JP3110959B2 - モールドデポジットの改良されたポリアセタール樹脂組成物 - Google Patents
モールドデポジットの改良されたポリアセタール樹脂組成物Info
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Description
ージング変色性に優れ、且つ成形加工時における金型表
面に付着するモールドデポジットを大巾に低減せしめ、
作業環境の改善と成形品の表面性、寸法精度を損なうこ
となく長時間の連続成形が可能なポリアセタール樹脂組
成物、に関する。
や成形性を有するためにエンジニアリング樹脂として、
電気・電子部品、及び機械機構部品等幅広い分野で利用
されている。
熱安定性に乏しく成形加工時に熱分解によってホルムア
ルデヒドガスが発生し、作業環境を悪化させたり、又発
生したホルムアルデヒドやポリアセタール樹脂中に含有
されている安定剤等の添加物由来の揮発成分が金型表面
に析出し、いわゆるモールドデポジットを形成し、その
結果成形品の表面を著しく損なったり、あるいは成形品
の寸法精度の低下を来たす等の問題がある。又、モール
ドデポジットが発生した場合には、モールドデポジット
の発生毎に金型の分解掃除をしなければならず、これに
は多大の時間と労力を要し、生産性の低下を来たすとい
う問題も有しており、その改良が強く望まれている。
々の提案がされており、例えば、熱分解によって発生す
るホルムアルデヒドの低減を目的として、ポリアミド
(特公昭34−5440号公報)、アミドオリゴマー
(特公昭54−32658号公報)等を添加する方法、
あるいはヒンダードフェノール/カルボン酸の金属塩/
ポリアミド(特開平3−14859号公報)を添加する
方法が提案されている。しかしながらこれらの方法にお
いては、ポリアセタールの安定化が不充分であるために
成形加工時の熱安定性や、モールドデポジットの発生の
点において満足し得るものではなかった。
性の向上方法として、脂肪族カルボン酸のアルカリ土類
金属塩をポリアセタールに添加する方法(特公昭55−
22508号公報、特公昭60−56748号公報)が
一般に知られている。しかしながら、ポリアセタール樹
脂に脂肪族カルボン酸のアルカリ土類金属塩を添加した
場合、耐熱エージング性は向上するがエージング変色性
が悪く、また成形加工時の熱安定性、モールドデポジッ
ト性も悪い。そのため、製品の外観を損ない、また成形
作業環境を悪くするなどの問題があり、改善の要求が切
に望まれている。
従来のポリアセタール樹脂が有する欠点を克服し、成形
加工時に金型表面に発生するモールドデポジットが著し
く低減され、かつ耐熱エージング性、エージング変色
性、熱安定性に優れたポリアセタール樹脂組成物を提供
することを目的としてなされたものである。
ジング性とエージング変色性に優れ且つ成形加工時にお
けるモールドデポジットの発生を効果的に抑制したポリ
アセタール樹脂組成物を開発すべく鋭意研究を重ねた結
果、ポリオキシメチレンにヒンダードアミン系光安定剤
と特定の脂肪族カルボン酸カルシウム塩との混合物を所
定量配合せしめたポリアセタール樹脂組成物が前記目的
を達成し得ることを見い出し、この知見に基づいて本発
明を完成するに至った。
00重量部に対して、(A)ヒンダードアミン系光安定
剤0.03〜2重量部と(B)カルシウムイオン含有量
が1〜50ppmであり、且つクロルイオン含有量が1
0〜100ppmの脂肪族カルボン酸カルシウム塩0.
