JP2005306995A - ポリアセタール樹脂組成物およびそれからなる成形品 - Google Patents

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Abstract

【課題】 熱安定性に優れ、かつ製品から発生するホルムアルデヒドの量を抑制したポリアセタール樹脂組成物を提供する。
【解決手段】 (A)ポリアセタール樹脂100重量部に対し、(B)芳香族イミド化合物0.01〜5重量部、及び(C)立体障害フェノール0.01〜5重量部を配合してなるポリアセタール樹脂組成物。更にアミノ置換トリアジン化合物、アルカリ金属またはアルカリ土類金属の水酸化物または無機もしくは有機酸塩を配合すると熱安定性が更に向上する。
【選択図】 なし

Description

本発明は、ポリアセタール樹脂組成物およびそれからなる成形品に関する。詳しくは、熱安定性に優れ、かつ、ペレットおよび成形品からのホルムアルデヒド発生量が抑制されたポリアセタール樹脂組成物およびそれからなる成形品に関する。
ポリアセタール樹脂はバランスの取れた機械的性質と良好な自己潤滑特性及び電気特性を有するエンジニアリングプラスチックとして、各種の機械部品や電気部品等に広く使用されている。しかしながら、ポリアセタール樹脂はモノマーの主原料がホルムアルデヒドであることから、重合時や成形時等にかかる熱履歴でのわずかな熱分解反応によりきわめて微量ながらもホルムアルデヒドが発生し、作業環境を悪化させるばかりでなく、成形時にモールドデポジット(金型付着物)を生成し、成形金型を汚染し、成形不良を惹起し、生産性を低下させる。また、最終製品からホルムアルデヒド発生を完全になくすことも難しく、シックハウス症候群等への影響も懸念される。厚生労働省からの室内ホルムアルデヒド濃度指針値は0.08ppmと規定されており、シックハウス症候群対策として、ホルムアルデヒド発生量を現状よりさらに低くすることが求められている。そのためには、ホルムアルデヒド発生量の低いポリアセタール樹脂組成物が望ましい。
従来から、ポリアセタール樹脂組成物からなるペレットおよび成形品のホルムアルデヒド発生量を抑制するために、ポリアセタール樹脂に種々の添加剤を配合する方法が提案されている。たとえば、ヒンダードフェノール系酸化防止剤に、メラミン−ホルムアルデヒド重合物(特許文献1)やポリアミンと塩化シアヌルの反応物にさらにアンモニアまたはその誘導体を反応させることで得られるポリアミン反応物(特許文献2)等の窒素含有化合物を併用する方法、ジシアンジアミド(特許文献3)、窒素含有化合物−ホウ酸塩(特許文献4)、グリオキシジウレイド化合物(特許文献5)、尿素誘導体および/またはアミジン誘導体(特許文献6)、フェノール類と塩基性窒素含有化合物とアルデヒド類との縮合物(特許文献7)、トリアジン環含有スピロ化合物(特許文献8)などが挙げられる。
しかしながら、これらはホルムアルデヒドの抑制が不十分であったり、成形品物性を低下させるなどの問題があり、更に、ホルムアルデヒド発生量を低減したポリアセタール樹脂組成物が求められていた。
特開平5−271516号 特開平7−207118号 特開平8−208946号 特開平10−36630号 特開平10−182928号 特開2000−34417号 特開2002−212384号 特開2003−113289号
本発明の目的は、熱安定性にすぐれ、かつ、製品から発生するホルムアルデヒド量を大幅に低減したポリアセタール樹脂組成物を提供することにある。
本発明者らは、上記の問題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、ポリアセタール樹脂に立体障害フェノールと共に、芳香族イミド化合物を配合することにより、ペレットおよび成形品から発生するホルムアルデヒド量を著しく抑制することができることを見出し、本発明に至った。すなわち、本発明の要旨は、(A)ポリアセタール樹脂100重量部に対し、(B)芳香族イミド化合物0.01〜5重量部、及び(C)立体障害フェノール0.01〜5重量部を配合してなるポリアセタール樹脂組成物及びそれからなる成形品に存する。
本発明で得られるポリアセタール樹脂組成物は、熱安定性に優れているのみならず、ペレットおよび成形品から発生するホルムアルデヒド量を抑制することができることから、いわゆるシックハウス症候群対策として自動車内装部品、家屋や学校等に使用される建材部品、および電気部品等にきわめて有用である。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明に使用される(A)ポリアセタール樹脂は、オキシメチレン基(−CHO−)を主たる構成単位とするアセタールホモポリマー、前記オキシメチレン基以外の構成単位を1種以上含むコポリマー(ブロックポリマーも含む)、およびターポリマー等も含まれる。また、前記ポリアセタール樹脂は、線状構造のみならず分岐、架橋構造を有していてもよい。前記オキシメチレン基以外の構成単位としてはオキシエチレン基(−CHCHO−)、オキシプロピレン基(−CHCHCHO−)、オキシブチレン基(−CHCHCHCHO−)等の炭素数2〜4のオキシアルキレン基が挙げられ、中でもオキシエチレン基が好ましい。また、オキシアルキレン単位の含有量としては、0.1〜20重量%が好ましい。
オキシメチレン基(−CHO−)と炭素数2〜4のオキシアルキレン基を構成単位とするポリアセタール樹脂は、ホルムアルデヒドの3量体(トリオキサン)や4量体(テトラオキサン)などのオキシメチレン基の環状オリゴマーとエチレンオキサイド、1,3−ジオキソラン、1,3,6−トリオキソカン、1,3−ジオキセパン等の炭素数2〜4のオキシアルキレン基を含む環状オリゴマーとを共重合することによって製造することができる。中でも、トリオキサンやテトラオキサンなどの環状オリゴマーとエチレンオキサイドもしくは1,3−ジオキソランとの共重合体が好ましい。特に、トリオキサンと1,3−ジオキソランとの共重合体がさらに好ましい。
