JP2005179593A - ポリアセタール樹脂組成物およびそれからなる成形品 - Google Patents

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康裕 平井
Masayuki Nagai
雅之 永井
Kunihiko Fujimoto
邦彦 藤本
Daisuke Sanada
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Abstract

【課題】熱安定性に優れ、かつホルムアルデヒドの発生量を抑制したポリアセタール樹脂組成物を提供する。
【解決手段】 (A)ポリアセタール樹脂に、(B)下記一般式(1)で示されるジセミカルバジド化合物及び(C)立体障害性フェノールを配合してなるポリアセタール樹脂組成物。
【化1】

(式中、Rは炭素原子数10以下のアルキレン基、シクロアルキレン基、又はビフェニレン基等を示す。)。この組成物にトリアジン系化合物、金属含有化合物を配合すると、更にホルムアルデヒド発生量を低減できる。
【選択図】 なし

Description

本発明は、ポリアセタール樹脂組成物およびそれからなる成形品に関する。詳しくは、熱安定性に優れ、かつ、ペレットおよび成形品からのホルムアルデヒド発生量が抑制されたポリアセタール樹脂組成物およびそれからなる成形品に関する。
ポリアセタール樹脂はバランスの取れた機械的性質と良好な自己潤滑特性及び電気特性を有するエンジニアリングプラスチックとして、各種の機械部品や電気部品等に広く使用されている。
しかしながら、ポリアセタール樹脂組成物はモノマーの主原料がホルムアルデヒドであることから、樹脂の重合時や成形加工時等にかかる熱履歴での僅かな熱分解反応によりきわめて微量ながらもホルムアルデヒドが発生し、成形金型を汚染したり、労働(衛生)環境の悪化を惹起している。近年、最終製品から発生するホルムアルデヒドによるシックハウス症候群等が社会問題となり、厚生労働省からの室内ホルムアルデヒド濃度指針値は、0.08ppmと厳しく規定されており、シックハウス症候群対策として、ホルムアルデヒド発生量を現状よりさらに低くすることが求められている。そのためには、ホルムアルデヒド発生量の低いポリアセタール樹脂組成物が望ましい。
従来、ポリアセタール樹脂組成物のペレットおよび成形品のホルムアルデヒド発生量を抑制するために、種々の添加剤を配合することが提案されている。例えば、メラミン−ホルムアルデヒド重合物(特許文献1)、立体障害性フェノールと、特定のポリアミン付加物(特許文献2)、グリオキシジウレイド(特許文献3)等の尿素誘導体、トリアジン含有スピロ化合物(特許文献4)等が挙げられる。また、樹脂や繊維処理剤、接着剤から発生するホルムアルデヒドの補足剤として、ケトンやアルデヒドと反応する官能基、例えばセミカルバジド基を有する化合物を使用することも知られている。例えば、ポリイソシアネートとヒドラジン化合物を反応させて得られる平均セミカルバジド残基数が2.5以上のセミカルバジド誘導体(特許文献5)が提案されている。其の他、アジピン酸ジヒドラジドなどのヒドラジド化合物がホルムアルデヒド補足剤として知られている。
しかしながら、これらは、取り扱い性が悪かったり、効果が不十分であったり、成形品物性を低下させるなどの問題があり、更にホルムアルデヒドの発生が抑制されたポリアセタール樹脂組成物及びその成形品が求められている。
特開平5−271516号 特開平7−207118号 特開平10−182928号 特開2003−113289号 特開2000−217944号
本発明の目的は、熱安定性にすぐれ、かつ、製品から発生するホルムアルデヒド量が大幅に低減され、成形時の金型汚染の無いポリアセタール樹脂組成物を提供することにある。
本発明者らは、上記の問題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、ポリアセタール樹脂に特定のジセミカルバジド化合物を立体障害性フェノールと共に配合することにより、ペレットおよび成形品から発生するホルムアルデヒド量を著しく抑制することができることを見出し、本発明に至った。すなわち、本発明の要旨は、(A)ポリアセタール樹脂に、(B)下記一般式(1)で示されるジセミカルバジド化合物、及び(C)立体障害性フェノールを配合してなるポリアセタール樹脂組成物及びこれを用いた成形体に存する。
{式中、Rは炭素原子数10以下のアルキレン基、シクロアルキレン基または下記一般式(2)で示される基を意味する。
(式中、Rは、直接結合、炭素原子数10以下のアルキレン基,−O−、−S−、−CO−、−SO−を表す。)}。