01〜1.0重量部とを添加してなるモールドデポジッ
トの改良されたポリアセタール樹脂組成物、を提供する
ものである。
(A)成分であるヒンダードアミン系光安定剤と(B)
成分である特定の脂肪族カルボン酸カルシウム塩の二者
を組み合せることによってのみ本発明の目的とする効果
を達成することができるものであり、いずれか1種を欠
いても本発明の目的を達成することができない。
特定の脂肪族カルボン酸カルシウム塩としてカルシウム
イオン含有量が1〜50ppmであり、且つクロルイオ
ン含有量が10〜100ppmの脂肪族カルボン酸カル
シウム塩を添加することが必要不可欠である。カルシウ
ムイオン含有量が1〜50ppmであり、且つクロルイ
オン含有量が10〜100ppmの脂肪族カルボン酸カ
ルシウム塩を用いた場合のポリアセタール樹脂組成物
は、上記以外の脂肪族カルボン酸カルシウム塩を添加し
て得られる組成物よりもモールドデポジットが著しく優
れており、カルシウムイオン含有量とクロル含有量のど
ちらか一方でも本発明で規定した含有量の範囲以外の場
合には本願発明の目的は達成できない。
リオキシメチレンとは、ホルムアルデヒド、またはトリ
オキサンもしくはテトラオキサン等の環状オリゴマーの
単独重合によって得られる実質的にオキシメチレン単位
−(CH2 O)−からなるポリオキシメチレンホモポリ
マー、及びホルムアルデヒドもしくはトリオキサンと環
状エーテル又は環状ホルマールあるいはヒンダードフェ
ノール系酸化防止剤が10〜500ppm添加された環
状ホルマールとの共重合によって得られるオキシメチレ
ン単位−(CH2 O)−からなる連鎖中に下記一般式
(1)で表わされるオキシアルキレン単位がランダムに
挿入された構造を有するポリオキシメチレンコポリマー
である。
基、又はアリール基であり、それらは同一であっても異
なっていてもよく、nは2〜6の整数である)
ンには分子鎖の分岐化された分岐ポリオキシメチレンコ
ポリマー、及びオキシメチレンの繰り返えし単位を50
重量%以上含む異種成分ブロックとのポリオキシメチレ
ンブロックコポリマーも含まれる。
前記オキシアルキレン単位の挿入率は、オキシメチレン
単位100モルに対し、0.05〜50モル、好ましく
は0.1〜20モルの範囲である。該オキシアルキレン
単位としては例えばオキシエチレン単位、オキシプロピ
レン単位、オキシテトラメチレン単位、オキシブチレン
単位、オキシフェニルエチレン単位等が挙げられる。こ
れらのオキシアルキレン単位の中でもポリアセタール樹
脂組成物の物性を向上させる点から、オキシエチレン単
位−〔(CH2 )2 O〕−、及びオキシテトラメチレン
単位−〔(CH2 )4 O〕−が特に好ましい。
られるポリオキシメチレンは分子末端の安定化処理を行
なうことが望ましい。分子末端の安定化処理方法として
は例えば末端のヒドロキシル基をエステル化、エーテル
化、ウレタン化等とする方法、あるいは、分子末端の不
安定部分を加水分解によって分子末端の安定化を図る方
法等が用いられる。
明の組成物に用いられるポリオキシメチレンは、該ポリ
オキシメチレン共重合体を窒素気流下にて230℃で6
0分間加熱した場合のホルムアルデヒドガス発生量が5
00ppm以下のものであることがより好ましい。
ルムアルデヒドもしくはトリオキサンと環状エーテル、
環状ホルマールとの共重合によって得られるポリオキシ
メチレンコポリマーを、重合直後に分子末端の安定化処
理を行ない、さらにその後溶融状態で、水もしくはア
ルコールまたはそれらの混合物を注入・混練する工程、
及び注入された上記水酸基含有化合物の蒸気および遊
離のホルムアルデヒドを解放する脱揮工程、の少なくと
も2段階の工程からなる異方向回転非かみ合型2軸スク
リュー押出機に連続的に供給し、処理することにより、
溶融したポリオキシメチレンコポリマーから揮発成分を
除去すること等により得られる。なお、上記の水、もし
くはアルコール、またはそれらの混合物を注入・混練す
る際、pH調製剤としてトリエチルアミン等の塩基性物
質を添加することが好ましい。
表的なヒンダードアミン系光安定剤としては、例えば以
下の化合物が挙げられる。 ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリ
ジル)セバケート ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピ
ペリジル)セバケート 1−[2−〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−
ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ〕エチル]−
4−〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ
フェニル)プロピオニルオキシ〕−2,2,6,6−テ
トラメチルピペリジン 8−アセチル−3−ドデシル−7,7,9,9−テ
トラメチル−1,3,8−トリアザスピロ[4,5]デ
カン−2,4−ジオン
ヒドロキシベンジル)−2−n−ブチルマロン酸ビス
(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジ
ル) コハク酸ジメチル・1−(2−ヒドロキシエチル)
−4−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキシ−2,2,
6,6−テトラメチルピペリジン重縮合物 ポリ〔{6−(1,1,3,3−テトラメチルブチ
ル)アミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイ
ル}{2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジ
ル)イミノ}ヘキサメチレン{(2,2,6,6−テト
ラメチル−4−ピペリジル)イミノ}〕 N,N′−ビス(3−アミノプロピル)エチレンジ
アミン・2,4−ビス〔N−ブチル−N−(1,2,
2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)アミノ〕
−7−クロロ−1,3,5−トリアジン縮合物 あるいは、下記構造式のものが挙げられる。
でも成形品の色調の観点より、8−アセチル−3−ドデ
シル−7,7,9,9−テトラメチル−1,3,8−ト
リアザスピロ[4,5]デカン−2,4−ジオン、1−
[2−〔3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェ
ニル)プロピオニルオキシ〕エチル]−4−〔3−
(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)
プロピオニルオキシ〕−2,2,6,6−テトラメチル
ピペリジン、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4
−ピペリジル)セバケート、及び2,2,6,6−テト
ラメチル−4−ピペリジノールとトリデシルアルコール
と1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸との縮合物
である下記構造式
安定剤は単独であるいは1種以上を組合せて用いてもよ
い。又その添加量はポリオキシメチレン100重量部に
対して0.03〜2重量部であり、好ましくは0.05
〜1重量部である。添加量が0.03重量部未満の場合
には、ポリアセタール樹脂組成物の熱安定性が低下し、
本発明の目的を達成できない。又2重量部を越える場合
にはエージング変色性、モールドデポジットが不良とな
る。
族カルボン酸カルシウム塩とは、カルシウムイオン含有
量が1〜50ppmの範囲であり、且つクロルイオンを
10〜100ppm含有する、炭素原子が10〜36個
の飽和又は不飽和脂肪族カルボン酸カルシウム塩であ
り、これらのカルボン酸は、ヒドロキシル基で置換され
ていてもよい。飽和脂肪族カルボン酸としては、カプリ
ン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステ
アリン酸、アラキジン酸、ベヘニン酸、リグノセリン
酸、セロチン酸、モンタン酸、メリシン酸、セロプラス
チン酸等が挙げられる。不飽和脂肪族カルボン酸として
は、ウンデシレン酸、オレイン酸、エライジン酸、セト
レイン酸、エルカ酸、ブラシジン酸、ソルビン酸、リノ
ール酸、リノレン酸、アラキドン酸、プロピオール酸、
ステアロール酸等が挙げられる。これらの脂肪族カルボ
ン酸の中でも特にラウリン酸、ステアリン酸、ベヘン酸
が好ましい。
は、特に限定するものではなく、実質的にカルシウムイ
オン含有量が1〜50ppmの範囲で、且つクロルイオ
ン含有量が10〜100ppmの範囲になる脂肪族カル
ボン酸カルシウム塩の製造方法であればよい。
化カルシウムとの反応によって脂肪族カルボン酸カルシ
ウムを製造する場合、水洗回数を増やし、カルシウムイ