本発明において使用される(B)芳香族イミド化合物は、具体的には、フタルイミド、3−アミノ−フタルイミド、4,5−ジクロロフタルイミド、4−メチルフタルイミド、3−ニトロフタルイミド、4−ニトロフタルイミド、3,4,5,6−テトラブロモフタルイミド、3,4,5,6−テトラクロロフタルイミド、3,4,5,6−テトラフルオロフタルイミド、1,2,3,6−テトラヒドロフタルイミド、ピロメリット酸ジイミド、1,8−ナフタルイミド、2,3−ナフタレンジカルボキシイミド、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボンジイミド、4−アミノ−1,8−ナフタルイミド、3,4−ピリジンジカルボキシイミドなどが挙げられる。
好ましくは、フタルイミド、3−アミノ−フタルイミド、4−メチルフタルイミド、3−ニトロフタルイミド、4−ニトロフタルイミド、3,4,5,6−テトラフルオロフタルイミド、1,2,3,6−テトラヒドロフタルイミド、ピロメリット酸ジイミド、1,8−ナフタルイミド、2,3−ナフタレンジカルボキシイミド、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボンジイミド、4−アミノ−1,8−ナフタルイミド、3,4−ピリジンジカルボキシイミドなどがあげられ、特にフタルイミド、ピロメリット酸ジイミドが好適に用いられる。
上記芳香族イミド化合物は、単独で用いても、2種類以上を混合して用いてもよい。
本発明組成物中の(B)芳香族イミド化合物の配合量は,(A)ポリアセタール樹脂100重量部に対し、0.01〜5重量部、好ましくは0.03〜4重量部、更に好ましくは0.05〜3重量部である。
本発明において使用される(C)立体障害フェノールとは、基本的には、下記一般式(1)で示される構造を少なくとも一つ以上有する化合物をいう。
Figure 2005306995
(式(1)において、RおよびRは、各々独立して、置換または非置換のアルキル基を表す。さらに、ヒドロキシ基に対してメタ位およびパラ位が、一般式(1)で表される構造を含む任意の置換基で置換されていても良い。)。
(C)立体障害フェノールの具体例としては、2,2’−メチレン−ビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−メチレン−ビス(2,6−ジ−t−ブチルフェノール)、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルジメチルアミン、ステアリル−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホネート、ジエチル−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホネート、2,6,7−トリオキサ−1−ホスファ−ビシクロ〔2,2,2〕−オクト−4−イル−メチル−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンメート、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル−3,5−ジステアリル−チオトリアジルアミン、2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2,6−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシメチルフェノール、2,4−ビス−(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルアニリノ)−1,3,5−トリアジン、N,N’−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナマミド)、オクタデシル−3−(3,5−ジ−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、1,6−ヘキサンジオール−ビス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、ペンタエリスリチル−テトラキス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、トリエチレングリコール−ビス〔3−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、トリエチレングリコール−ビス〔3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕トリエチレングリコール−ビス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、2,2’−チオジエチル−ビス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕等をあげることができるが、これらのなかで、特に好ましいものは、下記一般式(2)で示される構造を少なくとも一個以上有する化合物である。
Figure 2005306995
(式(2)においてRおよびRは、式(1)におけると同じ意味である。)。