本発明に係わるポリアセタール樹脂組成物は、熱安定性に優れているのみならず、ペレットおよび成形品から発生するホルムアルデヒド量を抑制することができることから、いわゆるシックハウス症候群対策として自動車内装部品、家屋や学校等に使用される建材部品、および電気部品等にきわめて有用である。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明に使用される(A)ポリアセタール樹脂は、オキシメチレン基(−CHO−)を主たる構成単位とするアセタールホモポリマー以外に、前記オキシメチレン基以外の構成単位を1種以上含むコポリマー(ブロックポリマーも含む)、およびターポリマー等も含まれる。また、前記ポリアセタール樹脂は、線状構造のみならず分岐、架橋構造を有していてもよい。前記オキシメチレン基以外の構成単位としてはオキシエチレン基(−CHCHO−)、オキシプロピレン基(−CHCHCHO−)、オキシブチレン基(−CHCHCHCHO−)等の炭素原子数2〜4の分岐していても良いオキシアルキレン基が挙げられ、中でもオキシエチレン基が好ましい。ポリアセタール樹脂中のオキシアルキレン単位の含有量としては、0.1〜20重量%が好ましい。
オキシメチレン基(−CHO−)と炭素原子数2〜4のオキシアルキレン基を構成単位とするポリアセタール樹脂は、ホルムアルデヒドの3量体(トリオキサン)や4量体(テトラオキサン)などのオキシメチレン基の環状オリゴマーとエチレンオキサイド、1,3−ジオキソラン、1,3,6−トリオキソカン、1,3−ジオキセパン等の炭素原子数 2〜4のオキシアルキレン基を含む環状オリゴマーとを共重合することによって製造することができる。中でも、トリオキサンやテトラオキサンなどの環状オリゴマーとエチレンオキサイドもしくは1,3−ジオキソランとの共重合体が好ましい。特に、トリオキサンと1,3−ジオキソランとの共重合体がさらに好ましい。
本発明において使用される(B)ジセミカルバジド化合物は、前記一般式(1)で示される構造を有する。かかるジセミカルバジド化合物は具体的に、1,6−ヘキサメチレンビス(N,N−ジメチルセミカルバジド),1,4-シクロヘキサンビス(N,N−ジメチルセミカルバジド)、ビフェニレン−4,4’−ビス(N,N−ジメチルセミカルバジド)、1,1,1’,1’−テトラメチル−4,4’−(メチレンージ−パラフェニレン)ジセミカルバジド、ジフェニルエーテル−4,4’−ビス(N,N−ジメチルセミカルバジド)、ジフェニルチオエーテルー4,4’−ビス(N,N−ジメチルセミカルバジド)、ジフェニルスルホン−4,4’−ビス(N,N−ジメチルセミカルバジド)、ジフェニルケトン−4,4’−ビス(N,N−ジメチルセミカルバジド)等が挙げられる。これらの中、1,6−ヘキサメチレンビス(N,N−ジメチルセミカルバジド)[一般式(1)のRがヘキサメチレン基の化合物]は、日本ヒドラジン工業社から「HN−130」の商品名で、また、1,1,1’,1’−テトラメチル−4,4’−(メチレンージ−パラフェニレン)ジセミカルバジド[一般式(1)のRがメチレン基の化合物]は日本ヒドラジン工業社から「HN−150」の商品名で市販され、容易に入手できる。また、他の化合物は、対応するジイソシアネートとジメチルヒドラジンを反応させることにより製造できる。
これらのジセミカルバジド化合物は単独で用いてもよいし、2種類以上混合して用いてもよい。
本発明に使用される(C)立体障害性フェノールとは、基本的には、下記一般式(3)で示される構造を少なくとも一つ以上有する化合物をいう。
(式中、RおよびRは、各々独立して、置換または非置換のアルキル基を表す。さらに、ヒドロキシ基に対してメタ位およびパラ位が任意の置換基で置換されていても良い。)。
(C)立体障害性フェノールの具体例としては、2,2’−メチレン−ビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−メチレン−ビス(2,6−ジ−t−ブチルフェノール)、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルジメチルアミン、ステアリル−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホネート、ジエチル−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホネート、2,6,7−トリオキサ−1−ホスファ−ビシクロ〔2,2,2〕−オクト−4−イル−メチル−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナメート、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル−3,5−ジステアリル−チオトリアジルアミン、2(4’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2,6−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシメチルフェノール、2,4−ビス−(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルアニリノ)−1,3,5−トリアジン、N,N’−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナマミド)、オクタデシル−3−(3,5−ジ−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