オンとして1〜50ppm及びクロルイオンとして10
〜100ppmになるまで水洗し、除去すればよい。ま
た脂肪族カルボン酸と水酸化カルシウムとの反応によっ
て脂肪族カルボン酸カルシウムを製造する場合にも上記
の方法と同様に水洗回数を増やし、カルシウムイオンと
して1〜50ppm及びクロルイオンとして10〜10
0ppmになるまで水洗し、除去すればよい。また、ク
ロルイオン含有量の少ない水酸化カルシウムを用いても
よい。
るカルシウムイオン含有量の定量方法は、イオンクロマ
トによって定量することが出来る。例えば、脂肪族カル
ボン酸カルウシウム塩をメタノール/水混合液に加え、
超音波処理した後、ろ紙でろ過したろ液をイオンクロマ
トで定量する。クロルイオン含有量の定量方法もまたカ
ルシウムイオン含有量定量方法と同様のイオンクロマト
で定量することができる。
は、カルシウムイオン含有量が1〜50ppmの範囲で
あり、且つクロルイオン含有量が10〜100ppmの
範囲の脂肪族カルボン酸カルシウム塩であることが必要
である。更に好ましくは、カルシウムイオン含有量が1
〜30ppmの範囲、クロルイオン含有量が10〜60
ppmの範囲である。脂肪族カルボン酸塩中のカルシウ
ムイオン含有量が50ppmを越える場合には、ポリア
セタール樹脂組成物のエージング変色性は著しく悪化
し、成形品の外観不良を招き、モールドデポジットも不
良となり、1ppm未満の場合には、モールドデポジッ
トは抑制されるが耐熱エージング性が低下する。又、脂
肪族カルボン酸塩中のクロルイオン含有量が100pp
mを越える場合にはポリアセタール樹脂組成物の熱安定
性が低下し、モールドデポジットも不良となり、10p
pm未満の場合にもモールドデポジットの抑制効果が充
分に発揮されない。
pmで、且つクロルイオン含有量が10〜100ppm
の脂肪族カルボン酸カルシウム塩の添加量は、ポリオキ
シメチレン100重量部に対して,0.01〜1重量部
の範囲である。好ましくは0.02〜0.5重量部であ
る。更に好ましくは0.02〜0.3重量部である。脂
肪族カルボン酸カルシウム塩の添加量が0.01重量部
未満の場合には、ポリアセタール樹脂組成物の耐熱エー
ジング性が悪化し、又モールドデポジットの抑制効果が
低下する。又1重量部を越える場合には、ポリアセター
ル樹脂組成物の熱安定性の著しい低下を来たすと共にモ
ールドデポジットの発生が促進され、又エージング変色
性も著しく低下する。
発生するホルムアルデヒド臭とモールドデポジットの抑
制効果をさらに高めるために所望に応じて、ヒンダード
フェノール系酸化防止剤、及びナイロン66及び/又は
ポリ−βアラニンを添加することが出来る。
て、好適に用いられる具体的な化合物の例としては、n
−オクタデシル−3−(3′,5′−ジ−t−ブチル−
4′−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート、n−オ
クタデシル−3−(3′−メチル−5′−t−ブチル−
4′−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート、n−テ
トラデシル−3−(3′,5′−ジ−t−ブチル−4′
−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート、1,6−ヘ
キサンジオール−ビス−(3−(3,5−ジ−t−ブチ
ル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート)、
1,4−ブタンジオール−ビス−(3−(3,5−ジ−
t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオネー
ト)、トリエチレングリコール−ビス−(3−(3−t
−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)−プ
ロピオネート)、テトラキス−(メチレン−3−
(3′,5′−ジ−t−ブチル−4′−ヒドロキシフェ
ニル)プロピオネート)メタン、3,9−ビス(2−
(3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチル
フェニル)プロピオニルオキシ)−1,1−ジメチルエ
チル)2,4,8,10−テトラオキサスピロ(5,
5)ウンデカン、N,N′−ビス−3−(3′,5′−
ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェノール)プリピオ
ニルヘキサメチレンジアミン、N,N′−テトラメチレ
ンビス−3−(3′−メチル−5′−t−ブチル−4−
ヒドロキシフェノール)プロピオニルジアミン、N,
N′−ビス−(3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒ
ドロキシフェノール)プロピオニル)ヒドラジン、N−
サリチロイル−N′−サリチリデンヒドラジン、3−
(N−サリチロイル)アミノ−1,2,4−トリアゾー
ル、N,N′−ビス(2−(3−(3,5−ジ−ブチル
−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ)エチ
ル)オキシアミド等が挙げられ、特に好ましくは、トリ
エチレングリコール−ビス(3−(3−t−ブチル−5
−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネー
ト)、テトラキス−(メチレン−3−(3′,5′−ジ
−t−ブチル−4′−ヒドロキシフェニル)プロピオネ
ート)メタン、3,9−ビス(2−(3−(3−t−ブ
チル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオ
ニルオキシ)−1,1−ジメチルエチル)2,4,8,
10−テトラオキサスピロ(5,5)ウンデカンが用い
られる。
剤は、1種で用いてもよく、あるいは2種類以上を組合
せて用いてもよい。又、その添加量は、ポリオキシメチ
レン100重量部に対して、0.01〜2重量部、好ま
しくは、0.05〜1重量部の範囲で選ばれる。さらに
該ヒンダードフェノール系酸化防止剤の添加方法は、重
合時に、あるいは重合後の分子末端の安定化処理を行な
う直前のポリオキシメチレンに添加してもよく、また通
常添加される押し出し造粒時に添加してもよく、その添
加方法は何等制限されるものではない。
は、1種用いてもよく、2種を組合せて用いてもよい。
その添加量は、ポリオキシメチレン100重量に対し
て、0.01〜2重量部、好ましくは、0.03〜1重
量部、さらに好ましくは0.05〜0.5重量部の範囲
で選ばれる。
系酸化防止剤とホルムアルデヒドと反応しうる含窒素化
合物は、各々単独で用いてもよいし、それらを組合せて
用いてもよい。本発明の組成物には、所望に応じて従来
公知の他の添加剤、例えば滑剤、離型剤、滞電防止剤、
ガラス繊維等の無機充てん剤や炭素繊維等の補強剤、紫
外線吸収剤、顔料等を所望に応じて添加することが出来
る。
チレンに対して添加される前記各成分との混合は、通常
用いられている溶融混合法によって行なうことが出来、
溶融混合機も何等限定されるものではない。又添加され
る各成分の添加形態は、粉体であっても溶融状態であっ
てもよい。溶融混合温度は、180〜240℃であり、
この範囲内で適宜選択すればよく何等限定するものでは
ない。本発明の組成物は、押し出し成形、射出成形、圧
縮成形、真空成形、吹き込み成形、発泡成形のいずれの
成形方法によっても成形できる。
するが、本発明はこれらの例によって何ら限定されるも
のではない。なお、実施例及び比較例における組成物の
各特性は次のようにして求めた。 (1)連続成形によるモールドデポジットの評価 射出成形機 東洋機械金属(株)製 Ti−30G 射出圧力 :500Kg/cm2 、 射出速度 :6
0% シリンダー温度 :200℃ サックバッ
ク:4mm 射出時間 : 6sec 冷却 : 4sec 金型温度 : 70℃ 成形品 : 長さ35mm、巾14mm、厚さ2m
m 金型 : ピンゲート金型
00ショット実施後、金型に付着しているモールドデポ
ジットの状態を肉眼で観察し、次の判定基準に従って評
価した。 ◎ ;モールドデポジットが全く認められない。 ○ ;モールドデポジットがほとんど認められない。 △ ;モールドデポジットがうっすらと認められる。 × ;モールドデポジットがはっきりと認められる。 ××;モールドデポジットが金型全面に厚く付着してい
る。
に入れ、窒素気流下(6Nリットル/min)で230
℃で60分間溶融加熱した時に発生したホルムアルデヒ
ドガスを1mol/リットルの亜硫酸ナトリウム溶液に
導入し、0.01規定の塩酸で滴定して、発生したホル
ムアルデヒドガスの発生量を測定した。サンプル単位重
量当りの(ppm)で表わした。
型、排気ダクト20°開放〕を用いて140℃×100
