脂の成形加工法、例えば、射出成形、押出成形、ブロー成形等の方法により、成形加工することができる。本発明の成形品は、熱安定性にすぐれているだけでなく、製品中のアルデヒド類、特にホルムアルデヒドの発生を抑制することが可能であることから、いわゆるシックハウス症候群対策として自動車内装部品や建材部品、および電気部品等にきわめて有用である。
以下に、実施例及び比較例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下に示す具体例に制限されるものではない。
なお、実施例及び比較例で使用した材料、及び物性評価法を以下に示す。
<材料>
なお、実施例及び比較例で使用した材料、及び物性評価法を以下に示す。
<材料>
(1)ポリアセタール樹脂:コモノマーとして1,3−ジオキソランを樹脂に対して4.2重量%用いたアセタールコポリマー、メルトインデックス(10.5g/10分)。
(2)アルキレン尿素:エチレン尿素。
(2)アルキレン尿素:エチレン尿素。
(3)立体障害性フェノール:トリエチレングリコール−ビス〔3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、商品名:イルガノックス245、チバ・スペシャルティー・ケミカルズ社製。
(4)アミノ置換トリアジン化合物:メラミン。
(5)金属含有化合物:水酸化マグネシウム。
<物性評価>
<物性評価>
(a)発生ホルムアルデヒド量:実施例又は比較例で得られた樹脂組成物を用い、日精樹脂工業社製PS−40E5ASE成形機により、シリンダー温度215℃で成形した、100mm×40mm×厚さ2mmの平板を試験片とし、成形翌日にドイツ自動車工業組合規格VDA275(自動車室内部品−改訂フラスコ法によるホルムアルデヒド放出量の定量)に記載された方法に準拠して以下の手順で測定した。
(i)ポリエチレン容器中に、蒸留水50mlを入れ、試験片を吊るした状態で、密閉し、60℃で3時間保持する。
(ii)その後、60分間室温で放置した後、試験片を取り出す。
(iii)容器内の蒸留水中に吸収されたホルムアルデヒド濃度をUVスペクトロメーターを用い、アセチルアセトン比色法で測定する。
(i)ポリエチレン容器中に、蒸留水50mlを入れ、試験片を吊るした状態で、密閉し、60℃で3時間保持する。
(ii)その後、60分間室温で放置した後、試験片を取り出す。
(iii)容器内の蒸留水中に吸収されたホルムアルデヒド濃度をUVスペクトロメーターを用い、アセチルアセトン比色法で測定する。
(b)熱安定性:実施例又は比較例で得られた樹脂組成物を用い、日精樹脂工業社製PS−40E5ASE成形機により、シリンダー温度215℃、10分サイクルで成形し100mm×40mm×厚さ2mmの平板を試験片とし、滞留時の成形安定性(変色性、シルバー発生の有無)を観察し、次の基準で評価した。
◎:熱安定性は非常に良好。
○:熱安定性は良好。
△:熱安定性は普通。
×:熱安定性は不良。
◎:熱安定性は非常に良好。
○:熱安定性は良好。
△:熱安定性は普通。
×:熱安定性は不良。
[実施例1〜3,比較例1〜6]
ポリアセタール樹脂100重量部に対し、下記表1,表2に示す配合処方で原料を秤量し、タンブラー型ブレンダーによって混合した。得られた混合物を40mmφ単軸押出機(田辺プラスチックス社製、型式:VS−40)にて、シリンダー温度200℃、吐出速度13kg/hrで溶融混練してペレット化し、所望のポリアセタール樹脂組成物のペレットを得た。得られたペレットを用い、射出成形機にて物性測定に供する試験片を成形し、成形品の発生ホルムアルデヒド量と熱安定性を測定した。結果を表1,表2に示した。なお、発生ホルムアルデヒド量は比較例1のホルムアルデヒド発生量を基準(1.00)とする相対値で表示した。
ポリアセタール樹脂100重量部に対し、下記表1,表2に示す配合処方で原料を秤量し、タンブラー型ブレンダーによって混合した。得られた混合物を40mmφ単軸押出機(田辺プラスチックス社製、型式:VS−40)にて、シリンダー温度200℃、吐出速度13kg/hrで溶融混練してペレット化し、所望のポリアセタール樹脂組成物のペレットを得た。得られたペレットを用い、射出成形機にて物性測定に供する試験片を成形し、成形品の発生ホルムアルデヒド量と熱安定性を測定した。結果を表1,表2に示した。なお、発生ホルムアルデヒド量は比較例1のホルムアルデヒド発生量を基準(1.00)とする相対値で表示した。
Claims (5)
- (A)ポリアセタール樹脂100重量部に対し、(B)アルキレン尿素0.01〜0.9重量部、(C)立体障害性フェノール0.01〜5重量部、(D)アミノ置換トリアジン化合物0.01〜7重量部、及び(E)アルカリ金属もしくはアルカリ土類金属の水酸化物、無機酸塩またはアルコキシドから選ばれる少なくとも1種の金属含有化合物0.004〜5重量部、を配合してなるポリアセタール樹脂組成物。
- (B)アルキレン尿素がエチレン尿素であることを特徴とする請求項1記載のポリアセタール樹脂組成物。
- (D)アミノ置換トリアジン化合物が、下記一般式(1)で示される構造を有する置換トリアジン類、または該置換トリアジン類とホルムアルデヒドとの初期重縮合物であることを特徴とする請求項1又は2記載のポリアセタール樹脂組成物。
- (E)金属含有化合物が、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、および炭酸マグネシウムから選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載のポリアセタール樹脂組成物。
- 請求項1〜4の何れかに記載のポリアセタール樹脂組成物からなる成形品。
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