、1,6−ヘキサンジオール−ビス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、ペンタエリスリチル−テトラキス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、トリエチレングリコール−ビス〔3−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、トリエチレングリコール−ビス〔3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕トリエチレングリコール−ビス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、2,2’−チオジエチル−ビス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕等をあげることができるが、これらのなかで、特に好ましいものは、下記一般式(4)で示される構造を少なくとも一個以上有する化合物である。
(式中、RおよびRは、一般式(3)におけると同じ意味である。)。
一般式(3)の構造を有する化合物の好ましい具体例としては、前記の中で、N,N’−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナマミド)、オクタデシル−3−(3,5−ジ−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、1,6−ヘキサンジオール−ビス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、ペンタエリスリチル−テトラキス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、トリエチレングリコール−ビス〔3−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、トリエチレングリコール−ビス〔3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、トリエチレングリコール−ビス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、2,2’−チオジエチル−ビス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕等がこれに該当する。
さらに、これらの中でより好ましいものは、1,6−ヘキサンジオール−ビス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、ペンタエリスリチル−テトラキス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、トリエチレングリコール−ビス〔3−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、トリエチレングリコール−ビス〔3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、トリエチレングリコール−ビス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、2,2’−チオジエチル−ビス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕である。
本発明組成物は以上の(A)〜(C)を必須成分として含有するが、好ましくは、更に、(D)アミノ置換トリアジン及び、又は(E)金属含有化合物を含有する。本発明に使用される、(D)アミノ置換トリアジン化合物とは、下記一般式(5)で示される構造を有する置換トリアジン類、または該置換トリアジン類とホルムアルデヒドとの初期重縮合物である。
(式中、R,R,Rは、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、水酸基、メルカプト基、アルキル基、アラルキル基、アリール基、シクロアルキル基、アミノ基または置換アミノ基を示し、その少なくとも一つは、アミノ基、または置換アミノ基を表す。)。
アミノ置換トリアジン化合物、または、該アミノ置換トリアジン化合物とホルムアルデヒドとの初期重縮合物の具体例としては、例えばグアナミン、メラミン、N−ブチルメラミン、N−フェニルメラミン、N,N−ジフェニルメラミン、N,N−ジアリルメラミン、N,N’,N”−トリフェニルメラミン、N,N’,N”−トリメチロールメラミン、ベンゾグアナミン、2,4−ジアミノ−6−メチル−sym−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−ブチル−sym−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−ベンジルオキシ−sym−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−ブトキシ−sym−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−シクロヘキシル−sym−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−クロロ−sym−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−メルカプト−sym−トリアジン、アメリン(N,N,N’,N’−テトラシアノエチルベンゾグアナミン)、または、それらとホルムアルデヒドとの初期重縮合物等があげられる。中でも、メラミン、メチロールメラミン、ベンゾグアナミン、水溶性メラミン−ホルムアルデヒド樹脂が特に好ましい。