0時間の長期熱風試験を行なった。評価については初期
成形品と滞留後成形品について、引張伸度(測定はAS
TM D−638に準拠)を測定し、下記式によりその
保持率を求めた。この値が大きいほど耐熱エージング性
に優れる。 保持率(%)=滞留成形品の引張伸度/初期成形品の引
張伸度×100
(条件)でエージング変色bL値(JIS Z−873
0)を測定した。この値が小さいほどエージング変色性
に優れる。
gと空気5Nリットル/hrをフィードし、230℃
(40℃から20℃/分の割合で230℃までに昇温さ
せる)で加熱した時に5%の重量減少に要する時間
(分)を測定した。この値が大きいほど熱安定性に優れ
る。
(2/1)10mlを加え、超音波処理を1時間行っ
た。その後、ろ紙を用いてろ過し、ろ液をイオンクロマ
トに注入し、カルシウムイオン含有量を定量した。 装 置:電気伝導度検出器 waters 431 カラム:Shim−pack IC−Cl (150mm × 5.0mm) 注入量:100μL
(2/1)10mlを加え、超音波処理を1時間行っ
た。その後、ろ紙を用いてろ過し、ろ液をイオンクロマ
トに注入し、カルシウムイオン含有量を定量した。 装 置:電気伝導度検出器 WATERS 431 カラム:WATERS IC−PACK Anion
HR (75mm × 4.6mm) 注入量:100μL
記号は次の化合物を示す。 H−1;1−〔2−〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−
4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ〕エチ
ル〕−4−〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒド
ロキシフェニル)プロピオニルオキシ〕−2,2,6,
6−テトラメチルピペリジン〔商品名:サノールLS−
2626(三共株式会社製)〕 H−2;8−アセチル−3−ドデシル−7,7,9,9
−テトラメチル−1,3,8−トリアザスピロ〔4,
5〕デカン−2,4−ジオン〔商品名;サノールLS−
440(三共株式会社製)〕 H−3;ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピ
ペリジル)セバケート〔商品名;アデカスタブLA−7
7(旭電化工業株式会社製)〕 H−4;2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジ
ノールとトリデシルアルコールと1,2,3,4−ブタ
ンテトラカルボン酸との縮合物(構造式を下記に記す)
系酸化防止剤テトラキス−(メチレン−3−(3′,
5′−ジ−t−ブチル−4′−ヒドロキシフェニル)プ
ロピオネートメタン100ppmを含有する1,3ジオ
キソラン3.7重量%とをフッ化ホウ素ブチルエーテル
コンプレックスを触媒として用いて共重合させ粗オキシ
メチレン共重合体を得た。これにトリエチルアミンを加
え反応を停止させ、重合体を分離した。次いでこの重合
体にトリエチルアミン−水の混合物を加えて加水分解処
理を行ない分子末端の安定化処理を行ない、MI=9.
9(g/10分)、ホルムアルデヒドガス発生量が12
00ppmのポリオキシメチレンを製造した。
1表に示したヒンダードアミン系光安定剤と第1表に示
したカルシウムイオン量、クロルイオン量を含有する脂
肪族カルボン酸カルシウム塩を第1表に示す添加量で添
加し、さらにヒンダートフェノール系酸化防止剤とし
て、トリエチレングリコール−ビス(3−(3−t−ブ
チル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオ
ネート)0.3重量部、ホルムアルデヒドと反応しうる
含窒素化合物としてナイロン−66 0.05重量部を
添加して、ヘンシェルミキサーにより、均質に混合し
た。次いでこの混合物を50φ押出機に通し、溶融混練
し、ダイヘッドからストランドとして得た。得られたス
トランドはただちに切断しペレットとし、ポリアセター
ル樹脂組成物を製造した。得られたポリアセタール樹脂
組成物を乾燥後、各特性の評価を実施し、その結果を第
1表に示した。
たホルムアルデヒドガス発生量が1200ppmのポリ
オキシメチレンをさらに溶融状態で、混練工程及び脱気
工程を有する2軸スクリュー押出機に水−トリエチルア
ミンの混合物と共に連続的に供給し、揮発成分の除去を
行ないホルムアルデヒドガス発生量が410ppmのポ