これらの好ましい具体例としては、前記の中で、N,N’−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナマミド)、オクタデシル−3−(3,5−ジ−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、1,6−ヘキサンジオール−ビス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、ペンタエリスリチル−テトラキス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、トリエチレングリコール−ビス〔3−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、トリエチレングリコール−ビス〔3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、トリエチレングリコール−ビス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、2,2’−チオジエチル−ビス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕が、これに該当する。
さらに、これらの中でより好ましいものは、1,6−ヘキサンジオール−ビス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、ペンタエリスリチル−テトラキス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、トリエチレングリコール−ビス〔3−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、トリエチレングリコール−ビス〔3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、トリエチレングリコール−ビス〔3−(3,5−ジ−t−チル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、2,2’−チオジエチル−ビス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕である。
これらの立体障害フェノールは1種を用いても、2種以上を併用しても良い。本発明組成物中の(C)立体障害フェノールの配合量は、(A)ポリアセタール樹脂100重量部に対し、0.01〜5重量部、好ましくは0.03〜4重量部、更に好ましくは0.05〜3重量部である。
本発明組成物は、上記(A)〜(C)成分を必須として配合するが、更に(D)アミノ置換トリアジンを配合することが好ましい。本発明組成物に使用される(D)アミノ置換トリアジン化合物とは、基本的には、下記一般式(3)で示される構造を有する置換トリアジン類、または該置換トリアジン類とホルムアルデヒドとの初期重縮合物である。
Figure 2005306995
(式(3)において、R,R,Rは、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、水酸基、メルカプト基、アルキル基、アラルキル基、アリール基、シクロアルキル基、アミノ基または置換アミノ基を示し、その少なくとも一つは、アミノ基、または置換アミノ基を表す。)。
アミノ置換トリアジン化合物、または、該アミン置換トリアジン化合物とホルムアルデヒドとの初期重縮合物の具体例としては、例えばグアナミン、メラミン、N−ブチルメラミン、N−フェニルメラミン、N,N−ジフェニルメラミン、N,N−ジアリルメラミン、N,N’,N”−トリフェニルメラミン、N,N’,N”−トリメチロールメラミン、ベンゾグアナミン、2,4−ジアミノ−6−メチル−sym−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−ブチル−sym−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−ベンジルオキシ−sym−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−ブトキシ−sym−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−シクロヘキシル−sym−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−クロロ−sym−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−メルカプト−sym−トリアジン、アメリン(N,N,N’,N’−テトラシアノエチルベンゾグアナミン)、または、それらとホルムアルデヒドとの初期重縮合物等が挙げられる。中でも、メラミン、メチロールメラミン、ベンゾグアナミン、水溶性メラミン−ホルムアルデヒド樹脂が特に好ましい。
アミノ置換トリアジン化合物は1種を用いても2種以上を併用しても良い。本発明組成物中の(D)アミノ置換トリアジン化合物の配合量は、(A)ポリアセタール樹脂100重量部に対し、0.01〜7重量部、好ましくは0.01〜5重量部である。
また、本発明組成物には、更に(E)アルカリ金属もしくはアルカリ土類金属の水酸化物、無機酸塩またはアルコキシドから選ばれる少なくとも1種の金属含有化合物を配合することが好ましい。無機酸塩としては、炭酸塩、燐酸塩、ケイ酸塩、ほう酸塩などが挙げられる。前記アルコキシドとしては、メトキシド、エトキシドなどが挙げられる。該(E)の金属含有化合物としては、アルカリ土類金属の水酸化物、無機酸塩またはアルコキシドが好ましく、特に、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化カリウム、炭酸カルシウム、および炭酸マグネシウムがより好ましい。
本発明組成物中の(E)金属含有化合物の配合量は、(A)ポリアセタール樹脂100重量部に対し、0.004〜5重量部、好ましくは0。005〜5重量部である。