本発明に使用される(E)の金属含有化合物としては、アルカリ金属もしくはアルカリ土類金属の水酸化物、無機酸塩またはアルコキシドから選ばれる。具体的には、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属、カルシウム、マグネシウム等のアルカリ土類金属の水酸化物、これら金属の炭酸塩、燐酸塩、ケイ酸塩、ほう酸塩などの無機酸塩、これら金属のメトキシド、エトキシドなどのアルコキシドが挙げられる。(E)の金属含有化合物としては、アルカリ土類金属の水酸化物、無機酸塩またはアルコキシドが好ましく、特に、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、および炭酸マグネシウムが好ましい。
本発明によれば、(A)ポリアセタールに(B)及び(C)の成分、好ましくは更に(D),(E)の成分を、特定の量比で配合することにより、熱安定性に優れ、ホルムアルデヒド発生量が低減された組成物が得られる。本発明の樹脂組成物中の(B)ジセミカルバジド化合物の量は、ポリアセタール樹脂100重量部に対し0.01〜5重量部、好ましくは0.03〜4重量部、さらに好ましくは0.05〜3重量部である。(C)立体障害性フェノールの量は、ポリアセタール樹脂100重量部に対し、0.01〜5重量部、好ましくは0.05〜3重量部である。(D)アミノ置換トリアジン化合物の量は、ポリアセタール樹脂100重量部に対し0.01〜7重量部、好ましくは0.01〜5重量部である。(E)金属含有化合物の量は、ポリアセタール樹脂100重量部に対し0.004〜5重量部、好ましくは0.005〜5重量部である。
本発明のポリアセタール樹脂組成物には、以上の成分の他に、本発明の目的を損なわない範囲内で公知の添加剤および/または充填剤を添加することが可能である。前記添加剤としては、例えば滑剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤等が挙げられる。また、前記充填剤としてはガラス繊維、ガラスフレーク、ガラスビーズ、タルク、マイカ、炭酸カルシウム、チタン酸カリウムウィスカー等が挙げられる。さらに、顔料、染料を加えて所望の色目に仕上げることも可能である。
本発明のポリアセタール樹脂組成物の製法は、特に限定されるものではなく、上記(A)〜(C)成分、及び必要に応じて添加されるその他の成分を混合・混練することによって調製することができる。混合・混練の方法については、特に制限はなく、従来から知られている混合・混練装置を使用する方法が挙げられる。混練は、ポリアセタール樹脂が溶融する温度以上、具体的には、原料のポリアセタール樹脂の融解温度以上(一般的には170℃以上)で行うのが好ましい。
具体的には、例えば、(A)ポリアセタール樹脂に対して、(B)ジセミカルバジド化合物、(C)立体障害性フェノール、必要であれば(D)アミン置換トリアジン化合物及び、又は(E)金属含有化合物を、所定の量、同時に添加し、必要に応じて他の樹脂添加剤を添加した後、タンブラー型ブレンダー等によって混合し、得られた混合物を1軸または2軸押出し機にて溶融混練してストランド状に押出し、ペレット化することにより所望の組成のポリアセタール樹脂組成物を得ることができる。
本発明のポリアセタール樹脂組成物は、例えば押出成形法、射出成形法等の公知のポリアセタール樹脂の成形加工法を適用して成形品を得ることができる。本発明の成形品としては、例えば、ペレット、丸棒、厚板等の素材、シート、チューブ、各種容器、機械電気、自動車、建材その他の各種部品等、ポリアセタール樹脂の用途として知られる種々の成形品が挙げられる。本発明の組成物は熱安定性に優れているだけでなく、ホルムアルデヒドの発生を大幅に抑制することが可能であることから、いわゆるシックハウス症候群対策として自動車内装部品や建材部品、および電気部品等の材料としてきわめて有用である。
以下に、実施例及び比較例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下に示す具体例に制限されるものではない。
なお、実施例及び比較例で使用した材料、及び測定法を以下に示す。
<材料>
(1)ポリアセタール樹脂:コモノマーとして1,3−ジオキソランを樹脂に対して4.2重量%用いたアセタールコポリマー、メルトインデックス(10.5g/10分)。