リオキシメチレンを調整した。このポリオキシメチレン
100重量部に第2表に示したヒンダードアミン系光安
定剤と第2表に示したカルシウムイオン量、クロルイオ
ン量を含有する脂肪族カルボン酸カルウシム塩を第2表
に示した添加量で添加し、さらに実施例1〜6で用いた
ヒンダードフェノール系酸化防止剤とホルムアルデヒド
と反応しうる含窒素化合物を実施例1〜4と同じ添加量
で添加してポリアセタール樹脂組成物を製造し、各特性
の評価を行なった。その結果を第1表に示した。
化防止剤であるテトラキス−(メチレン−3−(3′,
5′−ジ−t−ブチル−4′−ヒドロキシフェニル)プ
ロピオネート)メタン100ppmを含有する1,4ブ
タンジオールホルマール5重量%とをフッ化ホウ素ブチ
ルエーテルコンプレックスを触媒として用いて共重合さ
せ、粗オキシメチレン共重合体を得た。これにトリエチ
ルアミンを加え反応を停止させ重合体を分離した。この
粗オキシメチレン共重合体にヒンダードフェノール系酸
化防止剤であるテトラキス(メチレン−3−(3′,
5′−ジ−t−ブチル−4′−ヒドロキシフェニル)プ
ロピオネート)メタン0.3重量部を添加混合し、次い
でトリエチルアミン−水の混合物を加えて加水分解処理
を行ない分子末端の安定化処理を行なった。この重合体
を更に溶融状態で、混練工程及び脱気工程を有する2軸
スクリュー押出機に、水−トリエチルアミンの混合物と
共に連続的に供給し、揮発成分の除去を行ないMI=1
1g/10分、ホルムアルデヒドガス発生量が280p
pmポリオキシメチレンを調整した。
2表に示したヒンダードアミン系光安定剤と第2表に示
したカルシウムイオン量、クロルイオン量を含有する脂
肪族カルボン酸カルシウム塩を第2表に示す添加量で添
加し、さらにナイロン66を0.05重量部を添加して
実施例1〜6と同様な操作を行ないポリアセタール樹脂
組成物を製造した。このポリアセタール樹脂組成物の各
特性の評価結果を第2表に示した。
に示したヒンダードアミン系光安定剤と第2表に示した
カルシウムイオン量、クロルイオン量を含有する脂肪族
カルボン酸カルシウム塩を第2表に示す添加量で添加
し、さらにヒンダードフェノール系酸化防止剤として、
3,9−ビス(2−(3−(3−t−ブチル−4−ヒド
ロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ)−
1,1−ジメチルエチル)2,4,8,10−テトラオ
キサスピロ(5.5)ウンデカン0.3重量部、ポリ−
βアラニン0.05重量部を添加し、実施例7〜13と
同様な操作を行ないポリアセタール樹脂組成物を製造
し、各特性の評価を行なった。その結果を第2表に示し
た。
ダードアミン系光安定剤と第2表に示したカルシウムイ
オン量、クロルイオン量を含有する脂肪族カルボン酸カ
ルシウム塩を第2表に示した添加量で添加した以外は全
て実施例7〜13と同じ操作を行ないポリアセタール樹
脂組成物を製造し各特性の評価を行なった。その結果を
第2表に示した。
量、及び第3表に示したカルシウムイオン量、クロルイ
オン量を含有する脂肪族カルボン酸カルシウム塩とその
添加量以外は全て実施例5〜11と同様な操作を行ない
ポリアセタール樹脂組成物を製造し、各特性の評価を行
なった。その結果を第3表に示した。
のことがわかる。 いずれの実施例においても本発明
のポリアセタール樹脂組成物は成形加工時における熱安
定性とモールドデポジットの発生量においても優れた効
果を有している。又耐熱エージング性、エージング変色
性においても優れていた。 比較例1、2はヒンダー
ドアミン系光安定剤が添加されていないために、あるい
は添加量が過少であるために熱安定性が著しく低下し、
モールドデポジットの発生量も著しく増加した。 比
較例3はヒンダードアミン系光安定剤の添加量が過多で
あるためモールドデポジットの発生量が増加した。又エ
ージング変色性も不良となった。
シウム塩が添加されていないために、あるいはその添加
量が過少であるためにモールドデポジットの発生量も増
加した。又耐熱エージング性も低下した。 比較例6
〜7は脂肪族カルボン酸カルシウム塩の添加量が過多で
あるために熱安定性が低下し、モールドデポジットの発
生量が著しく増加した。又エージング変色性も悪化し
た。
ム塩中のカルシウムイオン量が過多であったためにエー
ジング変色性が低下し、モールドデポジットの発生も増
加した。 比較例9、10は脂肪カルボン酸カルシウ
ム塩中のクロルイオン量が過多であるために熱安定性が