本発明のポリアセタール樹脂組成物は、以上の成分の他に、本発明の目的を損なわない範囲で公知の添加剤および/または充填剤を添加することが可能である。前記添加剤としては、例えば滑剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤等が挙げられる。また、前記充填剤としてはガラス繊維、ガラスフレーク、ガラスビーズ、タルク、マイカ、炭酸カルシウム、チタン酸カリウムウィスカー等が挙げられる。また、その他の添加剤としてヒドラジド化合物、尿素化合物、アルキレンアクリル化合物、ポリエーテル化合物等を添加することが可能である。さらに顔料、染料を加えて所望の色目に仕上げることも可能である。
更に、必要に応じてその他の樹脂添加剤および/または充填剤を混合・混練することによって調製することができる。混合・混練の方法については、特に制限はなく、従来から知られている混合・混練装置を使用する方法が挙げられる。混練は、ポリアセタール樹脂が溶融する温度以上、具体的には、原料のポリアセタール樹脂の流動開始温度以上(一般的には170℃以上)で行うのが好ましい。
具体的には、例えば、(A)ポリアセタール樹脂に対して、(B)芳香族イミド化合物、(C)立体障害性フェノール、必要であれば(D)アミノ置換トリアジン化合物、さらに必要であれば(E)金属含有化合物を、所定の量、同時に添加し、必要に応じて他の樹脂添加剤を添加した後、タンブラー型ブレンダー等によって混合し、得られた混合物を1軸または2軸押出し機にて溶融混練してストランド状に押出し、ペレット化することにより所望の組成のポリアセタール樹脂組成物を得ることができる。
以下に、実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下に示す例に制限されるものではない。
なお、実施例及び比較例で使用した材料を以下に示す。
<材料>
*ポリアセタール樹脂:コモノマーとして1,3−ジオキソランを用いたアセタール
コポリマー[コモノマー量は、樹脂に対して4.2重量%、メルトインデックス(10.5g/10分)]。
*芳香族イミド化合物−1:フタルイミド。
*芳香族イミド化合物−2:ピロメリット酸ジイミド。
*立体障害フェノール:トリエチレングリコール−ビス〔3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、商品名「イルガノックス245」、チバ・スペシャルティー・ケミカルズ社製。
*アミノ置換トリアジン化合物:メラミン。
*金属含有化合物:水酸化マグネシウム。
[実施例1〜4,比較例1〜2]
ポリアセタール樹脂100重量部に対し、下記表−1に示す配合処方で原料を秤量し、タンブラー型ブレンダーによって混合した。次に、得られた混合物を40mmφ1軸押出機(田辺プラスチックス社製、型式:VS−40)にて、シリンダー温度200℃、吐出速度13kg/hrで溶融混練してペレット化し、所望のポリアセタール樹脂組成物を得た後、射出成形機にてシリンダー温度215℃で2mm厚の平板を成形し、以下の方法により、成形品の発生ホルムアルデヒド量の測定及び熱安定性を評価した。
結果を表−1に示した。なお、発生ホルムアルデヒド量は比較例1の値を基準(1.00)とする相対値で表示した。
<評価法>
(a)発生ホルムアルデヒド量:実施例又は比較例で得られた樹脂組成物を、日精樹脂工業社製PS−40E5ASE成形機を用いて、シリンダー温度215℃で成形した100mm×40mm×厚さ2mmの平板を試験片として、成形翌日にドイツ自動車工業組合規格VDA275(自動車室内部品−改訂フラスコ法によるホルムアルデヒド放出量の定量)に記載された方法に準拠し、次の手順により測定した。
(i)ポリエチレン容器中に蒸留水50mlを入れ、試験片を吊るした状態で蓋を閉め、密閉状態で60℃、3時間保持する。
(ii)その後、室温で60分間放置後、試験片を取り出す。
(iii)ポリエチレン容器内の蒸留水中に吸収されたホルムアルデヒド濃度を、UVスペクトロメーターを用いてアセチルアセトン比色法で測定する。
(b)熱安定性:実施例又は比較例で得られた樹脂組成物を、日精樹脂工業社製PS−40E5ASE成形機を用いて、シリンダー温度215℃−10分サイクルで成形した100mm×40mm×厚さ2mmの平板を試験片とし、滞留時の成形安定性(着色性、シルバー発生の有無)を観察し、次の基準で評価した。
◎:熱安定性は非常に良好。
○:熱安定性は良好。
△:熱安定性は普通。
×:熱安定性は不良。
Figure 2005306995
表−1から明らかなように、ポリアセタール樹脂に、芳香族イミドと立体障害性フェノールを配合した実施例1の組成物は何れか一方のみを配合した組成物と比較し、ホルムアルデヒド発生量が大幅に低減され、更に立体障害性フェノールは熱安定性も大幅に向上させる。また、アミノ置換トリアジン及び金属含有化合物を配合することにより、熱安定性を更に向上させることができる。
本発明において得られるポリアセタール樹脂組成物は、熱安定性にすぐれ、製品からのホルムアルデヒド発生が抑制されるため、いわゆるシックハウス症候群対策として自動車内装部品や建材部品、および電気部品等にきわめて有用である。

Claims (4)

  1. (A)ポリアセタール樹脂100重量部に対し、(B)芳香族イミド化合物0.01〜5重量部、及び(C)立体障害フェノール0.01〜5重量部を配合してなるポリアセタール樹脂組成物。
  2. (A)ポリアセタール樹脂100重量部に対し、さらに(D)アミノ置換トリアジン化合物0.01〜7重量部を配合してなる請求項1に記載のポリアセタール樹脂組成物。
  3. (A)ポリアセタール樹脂100重量部に対し、さらに(E)アルカリ金属もしくはアルカリ土類金属の水酸化物、無機酸塩またはアルコキシドから選ばれる少なくとも1種の金属含有化合物0.004〜5重量部を配合してなる請求項1又は2に記載のポリアセタール樹脂組成物。
  4. 請求項1〜3の何れかに記載のポリアセタール樹脂組成物からなる成形品。
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