(2)ジセミカルバジド化合物−1:1,1,1’、1’−テトラメチル−4,4’−(メチレン−ジ−パラ−フェニレン)ジセミカルバジド。
(3)ジセミカルバジド化合物−2:1,6−ヘキサメチレンビス(N,N−ジメチルセミカルバジド)。
(4)ヒドラジド化合物:アジピン酸ジヒドラジド。
(5)立体障害性フェノール:トリエチレングリコール−ビス〔3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、商品名:イルガノックス245、チバ・スペシャルティー・ケミカルズ社製。
(6)アミノ置換トリアジン化合物:メラミン。
(7)金属含有化合物:水酸化マグネシウム。
<物性評価>
(a)発生ホルムアルデヒド量:実施例又は比較例で得られた樹脂組成物を、日精樹脂工業社製PS−40E5ASE成形機を用いて、シリンダー温度215℃で成形した100mm×40mm×厚さ2mmの平板を試験片として、成形翌日にドイツ自動車工業組合規格VDA275(自動車室内部品−改訂フラスコ法によるホルムアルデヒド放出量の定量)に記載された方法に準拠して測定した。
(i)ポリエチレン容器中に蒸留水50mlを入れ、試験片を吊るした状態で蓋を閉め、密閉状態で60℃、3時間保持する。
(ii)その後、室温で60分間放置後、試験片を取り出す。
(iii)ポリエチレン容器内の蒸留水中に吸収されたホルムアルデヒド濃度を、UVスペクトロメーターを用いてアセチルアセトン比色法で測定する。
(b)熱安定性:実施例又は比較例で得られた樹脂組成物を、日精樹脂工業社製PS−40E5ASE成形機を用いて、シリンダー温度215℃−10分サイクルで成形した100mm×40mm×厚さ2mmの平板を試験片とし、滞留時の成形安定性(着色性、シルバー発生の有無)を観察し、次の基準で評価した。
◎:熱安定性は非常に良好。
○:熱安定性は良好。
△:熱安定性は普通。
×:熱安定性は不良。
(c)金型汚染性:実施例又は比較例で得られた樹脂組成物を、
住友重機(株)製ミニマットM8/7A成形機及びしずく型金型を用いて、成形温度230℃、金型温度35℃で500ショット連続成形し、終了後金型の付着物の有無を観察し、次の基準で評価した。
◎:金型の付着物が非常に少ない。
○:金型の付着物が少ない。
△:金型の付着物が多い。
×:金型の付着物が非常に多い。
[実施例1〜8,比較例1〜4]
ポリアセタール樹脂100重量部に対し、下記表1,表2に示す配合処方で原料を秤量し、タンブラー型ブレンダーによって混合した。次に、得られた混合物を40mmΦ単軸押出機(田辺プラスチックス社製、型式:VS−40)にて、シリンダー温度200℃、吐出速度13kg/hで溶融混練してペレット化し、所望のポリアセタール樹脂組成物を得た後、射出成形機にてシリンダー温度215℃で2mm厚の平板を成形し、成形品の発生ホルムアルデヒド量を測定した。
結果を表1,表2に示した。
なお、発生ホルムアルデヒド量は比較例1の値を基準(1.00)とする相対値で表示した。
表1、表2から明らかな様に、ポリアセタール樹脂に、ジセミカルバジド化合物及び立体障害性フェノール化合物を配合した、本願実施例1〜3及び6,7の組成物は、ポリアセタールに何れか一方の成分のみを配合した組成物に比し、ホルムアルデヒドの発生が低減され、熱安定性、金型汚染性も良好である。これらの実施例のホルムアルデヒド低減効果は、公知のホルムアルデヒド補足剤であるアジピン酸ジヒドラジドを用いた比較例3に比し、はるかに優れている。ジセミカルバジド、立体障害性フェノールにアミノ置換トリアジン化合物、金属含有化合物を配合した実施例4、5,8の組成物のホルムアルデヒド発生量は更に低減され、熱安定性も向上する。

Claims (5)

  1. (A)ポリアセタール樹脂に、(B)下記一般式(1)で示されるジセミカルバジド化合物及び(C)立体障害性フェノールを配合してなるポリアセタール樹脂組成物。
    {式中、Rは炭素原子数10以下のアルキレン基、シクロアルキレン基、又は下記一般式(2)で示される基を表す。
    (式中、Rは、直接結合、炭素原子数10以下のアルキレン基、−O−、−S−、−CO−又は−SO−を表す)。}。
  2. (A)ポリアセタール樹脂100重量部に対し、(B)ジセミカルバジド化合物0.01〜5重量部、(C)立体障害性フェノール0.01〜5重量部を配合することを特徴とする請求項1記載のポリアセタール樹脂組成物。
  3. (A)ポリアセタール樹脂100重量部に対し、更に(D)アミノ置換トリアジン化合物0.01〜7重量部を配合することを特徴とする請求項2に記載のポリアセタール樹脂組成物。
  4. (A)ポリアセタール樹脂100重量部に対し、さらに(E)アルカリ金属もしくはアルカリ土類金属の水酸化物、無機酸塩またはアルコキシドから選ばれる少なくとも1種の金属含有化合物0.004〜5重量部を配合することを特徴とする請求項2又は3に記載のポリアセタール樹脂組成物。
  5. 請求項1〜4の何れかに記載のポリアセタール樹脂組成物から形成される成形品。
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