低下し、モールドデポジットの発生も増加した。
従来のポリアセタール樹脂に比較して、耐熱エージング
性、エージング変色性に優れ、加工時の熱安定性が高く
又金型表面に付着するモールドデポジットが極めて少な
いため、作業環境が大幅に改善されると同時に長時間の
連続成形が可能となり、同時に生産性の向上に大きく寄
与し、自動車用途等の耐熱エージング性が要求される分
野に好適な材料としてのポリアセタール樹脂組成物を提
供できる。
Claims (6)
- 【請求項1】 ポリオキシメチレン100重量部に対し
て (A)ヒンダードアミン系光安定剤0.03〜2重量部
と (B)カルシウムイオン含有量が1〜50ppmであ
り、且つクロルイオン含有量が10〜100ppmの脂
肪族カルボン酸カルシウム塩0.01〜1.0重量部と
を添加してなるモールドデポジットの改良されたポリア
セタール樹脂組成物。 - 【請求項2】 ポリオキシメチレンが窒素気流下で23
0℃、60分間加熱した場合のホルムアルデヒドガス発
生量が500ppm以下である請求項1記載のポリアセ
タール樹脂組成物。 - 【請求項3】 ヒンダードフェノール系酸化防止剤0.
01〜2重量部を添加してなる請求項1又は2に記載の
ポリアセタール樹脂組成物。 - 【請求項4】 ナイロン66及び/又はポリ−βアラニ
ン0.01〜2重量部を添加してなる請求項1〜3のい
ずれかに記載のポリアセタール樹脂組成物。 - 【請求項5】 ヒンダードアミン系光安定剤が、1−
[2−〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキ
シフェニル)プロピオニルオキシ〕エチル]−4−〔3
−(3,5−ジ−t−ブチル−ヒドロキシフェニル)プ
ロピオニルオキシ〕−2,2,6,6−テトラメチルピ
ペリジン、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−
ピペリジル)セバケート、2,2,6,6−テトラメチ
ル−4−ピペリジノールとトリデシルアルコールと1,
2,3,4−ブタンテトラカルボン酸との縮合物、8−
アセチル−3−ドデシル−7,7,9,9−テトラメチ
ル−1,3,8−トリアザスピロ〔4,5〕デカン−
2,4−ジオンである請求項1に記載のポリアセタール
樹脂組成物。 - 【請求項6】 ヒンダードフェノール系酸化防止剤が、
トリエチレングリコール−ビス(3−(3−t−ブチル
−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネー
ト)、テトラキス−(メチレン−3−(3′,5′−ジ
−t−ブチル−4′−ヒドロキシフェニル)プロピオネ
ート)メタン、3,9−ビス(2−(3−(3−t−ブ
チル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオ
ニルオキシ)−1,1−ジメチルエチル)2,4,8,
10−テトラオキサスピロ(5,5)ウンデカンである
請求項3に記載のポリアセタール樹脂組成物。
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JP06286156A JP3110959B2 (ja) | 1994-10-27 | 1994-10-27 | モールドデポジットの改良されたポリアセタール樹脂組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP06286156A JP3110959B2 (ja) | 1994-10-27 | 1994-10-27 | モールドデポジットの改良されたポリアセタール樹脂組成物 |
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JP06286156A Expired - Lifetime JP3110959B2 (ja) | 1994-10-27 | 1994-10-27 | モールドデポジットの改良されたポリアセタール樹脂組成物 |
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1994
- 1994-10-27 JP JP06286156A patent/JP3110959B2/ja not_active Expired - Lifetime
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